【バレンタインSS】あまいきつね

これは、サンサン熱くなる島国の一角で起きた、ムンムンたぎる恋心を抱く乙女の些細な物語……。

〜2月14日〜

ロコン「ついに……バレンタインデー当日……」

ロコン「今年こそ、私の気持ちを伝えないと……！」

テーブルの上に置かれた、あまいかおり漂うチョコレートの数々。それを、一つ一つ丁寧に箱に詰め、綺麗に包装していく。

ロコン「(ガーディ君、喜んでくれるといいな……♪)」

手元にあるのは、いわばロコンの想いの結晶。一粒一粒に込められた愛情は、口の中でとろけ、そしてきっと心へ届く……。そう信じて、ロコンは家を後にした。

〜2番道路〜

ロコン「……と、意気揚々と家を飛び出したのは良いものの……うぅ、どんな感じに渡せばいいのかわからない……」

ロコン「(『好きです』と素直に伝えるべきかな……。恥ずかしい……けど……)」

ロコン「(今までみたいに、後悔したくないから……)」

ロコン「今年は、きちんと告白しよう……！」

ロコン「おそれるな、おののくな私！
吠えて、声あげて、
このチョコと魂を今ガーディ君に捧げるんだ……！」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ミヅキ「I'iner」

ククイ「……」

支援です

>>2
今更ながら気付きました

ミヅキ「I'm a perfect trainer」

ククイ「……」


です

イリマ「mi, du, ki miduki!
　　　　mi, du, ki miduki!
　　　　mi, du, ki miduki!」

ミヅキ「I'm a perfect trainer」


ククイ「……えっと、Ｚクリスタルを手に入れて嬉しいのはわかるけど……そろそろ良いかい？」

ミヅキ「……」ｺｸﾘ

ククイ「……では、Ｚワザの使い方を教えるぞ」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ロコン「……ガーディ君……来ないなぁ……」

待ち合わせ場所の木陰で、落ちていたオレンのみを口に運びながらぽつりと呟く。

ロコン「……眠い……」

そよそよと頬を掠めていく潮風の薫りに包まれ、思わず眠ってしまいそうになる。

ロコン「……眠っちゃダメ……眠っちゃダメ……」

こうして、ロコンが睡魔との戦いを繰り広げる中、

目の前で、草むらが揺れた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ククイ「えーっと……お、ロコンだ！」

ミヅキ「(あれ？あのロコン、何か持ってる)」

ククイ「よし、行くぞイワンコ！」ﾉｰﾏﾙZﾎﾟｰｽﾞ

ククイ「ゼンリョクのＺワザ！ウルトラダッシュアターーーック！」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ロコン「……ん……？」

草木が擦れ、サラサラと音を立てる。

ロコン「……こ、この音……どんどんこっちに近付いてくるような……」

その音に心地よさを見出だすより早く、ロコンの目の前を絶望の色で染め上げた。

ロコン「……！」

砂埃を巻き起こし、殺気と共に襲い来る一筋の閃光。圧倒的なオーラを纏った『それ』を前に、儚い希望は無惨にも散っていった……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ククイ「よし、よくやったイワンコ」

イワンコ「くぅ〜ん♪」

ククイ「これがＺワザさ！見て貰った通り絶大な威力を誇るけど、バトル中一回しか使えないから注意すること！」

ミヅキ「……」ｺｸﾘ

ハラ「ちなみに、Ｚワザはうまく決まらなかったとしても一回使ったと見なされますな」

ククイ「そういえばリーリエがいなくなったから探しに行こう」ｽﾀｽﾀ

ミヅキ「……」ｺｸﾘ

ハラ「ワイはリリィタウンに戻るで」ｽﾀｺﾗｻｯｻ

イリマ「え、皆さんなぜそんなに急いでらっしゃるのですか？」

ククイ「後が控えてんだよ、さっさと茂みの洞窟でリーリエ探せボケナス」

イリマ「(後ってなんなんですか……？)」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ロコン「うぅ……」

虫けらのように岩場に叩き付けられ、意識が朦朧とする中、こめかみを生暖かい感触が伝っていった。

ロコン「(これは……血……？じゃない……この……この液体は……)」

ロコンの瞳から涙が零れ落ちた。
感動でも喜びでもない、哀しみに満ち溢れた悲壮なる心の雫。
悟ってしまったのだ。頬を伝っていく、茶色い液体が何なのかを。

ロコン「(……ごめんね……ガーディ……君……ごめん……ね……)」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

緑のたぬき

「……ろ、ロコン！？」

ロコン「ガーディ……君……」

声のした方を見やると、ロコンが想いを寄せる相手……『ガーディ』が心配そうにロコンに駆け寄って来る姿が見えた。

ガーディ「大丈夫！？凄い音がしたけど……」

ロコン「ガーディ君……」

ロコン「……ごめんね……チョコ……渡せなかった……」

ガーディ「ロコン……？」

ロコン「ごめんね……ごめんね……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ガーディ「ロコン……」

ﾍﾟﾛｯ

ロコン「ひゃっ……！？」

不意に、身体に溶け残ったチョコを舐め取られ、困惑と羞恥のイリマじった表情を浮かべる。

ガーディ「……おいしい」

ガーディ「甘くて、しっとりしてて、とってもおいしい……！」

ロコン「ガーディ君……！？」

ガーディ「僕のために……作ってくれてありがとう」

ロコン「で、でも……溶けちゃってるから……」

ガーディ「……形なんて、なくてもいい」

ガーディ「チョコとしての形を成していなくても、ロコンの想いはちゃんと……ここに、ロコンそのものとして形作られているから……」

ロコン「……！」

ガーディ「ありがとう、そして……大好きだよ。ロコン」

ロコン「ガーディ君……///」


その日味わったチョコは、ほんのりと、ロコンの味がしたという……。

〜完〜

乙です

マルちゃんの甘ーいきつねうどんを食べて、ふと思い立ったSSです

SSには全く関係ないですが、美味しいので是非食べてみてください

>>13
謎宣伝ww

乙です