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SS

【エイプリルフールSS】ミミロル「おじさんの嘘つき講座!」

 ▼ 1 1◆v1GnTfaqxg 17/03/31 22:18:46 ID:vddW8rLA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



小さな森の片隅にて……



ミミロル「えーっ!? お父さんがカンカンに怒ってるって!?」


ヒコザル「ああ! お前のとーちゃん、顔真っ赤にしてお前の事を探してたぜ!」


ミミロル「ど、どうしようっ!! あたし、何かしたかな……」


コラッタ「よくわかんないけどさ、とりあえずおっかない顔してミミロルの事を探してたのは確かだぜ!」

 ▼ 55 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 21:03:35 ID:.D1qL3k6 [1/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

そこにホルードがやって来た。


ヒコザル「あっ! ミミロルのとーちゃん!」

ホルード「おいヒコザル!! お前また嘘をついていたんだってな!!」

ヒコザル「えっ!? な、何の話!?」


ホルード「さっきミミロルに聞いたら……ミミロルは昨日ヒコザルの家に泊まってたって言ってたぞ? てっきりミミロルが誘拐でもされたかと思ってヒヤヒヤしたじゃないか!」


ヒコザル「えっ!? ちょ、ちょっと待ってよ、ミミロルは俺の家には来てないけど……」


ホルードがヒコザルを睨みつけた……

ホルード「また嘘をつく気か?」


ヒコザル「う、嘘じゃないってば! それよりミミロルがなんだか変なんだ!」


ホルード「……変?」
 ▼ 56 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 21:12:08 ID:.D1qL3k6 [2/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ヒコザル「ミミロル、あいつ嘘なんてついた事無かったのに……さっき俺に嘘ついて逃げてったし……それに、やたらと俺の言う事を嘘って行ってくるんだ……」


ホルード「……それは本当か?」

ヒコザル「うん」

コラッタ「そう言えば……さっき会った時はおじさんがなんとかって行ってたよね」


ホルード「嘘……おじさん……?……!!」


突然ホルードは走り出した!

ヒコザル「!?」


すぐにホルードは見えなくなった……


残された二匹は唖然としていた……


ヒコザル「なんだったんだろう……」

コラッタ「さぁ……?」
 ▼ 57 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 21:17:02 ID:.D1qL3k6 [3/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


夕日が沈み、辺りが暗くなってきた頃……


あの洞穴では……



ルガルガン「そろそろ本当に帰った方が……」

ルガルガンは心配そうな顔をした……

ミミロルはそんなルガルガンの顔を見てしょげた……


ミミロル「あたし、帰りたくないよ……」

ルガルガン「なんでだよ……」


ミミロル「だって……お父さんっていっつもあたしの事、怒ってばっかりだし……きっと帰ったらまた怒られるし……」

ルガルガン「……」


ミミロル「ふぁー……なんだか今日は色々あって疲れちゃった……あたしもう寝るね」

ルガルガン「明日には帰ってくれよ、じゃ、おやすみ」
 ▼ 58 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 21:34:52 ID:.D1qL3k6 [4/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ミミロルは横になるとすぐに眠ってしまった……


ルガルガンはミミロルの寝顔を見つめた……

ミミロルは気持ちよさそうに眠っている……


ルガルガン「(……こいつは……このままじゃダメだ……このままじゃ、いつか俺みたいに……)」


その時、ルガルガンは最後からの気配に気付いた。


ルガルガン「……誰だ!」

ルガルガンが振り返ると……そこにはホルードが立っていた……

 ▼ 59 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 21:42:58 ID:.D1qL3k6 [5/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ルガルガン「!」

ホルード「やっぱりお前だったのか……」


ルガルガン「……この子はお前の?」

ホルード「そうだ、それより話がある」


ルガルガンは眠っているミミロルに目をやった……


ルガルガン「ここで話をするとミミロルが起きてしまう……外で話をしないか?」


ホルード「……わかった」


二匹は洞穴を出た……
 ▼ 60 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 21:53:07 ID:.D1qL3k6 [6/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


洞穴の外……


外はもう暗くなり始め……空には月が輝いていた……


ホルード「嘘と聞いてそんな予感はしていたが……まさか本当にお前だったとはな……しかも、こんなに近くに住んでいたとは……」

ルガルガン「別に俺がどこに住もうと勝手だろ?」


ホルード「それより……お前はまた、罪を重ねるのか? 理由は知らないが、俺の子を誘拐しようとして……」

ルガルガン「お前の子が勝手に俺の住処に居着いただけだ……って言っても、俺の言葉は信じて貰えないんだろうな……」


ホルードはルガルガンを見つめた……


ホルード「……確かに、お前の事を簡単に信じる事は出来ない……なんせ、お前は昔っから嘘ばかりつく奴だったからな……」

ルガルガン「……」



ルガルガンの頭に、いつかの記憶が蘇った……
 ▼ 61 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 21:57:15 ID:.D1qL3k6 [7/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



何年前だろうか……


あの日、俺は木に縛りつけられていた……




嘘つき! 嘘つきはこの村から出ていけぇ!!


縛りつけられたルガルガンを取り囲むポケモン達の一匹がルガルガンに石を投げつけた。


ルガルガン「うぐ!」

石はルガルガンの額に当たり、血が流れた……


 ▼ 62 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 22:02:51 ID:.D1qL3k6 [8/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ゴウカザル「村長! こんな奴さっさと処刑してくださいよ! みんなこいつの嘘に迷惑してたんだ!!」

ラッタ「そうだ! 俺達はこいつに沢山騙されたんだ!!」


村長であるコータスは顔をしかめた……


コータス「だからと言っても処刑はやり過ぎでは……」



そんな事ない!!

早くやっちまえ!!


そんな声が響く中、しばらくコータスは悩んでいたが……やがて、口を開いた。


コータス「明日結論を出す……少しだけ考える時間をくれ……」
 ▼ 63 ンファン@クリティカッター 17/04/01 22:07:53 ID:evlO/QPs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 64 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 22:10:52 ID:.D1qL3k6 [9/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

とりあえずの結論に不満を抱きながらも、村のポケモン達は皆、各々の家に帰って行った……


縛りつけられたルガルガンの前には……コータスとホルードだけが残されていた……


ルガルガン「けっ……俺の事なんかさっさと殺しちまえよ……」

コータス「しかし……そんな事はしたくないのじゃ……お前もこの村で育った仲間じゃからな……」
 ▼ 65 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 22:15:05 ID:.D1qL3k6 [10/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
 

ホルード「……」

ピリピリとした空気が漂う中、ホルードが突然ルガルガンを縛り付けていた縄をほどいた……


コータス「な、何を!?」


自由になったルガルガンがホルードを睨みつけた……

ルガルガン「何のつもりだ……?」


ホルードはルガルガンの鋭い目を見つめ返した……


ホルード「……今すぐこの村から出ていけ……」
 ▼ 66 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 22:20:24 ID:.D1qL3k6 [11/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ルガルガン「!」


ホルード「お前は嘘をつき続けた……だから、この村にお前の居場所なんてないんだ……この村を出る……それしかお前の助かる道は無いんだ……」


ルガルガン「……」


ホルード「だからこの村を出ていけ……出来るだけ遠くへ……この村のポケモン達に見つからない場所へ……」

 ▼ 67 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 22:24:03 ID:.D1qL3k6 [12/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ルガルガンはしばらく俯いていたが……やがて、顔を上げると……


ルガルガン「そんな事わかってる……言われなくてもわかってる!!」


ルガルガンは森へ向かって走り出した……


ホルードとコータスはどんどん小さくなるルガルガンの背を見つめた……


ホルード「安心してくれ、村長……俺のミスであいつを逃がしてしまった事にしておく……」

コータス「……ありがとう……」

 ▼ 68 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 22:28:54 ID:.D1qL3k6 [13/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ルガルガン「こんな事はあまり言いたくないけど……感謝しているからな……」

ホルード「……それにしても、お前はこんなに村に近い場所に……こんな場所では村のポケモン達に見つかるのも時間の問題だぞ?」

ルガルガン「……」


ホルード「今回の件だが……やはり、嘘ばかりつくお前の言葉は信じたくても信じられないんだ……だから……」

ルガルガン「わかってる。俺はもうここを出る……もっと遠くに行けばいいんだろ? そうすればあいつも……ミミロルもここに来ることも無くなる」


ホルード「……なら、今回の件も見逃してやる」
 ▼ 69 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 22:38:13 ID:.D1qL3k6 [14/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ルガルガン「……それより、一つだけ聞かせてくれないか?」

ホルード「なんだ?」

ルガルガン「……ミミロルの事を……お前はどう思ってるんだ?」


ホルード「……なんでそんな事を」

ルガルガン「ミミロルが言ってたんだ……お前は怒ってばかりだって……かなり辛そうにしていた……」

ホルード「!!」


ルガルガン「……どうなんだ?」


ホルードは夜空を見上げた……


ホルード「……俺は……ミミロルの事が大好きだ……だからこそ、厳しくなりすぎていたのかもな……」


ルガルガンはその言葉に安心した表情を浮かべた……


ルガルガン「やっぱり叱るのは……それだけ叱る相手を好きだから叱るんだよな……俺もあんたに叱られてばかりだったからよくわかる……でも、ほどほどにしてやってくれ……」

ホルード「……わかった」
 ▼ 70 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 22:42:37 ID:.D1qL3k6 [15/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ルガルガンは近くにあるリンゴの木に登ってピカピカのリンゴを一つもぎ取ると、木から飛び降りた。


ルガルガン「最後にそれだけ聞けてよかった……じゃあ、俺はもう行く事にする……」


ルガルガンはリンゴをひとかじりすると歩き出した……

ホルード「……達者でな」


ルガルガン「ミミロルを……大切にしてやれよ……」


その言葉とともに、ルガルガンは夜の森に消えた……


ホルード「……」

ホルードは洞穴を覗いた……


ミミロルは洞穴の中で眠っている……


ホルードはミミロルが起きないようにそっと抱き上げると、ゆっくり……ゆっくりと星の輝く空の下を歩き出した……


続く
 ▼ 71 プ・ブルル@アゴのカセキ 17/04/01 22:43:35 ID:qBWxIuy2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 72 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 22:46:40 ID:.D1qL3k6 [16/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

最終話 あたしと手紙とそれから……



ミミロルが体を起こすと……洞穴の外にルガルガンの姿が見えた……


ミミロル「おじさん、おはよー!」


ルガルガンはなんだか暗い顔をしている……


ミミロル「おじさん? どうしたの?」


ルガルガン「悪いけど……お別れだ……」

ミミロル「えっ!? どう言う事!?」


ルガルガンの姿がどんどん目の前から消えていく……


ミミロル「おじさん!! おじさん!!」

 ▼ 73 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 22:48:44 ID:.D1qL3k6 [17/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ミミロル「おじさん!!!……あれ?」


ミミロルが辺りを見渡すと……そこは、何日かぶりに見る自分の部屋……


ミミロル「……え?」


窓の外からは眩しい朝日が差し込んでいる……


ミミロル「な、なんで……」


ミミロルは急いで部屋を出た……

 ▼ 74 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 22:51:52 ID:.D1qL3k6 [18/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ミミロルの目の前に広がっていたのは……今まで通りの日常……



椅子に腰掛けているホルードは、新聞を読みながらコーヒーを啜っている……


自分のいつも座る席には、こんがりと焼けた美味しそうなトーストと熱々のココアが作ってある……


ミミロルは混乱しながらも席についた……

 ▼ 75 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 22:56:17 ID:.D1qL3k6 [19/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


トーストをかじるミミロルに、新聞越しにホルードが声をかけた……


ホルード「ミミロル……ごめんな……」

ミミロル「え?」


ホルード「お前を叱る事が……自分でも気づかないうちに増えていたみたいだ……それでミミロルが嫌な思いをしていた事に気がつけなかった……本当にごめんな……」


ミミロル「お父さん、それより……」

ホルード「……昨日の事は忘れろ……その方がいい」


ミミロルは食べかけのトーストを置いて立ち上がった。


ミミロル「ねぇ! おじさんは!? おじさんはどこ!?」

 ▼ 76 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 22:57:38 ID:.D1qL3k6 [20/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ホルードはしばらく黙っていたが……



ホルード「お前の言うおじさんは……ルガルガンは旅に出た……」


その言葉が言い終わる頃には……既にミミロルは家を飛び出していた……







 ▼ 77 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:07:59 ID:.D1qL3k6 [21/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




村を走り抜け……


森を走る…… 



ルガルガンのいた、あの洞穴を目指して……



ミミロル「おじさん……嘘だよね……いなくなっちゃったって言うのも……嘘だよね!」



息を切らせながらミミロルは洞穴の前に辿り着いた……
 ▼ 78 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:10:06 ID:.D1qL3k6 [22/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


洞穴の中をそっと覗くと……



誰もいない、真っ暗闇がどこまでも広がっていた……


ミミロル「……なんで……?」


ミミロルは洞穴の中に足を踏み入れて……辺りを見渡した……



やはり、どこにもルガルガンの姿は無い……


 ▼ 79 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:15:54 ID:.D1qL3k6 [23/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ミミロル「……?」


ルガルガンの姿は無かったが……ミミロルは洞穴の隅にリンゴが落ちていたのを見つけた……


そのリンゴはピカピカで……洞穴の外から微かに差し込んでいる日の光を反射して、キラキラと輝いていた……


ミミロル「これは……手紙……?」


リンゴの下には……一枚の紙切れが敷いてある……


ミミロルはその紙切れを引き抜くと……そこに書き記してあった文字に目を通した……
 ▼ 80 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:21:50 ID:.D1qL3k6 [24/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ミミロルへ


俺は嘘つきだけど……これからここに書く事は全部本当の事だ……


まずは……俺の事だけど……実は、俺は昔、お前の住む村を追い出されたポケモンなんだ……


理由は……沢山嘘をついたから……


お前にも言ったよな……みんなを傷つける様な……みんなを困らせる様な嘘をつかないでくれって……


俺は、そんな嘘を沢山ついたんだ……


もし、そんな嘘をついていなかったら……お前とこんな別れ方をしなくてすんだんだろうな……


俺は今、凄く後悔してるよ……

 ▼ 81 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:25:48 ID:.D1qL3k6 [25/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

こんな俺が言うのもなんだけど……やっぱりお前には嘘なんかつかずに正直に生きて欲しい。


俺が教えた事なんてすっかり忘れて……馬鹿正直に生きて欲しいんだ……


それが、俺の願いだ……


俺は、今日から旅に出る……


何処か遠くへ……行き先も決めずに……


もう、会うことも無いだろうな……


それじゃ、せいぜい達者で暮らせよ。


おじさんより


追伸

お前のお父さんが怒るのは、お前の事が大好きだからだ……まぁ、許してやってくれ
 ▼ 82 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:29:42 ID:.D1qL3k6 [26/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ミミロルの涙が手紙に落ちた……


ミミロル「あたしのせいだよ……全部……」




突然押しかけて……嘘を教えてってわがままなんて言ったから……



おじさんに早く帰った方がいいって言われてるのに……帰らなかったから……



お父さんを……困らせる様な嘘をついたから……




後悔はどんどん涙になって溢れ出し……そして、こぼれ落ちた涙は全て、手紙に染み込んで消えた……



 ▼ 83 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:33:30 ID:.D1qL3k6 [27/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

泣いているミミロルを……近くの木の影からルガルガンが様子を伺っていた……


ルガルガン「……それだけ理解出来てるなら上出来だ……昔、お前のお父さんに嘘をついた事を散々怒られてきたってのに……それを無視していた俺と、後悔できるお前は違うんだ……」


ルガルガンは歩き出した……



ルガルガン「これからは、嘘つこうなんて考えるなよ……」






じゃあな




 ▼ 84 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:36:58 ID:.D1qL3k6 [28/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告









そんな事があったっけ……









ロッキングチェアに腰掛けたミミロップが紅茶を啜った……


ホルード「何の話だ?」


椅子に腰掛けて新聞を読む、老いたホルードが尋ねる……


 ▼ 85 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:38:58 ID:.D1qL3k6 [29/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ミミロップ「昔、あたしが家出した時の話だよ」

ホルード「あぁ……あの話か……」


ミミロップ「おじさんにまた、会いたいな……」


ミミロップは窓の外の風景を眺めた……


村は……あの日と何も変わってはいない……




 ▼ 86 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:44:05 ID:.D1qL3k6 [30/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ホルード「あいつは……この村で育ったポケモンだ……そして、誰よりもこの村を愛していた……」


ミミロップ「……そうなんだ」


ホルード「だから、あいつは遠くに逃げろと言ったのに……この村のすぐ近くの洞穴を住処にしていた……だから……」

ミミロップ「だから……?」


ホルード「確かではないが……あいつは……まだ、この村のすぐ近くにいるのでは……と、思うんだ……ん?」


ホルードが新聞を閉じると……ミミロップの姿は無く、ただ、ロッキングチェアがゆっくりと揺れているだけだった……


ホルード「……」


ホルードは小さく溜め息をつくと微笑んだ……
 ▼ 87 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:45:56 ID:.D1qL3k6 [31/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ミミロップは森の中を駆け抜けていた……


ミミロップ「おじさん……本当にいるの?……もしいるのなら……」


ミミロップは立ち止まった……


ミミロップ「はぁ……はぁ……」
 



ミミロップの目の前には……あの日となんら変わりのない洞穴があった……





 ▼ 88 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:49:14 ID:.D1qL3k6 [32/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
 
ミミロップ「おじさん……いる……?」


ミミロップは暗い洞穴に入って行く……


洞穴の中にルガルガンの姿を探すが……やはり、ルガルガンの姿は無かった……


ミミロップは少し寂しそうな顔をした……


ミミロップ「だよね、もうここにいる訳……」



コロコロコロ……


ミミロップ「?」


ミミロップの足元に……ピカピカのリンゴが転がってきた……
 ▼ 89 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:51:25 ID:.D1qL3k6 [33/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ミミロップ「リンゴ……?」


ミミロップがリンゴを拾い上げると……背後から懐かしい声が……



な、なんで……なんでお前がここに……



ミミロップは息を飲んだ……こぼれ落ちた涙がリンゴに染み込んだ……



ミミロップ「帰ってきてたんだ……」



 ▼ 90 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:54:11 ID:.D1qL3k6 [34/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ま、まぁな……なんだかんだでここは暮らしやすいから……



ミミロップ「ねぇ、一つだけ言わせて?」



……なんだ?



ミミロップ「あの日の手紙に……もう、会う事は無いだろうなって書いてあったのに……こうしてもう一度会う事が出来るなんて……やっぱりおじさんって嘘つきだね!」


 ▼ 91 1◆v1GnTfaqxg 17/04/01 23:56:24 ID:.D1qL3k6 [35/35] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



その言葉とともに、ミミロップが振り返ると……そこには、あの日と変わらない彼の姿……



ルガルガン「嘘ついて……ごめんな……」



ミミロップはルガルガンに抱きついた……



ミミロップ「嘘をついてくれて……ありがとう!!」




end
 ▼ 92 1◆v1GnTfaqxg 17/04/02 00:02:50 ID:QLva0t4I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

なんとか書き終えた……

今回は色んな嘘を使ってSSを書いてみたくてこの作品を考えました。

このSSの中には沢山の嘘があったと思います……

驚かす嘘、困らせる嘘、悲しませる嘘……などなど

嘘って聞いたらいいイメージってないと思いますが……いつか、このSSの最後にあった誰かを幸せにする嘘をついてみたいものですね。

そいじゃ、こんなSSを読んでくれてありがとうございました!

こんなSSでも企画を盛り上げる事が出来たら、と思っています。

ではでは

 ▼ 93 ィアンシー@イワZ 17/04/02 00:05:52 ID:WEx3sV4U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 94 キメノコ@ゴッドストーン 17/04/02 07:55:11 ID:nE37tYMA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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