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【SS】俺の恋のキューピッドがジジイだった件

 ▼ 1 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/03 17:30:52 ID:PgBr0GJs [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここはとある小さな島。大して目立つものもないので、観光客もあまり来ない静かな島だ。

もちろん島民も多くはなく、都会のようなにぎわいもないつまらない島。

これは、そんな島に産まれた俺、ピカチュウの恋の物語だ。
 ▼ 2 カブ@こだいのせきぞう 18/06/03 17:31:25 ID:E2HpIJeU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グリーンとオーキドの話だと思った
 ▼ 3 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/03 17:34:21 ID:PgBr0GJs [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
昼下がり。クラス分けなんてもんはない高校の休憩時間がやってくる。

この時間は好きだが、少々面倒な時間でもある。
 ▼ 4 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/03 17:41:43 ID:PgBr0GJs [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ズルズキン「おらっ!金出しやがれ!」

カメール「誰がお前なんかに渡すかよ!」

ズルズキン「何だと……?」

ズガッ!

カメール「がっ……!」



……またこれだ。昼休みになるといつもこんなことが起きる。



ゴチミル「あたしらはさっさと金を出せっていってんのよ!」ガスッ!

ズルズキン「早くしねえと頭潰れちまうぞ?」ズガッ!

カメール「うぐ……」

ズルズキン「出す気がねえってんならやっちまうぞ!」


カメールに向かって降り下ろされる拳。それが命中し、叫び声が響く……

誰もがそうなると思っていた。



ピカチュウ「ぐっ……!」



しかし実際には、走ってきたピカチュウがその拳を受け止めていた。
 ▼ 5 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/03 17:45:42 ID:PgBr0GJs [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「お前ら……いい加減にしろよ!」

ズルズキン「まーたお前か。うるせえよ。」ベキッ!

ピカチュウ「ぐあっ!」

ゴチミル「弱いやつが楯突いても無駄なの。わかる?」


結局その後、ズルズキンたちは俺をボコボコにしてから去っていった。


カメール「大丈夫かいピカチュウ?早く保健室に……」

ピカチュウ「うん。そうするよ。」

……また、保健室か……
 ▼ 6 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/03 17:52:07 ID:PgBr0GJs [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜保健室〜

ピカチュウ「……すみません、怪我したんで絆創膏ください」

チラーミィ「……上が騒がしかったから知ってたわよ。」


この子はチラーミィ。保険委員なのだが、他のやつらがサボってるせいで実質ワンオペ状態。


チラーミィ「いつも言ってるけど、絆創膏じゃなくてまず消毒ね。」

ピカチュウ「あ、いやだから別に……」

チラーミィ「つべこべ言ってないでさっさと座りなさいよ。」


……俺は消毒するときのこの時間が苦手だ。染みるのが嫌とかそういうんじゃない。



彼女に恋をしているからだ。
 ▼ 7 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/03 17:59:17 ID:PgBr0GJs [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「またこんなに擦り傷作って……ほんと、無茶はやめなさいよ。」


入学当初からあのようなことを続けていた俺は、すっかり保健室の常連なのだ。

治療の時間に話すことがだんだんと多くなり……俺は彼女に興味を持った。

それをこじらせた結果がこの感情。肌と肌が触れ合うことが多いってのに、困った感情だ。


チラーミィ「はい。絆創膏渡しとくけど、あまりここに来るようなことしないのが一番よ。」

ピカチュウ「……以後気をつけます」

チラーミィ「……まあ、私もあいつら嫌いだから気持ちはわかるけどさ……」

ピカチュウ「失礼しました。」

チラーミィ「お大事に。」
 ▼ 8 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/03 18:03:12 ID:PgBr0GJs [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あいつらというのは、もちろんさっきの不良たちのことだ。

この学校には不良のグループがあり、日々善良な生徒を悩ませている。

そのボスがガオガエン。単純な戦闘力だ高く、この学校のボスのような存在だ。

そいつに加担するやつもいれば、俺のように反逆するやつもいる。

まあ、反逆者はここぞとばかりにいじめの対象にされるが。
 ▼ 9 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/03 18:03:33 ID:PgBr0GJs [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>8
戦闘力だ→戦闘力が
 ▼ 10 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/03 22:21:22 ID:PgBr0GJs [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌日の昼休みは平和だった。今日はチラーミィの世話にならなくて済みそうだ。

……できることならずっと世話になっていたいけど。


カメール「おーい?大丈夫かピカチュウ?」

ピカチュウ「え?なに?」

カメール「お前さあ……さっきから話しかけてんのに全然返事しないから……」

ピカチュウ「あ、ごめん。」

カメール「それで?結局文化祭のトーナメントは出るのか?」

ピカチュウ「文化祭……」


最初の方に観光客があまり来ないと言ったが、実は1つだけ観光客が押し寄せる日がある。

夏の文化祭3日目、高校トーナメントの日だ。
 ▼ 11 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 00:59:55 ID:TDjQA1GI [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
元々この島には、年に一度島民同士の戦いを神に捧げるという儀式があった。

それを血気盛んな高校生にやってもらおうということで始まったのが文化祭のトーナメント。

といっても、最強を決めるだけではそこまで参加者は多くないだろう。

このトーナメントには、もう1つ重要なことがある。そう、男子の意欲を書き立てるもの。


優勝すると好きな女子と踊れる権利だ。
 ▼ 12 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 01:04:10 ID:TDjQA1GI [2/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もちろんチラーミィと踊りたい気持ちはあるが、そんな実力はないので参加していなかった。

今年も参加しないつもりだった。

だが、教室にいるとある奴の言葉で俺はこの考えを捨てることになる。


ズルズキン「なーなーガオガエン、今年はどの女子狙うんだ?」

ガオガエン「あぁ?えー……そうだな、チラーミィとかにするか。」


……チラーミィを狙う?
 ▼ 13 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 01:09:57 ID:TDjQA1GI [3/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガオガエン。さっき述べた通り不良たちのリーダーだ。

強さはもちろん本物で、入学してから2年連続でトーナメント優勝を果たしている。

そのときは生徒会長やらと踊っていたが、その後ベッドインしたとかなんとか……

とにかく、それを阻止しないとチラーミィも同じようなことになってしまう。


ピカチュウ「……カメール、俺出るよ。」

カメール「……マジかよ!出んの!?」

ピカチュウ「ちょっとした理由ができたから頑張ってみることにしたんだ。」

カメール「まあ……頑張れよ。」
 ▼ 14 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 01:14:42 ID:TDjQA1GI [4/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜帰り道〜

とは言ったものの……したっぱの不良相手に何もできないような強さじゃなぁ……

うちに道場に通うような金はないし、3、4ヶ月ではそこまで強くはなれないだろう。

「おーい」

……なんか幻聴まで聞こえてきたし。体長悪いのかな……

「おーい」

まただ。もう俺、ダメなのかもしれない……

「止まれよそこの小僧!」

ピカチュウ「!?」
 ▼ 15 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 01:20:15 ID:TDjQA1GI [5/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今のは幻聴とかじゃない。確実に誰かの声だ。

それにしても……誰だ?


???「ふぅ……やっと気づいたか少年よ。」


恐る恐る後ろを振り向くと、立っていたのは自分よりも背が低く、トサカのついたポケモン。

木の上から飛び降りてきたようだ。


ルチャブル「始めましてだな、少年。」

ピカチュウ「……。」

ルチャブル「ちょ、こら!無言で交番に逃げようとするな!」
 ▼ 16 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 07:49:38 ID:TDjQA1GI [6/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルチャブル「わしそういう不審者じゃないから!通報とかやめてくれよ!」

ピカチュウ「……じゃあ何なんですか」

ルチャブル「言うなれば……恋のキューピッド?」

ピカチュウ「……。」

ルチャブル「だから交番に行こうとするなって!」
 ▼ 17 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 07:56:38 ID:TDjQA1GI [7/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルチャブル「ほら少年!お主今恋の悩みがあるじゃろ!?」

ピカチュウ「……そんなことは……///」

ルチャブル「確か……同じ学校のチラーミィちゃんとかいう子だったかな?」

ピカチュウ「っ!///」

ルチャブル「むふふ、図星じゃろ。これでわしが恋のキューピッドだってわかったじゃろ?」


初対面なのに俺の好きな子を当てたってことは、若干信憑性があるな。

……信じてみるか?


ルチャブル「さて、悩みを言うがいい。できる限り協力してやろう。」

ピカチュウ「実はカクカクシキジカで……」

ルチャブル「ふむ、強さが欲しいということか。ならば任せろ、わしが鍛えてやろう!」

ピカチュウ「……え?」
 ▼ 18 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 07:58:46 ID:TDjQA1GI [8/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルチャブル「え?とはなんじゃ。強くなりたいんじゃろ?」

ピカチュウ「いや……恋のキューピッドなんだから、不思議な力で超パワーを伝授したり……」

ルチャブル「幻想を抱きすぎじゃ。さ、特訓始めるぞ。」


……物凄く面倒なことになってしまった……
 ▼ 19 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 08:04:24 ID:TDjQA1GI [9/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルチャブル「まずは基本からじゃ。反復横飛び10セット。」

ピカチュウ「……簡単そうでよかった……」

ルチャブル「1分間でそうじゃな……ま、60回でいいじゃろ。では、行くぞ……」

ルチャブル「スタート!」


反復横飛びは得意種目だが、1分間も続けたことはない。

さすがにしんどくなってきた。


ルチャブル「ストップ!……うむ、まずはOKじゃな。これを後9セットやるぞ。」

ピカチュウ「……マジですか」

ルチャブル「マジマジ。」
 ▼ 20 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 08:10:25 ID:TDjQA1GI [10/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
約10分後……そこには疲労で倒れこむピカチュウの姿があった。

ルチャブル「初めてにしちゃあ上出来じゃが、最後の方にペースが崩れとるな。」

ルチャブル「明日もやるからしっかり休むんじゃぞ〜。」


……こいつはヤバい。とんでもないキューピッドに目をつけられてしまったようだ。
 ▼ 21 ローニャ@はつでんしょパス 18/06/04 09:59:32 ID:FrVxbyMs NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 22 エネーワ!◆cfedtFj1t2 18/06/04 16:54:42 ID:TDjQA1GI [11/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それからは特訓の日々だった。公園で毎日ひたすら反復横跳びをした。

端から見たらただのバカか変態だ。だが、そんなトレーニングにも効果はあった。


二週間ほど経ったある日のこと……


ルチャブル「うむ、ここまでいけばいいだろう。このトレーニングは終わりじゃ。」

よかった、ようやく開放される……

ルチャブル「さあ、今日からはお待ちかねの体術に移るぞ!」

ピカチュウ「」
 ▼ 23 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 16:59:31 ID:TDjQA1GI [12/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>22
酉間違えた

数分後……二週間前と同じように倒れこむピカチュウがいた。


ルチャブル「わし相手に1分以上持つとはやるわい。お主には素質があるな。」

ピカチュウ「あんた強すぎだろ……何者だよ……」

ルチャブル「総合格闘技の元チャンピオンじゃ。」

ピカチュウ「……へえすごいですね」

ルチャブル「絶対信じとらんじゃろお主」
 ▼ 24 ゲピー@こだいのおまもり 18/06/04 19:38:19 ID:ltd0K7S. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 25 日ゴロゴロンダ◆XTk1MeLTks 18/06/04 21:18:00 ID:Fh/2m9TA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 26 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 22:26:20 ID:TDjQA1GI [13/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「いやまあ……証拠ないし?」

ルチャブル「これを見ろ!」


ルチャブルのガラケーの画面に映し出されたのは、

『総合格闘技選手』

と書かれたカードだった。


ルチャブル「やり方が無茶苦茶とか言われて追放されてしまったが、昔は戦っておったぞ。」

ピカチュウ「追放されたって……」

ルチャブル「さ、日が暮れるまでにはまだまだ時間がある。もう一度行くぞ!」

ピカチュウ「えぇーっ!?」
 ▼ 27 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 22:30:43 ID:TDjQA1GI [14/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それから俺は、あのジジイに隠れて特訓をするようになった。

あいつの特訓を受けていればいずれは倒せるだろう。だが、その前に倒してやりたい。

……今に見てろよ、恋のキューピッド野郎。
 ▼ 28 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/04 22:38:39 ID:TDjQA1GI [15/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして特訓を初めて1ヶ月。ようやく10分戦えるようになった。


ルチャブル「これだけ短期間でここまでやるとは……センスあるのう。」

ピカチュウ「へっ……どうだ!」

ルチャブル「ま、わしを倒せてないからまだまだじゃな。」

ピカチュウ「ぐぬぬ……もう1回!」

ルチャブル「ふぉっふぉっふぉ、何度でもやってみなさい。」

───────────────────────────────────────

ゴチミル「何あいつ……なんかジジイと格闘してるんだけど。」

ズルズキン「ケッ、ガオガエンさんを倒そうってヤケになってんじゃねーの?」

ゴチミル「無理無理。あんな雑魚にやられるような奴じゃないでしょ、ガオガエンは。」

ズルズキン「……まあ、万が一ということもある。こうするのはどうだ。」


ゴニョゴニョゴニョゴニョ……


ゴチミル「……いいわね。賛成。最近目障りだったしね。」

ズルズキン「そうと決まったらみんなに連絡するぞ……ククククク」
 ▼ 29 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/05 20:29:08 ID:4GdKlPPI [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その晩、俺はあのジジイについて調べてみた。


ピカチュウ「総合格闘技選手のチャンピオン……っと。うお、マジでルチャブル出てきた。」


しかし、wikiによると三年前には亡くなっているとあった。

おそらくそいつの親族か何かなのだろう。


ピカチュウ「……まあ、最初から信じてなかったけどさ……」


あのジジイでも強いのなら、チャンピオンはもっと強かったはずだ。

ぜひ一度生で会ってみたかったなぁ。
 ▼ 30 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/05 22:44:49 ID:4GdKlPPI [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌朝……

ピカチュウ「……もう親父は仕事行っちまったか。さて、朝食にするかな……」


……親父の部屋から物音がする。おかしい。親父の帽子はないのに。

恐る恐るドアを開け、中の様子を確認する。


ピカチュウ「……親父?」

ルチャブル「ふむふむ……悪くないな……どれ……こっちは……」

ピカチュウ「あの、何やってんだジジイ?」

ルチャブル「師匠と呼びなさい。」

ピカチュウ「じゃあ朝っぱらから俺の家で何やってんだ師匠?」

ルチャブル「朝のオナヌー体操じゃ。丁度いいオカズがあったのでな。」

ピカチュウ「それ親父のエロ本コレクショーン!」
 ▼ 31 ッコウガ@エレキシード 18/06/05 22:45:39 ID:GI1LsaZA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 32 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/05 22:54:19 ID:4GdKlPPI [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「おい早く戻せよ!親父に見つかったら怒られるのは俺なんだよ!」

ルチャブル「お主は17じゃろ?見てみたいとか思わんのか?」

ピカチュウ「お、思わねえよ!」

ルチャブル「愛しのチラーミィちゃんとあんなことやこんなことをしたいとは思わんのか?」

ピカチュウ「……それは……」

ルチャブル「トーナメントで優勝すればもはやチラーミィちゃんと結ばれるのは確定事項。」

ルチャブル「そうなればお主の思いのままじゃ。」

ピカチュウ「ゴクリ……」

ルチャブル「耳にかかる甘い吐息、部屋に響く喘ぎ声。全てお主の……」

ピカチュウ「朝っぱらからそういうのはやめろ!官能小説家かあんたは!」

ルチャブル「なんじゃ、乗り気じゃなかったのか?」

ピカチュウ「……俺は飯食うから、片付けとけよ。」

ルチャブル「ちょっと待った、お主に渡しておきたいものがある。」


そう言って渡されたのは、1枚の紙切れ。何かの説明のようだが……


ピカチュウ「……何これ?」

ルチャブル「必殺技の説明ってところじゃな。学校でゆっくり見るといい。」


……必殺技か。燃えるじゃねえか。
 ▼ 33 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/05 23:00:50 ID:4GdKlPPI [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
説明を読んでみた。

……長い。

わかりづらい。

絵が下手すぎて伝わらない。

こんな説明でどうしろと怒鳴りたかったが、自分なりに解読してみることにした。


まずは『ボルテッカー』を維持するのが重要だということ。

それを体の1ヶ所に集中させることで、絶大なパワーが出せるということ。

そして体への負担が大きいこと。


まだまだ読み解けない部分はあるが、大体わかった。やってみる価値はありそうだ。
 ▼ 34 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/05 23:10:33 ID:4GdKlPPI [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「……ねえピカチュウ、なんか必死に読んでるところ悪いんだけど」

チラーミィ「ちょっと手伝ってほしいことがあるからさ、一緒に来てくれない?」

ピカチュウ「も、もちろん。」


向こうから話しかけてくれるとは……今日はなんて幸運な日なんだ……


チラーミィ「4時半に校門で待ち合わせできる?」

ピカチュウ「うん。何か持っていったほうがいい?」

チラーミィ「ううん。じゃあ、よろしくね。」


─────────────────────────────────────


ズルッグ「丁度いいっすよ先輩。4時半に来るみたいでやんす。」

ズルズキン「よし、途中の道にしよう。実行するぞ。」

ズルッグ「へへへ……あいあいさー」
 ▼ 35 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/05 23:17:05 ID:4GdKlPPI [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さて、待ち合わせの時間まで何をしようか。必殺技の練習でもしてみるか。


試しにボルテッカーを維持してみるが、15秒が限界だった。

体への負担が大きく、連発はできないが、少しのパンチもかなりの威力になっていた。


ピカチュウ「……なんとかして間に合わせないとな……」


もう6月だ。あと2ヶ月もない。それまでにもっともっと強くなるんだ。
 ▼ 36 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/06 01:21:59 ID:jfaGa7/Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
何度も試し、遂に倒れる。目に映るのは、雲が増え始めた空。

そろそろ雨が降ってくるな。チラーミィとの待ち合わせの前に傘を持ってこよう。

そう思い、立ち上がったそのときだった。


ズルズキン「よう……お前、こんなところで何をしてるんだ……?」


物陰から5匹ほどの不良グループが現れたのだ。
 ▼ 37 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/10 02:50:01 ID:X2b2e4bI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……何をしに来た?」

ズルズキン「言われなくてもわかるんじゃねえか?」

ピカチュウ「まあ、大体は。」

ズルズキン「そういうことだ。」


ズルズキンの蹴りが炸裂。普段なら起き上がって反撃に移るが、体力を消耗して動けない。


ズルズキン「ジジイと仲良く特訓してるくせに弱えなぁ。」

ズルッグ「え、もうやっちゃっていいんですか先輩?」

ズルズキン「おう。好きにしろ。さーて……」

ズルズキン「お前はしばらくサンドバッグだ、ピカチュウ。」

ピカチュウ「っざけんな……」


ガスッ!


ズルッグ「今更遅いですよ。反抗しないでちゃんとやられててくださいよ。」


そして俺は奴らに袋叩きにされた……
 ▼ 38 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/11 00:05:29 ID:NmpAQuVg [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どれくらいの時間が経っただろうか。気がつくとあいつらはいなくなっていた。

一安心と言いたいところだが、体が動かない。

『必殺技』の練習の反動に加え、あれだけ暴行されたのだ。普通に考えれば当たり前だろう。



……運の悪いことに、雨雲が集まり始めた。この状態で体温が下がると危険だ。

だが、逃れることはできない。きっとそういう運命だったんだろう。
 ▼ 39 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/11 00:11:52 ID:NmpAQuVg [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
雨が降ってきた。傷ついた体を凍えさせようと、雨粒が肌を濡らしていく。


……ちくしょう。こんなところで終わりたくなんかねえよ。

まだまだ始まったばかりだっていうのに……もう神とやらは俺を見捨てたのか?

ああ……もっと……もっと生きたかったなぁ……
 ▼ 40 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/11 00:15:27 ID:NmpAQuVg [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そのとき、狭まっていく視界の端に青い何かが映った。

その『何か』が近づいて来るにつれ、招待がわかった。どうやら傘のようだ。

しかし体力の限界。自分の名前を呼び続ける傘の持ち主が、見えなくなっていく。



そして、目の前の景色は全て闇に覆われた。
 ▼ 41 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/11 00:15:57 ID:NmpAQuVg [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>40
誤字

招待→正体
 ▼ 42 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/11 00:27:49 ID:NmpAQuVg [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……ウ

……カチュウ!

ピカチュウ!



『ねえ!起きてよピカチュウ!』


ピカチュウ「うわっ!」


誰かにずっと名前を呼ばれていた気がする。いや、呼び声に応えるようにして目が覚めた。

ならば本当に呼ばれていたのだろう。一体誰が……


チラーミィ「よかった!生きてたのねピカチュウ!」


……チラーミィ?というかいつもとキャラが違う気が……


チラーミィ「大丈夫?自分の名前ちゃんと覚えてる?」

ピカチュウ「……大丈夫、記憶喪失にはなってないから。」

ピカチュウ「チラーミィ、君が助けてくれたの?」

チラーミィ「……助けたというより、見つけただけよ。」

ピカチュウ「ありがとう。……あ、約束の時間……」


時計を見ると、既に5時近くになっている。


ピカチュウ「……ごめん。」

チラーミィ「大丈夫。今度でいいわ。そういえばあなた、今日家に親はいるの?」

ピカチュウ「いないはずだったけど……」

チラーミィ「……本当はもっとゆっくり怪我の手当をしてほしかったんだけど……そうだ!」



チラーミィ「私の家に来ない?」

ピカチュウ「!?」
 ▼ 43 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/11 00:38:28 ID:NmpAQuVg [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「え、えーっと……チラーミィの家に?」

チラーミィ「そうよ。」

ピカチュウ「……遠慮しておきます」

チラーミィ「そのボロボロの体で大丈夫な訳ないでしょ。」

ピカチュウ「いや……そうじゃなくて、単純に女子の家に上がるのはいかがなものかと……」

チラーミィ「じゃあ、変更。保健委員として命令します。私の家に来なさい。」

ピカチュウ「選択肢は?」

チラーミィ「YESかはいかOKのどれか」

ピカチュウ「NOで」

チラーミィ「そんな選択肢ありません。」
 ▼ 44 ルガー@ヤミラミナイト 18/06/11 00:59:21 ID:JsIAJ7Hg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんでこういうssの悪役はガオガエンが多いのだろう
支援
 ▼ 45 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/11 17:40:41 ID:NmpAQuVg [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
結局、俺はチラーミィの家に連れられてしまった。

今彼女はシャワーを浴びている。きれい好きというのは本当のようだ。

チラーミィが出てきたら俺が浴びることになっている。

冷えた体を温め、傷口の汚れを落とすためだ。

……よく考えたら、チラーミィの香りが残った風呂場でシャワーを浴びるのか。

まずい……心の準備が……///


チラーミィ「タオル用意したから入っていいよー!」


ピカチュウ「あ、今行く。」


準備早えよ!
 ▼ 46 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/11 18:27:27 ID:NmpAQuVg [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
風呂場はいたってシンプルだった。まあ、そりゃそうだ。

いかがわしい物が置いてあることを期待していた数秒前の自分を殴りたい気分だ。

あったとして普通片付けるだろうし。


それよりも残り香のほうが問題だった。

下手したら幸せのあまりここで死んでしまうかもしれない。

一発ヌきたいところだが、ここはぐっと我慢。発覚したら今までの努力が水の泡だ。

ぐおお……でもヌきたい……
 ▼ 47 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/11 18:38:16 ID:NmpAQuVg [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャワーの後、チラーミィは傷の手当をしてくれた。心なしか、いつもより優しい気がする。


ピカチュウ「……ひとつ聞きたいんだけどさ。」

チラーミィ「何?」

ピカチュウ「どうしてここまでしてくれたの?」


チラーミィの顔に、一瞬焦ったような表情が浮かぶ。


チラーミィ「そ、それは……///あくまでも保健委員としての役目を果たしたまでよ。」


いや、嘘つけ。デレデレして保健室に来るやつらとか、毎回閉め出してるだろ。


……本当はもっと詮索したいが、これ以上は不快感のもとになりかねない。やめておこう。
 ▼ 48 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/11 18:48:36 ID:NmpAQuVg [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
帰り際に、しばらく無茶はするなと念を押された。はいはい、わかってますって。

それはそうと、向こうから師匠の声が聞こえてくるんだが……


ルチャブル「少年!どこに行っておったのだ!探したぞ!」

ピカチュウ「いや……必殺技の練習してたら不良にボコされちゃってさ……ごめん。」

ルチャブル「……本当に心配したぞ。それで?怪我のほうはどうなんじゃ?」

ピカチュウ「チラーミィに治療してもらったから大丈夫。」

ルチャブル「はて……?今学校と反対方面から来たようじゃが……?」

ルチャブル「もしかして、おうちにお邪魔しておったのか?」


相変わらず勘の鋭いジジイだ。


ピカチュウ「ああそうだけど?」

ルチャブル「やはりそうか……まさかいちゃらぶエッt

ピカチュウ「黙れエロジジイ!」パァン!

ルチャブル「ごふう!な、ならどこまで行ったのじゃ?」

ピカチュウ「……シャワー浴びさせてもらうぐらい?」

ルチャブル「やっぱりいちゃらぶエッt

ピカチュウ「死ねエロジジイ(直球)」
 ▼ 49 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/11 22:31:18 ID:NmpAQuVg [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それからまた、俺は特訓を再開した。

必殺技の維持もできるようになり、7月に入る頃には2分は保てるようになっていた。

そして、学生なら誰しも待ち望む、あの日がやってくる……




ミルホッグ「明日から夏休みですが、みなさん羽目を外しすぎないように。さようなら。」

一同『さようなら!』



やっと夏休みだ。これで思う存分特訓ができる。早速師匠のところに行こう。
 ▼ 50 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/11 22:35:51 ID:NmpAQuVg [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「師匠、今日から夏休みだから特訓やってくれよ!」

ルチャブル「ほう、もう夏休みか。いいのう。」

ピカチュウ「今日は何をするんだ?」

ルチャブル「ふむ……夏休みに入ったか。ピカチュウ、お主に新たなミッションを与えよう。」

ピカチュウ「おお!」

ルチャブル「チラーミィちゃんと接近しろ!」

ピカチュウ「……もう1回言ってくれない?」

ルチャブル「チラーミィちゃんと接近するんじゃ!」
 ▼ 51 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/11 22:40:17 ID:NmpAQuVg [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「どういうことだよ!特訓じゃねえのかよ!」

ルチャブル「まあ待て。トーナメントで優勝したとしよう。それでいきなり付き合えるか?」

ピカチュウ「うっ……確かに……」

ルチャブル「だから、夏休みの間に距離を縮めておこうという作戦じゃ。」

ピカチュウ「でもどうすりゃいいんだ?」

ルチャブル「それはわからん。わしも考えておくからお主も考えておくのじゃ。よいな?」

ピカチュウ「はぁ……」
 ▼ 52 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/12 00:29:42 ID:UgwULwls NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィと距離を縮める……どうすればいいんだ?

チラーミィの好きなものってなんだ?直接聞くのは……なんかなぁ。

いっつもクールだから何してるかわかんないし……これはなかなか厄介だ。
 ▼ 53 日ゴロゴロンダ◆XTk1MeLTks 18/06/12 00:42:06 ID:zse2xeHA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
初めてルチャブルに好感持てた
 ▼ 54 ネコロロ@ともだちてちょう 18/06/13 01:36:46 ID:PqewD6XI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
君のような勘のいいエロジジイは嫌いだよ

支援
 ▼ 55 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/15 01:23:05 ID:VEeg5GOI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は3日3晩考えた。なぜ3日なのかって?そりゃ3日坊主だったからな。

とにかく、彼女から直接教えてもらうのが一番確実なのだ。……それができればの話だが。


ピカチュウ「あーやめやめ、1回気分転換!」


冷蔵庫からパピコを取り出し、二つに割る。もちろん両方俺のだ。

一本目を食べる。うまい。お気に入りのサワークリームにして正解だった。

残った汁も吸い、2本目を開ける……


ルチャブル「元気にしとったかの、少年。」

ピカチュウ「おわっ!……いきなり現れるなよ……」


心臓が止まるかと思った。リラックスしているときほどこういうのは効くものだ。


ピカチュウ「で?何かわかったん?」

ルチャブル「もちろんじゃ。チラーミィちゃんの趣味を調べてきたわい。」

ピカチュウ「マジ!?早く教えてくれよ!」

ルチャブル「っと、ただでとはいかん。」

ピカチュウ「と言うと?」

ルチャブル「そのパピコくれんかのう。」


蓋を開けたパピコを師匠に放り投げる。まったく、抜け目のないジジイだ。

後で返せよ。一本じゃ食った気がしねえんだよ。
 ▼ 56 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/15 01:35:14 ID:VEeg5GOI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……ちゃんと教えてくれるんだよな?」

ルチャブル「うむ。彼女の趣味は『音楽』じゃ。」

ピカチュウ「へえ……」

ルチャブル「夜になるとラジオを聴いたり、ハーモニカを吹いておったな。」

ピカチュウ「……1ついいか?」

ルチャブル「ぬ?」

ピカチュウ「それ、どうやって知ったの?」

ルチャブル「そりゃあ3日ほど張り付いておったからのう。」

ピカチュウ「……は?」

ルチャブル「我ながら見事なものじゃったわい。さながら刑事ドラマのように……」

ピカチュウ「もしもし警察ですか?今ここにストーカーがいるんで身柄の引き渡しを……」

ルチャブル「通報するなーっ!」

ピカチュウ「ちょ、おま何しやがる!」

ルチャブル「わしが誰のためにやったと思ってるんじゃ!」

ピカチュウ「俺はストーキングしろとは言ってねえから!」

ルチャブル「このか弱い年寄りの純粋な目が映らんのか!?」

ピカチュウ「高校生をたたきのめせて勝手に親父のエロ本漁るやつが何言ってんだよ」
 ▼ 57 ンドール@みかづきのはね 18/06/15 01:43:36 ID:7CdU8MWc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援ね
 ▼ 58 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/16 23:37:32 ID:u30.1hLM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アホジジイの行為に関しては許しがたいが、とにかく情報は手に入った。

ピカチュウ「あれか?最近の曲とか勉強して話題を作ればいいのか?」

ルチャブル「ノンノン。楽器を演奏できるようになったほうが100倍かっこいいじゃろ。」

ピカチュウ「でも俺楽器なんか持ってないぞ?買う金もないし……」

ルチャブル「あれだけ大量のエロ本を所持してる親父さんじゃ。倉庫になんかあるじゃろ。」

ピカチュウ「んな無茶な……」
 ▼ 59 ルネアス@スキルコール 18/06/17 00:54:53 ID:iIyQ3GJU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 60 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/17 21:00:41 ID:Ej76NLEo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
早速倉庫を漁る。しっかしまあ、掃除どころか開けてすらなかったから案の定埃まみれだ。

マスクを装着し、再び倉庫へ。


ピカチュウ「……なんでこんなにビニール傘があるんだよ……」

ルチャブル「サラリーマンなんてそんなもんじゃろう。……むむっ!」

ピカチュウ「何か見つかったのか?」

ルチャブル「親父さんのエロ本コレクションを発見じゃー!」

ピカチュウ「」

ピカチュウ「いや真面目に探せよ!」

ルチャブル「ふぉぉぉぉ!これはすごいわい!」

ピカチュウ「話を聞け〜!」
 ▼ 61 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/17 21:03:59 ID:Ej76NLEo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「はぁ……結局俺だけで探さなくちゃならないのかよ……」


積み上げられた物の山に寄りかかってみる。


      


                  












                  ガタン。










ピカチュウ「ん……?」
 ▼ 62 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/17 21:13:06 ID:Ej76NLEo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
見上げたときには遅かった。山が崩れはじめ、雪崩となってピカチュウに襲いかかった。


ピカチュウ「うわあああああ!」

ルチャブル「ぬ!?少年!?」


ズドドドドドド!


ルチャブル「少年!……ゴフッ 埃が……」

ルチャブル「おーい、無事か少年!」


ガタガタ……


ガラクタの一部が動き、黄色い耳が飛び出す。


ピカチュウ「ぷはっ……まったく、ひどい目にあったぜ。」

ルチャブル「……お主、頭に乗せてるのは何じゃ?」

ピカチュウ「は?頭?」


見ると、蓋のようになっていた何かのケースが持ち上げられていた。


ピカチュウ「……ひょうたんみたいな形だな。」

ルチャブル「ひとまず開けてみたらどうじゃ。」

ピカチュウ「そうだな。」


埃にまみれた黒いケースを開ける。


ピカチュウ「これは……ギター?」


埃にまみれ、傷だらけになっていたが、それは確かにギターだった。
 ▼ 63 ァイアロー@デンキZ 18/06/17 23:31:41 ID:SC2kOXVo NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 64 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/18 00:52:41 ID:SVAMZBJI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルチャブル「どれ、ちょっと弾いてみたらどうじゃ。」

ピカチュウ「……待って、なんか弦が切れてるんだけど。」


しばらく使われていなかったであろうギターの品質はまさに最悪。

弦が切れている上、ピックもない。


ルチャブル「これは修理してもらうしかなさそうじゃな。近くに店はあるのか?」

ピカチュウ「まあ……あることにはあるんだけど……少し厄介なんだよね」
 ▼ 65 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/20 21:05:37 ID:SMt.wPxI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルチャブル「ふむ、問題とな?」

ピカチュウ「……この島には修理屋が一軒だけなんだけど、自由気ままな店長さんでね……」

ピカチュウ「今のシーズンは旅に出てるんだよ……」

ルチャブル「なんじゃ、それなら問題なかろう。」

ピカチュウ「いやいやあるだろ!」

ルチャブル「都会に行けばいいんじゃ。ついでにチラーミィちゃんとデートもできるわい。」

ピカチュウ「……珍しくいいアイデア出したな」

ルチャブル「珍しくとはなんじゃ!いつもじゃろ!」

ピカチュウ「ほうほう、ストーカーがいいアイデアだと?」

ルチャブル「本当に反抗期まっさかりな感じじゃな」
 ▼ 66 ラエッテ@ベリブのみ 18/06/21 02:00:05 ID:ZAfAZGSk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 67 ウマージ@ホロキャスター 18/06/21 03:30:08 ID:/ciACsKs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 68 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/21 23:09:10 ID:Q6CwTcyk [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「お買い上げありがとうございました〜。」


俺は今、コンビニでバイトの最中だ。都会に行くのにも金が必要だからな。

せっかくの夏休みなので、時給が少し高い深夜バイトにしてみた。

あまり島民がいないから楽でいいや。


ピカチュウ「あ、いらっしゃいませ……」

ガオガエン「……お前、3年のピカチュウか?」


いやなんでいるんだよお前。
 ▼ 69 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/21 23:11:31 ID:Q6CwTcyk [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「そうだけど?」

ガオガエン「トーナメントに出るっていうのは本当なのか?」

ピカチュウ「まあ、そうだね。」

ガオガエン「……1つ忠告しておく。」




ガオガエン「怪我したくなかったらさっさと辞退しとけ。」


……なるほど。威嚇してまわってるってことか。正直こえーわ。
 ▼ 70 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/21 23:16:07 ID:Q6CwTcyk [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「今のところは辞退する気はないかな。」

ガオガエン「ほう……そうか。ならば冥土の土産にこいつでも買ってってやろう。」


期間限定 GO!GO!アイドルポケガールズパッケージ 

イチゴミルクプリン 400円


ピカチュウ「お前そういう趣味だったのかよ」

ガオガエン「うるせえ!さっさとしろ!」
 ▼ 71 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/21 23:18:41 ID:Q6CwTcyk [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……この賞品を買うとくじが引けますが」

ガオガエン「おう。やるぜ。」



ピカチュウ「F賞です」

ガオガエン「……そうか」ションボリ


やべえこいつかわいいんだけど
 ▼ 72 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/06/21 23:21:05 ID:Q6CwTcyk [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「お買い上げありがとうございました〜。」


……ってやべ!バイト中なのに私語……リーダーにしばかれる!


ピカチュウ「……リーダーごめんなさい……」

ヤナッキー「むにゃむにゃ……サナたん……」


セーフ……なのか?
 ▼ 73 ルネアス@きぼんぐり 18/06/24 00:44:11 ID:WZlwRbSg NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 74 マシュ@コスメポーチ 18/06/24 03:36:40 ID:vGHoAf32 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 75 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/07/06 23:41:56 ID:kM6EU/Dk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それから俺は必死にバイトをした。もちろん特訓もしながら。

田舎なのであまり客が来ない夜もある。本当は特訓したい。

それでも我慢をし続け、1ヶ月……








ピカチュウ「目標額……達成……!」


ついに都会に行くための金が貯まった。
 ▼ 76 マケロ@ロックメモリ 18/07/07 03:23:46 ID:81iEDN1k NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 77 オッキー@りゅうのプレート 18/07/10 01:12:34 ID:lzPEQSdU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 78 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/07/11 22:56:11 ID:oCTke6Tw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ということで金は貯まったぜ師匠。これでどうするんだ?」

ルチャブル「どうするもこうも、チラーミィちゃんを誘うしかないじゃろ。」

ピカチュウ「……それ本気で言ってんの?」

ルチャブル「デートが目的でもあるんじゃろ?当たり前のことじゃろ。」

ピカチュウ「チラーミィはな……男の誘いには一切乗らないことで有名でな……」

ピカチュウ「告白にも全く動じないし……学校一番のイケメンをフッたんだぜ?」

ルチャブル「それがどうしたというんじゃ。諦めてないのにそれは理由にならんぞ。」

ピカチュウ「……まあ、そうだけどさ。とにかく、どうすりゃいいんだよ」

ルチャブル「わしに考えがある。それはな……」

ピカチュウ「……確かにナイスアイデアだけど、失敗したら不味くね?」

ルチャブル「案ずるな。当たって砕けろじゃ。」

ピカチュウ「砕ける前提で提案するなや」
 ▼ 79 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/07/25 01:47:00 ID:1zyUaasQ [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「それでピカチュウ、話って何?」


翌日、俺はチラーミィを呼び出すことに成功した。まずはOK。後は自分次第だ。


ピカチュウ「……実はさ、船のチケット貰ったんだけど……カップル用で。」

ピカチュウ「勿体ないから使いたいんだけど一緒に行ってくれるやつがいなくって……」

チラーミィ「それで私に声をかけてきたわけ?」

ピカチュウ「……うん。」


貰ったなんていうのは勿論嘘だ。俺が自分で買いに行った。

もし誘いを断られたら、俺はこれをシュレッダーにかけて焼き尽くさなきゃならない。

頼む、いい返事を返してくれ……!
 ▼ 80 ャヒート@あさせのかいがら 18/07/25 01:49:40 ID:F9v.Apdo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 81 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/07/25 01:53:32 ID:1zyUaasQ [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「……来週の月曜日なら」

ピカチュウ「……え?」

チラーミィ「来週の月曜日なら予定が空いてるって言ったのよ。そっちはどうなの?」

ピカチュウ「い、いや、暇だけど。」

チラーミィ「ならいいんじゃない。詳しいことは後で連絡して。それじゃ。」


俺はしばらくの間立ち尽くしていた。

女子ってこんなにもあっさり誘いに乗ってくれるものなのか?

……まあいい。とにかく今は……!


ピカチュウ「よっしゃああああああ!やったぜジジイ!俺は誘ったぞぉぉぉ!」
 ▼ 82 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/07/25 02:01:05 ID:1zyUaasQ [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「つーわけで成功したぜジジイ!すげえだろ!」

ルチャブル「はいはいつよいつよい」

ピカチュウ「でも俺……デートとかしたこと無いから都会でどうすりゃいいのかわかんねえ……」

ルチャブル「ふむ、こういうときはわしの出番じゃな。」

ピカチュウ「何?昔は彼女でもいたの?」

ルチャブル「そりゃあ若いころのわしは……」

ピカチュウ「自分語りキメエ」

ルチャブル「話せと言ったのはそっちじゃろうが!」

ピカチュウ「自分語りしろとは言ってない」

ルチャブル「ほう……デートに誘えたぐらいで喜ぶ青二才が生意気な……」

ピカチュウ「何だと!?」

ルチャブル「はーあ、しょうがないのう。メモに書いてやるから持ってくんじゃぞ。」

ピカチュウ「……おう。」
 ▼ 83 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/07/25 02:09:59 ID:1zyUaasQ [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてついに月曜日……


ピカチュウ「……待ち合わせの時間まで後2時間か……」


よくマンガなんかで見る典型的なやつだな。……自分がやるとは思ってなかったけど。

さて、どうやって時間を潰そうか……あれ、なんか向こうの方に灰色の耳が出てる。

……まさかね。
 ▼ 84 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/07/25 02:19:19 ID:1zyUaasQ [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ(……どうしよう、待ち合わせの時間より2時間早く来ちゃった……)

チラーミィ(ピカチュウとデートって思ってついはしゃいじゃったけど……)

チラーミィ(よく考えたらピカチュウはデートなんて一言も言ってないんだよね……はぁ……)

チラーミィ(なんか早とちりしちゃって恥ずかs

ピカチュウ「おーい、チラーミィなのか?」

チラーミィ「ひゃうっ!?ピ、ピカチュウ!?///」

ピカチュウ「……なんか早く着いちゃって。」

チラーミィ「……何だか珍しいわね。(どうしよう……変な声出しちゃったよぉ……///)」
 ▼ 85 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/07/25 08:29:36 ID:1zyUaasQ [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「ところであなた……結構な大荷物だけどもしかして2泊ぐらいするの?」

ピカチュウ「ああ、これね。ギターを修理しようと思って持ってきたんだよ。」

チラーミィ「ギターかぁ。……かっこいいね。」

ピカチュウ「……今かっこいいっt

チラーミィ「ちょちょちょっと待って!今私何も言ってないから!言ってないから!ね!?」

ピカチュウ「あ……うん、そうだな。」

チラーミィ(危ない……ついつい本音が出ちゃう……)
 ▼ 86 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/07/25 08:40:04 ID:1zyUaasQ [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして島から船で5時間……


チラーミィ「ここが……都会……」

ピカチュウ「……港からすでに島と大分違うな。」

チラーミィ「本当に来たんだね、私達。」

ピカチュウ「うん。それじゃあ街に行こうぜ。」

チラーミィ(……ここからはピカチュウとずっと2匹で……って変な妄想しちゃダメ!///)

ピカチュウ「ん?どうしたチラーミィ?顔赤いぞ?」

チラーミィ「なななんでもないよっ!……早く行きましょう。」
 ▼ 87 デカバシ@しんぴのしずく 18/07/25 09:22:55 ID:.2YY53Fw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 88 ックラー@ノーマルZ 18/07/27 10:15:01 ID:ZqYsFKXg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シエンネ
 ▼ 89 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/02 00:41:03 ID:inNEfK.k [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さて、どうするか……プランは練ってきたものの、やっぱり緊張するな……

只でさえ初めてのデートなのに、相手はパーフェクト・クール&キュートの異名を持つチラーミィ。

何かあっても基本的に表情が変わらぬ冷静さ故、男子のアプローチにも全く動じないとか。

あと学校1のイケメンを振ったし。

おまけにあの鋭い言葉……どう考えても俺に釣り合う相手じゃない。



……それでも俺は、チラーミィを好きになってしまったのだ。

だったらやれるだけやるしかないじゃないか。



ふぅ。……そう思ったら少し落ち着いた。

 ▼ 90 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/02 00:46:06 ID:inNEfK.k [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
最初の作戦……それはスイーツ作戦だ!

女子が(たぶん)大好きであろうスイーツを一緒に食べ、かっこよく奢ってみせる……

これだけでもちょっとは好感度が上がるはず!


ピカチュウ「な、なあチラーミィ。せっかく都会に来たんだし、スイーツでも食べない?」

チラーミィ「……別に、食べたいならどうぞ?」


……あれ?もしかしてこれ失敗?

いやいや、まだわからない……わからない……はは……


ピカチュウ「じゃ、じゃあそこのクレープ屋でもいいかな?」

チラーミィ「どうぞ。私外で待ってるから買ってきなよ。」


……うん、失敗だなこりゃ。
 ▼ 91 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/02 00:52:04 ID:inNEfK.k [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
どうするんだこれ。プランが台無しだ。

いや、そもそもチラーミィのことを考えてなかった自分のせいだよな……

まあいいや、クレープを分けたりすればまだ……それは余計にキモいな、はは……
 ▼ 92 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/02 01:01:01 ID:inNEfK.k [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ(……危なかった……)


近くにクレープ屋があったのは誤算だった……

あのままクレープ食べに行ってたら危ないところだったよぉ……

私が本当はクレープ大好きでついついたくさん食べちゃうのがバレちゃうところだった……

ピカチュウに食いしん坊とか思われちゃったら私はこの先どうすればいいの……

それにしてもここのクレープ、美味しそうだなぁ……はぁ。


ピカチュウ「ごめんチラーミィ、店が混んでて買えそうになかっ……」

チラーミィ「……。」(目を輝かせてショーウィンドウを覗いている)

ピカチュウ「あ、あの、チラーミィ?」

チラーミィ「えっ!?ピカチュウ!?い、今のは何でもな


ぎゅるるるる……


チラーミィ「……。///」

ピカチュウ「……ご飯行きません?」

チラーミィ「……。///」コクリ



ピカチュウ(やっぱチラーミィかわいい)

チラーミィ(死にたい)
 ▼ 93 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/02 01:11:05 ID:inNEfK.k [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ファーストフード店〜


ピカチュウ「ごめんね、本当はクレープ奢れたらよかったんだけど」

チラーミィ「……。」

ピカチュウ「もしよかったら帰りにでも買っていこうかなって思ったんだけど」

チラーミィ「……。」

ピカチュウ「……さっきは何もなかったから。ね?」

チラーミィ「……ね」

ピカチュウ「うん?」

チラーミィ「ぜ、絶対忘れてね!絶対だよ!?」

ピカチュウ「お、おう。」


……そういえばさっきから気になってたんだが、チラーミィの口調がいつもと違う気がするな。

いつもは『そうね。』とか『〜よ』とか結構クールなんだけど……

声がちょっと高いし口調も普通の女子って感じだし……一体何なんだ?
 ▼ 94 ラマネロ@くろいビードロ 18/08/02 01:16:27 ID:QrRsLMkw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 95 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/02 01:21:49 ID:inNEfK.k [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「そういえばピカチュウはギターを修理しに来たんだっけ?」

ピカチュウ「おう。親父が雑に扱ってたせいでクソボロだぜまったく。」

チラーミィ「私はハーモニカ持ってるの!えーっと……これかな。」


チラーミィが取り出したのはクリアな緑色のハーモニカだった。


ピカチュウ「綺麗だね。君が買ったの?」

チラーミィ「ううん、おばあちゃんから貰ったの。私の宝物で……お守りみたいなものなの。」

ピカチュウ「へーえ。」

チラーミィ「ピカチュウのギターも大事なものなの?」

ピカチュウ「大事ってわけでもねえな。この前ひっぱりだしたばっかりだし。」

ピカチュウ「ところでチラーミィ、1ついいか?」

チラーミィ「どうしたの?」

ピカチュウ「いや、なんかさっきからいつもと口調が……

チラーミィ「お、おほん。気にしないでちょうだい。」

ピカチュウ(あ、戻った。)

チラーミィ「食べ終わったなら早く行きましょ。修理も時間かかるでしょ。」

ピカチュウ「……そうだな。」


指摘したら急に戻ったけど……やっぱり何かあるのか?
 ▼ 96 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/02 01:34:24 ID:inNEfK.k [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コロトック「……うーん、君のお父さんは相当雑に扱ってたようだね……」

ピカチュウ「はぁ……」


俺たちは今、街の楽器屋に来ている。店主はいいやつなんだが、どうも客が少ないらしい。


コロトック「よし、今夜7時ぐらいには仕上げておくよ。」

ピカチュウ「ありがとうございます。」

コロトック「せっかくだから楽譜でもどうだい?そこの棚にあるから見てみなよ。」


チラーミィ「ギターはどうだったの?」

ピカチュウ「ああ、7時にはできるってさ。」

チラーミィ「そう。よかったわね。あ、この曲知ってる!」

ピカチュウ「え、どれどれ?」

チラーミィ「これ。『笑顔』って曲なんだけどさ、私この曲が大好きで。」

ピカチュウ「……すみません、これください。」

コロトック「あいよ。そこに代金置いといて。」

ピカチュウ(大丈夫なのかそれ……まあいいか)

チラーミィ「私ね、ハーモニカでこれ吹けるんだ!ちょっと待ってね……」


チラーミィの生演奏が聴けるとは……今日まで生きててよかったよ……!


チラーミィ「……ない。」

ピカチュウ「何がないの?」

チラーミィ「私のハーモニカ……ないんだけど……」
 ▼ 97 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/02 01:41:28 ID:inNEfK.k [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……も、もう一回探してみたら?」

チラーミィ「そ、そうね、奥にあるだけかもしれないし。」


カバンの中をかき回し、さらには逆さまにして中身を出してみたりもしたが、出てこない。


チラーミィ「ど、どうしよう……どうすればいいの……!」

ピカチュウ「落ち着けチラーミィ。落ち着いて探さないと見つからないぞ。」

チラーミィ「で、でも!あれはおばあちゃんから貰った大切な……」

ピカチュウ「だからこそだって。店主さーん、緑色のハーモニカ見かけたら教えてください!」

コロトック「おうよ!ケータイ教えてやるからあんたのも教えな!」

ピカチュウ「ありがと店主さん!……チラーミィ、落ち着いたか?」

チラーミィ「……うん。」

ピカチュウ「よし。それじゃあ探しに行こう。」
 ▼ 98 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/02 01:45:29 ID:inNEfK.k [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ファーストフード店〜

ピカチュウ「まずはここだよな。」

チラーミィ「すみません、緑色のハーモニカ見かけませんでした?」

店員「あなたたちのでしたか。それなら誰かが持っていきましたけど……」

チラーミィ「と、盗られちゃった!?」

ピカチュウ「いや、たぶん交番にでも持っていったんだろう。交番に行ってみよう。」
 ▼ 99 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/02 01:56:14 ID:inNEfK.k [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……結局どの交番にも届いてなかったな。」

チラーミィ「……もういいよ、ありがとう。」

ピカチュウ「何言ってるんだよ!大切なものなんだろ!?」

チラーミィ「でも、これ以上迷惑をかけるのは……」

ピカチュウ「迷惑とかなんだとか考えるな!俺がやりたいからやってるだけだ!」

チラーミィ「ピカチュウ……」



店員「お、お客様ー!」

ピカチュウ「さ、さっきの店員?なんでだ?」

店員「ぼ、防犯カメラには街の不良が映っていましたので、それを伝えにきました。」

ピカチュウ「……不良の溜まり場はわかりますか?」

店員「あの路地の奥ですけど……あまり近寄らない方がいいですよ。それでは私はこれで!」

ピカチュウ「わざわざありがとうございまーす!」

ピカチュウ「……後ろに付いてきてね。」

チラーミィ「まさか……溜まり場に行くの?」

ピカチュウ「大丈夫。俺が絶対に守る。」

チラーミィ「そうじゃなくて!」

ピカチュウ「?」

チラーミィ「私は……私はピカチュウに無茶してほしくなんかない!」

チラーミィ「相手はたくさんの不良だよ!?死んじゃうかもしれないんだよ!?」

チラーミィ「もしピカチュウが……そんなことになったら私……」

ピカチュウ「……それでも俺は行くよ。止めたかったら付いてこいよ。」
 ▼ 100 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/02 01:59:21 ID:inNEfK.k [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまず目標の1日で10レス達成したのでおやすみ
たぶん自分のSSで一番長くなると思います(過去最長111)
 ▼ 101 オッキー@ふしぎなアメ 18/08/02 17:24:59 ID:V2DI04l6 NGネーム登録 NGID登録 報告
>>100
書いてくれてthank you!
支援
 ▼ 102 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/04 01:34:16 ID:VpAwXhv6 [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
暗い路地裏には、煙草のような臭いが充満していた。あの店員の情報は正しかったようだ。

そしてときどき尻尾が誰かの手のようなものに触れる。……結局付いてきたのか。

止めにきたわけではなさそうだけど……どうしたもんかな。
 ▼ 103 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/04 01:34:57 ID:VpAwXhv6 [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
暗い路地裏には、煙草のような臭いが充満していた。あの店員の情報は正しかったようだ。

そしてときどき尻尾が誰かの手のようなものに触れる。……結局付いてきたのか。

止めにきたわけではなさそうだけど……どうしたもんかな。
 ▼ 104 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/04 01:35:58 ID:VpAwXhv6 [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんか連続送信されてました >>103は気にしないでください
 ▼ 105 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/04 01:40:26 ID:VpAwXhv6 [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しばらく歩いていると行き止まりになった。……何のために作られたんだよここ。

しかしハーモニカを持っていった奴がいないことにはどうにもできない。

ここにいないとなるとどこだ……?


チラーミィ「ピカチュウ危ない!」

ピカチュウ「え?」


驚いて見上げると眼前に拳が迫ってきていた。しまった、油断してた……!
 ▼ 106 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/04 01:48:06 ID:VpAwXhv6 [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒュン!


間一髪のところで避けることができた。日頃の特訓のお陰だろうか。


ヤナッキー「チッ……当たらなかったか。お前ら何しに来た。」


いきなり殴りかかってきたということは、こいつは不良と見てよさそうだ。


ピカチュウ「あの……緑色のハーモニカを持ってませんか?クリアな色の……」

ヤナッキー「こいつのことか?駅前の店に落ちてたやつだが。」

ピカチュウ「……!それ、あの子のなんで返してもらってもいいですか?」

ヤナッキー「……やだね。俺が拾ったんだぜ?所有権は俺のものだ。」


……やっぱりこうなるか。予想はしてたけど。


ピカチュウ「なんとか返してもらえませんか?あの子の大切なものなので……」

ヤナッキー「あ?しつこいんだよテメェ。お前あのブスのカレシか?」


その瞬間、俺の中で何かが音を立てて切れた。
 ▼ 107 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/04 01:55:17 ID:VpAwXhv6 [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……ふざけるな……俺はチラーミィの彼氏なんかじゃない……でも……」

ピカチュウ「あいつを侮辱することは……許さない!」

ヤナッキー「お?顔真っ赤にして怒っちゃってwww」

チラーミィ「落ち着いてピカチュウ!挑発に乗っちゃダメよ!」

ヤナッキー「死ねえ!」


さっきよりも鋭い拳が空気を切り裂きながら迫ってくる。

普通なら確実に被弾するだろう。


そう、普通なら。

 ▼ 108 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/04 01:56:30 ID:VpAwXhv6 [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告













   ……お前のパンチなんか……師匠のパンチと比べたら止まってるも同然なんだよ!









 ▼ 109 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/04 01:59:42 ID:VpAwXhv6 [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤナッキー「ぐほぁ!」


気がつくとヤナッキーが吹っ飛んでいた。避けた後に俺が殴っていたらしい。


ヤナッキー「お、お前……何者だよ……」ガクガク

ピカチュウ「さあね。とりあえずハーモニカを返して貰うぜ。まあ、1つ名乗るとすれば……」





ピカチュウ「恋のキューピッドに鍛えられた男、かな。」
 ▼ 110 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/08 00:53:54 ID:xMzwNTOk [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……あれからしばらくチラーミィと話していない。

俺がヤナッキーを殴った後から、何も喋ってくれないんだよ、あいつ。

やっぱり、怖いって思われたのかな……
 ▼ 111 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/08 00:58:56 ID:xMzwNTOk [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
帰りの船で、寂しくギターの練習をする。

夜風に運ばれてくる塩の香りが切ない気持ちを呼び覚ます。

……この『笑顔』って曲、いい歌詞なんだが……その歌を聴いたことないんだよな。

誰か歌ってくれたらありがたいもんだが……


練習をしながら自分に問いかける。


何故自分は強くなりたいんだ?


トーナメントで勝つことだけの強さに意味はあるのか?


それで愛は手に入れられるのか?




こんな……チラーミィを怯えさせてしまったかもしれない……俺に。
 ▼ 112 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/08 01:08:38 ID:xMzwNTOk [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
夜空を眺めていたら、突然視界が闇に覆われた。

これは……誰かの……手?

ピカチュウ「……チラーミィ?」

チラーミィ「……正解。どこを探してもいなかったから心配したんだけど。」

ピカチュウ「……ごめん。」

チラーミィ「それって修理してもらってたギター?練習してるの?」

ピカチュウ「まだ全然できないけどね。」

チラーミィ「逆に1日も経たずに上手かったらすごいよ、それ。」

ピカチュウ「確かに。そりゃそうだ。」


チラーミィ、さっきと違って普通に話しかけてくるな……

……怯えてるとか、俺の勘違いだったのか?
 ▼ 113 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/15 23:18:45 ID:zFqQxfhY [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……さっきの俺、怖かった?」

チラーミィ「……ちょっとね。でも……」

チラーミィ「すごく……すごくかっこよかったよ。」

ピカチュウ「そ、そうかな?」

チラーミィ「……私の宝物を取り返してくれて……本当にありがとう!」

ピカチュウ「どう……いたしまして……///」

チラーミィ「……。///」


ああもう、結局気まずい……
 ▼ 114 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/15 23:26:17 ID:zFqQxfhY [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「そ、そうだ!一緒に演奏してみようよ!」

ピカチュウ「ああ……うん。」

チラーミィ「私もハーモニカ吹くからピカチュウはギターを……」

ピカチュウ「……そのことなんだけどさ」

ピカチュウ「……歌ってくれない?」

チラーミィ「え、う、歌!?」

ピカチュウ「うん。曲の感じがどうも掴めなくて困ってたんだ。」

チラーミィ「む、無理無理無理無理!私歌とか全然得意じゃないし……///」

ピカチュウ「頼む!というかお願いします!」

チラーミィ「……わかったよ……その代わりにベース弾いてね?」

ピカチュウ「まあ、やれるだけやってみるよ。」
 ▼ 115 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/15 23:37:26 ID:zFqQxfhY [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……しばらく夢見心地で聴いてた。だって好きな子が自分のために歌ってくれるんだぜ?

最高とかそういうんじゃもう表現できないんだよ。


チラーミィ「……ちょっと、途中でベースやめたでしょ。」

ピカチュウ「いや、ごめん。あまりにもよかったもんで……」

チラーミィ「……そう?///」

ピカチュウ「……うん。いい歌だったよ。それにこの曲、いいね。」

チラーミィ「……この歌もおばあちゃんがよく歌っててね。いつの間にか覚えてたんだ。」

チラーミィ「『どんなことも笑えたらそれが一番いい』っていっつも言ってた。」

チラーミィ「私にハーモニカをくれてから1週間ぐらいで亡くなっちゃったけど……」

ピカチュウ「……。」

チラーミィ「あ、ごめんね。湿っぽい話になっちゃって。」

ピカチュウ「いや、今俺大事なことを教わったよ。ありがと。」


……間もなく ──島に到着します お忘れもののございませんよう……


ピカチュウ「……もう着くみたいだな。遅いし、送ってくよ。」
 ▼ 116 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/23 23:49:20 ID:jUq.yyxk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……ただいま」

ルチャブル「おお、少年帰ってきたのか。0時を過ぎても帰ってこないから心配したわい。」

ピカチュウ「……心配しなくてもチラーミィは送ってきたよ。」

ルチャブル「うむ、よろしい。」

ピカチュウ「俺さ……やっぱチラーミィのこと好きだわ。」

ルチャブル「突然どうした。当たり前のことじゃろ。」

ピカチュウ「いやまあ……なんつーか今回のデートで惚れ直したっつーか……」

ルチャブル「……女々しいのう。」

ピカチュウ「チラーミィのこと……絶対に一生守りたい……そう思ったんだ。」

ルチャブル「つまり、結婚して家庭を作るってことじゃな?」

ピカチュウ「お、おう!そりゃ……最終目標だしな……///」

ルチャブル「うむ、ならば経済力が必要じゃ。そのための会社に入るためには勉学じゃ。」


ドスン!


ピカチュウ「へ?」


机に叩きつけられたのはプリントの束。


ルチャブル「まずは夏休みの宿題、まとめておいたからやっておくんじゃぞ。」

ピカチュウ「この流れで出すのかよおおお!つーかお前の特訓のせいでできてねえんだぞ!」

ルチャブル「お主が勝手に延長して時間を浪費してただけじゃ。自業自得じゃな。」

ピカチュウ「ちくしょう!こんなん恋のキューピッドじゃなくて疫病神じゃねえかよ!」

ピカチュウ「……でも俺は……チラーミィを守る男になるって決めたんだ!」

ピカチュウ「やってやんよおおおおお!」

ルチャブル「せいぜい死なない程度にな。」


戦うものが何であれ、夏の悪魔は平等にやってくるらしい。不平等じゃねえかこれ?
 ▼ 117 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/26 18:08:15 ID:hT4UtavY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……失礼します……」

チラーミィ「あなた……またあいつらににやられたの?」

ピカチュウ「もうわかるレベルになっちゃったか……はは」

チラーミィ「イラつくのはわかるけど、突っかからない方がいいって何回言ったと思ってるの?」

チラーミィ「でも……そういう正義感のあるあなたのそういうとこ、割と好きだけどね。」

ピカチュウ「……そうか。///」

チラーミィ「……念のため言っておくけど、そういう意味じゃないからね?///」

ピカチュウ「さ、さすがにわかってるよ……」

チラーミィ「いい?もうあんまり怪我するんじゃないわよ?」

ピカチュウ「わかってるって……」
 ▼ 118 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/26 18:14:04 ID:hT4UtavY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
懐かしい夢を見た。俺が初めてチラーミィが好きだと思ったあの日。

『嫌いじゃない』と言われることはあったものの、好きと言われたことはあれ以来なかった。


ルチャブル「起きたか少年。机でもぐっすり寝れるとは感心するわい。」

ピカチュウ「黙れ」

ルチャブル「事実じゃがな」

ピカチュウ「それぐらい知ってる ……学校行ってくる」

ルチャブル「ぬ?補習か少年?」

ピカチュウ「ちげーよ。文化祭の準備な。」

ルチャブル「そうか。ま、頑張れ。」


……言われなくても当たり前だっつーの。
 ▼ 119 ャオブー@あなぬけのヒモ 18/08/26 18:25:40 ID:ZQr6UrAA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 120 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/08/28 23:31:38 ID:nh0YU/ng NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……おはよう」


誰の返事も返ってこない。ということは俺、一番乗り?


カメール「ようピカチュウ、おそよう。」バシャア!

ピカチュウ「おわっ冷たっ!何しやがったお前!」

カメール「氷水だ。目が覚めるだろ?」

フシギソウ「一番乗りだと思ったみたいだが、残念だったな。」

リザード「はっはっは、暑いしちょうどいいんじゃねーか?」

ピカチュウ「……お前ら全員グルかよ……」

チラーミィ「もう!ちょっと男子、いたずらもいいけどほどほどにね。大丈夫ピカチュウ?」

ピカチュウ「ああ、いや、全然大丈夫。」

チラーミィ「そう。私達1日やってないから、その分がんばりましょ。」

ピカチュウ「おう!」

─────────────────────────

フシギソウ「ちくしょうピカチュウの奴……いつのまにあんなに仲良く……」

カメール「どうだろうな。ただ心配してるだけじゃねーか?」

フシギソウ「それでも羨ましいよまったく……」

リザード「……おいカメール、俺に水ぶっかけろ。」

カメール「死にたいのか?」

フシギソウ「炎タイプでも暑さで頭おかしくなるんだな」
 ▼ 121 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/01 01:45:45 ID:QJTwf4Y. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……今日のチラーミィ、いつも通りだったな。

昨日みたいにテンパってないというかなんというか……

結局聞きそびれたけど、何があったんだ?


チラーミィ「ちょっとピカチュウ、手が止まってるよ。」

ピカチュウ「え?あ、わりい。」

ピカチュウ「そういや気になってたんだけど、なんか昨日のお前変じゃなかった?」

チラーミィ「え、えっと…あれは……その……」

ピカチュウ「普段としゃべり方違うし、声もなんか高かったし……」

チラーミィ「その話は後で!今は作業に集中して!///」


……チラーミィ、またテンパってたな。
 ▼ 122 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/03 01:35:58 ID:/SN6dCRs [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ふーっ、今日の分は終わりかな。」


全学年合わせてクラスが3つしかないこの学校では、文化祭もグループを作って行う。

ピカチュウたちのグループはお菓子を売るのだが、当日につくるわけにはいかない。

そのため、クッキーなどを事前に作っていたのだ。


チラーミィ「みんなお疲れさま。明日も頑張ろうね!」

カメール「おう!本番は明後日だもんな!」

リザード「それじゃ解散。」

一同『さよならー!』


文化祭まであと2日。
 ▼ 123 ガユキノオー@シャラサブレ 18/09/03 01:38:13 ID:cUgAPfFw NGネーム登録 NGID登録 報告
しえん
 ▼ 124 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/03 01:43:21 ID:/SN6dCRs [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
文化祭前日はあっという間に過ぎていった。

菓子作りに加え、当日の説明など、やることだらけの1日だった。


そして時は流れ……


チラーミィ「各お菓子、目標個数達成ね。」

フシギソウ「よっしゃ!やっと帰れる!」

カメール「……もとはと言えばお前が小麦粉ひっくり返したせいで遅くなったんだからな。」

フシギソウ「別に感情を出したっていいだろ。」

リザード「ま、とりあえず早く帰ろうぜ。」

チラーミィ「そうね。……みんな、明日もよろしくね。」

ピカチュウ「当たり前だ!」

一同『おーっ!』
 ▼ 125 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/03 01:54:32 ID:/SN6dCRs [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あの後、しばらく騒いでたら担任につまみ出された。何しやがる。

まあ、結局逃げるようにして帰ったわけだ。

まったく、少しぐらいいいじゃねえかよ……


カメール「……ピカチュウ、ちょっといいか?」

ピカチュウ「ん?」

カメール「ああいや、少し話したいことがあってさ。……ジュースでも奢るよ。」

ピカチュウ「そ、そうか。悪いな。」


カメールが手渡してきたのはペットボトルのサイダー。

俺とカメールのお気に入りのやつだ。


ピカチュウ「ぷはーっ、やっぱこれじゃないとな。」

カメール「そうだな。……ピカチュウ、お前チラーミィとデートした?」

ピカチュウ「ごふっ」


むせた反動で炭酸水が口から噴出される。


ピカチュウ「おま、何言って……」

カメール「いいから答えろよ。ま、その反応じゃ大方図星か。」


……サイダー吹き出した挙げ句、なんでそんなこと言わなきゃなんねえんだよ……
 ▼ 126 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/10 00:54:16 ID:/J5Q6nqw [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……した……と俺は思ってる」

カメール「ほうほう」

ピカチュウ「……言ったぞ。文句あるか?ていうかどうやって知ったんだよ」

カメール「いやね、チラーミィが教えてくれたんだよ。」




コトン。


何かが地面に落ちる音がし、足元が濡れた。


何が起こっているのかわからなかった。






ただ……


今、自分の手は何も掴んでいないことだけはわかった。
 ▼ 127 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/10 01:00:05 ID:/J5Q6nqw [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カメール「おいおい……俺の120円を無駄にしないでくれよ……」

ピカチュウ「おいカメール!今の話本当か!?嘘じゃないよな!?」

カメール「お、落ち着けよ、いきなりどうしてそんな……」

ピカチュウ「いいからどっちなのかはっきりしてくれええ!」グワングワン

カメール「やめろ!ストップ!本当だから!本当だからやめてくれ!」グワングワン

ピカチュウ「……本当……なんだな?」

カメール「……まあな。ただ、デートしたと言われたわけではないけど。」

ピカチュウ「……ぬか喜びさせるなよまったく……」

カメール「こっちこそいい迷惑だよまったく」
 ▼ 128 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/10 01:07:24 ID:/J5Q6nqw [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「そういえばどうしてこの話をしたんだ?」

カメール「ああ……実は、俺の不注意でガオガエンにこの話を聞かれちまってな。」

ピカチュウ「やべーやんそれ」

カメール「ガオガエン、お前を殺す勢いで怒ってたぞ。って話。」

ピカチュウ「殺す、ねえ……。」

カメール「ピカチュウ。」

ピカチュウ「ん?」

カメール「たとえガオガエンに半殺しにされるとしても……お前はチラーミィが好きか?」

ピカチュウ「当たり前だ。何のためにこの夏休みを過ごしたと思ってるんだ。」

カメール「……そうか。なら安心だ。」

ピカチュウ「もし好きじゃないって言ってたら?」

カメール「お前を殴ってた」

ピカチュウ「今の俺なら逆に返り討ちにできるけどな」

カメール「それでも殴ってた。お前が好きって言うまで。」

ピカチュウ「……。」
 ▼ 129 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/10 01:17:36 ID:/J5Q6nqw [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カメール「それじゃ、サイダー120円分、きっちり優勝してもらうからな。」

ピカチュウ「負けたら?」

カメール「お前をぶっ殺す」

ピカチュウ「だったら俺もお前を道連れにしてやるよ!」

2匹『……。』

2匹『ぷっ……はははははは!』

カメール「じゃあな。頑張れよ。応援してるぜ。」










ピカチュウ「……ありがとな、親友。」






2匹の親友達は笑顔を交わし、去っていった。


ある者は感謝を、またある者は期待を抱いて……
 ▼ 130 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/11 23:57:13 ID:E0kwWCvo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌日……


目が覚め、覗いた目覚まし時計の針は5時半を指していた。

ずいぶん早く起きてしまったようだ。


……どうしたものか。
 ▼ 131 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/12 00:05:18 ID:qp/EmgIk [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
父親「おう、起きたのか。早いな。」

ピカチュウ「……おはよう、親父。」

父親「一応トーナメントと後夜祭は見に行く予定だからな。」

ピカチュウ「え?仕事は大丈夫なの?」

父親「……ちょっと無理言って休み貰ってきた。」

ピカチュウ「大丈夫じゃないじゃねーか……」

父親「まあそう言うな、最後の文化祭ぐらい見に行ったっていいだろ?」

ピカチュウ「……別に来るなとは言ってないけど。」

父親「……まあ、とりあえずそういうことだから。頑張れよ。」


そう言って親父は俺の頭を撫でた。

会話さえしばらくろくにしてなかったのに、撫でられるなんてほんとうに久しぶりだった。


ピカチュウ「……一応もう高校生なんだからそういうのは……」

父親「……そうか。」


ごめん親父。内心めっちゃ嬉しい。
 ▼ 132 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/12 00:15:23 ID:qp/EmgIk [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それにしても昨日からやたらとみんな優しい気が……

気のせいか?

それとも俺がいつも気づいてなかっただけなのか?




……いや、ここ最近が特別優しいだけだな。
 ▼ 133 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/13 01:05:37 ID:gaMcpUxs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして始まった文化祭。

都会の方では2日ほどやるらしいが、ここは1日しかやらない。まあ高校1つしかないしな。


そういうわけで、俺たちはお菓子と飲み物を売っている。

学校でもかなり人気なチラーミィがいるということもあってか、なかなかの売り上げだ。

このまま順調に行く……と思ったんだが……


ピカチュウ「いらっしゃいませ。ご注文をどうz……」

ルチャブル「ふむ、やはり少年か。」


ピカチュウ(なんでお前が来てるんだよおおおおおおおお!)
 ▼ 134 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/16 01:04:46 ID:Df/gV5hA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ(くそっ……なんでジジイがここに……)

ルチャブル「さすがコンビニでバイトしてただけあって、見事な営業スマイルだったわい。」

ルチャブル「さて、クッキーを貰おうかの。」

ピカチュウ「……一袋100円です」

ルチャブル「ほらほらもっとにこやかにやらんか。仮にも接客中じゃぞ。」

ピカチュウ(こんなやつの前で……恥ずい……つーか計算外……)


しかし、これでアクシデントは終わらなかった。
 ▼ 135 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/17 01:44:48 ID:Zsb6g4VQ [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カメール「おいピカチュウ、そろそろトーナメント始まるんじゃねえか?」

ピカチュウ「おう、そうか。すまん、ありがとな。」

ルカリオ「やあ君たちおはよう!チラーミィ君はいるかい?」



ピカチュウ「……いらっしゃいませ。」
 ▼ 136 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/17 01:53:28 ID:Zsb6g4VQ [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……注文は何ですか」

ルカリオ「すまない、クッキーを買いに来たのではなく、チラーミィ君に用があるんだ。」


こいつは生徒会長のルカリオ。学校1のイケメンだ。

更に運動神経抜群、成績優秀。少々ナルシストな点を覗けば理想の男子だ。

あ、チラーミィが振ったイケメンってのはこいつ。


チラーミィ「……私はここにいますが?」

ルカリオ「おお、丁度良かった。これを君に。」


そう言ってルカリオはどこからか薔薇の花束を取り出し、チラーミィに持たせた。


チラーミィ「……これは?」

ルカリオ「……どうか私とお付き合いしていただけないでしょうか。」


ピカチュウ(……振られたっていうのに健気なヤツだな。まあでもどうせ無反応……)


チラーミィ「……。///」


ピカチュウ(おいまて何が起きてる誰か嘘だと言ってくれ)
 ▼ 137 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/17 01:58:52 ID:Zsb6g4VQ [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルカリオ「……返事は今でなくても構いません。それでは後程御伺いします。」

女子1「うう……そんな……」

女子2「私達のルカリオ様が……」

ルカリオ「それではごきげんよう!アドゥー!」

女子達『キャァァァァァ♡』
 ▼ 138 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/17 02:00:48 ID:Zsb6g4VQ [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カメール「……いやーやっぱすげー人気だなルカリオ。」

ピカチュウ「……。」

カメール「どうしだんだよピカチュウ。そんなにしょぼくれて。」

ピカチュウ「……俺……トーナメント出るのやめる」

カメール「……は?」
 ▼ 139 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/17 02:01:12 ID:Zsb6g4VQ [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>138
どうしだんだよ→どうしたんだよ
 ▼ 140 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/17 02:09:36 ID:Zsb6g4VQ [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カメール「……いきなりどうしたんだよ。」

ピカチュウ「俺……チラーミィと付き合うために出るの決めたじゃんか。」

カメール「ま、まあそうらしいな。」

ピカチュウ「でも……ルカリオからの告白……チラーミィは意識してた……!」

ピカチュウ「あんな完璧なやつと俺……どっちがいいかなんてとっくに……」

カメール「何言ってんだお前ェ!」ベキィ!

ピカチュウ「痛ぇ!いきなり殴るな!」

カメール「自分の気持ちを否定したらぶっ殺すって言っただろ!」

ピカチュウ「否定してない!」

カメール「いーや、してるね。チャンスがあるのにそこから逃げるのも同じようなもんだ。」

ピカチュウ「でももう俺には勝ち目が……」

カメール「別にチラーミィがOKしたわけじゃないだろ。」

ピカチュウ「そりゃ……まあ……そうだけど」

カメール「だったら、やる以外の選択肢なんてないだろ?」
 ▼ 141 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/17 02:16:38 ID:Zsb6g4VQ [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……やればいいんだろ、やれば。」

カメール「おう、ガオガエンもルカリオも吹っ飛ばしてこい。」

ピカチュウ「……そういやガオガエンもか。」

カメール「優勝したら何か奢ってやるよ。せいぜい頑張れ。」

ピカチュウ「じゃあ……」


ピンポンパンポーン♪


……30分より全校トーナメントが始まります。参加者のみなさんは……


ピカチュウ「悪い、奢りの話はまた後で。」

カメール「おう。本戦は絶対見に行くからそれまで負けんなよ!」


この夏休みをほぼ費やした成果を発揮するときがようやく来た。


……さあ、やってやる。
 ▼ 142 グマッグ@せんせいのツメ 18/09/17 12:54:32 ID:dop6dbSI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
頑張れピカチュウ!
 ▼ 143 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/17 17:57:10 ID:Zsb6g4VQ [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミルホッグ「レディースアンドジェントルメーン!只今よりトーナメントを……」

ミルホッグ「んんんんん…………」

ミルホッグ「……。」

ミルホッグ「始めまーす!」


溜めが長えよクソ教頭。つか今年の参加者ジェントルメーンしかいないけどな。


ミルホッグ「みなさんにはまず、決勝の8枠を争う予選をやってもらいます!」

ミルホッグ「それでは各自表を見て試合場所に……」

ミルホッグ「んんんんん……」

ミルホッグ「レッツゴー!って痛っ!何投げて……」


大きな歓声が上がり、教頭にゴミが投げつけられる。これが毎年の光景だ。

教頭もアホだ。生徒が長話嫌いなことぐらいわかるだろ。
 ▼ 144 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/17 18:05:29 ID:Zsb6g4VQ [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルチャブル「とうとう始まったのう少年。」

ピカチュウ「……まだいたのかジジイ。」

ルチャブル「こういうときぐらい師匠と呼んでくれてもいいんじゃぞ?」

ピカチュウ「はいはいわかったよ師匠。」

ルチャブル「それで?最初の相手は誰なんじゃ?」

ピカチュウ「えーっと……たしか……」

ズルズキン「俺だ。」  

ピカチュウ「……お前かよ」

ズルズキン「少しでも惨めに負けないように努力するこった。じゃ、あとでな。」



ルチャブル「……嘗められとるのう。」



アイツにはいつもやられっぱなしだった。

だけど……今の俺は違う。


ピカチュウ「その言葉、そっくりそのままお前に返す。」

ズルズキン「……あぁ!?」

ピカチュウ「今度は負けない。……絶対に。」
 ▼ 145 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/17 18:15:35 ID:Zsb6g4VQ [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
審判「これよりズルズキン対ピカチュウの試合を始めます。両者、前へ!」


2匹が1歩進み、双方が睨み合う。


審判「試合、開始!」

ズルズキン「うおおおおっ!」


試合開始のゴングと共に、ズルズキンが突進してくる。

言い忘れてたいたが、試合はどちらが場外に出るか、10秒のダウンで勝敗が決まる。

つまり相手を場外に出すのが手っ取り早い。


ズルズキン「くらえぇぇ!」


ズルズキンのドレインパンチが迫ってくる。

だったら……


ピカチュウ「うおぉぉぉ!」


ガキィン!


ズルズキン「何……拳で……」


こっちも攻めるのみ!
 ▼ 146 ガリザードンY@ヨロギのみ 18/09/17 19:08:53 ID:dop6dbSI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>145
支援!いけー
 ▼ 147 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/18 00:57:03 ID:zxGQQQeo [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドレインパンチを受け止めつつ、こちらもパンチを繰り出す。殴り合いでは互角のようだ。


ピカチュウ「はぁっ!」ドゴッ

ズルズキン「ぐっ……」


ようやくクリーンヒット。こうなればこっちのもんだ。

更に蹴り技も併せ、畳み掛ける。


ズルズキン「ふざけんな……クソがぁぁぁ!何で俺が……!」

ピカチュウ「言っただろ。そっくりそのまま返すって。」
 ▼ 148 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/18 01:02:20 ID:zxGQQQeo [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ズルズキン「あああぁぁ!」


ヤケクソになってとびひざげりを打ってきた。あれをくらったらさすがにまずい。

だけど、カウンターのチャンスだ。こうなったら一撃で……!


ピカチュウ(……これで決める)


ボルテッカーを纏い、その電気を尻尾に集中させる。

更にアイアンテールを組み合わせ、準備完了。


ズルズキン「くらえっ!」


跳んできた膝を後ろに下がって避け、ズルズキンに向かって飛び上がる。


ピカチュウ(くらえ……)


ピカチュウ「ボルテック・アイアンテール!」
 ▼ 149 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/18 01:10:12 ID:zxGQQQeo [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
電気を纏ったアイアンテールがズルズキンに見事命中場外にふっとんでいった。

審判「しょ、勝者ピカチュウ!」

ピカチュウ「いよっし!」


まずは1勝。ここから決勝に向けて勝ち上がらなくちゃいけない。

まだまだ頑張らなくちゃ。


ルチャブル「なかなか見事な戦いっぷりじゃったぞ少年。」

ルチャブル「……最後に技の名前を叫んだのを除けばな。」

ピカチュウ「え、嘘ぉ!心の中で言ったつもりだったんだけど……」

ルチャブル「まあ、最後のができたってことは、わしの必殺技はマスターしたようじゃの。」

ピカチュウ「……まあな。」


師匠が俺に教えてくれた必殺技は使用しすぎると体が持たない。

だから使用は必要最低限にしなければならない。


ルチャブル「ま、決勝までがんばるんじゃぞ。」

ピカチュウ「……言われなくても当たり前だ。」
 ▼ 150 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/18 01:14:51 ID:zxGQQQeo [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それから俺は、見事に予選を突破した。

予選では必殺技を本格的に使用せずに済んだのは大分大きかったかもしれない。

ここからは決勝リーグだ。気を引き締めていこう。


カメール「つーわけで予選突破おめでとう。」

ピカチュウ「おう。約束は守ったぜ。」

カメール「いやーしかし本当に突破するとはな。」

ピカチュウ「え、期待してなかったの?」

カメール「いや、そういうわけでもないんだけど何て言うか……」

カメール「とにかく、おめでとう。決勝まではゆっくりしてろよ。」

ピカチュウ「そうだな。……俺ちょっとトイレ行ってくる。」
 ▼ 151 ロア@せんせいのツメ 18/09/18 06:30:59 ID:p5uYGs1I NGネーム登録 NGID登録 報告
おお!
 ▼ 152 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/18 22:56:47 ID:zxGQQQeo [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「すっきりした〜。」


もうすぐ決勝だと思うと、どうにも緊張してしまう。トイレに行ったのは正解だったようだ。


ピカチュウ「さて、決勝もこのまま……」

???「おい」

ピカチュウ「へ?」


いきなり声をかけられたことに驚き、すぐさま後ろを向く。


ピカチュウ「……ガオガエン。」
 ▼ 153 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/18 23:06:05 ID:zxGQQQeo [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガオガエン「……お前、チラーミィとデートしたんだってな。」

ピカチュウ「してない」

ガオガエン「嘘つけ。本人が言ってるんだからそうだろうが。」


……つまりカメールが嘘をついたと?それはそれで嬉し……

いや、話を聞かれてしまってることには変わりないか。


ピカチュウ「それで、してたとして何か問題でもる?」

ガオガエン「……とっちにしろ1つだけ言うことがある。」

ピカチュウ「ほうほう」


ガオガエン「俺はお前をぶっ潰す……ただそれだけだ。」


さっきのズルズキンには言い返せた俺だが、流石の威圧感を前に何も言えなかった。


ガオガエン「いいか?お前がチラーミィを狙ってるのは知ってる。だけどな……」

ガオガエン「チラーミィを頂くのはこの俺なんだよ!」


そう言うと勢いよくドアを閉め、廊下に出ていった。


……正直ビビった。あそこまで自分に敵意を向けられたのは初めてだった。

だけどここで戦うのをやめたら今までの積み重ねは塵に同然だ。 

もう……後戻りはできないんだ
 ▼ 154 ラピオン@きれいなウロコ 18/09/18 23:08:05 ID:Dd4E6viM NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 155 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/18 23:31:24 ID:zxGQQQeo [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミルホッグ「さあいよいよ決勝トーナメントが始まります!」

ミルホッグ「こんかいの解説はわたくしミルホッグこと教頭と……」

ヒヤッキー「同じく解説、校長のヒヤッキーがお送りします。」

ミルホッグ「みなさん盛り上がってますかー?」


ったく……あの2匹はトーナメントになると急にテンション高くなるんだよなあ……

溜めが長くなくなるのは別にいいんだけどさ。


ミルホッグ「それでは1回戦、第1試合の組み合わせは……!」

ミルホッグ「ポリゴン2対ピカチュウだーっ!」


ピカチュウ「……第1試合か。早いな。」


決勝は体育館のダサいステージじゃなくて、デカいスタジアムで行われる。

高校生の文化祭としては大がかりすぎるかもしれないが、もともとは儀式だからな。


……あいつら、ちゃんと見に来てくれるんだろうか。
 ▼ 156 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/19 00:34:01 ID:Q5dM3PwI [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
審判「これより第1試合、ポリゴン2対ピカチュウを始めます。両者前へ!」


俺は1歩踏み出し、ポリゴン2も前に移動する。


審判「それでは勝負開始!」


ポリゴン2「ポリィィィ!」

ピカチュウ「くらえ!」


ポリゴン2はシャドーボールを、俺はエレキボールを思いっきりぶつける。

2つの球体が衝突、そして大爆発が起きる。


ピカチュウ(煙幕ができた……今のうちに!)

ピカチュウ「はぁっ!」

ポリゴン2「ポリィッ!」


不意討ちの一撃がクリーンヒット。

このパンチはかみなりパンチではなく、ボルテッカーを一点集中させたものだ。

少し消耗するが、威力はなかなかのものだ。


ポリゴン2「やってくれたポリね……死ねぇっ!」

ピカチュウ「うおっ!」


シャドーボールがしゃがんだ頭を掠めていった。さっきの攻撃が効いてないのか……?
 ▼ 157 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/19 00:41:08 ID:Q5dM3PwI [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ(だったらアイアンテールの連続攻で……!) 

ポリゴン2「甘い!」


ガキィン!


ピカチュウ「なっ……!」


攻撃のモーションも見せてないのにアイアンテール同士で相殺した……?

一体どうなって……


ポリゴン2「オラオラオラオラオラオラァ!」


今度はトライアタックの応酬だ。


ピカチュウ「ぐっ……」


このまま弾幕を張られ続けられたら勝てない……

接近戦に持ち込まないとな。


ピカチュウ「うおおおっ!」


高く飛び上がり、アイアンテールの構えに入る。しかし……


ポリゴン2「どりゃあ!」

ピカチュウ「ぐあああっ!」


ポリゴン2のシャドーボールが直撃。かなりのダメージを負ってしまった。

……今のスペックじゃ勝てそうにないな……




使ってみるか……必殺技。
 ▼ 158 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/19 00:58:13 ID:Q5dM3PwI [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボルテッカーを発動し、精神を集中させる……そしてそれを体に纏う!

ピカチュウ「……こんなもんか」


ボルテッカーを纏ったピカチュウの体は常に電気に覆われている。

ただでさえ反動のある技を纏うのだ、早く決着をつけないと体が持たない。


ピカチュウ「うおおおっ!」

ポリゴン2「は、速……」


ドゴォン!


ポリゴン2「ぐはぁぁぁっ!」

ピカチュウ「まだまだぁ!」


攻撃の隙を与えない連続パンチでポリゴン2を追い詰める。

抵抗しようとしているが、それすらもさせない。

このまま決めるッ!


ピカチュウ(ボルテック……アイアンテール!)

ピカチュウ「おらぁぁぁぁぁ!」

ポリゴン2「ま、負けるかぁ!こっちもアイアンテ……」


バキィッ!


ポリゴン2「うぐ……」


ポリゴン2がアイアンテールを当てるよりほんの少し早く俺の攻撃が決まった。


 ▼ 159 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/19 01:03:20 ID:Q5dM3PwI [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




ドサッ…………ズザァァァァ……



審判「……ポリゴン2、場外!よって勝者……ピカチュウ!」



スタジアムの観客席から歓声が上がり、今、勝ったということを確信する。

割とギリギリの戦いだったけど……なんとか勝てた。……必殺技は使いたくなかったんだがな。


ポリゴン2「おい……お前……」

ピカチュウ「へ?」

ポリゴン2「ちくしょう……次に会ったら必ず父さんの仇をとってやるからな……!」
 



……はぁ?

俺、あいつの父親に何かした覚えはないんだがなあ。
 ▼ 160 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/19 01:26:25 ID:Q5dM3PwI [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
控え室にある携帯を手に取ると、いくつかメールが送られていた。


お前すげえな!

お疲れさま!


……タイトルだけでだいたい内容は察した。まあとにかく、見に来てるんならいいんだけどさ。

表を見る限り次の相手はルカリオか、それとも……



【トーナメント1回戦第二試合、勝者はルカリオだーっ!】



うん、知ってた。
 ▼ 161 ッタ@なつきポン 18/09/19 06:26:42 ID:.GX6lq8A NGネーム登録 NGID登録 報告
やべぇやつやん。がんばりぇー
 ▼ 162 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/19 18:56:58 ID:Q5dM3PwI [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……よく考えてみたらルカリオの決着が早すぎる。

俺が戻ってきて2分ぐらいしか経ってないぞ。いや、俺が遅すぎるのかもしれないが……

とにかく、かなりの強敵であることに間違いはなさそうだ。試合見ておきたかったなあ。
 ▼ 163 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/19 19:01:20 ID:Q5dM3PwI [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミルホッグ「さてさてぇ!無事に1回戦が終わって準決勝だー!」

ヒヤッキー「えー、ピカチュウ、ルカリオ、ガオガエン、ジャランゴが残りましたね。」

ミルホッグ「残すところもあと3戦にぃ!目が離せませんっ!」

ヒヤッキー「それでは準決勝第1試合、ピカチュウ対ルカリオ、お願いします。」


 ▼ 164 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/19 19:06:47 ID:Q5dM3PwI [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜控え室〜

ピカチュウ「……もう試合か。」

ブーッ ブーッ ブーッ

ピカチュウ「何だ?メールか?」


名前:カメール
件名:

本文:
おいピカチュウ!わかると思うがルカリオはマジで強いぞ!まともに戦うのはきつい!
だからルカリオの弱点を教えるぞ。あいつの弱点は同


アナウンス「準備ができました!それでは2匹ともステージへどうぞ!」


チッ……放送か。もう行かなくちゃな。

だけどありがとよカメール。お前のアドバイス、しかと受け取ったぜ!
 ▼ 165 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/19 23:11:17 ID:Q5dM3PwI [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜観客席〜

リザード「……もう準決勝か。」

フシギソウ「あいつ、以外と強いのな。しらなかったわ。そういえばチラーミィは?」

カメール「保健委員の仕事がまだあったから学校に残ったよ。そろそろ来るってさ。」

フシギソウ「なるほど。」

リザード「……早く来てくれよ。あいつが負けそうになったらチラーミィがいないと……」



 ▼ 166 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/19 23:34:17 ID:Q5dM3PwI [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
審判「これより準決勝第1試合、ピカチュウ対ルカリオを始めます。両者前へ!」

ザッ……

ルカリオ「……我が美しき波動の舞に酔いしれるがいい」

観客『キャーッ!///』


ミルホッグ「か、観客席からは黄色い歓声と……花束などが投げ込まれています!」


確かにルカリオの女子人気はファンクラブができるほどにすごい。

更に島民と観光客を合わせてもっと歓声が……ってことか。

最っ高にアゥェーだ……どうする?


審判「それでは勝負開始!」

 ▼ 167 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/19 23:44:32 ID:Q5dM3PwI [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
相手はルカリオ……だったら最初ははどうだんか?


ルカリオ「はっ!」バシュッ

ピカチュウ「ぐっ!」


今のは……しんくうは……

はどうだんより威力は低いが速度が段違いだ……!


ピカチュウ「だったら……これでどうだ!」

起き上がりつつエレキボール。ルカリオにまっすぐ飛んでいく。

ルカリオ「ぬん!」


今度ははどうだんで相殺か。遠距離は隙がなさそうだ。

だったら近接戦だ!どう対処してくるかはさっきの試合で大体わかってる。

ピカチュウ「はぁっ!」

上空からアイアンテールを決めにかかる。

ルカリオ「遅い!」

あれは……ボーンラッシュ!?はどうだんじゃないのか!?まずい!

ルカリオ「とりゃーっ!」

バシィン!

ピカチュウ「ぐぁっ……」


くそ……想像の更に上の強さだこいつ……
 ▼ 168 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/19 23:55:36 ID:Q5dM3PwI [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ(ボルテッカー!)


精神を集中させ、ボルテッカーを纏う。これで一気に畳み掛けるしかない!


ピカチュウ(ボルテック・アイアンテール!)

ピカチュウ「うおおおぉぉぉっ!」


ガキィン!

シュゥゥゥ……

ルカリオ「……その程度の攻撃が効くと思ったか?」

ピカチュウ「なっ……!」


ズルズキンが吹っ飛ぶほどのアイアンテールを受け止めただと……!?

だったら次の手段だ!


ピカチュウ「はぁぁぁっ!」


ボルテッカーの電気を集中させ、巨大なエレキボールを繰り出す。さすがにこれなら……


バシュゥゥン!


ルカリオ「……効かないといったはずだ」


……無理だ。

まともにやりあって……



勝てる気が、しない。
 ▼ 169 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 00:05:25 ID:bGc2K0H. [1/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜観客席〜

チラーミィ「遅れてごめんねみんな!」

カメール「お、来たかチラーミィ。」

チラーミィ「今はどうなってるの!?」

カメール「それが……ルカリオに結構押されててな……」


ルチャブル「むう……これはまずい状況じゃな。」

カメール「おわっ!……誰ですか?」

ルチャブル「わしはピカチュウの師匠兼恋のキューピッドじゃ。」

チラーミィ「は、はあ。」

ルチャブル「あの必殺技はつよいんだが……使っているとかなり消耗してしまうんじゃ。」

カメール「と、いうことは?」

ルチャブル「このままだと……負ける。」

チラーミィ「……。」
 ▼ 170 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 00:12:01 ID:bGc2K0H. [2/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルカリオ「……攻撃しないならこちらからいくぞ……」


まずいな……消耗しかけたところに攻撃を食らったら……


ルカリオ「はっ!」シュッ

ピカチュウ「あぶねっ!」

しんくうはなのかはどうだんなのか見極めるのに失敗したらそこで終わりだ。

とにかくなんとかして勝たないと……


……そうだ。勝ち方はなんでもいいんだ。

真っ正面からぶつかる以外の選択肢だってあるんだ。

弱点をついてこそバトルだ。

だったらカメールの教えてくれた弱点……つくしかないよな!
 ▼ 171 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 00:19:13 ID:bGc2K0H. [3/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まずはボルテッカーを解除し、体力の回復を優先させる。

そして……

ピカチュウ「うおおおおおお……」

ルカリオの周りをひたすら回り続ける!


ルカリオ「……残念だったが我が波動は必ず命中するぞ!無駄なことを!」

ピカチュウ「くらえ!」


はどうだんとエレキボールがぶつかり合い、爆発が起きる。


ルカリオ「むぅ……」
 ▼ 172 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 00:27:12 ID:bGc2K0H. [4/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
更に俺は回り続け、エレキボールを打ちまくる。


ルカリオ「……フハハ!無駄なことを!目を瞑っても防げるわこんなもの!」


ピカチュウ(……そろそろだな)


最後にエレキボールを放ち、上空へ飛び上がる。


ピカチュウ(もう一度……ボルテック・アイアンテール!)


ルカリオ「はっ!しまっ……」

ピカチュウ「遅い!」


さっきのボルテック・アイアンテールよりも更に電気を纏ったアイアンテールがルカリオを……切り裂く!


 ▼ 173 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 01:51:02 ID:bGc2K0H. [5/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
動けなくなったルカリオにアイアンテールを食らわせ、場外まで吹っ飛ばした。

審判「ルカリオ場外!よって勝者、ピカチュウ!」


観客席の女子は静まり返り、男子からは歓声が。

まあモテるやつが僻まれるのはしょうがないわな。


俺はというと、へなへなとその場にへたりこんでしまった。

やれやれ、ガオガエンとも戦うってのにこれじゃ不安だぜ……
 ▼ 174 ジュマル@ムーンボール 18/09/20 06:57:39 ID:V3QMG6fo NGネーム登録 NGID登録 報告
勝った!すげぇ
 ▼ 175 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 12:10:05 ID:lqFgW5Ho NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
そう、カメールの言っていた弱点とは

「同じ行動を繰り返すと不意討ちに弱くなる」

というものだ。

あいつは完璧が故に油断しがちなところがある。そこを狙ったんだろう。

それにしても……どうやって知ったんだろう




まあとにかく、俺は勝ったんだ。


それでいいじゃないか。
 ▼ 176 ーランド@くさのジュエル 18/09/20 16:06:04 ID:zYbw0q36 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 177 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 16:13:15 ID:bGc2K0H. [6/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

それから俺はしばらく控え室で休んでいた。

ボルテッカーの反動がどうも残っているようで、なかなか疲れがとれない。


……コンコン


ピカチュウ「はい、誰ですか?」

チラーミィ「……ピカチュウ……いる?」

ピカチュウ「お、おう。いるけど。」

チラーミィ「ちょっとついてきてくれない?」

ピカチュウ「ついて行く?」

チラーミィ「いいから早く!」


そのまま俺はほぼ強制的に控え室から外に連れていかれた。

 ▼ 178 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 16:28:30 ID:bGc2K0H. [7/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そいして着いたのはスタジアムの裏。そこに着くとチラーミィは救急箱を取り出した。


ピカチュウ「……別に怪我とかしてないよ。」

チラーミィ「……いいから怪我した足出しなさいよ。」


やれやれ、お見通しか。こりゃ観念するしかないな。


チラーミィ「……必殺技、結構消耗するんでしょ。次の試合は大丈夫なの?」

ピカチュウ「わからない。そもそも体力以前の問題かもしれないし。」

チラーミィ「……そっか。……ピカチュウは一緒に踊りたい好きな子とかいるの?」

ピカチュウ「……いきなりどうしてそんなことを?」

チラーミィ「……ちょっとね。」


……これは非常に返答に困る質問だ。

YESと言ったら告白になるし、NOは嘘をつくことになる。


 ▼ 179 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 16:33:08 ID:bGc2K0H. [8/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺がしばらく答えを出せずにいると、チラーミィが口を開いた。


チラーミィ「もし……そういう子がいないんだったら……」









チラーミィ「……私と……踊ってくれませんか?」







 ▼ 180 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 16:40:09 ID:bGc2K0H. [9/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


……これって告白……なのか?

いや、早とちりはよくない。まずは目の前の問題について真剣に考えるべきだ。




ピカチュウ「……ごめん、俺、好きな子……いるんだ。」

チラーミィ「……そっか。」

ピカチュウ「……だから」






ピカチュウ「絶対!チラーミィのこと……呼びに行くから!」


チラーミィも俺と同じようなキョトンとした表情になっていた。


……これが俺の精一杯の告白だ。




やい、恋のキューピッド。


お前が本物なら……この恋を……


どうか……叶えてくれ……!
 ▼ 181 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 16:51:17 ID:bGc2K0H. [10/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


長い沈黙が続いた。まるで時が止まったように。


しかし、時間は過ぎていく。


アナウンス「まもなく試合開始10分前となります……参加者の方は控え室へ……」


ピカチュウ「ごめん、そろそろ行かなくちゃ。また後で……」


そのとき、スタジアムに入ろうとする俺の右手をチラーミィの両手が掴んだ。


チラーミィ「……辛くなったら笑顔だよ。どんなことだって笑顔があればどうにかなるよ。」


そう言って俺の頬に軽い口づけをした。


チラーミィ「……頑張ってね///」


ピカチュウ「……おう!」




言葉で愛を交わすことはなかった。

だけど今……俺たちは確実に心が通じあった。




……負ける気がしない。


いや、絶対負けない。



男なら約束……守るもんだろ!
 ▼ 182 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 16:55:30 ID:bGc2K0H. [11/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミルホッグ「さあさあいよいよ始まります決勝戦!」

ヒヤッキー「意外とあっという間でしたね。それでは少し選手の説明でもしましょうか。」

ミルホッグ「まずはガオガエン!我が高校に入ってから負けなし!まさに最強!」

ミルホッグ「そしてピカチュウ!今年一番のダークギャロップ!」

ヒヤッキー「これはどちらが勝つかわかりませんね。」

ミルホッグ「それではダンス指名券を懸けた決勝戦……スタートッ!」
 ▼ 183 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 17:00:25 ID:bGc2K0H. [12/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
審判「これより決勝戦、ピカチュウ対ガオガエンを始めます!両者前へ!」


窓が夕闇に包まれたスタジアムでガオガエンと向かい合う。

その目に油断の表情は1ミリもなく、敵意を剥き出しにしている。


審判「それでは……勝負開始!」



互いの地を蹴る音が交ざりあい、2匹は空中へ飛び出す。


ピカチュウ「うおおおおおお!」
ガオガエン「うおおおおおお!」


 ▼ 184 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 17:10:18 ID:bGc2K0H. [13/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガツン!

ピカチュウ「ぐっ……」


空中での初撃はガオガエンが制した。勢い付いたガオガエンはそのまま突進してくる。


ピカチュウ「くらえ!」

ガオガエン「おらぁ!」


ガオガエンの炎のパンチとピカチュウのアイアンテールがぶつかり合う。しかし……


ピカチュウ「ぐぁぁぁっ!」

パワーで押しきられ、こちらからの攻撃が通らない。

ピカチュウ(こうなったら……)

精神を集中、ボルテッカーを纏う。

ガオガエン「ほう……そう来たか」

ピカチュウ(ボルテック・エレキボール!)


特大のエレキボールを繰り出す。

ピカチュウ(ルカリオと違って飛び道具のないガオガエンなら当たるはず……)


ドゴォォォン!


ガオガエン「……なかなかやるな。だが……」

ピカチュウ(まずい!避けれな……)

ガオガエン「まだまだ足りねえなあ!」

浮いた体にDDラリアットが直撃し、小さな体が吹っ飛ぶ。

ピカチュウ「がっ……あ……」
 ▼ 185 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 17:14:42 ID:bGc2K0H. [14/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜観客席〜

リザード「おいおい……開始数秒でフルボッコかよ……」

フシギソウ「えげつねえ……」


カメール「……強すぎる。」

ルチャブル「……特訓といっても3ヶ月じゃ。あのガオガエンは相当喧嘩慣れしとる。」

ルチャブル「それに、少年は重量級と戦ったことがない。相性は最悪じゃ。」

チラーミィ(ピカチュウ……頑張って……!)
 ▼ 186 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 17:21:16 ID:bGc2K0H. [15/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「まだ……まだだ!」

アイアンテールに電気を纏わせ、高速でガオガエンに接近。

背後からの一撃を叩き込む!


ガオガエン「うぐっ……」

ピカチュウ(よし!効いたぞ!)

ガオガエン「……と思ったか?」ニヤリ

ピカチュウ「しまっ……」


ズドォォン!


カウンターのDDラリアットが炸裂。再び大ダメージを受ける。


ピカチュウ(……早く場外に飛ばさないと……こっちの体力が……)

ピカチュウ(どうする……考えろ……考えろ……!)


 ▼ 187 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 17:25:55 ID:bGc2K0H. [16/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガオガエン「……まだ立ち上がるか」

ピカチュウ(思い付いた……場外に吹っ飛ばす一撃!)

ピカチュウ(……使ったらもう俺の体は持たない。)

シュンッ!

ガオガエン「何!?急に速く……!」


ピカチュウ「これで決める!はぁぁぁっ!」




ボルテック・ボルテッカー!







 ▼ 188 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 17:30:30 ID:bGc2K0H. [17/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
凄まじい電撃が走り、ステージが煙に包まれた……!


ピカチュウ「……これで……」

シュゥゥゥ……


煙が晴れ、現れたのは……


攻撃を食らって尚、立っているガオガエンの姿だった。

ガオガエン「……残念だったな。」

ピカチュウ「……嘘だろ……?」

ガオガエン「確かにまともにくらったらまずかったな……だが」

ガオガエン「これで終わりだ!」


動けないピカチュウに炎のパンチが炸裂。



ピカチュウはステージの端まで飛ばされた……


 ▼ 189 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 17:38:00 ID:bGc2K0H. [18/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「う…………ぐ…………」


スタジアムにはガオガエンコールが鳴り響いている。

ほとんどの観客は俺に目もくれていないだろう。


ピカチュウ(……このまま、負けるのか……)


ダンス指名券は貰えないが、チラーミィと心が通じあったんだ。もういいじゃないか。


このまま戦っても、体がボロボロになっていくだけだ。


潔く諦めて……




「バカヤロー!ここで負けてどうするんだよ!」




……あれは……カメールの声?




「そうだぞ!それくらいじゃまだまだ負けるには早いぜ!」

「いつまで倒れてんだ!立って戦えよ!」




フシギソウ……リザード……



お前ら……こんなボロボロの負けそうなやつを応援するっていうのかよ……!


 ▼ 190 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 17:44:17 ID:bGc2K0H. [19/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



……そうだ。俺はいつだってみんなに助けられてきた。

応援もしてもらった。

たくさん、迷惑もかけた。




「踏ん張るんじゃ少年!」



恋のキューピッドのジジイに特訓してもらったりもした……!






「勝って!……苦しいときこそ笑顔だよ!」



……好きな子がいて……



今、やっとこの力をどう使っていきたいのかわかった。

それは……




自分の大事なやつらを守るためだっ!



ピカチュウ「うおおおおおっ!」

ガオガエン「何だと!?」


最後の隠し玉だ……くらいやがれ!



『きあいパンチ!』



 ▼ 191 ーランス@あおいバンダナ 18/09/20 17:46:38 ID:i8OcLAb6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援支援支援支援支援支援支援
 ▼ 192 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 17:49:17 ID:bGc2K0H. [20/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
強烈な拳がガオガエンの胴体に沈み、ガオガエンを大きく突き飛ばした。

ガオガエン「はあ……はあ……お前……限界のはずじゃ……」

ピカチュウ「何度だって戦える!覚悟さえあれば!」


纏っているボルテッカーの出力を更に上げ、ガオガエンに突っ込む。 



ピカチュウ「オラオラオラオラっ!」


激しく拳を突きだし、ガオガエンを追い詰める。


ガオガエン「ふ……ふざけやがって!」


ガオガエンの炎のパンチをくらい、再び距離が離れる。




ガオガエン「グォォォォッ!」


そして場外スレスレのピカチュウに向かってフレアドライブを繰り出した……!

 ▼ 193 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 17:53:25 ID:bGc2K0H. [21/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜観客席〜

チラーミィ「……ピカチュウ、あんなにボルテッカーを使って大丈夫なのかな」

ルチャブル「……今は強い心が少年を支えておる。本来なら倒れていてもおかしくない。」

カメール「ガオガエンも『もうか』が発動したか……」

ルチャブル「お互い、次の攻撃がラストじゃな。」

カメール「ピカチュウ、もう場外寸前なのにか!?」

チラーミィ「……きっとピカチュウは勝ってくれるよ。まずは私たちが信じなくちゃ。」

ルチャブル「うむ。それが、今できるわしらの『最善』じゃ。」
 ▼ 194 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 17:58:00 ID:bGc2K0H. [22/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……このフレアドライブをくらったら、場外に出なかったとしても俺の負けだ。

だけど逃げ場は後ろしかない。残り体力から考えて、移動できるのはそれが限界だ。


ガオガエン「うおおおおおっ!」


そしてガオガエンのフレアドライブが直撃……



……する寸前、ピカチュウは場外に向かって大きくジャンプした。


ガオガエン「……逃げる道を選んだか」


ピカチュウ「……それは……どうだろうね」


するとピカチュウは空中で一回転し、ガオガエンめがけてアイアンテールを繰り出した!


ピカチュウ「いっけぇぇぇぇ!」
 ▼ 195 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 18:00:58 ID:bGc2K0H. [23/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アイアンテールはガオガエンの頭部に直撃、ガオガエンがよろける。

そしてピカチュウは反動を利用して飛び上がり、拳に電気を集中させる。


ピカチュウ「今度こそ決める!」


ガオガエン「させるかぁぁ!」



そしてピカチュウのボルテック・ボルテッカーとガオガエンの炎のパンチがぶつかり合い、大きな爆発がステージを包む……
 ▼ 196 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 18:03:45 ID:bGc2K0H. [24/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミルホッグ「あーっと!激しい爆発です!2匹は無事なのかーっ!?」



ピカチュウ「う……」



ミルホッグ「ピカチュウ、かろうじてステージに残っております!ガオガエンは……」



ガオガエン「ハァ……ハァ……」





審判「ガオガエン場外!よって優勝は……ピカチュウ!」


 ▼ 197 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 18:09:04 ID:bGc2K0H. [25/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スタジアム全体を歓声が包み込む。

しかしその場から動けない俺は、何が起こっているのかわからなかった。

起き上がれないでいると、いつの間にか目の前に手が差し出されていた。


ガオガエン「……ほら、立てよ。お前が勝ったんだ。」


ガオガエンの手をとり、なんとか立ち上がる。

すると、再び歓声が上がった。


ピカチュウ「……俺が……勝ったんだよな?」

ガオガエン「場外ルールがなければ俺の勝ちだったな。だが……」

ガオガエン「今日はそういうルールの中での勝負だ。……俺の負けだよ。」


2匹は、しばし歓声の響くスタジアムで勝負の後の空気を感じていた。


 ▼ 198 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 18:14:02 ID:bGc2K0H. [26/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミルホッグ「いやー2匹ともお疲れ様です!どうですかピカチュウ?」

ピカチュウ「今は……ちょっと答えられそうにないです……」

ミルホッグ「とのことなので、また後で伺いますね。」

ヒヤッキー「それでは、優勝した君にはダンス指名券が与えられます。」


……そういえば元々はこれが目的だったんだよな。


ミルホッグ「もし大丈夫だったらこちらのマイクで指名する方の名前をどうぞ!」



俺はガオガエンの手を離し、よろつきながらマイクスタンドの方に歩いていく。

誰を呼ぶかなんて、とっくに決まってる。






「3年の保健委員のチラーミィさん!お願いしまぁぁぁす!」



 ▼ 199 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 18:16:10 ID:bGc2K0H. [27/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カメール「……呼ばれたよ、チラーミィ。」

チラーミィ「……うん。行ってくるね!」


チラーミィは満面の笑みを浮かべながらステージへ走って行った。


カメール(おめでとう……ピカチュウ。本当に……おめでとう!)



 ▼ 200 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 18:25:54 ID:bGc2K0H. [28/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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カメール「それじゃ、またな!」

ピカチュウ「おう!応援ありがとな!」


ダンスパーティーの帰り道、俺はチラーミィと一緒に帰っていた。


結局体力があまり回復しなくて、ダンスは全然できなかったのが残念だ。


チラーミィ「……すごいね、優勝しちゃうなんて。」

ピカチュウ「いやあ……自分でもまだ実感があんまり」

チラーミィ「こうやって私が隣にいるのが証拠よ。それともつねってみる?」

ピカチュウ「……どうだろうね。」



なーんてくだらない話をしながら歩いていた。



チラーミィ「……ちょっとあそこで休んでかない?」


チラーミィが指差したのは浜辺のベンチ。なかなかよさそうな場所だ。


ピカチュウ「俺も丁度疲れてたしな。よし、そうしよう。」

 ▼ 201 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 18:34:42 ID:bGc2K0H. [29/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「待ちな!」

ピカチュウ「は?」


突然の呼び声に振り向くと、ゴチミルとその仲間たちが。


ピカチュウ「……何しに来たのさ。」

ゴチミル「決まってるじゃない!アニキの仇討ちよ!あんたら!やっちゃいなさい!」

仲間『ウオーッ!』


ピカチュウ「……トーナメント1位なめんなよ」

チラーミィ「待って!今戦ったら体が……」

ピカチュウ「でもそれ以外に方法がないだろ!やるしかないんだ!」


不良たちが俺たちに襲いかかってきた……




その瞬間のことだった。



???「トオッ!」

不良「ぐぁっ!」

ゴチミル「な……誰だいアンタ!」


誰かが前の方にいる不良を蹴散らしたのだ。



???「わしか?地と空を制し、数多の強敵を打ち倒してきた総合格闘技最強……」


「ルチャブルじゃっ!」


 ▼ 202 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 18:37:26 ID:bGc2K0H. [30/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「師匠……?」

ルチャブル「ふふふ、ヒーローは遅れて現れるものじゃからな。」

ピカチュウ「いや、そういう問題じゃなくて……」

ルチャブル「とにかくここはわしに任せて少年は休んでおきなさい!」

ゴチミル「なんだかわかんないけどあいつらの仲間か……やっちゃいなさい!」


 ▼ 203 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 18:41:16 ID:bGc2K0H. [31/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そこからのルチャブルは凄まじかった。

襲い来る不良を薙ぎ倒し、あっという間に制圧してしまったのだ。


ピカチュウ(……もしかして総合格闘技で最強だったっていうのは本当なのか……?)


ルチャブル「さて、わしはレディーに手を出す性分ではないんじゃ。帰ってくれぬか?」

ゴチミル「く……さっさといくよあんたたち!」


そのままゴチミルたちは見えないほど遠くへ走って行った。


……なんかジジイに助けられちまったな。


 ▼ 204 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 18:49:05 ID:bGc2K0H. [32/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……ありがとなジジイ。」

ルチャブル「……師匠ではないんじゃな。それはさておき……」

ルチャブル「少年とチラーミィは付き合っておるのか?」


ピカチュウ「……ええと……」

チラーミィ「……。///」ギュッ

ピカチュウ「……そういうこと……みたい。」


ルチャブル「……そうか。なら、最後に格好いい姿を見せられてよかったわい。」

ピカチュウ「最後って……何言って……」



師匠の体は金色の粒子となり、天へ上り始めていた。


 ▼ 205 バルオン@やけどなおし 18/09/20 19:03:31 ID:YIo2X9uA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんな……
 ▼ 206 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 19:05:26 ID:bGc2K0H. [33/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……師匠?」

ルチャブル「ずっと隠していたんじゃがな……わしは幽霊なんじゃ。」

ピカチュウ「でも普通に触れてたはず……」

ルチャブル「幽霊も誰かにはっきりと認識されれば実体化するんじゃ。」

ピカチュウ「……何か未練があったのか?」

ルチャブル「わしは生前、戦いの日々を送っていた。とても楽しかった。じゃがな……」

ルチャブル「いつしか、自分の手で誰かを幸せにしたいと思うようになっていったんじゃ。」

ピカチュウ「生きている間には叶わず、そのまま幽霊になった……と。」

ルチャブル「そういうことじゃ。できればわしももっと残りたかったがな。」


気がつくと、師匠の体は半分近く消滅していた。



 ▼ 207 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 22:33:10 ID:bGc2K0H. [34/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルチャブル「未練がなくなった以上、ここに留まることはできん。……お別れじゃ。」

ピカチュウ「……ありがとうな……師匠……いや、恋のキューピッド。」

ルチャブル「うむ。チラーミィをしっかり守るんじゃぞ……」


最後の一言を言い終えると同時に師匠の体は完全に消滅し、辺りは再び闇に包まれた。

 ▼ 208 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 22:41:49 ID:bGc2K0H. [35/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「……なあ、師匠。俺のこと、またからかってるんだろ?」

ピカチュウ「こうやって変な演出使って……泣かせようとしてるんだろ?」

ピカチュウ「……なあ、出てこいよ。……出てきてくれよ……」

俯いたピカチュウの足元には、水滴の跡がついていた。


ピカチュウ「ふざけんなよ……!俺があんたと離れるには……遅すぎたんだよ……!」


どれだけ虐められても、どんなに強い攻撃を受けても泣かなかったヒーローは……声を上げて泣いた。


そんなヒーローは……愛する者に肩を抱かれ、この感情を分かち合っていた。
 ▼ 209 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 22:53:51 ID:bGc2K0H. [36/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラーミィ「……私がピカチュウにかける言葉なんてないかもしれないけど……」

チラーミィ「辛いときは一緒にいようよ」

チラーミィ「嬉しいときも、どんなときも一緒に。」



ピカチュウ「……そうだな。せっかく師匠が結びつけてくれたんだ、しっかりしなきゃだよな。」

チラーミィ「……私も本当の自分を出せるピカチュウと結ばれて嬉しかったよ。」

ピカチュウ「……本当の自分?」

チラーミィ「……学校の私は偽りの私。こうやって話しているのが本当の私」

チラーミィ「だけど……怖くてつい本当の私を出せないでいたの」

チラーミィ「でもなぜかピカチュウだけは……こうやって話せてるの。」

ピカチュウ「……なるほどね。」

チラーミィ「……ずっと一緒にいてくれる?」

ピカチュウ「……こちらこそよろしく。」





愛を確かめあった2匹のつがいは……









静かにその影を重ねた。






 ▼ 210 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 22:59:03 ID:bGc2K0H. [37/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜数年後〜


あの後、俺たちはあの場所に弔い場を作った。


師匠はすでに死んでいて、あのとき死んだわけではない。


だけど、師匠の消滅は俺たちにとっては1つの『死』だった。


だから時々、墓参りのように何かを供えに行ったり、周りを少し掃除したりする。


 ▼ 211 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 23:03:22 ID:bGc2K0H. [38/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺は今、二児の父だ。


双子ができるとは思ってなくて、色々大変なこともあった。


だけどチラーミィは……いつも笑ってたんだ。


そして俺はいつもその笑顔に救われたんだ


だから俺は……この笑顔を守り抜く。


もちろん、子供の笑顔も。


不器用な俺にできるのはそれぐらいだ。


 ▼ 212 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 23:08:17 ID:bGc2K0H. [39/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さて、俺は少年ではなく、父という存在になった。


だからここで物語は終わり……なんてことはない。


生きている限り、物語は続く。誰だってそうだ。


たとえ師匠のようにこの世から消えても、生きていた証拠はどこかに残る。


つまり、生まれた瞬間から終わりのない物語が続いている……と俺は思う。


つまり何が言いたいかって?


 ▼ 213 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 23:12:05 ID:bGc2K0H. [40/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここはとある小さな島。大して目立つものもないので、観光客もあまり来ない静かな島だ。

もちろん島民も多くはなく、都会のようなにぎわいもないつまらない島。

これは、そんな島に産まれた俺、ピカチュウの終わりのない物語だ。




【SS】俺の恋のキューピッドがジジイだった件

 完
 ▼ 214 エツキタ◆n3iiEtmiS. 18/09/20 23:14:05 ID:bGc2K0H. [41/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんとか書ききった……

終わりのない物語なのになんで『完』なんだとかそういうのはツッコまないでください()
 ▼ 215 ューラ@フーディナイト 18/09/20 23:15:36 ID:6Bc6XoDE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 216 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 23:21:51 ID:bGc2K0H. [42/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょっぴりおまけ


ルカリオ「ん……?校門前の花束……見覚えがあるような」

ヒヤッキー「やあやあルカリオ君、お疲れ様。おまけに花までくれるなんてねえ。」

ルカリオ「は、花?」

ヒヤッキー「ええ。チラーミィさんが生徒会長から預かってきたって言ってましたよ。」

ルカリオ「チラーミィ君が?」

ヒヤッキー「はい。本当に立派なバラですね〜。」

ルカリオ「」

ヒヤッキー「……どうしましたルカリオ君?」
 ▼ 217 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/20 23:23:51 ID:bGc2K0H. [43/43] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルカリオ「嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ヒヤッキー「あ、待ってくださいよルカリオ君!」


ヒヤッキー「……一体どうしたんですかねえ?」

おまけ 完
 ▼ 218 ィグダ@ファイトメモリ 18/09/20 23:40:19 ID:RC9cyBiU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ずっと見てました!
乙!
 ▼ 219 日ゴロゴロンダ◆XTk1MeLTks 18/09/21 02:33:17 ID:pJKYbT3M NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

終わり無いんだから、もちろん子供達編もあるよね?(期待)あるよね?(圧)
 ▼ 220 ズクモ@シルバースプレー 18/09/21 07:13:43 ID:SLl2g.YA NGネーム登録 NGID登録 報告
乙!
 ▼ 221 ルガー@だいだいはなびら 18/09/21 08:03:23 ID:f02kNyn6 NGネーム登録 NGID登録 報告
乙!
 ▼ 222 ノハナ@クオのみ 18/09/21 17:28:07 ID:UCsQ9uqM NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 223 エネーワ!◆n3iiEtmiS. 18/09/23 14:32:21 ID:xENMUI3Q NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
貼り忘れたけど参加してます
【夏のSS企画】夏×アツい展開!【本スレ】:ポケモン掲示板(ポケモンBBS) http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=860029
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