エンペルト「シロガネ山の開拓……だと?」


1 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/10 15:18:42 ID:.O5j0X.Q [1/7] m 報告
http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=606531&l=1-
↑「ポケットモンスター ジャック・ジョン」の続編

前作読むの面倒な人のための粗筋

主人公(ジャック)異世界転生
パートナーのエンペルトと旅に出る
しかし俺YOEEEE、至る所で四苦八苦
それでも辛くもチャンピオン撃破


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〜マサラタウン オーキド研究所〜



「うん、買ったんだ。シロガネ山」


エンペルト「……は?」


「買ったっていっても頂上付近一帯だけどね。
さすがに山全部は買えなかったよ」


エンペルト「……待て、落ち着かせろ。
俺様には理解が全く追いつかん」



まさに唖然呆然。

まあ驚くのも当然か……いやまあ俺とて驚かせようと思ってこっそり話を進めてたわけなんだけどさ。



「だーかーらー。
俺、前に"やりたいことがある"って言っただろ?」


エンペルト「そういえば……ジョンを破って殿堂入りを果たした後にそんなことも言っていたな」


「そんで、エンペルトはついてきてくれるって言ったよね?」



はっはっは、誘導尋問に近いものだったとはいえ既にエンペルトから言質は取ってあるんだ。

外堀はきっちり埋めてあるのだ。

5 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/10 15:29:08 ID:.O5j0X.Q [2/7] m 報告


エンペルト「それにしても、な。
随分とけばけばしい色合いだが、本当に美味いのか?」


「数はまだあるし、一個食べてみる?
ピカチュウたちには好評だったよ」


エンペルト「ああ……まあ、それなら」



おそるおそる、って感じで虹マメを受け取って齧りつく。

ポケマメはその見た目に反して3個あればどんなポケモンでも満腹になる超性能な食糧。

どんな反応をしてくれるのか、正直興味津々。



「…………どうよ?」


エンペルト「うむ……美味い。
味といい満腹感といい、これは相当なものだな。

……だが、なぜこれほどのものが広く出回っていないのだ?」


「ああ、それは俺もオーキド博士に聞いた。
アローラ原産のマメを品種改良したものらしいんだけど、結構品種改良の回数重ねたから安全が確保されてるかまだ未知数らしくて」



とは言っても、それはあくまでこの時系列での問題でしかなくて。

そのうち全く問題ないことが実証されるのは俺が一番よく知ってるからさ。

6 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/10 15:31:26 ID:.O5j0X.Q [3/7] m 報告


エンペルト「おい待てふざけるな」


「大丈夫だって。
モーンって人も生きてるし、だいたいもうお前も食べちゃっただろ?」


エンペルト「ふん、毒を喰らわば皿までも……か!

そらっ、モンスターボールだ」



そして自身のモンスターボールを羽毛から取り出し俺に放ってきた。

これが、エンペルトなりの了承の合図ってことだろう。



「おっし、それじゃ早速出発と行こうぜ?
ジョンからリザードン借りる手はずが整ってるんだ」


エンペルト「全く……あいつはトキワシティジムリーダーに就職が決まったというのにお前というやつは……」


「あはは……って言ってもこれもうまくすれば就職だぜ?
ポケマメや木の実の量産に成功すればそれを売りに出して稼げるし、シロガネ山の探索部隊が何かしらの地下資源を発掘してくれればそれでまた一儲け」


エンペルト「……全く安心できんが」


「温泉の源泉や湧き水があることはほぼ確定してるから温泉を観光資源にしたり飲料水の販売でまた一つ稼げる」


エンペルト「…………!」

7 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/10 15:33:54 ID:.O5j0X.Q [4/7] m 報告

「強い野生のポケモン?
トレーナーの俺が言うのもなんだけど、今のお前らのほうが余裕で強いはずだよ。
四天王が楽々倒せる程度らしいし」


エンペルト「その四天王を楽々倒した俺たちならば?」


「寝込みでも襲われない限りはまず大丈夫だと思う。

なんならあの辺のボスを先にぶっ倒してから、ってのも悪くないね」


エンペルト「ふーむ……食糧問題は解決のメドどころか輸出の見込みまであり、地下資源や観光資源を掘り当てられればそれでまた一儲け」


「…………悪くない、だろ?

なんなら鍛錬場も、預かり屋として活用した営業をしたっていい」


エンペルト「シロガネ山に登ってこれるトレーナーがそれを必要とするのか少々疑問だが」


「もちろんターゲットは初心者トレーナーだよ。
あの山にネット回線引いてこれたらなんとか予約の申し込みを受けるとか……ま、最悪オーキド博士を巻き込む。

研究費用が足りない足りないっていっつも騒いでるし、それなりに分け前弾めば乗ってくるはず」


エンペルト「……ふん、協力しよう」


「ああ、頼むぜエンペルト!

だいたいお前もリーグの時のHD振りからまだ振り直ししてないんだから」


エンペルト「ぬかせ。どちらにせよ行く気満々だったんだろう?
ベルトに五つのモンスターボール、背中には旅用のリュック」


「…………はは、バレたか。
別に隠すつもりもなかったけどさ」


エンペルト「それはともかくとして、山登りとなれば俺様の体型では不便だな。
移動中は俺様もボールに入っているとしよう」


「ああ、トキワシティに着いたらそうしてくれるとありがたいな」


エンペルト「よかろう。出発だ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
8 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/10 15:41:32 ID:.O5j0X.Q [5/7] m 報告

〜トキワシティジム〜



緑の色合いを基調としたジムの内部は閑散としていて、まるで時間が止まっているような感じがする。

事実、今このジムの中には誰もいない ―――



ジョン「よお、ジャック!
相変わらず、待たせやがって」



――― こいつと、俺を除いては。

トキワシティジムの新ジムリーダー、ジョン。

一時は二年に渡ってリーグチャンピオンとしての長期政権を担い、その防衛に飽き足らず自らアウェーに乗り込んではイッシュとアローラ以外の地方の王座を事実上統一した"元"怪物王者。

あの二年のうちにイッシュへの渡航制限とアローラリーグの制度さえどうにかなっていればイッシュとアローラの王座統一も時間の問題だっただろう、と今でもまことしやかに囁かれている。



「悪い悪い、エンペルトの説得に時間掛かっててさ」


ジョン「……まあ、俺も驚いたぜ。
あんな山、自分から買おうとする奴なんてどう考えてもお前以外いないぞ?」


「買ったって言っても、麓までは買えなかったんだけど」


ジョン「それでもだ。
……いやむしろ山頂付近を買う方がどうかしてるぜ」



やれやれ、と言いたげな表情を浮かべるジョン。

あの日……チャンピオンの座から陥落して以来、周囲に対するこいつの態度はかなり落ち着いていた。



「あはは、褒めるなって。

そんなことより、あんまり時間がないんじゃなかったの?
次期トキワシティジムリーダー?」

9 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/10 15:47:47 ID:.O5j0X.Q [6/7] m 報告

次期トキワシティジムリーダー。

そのワードが出た瞬間、ジョンの目が壊れたワイパーよろしくつり上がった。



ジョン「はんっ、チャンピオンに比べれば余裕だジムリーダーなんざ。

むしろ退屈であくびが出ちまうね。

だいたいだな……お前がさっさと王座返上しちまったせいで、こちとら……おちおち王座に戻ることもこともできやしねえ。
俺だってできることならまたチャンピオンに舞い戻ってがっぽりファイトマネー稼いでやりたいさ。

けど、そういうわけにはいかないからな。
しょうがなくジムリーダーで我慢しといてやる」



プライドの高さは変わらず、か。

変な意地張るなって ―――



「空席なんだから、行けばいいじゃん。
別に俺に義理立てする必要ないし、お前なら余裕で勝てるだろ?」



――― 俺は何度も言ってるんだけどな。



ジョン「っざけんな、人の気も知らねーでよ。
お前が良くても俺が良くない。
お前に勝ち逃げ許して何がチャンピオンだ」


「……通算じゃ俺の二勝五敗。
あ、それともポケモンタワーの時のはノーゲーム?
なら俺の一勝五敗 ―――」


ジョン「はー……通算の方こそどうでもいいんだよ。
あの日、あの舞台で負けた時点でもう俺はチャンピオンに戻る資格なんかねーの。

お前があのままチャンピオンに留まってくれてれば俺がもっかいお前らしばき倒してチャンピオンに戻るって道もあったっつーのに」

10 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/10 15:54:38 ID:.O5j0X.Q [7/7] m 報告

「――― ごめんな。
防衛戦よりも、さっさとシロガネ山行きたいんだ」



ジョンが本気で怒っているわけじゃないのは俺とてよくわかっていた。

なんにせよ、これはジョンがいずれ自分で折り合いつけなきゃいけない問題だし。



ジョン「あーあー、わかったわかった。
シロガネ山だろうがどこだろうがさっさと行ってこい。

リザードン、連れてってやんな!」



グォォオオオ♪


ジョンが軽く宙に放ったモンスターボールから飛び出したのはジョンが誇る最強の切り札。

リザードンだ。

思えば、ジョンとのバトル以外でこのリザードンと顔をあわせることなんて全く無かったな。



「ははっ、こんな形でリザードンと会うなんてね」


ジョン「全くだ。人のポケモンを便利使いしやがって。
お前もさっさと飛行タイプの一匹二匹育てろ!」


「ご丁寧にご忠告どうも。
そんじゃ、行ってくる!」


ジョン「ああ、何するつもりだか知らねえけどせいぜい頑張るんだな!」



そした俺はリザードンにまたがり、空へと飛び出した。

後ろは振り返らない。

空は晴れ、風も無し。絶好のフライト日和だ。

目指すは、カントーとジョウトの狭間にそびえ立つ…………シロガネ山。

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11 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/11 00:16:09 ID:lANPAV.Y [1/3] m 報告

【シロガネ山開拓記 1日目】


〜シロガネ山 山頂〜



「着いた……」



ここが山頂か。

見渡す限りの、太陽に照らされて光り輝く真っ白な銀世界。

余りになだらかな景色が連続していて、ともすれば距離感がなくなってしまいそう……っと。

ぼやぼやしてる場合じゃなかった。

リザードンをさっさと帰らせないといけないし、何よりみんなのモンスターボールが"さっさと出せ"と主張するようにガタガタ揺れはじめている。



「サンキュ、リザードン。
もう戻っていいぞ。

ああ、わかってるって。
そら、みんな出てこいっ!」



ピッカァ!

ケケケッ♪

リュー……

バーナァッ!!

……バクゥ?



エンペルト「本当に何もない、だだっ広いだけの雪原だ」


「今は、な」



雪原を無邪気に駆け回るピカチュウとゲンガー、それを見守るフシギバナ。

やっぱり氷は嫌なのか地に降りないカイリューとそれを怪訝な目で見るバクフーン。

それぞれがこの新天地に対する感想を言葉以上に雄弁に主張している。
12 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/11 00:22:12 ID:lANPAV.Y [2/3] m 報告

「これから、俺たちの手で生まれ変わらせるんだ」


エンペルト「……まずはこの雪の始末、か」


「あはは、そのためにわざわざ雪が降ってない日を選んで出発したんだよ!

早速だけど頼むぜ、バクフーン、カイリュー!
大文字で雪を溶かして!

エンペルトもハイドロポンプで別のところを」


エンペルト「あいわかった。 そらっ!」



カイリューは雪が消えることに、バクフーンは思い切り暴れられることに嬉々として大文字を次々に放ち、一気に雪を溶かしにかかった。

雪崩が起きようとも麓には何もないし無問題って算段だ。



ピーカ! ピカピカチュー!!



一方、さっきまで雪原に大喜びしていたピカチュウは抗議するように俺の周りを飛び回っている。

もうちょっと遊ばせてやりたかったけど、いつ雪が降り出すかわからないし、何より面倒ごとはさっさと片付けたいんだ。

ってなわけで、悪く思うなよピカチュウ。


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13 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/11 00:59:04 ID:lANPAV.Y [3/3] m 報告

30分後



エンペルト「見事に全部雪が溶け」


「雪解け水はフシギバナのギガドレインで全部吸収して」


エンペルト「うむ。見事な更地のできあがりだ」


「野生のポケモンたちも驚いて逃げ出したし、これにて一石二鳥」



計画通りってところか。

いや、これは嬉しい誤算まである。



「まずは広場から着手しよう。

場所は……そうだな、真ん中がいい」



最優先で進めるべきは食糧の安定した供給……つまりポケマメを植えることだ。

俺たちの、俺たちだけの土地、大げさに言うなら世界。

そのど真ん中に、今俺たちは立った。



エンペルト「ここに植えるか、最初のポケマメを」


「ああ。そうしよう」


エンペルト「いくつだ? 間引きすることも考えると」


「いや、一つ植えるだけでもういいらしいよ。
栄養豊富な土ならそれだけでよく育つってマニュアルに書いてあった」

14 : ーブイ@かいがらのすず 17/10/11 14:43:25 ID:A4kUKlSo m 報告
待ってた
15 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/11 18:50:11 ID:56UGyTEU [1/6] m 報告

エンペルト「随分な自信だな、ポケマメの開発者とやらは」


「……そんでビニールハウスを被せてやる、っと」



意外とビニールは寒さ対策として有効な手段だ。

これの有り無しじゃ全然違う ―――



エンペルト「……ポケマメの生命力はともかくとして……そんなもので本当にいいのか?

いかんせんひ弱に見えるのだが」


「安心しろ、問題ない」



――― 確かに、見た目はちょっと頼りなさげなんだけど。

エンペルトもこれ以上ポケマメ栽培について論じても不毛と察したか、視線を別な方にやった。



エンペルト「では、この資材は?」


「ああ、山小屋の強化材だよ。

ほら、あそこ。昔誰かが使ってた山小屋があってね、それを補強するのに使う。

って言っても山小屋は狭いから実質俺の居住空間兼資材置き場ってところかな。

夜はみんなモンスターボールに入ってもらうことになると思う」


エンペルト「では、今日はもう他にやることもないだろうし俺様も手伝うとするか。えーとまずは……」



と、まあこんな感じで初日としてはかなり仕事が捗った。

ポケマメの目が出るのはいつになるやら……。



1日目、終了。


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16 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/11 19:10:26 ID:56UGyTEU [2/6] m 報告

【シロガネ山開拓記 2日目】



ドンドンドン!!



山小屋の扉が叩かれる音がけたたましく鳴り響く。

ん、誰だ? ……ってエンペルトか。

そういや昨晩、あいつが「あたりを散歩したい」とか言うからモンスターボールから出してたんだっけ……。



エンペルト「おい! 起きろジャック!!」


「ん……どーした、エンペルト?」



それにしても、一体なんだ?

まだ暗いんだし、俺は眠いんだよ……。



エンペルト「いいから早く起きろ!

もう日が高い。

それに……ええい早く来い!」



日が高い?

変だな……エンペルトとて特に朝強いというわけでもないのに。

……ってことはマジでもう昼なのか?

それにしちゃ暗い……日が高いって言ってるんだから悪天候ってわけでもないだろうに。



「んあ……? まだ暗いじゃん ―――」

17 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/11 19:15:02 ID:56UGyTEU [3/6] m 報告

ま、いっか。

このまま扉が蹴破られたらたまったもんじゃないし、諦めて起きよう。

寝床から這い出すように起き上がり、扉を開けて朝の ―――いやもう昼と言って差し支えないだろう――― 空気を吸い込んだ刹那 ―――



エンペルト「俺様もつい先ほど夜の散歩から戻ったところだったのだが……未だに自身の目を疑っているのだ」



――― 信じがたい光景が視界に飛び込んできた。

大木が一本、雄々しくそびえ立っている。

それも広場のど真ん中。

そう、俺たちが昨日ポケマメを植えたと思しきその場所に。



「――― ってうわぁ……」



ビニールハウスはポケマメの圧倒的生命力を前にあっさり突き破られ、一部残骸が巨木に引っかかる形で残されていた。

え……なにこれ。

なにが起きたかは火を見るよりも明らかだ。

でも、理性と常識がそれを頑として拒否している。



エンペルト「一体全体どこをどう品種改良で弄ったらこの短時間で種が木となり実を結ぶというのだ」


「たまげたな……」


エンペルト「全くもって同感だ」



俺たちは、しばしの間呆然としてただポケマメの木を見上げるより他なかった。

だけど、そんな奇妙な時間は唐突に終わりを告げる。

急激に雲が垂れ込め、雪がちらつき始めたからだ。
18 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/11 19:19:40 ID:56UGyTEU [4/6] m 報告

「あ、雪」


エンペルト「まずくはないか?

ビニールはもう到底あのポケマメの木を覆い隠せない……どころかズタズタになっているぞ?」



そうだった。

確かにポケマメの生命力は目を瞠るものがあったけど、それは一歩間違えば変な方向に育っちゃうのと同義であって。

今、下手にダメージを負うとどうなるかわからない。

どうする、ビニールはもうだめだ。

くそっ、この天気さえどうにかなってくれれば……。



「やべ、えーと……つまり……あ!」



天気さえ……ん、天気?

その手があったか!



エンペルト「?」


「ジョンに連絡連絡……っと」



シロガネ山の頂上からでも余裕で快適な通信ができるんだから、科学の力って、すげー!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

19 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/11 19:41:43 ID:56UGyTEU [5/6] m 報告

「おー、オッケー?
ありがとう、そんじゃ頼む。

またなんかあったら連絡するから」



ピッ。



ありがたいことに、ジョンは俺の申し出を二つ返事で快諾してくれた。

いやー、持つべきものは気前のいい知り合いだね。



「これでなんとかなればいいんだけど。
多分すぐに来てくれるだろうし」


エンペルト「ジョンに何を頼んだのだ?」


「リザードナイトY持ったリザードンとキーストーン」


エンペルト「なるほど、特性日照りを利用して晴れさせるわけか」


「そ、正解。

わかってると思うけど、水遣りはエンペルトの仕事だからよろしくたのむよ」


エンペルト「ああ、そうだな。

……おお、早くも来たようだ」



と、そうこうしているうちにリザードンと思しき影がトキワシティ方向から向かってきていた。



「おーい、こっちだこっち!

よっし、頼むぜリザードン!」



そしてその影はみるみるうちに大きくなり、俺たちの目の前に着地した。

ジョンのリザードン。

またこいつに助けられることになっちまったなあ。

敵に回してたうちは脅威でしかなかった存在が味方についたとなるとこうも心強いものとは。

20 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/11 20:07:41 ID:56UGyTEU [6/6] m 報告
エンペルト「…………ちょっと待て」


「んー、なにー?」



と、そんなことを考えながら俺はエンペルトへの応対もそこそこにリザードンからキーストーンを受け取り、その感触を確かめるように握りこむ。

ジョンのキーストーンが持つ不思議な暖かさ。

これは石というより……なにか、生き物を握ってるような錯覚に陥りそうだ。

でも、不快感は一切ない。



エンペルト「メガシンカが可能なのはバトルの間のみ、では」



それどころかなんか、力が流れ込んでくるみたいだ。

全身の気が昂ぶってくる、今すぐこのエネルギーを発散しないと暴走しておかしくなりそうだ……!



「うん、ってことでよろしく! 行くぞリザードン!

メガシンカ!!」



キュィィイイイ……!!!



これがメガシンカか。

他人のポケモンでこの感触なら、自分のポケモンたちとメガシンカしたら一体どんな感覚なんだろうっ……?!



エンペルト「待て、まだ俺様の準備が!
突撃チョッキはどこだ?!」



なんかエンペルトが言ってるけど、もう俺の耳に入らない。

よし、行けっ……!!



「オーバー、ヒートッッ!!」


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21 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/13 20:32:29 ID:DvhbeQwQ m 報告

「ごめんごめん、ついテンション上がっちゃって」



リザードンが自重したおかげかオーバーヒートはギリギリでエンペルトの脇を掠めて空の彼方へと消えていた。

それでも挑発的な笑みを浮かべているあたりポケモンはトレーナーに似る、っていうのは割と的を射ているのかもしれない。



エンペルト「はあ、幸いオーバーヒートが外れたから今は不問としてやる。
それにしても、メガシンカには絆の力が必要なはずだが……いつそんな絆があった?」


「さあ……何度もバトルしてりゃなんかしら生まれる、ってことでいいんじゃない? とにかく ―――」



正直、わかんないから適当。

リザードンに直接聞ければ……そうだ、ある程度落ち着いたらエンペルトに頼んでみんな喋れるようにしてもらおうか。

スムーズとはいかなくともある程度の意思疎通ができるのは何かにつけて便利だろうし ―――



「――― これでまた一つ労働力確保だ!」


エンペルト「他人のポケモンをも労働使役する気かお前は?!」


「大丈夫大丈夫、言うこと聞いてくれそうだし」


エンペルト「……そういう問題ではなく」


「リザードン、目覚めるパワー!

エンペルト、オボンの実がかなりあるから適当に食べろ!」


エンペルト「っ……彼奴の目覚めるパワーのタイプは氷。
まあそれなら問題ない……のか?」



――― 今はエンペルトとしかこういうことできないのはちょっと寂しいし。

いや、客観的に見ればエンペルトとできてるだけ俺はありえないくらい恵まれてるわけなんだけどさ。

我ながら欲張りだよなぁ……。


2日目、終了。

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22 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/14 00:38:48 ID:h0v.cB/o [1/7] m 報告

【シロガネ山開拓記 3日目】



ポケマメの木の成長はとどまるところを知らないらしい。

幹はより一層太く、背は一段と高く。



エンペルト「随分と育ったものだ。

しかも、地上に落ちたポケマメが更に芽吹いている」



普通なら雑草とかに気をつけなきゃいけないんだろうけど、なんたってここはシロガネ山。

迂闊にここに近づけるポケモンなんてそうはいないから雑草の種なんかを運んでくる鳥ポケモンもいない。

結果としてここら一帯の土地の栄養分はポケマメの木の独占状態だ。



「いやー、こりゃもう食糧問題は解決したも同然だな」



そう言いながら軽くポケマメの木を揺するとボトボトとポケマメが落下してくる。

色とりどりのハート型。

ただ、まだ柄付きや虹色のポケマメは一つも見つかっていない ―――



エンペルト「ああ。昨日一日中めざ氷を喰らい続けた俺様の活躍も徒労ではなかったということか」


「しかし、今日も生憎の曇り空」


エンペルト「…………!?」


「早く育つには日光が不可欠だよねぇ……」



――― つまり、まだまだ成長の余地があるってことなんだ。

23 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/14 00:39:38 ID:h0v.cB/o [2/7] m 報告

エンペルト「確かに言っていることはわかるが……だがなジャック……」


「うんうん、ちょっといい方向に来たからって油断しちゃいけないよな!」


エンペルト「……俺様は今、無性に嫌な予感が」


「よし行くぞリザードン! メガシンカ!!」


エンペルト「まだいたのかこいつは?!」


「しばらく借りるって言ってあるから問題ない!

それにジム戦でこいつ使ったらあいつは一発でクビだ!
よって問題なし!

リザードン、目覚めるパワー!」


エンペルト「おっととと、チョッキチョッキ……」


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24 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/14 00:55:38 ID:h0v.cB/o [3/7] m 報告

数時間後



さっきポケマメの木を揺すって気づいたこと。

ポケマメの木の幹って芯はしっかりしてるけど表面は意外と柔らかくて、だからこうやってポケマメの木に寄りかかる感じで座ると気持ちいい。

氷1/4とはいえさすがのエンペルトも二日あのリザードンのめざ氷を受け続ければ参ったみたいで、俺と同じようにポケマメの木に寄りかかって座っていた。



エンペルト「…………なあ、ジャック ―――」


「…………うん、エンペルト」



エンペルトは幹を挟んで俺と背中合わせになっているから顔色はわからないけど ―――



エンペルト「――― 初めからこうしておけばよかったのではないか?」



――― 表情が見えないだけに、声色がその感情を雄弁に訴えてくる。



「あー……まあ、正直思いつかなかったし」


エンペルト「…………本当か?」


「お、おう……」



半分本当で半分嘘。

いや、ぶっちゃけほぼ嘘。

気づいてた。気づいててわざとやった。



エンペルト「…………」


「…………えっと」

25 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/14 01:02:46 ID:h0v.cB/o [4/7] m 報告

ただ、ちょっと悪ふざけというか、さ……っていや、なんか怖い。

背中越しの圧力がやばい。

言い訳が口から出てこない。



エンペルト「……………………」



…………まあ、今回俺が強引に連れ出した割にエンペルトへの配慮が足りなかったのは俺側の非だ。



「……………………すいませんでした」



にしてもこんなところで本気のオーラなんか出すなっつーの。



エンペルト「まあ、バクフーンに任せることを思いつかなかった俺様も俺様か」


「特性貰い火だし炎タイプだからソーラービームもめざ氷も半減だしねー」


エンペルト「なんならソーラービームはカイリューにでも受けさせればいい」



横目に広場を見ると今はリザードンとバクフーンが対峙していて、バクフーンの後ろにはカイリューがオボンの実を手にして控えていた。



「晴れてるから心なしかフシギバナもイキイキしてるし」



俺のフシギバナの特性は葉緑素だからやっぱり晴れてると機嫌がよさそうだ。

気持ちよさそうに辺りを駆け回っている。

26 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/14 01:05:06 ID:h0v.cB/o [5/7] m 報告

ピカァ………zzz


ゲ……ゲ……zzz



気づけばいつの間にやらピカチュウとゲンガーも木陰でぐっすりと眠っていた。

ぼんやりしているとそよ風がふわりと辺り一面を吹き抜ける。



「あー……いいなあ、これ」



あまりに平和すぎる、午後の休息だ。



エンペルト「うむ。ここがあのシロガネ山だと言われて信じる者はまずいないだろう」



エンペルトの声色もどこか眠たげになっていた。

さっきまで殺気立ったオーラを出していたとはとても思えない。



「とりあえず……今日はポケマメ育てるのに専念ってことで、ふわぁ……もういいよな……?」



そんで、俺も………。



エンペルト「ああ、異論なし……」


「「……………………zzz」」



3日目、終了。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

27 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/14 16:23:57 ID:h0v.cB/o [6/7] m 報告

【シロガネ山開拓記 4日目】



木の成長が、ようやく止まった。

そしてその分の栄養が全部豆の方に行ったか、昨日に増して多くのポケマメが実っている。



「……完璧っ!」



ようやくっていってもまだ四日目なんだけどなあ。

それに何より ―――



エンペルト「もはやジャングルだぞこれでは」



――― ちょっと、いや大分育ちすぎって感じがしないでもない。



「うーん、これじゃ却って日差しが入らないしリザードンには引き続き頑張ってもらうかあ」


エンペルト「となると、リザードン、バクフーン、カイリューはそっちの分担に回すとして」


「そうしよう。

で、残ったピカチュウ、フシギバナ、エンペルト、ゲンガー、俺で木の実畑だ」



いい意味で見込みが外れたというか。

本当ならカイリューたちも畑の方に動員したかったんだけどな……。



エンペルト「……この面々でどうしろと。

まず土地を耕すところからだろう?
いくらなんでも効率が悪すぎる」


「あー……まあ、効率悪いのはわかってる。
ってかそうだよ、水源も早めに突き止めないとだし」

28 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/14 16:28:00 ID:h0v.cB/o [7/7] m 報告

エンペルト「多少なら俺様が」



確かに、水タイプのポケモンはほぼ例外なく空気中の水分を凝縮して水を作り出す能力を持っているし、エンペルトとて例外じゃない。

それでも ―――



「多少で済むならいいんだけど。

ポケマメの木、畑、全員分の飲料水の確保……ちょっと辛くない?」



――― 水はいくらあっても足りやしないからなぁ。



エンペルト「………………」


「ってことで水源探しに行かないとなんだよね。

どっちみち温泉とかおいしい水商売する予定なんだし。

機動力あるピカチュウとゲンガー連れて行くからエンペルトとフシギバナで畑は耕しておいてほしい。

どっちみちピカチュウとゲンガーは畑仕事に向かないだろうし」


エンペルト「ふむ……要はケンタロスを用いた農業形態の応用と」


「そ。んじゃ、頼んだよ!」


エンペルト「任せろ」



というわけでエンペルトとフシギバナに畑を任せて俺たちはシロガネ山の探索に出かけることになった。

背後からエンペルトとフシギバナが激しく口論する声が聞こえてきたけど、まあなんとかしてくれるだろ。

……いや、そうでないと困る。



4日目、終了。

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29 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/14 22:49:56 ID:noziZYCo [1/5] m 報告

【シロガネ山開拓記 7日目】


地下水脈を求め続けてはや四日。

ってかだいたい、シロガネ山内部が複雑すぎる上に度々野生のポケモンとのバトルのせいで探索か中断させられたせいでこんなに時間がかかっちゃったんだよ ―――



エンペルト「見つかったのか?」


「ああ。洞窟中探し回ってなんとか」



――― ま、何はともあれ見つかったからよしだ。

……いや、まだ問題は半分しか解決してない。



エンペルト「後は……どうやってここまで水を引いてくるかだな」



ま、それを考えるのはまた後にするとして、エンペルトたちの方の進捗を聞いとかないとな。



「そんで、畑は?」


エンペルト「ああ、完璧だ」



誇らしげに胸を張るエンペルト。

しかし、次の瞬間。



エンペルト「……ただ、木の実に釣られた飛行タイプや虫タイプが寄ってきている」



信じがたい言葉が飛び出した。

頭がフリーズして言葉に詰まる。

30 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/14 22:52:45 ID:noziZYCo [2/5] m 報告

「…………マジで?

アローラみたいな南国ならともかく、ここ極寒のシロガネ山だよ?」


エンペルト「うむ。だが事実だ」


「なんで飛行タイプとか虫タイプが来てるんだよ」


エンペルト「ええい、俺様に聞くな。

事実来たのだから仕方無かろう」



うーん、困ったな。

基本的に小さくてすばしっこい虫タイプや飛行タイプを追い回すのにエンペルトやフシギバナみたいな重火力型のポケモンは不向きだ。

かといって身軽なピカチュウやゲンガーは洞窟探索に連れて行かなきゃ大変なことになるし……ん? 水脈の場所がもうわかってるからピカチュウは置いていっても大丈夫か。


「…………えーと。

飛行タイプ対策にピカチュウは置いていくとして代わりにエンペルト、水源の方手伝ってもらえる?」


エンペルト「ああ、構わない。
木の実畑のほうはもうヒメリとオボンの栽培がある程度軌道に乗ったからな。

今更俺様が離れたところでもう問題はない」



さすがエンペルト。

向こうしばらく俺たちがここで暮らしていくにあたって一番大事な木の実二つを抜け目なくチョイスしてくれていた。



「よーし。そんじゃ行くぞエンペルト、ゲンガー!」



心強い仲間に恵まれてることを改めて実感する。

恥ずかしいから、ちょっと言葉にはし辛いけど。


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31 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/14 23:11:25 ID:noziZYCo [3/5] m 報告

エンペルト「ここか」


「うん。位置的には俺たちの広場の入り口直下辺りになるみたい。

昨日ゲンガーに見てもらったんだ」



目の前には鏡のようにさざなみ一つ立たない平かな泉。

手を差し入れるとひんやりしていて気持ちいい。

素人目にもはっきりわかるくらいのいい水だ。



エンペルト「穴でも掘れば簡単に片付きそうなものだが。

うーむ、それにしてもいい水質だ」


「誰も覚えてないんだよ、残念ながら」


エンペルト「ジョンは……」


「穴を掘るなんて覚えさせるくらいなら地震覚えさせるだろ」


エンペルト「……聞くだけ野暮だったな」


「あー……水はあるのになあ……」



じれったい。

水が、それも上質な水がすぐここにあるのに。

悲しいかな汲みあげる手段がないんだ。



エンペルト「…………ならば、そろそろ新規メンバーでも募るか?

それなりの数を集めればその中に穴を掘るを覚えている奴もいるだろう」

32 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/14 23:13:38 ID:noziZYCo [4/5] m 報告

「……それしかないかな?」



となれば常識的に行き着く答えはそれになる。

でも、できればあんまり仲間は増やしたくなかった。

別にこれは好き嫌いとかそういう話じゃなくて。



エンペルト「ああ……俺様にはもうこれくらいしか案がない」


「腹くくるか。

あんまり大所帯は好みじゃないっていうか、管理しきれるか不安なんだけどなあ……」


エンペルト「ほほう、初耳だな」


「いや、察しろよ。

結局お前たちしか仲間にしてないんだからさ……」



でもそれしか手がないなら、覚悟を決めるしかない。



エンペルト「とりあえず、戻るぞ?」


「……ああ」



ま、なんにせよここにいたところで埒があかない。

俺たちはひとまず広場に戻ることにした。


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33 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/14 23:23:37 ID:noziZYCo [5/5] m 報告

「水源探しにかまけてしばらく広場に来ないうちにこんなことに」



水源探しに奔走していた間は早朝に出て夜中に帰ってくる生活だったから昼間のここがよもやこんなことになっていたとは思いもよらなかった。



エンペルト「ああ。各々好き勝手にポケマメを漁っている始末だ。

はじめの方こそ追い払っていたが……いかんせん数が多いのとポケマメの収穫量が尋常ならざるものだったのでな」


「あれだけありゃ俺たちだけじゃまず消費しきらないわけだし、いいのか」


エンペルト「ここはひとつ、そういうことにしておいてくれ」


「……で。こいつら大人しく捕まってくれるの?」



つまり問題はそこだ。

バトルになればまずエンペルトが負けることはないだろうけど、できれば平和的に解決したいし。



エンペルト「知らん。

だがモンスターボールに入れば生活の安定並びに安全が保障されることさえわからせればさしたる面倒にはなるまい」



まあ、それが正論か。



「ってことで通訳よろしく頼むよエンペルト」


エンペルト「あいわかった」



というわけで、それ以降は新入りのスカウトで一日が終了した。



7日目、終了。


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34 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/15 00:01:07 ID:1Me8GfkA [1/3] m 報告

【シロガネ山開拓記 14日目】



「いやーここまで順調に事が進みすぎて……俺ちょっとビビってるよ?」



あれから「穴を掘る」を覚えてるポケモンはすぐに見つかった。

当然、すぐに掘り進めて件の泉に到達。

水道を引くことに成功した。

ただ、話はそれだけでは終わらなくて。



エンペルト「芋づる式に仲間が増えているからな。

しかしどこからどう情報が流れているのやら」



こっちからスカウトするどころか向こうから仲間入りを志願するケースが後を絶たなくなり始めた。

中には鳥ポケモンに乗ってはるばるやってくるポケモン ―――それも寒さに弱い氷弱点のタイプの――― までいるから驚くばかりだ。

そこまでしてやってくるんだから無下に追い返すのも良心が痛む。

そんなわけでホイホイと受け入れてくうちにある意味タガが外れた。



「水道引けたし畑もバッチリ、戦力増強ぬかりなし」


エンペルト「なんだかんだシロガネ山のボスまで手なずけてしまったのだから安全面に関してももう心配はあるまいな」


「胃袋から掴めって格言考えた人は天才だと思う」


エンペルト「…………違いない」



シロガネ山のボス、バンギラス。

現れた時は「倒すか」って思ってたけどとりあえずの様子見で虹マメ2個投げたら一発でした。

ある意味ワンパンKO。

ここ一週間でたくさん仲間は増えたけど、現時点での戦力的にはあのバンギラスがぶっちぎりのナンバーワンだ。

35 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/15 00:37:52 ID:1Me8GfkA [2/3] m 報告


「っていうかポケモンどれくらい集まった?」


エンペルト「ああ、俺様の記憶が間違っていなければ……」


ヒトカゲ ゼニガメ ビードル ポッポ ピチュー ピィ
ニドラン♀ ニドラン♂ ロコン ガーディ イシツブテ
ワンリキー ケーシィ ヤドン シェルダー ゴース
ベトベター カラカラ バルキー ガルーラ ゴンベ
ラッキー コイキング ラプラス マネネ プテラ
ミニリュウ メリープ ズバット ルリリ イーブイ
ストライク ヘラクロス ソーナノ ヒメグマ
エアームド デルビル ニョロモ タッツー ポリゴン
バンギラス キモリ ミズゴロウ キャモメ スバメ
ラルトス ハスボー キノココ ツチニン マクノシタ
クチート ココドラ ラクライ キバニア チルット
ヒンバス ユキワラシ アブソル タツベイ ダンバル
ナエトル ヒコザル ムックル ズガイドス ムウマ
ヤミカラス リオル フカマル ヒポポタス ミカルゲ
スコルピ ユキカブリ ニューラ コイル サイホーン
エレキッド ブビィ トゲピー ヤンヤンマ グライガー
ロトム フシデ ダンゴロ モグリュー ダゲキ モンメン
メグロコ ダルマッカ ゾロア チラーミィ ユニラン
プルリル バチュル テッシード ヒトモシ キバゴ
バニプッチ フリージオ クマシュン チョボマキ
ゴビット コジョフー コマタナ ワシボン バルチャイ
モノズ メラルバ ケロマツ コフキムシ シシコ
ヒトツキ ヤンチャム マーイーカ ウデッポウ
クズモー エレキテル ルチャブル メレシー ヌメラ
オンバット


エンペルト「ざっとこのくらいだったはずだ」


「…………多すぎ」


エンペルト「だがもう最低限の飲食には全く事欠かないからな。

どれだけ増えようともう安泰だ」


「あんま調子に乗ると地下水の枯渇と地盤沈下が怖いからほどほどにね?」

36 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/15 00:39:42 ID:1Me8GfkA [3/3] m 報告

エンペルト「…………善処しよう」


「おい」


エンペルト「なんだ、最悪パソコン送りにすればいいだろう」


「オッケー、わかった。

んじゃその時になったらまずエンペルトから」


エンペルト「…………は?」



空気が一変する。

あれ、なんかこれデジャブ……。



「…………」


エンペルト「…………」


「…………いや、冗談だっての」


エンペルト「…………」


「…………ごめんなさい調子こきました」


エンペルト「…………ふん」



これ、今回俺悪くないよなぁ……?

なんか釈然としない。



14日目、終了。


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37 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/19 17:42:03 ID:mDw3UMHs [1/5] m 報告
【シロガネ山開拓記 30日目】



「あぁ〜〜癒される〜〜」


エンペルト「…………うむ、最高の気分だ」


「やっぱ温泉作って正解だった。

んで……温泉と鍛錬場もできたし、特防下げる木の実も30個近いストックができた」


エンペルト「…………!」


「行けるよな?」


エンペルト「…………ふん。

よもやお前が忘れていたのではないかと些か訝しんでいたところだ」


「それ、そっくりそのまま返していい?」


エンペルト「……ともかく。
畢竟、俺様はHDからHCに鍛え直せばいいのだな?」


「うん、それでいい……ってか調整先ないからそれしかない」


エンペルト「…………だが」


「ん?」



するとエンペルトはふうっ、と一つ大きく息をして ―――



エンペルト「…………俺様が鍛え直したところで、だ。

お前は、以後バトルをする気はあるのか?」



――― 意を決したように一息で言い放った。

38 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/19 17:44:13 ID:mDw3UMHs [2/5] m 報告


「ああ……そのことか」



俺が転生してくる前は"ジャック"の家で過ごす日々、俺が転生してきて以後は"ジャック"の手持ちとしてひたすらバトルに明け暮れて。



「…………三年、待っててよ」



何気なさを装おうとしてはいたけど、いつも"ジャック"に振り回されてきたエンペルトにとってこれはある種の死活問題なんだ。



エンペルト「ふん……また胡散臭いことを」


「三年経てば、強いトレーナーが来るはずなんだ。
それこそ、ジョンと同じくらい……いやもしかしたらジョンを上回るかもしれない」


エンペルト「俄かには信じ難い話だ。

…………だが」


「だからそれに備えていてほしい。
この一年でリゾートは完成して上手くすれば商談にも持ち込めるだろうから次の一年で一気に稼ぐ」


「最後の一年は、それを元手に鍛え直すって感じかな。
まあ鍛え直さなきゃいけないのは主に俺の読みとかその辺だろ。

あ、それにロケット団の残党だって三年経てばまた勢力盛り返してくるだろうし」


エンペルト「お前が言うのだからな……。
わかった、その言葉を信じるとしよう。

全く、一度その頭をかち割ってその中身を見てみたいと思うほどだ」


「やめろよ? 間違っても割るなよ?」


エンペルト「ふっ……それはどうしたものかな。

とにかく、そうと決まればすぐにでも、だ。
俺様は先に鍛錬場に向かうとしよう」

39 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/19 17:45:06 ID:mDw3UMHs [3/5] m 報告

と言ってエンペルトはどこか安心したような表情で風呂から上がって行った。

トレーナーがポケモンに似たのかはたまたその逆か。

あいつも大概戦闘脳なんだよな。

まあ、とにかく ―――



「"レッド"は"ゴールド"に負けたけど……"ジャック"は一筋縄じゃいかないぜ……」



――― 負けるのは真っ平だ。

ぜひとも御免被りたいね。


そんな俺のつぶやきは、プールを激しく泳ぎまわるピカチュウの騒音にかき消されて誰の耳にも届くことはなかった。



30日目、終了。


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40 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/19 19:50:44 ID:mDw3UMHs [4/5] m 報告

【シロガネ山開拓記 60日目】



「よいしょ……っと」



ドスン。



背負っていた巨大なカゴを地面に下ろすと結構な音がした。

中身は全部ポケマメだ。



「そろそろあいつらが戻ってくる頃だと思うんだけど……」



今日は他ゲンガー、ピカチュウ、バクフーン、カイリュー、バンギラスを筆頭に組まれたシロガネ山探索部隊(仮称)の初出動の日。

レベルの高いあいつらの心配はあんまりしてないけど、比較的レベルの低い進化前ポケモンが無事にみんな帰ってきてくれるか、その辺が気がかりだったりする。

元シロガネ山のボス、バンギラスもついている以上そんな心配する必要もないのかもしれないけど……。



エンペルト「そら、いくらか応急処置用の木の実は持ってきたぞ。

やれやれ、案外貴様はせっかちだからな……」


「お、サンキュー」



探索には向かない ―――主に性格または体型の問題で――― エンペルトとフシギバナは留守番で畑仕事。



「水は……水道でいっか」



このシロガネ山にどんな資源がどれくらいあるのかはわからないけど、それを調査した記録が全くない以上下手すりゃここは宝の山、なんてことは大いにありうる。

ま、ぶっちゃけ半分以上願望だけどさ。

41 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/19 19:52:54 ID:mDw3UMHs [5/5] m 報告

ケケケッ!



「おわっ?!」



その瞬間、真後ろから嗄れた高笑いが響く。

不意を突かれたのとその声のおどろおどろしさに思わず飛びのいてしまった。

でも、振り返るとそこにいたのは ―――



ケケッ♪



「ゲンガー! びっくりさせんなっての」



――― ドッキリ大成功、と言わんばかりのしたり顔であっかんべーをしているゲンガーの姿だった。

! ってことは ―――



ぴっかぁ!


バックゥ〜



――― みんなが帰ってきたんだ!


ゾロゾロと帰ってくる探索部隊。

部隊のメンバーは多少なりとも興奮状態で、一気にリゾートが騒がしくなった。


エンペルト「……とりあえずは全員帰ってきたようだな。
怪我したやつはいないか!?
いたらすぐに此方にこい!

……む、お前は足? そんでこっちは……腕か……」


「ポケマメと水用意してあるからみんなで好きに摘んでて!
なにか見つけたものがあったら俺のとこに持ってきて!」


それでもエンペルトや俺の指示は通ってくれたようで、エンペルトの前には怪我をしたポケモンが ―――見たところ軽傷――― 列をなし、俺の前には色んなガラクタやアイテムが山と積まれていった。

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42 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/26 17:59:27 ID:wzYb34Gg [1/3] m 報告

【シロガネ山開拓記 100日目】



「♪〜♪♪〜」



鼻歌交じりにシロガネ山頂上に着陸し ―――



「サンキュー、リザードン。

ここらでゆっくり休んでから戻んな」



――― 俺の帰りを待っていたであろう相棒に手を振る。



「ただいま、エンペルト」


エンペルト「む、それでどうだった……」


「……へへっ」




エンペルトとしても"結果"は気になっていたんだろう。

でも ―――



エンペルト「いや、その様子からして聞くまでもないな?」


「ああ、やったぜ。

特にリーグ本部のお墨付きゲットしたのがデカイ」

43 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/26 18:01:11 ID:wzYb34Gg [2/3] m 報告

――― すぐに察しがついたらしい。

今日、俺は朝からカントー、ジョウト中を駆け巡って俺たちの"商品"のビジネスを持ちかけていた。

西はタンバ、東はシオンまで。

その結果、ほとんどの所で俺たちの商品を取り扱ってくれることが決まった ―――



エンペルト「はあ……よくもあの頭の固いリーグ協会が頷いたな」



感心しているのか、呆れたように肩をすくめるエンペルト。



「先にジョンを取っ掛かりにジムリーダーたちに話通したから」



――― とは言っても、結局はラッキーだった。

以前の俺たちのチャンピオン戦を見て何か思うところがあったのか、最近四天王が相次いで辞任してるらしい。

それを受けてリーグ本部としてはいち早く次の四天王を ―――勿論前任に匹敵するだけの人材を――― 探す、または育てる必要があったから育成面で役立つことの多い木の実を安価に売り出す俺の方針とうまく噛み合ったんだ。



「さーて、ってなわけでじゃんじゃん輸出するぞ?

多少ストックがあるとはいえ、うかうかしてたらストックはすぐに底つくぞ」


エンペルト「元気の欠片、おいしい水、木の実諸々、貴重な骨、星の欠片、進化の石」


「うん、その辺が主力」

44 : RIVER◆zFLCCAWaiw 17/10/26 18:03:27 ID:wzYb34Gg [3/3] m 報告

エンペルト「貴重な骨や星の欠片は一体どこに売り込んだのだ?

どうにも俺様にはあれらがただのガラクタにしか見えんのだが」


「ん? ニビ博物館」


エンペルト「……はあ」


「だから大した収入にはならないよ。

ま、ないよりはマシだし……何より俺たちが持っててもしょうがない」


エンペルト「……にわかに忙しくなってきたようだな?」


「ああ、努力値下げ木の実の需要は元々高そうだったけど、今日の手応え的には予想外にこれデカイぞ!

今まではわざわざシンオウやホウエンから輸入してたから無駄に金かかってたらしいし」


エンペルト「ああ……そういう事情もあったのか」


「ただでさえ輸送費かかるし足元見られるし……って感じだったんだってさ。
ジョンが言ってた」


エンペルト「お前が留守にしている間に元気の欠片、貴重な骨、星の欠片はそれぞれ箱に詰めて倉庫に入れた。

木の実は必要に応じてすぐに運び出せるよう待機させている」


「さっすが」


エンペルト「…………ふん」


「よーし、それじゃまずは……」



こうして、俺の夢がまた一つ実現していく。


100日目、終了。