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SS

【SS】レヒレさんの子育て奮闘記

 ▼ 1 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 20:14:20 ID:.2LTq9SI [1/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「はぁ……」

アシマリ1「ママ〜!!」

アシマリ2「ママ!!」

アシマリ3「ママぁ……」

レヒレ「……どうすれば良いの……?」


アローラ守り神の引きニート2号、カプ・レヒレは困っていた。

他でもない、目の前にたむろする沢山の♂アシマリをどうすれば良いか、それが彼女を悩ませていた。


※このSSは、アシマリ♂「やめて……切らないで……」
http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=497167&l=1-#end
の続編です。先にこちらを読むのをお勧めします。
 ▼ 2 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 20:15:05 ID:.2LTq9SI [2/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
始まりは、アーカラのピンクの悪魔、カプ・テテフの持ってきた案件だった。


テテフ『レヒレ!!』

レヒレ『……何よ、珍しいじゃない』

テテフ『んふふー、実はね……彼氏出来ました〜!!』

レヒレ『……は?』

テテフ『ご紹介します、我が伴侶アシレーヌ君です!!』

アシレーヌ『……調子乗りすぎだよテテフ、気を付けなよ』

テテフ『良いじゃん良いじゃん!!』デレデレ

レヒレ『』
 ▼ 3 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 20:16:08 ID:.2LTq9SI [3/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
突然やって来たテテフが連れ込んだのは、可愛い系の♂だった。

レヒレの前で見せつけるようにイチャイチャしている。

本来のレヒレなら嫌味の一つも言えたのだろうが、彼女は言葉を返せなかった。

あまりのショックに、レヒレは立ったまま気絶していたのだ。

仕事仲間がいつの間にかリア充になっていた現実から、彼女は気絶して逃げたのだった。

……それが悪手だった。
 ▼ 4 ーマンダ@ムーンボール 17/04/04 20:16:29 ID:imdsVZNY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 5 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 20:17:00 ID:.2LTq9SI [4/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ『……zzz』

レヒレ『……ふぁぁ、あれ? もう朝?』

レヒレ『テテフは……いないわね。あ、置き手紙』

レヒレ『何々……?』ペラッ

テテフ《一応昨日も話したけど、アシレーヌの兄弟たちをどうすれば良いのか悩んでいて。だから、水タイプに詳しいレヒレなら何とかしてくれるかなーって思ってたんだけど、どうかな? やってくれるかな?》

テテフ《うんうん、やってくれると信じていたよ。これからはレヒレがこの子達のママになって、頑張ってね!! p(^-^)q》

レヒレ『』

アシマリ1『ママー』

レヒレ『』
 ▼ 6 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 20:17:32 ID:.2LTq9SI [5/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テテフは策士だった。レヒレが気絶している間に、レヒレの状況に気づかぬ振りをして全てを話し、全てを押し付けたのだ。

きっと彼氏といちゃつくためだろう。死ね。

しかしレヒレに、今からテテフの元に押し掛ける気力も、置いていかれたアシマリ達を殺す胆力もありはしなかった。

仕方無く、レヒレはアシマリ達を受け入れた。

その瞬間、彼女の子育て奮闘記が始まったのだ。

今日はその一日目だった。
 ▼ 7 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 20:24:57 ID:.2LTq9SI [6/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「そもそも。何匹いるのよ」

アシマリ1「ママー」

アシマリ2「ママ!!」

アシマリ3「お腹空いた……」

アシマリ4「うんこ!!」

アシマリ5「イェーイ!!」

レヒレ「ええと? 1、2……」
 ▼ 8 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 20:26:05 ID:.2LTq9SI [7/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
数えてみる。動き回ったり泣いたりするそれをひたすらに数えてみる。


レヒレ「11、12……」

レヒレ「18、19……」

レヒレ「……26!?」


26匹。レヒレの元に預けられたアシマリの数。かつて廃人が量産しボックスに押し込めた理想個体に近い奴ら。

廃人がまだ元気だったら、配布スレにでも使われたであろう彼らが、纏めてレヒレの子供となっていた。

ショックだった。

レヒレはその場に踞った。今日まで生きてきて、こんなに辛い日は無かった。
 ▼ 9 ムスター@あかいウロコ 17/04/04 20:26:06 ID:5gi0jt1k NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
4、5wwwwwwwwwwwwww
支援ぬ
 ▼ 10 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 20:26:42 ID:.2LTq9SI [8/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……」シクシク

アシマリ1「……ママ?」

レヒレ「……私は、私は……」シクシク

レヒレ「まだキスもしたこと無いのに……」シクシク

アシマリ1「……」

アシマリ3「ママ、ご飯!!」

アシマリ6「遊んで遊んで!!」
 ▼ 11 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 20:28:53 ID:.2LTq9SI [9/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかし、子供達はそんなの気にしなかった。レヒレの回りを跳ね回り、今ある生を謳歌していた。

ぼんやりとそれを眺めているレヒレ。そんなの構わずにアシマリ達は今日を生きている。

……レヒレは馬鹿らしくなった。

ずっと遺跡で引きこもっていた自分より、ずっとこの子らの方がよっぽど生きているじゃないか。

正直レヒレは自棄になっていた。そう思いでもしなければアーカラを滅ぼしにかかっていた。

だが、そんな中でも、アシマリ達の笑顔は純粋に尊く思えた。
 ▼ 12 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 20:29:24 ID:.2LTq9SI [10/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……よし」

レヒレ「ママ……頑張っちゃうぞ!!」

アシマリs『『『わー!!』』』


なら、レヒレ自身がが頑張らない訳にはいかない。彼女はそう決意した。

あとテテフは死ね。
 ▼ 13 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 20:50:20 ID:.2LTq9SI [11/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
step 1 名前


レヒレ「……」

レヒレ「……どうしよう、個体が識別できない」

アシマリ3「ママ?」

レヒレ「……ねぇ、君の名前は?」

アシマリ3「アシマリ!!」

レヒレ「……ですよね」
 ▼ 14 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 20:51:30 ID:.2LTq9SI [12/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
最初の問題は、如何にして26匹を見分けるか、だった。

本来なら、自分の子供は何となく直感で分かるらしい。

だが、これまで遺跡で引きこもっていたニートに、同じ種族のポケモンを見分けるなんて芸当はとても出来ない。

じゃあどうするか。

そこで彼女は考えた。名前をつけよう。
 ▼ 15 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 21:02:15 ID:.2LTq9SI [13/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……でも」

レヒレ「26も名前考えるの辛いわね……そうだ」

   ザザッ

レヒレ「あった、パソコン!!」


彼女が取り出したのはノートパソコン。現在の島クイーン、ハプウに貢がせた物だ。

『私を楽しませられない島クイーンとか、ないわー』とは、ハプウにwifiを使えるよう工事させた時の台詞だったか。

バンバドロと戯れる田舎少女には酷な事をしたと考えながら、レヒレはパソコンに言葉を打ち込む。

『26種類 名前』

出てきたのは。
 ▼ 16 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 21:02:47 ID:.2LTq9SI [14/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……お酒?」

アシマリ1「ママ、何してるの?」

レヒレ「……いや、あなたたちの名前を決めようと思って……」


レヒレは画面を覗き込む。並んでいるのは幾多のお酒。

人間達の嗜好飲料だ。飲むと混乱するらしい。

確かに種類は多いようだ。だが……
 ▼ 17 テラ@きいろいバンダナ 17/04/04 21:02:49 ID:l4SeGt9w [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
マジか…あのSSの続きか……支援
 ▼ 18 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 21:03:45 ID:.2LTq9SI [15/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……でも、こんな純粋な子達にお酒って、ねぇ……」

レヒレ「じゃあどうしよう……」

レヒレ「……あっ」

レヒレ「ねぇ、そこのアシマリ」

アシマリ1「?」

レヒレ「ちょっと出かけるから、皆を見ててね」

アシマリ1「分かったよママ」
 ▼ 19 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 21:04:25 ID:.2LTq9SI [16/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
突然何かを思い付いたレヒレは、そう言い残して遺跡を去った。

だが引きこもりの彼女に向かえる場所は多くない。精々他のカプの遺跡か……


レヒレ「……ついたわね」

『ハプウの部屋』


島クイーンの家くらいだ。
 ▼ 20 ャルマー@ハンサムチケット 17/04/04 21:04:41 ID:mhkkWG4Y NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 21 ラブ@どくバリ 17/04/04 21:04:49 ID:l4SeGt9w [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
アルファベット?
 ▼ 22 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 21:06:59 ID:.2LTq9SI [17/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
   コンコン

ハプウ『なんじゃ、郵便かの?』ノソッ

レヒレ「……来ちゃった」

ハプウ『……』

レヒレ「……」

ハプウ『ほにゃあ!?』
 ▼ 23 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 21:07:47 ID:.2LTq9SI [18/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「最近困ってるの、手伝いなさい」

ハプウ『ま、またお金なのか!? もう無いんじゃが……』

レヒレ「何よその言い方、まるで私がカツアゲしてるみたいじゃない」

ハプウ『だってそうじゃろ? 前にしたじゃろ?』

ハプウ『島クイーンなら私に貢げとか言うじゃろ!?』

レヒレ「まさか!! あなた守り神にそんな事言う?」
 ▼ 24 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 21:08:18 ID:.2LTq9SI [19/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハプウの言葉は正しい。

レヒレはカツアゲの常習犯である。いや、最早追い剥ぎや強盗に近い。

犯行は深夜、ターゲットは主に女性。

歩いている一般人の周囲に霧を発生させ、瞬時に財布を盗むのだ。

正に霧の中の完全犯罪。

レヒレと顔を付き合わせて財布の話が出来るハプウは、むしろ恵まれている。
 ▼ 25 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 21:11:56 ID:.2LTq9SI [20/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……こほん」

レヒレ「……今回はね。26匹の息子にどんな名前をつければいいかと思って来たのよ」

ハプウ『……』

レヒレ「……」

ハプウ『えっ、子供できたの?』
 ▼ 26 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 21:12:47 ID:.2LTq9SI [21/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この疑問もごもっとも。

守り神とは、かつてアーカラの創造主に『島を守れ』と作られた者。

守り神であれと人々に望まれたもの。故に子など生まない。

なのになぜ。

レヒレは素早く状況を説明した。あんまり長居すると子供達が何するか分からないから、割と無意識の内に急いでいた。
 ▼ 27 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 21:13:24 ID:.2LTq9SI [22/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハプウ『成程な、そんな事が……』

ハプウ『……なら、ちょうど良いものがある』

レヒレ「?」


そう言って、レヒレの話を聞き終えたハプウは立ち上がった。

近くの本棚を漁り、一冊の薄い本を持ってくる。
 ▼ 28 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 21:17:07 ID:.2LTq9SI [23/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「もしかしてエッチな……?」

ハプウ『何を言っておるのじゃ』

ハプウ『……はぁ、こんなネットに毒された守り神で、本当にポニは大丈夫なのかのぉ……』ペラッ


ぼやきながらハプウはページをめくり、黒いポケモンが沢山並んでいるページを開いた。

まるで文字のようだ。
 ▼ 29 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 21:18:00 ID:.2LTq9SI [24/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハプウ『これはだな、かつてじいさんが買ってきた本なのじゃが……アンノーン、というポケモンじゃ』

ハプウ『古代文字に似てるらしいのじゃが……』

ハプウ『こいつら、ちょうど26種類なのじゃ。最近2種類増えたとか聞くけど、まあ眉唾眉唾』

レヒレ「……つまり?」

ハプウ『この26文字を、それぞれアシマリの頭文字にするのじゃ!!』

ハプウ『どうじゃ、良い案じゃろ?』

ハプウ『HAHAHAHAHAHA』

レヒレ「うわうざっ」
 ▼ 30 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 21:18:46 ID:.2LTq9SI [25/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてレヒレは帰った。頭文字AからZまで、それぞれで名前を考える。

別に腹を痛めて彼らを生んだわけでもないのに、その表情は真剣だった。

人間達だと「A05V」だの「6Vいろレア」だの、心無い名前をつけるやつもいるらしいが、そうはなりたくなかった。

この瞬間、レヒレは確かに親になろうとしていた。
 ▼ 31 クフーン@カイロスナイト 17/04/04 21:23:04 ID:HHR1wuYM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マ(ン)マ(ン)レヒレ
 ▼ 32 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 22:29:11 ID:.2LTq9SI [26/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「ただいまー!!」

アシマリ1「おかえりなさい!!」

アシマリ7「おかえり!!」

レヒレ「うん、ただいま」

レヒレ「……で、名前考えたんだけど」

アシマリs『『『……』』』ゴクリ
 ▼ 33 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 22:30:03 ID:.2LTq9SI [27/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……じゃあ、発表いくわよ」

レヒレ「そこのアシマリ!!」

アシマリ1「何?」

レヒレ「今日から貴方は……頭文字A、『エースケ』よ!!」

エースケ「……え、エースケ?」

レヒレ「そしてそこの!!」

アシマリ2「?」

レヒレ「貴方は今日から、頭文字B『ベータ』ね」

ベータ「何それ」
 ▼ 34 ルディオ@かくとうジュエル 17/04/04 22:30:51 ID:l4SeGt9w [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 35 ビゴン@ロックメモリ 17/04/04 22:31:47 ID:BtwYTOZg [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
ところでなんで色アシマリより早く生まれたはずなのに
知能がアレなんですかね……
 ▼ 36 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 22:32:03 ID:.2LTq9SI [28/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こうして、レヒレはハプウから貰った案に乗っ取り、悉くセンスの無い名前をつけていった。

正直見苦しいしなんか臭いが、一応纏めておく。


アシマリ1→エースケ  アシマリ2→ベータ
アシマリ3→シータ   アシマリ4→ディーン
アシマリ5→イーサン  アシマリ6→エフソン
アシマリ7→ジール   アシマリ8→ハート
アシマリ9→アイト   アシマリ10→ジェイク
アシマリ11→ケイシ   アシマリ12→エルトン
アシマリ13→エム    アシマリ14→エンヌ
アシマリ15→オーウェン アシマリ16→ピーン
アシマリ17→キュンタ  アシマリ18→アール
アシマリ19→エスティン アシマリ20→ティーチ
アシマリ21→ユウキ   アシマリ22→ヴィアイン
アシマリ23→ダブルス  アシマリ24→エクス
アシマリ25→ワイヤー  アシマリ26→ゼットン
 ▼ 37 ラルバ@ミクルのみ 17/04/04 22:32:52 ID:l4SeGt9w [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>35
気にすんな
 ▼ 38 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/04 22:34:31 ID:.2LTq9SI [29/29] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
結論から言うと、名前は割と不評だった。

だがアシマリ達は改名までは望まなかった。初めて親から貰った物だったから。

失敗作として生まれボックスに入れられた彼らは、この間まではポケモンですら無かった。

世界を知らないため知性もろくになく。
大地を知らないため力もなく。
それは全うなポケモンとは言い難い。

だがこうして、初めて『子供』になれた。レヒレが初めて『親』になったように。

彼らと彼女は、こうして親子となり始めた。

step 1  終了
 ▼ 39 ーケン@オーキドのてがみ 17/04/04 22:36:44 ID:l4SeGt9w [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
なかなかいい話になりそう
 ▼ 40 ウオウ@ドラゴンメモリ 17/04/04 22:40:31 ID:p4irsdT2 NGネーム登録 NGID登録 報告
兄弟を育児放棄するクズレーヌがいると聞いて
 ▼ 41 ールナー@せいなるはい 17/04/04 22:41:42 ID:BtwYTOZg [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>40
どっちかっつーと色違いアシマリ(アシレーヌ)以外見放したカプ・クズフじゃね?
 ▼ 42 ーシャン@ねばねばこやし 17/04/05 00:57:22 ID:NLPe.vYc NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
結局自分の子供じゃなきゃ面倒くさいという点では同じ穴のマッスグマなんやなwwww
 ▼ 43 ャヒート@ラティオスナイト 17/04/05 18:49:10 ID:J5OOx.KQ NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
>>42
自分の子供であっても面倒になることあるんだし、まあそれはね?
 ▼ 44 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 19:05:29 ID:2QzXWt8Q [1/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
step 2  水泳


レヒレ「……」カタカタ

レヒレ「……」カタカタ


まだ暗い遺跡の中で、レヒレはひたすらキーボードを叩いていた。

内容は『アシマリ 死因』

レヒレは予め知っておこうと思ったのだ、自分の敵を。

そんな彼女にGoogle先生は残酷な現実を教えていく。
 ▼ 45 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 19:07:52 ID:2QzXWt8Q [2/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……ふーん」

レヒレ「人間の廃水が、動物を殺すんだ……」

レヒレ「……」スタスタ


レヒレは席を立った。額には青筋が浮かんでいる。海の民の村辺りを滅ぼしに掛かるのだろうか?

いや、そうではない。今はそれはしない。

彼岸の遺跡を浄化するのだ。
 ▼ 46 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 19:08:38 ID:2QzXWt8Q [3/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……」スンスン

レヒレ「……あー、確かに……」

レヒレ「微妙に、微妙にこの水も鉄臭い……あっちの村滅ぼしたいわね。でも今は……」

   チャプ

レヒレ「……すぅぅ……」

レヒレ「あいやぁぁっ!!」

水『ショワァァァ……』
 ▼ 47 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 19:09:08 ID:2QzXWt8Q [4/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレが水中に手を入れ、力を込めると、水は瞬時に澄み渡り、海底まで見渡せそうな位になった。

水の浄化、やってみれば案外上手くいくなと彼女は溜め息をつく。

そして、一応ミストフィールドを展開してみる。

うん、正常。浄化のデメリットは無さそうだ。

これならあれをしても大丈夫だろう、レヒレは確信する。

朝日が昇ろうとしている中、レヒレは息子達を起こした。
 ▼ 48 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 19:10:02 ID:2QzXWt8Q [5/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「皆、起きて!!」

アシマリs『『『zzz……ふぁっ!?』』』

レヒレ「今日から皆、生きていくためのトレーニングをしていきます」

レヒレ「力が無いと困るからね」

レヒレ「さーて、まずは基本技能からよ。皆、注目!!」

アシマリs『『『!!』』』

レヒレ「今日から泳ぎをやりましょう!! 水タイプには大事だからね」
 ▼ 49 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 19:14:58 ID:2QzXWt8Q [6/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
太陽が遺跡を照らすのと同時に、レヒレは清い海を指差してそう宣言した。

そう、今からやるのは水泳の練習。

彼岸の遺跡前の海岸での遊泳。

水タイプには欠かせない水との触れ合いだった。

レヒレはアシマリ達を波打ち際に並べる。

……だが彼らは水中に飛び込んだりはせず、互いの顔を見合わせていた。
 ▼ 50 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 19:15:36 ID:2QzXWt8Q [7/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……怖いの?」

ゼットン「いやいや」

レヒレ「……じゃあ、泳ぎ方が分からない?」

キュンタ「いや、ちょっとは分かるんだけど……」

シータ「ご飯は?」

レヒレ「後でね」
 ▼ 51 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 19:19:52 ID:2QzXWt8Q [8/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しっかり御託は並べるけれど、中々水に入ってくれない。

どうしたものかとレヒレが唸る。

別に水が怖いわけでもない。

泳ぎ方に不安はあまりない。

泳げない程空腹では無さそうだ。

なら、なぜ。

レヒレの近くにいたエースケが口を開いた。
 ▼ 52 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 19:44:13 ID:2QzXWt8Q [9/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エースケ「いや、その……」

エースケ「ママの大事な海に、僕らが入って本当に良いのかなーって」

エースケ「ほら、こんなに綺麗なのに」

レヒレ「……」

ワイヤー「うんうん」

エクス「そーだよね……」

レヒレ「」
 ▼ 53 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 19:52:04 ID:2QzXWt8Q [10/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレはその時気づいた。

あっ、こいつら、全員控え目だ、と。

比喩ではない。いや、比喩なのか?

取り合えずこいつらの出自を確認しよう。レヒレはテテフの置き手紙を思い出した。

まず、ポケモンを厳選する男がいた。厳選していたのはアシマリ。

確か♀の色違いを厳選していた筈だ。
 ▼ 54 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 19:53:25 ID:2QzXWt8Q [11/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だが度重なる厳選の末とち狂ったそいつは、とある色違いのアシマリのアシマリを切断する。

♂のそれを切ったところで♀になる筈もないのに、男はそれをしてしまった。

勿論テテフが断罪し、そのアシマリはめでたくテテフの婿となったが、問題はエースケからゼットンまでの、ボックスの中の26匹の♂理想だった。

そいつらはテテフに煙たがられ、レヒレの元に届けられた。本当リア充って糞だわ。

……つまり。こいつらはみんな控え目なのだ。忌まわしき廃人にそうあれかしと定められたのだ。
 ▼ 55 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 20:06:10 ID:2QzXWt8Q [12/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……どうしよう」


レヒレは悩んだ。

勿論、無理矢理彼らを水に入れることもできる。

だがアシマリ達の優しい思いを簡単に踏みにじるのは、とてもレヒレに出来そうに無かった。

レヒレは空を仰いだ。


レヒレ「どうすれば……どうすれば良いのっ!?」


その時不思議な事が起こった。
 ▼ 56 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 20:07:35 ID:2QzXWt8Q [13/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
天の声『あーあー、マイクテスマイクテス……』

レヒレ「……?」

天の声『……ごほん』

天の声『愛を……母の愛を与えるのです……』

レヒレ「……こっ、これは、アローラの創造主の声……!?」

天の声『えっ、何それ……』

天の声『……えー、ごほん』

天の声『そうです、私はアローラの創造主……困ってる貴女を助けに来ました』
 ▼ 57 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 20:08:17 ID:2QzXWt8Q [14/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
突然現れた声と、助言に戸惑うレヒレ。

母の愛とか知らないし。

一体何すれば良いんだろう。

でもまだ飛び込めないアシマリ達を前にしていると、自然と体が動いていた。

アシマリ達の隣に並び、入水する。
 ▼ 58 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 20:30:41 ID:2QzXWt8Q [15/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
   チャポン

レヒレ「……大丈夫だよ、おいで?」

アシマリs『『『……!!』』』

   ザブンザブン ザブン ザブザブン


レヒレは先に入水し、アシマリ達を呼び込んだ。

たったそれだけの事だった。

だがレヒレのその行動で安心出来たのだろう、アシマリ達はすぐに周囲を泳ぎ回り始めた。

なんで安心したのかはレヒレにはさっぱり分からない。

だが今はそれを考えるときでは無いと、彼女は思った。
 ▼ 59 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 20:33:50 ID:2QzXWt8Q [16/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダブルス「あがっ、溺れる!!」バタバタ

レヒレ「大丈夫大丈夫、リラックスリラックス」

ダブルス「う、うん……」

レヒレ「体の力を抜いて……ここ力入ってるよ……リラックスリラックス」


レヒレはネットで得た泳法の情報を元に、アシマリ達に泳ぎを教えていた。

ここはレヒレとアシマリ達だけの空間、辺りには水音だけが響いている。

……普通なら守り神が出てきていたら見物客の一人や二人いるものだが、レヒレは予め陸地を覆うように霧を巡らせていた。

あんまり視線があるとアシマリ達が萎縮しかねないからだ。

どうやら効果は覿面のようで、人間は誰もレヒレ達を見ていない。アシマリ達はリラックスしていた。
 ▼ 60 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 20:34:41 ID:2QzXWt8Q [17/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ケイシ「どう、速いでしょ!!」ツイーッ

アール「凄い速いね!! 凄い!!」

レヒレ「うんうん、良い感じね」

ケイシ「わーい、褒められたー!!」


勿論他の子供達と関わるのも忘れない。

子供は褒めたら伸びる……と、ネットに書いてあった。

きっとそうなのだろう、レヒレは確信する。

だって、こんなにも幸せそうなのだから。
 ▼ 61 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 20:36:43 ID:2QzXWt8Q [18/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アイト「ママ、抱っこ!!」ギュムッ

レヒレ「ひゃっ……」


そう思っていたその時、アシマリの一匹が後ろからレヒレに抱きついてきた。未知の重みにバランスを崩すレヒレ。

その重みこそが、愛だった。その重みこそが、命だった。その重みこそが、幸せだった。

レヒレは、母としての幸せを今実感していた。

そしてレヒレは優しく息子を抱き止め、頭を撫でた。
 ▼ 62 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 20:37:24 ID:2QzXWt8Q [19/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「よしよし……」ナデナデ

アイト「んふふ……」

イーサン「あっ、ずるい!!」

ハート「僕も!!」


その光景をみたアシマリ達が、我先にとレヒレに抱きついた。

たちまちレヒレの体は立っていられなくなり、水上に倒れ込む。

その顔は満足そうだった。

きっと、これが母の愛なのだろう。そう思えた。

自分が子供を作れない体なのを一瞬恨めしく思ったが、それよりも今はこの子達と過ごそう。レヒレはそう考える。
 ▼ 63 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 20:40:10 ID:2QzXWt8Q [20/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジェイク「ママの体すべすべー」スリスリ

エム「気持ち良い〜!!」

レヒレ「ひゃっ……ちょっ、止めてよー」

エンヌ「髪サラサラ〜」サワサワ

レヒレ「んっ、あんまり触らないで……」

ティーチ「えへへ、胸つるつる〜」

レヒレ「おい」


全身を心地よく蹂躙されながら、レヒレは力を抜き彼らに身を任せた。
 ▼ 64 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 21:00:08 ID:2QzXWt8Q [21/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



レヒレ「じゃ、ご飯にしよっか!!」

シータ「やったー!!」

エスティン「わーい!!」


暫く後。

水から上がったレヒレは、遺跡に貯蔵していた木の実を取り分けていた。

念のため大きいやつは自然の怒りで真っ二つにしておく。

そして足下ではしゃぎ回る彼らに一皿ずつ配っていけば、あっという間に彼らは食事に手を着け始めた。
 ▼ 65 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 21:01:03 ID:2QzXWt8Q [22/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
   ムッシャムッシャ ムッシャムッシャ

レヒレ「……美味しい?」

エフソン「うん!!」

ダブルス「おいしー!!」

レヒレ「……良かった」


あっという間に皿が空になっていく。

早いとこ木の実を集めた方が良いだろうな、レヒレはそう考えながら皿を回収していった。
 ▼ 66 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/05 21:01:43 ID:2QzXWt8Q [23/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だがまずは彼らを泳がせよう。

彼らは攻撃力が低い。それはいらないと切り捨てられている。

だがそれはトレーナーの下での話。

野生で生きていくには心もとない彼らの力を鍛えるのに、水泳は丁度良いらしかった。


レヒレ「じゃあ、食べ終わったらまた泳ぎ行こうか!!」

アシマリs『『『わーい!!』』』



その数日後、いつまでも晴れぬ霧に割と深刻にぶちギレる海の民の村人達をハプウが必死に宥めていたのは、レヒレには関係無い話である。

step 2  終了
 ▼ 67 リキリ@どくけしのみ 17/04/05 21:02:43 ID:.cWFKAr2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アシマリは注目を浴びてナンボだと教えてあげたい
支援
 ▼ 68 りゃんばーず◆0NfeAvRda6 17/04/05 21:28:03 ID:RP3oc8d. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 69 ンプジン@とくせいカプセル 17/04/05 23:09:07 ID:RGzJa6nU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
相変わらずのセンス……
前スレに引き続き支援です!
 ▼ 70 ーメイル@あおぼんぐり 17/04/07 18:22:19 ID:ECiuPlLo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 71 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:35:09 ID:e.HHz9W. [1/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
step 3  歌唱


レヒレ「……大分泳げるようになったわね」

ベータ「ママ、行くよ!!」プクーッ

レヒレ「あ、分かったわ!!」


その日、レヒレは朝から水中で子供達と戯れていた。現在はボール遊び……人間っぽく言えば水球をしている。
 ▼ 72 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:35:48 ID:e.HHz9W. [2/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
思えば引きこもってたのがずっと昔のことに思える。

この楽しい時間が、引きニートだったレヒレを変えていた。

彼女はぼんやり考えた。誰かの親になるのが、こんなにも気持ちの良いことだったのか、と。

今までそんなこと知らなかった。レヒレにはそんなことを教えてくれる親がいなかった。

一瞬そんな感傷に浸った。

そして油断したレヒレは息子の一人からのパスを取り損ねて顔面に痛いのを食らった。
 ▼ 73 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:36:18 ID:e.HHz9W. [3/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
   ピシッ

レヒレ「あふんっ」

   チャポン

エクス「あ」

ベータ「ママ!?」

ピーン「ママ!!」
 ▼ 74 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:37:00 ID:e.HHz9W. [4/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



レヒレ「……んっ」

レヒレ「いててて……」

ベータ「ママ大丈夫!? 大丈夫!?」

レヒレ「う、うん。大丈夫だから」

ベータ「よ、良かったぁ……」
 ▼ 75 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:41:58 ID:e.HHz9W. [5/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレはアシマリ達によって岸に引き上げられていた。

どうやら先程のボールで気絶していたらしい。

時刻は……もう、昼頃だ。

よっぽど打ち所が悪かったんだろうなと思いながらレヒレは立ち上がり、食事の用意をしようとした。

だが。
 ▼ 76 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:42:30 ID:e.HHz9W. [6/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……あれ、木の実切らしてる」

レヒレ「……」

レヒレ「エースケ、いる?」

エースケ「何?」

レヒレ「ちょっとママ木の実を取ってくるから、皆見ててね」

エースケ「分かった!!」
 ▼ 77 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:43:30 ID:e.HHz9W. [7/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうしてレヒレは内陸部に木の実を調達しにいった。一応遺跡入り口には念入りに霧を張ってある。

エースケに任せて出てきているが、何か起こる前に早く帰ろうとレヒレは少し急いていた。

その時、木の実がなっている木の方へと歩いていると、どこかから歌が聞こえてきた。


   〜♪

レヒレ「……何かしら」

   ガサガサ

レヒレ「……!!」
 ▼ 78 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:44:26 ID:e.HHz9W. [8/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレが歌のする方向を見てみると、いくらかのラプラスがたむろしていた。

何が楽しいのかは知らないが、互いに歌い合っている。

リア充だろうか。死ね。


ラプラス「〜♪」

ラプラス2「〜♪///」

ラプラス3「〜♪」

レヒレ「……チッ、上手いわね」
 ▼ 79 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:45:08 ID:e.HHz9W. [9/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
中々聞いていて心地がよかったからもう少し聞いていたかったが、何しろ彼女には時間がない。

レヒレは静かに元の道に戻り、再び木の実回収へと歩を進めた。



レヒレ「ただいま!!」

エースケ「あっ、お帰り!!」

アシマリs『『『お帰り!!』』』

レヒレ「すぐご飯作るからね」
 ▼ 80 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:46:17 ID:e.HHz9W. [10/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレは帰ってきてすぐに木の実を調理し始めた。

と言っても、結局は木の実を並べるか切断するか位しか出来ないのだが。

今度ハプウに調理器具でも買わせようか、IHとか気になるな。いや、別にコンロでも良いか?

……とか思いながら、レヒレはしぜんのいかりで木の実をカットしていく。

その時、何かがレヒレの鼻をくすぐった。
 ▼ 81 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:47:13 ID:e.HHz9W. [11/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……?」スンスン

レヒレ「この臭い……もしかして」

レヒレ「エースケ、いる?」

エースケ「いるよ!!」

レヒレ「ちょっと外見て来てくれない?」

エースケ「うん!! ……あ、雨だ!!」
 ▼ 82 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:48:24 ID:e.HHz9W. [12/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
雨の臭いだった。

レヒレはため息を吐く。雨の中アシマリ達を外に出すのは気が引けた。

野生ポケモンなんだから雨に濡れるのは当然だと思う。だがそうはしたくなかった。

風邪引いたら大変じゃないか。

かといってアシマリ達をずっと遺跡に入れておくのもストレスになるだろう。

どうしたものかとレヒレは唸る。
 ▼ 83 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:48:59 ID:e.HHz9W. [13/27] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
レヒレ「うー……」

レヒレ「……取り合えずご飯にしよう。皆、出来たよ!!」

アシマリs『『『はーい!!』』』



レヒレ「……ふむふむ、歌か……」


アシマリ達に配膳し終えたレヒレは、パソコンに向かっていた。

アシマリの生体をググっていたのだ。
 ▼ 84 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:49:52 ID:e.HHz9W. [14/27] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
知りたいことは、アシマリの生体……彼らの行う体を使わない行動について。

人間は嘘つきだが機械は嘘をつかない。レヒレはこのパソコンを非常に信頼していた。

で、そのパソコンのGoogle先生曰く。

アシマリの仲間は仲間とのコミュニケーションや求愛の為に歌を歌うんだとか。

なら丁度良い、今回はそれを教えようと思いながら、レヒレは席を立った。

読んだ文面になぜか心が痛んだが、レヒレ自身はそれに気がつかなかった。
 ▼ 85 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:50:34 ID:e.HHz9W. [15/27] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
レヒレ「と言うわけで、今から歌の練習しまーす!!」

アシマリs『『『はーい!!』』』

レヒレ「えっと、今回流すのは……」


暫く後。レヒレはパソコンで音楽関連のソフトをいくらかダウンロードし、アシマリ達に歌わせてみる事にした。

本来ならレヒレ自身が歌いたかった所なのだが、この前まで引きニートだった奴にそんなことは出来ない。

レヒレ自体が音楽に疎いので、機械に頼る他無いのだ。
 ▼ 86 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:51:09 ID:e.HHz9W. [16/27] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
レヒレ「それじゃ行くよー!!」ポチッ

パソコン「キュルキュルキュルキュル……」

パソコン『https://www.youtube.com/watch?v=9JUwoSUZA34

エクス「えーと、ピカチュウ?」

ピーン「ピカチュウ!! ピカチュウ!!」

ディーン「ピッピカチュウ!!」

ゼットン「ミミッキュ!!」
 ▼ 87 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:51:46 ID:e.HHz9W. [17/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレが流し始めたのは『ピカチュウの歌』だった。

理由は簡単、聞いてて面白かったからだ。

断じて、歌詞が覚えられないから仕方無くこれにした訳ではない。

断じて、普通の歌が早すぎて歌えなかった訳ではない。

断じて、普通の歌を歌うのが気恥ずかしかった訳ではない。

無いったら無い。
 ▼ 88 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:52:20 ID:e.HHz9W. [18/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュンタ「ピ、カチュウ……ピカチュウ……?」

ケイシ「ピッカア!!」

ゼットン「10万ボルトでお役に立つぞ♪」

エフソン「ピカピーカ、ピカチュウ!!」

ヴィアイン「ピピッカア!!」

レヒレ「……」


正直こっちを歌う方が気恥ずかしい気がする。

レヒレは一人顔を赤くした。とても自分は歌えない。

そんな彼女は、遺跡の片隅で踞るアシマリに気づいた。

同士だろうか。
 ▼ 89 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:53:17 ID:e.HHz9W. [19/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……どうしたの?」

オーウェン「……歌えないよ……」

オーウェン「その、えと、皆みたいに歌えない……」

レヒレ「……音痴?」

レヒレ「……きっと大丈夫だって、ほら、歌ってみよう?」

オーウェン「う、うん……」

オーウェン「ええと……ピ↓カ↑チュウ、ピ↓カ↑チュウ……?」

レヒレ「あうっ」
 ▼ 90 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:53:50 ID:e.HHz9W. [20/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アクセントかずれてた。酷くずれてた。

これはどうするべきなんだろう、やっぱり教えるべきなのか、でも教えたら硝子のハートが砕けそう……


レヒレ「……ん?」

オーウェン「?」

レヒレ「……」
 ▼ 91 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:54:51 ID:e.HHz9W. [21/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
刹那レヒレは動きを止めた。

楽しげなアシマリ達の合唱の中に、全く違う音を聞いたのだ。

外から聞こえてくる……草むらを掻き分ける音。岩の上を歩く音。

間違いない。

誰かの足音だった。
 ▼ 92 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:55:21 ID:e.HHz9W. [22/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
   カツカツ

女『煩いなぁ……誰だろう』

女『遺跡で騒ぐとか罰当たりだよねぇ……』

女『誰が音楽流してるのかな……あれ、アシマリ?』

女『……あんなに沢山のアシマリ、どこから来たんだろう。カプ・レヒレ様困ってるじゃない』

女『努力値振りも兼ねて、戦いますか』
 ▼ 93 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:55:54 ID:e.HHz9W. [23/27] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
やって来たのは一人の女だった。確か暫く前に定期的にお参りに来ていた気がする。

この頃は来ていなかったが……気まぐれだろうか。

それより、言っていることが物騒だ。

倒す。つまり……アシマリ達を殺す気か!?


女『じゃ、行こうか。ボーマンダ!!』

ボーマンダ「おう!!」

レヒレ「いや、その、これには深い訳が……」

女『りゅうせいぐん!!』

レヒレ「……っ、下がって!!」
 ▼ 94 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:56:29 ID:e.HHz9W. [24/27] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
不味い。レヒレの直感が告げた。

あのポケモンはアシマリでは倒せない。

レヒレはそう思った瞬間に動いた。アシマリを守るように立ちはだかった。

降り注ぐ星群をハイドロポンプで打ち消す。


レヒレ「止めなさい!!」

女『っ、何を!!』

レヒレ「何で話も聞かずに攻撃するんですか恥を知りなさい恥を!!」

女『何ですって……?』

女『やってボーマンダ、捨て身タッ――』

   ズドン
 ▼ 95 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:57:02 ID:e.HHz9W. [25/27] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
刹那。女の足下に亀裂が走った。

レヒレのしぜんのいかりである。

何時もなら力はセーブ気味のレヒレだったが、久し振りに彼女はマジのガチだった。

彼女には、もう守るべき者達がいた。彼らを守る、その為にはかつて創造主から与えられた力を惜しむ訳にはいかない。

海が荒れている。対流はレヒレを強化していく。


女『……私は、遺跡を荒らす不届き者を……』

レヒレ「黙りなさい!!」

   ズドン ズドンズドン

女『……っ!! 戻って、ボーマンダ』
 ▼ 96 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:58:04 ID:e.HHz9W. [26/27] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
レヒレの怒りの前に、女は恐れをなして逃げていった。

そしてレヒレは鼻を鳴らして遺跡に戻る。

彼女を出迎えたアシマリ達は、レヒレの力を恐れ、そして憧れを抱いていた。


エム「ママ凄い!!」

ワイヤー「かっこいい!!」

レヒレ「……やり過ぎちゃった」

レヒレ「さっ、続きしよっか!!」
 ▼ 97 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/07 23:58:37 ID:e.HHz9W. [27/27] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレにとってこの時間は大切な物だ。

守るためなら全力を尽くす。アシマリ達にはその価値がある。

レヒレは今幸せだった。


その後、激怒した女がマスコミにレヒレの悪行を報告しようとするのをハプウが必死に引き留めたのだが、今のレヒレにはどうでもいい話である。

step 3  終了
 ▼ 98 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 19:14:04 ID:oXqoPJ9c [1/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



step 4  看病


まだ日の登らない夜中。


レヒレ「……zzz」

   モゾモゾ

レヒレ「……?」
 ▼ 99 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 19:14:40 ID:oXqoPJ9c [2/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
眠っていたレヒレは、自分の殻の中に手をかける存在に気がついて目を覚ました。

下を見てみると、アシマリが一匹。


レヒレ「あれ、えーっと……エースケ?」

エースケ「んー……うー……」ヨロヨロ


様子がおかしい。

普段はこんなことしない筈なのだが。
 ▼ 100 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 19:21:34 ID:oXqoPJ9c [3/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……よくよく見てみると、顔がほんのりと赤かった。手を当ててみると熱い。

どうやら熱を出したらしい。

初めて会った時から、よくよく考えれば彼ばかりに大変な役を押し付けていた気がする。留守番の時なんかは彼に頼りっきりだ。

疲れが出たのだろうか。


レヒレ「大変、ええっとどうすれば良いんだっけ……?」カタカタ

レヒレ「頭を冷やすの?」

レヒレ「だったら取り合えず、……氷嚢?」

レヒレ「氷嚢作るなら袋要るわよね」

レヒレ「袋袋袋……」キョロキョロ
 ▼ 101 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 19:22:06 ID:oXqoPJ9c [4/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
慌てて周囲を見渡すレヒレ。

確かどこかに漂流物回収用の厚手の袋があった筈だ。そう考えながら右往左往する。

それを引き留めるものがいた。

他でもない、エースケ本人だった。


エースケ「……」ガシッ

レヒレ「ちょっ、離してよ、今から氷嚢作るんだから……」
 ▼ 102 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 19:41:56 ID:oXqoPJ9c [5/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう言ってみてもエースケは動く気配が無い。彼の目は焦点が合ってないようにすら見える。

そしてエースケは熱に浮かされたように呟いた。


エースケ「……」

エースケ「……ママー……チューしてー……」

レヒレ「」

レヒレ「」

レヒレ「」
 ▼ 103 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 19:50:03 ID:oXqoPJ9c [6/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレは絶句した。

脳内が混乱で真っ白に染まっていく。

今は母親となっているが、忘れてはならない……レヒレはキスすらしたことのない生娘である。


レヒレ「な、なななな何を!?」

エースケ「熱いよ……ギュッとして……」フラフラ

レヒレ「えちょっ、その、まだあの……」プスプス

レヒレ「まずはお友達からとか、あのっ」


最早意味が分からない。親子なのに友達とか、一体何を言っているんだ。

レヒレは頭から湯気を出しながら気絶した。
 ▼ 104 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 20:52:23 ID:oXqoPJ9c [7/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



レヒレ「……んぅっ……」

エースケ「……大丈夫?」

レヒレ「うん……」


数分後。レヒレは目を覚ました。

エースケの風邪は先程までのレヒレの凶行にビビったのか引っ込んでいる。

こちらを気遣うエースケから逃げるように、レヒレはパソコンに向かった。
 ▼ 105 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 20:53:19 ID:oXqoPJ9c [8/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「親子って何処まで関われば良いんだろう……?」

レヒレ「……」カタカタ

レヒレ「……」カタカタ


レヒレはパソコンを操作する。

親子の健全な関係とは何か。親はどこまで出来るのか。

そもそもレヒレは親を知らないのだ。だからGoogle先生に頼る他無いのである。

……興味深い記事が見つかった。
 ▼ 106 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 20:53:55 ID:oXqoPJ9c [9/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……ムスコン?」カタカタ

レヒレ「……」

レヒレ「……」カタカタカタカタカタカタカタカタ


書いてあったのは割と衝撃的な内容だった。

息子とヤってしまう母親。怖い。

だが何より怖かったのは、レヒレ自身がそれに陥りかけた事。

彼女は一旦目を閉じ、軽く想像してみた。

自分が進みかけた最悪の未来を。
 ▼ 107 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 20:59:15 ID:oXqoPJ9c [10/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――――――
――――
――

エースケ「ママ……何してるの……?」

レヒレ「……ううん、何でもない」

レヒレ「それより……エースケはいつも頑張ってるからね、ご褒美よ」

   チュッ

エースケ「えへへ……」

レヒレ「もっとしたい?」

エースケ「ん? う、うん」

レヒレ「そうよね」
 ▼ 108 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 20:59:49 ID:oXqoPJ9c [11/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
   チュッ

レヒレ「……気持ち良い?」

エースケ「……う、うん?」

   チュッ

レヒレ「でも……責任取ってね?」

レヒレ「ほら、キスしたせいでここがこんなに……」

エースケ「マ、ママなんか変だよ……」

レヒレ「良いのよ気にしなくて。ほら、おいで?」

レヒレ「……おいで? 体、熱いんでしょ?」

エースケ「う、うん……」

   ギュッ

レヒレ「……ママはあなたが大好きよ」

――
――――
――――――
 ▼ 109 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:00:21 ID:oXqoPJ9c [12/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「ぎゃあああああああ!?」バタバタ

レヒレ「あんぎゃあああああああ!?」バタバタ

エースケ「え、ちょっ、ママ!?」

レヒレ「あふっ、あふっ、あっ、ああああっ!!」バタバタ

エースケ「お、落ち着いて!!」

エースケ「落ち着いてよ落ち着いて!! ひっひっふー、ひっひっふー」

レヒレ「ふぅ、はぁ、はぁ……」
 ▼ 110 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:14:35 ID:oXqoPJ9c [13/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレは腹這いになり、ため息を吐く。

エースケの視線が向けられる。今の騒ぎで他のアシマリ達も起こしてしまったかもしれない。

レヒレは羞恥に顔を染めながら踞った。


レヒレ「うぅ……」

エースケ「……ママ、大丈夫?」

レヒレ「う、うん……大丈夫よ、大丈夫……」
 ▼ 111 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:34:40 ID:oXqoPJ9c [14/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレの中で、『理想の母親』と『欲しい未来』が揺れ動く。

理想の母親なら子供達の為に、彼らの為になる事を望むだろう。

調べてみれば、アシマリは人に注目される事を好むとあった。本来は霧で観客をシャットアウトするのは逆効果だった。

ハプウとか使えばアローラのTVぐらいは呼べる筈だ。

だがレヒレ本人の欲しい未来はそうではない。
 ▼ 112 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:35:28 ID:oXqoPJ9c [15/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼女は一人占めしたかった。可愛い子供達を人々の白目の元に晒したくは無かった。

別にさっきのネットの内容のような関係は望んでいない。

ただ、自分だけの子供でいて欲しかった。離れないでいて欲しかった。

……だがそれは母親としてやってはならない行為。許されない行為。

息子を束縛し我欲の為使うなんて、そんなの……

まるで道具じゃないか。
 ▼ 113 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:43:26 ID:oXqoPJ9c [16/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……」

レヒレ「……?」

レヒレ「……エースケ、誰か来たわ……ちょっと待ってて」

エースケ「うん」


その沈黙の中、レヒレは誰かの足音に気がついた。

レヒレの思考を遮る、でもこの前の女とはまた違う柔らかい音。

レヒレは遺跡から出て、その足音の主の前に立つ。
 ▼ 114 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:43:57 ID:oXqoPJ9c [17/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……こんな朝早くに、どうしたの?」

ハプウ『……』

ハプウ『……済まんな、来てしまって』

レヒレ「用があるなら早く済ませて。エースケが風邪引いてるの」

ハプウ『……』

ハプウ『……アシマリ達を、引き取らせて貰いたいのじゃ』

レヒレ「……はぁ?」
 ▼ 115 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:44:27 ID:oXqoPJ9c [18/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やって来たのはハプウだった。

警戒を解いたレヒレに……ハプウは残酷な要求を告げる。

アシマリ達を引き取る、と。


レヒレ「ちょっ、何を……」

ハプウ『この前、この彼岸の遺跡に来客がおったじゃろ』

レヒレ「……あのウザい女?」
 ▼ 116 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:45:07 ID:oXqoPJ9c [19/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハプウ『ああ、それじゃ。あれがの、お主にボコされた帰りに凄い形相で帰ってきての』

ハプウ『『許せない、マスコミにちくってやる』とか言ってたのじゃ』

ハプウ『勿論引き留めたぞ? だが、この頃の行動は流石に目に余る』

ハプウ『島に霧を張り巡らせた時には、海の民の村人達が船を出せず深刻な危機を迎えた』

ハプウ『人を襲った件については、この頃の敏感な人々に要らぬストレスを与えた』

ハプウ『最近では、守り神なんて始末するべきだ、という声すら上がってきている』
 ▼ 117 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:47:27 ID:oXqoPJ9c [20/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……」

ハプウ『あのアシマリ達を守りたいだろう? だが、今のままだと、遠からず皆死んでしまう』

ハプウ『今までもあまり好かれてはいなかったのに、更に人々と無駄な軋轢を作ってしまったからな』

ハプウ『人々が殺しに来る可能性も、十二分にあるのじゃ』

レヒレ「……」
 ▼ 118 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:48:01 ID:oXqoPJ9c [21/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハプウ『……だから、彼らをエーテル財団に引き取って貰おうと思うのじゃ』

ハプウ『そうすれば全てが元に戻る。アシマリ達も安全だ』

ハプウ『きっとそれが最適解なのだ。……許せ』


ハプウの面持ちは沈痛だった。

彼女はアシマリ達を案じている。レヒレにはそれが理解できた。だが手放したく無かった。

沈黙がレヒレに突き刺さる。

何も言えないレヒレに対して、ハプウが口を開いた。
 ▼ 119 マシュン@ゴージャスボール 17/04/08 21:48:19 ID:7Oxs5gk2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 120 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:48:33 ID:oXqoPJ9c [22/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハプウ『……時間がない。今のところは押さえているが、ともすれば今日にでも神殺しを企む輩が出ないとも限らん』

ハプウ『……』

レヒレ「……それでも……」

ハプウ『……後でまた聞きに来る』


ハプウは静かに去った。

朝日が上ろうとしている。光がレヒレの頬を濡らした。
 ▼ 121 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:49:18 ID:oXqoPJ9c [23/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
遺跡の方から、起きたのであろうアシマリ達の声が聞こえてくる。だがレヒレは身動きが取れない。足が震えて言うことを聞かない。

下手な動きをするだけで、日常が砕け散ってしまう気がした。

瞬間。何者かの声が響いた。


天の声『……あーあー、マイクテス、マイクテス……』

レヒレ「……!!」

天の声『……大変な事になりましたね』
 ▼ 122 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:49:48 ID:oXqoPJ9c [24/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「教えてください、私は、これからどうすれば……!?」

天の声『……』

天の声『……それは貴女が決めることです』

天の声『少なくとも、私は……彼らの母になってくれた貴女に感謝しています』

レヒレ「……」

天の声『貴女の選択に従いましょう。貴女は、貴女の思う通りに動けば良い』

レヒレ「……」
 ▼ 123 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/08 21:50:28 ID:oXqoPJ9c [25/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

レヒレの足の震えは無くなっていた。

今、レヒレにとってやるべき事……それは、アシマリ達の母であること。

決断をするその時まで、せめて彼らの母でいよう。

レヒレはそう決意した。


step 4  終了
 ▼ 124 オラント@ゴーストジュエル 17/04/09 07:36:51 ID:QUzADJek NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 125 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 20:50:19 ID:HrQXx0J2 [1/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
最終章 step 5  戦闘


レヒレ「……うぅ」

ダブルス「ママどうしたの?」

レヒレ「……いや、何でもない」
 ▼ 126 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 20:50:59 ID:HrQXx0J2 [2/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレは呻いていた。

彼女に時間は無い。今すぐにでもアシマリ達をどうするか決断しなければならない。

だがレヒレは、アシマリ達を人間に渡すつもりは毛頭無かった。

人間は信用ならない。現に、エーテル財団はこの前のビースト騒ぎの黒幕だったそうじゃないか。

信用出来るわけがない……だから、レヒレは、アシマリ達が独立して生きられるようにしようと思った。

今日この一日で。
 ▼ 127 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 20:52:09 ID:HrQXx0J2 [3/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……」

レヒレ「とすれば……ここは、まず集団での戦闘をさせてみたいわね」

レヒレ「流石に、一匹一匹がまだ弱い」

レヒレ「それに疲労も早い……だったらサイクルを回さなきゃ」

レヒレ「だったら三つ分のグループを作って……」
 ▼ 128 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 20:52:56 ID:HrQXx0J2 [4/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレが考えた布陣は次のような物だった。

まず、アシマリ達をABCの三つの班に分ける。それぞれ9、9、8匹だ。

各々ローテーションしながら攻撃を行う。

まず一つの班がアクアジェットで特攻を仕掛ける。無理は禁物、一撃加えれば即退散。

それと同時に後ろに控える二つ目の班がみずでっぽうを放つ。正確さはいらない、とにかく撃てば当たるのだ。
アクアジェット部隊が帰ってくるのと同時に彼らは新たなアクアジェット部隊となる。

さらに控える三つ目の班もみずでっぽうが基本。だが彼らはみずでっぽうの放射、アクアジェットによる特攻でダメージが溜まっているので、予め用意しておいた回復用品で傷を塞ぐ。
彼らは前でみずでっぽうを撃つ部隊が出撃したら前に出る。そして帰ってきたアクアジェット部隊が傷を癒すのだ。
 ▼ 129 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:02:31 ID:HrQXx0J2 [5/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……いけるかしら」

レヒレ「不安はまだあるけれど、でも時間が無いし……」

レヒレ「……やってみましょうか。急がないと」

レヒレ「全員集合!!」

レヒレ「……今から戦闘訓練を行います」

アシマリs『『『!!』』』
 ▼ 130 ーダル@やすらぎのすず 17/04/09 21:03:26 ID:J5GU/Zp. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 131 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:12:46 ID:HrQXx0J2 [6/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「そっちじゃない、もっとこっち」

ティーチ「はーい」

レヒレ「じゃ、もう一回!!」


訓練は続く。水飛沫が上がる。

太陽が上りきり、そして傾いていく。

限られた時間がきて夢のように過ぎていく。

今のレヒレに出来ることは、アシマリ達を強くすること。人間に頼らず生きられるようにすること。

そしてアシマリ達は、レヒレの思いに答えるように、たった半日で陣形を完成させた。
 ▼ 132 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:13:25 ID:HrQXx0J2 [7/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……」

ベータ「ママ、出来たよ!!」

レヒレ「……そうね。完璧よ」


レヒレはまだ、アシマリ達の親だ。

まだ決断出来ていない。

アシマリ達をエーテル財団に引き渡すか、それとも守るか、野生に放つか。

守るとしたら、彼らとはどう関わるべきなのか。

レヒレはストレスを抱えていた。何かいいサンドバッグがあれば良いのだが……
 ▼ 133 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:13:57 ID:HrQXx0J2 [8/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

テテフ「やっほーレヒレ!! 遊びに来たよ!!」

レヒレ「迎撃、開始!!」

アシマリs『『『分かった!!』』』


いた。
 ▼ 134 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:14:33 ID:HrQXx0J2 [9/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
テテフ「え、ちょっ、何!?」

シータ「覚悟っ!!」アクアジェット

エフソン「ヒャッハー!!」アクアジェット

テテフ「え? え? え?」


アクアジェットがテテフを付け狙う。

虚弱ながら鋭い、理由の分からない一撃が主にテテフのSAN値を抉る。
 ▼ 135 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:15:08 ID:HrQXx0J2 [10/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ケイシ「シュート!!」ミズデッポウ

エルトン「貰った!!」ミズデッポウ

テテフ「あうあうあう」


遠距離からの射撃も地味に痛い。

テテフの実力からすればこの程度何て事無いが、それでも主に心が痛い。
 ▼ 136 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:15:44 ID:HrQXx0J2 [11/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「おらぁぁぁあ!! 死ねぇぇぇ!!」ハイドロポンプ

   ズドォォォンッ

テテフ「ちょっ、えと、キャラ変わってない!?」

   ベシャッ

テテフ「あべし」


最終的にレヒレのハイドロポンプを受けたテテフは、音もなく水中に沈んだ。
 ▼ 137 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:33:06 ID:HrQXx0J2 [12/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テテフ「酷いよレヒレ〜……」

レヒレ「非リアの前でイチャついた報いよ、甘んじて受けなさい」


引き上げられたテテフは頭をさする。大きなたんこぶが出来ていた。

それを指差し笑いながら、どや顔でそう言い放つレヒレ。ストレスは解消出来たに違いない。

……だがその顔はすぐに曇る。
 ▼ 138 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:33:39 ID:HrQXx0J2 [13/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もう日は沈んでいた。そろそろハプウが来るだろう。

レヒレは、テテフに全てを話した。いや、話そうとした。


レヒレ「……実は、アシマリ達なんだけど」

テテフ「レヒレが色々やらかしたから、エーテル財団に引き取って貰おうって話が出てるんでしょ?」

レヒレ「……何でそれを?」

テテフ「ふふふ……気づかなかったようだけど、実は全部知ってました!!」

レヒレ「……へ?」
 ▼ 139 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:34:23 ID:HrQXx0J2 [14/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレの口があんぐりと開く。

知ってた、だと? それはつまり、見ていたのか?

まさかこのリア充は、非リアを嘲笑う為に厄介者を押し付けた挙げ句、それを観察していたと言うのか?

やはりリア充は死ぬべきだ。ファッキン。
 ▼ 140 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:34:55 ID:HrQXx0J2 [15/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テテフ「いやいや、別に嘲笑うとかじゃなくてさ」

テテフ「ちょくちょく空から声聞こえてきたでしょ」

テテフ「あれ、レヒレはアローラの創造主とか言ってたけど……」

テテフ「アシレーヌなんだよね」

レヒレ「!?」
 ▼ 141 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:35:31 ID:HrQXx0J2 [16/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テテフ「彼、何だかんだでアシマリ達……お兄ちゃん達の事を気遣ってたみたいで」

テテフ「定期的に覗きに行ってたのよ」

テテフ「今も遺跡回りをこっそり巡回してる。よっぽど気にしてるみたい」

テテフ「……そのせいで暫くの間アシレーヌに赤ちゃんプレイをねだられる羽目になったけど」


最後の部分は聞かないでおこう。

だが、知っているとあれば話は早い。

自分は一体どうすれば良いのか、教えて貰いたかった。
 ▼ 142 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:36:39 ID:HrQXx0J2 [17/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレ「……私は、どうすれば良いの……?」

テテフ「だから、それはレヒレが決めることなんだって」

テテフ「アシレーヌも言ってたでしょ?」

レヒレ「うう……」


俯くレヒレ。頬を涙が伝っていく。

テテフは暫く困り顔を浮かべ、そして何かを思い付いた。
 ▼ 143 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:37:14 ID:HrQXx0J2 [18/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テテフ「あ」

レヒレ「……?」

テテフ「……今結論を出す必要は無いよ」

レヒレ「え……?」

テテフ「暫く、ほとぼりが冷めるまで、私達がアシマリ達を引き取って置けばいいんだよ!!」

レヒレ「……!?」
 ▼ 144 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:39:38 ID:HrQXx0J2 [19/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
全く予想外の提案だった。

そもそも、テテフがレヒレにアシマリ達を預けたのは、育て方が分からないからでは無かったのか?

いや、本当はイチャつきたかっただけだとしても、アシマリがいればそれは叶わないはず……

レヒレはこれらの根拠のもと、テテフを頼るのは諦めていたのに。
 ▼ 145 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:40:36 ID:HrQXx0J2 [20/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
テテフ「良いのよ、私達友達でしょ?」

レヒレ「え、そうだっけ」

テテフ「あふっ……とにかく、同じ守り神仲間として、あなたを手伝いたいと思います」

テテフ「……実を言うとね、アシレーヌがあんまりにもお兄ちゃん達が心配だって言って、ポニに引っ越してやろうかとか言ってたの」

テテフ「嫌じゃん、寝取られとか趣味じゃないよ」

レヒレ「……あはは」
 ▼ 146 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:41:07 ID:HrQXx0J2 [21/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



レヒレ「じゃあ、気を付けてね!!」

アシマリs『『『行ってきまーす!!』』』

レヒレ「ちゃんと言うこと聞くのよ!!」

アシマリs『『『はーい!!』』』

レヒレ「……アシマリ達に手を出したら細切れにするからね」

テテフ「分かってるって」
 ▼ 147 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:42:30 ID:HrQXx0J2 [22/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
月が水面を照らす夜。

テテフはレヒレにそう言い残し、アシマリ達を連れてポニから去った。

アシマリ達がこちらに手を振ってくる。

だがこれは永遠の別れではない。あくまで、親戚のおばさんの家にお泊まりに行くだけ。

そう思えたからこそ、レヒレの心は落ち着いていた。
 ▼ 148 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:43:15 ID:HrQXx0J2 [23/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ハプウ『……済まないな、盗み見させて貰った』

レヒレ「……」

ハプウ『こちらの方でも動いておく。人々が守り神に害を加えないようにな』

ハプウ『……そもそも、もう『守り神を崇める』時代は終わったのかもしれんが』

レヒレ「……そうね。話の通じない分からず屋どもと何時までもランデブーするのはごめんよ」

ハプウ『……そうじゃろうな』
 ▼ 149 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:44:43 ID:HrQXx0J2 [24/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もうとっくに、アシマリ達は見えなくなっていた。

子と生きるという、守り神から外れた「ただのポケモンとしての幸せ」を得たレヒレは、ただただ勝手に流れ落ちる涙を無視していた。



これで一旦この奮闘記は終わりとなる。

後書きはいらない。レヒレとアシマリ達の生活はまだ始まったばかりだ。

ただ言えることが有るとすれば、……人間は他者を縛りすぎた、と言うことか。

守り神達は、今や力はあっても人間には敵わない。知恵はあっても人間には敵わない。

最早神を崇める時代は終わった。だから、向き合うべきだと思うのだ。

守り神だった彼女と。親となった彼女と。

レヒレは定期的にアシマリ達を家に迎えている。その現場に会えたなら、きっと彼女の幸せそうな声が聞こえてくる筈だ。

あとテテフの悲鳴。

  
【SS】レヒレさんの子育て奮闘記 幼年期編 終了
 ▼ 150 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 17/04/09 21:46:17 ID:HrQXx0J2 [25/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


ママレヒレに愛でられたい

Wikiや前スレで「孵化余りアシマリが可哀想」的な書き込みがあったので書きました、リクエストはいつも受け付けてます

……気が向いたら青年期編も書くかも
 ▼ 151 ジロン@きせきのみ 17/04/09 21:48:55 ID:kF2WKzac NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙です!
面白かったです
 ▼ 152 サイハナ@トロピカルメール 17/04/09 21:49:18 ID:fCnxMdxU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>139
口?
 ▼ 153 ョンチー@むげんのふえ 17/04/09 21:49:32 ID:ThAtBE2M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ずっと読んでました! 青年編読んでみたいです! 支援!
 ▼ 154 ルロック@ライトストーン 17/04/09 21:55:36 ID:yvEgwt2o NGネーム登録 NGID登録 報告
乙です!

孵化余り♀アシマリとか見てみたいかも……
 ▼ 155 レザード@げんきのかけら 17/04/09 22:28:27 ID:t7n4n5nY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レヒレたそ好き。乙
 ▼ 156 ークイン@ふねのチケット 17/04/09 22:29:25 ID:woNFmnBA NGネーム登録 NGID登録 報告
反抗期を迎えそうな
 ▼ 157 ガデンリュウ@ドリのみ 17/04/09 22:58:55 ID:bT7OAEnI NGネーム登録 NGID登録 報告
面白い!支援!
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