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【SS】シビルドン子は、ガラル地方へ行きたい。

 ▼ 1 ダさん◆9vRZGC1tqQ 19/10/08 03:31:45 ID:SRdA3RFc [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ねーばっちー……ワタシもガラル地方に行きたいんだけどさあ、行けないの?」


シビルドンのシビルドン子、略してドン子は気になっていた。

……自分もガラル地方へ渡ることが出来るのかを。

それを冷や汗かきながら聞いていたのは、この私、ドン子の幼なじみであり、よき理解者でもあるデンチュラのばっちーである。


「えーえー……えーとね……うーん、強く念じてれば……行けるんじゃないかな?」

「ほんと?!なら念じてみるね!」


恐ろしく単純なドン子は、私のその言葉をのみ、強く念じようと手を合わせ動かなくなった。

この状況より、ばっちーは逃げたかった。
本当は「必ず連れていくからな、約束だぜ(イケボ)」とか言いたかったのだが、それは出来ない。

なぜなら、ガラル地方の入国審査は超厳しいからだ。

この間もアローラ地方の守り神たちが、入国審査により弾かれたらしい。超怖いね。
 ▼ 2 ダさん◆9vRZGC1tqQ 19/10/08 03:33:47 ID:SRdA3RFc [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「……ガラル地方には……オサレなブテックとか、トレビアーンなカフェとか、チョベリバなキャンプ場とかあるだってね。

めっさ行きたいんだけど……。」


ドン子は恐ろしく年代の層が読めない奴だ、いや、そこじゃなくて。

凄く行きたそうにしてる……可哀想……突破方法さえあれば連れていってたのに……。

そうだ、入国審査官をクモのすに絡めてしまえば……その隙にドン子を侵入させることが……!


「いや!!そこで!!待っとれい!!
なんちて!!ぶは!!」

「ダマレ!!チネ!!」


数秒の寸劇と共に現れたのは、なぜか洞窟の中でとち狂ったヤベー奴であるナットレイのレイ爺と、親友のギガイアスのギガさんである。

レイ爺には、私の中の得体の知れない殺意が芽生えていたが、ギガさんが案じてくれたのか、ギガインパクトで消し炭にしてくれた。

ギガさんまじナイス!!


「ガラル地方、イキタイノカ、ドン子。」

「その声!ギガさん!
ギガさんもガラル地方に行きたいの?」


すると、ギガさんは何やらそそっかしい仕草で話を続けた。


「エエエト、マ、マア。
イキタイトハ、ナ、マア……。」


凄くあたふたしてるけど……これはいったい……?

と思ってるところで、ギガさんが私を呼んだ。
 ▼ 3 ダさん◆9vRZGC1tqQ 19/10/08 03:50:27 ID:SRdA3RFc [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「実ハ……ガラル地方ヘノ、パスポートヲ、謎ノ連合カラ、貰ッタノダ。」

「謎の連合?」


どうやら、私たちの住んでいるイッシュ地方の、一部のポケモンたちに向けて【謎の連合】から【ガラル地方へのパスポート】を配布しているらしい。

奇妙すぎる話だが、ギガさんの言うことに嘘偽りなんてない。ギガさんは嘘なんて付けない、優しいポケモンだからだ。

パスポートを貰った際も、周りに自慢しようとせず、洞窟でいつも通りに過ごしていた。ギガさんまじ聖人……いや聖ポケ!


「トニカク、ドン子ヲ、悲シマセタクナイ。ドウスレバ、イイノダ?」

「どうすればって言われてもねぇ……。」


私は連れて行けるもんなら、連れて行きたい……私はどうなってもいいから!!

と、ギガさんに伝えたが「オ前ガイケナクテハ、ドウニモナラナイ。」と一蹴りされてしまった。

そう悩んでいるところに、ポケモンの影らしきものが近付いてきた。

即座に反応したのはギガさんだった。


「ナニヤツダ!」

「くせ者じゃあねぇぜ。俺様は運び屋だ。」


ギガさんが声をかけた瞬間に反応する謎のポケモンは、こちらへ近付いてきた。

ていうか、運び屋……?!誰だよマフィアと手組んでるやつは……レイ爺か?!


「イヤ……マダ黒トハ限ラナイ。
オイ、運ビ屋トハ……イッタイ、ココへ何ヲシニキタ……!」

「あ?」


凄い剣幕で睨みつけてくる謎のポケモンと、それに対抗するギガさん。

……前者は全身真っ黒な為、表情が読めないが……。


「俺様はな……ふふ……俺様はな……」


何こいつ……突然笑いだしたんだけど……。
ガチで何しに来たんだ……?


「ふん……。
これをお前に届けに来たんだよ__」


見たことのない封筒の宛名を見て、私は多分今世紀最大の悲鳴をあげたことだろう。

私たちのいた洞窟(よくよく考えると説明してなかったな)には超音波が響き渡った。
 ▼ 4 ダさん◆9vRZGC1tqQ 19/10/08 16:40:32 ID:SRdA3RFc [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ガラルゥゥッッ……!」

「オイッ!ドン子ニ、聞カレルゾ!」


ハッとしたのも束の間、慌ててドン子の方を向くと、絶望を形で表したような顔でこちらを見ていた。

察した?!ねぇ、察したの?!


「フッ……俺様はアーマーガアのマーガ。
ここいらのポケモンをガラル地方へ誘う役目を持ってんだよ。

お前も選ばれしポケモンの一部だ、ありがたく思え……」

「言うなァァァァァァ!!!」


マーガとかいう奴は、かなりの決め顔で、唐突に自己紹介をし始め、目的を語る。

気が付くと私は……エレキボールの構えを取っていた……。


「ヤメロ!事実ヲ、受ケ入レロ!」

「うわァァァァァァ!!」

悲鳴に悲鳴を重ねていると、ドン子が口を開いた。


「ばっちー!!
ばっちー、ガラル地方に行くの?」

「えッ……?」


元からなんだけど……つぶらな瞳が……うっ……私はなんて罪を犯してしまったのだろうか……。

こんなにも可愛いドン子を……置いてきぼりにしてガラル地方に行くだなんて……!ありえない……!!!
 ▼ 5 ダさん◆9vRZGC1tqQ 19/10/08 16:41:44 ID:SRdA3RFc [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
「いや、こいつは【ガラル地方行きのパスポート】を貰っただけで、行くとは決まってないぞ。」

「お前もう何も言うな!!」


マーガは疑問だらけのドン子に攻める一手を下してくる。

ギガさんはもうダメだこりゃ……てな感じで、ため息をついている。


「そう……なんだ……。
良かったね……ばっちー!」


心做しか……ドン子のその声が、いつもの数倍落ち込んでいるように聞こえる。

……よし。ちょっと私、飛び降りてくるわ……。


「いや、まだだ!!
諦めるな!!!!!」


そこに現れた影、私は虚ろな目を上げる。
現れたのは……。


「オレがいる限り、この世に不幸など生まれぬ!!ギルダー!!参上!!」


この近くで正義のヒーロー()をやっているアギルダーのギルダー。

華麗に着地を決めると、マーガを指して言った。


「だからオレにもそのパスポートをくれ!!」

「自己中かよッ!!!」
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