【SS】損気の子:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】損気の子:ポケモンBBS

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【SS】損気の子

 ▼ 1 リゴン2@アロライZ 19/09/20 20:35:22 ID:fyBUBKS2 NGネーム登録 NGID登録 報告
不愉快だ。

なぜ俺が押される?なぜ俺が追い詰められる?

あんな雑魚に。あんな子供に。あんな下手糞に。

グソクムシャにほとんどダメージを与えられなかったはずの雑魚ピカチュウが…こちらの守りを掻い潜って渾身の一撃を喰らわせやがった。もうグソクムシャにはほとんど体力が残っていないだろう。

本来ならグソクムシャ一匹で勝ててしまうほどの実力差だった。なのにあいつの目…ククイにそっくりなあの目。あれが視界に入るたびに虫唾が走って調子が崩されていく。

グソクムシャが悪いんだ。あいつが勝手な真似をしてハッサムがやられてから…計算が狂った。



サトシ「いくぞピカチュウ…Zワザ!」

ピカチュウ「ピカッ!!」



Zワザか。一気に勝負を決めるつもりだな。

だいもんじ程度に臆して逃げ出したグソクムシャだ。どうせこの攻撃からも逃げ出すだろう。



グソクムシャ「………!」

サトシ「これが俺たちのゼンリョクだ!!スパーキングギガボルト!!」

ピカチュウ「ピカピカピカーーーーッ!!!」ボッ



ギュオオオオオオオオオオッ!!!!



サトシとピカチュウ渾身の一撃がグソクムシャに迫る。背後のグズマすら後退しそうになる凄まじい風圧だ。



グズマ「チッ…!」



…終わりだ。この一撃でグソクムシャは倒れる。



グズマはほとんど諦めた表情でグソクムシャを眺めた。



Zワザがすぐそこまで迫っている。俺の無敗神話が間もなく終わる。

こうなったらいっそ部下を使って直接リーグを…
 ▼ 51 ガリザードンX@くっつきバリ 19/09/21 18:33:06 ID:wqdM1r7. [1/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
バチィッ!!!



カプ・テテフ「!?」



何者かの攻撃を受け、ムーンフォースは中途で相殺されて四散した。



カプ・テテフ『…何者だ』

シルヴァディ「シヴァッ!!」ザンッ

グラジオ「カプ・テテフ。守り神であるお前が不意打ちとは…ずいぶん野蛮じゃないか」

カプ・テテフ『どうして邪魔するの?』

グラジオ「ここでグソクムシャがいなくなっては困るからだ」

カプ・テテフ『困る?』

グラジオ「俺はいずれ必ずグズマにリベンジする。しかしその時相棒のグソクムシャがいないのでは…たとえ勝っても意味がないだろう」

グラジオ「グソクムシャを携えた最高の状態のあいつに勝つ。だからあいつの邪魔はさせない」

カプ・テテフ『意味わかんない。そんなことのために…あの馬鹿を助けようっていうの?』

グラジオ「そんなことだと?お前にとっては取るに足らないことでも…俺にとっては大切なことなんだ。これは俺の矜持の問題」

グラジオ「お前の勝手な主観を普遍的事実として俺に押し付けるな」

カプ・テテフ『あなたもあいつに負けず劣らずの馬鹿だね。わかった。まずはあなたたちからブッ潰してあげる…!』



グラジオとシルヴァディがカプ・テテフとの戦闘を開始。

グズマはグラジオやカプ・テテフに気付くことなく走り抜けた。
 ▼ 52 ゲハント@1ごうしつのカギ 19/09/21 18:36:10 ID:wqdM1r7. [2/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
グズマ「到着だ!ここが遺跡の入り口!」

グズマ「あとは祭壇に辿り着けば…」



バチバチバチバチバチッ!!!!!



グズマ「!? ぐああああああっ!!」ズギャッ



突如天空から電撃が降り注ぎ、グズマを吹き飛ばした。

咄嗟に反応し防御したため気絶は免れたが、目の前まで迫っていた遺跡入り口から離されてしまった。



グズマ「くそ…いってえ…」

グズマ「この電撃…まさか…」

カプ・コケコ「コケーーーーッ!!」ヒュオッ



カプ・コケコが天空から降り立った。

そのまま遺跡入り口前に着地し、グズマを睨みつける。



カプ・コケコ『ここは通さぬ。今のはただの脅しだが…これ以上歯向かうならばこちらも容赦はせんぞ』

グズマ「どいつもこいつも…!邪魔ばっかりしやがって!」



カプ・コケコのスピードを考えると振り切るのは困難。たとえ遺跡に入れても…一本道だからすぐ連れ戻されて終いだ。

つまり…戦闘は避けられないということ。



グズマ「お前らを説得するのが不可能なのはよくわかった。力尽くで通らせてもらうぜ!」

グズマ「出てこいハッサム!」シュッ

ハッサム「サムッ!」ボン
 ▼ 53 ョボマキ@きいろのバンダナ 19/09/21 18:39:05 ID:wqdM1r7. [3/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
グズマ「ハッサム!バレットパンチだ!」

ハッサム「サムッ!!」シュバババッ



ハッサムは一瞬で距離を詰め、連続で拳撃を繰り出した。



カプ・コケコ『……遅い』フッ

ハッサム「!?」

グズマ「消えっ…」



ズダダダダダダダダダダ……!!!!



ハッサム「………ッ!!」バリバリバリ

グズマ「電撃!?いつの間に…!」

グズマ「目で追えなかった…!」



カプ・コケコはハッサムの攻撃を難なくかわし、即座に返しの電撃を繰り出した。

戦の神というだけあって、老獪さを感じさせる恐ろしく練り上げられた戦闘技術だ。



カプ・コケコ『口ほどにもない。少しは楽しめるかとも期待したのだが…何ともつまらぬ』

カプ・コケコ『甚振る趣味は持ち合わせていない。すぐに戦闘不能にしてやろう』
 ▼ 54 エルオー@きよめのおふだ 19/09/21 18:42:15 ID:wqdM1r7. [4/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
グズマ「早まるなよ。そう簡単には俺とハッサムはくたばらないぜ」

ハッサム「サムッ!」

グズマ「こうそくいどう!!」

ハッサム「サーーッ!!」ギユオアアアア

カプ・コケコ『素早さを上げ…俺の速度に対応するつもりか』

カプ・コケコ『だが反射速度は変わらぬ。俺の攻撃を見切ることが出来ないのならば…結局状況は好転しない』

カプ・コケコ『10まんボルト!!』カッ



バリバリバリバリバリバリバリ!!!!



再び、カプ・コケコの超速の電撃が迫り来る。



グズマ「後退しながらシザークロス!!」

ハッサム「サムッ!!」シャッ



ズバッ!!!



カプ・コケコ『ほう。後ろへ退避しながら技を放ち…威力を殺して本体を守ったのか』

カプ・コケコ『いつまで保つか見物だな。10まんボルト!!』カッ



バリリリリリリリリリリリリ!!!!
 ▼ 55 エトル@こないれ 19/09/21 18:45:15 ID:wqdM1r7. [5/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
グズマ「かわせっ!!」

ハッサム「サムッ!!」バッ



スカッ…



カプ・コケコ「!! 何…」



こうそくいどうで上昇した素早さを活かし、ハッサムは電撃を華麗に回避した。

すぐさま攻撃準備に入る。



グズマ「バレットパンチ!!」

ハッサム「ハッサァ!!」ヒュオッ



ガガガガガ!!バキッ!!!



カプ・コケコ『むうっ…』ビリビリ



カプ・コケコの攻撃をかわし、ついにハッサムの一撃が炸裂した。

防御されてあまりダメージは入っていないが、待望の一発にグズマとハッサムは勢いづく。



グズマ「いいぞ!その調子だ…!」
 ▼ 56 ノアラシ@シルバースプレー 19/09/21 18:48:38 ID:wqdM1r7. [6/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
カプ・コケコ『面白い。ここまでの僅かな攻防のみで…トレーナーとポケモンの両方が、俺の速度に対応し始めているのか』

カプ・コケコ『確かに…弱者と断ずるには早急であった。非礼を詫びよう』

カプ・コケコ『久方振りの強者との一戦…せいぜい楽しませてもらう』

グズマ「グダグダうるせえんだよ鶏野郎!!とっととそこをどきやがれ!!」

グズマ「シザークロスだ!!」

ハッサム「ハッサム!!」シャッ

カプ・コケコ『マジカルシャイン!!』



ズギャギャッッ!!!!



カプ・コケコ『10まんボルト!!』

グズマ「バレットパンチで迎え撃て!!」

ハッサム「サムッ!!」ギャオオッ



バチバチバチッ!!!ギャリィィッ!!!!



カプ・コケコと同等の速度を手に入れたハッサムは、全神経を集中させカプ・コケコの猛攻に喰らい付く。

めくるめく技の世界。カプ・コケコが矢継ぎ早に繰り出す電撃と、それを相殺するハッサムの攻撃が混じり合い、彼岸の遺跡入り口付近は嵐のように荒れ狂っていた。
 ▼ 57 イバニラ@ちりょくのハネ 19/09/21 18:51:08 ID:wqdM1r7. [7/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
カプ・コケコ『流麗な技の数々…素晴らしい。まさかまだ俺の攻撃についてくるとは!』

カプ・コケコ『強き者よ…!まだまだ足りぬ!もっとだ!!もっと楽しませろ!!』

ハッサム「………!」

グズマ「くそがっ…!」



何なんだこいつは!?此方は喰らい付くのがやっとだっていうのに…戦いを楽しんでいやがる。

渾身の一撃を繰り出しても、それに呼応するように…同じくらいに強力な一撃を繰り出して相殺される。埒が明かない。

ふざけた野郎だ。完全に遊んでいる。奴が放つ賞賛の言葉が嫌味にしか聞こえない。愛玩に満ちた賞賛…もはや侮辱。

しかしおかしい。曲がりなりにも守り神と戦えてしまっている。もっと圧倒的な差があるものと覚悟していたのに。



グズマ「………!そうか!」



こいつらと俺の目標はレベルが違う。俺は祭壇に辿り着く必要があるが…こいつらはただ俺を足止めすればいい。

だから敢えて戦いを長引かせているんだ。このまま渡り合うだけの戦いを続けていたら…永遠にグソクムシャの元へは辿り着けない。

くそっ…考えろ!何とかして状況をひっくり返す方法を…!
 ▼ 58 ベルタル@ドリのみ 19/09/21 18:54:22 ID:wqdM1r7. [8/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
カプ・コケコ『そろそろ飽きてきたな。出来れば他のポケモンとも手合わせ願いたいところだ』

カプ・コケコ『少し強くいくぞ。10まんボルト!!』カッ



バリバリバリバリバリバリバリ!!!!!



グズマ「ハッサム!シザークロス…」


ズギャッッ!!!!


グズマ「……え」

ハッサム「ハッサ…!?」ビリビリビリッ



ハッサムが動き出すより早く、電撃が届いた。先刻までよりも明らかに速度が増している。



グズマ「てめえ…!」

カプ・コケコ『悪しからず。あれで十分だと踏んでいたのだが…意外としぶとかった』



カプ・コケコは本気を出していなかった。だからこそハッサムの攻撃に威力を合わせ、長引かせるという芸当ができたのだ。

ハッサムの必死の抵抗が嘲笑われた。グズマはかつてない程の怒りを覚え、憎悪を滾らせる。



カプ・コケコ『まだまだいくぞ…10まんボルト!!』カッ

グズマ「バレットパンチ!!」

ハッサム「サムッ!!」シャッ



ズギャギャギャギャギャ!!!!



ハッサム「サムッ…!」メキメキメキメキ

ハッサム「………ッ」ガクッ

グズマ「ハッサムーーッ!!」



ハッサムは電撃を相殺することができず、まともにダメージを受けて膝をついた。速度だけではなく、威力も段違いに上がっているようだ。
 ▼ 59 プ・ブルル@ゴスのみ 19/09/21 18:57:10 ID:wqdM1r7. [9/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
ハッサム「………ッ!」ググググ

グズマ「ハッサム!まだやれるのか!?」

カプ・コケコ『あれだけ俺の攻撃を受けて立ち上がるとは…予想以上だ』

カプ・コケコ『とっくに倒れていてもおかしくないのだが。何がそいつを突き動かしているのだろうな?仲間意識…彼岸に消えた仲間を取り戻したいという思いか?』

グズマ「黙れ!お前にハッサムの何がわかる!」

カプ・コケコ『……そうだな。高揚してしまい少々無駄話が過ぎた』

カプ・コケコ『これで終わりだ…!10まんボルト!!』カッ



バリリリリリリリリリリリリ!!!!!



カプ・コケコは決着をつけるべく、とどめの電撃をハッサムに差し向けた。
 ▼ 60 ジリガメ@こんごうだま 19/09/21 19:00:07 ID:wqdM1r7. [10/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ「ピカチュウ!でんこうせっか!!」

ピカチュウ「ピカーーーーッ!!」シュバババッ



ギャリッ…!



ハッサム「サム…!?」



間一髪、乱入したピカチュウがでんこうせっかでハッサムを救出。

カプ・コケコの電撃は空を切った。



カプ・コケコ『新手…?お前は…サトシ!』

サトシ「久し振りだな!カプ・コケコ!」

ピカチュウ「ピカッ!!」

グズマ「お前…なんでここに…」

サトシ「もうカキから聞いただろ?俺たちもグソクムシャを助けたいんだ!」

サトシ「一緒に戦おう!カプ・コケコは強いけど…二人で戦えばきっと勝てる!」
 ▼ 61 チゴラス@きょうせいギプス 19/09/21 19:03:13 ID:wqdM1r7. [11/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
カプ・コケコ『サトシ…お前ほどのトレーナーが、なぜそんな奴に助力する?』

サトシ「言っただろ?俺はグソクムシャを助けたい!お前がその邪魔をするっていうのなら…戦って倒してでも助け出してみせる!」

カプ・コケコ『邪魔をしているのはお前たちの方だ。これはグソクムシャ自身が望んだこと…騙していたわけではないのだ』

カプ・コケコ『誰が悪いかというなら全面的にグソクムシャが悪い。お前は知らないだろうから教えてやるが、グソクムシャはあの巨大化の力と引き換えに自らの命を差し出したのだ』

カプ・コケコ『俺が言うのもなんだが…命というのは尊いもの。一時の気の昂ぶりに任せて手放してよいものではない』

カプ・コケコ『カプ・レヒレはそのことを十分言い聞かせた。それでも奴は命を捨てることを選んだ』

カプ・コケコ『ならばもうどうしようもないだろう。大人しく天に召されるのが道理というもの』

サトシ「それは間違ってる!確かにグソクムシャは過ちを犯した。でもそれはグズマを想ってのことじゃないか!」

サトシ「もうグズマもグソクムシャも過ちを十分自覚してる!だったらもう一度やり直させてあげるべきだ!」

カプ・コケコ『身勝手極まりないな。いいか?この世はお前たちを中心に回っているわけではない。何かを手に入れるために等価の代償を支払い、そうやって世界は成立している』

カプ・コケコ『お前たちだけを特別視するなど言語道断。グソクムシャを助けるだと?それは自然の理を破壊し、公平を脅かすことに他ならない。どう考えても間違いであろう』

サトシ「ふざけるな!!自分の大切な友達を救おうとする…それの何が間違ってるっていうんだ!!」

サトシ「絶対にグズマの邪魔はさせない…!二人を必ず再会させる!そのために俺たちはここに来たんだ!」

ピカチュウ「ピカ…!」

カプ・コケコ『平行線だな。お前とはわかりあえると思っていたのに…残念だ』

カプ・コケコ『勝った者が正義ということ。守り神の矜持を守るためにも…二人諸共全力で叩き潰すとしよう』
 ▼ 62 ルーラ@ハーバーメール 19/09/22 17:36:21 ID:YFWYvSik [1/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
カプ・コケコ『10まんボルト!!』カッ

サトシ「こっちも10まんボルトだ!!」

ピカチュウ「ピィカ…ヂイイイイイイイイッ!!!」バリリリリリ



バチッ!!!!!



両者ともに10まんボルトを放った。相殺。殆ど同じ威力のようだ。



グズマ「すげえ…!ハッサムが押し負けた電撃と互角だと…!?」

サトシ「『エレキフィールド』だよ。あれのおかげで、ピカチュウはいつもより高い威力で電気技を撃てるんだ」

グズマ「そうか。つまりカプ・コケコも…」

サトシ「アイアンテールッ!!」

ピカチュウ「チュウウーーーーッ!!」ギャオオオッ

カプ・コケコ『ちゃちな技だ…くだらぬ』

カプ・コケコ『ワイルドボルト!!』バチチチッ



バゴオオオオッ!!!!!



ピカチュウ「ピカーーーーッ!!」バキッ

サトシ「なっ…!?ピカチュウーーー!!」



カプ・コケコが電撃を纏い、凄まじい速度で突撃。ピカチュウは押し負け、容易く吹き飛ばされてしまう。




グズマ「なんて奴だ!まだあんな技を持っていやがったのか!」

サトシ「やっぱり…今の俺たちではタイマンじゃ勝てそうにないや」

サトシ「ピカチュウとハッサムの二人で戦おう。それならきっと勝機はある」

グズマ「いいぜ。リーグベスト4のコンビ…これなら確かに守り神とも渡り合えそうだ」

グズマ「あいつをブッ倒して、必ずグソクムシャの所に辿り着く!」
 ▼ 63 バット@アブソルナイト 19/09/22 17:38:04 ID:YFWYvSik [2/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
カプ・コケコ『10まんボルト!!』カッ

サトシ「10まんボルト!!相殺だ!!」

ピカチュウ「ピィカ…ヂイイイイイイイイイイ!!」バリリリリ



バチッ!!!



グズマ「こうそくいどう!!」

ハッサム「ハッサム!!」ギュオオオオ



ハッサムの二度目のこうそくいどう。さらに速さに磨きがかかる。



カプ・コケコ『ここにきて素早さを上げてきたか。何のつもりだ…?』

グズマ「ハッサム!カプ・コケコの周囲を…滅茶苦茶に動き回れ!!」

ハッサム「サム!」シュバババババ

カプ・コケコ「!?」



残像が形成される程の速度で、ハッサムはカプ・コケコを取り囲むように縦横無尽に動き回り、攪乱する。



グズマ「今だ!飛び付いて拘束しろ!!」

ハッサム「サムーーッ!!」ガバッ

カプ・コケコ『何っ…!?』ギシッ



カプ・コケコはハッサムの姿を一瞬見失った。その隙を突いてハッサムが背後からカプ・コケコに飛び付き、動きを止める。

カプ・コケコを上回るスピードが可能にした離れ業だ。
 ▼ 64 ントル@ベリブのみ 19/09/22 17:40:07 ID:YFWYvSik [3/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
グズマ「サトシ!ピカチュウ!やれーーーーっ!!」

サトシ「ピカチュウ!アイアンテール!!」

ピカチュウ「チュウウーーーーーッ!!!」ヒュガッ



バキィィッ!!!!!



カプ・コケコ『こおッ……!!?』メキメキメキメキ



ピカチュウのアイアンテールが見事に決まった。

鈍い音を立て、カプ・コケコに尋常ならざる衝撃が走る。



カプ・コケコ『……ッ!小賢しい…!』

カプ・コケコ『しぜんのいかり!!』



ギュオアアアアアアアアアアア……!!!



ピカチュウ「ピカーーー!!」ズギャッ

ハッサム「サッ…!」バキッ



眩い光が二人に集中し、衝撃波で吹き飛ばされる。

カプ・レヒレが使ったのと同じ技だ。
 ▼ 65 ブラン@でかいきんのたま 19/09/22 17:42:00 ID:YFWYvSik [4/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ「ピカチュウ!大丈夫か!?」

ピカチュウ「ピカ!」

サトシ「くっ…!やっぱり強い!全然体力の底が見えない!」

グズマ「ならば底が見えるまで攻め続けるだけだ!!ハッサム、シザークロス!!」

ハッサム「サムッ!!」ヒュオッ

カプ・コケコ『しつこい…!いい加減嫌気が差してきたぞ…!』

カプ・コケコ『お前はこれを相殺できまい!10まんボルト…』



シュウウウウウウウ…



カプ・コケコ「!!」



エレキフィールドの時間切れ。電気技の威力が通常のものに戻る。



ハッサム「サムッ!!」ズバッ

カプ・コケコ『しまった…迂闊…!』



威力が格段に落ちた10まんボルトを、ハッサムは難なく撃墜する。

簡単に迎撃できると慢心していたカプ・コケコは、当然防御の準備ができておらず、完全に無防備な状態となっていた。
 ▼ 66 イドン@マトマのみ 19/09/22 17:44:06 ID:YFWYvSik [5/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
グズマ「やっと決定的な隙を見せたな…!」

グズマ「破壊しろハッサム!バレットパンチ!!」

ハッサム「サムーーーーッ!!!」ゴオオオッ



ド ボ ッ !!!!!



カプ・コケコ『ぐはあああッ……!!』メキメキメキメキ



ハッサムの渾身の一撃がカプ・コケコの腹部に炸裂。

このバトル初のクリティカルヒットだ。



ハッサム「サムーーーッ!!」ブンッ

カプ・コケコ「コケエエエーーーーーッ!!?」ギュオオオオオ



そのまま拳を振り抜き、カプ・コケコは勢いよく後方に吹き飛んだ。
 ▼ 67 ルジーナ@ゴスのみ 19/09/22 17:46:05 ID:YFWYvSik [6/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
サトシ「距離が離れた…!グズマ!今がチャンスだ!」

グズマ「わかってらあ!とっととズラかるぜ…!」ダダダ



今が好機と見たグズマは、迷いなく彼岸の遺跡目指して駆け出した。



グズマ「いける!入り口…」

カプ・コケコ『いかせるかアアアアアアッ!!!!』ギュオオオオッ

グズマ「!?」



かなり距離があったにも関わらず、カプ・コケコは一瞬でグズマの元へ移動。

必死の形相だ。これがカプ・コケコの全力のスピードなのだろう。



カプ・コケコ『ワイルドボルト…!!』バチッ、バチッ

グズマ「!! やべえっ…」



グズマを討つべく、カプ・コケコが攻撃準備に入る。

グズマは全力疾走の体勢で、防御の準備も回避の準備もできていない。

カプ・コケコの本気のワイルドボルトを受ければ、意識を失うどころか命が危ない。

グズマは世界の時間の進みが急速に鈍るのを感じた。死の直前に垣間見る光景…走馬灯だ。

両親の顔、ハラの顔、ククイ博士の顔、スカル団の仲間の顔、リーグで出会ったライバルたちの顔、手持ちポケモンの顔。

その中には当然、グソクムシャの顔もあった。


嫌だ…まだ死ぬわけにはいかない。

グソクムシャを助けるまでは…絶対に死ねない…!
 ▼ 68 ゲキ@くろおび 19/09/22 17:48:05 ID:YFWYvSik [7/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「ピカーーーーーッ!!!!」ギャオオオオオオッ!



バキィィィッ!!!!!



カプ・コケコ『コケーーーーーーッ!?』ギュオオオオオ

グズマ「……!?」



高速回転し鋼の槍と化したピカチュウが、突如横からカプ・コケコに突撃した。

ハガネZ…『ちょうぜつらせんれんげき』だ。



ピカチュウ「ピカピカピカーーーッ!!!」ギャリリリリリ

カプ・コケコ「………!」



ピカチュウは勢いそのまま、カプ・コケコを巻き込んで遠方へ吹き飛んでいく。



グズマ「お前ら…」

サトシ「早く行って!今度こそカプ・コケコは戻ってこれない!」

サトシ「後は俺たちに任せろ!絶対に遺跡には入らせないから!」

サトシ「必ず…グソクムシャを連れて帰って来いよ!」

グズマ「……!恩に着る!」

グズマ「気張れよお前ら!簡単にやられんじゃねえぞ!」ダダダダ



カプ・コケコの相手をサトシとピカチュウに任せ、グズマは彼岸の遺跡に突入した。
 ▼ 69 ガバクーダ@クイックボール 19/09/22 17:50:10 ID:YFWYvSik [8/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
彼岸の遺跡の内部は濃い霧で満ちていた。

おそらくはカプ・レヒレの力。つまりあと一体…守り神と戦い討ち倒さなければならないのだ。



グズマ「大丈夫…祭壇までは一本道。迷うことはない」ザッザッ



グズマは周囲の様子に気を配りながらも、早足で遺跡内部を進行する。

その時…



「グズマ」



グズマ「!?」

ククイ「グズマ。一体何をやっているんだ?」



ククイが突然姿を現し、グズマに問いかける。



グズマ「お前は事情を知っているはずだろ!グソクムシャを助けに行くんだ!」

ククイ「そんなことお前にできるはずないだろう」

グズマ「やってみなけりゃわからないだろ!」

ククイ「無理だ。なぜなら」

ククイ「お前は…俺に一度も勝てなかったじゃないか」

グズマ「!」

ククイ「その俺が無理だと言うんだ。諦めろ」

グズマ「無理じゃねえし諦めねえよ。お前に勝てないことなんて今は関係ない」

ククイ「お前はどうせまた逃げるんだ」

ククイ「逃げろ。逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ……」

グズマ「………」
 ▼ 70 ギア@ポケモンずかん 19/09/22 17:52:05 ID:YFWYvSik [9/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
グズマはすでにククイの正体を看破していた。


これはカプ・レヒレが作り出した幻影だ。まったく悪趣味な…

しかし舐められたもんだぜ。この程度で俺の心を折れるとでも?



グズマ「幻と会話するなんて馬鹿馬鹿しいよな。先に進ませてもらうぜ」ザッ



グズマはククイを無視し、再び歩き出す。



ククイ「ほら逃げた。幻だと一蹴して、無様に逃げた」

グズマ「………」

ククイ「負け犬め。だからお前は一番になれない」

ククイ「惨めだ。本当に惨めだ」
 ▼ 71 ノムー@リーフのいし 19/09/22 17:54:02 ID:YFWYvSik [10/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
奥に進めば進むほど、ククイの数が増えていく。

始めは一人だったのが二人になり、いつの間にか10を超え、瞬く間に100になった。

それらすべてが「負け犬」だの「臆病者」だの煽ってくるのだ。

それらを無視して先に進むと、ついには壁や床までもがククイの顔に変化し、見渡す限り一面ククイの世界になる。

この世界のすべてはククイで形成されており、ククイが原子に成り代わっているかのよう。森羅万象はククイであり、ククイ以外のものは存在しない。正しくククイの小宇宙だ。

どこを見てもククイ、ククイ、ククイ。上下左右が覚束無くなりながら、グズマは一心不乱に駆け抜けた。



グズマ「くそ…なんて気色の悪い世界だ…」

グズマ「本人に罪はねえが…二度とこの顔は見たくなくなりそうだ」



そう言うグズマの声も、ククイの声色に変化していた。

さらにグズマの足音も代わりにククイの声が再生され、加速する自身の鼓動の音、息遣いすらククイの声に聞こえる。

すべての音、すべての物がククイのため、今自分が歩いているのか静止しているのかすらわからなくなってくるのだ。



グズマ「こんなことで俺は折れない…!」

グズマ「グソクムシャに…会いに行くんだ…!」
 ▼ 72 ノココ@きいろいバンダナ 19/09/22 17:56:13 ID:YFWYvSik [11/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
やがて霧が晴れ、ククイの幻影は消失。元の一本道が見えて祭壇への道が開かれ、グズマは安堵する。



グズマ「もうすぐ…もう間もなく祭壇だ」

グズマ「やっとグソクムシャに会える…!」



その時だった。グズマとは別の人影が現れ、グズマの前に立ちはだかった。



グズマ「ハラ…!」

ハラ「リーグ以来ですな、グズマ」



なぜこいつがここにいる?

島キングだから?そういえばクチナシのおっさんは俺を止めようとしてた。島キングは俺を止めるつもりだと言っていた。

つまりこいつの目的は…



ハラ「グズマ。悪いことは言わん。今すぐここから立ち去るのだ」

グズマ「…やっぱりか。あんた…俺を止めにきたんだな?」

グズマ「落ちぶれたなハラ。守り神の傀儡め。守り神の気を損ねないように、何とかして俺を連れ戻したいってわけだ」

ハラ「……そうではない。私は…私たち島キングは、お前のためを思って言っているのですぞ」

グズマ「俺のことを思ってくれるならそこどけよ。時間がないんだ!グソクムシャはもうすぐ完全に消滅する!」

グズマ「その前に連れ戻さなきゃならない!お前と話してる暇なんかないんだよ!」

ハラ「グズマよ。私たち島キングは、守り神の恐ろしさをよく知っている」

ハラ「守り神に歯向かい命を落とした者は存在する。いざとなれば…どんな冷酷な仕打ちでもやってのける。それが神なのだ」

ハラ「これ以上守り神に歯向かえばお前の生命が危うい。私はお前を死なせたくはないのだ」

グズマ「だったら何だ!その覚悟はできている!何に代えてもグソクムシャを助け出す!」

ハラ「『何に代えても』。その思いで命を捧げたグソクムシャはどうなった?その身勝手な行いのせいで…お前は酷く悲しみ自分を責めているのだろう!?」

ハラ「先のお前が今の私なのだ!お前がグソクムシャに生きていてほしいと願うように、私もお前が生き延びることを願っている!」

グズマ「………!」

ハラ「……グソクムシャのことは、私たちが守り神に頼んでみる。島キングであれば…聞く耳をもってくれるやもしれぬ」

ハラ「グズマ。お前はよく頑張った。もうお前にとっては赤の他人なのかもしれないが…師として誇りに思う」

ハラ「後は私たちに任せてほしい。守り神も決して鬼ではない。まだ希望はあるのだ」
 ▼ 73 ドラン@ていきけん 19/09/22 17:58:05 ID:YFWYvSik [12/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
カプ・レヒレ『ハラさんの仰る通りです』スウウ

ハラ「……!カプ・レヒレ…!」

カプ・レヒレ『グズマさん。まさかあなたが私の霧を突破してくるとは…相当過酷な幻影を用意したはずですが』

グズマ「…おう。最低最悪の悪夢だったぜ」

カプ・レヒレ『カプ・コケコすら振り切り、ご足労をかけたところ恐縮ではありますが…どうか大人しく立ち去っていただきたい』

カプ・レヒレ『ハラさんも仰っていましたが、我々守り神は歯向かう者に対して容赦はしません。可能なら絶命させたくはありませんが…必要となれば迷いなく手を汚します』

カプ・レヒレ『あなたは今のところ何の罪も犯していない。今すぐ立ち去るのなら危害は加えませんよ』

カプ・レヒレ『あなたには素晴らしい才能がある。ここで潰すのは私の本意ではありません。後のことは島キングに任せた方がいい』

カプ・レヒレ『…まあ、頼まれたところで今更グソクムシャを開放する道理はありませんが』
 ▼ 74 バニー@メガチャーム 19/09/22 18:00:00 ID:YFWYvSik [13/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
グズマ「開放する気がないならもうそれがすべてだろうが。俺は止まらねえぞ。絶対にグソクムシャに会いに行くんだ」

グズマ「守り神の考えなんて知ったことか!」ヒュッ

カプ・レヒレ「!!」ビチッ



グズマはカプ・レヒレに石を投げつけて気を引き、そのままカプ・レヒレの横を通り過ぎようとする。



グズマ「もうすぐなんだ!あそこから彼岸に行ける…!」

カプ・レヒレ『行かせませんよ!』ギュオオオッ



ギュルルルルルル………ガチッ!!!!



グズマ「!? があっ…」ギシッ



カプ・レヒレの『うずしお』により、グズマは拘束され身動きが取れなくなる。



グズマ「ちくしょう…放せ…!」グググググ

カプ・レヒレ『大人しくしてください。あまり抵抗するようなら…締め上げて絞殺することもできる』

カプ・レヒレ『あなたの生殺の行方は私が握っているのです。無駄な抵抗は自重してくださいますよう…』

ハラ「止めるのですカプ・レヒレ!」

ハラ「グズマ!わかっただろう…これ以上抵抗すれば命が危ない!」

ハラ「降伏してここは一度カプ・レヒレに従うのだ!」

グズマ「 黙 れ !! 」

ハラ「!!」
 ▼ 75 マコブシ@ミアレガレット 19/09/22 18:48:59 ID:YFWYvSik [14/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
グズマ「なんで邪魔するんだよ?なんでわかってくれない?」

グズマ「グソクムシャに何の罪があるっていうんだ?あいつは俺のために動いてくれた。誰よりも優しい…善良なポケモンなんだ!」

グズマ「グソクムシャより死んだ方がいいやつなんていくらでもいるだろ!命を奪うならそいつらから奪えよっ!!」

ハラ「落ち着けグズマ!これ以上カプ・レヒレを刺激するな!」

グズマ「こんな小さい島の守り神如きが…命の価値を勝手に決めていいのかよ!?」

グズマ「グソクムシャのことなんて何も知らないくせに!グソクムシャの命があんなくだらない力と等価だっていうのか!?ふざけんじゃねえ!!」



気付けば、俺は涙を流していた。

もう駄目なのか。もうすぐそこまで迫っている。あと少しでグソクムシャに会えるはずだったのに。

ククイやサトシ、スカル団の仲間、手持ちポケモン。みんなが俺を後押しし、グソクムシャの無事を願って繋いでくれた。

会って伝えなければならないことが沢山ある。胸の奥で燻るはち切れて溢れ出そうな激情を、伝えられずに俺は終わるのか。



グズマ「グソクムシャを助ける!!それが俺の正義だ!!」

グズマ「邪魔をするなああああああああ!!!」ググググ

ハラ「………!」
 ▼ 76 ナバァ@あやしいおこう 19/09/22 18:54:10 ID:YFWYvSik [15/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
凄まじい形相で取り乱し、涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら叫ぶグズマに、ハラは息子の姿を重ね見た。

そうだ、我が息子も…島キングの呪縛から逃れようと必死で…

息子と、そしてグズマ。私は二度教育に失敗した。指導者として未熟だった。

今のグズマはきっと間違っている。しかし…間違わせないことだけが教育なのだろうか。間違っていても、それが本人のためなら…後押しすべき時もあるのではないだろうか。

決断の時だ。もう私の目の前で若い芽が摘まれるのは見たくない。

たとえグズマが間違えても…私はもう『教育』を間違えてはいけない。



カプ・レヒレ『まだ抵抗を止めませんか。仕方がない…さらに強く締め上げて…』

ハラ「ニョロボン!ともえなげ!」

ニョロボン「ニョロー!」シャッ



ギュルオオオッ!!!

バチッ!!



グズマ「ぐっ…」ズシャ



ニョロボンのともえなげにより、グズマは転がりうずしおの拘束から解放された。



カプ・レヒレ『!? ハラさん…一体何を…』

ハラ「どくづき!!」

ニョロボン「ニョロ―!!」ゴオッ



ズギャッ!!!!



カプ・レヒレ「くっ…」ビリビリビリ



立て続けにニョロボンがカプ・レヒレを攻撃。強力な弱点技を受け、カプ・レヒレは一瞬動きを止める。
 ▼ 77 ガアブソル@ドラゴンZ 19/09/22 18:56:09 ID:YFWYvSik [16/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
グズマ「何してんだあんた…!?」

ハラ「グズマ!!今のうちに早く行け!!」

グズマ「!!」

ハラ「グソクムシャを助けるのだろう!?私に構わず早く彼岸に向かえ!!」



ハラは先刻までと180度考えが変わっている。何か吹っ切れた様子だ。



グズマ「……ッ! 師匠…!」

グズマ「すまねえ…すまねえ!後は任せたぜ!」ダダダ
 ▼ 78 バニア@はねのカセキ 19/09/22 18:58:15 ID:YFWYvSik [17/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
カプ・レヒレ『…これはあり得ない事態ですね。まさか島キングが守り神に仇なすとは』

カプ・レヒレ『何を血迷ったのかわかりませんが…こんなことをしてただで済むと思わないでくださいよ?おそらくあなたは島キングの証を剥奪される』

ハラ「そんなことは百も承知!私はグズマを援護すると決めたのだ!」

カプ・レヒレ『島キングでありながら…そのような暴行を…』

ハラ「島キングである前に、私はグズマの師匠なのだ!」

カプ・レヒレ「!」

ハラ「グズマは変わった。ずっと欠けていた大切なもの…相手を敬う気持ち、ポケモンを愛する気持ち。グズマはそれに気づき、成長しようとしている」

ハラ「それに気付かせてくれたのはグソクムシャ!グソクムシャはグズマにとって絶対的に必要な存在!」

ハラ「たとえ間違いであっても構わない!弟子の成長を後押しできずに…何が師匠か!」

ハラ「島キングの証などもう要らぬ!全身全霊をもって貴女を足止めさせてもらいますぞ!」
 ▼ 79 シマリ@こおりのいし 19/09/22 19:00:11 ID:YFWYvSik [18/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
グズマは只管走り続けた。

心臓が口から飛び出そうになるほど動悸が激しくなり、手足は鉛のように重くなる。

それでもグズマは走り続ける。すぐそこまで迫った祭壇を目指して。



グズマ「はあっ…はあっ…」



ついに階段まで辿り着いた。この先に…守り神を祀った像がある。

今更ながら、ここから彼岸に行けるというのはただの憶測だ。元々直感頼みの行動であったし、カプ・レヒレが何か細工しているかもしれない。

それでも強く願えば行けるはず。そう願う。そう信じる。



グズマ「頼む…グソクムシャのところへ」

グズマ「行かせてくれ!!」



守り神ではない方の神に祈りを捧げ、グズマはついに祭壇に登りつめた。
 ▼ 80 マージョ@シーヤのみ 19/09/24 07:09:47 ID:MNscYIxo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
シエンネ
 ▼ 81 シギソウ@ハガネールナイト 19/09/28 01:55:24 ID:HhlM9ono [1/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
グズマ「………!」



気が付くと、グズマは暗闇の中にいた。

恐ろしく静かな場所だ。生命の存在をまったく感じられない。



グズマ「あれは…」



暗闇の中、唯一光と温度を感じる大きな穴がある。その穴以外は…色も温もりも失った完全に虚無の世界だ。

ここが彼岸なのだろうか。だとしたら…ここにグソクムシャがいる。



グズマ「グソクムシャ!!いるなら返事をしろ!!」

グズマ「グソクムシャーーーッ!!」
 ▼ 82 ボツボ@マッハじてんしゃ 19/09/28 01:56:12 ID:HhlM9ono [2/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
とくん。



…鼓動の音だ。久方振りに聞いた気がする。

僕は命を奪われ消滅するはず。すでに体中透明になり、存在が失われる寸前なのだ。

どうしてこんな音が生じるのだろうか。

何かが僕を呼んでいる?僕を求めている。

僕が生きていることを…あの人が願っている。



グズマ「グソクムシャーーーッ!!」

グソクムシャ「……ムシャ!?」



どうしてグズマがここに!?

ここは彼岸だ。生きている人間が来てはいけない場所だ。

まさか…グズマまで命を落としたのか?

…違う。グズマの声を聞く度に、肉体に温度が戻っていく。心臓の鼓動が速くなっていく。

五感が、記憶が、切なさが、愛しさが……体中に満ちて溢れてくる!

グズマは何らかの方法で僕に会いに来たんだ。存在が消えてしまう前に、僕と話をするために。
 ▼ 83 ラエナ@メガリング 19/09/28 01:57:06 ID:HhlM9ono [3/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
グズマ「グソクムシャ!やっと見つけた!やっと会えた!」

グソクムシャ「ムシャ!!」

グズマ「動けるか?肩貸してやるから、早くここから脱出するぞ!」



グズマはグソクムシャを肩で支え、そのまま歩き出した。


脱出する方法は分かっている。この世界で唯一光を放つ大穴。あそこから元の世界に帰れるのだろう。

グソクムシャはかなり元気を無くしているが意識はある。脱出さえできれば必ず元通りになる。

急げ!グソクムシャをここから連れ出すまでは…少しも油断はできねえんだ!
 ▼ 84 ケンカニ@あかいビードロ 19/09/28 01:57:43 ID:HhlM9ono [4/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
パキパキパキパキパキ……



グズマ「!?」



なんだ!?何かが崩れる音…



バキバキバキバキバキ……!!



まずい!この空間が…この世界そのものが、音を立てて崩壊し始めた!

この崩壊に呑みこまれれば、俺もグソクムシャも元の世界には戻れなくなるだろう。



グズマ「くそっ…!早く!早く脱出しねえと…!」

グソクムシャ「………!」



グズマが向かう大穴は、現在地からそう遠くない場所にある。グズマ一人なら数秒で脱出できるだろう。

しかし今のグズマはグソクムシャの体重を支えながら歩いている。グソクムシャの体重は108kg。進行速度はかなり遅くなり、世界の崩壊の前に辿り着ける保証はない。



グズマ「はあっ…はあっ…」



アジトから彼岸の遺跡まで全力で走り抜き、カプ・コケコに痛めつけられ、グズマの体はすでに限界を迎えていた。

それでもグズマは動く。残された力を振り絞り、渾身の力で体を動かす。グソクムシャとともに、元の世界へ帰還するために。
 ▼ 85 ッフロン@ダイブボール 19/09/28 01:59:03 ID:HhlM9ono [5/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
グズマ「頑張れグソクムシャ!もう少しだ!」

グソクムシャ「……ッ!」



崩壊の速度とグズマ達の進行速度はほぼ同じ。このままの進行速度なら、どちらが先か…五分五分といったところか。

しかしグズマは急速に体から力が抜け落ちるのを感じていた。絶対に足を止めてはならないのに、ほんの少し気を緩めれば意識が飛んでしまいそうな状態だ。



グズマ「早く…ここから…」ズリ…ズリ…



……もういいよ。



グズマ「!?」



声?この声はグソクムシャか?

彼岸は死者の世界。現実世界の常識は当てはまらないのだろう。今この時に限り、種族の壁を越え…俺とグソクムシャは話ができる。



もういいよグズマ。僕を置いて早く戻って。



グズマ「お前…何言ってるんだよ!?」



グズマに届いたグソクムシャの声。グソクムシャは二人で帰還することを諦めかけていたのだ。



このまま僕を支えていたら、グズマの命まで危ない。だけど僕を置いてグズマ一人でならすぐにでも帰れる。

グズマは僕を助けに来てくれたんだろう?それはとても嬉しい。だけど…僕はあの力を使えば命を失うことは知っていた。その上で力を行使した。

全部全部僕が悪かったんだ。何もかも僕の責任だ。

今回の事件だけじゃない。グズマがいつも勝ち切れなかったのは、全部僕が弱かったせいだ。大事なところで負けてしまうのは、僕の小気のせいだ。

すべては僕の撒いた種。僕は大人しく守り神の裁きを受けるよ。命を以て責任を取る。

グズマには輝かしい未来が約束されている。アローラのチャンピオンだ。今のグズマなら、僕の力など無くとも無敗神話を崩すことなく君臨できるだろう。勝利に彩られた華やかな未来が…手の届く場所まで迫っている。

もしもグズマが僕を無事連れ帰れたとしても、守り神が黙っていない。黙っているはずがない。確実に僕やグズマに罰を与えようとするだろう。

そうなればせっかく手に入った華やかな未来も失われてしまうかもしれない。グズマは何も悪くない。だから巻き込みたくない。

グズマ…辛いかもしれないけれど、どうか僕を置いて帰って。
 ▼ 86 ゾノクサ@べにいろのたま 19/09/28 02:01:01 ID:HhlM9ono [6/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
グズマ「違う!!」

グソクムシャ「!!」

グズマ「それは違う!悪いのは俺だったんだ!」

グズマ「ごめん!本当にすまなかった…!お前の苦悩に気付けなくて!俺一人で…自分勝手に戦い続けて!」



グソクムシャが消えたあの時から、胸の奥にどうしようもない激情が絶えず込み上げては膨らんでいった。

爆発しそうなこの思いを、今ここでグソクムシャに伝えなければならない。本当の意味でグソクムシャのパートナーとなるために。



グズマ「無敗神話なんて要らない!そんなものに価値はなかった!」

グズマ「もう二度と勝てなくたっていい!!」

グズマ「どんな天罰が下ろうと構わない!!」

グズマ「勝利が無くたって、名誉が得られなくたって……グソクムシャさえ生きていてくれればそれでいい!!」

グソクムシャ「………!」



グソクムシャの目が潤む。

生まれて初めて、自分のポケモンと完全に心が通じ合ったような気がした。



グズマ「俺の相棒はグソクムシャだ!今までも、そしてこれからも…!」

グズマ「お前がどれだけ罪の意識に苛まれようが関係ない!俺にはお前が必要なんだ!」

グズマ「絶対に助け出してやる…!」



グズマは足を速めた。

どこから湧いたのかわからない絶大な力で、グソクムシャとともに大穴に近づいていく。



グズマ「うおあああああああああああ!!!」



悲鳴に近い叫び声を上げながら、グズマは全力で前に進む。
 ▼ 87 タフリー@すいせいのかけら 19/09/28 02:01:34 ID:HhlM9ono [7/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
グズマ「あと三歩…二歩!」ザッザッ

グズマ「一歩…!」ザッ

グズマ「これで…終わりだああああああッ!!!」ザシッ



そしてついに…光の元へ辿り着いた。

同時に崩壊も最終盤に到達。グズマとグソクムシャはギリギリで光の中へ飛び込んだ。



グズマ「グソクムシャ!」

グソクムシャ「!」

グズマ「俺たちは…永遠にパートナーだ!」

グソクムシャ「……! ムシャ!」

グズマ「一緒に帰ろうぜ、グソクムシャ…!」

グソクムシャ「……ムシャ!」



二人は光に包みこまれ、その先の世界へと消えていった。
 ▼ 88 ッツー@こだいのおうかん 19/09/28 02:02:26 ID:HhlM9ono [8/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
サトシ「はあっ…はあっ…」

サトシ「くそっ…強すぎるぜカプ・コケコ…!」

ルガルガン「ガルル…」



サトシは未だカプ・コケコと戦っていた。

ピカチュウはすでに倒されてしまったものの、続いて参戦したルガルガンが足止めに成功し、ここまで喰らい付いてきたのだ。

しかしそのルガルガンも満身創痍。完全に圧倒されてしまっている。



カプ・コケコ『……!この気配!』

カプ・コケコ『馬鹿な…!グソクムシャが連れ帰されたというのか!?』

サトシ「!! グズマ…上手くやったんだな…!」

カプ・コケコ『チッ…何ということだ。カプ・レヒレまで突破されたというのか』

サトシ「カプ・コケコ。お前自身との勝負には勝てなかったけど…それでもグズマは目的を達成した」

サトシ「グズマの行動は正しかったんだよ。それをわかってほしい」

カプ・コケコ『正しい訳がないだろう。とんでもないことをしでかしてくれたものだ』

カプ・コケコ『奴等には必ず天罰が下る。罪に見合った天罰がな』

カプ・コケコ『すべて元通り、とはならないぞ。それを理解しておくことだ』

サトシ「………」
 ▼ 89 ァイアロー@すいせいのかけら 19/09/28 02:02:59 ID:HhlM9ono [9/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
カプ・レヒレ『……どうやら連れ戻してしまったようですね』

ハラ「グズマ…グソクムシャ…ついにやりとげたのですな」

カプ・レヒレ『こうなってはもはや戦いに意味はありません。お互い矛を収めるとしましょう』

カプ・レヒレ『あなたの処罰はカプ・コケコが決定します。どんな内容となっても大人しく受け入れてくださいね』

ハラ「……ええ。覚悟はできております」

カプ・レヒレ『グソクムシャをもう一度彼岸に送るのが最適な対処ではありますが…おそらく本人はもう私たちに従う気は無いのでしょう』

カプ・レヒレ『それに一度彼岸から生還してしまった者を再び連れ戻すのは非常に難しい』

カプ・レヒレ『あなた方の勝利です。もうグソクムシャの命を奪うことはしません』

カプ・レヒレ『ただし相応の罰は受けてもらいます。この世界の理に逆らった罪人グズマ…これから過酷な運命を辿っていくことになるでしょう』

ハラ「何が起きてももうグズマが揺らぐことはありません。それに…グズマの苦しみは私たち皆で背負っていく所存」

ハラ「どうぞ召すままに罰を下してください。どんな災難が降りかかろうと…グズマとグソクムシャはともに生きていける」

カプ・レヒレ『良い仲間に恵まれましたね、あの男も。私たちからすれば大迷惑なのですが。使う必要のない膨大なエネルギーを消費してしまった』

ハラ「……返す言葉もございません。グズマを始め、一連の事件に関わったすべての者を代表し…深くお詫び申し上げます」

カプ・レヒレ『謝ったところで失ったものは回帰しませんよ。そんなことに意味はないのです』

カプ・レヒレ『罰を受け、自分たちの行いの重大さを省みる。私たちがあなたたちに求めることはそれだけです』
 ▼ 90 タチマル@1ごうしつのカギ 19/09/28 02:04:48 ID:GAIYL5W2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
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