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SS

【SS】男「ポ、ポケモン移植手術……?」【リメイク】

 ▼ 1 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 18:53:57 ID:OchAa.LY [1/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピピピピピピピピピピピピピピピ……!!

五月蝿い。

耳障りにしかならない高音が部屋中に響き渡った。

どうやら……この音は、俺の命の危機を知らせる音らしい……。


白衣の男「やはり……×××の移植は無理があったんですよ……!! このままではこの子……し、死んでしまいます!」


男(死ぬ……だと?)


オーキド「落ち着け!! 絶対に、絶対にこの実験を成功させる……。この子こそが、必ずワシらの希望の灯となるのだ!!」


男(何なんだ? 何が起きているんだ? 一体……)


男(あ、やべぇ……段々、意識が……遠退いて……い、く……




─────────プツン。
 ▼ 2 ーマルド@レインボーパス 17/08/24 18:54:34 ID:5KyHQeJc NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
誰得リメイクおつかれさまでぃーす!
 ▼ 3 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 18:55:44 ID:OchAa.LY [2/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポタ…ポタ…。

水の滴り落ちる音がする。

あれ……?
ここは何処なんだろうか……?


ボヤけた思考の中で、男は自らがどういう状況下に置かれているのか……それを理解しようと必死だった。


暗く、じめついた部屋……。
あちこちに蜘蛛の巣が張ってある……。


そして、男の目の前には錆びた扉があった。
彼は不快感を感じざるを得ないこの部屋から、一刻も早く出ようとした。


だが、扉は動く気配すら見せない。
男は尚もそれをこじ開けようと、腕に力を入れた。

その時だった。
 ▼ 4 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 18:57:21 ID:OchAa.LY [3/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コツ……コツ……コツ……

男は気づいた。この部屋に近づく靴の音に。

薄暗く重苦しいこの場には、到底似つかわしくないであろう軽快な音である。
男はすぐさま警戒した。


錆び付いた扉の向こうで、何者かが大きな声をあげた。


女「コードネーム:零!! ……騒ぐのをやめなさい!!」


若い女の声だった。

男はその声が自分に向けられていることをすぐさま理解した。

そして、訳の分からないこの状況を少しでも理解したいという思いの上で、彼は女に対して、発言を試みたのである。



男「あ、あの! ここは何処なのでしょうか!? それに何で、俺は閉じ込められているんですか!?」

シィィィン……。

暫くの沈黙を経て、女は口を開く。


女「そう、やはりアナタは……状況を理解していないらしいわね」


女の声が暗く狭い部屋で反響した。
 ▼ 5 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 18:59:59 ID:OchAa.LY [4/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「今、扉を開けてあげる。……だけど、暴れたり逃げ出そうとしても無駄だよ? ……大人しく私についてきて」

男は女の提案に従う他なかった。

それ以外に、この状況を知る術はないように感じられたからだ。

男は部屋から出してもらい、大人しく女の後をついていく。


コツ……コツ……コツ……。

靴の音だけが廊下に反響していた……。

男は黙るしかない。

一言でも喋れば、今にも拳が飛んでくるような威圧感を、女から感じたからだ。


女「確か……ここよね」

女が何かを呟き、急に、ある錆びた扉の前に立ち止まった。



男「へ?」

男の動揺を他所に、女は勝手に話を進める。

女「この部屋よ、さあ、入って」
 ▼ 6 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:01:49 ID:OchAa.LY [5/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……今更、怖がっても意味がない。

この部屋に入る以外に、今の状況を知る手段がないのであれば……行くしかない。
男はそっと、扉のノブに手をかける。

キィ……


錆びた扉はゆっくりと開き、甲高い音を上げた。





ザワザワザワ……。


男「こ、ここは……」

扉を開けた向こうにあるその部屋は思いの外、広々としており、そこにはなんと、大勢の人間とポケモンが蠢いていた。

男は口を大きく開いたまま、その場で立ち尽くすことしか出来なかった。


女「さぁ、行きなさい。……そうすれば、今の自分が置かれている状況もそのうち分かることでしょう。コードネーム:零……」


男「あ、あのコードネーム:零というのは一体」


女「零はアナタの名前。そんなことはいいから……早く行って……」



女は依然として冷静な、いや、冷徹とも思える口調で、男を部屋の奥へ進むように促した。

渋々ではあったが、男は一歩、また一歩と部屋の中へと歩み始める。
 ▼ 7 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:03:28 ID:OchAa.LY [6/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
????「おい、小僧」

男「……っ!?」


すると、40代後半から50代前半ほどの年齢と思われる中年男性が声をかけてきた。

そして、中年男性は意味不明な言葉を男に投げ掛けた。


中年男性「アンタ、新入りだな!?」

中年男性「……お前さんはどんなポケモンに改造してもらったんだい? ……お披露目が楽しみだなぁ」

男「……???」

何やら含蓄があるその一言を、男は全く理解することが出来なかった……。

只でさえ掴めていない状況がますます、混沌としてきたようだ。

男は訳も分からず、頭を掻きむしり、ふと周りを見渡した。


マリルリ……ハガネール……ダーテング……。

それ以外にも多様な種類のポケモンがいた。

そして、さらに気になったのはここにいる人間たちである。


幼い──せいぜい、中学生くらいの背の高さしかない少女。

50は優に越えているであろう初老の男性。

如何にもくたびれたサラリーマンに見えるやせ形の男性。

若いOL風の女性。




男「ここは何なんだ。何が……起きているんだ?」
 ▼ 8 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:07:08 ID:OchAa.LY [7/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
男がまったくもって、チンプンカンプンな状態でいると……。


ドタタタタタタタタタタ!! バタンッ!!



黒服「被験体たちは今すぐ静かにしろ!! ……ただいまより、ポケモン移植研究団体のチーフがお話になる!!」


突然のことである。

部屋の中に、黒の紳士服を着こんだ集団が入ってきたのだ。


男(何事だ!?)

黒服たちが入ってきたその瞬間、部屋にいた人間とポケモンたちは、急に一言も喋らなくなった。

やがて……それらの沈黙を突き破るように、その黒服集団に囲まれた顔のシワが目立つ老人が、急に、大きな声で話し始めたのである。



老人「皆様! 体調は優れておりますかな!?」

老人「いやはや、この度の定例会にもこれだけ多くの被験者の皆様に集まってもらえるとは! 感謝感謝、雨あられでございますな! ハハハハハ!」

真っ白な歯を剥き出して、老人は笑い出した。
 ▼ 9 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:10:14 ID:OchAa.LY [8/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
老人「……さてと。定例会では最早定番になりましたが、誰か我々の前で、移植手術の成果を見せていただけませんか? もし素晴らしいアピールをなされたのであれば、褒美を差し上げましょうぞ」


すると、老人が急に腕を振り上げ、OL風の女性に指を向けた。


老人「そうだ、そこの美人のあなた!! ……ぜひとも、その能力を見せてはもらえないだろうか!?」


男には、老人が何のことを言っているのかさっぱり分からない。


OL女「分かりましたわ」


だが、OL風の容姿の女には、その意味が分かったようだ。
彼女は長い茶髪を掻き分けながら、叫びだした。

ここで男は、今まで見たことのない光景を目の当たりにするのである。


OL女「うぅぅぅ……冷凍ビーム!!」

パキパキパキパキ……!


なんと驚くべきことか。
突如、女性の口から冷気が放たれ、部屋の壁の一部を氷漬けにしたのだ。
 ▼ 10 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:13:24 ID:OchAa.LY [9/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
OL女「どうかしら?」

女性は得意気になった様で、またその美しい髪を掻き分けた。

ここでも男は摩訶不思議な出来事を目の当たりにする。

綺麗だった女性の茶髪が、真っ白に変色していたのである。

もちろん、真っ白に変色していても美しい髪であることに変わりはなかったが……。



OL女「ふふ……私の能力に欠点があるとすれば、技を使うと髪の色が変わってしまうことくらいかしら」


男は驚くしかなかった。当然のことだ。

女性の口から冷気が出て来て、壁を氷付けにしてしまったのだから。

しかも、それを境に女性の髪の色が一瞬で変化してしまったのだ。
こんなこと……普通じゃ有り得ない。


老人「素晴らしいねぇ!!……それで、君は何のポケモンを移植してもらったんだい?」

老人は満面の笑みを浮かべている。
OL女は老人の質問に対し、実に晴々しい表情で答えた。


OL女「ウフフ♪ ……私は、ユキメノコ細胞をいただきましたわ♪」

男(ユキメノコ? ……な、何を言ってるんだ)

OL女「私の名前は風見ユキミ……。お名前をご存知の方もいるでしょうが……以後、お見知りおきを」
 ▼ 11 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:15:28 ID:OchAa.LY [10/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========
実験体file 1

ーーユキメノコのユキミーー

口からマイナス五十度の冷気を吐き出すのが、特徴とされる。
能力の使役によるデメリットはほぼない。
敢えて指摘するなら、髪が白くなってしまうことくらいだろうか。
ユキミは、白くなった髪を染める日課だけは忘れないようにしている。



マイナス50どの れいきを はいて あいてを こおらせる。
どうたいに みえる ぶぶんは じつは くうどう。
ダイヤモンド・パール図鑑説明文より抜粋。
========
 ▼ 12 ナッキー@おおきなねっこ 17/08/24 19:16:32 ID:qpuMaWlE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 13 ンチュラ@せいしんのハネ 17/08/24 19:19:03 ID:j7Me.jCM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 14 ロア@ゴーストメモリ 17/08/24 19:22:08 ID:LQm3vKpM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
懐かしいな
リメイクどーなるかわからんけどとりあえず支援
 ▼ 15 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:23:01 ID:OchAa.LY [11/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
男「……!?」

驚きを隠せない様子の男に、先程の中年男性が声をかけてきた。


中年男性「おいおい、アンタだって何かのポケモンを移植されたはずだろ? 何も驚く必要は……」


男「え、ええええええええ!!?」

恐ろしいことを聞いたような気がした。
まさか、この自分も、不思議な力を使えるというのか……!?


中年男性「いきなり大きな声出すなバカ!……黒服の奴らに睨まれたら、ここで生きていけねぇぞ」


男「そ、その……あなたも、移植?をされた、とか……?」


男はかなり恐る恐る、小声で聞いてみた。

何というか……得たいの知れない不安感が、自分の心を抉るかのように襲ってくる。



中年男性「おう、俺はな……まぁとりあえず、この耳を見てくれ」


中年男性はそう言うと、急に自らの分厚い耳を見せてきた。

他人に耳を見せることで快楽を得る新手の変態かな?と思ったが、そうではないらしい。
 ▼ 16 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:24:47 ID:OchAa.LY [12/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここでも彼は摩訶不思議な体験をする。

中年男性の耳が、急にゴムのように伸び始め……、

そして、そこにフサフサとした毛が生えてきたのだ!


中年男性「見たかよ、これが俺の能力の一部……。ん、ああ……そう言えば、俺の名前を言い忘れていたな」


中年男性「俺の名は『ヤン・スイゾー』……移植されたポケモンはホルードだ」
 ▼ 17 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:26:18 ID:OchAa.LY [13/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========


実験体file 2

〜〜ホルードのスイゾー〜〜

強靭な耳が特徴。
能力行使の際、耳は伸縮自在となり、
耳だけで1トン程度の重さのものなら持ち運びができるらしい。


おおきな みみは 1トンを こえる いわを らくに もちあげる パワー。
こうじげんばで だいかつやくする。
さらに ショベルカーなみの パワーの みみで かたい がんばんも コナゴナ。
あなを ほりおえると ダラダラと すごす。

XY図鑑説明文より抜粋。

========
 ▼ 18 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:30:02 ID:OchAa.LY [14/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
男「ゴクッ」

立て続けに起こるあまりにも不可解な現象の数々。

男は疑問を感じるとか、そういう余裕すら持ち合わせてはいなかった。

ただ驚くことしか、今の彼にはできなかったのである。



男(わ、訳がわからん……)


スイゾー「おめぇ、変なやつだな……ところでおめぇの名前とか、能力。おめぇはどんな人間なのか。こっちは何にも知らねえぞ、教えてくれよ」


男「……っ!!」


今まで……。

敢えて口に出さなかった事実がある。
今の状況が分からない。

さらにその上……もっと危機的な事態が俺を襲っていた。


俺……。
自分に関することが何も分からないんだ。

つまり、記憶喪失になってしまったんだ……。


男(このオッサンになら……このことを伝えてもいいかもな……)

スイゾーに謎の安堵感を覚えていた男は、自分が記憶喪失だということを、赤裸々に話そうと決めた。
 ▼ 19 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:34:28 ID:OchAa.LY [15/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
──────
────────


スイゾー「ぇぇええ!? 自分の名前も素性も能力も分からないぃ!?」

スイゾーは思わず叫んでしまう。
チラリと黒服の一人がこちらを覗きこんだ。


スイゾー(おっと、いけねぇ……大声だしちまった)


スイゾー「と、とにかく……この集まりが終わったら、一度、俺のところに来いよ。ここじゃあ、迂闊に喋れねぇや」


男「…………」コクン
 ▼ 20 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:37:24 ID:OchAa.LY [16/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
暫くしてから、黒服の中から出てきた老人がこんなことを言い出した。


老人「えー……この度の定例会はいかがだったでしょうか?」


男(この集まりは何かの集会だったのか……)


老人「皆様は今から、またここで実験体として生きていくことになるのですが……」

老人「ちゃんと自分の生きやすい環境を作ることが何よりも大切ですよ。今更なアドバイスかもしれませんがねぇ」



男(環境?)

老人「まだ施設に入りたての被験者の皆様も、先輩方の言うことをちゃんと聞くのですよ」ニコッ


スイゾー「先輩ってのは俺みたいなやつのことだな」ボソッ


スイゾーが突然、一人ごちた。

俺(どうやら、このスイゾーという人を含め……移植実験された先輩って人が結構いるみたいだな)


こうして定例会とやらが終わり、男はスイゾーの下へと駆け寄る。


男「あ、あの……スイゾーさん」

スイゾー「……おめぇ、自分の素性はおろか、自分に何の能力があるのかも分からねぇのか」

男「あ、はい」

受け入れたくないが、それが事実だ。

男は潔く、頭を上下に振る。

すると、スイゾーは耳を掻きながら言った。


スイゾー「じゃあ……おめぇ……このままだと死ぬな」

男「!?」
 ▼ 21 ッサム@みずたまリボン 17/08/24 19:38:50 ID:uPWnPoMY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 22 ミツルギ@うみなりのスズ 17/08/24 19:41:40 ID:aXyKMJqM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今度は失踪するなよ?(微笑)
 ▼ 23 ッパ@ブーカのみ 17/08/24 19:42:33 ID:oqBDTJlU NGネーム登録 NGID登録 報告
ふぁっ!?キノやん懐かしいな
 ▼ 24 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:46:09 ID:OchAa.LY [17/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「ここはな、ポケモン細胞を移植された実験体の隔離施設なんだよ」


初めて聞いた。
ここはそんなとんでもない場所だったのか。


スイゾー「えーとな、それで……いろんな実験体がここで暮らしてるんだが……」

スイゾー「正直な話、ここが平和なところだとは決して言えねえ。……ここじゃあな、弱者は淘汰されんだよ」


スイゾー「例えば、おめぇみたいな記憶喪失野郎なんて、格好の的だな……ほれ、向こうを見ろ」

男「……!」


スイゾーがある方向を指差した。

男はその方向を凝視する。

そこには、如何にもひ弱そうな男と、ヤクザのような異様な迫力のある男がいた。
 ▼ 25 ッシブーン@むらさきのミツ 17/08/24 19:47:32 ID:jmiPxeuw NGネーム登録 NGID登録 報告
むっちゃ有名な人やんけ
これは>>2がひたすら恥ずかしいな
 ▼ 26 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:48:19 ID:OchAa.LY [18/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひ弱な男「ひ、ひぃ……」ビクビク


ヤクザ「ちっ……早く、おめぇがさっさと売店に行かねえから、食いもんも売り切れんだろうがよっ!!」ゲシッ

ひ弱な男「も、もうしわけねぇっす……ずみまぜ……」


ヤクザ「うぉらぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

バキッ!!!!


むごい光景だった。
あまりにも荒々しい暴力が、目の前で行われていたのだ。




スイゾー「ああいう風に、弱いやつってのはいいように酷使される。……逆らえば即、暴力だ」


男「え……じゃ、じゃあ……記憶のない俺はどうすれば」




スイゾー「……はぁ、どうもなぁ。俺はおめぇみたいな奴を見捨てられないみてぇだ……」

スイゾー「お前、俺たちの派閥に入らないか?」

男「は、派閥?」
 ▼ 27 Hope◆SCP948ZBFs 17/08/24 19:49:14 ID:77rg1UDg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 28 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:50:33 ID:OchAa.LY [19/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「────この施設には、効率的にそして、安全に生きていくために……いくつかの派閥が作られている」


男「……そうか、複数人で固まれば、襲われにくいということですか」


スイゾー「ま、その通りだな。一匹狼で生きていくような変わり者も確かにいるんだが……」

スイゾー「大抵の実験体は何らかの派閥に所属している」

スイゾー「さっき、技を見せてくれたユキメノコ女いるだろ?」


ああ、さっき大目立ちしていた、髪が変色したOL風の女性のことか。


スイゾー「あいつは、女性のみで構成される施設内屈指の強勢力、ミミロップ派閥に属している」


男「……いろいろあるんですね」


スイゾー「それでもし、おめぇさんがいいのなら……俺たちの派閥に入れてやってもいいかな?って思ってる」

男「スイゾーさんの派閥……」



スイゾー「ま、俺の作った派閥じゃねぇんだけどな」

スイゾー「その名も『エルレイド』派閥……平和を愛する善良なグループさ」

男「エルレイド派閥……!」
 ▼ 29 レベース@ハートスイーツ 17/08/24 19:50:56 ID:NOGfmZUU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺得リメイクキター!
 ▼ 30 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:53:26 ID:OchAa.LY [20/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こうして、記憶のない男の、実験体隔離施設での暮らしが、幕を開いた。

だが、今の彼は、これから未知に満ちた数々の危険な体験を味わうことになるとは────

そしてこの先、世界を揺るがす事件が起きるだなんてことは────


今の彼では予想すらつかなかっただろう……。







プロローグ 終わり


 ▼ 31 1◆zBLfAqPIVA 17/08/24 19:56:42 ID:OchAa.LY [21/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょうど二年前、2015年の8月24日に投稿して

私の実力不足ゆえに、結局未完のまま終わった作品をリメイクしました。


本日はここまで。
書きだめはしてあるので、細かい推敲による更新の遅れはあるかもしれませんが、失踪しないように頑張ります。
 ▼ 32 ンベ@あおぞらプレート 17/08/24 20:00:40 ID:jVtQBN1A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
うわー、懐かしい好きだったなー。もう2年たったのか…。
リメイクめっちゃ嬉しいです!全力支援!!
 ▼ 34 ガルガン@ラグラージナイト 17/08/24 21:12:57 ID:0tdnnNuc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なっつ
しばらくBBS来てなかったけどこのSS割と好きだった
 ▼ 35 オガエン@ムシZ 17/08/24 22:11:35 ID:5Qmso9S6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
懐かしすぎ泣いた
 ▼ 36 レフワン@こおりのいし 17/08/24 22:25:37 ID:GfZ/Bt/E NGネーム登録 NGID登録 報告
これは嬉しいぞ!
今度は是非完結まで行って欲しい!

しかし2年も前だったか...
 ▼ 37 ガゲンガー@エネコのシッポ 17/08/24 22:31:23 ID:8/DmaL5E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
元ネタ知らなんですが面白そうだから支援させて頂きます
この設定?すごい好みです
 ▼ 38 ザード@ギンガだんのカギ 17/08/24 22:32:20 ID:yvEPFkcw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援

マッシブーンの方も頑張って欲しいな
 ▼ 39 サイハナ@せいれいプレート 17/08/24 23:00:52 ID:3wp9sRtw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
懐かしいいいいいい!!!!!!!!!!!!!支援以外ありえない!!
 ▼ 40 リッパー@ひかりのいし 17/08/24 23:52:41 ID:iWIejN7g NGネーム登録 NGID登録 報告
懐かしすぎる!2年前読んでた
頑張ってください!支援!
 ▼ 41 マズン@タンガのみ 17/08/25 00:05:21 ID:U0OZDc0I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
懐かしい
 ▼ 42 ナトーン@6ごうしつのカギ 17/08/25 00:11:15 ID:6qfFWfCU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
初めて見ますがとても面白いです!
支援します!応援します!
 ▼ 43 オラント@ムーンボール 17/08/25 01:11:55 ID:camRkZKw NGネーム登録 NGID登録 報告
スイゾーの元ネタを知ってる人が今のbbsにどれたけいるのだろうか
 ▼ 44 ロストロトム@こだいのぎんか 17/08/25 18:35:28 ID:neGJTXXA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リメイク知らないけど面白いです。
まだ2年前のSSって残ってますか?
残ってたらぜひ見てみたいです!
 ▼ 45 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 19:44:12 ID:LIo1r7mM [1/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
>>44
元となったSSがこちらです。
2年前のものなので拙い部分もありますがご容赦ください。
http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=148946

リメイクの際、元のものとは幾つか設定・文章を変更していることがあります。
そういう変化も楽しんでもらえれば幸いです。
 ▼ 46 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 19:45:02 ID:LIo1r7mM [2/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




第一話

「力を得し者に贈る日常よ」



 ▼ 47 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 19:47:37 ID:LIo1r7mM [3/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
定例会とやらが終わり、スイゾーは男をある部屋へと案内した。


スイゾー「ここの生活ってのは自由気ままだ。どこで寝ようと構わないし、とんでもない騒動さえ起こさなきゃ、何をしても構わない。……多分な」

スイゾー「んで……この部屋が我ら『エルレイド派閥』の寝床兼、アジトだ」


男「はぁ……」


扉を見る限りでは、自分が先程まで閉じ込められていた檻よりもずっと綺麗なように見える。

男(扉も錆び付いてないし、いい部屋なのかも)

男の思考は多少麻痺していた。


スイゾー「……ここでは、生き方を少し間違えると、マトモな寝床には就けないし、下手したら食料さえ手に入らねぇ」

スイゾーはサラッととんでもないことを言う。

男(……ゴク)


スイゾー「ま、いいや……とりあえず、我らが『エルレイド派閥』のリーダー様にご挨拶するぞ」

男(きっと……恐ろしいリーダーがいるに違いない……派閥を作るくらいだから……すごく怖いのかも……)

だが、扉を開けると、そこには余りにも意外な光景が広がっていた。
 ▼ 48 ーパーパンプ人◆kIHk8l4MgY 17/08/25 19:49:02 ID:0dyDNDpY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これ懐かしいよねぇ……。
執筆は大変とは思うけれど、今度はぜひ完走してください。
 ▼ 49 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 19:49:26 ID:LIo1r7mM [4/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女性「リーダー、棚の上拭いてください」

リーダー(?)「わ、分かったよ……その前に皿を洗わないと」

少年「リーダー!! トイレ掃除してくださーい!」


リーダー(?)「あわわ……それもやるの!?」

男「……ん? ……ん?」


あれ?
違う……。想像と全く違う。
何なんだ?
もっと殺伐としていると思ったのに……。



言っておくが、決して殺伐とした状況を望んでたわけではない。

だが、今、目の前にあるのは、想像とは180度違って見える景色であった。
 ▼ 50 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 19:51:49 ID:LIo1r7mM [5/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
開いた口の塞がらない男を傍目に、スイゾーが口を挟みだした。

スイゾー「おいおい、何やってんだお前ら」

リーダー(?)「あ!スイゾー!! 定例会は終わったの!?」


スイゾー「いや、終わったけどよ……何してるんだ?」

少年「部屋の掃除ですよ、スイゾーさん」


突っ立ってるスイゾーに、リーダーと思しき男が急に泣きついてきた。

リーダー(?)「聞いてよスイゾ〜……僕、リーダーのはずなのにすごく酷使されるんだ〜!」

女性「リーダー! 棚の上の掃除はまだなんですか!」


リーダー「それは佐内ちゃんがやってくれよぉ」

女性「今、週刊誌読んでるから暇じゃないんです!」


リーダー「えぇ……」


目をウルウルさせて、今にも泣き出しそうなリーダー(推定)。



男(こ、こんな人がリーダーなのか……?)

すると、リーダー(推定)が、男の存在に気づいたようだ。
その弱々しい瞳をこちらに向けてきたのである。
 ▼ 51 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 19:54:25 ID:LIo1r7mM [6/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーダー「ん? そこの人は……どなた?」

男「え……あ、あの……!」

言葉が出ない。

緊張のせいなのか、喉がカラカラでどうしようもなかったのだ。

すると、男の代わりにスイゾーが事情を全て話してくれた。



スイゾー「こいつは新人よ……こいつをこの派閥に入れたいと思うんだが……どうだろうか?」


リーダー「……!」


断られる。
男は直感した。

何故なら、リーダーの顔つきが一瞬だけ変わったのを、男は見逃さなかったからだ。
 ▼ 52 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 19:57:16 ID:LIo1r7mM [7/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
男(ま、まぁ……いきなり仲間にしてくれだなんて……そりゃ無理だよなぁ……うん)

しかし、諦めかけた男に言い渡された言葉は、またもや想像と180度も違ったのだ。


リーダー「いいんじゃない? 盛り上がりそうだしさ……それにスイゾーさんが選んだんだから、文句はないよ」


スイゾー「へっ、リーダーの許可が降りたな」ニヤッ

男(え……ええっ!?)

リーダー「そうだね新人くん! よろしく!」ニカッ


リーダーの表情を見ると、

先程の悲しげな顔はどこに飛んでいったのか。

彼は、こちらが不思議に思うくらい、晴れ晴れとしていた。
 ▼ 53 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:00:09 ID:LIo1r7mM [8/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーダー「じゃ、さっそくだけど、自己紹介しようかな!」

唐突に話が進みすぎだ。

男の思考回路は段々、今の状況に追い付けなくなってきた。


男「え!? ……え! え、ええと……」


女性「ちょっと、リーダー! この人困ってるじゃない! 謝りなさいよ!!」

リーダー「ん……ごめんね」シュン…


スイゾー(相変わらずのクソメンタルだな……)


男「だ、大丈夫です、そこまで困ってないので」

嘘だ。



リーダー「とにかく、じゃあ……佐内さんから……どうぞ〜……はぁ……」

女性(露骨に落ち込みすぎよ……)


女性「ま、いいや。コホン……えーと、私は左内カオルと言います! 所有するポケモン細胞はサーナイトです!」
 ▼ 54 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:02:16 ID:LIo1r7mM [9/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========

実験体file 3

ーーサーナイトのカオルーー

多少ながら、未来予知をすることが可能である。
未来予知には自身の体力の殆どを消耗してしまうので、奥の手としてしか使えない。
また、サイコキネシスの使用も可能。




みらいを よちする のうりょくで トレーナーの きけんを さっちしたとき さいだい パワーの サイコエネルギーを つかうと いわれている。
また サイコパワーで くうかんを ねじまげ ちいさな ブラックホールを つくりだす ちからを もつ。

ルビー・サファイアの図鑑説明文より抜粋。

========
 ▼ 55 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:06:33 ID:LIo1r7mM [10/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーダー「んじゃ、次はルーズくん」

少年「OK〜! おいらはカルミア・ルーズベルト!! ズルズキンの力をもってんだ!! あ、呼ぶときは気楽にルーズって呼んでくれよな!!」


========

実験体file 4

ーーズルズキンのルーズーー

その足から繰り出されるキックはかなり強力!
口から酸性の液を吐き出すことも可能だぞ!



なわばりに はいってきた あいてを しゅうだんで たたきのめす。 くちから さんせいの たいえきを とばす。
キックこうげきで コンクリートブロックを はかいする。

ブラック・ホワイト図鑑説明文より抜粋。

========
 ▼ 56 メモ兄さん◆jql91k4VxI 17/08/25 20:07:26 ID:kNvBV.tM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
原作は知らないけど凄い面白い。
自分も実力上げなきゃなぁw
支援です
 ▼ 57 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:09:57 ID:LIo1r7mM [11/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カオル「最後はリーダーですよ! 頑張って!」


ルーズ「ほら、よく見るとかっこいいよ!リーダー!!」

リーダー「そ、そう? じゃあ……自己紹介しちゃうね……」テレテレ


男(上手く扱われてんなぁ……)


リーダー「僕は冷堂 シュン。『シュン』とか『リーダー』って呼んでほしいなあ……。持ってる能力はエルレイドです」



========

実験体file 5

ーーエルレイドのシュンーー

肘から刀を生やし、戦うことができる。
本人の戦闘能力に直結する能力なので、使い勝手は悪い。




のびちぢみする ひじの かたなで たたかう。いあいの めいしゅ。れいぎ ただしい ポケモン。
だれかを まもろうと したとき ひじをのばし かたなの ように へんか させて はげしく たたかう。

ダイヤモンド・パール・プラチナ図鑑説明文より抜粋。
========
 ▼ 58 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:11:54 ID:LIo1r7mM [12/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「じゃあ、あなたにも自己紹介してもらわないとね……」

男「え、あ……そ、そのですね」

シュン「?」


口をモゴモゴ動かすことしか出来なかった。

だって、自己紹介と言われても、自分には自分自身を説明するだけの情報がないのだから。


スイゾー「あー、うん。……これには事情があってだな」

シュン「事情?」


スイゾーが、男の代わりに、事情を知らないシュンたちに向けて説明を始めた。

何もかも、おんぶにだっこの状態で、何となく男は気恥ずかしさを感じていた。
 ▼ 59 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:12:52 ID:LIo1r7mM [13/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「────ということなんだ。」

スイゾーが話を終える。

それと同時にシュンに異変が現れた。


シュン「そうがぁ、そうがぁ……記憶喪失とは辛かったろうねぇ……うん、そりゃあ辛いよなぁ!」

男(この人……涙ぐんでる……!?)



ルーズ「まーた、泣き出したよ……リーダーったら。油断するとすぐにアバゴーラの産卵シーンばりの涙流すよな」


カオル「感受性豊かな思春期の子供でもあるまいし……」


男(この人たち、辛辣すぎないか)
 ▼ 60 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:14:33 ID:LIo1r7mM [14/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
暫くの間、ウミガメの産卵シーンよろしく号泣した後、ティッシュを取りだし、涙を拭い、鼻をかむシュン。

全ての動作を終え、暖かい眼差しを男に向け、彼は言った。



シュン「よし! ……君を正式に我が派閥に迎え入れよう!! これから、君は僕たちの仲間だ!!」

男(な、仲間……)


思わず、自分も涙が溢れそうだった。

しかし、周りにクドクド言われたくもないので、そこはやはり堪えることにした。



────とにかく、記憶喪失という絶望的状況で、俺はようやく、一筋の光明を見つけることが出来たのだ。
 ▼ 61 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:16:30 ID:LIo1r7mM [15/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「ところで……こいつのことは今後、どうやって呼べばいいんだ?」


男「あ、そういえば……」

先程、謎の女にコードネーム:零と呼ばれていたことを思い出した。
零……レイ……。

俺は、その名前を口に出すことにした。



男「俺のことは……レイ、と呼んでくれませんか」

シュン「……自分の名前だけは覚えてるの?」



レイ「覚えてるわけじゃないですけど────ここの職員っぽい女の人に、そう呼ばれてたんです。零……それがアナタの名前だって」


シュン「へぇ、そうだったんだ。──だったらいいや、君の名前をみんなで考えようなんてことになったら、大惨事になったかもしれないからね!」



スイゾー「ここにいる奴等のセンスったら、まるで皆無だからな」


ルーズ「スイゾーさんにだけは言われたくねぇや」
 ▼ 62 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:21:39 ID:LIo1r7mM [16/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────その頃、隔離施設のとある密室。

そこで、得体の知れない不穏な影が、今にも動き出そうとしていた……。


???「うぅ〜……どうしたんだぁ〜い。腰抜けぇ〜……」

ヤクザ「ゲホ、何なんだよ……てめぇ……!!」

???「俺をもっと楽しませろよ〜……。じゃないと、身体が温まりすらしねぇだろうがよぉ」


謎の人物は肩をグルグルと回転させ、身体の鈍りを取っている。


ヤクザ「く、分かった……謝る! ……お前のしたっぱでも何にでもなるから! ……ゆ、許し」


???「うるせぇ〜!! 負け犬のサンドバッグ野郎は黙って殴られてろぉぉ……!」

────ヒュンッ!!

バキッ!!!!


ヤクザ「ぐぁぁ! ……チクショウ、オレの『サイホーン』の能力さえ使えば、お前なんて────」


ゴキゴキゴキッ!!


ヤクザ「ぐおおおおおおおっ!!」

???「こりゃあ、骨が何本か逝ったかな〜♪」


???「じゃあ、次はこっちの骨な〜♪」


ボキィッ!!!


ヤクザ「ぎゃあああああああああ……」
 ▼ 63 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:25:07 ID:LIo1r7mM [17/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
謎の人物が無邪気に暴虐を楽しんでいると、誰かが密室の扉をノックした。

彼はその音に反応して、耳をピクピク動かした。


???「んだよぉ〜……せっかく楽しんでるのによぉ〜」


やがて、扉がひとりでに開き始める。

……どうやら。
扉の向こうからやって来たのは、謎の人物のしたっぱであるようだ。


したっぱ「失礼します、海老原様」


海老原「お〜……どうした。我が忠実な部下よ〜」

したっぱ「お楽しみのところ、申し訳ございません……先程、定例会が終わったことを報告させていただきます」


海老原「そうかぁ〜……何か変わったことは〜?」


したっぱ「そうですね、特にありませんでした……と言いたいところですが。ただ、エルレイド派閥のホルードが新入りを勧誘していたようです」

海老原「エルレイド派閥かぁ……目障りだよな〜……あの平和ボケ集団〜」

海老原「潰すかァ〜?」ニタァ

海老原と呼ばれるその男は、邪悪な笑みを静かに浮かべた。
 ▼ 64 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:27:23 ID:LIo1r7mM [18/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
したっぱ「しかし、エルレイド派閥と言いますと……」

したっぱ「平和ボケと呼ばれる割には、長く生き残っている集団であります」

したっぱ「なかなか強いのではないでしょうか……」


したっぱは若干ではあるが、不安げな表情をした。

これは真っ当な感情であろう。

エルレイド派閥は、実力の知れないところがあるというか……何よりも得体が知れないのだ。

しかし、そのしたっぱを軽蔑するように凝視する海老原。



海老原「何? ……そいつらが、俺より強いと思ってんの?」


したっぱ「いっ、いえ、そういうわけでは……」

海老原「じゃあ〜♪心配すんなよ〜♪」

海老原「俺の拳が唸れば、どんなやつもノックアウトなんだからよ」

したっぱ「……っ」
 ▼ 65 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:34:43 ID:LIo1r7mM [19/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤクザ「はぁ、はぁ……本当にノックアウト出来るかどうか……やってみろよ!!」


海老原「……なんだ、アンタまだ起きてたのか」


ヤクザ「舐めてんじゃねーぞ……サイホーンの馬力を見せてやる!!」

ヤクザ「大型トレーラーをも吹っ飛ばす『とっしん』を喰らえやぁぁぁぁ……!!」

海老原「……マッハパンチ」

ミシミシミシィ……!!!!



ヤクザ「……ゲ、ゲボォッ」

バタッ・・・



海老原「このヤクザ思った以上にカスだったな……さ、行くぞ」

したっぱ「は、はい……!」


したっぱ(海老原さんの能力……エビワラー。あの力があるからこそ、私は海老原さんの下についた……)

したっぱ(恐らく……彼はまた、私の心配など嘲笑うようにして、圧勝してしまうんだろうな……)


この男の名は、海老原 ヒロユキ。
元ボクサーにして、エビワラーの細胞を得る男。


細胞の適応という意味では、最高の力を手に入れたのである……!!
 ▼ 66 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:37:03 ID:LIo1r7mM [20/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========

実験体file 6

ーーエビワラーのヒロユキーー

その拳から放たれるパンチングの速度は
新幹線の速度を越える。
しかし、能力の使用には『三分』という時間制限がある。
一旦休めばその限度はまた回復するが、
三分を超えると、体調を一気に崩してしまうので要注意。




ボクサーの たましいが のりうつっている。
パンチのスピードは しんかんせんよりも はやい。
くうきをも きりさく パンチ。だが 3ぷんかん こうげきすると ひとやすみ したくなるらしい。


赤、緑、金 、Xなどの
図鑑説明文より抜粋。
========
 ▼ 67 1◆zBLfAqPIVA 17/08/25 20:38:13 ID:LIo1r7mM [21/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日の更新はここまでです。
また明日更新します。
 ▼ 68 クロズマ@メガストーン 17/08/26 09:40:47 ID:dUt3gYic NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 69 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:06:22 ID:pTnT0A86 [1/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして────舞台はエルレイド派閥アジトへ戻る。

レイは、とても幸せだった。

記憶をなくし、ずっと孤独だった男。

暗い闇の中をさまよい歩く男。


そんな男の前に現れたのは、まるで家族のように暖かい人たちだった。


暫くの間、レイに関することを中心にその場は盛り上がった。

エルレイド派閥の話や、少しだけプライベートな話も加わり、話のタネは尽きることを知らなかった。


だが、かなりの時間を経たその後……。




レイ「う、うぅ……」

レイの身体に異変が表れた。
 ▼ 70 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:07:58 ID:pTnT0A86 [2/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「ん? ……ど、どうした、レイ」

レイ「あ、あの……」

思わず、身を屈めるレイ。
周りの全員が思わず、不安げな顔を浮かべた。


シュン「ど、どうしたんだい……何かあったらすぐに言ってよ……」


レイ「トイレ……どこすかぁ……」

ゴロロロ…

腹の音が虚しく響き渡る。


ルーズ「なんだぁ、トイレか」

皆の表情から少しだけ緊張が消えた。
ただ一人を除いての話ではあったが。


シュン「大変だよ、トイレって我慢したら身体に悪いから……早くいかないといけないよ〜……」


スイゾー「落ち着けよ、シュン……たかがウンコだろ」



カオル「ウンコってハッキリ言わないでよ……汚いわ」


スイゾー「……よし! レイ!! ……ここの案内がてら、トイレまで連れてってやる!!」


レイ「は、はひぃ……」
 ▼ 71 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:09:47 ID:pTnT0A86 [3/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やっぱり、この場で一番冷静で対応力のある人はスイゾーさんだな。

彼にはちゃんとついていこう。

────なんて、少しだけ頼りないリーダーに対して、失礼なことを考えつつ、レイはスイゾーについていくことになる。


この時は、あんなことが起きるなんて……考えもしなかったが……。





ー廊下ー

スイゾー「いいかぁ? この隔離施設の地理も覚えとかないと……何があるか分からんからな? 油断するなよ」


レイ「は、はい……分かりましたから、早くトイレ行きましょうよ……」


スイゾー「お前さんなかなか不躾な態度とるんだな」

レイ「もう、漏れそうなんですって!!」


スイゾー「分かった分かった……ここに来て初日で実を漏らすなんて、そんな酷い思い出を作らせるわけにはいかんしな」


スイゾー「あの曲がり角に男子トイレがある、俺は外で待っててやるから、一人で用を足してこいよな」
 ▼ 72 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:11:42 ID:pTnT0A86 [4/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「恩に着ますっ……!!」ペコッ

レイは頭を深く下げたあと、一目散にトイレへと向かった。
彼の便意は極限にまで来ていたのだ。



レイ「不味い不味い……このままだとぉ」

ガチャガチャガチャ!!


レイは慌てて個室トイレの扉のノブをひねった。

こうして彼は記憶喪失に次ぐ2つ目の困難、その名も『便意』に打ち勝つのであった。

だが、すぐそこに、冗談にならない本物の危機が迫っているということに……レイは気づきもしない。


『その異変』が起きたのは、レイがトイレに籠ってから、凡そ十分も経たないうちのことである。
 ▼ 73 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:13:08 ID:pTnT0A86 [5/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「ふぁぁ……まるでガキのトイレを待ってる保護者みたいだな……」

一人ごちるスイゾー。警戒心はまったくない。

そこが悲運というべきか。
そんな状況で、ヤツがとうとう現れてしまったのだ。


コツコツコツ……ピタッ


海老原「……なぁ、あそこにいるのってさ」

したっぱ「エルレイド派閥所属の……ホルードのスイゾーかと思われます」

海老原「……やっと会えたかぁ〜♪♪」

スイゾー「……ん?」


一瞬だった。

呑気に突っ立っているスイゾーめがけて、予想だにしない速度の拳が、突如飛んできたのだ。

海老原「マッハパンチぃぃぃぃぃぃ!!」


スイゾー「……っ!?」



バキイッ…!!

何かがへし折れるような音が辺りに響き渡る。

刹那、スイゾーは大型トラックに衝突したかのように、数メートル先へと吹っ飛んでしまった。
 ▼ 74 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:15:49 ID:pTnT0A86 [6/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「あがぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


海老原「ひ〜っひっひ〜……まず一人ぃ〜♪」

したっぱ「……ゴクリ」

海老原「楽しいなぁ、楽しいよなぁ!!」

グッタリして動かないスイゾーを前にして、海老原はせせら笑った。



海老原「俺は人を殴るのが大好きだ! 特に無抵抗のヤツをボコボコにするのが好きでたまらないのさ!! 殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って殴って、相手が助けてくれと懇願するまで殴りまくる!!」




海老原「骨が何本折れようと!! 心が折れるまで殴り続けるのが俺のルールなのさ!!」


海老原「立てよ!! ポケモン細胞を移植されたヤツがこんなんでノックダウンなわけねぇよなぁ!?」


海老原の挑発に反応するように、今までぐったりしていたスイゾーが突然、動き始めた。


スイゾー「んっとに……こんなんだから俺はここが大嫌いなんだよ……クソヤロウ」


海老原「ハァ……起きてくれて良かったぁ〜♪ まだまだ楽しませてくれよ〜♪」
 ▼ 75 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:17:49 ID:pTnT0A86 [7/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
海老原の顔は無邪気な5歳児のように、笑顔で満ち溢れていた。

それがますます海老原という男の不気味さを醸し出す。

それでもスイゾーは、まったく堪えなかった。


スイゾー「……来いよ、若造。……おめぇにやられるほど、俺も落ちぶれちゃいねぇんだよ……!!」


海老原「ハハァ、ますます楽しみだぁ♪」

海老原「連続パンチぃぃぃぃぃ!!!!」


機関銃のような拳の猛打が、スイゾーに襲いかかる!!


スイゾー「チッ……能力発動!!かいりき!!」

バシィィィィィンン…!!



コンクリートの壁にボールをぶつけたかのような反響音が、辺りの空間を支配した。

スイゾーは、ホルードの能力「強靭な耳」を行使し、海老原の強力なパンチングを受け止めている。
これには流石の海老原も、その表情を歪ませた。


海老原(あ? ……う、受け止めやがっただとぅ〜?)
 ▼ 76 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:19:25 ID:pTnT0A86 [8/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー(なかなかの攻撃力だな、こいつ……)

スイゾー(俺の耳が扱える重さは1トンが限界。……この拳の威力は恐らく、その1トンに近いのかもしれない……!!)


スイゾーの耳が微かに震える。
海老原はその微小な震えを見逃してはいなかった。


海老原(こいつも俺の拳に参っているみたいだな……)

海老原(そりゃそうさ……俺はここに入って、たった三ヶ月でランク19位にまで登り詰めた男……!!)


海老原(情報によると、三ヶ月でランク19位に来るのは極めて珍しいことだと聞く!!)


海老原(俺のポテンシャルを信じろっ!! 俺は……俺はっ……)


選ばれた人間なのだからっ!!
 ▼ 77 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:21:30 ID:pTnT0A86 [9/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
海老原「きぇはははははははははっ!!」

ミシミシミシミシッ!!



スイゾー(ちっ、こいつの力……増してきやがった!?)

スイゾー「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


対するスイゾー。
彼だって負けてはいられない。

ここは弱肉強食の世界。
負ければ喰われる。


単純だからこそ、恐ろしい世界。



今、トイレに籠るレイはこのことを知らないだろう。


こんな地獄のような風景、彼は知らなくていい。

レイが出てくる前にこの悪漢を倒さねばならないのだ。



スイゾー「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

ピキピキッ……!!



海老原(な、なんちゅう力っ……)

海老原「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」


海老原は身を翻し、スイゾーのカウンターから逃れた。


スイゾー「ちっ……もう少しでぶっ飛ばせたんだが……」



海老原「ふぅぅぅ……そうかそうか、なかなか強いな、お前ェ……」
 ▼ 78 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:22:42 ID:pTnT0A86 [10/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
したっぱ(海老原さんの強みのひとつだ……あの人は狂っているように見えて、戦いになると誰よりも視界が広くなる……)


元ボクサーの海老原。
戦いのテクニックは心得ている。
純粋なパワーで負けようとも、彼にはそれを超える技術があるのだ。


海老原(あの耳は厄介だな。正面からの攻撃はすべて受け止められてしまう……)


海老原(と、なると……あの男が耳を使えないような状況に持ち込めばいい。横から……もしくは背後から攻撃……いや、理想的なのはふいうちを喰らわすことだが)


海老原「きぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

シュッ!!!!


スイゾー(っ!! 後ろから回り込んで攻撃か!?)
 ▼ 79 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:23:37 ID:pTnT0A86 [11/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その頃、エルレイド派閥のアジト

シュン「ふぁぁ……もう眠いよぉ、寝よ寝よ?」


カオル「はいはい、まだトイレ掃除ありますよね〜」


シュン「君たちには血も涙もないのかっ!?」


ルーズ「血も涙もありますよ。ただ、今のリーダーに対して流す必要性はないかなって」


シュン「ホント酷いな……僕リーダーなんだけど」




ザワザワザワ……



カオル「ねぇ、それよりも外……ざわついてない?」


シュン「……ん、そうだね。……ケンカかな?」
 ▼ 80 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:25:27 ID:pTnT0A86 [12/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
通りすがりのモブ1「聞いたかよ……男子トイレ前で、乱闘だってよ」

通りすがりのモブ2「戦ってんのはあの新進気鋭の狂人『海老原』だろ? 関わらねぇ方がいいよな」

シュン「……トイレ、前?」

スイゾー「かぁぁぁぁぁっ!!」

ガシッ!!!!

スイゾーの耳は素早く動き、背後を守る。
またも海老原の攻撃は無効になってしまった。



海老原(マジかよ!? この攻撃も受け止めるのか!?)

スイゾー「後ろから回り込むってのはいい選択だ……だけどなぁ……俺の耳はただの耳じゃねえんだよ!」

スイゾー「見ろ! このモフモフぅぅぅ!!」バンッ!


したっぱ(モフモフは関係ないでしょうに……)


海老原(あの耳の機動力……侮れねぇな)
 ▼ 81 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:27:09 ID:pTnT0A86 [13/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
海老原「エルレイド派閥……平和ボケ集団かと思ったが……ありゃ撤回だな」

海老原が小さく舌打ちをした。

海老原(ここまでで能力を1分半も使っちまった……活動限界時間の半分だ……)


海老原(ここは退くべきか……?)


その時だった。
スイゾーにとってこれが最大の不運。

レイがトイレから出てきてしまったのだ。



レイ「ふぅ……スッキリしたぁ」

海老原「……!!」

スイゾー「今は出てくるなぁ!! レイぃぃぃ!!」

レイ「えっ?」
 ▼ 82 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:28:33 ID:pTnT0A86 [14/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
海老原「……ハハッ、こいつから消してやるぅぅ!!」


海老原が標的を変えた!

その拳の狙いはレイ!!
彼めがけてストレートパンチが飛んでくる!!


レイ「えっ……えっ?」


獣のような眼光。
ミサイルのような拳。

それらがレイの眼前にまで迫っている。

レイは恐怖とか、畏怖とか、そういった感情を感じるよりも先に、ある言葉が頭に思い浮かんでいた。





───死ぬ……───

 ▼ 83 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:30:16 ID:pTnT0A86 [15/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺、死ぬんだ。
ここのことも、自分のことも分からないまま……。

死んじゃうんだ。


ゴスッ!!!!!!


────瞬間、鈍い音が鳴り響いた。

周りにはいつの間にか、多くの野次馬が集まっている。
皆が……静かに息を飲んだ。


ポタッ…ポタッ…


赤い鮮血がコンクリートの床に流れ落ちる。



しかし、その鮮血はレイのものではない。



レイを咄嗟に庇った……スイゾーのものであった。

 ▼ 84 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:31:39 ID:pTnT0A86 [16/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「ス、スイゾーさん……?」

スイゾー「ハァ、ハァ……ったく……手のかかる新人だ」


海老原の拳はスイゾーの腹にめり込んでいた。

咄嗟の行動だったので、耳で拳を受け止めることは出来なかったらしい。
そして、スイゾーの口からは大量の血が溢れるように流れ出ていた。


海老原「ハァ……これは思わぬ収穫!!」


海老原「仲間を庇ったのか? ケヘヘ……それはご苦労なこって……ほら、もう一発ぅ!!」


ガスッ!!!

スイゾー「あぐぁぁぁぁぁっ!!!!」


執拗に腹に拳をめり込ませる海老原。

レイはただ、震えることしか出来なかった。



これが……隔離施設の日常なのか!!?
 ▼ 85 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:33:19 ID:pTnT0A86 [17/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
海老原「ほれほれ!! もう一発ぅぅぅ!!」

ゴスッ!!!!!!

スイゾー「うぅぁぁぁぁぁっ!!!」



海老原「ハハハハハハ!! ……形勢逆転かな!? ハハハハハハハハハ!!」

海老原の甲高い不快な笑い声が鼓膜を震わせ、脳を揺らす。

耐え難い怒りを持ってレイは叫んだ。



レイ「おまえっ……!! スイゾーさんに何をっ……!」



しかし……。

スイゾー「レイッ!! てめぇはさっさと逃げろぉ!!」



レイ「────っ!!?」
 ▼ 86 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:34:40 ID:pTnT0A86 [18/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「何のためにお前を庇ったと思ってンだ……てめぇは何の能力を使えるのか、てめぇでも把握してねぇじゃねぇか!! そんなやつが戦えるか? 戦えねぇだろ!! さっさと逃げろぉ!!」


レイ「そ、それは……」


海老原「お仲間思いなことで……そろそろ死ぬか? スイゾーさんとやら……」


スイゾー「お前みたいな馬鹿には負けねぇよ……クソヤロウ」


海老原「戯言を言うなっ!!」

海老原「くらえっ……マッハパンッ……!!」



スイゾーさんは死ぬ。

レイは不本意ながらも、そんなことを考えてしまった。

それでも……。



神は……天は、彼らのことを見捨てはしなかったのだ。
 ▼ 87 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:36:54 ID:pTnT0A86 [19/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガシッ!!!!


その時、誰かが海老原の肩を掴んだ。


海老原「あ? いいとこなのに……邪魔すん……



シュン「……何してるんだ、お前。」



レイ「あ……あぁ、シュンさん……?」


スイゾー「……来るのが遅ぇよ、アホンダラ……」



海老原「何なんだ、てめぇ!!」





シュン「それは……こっちの台詞だよ!!」
 ▼ 88 1◆zBLfAqPIVA 17/08/26 16:37:44 ID:pTnT0A86 [20/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまでです。
またしばらく時間を置いてから更新いたします。
 ▼ 89 イコグマ@くろいヘドロ 17/08/26 18:53:54 ID:p47Ful.A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キノおおおおおおおお!!!
おかえりいいい!!!
支援
 ▼ 90 デカバシ@エスパーZ 17/08/26 19:36:29 ID:E1KR2hyU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 91 テトプス@やみのいし 17/08/26 19:46:20 ID:JeEVi.wU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
NGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!
最高ッス!
 ▼ 92 ゾノクサ@レンブのみ 17/08/26 19:48:13 ID:.ErDqKz6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 93 メモース@バーゲンチケット 17/08/26 19:50:56 ID:hBeMT30I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クッソ懐かしいな
まさか続きが見られるとは
 ▼ 94 ビット@ガオガエンZ 17/08/26 21:08:55 ID:4LjYRGSc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 95 ノアラシ@ぎんいろのはね 17/08/26 21:18:31 ID:.9i2Zo2w NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 96 リゴンZ@リュガのみ 17/08/26 21:35:25 ID:8zC/3MNg NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ふおぉぉぉ...!ふ、ふおぉぉぉ!
 ▼ 97 1◆zBLfAqPIVA 17/08/27 18:19:26 ID:IPBfIZvo [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「……っ!!」ゾクッ

先程までのシュンの温厚な顔は何処に行ったのやら。

今のシュンの顔はまさに【修羅】の如き形相……。

その二文字が相応しいような、恐ろしい表情へと豹変していたのだ。

海老原「そうか、もしかして、お前がエルレイド派閥のリーダーか!?」

海老原が嬉々として言う。



シュン「そうだ」

海老原「ハッ……ハハハッ!! だったらお前から片付けてやる!! そしたら、俺はエルレイド派閥を潰したも同然だよなァ〜!?」
 ▼ 98 1◆zBLfAqPIVA 17/08/27 18:22:24 ID:IPBfIZvo [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「あっ、あの……!!」

思わず、声を漏らすレイ。
しかし、スイゾーがそれを制した。

スイゾー「はぁ……はぁ……心配すんな。シュンは普段は頼りない男だが……こういうときは信頼していい!!」

レイ「えっ」

スイゾー「見てな、シュンの戦い方を……!」


海老原(残りの活動限界時間は1分……! ……いや、十分な程だ!!)


海老原(見るからにヒョロガリのリーダーだぜ。それもそうだよな、あのなまっちょろいホルード親父のボスなんて……たかが知れてんだろ!!)


海老原「うぉぉぉぉぉ!! マッハパンチぃぃぃ!」


海老原は本気の拳を繰り出した。
その肩から放たれる拳の速度は、時速300キロをゆうに超える。


風圧だけで、周りの野次馬たちが思わず仰け反ってしまった。


音速に近いその拳がシュンに届くまでに、恐らく0,1秒もかからなかっただろう。
 ▼ 99 1◆zBLfAqPIVA 17/08/27 18:24:18 ID:IPBfIZvo [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかし、それでも……シュンはその拳を見切ったのだ。

海老原のパンチは、全くの的外れになってしまったのである。

海老原「……はっ?」

海老原(ど、どうして……避けられたんだ?)


シュン「さぁ……こいよ」

シュンは余裕を見せるかのように、海老原に手招きをする。

紛うことなき挑発行為である。



海老原「こ、このっ!!」

シュッ!!!!シュッ!!!!シュッ!!!!

空を切る音が周りの空間に反響した。

しかし、いくら渾身のパンチングを放っても、まったく手応えがない。

殴ったときの鈍い音が全く響かない。
全ての攻撃が避けられているのだ。


海老原「どうしてっ……どうして当たらないんだっ!?」
 ▼ 100 1◆zBLfAqPIVA 17/08/27 18:26:57 ID:IPBfIZvo [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「型に嵌まりすぎなんだよ、アンタ……」

海老原「なっ……!?」

シュン「あんた、元ボクサーだろ? 動きを見れば分かる」

海老原「〜〜〜っ!!」

シュッ!!!!シュッ!!!!


シュン「だから、アンタの動きはボクサーとしては完璧だ……。ちゃんとボクサーの基本を理解して、寸分の違いなく動いている」

海老原(駄目だ、当たらねぇ!?)


シュン「だけどな……これは試合じゃねぇんだ」


海老原(そんな!! そんな!! こんなに実力差があるなんてっ……!?)


シュン「今、ボクたちがしているのは……ケンカなんだよ!!」
 ▼ 101 1◆zBLfAqPIVA 17/08/27 18:28:34 ID:IPBfIZvo [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

──能力発動!! みねうち!!──

────シュインッ!!!!!!


一閃。

音のごとき速さをもつ海老原の拳が、そこにはあった。

だが、シュンの前では、それは無価値に等しかった。

シュンの肘から生えた刀は正確に海老原の身体を捉える。

そしてその後、一瞬の間も置かず──シュンは海老原を横切った。


そのとき、誰の眼にも映らぬ速度ではあったが、確かにシュンは海老原を攻撃していたのである。
 ▼ 102 1◆zBLfAqPIVA 17/08/27 18:31:24 ID:IPBfIZvo [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
海老原「……!!」

────ドサァ!!

しかし、海老原側に「シュンにやられた」という感覚は一切ない。

あまりの速さゆえに、攻撃されたということを脳みそが認識していないのである。


こうして、海老原は負けたという自覚もないまま、床に倒れ、気絶してしまった。

この間、たった一秒の出来事である。





レイ「た、倒したんですか……?」


スイゾー「ふぅ……どうやらな」
 ▼ 103 1◆zBLfAqPIVA 17/08/27 18:36:03 ID:IPBfIZvo [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
したっぱ「なっ……え、海老原さんが殺られた!?」


シュン「……殺してはいないよ? みねうちだから生きてるさ」

シュン「あ、そうだ……その海老原って人に伝えといてもらえるかな?」



シュン「次、攻撃したら……今度はただの気絶じゃすまないから、って」


したっぱ「りょ、了解です……」


海老原の部下と思われる男は、彼を背中に背負い、走り去っていった。

恐らく、今後暫くの間、襲撃するようなこともないだろう……。

そして、修羅の様にも思えたシュンの表情は、いつの間にか元の温厚な顔に戻っていた。

だが、先程までのシュンの鬼気迫る様相は……レイの心に一生刻み付けられるであろうことは、言うまでもない。
 ▼ 104 1◆zBLfAqPIVA 17/08/27 18:40:07 ID:IPBfIZvo [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「それじゃスイゾーさんは、医療班を呼んで直ぐに手当てしないとね」ニコッ

スイゾー「……悪いな、手間かけさせちまった」

レイ「…………」

この人がリーダー足る理由が、初めて分かった。

……俺はこの時、シュンさんの背中に何か大きなものを見たのである。







────スイゾーさんはその後、隔離施設の医療班とやらに引き取られ、暫くしてからピンピンになって帰って来た。


こうして、全てが丸く収まったのだ。



だけど……。

戦いがこれからますます激しいものになってくるなんて……。

この時の俺はそんなこと、一欠片も考えちゃいなかったんだ……。
 ▼ 105 1◆zBLfAqPIVA 17/08/27 18:43:26 ID:IPBfIZvo [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その頃、研究施設のある一室にて。

研究員「チーフ、報告がございます!! 」

老人「なんじゃあ……騒々しい」


研究員「Cエリア男子トイレ前にて────ランク4位のエルレイドのシュンと、ランク19位のエビワラーのヒロユキが衝突したようであります!!」


老人「何じゃ……どうせシュンが勝ったのだろう?」

研究員「はいっ!」

老人「下剋上などが起こればまた面白かったが……まぁ、そんなものじゃろうな。……改造人間の精度はますます高まってきておる、今後も報告を怠るな」

研究員「ハッ! 了解であります!」
 ▼ 106 1◆zBLfAqPIVA 17/08/27 18:44:34 ID:IPBfIZvo [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


第一話


ー終ー

 ▼ 107 1◆zBLfAqPIVA 17/08/27 18:51:00 ID:IPBfIZvo [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第一話・オマケ

レイ「皆さんのお歳って幾つなんでしょうか?」

レイ「俺は記憶喪失なんで、分かりませんけど」


ルーズ「オイラは16歳だよ、まだピチピチさ」



カオリ「レディに年齢の話は厳禁よ」ニコッ

レイ「……!」ビクッ

レイ(カオリさんは何だか……底知れない怖さがあるんだよな……)

シュン「ボクは24歳だよ」

レイ(ここまで想像通りだな。スイゾーさんは……40後半ってところだろうか?)

スイゾー「俺は32歳だ」

レイ「えっ……」

スイゾー「なんだ、その顔は……。俺を老け顔って言いたいのか? えぇ?」


レイ「あ、いや、その……。あ、そうか! スイゾーさんって、ホルードの細胞を移植されたからその顔────」

スイゾー「俺は元々この顔だっ!!」

レイ「す、すみませんっ!!」


ルーズ「でも結局、カオリンって幾つなの? 凄い若く見えるけど〜……?」

カオリ「……もう、仕方ないわね。じゃあ小声で、ルーズにだけ教えるわ────」

カオリ「私は、28歳よ……」ボソッ

ルーズ「わぁ! 結構三十路手前なん────」



バキィッ!!
 ▼ 108 1◆zBLfAqPIVA 17/08/27 18:51:39 ID:IPBfIZvo [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日はキリが良いのでここまで
また明日更新予定
 ▼ 109 ラセクト@ダークメモリ 17/08/27 20:12:19 ID:VJxObv/A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 110 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 18:38:22 ID:LAqrOkiI [1/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


第二話

「我ら可憐な女グループ ミミロップ派閥!!」

 ▼ 111 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 18:41:01 ID:LAqrOkiI [2/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
深夜、丑三つ時を過ぎた頃。

それは、夜行性を除く生き物という生き物が、眠りにつく時間帯である。



スイゾー「みんな、寝たみたいだな」


シュン「……いろいろなことがあったね、レイ君の加入に……海老原の暴走。スイゾーさんはキズ、大丈夫?」


スイゾー「ケッ、何も心配は要らんよ」


スイゾーは静かに笑った。

シュンも胸を撫で下ろす気持ちだった。

ところで……彼には一つだけ、気になることがあったのだ。



シュン「ねぇ、スイゾーさん」

スイゾー「ん?」


シュン「あのレイ君をわざわざ、この派閥に加入させたのって……」

シュン「まさか……あの人に頼まれて────

スイゾー「その通りだ」

シュン「!」



スイゾー「レイと俺が出会ったのは偶然じゃねぇ。全てはあの爺さんに頼まれたからだ。『かの少年を俺たちのところで保護してやってくれ』ってな」


窓から紺色の空が見える。

満月が、その中心で一際と輝いていた夜だった。
 ▼ 112 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 18:43:08 ID:LAqrOkiI [3/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ー翌朝ー

レイ「んっ、くぁぁ……」

背中を思いっきり伸ばすレイ。

骨や関節が一つ一つ、悲鳴をあげるように、ポキポキと鳴り響いた。


レイ(昨日はだいぶ疲れたせいか、ぐっすり眠れたな)

レイ「ふぁ……アジトもなかなか広いよな。寝室が個室でちゃんと用意されてるのは有り難い」


記憶を無くした後の初めての睡眠だった。


得体の知れない不安のなかで彼は眠る。

それでもぐっすり寝られたのは、エルレイド派閥の環境の良さのおかげなのだろう。

改めて、レイはスイゾーを始めとした恩人たちに感謝の思いを抱いた。


ふと窓を見ると、空には野生のポッポが羽ばたいている。


レイ「……」
 ▼ 113 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 18:45:10 ID:LAqrOkiI [4/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「今日は快晴だな」

そう呟いて、レイは寝室を出る。

アジトのダイニングルームに着くと、レイ以外の全員がすでに起床していた。


レイ「あ……俺、寝過ぎちゃいましたね……」

何となくレイは申し訳ない気持ちになった。


スイゾー「まぁ、昨日はいろいろあったんだし、疲れてんだから仕方ねぇだろ」

スイゾー「明日からは早起きしてもらうがな……」


レイ「は、はい!」


そんな他愛のないことを話していると、部屋の奥から、シュンがエプロン姿で現れた。

シュン「みんな〜ご飯だよ〜」


まるで主婦だ。いや、主夫と言うべきなのか。

どちらにせよ、昨日のあの激しい戦いからは、まったく想像のできない姿である。

朝食として出されたのは、茶碗一杯に積まれた米と目玉焼きにサラダ、そして、その横にチョコンと添えられたウインナーである。
 ▼ 114 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 18:46:32 ID:LAqrOkiI [5/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
率直に言って……めちゃくちゃ美味かったです。

レイ(噛み締める度に肉汁が溢れだすウインナーだ……焼き方も丁寧で、ご飯がますます進む……)



ここでレイに一つの疑問が生まれる。

────この食べ物どうやって集めてるんだ?


 ▼ 115 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 18:48:36 ID:LAqrOkiI [6/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「あの、この食べ物って……」

カオル「……ん? ああ、言いたいことは分かるわ。そうね……とりあえず、食べ終わってから話しましょ」

レイは頷き、大人しくその言葉に従うことにした。

そして朝食を食べ終わった後、エルレイド派閥の皆で、レイにこの施設の仕組みを教えることになった。


シュン「まず、レイ君の疑問から答えようか」


レイ「ええっと、さっき食べた食糧ってどうやって集めてるんでしょうか」


シュン「うん、この食べ物は研究所から配給されたものなんだ」


シュン「一週間に一回、一人一人に研究所から食べ物の支給がある」

シュン「もし配られた食料が足りないときは、研究所に申請するといいんだよ。食べすぎはよくないけどね」


レイ「そう、なんですか」
 ▼ 116 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 18:50:30 ID:LAqrOkiI [7/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここはもっと劣悪な環境かと思っていたが……。

なかなかどうして充実しているみたいだ。

その後も話をじっくり聞いてみる。

ここには売店と呼ばれる施設があるらしい。
そこではタバコ、酒、お菓子等々の嗜好品が売られているという。

しかし、その嗜好品を買うのにも条件がある。

その条件がランク制というものらしい。


レイ「ランク制って?」


スイゾー「この隔離施設はポケモン細胞を移植された────いわば特別な力をもつ人間が収容された場所だ」


スイゾー「その特別な力を持つ人間をいずれ、兵器として使うことが研究所の目的らしい」


レイ「!?」
 ▼ 117 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 18:52:37 ID:LAqrOkiI [8/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「ま、それはどうでもいいんだがよ……ランク制ってのは、各実験体の戦闘力をランキングにした制度のことを言う」


ルーズ「強いやつほどランキングが上位になるんだ。ランキングが上位だと、売店でいろいろなもんが買えるし、住みかも優遇されるし、とにかく良いことずくめなんだな」


カオル「研究所は実験体を迅速に兵器として使いたい……そして、兵器として強い人間を見極めるために、ランク制度が実施されてるのよ」


スイゾー「こないだの海老原みたいに、戦いまくって順位を上げるやつもいる。……ランク制度ってのは──俺に言わせりゃ、ただの争いの火種なんだよなぁ」


シュン「まぁランクを上げると、ここの暮らしも楽になるから……ランクを上げたい実験体は一杯いるだろうねぇ」


レイ「あ、ぁぁ……」


正直、一瞬でたくさんの情報が頭に入りすぎて、俺の脳みそはパンク状態です。
 ▼ 118 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 18:53:40 ID:LAqrOkiI [9/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それにしても……ランクが高いほど、様々なことを優遇されるのか。
あれ? そうだとすると……。


レイ「皆さんのランクって……いくつなんですか?」


一瞬の間だけ、沈黙が部屋一帯を包んだ。


スイゾー「なんでそんなこと聞く?」

レイ「いや、その。ここって良いアジトですよね……それってやっぱり」


シュン「まぁ、僕たちはランク制度に反対する立場なんだけどさ。でも、そのランク制度の恩恵に僕らが預かれてるのも事実なんだよね」


シュンはまるで自らを嘲るかのような、微妙な笑みを浮かべた。


シュン「そう、僕を含め、エルレイド派閥は高い順位の人間が多い」


シュン「だけども、その順位が高い理由は……今は聞かないでくれないかい?」
 ▼ 119 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 18:55:23 ID:LAqrOkiI [10/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まずいことを聞いたかなぁ……。

エルレイド派閥全員の表情が曇ってしまったようである。

穴があったら隠れたいっていう気持ちだ。
レイはもはや、ここにいるだけで一杯一杯になってしまった。

まぁとりあえず、分かったことが一つ。

どうやら、エルレイド派閥は過去を聞かれるのがかなり嫌、らしい。

とにかくこれ以上、過去の話をほじくりかえさないぞ。

俺はそう心に誓った。


=====
※ちなみにその後、エルレイド派閥の皆がランクの順位だけは教えてくれました。


スイゾー〜ランク13位

シュン〜ランク4位

カオル〜ランク9位

ルーズ〜ランク16位

レイ〜ランク圏外(新人なので)
=====
 ▼ 120 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 18:57:07 ID:LAqrOkiI [11/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
暫くして────



スイゾー「そういや……今日はミミロップ派閥との会合の日じゃなかったか」


シュン「!」


シュンの身体が小さく震えた。


スイゾー「てめぇ、今までわざと黙ってやがったな!!」


カオル「あらら〜……ミミちゃん怒るわよ〜」


レイ「あの、どうかしたんですか?」
 ▼ 121 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 18:59:10 ID:LAqrOkiI [12/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルーズ「この隔離施設にはさ、戦闘を好む派閥がいるんだけど、うちらみたいな平和的な派閥もいるわけ」


カオル「そう、エルレイド派閥とミミロップ派閥。この二つの派閥は戦闘を極力しない方針なの」


スイゾー「それで、情報交換も兼ねて、今日は会合をしようって約束だったんだ」

スイゾー「だけどシュンのやつ、わざと会合のことをすっぽかそうとしやがった」


シュン「だ、だけどさぁ……」


レイ「なんでシュンさんあんなに怯えるんですか? 平和的な派閥なんでしょ? ミミロップ派閥って」


ルーズ「あ〜……会えばわかるよ」


スイゾー「そうだな、レイのこともミミロップ派閥に伝えておきたかったし、ちょうどいい機会だ」


カオル「じゃあ、レイ君も行きましょ? ウフフ」


シュン「うぅ、本当に行かないとダメなのか?」




レイ(なんか、嫌な予感がする)
 ▼ 122 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 19:01:17 ID:LAqrOkiI [13/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
午後一時。ミミロップ派閥との会合の時間。

レイ「ここで待っていればいいんですか」

スイゾー「そう、ここだ」


そこは施設のとある一室。

どこかの倉庫としか思えない、段ボール箱がゴタゴタ置かれた薄暗い部屋だった。


シュン「うぅ……お腹いたい」

カオル「帰ったらダメですよぉ〜」


レイ(あの強いシュンさんがこんなに怯えるなんて……一体どんな人たちなんだろう。ミミロップ派閥……)


その後、待ち続けること十五分程度が経過。

すると……どこからか声が聞こえてきた。

女性の甲高い声が……。


???「シュン様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」




シュン「う、うわぁぁぁ……来たぁぁ!!」
 ▼ 123 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 19:02:32 ID:LAqrOkiI [14/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュンの身体全体の震えがますます大きくなる。

彼の周辺にだけ、地震が起きたかのような光景だった。


???「シュン様ぁ……お久しぶりですっ」ギュウウウウウ

レイ「!?」


突然、ツインテールの美少女がシュンに抱きついたのだ。

レイは口をあんぐりと開けてフリーズしてしまった。


シュン「うぅ、人前で抱きつくなよ……」


シュンは明らかに困惑している。
これは一体……?
 ▼ 124 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 19:03:54 ID:LAqrOkiI [15/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「ちょっとぉ、ミミ様!! 勝手に先にいかないでくださいよぉ」

数テンポ遅れて、ゾロゾロと女性たちが部屋へと入ってきた。

まるで人の洪水だ。


レイ「こ、これって……何なんですか」


レイは小声でスイゾーに尋ねる。
すると、彼から一つの答えが返ってきた。


スイゾー「ミミロップ派閥ってのは女性オンリーの派閥なんだよ。それで今、シュンに抱きついてるあの女がミミロップ派閥のリーダー……」


ルーズ「その名も兎沢 ミミっす!!」
 ▼ 125 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 19:04:53 ID:LAqrOkiI [16/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========

実験体file7

ーーミミロップのミミーー ・ランク6位

戦いを好まない性格の彼女。
しかし、愛するシュン様のためならば、何だってします。
フワフワとした耳と強靭な脚力が特徴。
メロメロという技が得意。
ただし、誰にでも愛を振り撒くわけではない。


けいかいしんの つよい ポケモン。 きけんを かんじると ふわふわした みみさきの けで からだを つつむ。
いつも みみさきを けづくろいして ていれを おこたらない きれいずき。 かろやかに とびはねて はしる。
みみは とても デリケートらしく やさしく ていねいに さわらないと しなやかな あしで けられてしまう。

ダイヤモンド・パール・プラチナ図鑑説明文より抜粋。

========
 ▼ 126 1◆zBLfAqPIVA 17/08/28 19:05:08 ID:LAqrOkiI [17/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日はここまで。
 ▼ 127 ヌギダマ@きのはこ 17/08/29 23:06:51 ID:scjkblfA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はないんかなぁ?
支援
 ▼ 128 1◆zBLfAqPIVA 17/08/29 23:16:09 ID:NbzKTFRA [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミ「ウフフ〜♪シュン様ぁ♪」ギュゥゥゥゥ

シュン「ミミっ、む、胸が当たって……」

ミミ「お胸ですかぁ……いくらでも触っていいですよ……。シュン様だけは特別ですから……///」

シュン「うわぁぁぁぁぁ!!!!」


ミミ「シュン様ァ♪ ミミはシュン様にいつ会えるか、いつ会えるかと、ずぅぅぅぅっと楽しみにしていたのですよ?」

シュン「う、うん……分かったよ、ミミ」

ミミ「うぅ……シュン様ぁぁぁ!」ギュゥゥゥ!

シュン「も、もう抱き締めなくていいからっ! 窒息死するからやめっ!! ……っ!!」ジタバタッ

レイ「何ですか、あれ」

スイゾー「……まぁ、いろいろあんだよ。恋ってのは」

レイ(どういうこっちゃ)
 ▼ 129 1◆zBLfAqPIVA 17/08/29 23:18:58 ID:NbzKTFRA [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんかテキトーに流された気がしたけど、これ以上あのミミって人のことは聞かないことにした。

……関わるとめんどくさそうだ。


スイゾー「……おい、お前ら!! そろそろ会合を始めようじゃねぇか!!」

ミミ「ぶ〜……もうちょっとシュン様と愛を育みたかったのに」

シュン「誤解を招く言い方するな!」


ひとまず会合開始。

ミミ「えーと……何から話しましょうか?」


カオル「そうねぇ……あ、こっちに新人が入ったから、その紹介からいかない?」

ミミ「あら、新人が入ったのね!! どの子?」


ルーズ「そこに突っ立ってるの黒髪の人だよ〜。レイっていう名前で、不幸にも記憶喪失になってるんだ〜」


ミミ「キオクソウシツ!」

ミミは思わず、すっとんきょうな声をあげた。
 ▼ 130 1◆zBLfAqPIVA 17/08/29 23:21:42 ID:NbzKTFRA [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「つーわけで、レイのやつは自分の能力すら分からねぇんだ。……まぁ、優しくしてやってくれ」

途端にレイは、ミミロップ派閥の女性方から哀れみの視線を受けているのを、肌にひしと感じた。

レイ(ちょっとやりづらいな……この雰囲気)


ミミ「────にしても奇遇ねぇ」


スイゾー「何が奇遇なんだ?」

ミミ「うちにも新人がいるのよ」


スイゾー「……!!」

スイゾー「お前らのところにも新人が入ったのか!?」

思わず、スイゾーが調子外れの声を上げる。

レイには、何故スイゾーがそんなに驚くのか、訳がわからなかった。

新人とはそんなに珍しいものなのだろうか?
 ▼ 131 1◆zBLfAqPIVA 17/08/29 23:26:57 ID:NbzKTFRA [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カオル「なかなかないことよねぇ。新人の加入は……」

カオルが、まるでレイの気持ちを汲み取ったかのように、言葉を放った。


ルーズ「この短期間に、二人も新人が見つかるなんてねぇ」

スイゾー「とりあえず、そっちの新人も紹介してくれないか?」

スイゾーがミミに指を向けた。
すると、ミミロップ派閥から突如轟く非難の嵐。

予期せぬ出来事にスイゾーはギョッとした。


ユキミ「ちょっと!!髭兎!!ミミ様に指を向けるんじゃないわよ!!」


レイ(あ……)


あの女性は確か、ユキメノコの能力の人だ。

俺がスイゾーさんと出会った、定例会という場所でこれでもかと目立っていた。

名前は確か……ユキミと言ったはず。
 ▼ 132 1◆zBLfAqPIVA 17/08/29 23:32:45 ID:NbzKTFRA [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「ひ、ひげうさぎぃぃぃ!?」

ミミ「まぁまぁ……二人とも落ち着いて」

ミミ「そんなことよりも、うちの新人君の紹介をしないといけないわねぇ」

スイゾー「お、そりゃそうだ。流石ウサギ同士、話が分かるじゃねぇか」

ミミ「あら、あんたみたいな親父ウサギと同類にされるのは心外だけど?」

スイゾー「あああああぁっ!?」

スイゾー、吠える。

しかしその怒声はミミの鼓膜には一切届いていないかのようだった。
ミミは我関せずといった顔で、話を進めた。


ミミ「さ、紹介するわよ」


ミミ「おいで! リーフちゃん!!」
 ▼ 133 1◆zBLfAqPIVA 17/08/29 23:36:58 ID:NbzKTFRA [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミ「おいで!! ……リーフちゃん!!」

レイ「リーフ……?」


リーフ「よ、よろしくお願いしまs……」

ミミロップ派閥の集団の奥から、気恥ずかしそうに出てきたのは、いかにも清楚といった見た目の少女だった。

白いワンピースに身を包み、サラリと流れるような美しい髪を、後ろで束ねている。

彼女は蚊の鳴くような小さな声で挨拶をした。






────その時だった。



レイの身体に、異変が起きたのである……。
 ▼ 134 17/08/29 23:39:26 ID:bJxAENks [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
なんだこのSSァ
 ▼ 135 1◆zBLfAqPIVA 17/08/29 23:40:17 ID:NbzKTFRA [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「……っ!」ズキッ

急激な頭痛がレイを襲った。

一方で、その脳裏では、何時のことなのかも分からないような過去の記憶が────突然、甦り始めたのである。




ザザザザザザ……!!!!



……あなたは………

ザザザザザザ……

凄いよ、あなたは、やっぱり凄いトレーナー────

私は……リーフ……だよ。
仲良くしよう……ね……。

────────ザザザザザザ……
 ▼ 136 1◆zBLfAqPIVA 17/08/29 23:43:58 ID:NbzKTFRA [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
途切れ途切れの声が、頭のなかでガンガン響く。

と、同時に鳴り響くは、テレビの砂嵐のような音。

不快なノイズが混じった不完全な記憶だった。


その断片的な記憶からは、ほとんど何も思い出せなかったが……。

リーフという名前を聞いた瞬間、レイに異変が起きたのは紛れもない事実である。



レイ(リーフ……何なんだ一体!?)


レイは直感した。

このリーフという少女。
自分の正体と何かしらの関係があるのでは……!?

レイの浮かない顔にスイゾーが気づいた。


スイゾー「……どうした? レイ?」

レイ「あっ……いや、なんでもないです」

咄嗟に平静を取り繕うレイ。

今の自分のこの違和感を、スイゾーたちに伝えても良かったのだが…、思わず、心の中にしまいこんでしまった。

レイ(何で、『なんでもない』なんて言っちゃったんだ……?)
 ▼ 137 1◆zBLfAqPIVA 17/08/29 23:46:03 ID:NbzKTFRA [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「あ、あの、オレに構わず会合を進めてください……」

スイゾー「むん、そうだな……。よし、そこのリーフとやら……自己紹介を頼む」

ミミ「なんでアンタが仕切ってんのかしら」


リーフ「……」

ミミ「リーフ? ボーっとしてないで喋ってチョーダイ」


リーフと呼ばれる少女は、緊張ゆえなのか、しばらく放心していた。

リーフ「は、はい」

若干怯えたような眼差しで周りをキョロキョロした後、彼女は何故かレイをチラリと見て、静かに喋り始めた。

リーフ「私は……リーフと申します。年齢は……17歳です。ええっと、入りたてで右も左もわからない若輩者ではありますが……」

リーフ「よ、よろしくお願いします!」
 ▼ 138 1◆zBLfAqPIVA 17/08/29 23:47:53 ID:NbzKTFRA [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まるで鳥がさえずるような美しくもか弱いその声に、周囲は一時沈黙に包まれた。

期せずして、周りの者は全員、リーフの声に聞きほれてしまったようだ。


ルーズ(カワイイな、あの娘……)

スイゾー(サバイバルみたいな環境のこの施設にいると……ああいう純朴そうな娘の存在は、まるでオアシスだと言うべきか)


しばらくの沈黙にリーフはやがて、狼狽えだした。

リーフ「あ、あのぉ……」オロオロ

ユキミ「なんで、みんな黙るのよっ!」

カオル(ユキミちゃんもポーっと見惚れてたくせに……)
 ▼ 139 1◆zBLfAqPIVA 17/08/29 23:51:24 ID:NbzKTFRA [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「お、そうだ……。アンタは一体、何の細胞を入れられたのか教えてくれないか」

スイゾーがすかさずその場を仕切る。

リーフ「は、はいっ。私は……シェイミの細胞を移植されましたっ……!!」

リーフの口から飛び出た言葉は、思いもよらないものであった。


シュン「ええぇ!?」

シュンの口から、驚嘆の声が上がる。


シュン「シェイミって、それって……幻のポケモンじゃないかっ!?」
 ▼ 140 1◆zBLfAqPIVA 17/08/29 23:52:56 ID:NbzKTFRA [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========

実験体file 8


ーーーシェイミのリーフーーー

能力不明。


はなばたけの なかで くらしているが 
からだを まるめると はなのように みえるため 
だれも きづかないのだ。
たいきの どくそを ぶんかいして 
あれた だいちを いっしゅんのうちに 
はなばたけにする ちからを もつ。
ひとに やさしく だきしめられ 
ありがとうの きもちを かんじると 
ぜんしんの はなが ひらきだす。

ダイヤモンド・パール・プラチナ図鑑説明文より抜粋。

========
 ▼ 141 1◆zBLfAqPIVA 17/08/29 23:53:20 ID:NbzKTFRA [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日はここまで
明日も更新予定!
 ▼ 142 ク◆mkWK7X3DHc 17/08/29 23:54:04 ID:bJxAENks [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>141
私怨
 ▼ 143 ォレトス@ふっかつそう 17/08/30 23:25:14 ID:zkHwmGn6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援あげ
 ▼ 144 1◆zBLfAqPIVA 17/08/30 23:58:14 ID:j1tkZmRE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シェイミ……確か、幻と呼ばれるポケモンだ。

この施設ではとても珍しいことなのだろう。

エルレイド派閥の面々が目を丸くして、リーフを凝視した。


リーフ「え、えーと……皆さん……その……///」

リーフはと言うと、純朴な見た目通り、素直に顔を赤くして照れている。

なるほど、確かに可愛らしい女性なのかもしれない。


スイゾー「こりゃあ……たまげたなぁ」

シュン「この施設で幻の細胞をもった人間を見たのは……2度目だよ」ボソッ

ミミ「ま、そういうことなの……珍しいでしょ♪ シュン様♪」

ミミは何やら我が事のようにはしゃいでいる。
その後、会合の話題の流れは施設全体の情勢の話になった。
 ▼ 146 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 01:29:17 ID:Io4fyrIw [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カオル「最近、どうなのかしら……? 何かトラブルとかあったりする?」

ミミ「私たちの方は問題なしよ」

ミミがアッケラカンとした表情で言う。


スイゾー「問題か……そういや昨日、戦闘バカが喧嘩を仕掛けてきたな」


レイ(……あのボクサーのことだ)
 ▼ 147 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 01:37:58 ID:Io4fyrIw [2/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユキミ「ああ、それなら私たちも聞いてるわ。名前は確か……『海老原』だったかしら? 施設内でも注目されてる若手ね」

ミミ「でもソイツは、我らがシュン様の手によって成敗されたのでしょう?」


シュン「うん……『我らがシュン様』ってのは引っ掛かるけど、大体そんな感じだ」

シュン「そうだ、リーフ君とレイ君のような新人もいることだし、良い機会だ。……この施設で気を付けておくべき奴等を教えておこうか」


レイ「……!」


シュン「最初に気を付けておくべきは、この間の海老原のような輩だ。ランクを上げるためにがむしゃらになって戦闘するような奴はホントに危険……。ランクが低くても、予想以上に強い実験体もいるから注意してほしい」

スイゾー「ようするに、戦いには極力参加しねぇってことだ」

スイゾーの言葉に相槌を打つように、シュンは頭を何度も上下させる。

そして、何時にも増して神妙な表情をして、更に言葉を続けた。


シュン「うん、そう……。そして、ここからがホントに聞いて欲しいことだ」

シュン「ミミロップ派閥や、僕らの派閥のような平和を望む集団もいれば、その逆だって勿論存在する……。そういう危ない集団もいるという話だ」
 ▼ 148 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 01:42:14 ID:Io4fyrIw [3/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーフ「例えば……どんな方々が」

リーフが眉をひそめて聞く。
すると、突然ミミが口を挟んだ。

ミミ「……注意すべき派閥は三つあるわ。そうでしたわよね?」

シュン「うん、そうだね。まずは、ランク5位・バンギラス男が率いるバンギラス派閥」

シュン「────部下のドラピオン男、カイリキー男など、粒が揃った肉体派集団だ」


スイゾー「ボスのバンギラス野郎は戦闘狂だ。戦うことにしか目が向かねぇ、ド変態」


ミミ「ランク5位だけあって、その実力はトップクラスね……。まぁ、シュン様には敵わないけど」

シュン「うう……それはどうだろうか」
 ▼ 149 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 01:50:02 ID:Io4fyrIw [4/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「────気を取り直して、次はランク8位の男が率いる、カメックス派閥について説明しておこうか。目立って強い部下はいないけど、リーダーのカメックス男は施設内で一、二を争う古株だ」

ルーズ「古株ってことは、それだけ施設内で生きていく術を知っているってことだね。いずれにせよ侮れない」


シュン「特筆すべきは、カメックス派閥には独特の縄張りがあるということだ。その縄張りに侵入なんてした日には、只では済まないことが起きるだろう」

ミミ「でも逆に言えば、こっちから関わらなきゃ、特になにも起きない。まぁ縄張りに立ち入らないようにするのが得策ね」

シュン「最後に……こいつらが一番厄介。その名もガブリアス派閥!」

カオル「出たわね……施設最大規模の集団。常人なら絶対に関わりたくないイカれた奴等よ」

レイ「ゴクッ……」
 ▼ 150 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 01:54:54 ID:Io4fyrIw [5/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「あぁ、ランク2位のガブリアス男率いる大所帯のグループさ」

スイゾー「具体的な数までは覚えてねぇが……、この施設の約3割の人間がガブリアス派閥に属していると言われている」

レイ「えっ……?」

ミミ「ただ、その中身はメチャクチャだけどね……。ガブリアス派閥の末端は、まるで奴隷のように扱われてるって話よ」

レイ&リーフ「……ど、奴隷」
 ▼ 151 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 01:58:36 ID:Io4fyrIw [6/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───
─────
────────
───────────

同じ頃、施設内Aエリアに位置する暗い暗いとある密室では────

???「おらぁぁッ!!」

バキッ……!!

海老原「はぁ……はぁ……」

???「もっと痛め付けてやろうかぁぁぁ!?」

海老原の脇腹に重い蹴りが直撃する。
海老原はゲロを吐きながら、床にうずくまった。

海老原「ゲボォ……はぁ、はぁ……うおお……!」


???「けっ……情けねぇ男だァ!!」


ガブリアスの姿をした男「……そこまでにしとけ」
 ▼ 152 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 02:01:40 ID:Io4fyrIw [7/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「しかしガブリエル様……。こいつァ最近、調子にのってますぜ……? 今のうちに現実ってもんを教えてやらにゃあならんでしょ」

ガブリアスの姿をした男「……まぁ、待ちねぃ」

海老原「う、うぅ」

ガブリアスの姿をした男「こいつが俺んとこの派閥を勝手に抜けて、不遜にもランクを上げようとしたその罪は非常に重い。……だが、慈悲深い俺は、お前にチャンスを与えることにしたのだ!」

海老原「……っ!?」


ガブリアスの姿をした男「フフ、なぁに……簡単なお仕事をしてもらうだけさ。心配する事はない……」
 ▼ 153 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 02:06:46 ID:Io4fyrIw [8/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────
───────
──────────


シュン「……よし! 今日の会合はここまでにしようか」

ルーズ「新入り二人の紹介も出来たし、有意義な会だったね」

ミミ「そのとおりですわぁ♪ シュン様ぁぁぁ♪」ギュゥゥゥゥ

シュン「いでででで!! 骨っ、軋っ……折れるからっ、そんなに強く抱き締めるなぁ!」

レイ(ラヴラヴなんだなぁ……)
 ▼ 154 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 02:10:41 ID:Io4fyrIw [9/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボケーっとシュン達を眺めるレイに、カオルが話しかけた。

カオル「レイ君、レイ君、うちのリーダーがミミロップ派閥を苦手な理由、分かったでしょ?」

レイ「え……ぇあんなに求愛されると、逆に苦手になるかもしれませんね……」

カオル「ウフフッ……!」


カオルは野次馬根性丸出しで、シュンとミミのやり取りを見つめていた。

自分とはまるで関係ない騒動を俯瞰するのは、さぞ楽しいことなのだろう。

何となく分かる気がする。


スイゾー「よし! お前ら帰るぞ!!」

シュン「う、うん、帰ろう帰ろう」

ミミ「だめぇぇぇ!! シュン様はもう少しだけ、ミミと一緒にいるのぉぉぉぉぉ!」

シュン「う、うぅ、離してくれよ頼むからァ」
 ▼ 155 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 02:12:25 ID:Io4fyrIw [10/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「…………よし、俺たちは先に帰るか」

シュン「え、ちょっ、待って僕も」

カオル「じゃあね〜♪」

ルーズ「それじゃあっス!」

シュン「いやいやいや、おいおいおい」


ユキミ「ミミ様、私たちも先に帰りますので」

ミミ「ええ♪ 私はシュン様とLOVEしてから帰るわ」


シュン「か、かかかか……勝手に決めないでよぉ!!」
 ▼ 156 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 02:14:15 ID:Io4fyrIw [11/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「あ……レイ君!! 是非とも僕のことを助け────」

レイ「え、ええっと……」

レイ「が、頑張って下さい! 俺も先に帰ります!」

シュン「」


ミミ「ねぇ、シュン様ァ♪ この部屋で二人きりになったら……いろんな楽しいことしましょうね♪」キラーン

シュン「お、おい……君たち」

シュン「君たちっ、薄情だぞぉぉぉぉぉぉ!!!!」
 ▼ 157 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 02:17:26 ID:Io4fyrIw [12/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー(しーらねっと)

ルーズ(二人きりで楽しいことって何するんだろ?)

カオル(ミミちゃん、頑張るのよ! 男は押して押して落とすの!)

レイ(これでよかったのかな……。まぁいいか、幸せそうだし)


後ろから甲高い悲鳴が聞こえてきた。

だが、レイ達は振り返ることなく歩み続ける。

すると、一同は不思議と、愉快な気持ちになるのであった……。


シュン「愉快な気持ちになるのであった────じゃないよバカ!!」
 ▼ 158 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 02:18:04 ID:Io4fyrIw [13/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


第2話

ー完ー

 ▼ 159 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 02:25:16 ID:Io4fyrIw [14/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オマケ
ーランキング早見表ー

========
一位???

二位ガブリアス男(ガブリアス派閥長)

三位???

四位エルレイドのシュン(エルレイド派閥長)

五位バンギラス男(バンギラス派閥長)

六位ミミロップのミミ(ミミロップ派閥長)

七位???

八位カメックス男(カメックス派閥長)

九位サーナイトのカオル(エルレイド派閥所属)

十位???

十一位???

十二位ホルードのスイゾー(エルレイド派閥所属)

十三位???

十四位???

十五位???

十六位ズルズキンのルーズ(エルレイド派閥所属)

十七位???

十八位???

十九位エビワラーのヒロユキ(現在フリー)

二十位???
========

※二十一位以下は割愛とする。
 ▼ 160 1◆zBLfAqPIVA 17/08/31 02:30:14 ID:Io4fyrIw [15/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまでです。
また後で更新しにきます。
 ▼ 161 ァイヤー@ダークボール 17/08/31 18:17:34 ID:ZL8rcuGk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 163 ワライド@きれいなぬけがら 17/09/01 17:50:13 ID:/lOe7af2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 164 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 22:08:51 ID:O5qMYXW. [1/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


第三話

「悲劇の邂逅と喜劇の始発点」

 ▼ 165 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 22:11:04 ID:O5qMYXW. [2/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
激しく躍動する時代。

その変化に富んだ潮流の中で、常に最前線に立つものがいた。

それは才を持つ者たちである。

ある一人の、特別な才を持つ科学者がこう言った。

「人間とポケモンは更に、一心同体になるべきだ」と。


彼はポケモンの細胞を、人間に移植することを目指したのである。

周りがその行為を嘲る中、彼はたった一人で実験を重ね、推敲を重ね……徐々に、自らの理論を実現してゆく。

その過程は彼の異常とも思える、ある執着心により形成されていった。
 ▼ 166 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 22:11:28 ID:O5qMYXW. [3/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告






【人間がポケモンにより近づく】




 ▼ 167 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 22:17:08 ID:O5qMYXW. [4/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その純粋な願いこそが、彼を突き動かしていたのだ。

やがて、多くの人々が彼を讃え、彼の指示に従い始めるようになった。

しかし、光が強くなればなるほど、その影というのは比例して濃くなるものなのだ。

実験を開始してから数年が経過────

転落のきっかけは、実験の過程をマスメディアに公開したことだった。

実験の様子を世界に向けて公開したということは、それすなわち、バイアスのかかった者達の目にも晒されるということだ。

突如、多くのポケモン保護団体及び人権保護団体が、ポケモン細胞移植実験に対して一斉に異を唱え始めたのである。
 ▼ 168 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 22:49:13 ID:O5qMYXW. [5/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────世論はかくも流されやすいものであることは、この世の常識。
黙認しなければならない事実の一つだ。

「こんな移植実験、失敗でも起きたらどう責任がとれるんだ!」

「命を冒涜した行為ですね、あなたは生命をなんだと思っているのですか」

「ポケモンから無理やり細胞を採取してる時点でこれはポケモンへの虐待だ!!」

最初はポケモン細胞移植を称賛する声も数多くあった。
しかし、その声は次第に減り続け……終いには世間の大半の人間が、ポケモン細胞実験を公然と批判するようになった。

ポケモン細胞移植プロジェクトはやがて、凍結へと追い込まれる。



それから十数年が経つ……。

移植実験は跡形もなく完璧に風化したものと思われていたのだが……。
 ▼ 169 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 22:54:28 ID:O5qMYXW. [6/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カントー地方
〜ニビシティ・ニビジム〜

イワーク「グルォォォォ……」ドスゥン…

イワークの巨体が地面に倒れこむ。
ジムリーダータケシは、顔面蒼白になって、膝からゆっくりと崩れ落ちた。

タケシ「ど、どういうことだ……。人間が戦うなんて、聞いて、ないぞ……」ドサッ

???「ふん……」

パチパチパチ……!!!!

老人「ブラボーブラボー! ……ジムリーダーのポケモンを倒せるほどにまで成長したとは……!! 私は嬉しいよ!!」

???「このタケシという奴……なかなか良いポケモンの育てかたをしていた。なかなか侮れん奴だ。……で、この後はどうするんだ?」

老人「ジムリーダーほどの精神力を持つ人材はなかなかいないからねぇ……。そこのタケシ君は持ち帰って、実験体にでもしたいねぇ」
 ▼ 170 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 22:57:37 ID:O5qMYXW. [7/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
老人「悪いけど、タケシ君を研究所まで運んでくれないかな?」

???「やれやれ……こっちも疲れてるというのに……。人使いの荒いお方だ」

タケシ「ぐ、ううぉ……」プルプル…

老人「お? まだ気絶していなかったのか。大したメンタルだよ……」

タケシ「最近のジムリーダー失踪事件は……全て、お前らの仕業かっ……!?」

老人「……フフ、どうだろうねぇ? 仮にそうだとして……君には何も止められないよ、タケシ君」ニヤッ

──
────
───────
──────────
─────────────
 ▼ 171 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 23:05:52 ID:O5qMYXW. [8/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜その頃、エルレイド派閥アジトでは〜

レイ「失礼を承知して聞きたいことがあります。……そもそも何で皆さんは、こんな場所にいるんですか」

会話は、レイの突然の質問から始まった。



レイがここに来てから、早くも一ヶ月が過ぎようとしている。

ここでの立ち居振舞い。
施設内の備品・地理関係等々。
気を付けておくべきことは、大体を学んできたはずだ。

だが一つだけ、ずっと気になっていたことがあった。


自分も含めたここにいる人達──手術済みの人達──はそもそも何故、移植手術を受けるに至ったのか?


それを知れば、自分のことを知る手がかりになるかもしれない。
そういう思いから生まれた疑問だった。


そして、意外にもその答えはすぐに返ってきた。


シュン「ここの人たちは皆が複雑な事情を抱えている。……例えば、僕は親に売られてここにいるんだ」



レイ「えっ」

シュンの口から出た言葉は、レイを驚かせるには十二分に足るものであった。
 ▼ 172 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 23:09:29 ID:O5qMYXW. [9/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こんな質問、聞いておくべきではなかったか?

親に売られたという衝撃的な言葉に、レイは思わずたじろいだ。
やはり、この施設にある闇は余りにも巨大だ。

スイゾー「いいのかい、そんなこと赤裸々に語ってしまって」


シュン「うん、レイ君は立派なメンバーの一人だもん。こういうことは早く伝えておかないと」

シュンの言葉を聞いてスイゾーは静かに目を瞑り、やがてボソリと呟いた。

スイゾー「……よし、俺からも少しだけ話をしてやろう」

スイゾー「元々、ポケモンの細胞を人間に移植する実験ってのは、リスクが高いもんなんだ。過去には手術の失敗で死人が出た例もあると聞く」


レイ「死っ……!?」
 ▼ 173 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 23:16:44 ID:O5qMYXW. [10/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「そ、必ずしも成功するとは限らない。近年の手術は精度も上がってて、成功率の方が高いとも聞くけどね」

スイゾー「とにかくそんなリスクのある手術だ。ただで受けたいって奴はなかなかいねぇ。だからこそ、手術を受けた者には謝礼として相応の大金が支払われるんだ」

シュン「僕の親は、その大金を手に入れたいという理由で、僕を施設に売ったんだ、実験体としてね」

レイ「……そんな」

シュン「それで彼らはちゃんとお金を受け取ったはずだよ。今頃何をしているのやら……」


気のせいか、シュンの声が少しだけ震えているように聞こえた。
それは間違いなく、哀しみと怒りが混じったような声色だった。
 ▼ 174 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 23:19:44 ID:O5qMYXW. [11/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「その後、移植の実験が始まる。壮絶な痛みを伴う手術さ。……レイ君は覚えてないかも知れないけど」

スイゾー「覚えてねぇならその方がいい。全く、全身が焼けるかのような痛みだったぜ……」

シュン「最初、全ての実験体は、自分がどのポケモン細胞を移植されたのかを知らされない」

シュン「ポケモン細胞が身体に馴染んで、実験が成功して初めて、自分が何の細胞を移植されたのかを知らされるのさ」

レイ「ポケモン細胞が馴染まなかったときは……どうなるんですか?」

スイゾー「細胞同士の反発が始まって、身体が破裂していくと聞くね。実際に見たことはないけど」

レイ「身体が……破裂!?」
 ▼ 175 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 23:21:35 ID:O5qMYXW. [12/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「まぁとにかく……こうやって生きてるってだけでも、俺たちは神様か何かに感謝しねぇといけねぇのかもしれねぇな」

レイは息を飲んだ。

自分は、確かに生きている……。

でも……もし実験の失敗があったら、自分はここにはいないって可能性もあり得たはずなんだ。


カオル「に、しても……いくら記憶喪失とはいえ、なんでレイ君は自分の移植された細胞のことを知らないのかしらね」

それはもっともな疑問だ。

実験が成功したのであれば、自分がどんな細胞を移植されたのか告知されるはずなのに。

レイは自分の能力が分からない。

レイ(俺だけ……どういうことなんだ?)
 ▼ 176 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 23:25:21 ID:O5qMYXW. [13/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「とにかく、ここの実験体たちはそれぞれが複雑な何かを抱えているということだけは、覚えておくといいよ。レイ君も何らかの事情があるんだと思うし」

スイゾー「俺の場合、多額の借金があってな。借金取りに大勢追われてなぁ、最後はここに売られた」

スイゾーはまるで他人事かのように語り、笑った。

レイは素直に笑えず、ひきつった笑顔を浮かべるしかなかった。

レイ「そ、そうなんですか」



それにしても……

レイ「何を移植されるのか、最初は何も分からないなんて……それって実は怖いことですよね……」

スイゾー「ま、そうだなぁ。ハズレの能力を引くようなヤツもいるからなぁ……」

レイ「ハズレの能力ですか?」

スイゾー「いるんだよ、たまに。能力がてんで使えない細胞を持った可哀想な奴がな」
 ▼ 177 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 23:28:31 ID:O5qMYXW. [14/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───
──────
──────────
─────────────

その頃、隔離施設のとある一角では

???「……ぶ、ぷぇっくしょんっ!!」

???「うぅ……誰か噂してるのかなぁ」


モブ「おい、フラー! 早く、飯を持ってこいよ……このノロマァ!!」

フラー「は、はいぃっ!」

モブ2「フラー、肩凝った! すぐに肩叩きしろ!」

フラー「ふ、ふぇぇ……今、お待ちをぉ」
 ▼ 178 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 23:31:57 ID:O5qMYXW. [15/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========
実験体file 9
フライゴンのフラー ランク圏外

ガブリアス派閥の末端の末端。
いつもこきつかわれている可哀想な人。
能力は、背中から羽を生やせるということ。
鍛えればその羽で飛べるはずなのだが、フラーは今も飛べた試しがない。
羽ばたくときの音は人の歌声のようにきれいだ。
(周りからはどうしようもないハズレ能力だと笑われている)


さばくの せいれいと よばれる ポケモン。
はばたきで おこす すなあらしの なかから うたごえの ような はおと だけが きこえるため フライゴンは さばくの せいれいと いわれた。
てきに みつからないように さばくの すなを はばたきで まいあげて すがたを かくす。

ルビー・サファイア・エメラルド
図鑑説明文より抜粋。
========
 ▼ 179 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 23:37:49 ID:O5qMYXW. [16/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー(こんな暮らしがいつまで続くというんだろうか)

フラー(僕の能力は、確かにハズレの力だ。戦闘に全く役立たないからね……バカにされても仕方ないとは思う)

フラー(……そもそも、この施設に入った時。ガブリアス派閥のチンピラに絡まれたのが、僕の不幸の始まりだったんだ。周りの圧力に流されて流されて……結局僕はこの派閥の奴隷みたいな存在にされてしまった)

モブ2「おらぁ! さっさと動けや! フラー!」

フラー「は、はいっ……!!」

フラー(また今日もこきつかわれる。これなら、いっそ……死んだ方が良いんじゃないかって────


フラーはひたすら物思いに耽った。

するとそこに、ガブリアス派閥メンバーの一人が、息を切らしながら走ってきたのである。

モブ3「おぉい、てめぇら! ガブリエル様が呼んでるぞォ!!」

モブ2「ボスが? よっしゃ、急いでいくぞ!!」

フラー(ガブリエルさんが呼んでる……?)

フラー(……一体、どうして?)
 ▼ 180 1◆zBLfAqPIVA 17/09/01 23:38:52 ID:O5qMYXW. [17/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日はここまでです
これからものんびり更新していきます。
 ▼ 181 ルシアン@カードキー 17/09/01 23:45:57 ID:3ZS2OXuo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 182 マゲタケ@ゴーストメモリ 17/09/02 14:11:38 ID:NvLchakU NGネーム登録 NGID登録 報告
しえーん
 ▼ 183 ックラー@おしえテレビ 17/09/02 22:55:56 ID:ueHBuam. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 184 クオング@あまいミツ 17/09/03 18:35:35 ID:VfCrNqC2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 185 ルシアン@ギネマのみ 17/09/03 18:51:13 ID:kK3m0PdY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 186 シギソウ@ゴーストメモリ 17/09/04 21:42:09 ID:o.6D1DC. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 187 バイト@すごいキズぐすり 17/09/04 21:53:25 ID:OUz5UDoo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえんです
 ▼ 188 1◆zBLfAqPIVA 17/09/04 22:50:26 ID:q0BMaCOE [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリアス派閥リーダー:ダニー・ガブリエル。
彼がこの施設に入ったのは、数年前のことだ。

元々、膂力もあったのだが、彼の真の強みはおぞましい程の狡猾さにあった。

人の弱み、人間関係のトラブル────等々全てを把握した上で、数々の派閥を強引に吸収。

それでも逆らう者には、圧倒的な力を見せつけることで抑えこむ。

これの繰り返しでいつしか、ガブリアス派閥は施設最大規模の集団へと変貌を遂げた。

そして……ガブリエルは更に勢力を広げるべく、ある計画を考えていたのである。
 ▼ 189 1◆zBLfAqPIVA 17/09/04 22:54:08 ID:q0BMaCOE [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ガブリアス派閥アジト大広間〜

ガブリエル「よく来てくれた、我が盟友たちよ。」

モブ「ガブリエル様っ!! 万歳っ! 万歳っ!」

────万歳っ! 万歳っ! 万歳っ! 万歳っ! 万歳っ!

三桁数にも及ぶ大勢の人間が、一斉にガブリエルを讃え、声をあげた。

これこそが、恐怖による統一の証。

怖れ、恐れ、畏れ……。
人であるならば必ず抱くそれらの感情を理解しているが故の、ガブリエルの人身掌握術である。
 ▼ 190 1◆zBLfAqPIVA 17/09/04 23:01:12 ID:q0BMaCOE [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリエル「そ こ ま で」

ガブリエルの一声により、群衆の喚声は一気に静まり返った。

皆が自分を注視しているのを確認した後、彼は大袈裟に手を動かしながら、ゆっくりと口を開く。

ガブリエル「よし、それでは……。我らガブリアス派閥の今後の計画について、少し語ろうじゃあないか……」

ガブリエル「……最近、研究所の方で何やら、怪しい動きがあるようだ」

ザワザワザワ……

群衆がざわつきだす。
ガブリエルはそれを一切気にしていないかのように、悠然と話を続けた。

ガブリエル「研究員どもが何を企んでいるかは、現在も調査中だが……ロクなことにゃならねぇだろうなぁ?」


ガブリエル「つまるところ……そろそろ、この施設を本格的に支配する時期が来たというわけだ!! 研究所の野郎共の妙な陰謀に負けるわけにはいかねぇ」

ガブリエル「そこで、我らガブリアス派閥は、他の派閥に呼び掛けを始めることを決めた!」

ガブリエル「我らの忠実なる傘下になるようにな……」



モブ「し、しかし……他の派閥の連中がそう易々と我々の下に加わってくれるでしょうか」

ガブリエル「フフフ、それは私に任せろ。それぞれの派閥への対処法は既に考えてある……」
 ▼ 191 1◆zBLfAqPIVA 17/09/04 23:02:12 ID:q0BMaCOE [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリエル「派閥を作らない一匹狼気どりの輩もいるが……そいつらはひとまず無視だ」

ガブリエル「当面の目標は……エルレイド派閥、ミミロップ派閥、そしてカメックス派閥を我が傘下に加えることだ!」

モブ「そ、そんな大物達を……狙うのですかっ!?」

ガブリエル「言っただろ……対処法は考えてある」

下卑た笑みをガブリエルは満面に浮かべた。

その笑みには、自身への誉れが含まれているということは、最早言うまでもないことだろう。

圧倒的な己への自信が、彼を支えているのである。
 ▼ 192 1◆zBLfAqPIVA 17/09/04 23:10:27 ID:q0BMaCOE [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリエル「よしっ! フラーはいるかっ!?」

フラー「は、はいっ……ガブリエル様っ」

何故か、派閥の末端の末端であるはずの自分の名前が急に呼ばれた。
フラーは緊張ゆえに全身を震わせ、定規のように直立する。

フラー「なっ何でしょうか……」

ガブリエル「お前に仕事をやるよ」

フラー「し、仕事を!?」

今までガブリエルが自分に指示したことなんてなかったというのに……。

ガブリエル「カメックス派閥の縄張りに侵入し、引きこもりの亀親父にこの手紙を渡せ」

ガブリエルは黄ばんだ手紙を、フラーに慎重に手渡した。
 ▼ 193 ンパッパ@クリティカッター 17/09/05 21:06:05 ID:Rku8uY9c [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー「引きこもりの亀親父?」

ガブリエル「カメックス派閥のリーダーだ」

ガブリエル「ちゃんと手紙を渡すんだぞ……!!」

フラー「……は、はいっ!」


───────
─────
───


フラーが手紙を持って、カメックス派閥の下へと向かったその後。



モブ「……フラーなどに仕事を任せてよろしいのですか」

ガブリエル「……アイツだから頼んだんだよ」

モブ「?」
 ▼ 194 1◆zBLfAqPIVA 17/09/05 21:13:21 ID:Rku8uY9c [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリエル「カメックス派閥の縄張りに入った馬鹿は、生きて帰ってこないって話……お前なら聞いたことあるだろ?」


モブ「もちろんです。それ故に、彼らのテリトリーに足を踏み入れる者は殆どいないでしょうな」


ガブリエル「……実際、カメックス派閥のリーダーは強い。基本的に戦闘を好まない引きこもり親父だから、ランク自体は俺よりも低いがな。……まぁ、とにかくそんな危険な場所に、大切な戦力を送り込むわけにはいかん」

ガブリエル「フラーのような雑魚を行かせたのはそういう理由さ」

モブ「フラーの奴なら、すぐに死ぬでしょう。果たして、ヤツ如きが手紙を届けられるでしょうか」



ガブリエル「……じゃあ、フラーが手紙を届けられなかったら、次はお前が行くか??」

モブ「いっ、いやっ、それは……!!」



ガブリエル「まぁ手紙さえ届けば、フラーがどうなろうと構わんさ。重要なのはカメックス派閥といち早くコンタクトを図ることだ。他勢力に先を越されてはならんからな……」

 ▼ 195 1◆zBLfAqPIVA 17/09/05 21:16:10 ID:Rku8uY9c [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その頃、エルレイド派閥アジトでは……。



シュン「……ガブリアス派閥が動き出した?」

スイゾー「ちょいと外に出て情報収集にあたったが、そんな噂が蔓延してる……。どうやら近々、面倒なことが起きそうだ」

レイ「どうしたんですか?」


スイゾー「レイは戦闘が出来ねぇからな……このアジトに籠っていたほうがいいかもな」

レイ「え……あ、あの。何か起きたんですか」






スイゾー「……戦争が始まりそうなんだ」
 ▼ 196 1◆zBLfAqPIVA 17/09/05 21:19:10 ID:Rku8uY9c [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
=バンギラス派閥、アジト=


バンギラス派閥は、ランク5位のリーダー『バン』が率いる脳筋……いや、戦闘集団である。

彼の側近ドーラとリキは、共にランク入りしている強者。

ガブリアス派閥もなかなか手を出せない厄介者たちなのである。



バン「よぉっしゃぁぁぁぁ!! てめぇらよう見ときや! 戦争や……! 戦争がおっぱじまるんやァ!!」



ドーラ「ガブリアス派閥がとうとう動き出したようですからねぇ……イェ〜ヒッヒッヒ……」

リキ「争いが起り得るは風の噂より聞いていたが……此れにて確定か。我が所存は唯一つ也。……血肉湧き踊る経過に乾杯で或る、と」


バン「ナハハハハハ!! 今すぐ戦闘準備だけでもしときやぁ!! 施設全体を巻き込んだ争いが……ワイの時代が、ついに幕を開くんやでぇ!」
 ▼ 197 1◆zBLfAqPIVA 17/09/05 21:21:08 ID:Rku8uY9c [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
=ミミロップ派閥、アジト=

ミミ「ガブリアス派閥が何やら暗躍してるって?」

ユキミ「えぇ、近いうちに争いが起きる可能性があります」


リーフ「そ、そんな」

ミミ「……ちなみにどんな動きを見せてるの?」


ユキミ「まず、あまり強くない小さな派閥を次々吸収し、自らの傘下に置いているようです。さらに、先程カメックス派閥に使者を送ったという情報もあり……」


ミミ「そう……じゃあ、ガブリアス派閥の奴等は、私たちの派閥にも接近する可能性があるわね」


リーフ「……ゴク」


ミミ「例え、醜い闘争が起きようとも……シュン様だけはお守りしてあげるわ!! 絶対に!!」

ユキミ「まずはご自分の身を心配なさってくださいよ……」
 ▼ 198 1◆zBLfAqPIVA 17/09/05 21:23:53 ID:Rku8uY9c [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
場面は戻って、エルレイド派閥アジトへ。


シュン「スイゾー、少し外の様子を見てこよう。何だか嫌な予感がするんだ」


スイゾー「……うむ、何故ガブリアス派閥がこのタイミングになって動き出したのかってのも知りてぇところだしな」


スイゾー「……そういや、カオルとルーズは?」


シュン「今月分の食料を受け取りにいったよ。彼らは強いから襲われても心配はないでしょ」


スイゾー「そうか……よし、レイはここで留守番だ。俺たちは外の偵察にいってくる」


レイ「俺一人で……ですか」


スイゾー「安心しろ。このアジトに突撃する愚か者はいねぇよ」


シュン「まぁ、海老原みたいなのもいるけど」


スイゾー「……そこは思いついても敢えて黙っとくのが大人だと思うぞ、シュン」
 ▼ 199 1◆zBLfAqPIVA 17/09/05 21:25:57 ID:Rku8uY9c [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こうして、アジトはレイ一人になった。

……正直、戦争と言われても実感が湧かない。


でも、とんでもない事が起こるのだろうという予感はあった。

あの海老原という男の暴挙を見て、思ったのだ。

ここは普通じゃない。


だから、普通じゃないことが起きても不思議はない。

これからどうなるのだろうとレイは思案した。

そんなこんなで一時間近い時が経とうとして……。


──
──────
─────────
────────────
 ▼ 200 1◆zBLfAqPIVA 17/09/05 21:28:44 ID:Rku8uY9c [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドガシャァァァァァァァァァンンンン!!!!

レイ「!!」


突然、アジトの外で大きな音がした。

レイは警戒しながら……外の様子を確認しようとした。

敵か?
何か事故が起きたのか?
それともシュンたちの帰ってきた音か?


レイは様々な状況を想定しながら、恐る恐るアジトのドアを開いた。
そこにいたのは……。


フラー(いててて……何もないところですっころぶなんて……。ボクってダサいよなぁ……あぁ、いてててて」


レイ(だ、誰だ?)


レイとさして歳の変わらないような少年が……お尻を擦りながら、地べたを這いつくばっていたのである。
 ▼ 201 1◆zBLfAqPIVA 17/09/05 21:34:19 ID:Rku8uY9c [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまで
実は「二年前の元となったSS」にはいない新しい移植人間を5枠くらい考えております
……ですが正直思いつかないので
出して欲しいポケモンのリクエストを下されば、そのうちの何匹かを登場させるかもしれません
 ▼ 202 ングース@とんでもこやし 17/09/05 21:50:29 ID:YP5O5Z4M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
カクレオンとか見てみたい
 ▼ 203 サイハナ@でかいきんのたま 17/09/05 22:02:02 ID:5BL.sGM2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
雑魚とかモブとか吸収して戦うヨワシっていけますか?
 ▼ 204 ゼリア@せいなるはい 17/09/05 22:20:53 ID:7o0TxHq6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シルヴァディ
 ▼ 205 ンジャラ@スペシャルガード 17/09/05 22:24:22 ID:Mpkxld12 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ランクルスとかミミッキュとか
伝説幻系はありえないだろうし
 ▼ 206 ダツボミ@ふしぎなおきもの 17/09/05 22:26:30 ID:GiOJgu3M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アローラ御三家最終進化
 ▼ 207 イリキー@やけどなおし 17/09/05 22:36:57 ID:SyLWKyQA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
原種キュウコンとアローラキュウコン
 ▼ 208 ブラーバ@こううんのおこう 17/09/05 22:40:25 ID:4kWNm4j. NGネーム登録 NGID登録 報告
ミミッキュ!

支援
 ▼ 209 ママイコ@ねらいのまと 17/09/05 22:42:11 ID:H/dFNgIk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
加速のメガヤンマ
 ▼ 210 ブラーバ@やわらかいすな 17/09/05 22:57:51 ID:7b1W4LkM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケモンの中で最強の催眠能力を持つカラマネロ

支援
 ▼ 211 ッカニン@ライドギア 17/09/05 23:47:42 ID:mJrKUWhQ NGネーム登録 NGID登録 報告
追加するならやっぱりアローラのポケモンだよねえ
マシェードとかどう?
 ▼ 212 アルヒー@ウタンのみ 17/09/06 07:45:38 ID:b9I/McQs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エンブオー
 ▼ 213 ザンとクチートlove 17/09/06 15:49:29 ID:OlUE0jbk NGネーム登録 NGID登録 報告
クチート
頭に特殊な顎を生やしているみたいな
 ▼ 214 ンベアー@アロライZ 17/09/06 19:34:32 ID:sSJ9JWtg [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガス状になれる能力

ゲンガーとか
 ▼ 215 ブラーバ@フェアリーメモリ 17/09/06 19:42:41 ID:sSJ9JWtg [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ところで作者に質問なんだが、ここの人間達が着ている服はどんな服なんだ?
暇な時にキャラの絵でも描こうかなと思っているから教えてほしい。
 ▼ 216 ルヴァディ@ふうせん 17/09/06 22:35:18 ID:F1wvWrC2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援 
シロデスナ
 ▼ 217 イコウ@ヤゴのみ 17/09/06 22:59:51 ID:JbvnhTZc NGネーム登録 NGID登録 報告
フライゴン能力者の名前変わった?
 ▼ 218 ク◆mkWK7X3DHc 17/09/06 23:06:41 ID:k2FwBhLc NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
ヌケニンとか良さそう
 ▼ 219 1◆zBLfAqPIVA 17/09/07 00:05:19 ID:fb8f2Alo [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
気づかぬうちにたくさんのリクエストありがとうございます

>>215
本編には書かない裏設定ですが、基本的に実験体は私服で過ごしております(施設加入前に危険物を除く私物の持ち込みもある程度可能)。

カオルなどはオシャレ好きなので、私服を何十着も持っていたりします。
施設には、共用の浴場やシャワーやランドリーもあり、清潔性を保つことも可能です。

たまに「私服なんて殆ど持っていない」という実験体もいますが、そういう者には、施設から灰色で無地のフードのような服を手配されることもあります。
スイゾーはオシャレには全く無頓着なので、大体その施設から配られた服ばかりを着てます。
レイも同様です。
 ▼ 220 チュー@きんのいれば 17/09/07 00:16:03 ID:mMB3uqdI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
めっちゃ面白くなってきた
恐縮だけど四世代御三家とか…
 ▼ 222 1◆zBLfAqPIVA 17/09/07 23:24:23 ID:fb8f2Alo [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー(あーもう、これからカメックス派閥に手紙渡さなきゃならないってのに……。こんなところでつまずいてられないのに……)

レイ「あ、あのぉ……大丈夫ですか」

レイが咄嗟に声をかける。

フラー「……ん? あ、いや……すみません! ちょっと転んじゃって……てへへ。あっ、えーと、もう行かないと!! ホントにすみません!」

レイ「そ、そうですか……お気をつけて」

転んだらしいどこかそそっかしそうなその少年は、多少照れ臭そうにしてその場から慌てて走り去った。

レイ「何だったんだろ?」

疑問を感じつつ、レイはふと床に視線をやる。

すると彼は、床に落ちている黄ばんだ『何か』の存在に、気付いてしまったのである。

レイ(あれ? ……紙っきれが落ちてる。もしかして、さっきの人の……落とし物?)
 ▼ 223 1◆zBLfAqPIVA 17/09/07 23:27:26 ID:fb8f2Alo [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜数分後〜

フラー「ゴクッ……ここから先が、カメックス派閥の縄張り……。ゆ、勇気を出さなきゃ……!」

フラー「……何としてでも、生き残らなきゃならないんだ!」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

───
──────
─────────
────────────


???「なんじゃと……侵入者とな?」

手下「はい、恐らくはガブリアス派閥から送られた使者かと思われますが……」

???「はぁぁ……あの若造め。また面倒なことをしでかそうと考えちょるな」

???「その侵入者とやらをここに連れてこんか、場合によっちゃ……直ぐに消してやらにゃならんの」

手下「御意……!!」
 ▼ 224 1◆zBLfAqPIVA 17/09/07 23:33:02 ID:fb8f2Alo [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー「……」ドキドキ

手下「……おい! そこにいるの!!」

フラー「はっ、はいぃ!!」


手下「……ついてこい、ボスがお呼びだ」


フラー「────っ!!」

フラーは、カメックス派閥の手下と思われる男に従い、黙ってついて歩いた。
そして……その先には驚くべき光景があった。

まるで、荘厳の象徴とも呼ぶべき偉大な活火山────それを思い起こさせるほどの風格を持つ大男が、これまた巨大な椅子に座り、ふんぞり返っていたのである。
 ▼ 225 1◆zBLfAqPIVA 17/09/07 23:36:30 ID:fb8f2Alo [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー(うわ……で、でかい)

フラーが来るのを見ると、大男はゆっくりと口を開きだした。

???「やれやれ、しゃーしぃーなこつはすかんだからな……用件ならしゃっしゃっち終わらしぇてくれや」

フラー「……え? あ? その……」

手下「ボス、恐らく言葉が通じておりません」

???「ん? そーか、方言は通じなかんか。しょんなかァ……普通に話してやるかぁ」


???「おい、そこの餓鬼! 何の用でここに来たんけ!?」

フラーは突然のアクシデントの連続に、いささか混乱していた。
 ▼ 226 1◆zBLfAqPIVA 17/09/07 23:41:41 ID:fb8f2Alo [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「はぁ……イチイチ共通語ば話さんといかんちゅうことほど、せからしかこつはないけんね」

大男は一人で何やらブツブツぼやいていた。
フラーはとりあえず、自分がここに来た目的を語ろうとする。

しかし、緊張ゆえか恐怖ゆえか、もしくはその両方に起因するのか。
フラーの喉は渇ききっており、なかなかスムーズに言葉が出てこないのである。

フラー「え、ええっと……その、今回、ボクがここに来たのは……カメックス派閥さんに手紙を渡さなきゃいけないということで、ありまして……」オロオロ


???「さっさとそれを言わねぇか!! オドオドオドオドしやがって!」

フラー「ひっ!!」ビクゥッ

???「……ほれ、手紙ってのを見してみぃや?」

フラー「は、はい……えーと」ガサゴソ



フラー(…………あ、あれ……あれ、あれ!?)


???「どうしたんじゃ、さっさと手紙とやらを出さんかい……なぁぁ〜?」
 ▼ 227 1◆zBLfAqPIVA 17/09/07 23:45:33 ID:fb8f2Alo [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────手紙がどこにも、ない。

フラーにとって、人生最大の危機が訪れようとしていた。
こんな恐ろしい場所に、わざわざ手紙を渡しに来たというのに……その大事な手紙を……紛失するなんて!!


フラー(ど、……どどどどどうしようっ!?)

???「なぁ、さっさとせんと……痛い目に遭うんだぞ? 俺も気が短いけんの」パキポキ

フラー「う、うぅ……そ、その……そのぉ!!」


手下2「ヒソヒソヒソ……」

手下「む? なんだと? ……ボス、ご報告が!!」

???「なんじゃあ? 俺は今からこの小僧に躾をしてやらんといかんちゅうに……」

手下「縄張りにもう一人……侵入者がいるみたいです!!」


???「二人目じゃと……今日はまた忙しい日じゃのう」

フラー(もう一人……侵入者だって?)
 ▼ 228 1◆zBLfAqPIVA 17/09/07 23:51:29 ID:fb8f2Alo [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
通常、カメックス派閥の縄張りに立ち入る者は皆無なのである。

仮に、侵入する者がいるとすれば

それはカメックス派閥に特別な用事のある者────
もしくは滅多にないことだが、カメックス派閥に喧嘩を売りに来た者────

そして……

縄張りの場所を把握していないような、施設入りたての新人くらいなのである。



レイ「うーん……さっき手紙を落とした人って……。こっちに行ったような気がするんだけどなぁ」

レイ(……ところで、ここってどこなんだろ?)

レイ(まずいよなぁ……迷子だよこれ)

レイ(勝手にアジトから外出しちゃったってのも悪いことだろうし……。早く帰らないといけないんだけど)


レイ(にしても……さっきの人はどっちに向かったんだ?)


レイ「ええっと、こっちかな」キョロキョロ
 ▼ 229 1◆zBLfAqPIVA 17/09/07 23:57:52 ID:fb8f2Alo [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
手下「おい、そこのやつ……動くな」

レイ「え? ……あ、俺のことですか」

手下「ここがどこなのか知らないのか?」

レイ「え、えーと、俺……新人でして……。ここの地理とか、まだよく分からなくて」

手下「……呆れたもんだな」

レイ「す、すみません……それでですね。この手紙を落としたある少年を探してたんですけど……」

手下「もしかして……その手紙!」

手下「……ついてこい」

レイ「え、あ……知ってるんですか? この手紙の持ち主の居場所を!」

手下「ああ、だから黙ってついてこい」

手下(こいつも……ガブリアス派閥の手先か? だとしたら、さっきの小僧もそうだが……。この惚けた新人も消す必要があるな)

レイ(よかったぁ。どうやら、無事に落とし物を届けられそうだ。向こうも困ってるかもしれないし)


手下(何なんだ、こいつのこの緊張感のない顔は……罠か? 罠なのか?)
 ▼ 230 1◆zBLfAqPIVA 17/09/07 23:59:50 ID:fb8f2Alo [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
暫くして……。

手下「ボス、二人目の侵入者を連れてきました」

レイ(ついてこいって言われたからついてきたけど……。な、何だ、凄いでっかい人がいる)

???「うむ……さて、お前は何のためにここに立ち入ったのかな?」

レイ「え、ええっと……手紙を落とした人がいまして……。その人のことを探してたんですけども」

レイ「えーと」キョロキョロ

レイ「あ! あそこにいる人です!!」

レイが突然指を指した。
その指の先にいたのは……そう、フラーである。

フラー「!? あ、あれ……さっきの!」

フラーは驚嘆した。
さっき、転んだ時に会った人だ。
何故、ここにいる?
 ▼ 231 1◆zBLfAqPIVA 17/09/08 00:05:58 ID:JTSze0fE [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「そうだよ……アナタさっき、手紙を落としましたよね? はい、これ!」

フラー「え、あ……どうも、です」

レイは黄ばんだ手紙をフラーにきっちりと手渡した。
唖然とした表情で、彼は暫くレイのことを凝視する。


???「なんじゃあ、そこの小僧が手紙を落としたから────お前さんは、それを届けに来ただけじゃったんかあ」


レイ「えぇ、そうなんです。それでは、俺はここでおいとまさせてもらいますんで……」イソイソ

???「おう、また来なさいよ〜」ニコニコ


















???「────って、ノコノコ帰らせるわけねぇだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


レイ「……ふぇ?」
 ▼ 232 1◆zBLfAqPIVA 17/09/08 00:11:45 ID:JTSze0fE [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方、エルレイド派閥アジトでは。


シュン「ただいま〜、レイ君〜」

スイゾー「やれやれ、結局外の様子はいつも通りだったな」

シュン「まぁ、良いことなんじゃないの? 今はまだ、平和だってことなんだし。……問題はそれよりも、何で今頃ガブリアス派閥が動き出したのか、ってことだけど……」

スイゾー「さぁね、アイツは奇人変人って言葉を限界まで圧縮して、そこから更にネガティブな要素を抽出したような最低な奴だぜ? そんなのが考えることなんて、理解出来てたまるかってんだ」

シュン「……そうだ。レイ君に伝えとかなきゃならないことがあるんだった。レイ君〜、どこだ〜い?」


シーーーーーーーン…………



シュン「……レイ君?」
 ▼ 233 1◆zBLfAqPIVA 17/09/08 00:22:08 ID:JTSze0fE [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
同時刻。ポケモン移植研究所、研究主任室にて。

老人「……ふむ、ガブリアス派閥が我々の動きに勘づいたようだの」

研究員「はっ! 奴等は現在、勢力をますます拡大しようとしております! 我々の脅威に為りうるのも時間の問題かと……」

老人「……我々の脅威、か。フン……それは所謂凡人の発想じゃ。奴等は所詮は監視されている奴隷であるということを忘れるな。……まぁそんなことはどうでもええわい。対処なら何時でも出来る」

老人「それよりもじゃ……ミュウを移植したあやつの様子はどうなのじゃ?」

研究員「例の被験体でしたら、調子はすこぶる良いみたいですね。まだ年齢は若いというのに……あの年でミュウの細胞に耐えられるとは感服であります」

老人「もしかしたら……若い身体の方がミュウの細胞に耐えられるのかもしれんな……」

老人「……ミュウの能力が覚醒さえすれば、ワシの実験は新たな段階に踏み込める。理想郷はすぐそこに見えておるのじゃ……」


研究員「……あ、チーフ。もう一つご報告ですが、捕らえた一部のジムリーダーへの移植実験が先程始まったそうです」


老人「そうか、それは楽しみだ」

研究員「今回、ジムリーダーの誘拐ということで、各地方の警察組織も動き出しているようですが……」


老人「問題ない。……この施設は滅多なことでバレることはないからな。仮に何かトラブルがあったとしても、筋道は幾つも考えておるわい……」

老人「全て……計算通りなのじゃよ、今の状況も全て……な。分かるかね、凡人よ」

研究員「……了解です」
 ▼ 234 1◆zBLfAqPIVA 17/09/08 00:22:58 ID:JTSze0fE [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


第三話

ー完ー



 ▼ 235 1◆zBLfAqPIVA 17/09/08 00:32:05 ID:JTSze0fE [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第三話 オマケ 『謎の資料』
========

〜タマムシ大学 生物学科 ポケモン細胞研究室の報告〜

ポケモンと人間のより素晴らしい共存のために、
我々、タマムシ大学第三研究班は
ある結論にたどり着いた。

人間がより、ポケモンに近づけばよいのだ。

人間は単に弱い。あまりにも弱すぎる。
その弱さ故に、人は誰かの手を利用しながら生きるものだ。

対して、ポケモンの強さは尋常なものではない。
しかし、人間はそんな格上の生物ポケモンに敬意を払って生きているのだろうか?
残念ながらそうではない。
そう結論づけるしかなかった。

人は、ポケモンを悪用してばかりいることを忘れてはいけないのだ。


さて、本題に戻ろう。
そんな生き物同士が、果たして正しい共存の道を歩めるのかどうか、である。

答えは「否」だ。

人間がポケモンと対等になるために、まずは人間自身が強くならなければならないことを忘れてはいけない。

ここで、我々は一つの案を提出する。
それこそが『ポケモン細胞移植実験』である。

成功さえすれば、あらゆる人類はポケモンの力を得、パワーバランスの釣りあった幸せな社会を形成することが出来るだろう。
────理想郷に、幸あれ。


著:ポケモン細胞研究室一同。
特別協力:Dr,オーキド・Dr,ナナカマド・Dr,カツラ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ▼ 236 1◆zBLfAqPIVA 17/09/08 00:32:48 ID:JTSze0fE [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまで。
次回から第四話となります。
よろしくおねがいします。
 ▼ 237 ョロゾ@ラブタのみ 17/09/08 00:47:32 ID:h3K4IcPI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セレビィの細胞くださいアクジキマンの細胞あげます
 ▼ 238 ビルドン@4ごうしつのカギ 17/09/08 12:41:19 ID:yGqIp8Fg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 239 ノプス@コインケース 17/09/08 21:30:04 ID:Cx5FWJD6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
改造ジムリーダー気になるな
 ▼ 240 コリータ@まひなおしのみ 17/09/08 21:56:43 ID:21HoMfXc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 241 ッチャマ@マッハじてんしゃ 17/09/09 09:39:31 ID:9o9M./v6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 242 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 15:27:48 ID:UDzfy83o [1/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



第四話

「来たるべき戦争の狼煙」


 ▼ 243 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 15:31:59 ID:UDzfy83o [2/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜移植実験室〜


ナタネ「う"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!」

研究員1「今は細胞の拒絶反応が出て、苦しむでしょうけど……。あともう少しで驚くべき能力が手に入りますよぉ〜、我慢してくださいねぇ」


研究員2「先輩、ジムリーダータケシの移植もこれから開始しますが、どういたしましょうか」


研究員1「そうか、タケシ……。資料によると……うむ、イワークがうってつけだ。イワーク細胞を移植してやりなさい」

研究員2「了解しました」


ナタネ「ああぅ……ぐぁぁっ!! 痛いっ! うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


研究員2「フフフ……」



────────────
─────────
──────
───
 ▼ 244 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 15:34:39 ID:UDzfy83o [3/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜カメックス派閥縄張りエリア〜

???「こんまま逃げしゃしぇるわけなかやろ、こん阿呆め!! オレば誰やっち思っちょる!? カメックス派閥の亀五郎たぁ、オレんこっちゃ!!」

レイ「え? ……い、今なんて……」


手下「……新人よ、ここは立ち入り厳禁───カメックス派閥の縄張りだ」


レイ「え……え……えええええええ!!?」


レイ(シュンさんが言ってた……注意すべき派閥の一つじゃないか!!)



亀五郎「なんだ、知らんかったんか? まぁ、だっちしてもただでは返しゃなかねらな……」


レイ(改めて見ると……なんて迫力なんだ……!?)
 ▼ 245 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 15:35:53 ID:UDzfy83o [4/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========

実験体file 10

カメックスの亀五郎 ランク8位

ホウエン出身の訛りの強い御仁。
背中から噴射口が飛び出し、そこから強烈な水圧のジェット噴射をお見舞いする。
ただし、水を出し過ぎると脱水症状になるのが欠点。



からだが おもたく 
のしかかって あいてを きぜつさせる。
ピンチの ときは カラに かくれる。
こうらに ふんしゃこうが あって 
ロケットのような いきおいで つっこんでくる。
あいてに ねらいを さだめると しょうぼうしゃの 
ホースより つよい いきおいで みずを だす。

赤・緑・青・ピカチュウ 図鑑説明文より抜粋。

========
 ▼ 246 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 15:38:34 ID:UDzfy83o [5/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
亀五郎「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

亀五郎という大男の背中から、主砲と思われる太い筒状の物体が現れた。

恐らく、あれが……。


レイ(この人の……能力かっ!?)

亀五郎「教えてやるけんの、俺たちは戦いば極力避けたい……。だからこそ、我々の縄張りに入った危険因子は徹底的に排除するんじゃあ……!!」


亀五郎「ましてや、ガブリアス派閥の者など言語道断!! 塵となって消え去れぇぇぇぇぇぇ!!」


フラー「ちょ! せ、せめて手紙くらい読んで……!」


亀五郎「手紙の内容くらい見透かしておるわ! どうせ、傘下に入れっちゅう勧誘なんじゃろう!?」



亀五郎「我々は、誰の下にもつかんけんの!!」

キュゥォォォォォォォォォォォォォォォ……

主砲から、正体不明の高音が鳴り響く!
そして───────


亀五郎「ハイドロポンプッッッッ!!」


ゴォォォォォォォォォンンンンンンン!!!!
 ▼ 247 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 15:41:50 ID:UDzfy83o [6/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
獣が唸るような低い轟音を立て、亀五郎の背中の主砲から発せられるは太い水の帯。
それはフラーとレイの命を執拗に狙っていた。


ライ「……っ!! よ、よけてぇぇ!!」

レイ「うわわわわわわわわわっ!」


バゴォォォォォォォォォンンンンン!!



フラーとレイは、まさに間一髪のところでハイドロポンプを回避した。
しかし、同時に二人は亀五郎の恐ろしさを身に染みて感じることになる。

発射されたハイドロポンプは真っ直ぐに伸び続け、終いにはコンクリートの壁を撃ち抜いていたのだ。
尋常ではない威力。
これをもし生身で受けたらどうなるか考えると……ゾッとする。


フラー(これが、ランク8位の実力……!?)
 ▼ 248 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 15:42:49 ID:UDzfy83o [7/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>247
「ライ」の表記がありますが、正しくは「フラー」です
 ▼ 249 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 15:45:41 ID:UDzfy83o [8/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
亀五郎「外したかぁぁぁ、ハァァ……」


太いため息をつく亀五郎。

しかとて、彼のハイドロポンプの威力は、ミサイルもかくやと思えるほど恐ろしいものであった。


フラー「こんなの……チートだよ」

レイ「……はぁ、はぁ」


亀五郎「ガブリアス派閥のひよっこどもめ……痛い目に遭わせてやるぞ!!」


レイ「……! ちょ、ちょっと待ってください!! 何か勘違いしてます、俺はガブリアス派閥の者なんかじゃ、ありません!!」


亀五郎「今更、そんな安っぽい嘘が通用すると思うなや……!! このアホンダラぁぁぁ!!」


レイ(ダメだ、激昂してる……!!)
 ▼ 250 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 15:47:16 ID:UDzfy83o [9/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
手下「先程も言った通り、うちのボス、そしてカメックス派閥は……争いの種になるものは全て排除する」

手下「……ここに入ったが最後、言い訳は通用しない。お前らは死ぬまでカメックス派閥に追われ続けるのだよ」


フラー(こ、殺される……)


亀五郎「ああ、そのとおりじゃ……おまんらに残された道は二つ。ここで殺されるか……俺を倒すかじゃ!」


亀五郎「そうでない限り……」


突然、亀五郎は顔にうっすらとした微笑を浮かべた。
その場違いな微笑みが、レイたちの恐怖心を更に煽る。


亀五郎「いつまでもこの主砲が、おまんらを狙い続けるけんの!!」
 ▼ 251 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 15:52:25 ID:UDzfy83o [10/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────────────
─────────
──────
───

その頃、施設の廊下では。
ルーズとカオルが支給された食料を持って、アジトへの帰路についていた。


カオル「あ、ルーズ……そっちは行っちゃダメよ」


ルーズ「どうして? こっちの方が近道だよ?」

カオル「そっちはカメックス派閥の縄張りに通じる道なのよ。一度入ったら、少し面倒なことになるわ」


ルーズ「フーン……そういやオイラ、カメックス派閥のことって、名前と危険な派閥だってことしか知らないな」

カオル「まぁ……私も何度かしか、カメックス派閥のリーダーに会ったことないけど……。まるで亀みたいな人だったわね」


ルーズ「そりゃ、カメックス人間だからね」


カオル「そうじゃなくて、性格そのものがまるで亀みたいなのよ」

ルーズ「……どゆこと?」



カオル「……一度噛みついたら、相手が屈服するまで離さない」
 ▼ 252 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 15:57:52 ID:UDzfy83o [11/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カメックス派閥縄張りエリア。
施設をかなり広い範囲で占有しており、滅多に人が近寄らない場所。

そこの最大の特徴は、無駄に複雑に入り組んだ通路の数々だ。
故に、カメックス派閥の縄張りに侵入した者の大抵が、そのエリア内で迷いだすのである。


迷った挙げ句……体力を消費した侵入者は、亀五郎の陰湿とも思える執拗な性格も相まって、精神を肉体を極限まで追い詰められたうえで……消息を絶ってしまうと言われる。

だからこそ、普段彼等のエリアに侵入する者はほぼ皆無なのだ。



亀五郎「うぉぉぉい!! 逃げるんじゃねぇよぉ!」


フラー「はぁ……っ! はぁっ! 逃げないと殺されるじゃん……!!」

レイ「ぜぇっ、ぜぇっ……!!」



だがこの日、二人の迷える子羊が、今にも亀五郎の餌食になろうとしていた。
 ▼ 253 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 16:01:54 ID:UDzfy83o [12/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー「え、ええっとあなたは一体……!!」

走り、逃げながらもフラーはレイに尋ねた。

レイ「お、俺は……レイって言います!! 詳しい話は後で──────


ズゴォォォォォォォォォォンンンンンンン...!!!


レイ「っ────!?」



亀五郎の主砲から、再びハイドロポンプが放たれた。



亀五郎「ちっ……また外したか。イライラするのお……」

 ▼ 254 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 16:05:52 ID:UDzfy83o [13/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー「〜〜〜〜っ!!」

レイ「とにかく!今は逃げないと……!!」



二人は全速力で施設の廊下を駆け出した。
彼らのそのスピードに、見るからに鈍重そうな亀五郎が追いつけるはずがない。

そう、たかをくくっていたのだが……。



亀五郎「……ハイドロポンプには一つ、応用技があってのぉ」


亀五郎「ジェット噴射の威力をコントロールすれば……高速の移動も出来るんじゃァ…!!」



グォォォォォォォォォッ!!!


突然、亀五郎の速度が増した。

ここで一つ想像してみよう。
身長は2mをゆうに超えるであろう100キロ超えの巨漢が、イカズチの如き勢いで突っ込んで来たら……どうなるだろうか?

容易に想像はつく。

それはまるで……大砲の弾。
 ▼ 255 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 16:08:50 ID:UDzfy83o [14/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
全てを根絶やしにする、破壊の権化。


レイ「!!?」


障害物など全く意に関しないのだ。
壁も何もかも──全てがその弾の前ではまるで無意味。

しかし、亀五郎との間にはかなりの距離があったので、回避するには十分な余裕があった。


それでも……二人の心の中では恐怖という種が今まさに、芽吹きを見せようとしていたのである。


────────────
─────────
──────
───
 ▼ 256 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 16:12:37 ID:UDzfy83o [15/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その頃シュンとスイゾーは、レイを懸命に捜索している真っ最中であった。


シュン「レイ君! レイ君!!」

スイゾー「……駄目だ、どこにも見当たらねぇ」


シュン「もしかして……」


シュンが急にボソボソ呟きだす。

スイゾーは不思議そうな眼差しでそれを見つめた。




シュン「まさか……!」

シュンは突然、どこかに歩み始めた。



スイゾー「……おい、シュン! 何処に行くんだ!?」


スイゾーがそう尋ねると、シュンは脚を一瞬だけ止め、囁くように言葉を並べた。



シュン「今から、ガブリアス派閥に乗り込んでくる。もしかしたらシュン君は、奴等の陰謀に巻き込まれた可能性がある……!!」



スイゾ「……っ!!」


スイゾー「しょ、正気かよ!?」
 ▼ 257 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 16:18:14 ID:UDzfy83o [16/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



瓦礫の落ちる音が辺りに鳴り響く。

レイとフラーはギリギリのところで亀五郎のジェット噴射による突進をよけた。

亀五郎はそのまま壁に突っ込んだはずなのだが……その壁は今や跡形もなく消え去っていた。



亀五郎「うー、いてぇな……この糞が……」


亀五郎は頭をそっと擦りながら、またレイとフラーを睨んだ。



レイ「な、なんとかしないと……」


フラー「ねぇ、レイさんは何か能力あるんだろ? ……それを使えば、逃げられるかも」



レイ「ごめん、俺……自分の能力……分からないんだ」



フラー「……え、ええっ!? 自分の能力が分からないって、ど、どういうことなの!?」


レイ「え、ええっと、それには深い事情があって……」



亀五郎「おぅい!? さっきから、何をグチャグチャ喋っとんのじゃゴラァ!?」


フラー「っ!!」




亀五郎「今度こそ喰らえや……。ハァイドロォ……ポンプゥゥゥゥ!!!」


レイ「また来っ──────!?!」




ズゴォォォォォォォォォォンンンンンン……!!!!
 ▼ 258 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 16:22:41 ID:UDzfy83o [17/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー(うっ、煙で前が見えない……)


真っ白な粉塵があちらこちらを舞う。

その場にいる全員が、亀五郎の異常な戦闘力に臆していた。


フラー「それにしても……今のは危なかった」


フラーは再び、ハイドロポンプの直撃から逃れることに成功していた。






しかし……レイだけは、




彼だけは、亀五郎の攻撃を逃れることができなかったのである。



視界を遮る白煙が晴れるとそこには……何とおぞましい。
血みどろになったレイの姿があったのである……。
 ▼ 259 1◆zBLfAqPIVA 17/09/09 16:23:50 ID:UDzfy83o [18/18] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日はここまで、次回更新は明日。
 ▼ 260 フレシア@さらさらいわ 17/09/09 19:02:06 ID:YLut7BYY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>256
シュン「〜もしかしたらシュン君は、〜」
ここは
シュン「〜もしかしたらレイ君は、〜」
ではないのでしょうか?
 ▼ 261 クリン@パワーアンクル 17/09/10 00:37:16 ID:.Jh78gIw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 262 ガミュウツーX@あおいかけら 17/09/10 21:43:03 ID:xevvRNgo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
超支援
 ▼ 263 1◆zBLfAqPIVA 17/09/10 23:29:40 ID:Cc6ttxIc [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>260
ご指摘感謝です!
細かい文字ミスがこのようにあります故、ご迷惑お掛けしますが今後ともよろしくおねがいします。
 ▼ 264 1◆zBLfAqPIVA 17/09/10 23:31:55 ID:Cc6ttxIc [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー「ぁ……あぁ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

フラーは頭を抱え、甲高い叫びを上げ、発狂した。

手下「ここまでが限界のようですね」

亀五郎「ケッ、手こずらせやがって」


フラー「レイさん!? だ、大丈夫ですか?! レイさん!?」

フラーはレイの肩を掴み、思いっきり揺すり始めた。
だが、対する彼の反応は全く見られなかった。

それどころか、彼の体温は死体のように冷たくなっていき、さらには、全身の筋肉が硬直し、ピクリとすら動かなくなったのである。
 ▼ 265 1◆zBLfAqPIVA 17/09/10 23:49:49 ID:Cc6ttxIc [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「…………」

フラー(し、死んでるのか……!?)

亀五郎「……さぁて、今度はお前の番だな」


亀五郎という名の死神が、ゆっくりと、ひたひたと、フラーに近づいてくる。

フラーは己の死を覚悟した。
その上で今までの辛いばかりの人生をただひたすらに後悔した。


僕は、ガブリアス派閥で散々こきつかわれてきた。
悲しい思いは何度もした。
悔しい思いも何度もした。

ようやっと、マトモな仕事をもらえたと思ったのに。


あぁ、ボクは……ここで死んじゃうんだ────
 ▼ 266 1◆zBLfAqPIVA 17/09/10 23:55:25 ID:Cc6ttxIc [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
亀五郎「喰らえ……!!」

亀五郎が巨大な主砲の照準をフラーの脳天に向ける。
フラーに抵抗の意思は見られない。
いや、そもそも足が全く動かないのだ。

亀五郎「ハ・イ・ド・ロ・ポ・ン……

亀五郎が技の名前を唱える。
空気がビリビリ震えだした。

死ぬ一歩手前の状況。

フラーの頭の中は次第に白で塗りつぶされていく。



そんな時だった。

ある奇妙な音が……静かに鳴り響いたのだ。
 ▼ 267 1◆zBLfAqPIVA 17/09/10 23:57:03 ID:Cc6ttxIc [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



─────────トクン、トクン。



それは間違いなく心臓の鼓動音だ。

リズムよく刻まれるそれは、ハッキリとその場にいた全員の鼓膜を震わせた。
 ▼ 268 1◆zBLfAqPIVA 17/09/10 23:59:09 ID:Cc6ttxIc [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




─────────トクン。


──────トクン。


───トクン。








ドクンッ!






 ▼ 269 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:02:04 ID:cq59kHSo [1/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スッ……


突然、レイが一人でに立ち上がった。
フラーも亀五郎も、突如として起きた異変に目を丸くして驚嘆する。


フラー「……っ!? レ、レイさん!?」


亀五郎「なんでぇ……生きてたのか!」


レイ「────まれ」ボソッ


亀五郎「あ?」


レイが堅く閉じていた口を開き始めた。
そして、目の前にいる亀五郎に対し、挑発としかとれない一言を吐いたのである。

レイ「黙れと言っているのだ、愚かな人間よ……。その不快感しか催さぬ臭いを直ぐに止めろ……口を閉じるがいい」
 ▼ 270 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:03:52 ID:cq59kHSo [2/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
亀五郎「……んだと?」ピキッ



レイ「やれやれ……やっと出てこれたか……」


フラー「あ、あの……レイ、さん?」


様子がおかしいレイに、フラーは恐る恐る話しかけた。

だが、返答はない。
どころか、レイはフラーの存在を意に介さないというほど、無視を徹底していたのである。


レイ「フフフフ、この者の意識が弱まるのを、今か、今かと待っておったぞ……」
 ▼ 271 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:05:36 ID:cq59kHSo [3/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
訳のわからぬことを呟くレイ。
そして、彼は亀五郎の方を向き、言った。


レイ「さて、先程からハイドロポンプを撃つ男……」


亀五郎「あ? 俺のことか?」


レイ「そう、お前だ。我は今、ちょうど身体が鈍っている、少しほぐさねばならん……。どうやらお前は、準備運動にちょうどいい相手らしい……」


亀五郎「じゅ、準備運動ぅ?」


亀五郎が呆れたような表情をしてレイの顔を凝視した。



亀五郎「カッ、カカカッ……言ってくれるじゃねぇか、クソガキィ!!」
 ▼ 272 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:10:12 ID:cq59kHSo [4/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
亀五郎「だったら本気で迎えてやるよ……。喰らいな、これが俺の最大威力の切り札だっ……」


亀五郎「─────ハイドロカノンンンンンンッ!!」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!




洪水の如く、押し寄せる水流。

余りにも強烈なその勢いは、先程のハイドロポンプとは一線を画すほどの威力である。


フラー「す、すご……っ!!」

フラーは身体の芯から恐怖におののいた。

まるで自然災害そのもの。
あまりの迫力に、思わず畏敬の念まで抱いてしまう。



だが一方で、レイの表情は先程と一切変わらない。


亀五郎を見下したその冷たい眼差しのまま、彼は横に滑るように移動した。
 ▼ 273 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:12:59 ID:cq59kHSo [5/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「どうした? どれだけ凄まじいな攻撃も、かように避けられてばかりでは何の意味もないな?」

亀五郎「……っ!?」


ここで亀五郎。
実はかなりの体力を消耗していた。


ハイドロポンプ一発で体内の水分を大量に消費するのだが……それに加えて、彼はハイドロカノンまで撃っている。


思わず挑発にのせられて、無駄な攻撃をしてしまった……。

だが、後悔してももう遅い。
亀五郎がこれ以上ハイドロポンプを撃つことは、自身の命にも関わってくることなのだ。

亀五郎(あのレイって野郎、あんなに血が流れてるのに、なぜ動けるんだ……!?)
 ▼ 274 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:16:48 ID:cq59kHSo [6/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
クラッ……

亀五郎「っ!?」

亀五郎(チッ……。これ以上ハイドロポンプを撃つと、吐き気がしてきそうだ……一体どうするべきか)


亀五郎 (こうなったら……)

亀五郎「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……!!」


亀五郎には、まだ秘策が残っている。

自身の巨駆に加え、そしてカメックスの細胞を移植されたことで発動したもう一つの能力。

甲羅の如き堅さを備えた肉体である。


相当の強度を誇る巨体が、レイを押し潰そうと眼前にまで迫るのだ。

まるでそれは、山そのものが降ってきたかのような圧倒的な迫力。
 ▼ 275 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:20:09 ID:cq59kHSo [7/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー「レ……レイさん!!!」

フラーは思わず、喉が枯れるほどに叫んだ。

このままではレイは、あの亀五郎の巨体に潰される!!


……だが、その心配をよそに、レイの顔は冷静そのものであった。
いや、むしろ─────どこか落胆したような表情をしている?

レイ「……何の技でくるかと思えば」



レイ「ただの『のしかかり』じゃあないか……」

 ▼ 276 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:21:46 ID:cq59kHSo [8/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
亀五郎「────っ!!」ゾクッ

亀五郎「う、うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

どう客観的に見ても、戦いは亀五郎の方が優勢のはずだ。

相手は血まみれで立ってるのも限界のはず。

そうだ。
もう、これで決着はつくはずなんだ。

────なのに。なのに。なのに。










────なんなんだ。この寒気は。
 ▼ 277 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:22:45 ID:cq59kHSo [9/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「……」

レイ「ノロマな亀が……頭が高い」

スッ────


レイが左手を静かに下へと降ろした────その瞬間。


周りの者は、皆が自らの目を疑うことになる。



グォォォォォォォォォ!!!!!

亀五郎「んなっ────
 ▼ 278 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:23:44 ID:cq59kHSo [10/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
突風が吹いたかのような轟音と共に、亀五郎の相撲取りの如き身体が一瞬にして、部屋の端へと吹っ飛ばされてしまったのだ。

ズゴォォォォォォォォォンンン!!!!!!!

亀五郎がコンクリートの壁に思い切り打ち付けられた。


白目を剥き、口から血液と唾液が混じった液体を吐瀉する。

レイ(?)はここで初めて、その顔に不気味な微笑みを見せていた。



レイ「……弱者の散り際とはまた何と愚劣なものだろうか……」


亀五郎「ガ、アガガ……!!」

開いた口が塞がらないとはこのことか。
強烈な痛みが、亀五郎の全身に走る。
 ▼ 279 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:25:01 ID:cq59kHSo [11/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかし、このときの亀五郎はその痛みよりも、レイに対する驚きの感情に心を支配されていた。


亀五郎「あぅうぅぁぁぁ……な、何なんだ」


亀五郎「何なんだぁ、お前ぇぇぇ」


亀五郎がうわ言のように同じ言葉を繰り返す。
 ▼ 280 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:26:06 ID:cq59kHSo [12/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
すると、レイは冷たく言い放った。

レイ「知らんな」

レイ「では逆に聞こう……我は誰だ?」

レイ「我は……何のために存在していると思う?」


亀五郎「……は、はぁ?」



亀五郎「お前が誰かだって? し、知るか……そんなの……知らんわボケ!!」


レイ「そうか、ならいいんだ……」


レイ「とりあえず、息の根を止めてやろう。なぁに、心配は要らん。事は一瞬で終わるからな」


亀五郎「うぐぁ……」
 ▼ 281 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:29:17 ID:cq59kHSo [13/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

亀五郎の身体が宙に浮く────と同時に、辺りに散らばる瓦礫までもが重力を無視し始めた。

天変地異の天災が今にも起こらんとする。

そんな恐ろしい予感しか……しなかった。



フラー「あ、ぁぁ……」

レイ「我はその気になれば、『この施設ごと』お前を消すことだって出来るのだ」

亀五郎「ぬぅぅ……!!」

レイ「身を弁えよ、強者なり得ぬ者よ」



亀五郎「……!!」
 ▼ 282 スカーン@ドリのみ 17/09/11 00:31:19 ID:imVVMEXI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これはもしかしてミュウツーかな
 ▼ 283 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:32:00 ID:cq59kHSo [14/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────亀五郎という男は、臆病者であった。

皆から恐れられてはいるが、その心中は常に穏やかではなかった。



その本性は、争いを最も好まない男なのだ。


実力は上の上なのかもしれない。


だが、弱い。
心が戦いに向いていないのである。


戦うのは常に我が身を守るため。
広大な縄張りを確保するのは、己の地位を守るため。


そして、その縄張りでいつも殻に籠っている。


そもそも彼は、自分よりも格上の人間との戦いはしたことがなかったのだ(亀五郎より格上の相手というのが、あまり存在していないというのもあるが)


それが今、亀五郎の目の前にいるレイという男は────自分よりも、遥かに格上の相手である。




────敵わねぇ。

────無理だこりゃ。
 ▼ 284 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:34:55 ID:cq59kHSo [15/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


レイ「……何か、最後に言いたいことは」



亀五郎「この……化け物め……」ニヤッ


 ▼ 285 ドラン@ひみつのカギ 17/09/11 00:35:23 ID:4IyMsq1Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
強杉内
 ▼ 286 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:36:06 ID:cq59kHSo [16/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!

地が震え、空気が震える。
ただならぬ異様な迫力が、レイにはあった。

亀五郎を含め、周りにいる者全てが動きを止める。
まるで、獅子を目の前にした鼠のように。

そして、亀五郎の目の前にいる厄災は、そっと手を振り下ろし、言った。



レイ「さ よ う な ら」
 ▼ 287 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:37:09 ID:cq59kHSo [17/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
瞬間、眩い閃光が部屋を万遍なく包み込む。

フラー(うわ……っ!!)

そして、その光が収まったと同時に、フラーの網膜にはとんでもない光景が映し出されていた。


ゴォォォォォォ……

周辺一帯が、まるで地獄を想起させる焦土と化していたのだ。

さらに、亀五郎はボロ雑巾のような姿に成り果て、いつの間にか瓦礫に埋もれていた。



自分は夢でも見てるんじゃないか……そう思わざるを得ない景観である。
 ▼ 288 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:38:50 ID:cq59kHSo [18/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
したっぱ1「亀五郎さんがやられた……?」

したっぱ2「かっ、亀五郎さんが、負けたぞぉぉぉぉ!!」

ザワザワザワザワ……!!!!


どよめきはなかなか収まらない。
それほど衝撃的な光景なのだ。


亀五郎が敗北するなど、一体だれが想像したろうか!



フラー(あのカメックス派閥のリーダーを……危なげなく倒した!?)


フラー(レイさん、アナタは一体……!?)


フラーは思わずレイの方を見る。

すると、彼は静かに床へ倒れこんだのである。

全身から血液を、ドクドクと絶え間なく垂れ流しながら……。
 ▼ 289 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:40:11 ID:cq59kHSo [19/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───
─────
─────────


その頃、シュンとスイゾー。
彼らは、ガブリアス派閥のアジトの前にいた。


シュン「行くよ、スイゾーさん」


スイゾー「しゃあねぇな。ここまで来たら……トコトン付き合ってやるよ……」
 ▼ 290 1◆zBLfAqPIVA 17/09/11 00:40:51 ID:cq59kHSo [20/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまで。
次回更新もこれくらいの時間帯にやります。
 ▼ 291 ザード@ぎんのこな 17/09/11 00:45:44 ID:eU8gwy1. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
めっちゃおもろいな 
支援
 ▼ 292 バゴ@アップグレード 17/09/12 19:22:04 ID:D5qdzC7g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 293 1◆zBLfAqPIVA 17/09/12 23:43:34 ID:dVxho2sA [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「ごめんね、スイゾーさん。でも、行方不明のレイ君がここにいるかもしれないし……。それに、ガブリエルの奴には話したいことがたくさんあるんだ」

スイゾー「ったく……」

シュンとスイゾーが前へ前へ歩みを進める。

すると彼らの眼前に、雄々しくそそりたつリーゼント頭の青年が、突如姿を現したのである。

三下「おいおいっ! お前ら止まれ止まれェィ!」

しゃがれた声が廊下中に響き渡る。
シュンとスイゾーは思わず、身構えた。


シュン「……なんですか」

三下「なんですかじゃねェよ。ここから先はよォ……。あのガブリアス派閥のアジトなンだぜェ?! 分かってんのかヨォ!」

三下「てかさ、てめェら、なにもンだァッてんだよォ!? うちの派閥の者じゃなさそうだなァ……!? アァン!?」
 ▼ 294 1◆zBLfAqPIVA 17/09/12 23:49:30 ID:dVxho2sA [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
構ってるのも馬鹿らしい。
シュンは一応は控えめな態度をとりながらも、三下の横を無理矢理通ろうとした。

しかし、そうは問屋が卸さない。
三下はシュンの腕を掴み、彼の強行を防いだ。

シュン「……すみませんが、通してくれませんか」

三下「あ? バカかお前ェ」

シュン「あの、通してください」

シュンが腕に力を込める。
何かを察知したのか、三下はシュンから距離をとり、声を荒げた。

三下「チッ……どうしても通るって言うんならよォ!!」

ミシミシミシッ…!!

三下「このオニドリル人間の鬼塚を倒してからァ……! イケやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

シュン「!!」


スイゾー「ふぅ……少し退いてくれ、シュン」

シュン「スイゾーさん?」
 ▼ 295 1◆zBLfAqPIVA 17/09/12 23:55:18 ID:dVxho2sA [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「こないだの海老原の時の借り……今返させてもらうぜ」

鬼塚「おっしゃぁぁぁぁぁぁ!! やったらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

────キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッッ!!!

鬼塚の口が針のように鋭く変形する。
そしてそれはドリルの如く高速回転を開始した。
凶器と化した嘴。
それが超スピードで、スイゾーの眼前へと迫るのだ。

だが……。

スイゾー「遅いッ!」

スパァンッ……!!


気付くと、スイゾーの耳は鬼塚の嘴を受け止めていた。

さながらそれは、真剣白刃取りの光景と酷似している。

鬼塚は眼を丸くし、何度も瞬きをした。
有り得ない、どういうことだ。
そう言いたげな顔だ。
 ▼ 296 1◆zBLfAqPIVA 17/09/12 23:59:41 ID:dVxho2sA [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴッ!!!

刹那、鈍い音と共に……スイゾーの蹴りが鬼塚の腹にヒットした。
そして彼はその一瞬で、何とも呆気なく倒されてしまったのである。

鬼塚「カハッ……!?」ドサッ……




シュン「……少しやりすぎでは?」

スイゾー「確かに!!」

鬼塚が倒されたことで、いつの間にか群がり始めていた取り巻きが、急に慌てふためき出した。

どうやら彼は如何にも三下感丸出しの男ではあったが、それなりの実力者でもあったらしい。

これはチャンスかもしれない、とスイゾーは悟る。
 ▼ 297 ッシー@コイン 17/09/13 00:16:16 ID:V0T0j4dM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 298 ノズ@しあわせタマゴ 17/09/13 18:08:23 ID:bjzVzulI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援です
 ▼ 299 ーメイル@モーモーミルク 17/09/13 18:39:20 ID:tqAqCDI. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 300 ンバス@ウブのみ 17/09/13 19:25:40 ID:ksPgwPEA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 301 ョロネコ@クロスメール 17/09/13 21:06:39 ID:9Dno.1Dg NGネーム登録 NGID登録 報告
しええぇん
 ▼ 302 1◆zBLfAqPIVA 17/09/14 23:52:00 ID:q6XFJsEE [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
モブ「嘘だろ……!? 鬼塚さんが一瞬で……」ザワザワ

モブ「あいつやべぇよ……」ザワザワ

スイゾー「……お前たちぃ!!」

モブ「ひぇっ!?」

スイゾー「ガブリエルのバカに伝えろ……!!」

スイゾー「エルレイド派閥のシュンが来たってなぁ!!」

シュン「……そこで自分の名前は出さないんだ」

スイゾー「あたぼうよ!」
 ▼ 303 1◆zBLfAqPIVA 17/09/14 23:55:48 ID:q6XFJsEE [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
─────
──────────
──────────────

戦いは拡散し、伝染す。



この世に蔓延るあらゆる争いは新たな争いを産み出し、大勢の生物を巻き込んでゆくものだ。

そして、その負のスパイラルは、戦いに関わる者全員がその猛る闘争心を止めない限り、永遠に続くのである。




亀五郎が謎の少年に敗北────
その知らせは瞬く間に施設中に広がるであろう。

最早、波乱と混乱を止められる者はいない。
ブレーキの壊れた乗り物のように、人々は暴走し続けてしまうのであろうか……。
 ▼ 304 1◆zBLfAqPIVA 17/09/14 23:59:07 ID:q6XFJsEE [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ーー研究所・主任室ーー

老人「それで? カメックス派閥で争いがあったと聞いたが」

研究員「ええ! 亀五郎が倒されるところを多くの人間が目撃しております!」

老人「亀五郎が倒された? ランク8位のあやつを……? 一体、何者だ?」

研究員「もしかして、例のミュウの実験体の仕業なのでは……」

老人「それはない。奴はワシの指示で施設に潜んでおる。決して目立つ行動はせぬはずじゃ」

老人「だが少し気になることができたな。あの施設に異物が紛れ込んだということか……」

老人「……」
 ▼ 305 1◆zBLfAqPIVA 17/09/15 00:01:28 ID:JjQPPxRs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



第四話

ー完ー


 ▼ 306 ュシュプ@けむりだま 17/09/15 19:39:15 ID:GaukDh4o NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 307 ィアンシー@ももぼんぐり 17/09/16 21:40:40 ID:pFMiIoEA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 308 1◆zBLfAqPIVA 17/09/16 23:45:12 ID:MDmuxGsU [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



第五話

「暫時を経て火蓋は切って落とされる」



 ▼ 309 1◆zBLfAqPIVA 17/09/16 23:48:54 ID:MDmuxGsU [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コポコポコポコポコポ……

カップに温かいお茶を注ぎ、一人、椅子に腰かけるのは謎に包まれた老人……。

老人「なんとも嘆かわしい。この移植手術の本当の価値を理解できる人間がどうしてこうも少ないのだろうか……」

老人「この研究がさらに進めば、人類は、ポケモンは、また新たな一歩を刻めるというのに!」


老人「何とも……人間とは理解しがたい生き物だ……」


老人「お前も……そうは思わないか?」

タケシ「……」

老人「……あぁ、そうか。洗脳中はマトモに話すことすら出来ないんだったな」
 ▼ 310 1◆zBLfAqPIVA 17/09/16 23:55:13 ID:MDmuxGsU [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
老人「……ジムリーダーは既に何名かを誘拐することに成功した。残る懸念は……チャンピオンクラスの奴等か」

ここ数ヵ月の間、全国で奇妙で恐ろしい事件が続発していた。
ジムリーダーたちの突然の失踪である。

あるジムの近所に住むトレーナーは語った。

「リーダーがいなくなったのは、黒いローブを被った人達と対戦してからです。その黒ローブの奴等は不思議なことに、モンスターボールらしきものを持っていなかったのです……」


この凶報は、国際警察の発表を通して、各地の有名なトレーナー達に知れ渡ることになった。


果たして、失踪したジムリーダーはどこにいったのか?

彼等の身に一体何が起きたのか?

全てが闇に包まれている。
 ▼ 311 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 00:01:27 ID:sOb7h7eM [1/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかし、中には独自のルートを使い、この事件を調査する者たちがいた。

それはチャンピオン連合と呼ばれるチャンピオン格のトレーナーのみで構成された集団である。

国際警察からの要請を受け、ワタルというトレーナーが全体の指揮をとっていた。


ワタル「では……近況を聞こうか」

ダイゴ「ホウエン地方で行方不明になっているのはテッセンさん、ナギさん、フウとラン……。いずれも手練れのトレーナーとして有名です」

アデク「……こちらも似たような状況だ。とにかくジムリーダー達とは連絡がとれないから、何が起きているのかを全く把握できないのだよ」

ワタル「カントー地方は特に被害が酷いな。カツラさんが消え、元チャンピオンでもあるグリーンくんがいなくなったのを皮切りに、半数以上のジムリーダーが行方不明になっている」

ワタル「……そもそも、この事件はカントー地方から始まっているんだ。今回、カントー地方にチャンピオンの方々を集めたのは……皆さんで、ジムリーダー捜索及び、何らかの証拠を探すのに協力してもらうためだ」
 ▼ 312 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 00:26:59 ID:sOb7h7eM [2/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタルのその言葉にダイゴは小さく頷いた。

ダイゴ「うん、みんなで力を合わせよう」

アデク「ワシも全力で手伝おう」

ワタル「あぁ、ありがとう」

ワタル「……ちなみに、シンオウとカロスのチャンピオンだが……。彼女らは少し遅れてくるようだ。今朝、そう連絡があった」

アデク「むぅ……大事な会議だから遅れるなと言うたはずじゃろうに」

ダイゴ「まぁ仕方がないでしょう。どのチャンピオンもご多忙でしょうし……。ところで、イッシュからは現チャンピオンのアイリス嬢は来られないのですか?」

アデク「うむ、彼女はまだまだ幼い、この仕事をするにはまだ早いだろう────という理由もあるのだが、実際はプラズマ団という悪の組織が起こした事件の処理に追われておってな。忙しいのじゃ。今回は元チャンピオンのワシが来ることになった」

ワタル「……」

ダイゴ「ワタル? どうしたんだ、さっきから黙って」

ワタル「あ、あぁいや。何でもない、気にするな」


ワタルにはある予感があった。
今回の事件、想像以上に巨大な闇が潜んでいるのではないか──と。

そして、不幸にもその予測は、見事的中することになるのであった……。
 ▼ 313 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 10:32:06 ID:sOb7h7eM [3/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
─────────────────
─────────────
────────
───

その頃、隔離施設のカメックス派閥縄張りエリアでは。


亀五郎「うぐ……おぉぉ……」

ガラガラと音をたてながら、瓦礫の中から馳せ参じたのは亀五郎。

彼はギリギリのところで、レイ(?)の攻撃に耐えたのである。

亀五郎「はぁ、はぁ……」

したっぱ「あ!! 亀五郎さん!? だ、大丈夫ですかい!?」

亀五郎「……あのガキどもはどこ行った」

したっぱ「あいつなら……フラーってガキの背中に背負われて、どこかに運ばれて行きましたよ」

亀五郎「そうか、もうここにはいねぇのか……」

したっぱ「……あ、追いかけましょうか!?」

したっぱがフラーとレイを追いかけようしたその時である。

亀五郎「やめねぇかぁ!!!」

鬼の形相。
地獄や煉獄を思わせる厳しい表情がそこにはあった。

したっぱ「ふぇっ……!?」

亀五郎の部下は一斉になってその場に立ち止まる。
まるでアーボックに睨まれたケロマツのように。



亀五郎「深追いするな。特にあのレイってガキは、普通じゃねぇんだ!!」

したっぱ「…………そ、それも……そうですね」



亀五郎(そうだ、あのレイってガキ……。そういや、どこかで見たことがあるような気がする。……どこで見たんだったか……あのツラは確か……)
 ▼ 314 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 10:33:01 ID:sOb7h7eM [4/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────同じ頃、ガブリアス派閥アジト中央部。

ガブリエル「────何だぁ、シュン……久しぶりじゃねぇかぁ。へへへ……」


シュン「随分前に戦って以来か……ガブリエル」

ガブリエル「おいおい、スイゾーのオッサンも来てんのかよ。懐かしいなぁ!」


スイゾー「そのバカ面は変わんないなぁ、ガブリエル」


ガブリエル「いきなり押し掛けてくるたぁ、少しマナーがなってねぇんじゃねぇか? アポくらいとってこいよぉ……ククッ」


シュン「お前にマナーの話はされたくなかったな」

ガブリエル「……相変わらず、手厳しいことで……」
 ▼ 315 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 10:34:29 ID:sOb7h7eM [5/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コポポポポポポポ……

ガブリエルという男は酒の入ったボトルを開け、紅色に光るグラスに、その中身をなみなみと注ぎ込んだ。


スイゾーはグラスをそっと持ち上げ、匂いを嗅ぎ、それを唇に当てた。

いくらでも飲めるくらい美味しいワインだった。
酒には詳しくなくとも、このワインが洗練された味であることは一瞬で分かる。


新鮮な果実の味が喉に広がったかと思えば、完熟されたプルーンに独特なスパイスの香りが入り交じり、舌を良い感じに痺れさせた。


スイゾー「まぁ、悪い味じゃねぇな……」

ガブリエル「そりゃどうも……褒めてもらえるとは光栄だね」
 ▼ 316 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 10:35:43 ID:sOb7h7eM [6/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========
file 11

ガブリアスのガブリエル
ランク2位

狡猾なほどの悪知恵と、確かな実力をもって
ランク二位にまでに這い上がった真の実力者。

音速を越えるスピードで飛行することが可能だが、
隔離施設ではあまり活かされない。

しかし、高速の移動が出来ることに変わりはなく、
彼がとてつもない速度で移動した後には、塵芥一つの存在すら許されない。



からだを おりたたみ つばさを のばすと 
まるで ジェットき。
おんそくで とぶことができる。
ねらった えものは にがさない。
こうそくで かけぬけると つばさは くうきの 
やいばを うみだし まわりのきは 
せつだん されている。

ダイヤモンド・パール・プラチナ
・ブラック・ホワイト図鑑説明文より抜粋。

========
 ▼ 317 ク◆mkWK7X3DHc 17/09/17 10:36:05 ID:fPfZT2.Y NGネーム登録 NGID登録 報告
しえーん
ちゃんとみてるぞ
 ▼ 318 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 10:37:16 ID:sOb7h7eM [7/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリエル「シュンも飲めよ、酒が腐っちまうぞ」

シュン「要らないね、お前の差し出す酒には毒でも入ってるんじゃないかって勘ぐってしまう」


ガブリエル「……ったく、付き合いの悪ぃ野郎だ」

ガブリエル「で? 今回は何の用なんだ?」


シュン「ガブリエル、お前……レイって名前の子を知らないか」

ガブリエル「ん? レイ? 誰だそりゃ」

スイゾー「俺たちの派閥の新人だよ、てっきりお前らに拉致されたかと────」


ガブリエル「……拉致ねぇ、そんな顔も知らない新人のことなんざ拉致する価値もないがねぇ」

スイゾー「本当か」


ガブリエル「あぁ、この俺の眼を見てみろ。嘘をついてると思うか?」

スイゾー(そんな濁った眼で言われてもな)
 ▼ 319 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 10:40:23 ID:sOb7h7eM [8/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「……」

シュン「まぁ、いい」

シュン「嘘をついていれば、こんな派閥……潰すまでだからな」

ガブリエル「ヘハハッ!! 怖ぇ怖ぇ!!」ケラケラ

ガブリエル「見たかスイゾー! 普段目立たない奴に限って、その本性ってのは恐ろしく怖いもんなのよ!! ハハハハ!」

スイゾー「ったく、変わんないな……お前も」


ガブリエル「……それが俺の取り柄だ」ニヤッ


シュン「レイ君のことは知らないのか……しょうがないな。────そう言えばもう一つ、聞きたいことがある」

ガブリエル「?」

シュン「何故、今更……動き出したんだ? 最近はガブリアス派閥は比較的大人しくしていたはずだ。それが急に……」

ガブリエル「……何で、動き出したかって?」
 ▼ 320 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 10:43:20 ID:sOb7h7eM [9/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「ああ、急に派閥の勢力を広げたりして、騒ぎ始めたんだ。……そこには何の魂胆がある?」

ガブリエル「……そりゃあ、おめぇ」グビッ

一旦、ガブリエルはグラスに入ったワインを飲み干す。


ガブリエル「……ぷはぁ、もう少しでこの施設は、いや、俺たち実験体全員が────研究所のクソヤロウどもに言い様に操られる運命にあるからだ……!」


シュン「!?」


ガブリエル「俺には独自の裏ルートがある」

ガブリエル「どうやら、そのルートから得た情報によると……この施設にいる奴等はもうじき、俺も含めて全員洗脳される予定だという」

スイゾー「せ、せんのう!?」

スイゾーは言葉に詰まった。
 ▼ 321 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 10:45:41 ID:sOb7h7eM [10/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリエル「そう、洗脳だ。馬鹿げた話だと思うか? しかしこのままじゃ俺たちは、心のない兵器として扱われることになるのさぁ……ハハハハ」

シュン「……続きを話してくれないか」

シュンの姿勢が、次第に前傾へと変化する。
ガブリエルの口角が微妙に上がった。


ガブリエル「このままだと俺たちの未来はないも等しい……分かるよな?」


ガブリエル「だから……俺は早急に兵力を集める必要があった。この施設から脱走するために……!!」

シュン「この施設から抜けだすだと?」

ガブリエル「あぁ、そうだ……!!」


スイゾー「……そりゃあ、無理難題ってもんじゃねぇか」


ガブリエル「そうだな、この施設から抜け出せない理由があるもんな」
 ▼ 322 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 10:47:04 ID:sOb7h7eM [11/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「施設の門番にして、戦闘ランク1位……。デオキシスのリボースか……」

ガブリエル「そう、あいつを倒せるほどの戦力がねぇと、この施設からは一生抜け出せない」

デオキシスのリボース。
現時点で、施設内最強の戦闘力を持つ男。


彼が研究所側の人間であることは周知の事実であった。

施設から逃げ出そうとする輩はいつも絶えない。

そんな脱走者を処理するのが、リボースの役目である。

結果、彼がこの役目に就いてから数年間────脱出を成功させたものは、0。


あのガブリエルですら、リボースには手が出せなかった。

しかし、ここで疑問が生まれる。

リボースがそんな戦闘力を持つのであれば、研究所の奴等など、一瞬で一捻りにできるのではないか。

研究所など、すぐに裏切れるのではないか。

何故、彼が研究所側に加担するのか?

その理由は誰も知らない。

謂わば、彼もまた、謎多き男なのである。
 ▼ 323 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 10:48:38 ID:sOb7h7eM [12/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリエル「────ってわけで、勢力を拡大し、リボースをも倒せる力をつけて、ここから脱出する。それが俺の目的なのさ」

シュン「なるほどな……」

スイゾー「時にお前、その洗脳とやらの話だが……。一体どうやって俺たち全員を洗脳するというんだ? その裏ルートから得た情報は本物か?」

ガブリエル「……これはシークレットなんだが。どうやら研究所は洗脳装置という代物を作っているらしい。その装置がどういう仕組みなのかは知らんがな」

ガブリエル「……それと、情報の信憑性なら安心してくれていい。俺を誰だと思っている? 情報戦で後れを取るようなことはせん」

スイゾー「……分かった、とりあえず今日は帰らせていただこう」


ガブリエル「……もう帰るのか? 寂しいじゃねぇの」
 ▼ 324 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 10:51:41 ID:sOb7h7eM [13/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「ガブリエル。お前は野蛮だけど……信念がある。昔のよしみだ。その脱出計画……少しなら手伝ってやるよ」

ガブリエル「そりゃ本当かよ!! ……クク、手を組むのは何年ぶりだ? 随分と久しぶりの共闘になりそうだ」


シュン「……」


そうして、シュンとスイゾーはその場を後にした。
部屋には、ガブリエルだけがポツンと残された。


ガブリエル「……これでエルレイド派閥の協力は得られたか」

ガブリエル「後は……バンの親父は却下だな。アイツは戦いのことしか興味がねぇ。……となると、あのひきこもり亀親父を何とか下につけられれば……」

ーーーーーーー
スイゾー「俺たちの派閥の新人だよ、
てっきりお前らに拉致されたかと」
ーーーーーーー

ガブリエル(……そういや、さっき。あいつら新人の話をしてたな)

ガブリエル「妙だな……この時期に入ってきた新人なんて、ミミロップ派閥のシェイミ女しか把握してないはずなんだが……?」
 ▼ 325 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 10:53:44 ID:sOb7h7eM [14/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまで。
また次回更新をお待ち下さい。
 ▼ 326 ストダス@まんぷくおこう 17/09/17 10:56:05 ID:dLlUdgg6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 327 コリザル@メンバーズカード 17/09/17 15:09:47 ID:/olGDph. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 328 ングース@こぶしのプレート 17/09/17 21:15:56 ID:MbkbtL7g NGネーム登録 NGID登録 報告
リボースで笑った
支援
 ▼ 329 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 23:29:20 ID:sOb7h7eM [15/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────────────
─────────
─────
───

レイ「う……うぅん」パチッ

……全身が痛み、石のように硬く重くなっている。
それでもレイは、重たい瞼をゆっくり開け、起き上がった。

すると、すぐ目の前に、思わぬ人物が座っていたのである。

リーフ「……」

レイ「わわわっ!?!」

リーフ「ヒャッ!!」

レイ「あぁ! え、ええっと……リーフさんでしたっけ。驚かせてすみません……!」

レイは頭を深く下げ謝った後、すかさず周りを見渡した。
そして、リーフにあることを確認した。

レイ「と、ところで、ここは何処なのでしょうか……?」

リーフ「え……あ、あぁ……。ここはミミロップ派閥のアジトです……けど」

レイ(……何でだ? さっきまで俺は、カメックス派閥の縄張りにいたはずなのに……)
 ▼ 330 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 23:33:32 ID:sOb7h7eM [16/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「ところで俺は、何でここにいるんでしょうか」

レイは再び彼女に尋ねた。

リーフ「あ……そ、そこのフラーさんって方が、カオルさんとルーズさんと一緒に、あなたをここに運んで来たんです」

リーフがすぐ左の方向に指を指す。

そこにいたのは、静かに眠りにつくフラー。
そして、サーナイトのカオルの姿だった。

レイ「あ……カオルさん!!」

レイの声にカオルが気づいた。
スラリとした真っ白な腕を真っ直ぐ伸ばし、欠伸をしている。

カオル「……あら、起きたのねレイ君。ふぁぁ……」

レイ「いつつ……っ!!」

急に、全身を釘で打たれたかのような痛みが襲った。
少しの動作が、レイに苦痛を与えていた。

それでもレイは、無理やり身体を動かし、カオルの目の前に行ってから、質問を投げ掛けた。
 ▼ 331 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 23:35:50 ID:sOb7h7eM [17/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「あ、あの……今まで俺に、何があったんでしょうか……」

カオル「あら、何も覚えてないの?」


レイ「えぇ」

レイ「カメックス派閥の縄張りに入って、亀五郎って人に攻撃されて────」

レイ「そこからの記憶がないんです」

カオル「そうなの……。じゃあ、私が知っていることだけ教えてあげるわ」
 ▼ 332 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 23:39:59 ID:sOb7h7eM [18/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カオルさんの話によると、こうだ。

俺はあの後、気を失い、フラー君に背負われたままカメックス派閥の縄張りを脱出したらしい。

そのまませっせと運ばれた後、フラー君は偶然出歩いていたカオルさんとルーズ君に遭遇したという。

カオル「最初はホントに驚いたわよ。知らない子が血まみれのレイ君を担いでるんだもの」



それから結局、フラー君は二人に事情を全て話したらしく、納得した両人はひとまず、近くにあったミミロップ派閥に寄り、そこで俺は治療を受けることになったのだ。


そこから間もなくして、フラー君は極度の疲れで爆睡。

それから更に一時間後、ようやく俺が目を覚ましたということになる。


カオル「あのフラーって子……相当必死になって、あなたを背負ってたわね。汗ダクダクだったわ」

レイ(フラー君……)
 ▼ 333 リデプス@デボンボンベ 17/09/17 23:40:17 ID:VwKSTWDA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援します。
 ▼ 334 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 23:42:56 ID:sOb7h7eM [19/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「あ、ところで……ルーズ君は」

カオル「ああ、ルーズならリーダーとスイゾーさんを呼んでくるってさっき出て行ったわ」

レイ「そう……ですか」


カオル「……ま、このフラーって子に感謝するのね。カメックス派閥から逃げ出すなんて、そうそう出来ないことなんだから」

レイ「……はい」

一つ……気になることがある。

亀五郎からハイドロポンプを喰らった時、確かに俺は意識を失った。


──────でも、何故かは分からないけど、その後、俺の身体は勝手に動き続けていたような気がしたのだ。

まるで、そう。
俺の中にあるもう一つの魂が、俺の身体を操っていたかのような────


レイ「……」

カオル「……どうかしたの? レイ君」

レイ「い、いえ……何でもないんです!」

リーフ「……」
 ▼ 335 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 23:44:11 ID:sOb7h7eM [20/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カオル「なんかさ……悩み事あるの?」ヌルーン

レイ「な、なんでもないですって」

レイ(スゴい近くまで寄ってきたなこの人……)


ムニュン


レイ「─────────ひぅぅっ!?」

レイ(カ、カオルさんの胸が腕に当たって……。つ、つい変な声を出してしまった……)


カオル「クスッ、まだまだ元気そうね♪」

レイ(完璧に俺、遊ばれてるよなぁ……)



レイ「じょ、冗談はともかくとして、ですね……///」

カオル(あら、照れてるわね)
 ▼ 336 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 23:45:27 ID:sOb7h7eM [21/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「これからどうすればいいんですかね。カメックス派閥って……追いかけてきませんよね」

カオル「分かんないわ」

レイ「はひ?」


カオル「でも、ひとまず……リーダーたちが来るのを待ちましょ? 話はそれからでも遅くない」


レイ「は、はい」


レイ(それにしても……よく無事で生きてられたよなぁ)


俺は後半の記憶が殆どないから……何も言えないけど。

それにしてもどうやって、俺たちはあの縄張りから脱出できたんだろうか……。
 ▼ 337 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 23:46:58 ID:sOb7h7eM [22/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
同じ頃、施設の一角にて。

シュン「何!? レイ君、亀五郎さんに攻撃されてたの!?」

ルーズ「うん、今はミミロップ派閥で匿ってもらってるよ」



スイゾー「やれやれ……人騒がせな」

シュン「それで、レイ君は結局、カメックス派閥の縄張りに立ち入っちゃったんだね?」


ルーズ「うん、命からがら逃げ出したらしいけど、あのカメックス派閥のことだ。また、しつこく狙ってくるんじゃないかな」


シュン「亀五郎さんならやりかねないなぁ」
 ▼ 338 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 23:48:55 ID:sOb7h7eM [23/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「ハァ、ガブリエルの次は亀のオッサンかよ。今日は厄介な奴ばっかりと関わる一日だぜ……」

シュン「とにかく、ミミのところへ急ごうか。何か起きないうちに」

スイゾー「ところで……ルーズ?」

ルーズ「はい?」

スイゾー「左手のそのキズはどうしたんだ?」


ルーズの左手に、赤い鮮血が滲み出ていたのだ。
流石スイゾー、目ざといというべきか……細かな変化にはすぐ気づく。


ルーズ「あぁ、これ? 後で言おうとは思ってたんだけど、これはオイラがリーダーたちを探してるとき……」
 ▼ 339 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 23:50:44 ID:sOb7h7eM [24/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──────────────
─────────
───

ルーズ「リーダー達どこだろなぁ……」キョロキョロ

???「クロスポイズンッッ!!」

ルーズ「えっ!?」


ゴォォォゥゥゥゥゥンンンン……!!!!



???「ケェケケケ……咄嗟に避けるたぁ、やるじゃねぇの!?」

ルーズ「お、お前は?」

???「俺様かぁ!? クケケケケッ!! 名乗る必要もないんだが、今回は敢えて名乗らせてもらおうっ!!」

???「俺様は『ランク15位・ドラピオンのドーラ』様よぉ……!!」



ルーズ「ドーラ……あのバンギラス派閥の!?」
 ▼ 340 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 23:52:38 ID:sOb7h7eM [25/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========
file12

ドラピオンのドーラ ランク15位

両手の爪には猛毒が仕込まれている。
さらに爪だけで物を破壊することも可能。
能力発動時、全身は堅い殻に覆われているため、
防御力の面においても非常に優れている。
頭が180度回転する能力も持ち合わせているが、
正直それだけはキモチワルイ。

りょううでの ツメは じどうしゃを 
スクラップ にする はかいりょく。 
ツメの さきから どくを だす。
ぜんしんが がんじょうな こうらで 
おおわれている。 
あたまが 180ど かいてん するので 
しかくが ない。

ダイヤモンド・パール図鑑説明文より抜粋。
========
 ▼ 341 1◆zBLfAqPIVA 17/09/17 23:52:57 ID:sOb7h7eM [26/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまで。
また明日更新。
 ▼ 342 スモッグ@せいれいプレート 17/09/18 00:41:11 ID:eQVDIJsM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お疲れさん♪
頑張って!
 ▼ 343 ブラン@いいつりざお 17/09/18 18:04:58 ID:2qiby.QM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 344 1◆zBLfAqPIVA 17/09/19 21:29:24 ID:py5Babxk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日は更新する時間がありませんので、申し訳ありませんが明日までお待ち下さい
 ▼ 345 リゴンZ@カシブのみ 17/09/20 10:21:35 ID:elr/XZhA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
全然大丈夫だよー
>>1さんも体調気をつけてください
 ▼ 346 1◆zBLfAqPIVA 17/09/20 20:34:35 ID:64XIJ73A [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルーズ「オイラ急いでるんだ、後でな!」

ドーラ「おぉっとぉ!? ちょっと待ちねぇ、そうは問屋が卸さないぃぃ!」

ドーラ「知ってるんだぜぇ……お前はランク16位! ズルズキンのルーズだってことをなぁ!!」

ルーズ「……何が狙いなんだよ」

ドーラ「クケケケケ、狙いだぁとぉ? 決まってんだろぉ……戦争だよぉぉぉ!!」

ドーラ「これから我らがバンギラス派閥は全ての他勢力に宣戦布告するゥ。圧倒的な暴力で貴様らを蹂躙するとなァァァァァ!!」
 ▼ 347 1◆zBLfAqPIVA 17/09/20 20:35:26 ID:64XIJ73A [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルーズ(こいつ、うるさい……)

ドーラ「クケ〜〜〜ッ!! クロスポイズンッッ!!」

ズバッ!!!

一見、珍妙な行動をとる男、ドーラ。
しかし、その戦闘力には目を見張るものがあった。

爪先に仕込まれた毒がルーズに迫る。

ルーズは間一髪でその動きを避けるのだが、ドーラの猛攻は止まらない。

爪から垂れた毒はコンクリートの壁を溶かした。

ルーズはここで察知する。

毒に一滴でも触れた瞬間ーーーーー。

死ぬかもしれないということを。

ルーズ(厄介な……)

空間をも切り裂くという勢いで交差する毒の爪。

ドーラはただ高笑いをして腕を振り回す。

ドーラ「ンニャァハハハハハハハ!!!」

ジュッ!!!

ルーズ「ッ!?」
 ▼ 348 1◆zBLfAqPIVA 17/09/20 20:36:53 ID:64XIJ73A [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
確かな音。
それと共に、鮮血が飛び散る。
途端、ルーズは左手を垂れ、膝をついたのだ。

ルーズ(……かすったか)


猛烈な痛みはあるが、まだ死んではいない。
どうやら、速効性の毒ではないようである。

ならば────

チュゥゥゥゥゥゥ……

ルーズ「ペッ!!」

ルーズは左手の傷口に唇をあてがい、毒を強引に吸い出した。
そして、それを床に吐き捨てたのである。

ルーズ(強いなぁ……参ったなぁ)
 ▼ 349 1◆zBLfAqPIVA 17/09/20 20:37:14 ID:64XIJ73A [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こんなに相手が強かったらーーーーー

オイラーーーーー

つい、本気を出しちゃうじゃないかーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
 ▼ 350 1◆zBLfAqPIVA 17/09/20 20:38:06 ID:64XIJ73A [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「それで? その後は?」

ルーズ「逃げたよ。マトモに戦うわけないじゃないか。レイのこともあるしオイラだって忙しいんだ」


スイゾー「……」

スイゾー(ガブリエルといい、バンギラス派閥といい……施設内屈指の危険物たちが一気に動き出したか。……まずくねぇか、この状況?)
 ▼ 351 1◆zBLfAqPIVA 17/09/20 20:39:17 ID:64XIJ73A [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方で、その頃……。

=タマムシシティ=
あるオフィスビルの会議室。



ダイゴ「それでは、オーキド博士も行方不明に?」

ワタル「ああ、こないだ博士に連絡をとろうとしたんだが……」

ワタル「何度かけても出る様子すら見られなかったよ」

アデク「電話に出んわということか」

ワタル「…………」

ダイゴ「…………」


シロナ「オーキド博士のいるマサラタウン……怪しいかもしれないわね」コツコツ…

ワタル「……あんた、シロナさんか!」

ダイゴ「チャンピオンが四人揃いましたね……そろそろ行動に移すべきです」

ワタル「……だな」
 ▼ 352 1◆zBLfAqPIVA 17/09/20 20:40:27 ID:64XIJ73A [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シロナ「待って、カロスのチャンピオンがまだ来てないです」

ワタル「カロスのチャンピオンさんはかなりご多忙らしいしな……。これ以上誰かを待ってもたついてもいられないだろう。先に調査を開始するべきだ」

シロナ「そうですか……では、どのように動きましょうか?」

ワタル「いろいろと考えてある」


ワタル「まず、オレはオーキド博士に会いに行きたい。だからマサラタウンへ向かう」

ワタル「ダイゴは、まだ無事なカントージムリーダーの保護に向かってくれ」

ダイゴ「うん」
 ▼ 353 1◆zBLfAqPIVA 17/09/20 20:41:08 ID:64XIJ73A [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタル「アデクさんは、ここの周辺からしらみ潰しに情報収集をしてほしい」

アデク「うむ」

ワタル「それと……シロナさん」

シロナ「?」

ワタル「あんたには……この場所に向かってもらいたい」

ワタルがシロナに一枚の紙切れを渡した。
そこには『トキワのもり』と書かれていた。


ワタル「そこにオレたちの助っ人がいる。その人と合流してくれ」

シロナ「助っ人って、誰なのかしら」

ワタル「……着けば分かる」

ワタル「それでは皆、短い時間だったが会議はこれで終わりだ。ここからは個々で動いてもらう……さぁ、行くぞ!!」
 ▼ 354 1◆zBLfAqPIVA 17/09/20 20:41:24 ID:64XIJ73A [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日はここまで
また明日
 ▼ 355 1◆zBLfAqPIVA 17/09/21 23:32:54 ID:aEwrvUNE [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
亀五郎が負けたという噂は、風に乗り、人の口から口へと感染するように、広がった。

素性の全く知れない若造が、ランク8位の古株でもある猛者を倒したというのだ。

大騒ぎになるのも致し方ないことだ。




レイという新人の名前。

そして、その新人は不気味な力をもつという話が隔離施設中に蔓延するのには、さほど時間はかからなかったと言えよう。
 ▼ 356 1◆zBLfAqPIVA 17/09/21 23:35:23 ID:aEwrvUNE [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜バンギラス派閥アジト〜

ドーラ「ああ、チクショウ……いでで。ルーズベルトめ、覚えてろよあの餓鬼が……」


バン「ブヒャハハハハッ!! 油断するから返り討ちに遭うんやでドーラァ!!」


ドーラ「俺のことはもういいでしょ。ルーズベルトとの決着はまだ着いてないんですから。……それよりも聞きました? 亀五郎の野郎が負けたって話を」


バン「……カッ、亀五郎がやられたやとぉぉぉぉ!?」


ドーラ「ええ、それも倒したのはペーペーの新人だそうで」
 ▼ 357 1◆zBLfAqPIVA 17/09/21 23:37:46 ID:aEwrvUNE [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バン「新人! ……ほうぅ、ええのぉ、ええのぉ!! めっちゃ盛り上がってきたわ!」


リキ「首領、落ち着かれるが良い。貴殿の暴走致せば、其れは些末な事件が起きたでは済まされぬ事でありますぞ」


バン「落ち着けるワケないやろぉ……こないにワクワクするこたぁ滅多にないでぇ!!」

バン「ドーラ! その新人の名前を教えぇや! 近いうちに遊びに行ったろうやないの?!」


ドライ「名前ですか、確か名前は────」
 ▼ 358 1◆zBLfAqPIVA 17/09/21 23:39:09 ID:aEwrvUNE [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
=ガブリアス派閥アジト=

ガブリエル「亀五郎が敗北するとは……計画が狂うな」


鬼塚「ええ、先程入った情報なのですがねェ……。どうやら、亀五郎のおやっさんを倒したのは、施設に入ったばかりの新人の仕業だそうで──────」


ガブリエル「ちょっと待て……新人だと?」


鬼塚「はい、確かそいつの名前はァ……」
 ▼ 359 1◆zBLfAqPIVA 17/09/21 23:44:42 ID:aEwrvUNE [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


ドライ「──レイという、まだ未成年の男だそうです」


鬼塚「……レイ、と名乗っていると聞きやしたぜ」





ーーーーーーー


バン「……レイか! キッチリ覚えさせてもろたわ。ええ名前やないか、レイ!!」


ーーーーーーー


ガブリエル「レイ? それは……シュンの野郎が探してた新人の名じゃないか!?」


ーーーーーーーーーーー
 ▼ 360 1◆zBLfAqPIVA 17/09/21 23:46:29 ID:aEwrvUNE [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
噂は風に乗り、更に広がりゆく。

騒動という名の、嵐を巻き起こしながら。







第五話

ー完ー



 ▼ 361 1◆zBLfAqPIVA 17/09/21 23:49:55 ID:aEwrvUNE [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



第六話

「シュンの回想と王者の邂逅」


 ▼ 362 1◆zBLfAqPIVA 17/09/21 23:50:45 ID:aEwrvUNE [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜移植手術被験者保護施設からの報告書〜


ランク一位の「デオキシスのリボース」は
先月に引き続き、今月も我が施設の防衛に成功している。
体調も頗る良いとのこと。不安要素は何一つ見当たらない。


ランク二位の「ガブリアスのガブリエル」は
今月になって怪しい動きを見せている。
最警戒対象に認定。


ランク三位の「フーディンのディンゴ」には
特にこれといった動きは見られない。
派閥一の頭脳派である彼が何を考えているかは未だ不明。


ランク四位の「エルレイドのシュン」は
怪しい動きこそ見せてはいないものの、
数年前の大脱走事件の前例があるため、油断はできない。
準警戒対象。


ランク五位の「バンギラスのバン」
相当の狂暴性を孕んでいるのは未だに変わらず。
引き続き監視を続けたい。
警戒対象。
 ▼ 363 1◆zBLfAqPIVA 17/09/21 23:51:19 ID:aEwrvUNE [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ランク六位の「ミミロップのミミ」
エルレイドのシュンに心酔しているのは好都合。
怒らせさえしなければ危険性はない。


ランク七位「ギルガルドのギール」
怪しい動きは見られないが、ガブリエルの側近であるため、
準警戒対象に認定。


ランク八位の「カメックスの亀五郎」には
先程、動きが見られた。
新人と思われる者に倒されるという非常事態が起きたのだ。
 ▼ 364 1◆zBLfAqPIVA 17/09/21 23:52:34 ID:aEwrvUNE [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この新人に関しては、詳しい調査を現在進行形で行っている。
何にせよ、施設全体で異変が連続しているのが事実だ。
研究班はより一層の監視が必要となるだろう。
 ▼ 365 1◆zBLfAqPIVA 17/09/22 00:05:29 ID:uSRoPBUE [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一位デオキシスのリボース

二位ガブリアスのガブリエル

三位フーディンのディンゴ

四位エルレイドのシュン

五位バンギラスのバン

六位ミミロップのミミ

七位ギルガルドのギール

八位カメックスのカメゴロウ

九位サーナイトのカオル

十位カイリキーのリキ

十一位???のレイ

十二位カクレオンのクレオス

十三位ホルードのスイゾー

十四位シロデスナのスナジロ

十五位クチートのチクゼン

十六位ドラピオンのドーラ

十七位ズルズキンのルーズ

十八位ゴウカザルのサルヤマ

十九位ミミッキュのイーディ

二十位エビワラーのヒロユキ
 ▼ 366 1◆zBLfAqPIVA 17/09/22 00:06:02 ID:uSRoPBUE [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイという男の危険性はランク一桁台に入るだろう。

しかし、レイという新人に関する情報の欠落と、亀五郎が倒されたということへの詳しい状況の不足のため、今回は一時的に「レイ」をランク11位に引き上げることにした。

引き続きの調査に期待してもらいたい。

ーー 報告書 終 ーー

ーーーーーーーーー
 ▼ 367 1◆zBLfAqPIVA 17/09/22 00:06:23 ID:uSRoPBUE [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日はここまで
次回はまたあとで更新
 ▼ 368 ドイデ@ノメルのみ 17/09/22 12:03:54 ID:A3Q9hC8w NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 369 テッコツ@ディアンシナイト 17/09/22 18:58:16 ID:dZYVDUQE NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
ミミッキュの人おめでとう
(個人的にはラグラージ出てほしいです)
 ▼ 370 チコール@パワーベルト 17/09/22 19:02:51 ID:L0UrQQIA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
てかチクゼンってうちの地元の地名やw
 ▼ 371 チゴラス@しめつけバンド 17/09/22 20:14:13 ID:V5qe8Jak NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>370
福岡?
 ▼ 372 コルピ@だいちのプレート 17/09/22 20:57:49 ID:gX4umDc2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>370
ナカーマ
(ボルトロス出してくれ)
 ▼ 373 ラードン@マックスアップ 17/09/22 21:04:50 ID:gX4umDc2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
しかしナカーマがいるとは思わなかった
えちぜ
んくらげ
 ▼ 374 レユータン@メタグロスナイト 17/09/22 22:47:42 ID:0fZeehDE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やったぜ(シロデスナリクした奴)
 ▼ 375 コッチ@きかいのぶひん 17/09/24 16:24:13 ID:0tW7wsDE NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
カクレオン何気に強いね
 ▼ 376 スマス@ブリーのみ 17/09/25 21:02:05 ID:5iE3.lGU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 377 1◆zBLfAqPIVA 17/09/25 23:48:43 ID:DwTeq40s [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究施設。研究班会議室。

老人「……この報告書は誰が書いた?」

研究員「施設に送り込んだ内偵です。ほら、例のアイツですよ。『ミミッキュのキュー・イーディ』」

老人「ああ、そうだったな。……そうか、分かった」

研究員「……レイという男の調査はまだ完全ではないようですね」

老人「レイか……一体何者だ? いつの間に紛れ込んだ? 新人のデータには一通り目を通したが、レイという名の奴はいなかったはずだ」

研究員「そうですねぇ……」
 ▼ 378 1◆zBLfAqPIVA 17/09/25 23:49:36 ID:DwTeq40s [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バタンッ!!!
突然、会議室のドアが開かれた。

???「失礼する!! ……随分としみったれた顔をしているな、どうした!?」

老人「……察してくれ」

???「む? 非常事態でも発生したか?」

老人「隔離施設に異物が紛れ込んだんだよ」

???「異物だとぉ?」


老人「外部からの侵入者……かもしれない」
 ▼ 379 1◆zBLfAqPIVA 17/09/25 23:50:28 ID:DwTeq40s [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「しかし、施設の場所を考えてみろ。外部からそんな奴が入ってくる可能性なんて────」

老人「100%あり得ない……そう思っていたんだがな……」

???「……」



老人「研究所内に裏切り者がいる……そう考えるしかなかろう? なあ、イッシュ元チャンピオン、アデクよ……!!」




アデク「ワシを疑っておるのか? 馬鹿らしい、ワシが貴様を裏切るはずが無かろう!!」
 ▼ 380 1◆zBLfAqPIVA 17/09/25 23:52:21 ID:DwTeq40s [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
老人「……すまんな。まぁ確かに、お前が我々を裏切れるわけがないか……フフ」ニヤッ



アデク「腹の立つ奴だ……。それよりも貴様、各地方のチャンピオンが動き出したぞ。どうするつもりだ」


老人「ああ、既に聞いているとも。チャンピオンな……まだ、ここを嗅ぎまわれるのは困るな。洗脳装置は完成間近とはいえ……」


老人「時間稼ぎが必要になる。ブイズ部隊を送るべきか暗殺部隊を送るべきか……いや、そうだ」


アデク「?」

老人「影の三人衆を送り込むことにしよう……! 奴等ならば必ず仕事をこなしてくれる……!!」
 ▼ 381 1◆zBLfAqPIVA 17/09/25 23:55:42 ID:DwTeq40s [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少々短いですが今日はここまで
今作では、2年前のリメイク前には出せなかった7世代ポケモンも活躍させられればなと思います。
 ▼ 382 1◆zBLfAqPIVA 17/09/26 23:20:13 ID:oCtF3b7w NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ーーミミロップ派閥、アジトーー

ミミ「シュン様ぁぁぁぁ!!」ギュゥゥゥゥゥ

シュン「いだだだだっ!! 強く抱き締めるな! 背骨ぇぇぇぇぇっ!! 痛い! 痛い! いだい!」

スイゾー「着いた瞬間から、これか」

ルーズ「ミミさんは元気だねぇ」



ミミ「私、寂しかったー!! シュン様に会えない日々が長すぎるんだもん!」ギギギギ…

シュン「わ、分かったからっ! は、はなせぇぇぇ!」


ミミ「『話せ』って、私たちの結婚式のことを?」

シュン「そっちの『話せ』じゃない! 『離せ』の方の『はなせ』だ!! ていうか、結婚式なんか開かないから!!」



ミミ「チッ」パッ

シュン「いでで……これじゃ、命がいくつあっても足りないよ」
 ▼ 383 1◆zBLfAqPIVA 17/09/26 23:26:34 ID:MTN3fqtg [1/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ユキミ「なんか、騒がしいと思ったら……貴方達が来てたのね」

ルーズ「おいっす、ユキミさん!」

スイゾー「ユキミ、レイの奴はどこにいる?」

ユキミ「この廊下を渡った奥の部屋よ。ついてきなさい」

スイゾー「よし、行くか」

シュン「あっ、ボクも行くよ!」

ミミ「私もー!」ピトッ

シュン「だから、くっつくなよ! ミミぃ……!」
 ▼ 384 1◆zBLfAqPIVA 17/09/26 23:29:34 ID:MTN3fqtg [2/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガチャリ……

レイたちのいる部屋の扉から音がした。
レイはキョトンとした顔をしながら、首を後方に回す。


レイ「……誰ですか?」

シュン「やぁ、レイ君!」

レイ「あ……シュンさん!!」


スイゾー「生きてたか……レイ」

ルーズ「連れてきたよー!!」


レイ「スイゾーさんに、ルーズまで!」

カオル「やっと来たわね……遅いわよ」

シュン「まぁ、いろいろあってね」

シュン「────とにかく皆、無事でよかったよ」

カオル「あ、そのことなんだけどね……」

────────
──────
────
──
 ▼ 385 1◆zBLfAqPIVA 17/09/26 23:30:40 ID:MTN3fqtg [3/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
スイゾー「なるほどな……レイは今後も亀五郎に狙われる可能性が高いって話か」

カオル「ええ、カメックス派閥のしつこさは相当有名だわ」

シュン「うん、まぁ、それは容易に想像できることだ」


カオル「でしょ?だからレイ君はまた、カメックス派閥に追われることになって──────


???「あの……それはないと思います」

カオル「!!」

スイゾー「……誰だ?」


フラー「あの、ボク……フラーと申すものです」
 ▼ 386 1◆zBLfAqPIVA 17/09/26 23:34:56 ID:MTN3fqtg [4/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
フラーと名乗る少年は語る。


レイと出会い、争いに巻き込まれ、ギリギリのところで逃げおおせた──それまでの経緯を全て。


自分がガブリアス派閥の所属で、ガブリエルの手紙を亀五郎に渡すために使いに出された者だということも、洗いざらい喋った。


フラーからの説明を聞き終わった後、重い沈黙が腰を据える。

それから最初に口を開いたのは、シュンであった。
 ▼ 387 1◆zBLfAqPIVA 17/09/26 23:38:54 ID:MTN3fqtg [5/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
シュン「そうか。フラー君は、レイ君とカメックス派閥の縄張りで偶然出会って……それで共に行動していたわけか」

フラー「はい、その通りです」


シュン「しかし、レイ君が亀五郎さんに狙われることはないというのは……一体、どういう意味なんだい?」

フラー「それはですね────」



フラーは静かに口を開き、静止した。

どうやらフラーは、これから話すべき言葉を慎重に選んでいるようであった。

何やら深い事情があるのは間違いない。


その場にいた者全員が口元をキュッと結び、フラーをただひたすらに凝視し続けた。

 ▼ 388 1◆zBLfAqPIVA 17/09/26 23:43:41 ID:MTN3fqtg [6/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
フラー「レイさんは……覚えてますか?」

レイ「え? 何を……?」

フラー「レイさん……。あなたが亀五郎を倒したおかげで、僕たちは逃げることが出来たんですよ!」

レイ「……えっ? ええっ!?」

突如として放たれたのは、あまりにも衝撃の事実であった。

辺りに漂う空気が一瞬にして凝固する。



フラー「その様子だと……覚えてないんですね? あなた、あの亀五郎を一撃で倒したんですよ!?」


ミミ「っ!」

ユキミ「!?」

カオル「えっ……」

リーフ「……」

スイゾー「いっ……?!」

シュン「一撃ィ!?」




レイ「俺が……倒した?」
 ▼ 389 1◆zBLfAqPIVA 17/09/26 23:47:38 ID:MTN3fqtg [7/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
レイの記憶に心当たりはない。

しかし、何故かは分からないが……。

心の奥底からフツフツと熱い感情が込み上げてくるのを、彼は確かに感じていたのである。


シュン「レイ君が……亀五郎さんを倒したのか」


スイゾー「にわかには信じられねぇが……教えろ。その時、何があった?」

フラー「……それは────




──────────
────────
──────
────
──
 ▼ 390 1◆zBLfAqPIVA 17/09/26 23:49:57 ID:MTN3fqtg [8/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
その頃……。


トキワシティの郊外に位置する【トキワの森】という場所で、シロナはある人物が来るのを待っていた。


シロナ(ワタルさんから渡された紙切れでは、ここで待ち合わせをすることになっているけど……)




シーーーーーン……





シロナ「誰の気配もしないわよねぇ」

ガブリアス「ガブゥ……」

シロナの呟きにパートナーのガブリアスが同調する。


シロナ「それにしても一体、誰が来るのかしらね」

ガブリアス「ガブ?」
 ▼ 391 1◆zBLfAqPIVA 17/09/26 23:52:52 ID:MTN3fqtg [9/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
首を傾げるガブリアス。

暫くその場でじっと待っていると……異変は何の予感すら感じさせずに突然起きた。


ガブリアス「ガブ……!?」

シロナ「……どうしたの? ガブリアス」

ガブリアス「ガブゥ!!!」


突然、ガブリアスが唸りを上げながら動き出す。
姿勢を低くし、頭を前につき出した。


これは……ガブリアスの戦闘態勢!


ガブリアスがこのポーズをとったということは──それすなわち、すぐ近くに敵がいるということだ。

シロナも思わず身構える。
 ▼ 392 1◆zBLfAqPIVA 17/09/26 23:56:37 ID:MTN3fqtg [10/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
シロナ「ガブリアス、もしかして!」

ガブリアス「ガブゥ……ガブゥ!!!」


ガブリアスは確実に感じ取っていた。

この近くにいる敵意を持った存在に。
その敵意は間違いなく、シロナたちに向けられている!



シロナ「この近くに敵がいるのね!?」

ガブリアス「ガブゥ!!!」


ガブリアスの天性とも言うべき野生の本能は、既に敵の気配がする場所を突き止めていた。

ここから三時の方向────オレンの実がなる木の下にある茂み。

必ずそこに、何かがいる!



ガブリアス「ガァァァァァァァ!!」
 ▼ 393 1◆zBLfAqPIVA 17/09/26 23:58:38 ID:MTN3fqtg [11/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガサガサッ

ガブリアスが吠えたその瞬間。
茂みから怪しい影が飛び出してきた。


シロナ「あれは───ドサイドン!?」

ドサイドン「ドサァァァァ!!」


姿を現したのは、巨大なドサイドンである。
その眼光は鋭く、まるでガブリアスを突き刺すように睨み付けている。
 ▼ 394 1◆zBLfAqPIVA 17/09/27 00:03:15 ID:0MSado4Y [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
シロナ(このドサイドンは野生? でも、ドサイドンは一般的に野生で現れることはないはずだけど────)

シロナ「……」


沈黙が続く。
相手の出方を探る両サイド。

ガブリアスは再び前傾姿勢になり、いつでもあらゆる攻撃に対応できるよう集中した。


しかし、ドサイドンがこのガブリアスを恐れることは決してない。
むしろ、ガブリアスを威圧していた。

自分の力量に余程の自信があるのだろう。

鼻息荒くして、ドサイドンはジリジリと滲み寄ってくる。
そして、戦況は急に動き出した。


ドサイドンが自らの角を突き出し、突進してきたのである!
 ▼ 395 1◆zBLfAqPIVA 17/09/27 00:06:16 ID:0MSado4Y [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ドドドドドド……!!


シロナ「来たわね……ガブリアス! そのまま受け流して!!」

ガブリアス「ガァァァァァァァ!!」


突っ込むドサイドンの腕の下を抜け、そのままガブリアスはドサイドンの脚を掴む。

ドサイドンの突進────その勢いを活かし、ガブリアスはドサイドンを思いきり地べたに投げ捨てた!!
 ▼ 396 1◆zBLfAqPIVA 17/09/27 00:11:48 ID:0MSado4Y [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ズズゥゥゥゥンッ!!!

ドサイドンの巨体が地面へ打ち付けられる。
それと同時に、軽い地震を錯覚させる揺れが、シロナの足下をおぼつかせた。

シロナ「……」

ドサイドン「ゴァァァァッ!!!」ムクッ……


そんな強烈な攻撃を喰らいながらも、ドサイドンは悠々と立ち上がる。

恐らく、今の技で与えたダメージはほぼ0だ。
そう言っても過言ではない。



シロナ(……なかなかタフじゃない)

シロナは再び身構えた。


ドサイドン「ドサァァァァ!!!」


ドサイドンの咆哮が天高く響き渡る。
ここから、第2ラウンドが始まる。

シロナはガブリアスに最大級の技を指示した。
まさに、先手必勝とも言える策である────!!

シロナ「行きなさいガブリアス!! ギガインパクトッ!!」


ガブリアス「ガァァァァァ────

ガブリアスが攻撃を仕掛けようとする。

その時だった────
 ▼ 397 1◆zBLfAqPIVA 17/09/27 00:17:35 ID:0MSado4Y [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
???「そこまでだ!!」


シロナ(!?)

男の低い声が木々を抜け、森中に反響する。

突然の出来事にシロナは驚いたが、更に驚愕すべきは、あの好戦的なドサイドンが一瞬にして大人しくなったことである。

まるでブリーダーに厳しくしつけられた犬のように、ドサイドンはその場に座った。


???「……俺のドサイドンをけしかけてみたが、なかなかどうして強いじゃないか。流石はチャンピオンというべきか」

黒い服に身を包み、山高帽を深く被った男は、奥の茂みからゆっくりとその姿を現した。

シロナ「誰ですか」

???「お前がシロナだな? ここでワタルから待っているように命令されている……そうだな?」

シロナ「……! ワタルさんのことを知っているということは、あなたが待ち合わせ相手の……!!」


???「悪かったな、いきなり試すようなことをして。……おっと────その前に、自己紹介をしなければならないな」



サカキ「私は元トキワジムジムリーダー。地面タイプ専門のサカキだ……!」
 ▼ 398 1◆zBLfAqPIVA 17/09/27 00:17:59 ID:0MSado4Y [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ひとまずここまで。
次回更新をお待ち下さい。
 ▼ 399 クーン@ギンガだんのカギ 17/09/27 20:27:32 ID:JOMxKw6U NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 400 ャラコ@おいしいみず 17/09/27 22:52:40 ID:/YI0G1.E NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 401 1◆zBLfAqPIVA 17/09/27 23:54:57 ID:k6882vog [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
場所は戻り、ミミロップ派閥アジトへ。
ライはこれまでの経緯を全て話した。

皆がその話に耳を傾け、固唾を飲んだ。

特にレイは信じられないと言った様子で、愕然とした表情を浮かべている。


ライ「――――――ということがありました。」

ライが話し終ると同時に、静寂が空間を包み込む。

シュン「その話……冷静に考えると、レイ君の能力がついに発動したってことだね…」


最初にその静寂を打ち破ったのは、シュン。
続いて、スイゾーが言葉を続ける。


スイゾー「あの亀五郎を倒すほどのチカラ……それがレイの能力か。レイはその時の記憶……まっったくないのか?」
 ▼ 402 1◆zBLfAqPIVA 17/09/27 23:55:50 ID:k6882vog [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「は、はい……気絶してましたし」

ミミ「つまり、気絶してる間に勝手に能力が発動したってこと?」

ルーズ「ん〜、難しくてわかんないや」

カオル「それにしても……亀五郎を一撃で倒す能力ってどういうことなの?」


シュン「謎は深まるばかりだなぁ……」

スイゾー「レイ、今はその能力使えないのか?」


レイ「そ、そうですね。俺……そもそも能力を使った記憶もありませんし」
 ▼ 403 1◆zBLfAqPIVA 17/09/27 23:57:22 ID:k6882vog [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルーズ「結局、何も分からずじまいかぁ、チェッ」

カオル「────それで話を戻すけど。亀五郎は今、レイにやられて行動不能ってわけよね」

ライ「はい、多分」


シュン「それなら確かに、今はカメックス派閥からの追撃を警戒する必要はないかもしれないってことね」


シュン「……」

スイゾー「どうした?」

シュン「いや、この施設もかなり物騒になってきたよねと思って……」

スイゾー「何を今更」
 ▼ 404 1◆zBLfAqPIVA 17/09/28 00:00:37 ID:j1Efi0eY [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン(ここからおさらばする日も近いってことか……。ガブリエルの提案、案外間違いではないのかも……)

シュン(施設からの脱走計画……。数年前に企てたあの時も……ガブリエルはある意味で正しかったのかもしれない)




シュンはふと息を吐き、回想した。

今から数年前。
自分がまだ新人だった頃……。

後に「施設大脱走事件」と呼ばれる出来事を起こす────更に前の記憶……。
 ▼ 405 1◆zBLfAqPIVA 17/09/28 00:05:53 ID:j1Efi0eY [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
=数年前、隔離施設にて=



あの時代の隔離施設には、派閥という枠組みは出来ていなかった(後にガブリエルが派閥を作り、他のランカー達もそれに続くという形になる)。

そうだ。あの頃は、皆が個々に自由に生きる環境だったと言えるだろう。



亀五郎「ヒック……。酒が足りねぇ……ウィック」グビグビッ

モブ1「また、亀五郎のおやっさん酔っぱらってるよ」

モブ2「あの人も年齢の割に大した酒豪だねぇ……」
 ▼ 406 1◆zBLfAqPIVA 17/09/28 00:07:51 ID:j1Efi0eY [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バン「おうぅ、暴れたりん……! もっと覇気のある奴ァおらんのか、ごらぁ!!」

モブ3「向こうでは暴君バンが怒り狂ってるぜ」

モブ4「おおぅ、怖ぇ怖ぇ!」



シュン「なるほど、あそこで暴れてるのがランク4位バンギラスのバン……」ブツブツ

シュン「向こうで大酒をかっ喰らってるのが、ランク6位カメックスの亀五郎」ブツブツ

ガブリエル「あれらが施設上位のランカー達ってわけか」
 ▼ 407 1◆zBLfAqPIVA 17/09/28 00:09:41 ID:j1Efi0eY [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
数年前。
シュンとガブリエルは同期の新人だった。

そういう縁もあり、彼らは共に行動することが多かったのである。



ガブリエル「つまり、奴等をぶち倒せば、俺たちが天下を掴み取れるってことだな?」

シュン「……そう簡単にいくとは思えないけどな」


ガブリエル「カァァァ……それじゃダメだろ、シュン君よぉ。もっと自信と野望を持たないとさぁ!」


シュン「うーん、そうなのかなぁ」
 ▼ 408 1◆zBLfAqPIVA 17/09/28 00:14:35 ID:j1Efi0eY [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========
ランク表

一位 デオキシスのリボース
二位 ゲンガーのゲン
三位 フーディンのディンゴ
四位 バンギラスのバン
五位 マシェードのエードリアン
六位 カメックスのカメゴロウ
七位 サザンドラのサザンクロス
八位 サーナイトのカオル
九位 カイリキーのリキ
十位 プーピッグのピッグ
十一位 ホルードのスイゾー

========


ガブリエル「ところでシュン君。その紙は何だい?」

シュン「ボクが情報を集めて独自で纏めたランキング表だよ。それぞれのランカー達の特徴も出来るだけ書いてある」

ガブリエル「カメゴロウは大酒飲み……一日の大半を酒を飲んで過ごしている……起床時間は午前五時あたりと早め────って、おいおい凄いじゃねぇの! これ!!」


シュン「ここに載ってるランク上位の奴にはあまり近づかないほうが良いなと思うんだけど」

ガブリエル「へへへ……何を言ってんだよ。むしろ積極的にアプローチしてぶっ倒してこうぜ、オイ!!」

シュン「だからぁ……無駄な戦いだけはしたくないんだって」
 ▼ 409 1◆zBLfAqPIVA 17/09/28 00:17:28 ID:j1Efi0eY [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリエル「なぁ、シュン君よ。折角、俺たちは辛い移植手術を乗り越えて、ここまでたどり着いたんだ」

ガブリエル「俺たちにはとんでもねぇ能力がある!! それを活かさないなんて勿体なくねぇか?」


シュン「そ、そうは言っても……」


ガブリエル「俺がお前と行動する理由、分かるか? お前が強いからさ!! お前と俺が手を組めば、何だってやれる気がするぜ」


シュン「う、うーん……?」


ガブリエル「そうさ、俺たちがランク上位に這い上がれれば、外出許可なんてものまで貰えるかもしれねぇじゃんか」

ガブリエル「やってやろうぜシュン君、こいつぁ謂わば下克上だ!! まずはランク上位の下の方から……ホルードのスイゾーを狙ってやろうや!!」


シュン「ホルードの……スイゾー」
 ▼ 410 1◆zBLfAqPIVA 17/09/28 00:21:22 ID:j1Efi0eY [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────まさに「個」の強さが求められた時代。

争いの元となるのは、いつもランキング関連のことであった。

そもそも、この施設でランク上位になるメリットは三つある。

一つ目は、酒や煙草などの嗜好品の優遇。
二つ目は、寝床や食事場など環境の優遇。

そして、三つ目。
ランク上位の者には隔離施設から出る権利を渡される場合があるのだ。

隔離施設から出る権利を渡されるのは「ランク上位かつ、研究所に従順であること」という条件こそあったものの、施設にいる殆ど全員がそれを狙うことに変わりはなかった。

そして、ガブリアスのガブリエル。
エルレイドのシュン。

この二人もまた、ランク上位を狙う者であった。(もっともシュンに関しては、戦い自体を好んでないようではあったが)



そんな二人が最初に狙う標的──その名は、ホルードのスイゾーである。
 ▼ 411 1◆zBLfAqPIVA 17/09/28 00:24:19 ID:j1Efi0eY [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その頃、研究所のある一画では……。

サザンクロス「漆黒に塗れし闇より出で来るは、運命に抗う三つ首の番人、サザンクロス!!」

サザンクロス「────嗚呼、見参である」


スイゾー「まぁた、お前か……サザンクロス」


サザンクロス「フフフッ、スイゾー君よ! 我に怯えているな……そのまま我がオーラの前にひれ伏すがいい!!」


スイゾー「そもそもお前なんぞに怯えてなんかいねぇし、何度来ても答えは同じだ。……俺はお前の下には絶対につかねぇよ」


サザンクロス「何故だ!? 我等が手を組めば、あの憎きデオキシスのリボースだって倒せるかも知れぬのだぞ!?」


スイゾー「……あのなぁ」


ピッグ「ブヒヒヒヒッ」


スイゾー「ピッグ……お前もサザンクロスと手を組んだのか?」


ピッグ「ブヒヒッ、ボキュはそういう楽しそうなことが大好きなんでね!」
 ▼ 412 1◆zBLfAqPIVA 17/09/28 00:24:44 ID:j1Efi0eY [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========
file13

サザンドラのサザンクロス
ランク七位(数年前の時点で)

手を禍々しい竜の形に変化させることができる。
本人もサザンドラの姿へと変化することができ、
身体能力・飛行能力が抜群に優れている。
……重度の厨二病。


6まいの はねで そらを とびつづけ
うごくものを てきと おもいこみ 
おそう きょうぼうな ポケモン。
りょううでの あたまは 
のうみそを もたない。 
3つの あたまで すべてを たべつくし 
はかいしてしまう。

ブラック・ホワイト図鑑説明文より抜粋。

========
 ▼ 413 1◆zBLfAqPIVA 17/09/28 00:25:18 ID:j1Efi0eY [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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file14

ブーピッグのピッグ
ランク九位(数年前の時点で)

厄介な洗脳能力をもつ。
本人自体の戦闘能力は低いが、
エスパーの力で精神力の弱い者を操ってしまうのが非常に厄介。
洗脳能力を使うとき、謎のステップが必要らしい。

サイコパワーの はどうを くろしんじゅで 
つよめ じゆうじざいに 
あいてを あやつる ポケモン。
ちからを つかうとき 
はないきが あらくなるぞ。
くろしんじゅを りようして ふしぎな 
ちからを つかうとき きみょうな 
ステップで おどりだす。
くろしんじゅは びじゅつひんの かちを もつ。

ルビー・サファイア図鑑説明文より抜粋。
========
 ▼ 414 1◆zBLfAqPIVA 17/09/28 00:26:16 ID:j1Efi0eY [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>413
訂正、ブーピッグのピッグはランク10位です。
 ▼ 415 ンチャム@はかせのてがみ 17/09/28 00:26:19 ID:.NNJsleY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホルードのスイゾー
 ▼ 416 1◆zBLfAqPIVA 17/09/28 00:26:42 ID:j1Efi0eY [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまで。
またこれくらいの時間に更新予定。
 ▼ 417 ュゴン@ミュウツナイトY 17/09/28 20:28:10 ID:f0nCozT2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>401
ライじゃなくてフラーでは?
 ▼ 418 ンボラー@とんでもこやし 17/09/28 22:27:31 ID:7PtzK7eM NGネーム登録 NGID登録 報告
そういやリメイク前だと名前ライだったな
レイとライが並んでると見にくかったから改名してよかったと思うよ
 ▼ 419 1◆zBLfAqPIVA 17/09/30 23:26:31 ID:rAqcJ9l. [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>417
その通りでございます
度々ミスを見逃してしまい申し訳ありません

では気を付けつつ投稿していきます
 ▼ 420 1◆zBLfAqPIVA 17/09/30 23:28:27 ID:rAqcJ9l. [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サザンクロス「スイゾー君……。いや、貴様……我が配下になるのを拒んだこと……一生後悔することになるぞ」


スイゾー「へへっ、どうだかねぇ」


サザンクロス「帰るぞ……ピッグ!!」


ピッグ「ヘイヘイ」


サザンクロス「次にまみえし時は……血塗られた聖戦が繰り広げられることだろう!!」ザッ


スイゾー「ったく……面倒なことになったなぁ」
 ▼ 421 1◆zBLfAqPIVA 17/09/30 23:31:35 ID:rAqcJ9l. [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
同時刻、研究棟会議室。

老人「そろそろ……ランク上位の人間をスカウトする時期になりそうだな」

研究員「そうですね、どういたしましょう? リボース殿はリーダーの身内なので問題ないとして、スカウトするとすれば、『ゲン』『サザンクロス』『ピッグ』『スイゾー』『カオル』あたりになりますが」


老人「そうだな。亀五郎とバンは気性が荒く手が付けられんし。ディンゴとリキは何を考えているのか想像もつかん。まったく……ランク上位の実験体はどうも癖のある奴等ばかりで困る」


研究員「では、施設職員に彼らのスカウトを指示する方向で話を進めておきます」


老人「そういえば……例の計画は進んでいるのかね」


研究員「ん……ええ、【壱・弐計画】のことですね?ミュウの細胞は来週にも移植されます。移植先の健康状態も十二分に優れております故、事はスムーズに進行することでしょう」


老人1「ぬかるんじゃないぞ。ミュウの移植が終われば、次は念願のミュウツー移植に着手するのだからな」
 ▼ 422 1◆zBLfAqPIVA 17/09/30 23:33:11 ID:rAqcJ9l. [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────当時、ポケモン移植研究棟では、ある一大計画が練られていた。

「壱・弐 計画」と呼ばれているそれは、ミュウとミュウツー────これらの伝説と幻の細胞を移植し、史上最強の生物兵器を作り出すことを主旨としたプランだ。

研究棟全体が最も力を注いだプロジェクトとも言えるだろう。


実はこの計画、ミュウ細胞の移植までの過程は全て成功することになる。

その後が問題なのだ。
ミュウの移植手術が成功し、ミュウ人間が誕生したその直後。
ミュウツー細胞が保管された瓶が何者にか盗まれてしまい、プロジェクトは忽ち頓挫してしまったのである。

ミュウツーの細胞は誰に盗まれ、どこに消えてしまったのか……。

この話を語るのはまた別の機会にすることにしよう。

今はシュンの回想に場面を転換する。
 ▼ 423 1◆zBLfAqPIVA 17/09/30 23:33:53 ID:rAqcJ9l. [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
==シュンとガブリエルの寝床==

シュン「ねぇ、ガブリエル君」

ガブリエル「んー、どした?」


シュン「ガブリエル君は……なんでランク上位にそこまでこだわるの?」


ガブリエル「何でって……この手術で俺たちはポケモンの力を手にすることが出来たんだ」

ガブリエル「そんな素晴らしい力、使わねぇと勿体ないだろ……」


シュン「……本当にそれだけ?」


ガブリエル「ああ、それだけだ」


シュン「……」


ガブリエル「……」
 ▼ 424 1◆zBLfAqPIVA 17/09/30 23:36:31 ID:rAqcJ9l. [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリエル「……俺はな、親もいなけりゃ血の繋がった兄弟もいねぇ。何故なら、俺は赤ん坊だった頃、廃棄場のゴミ山に一人で捨てられてたらしいからな」

ガブリエルが目を閉じながらシュンに語りかける。
その口調は、今まで耳にしたことがないくらい穏やかなものであった。

シュン「!」


ガブリエル「……何故、俺がそんなゴミ山で捨てられてたかは知らねぇ。ただ言えるのは、そんな俺を拾ったのは、廃棄場でゴミを漁る汚いホームレスだったってことだ」


ガブリエル「ホームレスの奴等は……優しかったなぁ。俺がこの年齢になるまで育ててくれた。……だが、良いことはそう続かねぇのよ」

ガブリエル「ある日、どう考えてもチンピラにしか見えねぇ集団が俺たちの前に現れ、急に襲い始めた。何でそんなことをしたのか、俺には分からねぇ。しかしチンピラどもは執拗に俺たちを痛めつけた」

シュン「……ゴクッ」


ガブリエル「俺は命からがら逃げたよ。他にも逃げた奴はいるが、あいつらが今どうしているか、全然知らねぇ……。それからは、当てもなく彷徨い、泥水を啜ったり、雑草を食いながら飢えを凌いだ。もう今にも死にそうなくらい辛い日々が続いた……。そんな時だ、俺が偶然にも移植研究所の職員と出会ったのは……」
 ▼ 425 1◆zBLfAqPIVA 17/09/30 23:40:09 ID:rAqcJ9l. [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
======

老人「お前さんは行く場所がないのかね」


ガブリエル「……」ギロッ


老人「とんでもない眼をしているな、まるで獣だ」


ガブリエル「……うるせぇ」グギュ〜

老人「フフッ、腹が減ったのかね」

ガブリエル「……っ/// うるせぇっつってんだよ、消え去れジジイ!!」


老人「お前さん、私と一緒に来ないかね。うちに来れば飯なら幾らでも喰わせてやろう。そして、お前さんに偉大な力だって与えられる……」


ガブリエル「……チカラ……?」


老人「お前さんの眼は野心を抱く荒々しい瞳だ……。きっと、私が提供するチカラに、君は興味を抱くと思うんだ」

======
 ▼ 426 1◆zBLfAqPIVA 17/09/30 23:41:09 ID:rAqcJ9l. [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「それで、この施設に来たんだね」


ガブリエル「……まぁ、そういうことだ。俺はホームレス時代に知ったんだよ。力がなきゃ、幸せは直ぐに壊れちまう。……あの時だって、俺に力があれば────」

シュン「……ぐすっ、ひぐっ」


ガブリエル「……何でお前が泣いてんだよ。だぁぁ、余計なことを喋り過ぎた! もう寝るぞ!!」


ガブリエルは不貞腐れたようにして布団の中に潜った。

一方でシュンは涙を流しながら、頬を緩め、微笑んだ。

積極的に話しかけてくれるガブリエルではあったが、彼が人との間に壁を作ろうとしていた事に、シュンは気づいていた。

そんな彼が、ようやっと真の意味で心を開いてくれたように思えたのだ。



ガブリエルは本当は、良い人なんだ。優しい人なんだ。


そう実感したシュンは小さな声で「おやすみ」と言い、静かに眠りについた。
 ▼ 427 1◆zBLfAqPIVA 17/09/30 23:42:25 ID:rAqcJ9l. [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッポゥ、ポッポゥ。
ポッポがどこかで鳴いている。


ガブリエル「……ん、いつの間にか朝かよ」

ガブリエルが目を覚ます。
気持ちの良い朝だ。
スイゾーとの決戦に相応しい日和だ。
隣ではシュンが未だに心地よさそうに眠りについている。

シュン「……ZZZZ」

ガブリエル「アホ面しやがって……」

ガブリエル「起きろ、シュン君。決戦の日だぞ!!」

ユサユサ……
シュンの体を強めにゆする。

シュン「ムニャムニャ……」

それでもシュンはなかなか起きない。

ガブリエル「………」イラァッ

ガブリエル「起きろっ!!シュン!!」



ゴチン!!
早朝に相応しからぬ鈍い音が青空に鳴り響いた。
 ▼ 428 1◆zBLfAqPIVA 17/09/30 23:43:14 ID:rAqcJ9l. [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日はここまで
また明日辺り更新予定
 ▼ 429 キジカ@シャラサブレ 17/09/30 23:46:47 ID:KOg98OzU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 430 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 23:44:00 ID:J5bVA5xE [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「いったぁ! 起こすだけなのに、何も殴らなくてもいいじゃないかぁ……!!」

ガブリエル「うるせぇ! なかなか起きない奴が悪いんだ! 今日はスイゾーとの決戦の日だぞ……!!」

ガブリエル「気を引き締めろ!!」


シュン「……で、どうやって倒しに行くの?」





ガブリエル「よくぞ聞いてくれたシュン君よ……ズバリ、寝起きを狙った奇襲戦法だ!」ニヤッ
 ▼ 431 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 23:46:58 ID:J5bVA5xE [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
──────
──────────
──────────────

スイゾー「あぁ、くっそ。腰がいてぇ……」コキコキ



シュン「スイゾーがいたよ、ガブリエル」

ガブリエル「よぉし、一気に仕掛けるぞシュン」

シュン「でも、奇襲だなんて……何だか卑怯じゃないかい」

ガブリエル「シュン君よぉ、奇襲ってのはなぁ。出来る限りこちら側も相手側も被害を出さないためにある戦法なんだ……俺の言いたいことが分かるか?」

シュン「?」

ガブリエル「お前の【被害を最小限にしたい】って意見を取り入れた結果、奇襲っていう戦法に至ったってことだぜ? 感謝しろよ? 本来ならもっと楽な作戦もあるんだが……」


シュン「……ごめん、ありがとうね。ガブリエル君」


ガブリエル(まぁそもそも、相手はランク上位……マトモにやりあえば勝率は低い)

ガブリエル(とにかく、相手に能力を使わせないってのが最優先事項だ!)
 ▼ 432 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 23:48:58 ID:J5bVA5xE [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「ふぁぁ……」

ガブリエル「今だっ、シュン!」

シュン「う、うんっ……!!」

ガブリエル「うぉぉぉぉぉっ、ドラゴンクローッ!!」

シュン「つばめがえしっ……!!」



カオル「スイゾーッ、後ろッ!!」

スイゾー「……ぬ!?」


ガブリエル(あの女、誰だっ……!?)



─────ギギギッ!!─────
 ▼ 433 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 23:50:23 ID:J5bVA5xE [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴゴゴゴゴ……

スイゾー「……む、むぅ!!」

ガブリエル「う、うぐぉっ!?」

シュン「……っ!」


カタカタカタカタカタ……

腕が震える。足が震える。
奇襲戦法は見事、失敗に終わった。
スイゾーの能力────強靭な耳の力に、シュンたちの攻撃は呆気なく抑えられてしまったのだ。
 ▼ 434 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 23:51:10 ID:J5bVA5xE [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「ったく、いきなり攻撃するたぁ何者だぁ?!」

ガブリエル「うぐぅ……!!」

スイゾー「直前まで気づかなかったぜ。危ないところだった!!」

ガブリエルの発案──早朝の突然の奇襲は、成功するはずの戦法だった。

シュンたちの攻撃が当たるその直前まで、スイゾーは彼等の存在を認知してはいなかったのだから。


────しかしここで、彼等にとって最大の誤算が起きてしまったのだ。
 ▼ 435 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 23:52:13 ID:J5bVA5xE [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カオル「危ないところだったわね、スイゾー」


スイゾー「あぁ、お前が声を張り上げていなかったら、間違いなく俺は負傷していたよ」


シュン(こっ……この人は──────)


カオル「まったく……油断大敵よ」


シュン(ランク八位……サーナイトのカオル!!)


スイゾー「悪いな、借りを作っちまった」
 ▼ 436 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 23:53:13 ID:J5bVA5xE [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン(スイゾーとカオルは、な、仲間だったのか!?)

ガブリエル「う、うぐ……腕ェ離せよぉ!!」

スイゾー「バカが、離すわけねぇだろ」

ガブリエル「うぐ、くぉぉっ……!!」
シュン「うがぎぎぎ……っ!!」

スイゾー「─────?!」


ガブリエル&シュン「どりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

パァンッ!!!


スイゾー「……っうおぉっ!?!」

スイゾー(俺の耳の握力から逃れただとっ!?)



カオル「!?」
 ▼ 437 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 23:54:17 ID:J5bVA5xE [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ガブリエル「あぶねぇ……へへへ。まさかスイゾーに仲間がいるだなんて思わねぇもんなぁ、ちと誤算だったぜ」

シュン「ふひゅう……危なかった」


スイゾー(俺の耳の握力は1tだぞ。あなどれねぇな……こいつら。こりゃぁ長丁場の戦いになりそうだが……)

ガブリエル「この状況……きっついなぁ、おい」

シュン「どうするの?奇襲は完全に失敗だよ」


カオル「……」
スイゾー「……」
 ▼ 438 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 23:56:13 ID:J5bVA5xE [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリエル(ぶっちゃけ勝てるか分からねぇな。能力の分からないカオルと怪力のスイゾー……こっちの分が悪いか?)

シュン「ね、ねぇ……」


ガブリエル「ん?どうした、シュン君」

シュン「て、提案があるんだけど!」

ガブリエル「……提案だと?」


張りつめた空気の中でシュンは静かに口を開く。


シュン「うん、それで! 話を是非ともスイゾーさんとカオルさんにも聞いてほしいのだけれど!!」

スイゾー「……?」

カオル「?」


シュン「奇襲に関しては謝ります。いきなり襲うような……こんな僕たちのこと、信用してくれるとは思わないですけど」

シュン「実は僕、ずっと前から施設の中で考えてたことがあるんです」
 ▼ 439 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 23:57:25 ID:J5bVA5xE [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガブリエル「シュン君? 一体どういうことなんだ」

ガブリエルも予想だにしない展開だ。

いつも物怖じしてばかりのシュンが自ら動いたというのだから……。


シュン「……実は────


シュンは悠然と語りだした。

ある提案の概要を───いや、この場合は「提案」というより、「交渉」という言葉の方が相応しいのかもしれないが……。


とにかく。
この後、シュンから放たれた言葉は後に、施設全体に大きな衝撃を与えることになるのであった。
 ▼ 440 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 23:57:42 ID:J5bVA5xE [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


第六話 

〜完〜


 ▼ 441 1◆zBLfAqPIVA 17/10/01 23:58:11 ID:J5bVA5xE [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日はここまで
また次回更新をお待ち下さい
 ▼ 442 ルキー@てんかいのふえ 17/10/02 17:16:38 ID:2crsm0OE NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
お疲れ様です
 ▼ 443 ガボーマンダ@クロスメール 17/10/04 19:36:15 ID:d4JZ9NBk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 444 ギア@すいせいのかけら 17/10/05 01:39:59 ID:75/c/9II NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 445 ウマージ@プテラナイト 17/10/06 21:58:41 ID:VwO.qEcY NGネーム登録 NGID登録 報告
レスの数が不吉だからずらす
 ▼ 446 ルガー@ラティアスナイト 17/10/06 22:32:51 ID:6s3GQ9AM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>445
4月4日誕生日のワイ、泣き叫ぶ
 ▼ 447 ラベベ@あさせのしお 17/10/06 22:33:32 ID:6s3GQ9AM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>446
忘れてた
支援
 ▼ 448 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:20:55 ID:FUzEnNxg [1/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


第七話

「強襲!影の三人衆!」


 ▼ 449 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:22:21 ID:FUzEnNxg [2/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
時間は戻り、舞台はカントー地方マサラタウンへ。

チャンピオンの一人、ドラゴンタイプの使い手ワタルは、その上空に来ていた。



ワタル「いいぞカイリュー、ここで降ろしてくれ!」

カイリュー「カイッ!!」バサッバサッ


ワタル「ようやく着いたか、ここが始まりの町……マサラタウン」


ワタル「カイリューは周囲に怪しい輩がいないか見張っててくれ。俺は……オーキド研究所に用がある」


カイリュー「リュゥ!!」

ワタル(運が良ければ……今回の事件の手がかりが見つかるかもしれないからな)
 ▼ 450 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:24:04 ID:FUzEnNxg [3/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタルは研究所の前に立ち、軽く扉をノックする。


しかし、それに対する反応は微塵すら返ってくることはなかった。


仕方なくワタルは、扉のノブを軽くひねってみると……。

ワタル(お、開くみたいだ……)


キィィ……

鉄が悲鳴を上げたような扉の軋む音が響いた。
 ▼ 451 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:27:50 ID:FUzEnNxg [4/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ーーオーキド研究所内部ーー

ワタル「ケホッ……ゲホゲホッ。うぅ、すごいホコリだ。────オーキド博士、いらっしゃらないのですか!!」

ワタル(……未だ無反応、か)

ワタル(最初に誘拐されたジムリーダー、グリーンはオーキド博士の孫だ。博士ならこの事件に何か心当たりがあるのではと思ったが……)



コツ、コツ……カタッ



ワタル「……ッ、誰だ!!」



???「……やれやれ、勘が鋭いんですねぇ♪ 気配は完璧に消して隠れてたはずなのに、こうも簡単に見つかるなんてネ」



ワタル「貴様の名前を聞いている……。オーキド博士の関係者ではなさそうだが、何者だ!」


???「ボクですかァ?」

エードリアン「ボカァ、闇の三人衆《貪》のエードリアン♪ コソコソ動いてるお前らの処理を頼まれたんだ、よろしくナ♪」



ワタル「処理……!?」
 ▼ 452 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:32:58 ID:FUzEnNxg [5/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方、ここはヤマブキシティ。


ダイゴ「だっ、大丈夫ですか! ナツメさん!」


ナツメ「え、えぇ……でも、私のポケモンが怪我をしてしまいましたわ……」

ゴースト「ゴスゥ……」キュー



???「フフフ、我が混沌と宵闇の魔力で一網打尽に至らぬとは! 評価に値すべき悪運よ!」


ダイゴ「お前は一体誰だ!!」


サザンクロス「我か……我は闇の三人衆が一人、≪瞋≫のサザンクロスッ!!」

???「儚き愚者よ、貴様等は次に訪れる災厄に耐えられるだろうか?」

ダイゴ「……!?」
 ▼ 453 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:36:55 ID:FUzEnNxg [6/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さらに同じ頃、トキワシティ近郊トキワの森では。

────ドガァァァァァァァンンンンッ!!!


シロナ「きゃあっ!!」

サカキ「……敵襲か!?」


???「ブッヒヒヒヒヒッ! やっぱりコソコソ動いてるやつがいたんだね〜!」


シロナ「あ、あなた……名を名乗りなさい!!」


???「ブッヒ……オイに聞いてるのか〜? ブッヒヒヒヒヒヒヒッ、オイは影の三人衆《癡》のピッグ様だよ〜!!」


サカキ「フン、名前なぞどうでもいいわ」


ピッグ「ブヒッ!? 聞いといてそれはないよ!」


サカキ「では、逆に聞こう。貴様は目の前にいる虫けらの名前をイチイチ覚えようと思うか。 答えは……否だろ?」


ピッグ「!」
 ▼ 454 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:39:13 ID:FUzEnNxg [7/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
同時刻、研究施設内部。

研究員「……影の三人衆が見当たらないようですが」

老人「奴等にはチャンピオンの妨害を頼んでおいた」


研究員「ぼ、妨害?」


老人「私たちのことを嗅ぎ付けているらしい……。面倒なことにならないうちに手を打つべきだと思ってね」


研究員「奴等なら確かに上手くやるでしょうが……何せ、数年前の施設のトップランカー達です。とにかく癖が強い。……やり過ぎなきゃいいんですがね」



老人「とにかく時間を稼げればいいんだ。奴等が負けようが死のうがどうでもいいさ。計画は最終段階に入った……。世界を揺るがす大事件の幕開けまでもう少しなのだ……」
 ▼ 455 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:41:37 ID:FUzEnNxg [8/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ーーヤマブキシティーー

サザンクロス「悪鬼戦慄とする闇の深淵よ。百鬼夜行も従属せし悪夢の力を解放せよっ!」


ナツメ「……あいつは何を言ってるのかしら」

ダイゴ「さ、さぁ……」


サザンクロス「能力発動……形態変化!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッ!


ダイゴ「……な、なんだ!? あの男、あの姿はまるで……」


サザンクロス「フハハハ……こうなってしまえば貴様らに勝機は無くなったも同然。あらゆる世界線が告げるであろう……我こそが闇を纏いし神であるとな!!」


ナツメ「え、え……!?」

ダイゴ(ただの人間がまるでサザンドラの様な姿に……これは一体……!?)
 ▼ 456 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:43:02 ID:FUzEnNxg [9/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サザンクロス「ククク……驚嘆しているな? 我の両手を見よ、なんと猛々しい龍の形をしているだろう!? この龍の腕が貴様等を噛み殺す!!」


サザンクロス「この力も! 見た目も! 全てっ!! 移植手術が為しえた軌跡──もとい奇跡なのである!!」



ダイゴ(移植手術!? 何を言っているかさっぱりだが……。あの男は普通の人間じゃないっ……)


ナツメ「ねぇ、貴方ダイゴさん……と言ったかしら」


ダイゴ「え、あぁ……そうですけど」


ナツメ「ダイゴさん……あの男、モンスターボールを持ってません」
 ▼ 457 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:44:13 ID:FUzEnNxg [10/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダイゴ「!!」

ナツメ「つまり、あの男はトレーナーじゃないです。でも、あいつは戦う気マンマンですよね……」


ダイゴ「もしかして……本当にあいつ自身が戦うってことか!?」


ナツメ「多分」


ダイゴ「メタグロス、一応構えておけよ。あの男……得体が知れない」

メタグロス「メェタァ……」
 ▼ 458 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:45:57 ID:FUzEnNxg [11/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サザンクロス「無知な愚民に恐怖を享受してやろう。それもまた神の役割だ。見るがいい、我はただ見た目がサザンドラに変化しただけではないのだよ……!!」


サザンクロス「我は空をも飛べる! そう! なんたって、サザンドラだから!!」バサッバサッ



ダイゴ「……っ!?」


サザンクロス「上空から狙い撃ちだぁ……悪の波動っ!!」

ダイゴ「メッ、メタグロス、かわせぇ!!」



メタグロス「……メッ!?」
 ▼ 459 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:48:45 ID:FUzEnNxg [12/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
黒に染められた光線が、突如サザンクロスの両腕から放たれた。

メタグロスは間一髪でその攻撃を避ける。

回避された悪の波動は地上に一直線。

そのまま、大地を抉った。

瞬間、地を大きく震わせるのと同時に轟音が辺りに響き、その場には直径数メートルのクレーターが出来た。

ダイゴは想像を遥かに超える事態に対し、ただひたすら驚嘆し、どうにも出来ない戦慄を覚える。



ダイゴ(人間が……まさかポケモンの技を放つなんて……)


ダイゴ「メタグロスッ! コメットパンチでその男を倒せ!」

メタグロス「メッタァァァァァ!!」
 ▼ 460 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:51:55 ID:FUzEnNxg [13/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダイゴ(この際、相手が生身の人間だとか言ってられない……。本気で戦わねば、油断すれば、負ける!!)

サザンクロス「愚かな……その程度の攻撃、アッサリと受け止めてくれよう!!」

サザンクロス「神の如き力を得た我に勝つなど言語道断! 笑止千万! 喰らえっ、龍の波動っ!!」


ダイゴ「つっこめぇ! メタグロス!」

メタグロス「メェェェタァァァァァッッ!!」





──────カッ!!!!──────
 ▼ 461 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:53:48 ID:FUzEnNxg [14/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
瞬間、溢れんばかりの閃光が弾け飛んだ。

流星の如きメタグロスの拳が、龍の波動と衝突することで、圧倒的な衝撃波が空間をひた走る。

その光景を驚きの表情で見つめるナツメとは対照的に、ダイゴは心に動揺の波紋一つすら作らなかった。

まさに、堂々した貫禄であった。


ナツメ(噂には聞いていた。……ホウエン地方チャンピオンのダイゴ!)

ナツメ(見ただけで分かるわ……その強さ)


煙が巻き起こったせいで、メタグロスの様子など全くもって目視することは出来なかった。

暫くして、煙が晴れるとそこには……。
 ▼ 462 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:57:01 ID:FUzEnNxg [15/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メタグロス「メェ、タァ……」フラッ…

ダイゴ「────っ!! メタグロス、大丈夫か!?」

煙が晴れたその先には、傷を負いふらつくメタグロス。

そして、多少の怪我を負いながらも、うっすらと不気味な笑みを浮かべるサザンクロスがいた。


サザンクロス「不覚にも……いい攻撃だった。流石に少しだけは効いた……!!」


ナツメ(そんな……! ダイゴさんのメタグロスが押し負けるなんて!?)

サザンクロス「緒戦は我の勝ちだな……ククッ」

 ▼ 463 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:58:00 ID:FUzEnNxg [16/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダイゴ「まだだな」

サザンクロス「?」


ダイゴ「こんなんで勝ち誇ってもらってちゃ困る……。ボクとメタグロスはまだ本気を出してない」


サザンクロス「フン……負け惜しみか?」

ダイゴ「……違うさ」


ダイゴ「……メタグロス、いくぞ! メガ進化だ!!」

メタグロス「…………メタッ!!」パチッ!
 ▼ 464 1◆zBLfAqPIVA 17/10/06 23:58:25 ID:FUzEnNxg [17/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日はここまでぇ
次回更新をお待ち下さい
 ▼ 465 リリダマ@こおりなおし 17/10/07 12:18:50 ID:36dxRH2I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あれ、ワタルの相手ゲンガーじゃなくなった?
 ▼ 466 クリュー@ミアレガレット 17/10/09 17:32:04 ID:Xj39O5Nw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リメイクされてるね
支援 そしてあげ
 ▼ 467 1◆zBLfAqPIVA 17/10/10 23:06:28 ID:EmoRYAAc [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方その頃、場所は変わり、ここはトキワの森。


ピッグ「ブヒッ、聞いて驚け! オイは特別な能力を持っている! その名も集団強制催眠! 特殊な念波を脳みそに直接送ることで、対象となる生物の思考を操作してしまうのさぁ!」


サカキ「生物の……思考だと?」


ピッグ「その通り! この能力により、オイは幾らでも兵を作ることが出来るのだぁ! ついさっきも、トキワの周辺で野生ポケモンを洗脳してきた!! さぁいけ、お前たち。あの二人をやっつけろォ!」


バタフリー「フリィィィィ!!」
ダクドリオ「ダグドッ!!」
ピカチュウ「ピッカァ!!」
オニドリル「ドリィ!!」
ピジョット「ピジョッ!」
ニョロボン「ニョロッ!!」
その他「ギャー!ギャー!」
 ▼ 468 1◆zBLfAqPIVA 17/10/10 23:08:46 ID:EmoRYAAc [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シロナ「こ、これはっ!?」


サカキ「全く、雑魚がワラワラと……」

サカキ「ニドクイン、出番だ!」


ニドクイン「ニドォォォ!!」


サカキ「おい、シロナとやら」


シロナ「はいっ?」


サカキ「お前、チャンピオンなんだろう? この程度の数の野生ポケモンなら……直ぐに処理できるよな?」


シロナ「え、ええっ。もちろんですよっ」


サカキ「……良い返事だ」ニタァ
 ▼ 469 1◆zBLfAqPIVA 17/10/10 23:10:14 ID:EmoRYAAc [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピッグ「ブッヒ、何をバカなことを! オイはこの周辺の野生ポケモンの殆どを操っているんだぜぇ!」

ピッグ「その数……余裕で百匹は越えるかもなぁ?!」


サカキ「フン、大人しく聞いていれば……。台詞はまるで三流の小物だな」


ピッグ「……さっ、三流ぅ!?」


サカキ「どうせなら1000匹くらい連れてきたらどうだ?」


ピッグ「プギギ……この雑魚が! オイのことを舐めやがってェ……!」


サカキ「百匹の野生ポケモンか……。よし、俺が一つ預言してやろう」


サカキ「────俺とこのシロナってチャンピオン。この二人がいれば、この程度の敵は……」

サカキ「10分以内に片付く!!」


ピッグ「!?」



シロナ(勝手に時間制限設けられても困るんだけどなぁ……)
 ▼ 470 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 00:46:46 ID:W7KzdRSg [1/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
舞台はヤマブキシティに戻る。

ドガシャァァァァァァァァン!!!!

サザンクロス「っぁあっ……!?」ドシャッ!

ダイゴ「残念だったな。メガメタグロスのスピードとパワーは誰にも負けない!!」

メガメタグロス「メェタァ!!!」

サザンクロス「きっ貴様ァ!? さ、さっきまでの強さと全然違うではないか!?」


ダイゴ「さっきまで……? フッ、今までのがボクたちの全力だと思うのかい?」

サザンクロス「!!?」
 ▼ 471 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 00:49:15 ID:W7KzdRSg [2/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダイゴ「メガメタグロス、手加減はいらないよ。この男はとことん懲らしめる必要があるみたいだ……!」

メガメタグロス「メェタァ!!」

サザンクロス「ひっ!?」

サザンクロス(バ、バカな! メガ進化と対峙するのは初めてだが、まさかここまでとは……!?)



ナツメ(メタグロスはさっきまで追い詰められていた。それがメガ進化した途端に一気に形勢が逆転……。これはメガ進化のみのおかげ? ──いいえ、ダイゴさんも明らかに集中力が増している……)

ナツメ(これが、チャンピオンの本気の力……。圧倒的過ぎる……!)
 ▼ 472 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 00:50:17 ID:W7KzdRSg [3/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダイゴ「メガメタグロス、ギガインパクトォォォォォ!!」

サザンクロス(間髪入れずにこいつっ……!)


メガメタグロス「メタメタメタメタァァァ!!」


サザンクロス「お、おい、話を聞けぇ! な、何もしないから! まず話を……!」


メガメタグロス「メタァァァァァァァァ!!」


サザンクロス「は……話を……!!」










_人人人人人人人_
> カッ!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
 ▼ 473 ズパス@ロメのみ 17/10/12 00:51:56 ID:RxKK/was NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
随分前に見たことある!
 ▼ 474 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 00:53:53 ID:W7KzdRSg [4/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴォォォォォォォォッ!!!!

ナツメ「キャッ……!」

ナツメ(す、すごい衝撃波……)

ダイゴ「……」


ゴゴゴゴゴゴゴ……


ナツメ(やっと収まった……なんて威力なのかしら)


メガメタグロス「……メェタァ」フラッ


ダイゴ「疲れただろうな、メタグロス。無茶させたが……よくやった。戻って休め」

ダイゴがメタグロスをモンスターボールの中に戻した。
それから彼は、勝利の余韻をじっくりと味わうが如く、空を見上げて夢想する。


ダイゴ(けっきょく ぼくが いちばん つよくて すごいんだよね……)

 ▼ 475 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 00:56:13 ID:W7KzdRSg [5/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
砂塵が舞い終わった後、木々草花が鬱蒼としていた筈の土地は消え去り、そこには更地だけが残った。


サザンクロスの姿は見当たらない。

────つい、本気でやりすぎてしまったか。

ダイゴがそう思った瞬間のこと。





サザンクロス「まだだ……まだ終わらんぞぉ!!」
 ▼ 476 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 00:58:25 ID:W7KzdRSg [6/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────ダイゴの背後にサザンクロスが現れたのである。

彼は大きな痛手こそ受けたものの、倒されてなどはいなかった。

移植被験体故の強靭な肉体が為しえたタフさ……!
サザンクロスの鋭い牙がダイゴの肩を狙う……!


サザンクロス(ハッ! 油断! 油断! 一瞬の油断で命を落とすんだよ! 愚か者めぇ!)

サザンクロス(お前の肩を粉々に砕いてやる! 我にダメージを与えたことを後悔させてやるぅぅ……!!)

サザンクロス「死ねぇぇぇえ!!」


ダイゴ(ま、まずっ……!!)
 ▼ 477 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 01:00:47 ID:W7KzdRSg [7/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ナツメ「フーディン!!れいとうパンチ!!」

フーディン「フゥンッ!!!」ブォンッ!!


サザンクロス「んぉっ!?」

フーディンの拳がサザンクロスの脇腹に当たった。
瞬間、殴られた箇所を中心に、氷が彼の身体を浸食し始めたのである。

サザンクロス「んぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!??」

ナツメ「……終わりです!」


パキンッ!!!

終いには、顔を除く全身を凍結されてしまったサザンクロスは、憐れにも白目を剥き口からは泡を吐きながら、その場に倒れてしまった。

サザンクロス「あ、あ、あが……」バタッ





ナツメ「一瞬の油断が……命取りですよ」


 ▼ 478 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 01:01:21 ID:W7KzdRSg [8/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ーヤマブキシティの戦いー
ダイゴ&ナツメVSサザンクロス


結果:ダイゴ&ナツメの勝ち。
 ▼ 479 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 01:01:58 ID:W7KzdRSg [9/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまでなのら
 ▼ 480 ルセウス@ブリーのみ 17/10/12 17:22:39 ID:LVRRPxU2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 481 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 22:46:31 ID:W7KzdRSg [10/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダイゴ「あ、危なかった……。助かったよナツメさん」

ナツメ「いえ……私だけなら、確実にこの男に負けていたと思います。ダイゴさんが奴の限界まで体力を削っていたおかげです」


ナツメ「……それにしても、この男の能力は一体何なのでしょうか」


ダイゴ「ポケモンの能力を使う人間、か。……この男は気絶してるだけだよね?」



ナツメ「えぇ、今は気絶していますが、いつ起きるかも分からないので……。一応、縄で縛っておきましょうか」


ダイゴ「うん、とりあえず拘束しておこう。……この男には聞きたいことがたくさんある。目を覚ましたら、尋問としゃれこもうか」


ナツメ「はい」
 ▼ 482 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 22:48:18 ID:W7KzdRSg [11/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────その頃、トキワの森では。

シロナ「ガブリアス、後ろに敵がいます! 気を付けて!!」

ガブリアス「ガァァァァァァァブッ!!!」

シロナ(くっ……やはり敵が多すぎる! あの男、この数の野生ポケモンを一人で操るなんて……人間業じゃない!)


ピッグ「ブッヒヒヒヒ……!」



サカキ「……ふん」


モルフォン「モォォォォォルルルル!!!」


シロナ「ああっ、サカキさん! 後ろからモルフォンが……!!」

サカキ「心配するな……分かっている」ボソッ


ピッグ「これが数の暴力だ!! 思い知ったかぁ!? ブッヒヒヒヒヒッッ!!」
 ▼ 483 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 22:49:35 ID:W7KzdRSg [12/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シロナ「サカキさん、危ないっ……!!」


サカキ「……ニドキング、ニドクインいくぞ」

ニドクイン「クインッ!!」

ニドキング「ニドォ!!!」


サカキ「ニドクイン、後方三メートルにいるモルフォンに『にどげり』! ニドキング、地面の中にいるダグドリオたちを炙り出すために『じしん』を使え! ニドクインはモルフォンを倒したら、次は12時の方面にいる雑魚どもに『だいちのちから』を使い、一掃しろ!! ニドキングはその後、上空にいる鳥ポケモンたちに『ヘドロウェーブ』だ!!」


シロナ「!?」

ピッグ「!!」


ニドキング「ニドォォォ!!」
ニドクイン「クォォォォンッ!!」
 ▼ 484 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 22:51:39 ID:W7KzdRSg [13/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「数の暴力? ……舐めるなよ。この程度の戦力……痛くも痒くもないわ!」


サカキの指示は余りにも的確で鋭いものだった。

ニドクインとニドキングは彼の指示に忠実に従い、驚異の素早さで敵を圧倒する。

しかし、最も注目すべきは、眼球を十も二十も持っているのではないかと思われるほど卓越した、サカキの索敵・観察能力である。

そして、指示からたった数十秒が経過した後。

ニドキングとニドクインは言われた通りのことを見事に遂行。

周囲には多数の野生ポケモンが倒れていたのである。
 ▼ 485 オップ@ゴールドスプレー 17/10/12 22:52:43 ID:eu18v7YQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 486 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 22:52:58 ID:W7KzdRSg [14/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピッグ「ハ……ハァ? ……ハァ?! ハァァァァァァァァ!?!」

シロナ(つ、強いっ!)


サカキ「はて……? お前の操る野生ポケモン……ずいぶんと減ったもんだな?」


ピッグ「ブッ……ブヒ」タラタラタラ…



サカキ「俺は餓鬼の頃から戦いに明け暮れた。この程度の対多数戦闘なんて馴れたもんだ」
 ▼ 487 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 22:54:15 ID:W7KzdRSg [15/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「例えば……南西方向には、息をひそめて隠れている野生ポケモンが三体。俺のすぐ後方には別のポケモンの気配が数体分は感じられるな。さらに北東方向には……毒ポケモンの伏兵か? 毒の臭いが微かにする」

サカキ「どうだ、当たってるか?」


ピッグ(う、嘘だろ……!?)


サカキ「相手が悪かったな……豚野郎」


ピッグ「ブヒ……」


サカキ「万が一にも、お前に勝機はない……!!」
 ▼ 488 1◆zBLfAqPIVA 17/10/12 22:54:35 ID:W7KzdRSg [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それでは本日はここまで
また明日更新
 ▼ 489 1◆zBLfAqPIVA 17/10/13 20:42:47 ID:rWmNl4JI [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピッグ「し、し……仕方ねぇ! この奥の手は出来れば使いたくなかったんだが……!」


サカキ「?」


ピッグ「オイのとっておきの兵士を出してやる……!」


ピッグ「来いっ、ウルガモス!!」


ウルガモス「ガモォ……」


サカキ「ウルガモスだと? こんなところに野生のウルガモスなんて……」
 ▼ 490 1◆zBLfAqPIVA 17/10/13 20:44:27 ID:rWmNl4JI [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピッグ「ブヒ、そうさ。ウルガモスは通常カントーには生息しねぇポケモンさぁ!」

ピッグ「このウルガモスはそこらの野生じゃねぇ、特別だ! オイがいつも連れているとっておきの兵士!!」

ピッグ「一度暴れたら、なかなか制御ができないもんでねぇ! なかなか使いどころが無かったんだが……」



ピッグ「ウルガモス、やっちまえ!!」


ウルガモス「ォォォォォォォォォンッッ!!!」


サカキ「……なるほど、とっておきの兵士か」


シロナ「……ガブリアス、いくわよ!」


ガブリアス「ガァァァ!!」
 ▼ 491 1◆zBLfAqPIVA 17/10/13 20:45:33 ID:rWmNl4JI [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「……なるほど、とっておきの兵士か」


シロナ「……ガブリアス、いくわよ!」

ガブリアス「ガァァァ!!」


サカキ「いや、シロナとやら。待ってくれないか? このウルガモスは俺が倒そう」

シロナ「えっ?」


サカキ「フ、ウルガモスか。さっきの雑魚どもよりは手応えあるんだろうな?」


シロナ「サ、サカキさん?」
 ▼ 492 1◆zBLfAqPIVA 17/10/13 20:46:44 ID:rWmNl4JI [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「あんたは周りの雑魚を片付けてくれないか。俺はこっちに集中したいもんでね……」


サカキ「ニドクイン、ニドキング! 戻れ!」ボシュッ!!


サカキ「さぁ行くぞ、俺の相棒! スピアーッッ!!」


スピアー「スピィィィィィィッ!!」


シロナ(ス、スピアー!?)


サカキ「長い間の特訓の成果で掴んだ進化を越える進化! 見せてくれよう!!」


サカキ「スピアー、メガ進化だ!!」
 ▼ 493 ゲキッス@こだいのおうかん 17/10/15 14:07:35 ID:lvD/5/7I NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 494 1◆zBLfAqPIVA 17/10/16 22:54:49 ID:jVVTBXYM [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキがメガストーンを天に掲げる。

すると、周辺一帯に鋭い針の先端のような白い光が散乱した。

その輝きと共に現れたのは、只のスピアーではない。
それは、雄々しき圧倒的な威厳を誇る──歴戦の猛者の姿であった。



シロナ(メガ進化……!)


ピッグ(こ、こいつは……)


サカキ「さぁ、せいぜい楽しませてくれよ!」


メガスピアー「スピッ!!!」
 ▼ 495 1◆zBLfAqPIVA 17/10/16 22:56:47 ID:jVVTBXYM [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピッグ「ブヒヒ……ウルガモス、加減はいらねぇ! 暴れろ! とにかく奴等を片付けろ!」

ウルガモス「オォォォン!!」バサッバサッ…

ピッグ「おい、野生ポケモンども! てめぇらはウルガモスの援護だ、先ずはあのサカキって男を狙え!」

野生ポケモンたち「グォォォォォォォ!!!!」


シロナ「待ちなさい!」

ピッグ「……っ!!」


シロナ「私がサカキさんを必ずお守りします! チャンピオンの名を懸けて……!」

シロナ「ガブリアス、あの森の茂みにいる兵から片付けるわよ!」


ガブリアス「ガァァァァァァァブッ!!!」



ピッグ「プギギギッ!!? じゃ、じゃ……邪魔をぉぉぉぉぉぉ……!!」
 ▼ 496 1◆zBLfAqPIVA 17/10/16 22:59:26 ID:jVVTBXYM [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「メガスピアー、こうそくいどう。 ウルガモスを翻弄しろ……!」


メガスピアー「スピスピッ!!!」ブォンッ!!


ウルガモス「!?」キョロキョロ


ピッグ「ウルガモス落ち着けェ! ねっぷうで周辺を無差別に焦がせば、敵がどんなスピードで動いてようが関係なくなる!!」


ウルガモス「……! オォォォォォォンッ!!!」
 ▼ 497 1◆zBLfAqPIVA 17/10/16 23:04:05 ID:jVVTBXYM [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ(馬鹿め……。それだけの大技を繰り出すとなると、その隙は大きくなるぞ……。選択を誤ったな!)


サカキ「メガスピアー、ウルガモスの下に潜り込め! そうすればねっぷうを避けられる! そしてそのまま……下方向から《みだれづき》!!」

メガスピアー「スピッ!!!」



ドドドドドドドドドドドッッッッ!!!



ウルガモス「ガモモッ……!!?」


ピッグ(ただのみだれづきの威力じゃねぇ……!?)


高速移動は、ウルガモスを惑わせるのみの効果に非ず。

スピードを上昇させることにより、その運動エネルギーは二次曲線的に増加、スピアー自身の攻撃を更に強力なものに進化させているのだ。

 ▼ 498 1◆zBLfAqPIVA 17/10/16 23:06:24 ID:jVVTBXYM [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウルガモス「ガッ……ガモモモモ……!!」


ピッグ「ウルガモス、何をモタモタしている!? ちょうのまいだ、能力を上げて一気に攻めろぉ!」


サカキ(……今更になって、能力を積むのか)


ウルガモス「ガモォォォォ!!!」


サカキ「おい、豚野郎」


ピッグ「あぁ!?」
 ▼ 499 1◆zBLfAqPIVA 17/10/16 23:08:36 ID:jVVTBXYM [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「どういう原理かは知らんが……お前は、大量のポケモンを同時に洗脳する力を持っているんだったな」


ピッグ「プギ……それがどうしたんだよぉ!!」


サカキ「フフ……どれだけ上等な洗脳能力を持とうが、その使い手が弱くては宝の持ち腐れだと思ってな」


ピッグ「!!」


サカキ「────過去、俺を倒した『あるトレーナー』は、貴様のような能力を持たずして、ポケモンとの信頼のみで完璧な戦闘を見せてくれた。……あの感動は未だに忘れえぬものとして俺の記憶に刻まれている」


ピッグ「てっ、てめぇは何が言いてぇんだぁ? オイは弱くねぇ、負けるのはてめぇなんだよぉぉぉ!!」


サカキ「……話にならんな。もういい、ここで終わりだ」
 ▼ 500 1◆zBLfAqPIVA 17/10/16 23:09:56 ID:jVVTBXYM [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「メガスピアー、影分身」

メガスピアー「スピピッ!」ブォンッ!!ブォンッ!!

サカキ「更に、こうそくいどう」


メガスピアー「スピッ!!!」ビュッ!!!

ピッグ「!?」


最早肉眼では追えない驚異の速度で動くメガスピアーは、周囲の地面から多量の砂塵を巻き上げていた。

それに加え、次々と増えゆく影分身の数々。ウルガモスを討伐する包囲網が、今ここに完成する。

砂塵で視界を奪われた上、多数の分身が高速で四方八方を駆け抜ける。

何処から攻撃が飛んでくるのか……全く分からない。



ピッグの顔が青ざめる。
 ▼ 501 1◆zBLfAqPIVA 17/10/16 23:11:20 ID:jVVTBXYM [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「チェックメイトだ……つばめがえし」

────スパンッ!!


刹那、空をも切り裂く鋭い音が鳴り響く。


ウルガモス「ガモッ……」ドサァッ…


勝負は呆気なく終わった。

ウルガモスはその場で倒れ、同時に周りの野生ポケモンたちの動きも止まった。

そして、ピッグは両手を上に挙げて頭を垂れていた。
これは……降伏の印。

それは恐怖なのか、悔恨なのか、憤怒を表すのか。
彼はワナワナと小刻みに身体を震わせ、サカキに対して不戦の意思を見せたのである。


ピッグ「う、ぐぐ……」


サカキ「……終わったみたいだな」
 ▼ 502 1◆zBLfAqPIVA 17/10/16 23:12:11 ID:jVVTBXYM [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ーーートキワの森の戦いーーー

サカキ&シロナVSピッグ

結果:サカキ&シロナの勝ち。
 ▼ 503 1◆zBLfAqPIVA 17/10/16 23:13:24 ID:jVVTBXYM [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


続きはまた明日以降!

 ▼ 504 ダイトス@かわらのかけら 17/10/17 07:15:39 ID:x2cCi9wI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 505 チャブル@あさせのかいがら 17/10/17 16:04:46 ID:XjQpIG2Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援です。
 ▼ 506 ピンロトム@イトケのみ 17/10/17 18:25:47 ID:yfJMA0RM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 507 ーディン@しめつけバンド 17/10/17 19:33:19 ID:/Lj098cU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 508 1◆zBLfAqPIVA 17/10/17 23:43:36 ID:cI3vPG1M [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シロナ(私、あんまり活躍できなかった……)


サカキ「やれやれ、12分か……想像より時間がかかってしまった」


ピッグ「ナンデ……ナンデマケタンダ……」ブツブツ


サカキ「……おい、豚野郎」


ピッグ「────ブヒッ、な、何でしょうか!?」


サカキ「何でしょうか、じゃないだろ。お前の隠しているあらゆる情報……さっさと話してもらうぞ……!!」


ピッグ「……うぅ」
 ▼ 509 1◆zBLfAqPIVA 17/10/17 23:45:50 ID:cI3vPG1M [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──そして、舞台は更に移り変わり、ここはマサラタウン・オーキド研究所前。

ワタル「プテラ、りゅうのいぶき」


プテラ「ギャァァァァォォォォォォ!!」


ズゴォォォォォォォォンッ!!!!


エードリアン「危ないっ!? ひえっ!? 当たるぅ!!」


ワタル「避けてばかりだな……正面からかかってくればいいものを」


エードリアン「う、噂にゃ聞いてたけど、まさかこんなに躊躇いなく人間に技を撃つのかよ……。こっ、この人でなし!」
 ▼ 510 1◆zBLfAqPIVA 17/10/17 23:47:50 ID:cI3vPG1M [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタル「カイリュー、はかいこうせん」

カイリュー「グォォォォ!!」

ドゴォォォォォォンッ!!!!


エードリアン「お、鬼っ! 悪魔っ! 疫病神っ! 人に向かって、はかいこうせんはいけませんヨッ!」


ワタル(この男、さっきからマトモに戦う様子が見えないな。何か罠でもあるのか?)


エードリアン(チェッ!! こんなんだったら別の仕事したかったなぁ♪ ゲンの野郎が羨ましいよ!)

ワタル「……あまり時間を浪費したくないもんでな。全力でいくぞ……プテラ、げんしのちから!!」

プテラ「ギャァオォンッ!!」



エードリアン「……あんま調子に乗ンなよ?」ボソッ
 ▼ 511 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:11:53 ID:c7i66UE6 [1/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エードリアンは曲芸師よろしくアクロバットな動きで、プテラの攻撃をかわした。

そして、彼はプテラの顔面に向け、自らの頭部を突き出したのである。

────瞬間、プテラの眼前をチカチカした何かが覆う。

思わぬ出来事にプテラは眼を瞑ってしまうが、それはエードリアンの罠であった。


エードリアン「さぁ……眠れ、プテラ!」


プテラ「ギャオ……」ウトウト

ワタル「プテラ!?」
 ▼ 512 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:12:54 ID:c7i66UE6 [2/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタルの声は既にプテラには届かない。

エードリアンの頭部から放出された物質は、キノコのほうし。

これを被った者は問答無用で眠らせてしまう────謂わば、エードリアンの兵器の一つである。

エードリアン「さぁて、いただきまぁぁぁす……♪」

エードリアンの行動は素早い。

眠りにつき地面に不時着したプテラに近づいた彼は、そのまま密着し、プテラの硬質の皮膚を口で吸い取り始めたのである。


エードリアン「あぁぁ〜っ!! 美味しい美味しい美味しいッ!! プテラ君美味しすぎるよぉ〜っ!!」ビクンビクンッ
 ▼ 513 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:13:41 ID:c7i66UE6 [3/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プテラ「クゥーン……」スヤスヤ

ワタル(プテラの様子が変だ……眠らされた上に、HPが減らされている?!)


ワタル「何をしたんだお前……!?」


エードリアンは舌なめずりをして、愕然とするワタルの姿を嘲るように肩を大きく揺らした。

エードリアン「何が何だかって顔だネ。教えてやろう、ボクは神に選ばれた人間──マシェードというポケモンの力を得た新人類なのサ♪」
 ▼ 514 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:14:38 ID:c7i66UE6 [4/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========
file15

マシェードのエードリアン
ランク五位(数年前の時点で)

ポケモン移植研究所・外部出張部隊『通称:影の三人衆』のリーダーを務める猛者。
元々は亀五郎を超える戦闘力を持つ筆頭被験体の一人だったが、
施設研究班からのスカウトにより出世した。
性格はお調子者だが、それに惑わされてはいけない。
敵を眠らせる「キノコのほうし」と
相手のエネルギーを吸収する「ちからをすいとる」のコンボはとても凶悪なのだ。

よなかに マシェードのすむ もりに いくのは きけん。 あやしいひかりに まどわされ にどと かえれなくなる。あやしいひかりの しょうたいは てんめつする ほうしだ。 ほうしを ふきだし ねむりに いざなう。 ねむった えものの せいきを すいとるぞ。

サン・ムーン図鑑説明文より抜粋。
========
 ▼ 515 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:15:11 ID:c7i66UE6 [5/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタル「……確かに理解が追い付かん状況だが、だったら尚更のこと貴様から事情を聞かんとな」


ワタル「カイリュー……やるぞ!」


カイリュー「クォォォォォンッ!!」


エードリアン「アハハハハッ! それじゃあもう一度っ……キノコのほうしぃぃ!!」


またもエードリアンの頭部から煌く粉が噴出される。
しかし先程とは違い、それは初見殺しの攻撃にはなり得ない。


ワタルはカイリューに指示した。

ワタル「あの粉は触れちゃ駄目だっ! カイリュー、左に飛んでかわせっ!!」
 ▼ 516 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:16:08 ID:c7i66UE6 [6/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エードリアン「そちらに逃げることは予測済みだ……喰らえっ、マジカルシャインッ!!」


ワタル(何故だ……、人間がポケモンの技を使うなんてことっ……!!)


エードリアンから溢れ出る光は一つのエネルギー体となって凝縮される。

そして、彼はそれを、カイリューに向けて撃ちだした。


カイリュー「……!!」

────カッ!!


マサラの上空で大きな爆発が起きる。

エードリアンの技はカイリューに直撃。

黒煙と白煙を撒き散らしながら、エネルギー体は霧散消失した。
 ▼ 517 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:16:38 ID:c7i66UE6 [7/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エードリアン「ケケケ……」

カイリュー「クォォォォッ!!」

エードリアン「!?」

カイリューはまだ敗北してはいない。

それなりのダメージを受けたことに違いはないが、煙を突っ切って、カイリューはエードリアンに急接近した。

これでは胞子を繰り出す暇もない。

エードリアンの背筋に悪寒が走る。

ワタル「いけっ、ドラゴンクローッ!」
 ▼ 518 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:18:01 ID:c7i66UE6 [8/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カイリューの爪がエードリアンに直撃────彼はゴム毬のように弾き飛ばされ、オーキド研究所の壁に激突した。

……しまった、生身の人間にやりすぎてしまったか。

────ワタルがそう思った、その時。


エードリアン「ああああああああああっ!! いでぇんだヨ! この腐れマント野郎がぁぁぁ!!」


エードリアンは声が枯れるほど喚きながらも、至極平然に立ち上がったのである。

ワタルも思わず眼を見開き、心の底から驚嘆する。


エードリアン(……フェアリータイプを含むマシェード細胞のおかげでドラゴン技への耐性は当然強いさ! だが所詮は俺も人間の肉体! ポケモンと同じようにはいかねぇ! 痛いものは痛ぇんだよ!!)
 ▼ 519 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:18:50 ID:c7i66UE6 [9/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタル「……まったく、幻でも見せられた気分だ」


エードリアン「やはりチャンピオンを舐めすぎちゃあイカンねェ。……それなら、ここからは本気の本気ダ!」


エードリアン「マジカルシャインッ!!」


エードリアンの攻撃は更にその苛烈さを増す。

マジカルシャインの攻撃は今や、嵐のような弾幕と化してカイリューに襲い掛かる。

紙一重で回避するものもあれば、モロに喰らう弾もある。

どちらにせよ、このままではジリ貧だ。

常人なら焦燥で己を見失う状況。

────だが、ワタルはあくまで冷静そのものであった。
 ▼ 520 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:20:18 ID:c7i66UE6 [10/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタル(奴の能力は大体の予想はついている。────先程、奴はプテラに抱きつき『何か』をしていた。……恐らくは、エネルギーの吸収だ。プテラの体力はいつの間にか大幅に減らされ、奴はそれとは対照的に元気になっていった)


ワタル(つまり、今の奴はエネルギー満タン状態だと言える……。しかし、そうなると俺たちに出来ることは一つだけ……)


ワタル「カイリュー!! 奴を倒すのは少々骨が折れる……ひたすら耐えてからの作戦パターンLで行くぞ!」


カイリュー「ヴォフッ!」

エードリアン(作戦パターンL……?)
 ▼ 521 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:21:47 ID:c7i66UE6 [11/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタルとカイリューの始めた行動は余りにも泥臭いもの。

エードリアンがエネルギー切れを起こすまで、ただひたすら回避を続けるだけのことだった。

何とか倒れないように、何とか負けないように、カイリューの忍耐の時間は続く。

────そして、十数分後。


両者はフラフラの状態になっていた。


エードリアン「はぁ、はぁ……あぁぁ……しゃらくせェ!!」

エードリアン(もうボクのエネルギーも限界に近イ……。しかし、驚くべきはここまで生き延び続けるカイリューのタフネスだ! 生半可な特訓じゃあそこまでいかねぇってのニ……!!)
 ▼ 522 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:22:47 ID:c7i66UE6 [12/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エードリアン「ええい、こうなれば……♪」

エードリアンは口角を上げ、不気味な笑顔を浮かべた後、ワタルの方を向いた。

すると彼は、ワタルに接近し始めたのである。


エードリアン「ワタルゥゥ……お前のエネルギーを吸わせろォォォ!!」


まるで死霊の如く忍び寄るエードリアンの姿には、誰もが畏怖を感じざるを得ない。

ワタルは汗粒を一つ額に流しつつ、彼に言い放った。


ワタル「予想通りだ。エネルギー切れを起こしたお前は、俺を狙いにくると思ってた……。カイリュー! 今がチャンスだ!!」
 ▼ 523 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:23:41 ID:c7i66UE6 [13/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カイリューがエードリアンの直ぐ背面に立つ。

しかし、エードリアンの反応は早い。

彼は咄嗟に振り返ると、カイリューに頭部を向けた。


エードリアン「残念だったな……この距離なら外すことはない! 絶対不可避のキノコのほうしを喰ら──────」

ワタル「カイリュー、しんぴのまもりを使って胞子を防衛しろ……!」

エードリアン「!?」


エードリアンの動きが止まる。

しんぴのまもりは状態異常を防ぐ技だ。

これではキノコのほうしは無効になってしまう……!
 ▼ 524 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:27:08 ID:c7i66UE6 [14/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタル「────ああ、嘘だ。このカイリューは『しんぴのまもり』を覚えてなかったんだった」

ワタルの言葉にエードリアンは愕然とする。

エードリアン「ふっ、ふざけん────」



ワタル「カイリュー、はかいこうせん!!」



カイリューの口から白く輝かしい光線が発射された。

途轍もない威力だ。

光線を直接喰らってしまったエードリアンの意識が、次第に吹き飛んでいく。


白に包まれる視界の中、彼は思った。


エードリアン(最後の最後で嘘とか……卑怯じゃね……?)


決着が着いた。

勝者はワタルとカイリュー。
大きく口を開け、大の字で倒れるエードリアンを前に、ワタルは静かに語った。


ワタル「……作戦パターンLは『Liar(嘘つき)』のLだ。精神的に追い詰められた相手に嘘というのはとても有効な手段でね……。これもまた、戦略の一つなんだよ」
 ▼ 525 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:27:24 ID:c7i66UE6 [15/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ーーーマサラタウンの戦いーーー

ワタルVSエードリアン

結果:ワタルの勝ち
 ▼ 526 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:29:05 ID:c7i66UE6 [16/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それから一時間後。
ピッグを撃破後、サカキたちはトキワシティに移動していた。

サカキ「なるほど。その能力の正体は細胞移植手術によるもの、か」

ピッグ「ブ、ヒヒ……そのとおりです……」

サカキ「ふん……なるほどな。何となく察しがついた気がするよ」

シロナ「察しがついた……と言いますと?」

サカキ「今回の事件の首謀者のことだ。恐らく首謀者は、俺がよく知る人物……。『彼』の才能は、ロケット団でも大いに役立った……」

シロナ「そ、その首謀者とは一体……!?」

サカキ「……それは────」
 ▼ 527 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:30:04 ID:c7i66UE6 [17/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
──────
─────────


=ポケモン移植研究所・最深部=

蝋燭の灯だけがゆらゆら揺れる暗闇の中。
狭い牢獄に一人の男が監禁されていた。

老人「……久しぶりですな、オーキド博士」


オーキド「貴方ですか……。何故、このようなことをなされるのです」


オーキドの両手は手錠で拘束され、脚には大きな黒い鉄球が括り付けられている。

たいした食事も貰っていないのだろう。
彼の頬はこけ、目の下は黒ずみ落ち窪んでいた。
 ▼ 528 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:31:16 ID:c7i66UE6 [18/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
老人「そりゃ答えは簡単ですとも。私の研究を世間に認めさせる! ただ単にこれだけですよ。そのためなら世界を壊したって構いませんがね」


オーキド「……」


老人「移植研究は最終段階に入りました。残るは移植された実験体を『心のない戦闘兵器』にするのみです。 ……計画は極めて順調ですよ」


オーキド「昔の貴方は、そんな人間ではなかった。ただ純粋に未知を探求する天才────それが本来の貴方だ。一体、どうしてしまったのですか……フジ博士っ!!」






フジ「……フン」







フジ「……人間とは変わりゆく生き物だよ、オーキド博士。まぁ、そんなことはどうでもいいのだ。私がここに来たのは、君と雑談をするためではない」

フジ「現在、施設内には『レイ』と呼ばれる不思議なチカラを持った青年がいる……!! なぁオーキド博士や、君はこの子のことを……知ってるね?」



オーキド「……!!」
 ▼ 529 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:31:36 ID:c7i66UE6 [19/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第七話

ー完ー
 ▼ 530 1◆zBLfAqPIVA 17/10/18 23:33:41 ID:c7i66UE6 [20/20] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日はここまで。
二年前の時点と比べると、ここらあたりから大きくシナリオが違ってくることかと思われます

これから物語は、更なる真相に迫っていきます
 ▼ 531 ロマツ@バンギラスナイト 17/10/18 23:41:35 ID:1FphSg6I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 532 ーフィア@かいがらのすず 17/10/19 19:24:19 ID:SvSDLAfw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『ちからをすいとる』は攻撃技じゃないのでHPは減りませんね
エネルギー吸収という描写だけならそんな大差ないですけど
『ギガドレイン』を使ったと考えれば良いですかねw

支援です
 ▼ 533 1◆zBLfAqPIVA 17/10/19 19:29:57 ID:bmN0NoGw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>532
見事なにわかを晒しました
HPは減らないですよねぇ……反省します
 ▼ 534 1◆zBLfAqPIVA 17/10/20 22:02:49 ID:UlIVp9LU [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
第八話

「諸君、喝采せよ。喜劇は終わった」
 ▼ 535 1◆zBLfAqPIVA 17/10/20 22:16:07 ID:UlIVp9LU [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
────マサラタウン・オーキド研究所前

プテラ「ギャウ……」

ワタル「大丈夫か、プテラ」

プテラ「ガゥゥ!」


ワタル(……プテラのHPは減ってないようだ。エネルギーを吸いとると言っていたが……妙だな。てっきりギガドレインなどの吸収技を喰らったかと思ったんだが)


エードリアン「ケケッ……怪訝な顔をしてるネ。何か聞きたいことでもあるんじゃないかイ?」


ワタル「……もう起きたのか、随分と頑丈な身体をしてるんだな」


エードリアン「……そりゃボクはポケモンの細胞を移植された改造人間さ。一般人とは比べ物にならない身体能力を誇る」

 ▼ 536 1◆zBLfAqPIVA 17/10/20 22:34:00 ID:UlIVp9LU [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ワタル「改造人間か……。普通なら信じられない案件だが……俺は実際に貴様がポケモンの技を使っているところを見てしまってるしな……」


エードリアン「ククッ、信じざるを得ないだろ?」


ワタル「だが疑問は積もるばかりだな。まず、貴様が使った技……あれは何だ? 最初は早とちりしてしまったが、どうやらプテラのHPは減ってないようだ」


エードリアン「『ちからをすいとる』のことカ? あれは攻撃技じゃあない。アローラ地方のマシェードというポケモンだけが使える変化技さ」


ワタル「……アローラ地方?」


エードリアン「そうさ、カントーではアローラはあまり有名ではないみたいだからネ。まぁ、知らなくても無理はないだろウ」


ワタル(以前……アローラ出身のポケモン博士と戦ったことはあったが……。確かに盲点だった。『ちからをすいとる』か……あんな技があったとは)


エードリアン「質問はそれで終わりか? それじゃあ、この両手両足に結ばれた縄を外してくれヨ。さっきから背中が痒いのに掻けなくてムズムズするんダ」


ワタル「馬鹿を言うな────まだまだ聞きたいことはたくさんあるんだ。それじゃあ次の質問だ。……お前たちを操ってる黒幕は……今、どこに潜伏している」


エードリアン「……!」
 ▼ 537 1◆zBLfAqPIVA 17/10/20 22:41:46 ID:UlIVp9LU [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
エードリアン「んん〜……まぁいっか、仕方がない。特別に教えてやろウ」


ワタル「……やけに素直じゃないか」


エードリアン「どうせ任務を失敗したボクは、研究所の刺客に殺される運命サ。だったら、お前達がこれからどんな運命を辿るか──それを傍観するのも一興だロ?」


ワタル「……」




エードリアン「────ナナシマ。ポケモン移植研究所は、ナナシマの地下や海底に、まるで蜘蛛の巣のように張り巡らされているのサ……」


ワタル「ナナシマだと……!?」
 ▼ 538 1◆zBLfAqPIVA 17/10/20 22:42:45 ID:UlIVp9LU [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
短いですが今日はここまで。
続きは明日。
 ▼ 539 ルダック@わざマシンケース 17/10/21 00:30:48 ID:SBpQGiIo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 540 ヌギダマ@しあわせタマゴ 17/10/21 10:47:13 ID:54YPC226 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 541 1◆zBLfAqPIVA 17/10/21 23:43:22 ID:gRkhpHn6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミロップ派閥アジトにて────

シュン「よし! ……いつまでもミミロップ派閥にお世話になってるわけにはいかない! そろそろボクたちもアジトに帰ることにしようか、みんな」


カオル「そうしたほうが良さそうね」


ルーズ「よっしゃ、帰ろう!!」


ミミ「えぇ〜! シュン様だけ残ってよ〜!!」


ユキミ「ミミさん、もう諦めましょ? シュンさんにも帰るべき場所があるんだから」


ミミ「むぅぅぅ〜……!」


リーフ「シュンさんにはまた会えますよ」ニコッ


シュン(あ、危ない……またミミに拘束されるところだった……)

シュン「じゃあお邪魔します。ミミロップ派閥の皆さ────」


レイ「あっ、シュンさん! 待ってください!」


シュン「ん? ……どうしたんだい?」


レイ「あ、いやその……フラー君のことなんですけど……」


シュン(確か……ガブリアス派閥の子だったっけ)


レイ「俺、フラー君にはかなり助けてもらいましたし」

レイ「彼に礼もしたいんで……彼も一度、エルレイド派閥アジトに連れてってもらえないですかね……なんて」
 ▼ 542 1◆zBLfAqPIVA 17/10/21 23:50:51 ID:gRkhpHn6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「!」


カオル「だめよ! 厳しいこと言うようだけど、彼はガブリアス派閥の子だわ! 他の派閥の子との交流は避けて欲しいのよ、面倒を産む可能性もあるし……」


レイ「そう、ですか……」


カオル「特に、『今』のガブリアス派閥にはあまり関わり合いになりたくないもの……」


レイ「……」



シュン「……いや……いいと思うよ」

カオル「!?」


シュン「フラー君だったっけ? 連れてきても良いんじゃないかな……」


ルーズ「リーダー、何言ってるの」

カオル「か、彼はガブリアス派閥の子よ?」


シュン「だからこそさ」ボソッ

カオル「……?」

シュン「彼からもしかしたら……ガブリアス派閥の内情を聞き出せるかもしれないじゃないか」ヒソヒソ


カオル「……!」


シュン(正直、ガブリエルの奴の思考がどうなってるのか把握出来ていない。……フラー君とやらから、何か聞き出せるといいんだけど)



シュン「レイ君! フラー君を呼んできてくれないか? 彼を我々のアジトに招待しよう……!」


レイ「はっ……はい!!」


カオル(ガブリアス派閥の内情を聞き出すなんて。そんなの簡単にいくのかしら……?)

カオル「何かあったときは、責任はリーダーがとってよね」


シュン「……りょーかい」
 ▼ 543 1◆zBLfAqPIVA 17/10/21 23:56:09 ID:gRkhpHn6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミミロップ派閥・とある小部屋。


フラー「……」




フラー(エルレイド派閥、か。……いいよなぁ、暖かくて……。まるで家族みたいで……)


ガチャッ……ガチャガチャッ!!

バタンッ!


フラー「!」


レイ「……あっ、こんなところにいたんだ。やっと見つけられた」


フラー「レ、レイさん?」


レイ「ねぇ、フラー君!! 突然の話になるんだけど────今からさ、俺たちのアジトに来ないかい!?」


フラー「えっ……エルレイド派閥の、アジトに……?」
 ▼ 544 1◆zBLfAqPIVA 17/10/22 00:06:40 ID:gHogS9d6 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
──────
────────
──────────

=ポケモン移植研究所・本会議室=


研究員1「……おや、主任。どこに行っておられたのですか」


フジ「オーキドの爺を少々尋問しておった。レイと名乗る少年のことを少しでも聞いておきたくてな」


研究員1「それで……何か、お分かりになられたことでも?」


フジ「残念じゃが収穫は少なかった。随分と口のかたい奴だ。……だが、オーキドはあのレイという少年と密接な関係にあるようだ」

研究員1「!」


フジ「……暗殺部隊を明日にでも施設に送れ、レイとやらを直ぐにでも殺してやらねばならぬ」


研究員1「暗殺部隊をですか……!」


フジ「計画にズレが生じてはならぬ。不穏分子は少しでも取り除かねば」
 ▼ 545 1◆zBLfAqPIVA 17/10/22 00:35:40 ID:gHogS9d6 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガタンッ……ガタガタッ……!!

研究員2「────しゅ、主任! ここに居られましたかっ。……たっ、大変なことが起きましたっ!」


フジ「騒がしいな……今度はどうした」


研究員2「じ、実は……偵察班から緊急連絡がありました。現在、ナナシマに不審な集団が近づいているらしいのです!」


フジ「……っ!!」


研究員2「そ、その集団の中には、国際警察の一員や、各地方のチャンピオンも発見されたとのことで────」


フジ「……なるほど、影の三人衆が突破されたということか。まったく……次から次へと、不穏分子ばかり現れおって!!」


研究員1「ど……どう致しますか、主任」



フジ(国際警察に加え、チャンピオンの集まりか……。アデクやリボースだけではカバーしきれんかもな)

フジ「……間もなく、大規模な『改造人間狩り』が始まる。その邪魔だけはされるわけにはいかん」



フジ「────仕方がない、これは奥の手だったが……。UB軍から、ツルギとカグヤのコンビを出動させろ!! 奴等なら必ずや、敵を殲滅してくれるだろう……!!」


研究員1「そ、そんな馬鹿なことを……。あ、アレはまだ精神の調整不足もありますし……!!」


フジ「私の言うことを……聞けんのか?」


研究員1「……!」ゾクッ
 ▼ 546 1◆zBLfAqPIVA 17/10/22 00:54:45 ID:gHogS9d6 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フジ「さて……『改造人間狩り』は以前から決まっていた通り、全て『ブイズ隊』に一任してある。準備が出来次第、奴等をすぐに出動させろ!」


フジ「────レイとやらの処理は暗殺部隊の仕事だ。手の空いている研究員は、ダイルの奴をここに呼んでこい!」


フジ「────チャンピオンや国際警察への防衛策は『アデク』『リボース』『ツルギ』『カグヤ』に任せることにした! それぞれへの連絡を怠るんじゃないぞ!!」


フジ「分かったら返事!!」


研究員たち「御意!!」



フジ「さぁ諸君、喝采せよ。喜劇は終わりだ! これまで続いた生ぬるい展開もここまでになろう! 全ては、世界の支配のために!!!!」
 ▼ 547 1◆zBLfAqPIVA 17/10/22 00:55:50 ID:gHogS9d6 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまで。
 ▼ 548 ダック@スピードボール 17/10/22 19:35:59 ID:35jUr8pQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 549 ーシャン@ウッディメール 17/10/22 23:15:36 ID:xHtFNGwQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 550 リテヤマ@ラッキーパンチ 17/10/24 00:48:57 ID:SJ3Hmckg NGネーム登録 NGID登録 報告
ガブリエル支援
書こうと思ったけどまっっっっっっっっっっっったく想像できん
 ▼ 551 イリキー@メカニカルメール 17/10/28 13:38:10 ID:WqFxKdTc NGネーム登録 NGID登録 報告
再度あげ
 ▼ 552 ルセウス@こころのしずく 17/10/31 10:29:11 ID:ZY6dtghk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえ
 ▼ 553 ルバット@ルビー 17/10/31 16:20:47 ID:xwtRn0io NGネーム登録 NGID登録 報告
あげんがーめいるみーぜ
 ▼ 554 ルバット@かおるキノコ 17/10/31 23:09:51 ID:v6A3ok7s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 555 ガネール@にじいろのはね 17/11/04 23:30:03 ID:M.6JW1wU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
また失踪しませんよね?
 ▼ 556 1◆zBLfAqPIVA 17/11/04 23:35:07 ID:5XEl6s9I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
更新遅れてしまい非常に申し訳ありません
仕事に加え、不覚にも某配管工のゲームソフトに嵌まってしまったこともありまして、このようなことになってしまいました

明日の深夜に更新致します
USUM発売時も更新が滞るかもしれませんがお許しください
マッシブーンSSも近いうちに更新したいです
 ▼ 557 1◆zBLfAqPIVA 17/11/06 19:23:40 ID:y3x5.AtI [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
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──────
────────

〜ナナシマ 7のしま しっぽうけいこく〜

崖の上に青年が一人。

彼の名はリボース。

デオキシスの能力を持ち、施設内戦闘力ランキングでは、常に不動の一位を誇る研究施設の切り札である。

彼は思いっきり口を開け、欠伸をしながら、海の向こうを呆然と眺めていた。

リボース「……ファァ」


???「おい、リボースゥ! そんなところで何故、突っ立ってる!?」


そこにやって来たのは、身長160pにも満たない小柄な少年と、それとは対照的に、圧倒的な存在感を放つ巨大な和服の女性である。

二人を交互に見つめ、リボースは囁くような声量で言った。


リボース「……なんだ、君たちか。僕はフジ様から最終防衛ラインを任されただけさ。国際警察とチャンピオン達が間もなく来るんだって……」

リボース「僕なんかに防衛出来るのか不安で仕方ないんだけどね……ブツブツ」
 ▼ 558 1◆zBLfAqPIVA 17/11/06 19:26:00 ID:y3x5.AtI [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「ハッ! リボースの底抜けた暗さは相変わらずだな! ────だがまぁ安心したまえ。お前の出番だが、今回は無い! 何故なら、この防衛には我々も参加するのだからっ! なぁ、カグヤ?」


この場の誰よりも小柄にも関わらず、少年が尊大にかつ、生意気に語っていると、隣の巨大な女性は挙動不審な様子で周りをキョロキョロしながら、小声で喋った。


カグヤ「しょ、正直、私も防衛できるか不安なんですけど……ツルギ様」


ツルギ「なぁぁぁにを心配してるんだカグヤ! そのデカい図体は飾りか!? あぁ!? こんな暴力的なオッパイぶらさげやがって!!」ペチンペチン


カグヤ「ふぇぇぇっ……お胸をそんな叩かないでくださいまし、ツルギ様ぁ」ブルンブルン


リボース(すごい揺れてる……)


ツルギ「────とにかく、1のしまにおける第一防衛ラインは、我々二人が担当することになった! つまり、敵さんが最終防衛ラインに辿り着くことは万が一にも有り得ないってことさ!!」


リボース「……うん、期待してるよ……ブツブツ」
 ▼ 559 1◆zBLfAqPIVA 17/11/06 19:27:03 ID:y3x5.AtI [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
=ポケモン移植手術研究施設・フジ博士の部屋=

──コンコン
ドアを叩く音がする。


フジ博士はコーヒーカップを片手に、気怠そうに呟いた。


フジ「……入りたまえ」


???「おう、失礼するぜ」


部屋に入ってきたのは明らかに粗野な風貌の中年男性。

ジャラジャラと金属をぶら下げながら歩いてきた彼は、これまた乱暴に部屋のソファに腰を下ろした。


フジ「オーダイルのダイルや。電話で伝えてあった通り、お前さんにある男の暗殺を頼みたいのだが」
 ▼ 560 1◆zBLfAqPIVA 17/11/06 19:27:45 ID:y3x5.AtI [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダイル「おう、聞いてるぜ。エルレイド派閥で匿われてるガキをぶち殺すんだろ? いつ頃が良い? 今からでもいいんだぜ」


フジ「────いや、実は国際警察やチャンピオンという面倒な案件もあってな。そちらを先に片付けてからにしたいところだ」


ダイル「しかしよ、聞いた話だと、あの影の三人衆もチャンピオンには手も足も出なかったと聞いてるぞ。大丈夫なのか?」


フジ「ふむ……心配は要らんよ。今回はあのウルトラビースト軍団から、カグヤとツルギの二人を出動させてある。上手くいけば……」


フジ「数時間後にはチャンピオンも、警察も、全滅してるかもしれんぞぉ……?」ニタァ
 ▼ 561 1◆zBLfAqPIVA 17/11/06 19:28:30 ID:y3x5.AtI [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダイル「ふーん……。それじゃあ、俺たち暗殺部隊はまだ休んでろってことだな?」


フジ「ああ、そうだがしかし、準備は常に完璧にしておきなさい。暗殺メンバー全員にそう伝えておいてくれ」


ダイル「……そういうの、余計なお世話って言うんだぜ爺さん」


傲慢を人の形にしたようなその男は、ニヒルな笑みを浮かべて部屋から退室していった。

一人残されたフジは、小刻みに肩を震わせ、ひとりごちる。


フジ「いやはや……随分と生意気だが、仕事は確実にこなすからのぉ。ああいう手合いが一番扱いづらいわい」
 ▼ 562 1◆zBLfAqPIVA 17/11/06 19:29:33 ID:y3x5.AtI [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──────────
────────
──────
────
──


海上。
国際警察専用船にて。

ダイゴ「この度は国際警察の協力まで得られ、感謝の極みですよ、ハンサムさん」


ハンサム「いや、気になさるな。ジムリーダー失踪事件が解決できるのなら、国際警察はいくらでも助力しますとも。────ところで、ワタルさんは?」


ダイゴ「ワタルさんはカイリューに乗って、上空から攻めるそうです。船に乗っているのは、僕と、シロナさんと、ナツメさん、そして────」



サザンクロス「ええい放さぬか下民ども! これは神をも怒らせる愚行であるぞ!!」

ピッグ「ブヒッ、うるさいなぁサザンクロス。もう警察に捕まってるんだからジタバタしたってしょーがないだろぉ?」

エードリアン「お腹すいたなぁ……」




ダイゴ「案内係として連れてきたあの変わった奴等ですね」
 ▼ 563 1◆zBLfAqPIVA 17/11/06 19:32:36 ID:y3x5.AtI [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハンサム「ふむ……それにしてもポケモンの能力を使う人間とは驚いた。一体、どういう原理でそんなことが可能になるのか────」



ツルギ「知りてぇなら教えてやろうか?」



一同「……っ!?!」





ツルギ「ウハハハハッ驚いてやんの、こいつら!」


カグヤ「あぁ、あぁ。不安ですわ……私たちに防衛できるのでしょうか」


ツルギ「まーだ不安がってんのか、カグヤァ! このオッパイ星人めぇぇ」クリクリクリ


カグヤ「あっ、ひゃわ……。そこは感じちゃ……だ、駄目ですよぉ」ウルウル




ダイゴ(こいつら、一体どこから……!?)
 ▼ 564 1◆zBLfAqPIVA 17/11/06 19:33:50 ID:y3x5.AtI [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
更新が遅れましたが、明日も更新していきます。
今日はここまで。
 ▼ 565 リープ@あおぞらプレート 17/11/06 20:54:31 ID:XWpfKNYE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 566 ガバンギラス@メンバーズカード 17/11/07 16:12:45 ID:3l3cH6hk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 567 ガオニゴーリ@ドラゴンZ 17/11/08 00:10:04 ID:J/eEehYk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
>>369
ありがとう!
 ▼ 568 1◆zBLfAqPIVA 17/11/08 23:44:59 ID:QkBY1Fl. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
=ナナシマ・5のしま=

キング「えぇ、えぇ〜……コホンッ。第二防衛ラインを務めさせていただきますわぁ〜、このワタクシ、ブースターのキングとぉ〜」


メイド「……シャワーズのメイド」


三十郎「そして、サンダースの三十郎様だぜぇ!!」


キング「更に更にぃ〜、この度は元イッシュチャンピオン『アデク』殿にも来ていただきましたぁ〜!!」


アデク「……フン」


キング「つまるところぉ〜何が言いたいかと申しますとぉ〜」


三十郎「てめぇらを決して、この先にゃあ通さねぇってことなんだよぉ!?」
 ▼ 569 1◆zBLfAqPIVA 17/11/08 23:55:26 ID:QkBY1Fl. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタル「ア、アデクさんっ……!?」


────ずっと空を飛んでいたはずのワタル達であったがその途中、突然の謎の飛行妨害をくらっていた。

仕方なく地上に降りようと、5の島についた彼らを待ち受けていたのは、如何にも怪しげな三人組と、まさかのアデクその人だったのである。


アデク「申し訳ないなワタルくん。……ワシには、どうしてもこうしなければならない理由があるのだよ。悪いが、全力で君たちの妨害をさせてもらう!!」


ワタル「っ!?」


これには流石のワタルも動揺を隠せない。
しかし、一緒にいたサカキは、その様子を一笑に付していた。


サカキ「ふっ……くだらんな。誰が相手だろうが、力づくで通させてもらう。……何を困惑しているワタル? 天下のチャンピオン様が情けない」


これはサカキからの叱責だ。
そのことに気付いたワタルは、自嘲したような笑みを浮かべ、ボソリと呟いた。


ワタル「……まさか、悪人からそんなことを言われるとは思わなかったよ」


サカキ「悪いが私には野望がある。その野望のためにも、移植手術などという邪魔な存在は消しておきたいものでな」


ワタル「……野望だと?」


サカキ「新生ロケット団のことだ。……まるで『虹』のように輝かしい組織を、今度こそ作ってみせるのさ」


ワタル「……聞き捨てならない話だが、まぁいい。今は……ここを突破するのみだ────!!」
 ▼ 570 ッサム@フォトアルバム 17/11/09 09:49:26 ID:.S7c5ihA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
虹のように・・・あっ
 ▼ 571 クレオン@すくすくこやし 17/11/12 23:25:01 ID:qjZxqbKg NGネーム登録 NGID登録 報告
レイって名前…あっ
 ▼ 572 メルゴン@ぼうごパッド 17/11/15 13:04:14 ID:L0fmmGHo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 573 ガガルーラ@コンテストパス 17/11/18 10:02:05 ID:HwxEPZyQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 574 コリータ@スチールメモリ 17/11/18 15:24:36 ID:NOd82b6Q NGネーム登録 NGID登録 報告
「レイ」ンボーロケット団!?
 ▼ 575 1◆zBLfAqPIVA 17/11/20 23:29:18 ID:NTJ3JEmc [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
──────
────────

暫時を経て、エルレイド派閥の面々はアジトに到着した。

カオル「はぁっ、アジトに帰ってくるのも何だか久々な感じ」


んっ、と声を漏らしつつ背筋を伸ばしたカオルは、そのままソファに倒れこむ。

スイゾーがその隣に座り、しみじみと呟いた。


スイゾー「実際、一日も経過していないがなぁ」
 ▼ 576 1◆zBLfAqPIVA 17/11/20 23:31:56 ID:NTJ3JEmc [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「みんな、お疲れ様。それじゃあ帰って来て早速で申し訳ないんだけど、ルーズとカオルが貰ってきた食料を使って、夕食を作ろうかと思うんだけど」


カオル「やったー! お腹すいてたのよぉ」

ルーズ「まるで子供みたいな反応しちゃってまぁ」

カオル「……一番ガキのアナタに言われたかないわよ」

ルーズ「なっ!?」


各々のやり取りを傍観しつつ、フラーは穏やかな微笑を浮かべる。


フラー「フ……フフフッ」ニコッ
 ▼ 577 1◆zBLfAqPIVA 17/11/21 00:11:07 ID:5IP/8Rrk [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「……」ジーッ…

その様子をレイが凝視する。

フラーは肩をビクリと揺らし、困惑しながら恐る恐る口を開いた。


フラー「……! な、何でしょうかっ……?」


レイ「フラー?」


フラー「えっ!? は、はい」


レイ「いや、君の笑顔初めて見たからさ。その────とっても、良い笑顔だと思って、エヘヘ」ニコッ


フラー「え……あ、ど、どうも、です……///」


レイ「ハハ、男同士なんだからもっと砕けて話そうよ」

フラー「……! そ、それは……」
 ▼ 578 1◆zBLfAqPIVA 17/11/21 00:20:51 ID:5IP/8Rrk [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
真正面から笑顔を褒められ、フラーは更に動揺していた。


──こういう時は、なんて言葉を返せばいいんだろう。


自身には決して縁がないと思っていた展開。

心がどうしようもなくドキドキしている。


最善足る返答を考えているうちに、レイはいつの間にかシュンたちの方を向いて、話を聞いていた。
 ▼ 579 1◆zBLfAqPIVA 17/11/21 00:42:40 ID:5IP/8Rrk [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「さぁ、ちゃちゃっと準備を開始しようか。今日は……フラー君がいるから、6人分の食器がいるね」


カオル「はい、じゃあリーダー料理お願いね。私たちはお皿とか運ぶから」

シュン「えっ、調理ボクだけでやるの」

カオル「もちろんよ? この中で器用なの、アナタしかいないでしょ。私たちは椅子とか机とかも準備しないといけないし」

シュン(な……なんか釈然としない)



レイ「それじゃあ……フラー、俺たちも何か手伝おうか」

フラー「は、はいっ……!」


────とにかく、フラーは久々の幸せを感じざるを得なかった。

ガブリアス派閥に居たときにはこんなに穏やかで牧歌的な光景は見たことがなかったのだ。

常に何者かの暴力と謀略が交差する環境とは、あまりにも対照的。

フラーは再び慣れない笑みを浮かべ、団欒の下へ向かった。
 ▼ 580 1◆zBLfAqPIVA 17/11/21 00:58:27 ID:5IP/8Rrk [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方、エルレイド派閥アジトから遠く離れた場所で、彼らの動向を見張る者がいた。


ダイル「随分と幸せそうだなァ、奴等。……ヘドが出る!」クチャクチャ

ダイル「部屋に仕込まれた隠しカメラにも気づかねぇくらいだ。平和ボケだぜこりゃあ」クチャクチャ


オーダイル細胞の持ち主ダイルが率いる少数精鋭の戦闘集団────[通称:暗殺部隊]と呼ばれる彼等は、フジ博士の命により、レイの命を虎視眈々と狙っていた。


フリード「ダイル氏、先程からガムの咀嚼音が不快の極みです。控えめに言って死んでください」


ダイル「控えめな割にすげぇ過激なのな?」クチャクチャ


ルフー「!!カーバのルイダ」

フリード「今、ルフー氏は『ダイルのバーカ!!』と申しました。至極同感でございます」


ダイル「イチイチ翻訳すんなボケ」クチャクチャ


ロブ「……眠い」



メンバーは、ダイルを含め4人で構成される。

毒殺専門:バタフリーのフリード。
隠殺専門:エルフーンのルフー。
射殺専門:ブロスターのロブ。

何れも厄介極まりない濃いメンツだが────それ故に、彼らを束ねるダイルの高い実力もまた、伺い知れるであろう。
 ▼ 581 1◆zBLfAqPIVA 17/11/21 01:00:06 ID:5IP/8Rrk [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
短めですがひとまずここまで。
また少しお待ちを。
 ▼ 582 ンヤンマ@きちょうなホネ 17/11/21 19:57:53 ID:iP7T0CUY NGネーム登録 NGID登録 報告
しえーん
 ▼ 583 シデ@タイマーボール 17/11/22 18:55:12 ID:mv.snOW6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウンウーンのキャラも出す?
 ▼ 584 1◆zBLfAqPIVA 17/11/22 23:48:02 ID:i3OGK.y6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダイル「さてと、あのエルレイド派閥の奴らだが……どうやって始末しようかねぇ」クチャクチャ


フリード「それもありますがダイル氏、いつ頃計画を遂行するのですか? 聞いた話では、チャンピオン達がこの島に来ているとのことですが────」


ダイル「んあ、そっちのゴタゴタが片付き次第、俺らが動くことになってる。フジの爺とはそういう話だったが……っと、噂をすれば連絡が来やがった」


ダイル「こちらダイルゥ、チャンピオンどもはどうなった?」


フジ『……無事、殲滅完了だ。まだ増援が来る可能性はあるが、現段階では脅威は概ね解決したと言ってよいじゃろう』


ダイル「随分と仕事が早ぇじゃねぇの」


フジ『当たり前だ。第一防衛ラインを務めるUB隊は最近新設された集団だが、その戦闘力は施設内でも抜きんでておる。チャンピオンなぞ障壁にもならん……!』


ダイル「じゃあそろそろ俺らも……暴れていいんだな?」


フジ『ああ。思う存分に……殺れ』
 ▼ 585 1◆zBLfAqPIVA 17/11/22 23:49:11 ID:i3OGK.y6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
時は遡り15分前。

第一防衛ライン・海上にて。


カグヤ「全員これで死んだのでしょうか……」


ツルギ「船は全部真っ二つにしてやった。少なくともこれで奴等の移動は制限されるはずだが……」


青く澄み渡る海を見下ろし、空中で浮遊する二人の移植被験者は、冷静に、冷徹に、冷酷に語る。

水面に漂い揺れるは船の残骸。

鉄塊がまるでステーキのように斬り下ろされていた。

しかしツルギという男はこの程度で勝利を確信しない。



明らかに妙なのだ。

何故、遺体の一つも水上に浮かび上がってこない?
 ▼ 586 1◆zBLfAqPIVA 17/11/22 23:51:44 ID:i3OGK.y6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ツルギ「カグヤ……海中に何か技撃ちこめ」


カグヤ「え?」


ツルギ「出来る限り強力なやつな」


カグヤ「……わ、分かりました。ではいきますよ、ラスターカノンッッ!!!!」


白光が溢れんばかりの輝きを放ち、カグヤの腕から勢いよく発射される。

それはたった一瞬ではあったが、確かに海を裂くほどのえげつない威力を誇るものであった。

そしてその攻撃は、海中に潜伏していたダイゴ達に直撃してしまったのである……。
 ▼ 587 ルロック@パワーウエイト 17/11/25 13:16:50 ID:UD.E2X4w NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 588 1◆zBLfAqPIVA 17/11/29 23:53:32 ID:pVIyWx8A [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バリヤード「バ,バリバリッ……!」プルプル

ナツメ(まずいっ……。バリヤードのエスパー技で海中に息の出来るスペースを確保したのはいいもののっ……このままじゃそれも壊れてしまう……!)

────バリヤードというポケモンは、空気を固めることで透明な壁をその場に作り出せる能力がある。


その空気の壁にリフレクターやひかりのかべを重ねることで作り出したナツメの特殊空間は、大勢の人間やポケモンを包み込んでいたのだが、カグヤの強力なラスターカノンを喰らったことで、それは脆くも崩壊の一途をたどってしまう。


それから間もなくして、空間に風穴が開いたその瞬間、膨大な海水がそこから流入してしまったのだ。
 ▼ 589 1◆zBLfAqPIVA 17/11/29 23:54:48 ID:pVIyWx8A [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダイゴ「まずいっ、誰か泳げる水ポケモンを出しっ───────」


────ドドドドドドド、ゴボッ。


圧倒的な物量の海水に阻まれ、ダイゴの叫びは誰にも届かない。

このままでは全員無惨にも溺れ、呆気なく死んでしまう。

何とかしないと。何とかしないと。

どうしようもなく焦ってみたところで、もうどうにも出来ないのが現実だ。



やがてダイゴの意識は、劣化しきった糸が如く、ぷつりと途切れてしまった。
 ▼ 590 1◆zBLfAqPIVA 17/11/29 23:56:26 ID:pVIyWx8A [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カグヤ「こ……今度こそ殺せましたでしょうか」


ツルギ「……ああ、生き物の気配が海中から無くなった。間違いない、これで任務は終了だぁ」


カグヤ「安心しましたわ。ツルギ様の足を引っ張ってはいないかとドキドキで……///」


ツルギ「何ブツブツ言ってんだ、キメェぞ。さっさとフジ博士に任務完了の報告しとけよな」


カグヤ(あぁツルギ様ったら辛辣っ……でもそこがたまらなく良ひ……!!)ゾクゾクッ


ツルギ「?」
 ▼ 591 1◆zBLfAqPIVA 17/11/29 23:58:15 ID:pVIyWx8A [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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file16

UB隊特殊レポートより
カミツルギのツルギ

ジョウト地方出身15歳の生意気盛りの少年。
昔から自分の身長が低いのが気に入らなくて、モーモーミルクは毎日欠かさず飲んでいる。
一部界隈にて、【流浪の剣心】とも呼ばれたこともある天才剣士であった。
全国を渡り歩きながら剣の道を究めようとしていたところをフジ博士にスカウトされ、その後UB隊の一員に。
カグヤとよくつるむことが多いが、彼女に明確な恋愛感情は抱いてない。
巨乳好き。

ウルトラホールから あらわれた UB。 みずから てきを おそわないようだが するどい ぜんしんは きょうきだ。きょだいな てっとうを いっとうの もとに きりすてる すがたも もくげきされた。

ポケットモンスターサンムーン図鑑説明文より抜粋

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 ▼ 592 1◆zBLfAqPIVA 17/11/29 23:59:39 ID:pVIyWx8A [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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file17

UB隊特殊レポートより
テッカグヤのカグヤ

シンオウ地方出身、身長180pの大柄な女性。年齢不詳。
地元では【雪山の女王】と呼ばれるほど、高い実力を持つトレーナーだった。
女性でありながら自身のずば抜けた巨体と怪力には、コンプレックスを抱いていたが、小柄でも必死に頑張るツルギに惚れたのをきっかけに、現在では解消済み。
M気質で、ツルギにイジメられるたびに興奮する性格。


ウルトラホールから あらわれた。 こうそくで そらを とぶ すがたが もくげき された ウルトラビースト。2ほんの うでから ガスを ふきだし もりを やきはらう すがたが かくにん されている。

ポケットモンスターサンムーン図鑑説明文より抜粋
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 ▼ 593 1◆zBLfAqPIVA 17/11/30 00:09:07 ID:ugCOg.cg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまず短めですがここまで
かなり更新がスローペースなのはお許しください
 ▼ 594 ルーラ@ハガネZ 17/11/30 07:45:15 ID:EUt0qai2 NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
テッカグヤMなのかよ


受けポケだから仕方ないけど
 ▼ 595 リジオン@ホノオZ 17/12/08 19:09:16 ID:sUXovZL. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 596 ンプジン@バグメモリ 17/12/14 00:23:17 ID:8Qbw3bfY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 597 メパト@ガオガエンZ 17/12/14 04:25:09 ID:cU8sab2g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 598 イドン@にじいろのはね 17/12/21 19:42:47 ID:xZjlx1EQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 599 ンバット@ちかのカギ 17/12/21 23:13:46 ID:ZCsFDPq6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 600 ニータ@ジーエスボール 17/12/25 21:26:11 ID:DO6zvgJg [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 601 ブリアス@フレンドボール 17/12/25 21:26:49 ID:DO6zvgJg [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
そろそろ1ヶ月か…
 ▼ 602 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 00:05:04 ID:GwGVl.AA [1/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方、第二防衛ライン。

ワタル「はぁ、はぁ……」


サカキ「どうした? チャンピオンとあろうものが随分と苦労してるように見えるな」


煽り口調でサカキが軽口を叩く。

明らかなその挑発に乗せられたわけではないが、ワタルは思わず眉をひそめた。


ワタル「そりゃ相手も元チャンピオンだからな。……アデクさん、何でそいつらの仲間になっちまったんですか!」


アデク「い、致し方がないのだ。ワシは……」
 ▼ 603 烏丸◆gsG0/yn9Pw 17/12/28 00:05:52 ID:xDSETSYk NGネーム登録 NGID登録 報告
お、復活か

私怨
 ▼ 604 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 00:06:17 ID:GwGVl.AA [2/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
三十郎「ククッ、この爺は今、孫を人質に取られている。つまり、我々に逆らうことは孫の死を意味するのさぁ!!」


キング「お喋りが過ぎるぞ〜……三十郎ゥ〜」


ワタル「孫を人質に? そんな事情が……」


アデク「……」


────それは今から凡そ半年も前のことだった。

イッシュ地方で穏やかに老後を過ごしていたアデクの前に、施設の職員が現れ言ったのだ。

「孫のバンジロウは預かった。余計な抵抗をすれば孫は死ぬ。……大人しく我々の命令に従え」と。

その証拠の動画も見せられた。牢獄に繋がれた愛おしい孫の姿がある。

最早アデクに残された選択肢は……一つしかない。
 ▼ 605 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 00:07:05 ID:GwGVl.AA [3/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メイド「そろそろ決着をつけたいところね。長引く戦いは嫌いだし!」


シャワーズのメイドが突然甲高い声で叫んだ。
刹那の回想からアデクはふと我に返る。


三十郎「同感だァ!! おいキングゥ、例の切り札を使わねぇかぁ!?」


キング「う〜む……まぁ良いだろう、許可してやる」


三十郎「よっしゃぁ!!」


サカキ(……切り札だと?)



メイド・三十郎・キング。
三人揃えば百人力とさえ言わしめる彼らの名前はブイズトリニティ。
施設内でも屈指のチームワークを誇る。

今、彼らはサカキの目の前で凛と仁王立ちをし、各々セリフを唱え始めた。
 ▼ 606 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 00:07:42 ID:GwGVl.AA [4/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メイド「魅せよ美貌、ハイドロポンプ!」


三十郎「轟け剛力、カミナリィ!」


キング「灼き払え劫火ァ〜、オーバーヒート!!」


キング「我らブイズトリニティが切り札【三位一体】!!」



瞬間、三つの技が一つに重なり白く眩い光線を作り出した。

その威力は無論、半端なものではない。羽虫一匹の存在すら許容しないまさに一撃必殺。

それがサカキ目掛け直進してきたのである────!!
 ▼ 607 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 00:08:54 ID:GwGVl.AA [5/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「……!!」


ワタル「サカキッ!?」


砂煙が舞いしばらくして後、そこにあったのは白目を剥いて倒れるニドキングの姿だ。

サカキは苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべ、モンスターボールを腰ポケットから取り出した。


サカキ「……チッ、ニドキング戻れ!!」


ワタル(ポケモンはやられたがサカキは無事だったか……しかしこの威力は驚き────)


アデク「余所見はイカンぞ、ワタル君。ウルガモス、ねっぷう!!」
 ▼ 608 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 00:09:57 ID:GwGVl.AA [6/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ワタル「……っぐぅ!! カイリュー大丈夫か!?」


カイリュー「グルル……」フラッ


ワタル「な、何故ですか……アデクさん。お孫さんが人質に取られているのであれば、どうして一度も我々に内密のご相談をしてくださらなかったのか────!!」


アデク「……それは到底不可能というものじゃ。ワシはずっと、【影】に監視されておったのだから」


ワタル「影?」


アデクの言葉の意味をワタルは理解できない。
しかしその直後、彼は全てを悟るに至る。


??「そう、影だ」ヌルリ


一同「!!?」
 ▼ 609 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 00:11:04 ID:GwGVl.AA [7/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アデクの影から黒いフードを被った男がゆらりと姿を現す。

まるで陽炎か蜃気楼か。

それは、どうにも掴みどころのない印象を受ける人物であった。


ワタル「き、貴様は何者だ!」


??「答える義務はないね。……やれやれ、私まで影から出る気はなかったのだが。だがこれ以上敵の討伐に時間をかけるのは合理的ではないから仕方あるまい」スッ


ワタル(何か来る────)


??「さ い み ん じ ゅ つ」


謎の男の両手から何かが放たれた。
その何かの正体は分からずとも、喰らってはマズいものであることは判断できる。

だが、回避する余裕がない────
 ▼ 610 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 00:12:20 ID:GwGVl.AA [8/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サカキ「……っ?!」バタッ


ワタル「お、おい、サカ、キッ……」ドサッ


三十郎「Zzz……」


メイド「スー、スー」


謎の男の背後にいたアデクと、事前に未来を察知したキングを除き、全員が寝息を立てながら地に伏せる。


キング「ぐ、うぐ……ゲン殿〜!! さいみんじゅつを使うのであれば事前に言って下さらないと。三十郎とメイドまで眠ってしまわれたではないですか!」


ゲン「ケッ、それじゃあ奇襲にならんだろう。とにかくこいつらを縛って連れ帰るぞ。チャンピオンと元ロケット団ボス……良い実験体になりそうじゃないか」
 ▼ 611 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 00:12:40 ID:GwGVl.AA [9/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日はここまで
更新遅くてすみません。
 ▼ 612 ォーグル@やわらかいすな 17/12/28 21:40:01 ID:OP2bsPVk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 613 ルシェン@アクZ 17/12/28 22:06:43 ID:LlJW4gVc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 614 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 23:10:24 ID:GwGVl.AA [10/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
==========
file15

ゲンガーのゲン

元ランク2位
(数年前のランクで二位。現在は移植研究所の下で働いており、ランキング対象外)


人の影、物の影に入り込む力を持つ。
影に入り込んでいる間は無敵だが、行動は大幅に制限される。
現在、アデク監視役を務める。

やまで そうなんしたとき いのちをうばいに 
くらやみから あらわれることが あるという。
まんげつのよる かげが かってに うごきだして 
わらうのは ゲンガーの しわざに ちがいない

ポケットモンスター赤・緑・青
図鑑説明文より抜粋。
==========
 ▼ 615 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 23:13:20 ID:GwGVl.AA [11/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アデク「常にワシの影に隠れてネチネチ監視しおって……気色悪い!」


ゲン「ケッ、仕方ないだろう。キサマが何時裏切るか分かったもんじゃないからな」


アデク「裏切りはせんよ……。どれだけ人から耄碌爺と罵られようが、孫だけは助ける……」


ゲン「私だって四六時中キサマの監視役だなんて楽じゃないのだよ。さて……ひとまず博士に報告だ。第二防衛ラインは制圧した、とな」


──
────
──────
────────
 ▼ 616 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 23:17:02 ID:GwGVl.AA [12/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フジ「────そうか、ああ、分かった。ご苦労様だったな、すぐ帰ってこい」


研究員「おや、連絡ですか?」


フジ「ゲンの奴からだ。第二防衛ラインでの仕事が終わったようだ。第一防衛ラインでも生命反応は感知できないし、チャンピオンと国際警察どもはこれで全滅か……後は増援が来ないように根回ししておかねば」ブツブツ


研究員「────ということは、とうとう例の計画を始動する……ということですね?」


フジ「ああ、そうだったな。『洗脳兵器』の調整は?」


研究員「既に完了しております」


フジ「では日の出と同時に、移植被験者狩りを開始するようブイズ部隊に伝えろ」


フジ「それに、レイという男の暗殺の件もある。ダイル率いる暗殺部隊が失敗することなどまぁ考えられんが、警戒は怠らぬようにせんとな……」
 ▼ 617 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 23:19:42 ID:GwGVl.AA [13/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




第8話 「暗殺」



 ▼ 618 1◆zBLfAqPIVA 17/12/28 23:20:26 ID:GwGVl.AA [14/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまで
 ▼ 619 リル@フェアリーメモリ 17/12/30 18:45:11 ID:QwK708FY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ
 ▼ 620 クラビス@タンガのみ 17/12/30 19:39:17 ID:bmfYLvzc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 621 エトル@サファイア 17/12/31 13:24:43 ID:ZqpgS9dM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 622 ジョフー@レンズケース 18/01/02 11:48:34 ID:kUVaETJc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 623 ョンチー@エスパージュエル 18/01/06 15:33:59 ID:u5/ZyaJ2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 624 ッコラー@ふたのカセキ 18/01/14 23:35:46 ID:74mOSfiI NGネーム登録 NGID登録 報告
失踪はさせんぞ
 ▼ 625 マタマ@ひきかえけん 18/01/21 11:16:29 ID:dc6mGnEQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 626 マタマ@コダックじょうろ 18/01/26 01:26:50 ID:EaWNRwHg NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
マダー?(´・ω・`)
 ▼ 627 ーテリー@おうじゃのしるし 18/02/08 20:19:43 ID:tG/CAmH6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 628 ドラン♀@ミュウツナイトY 18/02/09 22:55:22 ID:pVznsK1A NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 629 ュウコン@きりのはこ 18/02/09 23:25:29 ID:9awfKqN6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援ぬ
 ▼ 630 ノムッチ@はっかのみ 18/02/09 23:56:35 ID:rkl43omQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こい
 ▼ 631 イナン@もののけプレート 18/02/10 07:03:07 ID:oSqBS5a2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まだか...よぉ
 ▼ 632 ドクイン@おまもりこばん 18/02/10 07:07:18 ID:PCHtQ7ew NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 633 ュペッタ@ちからのねっこ 18/02/10 21:39:42 ID:PwjMNoJ6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 634 ズクモ@サンのみ 18/02/11 10:29:48 ID:w7BccsgE NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 635 ロリンガ@もくたん 18/02/12 10:37:28 ID:jTskxQwE NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 636 1◆zBLfAqPIVA 18/02/13 20:10:47 ID:gx9SWJPo [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>617の訂正です

「暗殺」は本作の第9話目となります、失礼しました



 ▼ 637 1◆zBLfAqPIVA 18/02/13 20:11:30 ID:gx9SWJPo [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



第9話 「暗殺」


 ▼ 638 1◆zBLfAqPIVA 18/02/13 20:12:25 ID:gx9SWJPo [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
場所はうって変わり、エルレイド派閥アジト。
施設外では苛烈な戦闘が行われていることなど露知らず、レイ一同は穏やかな時間を過ごしていた。


シュン「ルーズが無事、食料を運んできてくれて助かったよぉ」


ルーズ「いやいやぁ、リーダーの旨い飯を喰えるんだったら、雨のなか槍のなかでも行けるっしょ! てかこのスープ旨っ」


シュン「オレンの実を隠し味にしたんだ。コクが深くなったと思うんだけど」


スイゾー(女子力が無駄に高いんだよな……シュンのやつ。裁縫も得意だし)


フラー(ホントだ。酸味がアクセントになっててすごく美味しい……)
 ▼ 639 1◆zBLfAqPIVA 18/02/13 20:13:29 ID:gx9SWJPo [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「どうお?うまい?」

フラー「……!」ニコッ

レイ「あ、笑った」

フラー「え、あ……///」


思わず顔が紅潮してしまうのをひしと感じる。
フラーは自らの動揺を気取られないよう努めた。


────こうして、団欒とした夕食と幸せな時間は刻一刻と過ぎ去り行く。
気がつけば時刻は、夜の11時に差しかかろうとしていた。
 ▼ 640 1◆zBLfAqPIVA 18/02/13 20:17:47 ID:gx9SWJPo [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「さてと……折角だしフラー君、今日はここで泊まるかい?」

フラー「え!?」


シュンの突然の発言に、フラーは開いた口が塞がらない。
一方のシュンは、フラーの驚嘆など知らぬ存ぜぬと言った顔で更に喋り続けた。


シュン「今日はもう遅いしさ、深夜の施設内をうろつくのは危険だ。幸いうちのアジトには空いてるスペースはあるから、そこに泊まってった方が良いと思うんだ」

フラー「あ、いやその……でも」モジモジ…


シュン「いいんだよ遠慮しなくて!」


フラー「じゃ、じゃあ……よ、よろしくおねがいします」


結局、その提案を断りきれなかったフラーは、エルレイド派閥アジトに一日だけだが、泊まることが決定したのである。
この決断が、フラー自身の運命を大きく変えるとも知らずに……。

 ▼ 641 1◆zBLfAqPIVA 18/02/13 20:21:38 ID:gx9SWJPo [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シュン「よし、レイ君のすぐ隣のスペースが空いてたと思うから、フラー君はそこで寝てもらうことにするか!!」


レイ「えっ、俺の隣!?」


シュン「レイ君の寝室の周辺はまだ人の入る余地があったはずだし、それにフラー君も気のおけるレイ君が隣にいてくれた方が安心できるだろ? 僕たちはまだフラー君と気心知れたって関係でもないしさ」


レイ「(俺だってそんな気心がどうとかって関係じゃないんだけどなぁ……)えと、フラー君はそれでいいかい?」


フラー「ど、どこでも……いいです」モジモジ


レイ「?」



おかしい。

さっきからフラーはモジモジしてばかりだ。
何か隠し事でもあるのだろうか?
エルレイド派閥に泊まると決まった瞬間から挙動が急におかしくなったのだ。



そして、この疑問が解かれるのは、
フラーの怪しい挙動の理由がハッキリするのは────
もう間もなくのことだったのである。
 ▼ 642 1◆zBLfAqPIVA 18/02/13 20:22:57 ID:gx9SWJPo [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

===エルレイド派閥、レイの寝床===


レイ「じゃあ寝るよ、フラー君」


フラー「あ、はい」ソワソワ



パチンッ

レイは照明のスイッチをOFFにした。
暗闇が全身を包みだし、周囲は先ほどの団欒とはまるで対照的な無音の世界へと変貌を遂げる。

レイは未だにフラーの態度に対して多少の違和感を感じていた。

だが、彼とて移植被験体であるという一点を除き普通の人間に過ぎない。

間違いなく疲れがたまっていたのだろう。

ベッドに横たわるやいなや、何かを考える暇もなく、彼らはすぐに健やかな眠りについたのであった。
 ▼ 643 1◆zBLfAqPIVA 18/02/13 20:24:30 ID:gx9SWJPo [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
──────
────────

レイとフラーが眠りについてから数時間後のこと。


レイ「ん……」ブルブルッ

レイ(うぅ、トイレに行きたくなってきちゃった)


突然の尿意がレイを熟睡から目覚めさせたのだ。

ゆっくりと上体を起こし、彼はトイレに行くことにした。
しかし。ここで思わぬ事件が起きる。
 ▼ 644 1◆zBLfAqPIVA 18/02/13 20:26:16 ID:gx9SWJPo [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「え、あわわっ!」フラッ…!!!

レイ「うわぁっ!?!」ドシャァ!!!!


起き上がり、歩きだそうとした瞬間のことである。

レイは思わずして、床に引かれたコンセントコードに足を引っかけてしまい、身体のバランスを大きく崩してしまったのだ。

当然ながら、彼はそのまま倒れこんでしまう。


ここまでは何てことはない。
ただレイがずっこけただけのことだ。


だが、ここから先が問題なのである。

倒れたその先にはフラーが寝ている布団が敷いてある。

レイはあろうことか、受身を取ろうとしてフラーの胸元につい右手を置いてしまったのだ。

彼の右手には……特殊とも言うべきある感触が伝わってきた。
 ▼ 645 1◆zBLfAqPIVA 18/02/13 20:27:50 ID:gx9SWJPo [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────ムニュンッ


レイ(ムニュッ……?)



微かに響くフラーの心臓の鼓動音。
じんわりと伝わる仄かな体温。
そして、妙に柔らかい触感。


レイ(……っっ!!?!)ビクッ!!!


そこでレイはいよいよ悟ってしまった。


レイ(フラーって、フラーって……ぇ!?もしかして、もしかしなくてもぉ……っ!!?お、お、おおおおおっ……!!)







レイ「女ぁぁぁぁっ!!?」






 ▼ 646 1◆zBLfAqPIVA 18/02/13 20:29:11 ID:gx9SWJPo [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー「むにゃ……?」

レイの叫び声に反応したのか、彼……いや、彼女もついに目を覚ました。


レイ「え、あ……」

ムニュッ……フニュフニュ…

フラー「っ!! ……///」カァァァァ……!


フラーは目覚めてすぐに自分の胸を揉んでいるレイの存在に気づく。
動揺、羞恥、恐怖、焦燥。
あらゆる感情がごった返した彼女は慌てて立ち上がり、混乱の中、レイと対面する。
 ▼ 647 1◆zBLfAqPIVA 18/02/13 20:30:20 ID:gx9SWJPo [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「あ、いや、その!故意に胸をもんだわけじゃなくてっ!」


フラー「っ……!!っ……!!?〜〜〜〜!!!」

フラー「うわぁぁぁぁぁん!!!!」


バチンッ!!!!

レイの頬に炸裂するは乙女のビンタ。
強烈な痛みが伝わるのと同時に、レイは自らの不運を心の底から後悔した。

──
────
──────
────────
 ▼ 648 1◆zBLfAqPIVA 18/02/13 20:30:59 ID:gx9SWJPo [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまで
度々遅延する更新、反省しております
 ▼ 649 ィオネ@がくしゅうそうち 18/02/13 21:09:49 ID:AurpVR7U NGネーム登録 NGID登録 報告
>>648
大丈夫です!
支援してます!
 ▼ 650 チャブル@ダイゴへのてがみ 18/02/13 22:19:55 ID:jh6Q.kCY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 651 ルビアル@2ごうしつのカギ 18/02/13 22:24:32 ID:g3lRu/XU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 652 1◆zBLfAqPIVA 18/02/14 22:47:09 ID:g/QVoF8o [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして、数分後。
未だに心臓をバクバク響かせながら、両者はただひたすら緊迫した面持ちで相対していた。

フラー「…………///」カァァァァ…///

レイ「…………」タラタラタラ…






レイ(き、気まずい)





フラー「レイさん気づきましたよね……。ボクが、実は女だって……」

レイ「……う……うん」
 ▼ 653 1◆zBLfAqPIVA 18/02/14 22:48:02 ID:g/QVoF8o [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー「胸、触りましたもんね」

レイ「う、うぅ……うん」


フラー「バレてしまったのなら、もう仕方ないですけど……」

レイ「……あ、あのぉ」


フラー「何ですか?」

レイ「フラー君じゃなくて、フラーさん? あの、君はなんで女だってことを隠してそんな……」
 ▼ 654 1◆zBLfAqPIVA 18/02/14 22:48:48 ID:g/QVoF8o [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー「今まで通りの呼び方でいいですよ。フラーさんなんて仰々しいですし。……ええっと、どうして性別を誤魔化してたか、ですか?」


レイ「うん」


フラー「……僕も最初、性別を隠すつもりはありませんでした。でもガブリアス派閥に入った以上、僕が女だとバレるとどんな目に遭うか分かったものじゃありませんでしたから。あそこはそれだけ血気盛んな人が多いんです」


よく聞けば女性のものと分かるそのか細い声は、微かに震えている。

オブラートに包んではいたが、要するに野蛮な者に襲われないようにする彼女なりの自衛策なのだろうと受け取った。

ただでさえ弱い者は淘汰されるこの環境だ。仕方がないことだとも思う。


だが……。
 ▼ 655 1◆zBLfAqPIVA 18/02/14 22:50:25 ID:g/QVoF8o [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「そ、その……ガブリアス派閥から逃げようとか考えなかったのかい? 例えばミミロップ派閥なんかは女性だけで構成される派閥だ。そこに行ったほうが良かったんじゃ……」


フラー「……時にはそんなことも画策しましたが、追手と報復が怖くて出来ませんでした。ガブリアス派閥では、逃げることは立派な裏切り行為と見なされて粛清を受けるんです」


フラー「……そもそも、施設に入った直後は右も左も分からなくて、厳しい派閥とは知らずにガブリエルさんの手下になっちゃったのが僕の運の尽きなんですけどね」

レイ「なんか、その……そんな事情があるとは知らずに、す、すみません」

フラー「い、いえ……」

レイ(あぁ……やっちまった)


フラー「……レイさん」

レイ「ひゃ、ひゃいっ!」
 ▼ 656 1◆zBLfAqPIVA 18/02/14 22:51:10 ID:g/QVoF8o [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラー「出来れば、このことは内緒でお願いします」クスッ

────あ、笑った。
このような状況で不謹慎ながらも、良い笑顔だな、と思ってしまう。

少し赤くなった自分の顔を下に向けつつ、レイはボソリと呟いた。



レイ「も、もちろんです」


──
────
──────
────────
 ▼ 657 1◆zBLfAqPIVA 18/02/14 22:52:02 ID:g/QVoF8o [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方その頃、エルレイド派閥アジトをすぐ眼前にした場所に、四人の猛者が集結していた。


ダイル「……ちょうど、丑三つ時を過ぎた頃か」


フリード「そろそろ暗殺を実行に移しましょう、標的はレイという少年でよろしいですね?」

ルフー「!みし楽いごっす殺暗」


ダイル「そうだな……そろそろ頃合、か。ロブ、いつもの強襲でいくぞ。……思い切りぶちかませ」


ロブ「合点承知」
 ▼ 658 1◆zBLfAqPIVA 18/02/14 22:53:08 ID:g/QVoF8o [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダイル「……戦争開始の、合図だ」






ズドドドドドドドドォォォォォォォォォォォン……!!!






フラー「っ────!?!」ビクッ!!


レイ「なっ!?」
 ▼ 659 1◆zBLfAqPIVA 18/02/14 22:54:08 ID:g/QVoF8o [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
《それ》は、突然にして起きた。

気づいたときには、エルレイド派閥アジト内部に白煙が充満していたのである。

白い靄が視界を奪う中、レイは何とかして周囲の状況を確認しようと試みた。


フラー「ケホッ、ケホケホッ……。な、何が起きて……」


レイ「もしかして……亀五郎の仕業なんじゃ」

それは十分に考えられる。

執拗に粘着質に獲物を狙うカメックスの亀五郎のことだ。今になって報復に来たということもあり得るだろう。

だが今回に限って、その予想は大外れであった。
 ▼ 660 1◆zBLfAqPIVA 18/02/14 22:55:15 ID:g/QVoF8o [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルフー「……」

フリード「……」

フラーとレイの背後に、二つの影が忍び寄る。

一方は鋭利な刃物をその手に持ち、一方は強力無比な毒薬を所持していた。


暗殺部隊・射撃専門のロブが撃ち込んだのは、市販の「けむりだま」数個が搭載された特殊弾。


それはあくまでスケープゴートである。


レイ達が突然の煙に気を取られ混乱している間に、すかさず得意の暗殺へと持ち込む。

それこそが、彼ら暗殺部隊の常套手段なのである。
 ▼ 661 1◆zBLfAqPIVA 18/02/14 22:57:34 ID:g/QVoF8o [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかし煙の中、標的に正確に近づくことなど可能なのだろうか。

しかしそのような疑問はこの暗殺部隊にとって、愚問にならざるを得ない。

殊に、このルフーという小柄な女性にとっては、至極容易なことなのである。


=======
file19
エルフーンのルフー

暗殺部隊 近接暗殺専門

狭い隙間にもぐりこんでからの暗殺。
風にのってフワフワと移動しながらの暗殺など手口は多種多様。
中でも本人が一番得意なのは、トリックルームを使うことで緩急つけた動きを生み出し、相手を翻弄してからの暗殺である。
しゃべり方が特殊なのはトリックルームを使う頻度が多くなった副作用らしい。
トリックルーム発動時は普通の口調になる。

どんなに ほそい すきまでも かぜのように 
もぐりぬけてしまう。 
しろい けだまを のこしていく。
つむじかぜに のって あらわれる。

ポケットモンスターブラックホワイト
図鑑説明文より抜粋。
=======
 ▼ 662 1◆zBLfAqPIVA 18/02/14 22:59:38 ID:g/QVoF8o [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルフーに含まれるポケモン細胞はエルフーンである。エルフーンとは、つむじ風を利用することで移動するポケモン。

ゆえに、気流の動きに関しては誰よりも敏感な肌を持っているのだ。

ルフーもまたエルフーンのその能力を行使することで気流の流れを感じ取り、レイのいる場所を確実に感知していたのである。


あと数メートル、あと数十センチ、……死の気配がすぐそこまで接近してきたその時───




スイゾー「おいおい、ちとやり過ぎなんじゃねぇの? どこの誰だか知らねぇけどよぉ!!」

ルフー「!?」

フリード「!!」


スイゾーの低い声が、頼もしいその声が、轟々と響いたのである。
 ▼ 663 1◆zBLfAqPIVA 18/02/14 22:59:55 ID:g/QVoF8o [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日はここまで。
 ▼ 664 ロスター@おまもりこばん 18/02/15 00:25:13 ID:y6zFUMdQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 665 1◆zBLfAqPIVA 18/02/15 20:49:41 ID:VuEu.gp. [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「えっ……うわっ! いつの間にか後ろに!? 誰!?」


スイゾーの声に反応し、レイは背後にいるルフーとフリードの存在に気付いた。
まさに間一髪。殺されるか否かの瀬戸際で、彼は窮地から逃れたのだ。



ルフー「?ーのたレバで何」


フリード「……おかしいですね。これだけの煙の中、ルフーだけが周囲の状況を把握出来ているものかと思いましたが」
 ▼ 666 1◆zBLfAqPIVA 18/02/15 20:51:17 ID:VuEu.gp. [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スイゾー「俺の耳はちと敏感すぎてなァ。ウサギの耳ってのは可愛いだけじゃなくて、意外と機能性にも溢れてんだぜ?」


ホルードなどを含めたウサギポケモンの耳は、周りの音をしっかりキャッチする「集音」の機能を持っている。

敵の存在をできるだけ早く感知するために、耳は左右別々に動かすことが可能で、耳を立てれば遠くの音まで聞くことができるので、警戒アンテナとしての機能も果たすのだ。



フリード「……噂には聞いてましたが、流石はエルレイド派閥ですか。一筋縄ではいかない」


ルフー「??−いいてれ暴 ?ぇねぇね」


フリード「最早こうなると暗殺と呼んでいいのか分かりませんが……仕方がありません。この場にいる全員を皆殺した方が早そうですね」
 ▼ 667 1◆zBLfAqPIVA 18/02/15 20:53:18 ID:VuEu.gp. [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルフー「!!動発ムールクッリト」ブワッ!



ルフー「さぁ、行くよー! ウフフッ!」ニコッ


スイゾー(あの女、急に普通に喋るようになりやがった?)



フリード「ルフー!あまり暴走してはいけませんよ!」


ルフー「えへへー、それはお互い様でしょ! フリード!」タタタッ


フリード「あっ、待ちなさい! 勝手に行かないの!」
 ▼ 668 1◆zBLfAqPIVA 18/02/15 20:54:35 ID:VuEu.gp. [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルフー「キャハハハハハハッ!!」ノロノロ…


スイゾー(何だアイツ……。急に飛び出してきたくせに動きはメチャクチャ遅ぇじゃねぇか)


ルフー「……トリックルーム解除」ボソッ


ルフー「!!ゥゥゥゥ速加超」ビュンッ!!




スイゾー(……こいつっ、急に速くなっ────!?)
 ▼ 669 1◆zBLfAqPIVA 18/02/15 20:55:35 ID:VuEu.gp. [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────単純な種族値を比較しても分かるように、通常、エルフーンはホルードより素早い。

その法則性は移植被験者の間でも通用し、普通はスイゾーよりもルフーの方が何倍も速いのだ。



だが、補助技『トリックルーム』を発動することで、その素早さ順はまるで逆転する。
トリックルームの影響下において、スイゾーの目にはルフーの動きが途轍もなく遅いものに見えてしまうのだ。


しかし一度この補助技を解除すれば、彼女は劇的な【加速度】をそこに生み出すことになる。


トリックルームを利用し、緩急を付けた動きを見せることで敵を翻弄する。

これはルフーのみが扱える高等技術と呼びうる代物だ。
 ▼ 670 1◆zBLfAqPIVA 18/02/15 20:55:56 ID:VuEu.gp. [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ザクッ!!



スイゾー「ぐああああっ!!」

ルフーが持っていたナイフがスイゾーの足に突き刺さる。
スイゾーは思わず喉が詰まったような悲鳴を上げ、その場に跪いてしまった。



レイ「スイゾーさんっっ?!」
 ▼ 671 1◆zBLfAqPIVA 18/02/15 21:00:36 ID:VuEu.gp. [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ「……っぐ!?」


突如、レイの全身がビリビリと痺れだした。
まるで正座を何時間もしていた時のように、彼の動きは急激に鈍くなってしまったのである。


フリード「しびれごなでアナタの動きを抑えました。逃げられては厄介ですからね。一応の保険です」

レイ(し、しびれごなだと……!?)



=======

file20
バタフリーのフリード

暗殺部隊 毒殺専門

毒殺を専門とする、丁寧な口調の和風美人さん。
やんちゃ娘ルフーのお目付け役でもある。
羽を生やし、低空だが飛ぶことも可能で、毒のりんぷんを撒くことを得意とする。

ハネは みずを はじく りんぷんに 
まもられている。あめの ひでも 
そらを とぶことが できる。
こまかく はやく はばたいたら もうどくの 
りんぷんが かぜに のって とんでくるぞ。

ポケットモンスター赤緑青 図鑑説明文より抜粋。


=======
 ▼ 672 1◆zBLfAqPIVA 18/02/15 21:01:06 ID:VuEu.gp. [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日はここまで
 ▼ 673 ルビート@べにいろのたま 18/02/15 22:04:07 ID:q38LCbLE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
C
超頭脳と水氷を使うラプラス人間とか思いついた
 ▼ 674 ルッグ@かわらずのいし 18/02/15 22:17:02 ID:7rz0jVQQ NGネーム登録 NGID登録 報告
面白い、支援
 ▼ 675 リゴン@さらさらいわ 18/02/16 19:02:26 ID:ey1Xl4g. NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 676 1◆zBLfAqPIVA 18/02/17 00:22:01 ID:3gWRhu2o [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
時間は少しだけ遡り、ここはエルレイド派閥アジト玄関前。

暫く経っても暗殺が成功したという報告がないことに首をかしげたダイルは、煙幕が溢るるアジトにジッと目を向けた。


ダイル「……おいおいフリードとルフーめ、あいつら暗殺失敗しやがっ────」

その瞬間である。
ダイルの目の前に半端ではない殺気が二つ、何の前触れもなく突然現れたのだ。


シュン「お前達か、急に僕らのところに襲撃を仕掛けてきたのは」


ダイル「おっとっと、見つかっちまったか」


ロブ「……予想外の事態だ」
 ▼ 677 1◆zBLfAqPIVA 18/02/17 00:24:54 ID:3gWRhu2o [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

気が付けば、シュンがダイルの喉元に自慢の手刀を突きつけている。

それに加え、その隣に立っていたルーズも戦闘態勢を整え、ダイル達の行動を伺っていた。


ダイル「物騒な真似はやめてくれねぇか。おっかなくてチビっちまうだろ?」


シュン「急に煙幕なんて撃ち込んだ君たちが悪いんだろ。……誰の指図だ。一体ここに何をしに来た」


ダイル「カカカッ、この程度の奇襲には一切動じねぇか。俺たちゃ少しエルレイド派閥を舐めすぎたかもしれねぇなぁ!!」


シュン「無駄口をたたくな、質問に答えろ」


ダイル「……誰に命令してんだテメェ」


シュン「っ!!」ゾクッ
 ▼ 678 1◆zBLfAqPIVA 18/02/17 00:28:28 ID:3gWRhu2o [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダイルの動きは大柄な体躯に見合わずとても素早い。
一瞬のうちに彼はシュンから距離を取り、対面の構図へ持ち込んだ。


シュン(……しまった、このまま拘束しようと思ったのに逃げられるなんて)



ダイル「さぁて、どうしたもんかねぇ」

ロブ「このまま任務失敗に終わるわけにはいくまい」


ダイル「分かってるよ、だがしかしこれは……」







スイゾー「ぐああああっ!!」

両者睨み合う緊迫した状況下、アジト内部からスイゾーの悲鳴が聞こえる。

シュンはたった一瞬ではあるが、それに気を取られてしまった。

シュン(スイゾーさんっ……!?)
 ▼ 679 1◆zBLfAqPIVA 18/02/17 00:32:09 ID:3gWRhu2o [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そのたったゼロコンマ数秒、シュンがダイルとロブから目を離してしまったのが良くなかった。

その隙を狙って、彼らはいつの間にかその姿を消していたのである。


シュン「くそっ、あの二人何処に行った!?」

ルーズ「リーダーごめん、オイラも目を離しちゃった」


シュン「……仕方がない、アジトに戻るぞ。スイゾーさんが心配だ……!」
 ▼ 680 1◆zBLfAqPIVA 18/02/17 00:33:13 ID:3gWRhu2o [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
短いけどここまで

 ▼ 681 マワル@しんかいのウロコ 18/02/18 01:18:47 ID:gOBXB4wc [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


ロブ「ぜぇ、ぜぇ────なぜ逃げたリーダー。貴方ならあの状況どうにでも出来ただろ」

ダイル「……カッカッカッ。あの男はダメだ。マトモに殺り合えばこちらもただじゃあすまねェ」

ロブ「フリードとルフーはどうする。見殺しか」


ダイル「……ククッ、奴等はそんな簡単に死ぬようなタマじゃあねぇよ。それよりもロブ、てめぇも戦闘準備しとけ。久々に骨のある相手だからなァ」


ロブ「……承知した」

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file23
ブロスターのロブ

暗殺部隊 遠隔攻撃専門。

寡黙な男。水を撃ちだすハサミを持っている。
遠距離から狙い撃つ水の砲弾はタンカーの船体を打ち抜く威力だ。
水の噴射を利用した移動も侮れない。
普段は無口だが、感情が高ぶると早口になるらしい。


みずの ほうだんを はっしゃする 
きょだいな ハサミを もつ。
タンカーの せんたいを うちぬくぞ。
ハサミの うしろの ノズルから 
みずを ふきだす すいしんりょくで 
60ノットの スピードで すすむ。

ポケットモンスターXY 図鑑説明文より抜粋。
========
 ▼ 682 1◆zBLfAqPIVA 18/02/18 01:24:39 ID:gOBXB4wc [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その頃、アジト内部では。


レイ(駄目だ……身体が思うように動かない)ビリビリ


フリード「抵抗は愚作ですよレイさん。貴方さえ死ねば私たちの任務はそれで終わりなのですから、大人しく逝ってください」


フリードの手には褐色の透明瓶が握られており、それには微量の液体が入っていた。

レイはすかさず直感する。
あれはマズイやつだ。
死の臭いが漂うやつだ。


レイ(なんで俺の名前を知ってるのかとか、聞きたいことはたくさんある────だけど、今は何とかしてここから逃げないと……!)

 ▼ 683 1◆zBLfAqPIVA 18/02/18 01:33:43 ID:gOBXB4wc [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レイ(動け動け動け動け動け、身体よ動いてくれぇぇぇぇぇぇぇ……!!)


フリード「……これで、何もかも終わりで────」


フラー「レイさん、僕と一緒に逃げましょう!」ガシッ

レイ「フ、フラーくん」


フリードがすぐ目の前まで迫ってきたその時。
レイの肩をひしと掴んだのは他でもないフラーその人であった。

フラーは華奢な身体ながらも、麻痺で動けなくなったレイを背負い、その場から逃げ出そうと試みたのである。


フリード「邪魔者め、貴様も殺してや……」


カオル「そうはさせないわよ」


フリード「!!」
 ▼ 684 1◆zBLfAqPIVA 18/02/18 01:43:46 ID:gOBXB4wc [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フリード「次から次へと何なんだ……」

フリードの眼前に現れたのは、エルレイド派閥の紅一点であるカオルの姿だった。
凛と立ちはだかる彼女は、周囲に妙な風を巻き起こしている。

その光景を見てフリードは思わず舌打ちをした。

カオルを取り囲むように吹いていたその風は、ほぼ全員の視界を制限していた白煙を次第に吹き飛ばしていったのだ。


スイゾー「む、煙が晴れていく……」


カオル「サイコキネシスを応用すればこの程度の煙は容易に吹き飛ばすことが可能よ。どうやら目算が甘かったようね、侵入者さん?」



ルフー「フリードォ、どうする? 敵が増えてきちゃったよぉ」


フリード「まったくもって厄介な……」
 ▼ 685 1◆zBLfAqPIVA 18/02/18 01:45:20 ID:gOBXB4wc [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とりあえずここまで。
 ▼ 686 モリ@アイスメモリ 18/02/21 14:10:27 ID:vHoFAxuY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 687 ッタイシ@あやしいおこう 18/02/28 23:59:19 ID:A.NV.2VM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 688 ーブル@こだいのぎんか 18/03/04 21:58:09 ID:2Qt.vR1s NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 689 ズマオウ@おしえテレビ 18/03/15 20:36:57 ID:.TMdX68U NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 690 マージョ@リンドのみ 18/03/27 20:57:17 ID:.zXzNAxU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 691 ルビー@こおりのジュエル 18/03/28 11:18:05 ID:L96K17pQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 692 シツブテ@リュガのみ 18/03/30 08:55:21 ID:kCtFG3jo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援age
 ▼ 693 ガチャーレム@きんのはっぱ 18/04/06 09:42:44 ID:sYqZ8.Wk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 694 ードリオ@ながながこやし 18/04/06 09:47:04 ID:bEl5SrfA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 695 リリ@ジメンZ 18/04/10 03:08:14 ID:cxCoP23E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 696 ヤッキー@あおいかけら 18/04/12 16:20:16 ID:QbSu72ws NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 698 ーデリア@ドリームボール 18/04/19 23:12:35 ID:X82bLhTs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 699 ンカラス@レインボーパス 18/04/24 00:12:15 ID:Ce5TNgrs NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 700 ートロトム@いしょうトランク 18/05/08 00:33:24 ID:pPrPhMrk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 701 ュレム@ねばねばこやし 18/05/15 23:04:37 ID:mjCo1ceM NGネーム登録 NGID登録 報告
保守
 ▼ 702 グザグマ@ノーマルジュエル 18/05/16 10:24:26 ID:YQ1yxH8M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
保守
 ▼ 703 ードラン@レンブのみ 18/05/20 20:33:10 ID:l79RJB.U NGネーム登録 NGID登録 報告
支援あげ
 ▼ 704 ードー@イーブイZ 18/05/22 00:29:00 ID:MicwiplA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 705 ガクチート@わざマシンケース 18/05/23 22:26:21 ID:8f8qwBxM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 706 トマル@フエンせんべい 18/05/28 23:00:05 ID:mxDICZLw NGネーム登録 NGID登録 報告
保守
 ▼ 707 ガバンギラス@ふうせん 18/06/03 02:10:46 ID:7N6bgRhM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
保守
 ▼ 708 ンブオー@タイマーボール 18/06/23 13:18:02 ID:u8uwfJs2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
保守
 ▼ 709 ダツボミ@しんぴのチケット 18/07/02 21:15:13 ID:KhhIT0nc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
保守
 ▼ 710 テッコツ@アップグレード 18/07/13 01:08:29 ID:8QJYaEEo NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
落としていいです
 ▼ 711 ゲボウズ@デンリュウナイト 18/07/27 23:35:11 ID:dfJ2Vohg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
保守
 ▼ 712 ックラー@メンタルハーブ 18/08/03 00:18:14 ID:wlpEtq5. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やべえ、SSのネタ被った……
支援
 ▼ 713 ュプトル@ムーンボール 18/08/05 23:59:42 ID:uTEEl5So NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援上げ保守
 ▼ 714 ュウコン@ミックスオレ 18/08/06 20:16:05 ID:0scc0erE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
来てくれ…
支援あげ
 ▼ 715 クシオ@ぼうけんノート 18/08/06 22:13:54 ID:sxTUOcsM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とても気になるところですな
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