【SS】ネギガナイトの伝説:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】ネギガナイトの伝説:ポケモンBBS

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【SS】ネギガナイトの伝説

 ▼ 1 IKZ◆Ziu0gACI6s 19/09/18 23:46:24 ID:OzeE9PEs [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ミミロップ「やっ……やめてくださいまし。離してくださいまし……」

ザングース「カマトトぶってんじゃねぇよ女盗賊風情が……お頭の宝物庫から財宝を盗んだのはお前だな?」

ここは某国の遊郭から、大きな堀を隔てて存在する草原……通称・“決闘平原”。夕焼けに染まるその地を歩く、一組のポケモンがいた。

ミミロップ「お、大きな声を出しますわよ? そうすればきっと誰かが……」

ザングース「誰も来ねぇよ、こんな場所。それに変なマネをしようものなら……」

じゃきん!
ザングースの手から、黒く光る爪が伸びる。

ザングース「お前の喉を掻き斬る」

ミミロップ「……!」

ミミロップの瞳から、夕日にきらめく涙が一筋こぼれた、その時……


??????「レディを泣かせるとは、何事か!」

草原に威風堂々とした声が響いた。
 ▼ 2 IKZ◆Ziu0gACI6s 19/09/18 23:47:23 ID:OzeE9PEs [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ザングース「? れでぃ?」

赤く燃える夕陽の中央に、黒い影がゆらめいている。
背の低い、鳥のような輪郭。しかしその横から、天を突くほどに長く細い何かが聳えている。

ネギガナイト「私は誇り高き戦士ネギガナイト! 今からお前をカモにする!」

ザングース(なんだこいつ……色々とダセェ!)


瞬間、ネギガナイトの影が消失した。それは一陣の風となり、草原を二つに割って真っ直ぐに吹き進んでくる。

ザングースは深く息を吐いて腰を落とし、爪を一層長く伸ばした。


ネギィィィィィィィン!!!

両者が激突する。

ネギガナイト「ほう、強いな……」

ザングース「……お前もな」
 ▼ 3 IKZ◆Ziu0gACI6s 19/09/18 23:51:58 ID:OzeE9PEs [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
腕の骨が折れそうなほどに軋むのを感じながら、ザングースは相手の武器をようやく視認した。

ザングース(槍? いや…………)

大きくしなる、緑色をした少し臭い物体。

ザングース(ネギだ……!)

カチ……カチチ……

両者の武器が競り合い、硬く細い音を立てる。ザングースの足が少し、また少しと後退する。

ザングース(一撃が重い……早く離れないとこちらが潰されちまう……それに)

敵の顔を見る。黒く太い眉、凛々しく光る瞳、そして微笑みをたたえる口元……

ザングース(顔が、濃い! 長時間見てると胸焼けで吐きそうだ!)
 ▼ 4 IKZ◆Ziu0gACI6s 19/09/18 23:55:29 ID:OzeE9PEs [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ネギガナイトを無理矢理に振り払うザングース。荒い息を整え、彼に言い放つ。

ザングース「言っておくが……悪事を働いたのはこの女だ。“色兎花魁”ミミロップ……界隈じゃ有名な悪女だぞ」

ネギガナイト「私の知った事ではない……『レディに乱暴する男は許さない』! それが私の信条」

ザングース「そうかよ。だったらネギ野郎……お前に決闘を申し込む。俺はアクジ組用心棒・“黒爪”ザングースだ」

そして、そろーりそろりと逃げようとしているミミロップに声をかける。

ザングース「おい女!」

ミミロップ「はひっ!?」


ザングース「合図はお前がやれ」
 ▼ 5 IKZ◆Ziu0gACI6s 19/09/18 23:57:47 ID:OzeE9PEs [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ミミロップ(ばかばかしいことになっちゃったわ……ま、鳥さんに勝ってほしいところね。一応あたしの味方みたいだし)

夕陽を挟むようにして、男と男が対峙している。逆光によってミミロップからはその表情は見えない。しかし想像は容易だ。

文字通りの、真剣勝負。

ミミロップ(あたしのために争われるっても……思ってたより気分がいいものじゃないのね)

大きな風が、ひとつ吹いた。
ミミロップは右手を高く挙げる。

空間が張り詰めていく。
 
ミミロップ「はじめっ!」


一瞬にも満たぬ決着だった。
両者の位置が入れ替わったかのように、ミミロップには見てとれた。

しばらくの間時は停止し――そして。

「ぐぎゃぁぁぁあぁぁあああ!」

ネギガナイトの影から大きな飛沫が上がる。
 ▼ 6 IKZ◆Ziu0gACI6s 19/09/19 00:00:54 ID:DZjw5jb6 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ザングース「あああぁぁあぁあ! め、目が痛いィ〜〜〜!!」

ネギガナイト「無理もない――ネギ汁だ」

交錯の瞬間、ネギガナイトは相手の爪を反らしてネギ槍を撫でさせ……そこから飛び出す汁によって、ザングースの目を潰したのだ。

極限の技量でのみ実現できる芸当。

ザングース「……殺せ」

ネギガナイト「……!」

立ち去ろうとしたネギガナイトの足が止まる。

ザングース「ネギ汁の目潰しで負けるとか……嫌すぎる……殺してくれ……」
 ▼ 7 IKZ◆Ziu0gACI6s 19/09/19 00:10:32 ID:DZjw5jb6 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ネギガナイトは黙ったまま、くるりと踵を返した。そのままザングースに向かって歩いていく。

ミミロップ「ちょ、ちょっと……!」

制止する声にも耳を貸さず、その足は徐々に早くなっていき……

ネギガナイト「セイヤッ!」

大きく跳躍し、勢いよくネギを突き立てた!

ザングース「うぅ……」

自身の頭の横に深く突き刺さったネギを見ながら、ザングースは呻く。

ネギガナイト「今殺すには惜しい男と判断した……。修行し直せザングース。再戦ならいつでも受け付けよう」

彼の笑みを、果たしてザングースは見ていただろうか。ネギガナイトはネギを引き抜くと、再び歩きだした。


その後ろ姿を、ミミロップが小走りで追いかける。
 ▼ 8 IKZ◆Ziu0gACI6s 19/09/19 00:19:10 ID:DZjw5jb6 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ミミロップ「ねぇネイト、助けてくれてありがと。……ところでさ、アタシと組まない?」

彼は振り向かないままで応える。

ネギガナイト「例には及ばない。君とは組まない。そしてネイトとは何だ」

ミミロップ「ネギガナイト、って長すぎて言いにくいわ。略してネイト。かっこいいでしょ?」

ネイト「……そうだな」

ミミロップ「ふふふ。ねぇネイト、あんたどこに行くつもり?」

ネイト「……ある戦士を、探している」

ミミロップ「?」

ネイト「ザシアンという名の戦士だ。とても強く……私は彼との決闘の最中に海に落とされ、流されて……気がつけば見知らぬ浜に打ち上げられていた」

ミミロップ「……ふぅん」

ミミロップは企みを含んだ笑みを浮かべた。

ミミロップ「だったらあたし、協力できるかもよ」
 ▼ 9 IKZ◆Ziu0gACI6s 19/09/19 00:38:26 ID:DZjw5jb6 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ミミロップ「あたし忍なの。色んな情報が入ってくる。あんたが探しているそいつのことも、何か分かるかもね」

ネイト「成程な。では少しの間、同行を願おうか」

ミミロップ「うん、よろしく!」

彼女の言葉が真かどうか、ネイトは探ることすらしなかった。どちらでもいいと思っているのか……あるいは彼も、旅の仲間が欲しかったのかもしれない。

ともあれ彼らは星が浮かびはじめた空の下、並んで歩き始める。
ネギガナイトの伝説は、そうして始まる。


【つづくカモ】
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