▼  |  全表示228   | <<    前    | 次100 >> |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【けもの】ケンゴ「ここがジャパリパークか…」【フレンゾ】

 ▼ 1 ポッコ@ポフィンケース 17/05/21 15:00:15 ID:xUaU9l/w [1/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
雑木林が茂る221番道路を抜けた先に、今回の旅の目的地がある。




……ヒカリ、僕と一緒に旅をしてほしい。


灯台の告白から、早数ヶ月。
同じ志を持つ友達がさらなる飛躍の為に故郷を離れ遠い地に旅立っていくなか
ケンゴは未だに出身地 シンオウ地方を彷徨い歩いていた。

ポケモンを輝かせる競技"ポケモンコンテスト"で優勝し、偉大なるトップコーディネーターになるという大きな夢を追っていたのも、今となっては昔の話。

困難な道程を前に自身の実力・身の丈を目の当たりにして挫折。夢を失い終点を見失った今の彼は、特に行くあてのない『放浪者』と表現するのが一番適当であった。

結果を知った彼の家族は「次があるから」と励ましの言葉をかけてくれた。ケンゴもその際は激励に応えるべく再挑戦を皆に向けて誓う姿勢を示したが、再び家を離れ一人になって見るとすっかり意気消沈してしまい、ポケモンコンテストの事などどこ吹く風の状態であった。

期待してくれている家族を裏切るまいと、のこのこ帰るわけにもいかず、惰性で旅を続けている。行き先はまばらで決まっておらず、ポケモンコンテストを巡る旅の中で訪れていない場所を中心に旅して回っていた。


そして旅路は今に至る。
ケンゴは脇道から伸びる小枝の葉を退けつつ、枯れ枝の敷かれた道の上を、ただひたすら東へと進んだ。

221番道路は人の手が加えられた土地の中ではシンオウ地方最南端に位置する僻地にあった。人が住んでいる様子もなく、道中すれ違う人々は遠方から遥々やってきた観光客に他ならない。

そんな何もないところに観光?と疑問に思われるのも最もな意見だが、この雑木林を抜けたところにある"たったひとつの観光名所"こそ、ケンゴがこの地を訪れた理由である。


ケンゴ「ふぅ、やっと着いたぞ。ここがパルパークか」
 ▼ 2 ープルフレイム◆mL2ZRk1cK. 17/05/21 15:02:09 ID:7kj.g9iI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ベッドの上で今日もどったんばったん大騒ぎ
 ▼ 3 ーナノ@あやしいパッチ 17/05/21 15:22:20 ID:xUaU9l/w [2/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コンクリート造りの、厳かな施設が雑木林を抜けた先に聳えていた。建物の上部に大きく「パルパーク」の看板。建物の奥はコンクリートの高い壁が左右へ向かって伸びていて、大きな囲いを築いている。


ここがケンゴの目的地、シンオウ地方でも指折りのテーマパーク「パルパーク」である。
目的地が見えたところでもう一踏ん張りと額の汗を拭い、ケンゴは建物の前まで辿り着いた。自動ドアが開き、中から空調機で冷やされた冷気が肌を掠めた。


ケンゴ「はぁ〜、涼しい。生き返る」


その場でしばし立ち止まり歩き疲れを癒し、気持ち新たにしてドアを潜る。



受付嬢「いらっしゃいませ、パルパークへようこそ」



建物に入ると、ピンクのベストを着た案内さんがカウンター越しに一礼をくれた。
真っ直ぐ進みカウンターの前まで来ると、ケンゴは案内さんからこの施設についての概要の説明を受けた。


ここ、パルパークはポケモンを捕獲する事を目的に作られたレジャー施設だ。
施設利用にあたり、まずゲストにはパルパーク特製のモンスターボールがいくつか与えられる。
限られた時間内ならばパーク内のポケモンは自由に捕獲することができ
捕らえたポケモンはその後施設へ返さなければならない…と言うことは一切なく、そのまま自分の手待ちポケモンとして頂戴することができる。

ケンゴ「つまるところ、ポケモン捕獲の練習場、ゲッティングセンターってところかな」

パーク内はポケモンが棲息するに適した自然豊かな作りになっており、それぞれ湖エリアや草原エリアといった具合に区画整理されている。
 ▼ 4 ズクモ@コンテストパス 17/05/21 15:26:26 ID:SdAV080o [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
行くんならはよジャパリ監獄送りにしてやれ
 ▼ 5 ケンカニ@きいろビードロ 17/05/21 15:27:06 ID:kAn1zQ8g NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 6 ギギギギアル◆AUTovP9/6Y 17/05/21 15:27:30 ID:u/rZYYtg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンゴはのけもの
 ▼ 7 イバニラ@コダックじょうろ 17/05/21 15:34:23 ID:xUaU9l/w [3/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
受付「水タイプのポケモンをみつけたければ湖のエリアへ。とりポケモンをみつけたければ背の高い丘のエリアへ。どこにどのポケモンが住んでいるかはガイドマップにも記してありますので、そちらを参照されてくださいね」


案内を受けた後、ケンゴは案内さんからパルパーク専用のモンスターボール「パークボール」を複数個いただいた。
モンスターボールは縮小機能が標準でついている。例え複数個受け取ったとしても、道具がいっぱいで持ち切れない!なんて事態はそうそう起きはしない。


ケンゴ「僕は鳥ポケモンを持っていないから、この機会に是非とも捕まえたいな」


案内「それでしたら、丘の上の草むらを探されてはいかがでしょうか。このシンオウ地方では見られない珍しい鳥ポケモンが見られるかもしれません」


いよいよ、と意気込みケンゴは入園料500円を支払った。このお金がポケモンに変わるのならば安いものだ。
案内さんに連れられ、建物の奥へと案内されると大きな扉が道を閉ざしていた。


案内「この扉の先が、当園の捕獲可能区域になります」


厳重に施錠された鍵を開け、案内さんが扉を開く。


案内「それでは、どうか心ゆくまで自然溢れるパルパークライフをお楽しみください」


扉を開くと、眩いほどの光が差し込み、ケンゴの目をくらませた。
光に飲み込まれていく…。
 ▼ 8 ディアン@ともだちてちょう 17/05/21 15:35:49 ID:5neMtFMY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 9 ムスター@まひなおし 17/05/21 15:51:51 ID:xUaU9l/w [4/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
目を開けるとケンゴは一人、草原にいた。
黄土色の大地から伸びる短草、点々と生える疎林。
肌を焼くような、カラッとした暑さ。


ケンゴ「こ、ここは…。なんだか凄い所に出たぞ」


目を白黒させて、信じられないといった面持ちで辺りを見渡す。
初めて見る景色…いや、過去に何度か、テレビや雑誌では見たことある情景がどこまでも終わりなく広がっていた。


ケンゴ「まるで…そう、サバンナみたいだ…」


ケンゴの額から、ドッと汗が噴き出る。
寒冷地であるシンオウ地方では、考えられないこの気温の高さ。遠方に見える山々は暑さのせいかユラユラと揺蕩って見える。


ん?遠方の山々…?


ケンゴはハッと我に返る。


ケンゴ「パルパークは壁に囲まれていたんじゃ……?」


後ろを、振り向くとケンゴはまたも飛び上がった。
自分がここへ入ってきた扉、建物、壁。その一切合切が元から無かったかのように消えて無くなっており、360度どこを見ても草原地帯が広がっているばかりであったのだ。
 ▼ 10 マガル@きよめのおこう 17/05/21 15:52:43 ID:tcUX1s2s NGネーム登録 NGID登録 報告
これは綺麗なケンゴかな?
 ▼ 11 ッキー@がくしゅうそうち 17/05/21 16:11:20 ID:xUaU9l/w [5/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
パルパークに入る前にあった雑木林などどこにもない。生息している植物が、シンオウ地方とはまるで合致しない。
仰天し、ケンゴはその場に尻餅をついた。
空を仰ぎみると、シンオウ地方とは異なり、雲がかなり低い高さで飛んでいるように見えた。


ケンゴ「こ、ここは…どこなんだ…?!僕はシンオウ地方にいたはずじゃあ…!?」


狼狽したケンゴは自前のタウンマップを広げた。パルパークで受け取った紙の地図はこうも広くては役に立ちそうもない。
タウンマップは最先端のGPSが搭載されている電子地図で、衛星を通して自身の居場所がマップ上に反映された。しかしケンゴが持参したタウンマップは他にも多機能が搭載されている代わりにシンオウ地方外の地図は表示されない仕様になっていた。


案の定、画面に「圏外」と表示され、タウンマップはその役目を果たすに至らなかった。
ただ1つわかったことは、ここはシンオウ地方ではないということである。


ケンゴ「………はぁ〜」


嘆息を漏らす。
小一時間ほど狼狽した結果、この暑さも合わさって消耗したケンゴは最寄の疎林の影で涼をとることに。
持っていたサイコソーダもリュックの中で熱せられて常温になっていた。あまり美味しくない。


携帯っ子ではないケンゴは連絡手段も持ち合わせておらず、このまま闇雲に出歩いて消耗することを避けようという結論に至った。
木の幹に背を凭せ掛け、ユックリと目を瞑る。
 ▼ 12 ズパス@アップグレード 17/05/21 16:33:24 ID:xUaU9l/w [6/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告








頭頂から伸びる、とても大きなフサフサの耳。ふんわりと肩まで伸びる艶のある黄色い髪。
涼しげな白の袖なしのブラウス。黄色を基調としたスカートと、そこから伸びる足に履くオーバーニーには黒い斑点模様が散りばめられている。スカートの中から伸びている太い尻尾、これはアクセサリーだろうか。


そんな形(なり)をした少女が、一本の疎林の側枝に横になって寝そべっている。
一切の警戒心も無く、安らかなその表情は人間の少女の寝姿そのものであった。



サーバル「ふわぁぁ…」



ピクリと片耳が震え、少女が目を覚ました。
眠りから覚めてすぐに大きな欠伸をし、上体を起こす。大きな目をパチクリとさせ、ウロウロと周囲を見渡した。


サーバル「誰だろう、誰かが来た気がしたんだけど…」


再びピクピクと、今度は両耳を小刻みに傾ける。
 ▼ 13 スカーン@スーパーボール 17/05/21 16:38:59 ID:woJ8YEoQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 14 ブンネ@ひこうのジュエル 17/05/21 16:48:12 ID:xUaU9l/w [7/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーバル「ん! みゃみゃ…!」


低いうなり声を捉えた少女は木の根元にそれを見つけた。


ケンゴ「あぢ〜……」


木の幹に凭れ項垂れるケンゴ。
少女は珍しいものでも目の当たりにしたかのように、瞳をキラキラと輝かせた。何かが嬉しくて、ぐっと拳を握る。



サーバル「おおおーっ!」


ケンゴ「ん…?」


少女の声に気付いたケンゴが顔を上げた瞬間
少女は側枝を蹴って跳躍し、ケンゴのすぐ目の前の地面に華麗に着地した。
得体の知れないそれに、ケンゴはまたも狼狽し尻込みをして木の幹に激突した。大きく足を開いていると少女は四つん這いで間に入り込んできて、ケンゴにズイッと顔を寄せた。


ケンゴ「えっ?!えっ?!なんだなんだァ?!!」


その容貌から読み取れる情報はケンゴを混乱させた。体はまごう事なき人間の少女のものだが、大きな耳と大きな尻尾が目に止まったからだ。
 ▼ 15 リーセン@バコウのみ 17/05/21 16:59:17 ID:xUaU9l/w [8/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケモンなのか?人間なのか?
いや、人間がポケモンのコスプレをしているというのが一番まともな見当であるとケンゴは結論付けた。
人間であるならば、言語が通じるはずだ。


ケンゴ「き、君は一体…!?」


サーバル「私はサーバルキャットのサーバル!サーバルって呼んでねっ!」


サーバル、と名乗る少女は歯切れのないハキハキとした口調で言葉を続けた。


サーバル「ねぇねぇ!君は何のフレンズなの?!どこから来たの?!」


ケンゴ「え、えっ…」


まくし立てるような質問責めにケンゴはどもる。
彼女の…サーバルの表情から察するに微塵の悪気も無さそうだった。
ケンゴが答えられないで黙っていると、サーバルは小首を傾げた。


サーバル「…みゃ?」


その仕草は、まるでポケモンのようだ。
 ▼ 16 ィグダ@ファイトメモリ 17/05/21 17:00:17 ID:xUaU9l/w [9/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>15
ミス

歯切れのない



歯切れの良い
 ▼ 17 ッコラー@エネコのシッポ 17/05/21 17:28:09 ID:xUaU9l/w [10/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンゴは頬を朱に染めた。
言葉が通じたことで、人間であることにまず間違いないとケンゴは判断を下した。
そしてひとつひとつ、彼女から得られた情報を頭の中でまとめていこうと呼吸を整える。


ケンゴ(サーバルキャットって何だ…?!)


ケンゴ(フレンズ…!フレンズって何だ…?!)


煮を詰めても、わからないことばかりだ。
しかし、それでもケンゴは頬を紅潮させずにはいられなかった。
ただひとつ確かなこと。その少女・サーバルは、それまでヒカリに想いを寄せていたケンゴでさえ目移りしてしまうほど可愛い女のコだった。

パチクリとした大きな瞳は透き通った山吹色で、そこには一片の邪念も感じられない。
良くも悪くも人間であるヒカリには無い、"屈託の無さ"、"清純さ"がサーバルからは醸し出されていた。
サーバルも人間であるのだろうが、どこか浮世離れしているのだ。

そんな吸い込まれるような瞳で見つめられてしまっては、いかにケンゴと言えども返事に手こずってしまった。



サーバル「どうしたの?具合悪い?」


覗き込む素振りを見せるサーバルに、ケンゴは堪え兼ねて言った。


ケンゴ「ぼ、僕はケンゴ。フレンズ…?はわかんないけど…パルパークから来た…よ」
 ▼ 18 クラビス@ヤゴのみ 17/05/21 17:42:57 ID:xUaU9l/w [11/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーバル「ケンゴ?!面白い名前だねっ!」


貶しているわけではない。それは彼女の表情から伝わってくる。


サーバル「ケンゴ、ケンゴ…聞いたことないなぁ〜。ねぇねぇ、あなたのこと、何て呼べばいいかな?!ケンゴちゃんって呼べばいいかなっ?!」


ケンゴ「け、ケンゴちゃんはおかしいよ…ケンゴでいいよ、ケンゴで」


サーバル「そっかぁ。じゃあ宜しくね、ケンゴッ!」


初対面で、いきなり下の名を呼び捨て。だが、悪い気はしない。ケンゴは密かに胸がキュンとする感覚を覚えた。サーバルは息もつかせず、話を続ける。


サーバル「ケンゴは何のフレンズなんだろうね!パルパーク?っていうとこも、わたし聞いたことないよぉ」


ケンゴ「待って待って。ここは、パルパークじゃないのかい?!だとすればここは…」


サーバル「ここは、ジャパリパークっ!!その中でも、ここは『さばんなちほー』ってところだよ!」


ケンゴ「さ、さばんなちほー!?ジャパリパークゥ?!!」


 ▼ 19 ルタリス@くろいビードロ 17/05/21 18:02:55 ID:xUaU9l/w [12/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告








ケンゴ「え、じゃあ…じゃ、ジャパリパークには君みたいな人間しかいないの…?!他の人間は…?パークの管理者とかは?」


サーバル「ここにヒトはひとりもいないよっ!でもフレンズならたっくさんいるよっ!」


ケンゴ「うーん、だからそのフレンズがわかんないんだよね」


日が傾きかけた頃、ケンゴはサーバルに連れられて『さばんなちほー』を横断していた。
どれだけ話を詰めても、両者の間で話が噛み合わない部分があり、ケンゴの理解は難航を示した。
これでは埒が明かないと、サーバルの提案で、『としょかん』でケンゴが来たというパルパークを調べようという方針で話はまとまった。
低草を避けて縫うように進み、途中で木陰を見つけては休憩を取って一向は『としょかん』を目指していた。


ケンゴ(どうも話にズレがある…図書館ってのも本当にあるのかどうかも信じ難い…)


ケンゴ「ねぇサーバル。本当に図書館でパルパークへの帰り方がわかるのかい?」


サーバル「うーん、どうかなぁ。でもきっと何か手掛かりは見つかるはずだと思うよ!……あ、ほら見て見て!じゃんぐるちほーが見えてきたっ!!」
 ▼ 20 ントラー@せいなるはい 17/05/21 18:07:47 ID:xUaU9l/w [13/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーバルが遠方を指差して告げる。
ケンゴがどれだけ目を凝らしても、『じゃんぐる』らしいものが見えない。


ケンゴ「えっ、どこ」


サーバル「え、ほら!あそこだよ!あっちあっち!」


ケンゴ「え、えぇー…」


サーバル「うーん、ケンゴはあんまり目が良くないのかな」


ケンゴ「失礼だな。僕は両目とも1.0だぞ」


サーバル「あ!ほらほら!あっちに湖があるよ!行ってみよっ」









 ▼ 21 ンドロス@シルクのスカーフ 17/05/21 18:10:51 ID:ChGTkfvU [1/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
紫煙
 ▼ 22 リーザー@コンペボール 17/05/21 18:21:31 ID:Jx2nFSPk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンゴが珍しくまともそう支援
 ▼ 23 カルゲ@ペアチケット 17/05/21 18:22:20 ID:xUaU9l/w [14/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
平地ばかり続いた草原地帯は、気付くとでこぼことした岩肌が目立ち始め、起伏が激しくなった。
軽い身のこなしでヒョイヒョイと進んでいくサーバルと対称的に、ケンゴは一歩一歩足場を確保して細心の注意を払って進む。


ケンゴ「こんな方に湖が本当にあるのかい…」


サーバル「ちゃんとあるよっ!」


こんな荒々しい道を進んでいるのに、サーバルは声色を乱さない。


ケンゴ「本当に女のコかぁ…?なんて運動神経なんだ」


しばらく岩肌の傾斜を登り詰めた後、大きな一枚岩の上に出た。テラスのような広々とした空間になっていて、その中央にできた窪みに水が溜まって
大きな水溜り、いや、小さな湖となっていた。


サーバル「とーちゃくーっ!」


ケンゴ「ハァッ… ハァッ… つ、疲れた…」


ケンゴの膝がカクカクと笑う。
ビッショリと汗をかいて、シャツが背中に張り付いている。

サーバル「わぁっ、ケンゴ大丈夫?ビショビショだよ?!」
 ▼ 24 ース@ブリーのみ 17/05/21 18:26:33 ID:xUaU9l/w [15/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンゴ「だ、だいじょば…ない…」ゼェゼェ


サーバル「凄いんだね。体からたくさん水が出せるんだぁ」


ケンゴ「ハァッ…ハァッ…み、水…」


ケンゴはヨタヨタと覚束ない足取りで水際まで進む。


ケンゴ「はぁっーーー」


そこで平伏し、大きく口を開けて水面に口を浸けた。
豪快に、喉を鳴らして自分の体に水を取り入れていく。


ケンゴ「ごキュッ ごキュッ ごキュッ ごキュッ!!」ゴキュ ゴキュ


サーバル「………」


サーバル「…んっ …んっ」コクコクッ


サーバルも、ケンゴに続いて水面に口を浸けて給水した。
 ▼ 25 マゾウ@きょうせいギプス 17/05/21 18:34:07 ID:xUaU9l/w [16/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンゴ「……ぱはぁーっ!あーっ、生き返る…」


湖から顔を上げると、隣でサーバルが同じように平伏して水を飲んでいた。


サーバル「…んっ …んんっ」コクコクッ


サーバル「……ぷはぁーっ!」ザパッ


ケンゴ「………」


ケンゴは目を疑った。
他人のことを言えた身ではないが…その有様は少女の所作としてはあまりにも無作法な…。
サーバルの飲み方は、少女と呼ぶにはあまりにも野生的であった。


が、そんな怪訝な感情はすぐに吹き飛んでしまった。


サーバル「あははっ」


サーバルの口の端から、だらし無く雫が垂れる。


ケンゴ「………///」ゴクッ
 ▼ 26 テトプス@やけたきのみ 17/05/21 18:45:43 ID:xUaU9l/w [17/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンゴは生唾を飲んだ。
彼女に会った時からそうだ。どこか獣臭さが鼻をつつく。

しかしそれは決して嫌悪感ではない。彼女の体の芯から溢れ出る、野生的な芳しい、心地の良い匂いなのだ。

それが、フェロモンなのだとケンゴは本能的に察知した。
ヒカリの側にいても感じられなかった、未知の感情が湧き上がってくるのだ。


このサバンナの暑さのせいか、歩き続けた疲労のせいか。
ケンゴのその異常とも言うべき衝動は、彼女を意識すれば意識しただけ際限なく湧き上がってくる。



ケンゴ「………」



ケンゴ「……///」ムッラァァ…



ケンゴの気持ちは、もう抑えきれないところまで昂ぶっていた。


この純粋無垢な少女を、一心不乱に汚したい……。



ケンゴは土に汚れたその手を、密かにサーバルの肩へと伸ばす。
 ▼ 27 ルキア@イナズマカセット 17/05/21 18:49:58 ID:i0GwSXPM NGネーム登録 NGID登録 報告
うわぁぁぁ!
やっぱりケンゴだった!
 ▼ 28 マズン@レインボーパス 17/05/21 18:50:23 ID:JsMmxUr. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やっぱりケンゴミじゃないか……
 ▼ 29 ガピジョット@しんかいのキバ 17/05/21 18:50:52 ID:xUaU9l/w [18/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーバル「んーっ…ハァッ!おっいしーっ!」


ケンゴ「………」ソォ…


ケンゴが、そっとサーバルの肩に手を回した。


サーバル「ん?ケンゴどうかしたっ?」


ケンゴ「……ンフ-ッ ンフ-ッ…!」ンフ-ッ ンフ-ッ


サーバル「……んんっ?」キョトン




カバ「あら、またフレンズを連れ回してるの。サーバル」



突如、湖の中から声がした。
おっとりとした、麗しい声にケンゴはハッと我に返る。


ケンゴ「だっ、誰っ?!」ビクゥッ!
 ▼ 30 ゲキ@フォトアルバム 17/05/21 18:51:13 ID:OKs5bpXk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイパーケンゴ
いいぞもっとやれ
 ▼ 31 スカーン@ホエルコじょうろ 17/05/21 18:52:42 ID:ChGTkfvU [2/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
誠しね








じゃなかったケンゴしね
 ▼ 32 ングドラ@ウォーターメモリ 17/05/21 19:13:41 ID:xUaU9l/w [19/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
湖の中から、長身の女性が姿を現した。
黒茶色の長い髪はグラデーションのように毛先につれて赤く靡き、髪色と統一したこれまた黒茶色のライダースジャケットを、ボディラインがハッキリとするほどピッタリと着こなしている。
頭部にピョコンと小さな耳のようなものが生えており、サーバル程では無いにしろ統一感からどこかコスプレ感を醸していた。


サーバル「あっ!カバぁっ!」


ケンゴ「へ、へぁ?!カバ?!」


いきなりサーバルの口から発せられた罵声にケンゴは飛び上がった。開口一番『カバ』は無いだろうと、ケンゴは身を竦めた。
ところが女性は意に介さずといった感じで、無視して話し始めた。


カバ「サーバル。今日はどんなフレンズを連れてきたの。良くお顔を見せてくれるかしら」


サーバルの背に隠れたケンゴは、サーバルを襲おうとしたことを咎められるのだと思い更に縮こまった。


サーバル「へっへん!見たらビックリするよぉ!初めて見るフレンズだもんっ!」


自信たっぷりのサーバル。ケンゴはサーバルに押し出される形で前に出た。


ケンゴ「………ど、どうも…」

ケンゴ(やばいやばいやばい、サーバル犯そうとしてたの絶対バレてるよ…!!)ドッキンバッコン
 ▼ 33 ワムラー@ニニクのみ 17/05/21 19:18:31 ID:ChGTkfvU [3/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
人間だけじゃなくてけものにまで……恐ろしいな
 ▼ 34 ガアブソル@ホノオZ 17/05/21 19:19:48 ID:woJ8YEoQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウコチャヌプコロはNG
 ▼ 35 ーフィ@ピーピーリカバー 17/05/21 19:20:34 ID:4yfZYSbI [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒェッ
 ▼ 36 ース@カメックスナイト 17/05/21 19:20:36 ID:xUaU9l/w [20/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カバ「あら、ホント。この辺りじゃ見ない顔ね」


訝しげな感じではなく、あくまでも穏やかなトーンで話す『カバ』。


サーバル「ケンゴ!って言うんだよ!何のフレンズかわからないんだって!」


ケンゴ「………」


カバ「ケンゴ…ケンゴ……んむむ、聞いたこと無いわねぇ」

カバは頬に人差し指を当て、思案に耽る。


サーバル「そっかぁー。カバもわかんないかー」


ケンゴ「ちょっ、ちょっと待って」


サーバル「ん?どうかした?」


ケンゴ「いや、紹介してよ!」


サーバル「ああっ、あのコはカバだよ!」
 ▼ 37 ツボット@アシレーヌZ 17/05/21 19:22:54 ID:ChGTkfvU [4/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ポッタイシとペパプのコラボ…って預けてるのか
 ▼ 38 ルノズク@タマゴけん 17/05/21 19:27:05 ID:xUaU9l/w [21/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンゴ「だからさァ…」ハァ

サーバル「カバはねっ、カバのフレンズなんだよ!」


やれやれと、額に手を当てるケンゴ。
埒があかないので『カバ』という単語から紡ぎ出される言葉を絞りだす。


ケンゴ「カバ、カバ……カバルドン…」ボソッ


ケンゴ「あなたはその、カバルドンのコスプレ…?」


サーバル「…えっ?」

カバ「…?」


ケンゴ「…あ、いや、何でも無い。気にしないで今の」


サーバル「ケンゴ、パルパークっていう所から来たらしいんだけど、知ってるっ?!」


カバ「パルパーク…?ジャパリパークみたいだけど、聞いたこと、ないわねぇ」


サーバル「そっかぁー、やっぱりとしょかんに行かなきゃわからないよね」
 ▼ 39 ヒダルマ@メタルパウダー 17/05/21 19:33:40 ID:xUaU9l/w [22/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カバ「あら、図書館に行くの?だったら気をつけることね。もうすぐ日も沈むから…って言ってもあなたは夜行性だったわねサーバル。お連れの方はどうかしら」


サーバル「ん〜…、ケンゴ!ケンゴって夜行性?!」


ケンゴ「えっ……あー、まぁ、夜更かしは好き、かな」


サーバル「そっかぁ〜、なら心配いらないねっ」


カバ「ダメよサーバル。あなたはすぐ調子に乗って無茶ばっかりするんだから。それにこの辺りでまたセルリアンが目撃されたってみんな騒ぎになってるのよ」


サーバル「ええーっ!セルリアンが?!」


ケンゴ「せ、セルリアン…?」


サーバル「でも!大丈夫だよっ。セルリアンが出てもわたしやっつけるも!」


カバ「あなたはどうかしら、ケンゴ。セルリアンが出ても、対抗できるの?」


ケンゴ「ええー…セルリアンてなんなのさ…」

 ▼ 40 ルキー@やわらかいすな 17/05/21 19:43:05 ID:xUaU9l/w [23/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カバ「あなた、さばんなちほーは初めてかしら」


ケンゴ「あ、はい…そりゃまぁ」


カバ「あなた、随分のんびりしてそうだから教えてあげるけど、このサバンナでは自分の身は自分で守ることが絶対の掟よ。サーバルはああ言っているけど、いざという時にはあなたはセルリアンとも戦わなきゃいけなくなるはず」


ケンゴ「だぁかぁらぁ…」イラッ


カバ「見たところ鈍臭そうだし、サーバルみたいに武器になるものも無さそうだし、サーバル無しで生きていけるのか不安だわ」


ケンゴ(犯すぞ、ホント)イライラッ



サーバル「おーい、ケーンゴっ。置いてっちゃうよーっ」


岩の下の方から、サーバルが呼ぶ声がする。
いつの間にか一人で降っていたようだった。


ケンゴ「今いくよ!!…ったく、それじゃあね!"カバ"!!」


カバ「……ふぅ。心配ねぇ」
 ▼ 41 ジロン@サメハダナイト 17/05/21 19:57:20 ID:xUaU9l/w [24/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




サーバルの後を追い、ケンゴはじゃんぐるちほーへ続く道に戻って来た。

夕日が、さばんなちほーを赤色に染める。
ケンゴとサーバルの影は身長の倍ほどに伸びている。人間ならば1日の終わりを感じる景色なのだろうが、このサーバルは「ここからが本番」という具合に、昼間にも増して更に元気付いている。



ケンゴ「………」


カバの所に寄って、わかったことがある。サーバルやカバが口々に言う『フレンズ』という言葉の意味だ。
恐らくフレンズとはサーバルやカバの総称なのだろう。わかっている範囲では、コスプレをしている女はフレンズに含まれる、ということ。
今後、サーバルやカバみたくコスプレをした女性が現れた際はフレンズに該当すると見て間違いないだろう。

フレンズがどんなものなのか、何となくわかってはきたが
同時に新たな問題が生まれてしまった。



ケンゴ「セルリアンてなんだよ…」



ケンゴは歩きながらポケモン図鑑のスイッチを入れた。
画面が光り、セルリアンという言葉にヒットする情報をシラミ潰しに探していく。
 ▼ 42 オスバメ@ガオガエンZ 17/05/21 19:57:40 ID:eKMknflg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スーパーレイパーケンゴ
 ▼ 43 ランセル@もうどくプレート 17/05/21 20:03:09 ID:xUaU9l/w [25/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーバル「わぁーっ!なにそれなにそれーっ!!」


ポケモン図鑑を見つけたサーバルは瞳を輝かせ、ケンゴの側へ駆け寄った。
サーバルはポケモン図鑑も知らなかった。


ケンゴ「ポケモン図鑑ていうんだよ」


サーバル「ポケモンずかん?!ピカピカしてるし、何だかよくわかんないケド、すっごぉい!!」


興奮してピョンピョン飛び跳ねるサーバルの肩が、ケンゴの肩に当たる。サーバルのふわふわの髪の毛が、ケンゴの首元をこしょぐる。
距離が近い。


ケンゴ「………///」ゴクッ


サーバル「ねぇ!ねぇねぇ!どうやって遊ぶのっ これ!」


サーバルはポケモン図鑑に夢中で、画面をポリポリと引っ掻いたりしている。
ケンゴは辺りに誰もいない事を、キョロキョロと確かめる。


ケンゴ「……フゥ-ッ フゥ-ッ」
 ▼ 44 ーメイル@きれいなウロコ 17/05/21 20:29:17 ID:xUaU9l/w [26/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーバル「うっわぁーっ…!あはは…!」


ポケモン図鑑を渡されるとサーバルはもう興味津々で、周りの景色が見えなくなっていた。

ケンゴはそっとサーバルの背後に回り込んだ。広大なサバンナの真ん中に一人、無防備な少女。これを前にしてケンゴが襲わないわけがないのだ。


ケンゴはサーバルの細くくびれた腰のあたりに腕を回し、抱き寄せた。
最初は優しく、サーバルがこちらに気付くと、少し強く締める。


サーバル「うみゃっ…ビックリした。どうしたのケンゴ…?」


振り向くサーバルを他所に、ケンゴはもう放さないと体を密着させよう身を寄せる。
夕日に照らされた二人の影は重なり、一本の筋になる。


ケンゴ「はぁっ はぁっ…!」ムラムラムッラァ


サーバル「ハァハァしてるけど、疲れちゃったのかな?」


ここまで露骨な行動に出ても、サーバルはまるで警戒する素振りを見せない。
これはイケる。ケンゴはそう確信した。ケンゴは片手を自身のズボンのチャックへと伸ばす。


ケンゴ(…いよいよだっ!いよいよだゾぉ…!!)
 ▼ 45 ルレイド@ホイップポップ 17/05/21 20:36:01 ID:SdAV080o [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これでこそケンゴだ
 ▼ 46 ラナクシ@みずのジュエル 17/05/21 20:43:02 ID:xUaU9l/w [27/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンゴがコトに及ぼうと、パンツに手をかけた丁度その時。

後方で、落雷のように大きな地響きが轟いた。
ハッと我に返るケンゴとサーバル。


ケンゴ「クッソォ!いいタイミングで邪魔ばっかり入ってもぉぉ!!」


怒りに震え、翻るケンゴは目を疑った。
見たこともない生物が、背後に佇んでいたのだ。
高さ5メートルほどで、大きな球体の生物が目と思しき器官をこちらに向けて見据えていた。青色のボディからはいくつもの触手が伸びて辺りの木に接続されており、それが球体の体を支えて宙に浮いていた。

生物と述べたが、もはや生物かすら怪しい。


サーバル「セルリアンっ!!」


サーバルが叫ぶ。確かにセルリアンと、そう言った。


ケンゴ「セルリアン?!これが!?」


サーバル「気をつけて!離れてないと食べられちゃうっ!!」


ケンゴ「ええっ?!」
 ▼ 47 ラピオン@ふしぎなタマゴ 17/05/21 20:44:47 ID:/ZvHfb4M NGネーム登録 NGID登録 報告
ケンゴはセルリアンに食べられら
 ▼ 48 ジョット@プレシャスボール 17/05/21 20:51:33 ID:ChGTkfvU [5/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
やめろー
 ▼ 49 チエナ@あおぞらプレート 17/05/21 20:56:04 ID:xUaU9l/w [28/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セルリアンはサーバルを発見すると、狙いを定めたかのように襲いかかった。


サーバル「うみゃっ!」ドゴォッ


触手を伸ばしバネのように使うことでその大きな巨体をパチンコ玉のように飛ばしてくる。
サーバルは間一髪のところでセルリアンの体当たりを躱した。


サーバル「あっぶな…!」ズザザ


ケンゴ「サーバル!あれは!一体!」


サーバル「ケンゴ!そこにいたら危ないよっ!!」


サーバルは巧みな身のこなしでセルリアンの攻撃を躱す。


ケンゴ「何してるのさサーバル!やり返さないと!!」


サーバル「そうしたいけど…!"アレ"が…見当たらなくって…!」


ケンゴ「あ、あれ?!アレってなにさ!」
 ▼ 50 ラセクト@じめんのジュエル 17/05/21 21:00:54 ID:xUaU9l/w [29/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーバル「セルリアンの体についてる石のことだよ!それを攻撃するとセルリアンは消えるもの!」


ケンゴ「石…?石って言ったって…」


もはや付いていけないという面持ちで、ケンゴはその場に棒立ちしている。


サーバル「ケンゴっ!危ないっ!!」


サーバルが、ケンゴに飛びかかった。


ケンゴ「おうっ!」ステ-ンッ


ケンゴはサーバルに押し出される形で突き飛ばされ、大きく尻餅を付いた。



サーバル「きゃぁぁっ!」バシッ


ケンゴを庇い飛び出したサーバルはセルリアンの攻撃をその身に受ける。
サーバルは数メートル吹き飛ばされた。


サーバル「うみゃっ!うみゃっ!…うみゃみゃあっ…!」ズザザッ
 ▼ 51 ンギラス@みずたまリボン 17/05/21 21:08:33 ID:xUaU9l/w [30/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンゴ「なんだこれ…」


ケンゴはもう何が何だかわからないといったように呆然としていた。
サーバルが地を履い、起き上がろうとする。
セルリアンが黒々とした単眼をサーバルに向けて、追撃を加えようとしている。
自身の勃起したソレはいつの間にかシナシナに萎れてしまっている。


もう、何が起きているのかケンゴには皆目検討もつかなかった。

ポケモンを取りにパルパークへたどり着いたかと思えば、全く見ず知らずのサバンナに一人放り出され
偶然出会った不思議な少女に案内され1日の歩き通す羽目になり……



もはやケンゴの思考は停止していた。
理解の範疇を超えている。


ただひとつ、わかることがある。

ケンゴ「………」

ケンゴは起き上がって尻の埃をパンパンと払った。



ケンゴ「よくも僕の性欲を妨げたなァァッ!!」ゴウッ
 ▼ 52 ギアナ@コンテストパス 17/05/21 21:10:55 ID:ChGTkfvU [6/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
動画見て愛でる分にはいいけど、
野生の獣はどんな病気持ってるか分からんし、
獣臭そうだし、獣臭くなくても水浴びくらいしか体洗ってないから臭そう
 ▼ 53 エルオー@もののけプレート 17/05/21 21:19:07 ID:xUaU9l/w [31/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セルリアン「………」


ケンゴ「よくも!僕の!性の衝動をっ!!」



ケンゴ「ことごとく台無しにしてもぉぉ!!」



サーバル「ケンゴ!ダメだよっ!逃げてぇ!!」




ケンゴはリュックの中からひとつ、モンスターボールを取り出す。開閉スイッチを押すとボールは膨張し、ポケモンの開放の準備が整う。


ケンゴ「いっけぇ!ポッタイシィィッ!!」ブンッ


ケンゴがモンスターボールを放つ。投擲されたボールは空中で起動し、赤色レーザーと共にペンギンポケモンのポッタイシが姿を現した。


ポッタイシ「ポッター!」ハリ-ッ



サーバル「ええっ??!」
 ▼ 54 ルマッカ@どくバリ 17/05/21 21:22:00 ID:xUaU9l/w [32/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>53
グラフェス後の話なのでポッタイシではなく、エンペルトですね。
改めます。
 ▼ 55 ットロトム@わざマシンケース 17/05/21 21:27:12 ID:xUaU9l/w [33/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンゴ「構えろォ!エンペルトォ!!」


エンペルト「エンペッ!」


セルリアン「………」


セルリアンが、サーバルからエンペルトへ視線を流す。


ケンゴ「エンペルト!ことごとく!ことごとくだぁ!!」


ケンゴ「一発であいつのことごとくを吹っ飛ばせ!!」


エンペルト「んぺっ!」




ケンゴ「ハイドロカノンッ!!!」


エンペルト「んンンッペェェェェッ!!!!」ドバババ


エンペルトの嘴から、大量の水が放たれ、セルリアンに命中。
 ▼ 56 ルマイン@ゲンガナイト 17/05/21 21:27:21 ID:4yfZYSbI [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
草生える
 ▼ 57 ノムー@おうごんのみ 17/05/21 21:32:17 ID:C4Fg4s4Y NGネーム登録 NGID登録 報告
なぞのばしょ→パルパーク(※ジャパリパーク)
 ▼ 58 ギギアル@ダークメモリ 17/05/21 21:35:56 ID:xUaU9l/w [34/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セルリアン「………」


ハイドロカノンの最後の放水がセルリアンを捉える。
しかし…



セルリアン「………」ズァッ


ケンゴ「えええっ?!な、なんで効かないんだぁぁ?!!」


エンペルト「んペェッ?!」


セルリアンが、逃げ回るエンペルトを追跡する。



サーバル「!?」


セルリアンがサーバルに背を向けた時、
背中の中央付近に、一際青い色を放つ『石』が確認できた。セルリアンの弱点だ。



サーバル「うーみゃみゃみゃっ えーいっ!!」
 ▼ 59 ッキー@もくたん 17/05/21 21:48:34 ID:xUaU9l/w [35/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーバルが膝を曲げ、勢いよく地を蹴って跳躍する。
自身の身長の何倍もの高さを湾曲を描いて舞い、サーバルはセルリアンの背中に飛びついた。

鋭い爪の一撃が、セルリアンの弱点を捉える。




セルリアン「……グググ…」



サーバルの攻撃によりセルリアンの石が砕かれた。同時にセルリアンの体に亀裂が走り、瞬く間に粉々に爆散。
粉々に砕け散ったセルリアンは七色の輝きを放つ物質に変質し、辺り一帯に散らばった。


ケンゴ「た、助けてえええ…え……え…」


ケンゴ「……え…?」


頭を抱えて身を低くするケンゴは、辺りを見渡す。
セルリアンの姿はどこにもない。


ケンゴ「……あ…あ…」


ケンゴ「か、勝ったのか…?倒したのか…?!」
 ▼ 60 ロリンガ@ミクルのみ 17/05/21 21:53:54 ID:xUaU9l/w [36/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンゴ「た、助かった」


サーバル「すっごーいっ!!!」


ケンゴの安堵の言葉を遮り、サーバルがいつものテンションで叫ぶ。


サーバル「なにそれなにそれ!さっきのどうやったのぉっ!?」


ケンゴ「へ、へぁ?」


サーバル「さっきのっ!あれ、どうやって出したの?!教えてよぉ!!」


サーバル「よくわかんないけど、鳥のフレンズが突然現れて!水をたっくさん出すのっ!!」


サーバル「あれどうやったのぉーっ?!すっごいよすっごいよーっ!!!」


ケンゴ「え、ええっ…」
 ▼ 61 ガミミロップ@ユキノオナイト 17/05/21 21:55:42 ID:4yfZYSbI [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンゴ改心しそう
 ▼ 62 ーパ@アクセサリーいれ 17/05/21 21:58:04 ID:ChGTkfvU [7/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ケンゴですらのけものにならずにすみそう


まあ、のけものになってるのはbbsだけで他のところではのけものじゃないけどね
 ▼ 63 ソクムシャ@じゃくてんほけん 17/05/21 22:04:57 ID:xUaU9l/w [37/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
大興奮のサーバルに、ケンゴもタジタジ。


ケンゴ「こ、これ、モンスターボール。この中にポケモンが入ってて、好きな時に出し入れできる…んだ」


サーバル「へぇーっ!へぇーっ!おっもしろーい!」


きっと、サーバルは理解できていない。
しかし好奇の眼差しを向けられているのは、実に気持ちがいいものだ。


ケンゴ「そ、そう…?そんなに面白い…?」テレッ


サーバル「うんっ!すごいよ!すっごいよ!!」


この時、ケンゴの脳裏に現れた悪魔が告げた。




『サーバルをモンスターボールで捕まえろ』




ケンゴ「……!」
 ▼ 64 イプ:ヌル@ヨロギのみ 17/05/21 22:08:30 ID:ChGTkfvU [8/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
いやああああああああああああ
 ▼ 65 ブトプス@しんぴのしずく 17/05/21 22:11:27 ID:xUaU9l/w [38/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーバル「…ん、どうかしたのっ ケンゴ」


ケンゴ「………」



確かに。悪魔の囁きの策案にケンゴは関心した。
パルパークでもらったパークボールは、マスターボールと同じ性能を誇ると言われている。一度ボールに入ってしまったが最後、どれだけ足掻きもがこうと抗うことはできない。
もしサーバルを捕まえれば、無事にシンオウ地方へ生還した後も延々とサーバルの身体を堪能し尽くす事が出来る。


ケンゴ(それはこの上ない悦びっ…!)


ケンゴがリュックに手を伸ばし、パークボールを取り出そうとした時、またしても脳裏に現れたのは、天使であった。天使がケンゴの耳元で呟く。



『ここで犯せ。ヤリ逃げにしておけ』



ケンゴはボールを握る手を止めた。
 ▼ 66 ネコロロ@イバンのみ 17/05/21 22:14:11 ID:4yfZYSbI [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
天使もゲスくて草
 ▼ 67 ューラ@きれいなぬけがら 17/05/21 22:14:14 ID:ChGTkfvU [9/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガヴリールドロップアウトの連中も真っ青な悪魔と天使
 ▼ 68 ンムー@きよめのおこう 17/05/21 22:14:54 ID:ChGTkfvU [10/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ラフィエル
 ▼ 69 レフワン@ネコブのみ 17/05/21 22:46:08 ID:xUaU9l/w [39/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
天使の言い分も一理ある。
もし仮にサーバルが人間だったら…というか人間だと思うけど
見るからに未成年のこの少女をボールの中に監禁したと明るみになれば逮捕されるのも時間の問題だろう。
それならいっそこの場でしこたま犯しまくって満足して捨てた方が、後腐れなくて済むのではないか。
というのが天使の提案であった。




サーバル「…ケンゴ? どうしたの…?」キョトン



多少リスクを背負ってでも愛玩動物を手に入れるべきか。
あるいは保身を考えて一夜限りの性奴隷になってもらうべきか。

ケンゴの頭の中で悪魔と天使が論争している。
ケンゴ本人にとってはどちらも甲乙つけがたく、ずっと好きな時にセックスしていたいし、警察に捕まりたくもない。

ケンゴはしばし一考した。



サーバル「…ケンゴ?」


ケンゴ「………」


どうもすぐには答えは出そうにない。そう判断したケンゴはサーバルの方へ向き直る。手にしたパークボールを、サーバルに見せずにそのままリュックにしまい込んだ。
 ▼ 70 メール@たからぶくろ 17/05/21 23:37:51 ID:xUaU9l/w [40/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





完全に日が沈み、辺りが暗闇に包まれる頃にはケンゴもサーバルもさばんなちほーを抜け、じゃんぐるちほーへ進入していた。
自分に大変興味を抱いたようで、サーバルはずっと着いてくる。
彼女曰く「ケンゴがなんのフレンズか知りたい」「ケンゴのふるさとが知りたい」という好奇心に突き動かされたとのこと。
着いてきてくれるのなら、ケンゴにとって都合が良い。モンスターボールに収めるか強姦して捨てるか、その推移を見極める時間的猶予が与えられたに他ならないからだ。


日の入りまですっかり萎びきっていたケンゴの男根も、夜に入り疲れがピークに達する頃にはすっかりギンギンに硬くなっていた。
ケンゴはもう、今すぐにでもサーバルを犯したい気持ちで胸が満たされていた。



そんな折り、二人は三叉路へ突き当たった。



サーバル「あれ、あれれっ 道が2つあるよ」


ケンゴ「……」ムラムラ


サーバル「どっちへ行けばいいかなぁ〜」


ケンゴはサーバルを襲う機を伺った。なかなか隙を見せない。夜行性というだけあって、夜になればなるほど彼女は活発になっていった。
 ▼ 71 イケンキ@みどりのプレート 17/05/21 23:44:05 ID:xUaU9l/w [41/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーバル「じゃんぐるちほーにはね、大きな川が流れてるんだっ」


鼻をひくつかせ、サーバルが川の方向を探る。


サーバル「川なんて楽しみだよねっ!」



ケンゴ「………フゥ-ッ フゥ-ッ」


ケンゴはもはやそれどころではない。
二度に渡り交尾を邪魔されてしまったため、もはや抑えきれない衝動がすぐそこまで露わになりかけていたのだ。
目が血走り、股間に血液が大量に供給される。
それは同時にケンゴの思考回路の低下を物語っていた。


考えられることは、サーバルを犯しつくすこと。ただそれだけ。



サーバル「わたし、夜行性だから 夜になるとつい遊びたくなっちゃうんだっ」ガリガリガリ


サーバルがその辺の木の幹に爪痕をつける。

サーバルがようやく隙を見せた。
ここぞとばかり、ケンゴが動いた。
 ▼ 72 ガヤドラン@ピーピーマックス 17/05/21 23:49:50 ID:xUaU9l/w [42/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーバル「うみゃっ!」ドサッ


ケンゴは後ろからサーバルの肩を掴み、強引に地面に押し倒した。
蚊の鳴くような声を出して、サーバルはケンゴに組み敷かれる。


ケンゴ「はぁーっ はぁーっ はぁーっ…」


サーバル「うわーっ、狩りごっこだねっ!いいよ!やろーやろーっ」


それでも、どこまで能天気なのかサーバルは動じずにいる。


ケンゴ「はぁーっ…はぁーっ…!」


ケンゴ「サーバル…!狩りごっこ…しよぉ…!」


ケンゴが、サーバルのブラウスの胸元に手を伸ばす。
第1ボタンに手をかけ、脱がそうとする。


サーバル「うみゃっ?何するの…?狩りごっこは……?」


キョトンと、小首を傾げるサーバル。
 ▼ 73 ネコ@サイコシード 17/05/21 23:52:08 ID:ChGTkfvU [11/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
誰でもいいからサーバルちゃんを助けて
 ▼ 74 クスロー@カイロスナイト 17/05/21 23:58:01 ID:xUaU9l/w [43/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガサガサっ

ケンゴ「!?」


ケンゴがサーバルのブラウスの第1ボタンを外した時。
近くの茂みが音を立てて揺れた。
確かに何かが、そこにいる。


ケンゴ(だ、誰かに見られた…?!)


ケンゴは咄嗟にサーバルから退き、茂みへ警戒態勢をとる。サーバルもムクリと起き上がって、茂みの方へ大きな耳を傾けた。




ラッキービースト「…………」テクテク トコトコ


ケンゴ「………?!」


茂みから現れたのは、これまた得体の知れぬモンスター。
サーバルやセルリアンとはまた違う、異形のものだった。
人の顔ほどの大きさしかなく、全体的に丸みを帯びていて頭頂にはサーバルと似た大きな耳があしらわれていた。全体的に水色で、胸元にあたるのか、首にあたるのか、体の中央には四角い装飾が施されている。
それが二足歩行で歩き茂みから出てくるとサーバルは声を荒げた。

サーバル「ボスッ!!」
 ▼ 75 ブカス@やけどなおし 17/05/22 00:01:37 ID:YruDqHt6 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケンゴ「はっ?!ボス?」


ボスと呼ばれたそれは、話しかけているサーバルを無視してケンゴの足元まで進んでは停止した。


ラッキービースト「………」


ケンゴ「………」


またも性欲の解消に水を差されたケンゴは怪訝な顔つきで『ボス』を見下ろした。


ケンゴ「………」ゴクリッ


ラッキービースト「………」



ラッキービースト「………はじめまして、僕は、ラッキービーストだよ」


ケンゴ「……!?」


ラッキービースト「……よろしくね」
 ▼ 76 ガカイロス@タブンネナイト 17/05/22 00:08:09 ID:NonUYvb. NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ケンゴ君こんなに性欲抑えきれないなら南極にでも行ったら?
ペンギン好きだろうし
今なら喋るペンギンとかアシカとかも迎え入れてくれるんじゃないかな?
そうだよ!ペンギン可愛いよ?ほらサーバル何か見ないでこっち来て
 ▼ 77 メパト@うみなりのスズ 17/05/22 00:09:49 ID:YruDqHt6 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
機械音声のようなぎこちない声で、ボスはケンゴに言葉を投げかけた。
またしても状況が飲み込めないケンゴ。サーバルの悲鳴で我に返った。



サーバル「うわぁぁぁーっ!!喋ったああーっ!!!」











突如異国の地に迷い込んでしまったケンゴ。
彼は漂流先で出会った少女サーバルに一目で惚れ、ジャパリパークは混乱の渦に巻き込まれる。

ケンゴの目的はただひとつ。フレンズ達の目を盗んでサーバルを陵辱し、自分のものにすること。

これはケンゴの野望と生存を賭けた、
最低のサクセスストーリーである……!!





第一話「さばんなちほー」 おわり
 ▼ 78 ビット@ヤゴのみ 17/05/22 00:14:13 ID:vHS.FBGE NGネーム登録 NGID登録 報告
結局いつものレイパー
 ▼ 79 トカゲ@ウルトラボール 17/05/22 00:24:36 ID:Aq12sVc6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ことごとく邪魔されてて草
 ▼ 80 ジロック@どくのジュエル 17/05/22 00:24:49 ID:oeB78Tdw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
紫煙
 ▼ 81 ララッパ@ミックスオレ 17/05/22 00:25:44 ID:qvboEe4E NGネーム登録 NGID登録 報告
合縁奇縁 一期一会〜
支援
 ▼ 82 ュウツー@ファイトメモリ 17/05/22 07:50:40 ID:M6EdKydQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 83 レビィ@ミストシード 17/05/22 12:48:15 ID:M6EdKydQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 84 ノクラゲ@あかいいと 17/05/22 12:57:05 ID:u2U9UJns NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そいつはセルリアンだよ!逃げて!
 ▼ 85 マザラシ@むしよけスプレー 17/05/22 19:47:09 ID:YruDqHt6 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーバル「うわぁぁぁーっ!!喋ったあーっ!!!」


静寂なる夜森に、悲鳴が木霊した。
草の根を掻き分けて現れた水色の異形物体・ボスには口に該当する器官は見当たらない。まるで機械音声のように、無機質な声なのである。
目を白黒させて飛び上がるサーバルを他所に、ボスことラッキービーストはケンゴに対して話を続ける。


ラッキービースト「君の名前を、教えてね」


ケンゴ「……ぼ、僕はケンゴ……だよ…」


ケンゴも、得体の知れないそれに恐る恐る答える。


ラッキービースト「ケンゴ、ケンゴ。…よろしくね、ケンゴ」


サーバル「ボス、喋れたのおっ?!初めて聞いたよ、ボスの声」


顔見知りであった様だがサーバルはその時ばかり初対面の様な面でラッキービーストを隈なく見つめた。ラッキービーストはそんな彼女を無視して更にケンゴに語りかける。


ラッキービースト「まず、ジャパリパークの敷地の説明をするよ。ジャパリパークは気候ごとにエリアが分けられているんだね」


頼んでもいないのに、ジャパリパークの説明を開始した。
 ▼ 86 ガハッサム@ゴーストジュエル 17/05/22 19:54:34 ID:YruDqHt6 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ラッキービースト「ジャパリパークには、それぞれの環境に適した動物が……」


ジャパリパークに住まう動物達の解説に入ったところで、ついにケンゴにも睡魔が訪れた。
コクリコクリと首を上下させ、まぶたは重くて目を開けていられなくなる。
気付くとケンゴは地面になだれ込むように眠ってしまった。


ラッキービースト「…あれ……」


スヤスヤと寝息を立てるケンゴを見るや、ラッキービーストは言葉を止めた。
シャツの裾がめくれヘソを露出させ、ヨダレを垂らして健やかに寝ている。


ラッキービースト「………」


サーバル「…寝ちゃったねっ」


起こさないようにと、サーバルはいつものテンションよりも数段小さな声で囁いてケンゴの寝顔を覗き込んだ。


サーバル「今日は色々あったもんね。疲れちゃったんだね」


ラッキービースト「………」
 ▼ 87 リトドン@あさせのかいがら 17/05/22 20:02:14 ID:YruDqHt6 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サーバルはケンゴの服の裾をソッと直してあげた。


サーバル「…それにしてもボス、喋れるんなら最初からそう言ってよっ」


ラッキービースト「………」


サーバルがラッキービーストに話しかける。しかし途端に黙りこくって、サーバルには見向きもしない。


サーバル「ボス?」


ラッキービースト「………」








頭が醒める。底冷えがする。
閉じたまぶた越しに光が差し込む。決して眩しくない、暖かな優しい光だ。
薄っすらと目を開けると、木漏れ日の様だ。何層もの重なった葉が強すぎる日の光を濾過して和らげてくれている。


ケンゴ「……うぅぅん」
このページは検索エンジン向けページです。
閲覧&書き込みは下URLよりお願いします。
https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=599243
(ブックマークはこちらのページをお願いします)
  ▲  |  全表示228   | <<    前    | 次100 >> |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!

(消えた画像の復旧依頼は、お問い合わせからお願いします。)
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼