【旅SS】女「ポケモン達とぶらり旅」


1 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 19:50:23 ID:WB.XOoew [1/15] 名前× NGID× 報告
『さぁてスタートラインにならぶはそうそうたる面々。皆様レースへの意気込みがうかがい知れるというものです』
 
 
 
女(初めて参加する私にもわかる。ここにいる人たちの覚悟は、生半可なものじゃない)
 
女(でも、私がそれに負けているか、と聞かれれば、違うと言える)
 
女(そうだ、この日のためにリサーチを重ねたのだから)
 
女(選手達のコンディション、例年の記録、あらゆる場面での立ち回り。果ては日常のなかのささいなクセまでをも調べあげた)
 
女(すこしたりとも研究を怠るようなマネはしなかった)
 
 
 
『今年は例年よりも参加人数が多く、白熱の戦いが予想されます!』

 

女(ライバルがいくら多かろうと関係ない。私は私の持てる限りを尽くし、この戦いに勝利する)
 
 
 
『みなさんお待ちかね、ポケモン水上レースは間もなくスタートですよー!』

『栄えあるアルトマーレグラスの優勝メダルは誰の手に?』

 
 
女(優勝賞品がなにかなんてことはどうだっていい。私の目的はそんなところにあるのではないのだから)
 
女(メダルやトロフィー、杯よりも重要なものが、このレースの果てにはある) 
 
 
 
 
ネイティ「ポゥ」

ネイティ「ポゥ」
 
ネイティ「ポゥ」
 
ネイティ「ポゥ」
 
ネイティ「ヨォー!」
 


───水しぶきを上げ、水上レース参加者たちが飛び出していく。
 
 

こわもての男「始まったな」

こわもての男「アルトマーレ、ポケモン水上レースが!」

11 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:02:54 ID:WB.XOoew [2/15] 名前× NGID× 報告
学芸員「うーん……それは、ね」

学芸員「……それはきっと、僕自身がよみがえり≠ノ抵抗があるからなんだ」
 
女「抵抗が」
 
学芸員「死者がよみがえるというのは、うん。すごい技術だと思う。もし現実のものになったら、救われる人もきっといるだろうね」
 
学芸員「でも、僕はどうしても思ってしまうんだ。死んだ人を蘇生するのは、その人の生をおとしめてしまうこともあるんじゃないかって」
 
女「……なぜ?」
 
学芸員「死力を尽くす、とか、必死って言葉があるだろう。人はすべからく死ぬものであるから、ああいう言葉には、相応の重さがあるんだ」
 
学芸員「人はいずれ死ぬものだから、替えの利かない人生を懸命に生き抜く」
 
女「……そうですね」
 
学芸員「死力を尽くして、必死にがんばって、そうして死んでいった人を生き返らせたら、その努力は無意味になってしまわないだろうか?」
 
学芸員「死ぬから頑張ったのに、生きているうちが花だから咲くことに全力を尽くしたのに。その尽力はただの徒労になってしまうのでは、みたいな」
 
学芸員「……ちがうな」
 
女「ちがうっぽいですね」
 
学芸員「うん。考えてたニュアンスと違ってしまった」
 
女「でも、なんとなくおっしゃりたいことはわかりました」
 
学芸員「そっか、なら……いいかな」
 
学芸員(こんな考え、誰にも言ったことないのに……なんで説明しようと思ったんだろう)ムム
 
女「救われる≠ゥ」
 
 
 
───たとえば、とある洞窟で出会った老人。
 
そのとき、病気でもう長くないと言っていた。
 
もう1年以上も前のことだ。
 
今どうなっているかなど、考えるまでもないだろう。
 
しかし彼はあれで、人生に憂いはないように見えた。
 
幸せであったと胸を張って終えた人生。
 
生き返ってしまったら、まるでとんだ茶番ではないか。
 
周囲の人々だって困惑するだろう。

あの人が生き返るのはたしかに、むしろ救いがないように思える。
 
ならば、彼女≠ヘ?
 
閉ざされた世界から出たい、と願いながら、無意味に死んだあの娘は?
12 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:04:40 ID:WB.XOoew [3/15] 名前× NGID× 報告
もう1度だけチャンスが与えられたなら、きっと救われるのではないだろうか。
 
お父さんと一緒に、台無しになった人生をやり直すことができるのでは?
 


女(……そうか)
 
女(たくさん救われる人がいる、じゃない)
 
女(私は、あの子が救われるのに≠チて思ったんだ)
 
学芸員(……ああ、この目だ)
 
学芸員(この目は悲痛さに満ちている)
 
学芸員(人類の技術の発展。未来への展望に満ちた視点の言葉であったはずなのに)
 
学芸員(それを口にしたこの子にこそ、生き返ってほしいと焦がれる誰か≠ェいるんだ)
 
学芸員(僕はこの目を見てしまったから……)
 
学芸員「」
 
女「」
 
女「……それじゃあ、お兄さんは化石の復元には反対的なんですか?」
 
学芸員「あ、いや……」
 
学芸員「復元したポケモンの命にはこの星の太古の情報が眠っている」
 
学芸員「彼らの生きている姿を通して、僕たちは当時の世界を垣間見ることができる」
 
学芸員「化石ポケモンの復元に、僕はロマンを感じているよ」
 
女「そう……ですか」
 
学芸員「……展示の更新あるんだけど見る?」
 
女「ぜひ」



女「脱字の修正、新たに発見された記録と寄贈された絵画の追加」

女「昔話で怪物≠ニ称されていたものの正体についての知見、か」
 
女「これは……ほう」

学芸員(僕が思うのもアレだけど、この子、なかなか物好きだな)
 
女「そういえば、この街で守り神とされているポケモンについてなんですけど」
 
学芸員「ああ。ラティアスとラティオスだね」
 
女「実際として、いるんでしょうか」
 
学芸員「ストレートだね」
13 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:05:56 ID:WB.XOoew [4/15] 名前× NGID× 報告
学芸員「まぁぶっちゃけいるよね。ポケモンリーグの試合でつれてる選手とかいるし」
 
学芸員「ただ、僕は生で見たことないな」
 
女「……へぇ」
 
学芸員「え、そこでなんでしらけた顔になるのさ」
 
女「アルトマーレだったらバンバン見られるのかなぁ、みたいにちょっと期待してたので」
 
女「少しがっかりしました」シュン
 
学芸員「そ、そりゃあ、見られないこともないよ? ウワサなんかはけっこうあるからね」
 
女「ウワサ」
 
学芸員「子どもと遊んでいるところを見た、とか、おやつをもらいにきた、とか、家のベランダでくつろいでいた、とか可愛いもんだよ」
 
学芸員「まぁ、ここ最近だといきなりバトルをけしかけてきた、とか、低空飛行で人をおどかした、なんて話もあるけどね」
 
女「それは、ちょっと危ないというか……」
 
学芸員「すこぶる危ない話だとは思うよ」
 
学芸員「でも、守り神の彼らがそんなことするわけないさ。所詮うわさだよ」
 
女(うわさ、か)
 
学芸員「……おっと。それじゃ、僕はこれで」
 
学芸員「ゆっくりしていってね」テクテク
 
女「ありがとうございました」ペコリ

 
 
女「……なかなかお目にはかかれない、にしても」

女「この絵を描いた人は、きっと会っているんだろうな」
 

 
───絵画には、ブランコに乗った少年と一緒に遊ぶラティアスの姿が描かれている。
 
アルトマーレ出身アーティストからの寄贈品だそうだ。
 

 
女(生き生きしてる)









14 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:08:11 ID:WB.XOoew [5/15] 名前× NGID× 報告
女「……でっか」
 

 
───博物館の聖堂にあるモニュメント。
 
数年前に補強工事が行われたらしく、数ヶ所にわたって固定具がはめられている。
 

 
『はるか昔、守り神からの智慧を授けられた先祖が建造したものといわれている。アルトマーレの防衛機構の要であったとされるが、動力源や用途は謎に包まれている。水路の閉鎖が主用途であるとした説もあるが、もっぱらのところ、皇族が祀っていたもので実際に使用されたわけではないという説が主流』
 
女「要するに、かざり?」
 
女(その割にはメカメカしいなぁ……)
 

 
───一度いぶかしむとどこまでも怪しく見えてくるもので、固定具なんかも「拘束具なのでは?」なんて思ってしまったりするんだから、思い込みというのはおそろしい。
 
組まれている足場も、カモフラージュなんじゃないの?とか。
 
 
 
女(考えすぎだよね)
 

 
───ジェラート食べて帰った。
 
どこに帰ったのかって?
 

 
女「ここだ」
 

 
───ペリッパーのクチバシ≠ニある。
 
アルトマーレ滞在中は、この宿に泊まる予定だった。



女「すみません」
 
女性「はぁーい」トテトテ
 
女性「いらっしゃいませぇ、本日は如何用でしょうか?」
 
女「宿泊の予約をしていた※※※※※です。確認おねがいします」
 
女性「チェックインですね、少々お待ちくださぁい」トテトテ
 
女「……お客さんはそこそこいそうな感じかな」クルッ
15 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:09:32 ID:WB.XOoew [6/15] 名前× NGID× 報告
デスカーン「」ぬっ

女「おあはっ!?」ビックゥ
 
デスカーン「で、すかん……?」
 
女「デスカーン……棺桶ポケモン、立派な棺桶のふりをして墓泥棒をこらしめる……純金でおおわれた体……ほんとだ」ドギマギ
 
?「すごいな……それ、ポケモン図鑑の説明文だよね。全部おぼえてるのかい?」
 
??「でも初めて見たような顔してるわ」
 
女「」ギョッ
 
女「…………………………………トレーナーの方ですか?」
 
?「ごめんね、ビックリさせてしまったみたいで。デスカーンも悪気はないはずなんだ」
 
女「あ……いえ、それは別にいいんですけど……」
 
サーナイト「ない、さーっないと」ムッ
 
デスカーン「ですかー、ですかー……」オロオロ
 
女(いつの間にか居たサーナイトにめっちゃにらまれている……)

??「この子、デスカーン君にぞっこんなの」
 
??「君が怖がったのを怒ってるみたいだわ。ごめんなさいね」

女(そうか。タマゴグループ同じだっけ……たしか、ふていけい)
 
女(それにしても珍しいカップルだよなぁ。ポケモンも、トレーナーも)
 
 

───おくさんは息をのむほどの美人だ。
 
その見目麗しさたるや、見た瞬間、同性なのにもかかわらずどきりとしたほどだ。
 
一方のだんなさんはというと、彼には逆の意味でどきりとした。

狡猾そうで鋭い顔立ちからの印象は近寄りがたい雰囲気しかないが、口を開いてみれば肩すかし。
 
穏和な物腰で優しげな口調である。なんだこれ。こんなギャップ人間いるんだすげー。
 
失礼ながらそんなことを思ってしまった。
 

 
女「……新婚旅行ですか?」
 
おくさん「やだ。わかる?わかっちゃう?」デレッ
 
女(雰囲気がなー……)



───サーナイトからデスカーンに向いているものとまったく同じだ。
16 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:10:55 ID:WB.XOoew [7/15] 名前× NGID× 報告
おくさん「おさななじみなんだけどね……もうこうなるまでが長かったんだからこの人ったらこの顔してゆーじゅーふだんだからさーそのくせ態度でわかるんだけどちゃんと言いたいとかいってでもなかなか言ってくれないからやきもきさせられるんだけどでもちゃんと最後はキメるから好き」
 
だんなさん「さーちゃんやめて」カァーッ
 
女「ゴチソーサマデース」
 
おねえさん「お客様ぁ、お待たせいたしましたぁ。客室までご案内しますねぇ」
 
おくさん「あら。じゃあまたね、君」ツヤツヤ
 
だんなさん「つきあわせてごめんね……」
 
女「はい、また」テクテク
 
女(……あれ≠ニまた、かぁ)
 
 
 
───この宿は夕飯の時間、宿泊客が同じ場所に集まり同じものを食べる、というシステムになっていた。

給食のようなもの、と考えればわかりやすいか。
 
 
 
女(ピンと来ない)
 
 

───何にせよ、さっきの夫婦とはいずれまた顔をあわせることが確定しているのだった。
 
しかして、夕飯の時間。
 
食堂に降りた彼女が最初に遭遇したのは、別の宿泊客だった。



?「うち、バイトさんが先に出てくる方にチイラのみ」
 
??「お前ほんと懲りないな、水上レースのトトカルチョで惨敗したんだろ、この賭けぐるい」
 
??「……それじゃ、わたしは宿屋さんな。夕飯のおかず1品」
 
女(鮫)
 
女(アダルトな雰囲気醸し出すこのおねえさん達は、片やギャンブラー)
 
女(片や水上レース参加者のようです)
 
ギャンブラー「ほんとだったらもっと金あったんだぞ」
 
ギャンブラー「それを、はぁ……」ズゥゥゥン
 
セーラー服「わたしだってあぁ……アルトマーレグラスのメダル……」ズゥゥゥン

女(セーラー服の方は船乗りさんなんだろうか。着なれた様子で本職っぽい)
 
女(もう一人はなんというかこう、いかにも賭け事に身を崩してる感じ)
 
女(2人とも、ちょっと見ただけでリザルトがうかがえる後ろ姿)
17 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:12:56 ID:WB.XOoew [8/15] 名前× NGID× 報告
女(そしてこちらのスマホいじりをしている方は)チラリ
 
おとなりさん「……」ポチポチ
 
女(私の隣室に泊まっている男性)
 
女(チェックインから部屋を出るまでずっと、壁越しになにかの作業音が聞こえていた)

女(寝癖をまったく直さずにいるあたり、没頭して取り組んでいるんだろうけど)
 
女(何してるんだろう)
 
おとなりさん「ん」
 
宿屋さん「みなさん、お待たせしました。夕飯ができましたよ」
 
おねえさん「肉団子いっぱいですよぉー」ニハー
 
ギャンブラー「チッ」スッ
 
セーラー服「どーも♪」
 
女「」
 
女(てか、宿のスタッフさんはあの2人しかいないんだ……)
 
女(なら、お食事の仕組みがこうなのも当然か)
 
だんなさん「すみません、もう始まってますか?」ヌッ
 
宿屋さん「いいえ、これからです」ニッコリ
 
おくさん「あ」
 
おくさん「やっほー」フリフリ
 
女「」ペコリ
 
おねえさん「お客様がたー、ポケモンちゃんのごはんもありますからぁ、そちらのテラスに出してあげてくださぁい」
 
レパルダス「なぁん」
 
ビリリダマ「ジジジジ」



おくさん「サーナイト、デスカーン君つれてってあげて」
 
サーナイト「さぁ。さななないと」スイー
 
デスカーン「ですかん」



おとなりさん「いってきな」ポン
 
エレキブル「ぶっしゅるる」ノッシノッシ
18 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:13:51 ID:WB.XOoew [9/15] 名前× NGID× 報告
ギャンブラー「出てこーい」ポポン
 
セーラー服「あらよっと」ブンッ
 
ニャース「みやあ」トテトテ
 
サイドン「シャアッイドン!」ノッシノッシ
 
サメハダー「シャッダァ!」ザプン
 

 
女「ほいっ、と」ポポポポポン
 
コータス「こぉ……」
 
ムクホーク「ぴぃーっ!」スイーッ
 
ドリュウズ「りゅうず!」
 
オノノクス「ふしゅう」ノビノビ
 
シザリガー「………じゃきっ」

 
女「」タッタッ
 
女「出ておいで」ポン
 
ラプラス「ぷらぁ♪」チャプン
 
女「相席だけど、なかよくね」
 
サメハダー「サッシャァ」
 
シザリガー「……おれは?」
 
女(君は歩けるでしょうが)ジトッ

「「「「「「「おぉー」」」」」」」
 
おくさん「あなた、大所帯なのね」ビックリ
 
女「え?」

だんなさん「すごいな……僕達はあんまりたくさん持てない方だったからうらやましいよ」
 
おくさん「1匹ずつでせいいっぱいだったものね」

女「ふたりとも旅をしていたんですか?」

だんなさん「うん、10歳になってから4年くらいかな」

おくさん「こう見えて、ジムバッジもけっこう集めたんだから」フフン
 
だんなさん「でも、結局リーグには1度も参加できなかったんだけどね」ハハハ
 
女「そうだったんですか……」
 
ギャンブラー「おっほ、オノノクスなんて初めて見た」ペタペタ
19 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:15:17 ID:WB.XOoew [10/15] 名前× NGID× 報告
オノノクス「??」
 
女「おわっ」
 
セーラー服「ごめん、あいつはバカなんだ。治らない方の」
 
女「えっ」
 
セーラー服「しかし君、いいトレーナーなんだな。みんなよく育てられてる」
 
女「ありがとうございます」ハニカミ
 
女「自慢の仲間なんです」
 
宿屋さん「みなさーん。座って座ってー!」
 
 

───にぎやかな夕食。
 
この日、※※※※※が一緒に食卓を囲んだ人数は、人生最多となった。
20 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:15:50 ID:WB.XOoew [11/15] 名前× NGID× 報告



2日目に続く。
21 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:20:30 ID:WB.XOoew [12/15] 名前× NGID× 報告
「やっと見つけた」
 
男「?」
 
男「」クルックルリ
 
「こっちこっち」
 
男「????」
 
コータス「僕みたいなやつ知らない?」
 
男「えっ……しゃべってる?」
 
コータス「ねぇ。僕みたいなやつ知らない?」
 
男「え、えぇっ? お前みたいなやつ? ポケモン?」
 
コータス「あぁー、そうそれ。ポケモン」
 
コータス「僕みたいなやつ、いるんでしょ?」
 
男「し、知らないよ……」
 
コータス「あ、そう」ノソリノソリ
 
男「???????????」ボーゼン
 

 
コータス「ねぇねぇ」
 
トレーナー「!?」
 
コータス「僕みたいなポケモン知らない?」
 
トレーナー「しゃべってる……」
 
コータス「知らないの?」
 
トレーナー「し、知らねぇ。初めて見たな……」
 
コータス「あ、そう」ノソリノソリ
 
トレーナー(って、しゃべるポケモンとか、レアなんじゃないのか!?)
 
トレーナー「」キュル、キュルッ
 
トレーナー「行けっ!」
 
シャワーズ「しゃあわ!」ポンッ
 
トレーナー「ゲットするぞ! バブルこうせん!」
 
シャワーズ「しゃ、わぁーっ!!」ポポポポッ
 
コータス「おぶっ」 ベベベベベ
 
トレーナー「やっぱりほのおタイプか! いいぞシャワーズ!」
22 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:21:58 ID:WB.XOoew [13/15] 名前× NGID× 報告
コータス「こぉ」ボォ
 
コータス「───ぉあ」ボオオオオオオオ!!
 
トレーナー「あちちちっ!」
 
トレーナー「かえんほうしゃか!」
 
トレーナー「だけどこっちはみずタイプ! そんな攻撃効くもんか!」
 
コータス「」ボオオオオオオオ
 
トレーナー「」
 
コータス「」ボオオオオオオオ!!
 
 
 
 
 
 
トレーナー「───長くない?」
 
コータス「」ボフッ
 
コータス「……ふぅ」ノソリノソリ
 
シャワーズ「」死ーん
 
トレーナー「シャワーズ!!」
 
 
 
コータス「ねぇ」
 
少女「はひゃっ?!」
 
少女「」ク ル
 
コータス「僕みたいなポケモン、知らない?」
 
少女「ポケモン、が……しゃべった……?????」
 
コータス「知らないのぉ?」
 
少女「えっ。えっと、あ。見たことある」
 
少女「西の方に廃坑があるんだけど、たしかそこにいっぱいいた、かも」
 
コータス「西ってどっち?」
 
少女「え、えぇっ? 西って言ったらそのぅ……ええっと……」
 

 
「見つけたぞ!!」
 
少女「えぇ!?」ビクッ
23 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:23:06 ID:WB.XOoew [14/15] 名前× NGID× 報告
コータス「」クルリ
 
トレーナー「みんな、あいつだ!」
 
トレーナー「あいつが俺のシャワーズを!!」
 
「あれがしゃべるポケモンか!」
 
「俺がゲットしてやる」
 
「わたしのドククラゲで!」
 
「いけっ、ゴローン!!」
 
少女「な、なになになに!?」オドオド
 
トレーナー「おい、お前も見てないで手、かせよ!」
 
トレーナー「しゃべるポケモンなんて、なかなか手に入んないぞ!!」
 
少女「えぇ!?」
 
コータス「……」スッ
 
コータス「ふんっ!」ズドンッ!!
 
トレーナー「うおっ?」グラッ
 
「すげェパワー!ありゃ絶対強いぞ!」
 
コータス「〜…っ」ミシッ
 
コータス「もう、すこし……」バコンッ
 

ばきっ。
 
 
めきめきめきめきっ、みしみしっ、ごりっ!!
 
 
 
トレーナー「地面が、割れて……」
 
「うわぁあ!!ゴローーーン!!」
 
「うわっ、ああああ落ちるぅっ!!」
 
「いやぁぁああああ!!」ヒュウウウ
 
 
 
少女「」ガタガタガタガタ
 
コータス「で、西ってどっち?」
24 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/13 20:23:46 ID:WB.XOoew [15/15] 名前× NGID× 報告
少女「あっち!」
 
少女「ひっ……」ダッ
 
 



 
コータス「あっちか」
 
コータス「……しゃべんない方がいいのかなぁ」ノソリノソリ
25 : ニラン@たんけんセット 17/10/13 23:58:10 ID:VGGzmKBo 名前× NGID× 報告
待っていた
支援
26 : テラ@ダークストーン 17/10/14 00:30:48 ID:jSWQHS2E [s] 名前× NGID× m 報告
しえん(,,°^°,, * )です
27 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:32:04 ID:SnXzOk3Y [1/23] 名前× NGID× 報告
女(あ、またこの夢だ)


 
───目がくらむほどの真っ白な世界。
 
光の差す方に向かって、彼女は歩いている。
 
足取りはしっかりとしていて、不安はあるが迷いはない。
 
しかし、ただひとつ確信しているのがこれだけ眩しい光に向かって歩いている自分の後ろには、取り返しのつかないほどに真っ黒の影が延びているんだろうな≠ニいうことだった。
 
取り返しのつかないほどに、という言い回しを選んでいる自分にイマイチ釈然としないのだが、そうとしか思えないのがうっすらと怖かった。
 
それでも歩を進めることに抵抗はなく、彼女は歩き続けた。
 
そんな恐怖すらも、胸に宿った希望に比べたらかすんでしまうようなものだったからだ。
 
この胸の奥で、炎のようにたぎる希望に比べれば。
 
 

女「」パチクリ
 
コータス「おはよー」

女「……おはよう」

コータス「最近、目覚めがいいねぇ」
 
女「うん、なんでだろうね」
 
コータス「手がかからなくなるのは助かるけどね。僕、手ぇないしさぁ」

 
 
───のそり、と顔を洗うために起き上がった。
 

 
 
寝癖を探して白髪を見つけて、げんなりとしてため息が出た。
 
よく見ると、全体的に髪の根元が色落ちしているように見える。
 
そろそろ染め直さなくては。
 
この状態だと、頭頂部が薄毛に見えることがあるのだ。
 
つくづく自分の髪が嫌になる。
 
と、鏡越しにそれとなくこちらを見ていたコータスに気付いた。
 
どことなく心配そうにしているように見えて、それが気にかかった彼女は、思わず訊いてしまっていた。
 
タイミングというのもあったのかもしれない。



女「……コータスって、いつからそんなだっけ」
28 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:34:16 ID:SnXzOk3Y [2/23] 名前× NGID× 報告
コータス「はい?」
 
女「なんかさ……」
 
女「前は面倒見がいいってだけだったけど……今は、もう少し優しくなった気がする」
 
コータス「なにか違うの?それ」
 
女「……わからない」
 
コータス「はぁ?」
 
女「前の方が、コータスはよくわからない子だったから」

女「でも、実際は違うのかも」 
 
女「あなたのことを理解できなかった私が、最近はいくらかわかるようになった……ってだけの話なのかも」
 
コータス「……なんでもいいけどさぁ」
 
コータス「寝る前に開店時間ちょうどに駆け込むぞ≠チてはしゃいでたのは君じゃなかった?」
 
女「そうだったっ!」アタフタ
 
 

───アルトマーレの一角にある宝石屋。

 
 
女「こんにちは!」
 
店主「おや、昨日の」
 
女「はい。あれ≠ワだ残ってますか?」
 
店主「残ってるもなにも……仕入れてからかれこれ5年になるからねぇ」
 
店主「昨日今日で唐突に売れやしないさ」テクテク
 
店主「」ガラ、コトッ
 
女「」ホッ
 
店主「しかし、お金は……」
 
女「用意しました」スッ
 
店主「おお。これは……、ではお預かりします」
 
店主「ひぃ、ふぅ、み、よ……」パチパチ

女「」ドキドキ
 
店主「確かに。しかしおじょうさん、君みたいな子どもには大金だったろうに。」

店主「どうやって用意したんだい」
 
女「それはその……1発当てた、とだけ」
29 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:35:44 ID:SnXzOk3Y [3/23] 名前× NGID× 報告
店主「ふむ」チラリ
 
女「」ニガワライ
 
店主「……かしこまりました」 スッ
 
店主「はい、どうぞ」
 
女「ありがとうございます」
 
店主「チャレンジ精神はいいが……未成年なのだからね、ほどほどに」
 
女「!」ギョッ
 
店主「大きなお世話だろうがね」ニガワライ
 
女「……ありがとうございます。大事にします」ペコリ
 

 
───キーストーンを手に入れた。
 
 
 

 
 
コータス「買えてよかったね」
 
女「うん」
 
コータス「でもさぁ、僕らのメンツにメガシンカするのっていないんでしょ?」
 
コータス「極力荷物を減らすタイプの君が、そんなもの買うなんて、珍しいこともあるもんだねぇ」
 
女「ん、それは……」
 

 
───たしかに、必要品であっても可能な限りパソコンに預けているほど、自分は手荷物を厳選するタイプだ。
 
土産物屋に寄っても、消えものしか買わないようにしているくらいである。
 
しかし、今回は違った。
 
なんとなく引かれるようなものを感じて入ってみた店───しかも、ふだんだったら絶対見向きもしない宝石屋───そのかたすみにちょこんと置いてあったそれを見た瞬間。
 
鳥肌が立った。
 
そこまでの巡り合わせに、運命的≠ニしか言いようのないものを感じたからだ。
 
店主に話を聞いて、それが確信に変わった。
 
これは、私を待っていた





30 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:38:42 ID:SnXzOk3Y [4/23] 名前× NGID× 報告
店主『5年前に仕入れたんだけれど、全然買い手がつかなくてね』

店主『この石を持ってきた人は価値をわかっていたようだったが……』
 
店主『わたしも実際の用途は最近知ったんだがね、ほら、話題になってただろう』
 
店主『知っている人もたびたび来たのだが……結局ね。この通りさ』
 
店主『宝石としての価値はない、にしても、買い取ってしまった以上捨てるわけにもいかなかったから』
 
店主『来月までこのままだったら、博物館にでも寄贈しようかと思っていたところさ』

 

女「運命を感じた」
 
コータス「その運命に、君のお財布事情は噛んでなかったみたいだけどねぇ」クククッ
 
女「い、いいんだよ、結果オーライでしょこういうのはっ」アセッ
 
女「それに、いつか見つかるかもしれないよ? コータスナイト、とか。ムクホークナイト、とか。メガシンカするポケモンとか仲間になるかも」
 
コータス「……いつか≠ヒぇ」
 
コータス「君の口から、そんな言葉が出てくるようになるとは思わなかったよ」ボソッ
 
女「……クリップが付いてるのがグッド」イソイソ
 
女「ポーチの内ポケにでも付けとこう」ホクホク
 
 
 
───旅立つときにもらったウエストポーチ。
 
かさばらず、それでいて物のおさまりがいい。
 
とても重宝している。
 
 
 
女「ってあれ? 何か言った?」
 
コータス「今日のお昼はどうするの?≠チて」
 
女「どうしよっか」



───昨日と同じ店に来た。
 
 
 
女「王道のカルボナーラをいただく」パク

女「嗚呼、なんて美味しいのかしら!」
 
女「これに比べたらレトルトのカルボナーラなんて……なんであんなドゥルドゥルなんだろ」
 
女「麺も嗚呼……嗚呼……いちいちおいしいっ」
31 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:40:13 ID:SnXzOk3Y [5/23] 名前× NGID× 報告
コータス(あー嗚呼あー嗚呼字面と音感がうっさいなー)モグモグ

女「山椒がいいアクセントになってる!ベーコンとソーセージのサイズがちょうどいい!おいしい大きさ!」
 
女「おいしいっ!///」
 
客1(……カルボナーラ食べよう)
 
客2(ボロネーゼの気分だったけどカルボナーラにしよう)
 
客3(カルボナーラ食べたくなってきた)
 
客4「(子ども舌ってのもかわいいもんだな)カルボナーラにするか」
 

 
───これには店員も半笑い。
 
 
 
女「さてさて、デザートはっと……」
 
女?「……」コトッ
 
女(さすがに軽めのにしないとな……ジェラートにしよう)
 
女?「??」
 
女「あ、見る?」
 
女「私決めたからどーぞ」
 
女?「〜!」フムフム

シザリガー「あり?」
 
ラプラス「(汗)」
 
女「」
 
女「………………」
 
女「…………ん?」

女「ん? んんん?」
 
 
 
───メニューを見たそうにしていたので、なんの気なく渡したのだが。
 
鏡にメニューを渡していたらしい、とか思ったら、そいつ≠ヘメニューを受け取って興味津々にページをめくっている。
 
顔つき、髪型から服装まで何もかも自分とまったく同じの人間が。
 
 
 
女「そっ……くり、ていうか……」

女?「〜♪」ニコニコ
32 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:42:40 ID:SnXzOk3Y [6/23] 名前× NGID× 報告
女「私だ(滝汗)」ブワッ


 
───そっくりさんにはとりあえず注文したジェラートを与えて、彼女はポケモン図鑑を開いた。
 
このそっくりさんについて調べるためである。



女(最初はメタモンが化けてるのかと思ったけど……)

女「あなた、しっかりしてそうだもんね」

女?「〜?」ニコニコ

 
 
───器用にスプーンを持ってジェラートを食べている。
 
なぜか、ついてきたスプーンは器の横においたままなのだが。

そっくりさんはいつのまにかもう一本スプーンを持っていて、それを使って食べているのだ。

  
  
女(それにメタモンだったら、もっと間の抜けた雰囲気をかもし出してる)

図鑑『へんしん≠ヘ、メタモンだけが覚えるわざではありません』

図鑑『えかきポケモンドーブルは、スケッチという技を使うことで、へんしんができるようになります』

図鑑『また、特殊な手順を踏むことによって、へんしんを覚えるポケモンはいます』
 
図鑑『未発見のポケモンのなかにへんしん≠ナきるポケモンがいる可能性もあるでしょう』

女「へぇ……」チラ

女?「〜……///」パクパク

女(『備考……へんしんを使わなくとも、特性で他の姿に化けるポケモンはいます』)

女(『ばけぎつねポケモンのゾロアークは、特性イリュージョンによって五感を狂わせ、あたかもへんしんしているかのように見せるだけでなく……』)

女(『周囲の風景なども錯覚させることが可能です』)
 
女(『遠近感を狂わせたり、平衡感覚を狂わせ、彼らは人を騙すことがあるのです』)

女(『このように、外界の情報を操作して、自分の姿を変化させるポケモンも、多数いることでしょう』)

女「やっぱり、メタモン以外にも、人間のふりができるポケモンはたくさんいるんだね」

 
 
───目の前のそっくりさんにしても、実際にスプーンを使っているのではなく、そのように見せているだけなのかもしれない。
 
人間らしさの表現として。
33 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:43:54 ID:SnXzOk3Y [7/23] 名前× NGID× 報告
女「ていうか……」
 
そっくりさん「?」ニコニコ

女(屈託のない笑顔でまじまじと見られると恥ずかしくなってくる)

女(しかも、自分の顔でだなんて)カァア
 
女「あの。私に変身するのはいいんだけど、せめて格好変えてくれないかな?」

女「ちょっと照れくさいから……」ソワソワ
 
そっくりさん「!」

そっくりさん「」コクン

そっくりさん「」クルッ

そっくりさん「」クルリ

女(周りを見回してる)

そっくりさん「」アハッ


 
───そっくりさんが見ていたのは、お向かいのブティックのショーウィンドウだった。


 
そっくりさん「」ユラッ

女「まさか」

そっくりさん「」パラパラパラパラ…

女「………ッ」


 
───間近で見ると見事なものだった。

そっくりさんが眼を閉じた直後、顔以外の箇所がミリ単位で反転するかのように変質していき、1秒と経たずに彼女は着替えを終わらせてしまったのだ。


 
女「……便利そう」


 
───そしてその格好は、ピンクのワンピースに、赤のパンプスというものになっていた。涼しげ。

ワンピースは、アクセントに白のフリルが縫い付けられており、パンプスにはかわいらしいリボンがついていた。

いつの間にか、こじゃれたイヤリングまで着けている。
 
キャスケットは気に入ったのか、かぶったままだ。

その上───
34 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:46:23 ID:SnXzOk3Y [8/23] 名前× NGID× 報告
女(コンタクト外して、髪の色抜いてる……ッ!!)クワッ

女「な、なんでそんなかっこなの!?」カァア

そっくりさん「?」クビカシゲ

そっくりさん「」ニハー

女「恥ずかしい////」



───所作がかわいい、と思いかけて全力でブレーキを踏んだ。
 
自分で自分(の艶姿)をかわいいと表現してしまうのは、あまりにも背徳的だ。
 
同時に、これはヤバイ、という一言が頭のなかで弾幕をはる勢いでリフレインしていた。
 
なにせ、目の前に現在進行形で自分の黒歴史製造に励む刺客がいるのだ。
 
どうにか、どうにかせんとくん。
 
彼女はその思いに囚われていた。
 
結果、そっくりさんがジェラートを完食するのを待ったのち、逃げるように会計を済ませて、店を出たのだった。
 
 

女「ついてくる……」
 
そっくりさん「♪〜♪」ルンルン
 

 
───フリフリな装いに身を包んだ自分が、童女のようなふるまいで歩いている。
 
すさまじい心労がそこにあった。
 
不思議なもので、店の片隅で起きていたこんな珍事を、誰も気に止めていないようだった。
 
店で、と思い返して。
 
───私に変身するのはいいんだけど、せめて格好変えてくれないかな?───
 
恥ずかしさのあまり口走った内容には瓜二つ状態から離れてくれれば、あとは好きなようにしていいから≠ニいうニュアンスを含んでいたように思う。
 
そのニュアンスを正確に把握して、抜け道を通るようにこの服装にチェンジしたのなら、だいぶしっかり(ちゃっかり?)した知能である。
 
 
 
女(なまじ要求をひとつ通してしまってるだけに、それに重ねてもっと地味な格好にして≠ニも言いづらい)
 
 

───格好を変えてから上機嫌なのも、言いづらさに拍車をかけている。

だがしかし、だがしかし。
 
ストレッサーでしかない。
35 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:48:11 ID:SnXzOk3Y [9/23] 名前× NGID× 報告
というか、ここまでどれだけこの姿をさらした?

と思い返してしまったのが運の尽き。

久しく忘れていた諦めが、泥のように覆い被さってきたような気がした。
 
いろーんなひととすれちがったよなぁ。
 
なんかもう、いまさらかなぁー。
 
 

女「……まぁいーか」ガックシ

そっくりさん「?」ドシタノ?
 
女(ポケモンに化けられる、とか、こんな経験、そうそうないだろうし)
 
女「あなた、トレーナーはいるの?」
 
そっくりさん「」ウウン
 
女「アルトマーレには詳しい?」
 
そっくりさん「♪」コクンコクン
 
女「それじゃあ、あなたの好きなところを見せてくれるかな?」
 
そっくりさん「!」オッケー
 
女(ここはひとつ、観光ガイドをやってもらうとしよう)

女(もうそれくらいやってもらっチャオ!!)ヤケクッッソ
 
 

女「」テクテク
 
そっくりさん「〜♪」テッテッ
 
女(かれこれもう1時間。きまぐれに角を曲がったり、道を乗り換えたりしながら、路地を歩いている)

女(いったい、どこにつれていこうとしてるのやら)
 
そっくりさん「」ピタッ
 
そっくりさん「!」アレアレ
 
女「どれどれ?」
 
女(……洗濯物を干してる女の人?)
 
そっくりさん「」オーイ
 
おばさん「ん………おや、おんなじ顔」ピコーン
 
おばさん「ちょっと待っててー!」
 
女「……知り合い?」
36 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:49:23 ID:SnXzOk3Y [10/23] 名前× NGID× 報告

 
そっくりさん「」ワクワク
 
おばさん「お待たせ」
 
おばさん「はい、どうぞ」
 
そっくりさん「♪〜♪」ウッヒョー
 
おばさん「おじょうちゃんも、どうぞ」
 
女「あ、ありがとうございます」ペコリ
 
おばさん「ま。どういたしまして」ニッコリ
 
おばさん「今日のお友だちはずいぶんお行儀のいい子なんだねぇ」
 
おばさん「気をつけてねぇ」チャオ〜
 
そっくりさん「」バイバーイ
 
女「……なして?」
 
 
 
かごいっぱい の マドレーヌ を てにいれた!
 
 
 
女「そしてまた散歩再開」
 
そっくりさん「」ルンルン
 
女「いったいどこに向かってうっまっ」モグッ
 
そっくりさん「」デショ?
 
女「魔性の味なのだわ……」モグモグ
 
そっくりさん「」アレアレ
 
女「ん、なに……だ、あれ……っ?」
 
コータス(どっかで見たことある)
 
女「地面に、縦一列にマスが描かれて……ときどき左右二つになってる……? 一定の法則にしたがって……ない? なに、これ?」
 
コータス(……おもしろいくらいに動揺してるからこのままほっといてみよう)
 
そっくりさん「」トウッ
 
 
ぴょんっぴょんっぱっ。ぴょんっぴょんっぱっ。
 
 
女「!」
 
女「マスがひとつのところでは片足。左右に並んでるところでは両足をつく。これを一定リズムで進行するゲーム……!!」
37 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:49:59 ID:SnXzOk3Y [11/23] 名前× NGID× 報告

 

 
───けんけんぱともいう。
38 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:51:31 ID:SnXzOk3Y [12/23] 名前× NGID× 報告
そっくりさん「〜!」オイデオイデ
 
女「…………ほっ!」ピョンッ
 
 
ぐきっ。
 
 
女「ン゙ア゙ーーーーーーっ!!!!」ジタバタ
 
コータス「弱っわぁ……」
 

 
女「ちょっと休んだら治る」
 
女「私は若いから!!」フンガーッ
 
そっくりさん「(苦笑)」
 
女「……とうっ」ピョンッ
 
女「おあっ……へぁ……ほおっ」グラグラ
 
女「ていっ」トンッ
 
コータス「そこ両足」
 
女「くっそお!」クズレオチル
 
コータス「wwwwww」ケラケラケラ
 
女「」クルッ
 
コータス「」スンッ
 
女「」ジトー……
 
女「………ふんだ」ツーン
 
女「こうなりゃとことんやってやるかんな……」
 
 
 
───めらめらぼーぼー炎が燃え上がってしまったのであった。
 
30分後。
 
 
 
女「ふん、ふんっ、はっ! とお! やっ、はっ! てい、たあ、はっ!」

コータス(武道家かこの娘は)
 
女「どうだ!!」
 
コータス「最低限できただけだからね、それ」
 
そっくりさん「(困惑)」
39 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:53:44 ID:SnXzOk3Y [13/23] 名前× NGID× 報告
コータス(※※※※※ちゃんはときたまポケモンすら困惑させる)

コータス「次はけんけんぱって言いながらやるんだよぉ」
 
女「KEN・KEN・PA……?」
 
コータス「異国の料理みたいな言い方すんな。片足のとこでけん@シ足のとこでぱ≠セからねぇ。はいがんばれぇー」
 
女「けん、けん、けん=Aアッ」

コータス「えぇー……」
 
コータス「ゲームはさておき、運動がちょっとでも絡むとてんでダメなんだから……」ボソッ
 
そっくりさん「?」
 
コータス「そりゃそうだよぉ」
 
コータス「人間って新しいことに挑むときが一番楽しいもんだからねぇ」
 
コータス「……やっぱあの子もそうなんだな」

そっくりさん「???」
 
コータス「まぁねぇ。最近、ようやくマシになってきたんだ」

コータス「だってあの子は当たり前にいるこどもなんだからさぁ」
 
コータス「何するにも無感動じゃ、気持ちわるいよ」

コータス「それに、才能皆無でも練習すりゃ少しはマシになるもんだからねぇ」
 
そっくりさん「〜?」
 
コータス「無用な面倒をいっぱい負った分、より真っ当になってくれるなら万々歳だよ」
 
そっくりさん「」フリフリ
 
コータス「……そりゃあね」
 
 
 
女「けん、けん、ぱ。けん、けん、ぱ。けん、けん、けん、ぱ。けん、ぱ、けん、ぱ、けんけんけんぱ、ぱぱけんぱけんぱけんけんけんぱ」
 
女「けんぱぱぱぱけんぱぱけんけんけんけんぱけんぱけんけんぱぱぱぱぱぱけんけんぱけんけんぱんけんけんけ」
 
コータス「長い長い長い長い」
 
そっくりさん「」クスクス
 
 

女「このゲームたのしい!」プハー

コータス(長いコースだったなぁ……)
 
女「これ、ここから発展できそうだよね……両端からスタートしてじゃんけんで負けたらスタート地点から。相手のスタート地点に踏み込んだら勝ち、とか」
 
コータス「ある」
40 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:55:09 ID:SnXzOk3Y [14/23] 名前× NGID× 報告
女「片足跳び固定で曲線型ルートの上を行くとか」

コータス「似たようなのある」
 
女「……コータスよく知ってるね」キョトン
 
コータス「ブロッケン現象だのイマジナリーフレンドだのを知ってるのにけんけんぱを知らないのはさすがにおかしい」
 
女「どんな感じのルールなの? 教えてよ」ウズウズ
 
コータス「バリバリの観光地に来て、なんでけんけんぱにハマってんのさぁ」グッタリ
 
そっくりさん「」アハハハハハ

女「腹抱えて笑ってんじゃん……ん?」
 
ハネッコ「ねっはー」
 
女「……ハネッコ?」

女の子A「おねーちゃんたち、ここで何してんの?」キョトン

女「君たち、このハネッコの?」
 
女の子A「そうだよ。で、何してんの?」
 
女「マスがひとつのところでは片足をついてけん=B左右に並んでるところでは両足をついてぱ=Bこれを一定リズムで進行するゲーム」
 
女の子B「おねえさん、けんけんぱするには老けすぎてない?」
 
女「始めるには遅すぎるなんて人生にはないんだよ。正しいより楽しいだよ」
 
女の子A「やらなかったことやってみよう。失敗も思い出≠チて?」
 
少年「人生とかけんけんぱで論じる題材じゃねえよ……なんだよ俺たちまだこどもだぜ」
 
少年「モラトリアム楽しんでる身空に、未来のにおいをただよわせないでくれよ」
 
そっくりさん「???」
 
女の子A「うわ、そっくり……あ、きのうの子か」
 
女の子B「今日のカッコすごいじゃん。なんで?」
 
女「い、いいじゃんそれは!」
 
コータス「こぉ……」
 
女「そ、それよりホラ、この子もけんけんぱ好きみたいだから!みんなでやろう!///」

女「おやつもあるよ!」
 
ガールズ「「ギブミーギブミー」」
 
男の子(装いがちがうけど顔立ちがおんなじ……あっ(察し)




41 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:56:19 ID:SnXzOk3Y [15/23] 名前× NGID× 報告
───けんけんぱをはじめ、かけっこやハネッコさかし、ゴーリおににソーナンスおに、といった初めての遊びをたくさんやった。
 
童心にかえって(おぼえている限り童心に満ちていた幼少期などないが)、外遊びに興じて、馴れない遊びにボロ負けしまくって。
 
もらいもののマドレーヌをふるまって。
 
くたくたになりながら、しかしさわやかな気持ちで子どもたちと別れた。


 
女「……つっ、かれた」トボトボ
 
そっくりさん「?」
 
女「いつも、あんな風に子どもと遊んでるの?」
 
そっくりさん「」コクン

コータス「おじさんと一緒にとびこみ遊びすることもあるって」
 
女「不穏なんだけど。そのおじさんただのダイバーなんだよね?」
 
女「普段着のままだったりしない?手すりの手前に靴そろえて脱いでたりしないよね?」

そっくりさん「」
 
女「……えっ」
 
そっくりさん「!」ピクッ
 
女「ど、どうしたの?」
 
そっくりさん「」アレアレ
 
女「どれどれ?」
 
女「……なんか飛んでったな」
 
女「そっち行ってみようか」
 
そっくりさん「」コクン
 
そっくりさん「」テッテッテ
 
女「……なぜだろう、心にすこし後味のよくないものが残るのは」

 
 
───行ってみた先には、殺風景な広場があった。人もあまりいない。

というか、ひとりとポケモン1匹しかいない。 
 
意外なことに、近くに水場は見当たらなかった。
 
 
 
女「アルトマーレにもこういうところはあるんだね」

女「あれ?」
42 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 21:59:46 ID:SnXzOk3Y [16/23] 名前× NGID× 報告
おとなりさん「」ゴソゴソ

女(となりの部屋の)
 
女(昨日夕飯の時にいたけど、あんまりしゃべらなかったんだよな……)
 
そっくりさん「」アハッ
 
そっくりさん「♪」テッテッテ
 
女「アッ」

 

おとなりさん「130度の時に3翼がちゃんと回ってないな……なんでだ? 重心殻の移動にちゃんと連動してるのは確認したのに……4翼だって対応してる……0Gプラマイ.35くらいまで遊ばせた方がいいか」ブツブツ
 
そっくりさん「???」ソワソワ
 
おとなりさん「……あれ? 君は」
 
女「こんにちは」
 
おとなりさん「えっ、そっち!?」
 
おとなりさん「あれ……宿ではひとりだったよね?」
 
女「」
 
女「妹です」

コータス「」
  
女「アルトマーレの学校で寮生活してるんで、会いに来てるんです」
 
おとなりさん「え? でも家族はいないってきのう言ってなかった?」
 
女(スマホいじいじしてる割に周りの話聞いてるタイプ)
 
女「いや、その……両親が亡くなったとき、別々に引き取られたので……」シュン

女「旅の道すがらですけど……会ってみたいな……って」フシメガチ
 
おとなりさん「! ごめんね。無神経に首をつっこんでしまった」

女「そんな。気にしないでください」
 
女「私もいまだにこんな似ているとは思わなくて……顔を見たとき少しぎょっとしたくらいです」
 
女「別に双子でもないのに……」
 
コータス(嘘を事実で和える高等テクニック……)ドンビキ

コータス(この子最近、息をはくように嘘つくときあるよなぁ。どこでそんなの覚えたんだろ)
 
女「それより、お兄さんはここで何を?」
 
おとなりさん「ああ。俺はここでドローンの調整をやってるんだよ」

おとなりさん「人もいなけりゃ水場もないし、木も植えてない。テスト飛行にはもってこいなんだ」
43 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 22:01:18 ID:SnXzOk3Y [17/23] 名前× NGID× 報告
そっくりさん「!」
 

 
───彼の前には、10センチ四方ほどの4脚4翼のドローンがあった。
 

 
女(あの子が見つけたのはこのドローンかな)
 
 
 
そっくりさん「」オホー
 
エレキブル「ぶるぁあ」
 
 
 
───ドローンをしげしげと見ている、と思ったら、いつの間にかはなれた場所にいたエレキブルにからんでいた。
 
腕に掴まってふりまわされている。
 
 
 
女(気移りが早い)
 
おとなりさん「エレキブル、やさしくな!」
 
女「これ、自作ですか?」
 
おとなりさん「そ。いちから作ってるんだ。こいつはここまで進めるのに1ヶ月くらいかかった」
 
女「これを1ヶ月……早いですね」
 
おとなりさん「お、よくわかったね。これはけっこう早くできた方なんだ」
 
おとなりさん「実はこいつの前にも作ってたんだ。そっちは合計で1年くらい使った」
 
女「それは完成したんですか?」
 
おとなりさん「うん。でも、誤操作で失くしちゃって」ヘヘヘ

女(辛い話)ガビーン
 
おとなりさん「たいあたりでやってたところも多かったから、ログも断片的にしか残してなかったんだ」

おとなりさん「いやぁ、まいったまいった」ヘラヘラ
 
女(見るからにハートが強い)
 
女「断片的なログと記憶をたよりに2号機をより早く組み上げるなんて……すごいですね」
 
おとなりさん「いやいや……こんなの全然だよ」
 
女「またまた」ニハ
 
おとなりさん「いやいや」ニマニマ
 
女(満更でもなさそうなのが好感もてる)
44 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 22:02:44 ID:SnXzOk3Y [18/23] 名前× NGID× 報告
女「……でも、アルトマーレじゃ、地形的にドローンの製作は不向きじゃありませんか?」
 
女「実際紛失してるみたいですし……なんでここでやってるんですか?」
 
おとなりさん「うっ、それを言われるとこたえる」
 
おとなりさん「……まぁ、なりゆきみたいなもんだよ。そもそも俺、ここには病気療養で来たんだ」
 
女「病気」
 
おとなりさん「仕事で適応障害になっちゃってね。休職中」
 
女「技術系なんですか?」
 
おとなりさん「いいや、営業職だよ。ただのサラリーマン」
 
女「それじゃあドローンは……」
 
おとなりさん「ただの趣味。アルトマーレに来るまではずいぶんご無沙汰だったし」

女「趣味でこのクオリティって……やっぱりすごい」
 
おとなりさん「ありがとう。でもまだまだ無駄は多いと思うし、完成にはほど遠いよ」
 
おとなりさん「まだまだかかりそうだ」ニッ

女「」
  
女「……飛ぶところを見てもいいですか?」
 
おとなりさん「はいはい。ちょっと待ってね」
 













 




45 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 22:03:45 ID:SnXzOk3Y [19/23] 名前× NGID× 報告
女(飛んでいるあいだ、脚部がプロペラ部のガードになるとか……理にかなってたなぁ)テクテク
 
そっくりさん「〜♪」スキップスキップランランラン
 
女「さすが元気だな……」
 
女「私はスキップができない」
 

 
───そっくりさんはエレキブルとじゃれたり、飛んでいくドローンを追いかけたりと、きまぐれに好き放題やっていた。
 
さすがポケモンは体力が違う。
 

 
女(あのエレキブル……常にドローンからは一定の距離をおいているみたいだった)
 
女(でんきタイプだから電磁波や静電気を気にしてのことなんだろうけど)
 
女(ボールに入ってもらわずに外に出していたのは、きっとそういうこと≠ネんだろうな)
 

 
───彼は、エレキブルを邪険に扱うようなことはしなかった。
 
ドローンに熱中しているのと負けず劣らず、あのエレキブルに愛着があるであろうことは、自然と理解できた。
 
それを考えていると、やはり。
 
 
 
女(ご無沙汰だったドローンに、わざわざ療養先で再燃した理由が気になる)
 
女(……けど、そこに突っ込むのはダメだよね)
 
女(適応障害の病気療養って言ってるくらいだし、デリケートな事情なのはわかりきってるんだから)
 
女(見境ない知的好奇心は悪徳だ)パチン
 
そっくりさん「?」ドシタノ?

女「いましめ」
 
女「そういえば、水場のあるとこに出たね」
 

 
───建物に面して川があるようなタイプの水路ではない。
 
道路沿いに川が流れている、という一般的な川≠ナある。
 

 
女「ここはゴンドラ……」チラッ
 
女「一隻だけいるね」
 
女「……あんまり観光向きな風景じゃないもんな」
46 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 22:04:55 ID:SnXzOk3Y [20/23] 名前× NGID× 報告
女「一見風情が言えたことじゃないけど、民家が見える程度じゃね……」
 
女「あと目につくものっていったら、せいぜい男の子が流され男の子が流されてる!!!」ガバッ
 
 

男の子「がぼっ……あぶ……」バチャバチャ
 
 

女「超おぼれてる!!」ガーン
 
そっくりさん「」ヨッコラセッ
 
女「ばかばかばかミイラ取りがミイラになるステイステイステイ!」ガシッ
 
女「ラプラス!」ポンッ
 
ラプラス「らぁす?」ザブン
 
女「その子の支えになってあげて!」

ラプラス「ぷらら!」スイーッ
 
男の子「あぅ…………っば」ガシッ
 
女「」ホッ
 
そっくりさん「」ホッ
 
男の子「うおぼっ」ズルッ
 
女「あっ!」
 
ラプラス「?!」
 
女(すべって甲羅に上がりそこなった。水に体力奪われて消耗してるんだ)

そっくりさん「〜?」ドウスルノ?
 
女「大丈夫考えてる!」
  
女「ラプラス!水中に潜って、下からすくいあげるかんじで!」
 
ラプラス「ぷーらら!」ザブン
 
ラプラス「」ザバァン
 
男の子「おぅっへ!ごぼっごほっがはふ……」ゴホゴホ
 
ラプラス「」ホッ
 
女「岸につけて! 落とさないようにね!」ピポパ
 
女「あっ、もしもし……はい、子どもが川でおぼれてて……はい、はい……今、手持ちのポケモンで岸まで運びました。でも、だいぶ衰弱してるみたいで……はい、はい……」
 
そっくりさん「」キョトン
47 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 22:06:14 ID:SnXzOk3Y [21/23] 名前× NGID× 報告





女「たすかったぁ〜……」グッタリ


コータス「なんで君が腰抜かしてるのさ」

女「イヤイヤイヤ、ここで助けそこなってたらもう……死んでた」
 
コータス「死にはしないでしょぉ」 
 
女「救急隊に運ばれていったし、もう私たちの出る幕はない……よね」
 
ラプラス「らぷらぁ?」
 
女「あとでおいしいのあげるね、ありがと」ナデナデ
 
そっくりさん「……」
 
そっくりさん「」ニッコリ
 
女「……もう日が暮れてきたな」ポシュン
 
女「私たち、もう帰ろうと思うんだけど、あなたはどうするの?」
 
そっくりさん「?」ドウシテ?
 
女(しかし、ほんとにボディランゲージがわかりやすいな……まるで書いてあるみたいだ)
 
女「トレーナーがいるわけじゃないんだよね」
 
女「帰るところあるの?」
 
そっくりさん「!」ナルホド
 
そっくりさん「♪」ダイジョブ
 
女「そっか」
 
女「それじゃ……」

 
 
───それにしても、いろいろなことがあった。
 
自分に化けたポケモンと一緒に遊んだり。
 
自分に化けたポケモンにジェラートをおごったり。
 
自分に化けたポケモンと散策したり。
 
化けられた羞恥心や、男の子の川流れといったアクシデントこそあれど、結果的にはトップランクで楽しい日だったかもしれない。

なんだか、このままわかれるのは惜しいな。

そう思ったが、しかし。
48 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 22:08:26 ID:SnXzOk3Y [22/23] 名前× NGID× 報告
女(この子は好き勝手にアルトマーレを巡遊して、気まぐれに人間と遊んでるだけだ)
 
女(この自由がこの子のライフサイクルなんだから、それを私が縛るのはよくない)


 
 
 
───後ろ髪を引かれる思いはあったが冷静に思考。
 
そして心をフラットにする。
 
名残惜しさは振り払った。
 
バイバイ、と言おうとした。
 

 
そっくりさん「」ニギ
 
女「おわっ」ビクッ
 
そっくりさん「」ズイッ
 
女(近い)
 
 
 



そっくりさん「」パク、パク、パク、パク、パク
 
 



 
女「……え」
 
そっくりさん「」ニッコリ

そっくりさん「〜!」ダーッ
 
女「………………」
 













女「ま、た、あ、し、た……?」
49 : ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 17/10/16 22:09:53 ID:SnXzOk3Y [23/23] 名前× NGID× 報告



3日目に続く。
50 : ツドン@ボイスチェッカー 17/10/16 22:12:57 ID:PrSvF92E 名前× NGID× 報告
かこつです。
いつもながらとても面白いです。

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(画面No:2a)

(連投制限などに引っかかった時用)