ルチア「私は…あなたのこと…知らないの！」

 この出来事は私がトップアイドルになる前の話。私はこの事件を忘れない。

ルチア「マネージャーさん！今日もお疲れ様ですっ！」

マネージャー「ルチアちゃんお疲れ様！気を付けて帰るのよ」

ルチア「マネージャーさんも気を付けてください！帰るよ〜チルット」

ちるちる〜♪

ーー帰り道ーー

ルチア「ふんふ〜ん♪今日も楽しかったねチルット！」

チルット「ちるっ！ちるっ！」

ルチア「ん？どうしたの？」

？？？「ハァ…ハァ…」

ルチア「あなた…誰…？」

？？？「やっと僕を認識してくれたの？嬉しいなぁ」

ルチア「やだ…来ないで…」

チルット「ちるちるっ！」

？？？「邪魔なんだよクソがよぉ！」

チルット「ちる〜…」

ルチア「危ないからボールにいて…」

？？？「へぇ賢い判断だね、それでどうするつもり？僕から逃げられると思うの？」

ルチア「あなた誰…？もしかしてストーカー？」

ストーカー「そうだけどぉ？ルチアちゃん…君のおうちに連れていってよぉ…」

ルチア「やだ来ないで！」

ストーカー「行くよ行くよ行っちゃうよ〜！たとえ火の中水の中どこへでも君と一緒ならね」

ルチア「やめて来ないで！」

ストーカー「僕は君の全てを知りたいんだ…さぁ教えてよ」

ルチア「私は…あなたのこと…知らないの！」

ストーカー「これから一緒にお互いのこと知ろうよ、ね？」

ルチア「嫌だ…誰か…助…けて」

ストーカー「怯えてるルッチーも可愛いねぇ」

ルチア「嫌…だ…」

マネージャー「あなたやめなさい！」

ストーカー「チッ！邪魔がはいったか！」

ルチア「マネージャーさん…ありがとうございます…」

マネージャー「怖かったわね、もう大丈夫よ」

ルチア「ぐすっ…私…とても怖くて…人生壊されるところだったの…」

マネージャー「あなたは一人じゃないわ安心して」

ルチア「ありがとう…ございます…」

マネージャー「ほら泣かないの」

 それから私はストーカーに怯えることもなく数年が経った。しかし人生は残酷である。私がある日、仕事から帰ると両親が亡くなっていた。家族もいなくなった私を支えてくれたのはマネージャーさんなのでした。

ーー数年後ーー

ルチア「みんな〜今日もルッチーのパフォーマンス見に来てくれてありがと〜」

チルタリス「ちるちる〜♪」

ファン1「ルッチー！今日も最高だよ！」

ファン2「俺ルッチーに出会えて良かった！」

ーー控え室ーー

マネージャー「ルチアちゃんお疲れ様！」

ルチア「ぷいっ！」

マネージャー「…はいはい、ルッチーお疲れ！」

ルチア「もぅ〜お姉ちゃんの意地悪〜」

マネージャー「甘えん坊さんね、ルッチー」

ルチア「マネージャーさんが私のお姉ちゃんになってくれた時はとっても嬉しかったんだからね！私の両親はもういないんだから…」

マネージャー「その話なんだけどねルチア…」

ルチア「何？」

マネージャー「あなたにおじさんがいたのね…私知らなかった」

ルチア「そうなの？」

マネージャー「ミクリさん！」

ミクリ「やあ！君がルチアちゃん？」

ルチア「そう…ですけど…」

ミクリ「君のお母さんの弟でね、陰ながら君を心配していたんだ」

ルチア「そうなんですか…」

ミクリ「突然だけど僕と住まないかい？」

ルチア「少し考えさせてください…」

マネージャー「どうしたの？いつもならすぐ決断するのに、例えばケーキとか」

ルチア「なんだか嫌な予感がするんです…」

ミクリ「エレガントじゃないなぁ…速く決めてくれよ」

マネージャー「ミクリさん…何か急いでませんか？」

ミクリ「いや別に？」

マネージャー「怪しいですね…」

ミクリ「だぁかぁらぁ僕は正真正銘ルチアのおじさんなんだよ！部外者は口を挟むんじゃねぇ！」

マネージャー「これ以上騒ぐと警察呼びますよ！」

ミクリ「呼びたきゃ呼べよ！俺様に逆らったらどうなるか思い知らせてやるよ！」

ルチア「ちょっ…やめてっ…」

マネージャー「あなた本当にルチアのおじさんなんですか？」

ミクリ「ごちゃごちゃうっせぇわ…少し黙ってろ！」

 私はこの時、目の前で起きた出来事が衝撃的でそれ以上のことは朧気であった。ただ言えることは、私のたった一人の家族同然の存在のマネージャーさんが、赤い液体を流して横たわっていたのだ。その後私はミクリおじさんに育てられることとなる。

ーー半年後ーー

ダイゴ「ウィッシュ！ミクリいい勝負だったよ！ただ以前の君と随分戦法が違うけど…気のせいかな？」

ミクリ「気のせいですよ…大誤算」

ダイゴ「そう…だよね…ところで君の姪、あのルチアちゃんなんだってね」

ミクリ「とっても可愛い姪でしょ？一緒に居られる事がとても幸せで幸せで…」

ミクリ(全ては君に認知されたあの日、僕は君の両親を消し去り、実際のミクリを消して成り代わったんだ。ルチアちゃんが本当のミクリと会ったことが無かった事で計画は順調かと思ったんだ。それをあのマネージャー…あのまま生かしておいたら僕があの時のストーカーだってバレる可能性があった。だから消したんだ。待っててね僕だけのルッチー。僕と君の存在を脅かすものは全て消し去ってあげるからね。)

ダイゴ「また今度勝負しようよミクリ君！」

ミクリ「えぇ…また今度…」

ミクリ(ダイゴ…あばよ！これで俺がチャンピオンだ！)

ﾊﾞﾝｯ!

完

感動しなかった

大誤算違いじゃねーか