レッド「メガシンカ……か……」カルム「ラストだ」


406 : mTQB7XkZdk 17/04/27 01:58:09 ID:79Rt8.kQ 名前× NGID× m 報告
「ゴロッ!?」

「カメッ!?」

ゴロンダの"アームハンマー"も、カメックスの"ハイドロポンプ"も、皆かき消されてしまう。

高い実力を持つ二匹が束になっても、レジギガスは単体でそれらと対等に戦えるだけの力を持っている。

もしこれがタイマンであったなら、まるで歯が立たなかったであろう。

こちらにはまだ"数"というアドバンテージがある。

しかし、単純に手数で圧し切るのは難しそうだ。

更に必要となるのは……"連携"。

数が多いことの利点を最大限に活かすことで、この局面は突破できるハズ。
407 : ータス@ボイスチェッカー 17/04/27 05:57:44 ID:QVVn.wvw 名前× NGID× 報告
レッドって連携苦手そう
支援
408 : mTQB7XkZdk 17/04/28 02:21:24 ID:y4sNSlQI [1/7] 名前× NGID× m 報告
「!」

そこでレッドは、あたかも脳内に電流が走ったかのような感覚に見舞われた。

閃いたのである。

自分達だからこそ出来る連携……という奴を。

(ザクロさんとの戦いでも、この戦法は有効だった)

(あれがあのレジギガスに通用するかは分からないけど……やるしかない!)

それは、レッドのカメックスとザクロのバンギラスが対峙した時のこと。

そこで発揮されたカメックスの"とあるポテンシャル"は、今回の戦いでも同じように活かせるのではないか。

若干ダメ元でもあるが……。

「カルム!……ちょっと良い?」

「?」

……レッドはカルムに提案する。

恐らくこの試合最後となるであろう、作戦会議を。
409 : mTQB7XkZdk 17/04/28 02:22:05 ID:y4sNSlQI [2/7] 名前× NGID× m 報告
結果は。

「……悪くはないが」

「できるのか?」

……作戦自体は許容の範囲だが、カルム曰く難易度が高いらしく。

きちんと策が成功するかどうかを危惧していた。

半信半疑なカルムのこの問いに、レッドは。

眉を鋭く引き締めて。

目に宿りそうな迷いを全て断絶して。

心に訪れそうな不安を跡形も無く振り払って。

実直に、言った。

「できる」

「信じてくれ」

カルムに、カロスの勝利を約束しながら。

"可能"と、宣言してみせた。
410 : mTQB7XkZdk 17/04/28 02:22:52 ID:y4sNSlQI [3/7] 名前× NGID× m 報告
「……ははっ」

「オーケー!……裏切ってくれるなよ?」

話はまとまり、互いの意思が一つとなる。

クロツグが完全な"個の力"で挑むというなら。

こちらは"チームの力"で臨むまで。

「カメックス!」

「"アレ"……やってくれるか!」

その指示があった時。

カメックスは、ニヒルに笑って。

「……ガメェ!」

"お安いご用!"と、鼻息をフンスと鳴らしグーサインした。

そして。

「ガメガメェ!」

レジギガスに向かって、果敢に走る。

ゴロンダはそこに並走しない。

どうやらカメックスは、単身でレジギガスとの一騎討ちに挑戦するようだ。
411 : mTQB7XkZdk 17/04/28 02:24:08 ID:y4sNSlQI [4/7] 名前× NGID× m 報告
「ふっ……無謀な」

クロツグは嘲笑うようにして、そのカメックスの勇姿を無謀と切り捨てる。

「返り討ちにしてくれる!レジギガス、"かみなりパンチ"!」

「code:thunder……」

レジギガスは、豪腕に電撃の力を付与させて、カメックスを強襲した。

高く飛び上がり、黄色い稲妻を浴びせに行く。

「よけろ!」

対してレッドは、レジギガス相手にカメックスを単騎で送り出すという大胆な作戦を取りながらも、慎重に回避を司令。

「ガメッ!」

カメックスは、電流迸る巨腕が到達する前に体を横にズラした。

「……」

攻撃を外したレジギガス。

しかし、彼には一切の表情も言葉もない。

ただひたすら、標的を追うだけ。

攻撃が、当たるまで。
412 : mTQB7XkZdk 17/04/28 02:24:40 ID:y4sNSlQI [5/7] 名前× NGID× m 報告
「レジギガス、今度はゴロンダに"ほのおのパンチ"!」

「code:fire……」

次のターゲットはゴロンダ。

灼熱の猛炎が、辺りの氷を溶かしながらレジギガスの拳に宿る。

しかし、その攻撃を阻止せんと真っ先に動いたのは。

「させるか!」

「カメックス、"ハイドロポンプ"で消化するんだ!」

……カルムではなく、レッド。

「ガメェェァ!」

カメックスは、"ハイドロポンプ"をレジギガスの腕目掛けて発射する。

それが直撃すると、レジギガスの身にまとわりついていた炎が一瞬にして消え失せた。

「ぐっ……なら、"かみなりパンチ"!」

クロツグは、炎がダメならと言わんばかりに今度は"かみなりパンチ"を指示。

これは、流石のカメックスでも止められまい。

……と、思っていたら。
413 : mTQB7XkZdk 17/04/28 02:25:22 ID:y4sNSlQI [6/7] 名前× NGID× m 報告
「腕に向かって"ふぶき"!」

「ガメッ!」

レッドは、濡れたレジギガスの腕に向かって"ふぶき"を吹かせた。

氷雪が舞う美しきその絶景は、みるみる内にレジギガスの腕全体を凍り付かせていく。

これではエネルギーが行き届かず、"かみなりパンチ"が出せない。

「ガァーッメッメ!」

"どうだまいったか"と、カメックスはこれでもかというくらいに笑いに笑って見せた。

レジギガスのありとあらゆる攻撃を、的確な処理で全て無効化に成功した今のカメックスはまさに絶好調。

自信過剰な彼の元々の性格もあり、メチャクチャ調子に乗っている。

それこそ、挑発とも捉えられてしまいそうな程に。

「くぅぅ!なんだかなぁ!オイ!」

流石に苛立ちを隠せないクロツグだが、一方でレジギガスは……。
414 : mTQB7XkZdk 17/04/28 02:25:57 ID:y4sNSlQI [7/7] 名前× NGID× m 報告
「…………」

……やはり、予想はしていたが。

このカメックスの傲慢な態度にも、全くカッカした様子を見せない。

ただただ、無機質な点字の顔で見つめるだけだ。

「……やっぱり、あの時のようにはいかないか」

血の気が多いバンギラスと、常に冷静沈着なレジギガスでは精神力の強さに雲泥の差がある。

勿論、届かぬ雲はレジギガスの方だ。

カメックスがこれだけ鬼の首を取ったが如く無意味に騒ぎ立てても、苛立つ気配が全く無い。

故に、レジギガスを挑発するのは極めて困難だということが、今この瞬間を以て確定的だと判明したわけである。

だけど。

それでもカメックスは、稼がなければならない。

"時間"を。
415 : リムガン@マグマのしるし 17/04/28 06:02:30 ID:cPMcrv2U 名前× NGID× 報告
支援
416 : ガユキノオー@つきのふえ 17/04/28 07:23:49 ID:nIU5WwFg 名前× NGID× 報告
この感じゴロンダはきあいパンチぽいな
417 : ングース@イバンのみ 17/04/28 07:24:53 ID:cBybMwtY 名前× NGID× m 報告
(正直これこのスレで終わるのか?終わってほしくないけど)
418 : ガハガネール@メダルボックス 17/04/28 14:30:25 ID:HkNiCVeU 名前× NGID× m 報告
>>417
むしろ終わると思ったのか……
419 : ガバンギラス@むしのジュエル 17/04/28 14:45:47 ID:PxvsKDLc 名前× NGID× 報告
何かだんだんと
ギガスが「ジ・アース」に見えてきたwww
支援
420 : シマリ@ピーピーマックス 17/04/28 18:03:58 ID:m9zLfYCY 名前× NGID× m 報告
しえーん
421 : ガイアス@やけたきのみ 17/04/28 18:50:41 ID:0iH.YdQY 名前× NGID× m 報告
一戦目で400越えたからな

いつまでも支援
422 : ックル@ミストシード 17/04/29 12:37:15 ID:2IautvJU 名前× NGID× 報告
最初はレッドTueeeeeeのSSかと思ったけどめっちゃ面白くて衝撃を受けたwww

支援
423 : mTQB7XkZdk 17/04/29 23:21:33 ID:b1VXuVMk [1/11] 名前× NGID× m 報告
「……!!」

レジギガスは、もう片方の腕で、凍てついて動かせない方の腕の氷をぶん殴って破砕。

両腕の自由を取り戻す。

「よし……」

再び攻撃できるようになり、一息つくクロツグ。

だが先程の攻防からして、傍らのカメックスはそう簡単にゴロンダへの攻撃を許してはくれなさそうだ。

しかしなぜ、彼はあそこまで徹底して、動かぬゴロンダを守ろうとするのか。

クロツグはそう考えた時、ふと気付く。

「ロォォォ……」

ゴロンダは、ただ単に動いていないだけではない。

蓄えているのだ。

力を。

彼は腰を低く落とし、右手に沸き立つ気力を集めている。

だが普通、あんな隙だらけの行為は自殺と同意だ。

己の全神経を一点だけに集中させれば、敵からの攻撃には完全に無防備となってしまう。
424 : mTQB7XkZdk 17/04/29 23:22:04 ID:b1VXuVMk [2/11] 名前× NGID× m 報告
だが、そんなゴロンダのノーガード状態をカバーするのがカメックスの役目だとしたら……。

「……くっ」

「早急に片付けなければやられる、か」

……カメックスを振り抜いてゴロンダを仕留めるか。

あるいはカメックスを先に仕留めてから、ゴロンダをじっくり料理するか。

その二択だ。

果たしてどちらを選べば、自分は勝てるのだろう。

「……ええい!」

「悩んだところで仕方がない!」

クロツグには、考慮する時間すら惜しかった。

そうこうしている内にゴロンダが力を溜めきってしまったら、元も子もないからである。

「レジギガス!」

「カメックスに"にぎりつぶす"!」

そしてクロツグが選んだのは後者の道。

"急がば回れ"というように、一つ一つ確実に標的を倒していく作戦に出た。

この展開は、レッドとしては中々に好都合。
425 : mTQB7XkZdk 17/04/29 23:23:27 ID:b1VXuVMk [3/11] 名前× NGID× m 報告
(良いぞ!)

勿論、クロツグがこちらを無視しようものなら、それはそれで徹底的にレジギガスの後ろを叩いてたが。

予め自分が思い描いていた筋書きの通りに事が運ぶなら、それに越したことはない。

「カメックス、絶対に捕まるな!」

「"ふぶき"で向かい風を作れ!」

「ガメェ!」

カメックスは、極大氷結奥義"ふぶき"で、雪山をより一層純白に塗り潰す。

霰と粉雪の融合は、レジギガスを極寒と裂傷の渦に誘った。

「……!!」

レジギガスはカメックスを握り潰しに行こうとするも、"ふぶき"による風圧のせいで前に進めない。

そして、一緒に流れ込んでくる無数の氷塊がレジギガスの体に傷を付けていく。

この巨人をも苛める強風に、クロツグは。

「"ほのおのパンチ"で溶かしてしまえ!」

「リョウカイ……」

炎の鉄拳で"ふぶき"を振り払うことで凌ぎ。

カメックスまでの道が拓けたところで。
426 : mTQB7XkZdk 17/04/29 23:24:22 ID:b1VXuVMk [4/11] 名前× NGID× m 報告
「!!」

レジギガスは再び始動。

大地を強く踏み、目標へとひた走る。

「オワリダ……!」

ついにレジギガスは、手を伸ばした。

ここまで自らに楯突いてきた、勇敢で愚かな戦士に。

「カメッ……!」

「よけろ!」

レッドはすかさず回避を指示した。

だが。

「ガッ!?」

____捕まった。

捕まってしまった。

「しまった……ッ!」

レジギガスの方が、スピードで上手だった。

レジギガスはその右手でカメックスを鷲掴みにし、ミシミシと掴む強さを上げていく。
427 : mTQB7XkZdk 17/04/29 23:25:04 ID:b1VXuVMk [5/11] 名前× NGID× m 報告
「ガァァァァッ!?」

その時、カメックスの全身に軋むような痛みが迸った。

彼は激痛のあまり、この世の物とは思えない程の苦辛の表情をさらけ出してしまう。

まるで引き抜かれたマンドラゴラのような叫びと共に。

「カ……カメックス!」

万事休すだ。

このままレジギガスの必殺"にぎりつぶす"が決まれば、カメックスは間違いなくお陀仏。

即行で瀕死となる。

だが……。

「悪いが、ここで時間を浪費するわけにはいかない!」

……クロツグには、その時間さえ惜しかったのだった。

次の瞬間、クロツグは____

「レジギガス!」

「残った左腕で、止めの"かみなりパンチ"!」

_____カメックスに、瞬殺の一手を仕掛けた。
428 : ンターン@むしのジュエル 17/04/29 23:25:41 ID:veQrfknY 名前× NGID× m 報告
グロ注意やんけ
429 : mTQB7XkZdk 17/04/29 23:25:43 ID:b1VXuVMk [6/11] 名前× NGID× m 報告
「ガッ……!?」

「……リョウカイ」

"にぎりつぶす"で痛め付けている時間をもタイムロスとしたクロツグ。

なぜなら、横で力を溜めているゴロンダの存在があったからだ。

奴をあのまま野放しにしていたら、どうなるか分かったものでは無い。

とにもかくにも、カメックスを先に倒す手段を選んだからには、クロツグは早急にカメックスを片付けなければならなかったのだ。

なので。

「カクゴ……」

ここでカメックスには。

雷神の力を以て。

……ご退場を、願う。

「……ガッ」

____ついに、拳が振り切られた。

黄金の雷を纏ったレジギガスの左腕が、カメックスの顔面をぶち抜く。
430 : mTQB7XkZdk 17/04/29 23:26:53 ID:b1VXuVMk [7/11] 名前× NGID× m 報告
「ガァァァメェェェッ!!」

効果抜群。

一撃必殺。

天下無双のレジギガス、その無類たる所以が今ここに示された。

「カ……」

「カメックスーーーーッ!!!」

後ろに吹き飛ばされたカメックスを刮目し、レッドは慟哭をあげる。

彼の全身には、巨人への畏怖が巡った。

そして悟る。

恐らく、単体での戦闘力ならあのレジギガスは"最強"だと。

レッドが今まで戦ってきたどんなポケモンよりも恐ろしい力を持っている。

その恐怖を身に染みて味わって、レッドは本気でかつてない程の激震を感じたのだった。

なにせ、レッドの手持ちでも随一の防御を誇るカメックスが……。

「……ガァ……」

……あんなにも無様に氷山にめり込んで、目を回しているのだから。
431 : mTQB7XkZdk 17/04/29 23:27:35 ID:b1VXuVMk [8/11] 名前× NGID× m 報告
「カメックス、戦闘不能!」

「これでレッド選手は全滅です!」

審判から、絶望の一言が放たれた時。

レッドの目の前は真っ暗になった。

「……ッ!」

敵わなかった。

己の死力を注ぎ込んでも、あのレジギガスには。

これで時間稼ぎは失敗。

次はゴロンダがやられる番____

____そう確信した。

だが。

「十分だ」

そんなレッドの、真っ暗闇な視界を切り裂く一声。

そして。

「ゴロォォォアアアッ!!」

打ち破る景色。
432 : mTQB7XkZdk 17/04/29 23:28:49 ID:b1VXuVMk [9/11] 名前× NGID× m 報告
「な……」

「い、いつの間に!?」

レジギガスの頭上に一筋の"矢"が届きそうだったところを、クロツグは今更ながらに気付く。

そう。

ゴロンダは、無事にチャージ完了したのだ。

勝負を決めるための力を。

クロツグの意識がゴロンダに行く、そのギリギリの直前というところで。

「待たせたな……レッド、カメックス」

「お前らの奮闘は……決して無駄にはしないぜ!」

……レッドの目には、カルムが救世主に見えた。

「カルム……!」

時間稼ぎは失敗に終わらず、活きて勝利への引き金となる。

ゴロンダの技が決まる時。

「いけぇ!ゴロンダッ!」

「フルパワーの"アームハンマー"で……全てを終わらせろッ!」
433 : mTQB7XkZdk 17/04/29 23:30:37 ID:b1VXuVMk [10/11] 名前× NGID× m 報告
「ゴロォォォアアアッ!!」

巨人の最期が、訪れるのだ。

ゴロンダは、膨張した右腕の筋肉に全体重を乗せ。

レジギガスという大きな存在すら、一本の"釘"に見立てて。

自身の全てをかけた一撃を____

「ロンダァッ!」

____その釘に、打ち込んだ。

「ジッ……!!!」

脳天を貫かれたレジギガス。

ゴロンダの"アームハンマー"が、巨兵の動きを完全に停止させた。

「……っ」

一瞬、会場の歓声が止む。

そして。
434 : mTQB7XkZdk 17/04/29 23:31:15 ID:b1VXuVMk [11/11] 名前× NGID× m 報告
「……システム……カンゼンテイシ……」

レジギガスは、そのまま力無く前のめりになり。

点字の光が消えると、以降は何も言葉を発しなくなった。

これが意味するのは、レジギガスの完全シャットアウト。

つまり……"瀕死"。

よって。

「レジギガス、戦闘不能!」

「よって勝者……カロス代表チーム!」
435 : イコグマ@ポイントアップ 17/04/30 08:23:55 ID:7pYDGVR6 名前× NGID× 報告
うおおおおお!
支援支援
436 : ケニン@クロスメール 17/04/30 08:51:12 ID:y70t0f4Q 名前× NGID× 報告
あっ普通にアームハンマーだったか
437 : ッチャマ@クサZ 17/04/30 09:03:28 ID:evbSzQkM 名前× NGID× m 報告
普通の技も溜め演出できるのはゲームではない利点だよね

支援
438 : ガフシギバナ@メタグロスナイト 17/04/30 20:12:25 ID:SqHgtS5M 名前× NGID× 報告

シロナのカブはメスじゃない?
439 : ルキモノ@きちょうなホネ 17/04/30 20:16:29 ID:Nt4Da4tU 名前× NGID× 報告
アームハンマーで貯めるってどういうこっちゃ
440 : mTQB7XkZdk 17/05/01 00:54:16 ID:WTdbypWQ [1/6] 名前× NGID× m 報告
カロスとシンオウの粋同士が激突した苛烈なバトル。

そこに栄えある白星を盛大に打ち上げたのは、カルムとレッドのカロスチームだった。

カメックスの粘りとゴロンダの一撃必殺が、この栄光をモノにしたのである。

まずは一回戦突破。

我らがカロスが勝ったというところか、観客たちは沸きに沸いた。

そんな有象無象の人々の中に混じる四天王・ズミもまた、カロスの勝利に微笑む。

「……まあ、この辺りは流石と言ったところですね」

ところでズミは日頃、チャンピオンよりもブティックの仕事を優先させているカルムのことを、あまり良くは思っていない。

だが一方で彼は、トレーナーとしてのカルムの実力を本気で認めている部分もある。

故に今回のカルムの活躍は素直に嬉しかった。

彼と同じカロスの民として。

そしてそれは当然、コルニも同じだろうと、ズミはふと横を振り替えって彼女の姿を確認。

……が、しかし。
441 : mTQB7XkZdk 17/05/01 00:54:54 ID:WTdbypWQ [2/6] 名前× NGID× m 報告
「……レッド」

……何故かコルニは、ひどく気がかりそうな表情を浮かべていたのだった。

カルムの相棒"レッド"の名を呟きながら。

「……っ」

ズミは"なぜそんな顔を?"と聞こうとする。

だが、言う前に何となく察した。

コルニは今、カロスの勝利に対する喜びよりも____

____全滅してしまったレッドの気持ちを案じているのだと。

(……やはり彼女と彼は、ただならぬ関係のようだな)

確かにカロスは勝ったが、レッドは負けた。

もしそのレッドがコルニにとって特別な存在だとしたら、彼女が悲しむ動機には十分なり得る。

そう考えた時、ズミから彼女に送る言葉は何もなかった。
442 : mTQB7XkZdk 17/05/01 00:55:25 ID:WTdbypWQ [3/6] 名前× NGID× m 報告
……ハズだったのだが。

「……彼は、良い働きをしてくれました」

「それはまるで、料理を完成させるにあたり必要不可欠な"隠し味"のような……」

……つい、言葉が出てしまった。

これは気休めか、それとも励ましか。

どっちとも捉えられるような言い方をしてしまって、若干の後悔の念に駆られるズミ。

余計なことを言った……と。

するとコルニは。

「……ズミさんって、何でも料理に例えますよね」

クスッと、ズミの癖を少し笑って。

「でも」

「今日のレッドも……カッコ良かったなぁ」

本日のレッドの奮戦ぶりを、褒め称えた。
443 : mTQB7XkZdk 17/05/01 00:55:56 ID:WTdbypWQ [4/6] 名前× NGID× m 報告
「……」

「……ふっ」

どうやらズミの言葉は、本当に余分だったらしい。

それこそ彼風に言えば、パスタに垂らしすぎたオリーブオイルのような。

彼女の彼を想う気持ちは、この程度で崩れるような物ではない。

そう確信して、ズミは美しく思った。

彼女らの結んでいる……絆を。
444 : mTQB7XkZdk 17/05/01 00:56:32 ID:WTdbypWQ [5/6] 名前× NGID× m 報告
…………

……

……選手用の観戦席。

そこでカロスとシンオウのチャンピオン達は、改めて言葉を交わしていた。

「いやぁなんだかなぁ!強いなキミ達!」

「ホント……最近の子って本当に強いのね」

クロツグとシロナは、負けてても何だか貫禄を感じる。

年功者だからということもあろうが、やはりそれだけ彼らの実力が他とは桁外れだったということなのだろう。

そのせいか、カルム達は……全く勝った気がしなかった。

なにせ、結局最後は二匹がかりでレジギガスを挟み撃ちにしたわけだから、正直フェアだったかと言われればそうでは無いわけで。

これがシングルだったらと思うと心底ゾッとする。

「今度は1vs1でやりたいな!」

「……ソウデスネ」

クロツグのそんな願いも、カルム達からしてみれば恐怖の誘い。

心にも無い返答はカタコトに。
445 : mTQB7XkZdk 17/05/01 00:57:11 ID:WTdbypWQ [6/6] 名前× NGID× m 報告
「それでは、次の戦いも頑張ってくれよ!」

「私たちはこの席から、貴方達のことを応援してるわね」

……まあ、何はともあれ勝ったのだ。

もっとイイ気になっても良いハズ。

それに、これからはクロツグ達も自分達のことを見守ってくれる。

だからこそ、負けられない。

「……はい!」

「頑張ります!」

「ピカッ!」

そう答えるレッドには、感じた物が一つあった。

それは、クロツグ達から託された想い。

彼らと会話をする度に、それが胸の内に入って心を熱くしてくれる。

自分達はきっと、今この瞬間を以て背負ったのだろう。

そして、受け継いだのであろう。

シンオウの……誇りを。

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