【安全】サトシ「免許欲しい！」【推進】

サクラギ研究所
ゴウたちのお部屋


ゴウ「なんだよ、薮から棒に。免許ってなんの？」


サトシ「自動車の運転免許だよっ！　う、ん、て、ん、め、ん、きょ！」


ゴウ「自動車のぉ？　なんでまた急に」


サトシ「車運転できると便利だろう？　ほら、俺たちダンデさん居なきゃ車乗れないじゃんか」


サトシ「それにさっ、車運転できたら、もっと沢山のポケモンたちに会いに行けると思うし」


ゴウ「それはまぁ、一理あるケド………」


サトシ「なあ、頼むよゴウ。一緒に運転免許取りに行こうぜっ」


ゴウ「ええ〜っ………いきなりそんな事言われても」


ゴウ「免許の取得って、確か何ヶ月か掛かるんじゃなかったっけ？　そんな長期間教習所通うのもなぁ」


サトシ「そんなぁ…」

ケンゴ「いいんじゃないか、ゴウ」


ゴウ「ケンゴ、お前まで何を………」


ケンゴ「サトシの言う通り、車を運転できれば僕らだけでポケモンを探しに行けるのはもちろん」


ケンゴ「方向音痴のダンデさんに頼む必要も無くなるし」


ゴウ「そりゃ…そうだけどよ…」


ケンゴ「車の免許も持ってなきゃ就職もままならないこの時世。若いうちに取得しておくのは合理的だと思うけどな僕は」


ゴウ「うーん…」


サトシ「ほら、ゴウ。ケンゴもこう言ってるんだしさ」


サトシ「みんなで通えば、教習期間なんてあっという間だよっ」



ガチャ



ゴウ「あ、サクラギ所長」


サクラギ博士「廊下にまで声が漏れていたよ。三人とも、運転免許がほしいそうだね」


サトシ「はいっ　でもゴウは…」


ゴウ「いや、免許を取ること自体はいいんだけどよ…」


ゴウ「………サクラギ所長、手っ取り早く免許を取得する方法って無いんですか。何ヶ月も通い詰めになるってのは、ちょっと考えるというか」


サクラギ博士「ふふ、そんな君にぴったりの教習所があるんだ」


サクラギ博士「実は朝刊のチラシでこんなものが入っていてね。もし良かったらここを訪ねては如何だろう」


サトシ「なになに………合宿免許……？」

サクラギ博士「教習所合宿なら、最短二週間で済ませられる」


ゴウ「えっ　そんなに早く…？！」


ケンゴ「やったな、ゴウ。これならお前もケチの付けようが無いだろう？」


サトシ「なあゴウ、教習所合宿で免許取ろうぜ」


サトシ「みんなと寮生活なんて絶対楽しいって！」


ゴウ「まぁ、二週間だけなら………」


ゴウ「…いい、か」


サトシ「ホントかゴウ！　やったぜっ！」


ケンゴ「決まりだな、ゴウ！」

さすケン

当たり前のように馴染んでるケンゴ草

ハナダ自動車学校



ゴウ「ここが…」


サトシ「俺たちが通うことになる学校かあ」


ケンゴ「随分と寂れたところだね。大丈夫なのか、ここは」




キバナ「寂れたたぁ、言うじゃねえか。合宿教習所も場所を食うからなあ。都心部から離れた片田舎にあるのが相場だろうぜ」


サトシ「って、キバナさんっ！？」


ケンゴ「どうしてキバナさんがここに………それにその服装…」


キバナ「あん？　誰かと思えばサトシにゴウにケンゴじゃないかよ。ウチの教習所に入所したいって生徒、お前さんらだったとはなっ！　世間は狭いね、どうも」ﾊﾊｯ


ゴウ「ウチの教習所って………え、じゃあキバナさんが経営してんのかあっ？！」


キバナ「いんや、俺じゃあねえ。知り合いが新しく教習所立ち上げるってんで、その手伝いをしにな」


サトシ「手伝いってことは、もしかしてキバナさんが教官………？！」


キバナ「応とも。学科実技両方とも、俺が教鞭を執る。ビシバシ行くから覚悟しとけよお？」


ゴウ「は、はは…まさかの展開なんだけど………」


ケンゴ「人見知りのゴウには良かったじゃん」


ケンゴ(僕は美人女性教官が良かったけど)


キバナ「ま、立ち話もナンだ。中に入って入所手続き済ませちまおうぜ。施設案内から学習スケジュールの打ち合わせまで、やる事が山積みだからよっ」


サトシ「いよいよだな、ゴウ」


ゴウ「ああ、合宿なんていつ以来かな」


サトシ「俺、なんだかワクワクしてきたぜっ」