【ｴｲﾌﾟﾘﾙﾌｰﾙSS】マツリカ「付き合ってください」　ミヅキ「えっ」

マツリカ「付き合ってください」

ミヅキ「えっ」



ミヅキ(なんでマツリカさんが私を女の子が好きだったのタイミングもいきなりでもアローラの人たちはカントーで知らない女同士であんなことやこんなこといや私の勘違いかも)



ミヅキ「……付き合うって、絵のモデルかなにかとして」

マツリカ「恋愛的な意味だよー」

ミヅキ「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜？？？？？？？？？？」

ずっと更新してるな 乙です

マーレイン「じゃあね、二人とも。また来たときは、マーくんも会えるように僕から言っておくよ」

マツリカ「ありがとうございましたー。ではではー」

ミヅキ「マーさんまたね〜」

マツリカ「……はぁ」

ミヅキ「いや〜。マーさんからあんな話聞けるなんて思わなかったな〜」

マツリカ「変な流れにしちゃってごめんね、ミヅキちゃん。結局ウソもつけなかったし」

ミヅキ「う〜ん……。私と同席していてあんな話しした時点で、半分くらい公言したようなものじゃぁ……」

マツリカ「……言われてみればそうですね」

マツリカ「それより、これからどうしましょう？　もう夜になるし、またバスでのんびり帰ってお別れしますか？」

ミヅキ「バスはまだちょっと……ていうか、そうだよマツリカさん！」

マツリカ「ん？　なにが『そうだよ』なの？」

ミヅキ「私、マーさんに会おうと思ってここ来ようと思ったんじゃないんでした！」

ミヅキ「ってわけでマツリカさん、外出ましょう！　外！」

マツリカ「お、おぉぉお！？　今度はミヅキちゃんがマツリカを引っ張るんだ〜……」

ミヅキ「ほら、見てくださいあの山！　ポケモンリーグがここから見えるんですよ！」

マツリカ「おー！　なるほどなるほど、いい感じの空ですなぁ〜」

ミヅキ「でしょでしょ？　私、初めてこの光景を見たときすごく感動したんです！」

マツリカ「そうですか〜。マツリカもスケッチしたことあるけど、いいスポットだよね〜」

ミヅキ「この景色を見たときのこと……今でも思い出せます……！」

『ごらんミヅキ！　神々しさを感じる山があるだろ！　アローラで一番高いラナキラマウンテンだぜ！』　



『月の化身とされるアローラの伝説ポケモンに一番近い聖地！　ラナキラマウンテンのてっぺん！　あそこにポケモンリーグをつくる！』



『島巡りチャンピオンから世界のチャンピオンに！』　



『そしてチャンピオンを通じ！　世界のみんなにアローラのポケモンやトレーナーの魅力を知ってもらうんだ！！』

ミヅキ「そのときの博士の楽しそうな表情と、ラナキラマウンテンの荘厳さ……いやいや、神々しさを見て！」

ミヅキ「私、チャンピオンになりたいなぁって！　島巡りやポケモン図鑑以外の目標……ううん、」

ミヅキ「私、夢を持ったんです！　この景色を見たときに！」

マツリカ「夢……夢かぁ……！」

ミヅキ「でへへ。とはいっても、正直勢いでわーって叶えちゃった夢なんで、未だに実感ないんですけど……」

マツリカ「それでも凄いって。そっかぁ……いいね、そういうの！！」

ミヅキ「だからってわけじゃないですけど。この景色見ながらだと、なんとなく、私のしたいことがハッキリするような気がして……」

マツリカ「したいこと」

ミヅキ「はい。それで、思ったんですけど！」

マツリカ「うん。なにかな」

ミヅキ「……マツリカさん！　その、そのぉ……」

マツリカ「うん？」



ミヅキ「……よかったら、私と明日からも付き合っちゃいませんか！？」



マツリカ「えっ」



ミヅキ「付き合っちゃうじゃない……付き合ってください！！　お願いします！！」



マツリカ「……うぇぇぇ！！？」

ミヅキ「あはははは……。私なりに色々考えたんですけど、やっぱりマツリカさんと今日みたいにたくさん楽しいことしていたいなーって」

マツリカ「うっ、そんな……本気で言ってるの？」

ミヅキ「ほ、本気ですよ！　ウソじゃないです、マジです！」

ミヅキ「ほほ、本気といっても正直私も恋人とかいたことないしどこまでアレなのかわかんないですけど……」

ミヅキ「恋人が嫌なら、いわゆる親友的な？　友達以上恋人未満な関係でもいいのでとにかくお付き合いしてください……！」

マツリカ「そ、それはお付き合いというんでしょうか……」

ミヅキ「うぐぅ。そこを突かれると、ちょっと痛いですよぉ」

マツリカ「まぁー……あれですね。今からみんなにウソでしたーって謝るのも面倒だし」

ミヅキ「……」

マツリカ「それに、うん。……最初にも言ったけど、私……」

マツリカ「ミヅキちゃんのこと、好きだからね。今日も、二人であちこち行って楽しかったよ！」

ミヅキ「……！！　マツリカさんっ、しょれでっ！」

マツリカ「？」

ミヅキ「んん……おほん、えへん！」

マツリカ(あ、噛んだのか……)

ミヅキ「そ、それで！　返事はどうなんでしょうか……！！」

マツリカ「返事、返事かぁ……」

ミヅキ「もう一度おねがいしますけど……マツリカさん！」

マツリカ「……うん」



ミヅキ「私と！　付き合ってください！！」



マツリカ「…………っ」

マツリカ「……ごめんなさいっ。私は、まだミヅキちゃんとはお付き合いできません！」



ミヅキ「！！　……そっ、そんな……っ」

ミヅキ「そっ、そんな゛〜〜〜〜！　なんでですがぁ〜〜〜〜……！」

マツリカ「えと、誤解しないように言っておくけど。ミヅキちゃんの気持ちは、とてもうれしかった。本当に！」

ミヅキ「だったらなんで……ふっ、うぅぅぅ……っ」

ミヅキ「マヅリカさんも、しゅきっで……言ってくえたのにぃ……！」

マツリカ「ミ、ミヅキちゃ……」

ミヅキ「ぅぅぅ……！　私、フラれたぁ〜〜〜……ぁぁ〜〜〜……！！！」

マツリカ「……」

ミヅキ「ひぐっ、ぅぇ〜ん……！　マヅリガさんに、ぅぅっ、ぅぅぅぅ〜〜！」

マツリカ「…………」

ミヅキ「ぐすっ。うっ、うぅ……」

マツリカ「ミヅキちゃん……」

ミヅキ「……言っとくけど、マジ泣きですからね。エイプリルフールとか、ないですから」

マツリカ「あ、うん……。いちおう、落ち着いたみたいでなによりです」

ミヅキ「心はまだまだ泣いでまずよぅ！！　……でも、あんまり泣くとマツリカさんが困るから……」



ミヅキ「私も、私の好きな人、困らせたくないから」



マツリカ「！　それ、もしかして……」

ミヅキ「……そうです。あのとき、マツリカさんが私のこと、恋人として『好き』って言ってくれたのが耳に残ってて」

ミヅキ「……四月バカ、ですけどね」

マツリカ「い、いやいや！　あのときのあれは演技でもウソでもないので！！」

ミヅキ「わかってます。恋人としての『好き』っていうのも、私のかんちがい……」

マツリカ「えーっと……それも違います。ていうか、マツリカからの返事ちゃんと聞いてました？」

ミヅキ「……はぇ？」

支援

マツリカ「私、言いましたよね。“まだ”ミヅキちゃんとは付き合えない、って」

ミヅキ「……？」

マツリカ「マツリカ、ミヅキちゃんのこと大好きですよ。友達的な意味でも、多分、恋人的な意味でも」

マツリカ「でもでも、今日のミヅキちゃんからの告白をOKするのはやっぱり違うかなって。そう思ったんですよねー」

ミヅキ「……えっ！　ちょちょ、それどういうことですか！？」

マツリカ「う〜ん。自分でも説明するの難しいから、ちょっとだけ待っててくれる？」

ミヅキ「は、はい……」

マツリカ「確認しておくけど、ミヅキちゃんにとっての理想が、この絵と同じ関係ね」

ミヅキ「そ、そうですね」

マツリカ「で、マツリカにとっての理想もこの絵と同じなの。まったく同じではないかもしれないけど、まあ、違いがあっても大して変わらないでしょう」

ミヅキ「！　そ、それならOKしてくれたって！」

マツリカ「で、も。状況が状況ですから、OKはできません」

ミヅキ「ん……もうなんですかそれ！　さっきからよくわかんないですよう！」

マツリカ「ミヅキちゃんこそ、よくわかってなかったでしょ。私と、付き合うってこと」

ミヅキ「ううっ」

マツリカ「ミヅキちゃん的には『ただの友達』以上に仲良くするってイメージかもしれないけど、マツリカ的にはちょっとそれはこわいの」

マツリカ「マツリカだって付き合うってことはよくわからないし、付き合ってみて、なにかあったらすごく嫌だもの」

ミヅキ「そ、それでも好きなのに告白を断るって……」



ミヅキ(……でも、そっか……)

ミヅキ(多分、好きだから。マーさんにあんなこと訊いてたのも、私のこと大事にしたいから……だったのかなぁ)

ミヅキ「だ、だから！　……だからこそ、一緒に付き合ってみて経験値稼ぐみたいな……」

マツリカ「そういう考え方もあるけど、マツリカは嫌だな。私だって初めての恋人になるかもしれないし、そんないい加減な気持ちで付き合いたくない」

マツリカ「ミヅキちゃんのこと、好きだから。今日の浮いた気分と勢いで私に告白して、後で泣いてほしくないの」

ミヅキ「……ずるいよぉ。そんなの……」



ミヅキ「……てか、後でもなにもさっき泣いたばかりなんですけど！」

マツリカ「いやいやまあまあ。比喩的な意味です、この場合」

マツリカ「と、いうわけでですね。もう少しだけ気持ちに整理がついて、それでもマツリカのこと好きでいてくれたら……」



マツリカ「そのときは、また私に告白してください。こっちも、ゼンリョクで心の準備整えておくので！」



ミヅキ「もー！　わかりました！　それで納得しておきます！！」



ミヅキ(とりあえず、バトルの決着がついてないのはわかったけど……このままじゃ終わらせないんだから！)

マツリカ「……さあ、早く戻りましょうか。体、冷えちゃうよ」

ミヅキ「ねえ、マツリカさん。さっきフラれておいてなんですけど」

マツリカ「なぁに？」

ミヅキ「今日、私の家に泊まっていきませんか？　ご飯も食べたし、ママもきっと許してくれるから」

マツリカ「それは……」

ミヅキ「お互い、整理をつけるためにも。私たち、いっぱいお話しして、相手のこともっともっと知っておくべきだと思うんです！」

マツリカ「おー……。そうですね……」

ミヅキ「…………」

マツリカ「うん、ありがたい申し出だね！　言うことも一理あるし、一晩お世話になります！」

ミヅキ「…………っしゃぁ！」

マツリカ「……言っておくけど、お泊まりするからっていかがわしいことしたりされたりする気はないですよ？」

ミヅキ「だわっ、私だってありませんから！！？　純粋なうれしさの表れですよ、今のは！」

ミヅキ(はー。まだ10年ちょいしか生きてないのに、告って、フラれて、好きって言われてお泊まりOKされて……)

ミヅキ「恋愛って難しいですね……マツリカさん」

マツリカ「ですねー。正直、私もさっきの告白OKしとけばよかったかなってまだ悩んでます」

ミヅキ「えぇ〜。それ、本人の前で言います……？」

マツリカ「まーまー。そういうのも含めて、私たち、二人で色々相談しあっていきましょうよ」

ミヅキ「……はい！　これから、私とマツリカさんと、二人で！」

マツリカ(好きな子を)

ミヅキ(好きになった人を)

マツリカ(いい加減な気持ちで)

ミヅキ(わからないことを放っておいたままにしないで)

マツリカ(こわがらせないように)

ミヅキ(困らせないように)

マツリカ(好きだから)

ミヅキ(大好きだから)

マツリカ(二人で居られるように)

ミヅキ(一緒に居続けられるように)

マツリカ「ミヅキちゃん。紛らわしい言い方になるけど……」

ミヅキ「なんですか？」

マツリカ「これからも、私と付き合ってください」

ミヅキ「……っ」

マツリカ「いい、ですか？」

ミヅキ「〜〜〜っ」

ミヅキ「……もちろんです、マツリカさん！」



ミヅキ「こちらこそ、お付き合いよろしくお願いしますっ」



マツリカ「……うん！　よろしくねっ！」

おしまい。読んでくださったみなさま、ありがとうございました



こんな真面目っぽい恋愛SSを書いたのはbbsでのデビュー作以来な気がします。もっとも、あれはあれで栗みたいな口がどうたらとふざけた内容でしたが……

まだまだ修行不足ゆえ、マツリカのキャラが掴めていなかったようで申し訳ないです
おわびではありませんが、>>84でマツリカが描いた絵のイメージ画像をここに貼っておきます

乙

乙です|(￣3￣)|

〜翌日のアイナ食堂〜



マオ「えっ、ミヅキとマツリカさんが？」

ライチ「そうなのよ〜。あたしすっごい驚いたんだけど、マオはなんか聞いてる？」

マオ「いや〜、あたしもなんにも」

ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ「アレ、今思うとエイプリルフールだったじゃないすかね？　あたしもはじめビックリしちったけど」

ライチ「！！　……それがあったか！」

マオ「え〜……っと。なにか納得しちゃったみたいだけど、解決しました？」

ミヅキ「こんちゃーす！　今日もお昼食べにきたよー！」

マツリカ「ちわーす」



マオ「はーい！　いらっしゃーい！」

ライチ「噂をすればなんとやら！　大人げないけど、ここはハッキリネタばらしさせてもらうよ！」

ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ(ライチさん……。ｶﾞﾁってるなぁ)

マオ「さ、注文は？　腕によりをかけて作りますよ！」

ミヅキ「昨日食べたのと同じので！」

マツリカ「その言い方じゃ伝わらないんじゃない？　昨日は会わなかったんだしー」

ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ「あ、自分記憶してんで大丈夫っす。えっと……マツリカさんも同じのでいいっすよね？」

マツリカ「うん！　名前覚えてくれててうれしいよー！」

ライチ「…………」

ミヅキ「ねえねえ、昨日言ってた島巡りのトレーナーさんって誰だったの？　今日はそれも訊きにきたんだ！」

マオ「あ、その話？　あのねあのねぇ、聞いたら絶対驚くよ！　ね！？」

ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ「マジビビりましたね。っちゃけ、姉さんがエイプリルフールかましてきたって思いましたもん」

マツリカ「それってどなた？　マツリカも知ってる人？」

マオ「マツリカさんも絶対知ってるよ！　だって、元スカル団のグ……」



ライチ「ちょぉっと待った！」



ミヅキ「！」

マオ「！」

ライチ「あんたたちの仕事って、客と世間話することじゃないでしょ？　続きは料理を運んでからにしたら？」

マオ「はっ！　そうだね、ありがとライチさん！」

ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ(正論〜！　さすが姉さんの姉さん……つか、姐さん？)

ライチ「代わりといっては、なんだけど！　たった今エイプリルフールがちらっと話題になったよね？」

ミヅキ「は、はい」

ライチ「だからその、昨日のことなんだけどぉ。……ちょ、ちょこ〜っとだけ、あたしにホントのこと教えて欲しいなって……」

ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ(姐さん、ｶﾞﾁりすぎてテンション変になってるっす！)

マオ「Z定食ランチメニュー、お待ち！」

ミヅキ「キター！　ライチさんは食べないんですか？」

ライチ「ん？　ああ、あたしはあんたたちが来る前に食べてたから」

ミヅキ「じゃあ遠慮なく……いったっだきまーす！」

マツリカ「いただきまぁす！」

マオ「ゆっくり味わって食べてね♪　……あ、さっきの話の続きだけど……」

ライチ「〜♪」

ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ「どうでした？」

ライチ「あのね、やっぱり付き合ってたのはウソだって！」

ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ(すっげうれしそうだなぁ)

ライチ「あたし、すっかり騙されちゃった！　もぉー、あの二人に追い越されたんだと思って気が気じゃなくって……」

ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ「よかったっすね、追い越されてなくて」

ライチ「ま、それでホッとしてちゃダメなんだけどね！」

ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ「したら、昨日二人がウチに来たのは遊びに来たってだけなんすかね？」

ライチ「あ、それなんだけど〜……」

ライチ「一応、訊いたのよ。昨日は二人でなにしてたのって」

ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ「はぁ。どうだったんです？」

ライチ「それがねぇ……」



ライチ「午後から一日中アローラを歩いて回って、色んな人に挨拶して、ホクラニ岳で夜景を見て、それから家で一緒に泊まって……」



ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ「……」

ライチ「ってだけで、お互い、好きで一緒にいるけど付き合ってるとかはないってさ！」

ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ「…………」

ﾊﾞｯﾄﾞｶﾞｰﾙ「いや、それ完全に付き合ってるヤツっすよ」



ライチ「えぇぇ〜〜〜！！？」

おしまい(二日連続二回目)。お目汚し失礼しました



このSSを書いてる間は、キャプテンの子たちに親切にコーチされながら試練に挑むグズマさんを妄想してほっこりしてました。最初に挑むイリマの試練が、ある意味彼にとって一番の難関になりそうです

やっぱグズマさんだったか
乙