ラティアス「お兄ちゃんなんて大っ嫌い！」

―　ホウエン地方　南の孤島―

ラティオス「どうしたんだラティアス？朝っぱらから大声出して…」

ラティアス「昨日私に黙ってまた勝手に好物の木の実を食べたでしょ？」

ラティオス「ああ！あれね！おいしそうだったからついつまんじゃって…」

ラティアス「も〜！食べるのとっても楽しみにしてたのに！」

ラティオス「ごめんごめん、今度俺がまた取って来てあげるから怒らないでよ」

ラティアス「そういう問題じゃないでしょ！？お兄ちゃんならもっとお兄ちゃんらしくしてくれないと困るから！」

ラティオス「お兄ちゃんらしくって…いいじゃないか！これ位でそんなに怒らなくてもいいだろ？」

ラティアス「それだけじゃないわよ！」

ラティオス「まだ何かあるのか？」

ラティアス「お兄ちゃんその辺にゴミを散らかしっぱなしだからいつも私が掃除してるの！」

ホウオウ「まあまあそう固い事言わないで」

ルギア「うるさい！俺は断じてそういうのには絶対付き合わないからな！」

ホウオウ「でもどうしてルギアさんはずっと私の後を追って来てるのです？」

ルギア「ち…違う！たまたまお前と飛んでるルートが一緒だからだ！」

ホウオウ「とてもそうには思いませんけど。」

ルギア「やれやれ…お前って奴は」

ホウオウ「あっ！」

ルギア「今度はなんだよ！俺を絡かうのもいい加減に…」

ホウオウ「今向こうでラティアスがあっちに真っ直ぐ飛んでいきましたよ！」

ルギア「なんだって？おっ！本当ではないか！」

ホウオウ「早く彼女を追い詰めてラティオスの所に連れて帰りましょう！」

ルギア「そうだな！」

ラティアス「ここまで来ればお兄ちゃんも私を追って来れないわ」

ルギア「お〜い！ラティアス〜！止まれー！」

ホウオウ「ラティオスが心配してあなたを捜してますよ！」

ラティアス「え？どうしてあなた達がそれを知ってるの？」

ルギア「レックウザって奴から聞いたのさ。ラティアスがもしここに来たら捕まえて欲しいって頼まれたんだよ」

ラティアス（さてはお兄ちゃん、レックウザに私を捜すよう言ったに違いないわ！）

ホウオウ「抵抗しなければ手を出しませんよ。大人しく私かルギアさんの所へいらっしゃい」

ラティアス「嫌よ！何があってもお兄ちゃんの元には決して戻らないんだから！」

ルギア「どうしてお前そんなに兄を憎んでいるんだ？理由を言えよ！」

ラティアス「だって…お兄ちゃんは私の事なんてどうでもいいって思ってるから。」

ホウオウ「果たして彼はそう思ってるでしょうか？」

ラティアス「あなた達には関係ないわ！とにかく私はもうお兄ちゃんの顔も見たくないの！」

ルギア「俺にとってラティオスは別に嫌味な奴とは思った事は一度もないはずだが」

ホウオウ「ラティオスはあなたに謝りたいそうで今行方を追っています」

ラティアス「放っておいてちょうだい！さよなら！」

ルギア「逃がさん！エアロブラスト！」

ラティアス「きゃあああ！」

ホウオウ「ちょっとルギアさん！まだ手は出していいとは言ってませんよ！」

ルギア「だといってもな〜ラティアスをここで野放しにして置いてもいいのか？」

ラティアス「くっ…でもここで捕まったらまたお兄ちゃんにまたきっとコキ使われるわ…」

ホウオウ「ラティアス…少しは冷静なってくださいよ」

スレタイで何故かチャー研スレな気がした

こんな妹が欲しいスレかと思った

ラティアス「私はもーっとお兄ちゃんが捜すことの出来ない遠い所まで行くの！ついてこないで！」

ルギア「おい！待てー！」

ホウオウ「あららら…逃げ足が速いです事」

ルギア「ホウオウ、追うぞ！」

ホウオウ「しかし私達がこの地方を離れるわけにはいかないでしょう？」

ルギア「それもそうだな」

ホウオウ「あれ？戻ってきましたよ？」

ルギア「違うぞホウオウ…よく見ろ、妹ではなくて兄のラティオスの方だ。」

ラティオス「ハア…ハア…」

ホウオウ「一足遅かったわね〜ラティオス。さっき妹のラティアスが丁度私達の所から去って行きましたよ。」

ラティオス「ほ…本当か？どうして捕まえてくれなかったんだ？」

ルギア「あいつ未練がましく絶対に兄の所には帰らないって言いやがってそのまま逃げたんだよ」

ラティオス「その時ラティアスが何か言ってなかったか？」

ルギア「お前の顔なんか２度と見たくないって滅茶苦茶怒ってたぞ」

ラティオス「そんな事を…」

ホウオウ「あの〜…２人はもしかして喧嘩でもしたのですか？」

ラティオス「喧嘩というかその…原因は僕なんだけどね。些細な事でラティアスが出てってしまったんだ」

ルギア「だったら早く奴を追った方がいいだろ？」

ホウオウ「やれやれ…面倒な事になりましたね〜こりゃ」

ラティオス「…という訳で君達にも申し訳ないんだけどラティアス捜しに協力して欲しいんだ」

ルギア「どうするんだよ〜？ホウオウ」

ホウオウ「私は別に構いませんが」

ルギア「しょうがねぇなあ…わかったよ、一緒に探してやるぜ」

ラティオス「本当？ありがとう！」

ホウオウ「困っている時はお互い様ですよ」

ルギア「そうそう…ってホウオウお前素直に引き受けていいのか？」

ホウオウ「ルギアさんこそ暇を持て余していたのでしょう？」

ルギア「うっ…！まあいい、とにかく俺達はジョウト地方周辺を捜す。後はラティオス、お前に託す」

ホウオウ「案外面倒見がいいんですねぇ」

ルギア「うるせぇ！」

ラティオス「二人とも…頼んだよ！」

―シンオウ地方　やりのはしら―

ディアルガ「あ〜…暇だ」

パルキア「そうだな」

ディアルガ「何か面白い事…起きないか？」

パルキア「ねぇなあ。ギラティナの奴は独りでにどこか出掛けてやがるし」

ディアルガ「お？なんだ？あの赤い飛行物体は？」

パルキア「んぬぬ？」

ディアルガ「こっちに向かってくるぞ！」

パルキア「おおう！襲撃準備に備えて攻撃態勢に入るぞ！ディアルガ！」

ディアルガ「待て早まるな！よく見ろ！あいつは…ラティアスではないか？」

パルキア「はあ？ってホントじゃんか！一瞬兄の方かと思っちまったぜ！」

ラティアス「ハア…ハア…」

ディアルガ「ラティアス！貴様なぜここに来た？」

パルキア「ん？お前、ラティオスは…どうした？」

ラティアス「…お兄ちゃんとは今会いたくないの…」

ディアルガ「どうしてだ？」

ラティアス「喧嘩…したから。」

パルキア「喧嘩で飛び出すなんてお前ってまだまだ子供だよな。」

ラティアス「放っておいて…」

ディアルガ「兄を差し置いて妹だけで行動するなんてよ…。」

パルキア「ラティオスも気の毒だよなあ」

ラティアス「なっ！何よ！悪いのはお兄ちゃんだからね！」

ディアルガ「落ち着けって！」

パルキア「帰ってやれよ。今頃ラティオスお前の事…心配してるだろ？」

ラティアス「心配なんて…してないもん…」

ディアルガ「いや…分からんぞ。俺達なんてしょっちゅう喧嘩しまくってるんだぜ？なあ〜パルキア」

パルキア「おう。年がら年中喧嘩祭りだもんな！」

ラティアス「え〜？喧嘩してて二度と会いたくない！なんて思ったことないの？」

ディアルガ・パルキア「ぜーんぜん！」

ラティアス「はあ…ここに来た私が馬鹿だったわね」

ディアルガ「そんなに気を落とすな！人生でそういう在り来たりな経験幾つもあるんだぞ？」

パルキア「そうそう。もっと気長に生きていけよ」

しえん

ラティアス「……」

ディアルガ「だからさ、お前も兄を慕っているのならそんなにデカい態度しなくていいだろ？」

ラティアス「あんな…お兄ちゃんなんか…知らないもん！」

パルキア「あっ！待て！話の途中で逃げるんじゃねぇ！」

ラティアス「さよならっ！」

ディアルガ「おい待て！あ〜あ…行っちまった。俺達余計な事してしまったか？」

パルキア「いや…俺達がこう言わないといつまでもあいついる気だったろ」

ディアルガ「まあそれもそうだが」

パルキア「…で？これからどうすっか？」

ディアルガ「折角暇つぶしが出来たと思ったのに…また暇になっちまったな！」

パルキア「ガハハ！じゃあお前とやり合うか？」

ディアルガ「特に喧嘩する理由なんてものはないけどよ。無性に暴れたくなるよなあ」

パルキア「よし！いっちょ大胆に…戦うか！」

ディアルガ「精々世界が滅ばない位にしろよな」

パルキア「当然だろ〜！」

―イッシュ地方　リュウラセンの塔―

レシラム「…ゼクロムよ」

ゼクロム「…どうした〜？レシラム？」

レシラム「いつまで我の体にべた付いている気だ？」

ゼクロム「だってさ〜…お前の体…ものすごくモフモフしてて気持ちいんだから〜」

レシラム「この…愚か者が」

ゼクロム「この季節寒いからさ〜、お前の温かい体毛で…冷めきった俺の体をヌックヌクにするんだ〜」

レシラム「気味悪いぞ…離れぬか！」

ゼクロム「あ？あれ…」

レシラム「…む？何処からか気配を感じ取るな」

ゼクロム「おお？段々気配が大きくなってくるぞ？」

レシラム「…来る！」

ゼクロム「誰が！？」

レシラム「貴様には教えん！」

ゼクロム「えっ…。冷たいなあ…レシラムは」

ラティアス「レシラム！ゼクロム！」

レシラム「……やはり来おったか。ラティアスよ」

ラティアス「え？私がここに来ることを予め知っていたの？」

レシラム「…もう既に分かっていた。理由は兄ラティオスと揉めて家出したのであろう？」

ゼクロム「レックウザの奴が他の地方のポケモン達に言いふらし出してるからなあ」

ラティアス「レックウザが？まさかここにも手を回してきていたなんて…」

ゼクロム「わざわざここまで遠征しに来るとはなあ〜たまげたもんだ」

ラティアス「あの〜…二人にお願いがあるんだけど…」

レシラム「…駄目だ」

ラティアス「ちょっと！私まだ最後まで言ってないじゃない！早々と結論出さないで！」

ゼクロム「家出して行く場所がないから俺達の所に居候する気だろ〜？」

ラティアス「うっ…もうすでに心を読まれてたのね…」

レシラム「後悔はせんとならば我らの所に棲んでも良いぞ」

ラティアス「う〜ん……」

レシラム「どうした、もう決まった事であろう？何故今更迷う？」

ラティアス「ごめんなさい…ここは私にとって居心地は良くなさそうだから止めとくわ」

ゼクロム「じゃあなんでここに来たんだよ？」

ラティアス「そ…それは。」

レシラム「要は我らに構って欲しいためにここに来たのであろう？」

ラティアス「違うわっ！ただ…あの…」

レシラム「ん？ラティアスよ、少しは落ち着いたらどうだ？」

ゼクロム「そういう横着してる時はなあ〜…レシラムの懐に行くといいぞ」

レシラム「ゼクロムよ…そんなに我の業火の炎に焼き付くされたいのか？」

ゼクロム「いやいや、俺じゃなくてさ〜ラティアスならどうだ？」

レシラム「はあ…まあ良い。ラティアスよ、我の胸の内に来い」

ラティアス「…えっ？」

レシラム「戸惑うな。勿体ぶらずに早く来んか」

ラティアス「いいの？」

レシラム「構わん」

ゼクロム「レシラムって意外とツンデレなんだなあ」

レシラム「…黙れ」

ゼクロム「は…はい」

ラティアス「じゃあお言葉に甘えて…レシラムの胸に飛びつかせてもらうわ」

レシラム「うむ。気が済んだら我から離れよ」

ラティアス「はあ〜…なんだか…心が少し落ち着いてくる…」

レシラム「…そうか」

ゼクロム（いいなあ…俺ももっとレシラムをモフモフしたい！）

ラティアス「…レシラムありがとう。もう私平気になったから」

レシラム「それは良かったな」

ゼクロム「あーあ！羨ましいぜっ！」

レシラム「ゼクロム貴様は先程我の体に触れただろう？」

ゼクロム「ほらラティアス！もう用が無いならとっとと帰れよ」

ラティアス「うん。後は二人で仲良くやって…」

レシラム「達者でな」

ゼクロム「またモフりに来たいならいつでも来いよ〜」

レシラム「余計な事を言うではない！」

ゼクロム「すんません…」

レシラム「そうこうしている内にラティアスは去ったようだな」

ゼクロム「いつの間に…」

レシラム「それよりもゼクロムよ」

ゼクロム「なんだ？」

レシラム「貴様、先程体が寒いと申していたな？」

ゼクロム「ああ…そうだが」

レシラム「我の青い炎で体の芯ごと暖めてやろう」

ゼクロム「え？ちょっ…それは止めておく」

レシラム「遠慮はいらんぞ。ふおおおおおっ！」

ゼクロム「ぎゃああああああああああああああ！！」

レシラム「どうだ？体が温もっただろう？」

ゼクロム「ゲホッ！ゲホ…あ…ああ…」

―シンオウ地方　やりのはしら―

ラティオス「ぜえ…ぜえ…ラティアス…まさかここまで足を運んできたとは…」

ディアルガ「あ〜あ、お前がここに来る約1時間前まで妹がいたってのによ」

パルキア「実にタイミングが悪かったなあ」

ラティオス「ディアルガ、パルキア…ラティアスが何処行ったか分かるかい？」

ディアルガ「さあ…」

パルキア「奴ならディアルガの時の咆哮で時空の彼方へ飛んでったぞ〜！」

ラティオス「なんだって！？」

ディアルガ「待て待て！俺一回もそんな事してねーだろ！」

パルキア「ガハハ！冗談だって冗談」

ラティオス「もっとマシな嘘を付いて欲しいよ。こっちは必死に捜してるのに！」

パルキア「そう急かすな。ラティアスは恐らくイッシュ地方に向かって飛んでったぞ」

ディアルガ「余程お前の事嫌っていたみたいだがよ」

ラティオス「そんな…」

パルキア「ガッカリするな！ここでずっと留まるより早く妹を見つけてやれよ！」

ラティオス「うん、そうするよ。行先の場所を教えてくれてありがとう」

ディアルガ「礼はいいからさっさと行って来い！」

ラティオス「じゃあ行ってくる！」

パルキア「おう！ラティアスによろしくな！」

―カロス地方　ポケモンの村―

イベルタル「ゼルネアスさ〜ん。今日もいいお天気ですね〜」

ゼルネアス「そうですね」

イベルタル「こんな日にはデートするに限りますよ〜」

ゼルネアス「別にあなたとデートしている訳ではありません」

イベルタル「やだなあ〜ゼルネアスさんったら…照れちゃって〜」

ゼルネアス「偶然イベルタルとバッタリ会ってただ一緒に歩いてるだけではないですか」

イベルタル「俺は歩いているというよりも飛んでますけどね」

ゼルネアス「それにデートだなんてあなたとは一切行いたくありません」

イベルタル「ゼルネアスさんが俺とデートしたいって言ったんじゃないですか？」

ゼルネアス「満更でもないデタラメを言うのではありません」

イベルタル「え〜？俺は本気でデートしたいって…お？誰かあそこで倒れてるぞ？」

ゼルネアス「…あれは？むげんポケモンのラティアスではありませんか」

イベルタル「こんな所で何ぐったりしてるんだろうな〜？」

ゼルネアス「ラティアス…ラティアス！返事をしなさい」

ラティアス「はあ…はあ…」

イベルタル「大分疲れてる様子だが」

ゼルネアス「ラティアス、わざわざこんな遠い地までやって来てどうしたというのですか？」

ラティアス「…うう…私…家出…したの」

ゼルネアス「家出？何故そんな事を？」

ラティアス「お兄ちゃん…と…別れた…い…から」

ゼルネアス「家出した原因は兄ラティオスと考えられますかね…」

イベルタル「ゼルネアスさん、こんな奴放っておいてデートの続きしましょうよ」

ゼルネアス「イベルタル、ラティアスを休ませてあげなさい」

イベルタル「え〜？面倒くさいですよ〜！」

ゼルネアス「あなた程冷酷な者を見たのは初めてですよ。デートなんて即キャンセルです！」

イベルタル「うわわっ！ゼルネアスさ〜んそりゃないですよ〜！」

ゼルネアス「私に嫌われたくなくば素直にラティアスの介護に当たりなさい。」

イベルタル「へ…へ〜い」

ラティアス「う…うう…」

ゼルネアス「余程長い間飛行していたのでその疲れが溜まったとみられますね」

イベルタル「木の実でも食わせますか？」

ゼルネアス「そうですね。この辺にオレンの実が生ってあるはず…取ってきてくれますか？」

イベルタル「あいよ！愛しのゼルネアスさんの為ならなんだってやり熟せます！」

ゼルネアス「それを聞いて安心しました。ではよろしく頼みましたよ」

ラティアス「ごめんなさい…私ったら…誰かにこんな姿を見られたら…情けないわよね」

ゼルネアス「気にする程ではありませんよ。しばらくそこで休んでいきなさい」

イベルタル「ゼルネアスさ〜ん！沢山取ってきました！」

ゼルネアス「おや？思った以上に早かったですね？」

イベルタル「へへっ！俺にとって木の実を調達するなんて朝飯前ですよ！」

ゼルネアス「イベルタル…誰がオレン実を木ごと持って来いと言ったのですか？」

イベルタル「え？だってこの方が手っ取り早く集められますから…」

ゼルネアス「自然環境を破壊するのは私にとって不快極まりない行為です」

イベルタル「あ…いや〜…ちゃんと後で…戻しておきます」

ゼルネアス「イベルタル、後であなたをたっぷりとお仕置きする必要がありますね」

イベルタル「ひえっ！それだけは！それだけはご勘弁を！」

ゼルネアス「それよりもラティアス、オレンの実が腐らない内に早く食べて下さい」

ラティアス「あ…はい…」

ゼルネアス「体調が良い傾向になってきましたか？」

ラティアス「うん…おかげさまで」

イベルタル「へっ！そりゃ〜良かったな！」

ラティアス「あ、あの…お二人にお願いがあるの」

ゼルネアス「なんですか？」

ラティアス「私…あなた達と一緒に暮らしたいんです！」

イベルタル「おいおい〜！それは無理な話だぜ！なあ〜ゼルネアスさんよ？」

ゼルネアス「イベルタル、ここは一つラティアスの要望に応えてあげてはいかがですか？」

イベルタル「ええっ！？いきなりそう申されましても…」

ゼルネアス「私は別に構いませんよ」

イベルタル「ゼルネアスさん！そんなに軽々と安請けしないでくださいよ！」

ゼルネアス「ラティアス、どうですか？ここで一生を過ごすのも悪くないですよ」

ラティアス「どうしよう…私、お兄ちゃんが嫌いになってここまで来たけど…」

ゼルネアス「ラティオスが気に入らなくて私達と共に暮らすのではないですか？」

ラティアス「……」

イベルタル「黙ってないでなんとか言ったらどうなんだ？」

ラティアス「やっぱり…無理よね？急にあなた達と生活しようだなんて」

ゼルネアス「別に無理とは言いません。ただ、あなたがどう思ってるのかを知りたいのです」

ラティアス「ごめんなさい、私ちょっと頭が混乱してきちゃった…」

ゼルネアス「考える時間なら幾らでもあります。決まったら私に申して下さい」

イベルタル「いいですよそんなの！おいラティアス！焦らさずに早く決めろ！」

ゼルネアス「イベルタル…お黙りなさい！ムーンフォース！」

イベルタル「ぐおああああああああ！！」

ゼルネアス「慌てずじっくり時間を掛けても全然オッケーです」

ラティアス「私、お兄ちゃんに悪い事しちゃった気がするわ」

ゼルネアス「ラティアス。あなたはその兄妹喧嘩で自分に非があるというのですか？」

ラティアス「非はないけどあの時ついカッとなって…ふと我を忘れて…勝手に出てって…」

ゼルネアス「誰でも生きている内はつい何度も不意に不安と怒りに満ちる時はあります」

ラティアス「確かに…そうだけど」

ゼルネアス「でもその怒りは決して悪しき事ばかりではありません」

ラティアス「……」

ゼルネアス「ラティオスも今頃自分がした事を反省し、あなたを捜しているかもしれないですよ」

ラティアス「お兄ちゃん…」

ゼルネアス「あなたが本当にすべき事は…ラティオスからの許しを受ける」

ラティアス「…でももし仮にお兄ちゃんに会ったら今度はきっと私が怒られるわよね」

ゼルネアス「そんな事はないですよ。逆にラティオスがあなたに謝罪しないと駄目です」

ラティアス「当たり前の事言われてるけど…いざとなると…心が何か不安に押しつぶされそうになるの」

イベルタル「あいててて…ゼルネアスさん…ホントその技ヤバいっすよ〜」

ゼルネアス「さあお行きなさい。あなたが本来居るべき場所はここではないのですから」

イベルタル「ちょっと〜！ゼルネアスさん俺を無視しないで下さいよ！」

ラティアス「他の皆にも迷惑掛けちゃったみたいだから…あなた達にも謝っておくわ」

ゼルネアス「謝罪は別にしなくてもいいのです。早くラティオスに会いに行きなさい」

ラティアス「あ…はい！」

―イッシュ地方　リュウラセンの塔―

レシラム「ゼクロムよ、今度はまた違う奴が来るぞ」

ゼクロム「何っ？次は誰が来るんだ？」

レシラム「だからそれは貴様には教えん！」

ゼクロム「ケチだなあ！レシラムは」

レシラム「ん？何か言ったか？」

ゼクロム「いや…ただの独り言さ」

ラティオス「やはり…ここには居なかったか」

レシラム「やはり来たかラティオスよ。今ラティアスを捜しておる最中なのだろう？」

ラティオス「そうなんだ！…所でラティアスはここを通ったのか？」

ゼクロム「あいつならとっくに出て行っちまったよ」

ラティオス「何処かへ行ったっていう情報は無い？」

レシラム「それは全く我らには知らぬ」

ゼクロム「ここからは自力で捜すってこったな」

ラティオス「はあ〜…もはや、ここまでか」

レシラム「ただ既にラティアスはお前の後を追って来ているかもしれんぞ」

ラティオス「それってどういう意味なんだ？」

レシラム「元居た場所に戻れ。この先カロス地方に行っても無駄に足を運ぶ事になる」

ゼクロム「しっかりと妹に謝ってやれよ。あいつ本気で喧嘩の事気にしてるんだからな！」

ラティオス「そうか…じゃあ僕ホウエン地方まで戻ってみるよ」

レシラム「ならば急げ。うろたえていると段々謝罪し辛くなるぞ」

ラティオス「うん」

ゼクロム「っていうか一体何が原因でお前ら喧嘩したんだ？」

ラティオス「恥ずかしくて皆までして言う程じゃないよ。じゃあね！」

ゼクロム「あいつ…慌てて飛びやがった。相変わらずせわしない奴だな」

レシラム「そこがラティオスの良い所ではないのか？妹を思う気持ちが有るのは」

ゼクロム「どうだかなあ…」

レシラム「まあ後はあの二人でどうにか解決してくれるだろう。我らの手伝いは無用だ」

―ホウエン地方　上空―

レックウザ「おっ！ラティオスじゃねーか！」

ラティオス「はあ…はあ…あちこち飛び回ったから…疲労が半端ないなあ…」

レックウザ「お疲れさんだな〜。ラティアスならとっくに南の狐島に帰ってるぞ」

ラティオス「本当か？」

レックウザ「お兄ちゃんにそう伝えといてってあいつから伝言頼まれたからさ」

ラティオス「あのさレックウザ、ラティアス…怒ってた？」

レックウザ「いや…いつもの大人しい〜感じだったぞ」

ラティオス「それなら別にいいんだ」

レックウザ「お前、まだ喧嘩の事気にしてたのかよ？」

ラティオス「いい加減忘れたい気持ちでいっぱいだけど…忘れられないんだよね」

レックウザ「だったらそういうのをラティアスに直接お前の言いたい事をぶちまければいいだろう！」

ラティオス「うん。僕が潔く謝ればそれで済むんだ。これ以上の揉め事はもう懲り懲りだからなあ」

レックウザ「無事に喧嘩が丸く治まるように願ってるぜ！グッドラック！」

ラティオス「レックウザ、色々とありがとう！」

レックウザ「はははっ！俺別にそんな大した事なんてしてないぜ！」

―南の狐島―

ラティオス「ただいま…ラティアス」

ラティアス「おかえりなさいお兄ちゃん…」

ラティオス「さっきは…ごめん！僕が悪かった！」

ラティアス「謝るのが遅すぎるわよ…私、本当に家出したのに！」

ラティオス「一体今まで何処へ行ってきたんだ？…心配したんだぞ！」

ラティアス「気分転換に色んな地方を旅してきたのよ」

ラティオス「他のポケモン達から色々と世話になったみたいだけど」

ラティアス「ええ。お兄ちゃん以外で他に誰か私と暮らせるかって交渉してたのよ」

ラティオス「なんてそんな馬鹿な事を…」

ラティアス「お兄ちゃん…見損なったよ！馬鹿だなんて酷いわっ！」

ラティオス「わわっ！ごめんごめん！つい口走っちゃって！」

ラティアス「謝る気はないんでしょ？ホントの事言ってよ！」

ラティオス「いいや！僕は謝る！ラティアスが許してもらえるまでは！」

ラティアス「もう…いいわよ。許してあげる」

ラティオス「おおっ！いいのか？」

ラティアス「ただし！３日間だけ私のいいなりになれば…の話だけどね」

ラティオス「３日間だと？長すぎじゃないか？」

ラティアス「嫌なら断ってもいいのよ。それだと永遠にお兄ちゃんを無視し続けるから」

ラティオス「わ…わかった！３日間だけだぞ？」

ラティアス「ええ。そんなに酷く扱かないから安心してね」

ラティオス「ラティアス…君って…優しいんだな」

ラティアス「それじゃあ〜まずはこの辺ゴミで散らかってるから掃除お願いするわ」

ラティオス「うそっ？もう早速ラティアスの指示に従うのか？」

ラティアス「そう！今からに決まってるでしょ！」

ラティオス「トホホ…」

ラティアス「ふふっ」

ラティオス「あははは…」

ラティアス「お兄ちゃん…ごめんね」

ラティオス「ああ。こっちこそ…ごめん。ついでにとは言ってはなんだが…これを…」

ラティアス「これって…？私のお気に入りの木の実！お兄ちゃん取ってきてくれたの？」

ラティオス「ああ。気を悪くしてしまったラティアスの不機嫌を取り戻そうと思ってさ」

ラティアス「お兄ちゃんありがとう！私…これからもずっとお兄ちゃんと一緒にいるね！」

ラティオス「ああ。僕もラティアスと共に暮らすからね！約束だよ！」

ラティアス「うん！」

―終わり―

フラダリラボは神に小判機能ですよね。名前欄キッズの画像ください！メガヤンマを出していいですけどちょっと不安をレイですけれども追加した結果報告書はメガギャラドスでは？

感動した

good.

乙でした！
こういったラティ兄妹の癒し系ＳＳも良いなあ