【SS】僕と炎とサンシャイン☆サマー

ヒノアラシ「僕の名前はヒノアラシ」

ヒノアラシ「みんなからはヒナシナシって呼ばれてるんだ」

ヒノアラシ「なんでそんなあだ名が付いてるのかって？」

ヒノアラシ「そりゃ、僕が炎を出せないからに決まってるじゃないか」

ヒノアラシ「それは、そんな僕のひと夏の思い出」

ヒノアラシ「今日こそ炎技を習得してやるぞ！」

ヒノアラシ「かえんほうしゃ！！」ﾋﾟｭｰｰ

タネボー「ヒナシナシがまたフーってしてらぁ」ｹｹｹ

カブルモ「オイオイ、炎ポケモンに近づいて煽ると火傷するぜ」ｸｸｸ

タネボー「炎吐けない炎ポケモンなんて怖くねぇよ」ｸﾊﾊﾊﾊ

カブルモ「こりゃ1本取られたな、燃やされることなけりゃ怖くねぇよなぁ」ﾊﾊﾊﾊﾊ

ビーダル「まあ炎技を使えたところで俺様に勝てるわけないんだけどなぁ」ｶﾞﾊﾊﾊﾊ

ヒノアラシ「(まーたなんか言ってるよ)」

ヒノアラシ「(無視して特訓の続きだ！)」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

ヒノアラシ「(アイツらも前は僕と仲良くしてくれてたんだけどなぁっと)」ﾀｯ.......ﾀﾞﾝｯﾀﾞｯ...ｽﾞﾙｯ

カブルモ「あいつ失敗してやがる」ｸﾊﾊﾊﾊ

タネボー「炎吐けないからってお前に肉弾戦は無理だろ」ｶｶｶｶｶ

ビーダル「おいおい、笑ってやんなよ」

ビーダル「こういう時はこうやって力の差を見せてあげるのが1番なんだよっと」ｽﾞｺﾞﾊﾞｰﾝ

ヒノアラシ「(悔しいけど凄い.......)」

ヒノアラシ「(あの岩を砕くなんてなんて馬鹿力だ.......)」

ビーダル「(テテテ.......やりすぎるもんじゃねぇなぁ)」

ビーダル「残念だがこれが現実ってもんだ」

ビーダル「お前みたいにひ弱で炎も使えねぇやつは一生農業して農家にでもなった方がいいぜ」ｶﾞﾊﾊﾊﾊ

ビーダル「お前んとこのきのみめちゃくちゃうめぇしな！」ｸﾞｯ

ヒノアラシ「お褒めに預かり光栄です」

ヒノアラシ「でもさ、僕にとって畑が生命線なの知ってる？」

ヒノアラシ「今だから言うけど、僕の大事な食料を持っていくのは辞めてよ！！」

ビーダル「いいじゃねぇか」ｹﾛｯ

タネボー「ビーダル兄貴はちゃんと取ったぶんの売値と同じ金額を置いて言ってるぞ！何が問題なんだよ！」

カブルモ「言ってみろよ」ｶｶｶｶｶ

ヒノアラシ「(そうだ.......こいつらは僕から盗みを働く時に律儀に売値分の金額を置いていくんだ.......)」

ヒノアラシ「でも僕にはそれがないと食っていけないんだよっ！」ﾋﾞｼｯ

ヒノアラシ「お金だって店売りの半額だから生きていけるギリギリの分しか買えないし.......」ｼｮﾎﾞｼｮﾎﾞ

ビーダル「え〜？なんか文句あるんでちゅか〜？」

ヒノアラシ「ある！もう僕のものを勝手に撮るのは辞めてよ！」

ビーダル「ったく、しゃーねぇなぁおい！」

ビーダル「俺たちゃ男だ。文句があるなら拳で語ろうじゃねぇか」

ビーダル「おめぇに俺をノックアウト出来たらお前の条件飲んでやるぜ」

ヒノアラシ「僕が負けたらどうすればいい？」

ビーダル「じゃあ、俺の舎弟になってもらおうかな」

ヒノアラシ「(アイツらみたいになるのか.......それはごめんだな)」ﾁﾗｯ

タネボー・カブルモ「「なにみてんの？」」

ビーダル「何を思ってるか知らんがあいつらは俺のダチだぞ」

ビーダル「ダチに上も下もねーべ」

ヒノアラシ「どの口が言ってるんだ！」

ビーダル「ま、大口叩けるのも今のうちだぜ」

ビーダル「いつでも掛かってきていいぜ」

ヒノアラシ「遠慮なくっと！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

ビーダル「(でんこうせっかか.......)」

ビーダル「(だが奴は狡猾だ。無闇矢鱈に突っ込んで来るやつではない。)」ﾋﾞｭｰｰｰｰ

ヒノアラシ「(予想どうり水タイプの技か。)」

ヒノアラシ「貰ったァァァ」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ.......ﾀﾞﾝｯﾀﾞｯ

ビーダル「そんな熟練度の低い技で俺に向かってくるなんて甘めぇーよ」ﾋｭｯ.......ｽﾞｶﾞｰﾝ

ヒノアラシ「ナニッ」ｸﾞﾎﾞｪｪ

ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞｯｰﾝ...ｽﾞｽﾞｽﾞﾀﾞｰﾝ

タネボー「おい、今何が起きた！？」

カブルモ「見てなかったのか？」

カブルモ「あいつがビーダルさんの高速で突っ込んで足に向けて蹴りを入れて追撃食らわそうとしたら足を引かれて逆足で蹴られたんだよ」

タネボー「お前よく見えるな。俺にはヒノアラシが突っ込んで行って蹴られたようにしか見えなかったぞ」

カブルモ「まあ、親にチョボマキを見つけたらすぐ認識できるように動体視力だけは鍛えられてるからな」

タネボー「お前の親変わってるよな」

カブルモ「おいおい、くだらねぇこと言ってねぇーでバトル見ろよ。ビーダルさん意外と押されてるぞ。」

ビーダル「(クッ.......こいつパワーは無い癖してスピードと遠距離技のコントロールは厄介だ)」ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

ビーダル「(このままじゃ体力がジワジワ蹴づられちまうしそろそろ行くかな.......)」ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

ヒノアラシ「(体力がジワジワ削られることに苛立ってそろそろ大技で攻めてくる頃か.......？)」

ヒノアラシ「(相手の攻撃を避けつつスピードスターを打つのもそろそろ限界かもしれないな.......)」

ビーダル「おめぇうっとぉしぃんだよぉぉぉぉぉ」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

ヒノアラシ「(予想どうり突っ込んできたな！かわして全力の一撃をぶち込んでやるっ！)」

ビーダル「はぁぁぁぁぁくらぇぇぇぇ」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

ヒノアラシ「そんなの僕には効かない！」ﾋｭｯ

ヒノアラシ「なにっ！？」

ビーダル「甘いんだよっ！！」ｷﾞｭｷﾞｭｷﾞｭｷﾞｭｷﾞｭｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝｸﾞﾙﾝ

ヒノアラシ「しまった！？足がｯ」ﾋﾟｷﾋﾟｷﾋﾟｷﾋﾟｷ

ビーダル「これでトドメだ！くらいやがれッ」ｽﾞｺﾞﾊﾞｧｧｧﾝ

ヒノアラシ「(とんでもない威力のばかぢからだ。避けられないッ)」

ﾊﾞｷﾞﾊﾞｷﾊﾞｷﾊﾞｷﾊﾞｷ.......ﾊﾞｺｰﾝ

カブルモ「おいおいおいおい、死んだぞアイツ」

タネボー「いや、見ろ！あいつ....無傷だぞ！」

ヒノアラシ「(あれ！？痛みが.......無い)」

ヒノアラシ「(まさかわざと.......)」

ビーダル「勝負はここまででいいか？」

ヒノアラシ「まだ僕は倒れてないぞ！」.......

ヒノアラシ「クッ、足が動かせない.......」

ビーダル「まだ続けてもいいが」

ビーダル「動けないお前を再起不能にするだけのワンサイドゲームになっちまうぞ」

ヒノアラシ「そんなことないッ！」

ヒノアラシ「動けなくたってできる戦いはある！」ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

ビーダル「すばしっこく動けないおめぇのスピードスターなんて簡単に捌ききれるっての」ﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾝ

ヒノアラシ「グッ.......」

ビーダル「まっ、今回は引き分けにしてやるよ」

ヒノアラシ「次こそは勝ってみせるからな！」

ビーダル「ずっしり待ち構えて待ってやるよ」

ビーダル「お前ら、行くぞ」ｻﾞｯ

タネボー・カブルモ「アイアイサー」ﾀｯﾀｯﾀｯ

ヒノアラシ「(いや、どう考えても主従関係にしか見えないよ)」

ヒノアラシ「僕もそろそろ帰るかってん？」

ヒノアラシ「足が凍って動けないね」

ヒノアラシ「自然融解を待つしかないか.......」

ヒノアラシ「ていうか顔以外氷漬けってのもなかなか酷いよなぁ.......」

ヒノアラシ「(僕が炎を吐ければ違った展開になったのかな.......)」

ヒノアラシ「(今だって自力で簡単に脱出できて.......)」

ヒノアラシ「(自己嫌悪なんてしてるから頭痛くなってきたよ.......)」

ヒノアラシ「(それに意識も朦朧としてきたかもしれない。白い影が見えてきた)」

ヒノアラシ「(影が白いわけないじゃないか僕は何を考えてるんだろう.......)」

？？？「え！？待って何がどうなってるの！？」ﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

？？？「ﾉｱﾗｲくん！ﾉｱﾗｲくん！」

？？？「ねー、ﾁｭｰｼﾖっ？」

ヒノアラシ「(幻覚まで見え始めた.......)」

ヒノアラシ「(美少女にちゅーをせがまれるなんてこれは夢なのかな.......)」
近
ヒノアラシ「(夢だとしてもとりあえず)」

ヒノアラシ「優しくしてね.......」ﾝｯ...ｽｩ-

？？？「世迷いごとを言いながら目を閉じて顔をずけてくるんだけど怖っ」ﾄﾞﾝﾋﾞｷ

ヒノアラシ「(.......)」ｶｸｯ

？？？「あっ、首が折れた。これはまずいやつかしら？」

？？？「しょーがない。とりあえず水分をっと」ｶﾎﾟｯ...ｼﾞｮﾎﾞﾎﾞﾎﾞ

ヒノアラシ「(.......)」ｼﾞｮﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞ

なにこれ

放尿してて草

続きが気になる
支援

？？？「(うーん、熱中症で脱水症状起こしてると思って水を飲ませてみたけどこれでいいのかな.......？)」

？？？「(あれ.......？)」

ヒノアラシ「(.......うーん)」

ヒノアラシ「(何だこの状況は.......)」

ヒノアラシ「君は誰なの.......？」

？？？「私の事忘れたの.......？」

ヒノアラシ「(なんだ.......？もしかして僕のことを知っているのか？)」

ヒノアラシ「もしかして以前どこかで会ったことあったりする.......？」

？？？「もしかして私のこと思い出してくれた！？！？」ｵﾒﾒｷﾗｷﾗ

鳥つけ忘れてた

ヒノアラシ「え、いや.......ごめん」

ヒノアラシ「分かんないや.......」

？？？「そっか.......」‎ｼｭﾝ

ヒノアラシ「君はもしかして僕のことを知っているの？」

？？？「いや.......知らない、多分」

ヒノアラシ「多分ってなに！？」

？？？「なんか、懐かしい気がしたんだよね」

ヒノアラシ「？？？」

？？？「ごめん、今のは忘れて」

ヒノアラシ「うん、分かったよ」

ヒノアラシ「そういえば、君はなんて言うの？」

ロコン「ロコンだよ」

ヒノアラシ「そうなんだ！でも、僕が知ってるロコンとは色が違うね.......」

ヒノアラシ「もしかして色違いなの？」

ロコン「色違い.......では無いと思う、多分」

ヒノアラシ「多分ってなんなのさ.......」

ロコン「うちには親はいないんだよね.......」

支援

ヒノアラシ「あっ、ごめん.......」

ロコン「いいの、気にしないで」

ロコン「慣れてるから.......」

ヒノアラシ「あー、ええと.......」

ヒノアラシ「実は僕も親が居ないんだよね」

ヒノアラシ「一緒だね.......なんて」

ロコン「もしかして、1人で暮らしてるの.......？」

ヒノアラシ「ああ、そうだね」

ヒノアラシ「時給自足の生活だけどね.......」

ロコン「若いのに偉いね〜」

ヒノアラシ「(歳はそんなに離れてなさそうだけどね.......)」

ロコン「どんなもの育ててるの？」

ヒノアラシ「基本的に木の実だね」

ヒノアラシ「オレンやモモンにクラボとか本当に色んな種類を育ててるんだ」

ロコン「1人でそんなに食べてるの！？」

ヒノアラシ「あ、いや.......自分が食べる以外の分は売ってお金にしてるよ」

ロコン「へー、ちゃんと考えてるんだ」

ロコン「その年でショップ経営するための資格も持ってるんだ.......」

ロコン「立派だね.......ﾜﾀｼﾅﾝｶﾄﾁｶﾞｯﾃ」

ヒノアラシ「え？なんか言った？」

ロコン「その年でちゃんとお金も稼いで自立した生活が出来てるのはすごいなーってね」

ヒノアラシ「ｱﾊﾊｰｿｳﾀﾞﾈｰ」

ロコン「あのさ、さっき一人暮らししてるって言ったよね.......？」

ヒノアラシ「そうだけど.......？」

ロコン「じゃあさ、頼みがあるんだけどいい.......？」

ヒノアラシ「(ロコンちゃんも1人暮らしって言ってたし頼みってもしかして.......)」

ヒノアラシ「(いやいや、まさか一緒に暮らそうなんて言われるわけないよね)」

ヒノアラシ「(そんなのまだまだ早いよね)」

支援

しえ