【SS】漆黒の死揮者ネクロズマ


1 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/11 18:55:14 ID:zvtL5fU2 報告
ここはシロガネ山。ジョウト地方に聳え立つ巨大な山で、中は暗い洞窟、山頂付近には雪が降り積もっている。

そんなシロガネ山の山頂付近に、1匹の黒いポケモンが佇んでいた。


ネクロズマ「……」

アッシュ「へぇ、こんなトコに居たのか」

ネクロズマ「!?」


ネクロズマが振り返ると、そこにはラティアスを連れた銀髪の少年と、スキンヘッドに上半身裸の男が立っていた。


ネクロズマ「……!!」

ブロック「ふんっ!!」


ネクロズマは得意の“プリズムレーザー”で攻撃するが、スキンヘッドの男・ブロックに片手で弾かれてしまう。


アッシュ「ラティアス“ミストボール”」

ラティアス「ファラァ!!」

ネクロズマ「ネッザァ……!!」


“プリズムレーザー”の反動で避けることが出来ず、ネクロズマは“ミストボール”を喰らう。


ネクロズマ「ズムァシュ……!!」

アッシュ「くっ……!!」


ネクロズマは地面に“プリズムレーザー”を撃ち、ジェット噴射でシロガネ山から姿を消した。


ブロック「逃したか……」

アッシュ「ブロック、彼奴らを集めろ。逃走場所を特定して、今度こそ確実に捕まえるぞ」
69 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/17 20:51:07 ID:uEaYsSDE [1/4] 報告
ムサシ「もう無理……」

コジロウ「お、おいムサシ……!!」

ブロック「おいおい、もう終わりか?」


ブロックから逃げ回っていたロケット団だが、遂に体力が限界を迎えてしまう。


ニャース「こうなったら、必殺“みだれひっかき”ニャ!!」

ブロック「ん? 何かしたか?」


ブロックにはかすり傷1つ無く、逆にニャースの爪はボロボロに砕け散る。


ブロック「そろそろ捕まえないと、アッシュが怒るからな。観念してくれ」

コジロウ「ヒドイデ、彼奴に噛みつくんだ!!」


ボールから出たヒドイデは、いつもコジロウにする噛みつきをブロックにしてみるが、毒を浴びないどころか筋肉が増強していく。


ブロック「悪いな。こんなに元気にしてもらって」

ムサシ「な、なんなのよ彼奴……」

ブロック「さぁ、鬼ごっこは終わりだ」

ロケット団「ギャアァァァァァァァァァ!!!!」

ブロック「……?」


ロケット団に手を伸ばすブロックだが、何者かに腕を掴まれ止められる。


ブロック「俺の動きを止めたのは、アッシュ以外にはお前が初めてだ」

キテルグマ「クゥ」

ロケット団「キテルグマァァァァァァ!!!!!!」

ブロック「俺とやろうってのか?」

キテルグマ「クゥ」

ブロック「後悔……するなよ!!」


キテルグマはブロックに蹴飛ばされ、遥か彼方に飛んでいく。


ロケット団「キテルグマァァァァァァ!!!!!!」
70 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/17 21:09:57 ID:uEaYsSDE [2/4] 報告
ブロック「ふっ、呆気なかっとぅわぁ!!」


ブロックに吹っ飛ばされたハズのキテルグマが、真逆の方向からぶつかってくる。


ブロック「ほう。俺の蹴りの威力を利用して、地球を1周してきたわけか。少しは楽しめそうだ」

キテルグマ「クゥ!!!」

ブロック「ハァァァァァ!!!」


互いの拳がぶつかり合う。両者の立つ地面はヒビ割れ、島そのものが激しく揺れる。


コジロウ「頑張れキテルグマ!!」

ムサシ「そんなハゲやっつけちゃいなさい!!」

ブロック「随分期待されてるな。ま、俺も期待してるんだがな!!」

キテルグマ「クゥ……!!」


ブロックのテンションが上がったことで、キテルグマは少しずつ押されていく。


ブロック「くたばれやぁぁぁ!!!」


ブロックはキテルグマの拳を払い除け、その勢いで前転し、浴びせ蹴りを喰らわせる。

しかしキテルグマは攻撃を耐え、ブロックの両足を掴んで、ぶん回しながら天高く放り投げる。


コジロウ「っしゃあ!! キテルグマが勝ったぞ!!」

キテルグマ「クゥ」

ブロック「っはははは!!!」


キテルグマは180度向きを変えて、地球を1周してきたブロックの膝蹴りを受け止める。


ブロック「これを受け止めるとは、なかなかやるな」

ムサシ「あ、あれ……? 彼奴さっき投げ飛ばされなかったっけ……?」

ニャース「どうなってるのニャ……?」

ブロック「やはりポケモンは最高だな!! ふはははははははは!!!!!」


ブロックは百裂拳の如くキテルグマを殴りまくるが、キテルグマは紙一重で回避する。
71 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/17 21:44:07 ID:uEaYsSDE [3/4] 報告
キテルグマ「クッ………ウゥゥゥ!!!」


キテルグマはブロックの両腕を捉え、顔面にヘッドバットを決める。


ブロック「……っ!! 今のは効いたぞ。お返しだ!!」


今度はブロックがヘッドバットで攻撃する。


キテルグマ「クゥゥゥゥ!!!!」


キテルグマはブロックの両腕から手を離し、“アームハンマー”をラリアットに応用して攻撃。

ブロックは地中深くに埋まるが、速攻で戻ってくる。


ブロック「これで……終わりだぁ!!!」


真正面から飛び蹴りを喰らったキテルグマは、とうとう力尽きて、その場に倒れた。


ムサシ「う、嘘でしょ……? 起きてよキテルグマ!! 起きなさいよ!!」

コジロウ「あのキテルグマが勝てないなんて、彼奴人間じゃないぞ……」

ブロック「失礼しちゃうなぁ。俺は見ての通り、正真正銘人間だよ」


ブロックは首の骨を鳴らしながら、一歩ずつロケット団に近づいてくる。しかし………。

ブロック「……!?」


キテルグマは血だらけの状態で立ち上がり、ブロックの腕を掴む。

キテルグマはブロックを引き寄せ、力一杯抱き締める。


ブロック「うおぉぉ……!! なんて熱い抱擁だ。ならばこっちも……」


ブロックも両腕を相手の背に回し、最大の力で締めつける。


キテルグマ「クゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……!!!!」

ブロック「んぐぐぐぐぐぐぐ……!!!!」


苦悶の表情で抱き合う1人と1匹。それを見るロケット団には、何かが折れたり潰れたりする音が聞こえる。


ブロック「まだ強くなるのか……!?」

キテルグマ「グフッ……。グウゥゥゥ………!!!」
72 : 日はここまで◆kDdT4vyqmg 17/10/17 22:02:07 ID:uEaYsSDE [4/4] 報告
ブロック「ふぅ……」


ブロックが腕を解くと、キテルグマは静かに倒れた。


コジロウ「嘘だろ……。キテルグマァァァ!!!」

ムサシ「変な冗談やめなさいよ!! ねぇ!!」


ロケット団は必死に呼びかけるが、キテルグマはピクリとも動かない。


ブロック「やってくれたな。節々が痛むぜ」

キテルグマ「ク……ウゥ…………」


キテルグマは小刻みに震えながら起き上がる。


ニャース「キテルグマ……!!」

ブロック「まだ起き上がるのか。大したもんだよ」

キテルグマ「クゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」

ブロック「らぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


走りながら、拳を大きく振るキテルグマとブロック。誰もが殴り合いが始まると思ったその時……。


ブロック「ふっ」

キテルグマ「クゥ」


キテルグマとブロックは、互いの健闘と称え握手を交わす。


ブロック「いいバトルだったよ。また戦おう」

キテルグマ「クゥ」


そのままブロックは、ジャンプしてどこかへ行ってしまった。

キテルグマはロケット団を抱え、ブロック同様飛び去っていく。


ロケット団「なにこの感じ……」
73 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/18 20:31:16 ID:gEENfO3Q [1/7] 報告
マオ「さぁ、言いなさい。スイレンと博士はどこ!?」

サトシ「マオ落ち着けよ。まだ攫われたって決まったわけじゃないんだからさ……」

カキ「俺も同感だ。こいつらがスイレン達を拉致したとして、何のメリットがある? 移動の手間が増えるだけだろ?」

マオ「そうだけど……!!」

キアベ「全く……。物分かりの悪い色黒種族だな。僕が嘘なんて醜い真似するハズがないだろ?」

マオ「……っ!!」

キアベ「少しは自分で探してみたらどうだい? ま、アッシュに見つかって、生涯を終えることになるだろうけどね」

マオ「アンタいい加減に……」

アッシュ「呼んだか?」


突然空間が開き、中からアッシュとミスティ、そしてボロボロになったスイレンが現れる。


サトシ「スイレン!!」

マオ「やっぱり拉致ってたんじゃない……!!」

キアベ「いや、違う!! アッシュ、これはどういう……」

アッシュ「見た通りだ。俺がこいつに、この場所を教えてもらったのさ。で、マオってのはどいつだ?」

マオ「えっ、私だけど……」

アッシュ「こっち来い」

マオ「嫌よ!! 絶対拉致るやつじゃない!!」

アッシュ「チッ、さっさと来いよ。こいつの厚意を無駄にするつもりか?」

マオ「え……?」

ミスティ「スイレンは1人だけ助ける条件で、この場所を教えてくれたんです。指1本を犠牲にして……」


ミスティの言う通り、スイレンの左手の小指が青黒くなっている。


ミスティ「スイレンの気持ちを無駄にしないでください。スイレンは他の誰よりも、貴女に生きて欲しいと願ったんですから……」

マオ「スイレン…………」
74 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/18 20:45:38 ID:gEENfO3Q [2/7] 報告
マオ「もし私が行ったら、他の皆はどうなるの……?」

アッシュ「生贄行きに決まってんだろ? 助かるのはお前だけ。さ、早くしろ」

マオ「嫌だ……!!」

ミスティ「……!?」

アッシュ「は?」

マオ「仲間を見捨てて逃げるなんて出来ない。私は皆と一緒に帰りたいの!!」


マオがアッシュの誘いを断ると、天候が一変し、大雨が降り始める。


ミスティ「なんでそんな酷いこと言えるんですか……? スイレンは貴女を助けるために必死だったのに……」

マオ「ごめん、スイレン……。でも、もう誰も見捨てたくないの」

アッシュ「これで交渉決裂。全員生贄行きってわけだ」

サトシ「させるか!! 皆は俺が守る!!」

アッシュ「いいぜ。相手になってやるよ」


アッシュの後ろから、ラティアスとパルキアが出てくる。


サトシ「モクロー、君に決めた!!」

モクロー「クロォ」

アッシュ「んな梟で戦う気かよ」

サトシ「いけ、モクロー」


モクローはピカチュウの首筋を掴んで飛行する。


アッシュ「“はどうだん”」

サトシ「“エレキボール”」


2つの球がぶつかり、爆発する。


サトシ「“今だ!! “10まんボルト”」


ピカチュウはモクローから離れ電撃を放つが、空間を歪められ、攻撃は失敗に終わる。
75 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/18 21:03:11 ID:gEENfO3Q [3/7] 報告
サトシ「モクロー“このは”」


モクローは音も無くパルキアに接近し、葉っぱを飛ばして攻撃する。


アッシュ「思ったよりやるじゃねえか。ラティアス“はがねのつばさ”」

サトシ「“アイアンテール”だ」


ピカチュウは尻尾、ラティアスは翼を硬質化して激突。パワーは互角で、鍔迫り合いの状態から動けなくなっている。


サトシ「モクロー“つつく”」

アッシュ「“かえんほうしゃ”」


猛スピードでパルキアに迫るモクローだったが、灼熱の炎に焼かれてダウンしてしまう。


サトシ「戻れ、モクロー。次はニャビーだ」

ニャビー「ニャヴ」

アッシュ「何が来ようと同じだ。パルキア“はどうだん”」

サトシ「“ほのおのキバ”だ」


ニャビーは口の周りに炎を灯し、“はどうだん”を噛み砕く。


サトシ「“ひっかく”」

アッシュ「学ばねぇな、お前も。“あくうせつだん”」


パルキアはニャビーを迎え撃とうとするが、ニャビーはパルキアを無視し、ラティアスに飛びかかっていく。


サトシ「いっけぇぇぇぇ!!!」


ラティアスはニャビーの攻撃でバランスを崩し、ピカチュウの“アイアンテール”に押し切られてしまう。


リーリエ「やりました!!」

カキ「今のは効いてるぞ!!」

マーマネ「流石サトシだよ!!」


サトシが流れを掴んできたところで、クラスメイト達も活気を取り戻す。


アッシュ「……」
76 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/18 21:18:33 ID:gEENfO3Q [4/7] 報告
アッシュ「ミスティ、パルキア貸すわ」

ミスティ「え?」

アッシュ「彼奴らうぜぇわ。サトシっつったっけ? 場所変えねぇか?」

サトシ「いいぜ。俺もなんか熱くなってきたトコだ」

アッシュ「ミスティ、俺が戻ってくるまでに、彼奴ら掃除しといてくれ。いくぞ、ラティアス」


アッシュはラティアスと共に、パルキアの作った異空間に入る。


マオ「サトシ、これ絶対罠よ」

マーマネ「そうそう。行かない方がいいって」

サトシ「別に罠でもいいさ。俺は今、アッシュと戦いたいんだ。じゃあな!!」


サトシはクラスメイトの忠告など聞かず、アッシュに着いて行ってしまう。


カキ「はぁ……。バトルになると、いつもアレだからな……」

リーリエ「それより今は……」


クラスメイト達は、ミスティとパルキアに視線を集中させる。


ミスティ「お願いしますね。パルキア」

パルキア「パギャベリエン!!」

カキ「相手は空間操作が出来るから、逃げるという手は封じられたな」

マーマネ「おまけに、スイレンはパルキアの側で寝てるし……」

マオ「やるべきことは2つ」

リーリエ「スイレンの救出と、パルキアの撃破……ですね」

ミスティ「いきますよ。パルキア“かえんほうしゃ”」


しかし、パルキアは動かない。


ミスティ「……………あれ?」

マーマネ「なんか様子が変だよ」

カキ「まさか、言うこと聞かないのか?」

リーリエ「私、本で読んだことがあります。他人のポケモンは、言うことを聞かないことがある……と」

ミスティ「な、なんで……? パルキアって水タイプですよね……?」
77 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/18 21:35:06 ID:gEENfO3Q [5/7] 報告
ミスティ「キアベ、これってどういう……」

キアベ「恐らく、何らかの形でお前の力が失われてるんだろう。例えば、水ポケモンに反抗されて、自信を無くしたとか」

ミスティ「……自信」

アシマリ「zzz」

ミスティ「アシマリ……」

パルキア「グギャリャァァァァ!!!」

カキ「“かえんほうしゃ”だ」


パルキアの“かえんほうしゃ”と、リザードンの“かえんほうしゃ”が打ち消し合う。


マーマネ「トゲデマル、RUN!!」

トゲデマル「マチュ!!」


トゲデマルは高速で移動し、パルキアを錯乱する。


マオ「アママイコ“マジカルリーフ”」

リーリエ「シロン“こなゆき”です」


トゲデマルを囮に、アママイコとシロンがパルキアを攻撃する。


カキ「いくぞ、バクガメス!! “ダイナミックフルフレイム”」


本日何度目かのZワザを発動。ダウンとまではいかないものの、パルキアに大ダメージを与える。


パルキア「グギャア……!!」

マーマネ「よし、これならいけるよ!!」

マオ「パルキア撃破まであと1歩!!」

キアベ(どうなってるんだ……? 個々の力は大したことないのに、あのパルキアを圧倒している……)

パルキア「グウゥゥゥルルルル……。ウワゥ!!」


パルキアはスイレンを掴み、鋭い爪を突きつける。


マオ「スイレン!!」

マーマネ「人質なんて卑怯だぞ!!」

カキ「くっ、スイレン救出を優先すべきだったか……」
78 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/18 22:15:13 ID:gEENfO3Q [6/7] 報告
バクガメス「ガメェ……ス…」


スイレンを人質に取られ動けないポケモン達に、パルキアは容赦なく攻撃していく。


ミスティ「これで全滅ですね。パルキア、スイレンを解放してください」

パルキア「……」

ミスティ「パルキア……?」

パルキア「グギャルァ……」

ミスティ「ちょ、ダメですよ!! スイレンは助ける約束のハズ……」

パルキア「ギャリァベリア!!」


パルキアは腕を振るい、ミスティを殴り飛ばす。


ミスティ「うっ……!!」

リーリエ「だ、大丈夫ですか!?」

マーマネ「なんで仲間に攻撃してるの……?」

カキ「主人以外の命令には応じないということか……」

マオ「呑気に説明してる場合じゃないわよ!! 早くスイレンを……」

カキ「全員ポケモンやられてるだろ!? 生身でパルキアに勝てるわけないし……」


少しずつスイレンに爪を近づけるパルキア。すると……。


パルキア「ギリャアァァァァァァァ!!!!」


何者かが撃った“れいとうビーム”により、体が凍ってしまう。


マーマネ「み、見て!! パルキアが凍ってる」

キアベ「僕じゃないよ」

マオ「わかってるわよ!! ……でも一体誰が」

ミスティ「………せん」

マオ「え?」

ミスティ「スイレンは私の友達です。例えアッシュのポケモンだろうと、アッシュ本人だろうと、私以外がスイレンを手にかけることなど、絶対に許しません!!」
79 : 日はここまで◆kDdT4vyqmg 17/10/18 22:36:06 ID:gEENfO3Q [7/7] 報告
ミスティ「カイオーガ!!」

カイオーガ「グエェェェェェェェェェ!!!!!」


空から突然カイオーガが降ってくる。カイオーガの出現により、雨は一層激しさを増す。


カキ「なんだかよくわからんが、協力してくれるのか……?」

ミスティ「スイレンを救うためです。カイオーガ、ゲンシカイキ」


ミスティの左眼が光り、カイオーガがゲンシカイキ。降り注ぐ豪雨によって、研究所が浸水していく。


パルキア「………リョエェグリョベ!!!!!」


パルキアは自力で氷から脱出し、“かえんほうしゃ”で攻撃するが、ゲンシカイオーガの特性“はじまりのうみ”で掻き消される。


ミスティ「スイレン、ちょっと借りますね」


ミスティは流れてきたスイレンから、Zリングを拝借する。


マオ「ちょっ、それはやめた方が……」

ミスティ「荒ぶれ。“スーパーアクアトルネード”」


ゲンシカイオーガのZワザにより、島全体は巨大な渦潮に飲み込まれる。

その絶対な力に、カキ達はおろかミスティすらも巻き込まれていく。


ミスティ「ひゃあーーー!!!」

マオ「だから言ったじゃない!!」

マーマネ「僕泳げないんだよー!!」


しばらくして渦潮は治まったが、ダイダイ島の殆どが海と同化してしまった。


ミスティ「ひ、酷い目に遭いました……」

マオ「あんたがやったんでしょ!!」

マーマネ「あ、あれ……? パルキアは……?」

リーリエ「波に流されたのではないでしょうか……?」

カキ「まぁ、スイレンは無事みたいだし、いいんじゃないか?」

マオ「それもそうね」
80 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/19 20:45:32 ID:i9DSOj3s [1/6] 報告
パルキアを倒し、カキ達はカイオーガに乗って少し離れた島に来ていた。


ミスティ「も、目的………ですか?」

カキ「あぁ。お前達がネクロズマを狙う目的は何だ?」

キアベ「ふっ、色黒種族如きに喋るとでも……」

ミスティ「生き返らせたい人が居るんです」

キアベ「言うなよ!!」

カキ「やはりそれが目的だったか」

マオ「それで、生き返らせたい人って……」

ミスティ「トレーシー、メイ、マックス、ドーン、サイ……」

マオ「ちょっと待って!! そんなに居るの……!?」

ミスティ「はい。10人や20人じゃないですよ」

キアベ「アッシュが今迄旅してきた仲間、そしてその身内。数えれば100人を超えるだろうね」

カキ「そんな大勢の死人……。何があったんだ……?」

ミスティ「それは……」

キアベ「戦争さ。世界中の国王達がトレーナーを兵士として雇い、敵国と激しい戦いを繰り広げた。その生き残りが僕達さ」

マオ「戦争……」

キアベ「戦いの間、僕達の国の科学者達はポケモンの改造を始め、終いには僕達人間も実験体となった。“絶対氷域(グラースパーム)”やミスティの洗脳能力は、その時の産物だよ」

ミスティ「そうなんですか!?」

マオ「なんであんたは知らないのよ……」

キアベ「ミスティは当時の記憶を無くしてるからね。アッシュはミスティのためにと、黙っておくことにしたんだ」

リーリエ「しかし変ですね……。世界中で戦争が繰り広げられていたのなら、大々的に取り上げられてもおかしくないのに……」

カキ「確かに。俺も聞いたことないな」

ミスティ「言ってませんでしたっけ……? 私達、別の世界から来たんですよ。パルキアの空間移動の力で……」
81 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/19 21:02:05 ID:i9DSOj3s [2/6] 報告
場所は変わり、カンキツ島のリーグスタジアム。サトシはピカチュウとニャビー、アッシュはラティアスで戦っていた。


サトシ「ピカチュウ“10まんボルト”、ニャビー“ひのこ”」

アッシュ「打ち消せ。“ミストボール”」


両者が技を相殺し合い、空中で爆発が起こる。ピカチュウとニャビーが次の攻撃に備える中、ラティアスは爆煙の中を突き進み、接近する。


アッシュ「“はがねのつばさ”」

ニャビー「ニャブ……!!」


ニャビーはピカチュウを突き飛ばし、代わりに攻撃を受ける。


サトシ「ニャビー!!」

ピカチュウ「ピカピ!!」


サトシ達の呼びかけも虚しく、ニャビーは地面に倒れる。


サトシ「戻れ、ニャビー。ありがとな、ピカチュウを助けてくれて」

アッシュ「さぁ、次だ次!! それとも、残りはピカチュウだけか?」

サトシ「いいや、まだ居るぜ。ルガルガン、君に決めた」

ルガルガン「ルガゥ!!」


サトシが出したのは、イワンコが進化したポケモン・ルガルガン。他とは違い、オレンジの体毛を持つ“黄昏の姿”である。


アッシュ「変わったルガルガンだな。色違いってわけでもなさそうだし……」

サトシ「俺のルガルガンは、他のとは違うぜ。“アクセルロック”」


ルガルガンは高速で移動し、ラティアスに頭突きをかます。


アッシュ「わざわざ来てくれてありがとよ。ラティアス“はがねのつばさ”」

サトシ「躱せ」


ルガルガンはラティアスの翼に噛みつき、逆上がりの要領で上空へ飛ぶ。
82 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/19 21:11:50 ID:i9DSOj3s [3/6] 報告
サトシ「“いわおとし”」


ラティアスの背中に尖った石をぶつけ、地面に落とす。


サトシ「ピカチュウ“でんこうせっか”」

アッシュ「飛べ」


ラティアスは飛ぼうとしたが間に合わず、ピカチュウのタックルを受ける。


サトシ「ルガルガン“いわおとし”、ピカチュウ“10まんボルト”」

アッシュ「ラティアス“ミストボール”」


得意の“ミストボール”で応戦するラティアスだが、ピカチュウとルガルガンの得意技には敵わず、モロに攻撃を喰らってしまう。


アッシュ「ラティアス!!」

ラティアス「ルァウ……」

サトシ「いいぞ!! ピカチュウ、ルガルガン」

アッシュ(最初に戦った時とは、比べ物にならねぇな……。本当に……)

アッシュ「最高だぜ。ここまできたら、俺も本気出したくなるじゃねぇか!!」


アッシュはおもむろに上の服を脱ぎ捨てる。左胸には1つの石が埋め込まれており、アッシュが力むと同時に輝き出す。


アッシュ「さぁ、上げてくぜ!! ラティアス、メガシンカァ!!」


ラティアスは光に包まれ、薄紫色に体色を変える。


サトシ「メガラティアス……!!」

メガラティアス「フラァウ」
83 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/19 21:23:43 ID:i9DSOj3s [4/6] 報告
グラジオ「なんだ……? この凄まじい力は………」


意識を取り戻したグラジオは、ネープル島からカンキツ島のリーグスタジアム前まで来ていた。


グラジオ「今ならまだ……」

ブロック「悪いが、邪魔はさせないぞ」

グラジオ「貴様……!!」

ブロック「アッシュが本気を出している。つまり、それだけの相手に出会えたということだ。どうしても通りたければ、俺を倒してからにしろ」

グラジオ「そう言えば、俺が引き下がるとでも思ったか?」


グラジオはブロックに潰された左手を庇いながら、ハイパーボールを投げる。


ルガルガン「ルガゥ!!」

ブロック「またそいつか。また歯が折れても……しらんぞ!!」


ブロックはルガルガンの顔面に右ストレートを入れるが、ルガルガンはそれを耐える。


ブロック「……!!」

グラジオ「どうした? 随分と動きが悪くなったな。ルガルガン“カウンター”」


ルガルガンはブロックの動きを真似し、受けたダメージを倍にして返す。


ブロック「んぐっ……!!」


これには流石のブロックも膝をつく。


グラジオ「どうだ? 自分の攻撃を受ける気分は」
84 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/19 21:36:00 ID:i9DSOj3s [5/6] 報告
ブロック(まだキテルグマ戦の傷が治らないのか……)

グラジオ「“ストーンエッジ”」

ブロック「うぉららららららららららららら……………!!」


ルガルガンが地面から生やした石槍を、ブロックは己の拳で叩き割る。しかし……


ブロック「………がっ!!」


1つだけ砕くことが出来ず、尖った岩がブロックの脇腹に突き刺さる。


グラジオ「何があったのかは知らないが、今のお前は明らかに弱体化している」

ブロック「舐めるな!!」


ブロックは助走をつけて跳び、ルガルガンに掴みかかる。


グラジオ「股間を狙え“かみくだく”」


ルガルガンは生え変わった牙で、ブロックの股間にかぶりつく。


ブロック「………んっ……あっだぁぁぁぁぁだだだだぁぁぁ!!!!!」

グラジオ「どれだけ鍛えていようと、急所は必ず痛いものだ。股間ともなれば尚更な!!」

ブロック「いっ………ひぃひひっ……………んぐぉ……だっがっだぁ!!!」


ルガルガンは意地でも股間から離れようとはせず、ブロックは必死にルガルガンを殴るが、痛みで力が入らない。
85 : ルチャイ@はかせのふくめん 17/10/19 21:37:21 ID:FoVFxnMs [s] 報告
あいたたたwwww
86 : 日はここまで◆kDdT4vyqmg 17/10/19 22:08:51 ID:i9DSOj3s [6/6] 報告
グラジオ「これで終わりだ」


グラジオは左腕の袖を捲り、Zリングを輝かせる。


グラジオ「蒼き月のZを浴びし岩塊が今、滅びゆく世界を封印する!! “ワールズエンドフォール”」


ブロックの頭上に巨大な岩塊が出現し、ゆっくりと加速しながら落下する。


ブロック「いいだろう……。かかってこい!!」


ブロックは両手で岩を受け止め、指の力だけで砕こうとする。


グラジオ「無駄だ。全快の時ですら拳一つ必要だったものを、指だけで打ち砕こうなど……」

ブロック「出来る!! 俺なら出来…………」


残念ながらブロックの思い通りにはいかず、巨大な岩に押し潰されてしまう。


グラジオ「ルガルガン、大丈夫か!?」


ルガルガンはブロック諸共Zワザを受けダウン。対するブロックはというと……。


ブロック「ふっ、終わったな」

グラジオ「………!!」


ブロックは右足を引きずりながら、グラジオに近づく。


グラジオ「あれで倒れないのか……」

ブロック「これで……終わり…だ……………」


ブロックはルガルガンの目の前に倒れる。


グラジオ「こいつの命が危ないんじゃないかと思ったが、加減しなくて正解だったな」


グラジオはルガルガンをモンスターボールに戻し、リーグスタジアムに向かう。
87 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 19:41:13 ID:avdcxK82 [1/19] 報告
アッシュ「“ミストボール”」

サトシ「“いわおとし”だ」


メガラティアスが放った球に、複数の石をぶつけるが相殺しきれず、ルガルガンは攻撃を受け戦闘不能になる。


サトシ「ルガルガン、よくやってくれた。あとはお前だけだピカチュウ」

ピカチュウ「ピカピィカ!!」

アッシュ「やってみろよ。ラティアス“りゅうせいぐん”」

サトシ「いくぜ!! ピカチュウ“アイアンテール”」


ピカチュウは硬化した尻尾を使い、“りゅうせいぐん”を足場に駆け上がっていく。


サトシ「見たか!! これが流星群封じだ!!」

アッシュ「面白い技の使い方しやがる。足場を崩せ“ミストボール”」


ピカチュウが足場に使おうとした流星群は、メガラティアスの“ミストボール”で壊され、着地に失敗したピカチュウは、真っ逆さまに落ちていく。


アッシュ「着地を狙え“はがねのつばさ”」


ピカチュウが落下しきる寸前に、メガラティアスは突っ込んでいく。………が。


メガラティアス「ラフォウ!!」


突然何者かが現れ、メガラティアスを吹き飛ばした。
88 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 19:50:20 ID:avdcxK82 [2/19] 報告
サトシ「ピカチュウ、大丈夫か?」

ピカチュウ「ピィカ」

アッシュ「ピカチュウじゃない……? なら誰が……」


アッシュが疑問に思うと、スタジアムの観客席にスポットライトが当たる。


ムサシ「ピカチュウじゃない……? なら誰が……。と聞かれたら」

コジロウ「答えてあげるが世の情け」

ムサシ「世界の破壊を防ぐため」

コジロウ「世界の平和を守るため」

ムサシ「愛と真実の悪を貫く」

コジロウ「ラブリーチャーミーな敵役」

ムサシ「ムサシ」

コジロウ「コジロウ」

ムサシ「銀河を駆ける、ロケット団の2人には」

コジロウ「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ」

ニャース「ニャーんてニャ」

ソーナンス「ソーナンス!!」

サトシ「ロケット団!! またお前達か!!」

アッシュ「勝負の邪魔すんな!! 消えろ!!」

ニャース「なんニャなんニャ!! 折角初期verにしたのに!!」

アッシュ「知るか」
89 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 20:05:05 ID:avdcxK82 [3/19] 報告
アッシュ「とっとと消えろ。ラティアス“ミストボール”」

サトシ「ピカチュウ“10まんボルト”」

ムサシ「ソーナンス、よろしく」


ピカチュウとメガラティアスの攻撃は、ソーナンスの“ミラーコート”により返され、2体は倍化された攻撃を受ける。


サトシ「ピカチュウ!!」

アッシュ「ラティアス!!」

ムサシ「いや〜、キテルグマから抜け出して正解だったわね。ピカチュウどころか、メガラティアスまで手に入るなんて」

アッシュ「テメェらには、用済みになったネクロズマをやる約束だっただろ!!」

ムサシ「そんなの知りましぇ〜ん」

コジロウ「約束ってのはな、破るためにあるんだよ」

サトシ「くそッ!! どうすれば……」

アッシュ「サトシ、お前Zワザ使えるよな? Zリング持ってるし」

サトシ「あぁ」

アッシュ「なら彼奴ら頼むわ。Zワザならなんとかなる」

サトシ「わかった」


サトシは奇妙なポーズをとり、Zワザを放つ準備をする。
90 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 20:16:30 ID:avdcxK82 [4/19] 報告
サトシ「これが俺達の全力だ!! “スパーキングギガボルト”」

ムサシ「ソーナンス、お願い」


ピカチュウは右手から強力な雷を発射。ムサシはソーナンスを目の前に出し、攻撃から身を守ろうとするが……。


ソーナンス「ソッ……ソォ………」

ムサシ「……ん? あれ……? ソ、ソーナンス!?」


ソーナンスの“ミラーコート”を持ってしても、Zワザを跳ね返すことは出来ず、ロケット団は爆風で吹っ飛ばされてしまう。


ロケット団「ギャアァァァァァァァァァ!!!」

キテルグマ「クゥ」


キテルグマは飛んでくるロケット団を受け止め、アローラに向かって飛んでいった。


アッシュ「これで邪魔は消えた。仕切り直しといこうぜ」

サトシ「おう!!」


サトシとアッシュはバトルフィールドに立ち、バトルを再開する。


サトシ「頼むぜ、ピカチュウ」

アッシュ「全力で行くぞ、ラティアス」
91 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 20:29:10 ID:avdcxK82 [5/19] 報告
サトシ「ピカチュウ“でんこうせっか”」

アッシュ「“りゅうせいぐん”」


走ってくるピカチュウに向かって、大量の流星群が降ってくるが、ピカチュウは難なく回避しながら進んでいく。


サトシ「“アイアンテール”」

アッシュ「今度は負けねぇぞ!! “はがねのつばさ”」


2匹の尾と翼がぶつかり合い、フィールドに衝撃波が走る。


サトシ「“10まんボルト”」

アッシュ「“でんじは”」


メガラティアスは“でんじは”を攻撃に使うことで“10まんボルト”に対抗。

数秒間の電撃バトルの末爆発し、体の小さいピカチュウだけが吹き飛ばされる。


アッシュ「“はがねのつばさ”」

サトシ「“アイアンテール”だ。砂を巻き上げろ」


ピカチュウは地面に“アイアンテール”をぶつけて砂を巻き上げる。

砂はメガラティアスの目に入り、視界が見えなくなったメガラティアスは、地面に墜落する。


アッシュ「ラティアス!!」

サトシ「“アイアンテール”」


ピカチュウは高くジャンプし、メガラティアスの脳天に“アイアンテール”を叩き込む。
92 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 20:41:38 ID:avdcxK82 [6/19] 報告
アッシュ「打ち上げろ。“ミストボール”」


メガラティアスは上を向き、空中に複数個の“ミストボール”を打ち上げる。


サトシ「よしっ、あれも流星群封じで……」

アッシュ「“でんじは”」


メガラティアスは“ミストボール”に向かい“でんじは”を放ち、球に電気を纏わせる。


サトシ「なんだアレ……?」

アッシュ「“はがねのつばさ”」

サトシ「躱せ」


高速で迫ってくるメガラティアスを、ピカチュウは跳んで躱すが、電気を浴びた“ミストボール”が、ピカチュウの体内にある電気に反応し爆発する。


サトシ「ピカチュウ!!」

アッシュ「いけ」


メガラティアスはピカチュウの落下を見逃さず、顎に“はがねのつばさ”を決める。


アッシュ「全弾降下」


ピカチュウに起き上がる時間すら与えず、上空から数十個の“ミストボール”が降ってくる。


ピカチュウ「ピィ……」

アッシュ「“はがねのつばさ”」

サトシ「“10まんボルト”だ」


ピカチュウは“10まんボルト”でメガラティアスの動きを止めようとするが、いつもの力が全く出ず、またもや“はがねのつばさ”を喰らってしまう。


サトシ「どうなってるんだ……?」

アッシュ「“ミストボール”は相手の特殊攻撃力を下げる力があるんだ。さっきの“ミストボール”の所為で、“10まんボルト”はほぼ無効化されてる」

サトシ「くっ……!!」
93 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 20:52:34 ID:avdcxK82 [7/19] 報告
サトシ「だったら“アイアンテール”だ」

アッシュ「飛べ」


メガラティアスはピカチュウの攻撃を避け、見えない高さまで上昇する。


サトシ「また“ミストボール”か……」

アッシュ「正解。“ミストボール”」

サトシ「いっけぇ!! ミストボール封じだ!!」


ピカチュウは流星群封じ同様、“アイアンテール”で“ミストボール”を駆け上がっていく。


アッシュ「そうくると思ったぜ。“はがねのつばさ”」


メガラティアスは真っ直ぐ下に向かう。落下でスピードが上がっているため、その分威力も上がっていく。


サトシ「俺もそうくると思ってたぜ」


サトシは素早くZリングに嵌め込まれたクリスタルを、デンキからノーマルの物に付け替える。


サトシ「全力を超えるぞピカチュウ!! “ウルトラダッシュアタック”」


ピカチュウは重力に逆らいながら宙を走り、やがてメガラティアスと激突する。


サトシ「いっけえぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

アッシュ「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
94 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 21:00:37 ID:avdcxK82 [8/19] 報告
島全体は爆風に包まれ、サトシとアッシュも少しだけ後ろに押し出される。


サトシ「ピカチュウ……」


やがて土煙が晴れ、フラつきながらも二足立ちを維持するピカチュウと、メガシンカが解け地面に横たわるラティアスの姿があった。


サトシ「やった……!! やったぜ、ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ッチャア!!」


ピカチュウは走ってくるサトシの胸に飛び込む。


ラティアス「ラァウ……」

アッシュ「お前は悪くない。俺が弱かっただけだ」


アッシュがラティアスをモンスターボールに戻すと、1人の男がスタジアムにやってくる。


グラジオ「サトシ……?」

サトシ「グラジオ!! 無事だったのか!?」

グラジオ「あぁ。それより、リーリエは……」

サトシ「リーリエなら、皆と一緒に研究所に居るよ」

アッシュ「どーだか。ミスティが居る以上、彼奴らが生きてるとは思えねぇがな」

グラジオ「貴様……!!」


グラジオはアッシュの言葉に怒り、胸ぐらを掴む。


サトシ「お、おい……!! グラジオ、落ち着けって……」

???「サトシーーーー!!!!」
95 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 21:13:18 ID:avdcxK82 [9/19] 報告
サトシに声をかけたのは、今話に出てきたリーリエ達だった。

そしてそこには、ミスティとキアベ、ネクロズマの姿も。


グラジオ「リーリエ!!」

リーリエ「お兄様!!」

ミスティ「あっ、アッシュ……」

アッシュ「無事ネクロズマを連れてきたようだな。それに生贄を生け捕りとは」

キアベ「待て。違うんだ。僕達は負けたんだよ」

アッシュ「……は?」

マオ「2人から全部聞いた。ネクロズマを狙う理由も、貴方達に何があったのかも」

アッシュ「テメェらなぁ……!!」

ミスティ「ご、ごめんなさい……」

マオ「正直、貴方達にはムカついてる。散々バカにされたし、酷い目にも遭わされた。でも、なんか可哀相に思えたの」

アッシュ「同情のつもりかよ」

カキ「あぁ、その通りだ。お前達がオレンジ諸島の人達を殺してきたのは事実だが、決して悪意だけでやってきたわけじゃないだろ?」

リーリエ「せめて私達にも、お友達を救うお手伝いをさせてくれませんか……?」

マーマネ「もしかしたら、僕の発明が役に立つかも……」

サトシ「皆、さっきから何の話……」

スイレン「………んっ」

ミスティ「スイレン……!!」

カキ「目が覚めたのか」

マオ「よかった〜」


スイレンが起きたことで、クラスメイト達は安堵する。
96 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 21:23:18 ID:avdcxK82 [10/19] 報告
サトシ「ってことは、アッシュ達は別世界の人間だったの!?」

アッシュ「あぁ。ってなわけで、テメェらの血全部寄越せや」

サトシ「おう。いいぜ」

マオ「いいぜじゃない!!」

カキ「サトシならなんとかならなくもない気がするが、流石に100人以上となるとな……」

キアベ「1人生き返らせるだけでも、数十人の致死量を超える血液が必要だ」

ミスティ「本当は私達の世界で集めるつもりだったんですけど、ネクロズマがこっちに逃げちゃったので……」

カキ「オレンジ諸島民全員でようやく賄える量か……。流石にボランティアじゃ足りそうにないな」

アッシュ「だーあっ!! めんどくせぇ!! もう適当な島の奴殺して集めりゃいいじゃねぇか。その方が手っ取り早ぇ」

マオ「いいわけないでしょ!! 適当な島の人達の命を何だと思ってるのよ!!」

アッシュ「俺の仲間を生き返らせるためだ。そこらの奴らの命なんざ知るかよ」

ミスティ「そうです。他人の命より仲間の命です」

キアベ「全く……。これだから、色黒種族は……」

マオ「肌の色関係ないでしょ!!」

スイレン「マ、マオちゃん深呼吸深呼吸」

リーリエ「そうですよ。喧嘩したって、何の解決にもなりません。冷静になりましょう」

???「話は聞かせてもらった。私が解決策を出そう」
97 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 21:32:47 ID:avdcxK82 [11/19] 報告
現れたのは、カイリューに乗ったユウジとククイ、そしてイリスだった。


アッシュ「イリス!!」

マーマネ「博士!! 無事だったんだね!!」


ユウジとククイはカイリューから降り、イリスをアッシュ達に引き渡す。


ユウジ「話は聞いた。個人的には即ムショにぶち込んでやりたいトコだが、どうせ自力で出てくるだろうしな。目的を達成させて、大人しく帰ってもらった方がいいだろ」

アッシュ「お前が解決法を……? 一気に100人以上を生き返らせる血液を、どうやって手に入れるってんだよ」

ユウジ「私の知り合いに、血液センターのお偉いさんが居てね。血液を分けてもらえないかと頼んでみたところ、快く了承してくれたよ」

アッシュ「……!!」

ミスティ「それって……」

ユウジ「あぁ。お前達の仲間は全員生き返る」

キアベ「ほ、本当に……」

スイレン「やったね。ミスティ」

ミスティ「……はいっ!!」

ユウジ「お前達を裁けないのは残念だが、余計な犠牲者を出さないためだ。血液貰ったら、すぐに帰れ」

アッシュ「助かる……? 全員助かるのか……?」

キアベ「あぁ、そうだ!! 皆生き返るんだよ」

アッシュ「はっ……ははっ…………やった…やったぞ!! うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ブロック「やったな。アッシュ」

グラジオ「お前いつの間に……!!」
98 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 22:05:23 ID:avdcxK82 [12/19] 報告
ユウジ「これが取引場所の地図だ。取引相手を殺したりするなよ」

アッシュ「わかってる」


アッシュはユウジから1枚の紙を貰う。


サトシ「ネクロズマ、少しの間だったけど楽しかったよ」

ネクロズマ「殆ど寝てて憶えてねぇけど、俺もそれなりに楽しかったぜ。正直、足引っ張ってばっかで情けねぇぜ」

サトシ「そんなことないよ。ネクロズマは、俺を2回も助けてくれたじゃんか。それに、命令に従ってお前を攻撃しちゃって、俺の方が情けないよ」

ネクロズマ「そんなこたねぇ。たかが“10まんボルト”程度で倒れた俺の方が情けねぇよ」

サトシ「いや、その後氷漬けにされた俺の方が情けないよ」

ネクロズマ「結局それ以降何もしなかった俺の方が情けねぇよ」

サトシ「凍らされた挙句、カキに助けられた俺の方が情けないさ」

ネクロズマ「あれだけ抵抗したのに、住民死なせただけの俺の方が情けねぇってば」

サトシ「い〜や、俺の方が情けないね!!」

ネクロズマ「はぁ!? 俺の方が情けないに決まってんだろ!!」

サトシ「俺だってば!!」

マオ「なんでそこで喧嘩になんのよ!!」
99 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 22:13:30 ID:avdcxK82 [13/19] 報告
マーマネ「うっ……」


マーマネはイリスを怖がり、ククイの後ろに隠れていた。


イリス「なんだい。照れ屋な坊やだね」

マーマネ「だ、だって……」

イリス「安心しな。理由がなきゃ、危害を加えたりしないよ」

ククイ「ちょっと、その言葉は信用ならないな」

イリス「あんたまで疑ってんのかい? いい大人のクセして、案外子供なんだね」

ククイ「そうか? ここまでギガインパクト級の大人は居ないぜ」

イリス「へぇ、言うじゃないか。気に入ったよ」


イリスはククイに近づき、肩に手を置いてキスをする。


マーマネ「……!!」

ククイ「これはこれは、大した置き土産だ」

イリス「プレゼントって言って欲しいもんだね」
100 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 22:22:45 ID:avdcxK82 [14/19] 報告
マオ「よくもまぁ、私を土下座させてくれたわね」

キアベ「これでも少しは悪いと思ってるんだよ。潔く反省するとは、なんて美しいんだ僕は」

マオ「全く反省の念が見られないんだけど……」

カキ「同じく」

キアベ「まぁ、そう言うな。折角僕がプレゼントをあげようとしてるんだ」

マオ「プレゼント……?」

キアベ「色黒種族にプレゼントをあげるのは、これが初めてだ。大切に使うといい」

マオ「あ、ありがとう……」

カキ「プレゼントか。何だろうな?」


マオとカキが貰ったのは、真っ白な絵の具だった。


カキ「……ん?」

マオ「なにこれ……?」

キアベ「見ればわかるだろ? 白絵の具だよ。色黒種族の黒さは、簡単には落とせないからね」

マオ「やっぱあんた反省してないでしょ!!」
101 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 22:32:56 ID:avdcxK82 [15/19] 報告
スイレン「ミスティ、また会えるよね……?」

ミスティ「勿論です。また会いに来ますよ」

ユウジ「二度と来るな」

ミスティ「その時は、今度こそアシマリを奪ってみせますからね」

スイレン「絶対負けない。私とアシマリの絆は……」

ミスティ「嘘です♪」

スイレン「えっ……」

ミスティ「嘘です♪」

スイレン「…………」

ミスティ「あっ、今のは嘘の嘘……。ほら、スイレンが最初にやった、実はホントですっていう……」

スイレン「ねぇ、ミスティ……」

ミスティ「はい……?」

スイレン「一発殴ってもいい?」

ミスティ「え、なんでですか……?」

スイレン「お願い。一発でいいから」

ミスティ「ダ、ダメですよ……」
102 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 22:42:25 ID:avdcxK82 [16/19] 報告
ブロック「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

グラジオ「突然叫ぶな……」

ブロック「何故こんなに可愛い子が居るのに、教えてくれなかったんだ!!」


ブロックはスイレンとマオを指差す。


ブロック「リーリエちゃん以外にも、可愛い子が居るなんて聞いてないぞ!!」

スイレン「か、可愛い子……///」

マオ「そんなこと急に言われると、恥ずかしいわね……///」

ブロック「なんて可憐で美しいお嬢さん方なんだ。是非とも、一緒に別世界を旅行に……」

ミスティ「カイオーガ“れいとうビーム”」


カイオーガの“れいとうビーム”が、ブロックの背中を狙い撃つ。


ブロック「うわっ、ちょっ!! 冷たい冷たい!! カイオーガはやめて!!」

リーリエ「冷水を浴びてるような反応ですね……」

サトシ「なんか妙な懐かしさある会話だな」
103 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 22:51:18 ID:avdcxK82 [17/19] 報告
アッシュ「サトシ」

サトシ「ん?」

アッシュ「関係ないかもしれないが、一応忠告だけしとく。クラゲには気をつけろよ」

サトシ「クラゲ?」

アッシュ「あぁ。メノクラゲやドククラゲとは違う。今まで見たことないポケモンだ。そいつが不思議なゲートを開き、ネクロズマをこの世界に連れて行ったんだ」

ネクロズマ「あ〜、あの白いやつか。あん時は世話になったな」

サトシ「見たことないポケモンか。なんかすっげぇ見たくなってきた!!」

アッシュ「言い表すなら、そうだな……。あのリーリエってやつみたいな」

サトシ「リーリエ……?」

グラジオ「おいお前、そのポケモンをどこで!?」

アッシュ「俺達が居た世界だよ。すぐ消えちまったけどな」

グラジオ「……っ!!」


グラジオは下を向き震えだす。その表情は、何かに恐怖しているようにも見えた。


サトシ「……グラジオ?」

グラジオ「なんでもない……。大丈夫だ………」


とは言っているものの、グラジオは目を見開き呼吸も荒くなっている。
104 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 23:04:25 ID:avdcxK82 [18/19] 報告
アッシュ「ま、俺らはもう行くわ。あんまり長居して、取引相手待たせるのも悪いしな」

サトシ「そっか」


エデンのメンバーは、サトシ達に背を向けて歩いていく。


サトシ「アッシュ、またバトルしような!!」

アッシュ「あぁ。今度は負けねぇからな」

アッシュ(次戦う時は、絶対に負けない。きっと次は彼奴が居るから。そうだろ? ピカチュウ)

ククイ「さて、俺達も行くか」


サトシ達はエデンの見送りを済ませ、ククイの後に続く。


マーマネ「そう言えば、どうやって帰るの?」

ユウジ「私の携帯から学校に電話した。もうじき、ナリヤという人が迎えに来るだろう」

サトシ「にしても見てみたいな。リーリエみたいなポケモン」

リーリエ「わ、私ですか……?」

サトシ「クラゲだってさ」

リーリエ「ク、クラゲ……」







???「ジュルルップ」

ー完ー
105 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/20 23:05:09 ID:avdcxK82 [19/19] 報告
これにて完結です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、おやすみなさい。
106 : コザル@オーロラチケット 17/10/21 06:59:54 ID:6xDzSOFo 報告
乙!
107 : ズクモ@GBプレイヤー 17/10/21 10:29:01 ID:amYNvG5k 報告
ここのオリキャラの名前って全員あれだよね…

アッシュ→サトシ
ブロック→タケシ
ミスティ→カスミ
イリス→アイリス
キアベ→カキ
108 : 彦◆kDdT4vyqmg 17/10/21 15:45:42 ID:JzWRVr9c [s] 報告
>>107
その通りです。
名前だけの登場ですが、他にもサトシの仲間の英語名が出ているので、よかったら探してみてください。