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SS 森の洋館探訪記

 ▼ 1 Q.E3mu26z6 17/04/10 23:04:53 ID:jeWLM3pk [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
私の地元のハクタイシティ。

すぐ近くにはハクタイの森っていう大きな森があって、ハクタイの森には大きな洋館が建ってるの。

その洋館にはちょっと怖い噂があって……
 ▼ 2 Q.E3mu26z6 17/04/10 23:21:24 ID:jeWLM3pk [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
「本当に行くんですの?今ならまだ引き返せますわよ……?」

「ここまで来て何言ってんの!はいはい、覚悟決める決める!」

私は今、友達と二人で森の洋館の前にいる。

実はこの洋館……「幽霊が出る」って噂があって、その噂が本当かどうか確かめるために出向いて来たってわけ。

「さぁ……そろそろ中に入るよ!!」

「ち、ちょっと待って下さる……?心の準備を……」

「待ちませ〜ん。」

私はいつまでも尻込みする友達に一言そう言ってから、目の前の大きな扉を力一杯押した……
 ▼ 3 ノセクト@ずがいのカセキ 17/04/10 23:31:30 ID:/lOrx97M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トラウマスポットキターーーー♪───O(≧∇≦)O────♪
 ▼ 4 Q.E3mu26z6 17/04/10 23:39:07 ID:jeWLM3pk [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ギィィィィィィィィィィィィィィ…………

古い木製の扉は派手に軋み、大きな音を立てながら開いた。

ホラー映画なんかだと、この後突然扉が閉まって「開かない!出られない!」ってなるんだけどこれは現実……そんな事は起こらない。

「も……もう帰りませんこと……?」

「何言ってんの!!まだ入ったばっかだよ?ほらほら!進む進む!」

既に半ベソかいてる友達の背中を押して、私はドンドン奥に進む。

途中で見つけた銅像は、どの角度から見ても目が合う様に作られてたみたい。芸術家ってすごいなぁ……
 ▼ 5 Q.E3mu26z6 17/04/10 23:59:04 ID:jeWLM3pk [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
次に私たちが足を踏み入れたのは食堂みたいなところ。

とにかく大きな机があって椅子がいくつも並んでる。シャンデリアなんかもあったりして、とっても豪華なの。

「人が住んでた頃は大勢でパーティとかやってたんだろうなぁ……そこで運命の人と出会ったりしてさ……」

そんな感じで、過去に行われたであろうきらびやかなパーティにトリップしていた私の意識は……

…………カタン……

微かな物音で現実に引き戻された。

「……?今の音……何?」

私の問いかけに対する返答は勿論……

「わ、わたくしは……知りませんわよ……!」
 ▼ 6 Q.E3mu26z6 17/04/11 00:14:52 ID:L/PYHrIU [1/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
「まぁ……そうだよね……じゃあ、今のは……?」

そこまで言って私はホッと息を吐く。部屋の隅におじいさんの姿を確認したからだ。

何のことはない……おじいさんが歩いた時にゴミ箱にぶつかっただけ……………………

…………ちょっと待って……?どうしてこんな所に、あんなお爺さんが一人でいるの……?

「すいません、お爺さ…………」

疑問を解消する為に私が再び顔を向けた時、既にお爺さんはいなくなっていた。
 ▼ 7 Q.E3mu26z6 17/04/11 00:32:05 ID:L/PYHrIU [2/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
(どうして……?出口は1箇所しかないんだから、出て行くのを見逃すはず……)

軽くパニックになる私に、友達が声をかけてくる。

「どうしたんですの?ボーッとして……そろそろ次に行きませんこと……?」

「あ、うん……そうしよっか……」

いつの間にか肝試しに乗り気になってる友人に促される形で、私は食堂を後にした……





「さてと、それじゃあ次は……2階だね……」

本当の事言えば、食堂での事があったからすぐに帰りたい所だった。

だけど、言い出しっぺの自分が先に音を上げるわけにはいかない……そんな妙な使命感の元、私は2階への階段を登り始めた……
 ▼ 8 Q.E3mu26z6 17/04/11 00:56:06 ID:L/PYHrIU [3/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
ザァァァァァァァァァァァァァァァ……

2階に着くとすぐに、妙な音が私の耳に飛び込んで来た。

ハッキリとは分からないけど、テレビの砂嵐……?とか、そんな感じの音……

「さぁ……どの部屋から入る……?」

私は恐怖を必死に押し殺しながら訊ねる。

「そうですわね……やっぱり端から見てみるのが一番だと思いますわ……」

「だよね……」

出来ればどこか一つだけ覗いて終わりにしたかったけど、しょうがない……覚悟を決めて行ってみますか……
 ▼ 9 Q.E3mu26z6 17/04/11 01:08:14 ID:L/PYHrIU [4/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜1番左の部屋〜

「ここは……物置かなんかかな……?」

「荷物が乱雑に置かれてるだけで特に面白いものもないですわね……」

「何だろう……生活してたっていう事実が垣間見えて、怖いのは怖いけどね……」

〜左から2番目の部屋〜

やっぱりさっきから聞こえてた音は、砂嵐だった……

とっくの昔に廃墟になったはずの洋館で、どうしてテレビがついてるの……?

そんな疑問が湧いて来たけど、考えれば考えるほど怖くなりそうだったから私はすぐに思考に蓋をした。

ザァァァァァァァタァァァァァァァァスァァァァァァァァケァァァァァァァァ…………
 ▼ 10 Q.E3mu26z6 17/04/11 01:18:09 ID:L/PYHrIU [5/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜真ん中の部屋〜

ベットが2つ並んでるだけの、これまた簡素な部屋。

ベットの枕元には絵本が山積みになってる。昔はこの部屋は子供部屋だったのかな……?

「この部屋も特に見所はなさそうだね……」

「……そうかな……?」

「……そうですわね……」
 ▼ 11 Q.E3mu26z6 17/04/11 01:30:45 ID:L/PYHrIU [6/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜右から2番目の部屋〜

部屋に入ってすぐに目につくのは、壁にかかった妙な絵画……

何だかずっと、私の方を睨んでる様な気がする……

「ねぇ……そろそろk」

キィィィィ…………パタン……

そろそろ帰ろうという私の言葉は、不意に聞こえた不気味な音で完全に喉に詰まってしまった。

一気に血の気が引くのが分かる……ヤバい、ここにいるのはヤバい……

頭では分かってるのに体が動かない……

そして……







トン……トン……
 ▼ 12 Q.E3mu26z6 17/04/11 01:38:45 ID:L/PYHrIU [7/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
私たちは完全に凍りついた。

このノックに反応しちゃいけない……2人とも本能でそう悟った。

トン……トン……

トン……トン……

トントン……

ドン……ドン……

ドンドン!!

ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!!!!!

扉を激しく叩く音がする。今にも扉をぶち破らんばかりに……

友達も私も、もう限界だった……もう、扉を開けて楽になってしまおうか……

そう思った矢先……

…………………………………………

さっきまでが嘘の様に、ノックがおさまった……
 ▼ 13 Q.E3mu26z6 17/04/11 01:45:45 ID:L/PYHrIU [8/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
「今だよ……今のうちに外に出よう……!多分、今を逃したら終わりだと思う……!」

「…………マ………ッ……」

「私もそう思う!!行こう!!」

私たちは弾かれる様に部屋を飛び出すと、一目散に走った。

階段を駆け下り、長い廊下を渡り……

足が千切れそうになっても必死に走った……霊に捕まったら、足が千切れるだけで済むとは思えない……

そして……
 ▼ 14 Q.E3mu26z6 17/04/11 02:00:34 ID:L/PYHrIU [9/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜ハクタイの森〜

私たちは無事に森の洋館から脱出した。

「はぁ……はぁ……まさか、森の洋館がここまでガチの幽霊屋敷だったなんて……」

私はやっとの事で声を絞り出す。息も絶え絶えとは、こういう状態を言うんだろう……

「まぁ……無事に出られたんだし良いじゃん!これからは明るい世界でのんびり暮らすよ私は。」

「大げさだよ……でも、私もおんなじ意見だな……」

軽い気持ちで肝試しなんかするもんじゃない……私は今回のことで嫌ってほど学んだ。

少なくとも、今後私が森の洋館に近付くことはないだろう……

「よし、じゃあ……帰ろうか……!」

「うん!!」



ザァァァタァァァァスァァァァァァァァケァァァデァァァァスァァァァァァァ…………

〜完〜
 ▼ 15 Q.E3mu26z6 17/04/11 07:19:28 ID:6YHz7B9Q NGネーム登録 NGID登録 報告
書いてる途中で、ハクタイの森とハクダンの森が一瞬ごっちゃになる悲しみ。
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