【ss】この素晴らしいポケモン世界で冒険を!


1 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/04/22 00:20:58 ID:h4UbDa9s 名前× NGID× m 報告
サトウカズマは引きこもりである。
もとい、寝る間も惜しみ神聖なる家に侵入しようとする外敵から家を守護する、誇るべき職業・HIKIKOMORIである。

何より誇れるのは、彼が住む街、マサラタウンにてこの職業に就いている人は彼しかいないことである。

彼はナンバーワンにしてオンリーワン。
この街の住民の大部分を占める、幼い頃から恐怖しか感じない笑みを浮かべてイシツブテ合戦ーー重さ二十キロは下らないはずのイシツブテを軽々と持ち上げ、それを相手の顔面目掛けて投げ合う狂気の宴ーーを行う、活動的な人とは一線を課している。

他の人のように、10歳になったらポケモントレーナーとなって旅に出ようなどとは考えない。
そもそも彼は16歳であるからトレーナーになる資格はとっくに得ているというのにひたすら自宅の守護に一生を費やす勢いで研鑽を積んでいたことからして、トレーナーになる気が一切無かったのが伺えた。

「ポケモントレーナーになって旅に出る? なんでそんな危険な真似をしなきゃいけないんだ。そんなことしなくても、家でゴロゴロすればいいじゃないか」

サトウカズマとはそういう男であった。
7 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/06 21:02:48 ID:8QFiqvgY [1/8] 名前× NGID× m 報告
ーーというか。 カズマは心の中でひとりごちる。

ポケモンがいないとはなんだよ。
確かに、俺は他の初心者トレーナーより遅くここに来たんだろう。
だけど、オーキド博士は今日ここにくるトレーナーの人数を把握していて然るべき。
なのに、どうして人数分のポケモンを用意してないんだよ。
こいつ本当に博士なのか? ただ年齢拗らせたクソジジイじゃないのか?

罵詈雑言を心の中で浴びせていると、オーキドは若干眉を潜めた。

「……まあ、ポケモンがいるにはいるんじゃが」

それを聞いて、カズマは心底ほっとした。

「なんだ、それなら早く言ってくれればいいのに」

「いや、じゃが、その。 ……う〜む」

渋るオーキド博士。 カズマとしては、なぜそんなに渋っているのかわからない。

「大丈夫ですよ。俺、運はいい方ですし。ほら、残り物には服があるっていうじゃないですか」

「福、というかなんというか。……いや、わかった。残っているポケモンにはちと問題があるが、君に託そう」
8 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/06 21:19:45 ID:8QFiqvgY [2/8] 名前× NGID× m 報告
その言葉には、万感の思いが込められていた。
再び確認を取ってから、オーキドは一つのボールをカズマに手渡す。

「よし。出てこい、俺のポケモン!」

ボールを受け取ったカズマは、特に気負うことなくモンスターボールを放り投げた。
ボールは綺麗な弧を描いて、研究所の固い床へと着地し、こつんと軽い音を立てた。

直後、破裂音。
と共に、まばゆい光がボールの中から飛び出し――

――光は、一瞬で部屋全体を覆った。

「――」

思わず息を呑む。
それは、神々しさすら感じる光景であった。
神社の境内に射す木漏れ日のような、まばゆいのに弱々しくて、神聖な光。
思わず呼吸も忘れてしまうくらいに美しい、優しい力の奔流が身を包み、産湯に浸かったかのような錯覚を覚える。
一瞬が永遠にも感じられる最中、やおら光は止み、カズマの視界にポケモンの姿が映った。

「……」

「……」

「……は?」

彼が見たものは、何故か美少女だった。
9 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/06 21:26:01 ID:8QFiqvgY [3/8] 名前× NGID× m 報告
透き通った水色の髪に、出過ぎず、足りなさ過ぎずな完璧な躰。
その身を包んでいる服はこれまた神々しさを感じさせるもので、どこをどう見ても美少女としか言いようがなかった。
突然の美少女との邂逅に、彼の心臓はバクバクと鳴っている。

 しかもこの美少女、眠っている。

美少女の寝顔なんて、引き篭もりの自分にとってはそれこそ一攫千金の価値が――とそこまで考えて、彼はふと我に返った。

「え、いや、ちょ、はい?! は、博士? なんですかこれ、俺をおちょくってるんですか?!」

思わず声を荒げながら、彼はオーキド博士の方へと振り向く。
いくら和真でも、これには騙されないぞとばかりに、彼はオーキドへと詰め寄った。

しかし、オーキドは「何を言っとるんじゃ」とばかりの顔をし、

「どこからどう見てもポケモンではないか。カズマ、お前さんは引きこもってばかりだからポケモンをよく知らんのじゃろう。これを機に、ポケモンと多く触れ合うといい」

ついにボケたか、和真は口に出しそうになった言葉をなんとか呑み込んだ。

(実はこいつ、もうダメなんじゃないだろうか?)
10 : 禿げキッス◆hbTBZ5KYf. 17/05/06 21:28:43 ID:5wPxikYU 名前× NGID× 報告
確かに問題だね

11 : グマッグ@だいちのプレート 17/05/06 21:33:13 ID:75khomW2 [1/4] 名前× NGID× 報告
破壊光線の魅力に取り憑かれたレシラムとか出てきそう
12 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/06 21:35:16 ID:8QFiqvgY [4/8] 名前× NGID× m 報告
いくらバカで変態で鬼畜のカズマさんであろうと、流石に最低限の常識は持ち合わせている。
こんな自分と同年代の美少女と触れ合うというのがどういうことなのか、彼はきちんと理解しているつもりだ。
世の中にはやっていいことと、悪いことがあるのだ。
カズマとて、その辺の分別はきちんとある。

ここはキッパリと、断るべきだ。

そこまで考えたところで、カズマはオーキドから一旦視線を外し、美少女の方へと顔を向ける。

ーー人間とは思えない美貌。

ーー控えめに、しかし間違いなく自己主張する偉大なる山々。

ーーモデルのようにグンバツにすらりとしている四肢。

カズマは再びオーキドの方に顔を向けると、

「分かりました。これを機会に、ポケモンとの絆を深めようと思います。まずは相棒となるこのポケモンと沢山触れ合って、見聞を深めようかと」

これ以上無いくらいに澄んだ瞳で、そう断言した。
13 : ガハガネール@シャラサブレ 17/05/06 21:44:58 ID:75khomW2 [2/4] 名前× NGID× 報告
面白い
14 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/06 21:45:00 ID:8QFiqvgY [5/8] 名前× NGID× m 報告


〜○〜


美少女をモンスターボールにしまったカズマは、ポケモン図鑑を片手に、トキワシティまでの道を歩いていた。
貰った際に美少女にポケモン図鑑を翳したが、データ無しだったのは記憶に新しい。
そろそろあの爺さんも歳なのだろう、カズマはそう思うことにした。

「……さて、と。この辺りでいいか」

マサラタウンからは大きく離れた林の中。
キョロキョロと見渡すが、あたりに人は見えない。

――大丈夫だ、問題ない。

そう心の中で言うと、カズマはモンスターボールを放った。
モンスターボールが地面と接触し、カチッと音を立ててモンスターボールが開く。

(これはポケモンとのスキンシップ。これはポケモンとのスキンシップ。これはポケモンとのスキンシップ。これはポケモンとのスキンシップ)

人に見られれば物凄くマズイ笑みを浮かべながら、和真は光がやむのを待った。
15 : 羽真◆Ju6JKuHffQ 17/05/06 21:45:27 ID:e.vCV3A. 名前× NGID× 報告
支援
16 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/06 21:51:20 ID:8QFiqvgY [6/8] 名前× NGID× m 報告
まあ自己暗示こそしているが、ヘタレの彼では……と、

「ふぁーあ……。あれ、ここどこ?」

現れた美少女、もといポケモン。
目の端に涙を溜めながら、ポケモンは首を回しながら辺りの景色を確認していた。

――と。
ポケモンの視線が、カズマへと定められる。

「……」

「……」

暫く見つめ合う二人。
そして、

「ちょっとあんた、ここどこよ」

最初に口を開いたのは、ポケモンだった。
自身が思い浮かべていたイメージとの乖離具合に、どこか半目になったカズマが答える。

「どこって……トキワシティに向かう途中?」

「なんで疑問系なのよ。まったく、これだから引き篭もりは困るわね」

「ひ、引き篭もりじゃないから!」

「残念ながら私のこのくもりなきまなこの前に、嘘は通じないわ! やーいヒキニートヒキニート」
17 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/06 21:56:35 ID:8QFiqvgY [7/8] 名前× NGID× m 報告
なんなんだろうか。
少し、いやかなり自分の想像とは異なるシチュエーションである。
モンスターボールを持ち運んでいた時のドキドキ感はどこへやら、彼はもはや目の前の美少女を美少女と認識できなくなっていた。

(今からでも遅くない。こいつを返品しよう)

そう結論付けたカズマがモンスターボールの中へ少女をしまおうとすると、ピタリと少女の動きが止まった。
訝しむのも束の間、ギギギと壊れたカラクリ人形のような動きで、少女はカズマの方へと顔を向ける。

「ね、ねえヒキニート…………って呼ぶのはかわいそうね。うん、名前で呼んであげるわ。私に名前で呼んでもらえるなんて光栄な事よ? もしかわいい信者たちが聞けば、あなたを嫉妬で殺しちゃうくらいに光栄なことよ? だからその……名前を教えてちょうだい?」

 一発シメてやろうか、と思いながらもカズマは答える。

「……佐藤和真だけど」

「そう。サトウカズマ……じゃあ、カズマね。ねえカズマ? あなたはその、日本から異世界に来た人間かしら?」

「ニホン……? なんだそれ、国の名前か?」

「……」

「……」
18 : ーブル@プラズマカード 17/05/06 21:57:33 ID:75khomW2 [3/4] 名前× NGID× 報告
生意気なゼニガメだな
19 : マゲロゲ@ローラースケート 17/05/06 21:57:45 ID:LZzEgjYA [1/2] 名前× NGID× 報告
原作に喧嘩を売っていると見た。貴様如きがラノベ作家になれると思うなよ?
20 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/06 21:59:47 ID:8QFiqvgY [8/8] 名前× NGID× m 報告
その言葉に、頭を抱える少女。
突然の変化に、戸惑うカズマ。

「お、おい?」

カズマが声をかけると、ゆらり、と少女が動いた。
その姿に言い知れぬ恐怖を感じ、後ずさるカズマだったが、それより早くに少女がカズマに掴みかかった。

「なんでよーっ! ねえなんで? なんでこんな事になってるの!? ここはどこ? どこなの?! なんで天界に帰れないのよーっ!!」

そう喚き散らしながら、ぐわんぐわんと体を揺らされてはたまったものではない。
カズマは少女の手を振り払うと、落ち着くように宥める。

「落ち着けるわけないでしょ!? これからどうしろっていうの!? 私はテキトーにチートを与えて、それで、それで……」

「だから落ち着けって。お前は俺のポケモンだ。だから、俺が面倒を見てやればどうにでもなる。ていうか、博士がポケモン認識してたしどうにかなるだろ」

その言葉に、少女は大きく目を見開く。
歩き出すカズマの後ろ姿を見て、アクアはゆっくりと言葉を紡いだ。

「ただの引き篭もりのはずなのに、なぜこんなに頼もしいの? そのセリフはぶっちゃけキモいけど、まあ許してあげなくもないわ。……あ、カズマ、私の名前はアクアよ! 勿論、女神様って呼んでもいいけど! ちょ、聞いてるのカズマー! カズマさーん!」

こうして、カズマとアクアの奇妙な冒険は始まった。
21 : ガカメックス@こうらのカセキ 17/05/06 22:00:00 ID:biH8HD8U [1/2] 名前× NGID× 報告
面白い!支援!
22 : メパト@ふたのカセキ 17/05/06 22:01:08 ID:a7sxe9zc 名前× NGID× 報告
>>19
まぁもうちょっと様子みましょうよ
23 : ーディン@マグマスーツ 17/05/06 22:02:22 ID:LZzEgjYA [2/2] 名前× NGID× 報告
>>22
パクリじゃなかったら俺も様子見るよ?でもこれパクリだろ
24 : ガフーディン@アクZ 17/05/06 22:07:36 ID:75khomW2 [4/4] 名前× NGID× 報告
なんかうるさいのが一匹いるね
25 : ジギガス@トライパス 17/05/06 22:10:17 ID://WqFTDo 名前× NGID× 報告
同じようなssが前にあったの?
それとも>>23が変なこと言ってるだけ?
26 : ガハッサム@レンズケース 17/05/06 22:11:37 ID:JlN0lVa. 名前× NGID× 報告
原作に喧嘩売ってるからキレてるのか、パクリだからキレてるのかどっちだよ
27 : ニリュウ@ほのおのジュエル 17/05/06 22:11:38 ID:biH8HD8U [2/2] 名前× NGID× 報告
>>23
まずパクリかどうかわかんないし、何のパクリなのか知らないし、普通に面白いから余計なこと言うのやめて
28 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/07 20:12:33 ID:28mv8LDU [1/2] 名前× NGID× m 報告
〜○〜


トキワシティまでの道を歩くカズマとアクア。
しかし、アクアは早くもダレていた。

「ねえカズマ、まだ着かないの?」

「少なくとも、今晩は野宿しないと着かないぞ」

そんなー、とブーたれるアクア。
それを充て、カズマは思い出したようにポケットからモンスターボールを取り出した。

「じゃあモンスターボールに入っちまえば? 少なくとも、お前は楽な筈だろ?」

カズマがそう言うと、アクアは何言ってんだこいつとばかりに肩をすくめた。
顔には嘲笑が貼りついている。やれやれ、とでも言いたげな態度だ。思わずカズマの額に青筋が浮かび上がる。

「やだやだカズマさんったら、その球の大きさを見てみなさい? どう考えても私より小さいわ。そんな球の中に、この私の体が入るわけないじゃない。カズマったら、本当におバカねー」

「いや入るから。なんなら無理やりにでも入れてやろうか」

「ぷーくすくす! やっだもう冗談もほどほどにして……ってカ、カズマさん? なんでそんな怖い顔をしているの? 私、そういうの良くないと思うわ!」
29 : ラス@どくどくだま 17/05/07 20:16:30 ID:xo5.kCIg 名前× NGID× 報告
シエンネ
30 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/07 20:18:48 ID:28mv8LDU [2/2] 名前× NGID× m 報告
>>28
誤字
それを充て→それを見て
31 : ドラン@きゅうこん 17/05/07 20:29:50 ID:uChYEMwM 名前× NGID× m 報告
パクリじゃなくてどう考えても普通のクロスSSやん
単純に無知な坊やなのかな
32 : 羽真◆Ju6JKuHffQ 17/05/07 20:33:07 ID:oV4iKWXw 名前× NGID× 報告
ポケモン色が薄めだからパクリにでも見えたんだろうか

支援
33 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/08 17:01:08 ID:IoxE.c3Q [1/5] 名前× NGID× m 報告
〜○〜


――こいつ使えねえ。

それがカズマのアクアへの印象だった。
確かに見た目はかわいい、それは認めよう。
だが、それだけだ。
それなら普通のポケモンが欲しかった。
ていうか、これは本当にポケモンと認識して大丈夫なのだろうか。
本気でオーキド博士がボケていただけなのではないだろうか。
傍から見れば、見た目だけは美少女なアクアをポケモンとして使役する鬼畜なクソ野郎になるのではないだろうか。

(……い、いや。大丈夫だよな?)

ポケモン界の権威であるオーキド博士がポケモンと言ったのだ。
最悪、オーキド博士に全責任を擦りつけたら大丈夫なはずだ。
……だが、不安なものは不安である。
幸いと言っていいのか分からないが、旅の同行人と言えば通用するだろう。
となると、

「……他のポケモンを捕まえないとな」

そうだ。アクアを戦わせなければいいのだ。
34 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/08 17:13:36 ID:IoxE.c3Q [2/5] 名前× NGID× m 報告
というか、これが戦えるとは思えない。

「なあアクア、お前戦える?」

「はあ? バカにしないでちょうだい。私は女神様よ? 私が本気を出せば、ここら一帯大洪水を引き起こして沈めることだってできるんだから」

胸を張るアクア。
しかしカズマには、自分のことを女神様と思い込んでいる精神異常者にしか見えない。
きっと薬でもキメてきたのだろう。それだと精神異常者ではなく薬物中毒者か。
いずれにしろ、戦えるとは思えない。思えるわけがない。

けどまあ、ポケモンのゲットくらいは手伝わせよう。
いくらアクアが野○ひろしで清○和博な頭のおかしい女とはいえ、一応ポケモンとしての同行だ。
それくらいはしてもらっても構わないだろう。

とにかく、最初の一体だ。
そう思い、カズマが辺りを見渡せば。

「お、ポッポか」

「? なにあれ、ハト?」

カズマとアクアの視線の先には、一羽のハトもといポッポがいた。
35 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/08 17:18:24 ID:IoxE.c3Q [3/5] 名前× NGID× m 報告
図鑑でカズマは詳細を確認すると、アクアに指示を出す。

「よし、アクア。お前はポッポを弱らせてくれ。そしたら俺が、ボールを投げてポッポを捕まえるから」

実に理にかなった、ポケモンゲットの手順だ。
バトルで野生のポケモンを弱らせて、ゲットする。ポケモントレーナーについて一切勉強していないカズマだが、それぐらいは知っていた。
故に、アクアに指示を出したのだが。

「プークスクス! やばい超うけるんですけど! カズマさんったらまだそんな球っころの中にポケモンってやつを入れる気なの? 頭大丈夫なの? 私の力でも、流石にその頭を治すのは難しそう。ごめんなさいね」

「お前マジで一度喧嘩するぞ」

全くもって、使えない。
仕方がないので、アクアに黙ってジッとしているように言うと、カズマはポッポの元へとゆっくり歩み寄る。

(……大丈夫だ、俺は運はいいんだから)

生まれてこのかたジャンケンに負けたことはないし、お祭りの日なんかじゃくじ引きで店主を泣かせたこともある。
なんなら伝説のポケモンもあっさり捕まえれるんじゃないか、という謎の自信すらある。
そんな自分が、ポッポ如きを捕まえられないはずもない。

そして事実、あっさりポッポの至近距離までたどり着いてしまった。
36 : ラベベ@ふしぎなおきもの 17/05/08 17:26:18 ID:etXByuzU 名前× NGID× 報告
なんだこれ
めぐ民たちは来るのかな?
37 : ァイヤー@まんたんのくすり 17/05/08 17:32:56 ID:Ei7tRsro 名前× NGID× m 報告
うるさいガキが湧いてるな
クロスSSを知らないんじゃね
このすばを使ってるだけでこれはパクリだ!とか思ってそう
直ちに帰宅し、クロスSSの基礎を学びなさい

普通に面白いからイッチは続けてくれ
ただこれSSと言うよりラノベだよな…

スレ汚し失礼しました
38 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/08 20:14:33 ID:IoxE.c3Q [4/5] 名前× NGID× m 報告
チョロいな、と思いながらカズマはポッポの背中にボールの開閉スイッチを押し当てる。

「っと」

二、三回揺れた後、カチッと音が鳴った。
図鑑を確認してみると、ポッポが登録されている。
初めてのポケモンゲットに、カズマは諸手を挙げて喜びながらアクアの元へと走っていく。

「どうだ見たかアクア! これが俺の力だ! 伊達に幸運値だけはいいカズマさんなんて呼ばれてはいなかったんだ!」

「すごいじゃないカズマ! 私、あなたのことを見直したわ!」

カズマの言葉に、アクアは頷きながら本気で笑みを浮かべていた。

(……これが、喜びを分かち合うってやつか)

仲間って、いいな、なんてカズマが鼻をかきながら照れ臭そうにしていると、アクアはカズマの持っていたモンスターボールを手に取った。

「まさかカズマが、宴会芸を身につけていただなんて! これは私も負けてられないわ!」
39 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/08 20:16:19 ID:IoxE.c3Q [5/5] 名前× NGID× m 報告
 ふと、嫌な悪寒がカズマの背中を通り抜けた。
 なぜだろう。
 アクアの言葉に、言いしれぬ不安を覚えてしまう。
 アクアがモンスターボールを持っている事に、物凄く不吉な現象を錯覚してしまう。
 その予感を頼りに、カズマはアクアからモンスターボールを取り戻そうと手を伸ばす。

「そ、そうか。喜んでくれて何よりだ。だから、その、モンスターボールを――――」

「お礼に、私の宴会芸を見せてあげるわ! 見ててねカズマ! 今からこの球を消すから! おほん。種も仕掛けもありません……」

「え。う、嘘だよな? あれ、あれだろ? ちゃんとタネがあって……やめ、やめろぉーっ!」

叫ぶカズマの前で、モンスターボールは音もなく消滅した。
40 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/10 17:06:20 ID:2Z4zTRhI 名前× NGID× m 報告
「もー元気出してカズマ。ハトくらいまた捕まえればいいじゃない。なんなら、宴会芸で出してあげるわよ?」

(誰のせいだと思ってるんだこいつ……!)

 サトウカズマは理解した。
 このアクアという少女は、自分に不吉をもたらせる死神だと。
 この少女と共にいると、自分の未来に光はないのだと。

(……さっさと六体捕まえて、アクアをオーキド博士のところに強制送還しよう)

 そう言いながら、何故か、一体もポケモンを捕まえられない自分を幻視した。
 捕まえてもなんらかの要因が原因で、一向にポケモンが増えない自分を、カズマは幻視したのだ。
41 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/14 09:20:30 ID:DmCuUGlg 名前× NGID× m 報告
(……い、いや大丈夫だろ。運はいいんだ、運は)

――と。
そうこうしているカズマの視界に、またもやポッポの姿が入る。
アクアも気付いたのだろう。ピタリと立ち止まって、ポッポに視線を合わせていた。

「よし、アクア。またジッとしといてくれ。あと、もう俺のモンスターボールには触――――」

「いいえ、次は私がやるわ」

アクアの言葉に、驚いたように目を開き、彼女の方を見やる。
視線の先では不遜な笑みを貼り付けながら、彼女が拳を握っていた。

「なんだか、カズマからは私を役立たずと思っている視線を感じるの。それでそれで、何故か私がレギュラーから外される不穏な空気も察知したわ。そんな事はないとは思うけれど……なんだか、ここで動かないといけない気がするの!」

実はすごいやつなのか、とカズマが思った瞬間である。
42 : チャブル@ヨクアタール 17/05/14 09:34:29 ID:1UXcxChw [s] 名前× NGID× 報告
元ネタ知らないけど面白い
支援
43 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/25 18:47:10 ID:5qQ3mPoA [1/4] 名前× NGID× 報告
 (……まあ、本人がやる気なら問題ないか)

 無理なら、また捕まえればいいのだ。
 自分は既に最悪な状況に近い。なら、これ以上はないだろう。
 カズマは頷くと、アクアに指示を出す。

「……よし、いけ! アクア!」

 カズマが叫ぶと同時に、アクアは駆け出した。
 一気にポッポとの距離を詰めると、勢いのままに殴りかかる。

「任せて――――ゴッドブローッ!!」

 拳が煌めき、神々しい光が溢れ出す。

(――ッ! いけるッ! てかアクアはマジでポケモンなのか!?)

 割と驚愕の事実に愕然としながら、カズマは事の成り行きを見守っていた。
 アクアが空気を切り裂きながら打突を放つと、それを察知したポッポがヒラリと躱す。

「ッ! 逃がさないわ!」

 だがアクアはそれを見逃さず、続けざまに掌底を喰らわさんと身を翻す。



 そして――



44 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/25 18:47:43 ID:5qQ3mPoA [2/4] 名前× NGID× 報告
「観念なさい!」

 ――ついに、アクアの拳はポッポを捉えた。
 ポッポの体がL字に曲がり、凄まじい勢いで樹木に激突する。
 衝撃は木を揺がし、木の葉が舞い散った。
 ポッポの目が渦巻き状になっているのを確認したアクアは、自信満々にカズマの方へと振り返る。

「――フ。どうかしらカズマ。私のこの鮮やかな手口は」

 実に、実に誇らしげに、アクアは胸を張った。

「私の偉大さが分かったのなら、一日三度の祈りを捧げるの! あとは……そうね、この世界にはアクシズ教徒がないようだから、カズマには開祖になってもらおうかしら。アクシズ教徒たるもの――――」

 ベラベラと語りだすアクアは気づかない。
 カズマが顔を蒼ざめさせながら叫んでいることに。

「――クア! アクア! バカお前後ろ見ろ!!」

「もうなによ。せっかく私がこれからのよて、い、を?」

 カズマの言葉通り後ろを振り向けば、そこには異常な光景があった。


 ――スピアーの群れである。


「…………………………………ごきげん、よう?」
45 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/25 18:48:10 ID:5qQ3mPoA [3/4] 名前× NGID× 報告

「もうお前帰れ! オーキド研究所に帰れバカ! もう後は俺一人でやる! お前がいない方が上手くいく気がする! そんな気がする!!」

「あああああああっ!! 今カズマ酷いこと言った! 酷いこと言った!! 私を怒らせたらどうなるか、その身をもって思い知りなさい! カズマにはトイレに行った時、紙が十五センチしかない呪いをかけるからぁああああっ!」

「地味で的確に嫌な呪いだなそれ!? って、マジで誰か助けてくれぇぇぇえええっ!」


46 : ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/25 18:52:22 ID:5qQ3mPoA [4/4] 名前× NGID× 報告
あとがき

変なところで切れちゃったけど正直一発ネタをダラダラと続けるのもあれだし真面目にやろうとすると多分3年くらいかかる気がしたので強引に終わらせました。
このすばキャラ書いてて面白いから次はハーメルンかピクシブあたりでポケモン一ミリも関係ないss書いてみたいですね。

たくさんの支援感謝!!!!!!