【SS】クチート「男達の女々しさにうんざりする」

5BOXエリア
サーナイト宅


クチート「ねえ、どう思う？サーナイト。」

サーナイト「えーっと…」

クチート「私の後ろ姿見ただけで萎縮するとか、だっさい。」

サーナイト「男女関係なくびっくりしますよ、あなたの後ろ姿は。」

数時間後


クチート「ん…ぅ…」ﾎﾟｰ

クチート「(あれ？私、寝てた…？いつから？)」

クチート「(家のベッド…私何してたんだっけ…)」ﾁﾗｯ

エンペルト「起きたか？」ｽﾞｲｯ

クチート「い…っ！？」ﾋﾞｸｯ

エンペルト「目を覚ませ。」ﾌﾞｼｭｯ

クチート「っ！？」

クチート「…水？」

エンペルト「お前。気絶してたんだぞ。来たこともない家の寝室を探して、お前をここまで運び、他の奴らに世話をかけないように看てやったんだ。」

クチート「…そう、なんだな。」

エンペルト「感謝の一言もなしか。初めてあった時と何も変わらないな。」

クチート「…ごめんくださーい！！」ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ

エンペルト「礼儀を弁えろ莫迦者」ｶﾞﾁｬ

クチート「っ！？」

クチート「………礼儀知らずで悪かったよ。」

エンペルト「昨日の今日で礼儀を忘れるとは。お前には反省が見えないな。」

クチート「な、なんだよ優しいなって思った矢先に！！」

エンペルト「ﾁｯ、こうなるなら看病なんかするんじゃなかったな。」

クチート「はあああああ！？やっぱアンタ嫌い大っ嫌い！！」

クチート「出てけ！！ここから今すぐ出てけ！！！」

エンペルト「言われなくても出ていってやる！！二度とくるかこんな場所！！」ﾊﾞﾀﾝｯ

クチート「はぁ…はぁ…っ」

クチート「なんなのアイツ…ほんっと意味分かんない…」ﾁﾗｯ


いかり饅頭「……………」


クチート「…なにあれ。」

クチート「…私こんなの買ってたっけ？」

支援

クチート「…小腹空いてたし、食べよ。」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ

クチート「ん？」

クチート「紙が挟んである…手紙？」ｶｻｶｻ

クチートへ

昨日は初対面の相手にぶっきらぼうな態度をとってしまい申し訳なかった。俺も反省している。なにより同じ鋼タイプで同じ主を持つ相手にした態度となると尚更だ。このような時どうすればいいのかは分からないが、菓子折りを送ることにする。気に入ってくれるといいが。

エンペルト

クチート「手紙まで偉そう…」

クチート「ふふふ…」ｸｽｯ


もきゅもきゅ


クチート「…おいし。」

5BOXエリア
エンペルト・ジャローダ宅


エンペルト「なんなんだよあのクソアマ…！」ﾋﾟﾘﾋﾟﾘ

ジャローダ「仲直りの菓子折りなのに喧嘩して帰ってくるなんて…君らしいっちゃ君らしいけどさ。」

エンペルト「人ごとかよ…」

ジャローダ「人ごとじゃないと言ったら嘘になるけど、僕は普段通り過ごすだけだよ。」ﾆｺﾆｺ

エンペルト「…やっぱお前性格悪いわ。」

ジャローダ「喧嘩して帰ってくる君ほどじゃないかなー。」

ジャローダ「あ！いかり饅頭渡した？」

エンペルト「…あっ。」

ジャローダ「え、まさか何処かに置いてきたとか？」

エンペルト「…何処やったかな…」

ジャローダ「…馬鹿なんじゃないの？」

エンペルト「うるさい。待て何処においたか思い出す…」

ジャローダ「そういえば帰り遅かったけど、どこほっつき歩いてたの？」

エンペルト「えーっと…」


かくかくしかじか


ジャローダ「…優しいのか優しくないのか分かんないね、本当。」

エンペルト「自分でもそう思う…！」

ジャローダ「で？いかり饅頭は？」

エンペルト「…多分、寝室の何処かに。」

ジャローダ「あー、じゃあ今頃食べられてるかもね。よかったじゃん本望だよ？」ﾆｺﾆｺ

エンペルト「…ﾁｯ」

翌日


男「よーし！今日は気分転換に鋼統一でフリーに潜るか！！」

男「メンバーはっと…」

男「こいつらだな。まずはギギギアルキリキザンハッサムギルガルドからだな。こいつら住んでるところバラバラだから大変だわ…」

男「まー、あとの二匹は同じ場所だし。すぐに済むか。」

エンペルト「…は？鋼統一？」

クチート「(よりによって…)」

男「…なんでお前ら不機嫌なの。」

クチート「…別に。」

エンペルト「俺も別に。」

男「つかお前ら知り合いだっけ？」

クチート・エンペルト「別に。」

男「仲良さそうで何よりだけど俺に対して優しくしてね？泣くから。」

ギギギアル「ドウシタノデス？」

男「俺が聞きたいわ…」

男「相手はバンギか…ここはクチートで威嚇だな。戻れキリキザン！んでもって出てこいクチート！」

クチート「…っ」ｷﾞﾛｯ

バンギラス「ぐっ…」


バンギラスの こうげきが 下がった！


クチート「(まぁ、こんなもんよね。あいつがイレギュラーなだけ。気にしない気にしない。)」

クチート「(さーて、あとはメガシンカするだけ…！)」

男「クチート、交代だ。」

クチート「えっ！？え、え、なんで！？」

男「今回は鋼統一ならではの戦略取らせてもらうからな！出てこいエンペルト！」

エンペルト「……(なるほどな。だから俺はこれを持たされたわけだ。)」


バンギラスの じしん！


男「計 画 通 り ！」ﾆﾔﾘ


エンペルトの 弱点保険が 発動した！
エンペルトの こうげきが ぐーんと 上がった！
エンペルトの とくこうが ぐーんと 上がった！


バンギラス「なっ！？」

男「エンペルト！ハイドロポンプ！！」

男「よくやったお前ら。お前らのおかげで楽しかったぞ！」

男「特にクチートとエンペルト！」

クチート「(た、楽しかった…勿論メガシンカして全抜きとかも出来たけど、エンペルトのサポートするのが、楽しかった…！)」

エンペルト「…今日はお前のおかげだ。ありがとうな。」

クチート「…うん。」ﾃﾚｯ

男「(お？これは…？)」

男「(ふ、ふふ、ふははははは…！)」

男「じゃあ俺は今からパソにポケモン送るけどエンペルトとクチートは住んでる居住区が同じだから、エンペルトがクチート送ってやれ。」

エンペルト「はぁ！？なんで俺が！」

男「オスがぶつくさ言ってんなよ。」

エンペルト「でもよ！俺は」

男「じゃあねーっ」ｽﾀｺﾗｻｯｻ

エンペルト「クソ…！」

クチート「…………」

エンペルト「………………」

クチート「…行こっか。」

エンペルト「…おう。」

5BOXエリア
某所


クチート「…………」

エンペルト「……………」

クチート・エンペルト「(気まずい…！)」

エンペルト「(主め…なんでこんな奴を遅らせるんだよ絶賛冷戦中だぞこっちはよ…！)」

クチート「(話題…話題話題話題…！！あっ！)」

クチート「その、エンペルト？」

エンペルト「…んだよ。」

クチート「昨日の饅頭、美味しかったよ…？ありがと。」

エンペルト「…そうか。」

クチート「………」

エンペルト「……………」

クチート「(もおおおおおおおお！！！)」

クチート「(嫌われてる！絶対私嫌われてる…！！)」

クチート「(どうしよう…ホントに、どうしよう…！)」ﾌﾞﾜｯ

クチート「う、うぅっ、えぐっ…」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

エンペルト「！？」

エンペルト「待て待て待て待て！！どうしたんだ急に！！」

クチート「わかん、ないっ…わかんないっ！！わかんないよバカあああああああ」ﾋﾟｴｰ

エンペルト「くそ…！」

エンペルト「クチート…」

クチート「えぐっ、うっ…」

エンペルト「クチート。」

クチート「はぁ、あぁ、ううっ…」

エンペルト「クチート！！」

クチート「っ！」

エンペルト「…全く。やっと泣きやんだか。」

クチート「…ごめん、私急に泣き出しちゃって…」ｶｰｰｰｯ

きゃわわ

エンペルト「…はぁ。もうお前の何にイラついていたのか忘れた。」

クチート「…私もアンタにムカついてたよ。でも、単純に嬉しかった。私の威嚇にビビらない奴がいることが悔しくて、同時に、ホントに嬉しかった…！」

エンペルト「…………」

クチート「…でも、喧嘩しちゃって、それが辛くて…せっかく仲良くなったのに。だから、その…」ｳﾙｳﾙ

エンペルト「クチート。」

クチート「なに…？」

エンペルト「最初会ったときに約束したな。今から、勝負するか。」

エンペルト「行くぞ。」

クチート「臨むところ！」ｷﾞﾛﾘ

エンペルト「っ…そんな程度で折れると思うな！！」


エンペルトの こうげきが ぐーんと 上がった！


エンペルト「まずはこっちからだ！ハイドロ…」

クチート「メガシンカ！！からの不意打ち！！」

エンペルト「ぐあ…くそ…だが攻撃はさせてもらうぞ！ハイドロポンプ！！」

クチート「いった…！でももらった！不意打ち！！」


しかし 上手く 決まらなかった！


クチート「嘘！？」

エンペルト「剣の舞！！」


エンペルトの こうげきが ぐーんと 上がった！


クチート「卑怯な…！」

クチート「でも悪あがきはよくないよ！とどめ、不意打ちっ！！」

エンペルト「アクアジェットォ！！！」

クチート「なっ…！？」


クチートは 倒れた！！

クチート「はぁ…はぁ…」

エンペルト「はぁ……はぁ……」

クチート「負けた…メガシンカまでしたのに…！」

エンペルト「…少し危なかったがな。」

クチート「…悔しい。」

エンペルト「さっきは、嬉しいと言ってたような気がするが？」

クチート「…まーね。」

翌日
5BOXエリア
某所


エンペルト「む。」

クチート「あ。」

ジャローダ「ん？どしたの二人とも。仲直りしたの？」

エンペルト「平たく言うとそうなる。」

クチート「えへへ…」ﾆｺｰ

ジャローダ「(あー…これは、うん、そういうことね…)」

ジャローダ「エンペルト君。」

エンペルト「どうした。」

ジャローダ「…鈍感は罪だよ。」

エンペルト「は？」

クチート「こそこそなに話してんの。気味悪いよ。」

ジャローダ「んー？なんでもないよー？」

クチート「…？」

ジャローダ「そう言えば気になってたんだけど。エンペルト君、この子を寝室まで運んだんだよね。」

エンペルト「そうだが？」

ジャローダ「それでこの子を看病したんだよね？」

エンペルト「そ、そうだが？」

クチート「…っ……！」ｶｰｰｰｰｯ

エンペルト「…む？どうしたクチート。」

クチート「や、その…」ﾌｲｯ

エンペルト「…？」

ジャローダ「(この二匹面白いなあ…しばらく楽しめそう)」

サーナイト「あら？どうしたんです？お揃いで。」

ジャローダ「あ、サーナイトさんだ。」

クチート「わ、私は散歩…」

エンペルト「俺達は今からサーナイトのとこに取りに行こうとしてたんだ。」

サーナイト「あら、どのような薬を？」

エンペルト「喉薬だ。水の放出をしすぎてな。」

サーナイト「ではすぐ用意しますね！」ﾆｺｯ

エンペルト「助かる。」

クチート「………」ﾑｽｯ

ジャローダ「(そうなるよねー)」ﾆｺﾆｺ

サーナイト「あ！ところでクチートちゃん。」

クチート「な、なに？」

サーナイト「主様が言ってたのですが、昨日のレート戦のあとにメガバングルが反応したらしいのです。ご存知ありません？」

クチート「………」ｻｰｰｰｯ

エンペルト「………」ｻｰｰｰｯ

サーナイト「…知ってる顔ですね？」

クチート「えと、その…」

サーナイト「知 っ て る 顔 で す ね ？」

クチート「うぅ………はい。」ｼｭﾝ

サーナイト「エンペルトくん。」

エンペルト「は、はい…」

サーナイト「薬の件ですが…少しだけ、待っててくださいね？」ﾆｺｯ

エンペルト「お、おう…」ｿﾞｸｯ

サーナイト「行きましょうか、クチートちゃん。」

クチート「………」ｿﾞｿﾞｿﾞｯ

ジャローダ「…一番威嚇が効かないのはサーナイトさんかもね…」

エンペルト「…ああ。」


※サーナイトの特性はトレースです。対クチートボーマンダランドロスギャラドス等にどうぞ。

その後
5BOXエリア
サーナイト宅前


クチート「散々な目にあった…」

エンペルト「まぁ…俺も悪かったよ。」

クチート「ホントに。」

エンペルト「否定の一言もなしか…！」

クチート「あー、喧嘩腰ー？あーこわーい！」

エンペルト「てっめぇ…！」

クチート「冗談。」

エンペルト「……………」ｲﾗｯ

クチート「エンペルト。」

エンペルト「なんだ。」

クチート「…次は負けないから！」

エンペルト「勝てるものなら勝ってみろ。返り討ちにしてやる。」



Fin

おつー

乙！
この人のss結構好き

疲れました…
たった二日で書きあげる作品なので大して練られたりなんてことはないのですが、結構にやにやしながら書いてました。

作中でのクチートが好きになるくらいだからよほど気の強いポケモンじゃないの釣り合いそうになかったので、絵になる上に強気なイメージがあるポケモンということでエンペルトを選びました。喧嘩ップル素敵。

さて、エンペルトはクチートの想いに気付くのでしょうかね…

とりあえず乞食じみたこと言いますけど

支援とおつが来た時の嬉しさと言ったらもう、です、ふふふ

乙です、読んでて楽しかったです
所々個性が光ってて読みやすかったです＼( 'ω')／