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【スワップSS】ドンカラス「あたしの愚かな昔話」【建て直し】

 ▼ 1 JKKWLseGjM 18/10/20 20:17:23 ID:TLvYyW2. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポケモン達が住む境界線が定まっていなかった頃
あたしは他のドンカラスよりも賢い両親の間に産まれ、彼は人間達の間では知の象徴と呼ばれるヨルノズクの両親から産まれた。

あの頃──幼いヤミカラスだったあたしはホーホーの彼ととても仲が良かったのだ。2人でみんなの森を守ろうと約束もした仲なのに。


それは壊れた。


今は『表の番人ら』の長と『裏の番人ら』の長として。
生きていて、対立している。


『表の番人ら』──迷い子を元いた場所に導き、保護者が見つかるまでの保護、傷病治癒人間にも適応される



『裏の番人ら』──住処全体の秩序を乱すものへの制裁或いは追放。これもまた人間にも適応される。


今回は幼いふたりが如何に袂を分かち、巨大な派閥が出来るまでの長い長い昔話を聞かせよう。
 ▼ 2 JKKWLseGjM 18/10/20 20:18:34 ID:TLvYyW2. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=897810

このSSはスワップ企画参加の作品です
これ以降は他の方が執筆されます
 ▼ 3 HA6yLBpTEI 18/10/24 20:50:41 ID:ocBMwVQA NGネーム登録 NGID登録 報告
バトンタッチ先の者です
これほど作り込まれた世界観を壊さないように書くのは、自分なんかに出来るのだろうか……
失踪は出来るだけしないようにしようとは思っています
更新の方はしばらくお待ち下さい
 ▼ 4 JKKWLseGjM 18/10/25 15:41:21 ID:I3KIVzDU NGネーム登録 NGID登録 報告
分かりました、気長にお待ちしております
 ▼ 5 HA6yLBpTEI 18/10/27 02:39:01 ID:3G9EB4y6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ホーホー「ねぇ、いつまで寝ているつもりなんだい?」

うるさい…… あと5分寝かせて……

ホーホー「……やっぱり起きないか」

ホーホー「あーあ、せっかく君のために綺麗な石を見つけてきたのになー このまま起きないようならこの石捨てちゃおっかなー」

「えっ、綺麗な石!? 見せて!」

その言葉で眠気がふっとんだ

ホーホー「やっと起きたね おはよう、ヤミカラス」
 ▼ 6 HA6yLBpTEI 18/10/27 02:40:12 ID:3G9EB4y6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
あたしが顔をあげると笑顔でこちらを見るホーホーの姿があった
彼はあたしが幼い頃から気が付くといつも隣に居てくれている

「あっ、おはようホーホー」
起きた時には月が一番高い位置に浮かんでいた
「で、綺麗な石は?」

ホーホー「いきなり過ぎやしないかい?」
そう言って彼は苦笑する

ホーホー「まぁいいや、ハイこれ」
すると彼は羽毛の隙間からこんにゃくみたいな色の丸い石を取り出した
石は月の光に照らされ、一部が青く光っている

「何この石? この光ってる部分は綺麗だけど……」

ホーホー「この石は『ラブラドライト』っていうんだ で、この青く光ってる部分はシラーっていうんだよ」

彼は様々な事を知っている 綺麗な石の事や木の実の種類、人間についてもだ
 ▼ 7 HA6yLBpTEI 18/10/27 02:43:16 ID:3G9EB4y6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
これから不定期でちょくちょく更新していく予定です
期限までには完結させます(多分)

(sageなのは気にしないでください)
 ▼ 8 HA6yLBpTEI 18/10/30 00:28:25 ID:6ANgECtE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
あたしが彼に勝てる事なんてひとつも無い
身体の大きさや相手への心配りも彼の方が上で、知識量なんて圧倒的に彼の方が上だ

そんな彼にあたしは憧れると同時に劣等感を抱いていた

ホーホー「そうだ、今からこの石を拾った場所に一緒に行かないかい? 森の見廻りついでにさ」

あたし達は森の自警団として雨の日も強風の日も毎日見廻りに行っていた あたし達が生まれ育ったこの森を守るために

「良いわよ、じゃ、行きましょうか」
羽根を大きく伸ばし、いつでも飛び立てる様準備する

ホーホー「だからいきなり過ぎだってば ま、いいか
行くよ!」
そして彼はさっきまで留まっていた枝を蹴り、夜の空へと飛び立った
彼を追いあたしも夜の空へと飛び出した
 ▼ 9 HA6yLBpTEI 18/10/30 00:29:23 ID:6ANgECtE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
──────────────────────────

「今日も森は平和だったわね 安心したわ」
その後あたし達は森の見廻りを終え、ホーホーが石を拾った場所に来ていた

その場所にはさっきの石がいくつも散らばっている

ホーホー「…………」
見ると彼は石を見つめ、何か考え事をしている様だった

「ん?どうしたの?」

ホーホー「この石なんだけど、本来ならこんな森の中に落ちている様な物じゃないんだよ ホラ、丸く加工されていて糸を通す穴が空いているだろう」

そこまで聞けば理解は容易かった
「え? じゃあまさかこの森に人間が……?」

ホーホー「十中八九そうだと思う もしかしたらまだこの近くにいる可能性もあるね」

ホーホー「で、どうするんだい ……と言ってももう決まっているか」

「その人間をこの森から追い出すわよ!」
 ▼ 10 HA6yLBpTEI 18/11/01 01:32:48 ID:E.tskhQY [1/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
ホーホー「了解だよ でも、追い出す方法はあるのかい?」

「それは……まだ……」

グググーー

突然音が聞こえてくる それはあたしのお腹の音だった
「あっ……」
その音を彼に聞かれ思わず赤面する

そうだった あたしまだご飯を食べていないんだった

ホーホー「とりあえず、ご飯を食べるのが最優先だね」
彼は笑いながら言う

「ごめんなさい……」

ホーホー「いや、気にしなくても良いよ じゃあ食べながら森から人間を追い出す方法を考えようか」
彼のその提案に反対する理由など無かった

 ▼ 11 HA6yLBpTEI 18/11/01 01:33:24 ID:E.tskhQY [2/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
──────────────────────────

食事の後、暫く彼と二匹で考えた結果、『まず自分達が強くならなければいけない』という結論に至った

それから二匹でもう一度森の見廻りをした後、強くなるための特訓を始めた

「はぁっ!」
羽根に力を込め、大きく振りかぶる
そして羽根を前に突きだすと同時に力を解き放つ

すると力は刃の様になり木の枝を鋭く切りつけながら真っ直ぐ前へ進んでいく

ホーホー「うん!これなら生身の人間には対抗出来るだろう じゃあ僕も……!」
すると彼はあたしがさっき繰り出した刃よりも速く鋭い刃をいとも簡単に繰り出してしまった

その刃は直線上の木の枝を切り落とし、森の奥深くに消えていく

「凄い……」
あたしの口から漏れたその言葉には感嘆と尊敬、そしてほんの少しの嫉妬が混ざっていた
 ▼ 12 HA6yLBpTEI 18/11/01 01:33:52 ID:E.tskhQY [3/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

ホーホー「技はいけたね 次は肉体面の強化だけど……」

「進化……よね?」

ホーホー「うん、僕達はそれぞれヨルノズクとドンカラスに進化するのは知っているよね で、その進化方法なんだけど」

「ホーホーはとりあえず鍛えれば進化、そしてあたしは特別な石が必要」

ホーホー「そう、僕は良いとして問題はヤミカラスが進化するための石を持っていないってことなんだ」
ここまで順調に行っていた様に思えた計画は大きな壁にぶつかってしまった よりにもよってあたしのせいで
 ▼ 13 HA6yLBpTEI 18/11/01 01:34:31 ID:E.tskhQY [4/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

「やみのいしよね? たしか森から遠く離れた所にある『ネジやま』から採れる石だって聞いたことがある あたし、採りに行くわ」
そして彼はゆっくりとうなずいた

ホーホー「そうだよ でもネジやまは遠く離れているし、道中の安全も保証されていない はっきり言ってネジやまに行くのは無謀だと思うよ」

しかし、それではあたしは進化出来ないままだ それに彼より強くなる事も出来ない

「無謀だったとしてもあたしは行く あたし達の……そして皆の森を守るために強くなる」

ホーホー「ヤミカラス…… まぁ君の事だし止めても無駄か 」
彼は諦めて言う
ホーホー「行ってらっしゃい、ヤミカラス」
そう言って彼は笑顔であたしを送り出してくれた

 ▼ 14 HA6yLBpTEI 18/11/01 01:35:03 ID:E.tskhQY [5/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
──────────────────────────

【イッシュ地方:ネジやま】

大空から見下すネジやまは、山の頂上部分のみに雪が降り積もり、雪が月の光をキラキラ反射する

「着いた…… ここがネジやまね」
山は何人をも寄せ付けない威厳の様な物があり、足を踏み入れるのを躊躇させた しかしあたしには石を採るという目的があってここに来た、今さら引き返す訳にはいかない

「入口はどこかしら…… というよりも上から入った方が楽かもね」
そう思いあたしは両足の爪を留まっている枝にグッと食い込ませる そして羽根を上下に大きく動かし、両足で枝を踏み切る

ネジやま上空は気温が低く、烏が一羽で飛ぶにはとても心細かった 
でもあたしには森を守るという使命がある、ここで諦める訳にはいかない そんな気持ちで必死で翼を動かした

 ▼ 15 HA6yLBpTEI 18/11/01 01:47:57 ID:E.tskhQY [6/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
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【ネジやま内部】

「あった……!」

探していたやみのいしは少し地下に潜っただけで簡単に見つけられた 石からは森の夜が持つ神秘的な雰囲気が感じられる様な気がした

石に触ればあたしは進化出来る 今までよりもっと強くなれる

意を決し石に触れる

するとあたしの身体は光に包まれた 中では身体の形がどんどん変化していく 翼は大きく広がり、嘴は少し丸みを帯びて身体全体が大きくなった

身体が変化していくのと同時に全身に力が流れ込むのを感じる

「カァーーー!」
身体からあふれでる力は声となり、自分が進化したことを実感させてくれる

この力があれば森を守れる、あたしはそう確信した
 ▼ 16 HA6yLBpTEI 18/11/01 01:49:38 ID:E.tskhQY [7/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  

地上に出ると空は少しずつ明るくなってきていた

「早く帰らないとね」

ヤミカラスの時より大きくなった翼を羽ばたかせる
するといとも簡単に身体が空へ浮き上がった

ヤミカラスの時よりも飛ぶ速度が明らかに上昇している
これなら完全に日が昇る前に森に着けるだろう

進化したあたしの姿を早く彼に見せてあげたい、そんな一心で森への帰路を急いだ
 ▼ 17 ャランゴ@みどりのバンダナ 18/11/03 22:16:40 ID:4/0wmaXA NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 18 HA6yLBpTEI 18/11/04 05:31:57 ID:vwR6kjLc [1/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
──────────────────────────

次の日の夜、あたしが彼に起こされたのはいつもより一時間以上遅い時間だった

ホーホー「ヤミカラス……だよね?」
彼は自信なさげに寝ているあたしを起こす

何でも知っている彼でも流石に目覚めたら隣に知らないポケモンがいる状況に動揺している様だった

「あら、おはようホーホー」
あたしはいつもと変わらない挨拶をする

ホーホー「やっぱりヤミカラスだよね、良かった……」
いつもと変わらないあたしの様子に彼は安堵した様子だった

進化する前はあたしより彼の方が身体が大きかった
でも今はあたしの方が身体が大きくなっている

彼も進化すればまたあたしより身体が大きくなるのだろう
それでもあたしは彼を少しの間でも越える事が出来て嬉しかった
 ▼ 19 HA6yLBpTEI 18/11/04 05:32:51 ID:vwR6kjLc [2/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「そうだ、森への侵入者はどうなったの?」

ホーホー「それは…… ……ごめん、見つからなかった」

「そう……」
あたし達が住むこの森は東と西に分けられる程度には広大だった
そんな森から人間を探し出すなど、よほどの事がない限り不可能である それは分かっていたがやはり見つからなかった事に対し少し落ち込んだ

ホーホー「でも良かった 無事にやみのいしを見つけれたようだね」
彼は嬉しそうに話す

ホーホー「早く僕も進化しないとなぁ」

「ホーホーなら大丈夫でしょ あたしなんかよりバトルの才能が有るんだから」

「それに、あたしに出来る事が有れば何でも言って バトルでも雑用でもやってあげるから」

ホーホー「……ありがとう じゃあ早速だけどバトルの相手をしてくれないかな?」
遠慮がちに言った彼の瞳には闘志が燃え上がっていた

「ええ、勿論受けてたつわ」
あたしの瞳にも闘志が燃え上がる 進化して強くなった自分の力を見てみたい、そう思って彼とバトルすることにした
 ▼ 20 HA6yLBpTEI 18/11/04 05:33:29 ID:vwR6kjLc [3/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・ 

……結果はあたしの負け

敗因は自分の力へ過信とまさか彼がバトル中に進化にすると思っていなかった事

ヨルノズクへと進化した彼はやはりあたしより身体は大きかった 多分二倍近くはあるだろう

ヨルノズク「僕も進化出来た……!」

やっぱりあたしが彼に勝つのは無理なのだろうか、彼とバトルして何度も感じられた事はやはり間違いでは無いような気がしてくる

ヨルノズク「そうだ、今日も森の見廻りをしなくちゃね
ドンカラス、行こう」
彼は空へと飛び立つ あたしもそれを追って空へと飛び立った
 ▼ 21 HA6yLBpTEI 18/11/04 05:34:17 ID:vwR6kjLc [4/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
そして今日も森で人間を見つけることは出来なかった

──────────────────────────

あたし達が進化してから二年以上時は流れた

その間、森に幾つかの変化があった

一つは森に東と西の境界線が少しずつだが出来ていっていること
一つは森に新しい仲間がやって来たことだった

元々森に境界線なんて無かった しかしある時一匹のポケモンが人間に危害を加えたせいで、それに対する非難派と擁護派のポケモン達の仲が悪くなってしまった
 ▼ 22 HA6yLBpTEI 18/11/04 05:35:03 ID:vwR6kjLc [5/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
それが最近酷くなっている、だから東と西で境界線が出来てきているのだ

そして森に来た新しい仲間、それはかつて人間に飼われていたチョロネコだった
初めて会ったときの彼女は毛もボサボサであたし達に酷く怯えていて、明らかに酷い状態だった

それを見てあたしは人間に対する怒りをどんどん募らせる

なぜ人間はポケモンを大切にしようとしないのか
全く、人間は理解出来ない

そんな理解出来ない人間を彼は理解しようとしていた
 ▼ 23 HA6yLBpTEI 18/11/04 05:36:07 ID:vwR6kjLc [6/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・

ヨルノズク「あの人間…… 道に迷ったのか?」
彼は高い位置にある木の枝から人間を見つめていた

彼の視線の先に居たのは一人の水色の髪の青年、青年は周囲を見回しながら手元の紙に目線を向けている

青年「おかしいな、地図の通りに進んできたはずなのに……」
その声色は明らかに道に迷った時のそれだった

「どうするの? あまり害は無さそうではあるけど……」

ヨルノズク「余り森の奥へと進めば二度と戻ってこれなくなる事もある、一応道案内位はしておこう」
すると彼は青年の近くまで音も無く忍び寄る

青年「……!」
しかし青年は彼が近付くのに気付き、バッと振り向く

青年「ヨルノズク? 何でこんな所に……?」
不思議がっている青年を、彼は地図と交互に見つめる

青年「……? もしかして道案内をしてくれるのかい? ……ってそんな訳無いか」
しかし彼はそんな青年をじっと見つめ続けている
 ▼ 24 HA6yLBpTEI 18/11/04 05:36:35 ID:vwR6kjLc [7/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
青年「えっ…… もしかして本当に道案内を?」
彼はコクリと首を縦にふった

青年「ありがとう! えっと僕の目的地はね…………」

もう大丈夫だと思ったあたしはその場から静かに遠退く


その場から離れている時に考えていたのは彼の事

正直に言ってさっきの彼の行動はあたしには理解出来なかった

何故人間なんかを助けたのか もちろん人間にも良い人間と悪い人間がいることは知っている

それでもその判断が完全にはついていない状態の人間に何故手を差しのべたのか

あたしならあの場面ではきっとあの人間を放置していただろう

何度考えてもあたしに彼の行動の意味が理解出来なかった
 ▼ 25 HA6yLBpTEI 18/11/04 05:37:33 ID:vwR6kjLc [8/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
──────────────────────────

それから数ヶ月後の事、あたしと彼との関係を大きく揺るがす出来事が起きた

あんな事が無ければ今までのように一緒にいることがきっと出来た

一緒に森の見廻りをして、一緒に食事をして、お互い気を遣うこともなく話す そんな普通の事がもう二度と出来ない

あの事件さえ無ければ……

 ▼ 26 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:05:12 ID:vwR6kjLc [9/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
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それはあのチョロネコがレパルダスへと進化した頃の事、
あたし達の森に大勢の人間が現れた

人間達は皆松明を手にしており、夜の森では居場所の把握は容易だった

ヨルノズク「人間達は全員街と森との境界辺りにいる、明かりに使用している松明の火が森の木々に引火する可能性があるな 早く何とかしなければならないな」
彼は状況を素早く判断する

「大人数でも追い出すだけならあたしの<ふきとばし>でもいけるかしら? ……いや、駄目ね それでは松明の火が森の木に引火するリスクが増えてしまうわ」
こうしている間にも人間達はこの森の奥へ奥へと進んで行っているのだろうか 何か良い方法は……
 ▼ 27 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:05:43 ID:vwR6kjLc [10/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
レパルダス「……私は何をすればいいのでしょう」
チョロネコは、あの時震えていたポケモンとはとても思えないほどに成長していた

「そうね……レパルダスは森のポケモン達を安全な場所に避難させてちょうだい」

レパルダス「承知しました」
彼女はすぐにポケモン達の避難の準備を始めてくれた

ヨルノズク「ポケモン達の避難は彼女に任せるとして、こちらはどうする あの人間達が何をするか判らない以上、こちらも迂闊には手を出せないぞ」

彼の言う通り、こちらから迂闊には手を出せない 今は人間達の動向を監視しておくことしか出来ないのだ

 ▼ 28 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:06:35 ID:vwR6kjLc [11/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
暫くして、人間達に動きがあった

その行動はあたし達にとって許せる事では無かった




───人間達は突然森に火を放ったのだ
 ▼ 29 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:07:05 ID:vwR6kjLc [12/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
火をつけられた木々は周りの木を巻き込みながら炎上していく

その様子を見て人間達はあろうことか声を出して笑い始めたのだ

人間「アッヒャヒャヒャヒャ! 見ろよ、面白い位に木が燃えてくぜ!」

人間「悪い野生ポケモン達が住んでる森は消毒しましょうねーーwww」

それを見てあたしと彼は言葉を失ったその間にも火はどんどん範囲を広げていく


……許せない、森に火をつけるだなんて

「許せない……!」
思わずそんな言葉がこぼれた
 ▼ 30 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:08:16 ID:vwR6kjLc [13/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
ヨルノズク「……ドンカラス?」

決めた、あたし達の森に手を出す者には制裁を

傷つける者には復讐を

「あたし達の森に手を出したんだから、それ相応の《苦しみ》を味わって貰わないとねぇ……!」

ヨルノズク「ドンカラス!? 何をするつもりなんだ!」

「そうね…… とりあえず彼奴を自分でつけた火で焼き殺してあげましょうか」
あたしの頭の中は人間達への復讐の事で埋め尽くされる

ヨルノズク「駄目だ! そんな事をすればポケモンと人間の溝が余計深まってしまう、それに殺すのは流石にやり過ぎだ!」
 ▼ 31 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:08:39 ID:vwR6kjLc [14/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「あら、そうかしら でもそれくらいしないと人間達は調子にのってもっと酷い事をするかもしれないのよ」

ヨルノズク「だとしてももう少しやりようがあるだろう」
彼はあくまで冷静にあたしを止める

「ならヨルノズクはどうするつもりなの? まさか放置って訳じゃないわよね?」

ヨルノズク「…………………………」

「あら黙り? ならあたしは先に行かせて貰うわよ」
黙ったままの彼を置いてあたしは燃え盛る炎の元へと飛び立った
 ▼ 32 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:09:12 ID:vwR6kjLc [15/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
──────────────────────────

人間「燃えろ燃えろー! ポケモン達を焼き尽くせー!」

人間達はこれから自分のつけた火に燃やされるとも思わず火の勢いが強まる事を楽しんでいる

燃えれば燃えるほど苦しみが大きくなるというのに

あたしは人間達に気付かれないよう風上に降りる
そして風上から<おいかぜ>を吹かせ、人間達が立っている場所を一面火の海へと変化させる

人間「グギャーー! 熱゛い゛熱゛い゛熱゛い゛!」

燃え盛る炎の中から人間達の叫び声が聞こえてくる

「うるさい」

翼から闇の力を込めた刃を炎に向かって放つ
すると炎の中からぐじゅり、という音が聞こえ炎のスクリーンの裏で何かが落ちてきていた

するとあんなにうるさかった声はピタリと止み、後には炎が人間達の身体を焼く音しか聞こえなくなった
 ▼ 33 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:09:59 ID:vwR6kjLc [16/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
──────────────────────────

彼の元へと戻ると、彼はあたしを見るなり怒鳴ってきた
ヨルノズク「ドンカラス…… 君は自分が何をしでかしたのかわかっているのか! まさか本当に殺すとは……」

「……ごめんなさい、ついカッとなっちゃって もちろん炎は消火するわ」

ヨルノズク「そんな事を言っているんじゃない! それについとは何だ、そのせいで森のポケモン達にこれ以上の被害が出たらどうするんだ? もっと行動に責任を持ってくれ!」

その言葉であたしの溜まっていたことは爆発してしまった
 ▼ 34 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:10:20 ID:vwR6kjLc [17/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「そんなこと判っているわよ! ただあたしは森を傷つけた人間達に復讐をしただけ、それなのにどうしてそこまで責めるの?」

ヨルノズク「だから方法は幾つもあっただろう? それをしなかったのはドンカラス、君だ!」

「違う、あたしは森を守りたかっただけ! ヨルノズクみたいに頭は良くないけれど、あたしなりに森を守ろうとしたの!」
言っているうちに自分でも何を言っているのか分からなくなってくる

ヨルノズク「それは理由になっていないよ、ドンカラス」

「うるさい!」
あたしは叫び続けた 彼に当たっても何も解決しないというのに
 ▼ 35 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:10:59 ID:vwR6kjLc [18/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・ 

ヨルノズク「何でそこまで君は人間を嫌うんだ!」

「あなたこそ何で人間をあそこまで受け入れられるの!」

あたし達は不毛な争いを続けた

森を焼いていた炎が消えても、あたし達の間に出来た深い溝が埋まることは二度と無かった……
 ▼ 36 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:12:05 ID:vwR6kjLc [19/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

そして現在、あたしは「裏の番人ら」の長としてこの森に生きている

「裏の番人ら」の仕事は秩序を乱す者へ制裁を行う、つまりはあの時あたしが人間達に対して行った事をするのである

そして彼……ヨルノズクは「表の番人ら」の長としてこの森て生きている

「表の番人ら」の仕事は迷い子を元の場所へ導く、つまりは彼があの時水色の髪の人間に対して行った事をするのである

表と裏は決して交わる事はない、あたし達もあれ以来二度と交わる事は無かった

しかし裏が無ければ表も無い、同様に表が無ければ裏も無い、交わる事は無くてもお互いに無くてはならない存在である

どれだけ対立していようともそれはきっと変わらない

いつか表と裏が交わる時が来るのなら、その時は……


           【完】
 ▼ 37 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:22:36 ID:vwR6kjLc [20/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
このような素人の書いた駄文でも読んで下さった方々、大変ありがとうございました

最初スワップ先がこちらだと知った時、
「ハードモードォォォ! 完結出来るのかな……」とか思ったりもして、終盤は色々カットし過ぎて雑な事になってしまったりもしましたが何とか完成出来ました!
 ▼ 38 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:28:43 ID:vwR6kjLc [21/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
また、下記のURLからとべるSSの方を参考にさせていただきました。1レス目と同じ方が書かれた作品なので、ぜひこちらもよろしくお願いします
pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=870672&l=1-

(最後までsageなのは、更新時間が深夜が多めな事や、ただ自分が恥ずかしいからという理由です)
 ▼ 39 HA6yLBpTEI 18/11/04 07:29:35 ID:vwR6kjLc [22/22] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=870672&l=1-

URLミスりました、すいません
 ▼ 40 闇のシャンデラ◆JKKWLseGjM 18/11/04 22:21:56 ID:/JxsKrLo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お疲れ様です!

ハードモードな1レスからここまで書き切ってくれてありがとうございます
 ▼ 41 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/11/05 17:38:35 ID:uRFIbGYI NGネーム登録 NGID登録 報告
乙です!
ドンカラスとヨルノズクが分かり会える日はいつか来るんでしょうかね……どちらの主張も正しいのでただただ切ない話でした
雑ですが挿絵(?)描かせてもらったので上げます
 ▼ 42 葉ガレット◆tlgA8E6tMM 18/11/05 23:08:43 ID:c7tsswYw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>41
挿絵ありがとうございます
上手ですね……私、コメントして大丈夫かな?
 ▼ 43 HA6yLBpTEI 18/11/06 18:25:04 ID:6PU6MyXw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>41
反応遅れてしまいもうしわけありません
テトラポットさん、挿絵ありがとうございます!
ssだけではなくイラストまでかけるとは… 凄い…
このページは検索エンジン向けの機能制限版の旧ページです。
下URLから閲覧下さい。
https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=898086
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