【ss】新解釈　リバースト

オマエノ理想ハナンダ

「俺の夢は父ちゃんみたいになることだ！」


「伝説の職業 アルカデス。父ちゃんはアルカデスとして多くの人を助けてきた。俺も多くの人を助けたい」


「俺に力を分けてくれ。ゼクロム！」

オモシロイ。オマエニスコシチカラヲワケテヤロウ

「ありがとう。行くぜ！」



なったのね……
ゼクロムに！！！

ヤッピー「どうだイ。ワイのとっておきの作戦ダスよ」

ラグ「ただの不意打ちじゃないʅ(　´_ゝ`)ʃ」

リョウガ「やっぱこんな手使うんじゃなかった。というか、もっとマシな作戦にしろよ！」

ヤッピー「ワイの思いつくものはこれぐらいなんだゲス！」


サギト「フロード。昔とは違うぞ」

フロード「なぬ」

サギト「昔は司令塔の我も戦闘のガリュウも卑怯な手なんて使うことはできなかった。そのせいで卑怯な手を存分に使って我々を追い詰めてきたな。卑怯な手を使えない我々を利用してどんな手でも追い詰めガリュウを殺した」

フロード「それで……」

サギト「もう昔の我らとは違う。どんな手を使ってでも勝ちに行くぞ。貴様がどんな手を使おうと今のリョウガには無駄だ」


サギト「我々には…………」

サギト「仲間がいるっ！」

ミルト「一撃で決めるわよ」
ハリル「決めてやれ」
ヤッピー「トドメするでゲス」
キャロラ「アンタらならやれる」
ラグ「やっちゃえ（σ・∀・）σ」

リョウガ「お前を倒す！！」

フロード「私は倒れぬ」

フロードの周りに小さな小さな雷雲が漂っていく。無数の雷雲がフロードを睨む。

リョウガ「最後は……この大技で」

フロードの四方八方にある雷雲から放たれる細かやかな雷。それらがフロード狙って乱発される。


リョウガ「喰らえっ！」

リョウガ「雷の散弾《ライ・パレット》！！！」

小さな雷雲から放たれる雷は止むことを知らない。
終わらない雷の攻撃がフロードを襲っていく。
フロードがリョウガを見た。

そこにはガリュウの姿とカルタの姿が重なっていた。

リョウガ「た、お、れ、ろぉ！！！！！」

フロード「私はここで負けてしまうのかぁ！　アルカデスにはなれないのかぁ！」

フロードはバースト化から解除された。
それはフロードの負けを示していた。

リョウガ「やった。勝ったぜ。最後は……。カルタ。今までありがとな。楽しかったぜ」

フロードは敗走して逃げていく。
その方向はアルカデスになるための場所への方向とは真逆の聖地の出入口の方向であった。

リョウガはバースト解除した。

ミルト「何とかやったね」

サギト「防げた。最悪の結果を」

リョウガ「ああ」

だが──

バスタブが浮いている。その中にフロードが浸っていた。
バスタブの底についた噴射機器が四つ。そこから放たれるジェットがバスタブを浮かせているのだ。
ボオオオオという音が響いた。

「何だアレ……」

フロード「はーはっはっ。見て分からぬか。噴射口から放たれるジェットで飛ぶことも可能になったバスタブだ。名をジェットバスと言う。ジェットバスも知らないとはなぁ」

ミルト「ジェットバス……いや、何か違うでしょ」

フロード「貴様らは強い……。いいや違うな、レシラムが弱いだけ」

フロードはレシラムのバーストハートを高いところから捨てた。

リョウガ「ローリングキャッチ！　ふう、危なかった」

フロードは風呂に足を伸ばしながら、下にいるリョウガらを見下ろす。

フロード「戦いでの勝ち負けとはまた違う次元。これはようはアルカデスになるための場所にいち早くつけるかだ。それを見落としていた貴様らの負けだ」

足を高く伸ばした。
裸足が美しくばえる。フロードの裸体が輝かしくピキっている。

管理に「まずいですー」

フロード「では、さらばだ。次会う時は私はアルカデスになっているだろうな」

噴射口が横を向く。
向いた方向とは真逆の方向へと空を飛んでいった。
空飛ぶバスタブはフロードをアルカデスになるための神聖な場所へと連れていった。

管理人「アルカデスになるためには神聖な王座へと行かなければなりません。ここで何とか防げたとしても先に触れられると困るのですー」


管理人「本当は試練を突破して、試練の間からそのままそこへと行くのですがー、ここへと追い返されたせいでそれは失敗ですー。そして、フロードはそのままそこへと向かいましたー。アルカデスになるのも時間の問題ですー」

サギト「追うぞ……」

ラグ「ラグ達は置いていって。はやくいって＼(・Д・)／」

リョウガ「分かった」

サギト「奴はバーストハートを持っていないはずだ。後は単なる早い者勝ち競走だ」

リョウガは走った。
しかし、間に合わなかった。

フロード「これで私がアルカデスになったのだ」

リョウガ「くそっ、間に合わなかった」

管理人「……フロードが、聖なる地から出たようですー」

リョウガ「一旦、仲間の所へ合流しよう……」

……………………


管理人「念波をキャッチしましたですー。フロードは永遠の塔に向かってるですー」

サギト「永遠の塔……か。あそこの最上階からなら全ての町や村とはいかないが多くは見下ろせるだろう。もしやと思うが……」

ヤッピー「永遠の塔の付近に森があるゲスよ。そこで回復の木の実を集めてくるダス。それから決戦を挑むべきダス」

サギト「苦肉だが、回復を優先した方がいいな。急いで戦いを挑めば凄まじい被害を被ることとなる。回復中に多少の被害が出ていたとしてもな」

リョウガ「……アルカデスになれなかったよりも、カルタが死んだことの方がずっとこたえるよな。それに、さらに何も知らない人がポケモンが死んでいくと思うと……」


ミルト「止めるよ……絶対に」


リョウガ「ああ。もちろんだ」

永遠の塔

ポリーヌ「不思議発見チャララララーン。さあ、私は今東の最果てにあると言われる永遠の塔に来ております。さあ、そこから見下ろす景色を見てください。こんなにも沢山の町や村を見下ろせます！」

カメラマン「？」

そこに現れる一人の裸体。

フロード「今はなんの番組かね。それもすぐに中継に変わってしまうけど」

ポリーヌ「撮影を止めやがって……。何しにきたの。フロード」

フロード「撮影を止めて悪かった。代わりに、良いネタを差し上げよう。これから同時多発爆発が起きる。そして、それはアルカデス──世界の王の即位と新政策の始まりを意味する」

ポリーヌ「なんの事？」

フロード「すぐに分かる。見下ろして見ろ。ちっぽけな人間の集落を」


町から村から爆発が起きる。
混乱する町村がすぐに想像できた。

人々は混乱に包まれた。

ポリーヌ「こちら永遠の塔で撮影をしていたポリーヌです。見てください。ここから見下ろせる全ての町や村から爆発が起き、大変なことになっております」

急いでカメラが回される。

フロード「カメラよ。私を映せ！」

フロードはカメラマンの元へいき、カメラを無理やり動かそうとする。カメラマンは抵抗しカメラの撮影部分はフロードの股間のアソコ部分をピンポイントで映した。

フロード「まあ良い。聞け。人間どもよ」

フロードは顔を映すことを諦め、その位置に固定した。
モザイクがかかるべき所にモザイクがかからない。
まさに生放送での撮影事故が発生している。

フロード「私はフロード。世界の王。アルカデスになったものだ。アルカデスは平和のために動く全ての人間とポケモンの頂点の存在なのだ」

フロード「私は平和のために今までの生活を全て変える。私のルールに変える」

フロード「何故、人間は争う？　争わないようにしないためにはどうすればいい？　私は思う。王が実力で争いを禁止すれば良いのだ。これから喧嘩を初めとした争い事を起こした者を死刑とする。安心しろ。今の私は全てのポケモンにバースト化できる。その力で全ての町や村、プライバシーな空間まで覗くことなど些細なこと」


フロード「さらには、統制のなさが争いを生むと思う。だから、私が命令したことに逆らったら死刑だ。私が偉い。それだけでいいんだ。私による恐怖支配こそが世の中を《争いのない》という平和にするのだ」


フロード「それともう一つ、人々は本心を出すことが出来ない生き物だ。思いを募らせてしまうがために我慢の限界を向かえて思いが爆散する。それが危険な行動に走らせる。元より本心を露にできればいいのだ」


フロード「何故人間は本心を露にできないのか。それは人間は服を着ているからだ。服で自分のことを隠す。それが意図せずして本心を隠すように仕向けていく。服がなければ人々は本心を出せる。心を裸にできるのだ。服さえなければ良い」


フロード「そこで、私が王になった暁に、公共で服を着るのを禁止する。皆裸体でいい。それこそが人間を正直にする方法なのだ」


フロード「これから私が王だ。その祝杯としてもう一度爆発を送る。まあ、最初から仕込んでいた爆弾だかな。さあいくぞ。アルカデス就任……フロード王誕生に万歳！」

フロード「フロード！　破っ！！」

町村に再び爆発が起こった。


ポリーヌ「駄目だ。こんなの撮影しちゃ駄目だ。こんなの、こんなの、世の中に絶望しか伝えられない」

画面にズームアップされて映し出される何か

「What…?」
「ん…？？」
「그게 무슨?」

人々は戸惑いを露わにしていた

徐々にカメラがズームアウトしていく

「wtf」
「Noooooooo!!!!」
「OMG」


フロード「──」


二発目の爆発が襲った。

「駄目だ。もうこの世は終わりだ」

「市長、アルカデスってなんですか？」

「彼の言う通り、太古の人間の作り出した……人間とポケモンの上に立つ世界の王。圧倒的な力を前に我々は屈するしかない」

「そ、そんな……」


「絶望だ！！！」

テレビはどのチャンネルにしても全てポリーヌの生放送が映される。
町の画面も黒ずんだ何かのみが映される。

人々は皆、その黒い何かに目をこらす。

画面はずっとそれが全面を支配する。
フロードの声が人々に絶望を与えていった。


「もう、終わりよ」
「裸を強要するなんて」

「逆らうとし、死刑だと！？」
「む、無理だ」

「争いなんてなくせないじゃないか」
「争っちゃいけないって……どんなに酷いことされてもずっと我慢するしかないの！？」


あちこちから絶望の声が流れていった。

リョウガ「俺は万全。すっかり回復して元気だ」

ヤッピー「木の実集めは任せるダス」

サギト「シンボラー、助かるよ」


ミルト「リョウガは先に行って。私達は後から追うわ」

リョウガ「…………分かった」

ハリル「任せたぞ」

キャロラ「きっと勝てると思ってるわ」

ラグ「勝ってきなさいよね(ΦωΦ)」

サギト「任せたぞ。リョウガ」


リョウガ「任せろ！」

・リョウガ
ゼクロムバースト

リョウガは黒い翼で永遠の塔の最上階へと向かった。

永遠の塔　最上階

フロード「はーはっはっはっ。見たか。人間は皆、私には逆らえぬのだ」

リョウガ「待て。そんなことさせない。お前の手で命を奪わせない」

フロード「やはり追ってきたか。だがもう手遅れだ。何名かは死んだ。それに、今ここで貴様も死ぬ」

リョウガ「俺はお前に勝って、アルカデスの乱用を防ぐ」

フロード「私はアルカデス。全てのポケモンを扱える。負ける時は全てのポケモンが敗れた時のみ。百対一 君じゃどんなに頑張っても勝てない」

リョウガ「いや、何としてでも勝ってやる」

フロード「鼠は煩いな」


フロード「ゴルーグバースト…………。な、何っ、バーストできないだとっ！？」

リョウガ「か、感じるぞ。ゴルーグっ。ありがとな。ゴルーグ。俺と戦いたくなくてバースト化させなかったのか。ありがとな。助かるよ」

フロード「ちっ、使えないゴルーグめ。次はセブライカだ。これも変身できないだと」

リョウガ「ゼブライカもありがとう！」

フロード「ならダイケンキ……も無理なのか」

リョウガ「ありがとー。マイフレンドっ！」

フロード「サザンドラ」
リョウガ「ありがと」

フロード「コバルオン」
リョウガ「助かるよ」

フロード「ドレディア」
リョウガ「ありがと。また遊ぼうな、ドレディア」


フロード「ぬぁあああ」

フロードはポケモンにバーストしようとするが、変身しようとしたポケモンに拒絶されバーストできない。
リョウガは拒絶したポケモン一匹一匹に言葉をかけていく。

それが何度も何度も繰り返される。


フロード「な、何故だ。何故バーストできん」

リョウガ「みんな俺の友達だ。ベストフレンドなんだ」

フロード「なら、レシラムだ」

レシラム「フロードよ。一つ、真実を告げよう」

リョウガ「あっ、レシラムの声だ」


レシラム「貴様はアルカデスになるために受けるべき試練を受けずにアルカデスになった。一方でリョウガはその試練を受けた」

フロード「その事実がどうした？」

レシラム「ポケモンは皆リョウガに心を開き、貴様には心を閉ざした。それに、レシラムは貴様に捨てられたのだ。味方などしない。全てのポケモンに見捨てられ……貴様は敗北する」


フロード「嘘、嘘だぁ！」


リョウガ「もう、いいか？」

フロード「ま、まーだだよ」

管理人「全てはー、試練を受けたか受けなかったかが肝となったみたいですー。もし受けたとしても今のあなたなら三闘将には認められず永遠に試練から抜けられないと思いますけどねー」


フロード「く、くそぉ！」


サギト「終わりだな、フロード。お前はアルカデスの器じゃない」

ハリル「村を滅ぼした、その仇。今にでも討ち取れそうだな。目の前の仇が隅に追いやられた小動物に見える」

続々とリョウガの仲間が合流していった。

フロード「ポケモンが駄目なら兵器だ。人間の科学力で世界を、支配する。こい！」

永遠の塔の最上階まで飛んできた一台のバスタブ。
フロードはバスタブの中に入り込んだ。

フロード「これは我の開発した最強の兵器。バスタブの殺戮兵器だ。バスタブはジェットで飛び、さらに内側に仕込まれた機関銃で連射し、内蔵するミサイルで砲撃する」

リョウガ「なんちゅうバスタブだ」

空を自由に移動しながらミサイルや機関銃を放ってくるバスタブ。リョウガは技を放って応戦するがフロードの方に分があった。

リョウガ「強ぇな。バスタブさえ倒せば……きっと平和がやってくる」

ポリーヌ「希望が見えてきました。バスタブを倒せば、フロードの支配は終わるかもしれません」

バスタブが縦横無尽に駆け巡る。

リョウガも飛ぶ。
リョウガとバスタブによる空中戦が行われていく。

雷を纏う攻撃も諸共しないバスタブ。特殊なバリアが張ってあるようだ。
リョウガの体とバスタブがぶつかり合いながら空を縦横無尽に駆け回る。

リョウガヨ、トッテオキノワザガアル

リョウガ「そうか、ゼクロムっ。それで終わらすぞ。一撃で決める」

タダシ

リョウガ「！？」

ヒトツキキタイコトガアル。ソノコタエニヨッテハトッテオキハツカワナイ

リョウガ「なんだ質問って」

オマエノリソウハナンダ

リョウガ「俺の今の理想はっ！　大切な人を守れる人になりたい。どんな敵が来ても、仲間も家族も失わないくらい、全てを護れる強い男になりたい！！」

シンプルデイイナ、イイダロウ

リョウガ「ああ。何するんだ」

テヲテンニカザセ

リョウガは手を空にかざした。
手に集まっていく強大な雷。

バスタブは少し距離を置く。
バスタブの内部から現れた砲台。そこにエネルギーが溜められていく。

フロード「見せてやる。これがバスタブの本気だ。町や村も容易く滅ぼせるレーザーだ」


リョウガ「ゼクロム。助かるぜ。この大技、借りるぜ」

リョウガの手には強大で巨大な雷の弾が出来上がっていた。

リョウガ「これがポケモンと人間の絆だ」

フロード「ポケモンなぞ雑魚。人間こそが全て。これが人間様の最先端技術だ」


リョウガ「ゼクロムの雷」

フロード「バスタブレーザーキャノン！！」


雷の弾とレーザーキャノンが衝突した。
凄まじい衝撃波を繰り出しながら二つは大きな爆発を生もうとしていた。


フロード「しまった。バスタブの機体が大きく揺れる」

リョウガ「しまった。この衝撃をうけたら……」


空で起きる大爆発。
その爆発をポリーヌは実況し、カメラはそれを映していた。

リョウガもフロードを乗せたフロードも地面に向かって落下した。
強い衝撃波が分厚い雲を吹き飛ばし、水色の空が広がった。
暖かい光が塔に射し込んだ。

ミルト「リョウガぁ！！」


サギト「落ちた方へ行くぞ！」


ポリーヌ「フロードと少年リョウガとの勝負はどうなったのでしょうか…………」

…………

リョウガ「勝手にバースト解除しちまった。体が動かねぇ」

ミルト「リョウガぁ！！」

リョウガ「ミルトか……。眠気がやべぇ。どうしよ」

ミルト「えっ」

リョウガは寝てしまった。

リョウガが目を覚ましたのは二日後だった。
リョウガは永遠の塔に近い町の病院で目を覚ました。

ミルト「良かったぁ」

リョウガ「？　そうだ。フロードは？」

ミルト「フロードは、死んだわ。墜落死だったみたい。ごめん、ちょっとみんな呼んでくる」


ラグ「良かった。生きてて良かったぁ(´இ﹏இ｀)」

サギト「よくぞ、無事生きて帰ってきた」

ヤッピー「勝ったでヤンスね！」

ハリル「ふっ。俺は死ぬことはないと思ってたけどな」

キャロラ「ふふふ」

ミルト「」

リョウガ「…………」

輝かしく映る仲間の嬉しそうな顔。
その顔がリョウガ自身にも幸せを届けられていく。

サギト「いい話と悪い話がある。まずフロードには勝った。バスタブが墜落しフロードは亡くなった。悪い話としては、アルカデスの宝玉がまたばらまかれた。アルカデスになるためにはまた旅をしないといけない」

リョウガ「そっか」

ミルト「また、旅でもするの？」

リョウガ「うーん、俺さ。アルカデスになるの急がなくていいって思ったんだ。アルカデスに近づいて思った。急いでなる必要はないって」


リョウガ「それにやりたいことができたんだ。俺、試練の間でそこにいたポケモンと仲良くなったんだ。けど、みんな石に閉じ込められている。そこでさ、ポケモンが自由に石とこことを出入りできるようにしたいんだ」

ミルト「へぇ、いい夢ね」

リョウガ「人間もポケモンもみんなが手を取り合える世界を作りたい。アルカデスになったらそんな世界を作ってみたい。だけどさ、その前に石に閉じ込められたポケモンを解放することをしなきゃならねぇと思うんだ」


リョウガ「遠回りだとは思ってる。けどさ、急いだせいで、そんな世界が作れなかったら意味がないと思うんだ。だから、俺はまずは石に閉じ込められたポケモンを解放する。アルカデスになるのはそれからだ」

ミルト「私達の旅は解散ね」

リョウガ「そうなるな。ごめんな、勝手に」

ミルト「いいのよ。みんな納得するわ。だって目的地までは着いた。そこで新しい視野ができただけの話だからね」


ミルト「またアルカデスは諦めてないんでしょ？」

リョウガ「もちろんだ」

ミルト「また旅をする時は私達を誘ってくれる？」


リョウガ「当たり前だろ」

町や村には日常が戻った。
「こちらポリーヌ。さあ今週も始まりました。不思議発見チャララララーン……」

フロードによる被害の痕は残ってはいるものの、その痕に引きづられることなく日常を歩んでいく。
フロードは着々と過去の人になっていき、さらには忘れ去られた存在に変わっていった。


リョウガ「みんなありがとな！」

ラグ「楽しかったよ(＾0＾)♡♡」

サギト「ああ、同意だ」

ヤッピー「もの寂しく感じるダスな」


リョウガ「お前らはこれからどうするんだ？」

ハリル「俺は二人で旅をする。次に戦う時はお前に負けないようにな」

キャロラ「そういや、私が旅をする理由、それはミルトは知ってたわね」

ミルト「あっ///」


ハリル「次会う時は戦おう。その時は俺が勝つ」

リョウガ「いや、勝つのは俺だ！」

フロード股間事件からもう何日か経った。
リョウガらはそれぞれ別の道を歩んでいった。他に出会った人達もそれぞれの道を歩んでいる。

ここでこの物語の登場人物のそれぞれ歩みを紹介していく。

新たな道を歩むもの今までの道を歩むもの
それは十人十色だ。

〇リョウガ

西の果てにある遺跡

リョウガ「なるほどな。これがポケモンを石にする時に使われた建物の成れ果てか」

「さあ、調査開始するぞ」

リョウガ「はい。入りましょう」


リョウガはバーストハート研究者となり、ポケモン研究所の一員となった。バーストハートに閉じ込められたポケモンを解放できるような装置を作るために研究を進める。現在はバーストハートに変えるために使われた装置があるとされる遺跡を調査している。

〇ミルト

ジェシカ「私は先にあがるわ」

ミルト「お疲れ様です。ジェシカ先輩」

ジェシカ「あんたもはやく記事仕上げちゃいなよ」


ミルトは某新聞会社に就職しジャーナリストの道を歩んでいった。旅で培った村や町などの土地勘的な知識を用いてそこそこに活躍している。


〇ヤッピー

ヤッピー「ははは。これが証拠でゲスよ」

依頼者「ありがとうございます。これが依頼料ですね」

ヤッピー(たんまりで……ゲス)


ヤッピーは探偵として不倫調査などを中心に活動。また、芸能人のスクープなどにも手を出しており、それなりに幅広く活動をして金を稼いでいる。

〇リョウガの母

リョウガ「ただいまー。久々に帰ったよ」

リョウガ母「あら、今日は飛びっきりのご馳走にしなきゃ。ねっ、ポカブ！」

ポカブ「カブ！」


〇マドロシティ町長

町長「今日も平和じゃのー」


〇山男

山男「ふう。レンドト山登頂！　綺麗だな、デンチュラ」

デンチュラ「チュラー」

〇ヒルグレイツ
〇ゼンガイ

ヒルグレイツ「おいおい、俺様を甘くみちゃいけねぇぜ。土木工事の天才だっちゅうの。特に岩を掘るのは任せろよ」

依頼者「よろしくお願いします」

ゼンガイ「あ、今回もォ、骨が折れそうだのォ〜」

ヒルグレイツもゼンガイも土木工事会社に入社し、仕事に明け暮れた。


〇ハリル
〇キャロラ

ハリル「ここで下宿するとするか。いいか」

キャロラ「うん」

ハリル「あれ、テントが二つ……ないぞ」

キャロラ「ねぇ、ハリル。アタシさ、テントは一つでいいと思うのよね。もうそんなに遠い関係じゃなくてさ……」

ハリル「えっ」

キャロラ「そうだね、伝えなきゃね。アタシ、ハリルのことが好きなの……」

ハリル「ふっ。お、俺も同じような思いでいなくもないぞ」

キャロラ「ほんと、素直じゃないんだから」

ハリルとキャロラは二人で旅をしていく。さらなる強さを手に入れるため、さらなる愛を手に入れるため二人は旅をしていく。一つテントの下で……夜は明けた。

〇ガントル
〇サギト

サギト「時間が過ぎるのは速いな……」

ガントル「のう、ちと体を動かさないといけないな」

サギト「そうだな、久々に勝負するか？」

ガントル「何年ぶりじゃのう。やり合いましょう」

サギト「久々の対人戦だ。全力で楽しもう」


ガントルとサギトは邂逅の森の中にある残りの余生を過ごしていく。若き日を思い出しながら……ゆっくりとけれどもはやく流れる日々を楽しんでいく。

〇元々アギルダーを持ってた人

「やっぱりバーストハートない方が幸せになれたな。何が幸せかはやっぱり分からないもんだな」


〇ドスン
〇ポフ
〇オルス

ドスン「負けるな！」

ポフ「やっぱり分が悪いわね」

オルス「今回のバーストハート大会は俺が勝つ！　やはり、バースト戦士の戦いは最高だな」


〇シン
〇ルリマリ

永遠の塔 最上階

シン「素晴らしい景色だ」

ルリマリ「ええ」

シン「俺はバーストハートを捨てて良かったと思う。きっとバースト戦士として戦ってたら、戦いとお金に明け暮れて……大切な人、ルリマリと一緒にこんな景色見れなかったからな」

ルリマリ「もう一つの選択肢が幸せかどうかは知らないけど、ルリマリにとってもこれが幸せよ」

透き通る世界を二人の瞳は共有していった。


バースト戦士として戦うもの、バースト戦士を止めて日常に戻るもの。どちらか幸せなのかは分からない。きっと本人も知らない。幸せはなんだろうか──

〇カルタ
〇カルタ母

天国

カルタ「輪廻転生行ってくる」

カルタ母「何に転生するか決めたの？　人間？　ポケモン？　それとも……。人間なら男の子？　女の子？」

カルタ「俺は──」


〇フロード
〇アム

地獄

閻魔「さあ、働け働けぇ。血の海、炎の海を泳げぇ」

アム「フロード様、なんで僕はこんなことさせられてるんでしょうか」

フロード「分からないな」

閻魔「それは悪いことをしたからだ」

アム「ポケモンを殺して、女の尻や胸触りまくって、少し法を侵して……何が悪いんでしょうか」

閻魔「悪いことしかないじゃねぇか」

フロード「この世を全裸な世界にしようとするのが何が悪いのだろうか」

閻魔「その方法が悪いんだよ、お前は」


天国にいるもの、地獄にいるもの。
どちらかに飛ばされたのか。それは現世にいるもの達には分からない。天国にいるものは現世の人を見守り、地獄にいるものは侵した罪を償っていた。

〇ラグ
〇ガング

ラグ「さぁ〜みんなー。世界のアイドル ラグちゃんだよぉ〜° ♡:.(っ＞ω＜c).:♡ °」

ファン「(喝采)o(｡'▽'｡)o」

ラグ「さあ、一曲目いっくよ〜」

ガング「ラグちゃん親衛隊 気合い入れるです(٩・ω・و)」

オタク「ファイっ٩(´･ω･`)و」

ラグの歌が流れ、ガング率いるオタク集団がオタゲーを魅せる。


ラグはアイドルとなり、町を巡りながらファンや人々を元気付けている。その活動を応援するコアなファン ラグちゃん親衛隊。そのリーダーをガングが率いている。今日もまたラグは多くの人の顔を笑顔にしている。

〇ダンケ

ダンケ「次の大会のために鍛える！　もっともっと鍛える。次こそ優勝だ」

ナゲキ「ナゲーっと」


〇ロビー

警察「おい、ロビー」

ロビー「…………」

警察「またあれか、どうせ前科持ちの私がこんな仕事続けていいのかなってとこか？　気にすんな。お前に罪はない。全部フロードが悪くお前らはただその駒として動かされただけ、全てそう処理されてんだ。気にする事はねぇよ」


ロビーは警察官となった。心の底にある善意と真面目さを活かして今日も見張りをし取り締まる。


〇ポリーヌ

ポリーヌ「今日も始まりました〜」

ポリーヌは変わらずキャスターとして様々なニュース番組に登場したりしていた。

十年後──

バーストハート。
それは閉じ込められたポケモンの力を借りて人間をバースト戦士に変える石である。
そして、昨日。その石に閉じ込められたポケモンを解放する方法が発見された。発見したのはリョウガ博士であった。
彼は記者に対してこう言った。
「ようやく達成した。また俺は旅に出る。最愛なる仲間達よ、また一緒に旅をしないか」──と。


「え？　あの有名なジャーナリストがジャーナリスト辞めるって？」
「あれだって、リョウガ博士が旅に出るっていってたでしょ。その旅に同行するみたいよ」


「いかないで下さい。裏社会の金銭王が辞められると……」

？？？「すまんでヤ。金のためなら何でもしてきたが……今から行うのは金じゃ変えられないことでゲス。仲間が呼んでるダス。後は任せるヤンスよ」


「え！？　あの伝説のアイドルが卒業！？　それもリョウガ博士の旅に同行！？」
「すごいよね、あのリョウガ博士に、有名ジャーナリスト、闇金王、伝説アイドル、もはや伝説級の人間の大名行列じゃないかしら」

リョウガ「おっ、久しぶりだなー」

ミルト「よっ。何年ぶり？」

ヤッピー「十年もたってるヤンスね」

リョウガ「おーっ、男前になったなー。ヤッピー」

ミルト「リョウガもよ」


ハリル「懐かしい面々だな」

キャロラ「ふふふ」


ラグ「みんな集まってるわね＼＼\\٩( 'ω' )و //／／」

サギト「懐かしいような最近のような、不思議な感覚だ」

リョウガ(久しぶりのバーストだな。ゼクロム)モンスターボールを見ながらリョウガは思う。


リョウガ「再びバーストする機会……リバーストする時を待ちわびていたよ」


リョウガ「それに、また会えることが何とも嬉しいよ。行くよ。みんな。カルタも見ていてくれよな……」

ミルト「」
ヤッピー「」
ハリル「」
ラグ「」
キャロラ「」
サギト「」


リョウガ「さあ、アルカデスになるための旅へ行こう」


「おお！！！！！」

リョウガの旅が再び始まった──


【ss】新解釈 リバースト　完

お疲れ様でした
原作のリバーストの内容詳しくないけど
この作品は凄く楽しく読めた

>>391
ありがとうございます。
そう言って貰えて嬉しいです。