レッド「メガシンカ……か……」カルム「ラストだ」


664 : mTQB7XkZdk 17/06/13 01:45:49 ID:/t1iGTNs 名前× NGID× m 報告
最初の一撃がバンバドロに当たってしまった以上、それまでの標的のことなど考えてはいられない。

こうなったら、最後までバンバドロに連撃をぶつけるまで。

「リキリキリキィィッ!!」

高速の連打、その一つ一つにカイリキーは魂を込める。

無数の哮りと剛拳が止めどなく飛び交い、バンバドロを痛烈に打ち付けていく。

「……ドロッ!」

……だが。

バンバドロは、そんなカイリキーの全力の"インファイト"を受けてもなお、涼しげな表情を浮かべていた。

「……リキッ!?」

効いていない。

カイリキーはそう確信する。

「オイオイ……なんつー堅さだよ」

グリーンの手持ちの中でもトップクラスの破壊力を誇るハズのカイリキーの怪力。

しかしそれは、奇しくもバンバドロには通用しなかった。

今までカイリキーが放ってきた攻撃は、耐えられることはあっても、全く効かなかったなんてことは無い。

未だかつてない事態が、グリーンの戦慄による心拍数を上げていく……。
665 : ルトス@ルカリオナイト 17/06/13 06:06:15 ID:IK37i9wM 名前× NGID× 報告
支援
666 : mTQB7XkZdk 17/06/14 00:45:46 ID:osfqionk [1/3] 名前× NGID× m 報告
(さすが、ミヅキさんのバンバドロだ)

(特性"じきゅうりょく"によって、防御面がかなり堅牢になっている)

バンバドロは、敵から攻撃を受ける度に"ぼうぎょ"があがる"じきゅうりょく"という特性を持っている。

バトルの進行と共に受けるダメージが減っていくという優れた能力だ。

尤も、上がるステータスは"ぼうぎょ"のみなので、特殊攻撃に弱いのが難点だが……。

先程までのフライゴンとの戦闘で、バンバドロは攻撃を相当受けていたようなので……。

……今のバンバドロの肉体は、物理攻撃を全く受け付けない強靭なモノとなっていることだろう。

故に、カイリキーの物理主体の戦法では全くもって相性が悪い。

カイリキーにとっては嫌な壁が立ちはだかったわけである。

対してポリゴンZにとってそれは、己を守る大きな砦だ。

「よし……」

バンバドロがカイリキーを惹き付けている内に、ゴールドはバンバドロを脅かすフライゴンの相手をする。

「ポリゴンZ、フライゴンに"れいとうビーム"!」

巻き上がる砂嵐を凍てつかせながら、"れいとうビーム"が一直線に迸った。

「邪魔をするな!」
667 : mTQB7XkZdk 17/06/14 00:46:21 ID:osfqionk [2/3] 名前× NGID× m 報告
「フライゴン、"かえんほうしゃ"!」

「ふりゃ!」

ワタルは"こおり"に対抗して、"ほのお"の"かえんほうしゃ"を吐き出した。

炎と氷、二属性の光線は激突すると、段々と炎が氷を溶かしていく。

「……ビビッ!?」

やがて"れいとうビーム"が"かえんほうしゃ"を相殺しきれなくなり、とうとう押し負けたポリゴンZは、あえなく火だるまとなってしまった。

「"こおり"対策は万全……ということか」

"ドラゴン"と"じめん"を持つフライゴンにとって、"こおり"は天敵中の天敵である。

故に、フライゴンを操るトレーナーには、"こおり"への何らかの対策が求められてくる。

それをワタルは、"かえんほうしゃ"という手段で補ったようだ。

因みにタイプ構成がガブリアスと同一なため、二匹はよく比較の対象となる。

そして、多くの者は口を揃えてこう言うのだ。

"ガブリアスの方が強い"……と。

と言うのも、多くのステータスにおいてフライゴンがガブリアスに勝っている点が無いのだ。

特に攻撃力に関していえば、フライゴンはガブリアスに圧倒的に負けてしまっているのが現実。
668 : mTQB7XkZdk 17/06/14 00:49:10 ID:osfqionk [3/3] 名前× NGID× m 報告
しかしワタルは、そんな世間の評価が許せなかった。

なぜなら。

(どうだ!)

(フライゴンだって、ガブリアスには負けてない!)

(フライゴンにはフライゴンの良さがあるんだ!)

彼は生粋のドラゴン使いであり、生粋のドラゴンファン。

"皆違って皆良い!"という考え方を持っているため、フライゴンとガブリアスで優劣をつけようとする下馬評には腹を立てているのである。

そして、そんなワタルとフライゴンの勇姿を、この少女は目を輝かせて刮目していた。

「すごい!あのオジサン、フライゴンを上手く活躍させているよ!」

そう、アイリスだ。

アイリスは、ワタルと同じドラゴン使い。

昨日の第二試合で、彼女はオノノクスを巧みに使い見事ダイゴのメガメタグロスを捩じ伏せてみせた。

大胆かつ華麗なその戦いぶりにワタルも一目置いたその少女が、今日は観戦席で彼を応援している。

しかし、そんなアイリスの横で同じくバトルを見守るこの青年、Nは彼女の発言に対して思ったのだった。

(……オジサン……ではないよね)

……女の子に老けて見られてしまったワタルを、Nは少し憐れむ。
669 : ギアル@マグマスーツ 17/06/14 05:55:43 ID:f74frNSQ 名前× NGID× 報告
ちょっとフライゴン育ててくる
支援
670 : スラオ@こだいのどうか 17/06/17 01:08:31 ID:YDMUr7Xw 名前× NGID× m 報告
しえん
671 : mTQB7XkZdk 17/06/17 03:09:05 ID:EZ8t8.1Y [1/2] 名前× NGID× m 報告
…………

……

……バトル開始の刻から、20分あまりが経過した。

にも関わらず、カントー・ジョウトとアローラの両チームは、未だに互いが退治している相手ポケモンを倒せていなかった。

カイリキーは、バンバドロに持ち前のパワーで攻撃し続けているものの、バンバドロの耐久力がそれ以上に凄まじいせいでダメージを殆ど与えられておらず。

かたやポリゴンZは"れいとうビーム"でフライゴンを凍らせに行こうとするが、フライゴンの"かえんほうしゃ"による炎の障壁がそれを阻んでいる。

また、比較的優位な立ち位置にあるバンバドロとフライゴンも、それぞれの敵に有効打を突けていないのが現状だった。

だが、そんな互いに一歩も譲らぬ一進一退の攻防の中で。

唯一、明確に試合の不利有利を裏付ける要素がここに来て顕れた。

それは……"砂嵐"だ。

「……リキッ」

「ビビーー……」

見ると、カイリキーとポリゴンZの二匹は、"じめん"を持つバンバドロとフライゴンに比べて明らかに体力の消耗が激しい。

息、あるいは不協和音が切れかかっており、体に負っている傷もまた著しく。

そこから負の連鎖が繋がるように、動きが鈍くなったり技の威力が弱まったり……。
672 : mTQB7XkZdk 17/06/17 03:11:10 ID:EZ8t8.1Y [2/2] 名前× NGID× m 報告
……と、こういった彼らの弱体化の原因は"砂嵐"にある。

吹き荒れし砂が、カイリキー達の体を無尽蔵に襲うため、カイリキー達は体力を磨耗されてしまうのだ。

「……リキィィィ!!」

傷だらけの武道家は、それでも自らの心と体に鞭を打って進撃する。

その拳の矛先は、何度でもポリゴンZに向けられたが。

「ドロォ!」

バンバドロが、幾度となく肉の壁となりて妨害してくる。

"じきゅうりょく"によるダメージ軽減の上昇率は、今や最高潮にまで達していた。

絶え間ない交戦の果てに、バンバドロは如何なる打撃も受け付けない、無敵の装甲を手にしたのである。

戦火と共に成長していくポケモン、それがバンバドロ。

一方で、カイリキーの体力は砂嵐のせいで減っていくばかりだ。

二匹の命の灯火は、最早業火と種火に例えられるぐらいに差が広がってしまっていたのだった。

「リ……キ……」

ふと、カイリキーの全身がグラッと揺れる。

気付けば、彼の意識は非常に朦朧としていた。
673 : チルゼル@きれいなぬけがら 17/06/17 06:38:33 ID:0pFzKysg 名前× NGID× 報告
支援
674 : エンジシ@じめじめこやし 17/06/18 00:35:32 ID:ZU5rJxwU 名前× NGID× m 報告
支援
675 : mTQB7XkZdk 17/06/18 03:24:32 ID:eMkiOgUI [1/2] 名前× NGID× m 報告
「……リキィィ」

彼の体躯を支える屈強な両足が、安定していない。

指一本でも触れようものなら崩れ落ちそうな……そんな、まさに砂の像のような状態。

このカイリキーの異変に気付いたグリーンは、身に迫りし潮時を感じた。

(くっ……カイリキーはここまでかよ)

本当なら倒せたハズのポリゴンZ。

しかし、バンバドロに行く手を阻まれたせいで、その討伐は叶わなかった。

(にしても、あの馬のバカみてェな防御力は一体何なんだ……)

(もしアレで"とくぼう"の値も高けりゃ笑えるねェぞマジで……)

グリーンに立ちはだかる鉄壁の城塞、バンバドロ。

しかし、そんな驚異的な防御力にも弱点は存在する。

と言うのも、特性"じきゅうりょく"によって上がるステータスは、あくまでも"ぼうぎょ"だけであり。

つまり、バンバドロが完全にシャットアウトできるのは物理攻撃による被ダメージのみ。

だが、そんな"じきゅうりょく"はバンバドロとその進化前である"ドロバンコ"というポケモンだけが持つ珍しい特性。

そのため、バンバドロを本日初めて見るグリーンは、その致命的な特性の欠陥を見抜けていなかった。
676 : mTQB7XkZdk 17/06/18 03:25:03 ID:eMkiOgUI [2/2] 名前× NGID× m 報告
もしグリーンがバンバドロというポケモンのスペックを知っていたならば、物理主体で戦うカイリキーは直ぐに交代させていたことだろう。

そう……事前に知識があるか否かで、戦局というのはこうも著しく変わる。

いくつも用意されていたパラレルワールド、その中でも特に悪い世界へとグリーンとカイリキーは誘われてしまった。

だが、そんな望みが絶たれし道筋でも、決して光を見失ってはいけない。

例え、巻き起こりし砂塵の突風が視界を曇らせ、その光を閉ざそうとも。

グリーンは、カントー最強の名に恥じない戦いぶりを遺憾無く発揮する。

(……とにかく、バンバドロは後続で処理するとして)

(このままカイリキーだけが先に倒されるのだけはゴメンだ)

(置き土産は置かせてもらうぜ……!)

プライドをバネにし。

どこまでも食い下がる。

「ワタルさん!……頼むぜ」

グリーンの、その突然の合図があった時。

「……良いだろう」

……彼らの"反逆"が、始まる。
677 : レディア@こおったきのみ 17/06/18 06:47:55 ID:yQhXjbeU 名前× NGID× 報告
支援!
678 : ィオネ@しんかいのウロコ 17/06/18 23:12:45 ID:zNCIElE2 名前× NGID× 報告
やったぜ
679 : mTQB7XkZdk 17/06/19 02:14:48 ID:Byo2Le2g [1/3] 名前× NGID× m 報告
「カイリキー!」

「リキッ!」

これまでとは気迫が一味違う、グリーンの張り上げたその声に、カイリキーは力強く応じた。

彼の筋骨は気合で大きく盛り上がり、その闘志には焔が甦る。

先程までほぼ瀕死になりかけていたカイリキーが、ここにきて息を吹き返した。

「……むむむ」

その復活の引き金となった何かが、グリーン達にはある。

直感的にそう感じたミヅキは、それまで少し抱いていた油断の雑念を瞬時に吹き飛ばし、警戒。

来る最後の"足掻き"に備える。

「よし……」

そしてグリーンは、放った。

予めワタルと打ち合わせて、用意しておいた____

____誰もが一度はやっていそうで。

しかし誰もやらなかった……"奇策"を。

「____フライゴンに、乗れ!」
680 : mTQB7XkZdk 17/06/19 02:15:21 ID:Byo2Le2g [2/3] 名前× NGID× m 報告
「リキッ!」

……刹那、カイリキーは自身という巨体を跳躍によって浮かせると。

「ふりゃあ!」

「リッキィ!」

フライゴンの背に股がり、なんと……"騎乗"した!

「ああっ……そうきたかぁ!」

"しまった"と言わんばかりに表情を汗と共に歪めたミヅキ。

そう。

このようにして飛翔可能なポケモンに飛び移り、ライダーとなることで。

「よっしゃ!行けカイリキー、フライゴン!!」

それまで道を塞いでいたバンバドロを、軽々空を駆けて越えることが出来る。

それこそ、グリーンの狙いだったのだ。

至極単純明快な連携技であるが、この作戦は思いの外敵の奇を突いて。

「……ビビーー!?」

あっという間に、標的たるポリゴンZの所まで辿り着いてしまった。
681 : mTQB7XkZdk 17/06/19 02:16:47 ID:Byo2Le2g [3/3] 名前× NGID× m 報告
「ま、まずい……!」

ゴールドは応戦しようにも、今やカイリキーとフライゴンは一心同体となっているために、まるで突ける隙が無くなっていることに気付く。

その時に、ゴールドの手は完全に止まった。

「フライゴン、ポリゴンZに突っ込め!」

ワタルの指示と。

「カイリキー!ポリゴンZに"インファイト"!」

グリーンの指示。

その二つが融け合った瞬間____新たなる技が生まれる。

フライゴンに搭乗せしカイリキーは、全力で拳を唸らせ突進。

そこにかかる遠心力も、重力も、全てその腕に乗せていき。

敵を穿つ力へと変え。

「リギィィィァァッ!!」

「ビ____」

「ビーーーーーーーーー!!」

……一閃。

効果抜群の大技・"インファイト"で、完膚なきまでに捩じ伏せた。
682 : ガハガネール@するどいキバ 17/06/19 06:01:11 ID:asx97zQ2 名前× NGID× 報告
おおお!?
支援
683 : ーデリア@トライパス 17/06/19 23:40:36 ID:Nl2w/MfA 名前× NGID× 報告
すげええええ!
684 : mTQB7XkZdk 17/06/20 02:21:20 ID:eLHcf8p6 [1/4] 名前× NGID× m 報告
「……ビビッ」

フライゴンに乗ったカイリキーが放った、全身全霊のインファイト。

食らったポリゴンZは、自身の残存体力を遥かに超越するダメージを負い……。

「ビー、ビー、ビー……」

……システムエラーが発生。

再起不能となり、まるで糸の切れた操り人形のように地面にポトッと落ちて、倒れてしまった。

「ポリゴンZ、戦闘不能!」

審判の判断が下され、ポリゴンZの瀕死が確定。

「……くっ」

ゴールドはその知らせを聞くと、歯を食い縛り悔しそうな表情を滲ませながら、モンスターボールにポリゴンZを格納したのだった。

だが、その直後。

「……リキッ」

……なんと。

ポリゴンZを見事に撃破した張本人であるカイリキーまで、力が抜けたのか、フライゴンから転がり落ちてしまい。

「リ……キ」
685 : mTQB7XkZdk 17/06/20 02:21:52 ID:eLHcf8p6 [2/4] 名前× NGID× m 報告
やがて墜落すると、大の字に寝転がって……そのまま、目を回して気絶してしまった。

「……っ」

グリーンはその様子を見て、驚きはしない。

寧ろ、これが"自然"だと思った。

先刻までのバンバドロとの戦いで、ただただ余分に体力を消耗させられていたカイリキー。

砂嵐のスリップダメージも含め、彼に蓄積していた傷の量は既に致命的なモノだった。

そんな満身創痍ともいえる過酷な状態の中で、カイリキーは己の死力を尽くし、インファイトを放った。

結果として、それが最後の一撃となったのである。

まさに命賭け。

「……カイリキー、戦闘不能!」

審判の声がすると、グリーンは微笑しつつカイリキーをボールに戻した。

「上出来だ」

「最高だったぜ」

今日、全力で闘い抜いた者に敬意を表す。

例え、この後の試合が如何なる結果になろうとも。
686 : mTQB7XkZdk 17/06/20 02:22:52 ID:eLHcf8p6 [3/4] 名前× NGID× m 報告
カイリキーの活躍は、この会場に居る全ての者共の目に……強く焼き付いたことだろう。

「……さすが、だな」

「ああ……」

眼前のバトルに、レッドは思わず息を飲んだ。

自身最大のライバルが、かつて自分を負かした因縁のトレーナー相手に、互角以上に渡り合っている。

この時、レッドは思い出した。

常に自分の先を進んでいた……グリーンというトレーナーの強大さを。

彼の"資質"は、あれから数年経った今でも殆ど色褪せていない。

未だなお、彼は強くなり続けている。

偉大な祖父から受け継いだであろう類い稀な才能と、そして……誰にも負けない"努力"によって。

「……うし」

「"コイツ"だな」

と。

グリーンはついに、最後に繰り出す二匹目のポケモンを選出する。
687 : mTQB7XkZdk 17/06/20 02:23:45 ID:eLHcf8p6 [4/4] 名前× NGID× m 報告
「……いよいよ後がない」

「任せたぞ」

ゴールドも同様だった。

勝つのはカントー最強か、それとも……ジョウトの英雄か。

「やれ!」

「"ギャラドス"!!」

……グリーンのラストは、きょうあくポケモン・"ギャラドス"。

深淵より地上へと舞い上がり、傍若無人に暴れまわる悪龍。

奴が無差別に放つブレスは、周りの風景全てを凄惨な焦土と化し。

奴に食い荒られた者共は、鮮血に彩られながら無惨な屍を晒す。

「ギャォォォォォアアアアアッ!!」

ギャラドスの、鼓膜を貫くが如しの凄まじい咆哮。

激震する水の怪物を前にして、ゴールドも対抗馬を繰り出す。

「これで決める!」

「いけ……"ハガネール"!」
688 : ワシ@しずくプレート 17/06/20 05:55:37 ID:R7bxbMM2 名前× NGID× 報告
支援
689 : mTQB7XkZdk 17/06/21 12:18:10 ID:OXd8qNn2 [1/3] 名前× NGID× m 報告
ゴールドが繰り出したのは、荒野を這いずり回る巨大な鋼の蛇。

その名もハガネール。

「ガラララララ!!」

いわへびポケモン"イワーク"が、"メタルコート"を纏って進化した姿だ。

その防御力は抜群に高く、また、大きくて頑丈な顎による噛みつき攻撃も、食らったらひとたまりもない。

更に、"はがね"タイプの装甲は砂嵐を跳ね返すので、この天候でも地味な持続的ダメージに邪魔されずに、存分にその力を奮うことができる。

「ギャオオッ!!」

「ガラララッ!!」

二対の蛇、相見える。

バトルフィールドの環境的には、ハガネールの方が砂嵐を無効に出来る分有利だが……。

……"じめん"も併せ持つハガネールは、ギャラドスの強力な"みず"技が効果抜群なので怖いところ。

加えて、"ひこう"を備えるギャラドスに"じめん"の技は通用しない。

もっと言うと、"はがね"では"みず"に余り大きなダメージを与えられない。

もっともっと言うと、横のフライゴンも"ふゆう"の特性を持っているため"じめん"が通用せず、ハガネールの"はがね"ではフライゴンの"じめん"にそれほどのダメージが期待できない。

つまり……ゴールドにとって、タイプ相性的には全くもって最悪な対面なわけだ。
690 : mTQB7XkZdk 17/06/21 12:19:30 ID:OXd8qNn2 [2/3] 名前× NGID× m 報告
とはいえ、二匹目を出してしまったからにはもう交代できない。

結果がどうあれ、最後までハガネールで敢闘しなければならないのだ。

「…………」

……"ニッ"。

そんな擬音が聞こえてきそうな、ゴールドの不敵な笑み。

どうやら彼には、この圧倒的不利な状況を覆す術があるらしい。

しかし一方で、ミヅキはこの状況を危険と判断していた。

(……ゴー君が何を考えているのかは分からないけど)

(流石に"じめん"だけで"ひこう"や"ふゆう"に太刀打ちするのは無理があるよね)

(……代えるかな)

ミヅキが出しているバンバドロもまた、ハガネールと同様"じめん"タイプを持つ。

しかし、相手が"じめん"を無力化するポケモンばかりなために、そのポテンシャルは十分に発揮されない。

ゴールド側には何か策があるにしろ、ミヅキはバンバドロのままじゃ戦えないと悟った。

なのでミヅキは、バンバドロの入っていたボールをまず構え。

「……戻って、バンバドロ!」
691 : mTQB7XkZdk 17/06/21 12:24:02 ID:OXd8qNn2 [3/3] 名前× NGID× m 報告
バンバドロを、ボールに戻す。

そして次に。

もう一つ……別のモンスターボールを大きく振りかぶると。

「行って!」

「"キュウコン"!」

……出てきたのは、氷を操る、美しき白銀の衣を纏った九尾の獣。

彼女が荒れ果てた大地に降臨した、その次の瞬間。

なんと、ポケモン達をあれほど苦しめてきたあの忌まわしき砂嵐が、突然パタリと止み……。

代わりに、細々とした無数の氷の粒……"あられ"が降ってきた。

彼女の特性・"ゆきふらし"の効果である。

砂舞う戦場は、一転、氷結せし世界へと大きく変貌を遂げた。

「ヒュォォォォ……」

"キュウコン"。

その艶やかなる姿を、観戦席から目の当たりにしたレッドは……。

「……えっ?」

まるで鳩が豆鉄砲を食らったかのような、驚きに唖然とする表情を……浮かべたのだった。
692 : リミアン@ぎんのはっぱ 17/06/21 15:03:49 ID:mb12Lt4E 名前× NGID× 報告
炎じゃないから戸惑うよなそりゃあ
693 : フーライ@ていこうのハネ 17/06/21 16:57:35 ID:9eKqFExo 名前× NGID× 報告
メガハガネールの特性
694 : ャラコ@ドリのみ 17/06/21 16:58:32 ID:pV4x9k/M [1/2] 名前× NGID× m 報告
あら?いつもと登校時間違う
695 : プ・テテフ@ももぼんぐり 17/06/21 16:59:07 ID:pV4x9k/M [s] [2/2] 名前× NGID× m 報告
>>694
登校→投稿な
696 : レシー@ヤゴのみ 17/06/21 17:04:48 ID:0anoOe4E 名前× NGID× 報告
>>693
発動する前に味方に天候変えられてやんのww
697 : mTQB7XkZdk 17/06/22 02:52:51 ID:1lJbeHbs [1/4] 名前× NGID× m 報告
「……ね、ねえ、カルム」

「ん?」

レッドの突然の呼び掛けに、カルムが応じる。

レッドは、ミヅキの銀に輝くキュウコンを見た時、自分の目を疑った。

なぜなら。

「……あれって、本当にキュウコンなの?」

「色違い……みたいだけど、明らかに雰囲気が違いすぎる気がする」

……レッドの知るキュウコンと、今目の前で氷雪を纏いながら凛々しく佇んでいるミヅキのキュウコンは、明らかに見た目が異なっていたからだ。

「キュウコンは、"ほのお"タイプのポケモン」

「なのにあのキュウコンは……なんだか、"こおり"って感じだ」

……彼の中で起こる矛盾。

レッドの問いに、カルムは少し頭で考えた後……。

「……俺も、噂でしか聞いたことがないんだけどな」

そう前置きをして、ゆっくりと口を開け語り始めた。

「あれは恐らく……"リージョンフォーム"ってヤツだろう」

「単なる"色違い"ではない」
698 : mTQB7XkZdk 17/06/22 02:55:36 ID:1lJbeHbs [2/4] 名前× NGID× m 報告
それは、ミクリのアシレーヌのような単純な色違いにあらず。

"リージョンフォーム"と呼ばれる、ある一つの確立された概念のもとで存在していると、カルムは言う。

だがレッドは、"リージョンフォーム"なんて言葉を聞いたことが無かった。

「リージョン……?なにそれ」

レッドは、質問に更に質問を重ねる。

カルムは答えた。

「その地方の環境によって、特定のポケモンの姿が通常と大きく変わることがあるらしい」

「"リージョンフォーム"は、そうしたポケモン達の総称って言ったところだな」

カルムのこの説明に、レッドはハッと気付いた。

「……あっ」

「そうかじゃあ、あのキュウコンは……アローラのキュウコンってこと?」

アローラ代表のミヅキが、カルムの言う"リージョンフォーム"のキュウコンを繰り出したということは。

それ即ち、そのキュウコンはアローラの環境下で生まれ育った個体である可能性が高いということ。

レッドのこの推測は確かに的を射ていたようで、カルムはコクリと頷く。

そして。
699 : mTQB7XkZdk 17/06/22 02:57:33 ID:1lJbeHbs [3/4] 名前× NGID× m 報告
「全く……ポケモンってのはホント、面白いヤツばっかだな?」

次の瞬間には、あまりに不思議なポケモンの特異な生態に、思わず笑みを漏らしていた。

「……ふふ、そうだね」

レッドは同調する。

トレーナーが生きる日を重ねるごとに、ポケモンという生き物の謎はどんどん深まっていく。

またそれに比例して、ポケモン達は限りなく魅力的な存在になっていくのだ。

レッドとカルムはそれを感じると、笑わずにはいられなかった。

お互い、本当にポケモンが好きなんだなと実感する。

ポケモンの新たな可能性、"リージョンフォーム"。

しかし、観戦席がそれに対し純粋に夢を見ている一方で。

バトルフィールドに居る彼……ゴールドは。

「ミ、ミヅキさん!」

「あの……折角"すなあらし"に強いハガネールを連れてきたのに、なんで急に"あられ"にしちゃうんですかぁ!」

ほんの数分前まで砂嵐が舞っていた戦場が、唐突に霰が降り注ぐ雪原に変わってしまったことに困惑し、その原因を作ったミヅキに抗議していた。

これでは、わざわざハガネールを持ってきた意味が無くなってしまうじゃないか……と。
700 : mTQB7XkZdk 17/06/22 03:01:12 ID:1lJbeHbs [4/4] 名前× NGID× m 報告
「あわわっ!?ご、ごめ〜んっ!」

「いやぁもう私ったら、ついウッカリ♪」

「"ついウッカリ♪"、じゃないですよ!?」

天候が"あられ"になったことで、キュウコン以外のこの場に居る全てのポケモン達に課せられるダメージは等しくなった。

そうなると、タイプ相性でただでさえ全体的に不利をとるゴールドのハガネールは、地の利さえも奪えない形で場に出てしまったことになる。

まさにゴールドは、味方の行動によって窮地に立たされてしまったわけだ。

……だが。

(こんなことなら別のポケモンを出していた方が効率は良かったな……)

(……まあ、これならこれで良いけど)

それでも揺るがない確固たる"勝算"が、ゴールドにはあるらしい。
701 : ノガッサ@むげんのふえ 17/06/22 06:33:11 ID:brK.rcSs 名前× NGID× m 報告
支援
702 : Rate1XbwY6 17/06/22 07:49:59 ID:8nAQ2.zM 名前× NGID× m 報告
支援
703 : ョボマキ@ミアレガレット 17/06/22 10:47:00 ID:NSa2BY/g 名前× NGID× m 報告
山篭り時のレッド、只の天狗野郎説

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荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。


一部のホストからの違反報告を制限させてもらっています。


文字サイズ設定・投稿設定・NG設定▼(クリックで開閉。動作にはJavaScriptを有効にして下さい。)
    文字サイズ

    自分の投稿を分かりやすくする
    投稿フォームの「履歴ページに記録する」にチェック時、この設定が有効の場合に、投稿した書き込みの名前が黄色く表示されます。(動作には要履歴ID発行
    現在の設定は「有効」です。
      

    NG設定
    各NG設定は、履歴IDを発行することで、PCとiPhoneなど複数端末で共有化することが出来ます。

    ・連鎖NG設定
    NG機能で見えなくなったレスにアンカーが向けられていた場合、そのレスも連鎖して見えなくなります。
    現在の設定は「」です。
      

    ・NGワード設定
    入力した単語を含むレスが見えなくなります。(改行区切りで入力後、「設定する」ボタンをクリック)
    NGされたレス内容は「元レス」をクリックすると確認できます。

    ・NGネーム・NGID一括削除


    【特殊な指定方法】

    ・「_(アンダーバー)」はAND条件。
    ・[]で文字を囲むと、その中のいずれか1文字と一致。
    ・[]で囲んだ文字を | で区切ると、それぞれをOR条件として動作。
    詳しくは、NGの設定方法を参照。

(画面No:2a)

(連投制限などに引っかかった時用)