【暑い日ＳＳ】海水浴に来た時の出来事

建て直しました

※不定期更新です

―　とある海水浴場　―

エーフィ（♀）「夏といえば…やっぱり海よね！」

ブラッキー（♂）「いや、俺の場合夏は、山だね」

ブースター（♂）「……はあ」


シャワーズ（♀）「あ〜もう待ちきれない！早くあの綺麗な大海原でた〜っぷり泳ぎたいわ♪」

グレイシア（♀）「あ〜もう暑くて暑くて溶けちゃいそう…」

ニンフィア（♀）「あららどうしたのブースター。具合悪いの？」

サンダース（♂）「いや単にこいつは泳げないから憂鬱になってるだけだ」

サンダース「おっと…危うくあいつに集中力を奪われそうだったな…」

ニンフィア「目隠しする前に棒を口にくわえてね」

エーフィ「準備はオッケーかしら？」

サンダース「お…おふ…」

グレイシア「よーい…スタート！」


ニンフィア「サンダース！左に寄ってるわよ！もっと右に行って！」

シャワーズ「そっちに行ったら海に入っちゃうわよ！皆の声を頼りに歩いて！」

サンダース（あれ？俺からカイスの実まで距離が遠ざかってるのか？）

ブースター「わー！危ないよ！こっちに来ないで！」

エーフィ「そこだとブースターに直撃するわ！右折して〜！」

サンダース（楽勝だと思ってたのに案外難しいぜ…、距離さえ掴まなければ
多分無理だな…）

ブラッキー「もう止めさせた方がいいんじゃないか？ほらっ、もうサンダースが
ブースターの間近に迫ってきてる」

サンダース（もういい！山勘でいくぞ！えいやっ！）ﾌﾞﾝｯ！

シャワーズ「ああ！ブースター危ない！水鉄砲！」

ﾌﾞｼｬｱｱｱｱｱ！

ブースター「ひゃああああああああああ！」

ニンフィア「シャワーズナイス！水鉄砲でブースターを弾き飛ばして
避けさせるなんて…」

グレイシア「間一髪だったわね！後もう少し遅れたらブースターの頭に直撃してたわよ」

ブースター「……でも僕びしょ濡れ…。こんなの棒に当たった方がまだマシだよ…」

ニンフィア「でも助かったんだから結果的には無事で済んだのよ。シャワーズに
お礼言ってね」

ブースター「うん…。シャワーズ、助けてくれてありがとう…」

シャワーズ「いいのいいの！それよりサンダース、もう少し周りをよく見てから
振ってちょうだいよ」

サンダース「いや俺目隠しされてんだからさあ…真っ暗で見えないから
そんな理不尽な事言われても…」

グレイシア「次はニンフィアがやる？それとも私？」

ニンフィア「私はパスするわ。グレイシアがしたらどうかしら？」

グレイシア「いいの？じゃ私がカイス割りする…」

ブースター「ま、待ってー！ぼ…僕が次やるよ！」

グレイシア「え？ブースターが？」

ブースター「なんだか面白そうだから僕もやってみたいと思ったんだ」

ニンフィア「フフフ、やる気満々じゃない♪じゃあブースター、頑張って
あのカイスの実を割ってみて！」

ブースター「うん。やるだけやってみるよ！じゃ目隠ししてくれる？」

ニンフィア「そうこなくっちゃ！」

サンダース「ハハハ！果たしてお前に出来るかな〜？」

ブラッキー「彼は案外すんなり割るかもしれないよ」

シャワーズ「ブースター準備はオッケー？じゃあ始めるわよ！」

ブースター「うん。皆危ないから僕から離れてね…じゃ行くよ！」

エーフィ「右！右！」

サンダース「違うって！左だよ！」

グレイシア「嘘よ〜！真っ直ぐ行かないと！」

ブラッキー「そのまま後ろに回って」

ブースター（え〜？みんなの言ってる事がバラバラで…どっちに行ったらいいか
分からない…どうしよう）

ニンフィア「ブースター！そこから左に曲がって！」

ブースター（仕方ない…ここはニンフィアに頼ってみよう！彼女ならきっと
上手く導いてくれるはず！）

ニンフィア「そうよ！その調子で今度はそのまま真っ直ぐに歩いて〜！」

サンダース「なんだ？あいつ中々筋が良いじゃねぇか」

ブラッキー「頭の中が混乱にならない内に一気に片を付けるつもりかな」

ブースター（うんうん！次の指示を僕に早く教えて！）

ニンフィア「あっ！そこで止まって！カイスの実に躓いちゃうからもう棒を
振っちゃってよ！」

ブースター（ここか！えーい！）ﾌﾞﾝｯ！

バキッ！

ブースター「あ…あれぇ？」

サンダース「おおおお！マジか！？」

グレイシア「凄いわ！カイスの実を真っ二つ綺麗に割れた！ブースターお見事！」


ブースター「え？僕が…割ったの？」

シャワーズ「正真正銘、あんたが割ったのよ！」

ニンフィア「おめでとう！ブースター格好良かったわよ！」

ブースター「えへへへへ。それよりも目隠し布…誰か取ってくれる？」

エーフィ「あっ！今取ってあげるわね！」

ブラッキー「やるじゃないかブースター。今の君は誰よりもとても輝かしく見えるよ」

シャワーズ「ブラッキーそれってまるで愛の告白をしてるみたいね！」

ブラッキー「ぬぬ？そんな変な勘違いしないでくれ…」

サンダース「それよりも割ったカイスの実全員で食べるのか？」

グレイシア「均等に分けるのは難しいから適当なサイズに切ってから食べましょ〜」

………………………………………………………………………


サンダース「このカイスの実、結構甘いな〜」

エーフィ「甘味がぎっしりと凝縮されてるわね〜」

シャワーズ「水分もたっぷり入ってる〜」

ブースター「わわっ！僕…種飲んじゃった…」

サンダース「なんだって？そりゃ大変だ！胃の中で飲んだ種からカイスの芽が出るぞ〜！」

ブースター「えええええ！？どうしよう！」

ニンフィア「ブースター落ち着いて！そんなのもっぱら嘘に決まってるからね」

ブースター「はあ〜…な〜んだ……ウソかあ」

サンダース「ちょっと本気に思っただろ？へへっ！冗談だよ冗談！」


ブラッキー「実に美味…。やはり暑い夏はカイスの実だな」

エーフィ「そうねぇ〜。出来ればもっと食べたかったわ」

サンダース「よ〜し！次は何して遊ぶんだ？」

シャワーズ「皆でフルスイミング…」

グレイシア「ビ…ビーチバレーにしましょう！」

サンダース「お、おう！そうだな！皆やろうぜ！」

ブースター「僕は止めとくよ…」

ニンフィア「私も少しだけ休むわ。少しフラフラしちゃって…暑さにやられちゃったかも」

グレイシア「あらあら…」

サンダース「となると二人抜ける事になるが…チーム戦でやるのか？」

リーフィア「どうも〜！皆さんお待たせしました！」

グレイシア「リーフィア！」

シャワーズ「バイト終わってこっちに来たの？」

リーフィア「はい、そうです」

サンダース「丁度いい。お前もビーチバレーに参加するか？」

リーフィア「はい。是非私も雑ぜて下さい！」

ブラッキー「それなら3対3でチーム組み分け出来るな」

ニンフィア「じゃ私はブースターとビーチパラソルの下で待機してるわ」

ブースター「…みんな頑張ってね〜」

………………………………………………………………………

サンダース「チームの分けはサンダースチームは俺とエーフィとグレイシアだ」

ブラッキー「ブラッキーチームは僕とシャワーズ…後はリーフィアだね」

グレイシア「絶対負けないわよ！サンダース、エーフィ！全力尽くして勝利を掴みましょ！」

シャワーズ「ブラッキー！リーフィア！あたし達も気合い入れていくわよ！ファイトｫ！」

エーフィ「グレイシア、余りムキにならないでね」

リーフィア「シャワーズさんから熱い闘志がひしひしと心に伝わってきます…」

サンダース「カイス割りの時はお互い負けたが…ビーチバレーは俺が勝利してやるぜ！」


ブラッキー「僕も君だけには負けたくはないからね…。本気を出させてもらうよ」

全員「いざ！勝負！」

エーフィ「まず最初に私がサーブするわ。ブラッキー、ちゃんと受け取ってね」

ブラッキー「イチイチ言わなくてもいいよ」

サンダース「遠慮せずに思いっきり飛ばしていいぞ！」

エーフィ「はーい。いくよ〜！それっ！」ﾎﾞﾝｯ！

ブラッキー「僕がサーブをレシーブする！あらよっと！ヘイ！リーフィアパス！」

リーフィア「は…はい！シャワーズさんにパス！」

シャワーズ「ビーチボールに…みずのはどうアタ〜ック！！」

ﾄﾞｼｬｱｱｱｱ！

サンダース「わっ！ちょっと待て！ポケモンの技を使うのはズルいぞ！」

エーフィ「きゃあ！びしょ濡れになっちゃった〜！」

グレイシア「でも技を使い合うのも結構面白そうよね」

ブラッキー「シャワーズよくやった！僕も負けじと活躍を見せないと！」

サンダース「なんのこれしき！俺もやってやる！さあ来い！」

リーフィア「次行きますよ〜。皆さんお手柔らかにお願いしますね。はいっ！」ﾎﾟﾝｯ

エーフィ「サンダース！そっちにボールが来るわ」

サンダース「おう！超強力なドロップショットをくらえ！アイアンテール！」

ﾄﾞｼｭｳｳｳｳｳｳｳ！

シャワーズ「あー！ボールがー！」


リーフィア「しぼんじゃいました…」

サンダース「しまった！つい力が入り過ぎて！すまん！」

ブラッキー「おいおい…こんなへなへなな形になったらビーチバレーが出来ないぞ？」

グレイシア「また新しいのを購入するしか手はなさそうね」

サンダース「ああ…。俺が自腹で海の家行ってボール買ってくるぜ…」

シャワーズ「サンダース！そんなに落ち込まないで！ドンマイドンマイ！」

サンダース「シャワーズ…俺を励ましてくれてサンキュー。ちょっくら待ってくれるか？」

リーフィア「はい。急がず慌てずマイペースで買いに行っていいですよ」


グレイシア「ニンフィアとブースター、今頃何してるのかな？」

………………………………………………………………………

ニンフィア「ブースター、そろそろサンダース達の所へ行きましょうよ」

ブースター「僕ここで待ってるから先に行って」

ニンフィア「でも退屈じゃない？確か海の家でビーチボート借りれるわよね？
それに乗ってみる？」

ブースター「遠慮しとくよ」

ニンフィア「絶対面白いわよ！とにかく私今からボート借りてくるからブースターはそこで待ってて！」

ブースター「う…うん」

―　５分後　―

ニンフィア「ただいま〜！見て！結構大きいでしょ？」

ブースター「これに乗るの？沈んだりしない？」

ニンフィア「空気で膨らましてあるからボートに穴が空いたりしない限り沈まないわ」

ブースター「ホント？じゃあ乗ってみようかな」

ニンフィア「海に浮かべてからね。ブースターも持ってくれる？」

ブースター「うん」

ニンフィア「…ここくらいでいいかしら？ブースター、ボートから手を離して〜」

ニンフィア「…ここくらいでいいかしら？ブースター、ボートから手を離して〜」

ブースター「はーい。おお〜…浮いてる浮いてる！」

ニンフィア「そりゃ浮かないと駄目でしょ〜。早速乗りましょう！」

ブースター「うわあ〜…なんだかグラグラ揺れてボートがひっくり返りそう」

ニンフィア「ゆっくり乗ればいいのよ。私も乗るからじっとしててね」


ブースター「わっ！」

ニンフィア「やあんっ！揺さぶられて危うく落ちちゃいそうだったわね」

ブースター「あれれ…ニンフィア大丈夫？」

ニンフィア「えへへへへ…少しドジっちゃっただけ♪」

ブースター「案外乗り心地いいね」

ニンフィア「フフフ♪優雅な気分を味わえるでしょ？」

ブースター「これなら泳がなくても海に入れるんだ〜」

ニンフィア「ゆったりできて幸せ〜。でしょ？ブースター」

ブースター「そうだね〜。あの〜ニンフィア…僕、眠たくなってきた。少し寝ていい？」


ニンフィア「え？いいわよ」

ブースター「ありがとう。おやすみなさい〜」

ニンフィア「私も…ウトウトと…眠気が…ほんの少しだけ…寝ちゃおうかしら…」

ブースター「ｸﾞｩｰ…ｸﾞｩｰ…」

ニンフィア「…ｽｰｯ…ｽｰｯ」

………………………………………………………………………

支援

―　サンダース達がいる浜辺　―

サンダース「ぜぇぜぇ…まだまだ俺は戦う！」

ブラッキー「僕もまだ少ししかバテていない！」

シャワーズ「あんた達よくそこまで頑張れるわね…」

グレイシア「ねぇ〜、一旦休まない？暑くて体中汗が出ちゃう…」


リーフィア「日焼け止め塗ってきても宜しいでしょうか？」

エーフィ「私喉が渇いちゃったから一旦ブースターとニンフィアの元に戻ってもいい？」

サンダース「なんだ？もう止めるのか？」

ブラッキー「ふう…かれこれ２時間位もやってきてるから…さすがにバテるなあ」

グレイシア「あの二人今頃何してるのかしら？」

サンダース「さあな…」

―ブースターがいた浜辺―

エーフィ「あら？ビーチパラソルの傍にいないわ…」

シャワーズ「変ねぇ…元居た場所に戻るって言ったのに」

サンダース「まさかと思うが先に帰ってたりしてな」

リーフィア「もしかしたら海の家にでも行かれてたのではないでしょうか？」

ブラッキー「リーフィア、すまないがそっちに様子を見行っててくれないか？」


リーフィア「は、はい。今から向かいます」

サンダース「頼んだぜ。それにしてもあいつら最近結構くっ付いてる事が
多いんだけどさ…もしかして恋愛でもしてるんじゃねぇか？」

エーフィ「そこはそっとしてあげましょうよ。相思相愛の恋を邪魔しちゃ悪いでしょ？」

シャワーズ「え？あの二人…付き合ってるの？」

ブラッキー「まだ確信は出来ないが僕も薄々サンダースと同じことを感じているんだ」

―　サンダース達から約１キロ離れた沖　―

ニンフィア「…ふあ〜…よく寝たわね…ってあれ？ここどこ？ブースター起きて！」

ブースター「ムニャ？ニンフィア…おはよう」

ニンフィア「おはよう…じゃなくて！今の状況を確認して！」


ブースター「え？僕達…確かボートに乗ってそれから…寝て…起きたら…辺り一面海？」

ニンフィア「きっと波に流されちゃったのよ！ボートを漕ぐオールなんて持って無いし…」

ブースター「手で漕ぐしか方法はないんじゃない？」

ニンフィア「それだと波に逆らえないから無駄に疲れるだけだと思う…」

ブースター「ええ！？じゃあボートの貸し出し延滞料金を払わないといけないじゃない」

ニンフィア「そういう問題じゃないけど…。このまま私達生きて帰れるか
どうなるのかの瀬戸際に立たされているのよ」

ブースター「そんな…。誰か助けに来てくれないとどうしようもないって事だよ」

ニンフィア「でも皆私達が居ない事に気付いてすぐ救助に向かってくれそうね」

ブースター「やっぱり…行かなきゃよかった。僕、海水浴に来たことを後悔してるよ」


ニンフィア「ブースターあのね…」

ブースター「ん？どうしたの？」

ニンフィア「ごめんなさい…。今こんな危機に陥ってる時に言うべきじゃないわね」

ブースター「…？」

ニンフィア「あっ！気にしないで！もし無事皆の所に帰って来れたらまた後で話すわ」

………………………………………………………………………

―　浜辺　―

サンダース「どうだったリーフィア？あいつらいたのか？」

リーフィア「えーっとですね、どうやら海の家でビーチボートを借りたみたいです」

エーフィ「まさか…沖まで流されたかもしれないって事？」

ブラッキー「浅瀬には居なかったからその可能性は実に濃厚だね」


シャワーズ「どうするのよ？あたしが全力で捜索しようか？」

グレイシア「でも下手したらあなたまで遭難し兼ねないわ。やめておいた方が…」

シャワーズ「大丈夫！水タイプを見くびっちゃいけないよ！」

サンダース「だから止せって…」

シャワーズ「あんた達…友達を見捨てる気？今でもどんどん沖に流されているのよ？」

リーフィア「シャワーズさんの意見も正しいのかもしれません。ここは彼女に
賭けてみてはいかがですか？皆さん」

ブラッキー「う〜む…。まあ救助隊を呼んでも時間が経てば手遅れになるかもしれないな」

グレイシア「私もブースター達の救助はシャワーズにお任せしてもいいわ」

サンダース「お前ら…。仕方ないな、シャワーズ！必ず帰って来いよ！」

シャワーズ「心配無用！あたしに任せて！」


ブラッキー「気をつけてな…」

………………………………………………………………………

―　沖　―

ブースター「なんか段々と日が暮れてきたよ…。水平線に夕陽が浮かんでる…」

ニンフィア「ホントに私達…このまま何も出来ずに倒れちゃうのかしら？」

ブースター「お腹も減ってきた…。でも僕達まだ助かる見込みはあるかも」

ニンフィア「どうやって？」

ブースター「僕が真上を向いてで火炎放射すればもしかしたら偶々船が
通りかかってそれに気付いてくれたら…」

ニンフィア「え〜？それで上手くいくかしら？」

ブースター「ダメ元でやる価値はあるかも！」

ニンフィア「そ…そう？それじゃブースター、一か八かやってみて！」


ブースター「うん！いくよ！ニンフィア少し離れてて！かえんほうしゃ！」

ニンフィア「あつ〜い！離れてもこの暑さじゃブースターの熱さに耐え切れ無さそう…」

ブースター「ごめん！もう少しだけ耐えてくれる？」

ニンフィア「うん…。出来る限り威力は最小限にお願いね…」

シャワーズ「大分遠くまで泳いできたけど…ホントどこまで流されちゃったのかしら？」

シャワーズ「あら？あんな所に薄っすら炎みたいなのが見えるけど…行ってみましょ！」

ブースター「ふう〜…僕もう疲れちゃった…」

ニンフィア「ブースターもういいわ…お疲れ様」

ブースター「はあ…僕がこうやってしてきた事が無駄にならなきゃいいけど…」


ニンフィア「十分頑張ったわよ！これで私達が生還出来る可能性は…僅かだけあるわ」

ブースター「あれれ？向こうから物凄い水しぶきあげてこっちに向かってくるよ！」

ニンフィア「ちょっと嫌な予感が…。まさか私達を襲いに来そうなポケモンかも！」

ブースター「こんな状況で襲われたらもう一貫のお終いだよ！」

ニンフィア「戦闘態勢に入るわ！ブースターは休んでて！」

シャワーズ「あんた達！ちょーっと待った〜！」

ブースター「わああ！」

ニンフィア「きゃ！」

シャワーズ「やっぱり…あの水上に見えた奇妙な炎はブースター、あんただったのね」

ブースター「そ…そうだけど。でもよく君もそれに察せれたんだね」


シャワーズ「いや明らかにああいうの怪しいに決まってるでしょ？」

ニンフィア「シャワーズ…悪いけど私達を浜辺まで送ってくれる？」

シャワーズ「別に構わないけど…あんた達のデートを邪魔しちゃ悪いから…」

ニンフィア「い、今はそれどころじゃないの！早く助けて！」

シャワーズ「了解！じゃぶっ飛ばしていくから振り落とされない様にしっかりしがみ付いてなさいよ」

………………………………………………………………………

―　浜辺　―

サンダース「シャワーズ…中々帰って来んがまさかアイツも遭難したのか？」

エーフィ「そんなはずはないと祈るしかないわね。今私達に出来る事は…」

ブラッキー「僕は必ずシャワーズはブースター達を連れて帰ってくると思うよ」

グレイシア「夕方になってる以上…夜になったらもうダメかもしれないわね…」


サンダース「ん？あれは…お、おい！皆！あれを見て見ろよ！」

ブラッキー「フッ…やっぱりな」

グレイシア「シャワーズ！それにブースターにニンフィアも！」

リーフィア「なんだか…急にホッとしました。…と同時に力も抜けちゃいました」

シャワーズ「ほらっ！もう陸地が目の前！皆あそこで手を振ってるのが見えるでしょ？」

ニンフィア「そ…そうね…。でもスピードが速すぎて周りを見てる余裕が無いわ！」

ブースター「うぬぬ〜！」

シャワーズ「間もなく到着しま〜す！」

ニンフィア「もう速度を落とさないと直撃しちゃうわ！」

シャワーズ「はいはい！心配しなくてもそんな危険な真似はしないから安心して！」


ニンフィア「あっという間に着いた。まさか本当に生還出来るなんて夢にも思ってなかった…」

サンダース「お前ら…何処行ってたんだ！？」

ブースター「えーっとニンフィアとボートに乗って…それから…海で迷子になって…」

ブラッキー「君達が居なくなって全員パニックになってたんだよ」

ニンフィア「ごめんなさい。私がしっかりしてなかったからブースターも巻き込んであんな事に」

ブースター「ニンフィアは悪くないよ。僕が泳げないのがいけないんだ…」

サンダース「全く…俺が滅茶苦茶に緊迫してる身にもなって…」

グレイシア「サンダースったらブースター達が逸れている間ちょっと泣いてたね」

サンダース「ちょ！それを言うな！絶対泣いてなんかないからな！」

エーフィ「サンダースったら相変わらず強情なんだから〜」


リーフィア「何はともあれお二人さんが無事に戻ってきて良かったです♪」

ブラッキー「とりあえずボートを返却してきたらどうだ？延滞料金払わざるを得ないが」

ブースター「あっ！そうだった！」

ニンフィア「すっかり忘れてたわ！」

シャワーズ「あんた達どことなくやっぱり気が合うわね…」

―　夜の浜辺　―

サンダース「もうすっかり夜になっちまったな…」

エーフィ「ええ。予定では夕方にはもう家に帰る頃だったはずなのにね」

ブラッキー「しかし夜の海も中々綺麗なものだな」

リーフィア「あっ！そういえば確か今日はこの浜辺で花火大会の開催日でしたね」


シャワーズ「え？そんな催しがあったの？」

リーフィア「はい。宜しければ皆さんで花火でも見物します？」

サンダース「俺はいいけど…腹が減って…」

リーフィア「ご心配なく。夕食は私がこっそり海の家で軽食を作ってきました♪」

グレイシア「リーフィア…相変わらず気前がいいわね〜」

ブラッキー「おお！それは何か申し分ないな…」

リーフィア「私も誘ってくれたのでそのお礼として大いに奮おうとしただけです」

ブースター「リーフィアの優しき思いやり…僕も見習いたいよ」

ニンフィア「全くねぇ。もっと私達がちゃんとする努力を身に付けないと」

グレイシア「みんな！花火が上がったわ！」


ブラッキー「実に綺麗だ…海で見る花火はこれまた最高の夏の賜物だな」

シャワーズ「た〜まや〜！」

エーフィ「やっぱり夏は…花火よね〜」

ブースター「ねぇ、ニンフィア」

ニンフィア「何？」

ブースター「沖まで流された時、ニンフィアが無事帰って来れたら話したい事が
あるって言ってたよね？」

ニンフィア「え？あ〜、あの時ね。皆が花火に夢中になってる間少し離れて話しましょ」

ブースター「う…うん」

ニンフィア「ここがいいかしら」

ブースター「それで…僕に言いたい事って？」

ニンフィア「直球であなたに伝えたいんだけど。ブースター、あなたの事が…」

ブースター「え？僕の事が…？」


ニンフィア「その…あ…えへへ…ごめん…やっぱり何もない…」

ブースター「…？僕何か君に悪い事でもした？」

ニンフィア「ええい！思い切って言っちゃうわ！ブースター、あなたの事が大好き…」

ブースター「えっ！？えええええええ！！」

ニンフィア「あああっ！そんな大声出しちゃ…」

支援です

サンダース「お！聞いたぞ〜！聞いたぞ〜！」

ニンフィア「あっ…その…今のは…」

グレイシア「フフフ♪隠そうとしてももうバレちゃってるわよ」

ブースター「ニンフィアは…僕の事が好きなんだね。実は僕も君に好きだって言いたかったんだ」

ニンフィア「そ…そうなの？」

ブースター「自分から言う勇気がなくて…でも君が好きだって言ってくれたから僕も…」

シャワーズ「二人とも急にいなくなったと思えば愛の告白してたの？」

ブラッキー「ここは正直僕達空気読んでとっとと退散した方がいいかもな」

エーフィ「そうね。二人だけの世界にしてあげましょ」

サンダース（ブースターいいなあ〜。俺もあんなロマンチックな気分を味わいたいぜ…）

ブラッキー（なんだかブースターに先を越された感が…少し羨ましい）

ニンフィア「え？もういいのよ。皆気を遣わなくていいから…」

ブースター「そ…そうそう！全員でもっと花火を見ようよ！」

シャワーズ「あたし花火見終わったらまた泳ごうかしら♪」

サンダース「シャワーズまだそんな体力あるのかよ」


ブラッキー「ナイトプールならぬナイトオーシャンか…悪くはないな」

リーフィア「私も今度海に遊びに来た時は泳ぎに行きたいですね〜」

サンダース「夏はまだ始まったばかりだし俺もまた行くぜ！」

エーフィ「次はイーブイも誘ってあげないとね」

ニンフィア「ブースター…こんな天然な私だけども…今後ともよろしくね♪」

ブースター「うん。僕もニンフィアと楽しく泳げるように水嫌いを克服してみせるよ！」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―　終わり　―

以上で【暑い日ＳＳ】海水浴に来た時の出来事のＳＳを終了させて頂きます

見て下さった方、支援して下さった方…ありがとうございます！

乙
可愛くてよかった

乙です

ほのぼの可愛かった

乙