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SS

【SS】全てが消えた日

 ▼ 1 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/02/26 04:25:45 ID:9C9WQDd2 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
初めましての方は初めまして。同時進行中のスレからという方はこんにちは。
なぎすけです。

今回はカントーを中心に長編SSを書いていこうと思います。
なお、このSSでは…
・私の独自世界
・赤緑からUSUMまでの世界観を含める内容
要素が入りますので、よろしくお願いします。

失踪はしないので大丈夫です。…大丈夫です。
 ▼ 2 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/02/26 04:26:24 ID:9C9WQDd2 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
…これはボクが世界一のポケモントレーナーになってから10年経ったある日の出来事。今となっては遠い昔の出来事だけれど、忘れることのできない思い出。

ボクのそばにはいつもポケモンがいた。嬉しい時、悲しい時…悔しい時や起こった時だって…いつも彼らはボクの隣にいてくれた。でも…そんなある日のこと。

世界は…全て真っ白な空間になったんだ。
ボクと彼らだけを残して…。
 ▼ 3 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/02/26 04:57:47 ID:9C9WQDd2 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
━カントー地方・マサラタウン━
レッド「今日もいい天気だなぁ…」

グリーン「おう、レッド。じいさんみなかったか?」

レッド「あぁ、ナリユキさんね。今日は見てないなぁ…」

グリーン「またか…何も言わずに出かけるなって言ってんのに…」

レッド「でも最近はラジオの仕事で忙しいとか言ってなかったっけ?」

グリーン「はぁ…しょうがねぇなぁ、仕事手伝ってもらおうかとか思ってたんだけどよ…」

彼はボクの幼馴染のグリーン。10年前にこのカントー地方で世界一のポケモントレーナーになるために、切磋琢磨しあって競い合ったライバルだ。

今は年老いたナリユキさんの後を継いで、オーキド研究所の所長になっている。若手のカリスマポケモン博士として、度々取材が来るほどだ。

━━━━━
グリーン「よぉーッ!レッド!レッドもきたか!…はッはッ うれしいぜ!」

グリーン「ライバルのおまえがよわいとはりあいないからな!」

レッド「…グリーン…」

グリーン「おれは ずかんあつめながら かんぺきなポケモンをさがした!」

グリーン「いろんなタイプのポケモンにかちまくるような コンビネーションをさがした!」

グリーン「……そしていま!おれはポケモンリーグのちょうてんにいる!」

グリーン「レッド!このいみがわかるか?」

レッド「………」ジリッ

グリーン「…わかった!おしえてやる!」

グリーン「このおれさまが!せかいでいちばん!つよいってことなんだよ!」
━━━━━
レッド「やった…勝った…!」

グリーン「……ばかな!」ギリッ

グリーン「ほんとにおわったのか!ぜんりょくをかけたのにまけた!」

グリーン「せっかくポケモンリーグのちょうてんにたったのによう!」

グリーン「もう……!おれさまのてんかはおわりかよ!」

レッド「グリーン…」

グリーン「……そりゃ ないぜ!」

レッド「…グリーン、強くなったね」

グリーン「……」

レッド「…一緒に帰ろう、マサラタウンに」

グリーン「…ああ…」
 ▼ 4 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/02/26 05:13:07 ID:9C9WQDd2 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レッド「…グリーン、ボクたちが初めてポケモンバトルしたこと覚えてる?」

グリーン「ああ、あの時はじいさんからポケモンもらって…弱かったけどなw」

レッド「でも今は…今でも、大切な相棒じゃないか」

グリーン「……そうだな」

レッド「グリーン、この後どうするの?」

グリーン「…決まってるさ、やりたいことはただ一つ!」

グリーン「チャンピオンの座を奪い返す!もっともっと鍛えて、お前に見せつけてやる!」

レッド「…待ってるよ!」

グリーン「ああ!」
━━━━━
グリーン「懐かしいよな、俺らがカントー2強とか言われてた時は」

レッド「うん…ワタルさんも僕らには敵わないって笑ってたっけな」

グリーン「そんなワタルさんも、今は若いトレーナーに四天王を任せてジムリーダーしてるもんな」

レッド「よかったじゃないか、トキワジムの新しいジムリーダーができて」

グリーン「…だな、そのおかげでこうしてじいさんの後を継げた。」

レッド「そうだ、今度また2人でポケモンリーグに行ってみようよ」

グリーン「バカ言え、お前がジョウトの方に任せてるっきりじゃねーか」

レッド「そう言えばそうだったね」

ピンポ-ン…

???「すいませーん、オーキドナリユキさん宛にお届けものですー」

グリーン「はーい、今いきまーす。…ごめんな、少し待っててくれ」

レッド「じゃあ家事済ませちゃうから、後でまたベル鳴らして」

グリーン「りょうかいっ」タタタッ

…事件は、この後に起きたんだ。
なんの前触れもなく、突然に。
 ▼ 5 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/02/26 05:25:23 ID:9C9WQDd2 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キィィィィン…

レッド「なんだ、この光…!!」

窓から突然光が射し出した。目が開けられないほど、つよい光が。
その光は太陽の光ではなく、少し赤色を帯びた、不気味な光だった…

光が収まり、何事かと思って目を開けてみると、まずボクは目を疑った。
頬をつねってみたり、「これは夢だ」と思ってみたりもした。
でもそんなことでは説明のつかない、現実となった恐ろしい出来事が起こっていた。

レッド「町が…ない…」

静まり返った空間、見渡す限りの無の空間。
木々や野生のポケモンはおろか、建物までが綺麗さっぱり無くなっていた。

レッド「…まさか!」

ボクの中に突如一つの不安が頭をよぎった。
グリーンは?さっきまで話していたグリーンの姿もない。

レッド「グリーン!いるなら返事をしてくれー!」

だが、その声はこだますることなく消えていく…
ポケモンたちは無事だろうか。ボクは腰に手をやった。

…ある。モンスターボールはある。
問題は中身。ポケモンがいなければ、今ボクにこの状況を打開する力なんてない。

レッド「でてこい!ピカチュウ!」ポンッ

ピカチュウ「ピッカァ!」

大丈夫だ、ポケモンは無事だ。と思った。現にボクの真正面には正真正銘、ボクのピカチュウがいるのだから。

ピカチュウ「…!?」

ボールから出てきてすぐのピカチュウは、この状況を理解できていないようだ。無理もない、今までの「日常」が一瞬にして消え去ったのだから。
 ▼ 6 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/02/27 01:13:09 ID:8Wu4Fgoo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「おや、私以外にも生存者がいたのか」

レッド「…あなたは?」

???「…驚かせて悪かったな。私はこういうものだ」

全身タイツのような怪しい格好をした男性から名刺を受け取った。
…ギンガ団団長、アカギという人らしい。

アカギ「私はシンオウ地方でとある研究をしていてね。その研究の一環としてカントーへときたわけだが…」

アカギ「ここがマサラタウン…いや、「元」マサラタウン、とでも呼ぶべきかね」

レッド「何が起こったかわかるんですか!?」

アカギ「すまんな、私にもよくわからない…ただ…」

レッド「ただ…?」

アカギ「なぜ私や君がここに残っているかはわかる」

頭がだんだん回らなくなってきた。突然の光、町の消滅、謎の人物…
非常識な出来事が次々とやってくることに、レッドは冷静でいられなくなっていた。

レッド「どうしてボクはここにいるんですか!あなたも…だってみんな…!!」

アカギ「それは…「選ばれし者」だからさ」

レッド「選ばれし…者?」

アカギ「私は研究者だ、銀河のエネルギーについての研究だ。それと君は…世界一強いトレーナー、だろ?レッドくん」

レッド「どうして…ボクの名前を…?」

アカギ「あのロケット団を壊滅させた男…そんな人物はどうであれ世界的に知られるのも無理はない」

レッド「………」

アカギ「レッドくん、君に協力してほしい…」

アカギ「この世界を…私と一緒に救ってくれ」

レッドの中ではもう、決意が固まっていた。あの時と同じ…初めてポケモンをもらったその時のように…

レッド「はい!ボクにできることなら、なんでも!」
 ▼ 7 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/03/02 02:57:45 ID:mW89H9Pg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アカギ「…では今から君には2つやってほしいことがある。」

レッド「2つ…」

アカギ「まず1つ目は、ちゃんと手持ちのポケモンが全員いるかの確認。私は確認できたが、中にはボールが反応しない人もいるからな」

レッド「…出ておいで、みんな」ポン

リザードン「グォォォ!!」

フシギバナ「バァナァ…」

カメックス「ガッメェィ!」

カビゴン「ンビィ…」

ラプラス「ラプー!」

ピカチュウ「ピッカ!」

レッド「…うん、全員います。」

アカギ「次だ、2つ目は「カントー全域で無事な地域があるかの確認」をしてほしい。」

レッド「カントー全域…どうしてそんなことを?」

アカギ「勘違いしているかもしれないから言っておくが、私達はまだ「マサラタウンの消滅」しか確認していない。トキワシティも被害にあった可能性があるが、タマムシやシオンなど、離れた地域は無事かもしれない。」

レッド「なるほど…」

アカギ「その地域を確認できれば、最低限これからの準備をするのには必要になるからな。」

レッド「わかりました!リザードン!」

リザードン「グゥォォ!!」バサッ

アカギさんの的確な指示の甲斐もあって、カントーの東側…シオンタウン、ヤマブキシティの無事が確認できた。他の街は全滅もしくは一部消滅となっていた。

上空で見たところ、この「消滅区域」はマサラタウンを中心に広がっているようだ…しかしそれは一箇所ではなく、ハナダシティの北側…マサキさんの研究室があるあたりで小さく消滅しているなど、点々としていた。

レッド「アカギさん、2つほど無事な街を見つけました。シオンタウンとヤマブキシティです」

アカギ「ヤマブキシティは無事だったのか。あそこなら今後どのように計画を練るかも楽になるな」

レッド「あとハナダシティ北側にも小さく消滅区域がありました」

アカギ「…消滅したのは一箇所だけではない…と…」

レッド「そういえばアカギさんは空を飛べるポケモンは持っているんですか?」

アカギ「ああ、出てきてください…ドンカラス」ポンッ

ドンカラス「カァー!」

レッド「これは…」

アカギ「シンオウのポケモンだ。…まぁ時間はあるがのんびりはしていられない。早いところヤマブキシティへ行こう」

レッド「はい!」
 ▼ 8 ーゴヨン@カメックスナイト 18/03/02 05:30:28 ID:ub.mxF2o NGネーム登録 NGID登録 報告
おもしろそうです
支援
 ▼ 9 ヤップ@とんでもこやし 18/03/02 05:36:35 ID:ojYkvCo6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あんた文才あるよ 支援 ユキナリじゃなくてナリユキなのはなんでだ?
 ▼ 10 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/03/03 12:30:57 ID:Qn7rLcys NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>9
あっ、すいません、ミスです。
とりあえず作中のオーキド博士と捉えてもらえれば…
 ▼ 11 ールル@たべのこし 18/03/03 13:42:35 ID:/VrB5pzo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
面白そう 支援
 ▼ 12 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/03/07 03:09:01 ID:0/Lh/uLI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
━ヤマブキシティ━
レッド「…ここは何事もないみたいですね」

アカギ「はい、最悪の場合を想定していましたが、大丈夫でしたね」

レッド「最悪の場合?」

アカギ「…侵食です。消滅区域が広がりつつある状況下であれば、時間が経てばこの街も消滅してしまうかもしれませんからね」

レッド「そうですね……」

その時レッドの頭の中では、もう一つ疑問に思っていることがあった。

レッド「…アカギさん」

アカギ「なんでしょうか…」

レッド「…今消滅区域を確認しているのはカントー地方だけですよね?」

アカギ「そうですね、君の聞きたいことはわかりますよ」

レッド「え…?」

アカギ「「他の地方は無事なのか」ですよね?カントー元チャンピオンがそのことを気にかけないとは思いませんからね」

レッド「…その通りです。隣接しているジョウト地方や、アカギさんがいたシンオウ地方も、同じ被害にあってなければいいですが…」

アカギ「…可能性は0とは言えませんね。これが世界規模なら…また私の予想が当たってしまえば、近い将来この世は完全な消滅を迎えるでしょう。」

レッド「そんな…」

アカギ「…実はヤマブキシティに、1人知人を呼んでいます。シンオウのポケモン博士…と言えばいいのでしょうか」

シンオウのポケモン博士…数年前までナナカマドさんだったけど、病気を患って1人のポケモントレーナーが後を継いだとは前に聞いたけど…一体誰なんだろう…

?「アカギさん!お待たせしました!」タッタッタッ

アカギ「…コウキくん、よく来てくれたね」

コウキ「いえ、たまたまカントーのポケモンの研究をしていたところだったので……そちらの方は?」

レッド「あっ、はじめまして…レッドって言います!」

コウキ「レッドくんね、はじめまして!僕はコウキ。3年前からシンオウ地方でポケモンの研究をしているよ。」

思い出した…。シンオウのポケモンリーグ元チャンピオン、コウキ。3年前までチャンピオンをしながら、僕と同じくポケモン図鑑を集めるトレーナーだった。ナナカマド博士の跡を継いだ後はチャンピオンを降りたんだっけ…

アカギ「コウキくん、シロナくんとは繋がれたかね?」

コウキ「はい、シンオウ地方に消滅区域はないそうです。ただ…」

アカギ「ただ、なんでしょうか」

コウキ「…伝説のポケモンが、突如姿を消したみたいです」

レッド「伝説のポケモンが…きえた…?」
 ▼ 13 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/03/07 03:39:06 ID:0/Lh/uLI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウキ「ディアルガ、パルキア、ギラティナの3体が、シンオウのどの場所にもいないそうなんです」

レッド「あの…その3体はどういうポケモンなのですか?」

コウキ「…ディアルガは時を司り、パルキアは空間を司る…ギラティナは反転世界…この世の裏側と言われる場所の創造者と言われています」

アカギ「その3体が消えたことと、この消滅区域…何か関係性があるのですかね?」

コウキ「…今のところ、何もわかっていないです…」

レッド「アカギさん、コウキさん…1つご提案が…」

アカギ「…なんでしょうか」

レッド「僕…他の地方も無事か確認したいんです。今のところカントーでしか被害が発見されてないとはいえど、他の地方で被害がない確率は0ではないですよね?」

コウキ「そうだね、消滅区域が侵食をしていないあたり、他の地方がどうなっているか確認しておかないとね」

アカギ「私も賛成です。しかしまだ消滅区域の侵食がないとは言えません。まずはジョウト地方のコガネシティに行きましょう」

コウキ「コガネシティ?あのラジオ局がある…」

レッド「…そうか!ラジオを通して現状を配信すれば…!」

コガネシティのラジオ局から流れるラジオは、世界的に見て数多くの人が聞いている、最も大きなラジオ局だ。しかもそこには世界的に知名度の高いユキナリさんもいる。写真と一緒に事実を伝えれば…

アカギ「しかし、消滅が治ったとも言えない…事実を伝え、まず取る行動は…」

コウキ「…避難、ですね?」

アカギ「そう、間違いなく避難を呼びかけるでしょう。しかし今カントーから避難する術は無いに等しい…」

レッド「…クチバシティは消滅区域内、しかも全員空を飛べるポケモンを持っているわけじゃない…」

アカギ「ですから、コガネシティに行ってまずするべき行動は、「鉄道の復旧」です」

レッド「…たしかにコガネシティとヤマブキシティは鉄道で繋がっています。しかしそこは消滅区域を走っていました。復旧なんて数日でできるものじゃ…」

アカギ「…言え、鉄道の再開ではなく、あくまで「線路の復旧」を目指します。そうすることでカントーの人々をジョウト地方へ誘導できるでしょう…」

…確かに一理ある。鉄道自体の復旧は年内にはクリアできない。でも「線路の復旧」だけで見るとどうなるか…

レッド「滑り台の原理を利用してみませんか?」

コウキ「…なるほど!」

アカギ「それを使えば、滑るだけで避難ができる…」

消滅区域外の線路に繋がるように、滑り台を作る。距離が長い分、角度が急になるのを防ぐために氷で滑りを良くしておけば…

レッド「ではまず僕はここに残ります。ポケモンたちに協力してもらって、滑り台を作っておきます。」

コウキ「じゃあボクはカントー地方の人々をヤマブキシティに一時避難するように呼びかけてきます!」

アカギ「では私はラジオ局でオーキドさんの協力のもと、ラジオでの情報発信、ならびにコガネでの避難者受け入れの体制を整えておきます」

レッド「…じゃあ、よろしくお願いします!カントーの消滅区域外の街はこれにメモしてあります!」

コウキ「うん!じゃあ頼んだよ!」
 ▼ 14 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/03/09 02:07:54 ID:Frq3O82c NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レッド「さてと…まずは消滅区域に何か作ったらどうなるか…かな」

レッド「まずは駅に行ってみるか…ダイヤが乱れてることはわかるけど…」
─────
ヤマブキシティの駅に着いた僕は、すぐに駅員にある質問をした。

レッド「すいません、今電車って来てますか?」

駅員「すいません、もう2時間前から電車の場所が掴めてなくて…」

レッド「…ありがとうございます!」

やっぱり。この線路も消滅区域内を通っているから、線路自体が消えてしまうことだってあるんだ…
途中でビルが切れるなんてことはなかったなぁ、消えるなら一部消える範囲だった建物はそれ自体なくなっていたし…

この線路もどうなっているんだろう…

レッド「…時間がない…急ぐか」

レッド「出ておいで、ラプラス!」

ラプラス「らぷー!」

レッド「ラプラス、今からこの線路の先に道を作るんだ、手伝ってくれる?」

ラプラス「ぷー!」コクコク

 ▼ 15 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/03/14 04:06:25 ID:0seFyeSQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レッド「ラプラス、れいとうビーム!」

ラプラス「らっぷー!」ビキビキビキ…

まずは消滅区域を通る「直線」でコガネシティまでの道を作ってみた。
…その結果は、僕の想像をはるかに超える形で姿を現した。

レッド「…氷が…歪んでる…!?」

ラプラスは僕の指示通りにまっすぐに氷の橋をかけてくれた。それは目の前で僕もみていたし、ラプラスもそうした…はずだった。
ラプラス自身も今目の前に見えている現状に混乱しているようだった。

レッド「…とりあえず進んでみるしかないよ。ただ視覚の問題かもしれない」

ラプラス「ぷー…」

レッド「ラプラス、ゴー!」

ラプラス「ぷー!」

橋の原理は、氷のジェットコースターみたいなものだ。出発点であるヤマブキシティ駅からゆったりとした下り坂で滑り、速度を上げる。あとは下り坂で加速し、ゆったりとした上り坂を登る…あとはこれの繰り返しだ。

だけどいざ滑ってみると、ある問題点に気がついた。

レッド「…これ、視覚の問題じゃないんだ…それだけじゃない、消滅区域に入ってか、時間の流れが妙におかしい…」

この橋は滑る途中で外に落ちないよう、トンネル状に作っておいた。それをどのくらい走ったかわかるよう、等間隔で目印になるよう、穴を開けておいた。

しかしその穴は消滅区域に入る前と入った後では面白いほどに変わっていた。

…消滅区域内の時間の流れが、遅くなっていた…。
いや、遅く感じていたのだ。
 ▼ 16 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/03/21 01:44:55 ID:.KiF8.ZE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レッド「…でも時間が遅くなったからと言って消滅区域内のもので作られたものは上書き消滅されるわけではない…」

ラプラス「らぷ?」

レッド「…まぁ、時間が遅く感じるくらい特に問題はないか。無事にコガネシティにつながったことだし、コウキさんが待ってるだろうからヤマブキシティに戻ろうか」

ラプラス「ぷー!」


1時間後、ヤマブキシティ駅舎についた僕たちが見た光景は、目を疑うほどのものだった。

コウキ「レッドくん!無事だったんだね!」

レッド「これは…どういうことですか…」

辺り一面に広がっていたのは、まごうことなく「消滅区域」そのものだった。
初めて上空でみたときは、消滅区域が進行しているようには見えなかった。

ここで、レッドの頭の中に1つの仮説が浮かび上がった。

もし「時間がゆっくり感じたのが「意図されたもの」だったら…?」
もし「時間感覚を鈍らせ、その間に何者かが「消滅区域を広げた」のだったら?」
しかしレッドの記憶の中にそれができる人物や団体、ポケモンはいなかった。
レッドが旅をしてきたのはカントーやジョウト、他にもイッシュやアローラにも言ったが、それは旅ではなく「イベントに呼ばれて」だった。
2つの地方以外のポケモンはまだあまり知らなかった。

コウキ「…ちょっと待っててね。今他の地方の知人に連絡を取るから。」

レッド「知人…?」

コウキ「彼女もまたその地方のチャンピオンを務めていた子でね…博士の娘だったんだよ」

レッド「…」

ブ-ッ ブ-ッ

?「はい、オダマキです」

コウキ「久しぶり、ハルカさん。先日の学会ぶりかな?」

ハルカ「コウキくん?ひさしぶりだねぇ!今日はどんな用事?」

?「ん?誰と話してるんだ?」

ハルカ「あっちょっ!ユウキ!」

ユウキ「もしもしー、うちのハルカがお世話になってますー」

レッド「…賑やかな方ですね…」

コウキ「彼女…ハルカさんとユウキくんは幼馴染らしくてね、5年くらい前から一緒にポケモンの研究をしているんだよ」

ユウキ「いや博士が「娘を頼んだよ」っていうから…」

ハルカ「なによー!そんなに私がいやかー!」

レッド「あ…あはは…」

 ▼ 17 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/03/29 05:44:38 ID:nZC9nntw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルカ「それでー、今日はどんな用事なの?」

コウキ「えぇ…今ボク、カントー地方にいるんですけど…ニュース見てませんね?」

ハルカ「ニュース?ちょっとまっててねー?」

電話で聞こえた雑音の後に、ニュースと思われる内容の音声が流れた。

アナウンサー「速報です、今朝カントー地方で謎の現象が起きました。」

ハルカ「え?え?これって…」

コウキ「…僕たちは今それを「消滅」と呼んでいます。原因はまだわからないですが」

ハルカ「でもこれって、テロとかそんなんじゃないよね?大規模すぎる…」

レッド「…コウキさん」

僕は思い切って、自分で建てた仮説を確かめた。

レッド「どこかの地方に、「空間」や「時間」を操ることのできるポケモンっていないですか?」

コウキ「…!!」

明らかに、コウキの表情が曇った。

コウキ「…パルキアとディアルガか…」

ハルカ「パルキア…?ディアルガ…?」

コウキ「シンオウ地方で伝説のポケモンと言われているポケモンです。パルキアは空間を操り、ディアルガは時間を操ると言われています。」

ハルカ「えっ!そんなことできるポケモンいたの?」

コウキ「…ホウエンの伝説のポケモンだって似たようなものでしょう…」

レッド「そのポケモンが消滅を起こした…とは考えられませんか?」

コウキ「…可能性は0ではない。でも今はまだ「正解」とも「不正解」とも言えない。第一にここはカントー地方、シンオウ地方とはかなり離れている。ポケモンがしたとは考えにくい…」

ユウキ「…もしも「誰かが操っている」としたら?」

ハルカ「あっ!またはいってきて!」

レッド「…コウキさん、一度アカギさんと合流して、シンオウ地方に行きませんか?」

コウキ「…そうだね、とりあえずアカギさんと合流しないと」

コウキ「ハルカさん、ユウキさん、ありがとうね」

ハルカ「いや、また何かあったら電話してねー!」

ユウキ「…無事でいろよ」

レッド「…よし、まずはコガネシティですね」

コウキ「うん…」
 ▼ 18 グレー@しゅんぱつのハネ 18/03/29 22:25:55 ID:F0TABfsw NGネーム登録 NGID登録 報告
支援



イマサラタウンだがアカギの敬語にちょっと違和感
 ▼ 19 イロス@あかいウロコ 18/03/29 22:30:10 ID:DfCuBOoY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援。頑張って完結してくれ!
 ▼ 20 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/04/05 15:23:27 ID:iNtxkkEM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>18
まぁ一応本作との時間がかなり違う設定なので…
 ▼ 21 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/04/05 15:26:29 ID:iNtxkkEM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
─1時間後─
レッド「…なんだよこれ…」

コウキ「…ここも消滅した…!?」

レッド「そんな……アカギさんは!?」

アカギ「私なら無事です。どうやら周りは消滅しても私やあなたたちは消滅することはないようですね…」

コウキ「なんでそんなことが…」

アカギ「…ますます消滅が故意と思えて来ますね…」
 ▼ 22 イリュー@ダイブボール 18/04/05 15:48:42 ID:gVTCiPoA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援です
 ▼ 23 ぎすけ◆oL6sbMsHlg 18/04/15 01:08:34 ID:EwRTlM.M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すいません、私情により更新遅れてます…
 ▼ 24 ビット@わすれもの 18/04/15 02:35:30 ID:ABKZzArk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援!




なぜだろう。アカギが敬語なだけでフラダリに脳内変換される
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