【SS】ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く:ポケモンBBS

  ▼  |  全表示974   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【SS】ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く

 ▼ 1 ルーラJr 19/07/15 18:03:01 ID:HfLwEi9I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
皆さんこんにちは。ガルーラJrと申します。

あと4ヶ月もすればポケモン剣盾が発売されるので今更感もありますが、個人的にどうしてもチャレンジしてみたかったポケモンSMのお話を書かせていただきたいと思います。

基本的にゲーム本編に準拠したお話になりますが、以下の点を予めご了承ください。

1:登場人物
 ゲーム編では例えば男主人公を選ぶと女主人公は出てきませんが、
このSSでは両方のキャラクターをヨウ、ミヅキとして登場させます。

2:登場人物の手持ち
 登場人物の手持ちは基本的にゲーム本編に準拠しますが、中には
1匹か2匹入れ替えを行ったり、また、ゲーム本編で例えば
最大5匹しか手持ちを持っていない人物には1匹追加したりします。

3:本編の補足的なストーリーの追加
 本編では語られていないストーリーを私なりに考えて追加しています。
特にグラジオ、ルザミーネについてはそれが顕著です。

4:形式
 地の文を用いた形式で書かせていただきます。

皆さんに楽しんでいただけるよう最後まで頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ▼ 935 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/14 21:26:26 ID:/rtoh4kY [1/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…母上…!今でもウルトラビーストに執着してるのか…?こんなことをして、父上が喜ぶとでも思ってるのか!!」

グラジオがルザミーネを目の当たりにして思わず叫んだ。ルザミーネはチラリとグラジオの顔を見たが、何も言わずに小さくため息をついた。

「…ふう…。うるさいのが増えたわね…」

「母さま!!」

リーリエの呼び掛けもルザミーネは無視した。そして、ヨウをじっと見つめた。

「…お久しぶりね、ヨウくん。まさかこんなところまで乗り込んでくるとは思わなかったわ」

「…ルザミーネさん…」

「…ここはウルトラホールとウルトラビーストを研究するためのセクションよ。ここには財団の科学力の粋が集められているわ」

ルザミーネはそう言いながら、手に持っていたケージを機械にセットした。

「…ここに来るまでに…ポケモンが氷漬けになってるのを見た…。あれは…?」

ヨウが尋ねると、ルザミーネはニタッと悪魔のような笑みを浮かべた。

「…あれはね…、愛の証なの。私の気に入った我が子…ポケモンを永遠の美しさを保ったまま保存する…。そして、彼らは母なる私の深い愛を受けながら長い時を生き続ける…。素敵でしょう?まさに永遠の美、永遠の愛!!」

ヨウはぞっとした。この狂った女を止めなければ、一体何が起こるのか。ヨウはモンスターボールを手に取ろうとする。しかし、ルザミーネはそれを見て口角をさらに上げた。
 ▼ 936 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/14 21:27:33 ID:/rtoh4kY [2/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…まあ、そう急ぐ必要はないでしょう?せっかくだから、あなたもよく見ていくといいわ…。ウルトラビーストと…その力をね!」

ルザミーネは狂喜に満ちた顔で機械のスイッチを入れた。すると、ルザミーネの背後に突如ウルトラホールが開く。それだけではなかった。周囲のディスプレイを見ると、アローラの他の島でもウルトラホールが開いたというメッセージが表示されている。そして、ルザミーネの背後のウルトラホールから、ハノハノリゾートで見たのと同じウルトラビーストが姿を現した。


その頃…メレメレ島のマハロ山道では…

「しまキング〜はやるキング〜♪」

暗い空、突如空に開いた穴。アローラの誰もが驚くに違いないその中で、メレメレ島のしまキング、ハラは陽気な歌を歌いながら戦の遺跡に続く吊り橋へとやって来ていた。

「…胸騒ぎを覚えてみれば…」

戦の遺跡の近くに出現したウルトラホールから、鋭い口吻を持ち全身筋肉のような姿の異形の虫ポケモンが姿を現す。

「ババァルクッ!!」

そのポケモンはハラの前に降り立つと、自らの筋肉を誇示するようなポーズを取った。

「…珍しい客ですな…」

ハラがモンスターボールを手に取ると、そこにカプ・コケコが現れ、ハラとウルトラビーストの間に割って入る。

「…カプ・コケコ…。守り神ゆえか、それとも戦ってみたいだけか…。このハラ、しまキングとしてお支えしますぞ」

ハラはそう言いながら、他の島がある方向へと目をやった。
他の島も同じだろうか…。頼みますぞ、仲間たち…。
 ▼ 937 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/14 21:28:36 ID:/rtoh4kY [3/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…やれやれ…。おじさん、こんな奴を相手にできるほど元気ねえぞ…」

ハイナ砂漠、実りの遺跡付近で、クチナシは大きなため息をついた。目の前には黒い身体の巨大なウルトラビーストがいた。



「…へえ…。これはこれは、初めまして…と言うべきなのかしら?」

アーカラ島、メモリアルヒルにて、ライチは白く細い身体のウルトラビーストと対峙していた。彼女の横にはカプ・テテフがおり、緊張した面持ちでウルトラビーストを睨み付けている。

「…大丈夫よ、テテフ。一緒に戦いましょう」

ライチにそう言われ、カプ・テテフは少し落ち着きを取り戻した。



「久々に帰ってみれば、不思議なこともあるもんじゃのう…」

ハプウはポニ島、彼岸の遺跡の付近に開いたウルトラホールを見に来ていた。そこにはこれまで見たことのない、電気コードを束ねたようなポケモンがいた。



「ふふふ…!すごいわ、コスモッグ!!やればできるじゃないの!アローラ中にウルトラビーストが…!」

ルザミーネはディスプレイに表示されるメッセージに歓喜の声を上げる。ヨウはあまりの惨状に呆然としていた。

「ヨウ!代表を止めてくれ!そうしないと、アローラはビーストだらけになるぞ!!」

グラジオの必死の声に、ヨウはハッと我に返る。ルザミーネはその声に、あきれたように肩をすくめた。
 ▼ 938 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/14 21:29:29 ID:/rtoh4kY [4/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…もう、大声を出さないでもらいたいわ。ビーストちゃんがびっくりするでしょ?」

ルザミーネはそう言いながら、ヨウに問いかけた。

「…ふふふ…。ヨウくん…、私と戦う?ハノハノリゾートでの約束…私は覚えているわよ?」

ルザミーネはニヤリと不敵な笑みを浮かべる。ハノハノリゾートでの約束…機会があればバトルしましょう、と彼女は言っていた。もちろん、そのときのヨウはこのようなシチュエーションで戦うとは思っていなかった。
ふと、ここでロトムがヨウのリュックから飛び出し、部屋の奥を指し示しながら叫んだ。

「ヨウ!あれを見るロト!」

ウルトラホールやウルトラビーストに目を奪われて気づかなかったが、ロトムが指し示した所には一際大きな氷柱が立っている。その中には、ラプラスが冷凍保存されていた。

「…ラプラス…?……ッ…!まさか…!!」

ヨウはロトムがなぜあのラプラスを見て声を上げたのか合点がいった。

「…ああ…、あの子は最近仲間に加わったの。アーカラ島にいた子なんだけど、いかがかしら?とっても素敵な子だとあなたも思うでしょう?」

ルザミーネにそう言われ、ヨウの中で怒りが一気に弾け飛ぶ。

「……してやる……」

「…ヨウさん…?」

リーリエはヨウの様子がおかしくなったことに気づく。リーリエは知らない。あのラプラスは、ヨウがエーテル財団のミライと一緒に保護したラプラスだ。ミライはこのラプラスを自分の手で群れに帰すのだと笑っていた。それは、島巡り脱落者であるミライにとっての希望でもあったのに。

ヨウは激怒し、アシレーヌを繰り出した。

「….ぶっ潰してやる…!!」
 ▼ 939 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/14 21:30:50 ID:/rtoh4kY [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第66話はここまでです。
次回はヨウVSルザミーネの戦いです。
それではまた。
 ▼ 940 ネコ@なつきポン 20/04/14 21:42:57 ID:vqX6F0LI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おのれルザミーネ
 ▼ 941 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/16 22:02:07 ID:qexIvcjk [1/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第67話を投稿させていただきます。
 ▼ 942 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/16 22:03:18 ID:qexIvcjk [2/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 67 憤怒



「ガオガエン、DDラリアット!」

「ガゥア!!」

ガオガエンはハッサムに続き、ウルガモスも殴り倒す。これで、グズマの手持ちもグソクムシャのみ。しかし、ハッサムとウルガモスとの戦闘でガオガエンもかなり消耗していた。

「…俺も最後の1体か…」

荒い息をつくガオガエンを見ながら、グズマはグソクムシャの入った最後のモンスターボールを投げる。

ハウとグズマが戦っていると、施設内に大きな振動が伝わった。そして、グズマが立ちはだかる奥から、不思議な白い光がちらついている。

「…ついに始まったか…。」

「…この光は…!?」

ハウが白い光を遮るように腕を上げると、グズマは嬉しそうにニヤリと笑った。

「…ウルトラホールが開いたんだ。どうやら代表の狙いは成功したみたいだな…」

グズマはそう言うと、ハウに向き直る。

「…悪いが、俺もこの奥の部屋に用があってよ…。ここいらでケリを着けさせてもらうぜ!グソクムシャ、出会い頭!」

「グオッ!」

消耗したガオガエンにグソクムシャの巨大な爪がヒットする。ガオガエンはのけぞるが、すぐに体勢を立て直して反撃に出る。

「DDラリアット!」

ガオガエンのラリアットをグソクムシャは前足の盾のような外殻で受け止める。
 ▼ 943 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/16 22:04:31 ID:qexIvcjk [3/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「グソッ…!」

グソクムシャもガオガエンのパワーに押されるが、まだ倒れなかった。

「もう一押しだ、ガオガエン!フレアドライブ!!」

ハウはガオガエンにフレアドライブを指示する。ハウはこの攻撃でグソクムシャにとどめを刺すつもりだった。だが…

「グソクムシャ、アクアジェットで回避」

グソクムシャは素早くガオガエンの攻撃を回避する。ガオガエンは勢い余ってバランスを崩し、転倒した。この決定的な隙をグズマは見逃さない。

「グソクムシャ、ガオガエンにアクアジェット!」

グソクムシャのアクアジェットがガオガエンの背中にクリーンヒットする。ガオガエンは転倒し、なんとか体を起こそうとするが、ついに力尽きた。

「……これで…心残りは何もねえ……」

グズマはガオガエンが戦闘不能になったことを確認すると、ハウに背を向けた。

「…グズマさん…どこへ行くの…?」

ハウに尋ねられると、グズマは振り返るここなく答えた。

「…おまえに、アローラが変わるところを見せてやるよ。おまえは俺を憎むかもしれねえがな」

グズマはハウに意味深な言葉を残し、去っていく。ハウがしばらく呆然としていると、ミヅキが合流してきた。

「ハウくん!」

「ミヅキ…」

ハウはミヅキの方を振り向く。

「…プルメリさんに勝ったんだね…。おれ…グズマさんに負けちゃったよ…」

ハウがうなだれていると、ミヅキはハウの肩を叩いた。

「…先に進もう。まだ終わりじゃないよ。まだリーリエとほしぐもちゃんを連れて帰るって目的があるんだから、進まなきゃ」

ミヅキにそう言われ、ハウは前を向く。ハウはすばやく手持ちの応急手当をし、ミヅキとともにラボエリアの最深部へと進み始めた。
 ▼ 944 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/16 22:05:54 ID:qexIvcjk [4/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…ぶっ潰してやる…!!」

ヨウは激怒し、アシレーヌを繰り出す。アシレーヌもヨウの憤怒に呼応するように唸り声を上げた。
リーリエは驚いていた。普段は穏やかなヨウが、こんなに怒りを剥き出しにしているところを初めて見たからだ。

「あら、そのアシレーヌ…、すごく美しい子ね…。あなたのポケモンでなければ、我が子の仲間に加えたいわ…」

ルザミーネは氷のような笑みを浮かべ、モンスターボールを放る。中から現れたのは虹色に光る鱗を持つポケモンだった。

「クオォーッ!!」

「…ミロカロスか…!」

「先攻は譲るわ。お好きにどうぞ?」

ルザミーネは余裕の表情でヨウを挑発する。その態度がヨウの神経を一層逆撫でした。

「アシレーヌ、遠慮なく叩き潰せ!エナジーボールッ!!」

「シャルア!!」

ヨウの叫びとともに、アシレーヌはエナジーボールを放つ。弱点を突かれたミロカロスは大きなダメージを負うが、まだ倒れなかった。ヨウはミロカロスに大きなダメージを与えたと確信し、このまま連続攻撃でミロカロスを一気に仕留めてやろうと考えた。

「アシレーヌ、アクアジェットで距離を詰めろ!そのまま至近距離からエナジーボールでとどめだ!!」

アシレーヌはヨウの指示の通り、アクアジェットでミロカロスとの距離を詰める。

その余裕の表情もここで終わりだ

ヨウがそう思った矢先、アシレーヌは吹き飛ばされ、壁のディスプレイに叩きつけられた。

「…!?」

ヨウは驚いてアシレーヌを見る。リーリエもグラジオも、ヨウの相棒であるアシレーヌが一撃で倒されたのを見て息を呑む。
 ▼ 945 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/16 22:07:52 ID:qexIvcjk [5/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…今のは…」

「ミラーコート。…もしかして、初めて見た?」

ルザミーネは余裕の表情のままだ。ミロカロスもそれなりにダメージを負っているはずだが、まだ戦えると言わんばかりにヨウを見据える。

「まだ終わりじゃないでしょう?せっかく来たのだから、まだまだ楽しませてくれないとね」

ルザミーネが挑発するようにそう言うと、ヨウの中で再び怒りの炎が燃えた。

「行けっ!フライゴン!」

「キテルグマ、行きなさい」

ヨウがフライゴンを繰り出すと、ルザミーネもポケモンを交代する。ルザミーネの2番手はキテルグマだった。

「地震だ!」

フライゴンが地震を起こし、衝撃波がキテルグマを襲う。衝撃波が収まり、フライゴンがどれだけのダメージを与えられたかとキテルグマの様子をうかがうが、キテルグマはけろっとしていた。

「…タフな奴だ…。フライゴン、奥の手行くぞ!」

ヨウはフライゴンに奥の手を指示する。

「地割れ!」

フライゴンはエネルギーを溜め、地割れでキテルグマを一撃のもとに沈めようとする。しかし、エネルギーチャージの隙にキテルグマが急接近してきた。

「メガトンキック!」

「クーッ!!」

キテルグマはフライゴンにドロップキックを仕掛け、フライゴンはそのパワーに吹き飛ばされる。フライゴンが床に落ちると、キテルグマは倒れたフライゴンに追撃を仕掛けてきた。

「とどめよ。冷凍パンチ」

フライゴンは最も苦手とする氷技を受け、ばたりと床に沈む。ヨウはいきなり2体の手持ちを沈められ、動揺を隠せない。怒りに任せてバトルを仕掛けたが、このルザミーネのポケモンたちは今まで戦ったどのポケモンよりも強かった。
 ▼ 946 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/16 22:08:30 ID:qexIvcjk [6/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ヨウ!冷静になるロト!いつものヨウらしくないロト!」

ロトムがヨウを落ち着かせようとするが、ルザミーネを倒せるのか、不安と焦りがヨウの心を支配しつつあった。

「頼むぞ、トゲデマル!」

ヨウの3番手はトゲデマル。ルザミーネはキテルグマを下げ、ドレディアを繰り出した。

「…ドレディア…。トゲデマル、ほっぺすりすり!」

「マキュッ!」

ヨウはここは慎重に、ドレディアを麻痺させてから攻めこもうと考えた。だが…

「ドレディア、目覚めるパワー」

「ディア!」

ドレディアの目が赤く光り、炎のような光弾を放つ。トゲデマルの弱点である炎タイプだとヨウはすぐに見抜いた。トゲデマルは弱点を突かれて大ダメージを負うが、まだ倒れなかった。しかし、トゲデマルの突撃の勢いが弱まったところにドレディアが追撃を仕掛けてくる。

「眠り粉」

トゲデマルは眠り粉を浴びせられ、睡魔に教われる。

「花びらの舞」

続いてドレディアは花びらの舞を使う。トゲデマルは美しい舞から繰り出される花びらに飲み込まれる。トゲデマルには効果は今一つであるが、これまでのダメージの蓄積があり、花びらの渦の中トゲデマルは力尽きた。

「…そんな…」

ルザミーネの手持ちを1体も倒せないままヨウは3体の手持ちを失った。
ここまで差があるのか…。
しかし、自分の隣にいるリーリエのために、負けられない。戦い抜くしかない。
 ▼ 947 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/16 22:09:38 ID:qexIvcjk [7/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ヨウはアブリボンを繰り出す。対するルザミーネはムウマージを繰り出してきた。

「…最後まで戦おうとする勇気は褒めてあげるわ。ムウマージ、悪巧み!」

「マージ!!」

ムウマージは悪巧みで自身の特殊攻撃力を上げる。

「アブリボン!ムーンフォース!」

アブリボンはムーンフォースでムウマージを攻撃する。ムウマージに直撃したものの、ムウマージはまだ、倒れなかった。

「…なかなかのパワーね。ムウマージ、お返しよ。シャドーボール」

「マージ!」

ムウマージはシャドーボールを放つ。アブリボンはシャドーボールをかわし、反撃しようとする。だが、ここでムウマージがアブリボンに急接近してきた。

「速…」

「マジカルフレイム」

アブリボンは粉塵をまく暇もなく、ムウマージにゼロ距離からのマジカルフレイムを浴びせられる。アブリボンは声もなく意識を失い、あえなく墜落する。

「くっ…ハリテヤマ!」

「ピクシー」

ヨウは追い込まれた。ハリテヤマを繰り出したものの、ルザミーネは格闘タイプに相性有利なピクシーを繰り出した。。

「岩雪崩!」

「ムーンフォース」

ルザミーネは冷徹にハリテヤマの弱点を突く。ハリテヤマも倒れ、ヨウにはヒトモシのみが残された。

「…さあ、最後の1体ね…」

ルザミーネが笑っている。絶望の中、ヨウは震える右手で最後のモンスターボールを投げた。
 ▼ 948 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/16 22:11:36 ID:qexIvcjk [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第67話はここまでです。
次回はルザミーネとグズマ失踪のお話になります。
それではまた。
 ▼ 949 ルーラ@ミクルのみ 20/04/17 06:05:26 ID:NJ92oexI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 950 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/17 22:45:44 ID:ix3Y52WA [1/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第68話を投稿させていただきます。
 ▼ 951 コロモリ@サトピカZ 20/04/17 22:47:29 ID:NJ92oexI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
待ってた!!
 ▼ 952 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/17 22:48:42 ID:ix3Y52WA [2/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 68 玉砕


…やっぱりな…。

グズマはルザミーネとヨウの戦いを見ながらため息をついた。グズマは最奥部の部屋に入るや否や、ハリテヤマがピクシーに倒されるところを見た。このバトルを最初から見ていたわけではないが、ルザミーネの余裕の表情に対し、ヨウは背後からでもわかるほどの焦燥感を感じているのがわかった。ヨウはまだ手持ちを残しているようだが、既に勝負はついていると言っても過言ではない状況に追い込まれているのだろう。

それにしても…

グズマはウルトラホールと、その前でゆらゆらと漂うドククラゲのようなポケモンに目を奪われる。
代表の狙いは成功したのだな。
グズマは手が震えるのを感じた。

そして、グズマはルザミーネの前に姿を見せた。

「…代表…。うまくいったんだな」

「あら、グズマ…。ええ、見ての通りよ。余興ももう少しで終わるわ」

ルザミーネはヨウを冷たい目で見ながら言った。

「さあ、そろそろ戯れも終わりにしましょう。行きなさい、ヘルガー」

「バゥッ!!」

ルザミーネの最後のポケモンはヘルガー。黒光りする毛並みがとても美しい。こんなシチュエーションでなければ目を奪われるだろう。しかし、今のヨウにそんな余裕はなかった。
ヘルガー…。ヒトモシとは相性は最悪……。ここまでか…。

ヨウはルザミーネにここから逆転勝ちすることは不可能だとわかっていた。ヨウはほしぐもちゃんを助けるために何かできないかと考えを巡らせる。

「…リーリエ…。あの機械を破壊すれば、ウルトラホールは消えるの?」

ヨウはルザミーネのさらに奥にある機械とウルトラホールを見据える。
 ▼ 953 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/17 22:50:13 ID:ix3Y52WA [3/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…それはわかりません…。でも…ほしぐもちゃんのためにできることがあるなら…きっと…」

きっとそれくらいしかない。リーリエはわかっていた。一縷の望みをかけた攻撃が今始まろうとしていた。

「来ないならこちらからいくわよ?ヘルガー、悪の波動!」

「バウア!!」

ヘルガーは悪の波動を放ち、ヒトモシを吹き飛ばした。

「ヒトモシ!頼む、一度でいいから、リーリエとほしぐもちゃんのために力を貸してくれ!!」

「モシ…!」

ヒトモシは身体を起こし、ヘルガーとルザミーネをにらみつける。ヨウはここで赤いZクリスタル、ホノオZをZリングにはめた。

「ヒトモシ、Zパワーだけじゃない!僕の生命力も吸え!」

「ヨウさん!?」

リーリエは驚く。ウラウラ島で自分がやったのと同じことを、ヨウはZパワーもプラスしてやろうとしている。そして、ヨウの生命力とZパワーを注がれたヒトモシの身体が変化し始める。進化の光に包まれ、ヒトモシはランプラーへと進化した。

「最後の賭けだ…!ダイナミックフルフレイム!!」

「プラ―ッ!!」

ヨウとランプラーの全てを賭けた一撃が部屋の中を焼き尽くす。ルザミーネは思わず伏せ、放たれた爆炎はウルトラホールを発生させた機械を飲み込んだ。
 ▼ 954 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/17 22:52:22 ID:ix3Y52WA [4/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「この…よくも…!!ヘルガー、とどめを刺しなさい!」

ルザミーネは立ち上がり、ヘルガーに攻撃を指示する。ヘルガーから再び悪の波動が放たれ、ランプラーは倒れた。ルザミーネはヨウの手持ちを全滅させ、ふんと鼻を鳴らした。だが、ここでウルトラホールの輝きが弱まり始める。現れたビーストも慌ててウルトラホールに飛び込み、自分の元いた世界へと帰ろうとする。

「はッ…!待って!!…グズマ!行くわよ!!私とあなたの夢のために!!」

「…お…おう!」

ルザミーネがウルトラホールに飛び込むと、グズマも走ってその後を追った。

「母さま!!」

リーリエが手を伸ばした手の先で、ウルトラホールは消滅した。



焼け焦げた部屋にヨウ、リーリエ、グラジオ、ビッケ、そしてザオボーが残された。

「ル…ルザミーネ代表……。わ…私はどうしたら…」

ザオボーはルザミーネが失踪し、うろたえ始める。そこに、ミヅキ、ハウ、少し遅れてプルメリがやってきた。ミヅキはザオボーがグラジオとビッケを拘束しているのを確認すると、すぐさまジュナイパーを差し向けた。

「…頭をぶち抜かれたくなかったら、その二人を解放しなさい…」

ジュナイパーは矢をザオボーに向け、弦を引き絞る。ザオボーは観念し、両手を上げた。

「副支部長を解放しろ!!」

さらに、ビッケ傘下の財団職員たちがなだれ込んでくる。彼らはザオボー傘下の戦闘チームがヨウたちに半壊させられたのと、ビッケがザオボーに拘束されたことを知り反旗を翻したのだった。こうして、グラジオ、ビッケは解放され、今度はザオボーが拘束されることとなる。マシンを破壊した影響なのか、各島に開いたウルトラホールも一旦は消滅したようだった。
 ▼ 955 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/17 22:53:41 ID:ix3Y52WA [5/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…ほしぐもちゃん!」

ここでリーリエはハッと我に返り、ヨウとランプラーが破壊した機械に駆け寄る。そして、ほしぐもちゃんの入ったケージを取り出し、こじ開けた。

「ほしぐもちゃん…!大丈夫ですか…」

リーリエの呼びかけにほしぐもちゃんの返事はない。ケージを開けたリーリエが見たのは、ガス状の身体が結晶のように変化し、まるで眠るような表情をしたほしぐもちゃんだった。

「これは一体…」

リーリエがほしぐもちゃんに何があったのかわからずに動揺していると、今度はヨウが床にばたりと倒れた。

「ヨウ!」

ハウとプルメリが駆け寄り、ヨウの身体を起こす。ヨウは気を失ったようで、呼吸はしているがぴくりとも動かなかった。

「…ランプラーのZ技に自分の生命力も吸わせて、無理をしたからな…。ハウ、プルメリ。ヨウを屋敷に運んでくれ。リーリエは案内だ。ビッケ、すまないが戦いで傷ついたポケモンたちの治療を頼む。…ヨウのポケモンは特にな…」

「わかりました。皆、いくわよ」

ビッケはグラジオの指示に従い、ポケモン保護チームを率いて部屋を出て行った。ミヅキはヨウの腰のベルトからボールを回収し、ビッケについていく。

「えーと…私は…」

ザオボーがグラジオに尋ねると、グラジオは吐き捨てるよう言った。

「おまえは自分の執務室でしばらく軟禁だ。勝手に出ようものなら容赦なく海に投げ捨てるぞ」

「兄さま…」

リーリエは姿を変えたほしぐもちゃんを抱え、不安そうにグラジオを見つめる。

「…今、コスモッグに対してできることは恐らく何もない…。おまえも一度休め。俺たちも体力を回復しないことには、次の行動が起こせないからな…」

「…わかりました…。ハウさん、プルメリさん、ついてきてください。屋敷に案内します」

ハウとプルメリはヨウを抱えてリーリエについていく。こうして、エーテルパラダイスでの戦いは終わった。
 ▼ 956 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/17 22:55:51 ID:ix3Y52WA [6/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「……!!」

真夜中、ヨウはベッドの上で目を覚ました。隣のベッドではハウが眠っており、そして、自分が寝ているベッドの枕元にはリーリエが椅子に腰かけた状態で寝ていた。

「…僕は…」

ヨウは何があったのかを思い出す。冷凍保存されたラプラスを見て怒りが爆発し、ルザミーネに戦いを挑んだがあっけなく敗北したこと。せめてもの最後っ屁としてランプラーとともに撃ち込んだ一撃により、ウルトラホールを開くマシンが壊れ、ルザミーネとグズマがウルトラホールの向こうへと失踪したこと。それから何があったのだろう…

ヨウは身を起こすと、リーリエが気配に気づいて目を覚ました。

「…ヨウさん…。よかった。思ったより早く目が覚めたんですね…」

「リーリエ…。もしかして、僕のこと看病してくれてたの?」

ヨウは枕元のテーブルに置かれた洗面器と濡れたタオルを見ながら言った。

「…ごめん…。リーリエだって大変だったはずなのに…」

「…謝らないでください…。私たちのために戦ってくれた皆さんの方が、ずっと疲れてるはずです。だから、これくらいはさせてください」

リーリエがそう言ったところで、ふと、ヨウは自分のモンスターボールがないことに気づく。
 ▼ 957 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/17 22:57:22 ID:ix3Y52WA [7/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「大丈夫。ビッケの部下の人たちが、手当てをしてくれています」

ヨウはそれを聞いて一安心し、ベッドから出る。

「喉乾いちゃった。水をもらえるかな?」

ヨウはリーリエから水の入ったグラスを受け取り、一気に飲み干す。そして、部屋の中を改めて見回した。

「…ここはどこなの?」

「…エーテルパラダイスの中にある…、私たちの家です」

「そっか…。少し、散歩してもいい?」

「…もちろん。…ヨウさん、私もついて行っていいですか…」

リーリエは不安そうに手を固く握っていた。ヨウはリーリエと一緒に夜の屋敷の中庭に出る。空には大きな満月と輝く星が宝石箱をひっくり返したように散りばめられていた。

「綺麗だね…」

ヨウはそう言ったが、心ここにあらずといった感じだった。

「…ほしぐもちゃんは、どうなったの?財団の人たちが手当てしてるの?」

ヨウが尋ねると、リーリエは首を横に振った。
 ▼ 958 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/17 22:58:35 ID:ix3Y52WA [8/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「いいえ…。ほしぐもちゃんを機械から助け出したはよかったのですが、ほしぐもちゃんは姿が変わっていたのです…。一応死んではいないようなのですが、眠ったような状態でぴくりとも動きません」

「…」

ヨウが無言でリーリエの顔を見つめていると、彼女の目に涙が浮かんだ。

「…ほしぐもちゃん…。ごめんなさい…。私があなたを守る力もないくせにエーテルパラダイスに戻ってきたから…。私のせいです…。ほしぐもちゃんがあのまま死んでしまったら…私のせいです…」

リーリエが泣き出し、ヨウ何もできずにいると、そこにグラジオがやってきた。

「…もう起きて大丈夫なのか?」

「グラジオ…。君こそこんな遅い時間まで何を…」

「…今日戦ったポケモンたちの手当てをしていた。おまえの手持ちもな。特におまえの手持ちは母上のポケモンにやられている。ダメージがどうかとは思ったが、思ったよりも軽傷で済んでいる」

「…そっか…。ありがとう、グラジオ」

「母上におまえをけしかけたのは俺だからな…。これくらいのことはするさ」

そう言った後、グラジオはリーリエにハンカチを差し出す。リーリエは無言でそれを受け取ると、涙をぬぐった。
 ▼ 959 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/17 23:00:01 ID:ix3Y52WA [9/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…とりあえずの危機は去った…と思いたいが、母上のことだ。もしかすると、向こうからでもアローラにウルトラビーストを連れてくる算段があるのかもしれない。可能なら母上を連れて帰り、監視下に置くべきだろうな…」

グラジオは今後のことを考えながら腕組みをした。ヨウはグラジオは言葉こそ感情的にならず、現実にどうすべきかを言っているが、本音は違うところにあるのだろうなと感じていた。

「…お母さんが心配なんだね…」

グラジオはヨウにそう言われ、グラジオは眉をぴくりと動かしたが、小さなため息をついて言った。

「…そうだな…。なんだかんだ言っても、やはり母親だからな。そう簡単には割り切れないさ。…元はあんな人じゃなかったんだ…。過保護気味なところはあったが…本当は…」

グラジオが言葉に詰まる。本当は彼も泣きたいほど辛いのだろう。グラジオは満天の星空を見上げ、表情を隠した。

「…俺はもう休む。おまえたちもほどほどにして体を休ませておけ」

グラジオが立ち去ると、その後ヨウとリーリエも少し中庭を散歩して、それぞれの寝室に戻った。
 ▼ 960 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/17 23:01:52 ID:ix3Y52WA [10/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リーリエは自分の寝室に寝転び、これからどうするべきか考えていた。確かにグラジオの言う通り、可能なら失踪したルザミーネを連れ戻すべきだ。ルザミーネが野放しとなっていれば、そのうちアローラを危機に陥れることも十分考えられる。それだけは避けたい。
それに、グラジオの言う通り、ルザミーネは自分の母親であり、他人ではないのだ。
ウルトラビーストにとりつかれた彼女を救いたい。その思いは少なからずあった。

「……皆は、協力してくれるでしょうか……」

リーリエはごろりと寝返りを打ってつぶやく。目を閉じると、なぜかヨウの顔が浮かんだ。そして、リーリエはアーカラ島でスイレンに言われたことを思い出す。

彼の勇気に報いるには、自分も勇気を見せること

「私には…戦う力はありません…。でも、それでも、せめて勇気だけは見せないといけないですよね…」

そして翌日の早朝、リーリエは姿見鏡を見ながら自分の服装、格好をチェックしていた。マリエシティで買った服を身にまとい、髪形もポニーテールに結んでいる。

「…今日が、私の新たな一歩です…」

リーリエは一通りのチェックを終え、ピンクのリュックに姿を変えたほしぐもちゃんを入れる。

「…さあ、行きましょう」

リーリエは部屋のドアを開け、一歩踏み出した。
 ▼ 961 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/17 23:05:43 ID:ix3Y52WA [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第68話はここまでです。
このSSではルザミーネの手持ちの6体目をヘルガーにしました。
アニメに倣ってアブソルかエンニュートもいいかなとも思いましたが、ヘルガーも好きなポケモンなので。
次回はポニ島への旅立ちのお話、エーテルパラダイス突入編の最後のお話になります。
ですが、ここはゲーム本編に準じながらも一捻り加えたいと思っています。
それではまた。
 ▼ 962 ズゴロウ@おとなしいミント 20/04/17 23:30:10 ID:pq8UIf1c NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゲーム本編の話に加えて色々な視点が見られるところが好きです。
サンムーン編終わったら剣盾編も見てみたいなぁ。
応援してます!
 ▼ 963 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/18 15:48:37 ID:pGRkLpyc [1/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第69話ができましたので投稿します。
エーテルパラダイス突入編の最終話となります。
 ▼ 964 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/18 15:50:00 ID:pGRkLpyc [2/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 69 失意



「あっ!ミヅキ!それおれが狙ってたやつー!」

「早い者勝ちだよー!」

ルザミーネの屋敷のにて、ヨウ、ハウ、ミヅキ、グラジオ、プルメリ、ビッケの6人は朝食をとっていた。ハウとミヅキが賑やかに自分の好きなものの取り合いをしており、ヨウ、グラジオ、プルメリ、ビッケはその様子を見ながら溜め息をついていた。ヨウたちの手持ちのポケモンは朝食前にビッケからそれぞれに返されていた。

「…賑やかだな…」

「…なんかごめん…」

「はいはい、あんたたち、そんなに取り合いをしないの。まだたくさんあるじゃないか」

プルメリに注意され、ミヅキとハウはおとなしくなる。グラジオはその様子を見てふっと穏やかに笑った。

「…だが…、たまにはこういうのも悪くない…。あくまで、たまに…だがな」

「リーリエ…まだ起きてこないね…」

ヨウがそう言うと、グラジオは水の入ったグラスをテーブルに置いた。

「確かに…。朝に弱いタイプでもないが…。まあ、昨日はいろいろあって疲れたんだろう」

そこに、朝食をとっている部屋のドアが開く音がする。

「おはようございます。すみません、遅くなりました…」

ヨウはリーリエの姿を見て目を丸くする。マリエシティで買った服に身を包み、髪型をポニーテールにした彼女がそこにいた。
 ▼ 965 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/18 15:50:49 ID:pGRkLpyc [3/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「リーリエー!?その服、どうしたのー!?」

ハウが尋ねると、リーリエは静かに答えた。

「私の…ゼンリョクの姿です。…私はこれから、ウルトラホールの向こうに消えた母を連れ戻しに行きたいと思っています」

リーリエがそう言ったのを聞いて、朝食の席にいた一同は目を丸くする。

「…そっか…。お母さんだもんね…」

ミヅキがそう言いながら木の実ジュースをすする。リーリエはこくりと頷き、朝食の席についた。ここでグラジオが考え込む。

「…しかし、ウルトラホールの向こうに行くとなると、方法がな…。父上のマシンは壊れてしまったし、コスモッグも眠ったままの状態だ。ウルトラホールを開く方法が、今は皆目見当がつかん」

「ザオボーさんなら、何か知っているかもしれませんよ。一度当たってみてはいかがですか?」

ビッケにそう言われ、グラジオは仕方ないと肩をすくめる。朝食を終えた一同はザオボーから情報を集めることにした。



「ふーむ…。あのマシン無しでウルトラホールを開く方法ですか…」

「ザオボーさん、お願いです。ヒントになるようなことでもいいので、教えていただけませんか?」

ザオボーはリーリエに言われ、考え込む。しかし、あのマシンとコスモッグ無しでウルトラホールを開く方法となると、モーンの後を継いで研究を進めていたザオボーにも確かなことは言えなかった。
 ▼ 966 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/18 15:52:18 ID:pGRkLpyc [4/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…確実な方法は、残念ながらありません。手掛かり程度のことでよければ、やはりポニ島になりますかね…」

「ポニ島…」

リーリエはここで、ハプウから聞いた日輪の祭壇の話を思い出す。

「…ポニ島には、日輪の祭壇という場所があります。そこはアローラの伝説のポケモン、ソルガレオにまつわる場所。ここからは私の推測ですが、ソルガレオも恐らくウルトラビーストの一種ではないかと思うのです。ソルガレオはウルトラホールを開いてアローラに現れ、ルナアーラと会い、星の子を残す。それは、星の子はソルガレオとルナアーラの子どもで、彼らは星の子を残すためにウルトラホールのエネルギーが必要なのではないか…。…まあ、あくまで仮説ですがね。私が話せることがあるとすれば、これくらいです」

一同はザオボーの執務室を後にし、屋敷の中庭でこれからどうするかを話し合う。リーリエはザオボーの仮説を聞き、ポニ島に行く決意を固めつつあった。

「…私…ポニ島に行きます。確実な方法ではないとしても、少しでも望みがあるなら…」

リーリエはグッと拳を握って言う。

「…そうだね…。お母さんを連れ戻したいよね…。それに…グズマさんも…」

ハウはグズマのことを心配しているようだ。それを聞き、プルメリもため息をつく。

「…グズマの奴…なんでウルトラビーストを呼び寄せるなんて計画に加担したんだろうね…。あいつの目的って、結局何だったのかはわからないままだろ?」

「…グズマさん、おれと別れるとき、おまえにアローラが変わるところを見せてやる、って言ってた。それと、おまえは俺を憎むかもって…」

「…それだけの情報じゃあ、なんとも言えないね」

ここでグラジオがリーリエに尋ねる。

「しかしリーリエ。ポニ島でウルトラホールを開く方法を探るとしても、戦える者が一緒にいなくていいのか?それに、首尾よくウルトラホールの向こうに行くことができたとして、母上が待ち構えているとなると…」

グラジオの言わんとすることはわかっていた。ウルトラホールの向こうに行けたとして、ルザミーネと戦いになったときにどうするのか。戦う力のないリーリエにとっては、それが一番の問題だった。
 ▼ 967 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/18 15:54:04 ID:pGRkLpyc [5/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「それに、もしおまえがウルトラホールに入って帰ってこれなくなったら、捜索をする人間が必要になる。その点についても考えておかなくてはな…」

ここで、ヨウはなんとなく嫌な予感がしていた。

「…ヨウさん…。すみませんが、ポニ島に同行していただけませんか?」

リーリエは意を決してヨウに頼んだ。

「…俺からも頼む。俺はエーテルパラダイスの後始末をしなければならない。それに…」

「…もしウルトラホールの向こうでルザミーネさんとの戦いになったときに、勝ち目のある者が必要だから…でしょ?」

ヨウは静かに言った。昨日は冷静さを欠いていたのは事実だが、仮に冷静であったとしても、ルザミーネはそう簡単に勝てる相手ではない。それどころか、自分が冷静であってもルザミーネに勝てる可能性は低い。実際に戦ったヨウにはそれがわかっていた。

「…ヨウ…」

ミヅキが心配そうにヨウとリーリエの顔を交互に見つめる。ヨウはふとため息をついて口を開いた。

「…もしウルトラホールの向こうでルザミーネさんと戦って負けたら、そのときはどうなるの?」

ヨウの質問に答えられる者はいなかった。

「…答えられないよね?どうなるかわからないし…。最悪、ルザミーネさんに勝てても帰ってこれない可能性だって…」

ヨウはリーリエがどんな顔をして自分を見ているのかわかっていた。そのことに胸を引き裂かれそうな思いを感じていたが、それでも続けた。
 ▼ 968 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/18 15:55:01 ID:pGRkLpyc [6/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…僕は行かない。僕のポケモンたちも、そんな危険な目には遭わせられない」

「……!!」

リーリエはヨウの助力を断られ、大きなショックを受けていた。

「ちょっとヨウ!」

ミヅキがヨウに食ってかかるが、それをグラジオが制止した。

「…いいや。ヨウの言う通りだ。そもそも、これは俺たち家族の問題だった。ここまで付き合ってくれただけ、俺たちは皆に感謝すべきだ。あとは俺たちでどうにか手を考える。…島巡り、がんばれよ」

グラジオがそう言ったところで、ヨウの腰のボールのうちの3つが開いた。

「なんだ?」

ランプラー、ハリテヤマ、アブリボンが飛び出し、リーリエの方に向かっていく。そして、くるりとヨウの方へと振り向いた。驚いて目を丸くしているヨウの隣に、続いてアシレーヌが飛び出す。

「しゃるっ!しゃるな?」

「…ドスコイ…ドスコイ…」

アシレーヌとハリテヤマが何か話している。ロトムがヨウのリュックから飛び出し、通訳を始めようとした。

「…ハリテヤマ…。本気で言ってるロト!?」

ロトムの声に、ヨウはハリテヤマが何と言ったのかなんとなく察していた。
 ▼ 969 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/18 15:56:33 ID:pGRkLpyc [7/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…ロトム、通訳しなくてもいいよ。要は、ハリテヤマたちはリーリエに協力するって言ってるんだろう?」

しばしの沈黙の後、ロトムは答えた。

「…そうロト…」

「しゃるっ!しゃるな!」

アシレーヌはハリテヤマたちを引き止めようとしているらしい。しかし、3匹の意志は固いようだった。

「……皆がリーリエと行きたいなら、止めはしない。アシレーヌも行きたいなら、僕に遠慮しなくていい」

「…しゃるっ…」

ヨウにそう言われ、アシレーヌも迷っているようだった。ボールの中ではトゲデマルとフライゴンが心配そうにアシレーヌたちを見守っていた。

「ドスコイ…ドスコイ…」

「自分は弟子の敵討ちのために」

「プラ!」

「自分はリーリエの力になるために」

「ブリッ!ブリ…ブリ!!」

「あの腐れアマにやられっぱなしで終われるか!あのクソどもをぶちのめしてやる!」

ハリテヤマ、ランプラー、アブリボンのそれぞれの思いを聞き、ヨウはリーリエに歩み寄る。そして、3つのモンスターボールを預けた。

「…ヨウさん…」

「残念だけど、ハリテヤマたちが選んだことなら仕方ない。…リーリエ、これを渡しておくよ」

リーリエは戸惑いながらもモンスターボールを受け取った。

「…ヨウ!本気なの!?リーリエは…!」

ミヅキがヨウの決断を覆す最後のチャンスと思い、ヨウの行動を引き止めようとする。しかし、それを制止したのは他ならぬリーリエだった。

「ミヅキさん、いいんです。…ヨウさん、申し訳ありませんが、ハリテヤマさん、ランプラーさん、アブリボンさんを借り受けます。…必ず、母さまと、ヨウさんのポケモンさんたちを連れて帰ってきますから…!」

リーリエのその表情には、決意とともに悲壮感が現れていた。
 ▼ 970 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/18 15:58:13 ID:pGRkLpyc [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第69話はここまでです。
次回からポニ島編の開始となります。
それではまた。
 ▼ 971 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/18 16:14:40 ID:pGRkLpyc [9/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
>>962
応援いただきありがとうございます。
剣盾編ですか…。実は私、スイッチを持ってなくて剣盾はプレイしていないんです。
リクエスト等いただけるのは嬉しいのですが、そのご要望には応えられそうにないかなあというのが正直なところです。申し訳ありません。

ちなみに、ネタばらしになるのですが、このSSを書き始めたのはポケモンSMの島巡りの、本当の終わりまでを書いてみたいという思いからでした。それはつまり、ヨウVSリーリエのバトルまで描き切りたいということです。
この先の大まかな流れは以下のような感じで考えています。

第2章…UB捕獲作戦
第3章…ヨウのチャンピオン陥落
第4章…リーリエのトレーナー修行
第5章…ヨウのチャンピオン復帰
第6章…ヨウVSリーリエ

「これもうSSじゃねえだろ」と思われるでしょうが、ハリポタ的な感じで見守っていただければ幸いです。
 ▼ 972 ビビール@4ごうしつのカギ 20/04/18 17:00:51 ID:CHRYtdnc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ストーリー変えてくるのは予想外だったけど面白そう

支援!
 ▼ 973 ーケン@ナゾのみ 20/04/18 22:09:44 ID:9ZGgkz3E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>971
>>962です。
そうでしたか。我儘言って申し訳ないです。
アローラは個人的にとても好きな地方なのでこれからの展開もとても楽しみです!
これからも応援しています!
超絶支援!
 ▼ 974 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/19 15:03:14 ID:J3JYR4Kw NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様にお知らせします。
このスレが1000レス近くになっていることと、次回からポニ島編となってキリもよいかと思い、「ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く Part 2」というスレッドを立てました。ポニ島編からそちらのスレッドに投稿させていただきますので、よろしくお願いします。

続き:ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く Part 2
https://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=1196044
  ▲  |  全表示974   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!
スレの消えている画像復旧リクエスト
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼