【SS】ポケットモンスターデリートphase2 :ポケモンBBS(掲示板) 【SS】ポケットモンスターデリートphase2 :ポケモンBBS

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【SS】ポケットモンスターデリートphase2

 ▼ 1 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 19/10/29 01:42:24 ID:.Y2AhOL6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
phase1:https://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=797825

豊かな自然、そして高度な情報技術とが共存するタイキョク地方

多種多様なポケモンが暮らすこの地方に、あるニートがいた

ニートと同時にポケモナーでもあるその男は『サイバー団』と名乗る組織のコンピューターウィルスにより、自身のパソコンを壊された

また、暴力団『ギャラドス組』の自身の嫁ポケに対する蛮行も目にした

彼らに対する怒りに満ちたその男は旅に出た

ド底辺男の復讐劇の始まりだ
 ▼ 428 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/18 21:56:40 ID:2vbgM7qc [1/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
〜ミロティックグループ本社ビル 第六会議室〜

確かにネムノキの言う通り雰囲気は良い会議室だった

西側の壁は一面ガラス張りになっており、その向こうにはリンドウの夜景が広がっている

卓や椅子もスタイリッシュなデザインだ、流石は一流企業と言ったところか

ネムノキ「正直…」

ん?

ネムノキ「俺も組織の掲げる『真の平和』とは何か、わからんくなる時がある」

夜景を前にネムノキは続ける

ネムノキ「そのようわからん目的の為に奔走し手にした幹部の地位に就いた今でもな」

ネムノキ「…結局、組織の大半の奴らは社会か何かに復讐してゃーだけなのかも知れんな」

セト「!」

ネムノキ「けどその矛先を向ける相手がデカすぎたり、具体的に何に向けるべきなのかがわからんのだろう」

ネムノキ「だもんで今の社会とは異なる『真の平和』が実現した社会に憧れ、今度は自分たちが成功者になる為組織の一員として活動する……」

ネムノキ「果たしてそんな欲に塗れた平和が『真の平和』と呼べるのか」

ネムノキ「俺にはわからん」
 ▼ 429 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/18 21:58:33 ID:2vbgM7qc [2/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
……

セト「何言ってんのか理解力ゼロの俺には分かんねぇけどよ」

セト「目的が分かんねぇなら抜けたら良いんじゃねぇのか」

オヴィナイト「ナヴ」

ネムノキ「抜けるわけにひゃーかん、あの子の居場所が無うなってまうでな」

あの子って……団内恋愛かよ

セト「ヘッ! そーかよ」チッ!

ネムノキ「おみゃーのような何に復讐すべきかが明白な人間が羨ましい…」

ネムノキ「だが俺も組織の人間である以上はおみゃーを止めなならん」クルッ

ネムノキがこちらを向く、その顔に満ちていたのは廊下で見せていたような怒りではなかった

やつれた頰には雑多な光が差し込む

ネムノキ「せめて苦しまんで眠ってくれや」ブゥン…

サイバー団幹部の ネムノキが 勝負を しかけてきた!

戦闘!サイバー団幹部
https://soundcloud.com/q5avuwfjq2pq/vs-7
 ▼ 430 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/26 01:02:07 ID:g9bU8p.2 [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネッコアラ「コォ…コォ…」バシュウン!

セト「…!? やる事はやんのかよ! 頼むぜオヴィナイト!」バッ!

オヴィナイト「ルヴォン!」ジャキン!

なんだあのポケモン……バトルだってのに寝てんのか?

セト「おっと舐めプか? なら容赦なくやってやりな! 『アイアンヘッド』でカチ上げろ!」バッ!

相手が下手に手出し出来ねぇ空中で一方的にズタズタにしてやるよ!

オヴィナイト「ナヴィィ!!」ダダダッ!

鬼気迫る勢いでネッコアラとの間合いを詰めるオヴィナイト、それに対し……

ネムノキ「『こうそくスピン』」

ネッコアラ「コムム…」グルン…グルン…

持っていた木を軸に、ポールダンスかのように回転するネッコアラ

セト「はっ!? なんで寝てんのにンな事できんだよ!?」

衝撃の挙動に気を取られている間……

オヴィナイト「ヴゥゥゥ!!」ギィィン!!

オヴィナイトのトサカが回転中のネッコアラを斬りつけた……と同時に

オヴィナイト「ナヴォッ!?」ブワッ!

軌道を逸らされ窓へと突進を続け…

ネムノキ「もらった! 『ウッドハンマー』だァ!」
 ▼ 431 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/26 01:02:45 ID:g9bU8p.2 [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネッコアラ「ココォ…」ニョニョニョ…

セト「!」スチャッ!

気付いた時にはポールは巨大な木槌へと変貌を遂げていた

ネッコアラ「ラァン……」ゴウッ!!!

オヴィナイト「ナ…」ギョッ…

ガシャァァァン!!!!!

轟音と共に舞い散る破片、吹き込む風雨の中に響く絶叫、そして足首に食らいつくは鋼鉄の牙

クチート「るっちぃっ!!」グォンッ!

オヴィナイト「ヴルヴ…」ザザーッ!!

セト「ハァ…ハァ…確かに会議室にしちゃいい感じだな」シュゥゥン…

なんとかクチートが間に合って良かったぜ……

ネムノキ「ええ所だろ? それならもっと気に入ってもらうぜ」

ネッコアラ「ココォ…」zzz…

セト「でも悪りぃが俺の趣味じゃねぇ…お断りだ! 『ちょうはつ!』」

バトル中にも寝てるヤツだ、変な搦め手を使うに違いねぇ!

クチート「くちりぃ!」クイクイッ

ネッコアラ「…コォ!」zzz…!

ヘッ! いつまでもそうグッスリとはさせねぇよ!

ネムノキ「睡眠妨害だと…?」ボソッ…

セト「あ?」

クチート 「ち?」

なんだコイツ急に…

ネムノキ「ようもそんな事が十日も眠れとらん俺の前でできたなァ…!」ゴゴゴ…!

セト「オイ! なんなんだよテメェ! さっきは落ち着いてたのに…「決して許さんぞキサマァァァ!!!」ガァァァ!!!!!

セト「うおっ!?」ビクッ!

クチート 「ちくっ!?」ギョッ!

なんか変なスイッチでも押しちまったのかよ!!
 ▼ 432 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/26 01:03:44 ID:g9bU8p.2 [3/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ネムノキ「今度はヘマすんなわ! 『ばかぢからァ!』」ブワッ!

部下に怒鳴るかのようにネッコアラに攻撃命令を下したネムノキ、すると…

ネッコアラ「ネェ…!」ガシッ

信じられないことが起きた

クチート 「ちぃっ!?」ギョッ!

ベキベキベキベキ…

セト「オイオイオイオイ……そりゃ流石にねーだろ!?」

果たして誰が自らの目を疑わずにいられるだろうか?

ネッコアラ「コー…ホー…」zzz…

右手で備え付けの巨大なテーブルを軽々と持ち上げる小さなネッコアラの姿を目にして

ネムノキ「景気よう一網打尽にしてやれいッ!!」ブワッ!

ネッコアラ「コォ…」ググ…

セト「マジかよマジかよ…!」ザッ…

このままだと俺ら揃って薙ぎ払われちまう……アレだ!

セト「クチート! あのライトにしがみつきな!」

会議室の天井には球状のライトが一列に吊り下げられていた

あそこにしがみつけばクチートはテーブルで薙ぎ払われる事はねぇ! ……クチートはな
 ▼ 433 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/26 01:04:37 ID:g9bU8p.2 [4/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

そう、クチートはな

ネッコアラ「アァ〜」ゴウンッ!!!

クチート「ちゃぁらッ!?」

右半身に強烈な痛みが走る。 それと同時に視界がボヤけ、メガネが飛んでいった事を悟る

身体が宙に打ち上がり、眼下には夜景が広がる。 生命の危機を感じ取った脳は両手を突き出すよう命じ……

セト「うがっ!!」ガシッ!

雨晒しの中、九死に一生を得た

セト「ハァハァ……下は見ねぇようにしねぇと…」ブラン…ブラン…

今すぐよじ登って会議室に戻ろうとすると……

ネッコアラ「コォ…」zzz…

セト「!」

手のそばにネッコアラがいる事に気づく、そしてある光景が脳裏にチラついた……

そして悪夢のような予想は現実となる

ネッコアラ「コンコン…」ベシベシ

セト「テメェェ!!」グゥゥ…!

ネッコアラが持っている木で俺の手を叩き始めたのだ
 ▼ 434 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/26 01:05:21 ID:g9bU8p.2 [5/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「ってぇぇ!!! ……クソッタレが!!」ググ…

ネムノキ「ハッ! ええ気味だわ…いっちょデカいのやってやれ!」バッ!

セト「やめろォ…!」

ネッコアラは大きく木を振りかぶり……

ネッコアラ「コン!」ベシィン!!!

セト「ぐぁぁぁぁぁッ!!!!」ブラン…

傷だらけの右手に叩きつけた

セト「…グソッ」ダラリ…

ついに左手だけで全体重を支える事になってしまった。 雨と手汗が混ざって少しでも気を抜けば落ちてしまいそうだ

しかし興奮したネムノキは無慈悲にも…

ネムノキ「しぶといな……トドメを刺してやれぃっ!」

ネッコアラに攻撃を命じた。 当のネッコアラは目を瞑り表情こそは読み取れないが、ぶら下がる俺に全ての注意を向けている事には間違いなかった

しかしそれは一つの穴だった
 ▼ 435 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/26 01:06:12 ID:g9bU8p.2 [6/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「……チッ! やるんなら一思いにやれよ」クソッ…

ネッコアラ「ネッ…」ブオッ…

再び木を振り上げるネッコアラ、次の瞬間にはその木が振り下ろされ、哀れな危険因子は雷雨の中リンドウの夜へと消える……ネムノキの視界にはそう映る筈だった

しかし彼の司会に実際に映ったのは、窓枠の向こうへと吹き飛んで行くネッコアラの姿だった

ネムノキ「!?」

処理が追いつかないでいるうちに、自らの足元にはクチートの姿が。 そしてあざむきポケモンは左手のみでぶら下がる危険因子を引き上げ…

セト「オラァッ!!!」グルッ!

ネムノキ「ブフゥッ!?」ベキッ!

強烈なかかと落としをネムノキの脳天に食らわせた

ネムノキ「うぅ…!」ヨロヨロ…

セト「ヘヘェ! ガチの『ふいうち』だったなクチート!」

クチート「ちぇへぇ!」ニッ

正直俺も驚かされたぜ…
 ▼ 436 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/26 01:07:03 ID:g9bU8p.2 [7/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ネムノキ「おのれェ…!」グゥゥ…!

セト「ヘッ! 安心しな! ポケモンってのは人間より数百倍頑丈にできてんだ、この高さから落ちたって死にはしねぇよ」

ネムノキ「うう…!」

セト「ま、保証は出来ねぇけどな!」ヘヘェ!

ネムノキ「ッ! ァァアア!!! やれぃムシャーナ!!」ブゥン…

ムシャーナ「むぅぅん…」バシュウン!

ネムノキ「許さん…! 許さん!」ゴゴゴ…!

またコイツも寝てんのか? トレーナーとは大違いじゃねぇか

セト「ったくキレたら怖えんだからよ……いくぜクチート!『かみくだく』だ!」バッ!

クチート 「るちぃっ! ちゃわっ!」ガジュッ!

ムシャーナ「しゃなっ!」

ムシャーナに急接近し、難なくハサミでの『かみくだく』を決めたクチート、しかし様子がおかしい
 ▼ 437 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/26 01:08:01 ID:g9bU8p.2 [8/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
クチート「ちくん…くん」トボトボ

セト「どうしたんだクチート!?」

ネムノキ「クチートみてゃーなインファイターが相手でいやぁ助かったぜ…」フフフ…

セト「何だと?」

感情の起伏が激しいヤツだな

ネムノキ「『せゃーみんじゅつ』よ、距離があると中々当たらんが……あそこまで近付かれると話は変わってくるな」

『せゃー?……さいみんじゅつ』か? だったら…

クチート「ちゃむ…」zzz…

ここはアイツに交代して……

ネムノキ「逃すか! 『ゆめくい!』」バッ!

ゆめくい?

ムシャーナ「むしゃあ…」キュゥゥン…

ムシャーナが鳴くと、眠っているクチートの身体からエネルギーの粒のような物が飛び出し、ムシャーナがそれを吸収する

そこまでは普通の技かと思いきや……

セト「傷が!」

ムシャーナ「しゃむしゃ…」ポワワワワ…

さっきの『かみくだく』で付けた傷がどんどん癒えていく……ドレイン技か!
 ▼ 438 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/26 01:08:48 ID:g9bU8p.2 [9/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ネムノキ「俺を差し置いてええ夢見とったみてゃーだな……ますますムカつくわ」イライラ

攻撃される度に回復されたらキリがねぇな……でも夢を食うって事は……アイツだな!

セト「戻りなクチート!」シュゥゥン…

セト「出番だぜアブリボン!」ブンッ!

アブリボン「りっぶりぃ!」ポォン!

ちょっと前までコイツの特性はただのみつあつめかと思ってた、でも最近そうじゃねぇって事を知ったんだ…

コイツの本領を見せてやるよ!

セト「まずは『ちょうのまい』からだ! それから『かふんだんご!』」バッ!

ネムノキ「すばしこい奴で来たか…だが甘い! 『じゅうりょく』わ」

アブリボン「ぶんぶぶ〜ん♪ りぶっ!?」ガクッ!

『ちょうのまい』の最中に周囲の重力が操作され、体勢を崩したアブリボン。 ネムノキはその隙を見逃さず……

ネムノキ「今だ! 『せゃーみんじゅつ!!』 眠り状態のエキスパートの実力を思い知らせてやるわ!」ブワッ!

ムシャーナ「しゃむしゃあ」ポワワワ〜ン…

アブリボン「ぶぅん…」クラッ…

『さいみんじゅつ』は強い重力下でアブリボンに命中、早くもネムノキは『ゆめくい』の指示を出そうとするが……

アブリボン「りぶりぃ♪」ニッ!

ネムノキ「なっ…!」ビクッ!

ムシャーナ「むしゃ!?」パッチリ

アブリボンが眠る様子は一切無い
 ▼ 439 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/26 01:09:38 ID:g9bU8p.2 [10/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
それもその筈……

セト「ヘッヘッヘ! 残念だったな眠り状態のエキスパートさんよ! コイツの特性は『スイートベール!』 お得意の眠り状態にはなんねぇのさ!」ヘヘッ!

ネムノキ「なんだと…!」ググ…!

セト「さぁて終わりにしようぜ、『かふんだんご!』」

アブリボン「りぃぶりぃ!」ヒュボボン!

特大の花粉爆弾を呆気に取られたままのムシャーナに何個も投げ付け

アブリボン「ぶぅ〜りっ!」ビッ♪

ムシャーナ「じゃむじゃぁっ!!」ボスンッ!ボボボスゥン!!!

指差しと同時に全弾炸裂させた

ネムノキ「ぐぅぅ……! 戻れ!」シュン!

ネムノキは次のポケモンを繰り出す素振りを見せない、二匹で終わりか?

ネムノキ「悔しいがうちの幹部二人と渡り合える実力は本物みてゃーだな…」グググ…!

セト「ナイスだぜアブリボン!」

アブリボン「ぶりぃ!」

さて、コイツどうしようかな……

すると……
 ▼ 440 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/26 01:10:40 ID:g9bU8p.2 [11/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ガチャン

会議室のドアが開き、アヤメが三人のしたっぱを連れて現れた

アヤメ「ほら! ちゃんと手を頭の後ろに回して歩いて!」

マリルリ「りるぅ!」プンプン!

したっぱA「あぁあぁわかったよ! 近寄んな!」

したっぱB「無念です……」

したっぱC「三人がかりでも歯が立たないってよ……」

セト「アヤメ!」

アヤメ「そっちもちょうど終わったみたいだね、私の方も終わったよ!」

アヤメ「…って大丈夫!? メガネも無いしボロボロだよ!?」タタッ

アヤメが駆け寄って来た、コイツも三人相手に一人で戦えるようになったんだな

セト「大丈夫だぜ、それより…」

セト「ネムノキ、テメェらサイバー団は何がしてぇんだ? ミログルから資金を調達すんのは分かるけどよ……なんで廟なんざ占拠すんだよ」

ネムノキ「……四抗」ボソッ

アヤメ「四抗? そんなおとぎ話がどうかしたの?」フン

セト「…四抗が何なんだよ」

ネムノキ「俺も詳しい事は分からん…だがボスとあの研究者が言うにはこのプロジェクトには四抗の情報は必須みてゃーだ」

ネムノキ「何しろ俺ら組織が最も恐れとるのは情報漏洩……情報を集めた先の事はトップシークレット中のトップシークレットだ、幹部にも教えてもりゃーん」
 ▼ 441 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/10/26 01:11:30 ID:g9bU8p.2 [12/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アヤメ「アンタはそんなに喋って大丈夫なの? 一応幹部なんでしょ?」

ネムノキ「ネェちゃんには言ってなかったか……セト、おみゃーが後で説明してやれ」ピッ

セト「なんで俺が……って危ねぇ!」ガバッ!

アヤメ「キャッ!?」

突然ネムノキのラティスリンダーからスモークが噴き出した

ネムノキ「ジャミングは壊れとったがスモークが生きとるだけマシか……おみゃーら! ずらかるに!」

したっぱABC「はいっ!」プシューッ!

セト「オイちょっと…まちや……ウソだろ?」

アヤメ「ゴホゴホ……え!? 飛び降りたの!?」ビクッ!

間違いない、あの四人は割れた窓から……って何だぁ!?

ババババババババ!!

アヤメ「ヘリ!? あ、あそこ!」ビッ!

ヘリには例の四人とネッコアラの姿が、そして操縦席には

セト「シュンラン…!」

アヤメ「嘘!? あんな小さな子が操縦してるなんて!?」

あのクソガキ笑ってやがる…! 次はテメェの番だからな!

怒りを燃やす中、ヘリは去っていった
 ▼ 442 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/02 00:40:18 ID:u58IwdnE [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アヤメ「……ねぇ、今だから聞くけどさ、セトとアイツらってどんな関係なの?」

そうだった…後で話すって言ってたな

セト「復讐」

アヤメ「へ?」

セト「俺はアイツらにパソコンブッ壊されてよ……お気に入りだったんだぜ? 難易度:redをノーダメでクリアしたデータもあるのによ」

セト「全部ダメになっちまった、それでムカついてよ……この旅を始めたんだ」

アヤメ「元々…サイバー団に復讐するために旅に出たってこと?」

セト「その通り、悪かったなお前が旅に出る時にウソついて……お前を巻き込みたくなかったんだ」

アヤメ「……」

アヤメは小さく首を振り

アヤメ「ううん、薄々気付いてたけどやっぱり普通のトレーナーじゃなかったんだね」

セト「……」

アヤメ「私は別にいいんだけど…なんだかセトのポケモンバトルってさ、ちょっと変わってるんだよね」
 ▼ 443 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/02 00:41:12 ID:u58IwdnE [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セト「バトル?」

アヤメ「他のトレーナーのバトルって、言うなればスポーツみたいなんだ」

アヤメ「ポケモン同士がトレーナーと力を合わせてフィールドの中でそれぞれ勝ち負けを競い合う…」

アヤメ「でも君のバトルは違う。 勝敗よりも生き残るために……それこそ怒りをぶつけて復讐を果たすみたいに」

セト「……」

アヤメ「それが悪いとは私は言わないけど、君のバトルスタイルを見てきて普通のトレーナーとは違うなって思ったんだ」

セト「……そんな意識した事ねぇけどな……よく見てるモンだぜ」

アヤメ「ふふっ、利用できそうなモノはなんだって利用するスタイル…しかも結構派手なのは珍しいしね」

アヤメ「私はテレビで昔見たプロのトレーナー以外にセトしか見た事ないんだ」

結構いそうだけどな

アヤメ「その人の名前なんだったっけ? 確かタイキョクの人だった気がするけど……♪〜♪♪☆♪!

俺の着信音じゃねぇぞ
 ▼ 444 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/02 00:42:00 ID:u58IwdnE [3/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アヤメ「私の……リリカさんからだ、スピーカーにするね」ピッ

セト「頼む」

リリカ『一体何の騒ぎ? ヘリコプターなんて聞いてないわよ!』

セト「ああ…さっきのヘリはサイバー団のだ」

リリカ『サイバー団?』

アヤメ「ちょうど今日グループの重役と会議してたみたいで……押さえようとしましたけど、逃しちゃいました」

リリカ『……分かったわ、それより貴方達今何階にいるの?』

廊下に顔を出してみると、『29』と壁にあった

セト「29階、最上階まであとどんぐらいあんだよ?」

リリカ『落ち着きなさい、ひとまず貴方達は35階を目指すのよ、そこに生かしてる直通エレベーターがある』

リリカ『そこから最上階の一つ下の65階で合流しましょ』

セト「ああ…つかお前らどこにいんだよ?」

リリカ『コントロールルームよ、防火扉を下ろして父を逃がさないようにしているから安心して』

セト「分かった、じゃあな」ピッ

アヤメ「行く前に……ポケモン回復してあげる」ニッ

セト「ありがとな」フフッ

その後はオヴィナイトのパワーを温存させる為にも自分の足で35階まで向かった

しかしさっきまでと様子が違う。 全く社員がいないのだ

社内に残っている社員が少ない時間帯に来たせいなのか、はたまた……

嫌な予感はしていた。 そして35階でその予想は的中した
 ▼ 445 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/02 00:43:05 ID:u58IwdnE [4/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
〜35階〜

アヤメ「ハァ……なんなんだろうねこの…大した距離じゃないのに疲れてるの」ハァ…

セト「ストレスだろ、どこから社員どもが飛び出してくるか分かんねぇからな」

35階は今までの階とは構造が違っていた

だだっ広いホール、そしてその奥にある直通エレベーター

当然ここにも誰もいない、なんかこんな闘技場か何かを映画で見た気がするぜ…

アヤメ「講演会か会見でもする部屋なのかな?」キョロキョロ

ホールの外周には至る所に扉がある、コンテストを観に行ったホールもこんな感じだったな

セト「ま、それより無事でココまで来れてラッキーだぜ! じゃ、さっさと…プシュー…

エレベーターに乗ろう、その言葉はドアの開閉音により遮られた

???「リリカ様の社内クーデター、いつかは起こるものだと考えていたが…」

セト「アイツ…!」

アヤメ「ソフィルム…!」

ソフィルム「まさかその尖兵が御社らとは全くもって想定外だった」

赤いジャケットに身を包んだ鋭い目付きのビジネスマンが姿を現した
 ▼ 446 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/02 00:44:09 ID:u58IwdnE [5/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「俺も想定外だったぜ? テメェみてぇなヤツは残業しねぇと思ってた」ヘッ

そう簡単には行かせてくれねぇか

ソフィルム「フッ、私は基本ノー残主義なのだがね」フフン

ソフィルム「とあるプロジェクトのデッドラインが近くてね……本意では無いが残業をしていた」

ソフィルム「そこに御社らが現れた…」

アヤメ「お仕事のジャマしちゃってごめんなさいね、でも私たちにもしなきゃなんない仕事があるの」スチャ!

アヤメがボールを構える、その目はソフィルムに向けられていた

ソフィルム「フッ、ここまで好戦的だというのも想定外だな」フフフ…

ソフィルムは一瞬例の時計入りの靴を目にすると…

ソフィルム「しかし不測の事態に冷静にアジャイル出来てこそビジネスマンだ」パン…パン

薄ら笑いを浮かべ手を叩いた、すると途方も無い人数の社員たちが各扉から一斉に雪崩れ込んで来た
 ▼ 447 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/02 00:45:03 ID:u58IwdnE [6/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「オイオイ流石に多すぎだろ…!」ゲッ…

アヤメ「一体何人いるの!?」ジリ…

ソフィルム「少なく見積もって100人、社内に不審者と聞いて集めておいたが正解だったな」

セト「100人!? ふざけてんのかよ!?」

しかも一人にポケモン一匹とは限らねぇ……

アヤメ「けどやるしかないよ!」スチャチャ!

アヤメが追加のボールを手にする、……そうだよな

セト「……だよな、いいぜ、やってやる!」チャチャッ!

ぐるりと俺らを囲む100人の社員ども、面倒だが全員ブッ倒せばいい話だ!

一方…

ソフィルム「君ら! よく聞くがいい!」

ソフィルム「あの二人は相当な実力の持ち主だ…だが! 我らはポケモンバトルに精通したミロティックグループの社員である!」

ソフィルム「この戦いを日頃の鍛錬の成果を発揮する絶好のオポチュニティと捉えたまえ!」バッ!

社員たち「うぉー! チーフ! チーフ! よっしゃぁぁ! やるぞぉぉ!!」ウオォォォォ!!!

セト「やけに熱の入った演説だな」ヘッ!

アヤメ「ビジネスマンより応援団長の方が似合ってるかもね」

社員たちの熱が冷めやらぬ中

ソフィルム「それでは君らが私に良いエスカレをしてくれる事を期待していよう!」

ソフィルムはそう告げると、背後のエレベーターへと乗り込んだ
 ▼ 448 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/02 00:46:33 ID:u58IwdnE [7/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「! オイ! 逃げんじゃねぇ!」

アヤメ「セト! 今はアイツよりこの社員たちが先!」

セト「…そうだな」クッ!

待ってやがれよ!!コイツらをブチのめした後にテメェもブッ倒してやるからな!

……一旦落ち着けよ、俺

……よし

セト「なぁアヤメ、半々でやるか?」

アヤメ「うーん、確かにそれも良いけど…こういうのはどう?」

アヤメ「どっちが多くのポケモンを倒せるか競争する、どう?」ニッ

セト「ヘヘ…おもしれぇじゃねぇか、乗った!」

アヤメ「因みに負けたら罰金ね! あと私の手持ちセトより少ないから私は10からスタートだよ!」シュッ!

マリルリ「りるるっ!」ポォン!

トゲチック「トチチッ!」ポォン!

マニューラ「にゅしゃっ!」ポォン!

セト「はぁっ!? それは聞いてねぇぞ!」ブンッ!

ピクシー「クルッピィ!」ポォン!

セドゥーム「グォォォン!」ポォン!

アヤメ「えへへ! ちゃんと聞かずに乗ったセトが悪いんだ!」ヘヘ

セト「そーかよ、でも良いぜ、すぐに追い越してやるからよ!」バッ!

2vs100、9vs未知数、5vs4の前代未聞のバトルの開始を知らせる号砲が鳴った
 ▼ 449 カマル@がくしゅうそうち 20/11/02 01:17:04 ID:igREf/0s NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 450 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/09 00:53:07 ID:HhaUtpiU [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
社員「うおっ……やれ! やれぇーッ!」

ポリゴンの放つ『シグナルビーム』を『でんこうせっか』の速度で回避、そのまま接近し凍れる鉤爪を突き刺すマニューラ

『ひかりのかべ』を展開するトゲチックに、地に倒したバリヤードをサーフボード代わりに『なみのり』を繰り出し、迫りくる敵を一掃するマリルリ

『ムーンフォース』と『あくのはどう』、相対するエネルギーで目に映るものを片っ端から破壊していくピクシーとセドゥーム

トサキント「トヴッ!!」ジュッ!

社員T「わぁっ!」ドテッ

セト「なぁ何匹倒した? 『サイコキネシス!』」

ピクシー「ピィィィ…! ヒャッ!」バッ!

ピクシーの念により天井照明が割れ、敵にガラスの雨が降り注ぐ

アヤメ「今の『スピードスター』で21匹! そっちは!?」
 ▼ 451 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/09 00:53:55 ID:HhaUtpiU [2/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「17! ハンデはどうしたぁ!?」シュシュッ!

アブリボン「りぶりりぃ!」ポポポ…

サンド「どさぁ!?」ドゴォン!

サクラビス「びぉぉん!」ズドォン!

アヤメ「マイナス10してるの! 『さじんのベール!』」シュッ!

カラカレナ「カルルゥン!」ギュオォォン

カラカレナの咆哮によりホール中に砂嵐が吹き荒れ、新たな障壁が敵の攻撃を阻む

社員V「やれ! フーディン! 『エナジーボール!』」

フーディン「フディィィ!」ドドドヒュン!

プシュン…プシュン…

社員V「くそっ! シールドが硬くて破れない! こうなったら…」グヌヌ…

社員J「『はかいこうせん』だヨ! 「おいバカ! 室内だぞ!」

フーディン「ディディディ…!」ギュィィィィン…!!!

アヤメ「! アイツ何やってんの!? 室内で『はかいこうせん』を…しかもフーディンが撃つなんて!」

セト「ヘッ! 撃ちてぇなら派手に撃たせてやりな!」チッ!

アヤメ「ちょっと冗談も……なるほどね」フフン
 ▼ 452 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/09 00:54:39 ID:HhaUtpiU [3/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
社員J「なんでヨ! 強い技ならシールドを破れるかもじゃんか!」

社員V「バカ、そう言う問題じゃないんだ!」

フーディン「ディン!」キュイン!

社員J「ア! でもチャージ完了みたいヨ! ってー!!」ビッ!

発射命令を下す、しかしその砲口は侵入者に向けられていなかった

社員V「伏せろっ!」ガバッ!

ピロロロロロロロロロ!!!!

ミニリュウ「ギュゥン!」ジュワッ!

ハンテール「は…」ジュ!

社員O「て、天井が崩れるぞォォ!!」

パァン! ギゴゴゴゴォン!!

社員C「わぁーっ!」ブワッ!

サンドパン「どばっ!」ゴロゴロ…

気でも触れたかのように味方に破壊の限りを尽くすフーディン、しかしそれには訳があった

クチート「ちぇっ! ちぇらっ!」ポカ!ポカッ!

フーディン「ディオン? デフフゥ!?」ピヨピヨ

セト「『ふいうち』からの『あそびたおす』、マジで大混乱状態だな」ヘヘッ!

アヤメ「……カウントしてないからノーカンね! 『アクアジェット!』」
 ▼ 453 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/09 00:55:17 ID:HhaUtpiU [4/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「おいちょっ…数えてるって!」シュッ!

オヴィナイト「オヴォローン!」ポォン!

社員X「カイロス! 『シザークロス』だ!」

カイロス「ちゃきちゃき!」シャシャッ!

セト「なんかこれまでのヤツよか強そうだな! でもコイツは真っ二つにできるかな!」バッ!

オヴィナイト「ヴァッ!」ガシッ!

オヴィナイトは殻に閉じ籠っているパールルを掴み……

セト「『なげつける』だ!」

オヴィナイト「ナヴァッ!」ブォッ!

大バサミを開いて突進するカイロスに向けて投げつけた

カイロス「ちゃかっ!」ガシッ!

パールル「るぱぁっ!?」カパァ!

社員Y「ちょっと! うちのパルちゃんびっくりしちゃったじゃない!」

社員X「え!? …す、すみません先輩……」

今の内に!
 ▼ 454 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/09 00:56:11 ID:HhaUtpiU [5/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「『つばめがえし!』二匹まとめてブッタ斬りなぁ!!」

オヴィナイト「ヴォルリィィ!」ヒョヴァヴァッ!

右足での斬り上げ、そして左手の爪の切り下げ。 瞬く間に二匹は地に伏した

セト「おっとセト選手2ポイントゲット! 逆転なるか!?」

アヤメ「残念! マリルリの『なみのり』でスリーポイントだよ!」フフン

セト「やんじゃねぇか…」ヘヘ…

それから両者幾度もポケモンへ指示を送った、しかし一向に敵が絶える様子がない

セト「『あくのはどう!』 これで63! いくらいんだよ…」ゼェ…ハァ…

アヤメ「『じゃれつく』だ! ……61! ハンデ抜きでだよ!」ハァ…ハァ…

社員H「はやくげんきのかたまりを持って来い! 3個だ!」

アヤメ「そうだとは思ってたけど…やっぱり回復してるんだ…!」

セト「クソ! 実質無限湧きじゃねぇか!」

焦りと苛立ちがひしひしと心を蝕む中、それは起こった

社員F「サンドパン! 『ミサイルばり!』」

サンドパン「ドドッ!」パシュパシュッ!

サンドパンの放った『ミサイルばり』、その標的はポケモンではなかった

セト「『メタルクロー!』『かふんだんご』で一旦味方を回復しろ!」

アヤメ「!」ハッ!

最初に気付いたのはアヤメだった、そして……

アヤメ「危ないっ!!」ドカッ!

セト「へっ…」グラッ…

アヤメ「うっ!!」バシュッ!シュッ!

最初に傷付いたのもアヤメだった
 ▼ 455 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/09 00:56:50 ID:HhaUtpiU [6/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「アヤメ!!!!」

右腕が!!!

まずは驚きと哀れみが心を満たした、そしてすぐさま…

灼熱を伴った怒りが支配した

セト「ピクシー! セドゥーム! 『はかいこうせん』だ!!!! 全部ブチ壊せ!!!!」

社員F「なっ…ちょっと待っ…わぁぁっ!」ボシュゥゥン!!

サンドパン「ピャーッ!!!」ジュワッ!

ようせいポケモンとストゥムポケモンの最大出力の『はかいこうせん』により、35階は正に地獄と化した

アズマオウ「おわぁぁ!!!」バジュウ!

社員U「助けてぇぇぇぇ!!!」ボフゥゥン!!

マネネ「ネェ…ネェェ!!」ベジュッ!

〜コントロールルーム〜

ヴォーン! ヴォーン!

リリカ「警報? 何の警報かしら?」

リリカ派社員A「リリカ様、35階で異常事態発生!」

リリカ「防犯カメラが生きてるなら映像を送りなさい」

リリカ派社員B「一つ生きてました!」ピッ!

途端にリリカの頰は真っ青に染まり、思わず口を手で覆った

リリカ「嘘でしょ……」
 ▼ 456 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/09 00:57:54 ID:HhaUtpiU [7/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ドガァァァン! メキメキ…

社員M「さっさと逃げろ! こっちだ!」

ハンテール「ハルルゥ!」

社員Q「置いてかないでぇぇぇ!!」ドォン!

サクラビス「ビィィィ!!」ビシュン!

敵であれば誰これ構わず怒りの餌食となった、容赦ない光線が丸腰の敵を蹂躙し、焦土を形作ってゆく

近隣住民A「なんだアレ?」

近隣住民B「まさかテロ?」

近隣住民C「ママ……怖いよ」ブルブル…

近隣住民D「大丈夫、ママがついてるから。 パパもきっと大丈夫だよ」

ピシュゥン! ズゥン!

アヤメ「ぅうう……あぁ…」ヨロッ…

痛みにようやくある程度慣れた、閉じていた目を開けると、そこには信じがたい光景が広がっていた

サンド「ど! どど…」ジュン!

社員J「ひぇぇぇ!」ドタバタ

燃え盛るホールを逃げ惑う社員やポケモン達、そして無防備の彼らを情け容赦なく破壊し尽くす光線

その元を辿るとピクシーとセドゥーム、そしてこちらに背を向けて立っているのは……

右腕の傷より心が痛くなった

アヤメ「……そんな」
 ▼ 457 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/09 01:00:39 ID:HhaUtpiU [8/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
〜ジョウト地方 コガネシティ 鳳炎会本部〜

キリシマ「親父…」スッ…

キリシマがカズラに端末を手渡す、しかしその表情は深刻だ

カズラ「……復讐とは人間の最も恐ろしく、哀しい部分かもしれんの」

それだけ言うと、カズラは端末の電源を切った

ボゥ…パァン! ゴォォ…!

アヤメ「……止めさせなきゃ」

これ以上好きにさせるとセトの存在がどこか遠いものになってしまいそうだった

アヤメ「うぅ…」ヨロッ…

真っ赤に濡れた右腕を押さえながら立ち上がり、まだ手の届きそうな背中に近づく

目頭が自然と熱くなってきた

もう……

そのまま寄りかかる。 首に硬い肩を感じた

アヤメ「もういいよ……お願い、戻って来て」

いつもの怒りっぽい、すぐに調子に乗るけど優しいセトに戻って来て

パーカーの肩が涙で滲みる

涙は怒りの塗料を徐々に剥がしていった

他者の涙という剥離剤があるだけ、セトは幸せ者だった

もしもアヤメが動けなかった場合を想像するのは難くない
 ▼ 458 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/09 01:01:23 ID:HhaUtpiU [9/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「……やめろ」

その瞬間、自らの作り出した地獄が視覚情報を全て乗っ取り、唖然とする

ホールのあちこちに未だ上がる火の手、気を失い倒れている社員らに、恐怖に顔を歪めたまま瀕死状態に陥ったポケモン達

天井も殆ど崩壊し、壁は薙ぎ払われ、その奥の控え室の窓からは風雨が吹き込んでいた

俺はそのまま視線を足元に下ろそうとしたが、許されなかった

セドゥーム『急ぎ女の手当をせよ!』

セト「! アヤメっ!!」

アヤメ「…大丈夫だから…」ウゥ…

でも手当って…!

セドゥーム『その帽子で傷口を圧迫するのだ! 少しは良くなる!』

くくりゃいいんだな? でもあそこに転がってる社員どもは…

セドゥーム『気にするでない! 今は女を優先せよ!』

セドゥーム『我らが本気を出せばあのような奴等など骨も残っておらぬわ!』

セト「…わかってるって!」スポッ! ビリッ!

セト「アヤメ! 腕出せ!」バッ!

結構お気に入りだったけど…そんな事はどうでもいい!

セト「ちょっと痛いけど我慢しろよ…」グルグル…

アヤメ「あぁっ!」キャッ!

本当に酷い傷だ……二発の『ミサイルばり』で深々と…

セト「よし、これで応急処置はできた筈」ギュッ!

包帯代わりのニット帽、不安ではあるけど何にもしないよりかは100倍マシな筈だ
 ▼ 459 レッグル@アクアスーツ 20/11/14 20:55:40 ID:/bH2fn3s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 460 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/24 00:08:00 ID:6PPEBEv6 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アヤメ「……ありがとう」

アヤメの目は依然として涙をたたえている

セト「……悪りぃな、変なトコ見せちまって……こっちこそ止めてくれてありがとう」

ここまでするように指示したと言う事実が信じられない

アヤメ「…ううん、それより行こ? …ここにいたくないの」

……

セト「わかった、じゃ行こうぜ」

アヤメ「…ありがとう」

……

この壁はなんなんだろう?

ポケモナーの人間とそうでない人間との隔たり?

そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない

少なくとも今の私にはわからない

でも確かに感じる

傷を癒してくれたのに、近くなった筈なのに、だんだんと遠くなってゆく彼を

……結局私は何も変わっちゃいない
 ▼ 461 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/24 00:08:48 ID:6PPEBEv6 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
なんとか難を免れた直通エレベーターに歩き始めた時、エレベーターのドアが開いた

プシュー…

セト「ソフィルム…!」

アヤメ「……」

ソフィルム「……」

ソフィルムは35階の惨状を見回した後

ソフィルム「まさか御社がこれ程の…破壊的な実力を秘めていたとは」

ソフィルム「弊社も驚きを隠せない」

セトの目をまっすぐ見つめてそう言い放った

セト「そんな御託はいい…」

セト「その先にモウセンがいるんだろ? どけよ」

このエレベーターに乗って65階のリリカと合流、その上の最上階にヤツはいる
 ▼ 462 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/24 00:10:05 ID:6PPEBEv6 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「それに65階で俺らを待ってるヤツがいるんだ、女を待たせるモンじゃねぇだろ?」フン…

ソフィルム「誠に遺憾ですが、御社のご要望には添いかねます」ビッ!…スチャッ

例のホルダーからボールを外し、手に握る

セト「そういうワケか」スチャ…

ソフィルム「ご理解がお早い……残念だが御社とのネゴシエーションもこれまでのようだ」

ソフィルム「弊社の存続の為、少々荒い手を用いるしかない」シュッ!

ミロ社C.Mの ソフィルムが 勝負を しかけてきた!

サーナイト「ハッ!」ホワァン…

セト「やってやりなオヴィナイト!」シュッ!

オヴィナイト「ヴァルリィ!」ポォン!

アヤメ「始まった…」ズキズキ…

戦闘! ミロティックグループ
https://soundcloud.com/q5avuwfjq2pq/vs-milotic-group
 ▼ 463 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/24 00:10:56 ID:6PPEBEv6 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
まずはサーナイトが変な変化技を使う前に『ちょうはつ』で封じる!

セト「『ちょうはつ!』 そのまま『アイアンテール』だ!」

そして怒りで我を忘れている内に手痛い攻撃を叩き込んでやるぜ!

オヴィナイト「ヴフッ…」フンッ…

サーナイト「……」

決まった! このまま…!

サーナイト「!」バチュッ!

オヴィナイトが『アイアンテール』の体勢に移った瞬間、サーナイトの指先から電流が放たれた

オヴィナイト「ルヴォルン!?」バチチッ!

ダメージはねえみてぇだ、でも……

オヴィナイト「ヴヴ…!」ビリビリ!

セト「麻痺…『でんじは』だと!?」

アヤメ「そんな…『ちょうはつ』を受けた筈なのに…」ウゥ…

ソフィルム「ふっ…サポートをメインに据えたサーナイトにとって『ちょうはつ』はアジェンダだった」

ソフィルム「ソリューションとしてメンタルハーブを導入したが……正解だったようだ」フフン…

サーナイト「フ……」フォワ…

確かに煙に混じってなんかいい感じの香りがするな……
 ▼ 464 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/24 00:11:44 ID:6PPEBEv6 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「だが2回目はねぇぞ! もう一回『ちょうはつ』だ!」バッ!

道連れにされんのはもうゴメンだ!

ソフィルム「『ふういん』、リスクは完全に取り除かせて貰おうか」

…! マズイ! オヴィナイトは麻痺で素早さが下がってるから……

サーナイト「ハッ!」ビッ!

オヴィナイト「ヴッ!」バシュィィン!

オヴィナイトの背中に封印の紋章が刻まれる、そしてそのまま繰り出そうとした技が封じられた

ソフィルム「ふっ、これは奇遇ですね、どうやら弊社のサーナイトも同じ技を覚えていたようで」フフン

クソ…こうなりゃ一気に倒すしかねぇ

一か八かだ!

セト「『もろはのずつき!!』 一撃で倒しきりなァ!!」

オヴィナイト「ヴォォ!」ジュゥ…

そうは言ったものの、オヴィナイトの目が黒く変色…『くろいまなざし』を受けてしまった

こうなりゃ引く事は出来ねぇ、この一撃で決めてやるぜ!

オヴィナイト「ナヴォォォ!!!」ドドドッ!!

狂気的な脚力が生み出した『もろはのずつき』、その速度には麻痺の影響を感じられない
 ▼ 465 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/24 00:12:30 ID:6PPEBEv6 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
オヴィナイトのトサカがサーナイトを粉砕する寸前……

ソフィルム「『おきみやげ』だ」

サーナイト「シャヴァ…」ヘナ…

サーナイトが膝から倒れ込んだ、しかしセトの目は見逃さなかった

サーナイトから抜け出た怨念がオヴィナイトを侵食するのを

セト「…!? 何しやがった!」

ソフィルム「『おきみやげ』ですよ、それ以上でも以下でもない」シュゥゥン…

一体何を…ってヤベェ!

セト「オヴィナイト! 止まれ!!」

衝突する相手を失ったオヴィナイトはそのまま突進を続けている

『もろはのずつき』クラスの技になると急停止できない、しかし問題はそこではない

オヴィナイトの先には直通エレベーターがあるのだ

もし猛進を続けエレベーターに衝突すれば……

オヴィナイト「ヴァァァ!!!」ズドォッ!!

バチィィン!! パシュゥ…

セト「なんてこった…」

エレベーターの破壊に茫然とするセトを尻目にソフィルムは次なるポケモンを繰り出し、矢継ぎ早に指示を下す

ソフィルム「このオポチュニティに逃すな! あのハクリューに『きせい』し『かえんほうしゃ!』」シュッ!

パラメイト「キャシャシャァ!」ポォン! シュルン!

ハクリュー?「ほキキり…」ムク…

アヤメ「まさか…」

倒れた筈のハクリューが異形の力により再び頭を上げる

瓦礫にまみれ、火の手の上がる混沌としたフロアで横たわる多くのポケモンたち

その後に引き起こる悪夢を予感していたのはアヤメしかいなかった
 ▼ 466 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/29 00:42:39 ID:0kZg/XJU [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハクリュー?「キふぅッ!」ボシュゥゥ!

セト「オヴィナイト! 後ろだ!」

しかし壊れたエレベーターに頭を突っ込んだままのオヴィナイトの様子がおかしい

オヴィナイト「ヴゥィ…」ビリリ…

まさかここに来て痺れちまったのか!?

このままじゃ……

オヴィナイト「ヴォルウォーッ!!」ボオォォォ!

クソッ! このまま動けねぇ状態で燃やされ続けりゃ……ん?

ジュゥ……ガタン!

『かえんほうしゃ』でエレベーターが溶けてやがる

……って事はワンチャン脱出できるかもしれねぇ!

パラメイトの宿主はドラゴンタイプのハクリュー、『ふいうち』で脱出してから『じゃれつく』で決めてやる!

ソフィルム「もっと火力をアップしろ、ここで決めきる!」バッ!

ハクリュー?「キふルゥ…!」ゴオッ!

来たな!
 ▼ 467 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/29 00:43:28 ID:0kZg/XJU [2/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「チッ! 動けねぇ相手によ…情けなくねぇのか!?」チッ!

オヴィナイト「!」ハッ!

ソフィルム「はっ! どの口が言う! ……消えた? …後ろだッ!」バッ!

ハクリュー?「キギョわッ!?」サッ!

ハクリューが振り返させられた時には既に遅かった

セト「今だッ! 『じゃれつく!』」

オヴィナイト「ヴリリィッ!!」ヒュヴァッ!

激しい怒りを込めた鉤爪と牙による『じゃれつき』の相手になっていたのだから

オヴィナイトの高い攻撃力を持ってすれば、弱点であるフェアリータイプを突かれたハクリューは一撃で倒せる。 セトはそう思いこの指示を出した

しかし、それはオヴィナイトの元々の攻撃力をもっての話であった

オヴィナイト「ルヴァッ!」シュパッ!

フィニッシュの一閃を決める、全ての攻撃をまともに受けたハクリューが無事でいられる筈もなく……

セト「やったか!?」

ソフィルム「ふっ…どうやら御社のプランには一つ重要なファクターが欠けていたようだ」

ハクリュー?「メギギギ…!」グニャァ…

その言葉と同時に傷だらけのハクリューが起き上げさせられた
 ▼ 468 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/29 00:44:20 ID:0kZg/XJU [3/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
オヴィナイト「ヴッ…!?」ゾッ…

セト「どうなってんだよそのハクリュー…!」

ソフィルム「その様子だと完全に『おきみやげ』を失念しているようだな」

セト「あの時の…!」ハッ!

サーナイトから湧いてたいかにも怨念みたいなヤツ……あの効果か!?

ソフィルム「その通り、アレには自らが戦闘不能になる代わりに相手の物理・特殊攻撃力を大幅に下げる効果がある」

ソフィルム「かなりリスクの高い技ではあるが、今回は素晴らしいリターンを得られたようだ」フフン…

アヤメ「自分のポケモンに自ら倒れるよう指示するなんて…!」

ソフィルム「ふん、君からの何の生産性もないクレームは後にして貰おうか」フン!

アヤメ「本っ当にムカつく男ね…」

『おきみやげ』の効果でオヴィナイトの攻撃力が下がってたのか…だから決め切れなかった

ソフィルム「しかし…」

セト「?」

ソフィルム「このハクリューで戦い続けるのももう限界だろう、乗り換えをしなくてはな」

乗り換え?

その言葉を聞き、セトは自分が途方もなく不利なフィールドで戦っている事に気付いた

セト「テメェまさか……!」

ソフィルム「そう、その『まさか』だ」パチン!
 ▼ 469 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/29 00:45:28 ID:0kZg/XJU [4/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
指を鳴らす音と同時にハクリューが倒れる、そして……

サンドパン?「どキャキャア!!」シャッ!

オヴィナイト「ゥッ!?」ズムッ!

死角からサンドパンが飛び掛かり、虚を突かれたオヴィナイトは地に伏した

セト「オヴィナイト! なんてヤツだ…」シュゥゥン…

間違いねぇ! アイツはパラメイトの宿主をコロコロ変えて戦うつもりだ!

しかもここには沢山のポケモンが倒れてる……乗り換え放題じゃねぇか!

セト「テメェの部下のポケモンだろ! そんな使い捨てみてぇに扱っていいのかよ!?」

ソフィルム「社員である以上は労働力に過ぎない! それをどう使うかの決定権はチーフマネージャーの私にある!!」

セト「クソ野郎が!!」ブンッ!

ピクシー「ピャァッ!」バシュゥン!

ソフィルム「! 『ころがる』で右に回避! そのまま攻撃に繋げろ!」ビッ!

サンドパン「どさキャん!」ゴロロッ!

飛び出し際の『れいとうビーム』を転がって回避したサンドパン、そのまま勢いを増してピクシーへと突撃する
 ▼ 470 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/29 00:46:19 ID:0kZg/XJU [5/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「『サイコキネシス』で受け止めろ!」

ピクシー「…ンンッ!」ギュィィ!

高速で回転するサンドパンを念力で停止させ、宙へと浮かび上がらせる、続けざまに…

セト「ブッ飛ばしてやりな!」バッ!

ピクシー「ッピィ!」ブォッ!

念力でサンドパンを再び回転させ、割れた窓へとそのエネルギーを解き放つが

ソフィルム「見え透いている!」パチン!

パラメイト「キシシー!」パチュッ!

既の所で寄生者は宿主から飛び出し、高速回転したままのサンドパンのみが窓枠の外の闇へと消えて行った

セト「クソッ!」キッ!

ソフィルム「いいか! ビジネスマンなる者は会社を守る為に人間を捨てる覚悟をしているのだよ!!」バッ!

フーディン?「デキュキュウ!!」ビィィィン!!!

セト「ヘッ! 守れるモンなら守ってみせろよバケモンが!!」バッ!

ピクシー「キュピィィィ!!」ドシュゥ!!!

『サイコキネシス』と『ムーンフォース』のエネルギーが相殺される、しかし両者ともその隙を逃さず

セト「『シャドーボール!』」

ソフィルム「『テレポート』で回避しろ!」

ピクシー「ピュゥ!」ブォブォッ…

ピクシーから放たれた『シャドーボール』、しかしフーディンはこれを『テレポート』で回避。 扉の一つに炸裂した

フーディン?「フギン!」シュヴォッ!

セト「クソッ! コレじゃ埒があかねぇ!」クッ!
 ▼ 471 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/29 00:48:00 ID:0kZg/XJU [6/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
バトルが激化していく一方、アヤメはある記憶を探っていた

アイツと前戦った時、パラメイトの『きせい』について何か言ってなかったっけ……

アヤメ「……」ウウン…

必死に昨日の記憶を辿り、その断片を掴む

ソフィルム『戦闘不能となった相手ポケモンをターゲットに据えた技でね…』

ソフィルム『文字通りそのポケモンに寄生し乗っ取るのだ』

アヤメ「!」

そうだ! 戦闘不能になったポケモンにしか効果がないんだ!

それなら簡単、ここに倒れてるポケモン達を元気にさせれば…!

そこでもう一つの断片が手に吸い寄せられた

社員H『はやくげんきのかたまりを持って来い! 3個だ!』

そう言えば社員達はげんきのかたまりを何個も使って粘ってた……それなら近くに余ってるのがあるハズ!

アヤメは周囲を見渡した、すると暗い煙の中にげんきのかたまり特有の輝きが目に付いた

『シャドーボール』で壊れた扉、倉庫だったんだ!

アヤメ「今のうちにやらないと…!」グッ…!

ソフィルムがバトルに熱中してる間に! それに敵のポケモンに自分の持ってるのをあげる義理なんてないんだから!
 ▼ 472 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/29 00:48:40 ID:0kZg/XJU [7/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
フーディン?「ギフフ…」ブゥゥン…

念力によりフーディンの身体の3倍近くある瓦礫が3つ浮かび上がり…

ソフィルム「やれ!」ビッ!

ピクシー「ピィ…!」ジリ…

フーディン?「キャシャッ!」バッ!

ピクシーへと高速で放たれる

セト「『ちいさくなる』でよけろッ!」

これに対しセトは『ちいさくなる』を指示、しかしピクシーはこれを無視し…

ピクシー「ピヘッ」ヘッ!

不敵な笑みを浮かべた後、ジャンプして迫り来る瓦礫へと飛び込んでいった

セト「ピクシーなにして……いいぜそのままやってやりな!!」ヘッ!

ソフィルム「無謀な…リスキーすぎる!」

ピクシー「ピャァッ!」ダダダッ!

ピクシーは『じゅうりょく』で自身の周りの重力を操作しながら瓦礫をあたかも地面のように走りだした
 ▼ 473 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/29 00:49:24 ID:0kZg/XJU [8/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ソフィルム「馬鹿なっ……!」グッ…!

ひとつの瓦礫が途絶えるともうひとつの瓦礫に飛び移り、駆ける。 みるみる内に両者の距離は狭まり……

ピクシー「リピャァッ!」ヴォヴォッ!

フーディン?「デュキィィィン!!」ズドン! ボシュン!

至近距離からの『シャドーボール』がフーディンに叩き込まれた

セト「っしゃあ! やったなピクシー! めっちゃカッコよかったぜ!!」

ピクシー「ピヒン」フフン

これでパラメイト本体ごとブッ倒せたか…?

しかしセトの抱いた希望とは裏腹に……

フーディン?「フギギギギギ…!」ヨロッ…

マジかよ! ギリで耐えてやがったか!

このまま放っておいたらまた別のポケモンに宿主を移されちまう!

ソフィルム「もうフーディンも限界だな……あそこのハンテールに『きせ…何だと!?」ビクッ!

何だ? …ってなんで!

ハンテール「はしゃっ!」ガチガチ!

倒れてた筈のハンテールが元気になってんだよ!?

ソフィルム「ハンテールの他にもいるだと…!? 一体何が…貴様ァァ!!」カッ!

突然ソフィルムが声を荒げた、その怒りを孕んだ視線の先には

セト「アヤメ!!?」

アヤメ「ハァ……アンタもそんな声上げる時あるんだ、全然イメージにないけどね」スッ…

ポリゴン「ポリポリィ〜」ワーイ!
 ▼ 474 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/29 00:50:26 ID:0kZg/XJU [9/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アヤメがポリゴンにげんきのかたまりをあげてる……まさか倒れてたポケモンが復活してるのって!

ソフィルム「何故貴様のような無能が私のプランを! 予定を狂わせるのだ!!」

アヤメ「パラメイトの『きせい』は相手が戦闘不能状態じゃないと機能しない。 アンタのその口で言ってたよ」

アヤメ「だからこの子たちが寄生されないように復活させてあげたワケ、私アンタみたいな男はムリなの」

ソフィルム「ぐぅぅ…!」イライラ…!

…! ソフィルムが冷静さを欠いた今なら!

セト「今だ! 『シャドー…「『はかいこうせん!!!』」

俺は瞬時に理解した

この『はかいこうせん』はピクシーに向けてのものではない

そして即座に口を動かす

セト「逃げろアヤメ!! コイツの狙いはお前だ!!!」
 ▼ 475 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/11/29 00:50:56 ID:0kZg/XJU [10/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アヤメ「えっ…」

ポリゴン「リポ?」

フーディンの方を振り返った時には、あの十字光が見えた

ピロロロロロロロロロ!!!!

光線の着弾と共に大量の煙が上がり、絶叫がフロア内に響き渡る

……しかしその絶叫は人間のものではなかった

やがて煙が消え、その全貌が明らかになる

そこにあったのは焼け焦げたアヤメやポリゴンではなく

ピクシー「……!」グギギ…!

仁王立ちのピクシーだった

セト「ピクシー…」

アヤメ「え…」

まさかピクシー、アヤメを庇って……

ボロボロになりながらも目を見開き、踏ん張っていたピクシー。 しかしその瞼は段々と下がり……

ピクシー「……ピ」

仁王立ちのまま戦闘不能へと陥った

アヤメ「そんな…!」

セト「お前……」

様々な感情が織り交ざる中、ポケットのピクシーのボールに手をかけた時だった


パチュン!


その音と共に何かが目の前を横切った
 ▼ 476 ェルダー@いんせきのかけら 20/11/29 01:10:13 ID:RaLM.LJo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いつみても話の回し方が上手で見ごたえがある…スゲェ
[ 支援 ]
 ▼ 477 ッピクアブリボン◆t5coSzC22o 20/11/29 02:06:56 ID:.dCQBTO. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今回、予想を遥かに越えてて何度も声に出して驚きました
あっぱれです
しえん
 ▼ 478 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/07 00:35:24 ID:KJicAUYI [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『何か』、もう隠さずとも何が起きたか分かるだろう

そう。 最悪の出来事だ

ピクシー?「…!」ギョロッ!

ピクシーの閉じていた瞼が開く。 いや開かされる

ピクシー「ピケキキ…」ゴォッ…

そして鳴き声に不協和音が混ざる

言うまでも無い。 ピクシーはパラメイトに『きせい』されたのだ

アヤメ「そんな……私のせいだ……」アァ…

ソフィルム「あぁ……やっと手に入れた…」ハハハ…

ソフィルム「最強のコンソールを!」ギン!

この視界に入る出来事を事実としたくない、したくない!

ウソだ…ウソだ…!

セト「ウソだーー!!!!!」ブォッ!

セドゥーム「ヴォルムーン!!」ボワッ!!

ボールから飛び出すと共に『あくのはどう』を放ったセドゥーム

しかし怒りからか波動の狙いは定まらず、壁を破壊し、特性によりフロアが闇に包まれただけだった
 ▼ 479 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/07 00:35:54 ID:KJicAUYI [2/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セドゥーム「ムヴォン! (ピクシー!何をしている!?)」

ピクシー?「……」ピッ…

ピクシーは右手をセドゥームに突き出し……

ソフィルム「いいぞ"ピクシー"、『ムーンフォース』だ」

ピクシー「ギピィ!」バシュン!

いつもと同じ月のエネルギーをセドゥームに対し発射した

セドゥーム「ム…!」

セト「『じんつうりき』で瓦礫を盾にしろ!」バッ!

セドゥーム「…! ドゥ!」ブォン…

呆然としていたセドゥームは『ムーンフォース』が命中する寸前に瓦礫を念で盾とした

セト「ソフィルム…テメェ…!」

最も恐れ、信じたくない事態、けどピクシーを解放する為にも今は受け入れねぇと!

そして一刻も早くピクシーをパラメイトから解放してやる!
 ▼ 480 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/07 00:36:57 ID:KJicAUYI [3/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ソフィルム「ははは…どうだ…御社にとってこの『きせい』はクリティカルに違いないだろう!」

ピクシー?「……」

クソ…!

セドゥーム『セト、いいか?』

突然のテレパシー、セドゥーム…お前も辛いだろうよ……

セト「なんだ?」ボソッ

セドゥーム『このピクシーとの決闘……我に任せてはくれぬか?』

セト「えっ…?」

ソレって全部……セドゥームに任せるって事かよ?

セドゥーム『無謀とでも言うがいい、だがな、これだけは約束しよう』

セドゥーム『必ず奴をパラメイトの手から取り返すと』

セト「……!」

そうだよな、コイツとピクシーって実質兄弟みてぇなモンだし……けどお前だけじゃ…

セドゥーム『同じ日に拾われ、同じ主人に仕えた……そのような弟を取り返す…』

セドゥーム『それが兄である我の役目だ!』カッ!

分かってる、お前の気持ちは痛いぐらいによ……でも…!

イトラン『ポケモンを信じてみなよ』

エイタ『貴様は本当にそのスキュリークを信じきれているのか?』

懐かしい言葉が脳内をよぎった後、再びセドゥームの目を見る

そこには色こそは違えど、俺と同じ眼があった
 ▼ 481 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/07 00:38:12 ID:KJicAUYI [4/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
……ヘヘ だよな、気持ちは俺と同じ、間違いねぇ

セト「分かった、行ってこいよ兄貴」

セドゥーム『…』

セト「お前を信じてる」

セドゥーム「フン…」フッ…

微笑を浮かべた後、弟に向き合い、二本の杖を宙に浮かせる

セドゥーム「シャドゥル(お前を取り戻しに来た)」ブォン…

ピクシー?「…!」

ソフィルム「勝手に攻撃態勢に入ったか……御社のOJTは上手くいっていないようだな」フン…

セト「悪りぃが俺のポケモン達は我が強えヤツが多くてな」ヘッ

セト「テメェみてぇな社会のギアルの社畜とは訳が違うんだ」

ソフィルム「社畜だと……! …フン、だがそのような事を言えるのも今の内だ!」バッ!

ソフィルムが右腕を突き出す、攻撃のハンドサインだが……ピクシーは左手をソフィルムに突き出した

ピクシー?「……」

ソフィルム「何だと? まさか本体が…」

『きせい』した筈のピクシーの反逆。 何故このようなイレギュラーが起こっているのか、ソフィルムは思い出した

『きせい』を何度も繰り返した為のパラメイト本体の疲労……そのせいで完全な支配が行き届いていないのだ
 ▼ 482 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/07 00:39:05 ID:KJicAUYI [5/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セドゥーム「セドゥル…(やる気か)」

ピクシー「キュピピィ!(お前が全て失うよう仕向けた!)」ビッ!

ソフィルムからセドゥームへ、その指先には既にエネルギーが先走っていた

セドゥーム「ドフン! ルルル…(途方も無い誤解をさせられているようだな)」

ピクシー「ビャッ!(黙れッ!)」バヒュゥ!

怒りと共に放たれた『ムーンフォース』、しかし同じ月の力により相殺される

セドゥーム『弟よ……少々荒い起こし方をするが、勘弁してくれ』ギュゥゥ…

ピクシー「ピギュィィ…!」ギュゥゥ…

そして再び相殺する同じ色の光弾、本来は決して激突する事のない光だった
 ▼ 483 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/07 00:40:05 ID:KJicAUYI [6/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ピクシー「ビャル!」ボシュボシュッ!

『シャドーボール』は闇夜の空間の中、妖しく煌めき

セドゥーム「ドォォ!」ボワボワッ!!

『あくのはどう』がドス黒くフロアを浸食し

ピクシー「ピャァァ!」ゴォォォォ!!!

セドゥーム「ドゥォン!」ゴォォォォ!!!

二つの『かえんほうしゃ』が闇の蚊帳を焦がす

ズズズ…

ピクシー「!」

セドゥーム「!」

その衝撃で天井が崩れようものなら

ピクシー「ピワワワッ!」ギュィィィ…!

セドゥーム「ヌグッ…!」キーン!

『サイコキネシス』と『じんつうりき』の膨大なサイコパワーが拮抗し……

バァァァン!!!!

空中で瓦礫が爆散。 両者その隙を見逃さず
 ▼ 484 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/07 00:40:32 ID:KJicAUYI [7/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ピクシー「クピパッ!」バァッ!

『とびはねる』の大ジャンプで急接近するピクシー

セドゥーム「ドゥシャッ!」ジャラララ!

それに対し『さしおさえ』の鎖で拘束を図ろうとしたセドゥーム。 しかし鎖は空を切るのみであり

ピクシー「ピィヤアッ!」ズドン!

セドゥーム「グブッ!」ズシャッ!

高高度からの40キロの弾丸を直に受けてしまう

ピクシー「ピィッ!」ブォッ!

ピクシーが倒れたセドゥームにトドメの『ムーンフォース』を繰り出す為、大きく振りかぶる

セドゥーム「ドゥ!」ハッ!

しかしセドゥームをそう容易く倒せる筈はなく

セドゥーム「デェア!」ゲシッ!

ピクシー「ピギッ!」ブワッ!

『だましうち』を繰り出し、ピクシーを吹き飛ばす

ピクシー「ピッ!」パシッ!

そして受け身を取ったピクシーに間髪入れず襲い掛かるは、二本の杖と尻尾から放たれた『トライアタック』

ピクシー「…キュピィ!」ピシャァ!

三方向から迫るレーザー光を『マジカルシャイン』で打ち消すピクシー、対しセドゥームは『スモッグ』で自らの姿を隠す
 ▼ 485 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/07 00:41:08 ID:KJicAUYI [8/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ピクシー『どこに行った! 臆病者が!!』ビィィィン!

怒号に続き『ミストフィールド』を発動し、ナイトフィールドをかき消したピクシー

闇が消え、霧がフロアを包んだ時にその姿を現した

セドゥーム『ここだ!』

セドゥームは思ったよりも近くにいた。 続けて……

セドゥーム『いい加減に目を覚ますのだピクシー! お前は操られている!!』

ピクシー『セトが前のマスターに俺を捨てるよう唆した!!』

セドゥーム『何を言っている!? お前と我は確かに捨てられた! だがセトは関係ないだろう!!』

セドゥーム『我らを拾い、生き甲斐を与えてくれたトレーナーだ!!!』

ピクシー『黙れ!!! 奴は俺たちポケモンをただの復讐の道具としか思っていない!!!!』

ピクシー『その為だけに俺に地獄を味あわせた悪魔だ!!!!!』

セドゥーム『そこまで言わせるかこの外道寄生虫が!!!!!』

大音声と共に『バークアウト』を解き放ったセドゥーム、しかしピクシーも怯まず『ハイパーボイス』で大気を震わせる

ピクシー「ギィッ!」バァン!

セドゥーム「ヴボォ!」ベキィン!

互いに吹き飛ばされつつも、互いに受け身を取り、睨み合う。 両者ともその身体にはもう後が無く、限界を迎えようとしていた
 ▼ 486 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/14 01:14:08 ID:ljtIXXwk [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピクシー『これで終わりだ! テメェも…セトも!』ギュオ…

セドゥーム「……!」ギィィ…!

ピクシーの右手には再び月の力が満ち……『ムーンフォース』を放つ

一方のセドゥームは操られた弟の目を見据え……

ゆっくりとその目を閉じた

セト「……!」

炸裂音。 眩い閃光の後、煙が覆い尽くす

そして横たわるは黒と金色の獣

ソフィルム「クフフ……ポケモン任せにした結果どうだ?」

ソフィルム「最終的には自ら防御を捨て無様にも倒された!」

ソフィルム「これこそ正に…「待てよ」

ソフィルム「何っ!?」

セト「確かに倒されはした、けどよ……」

ソフィルム「何を…まさかっ!?」バッ!

急いでピクシーの様子を確認するソフィルム、そして唖然とする

ピクシー「グピギブ……キィィ!」ジュワ…ジュワ…

アヤメ「えっ……」

悶えるピクシーの身体のあちこちから黒い瘴気が噴き出しているのだ
 ▼ 487 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/14 01:14:46 ID:ljtIXXwk [2/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ピクシー?「キピィィー!!」ジュワ…ジュワ…

ソフィルム「よくも…!」ギリリ…!

セト「テメェも使ってた分だけあって物分かりが早ぇな」

セト「『みちづれ』、セドゥームが最愛のポケモンを倒す為に選んだ技だ」

ピクシー?「キュピカカカァ…!!」ジュワ…ジュワ…

パラメイト『ナゼダ!? キャキ…ナゼコノ肉体ハミズカラ呪イヲ…ゲャキ!! 進行サセテイル!?』

セドゥーム『直接迎えに来たぞピクシー…』

ピクシー『随分遅かったじゃねぇか、ま、お疲れサン』

現在一つのポケモンの身体にあるは三つの精神。 統率者たるパラメイトの疲労を突き、宿主の精神が反逆し、新たな精神が入り込んだ

パラメイト『ブ…分離ガデキナィ!! コノママデハ……キャキ…キサマァ!!!』

ピクシー『さぁて、誰のことだか』

セドゥーム『フ……我は戻るぞ』

遂に『みちづれ』による呪いの浸食が臨界に達し

パラメイト「キュギィィィィィ!!!!」ビチュッ!

ピクシー「ピィ…」フラッ…

三匹のポケモンが地に伏し、動かなくなった

セト「……」シュウシュゥゥン…

二匹とも本当に辛い戦いだったな……悪りぃな俺らの勝手で……
 ▼ 488 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/14 01:15:32 ID:ljtIXXwk [3/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ソフィルム「ぬう…!」シュゥゥン…

ソフィルムはパラメイトを戻した後、ネクタイを正して深呼吸した。 ここまでに気分が高まっていたのは彼にとっては異常事態だったようだ

ソフィルム「これで終わったと勘違いされると困るな」ビッ!…スチャッ

セト「まだやるかよ」チャキッ

ソフィルム「君をアサインしよう…エルレイド!」シュッ!

エルレイド「レヤッ!」シャキッ!

セト「出番だぜクチート!」ブンッ!

クチート「ちゃるっ!」ポォン

エルレイドか……確かエスパー・格闘タイプだったな

ならフェアリータイプが弱点の筈だ!

するとソフィルムはジャケットの内ポケットからタブレット端末を取り出し・・・

ソフィルム「これで・・・幕引きにしてやろう」ピン!

セト「何だ・・・?」

あのタッチペンの光どこかで見たような・・・・・・おいあれってまさかキーストーンじゃ!?

ソフィルム「メガシンカ、それはキーストーンとメガストーン、そしてポケモンとトレーナーとの絆によってもたらされたイノベーション・・・・・・」キィィ・・・!

紫の光にキーストーン、エルレイドが包み込まれ・・・

ソフィルムのメガスタイラスとエルレイドのエルレイドナイトが反応した!

ソフィルム「その双刃でイニシアチブを我が物に! メガシンカ! メガエルレイド!!」カッ!

メガエルレイド「レイッ!!!」バリィィン!!!
 ▼ 489 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/14 01:16:39 ID:ljtIXXwk [4/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「やっぱりな・・・・・・」クッ!

まずいな・・・ピクシーがメガシンカする前にやられちまったから、俺にはもうメガシンカできるポケモンはいねぇ・・・

メガエルレイド「エゥン・・・!」

クチートとアブリボンの二体でどうやってこのバケモンを倒すんだ?

・・・・・・考えろ、俺・・・!

その時・・・

アヤメ「あれが本物の・・・・・・メガシンカ」

アヤメは生まれて初めて直に目にしたメガシンカに目を奪われ・・・同時にセトが窮地に陥っている事を理解した

アヤメ「何とかしないと、このままじゃクチートが・・・」

メガシンカ、クチート。 この言葉はまだ彼女の中では結びついていなかった、しかし・・・

ポリゴン「リポリポ」ツンツン

アヤメ「ちょっと! 今バッグつつかないでよ!」

ポリゴン「ポロロ! ピピィ!」グイグイ

それでもバッグをつつき続けるポリゴン。 そうこうしている内に、何かがバッグから転がり落ちた

アヤメ「もう! やめてよねこんな時に・・・・・・これって・・・!」ハッ!

先程の言葉を見事に結び付け、アヤメの記憶を呼び覚ましたもの

それは一つのクチートナイトであった
 ▼ 490 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/20 01:16:19 ID:ANwggSOQ [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ソフィルム「『サイコカッター』 で切り裂け!」バッ!

メガエルレイド「レィッ!」ブゥン…バッ!

自らのブレードにサイコパワーを纏わせたエルレイドがクチートへと飛びかかる

それに対し

セト「『アイアンヘッド』で受け止めろ!」

クチート「…っちぃ!」ブォン!

硬質化させたハサミでサイコパワーの双刃に立ち向かう

ギギィン!!

3つの刃が交わる、しかしその力の差は歴然であり…

メガエルレイド「ラァ! レヤァ!」ガン! ギン! ガガッ!

クチート「ぐぢぢぢぢ…!!」メキキキ…!

クチート「びゃぁっ!!」ブワッ!

セト「クチート!」

鍔迫り合いに押し負けたクチートは大きく後方へと吹き飛ぶ
 ▼ 491 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/20 01:16:49 ID:ANwggSOQ [2/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ソフィルム「このオポチュニティを逃すな! 『かげうち!』」

そこに間髪入れずソフィルムの指示が飛ぶ、瞬く間にメガエルレイドはクチートの影と同化し

クチート「!」

メガエルレイド「ヴォォ!」ボシュゥゥ!

クチート「ぐじゅっ!?」ズムッ!!

吹き飛ぶクチートに追撃の膝蹴りを入れた

クチート「ぐぅぅ…!」ザザーッ!

セト「クチート! 大丈夫かよ!?」

クチート「ぢぃ…!」ウゥッ…

まだ戦えるみてぇだが……なんて強さだ!

このままマトモに戦ってりゃ勝てる気がしねぇ!

アヤメ「思い出した! クチートナイト!」

途端に師との鍛錬の記憶が溢れ出す
 ▼ 492 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/20 01:17:26 ID:ANwggSOQ [3/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
〜数日前 トキイロジム〜

アヤメ「……ハァ、ハァ…」

マリルリ「りるぅ…りぃ…」ゼェ…ハァ…

ホノカ「お疲れさまー! 上手に連携できるようになってきたよ!」ドウゾ!

アヤメ「ありがとうございます…」ゴクゴク

そういってホノカさんから手渡された飲料水を飲む、なんでこんなコトしてるのかって?

……私はあの時…そう、タイキョク山でセトとリア君と別れた時に思ったの。 「強くならなきゃ」って…

二人はこれからギャラドス組っていう強大な敵と戦うのに……私はあんな三下のチンピラなんかに負けて、しかも二人に助けてもらって……そんな自分が情けなかった

私の指示がダメだから、カラダを張って戦ってくれるポケモンたちにまで迷惑を、痛い思いをさせてしまう……

最悪のトレーナーだよ、私は……この子たちにもっと広い世界を知ってもらいたいから旅に出たのに……ポケモンたちにも、色んな人たちにも迷惑しかかけてないや……

今度は私が助けようって思ったのに……

……

……それなら

それなら、私自身が強くなるしかない
 ▼ 493 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/20 01:18:01 ID:ANwggSOQ [4/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
より良い指示を出せるトレーナーになって、ポケモンたちに迷惑をかけないようにしないと!

……まずはセトを超える! 彼はフェアリータイプの使い手だから、同じフェアリータイプのジムリーダーのホノカさんからいろいろ学ばなくちゃ! その道のプロに聞けって言うしね!

アヤメ「ぷはぁ!」

そういうワケで、ホノカさんに稽古をつけてもらってたワケ

何日間か泊まり込みで稽古をつけてもらう中で、フェアリータイプのポケモンが持つ特徴やバトルのコツを学んだの、でもホノカさんのやりかたは少々特殊で……

マリルリ「りぃ…」ベト…

ホノカ「はーい休憩終わりー! それじゃ続き、はじめちゃおう!」

アヤメ「は、はい…(き、休憩? アレが?」

マリルリ「」グデン…

というのも…

アヤメ「いくよっ! 『アクアテール!』」ブォッ!

マリルリ「りゃりぃ!」シュパッ!

私が回し蹴りをするとともに、マリルリも水で増強した尻尾を振るった

ホノカ「お見事! シンクロ率も高いし蹴りも鋭くなって来たね!」ニコニコ

アヤメ「ありがとうございます…」ハァ…ハァ…

ホノカさんはポケモンとトレーナーが似たような動きをすれば、自然とお互いに心で通じ合えるようになって強くなれる……って思ってるみたいで

彼女流のやり方で、私はポケモンの動きに合わせてチェーナの武術の動きをするコトになった

このやり方はホノカさんの家に代々伝わってるみたい。 最初は意味わかんないと思ってたけど、やってる内に何となくポケモンたちとの絆が深まったような…気がする

でもそのおかげでスポーツウェアは毎日汗でびしょ濡れだったけどね
 ▼ 494 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/20 01:18:42 ID:ANwggSOQ [5/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
そんなある日、ホノカさんがテスト代わりにリンドウジムに挑戦してバッチを手に入れるよう言ってきた

そしてジムを出る時、ホノカさんがあるモノを渡してくれた

アヤメ「何ですかコレ……メガストーン?」

私が持ってるミミロップナイトとは違う……何か別のポケモンのメガストーンかな?

ホノカ「正解! それはね、クチートナイトなんだ」

アヤメ「クチートナイト? なんで私に?」

私はクチートをゲットしてないし(何ならセトがもっている)、ホノカさんこそクチートの使い手のハズなのに……どうして私に?

ホノカ「…ちょっとおつかいみたいにして悪いけどね、それをあるクチートのトレーナーに渡してほしいの」
 ▼ 495 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/20 01:20:09 ID:ANwggSOQ [6/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
あるクチートのトレーナー?

アヤメ「誰ですか?」

ホノカ「ごめん! 名前まではわからないの……でもね、そのクチートナイトはヤエちゃんが私に渡してくれたんだ」

ヤエさん…ビャクグンビレッジの氷タイプのジムリーダーだ

ホノカ「タマゴを抱えてきた挑戦者さんがいたみたいでね、何かアクシデントがあってタマゴが割れてしまったらしいの!」

アヤメ「はぁ…」

普通ジムに挑む時にタマゴを抱えてくる? 随分マヌケな人もいるんだね

ホノカ「それでね、タマゴの中にいたクチートが出てきて、なんとそのままバトルに巻き込まれちゃったみたいなの!」

アヤメ「えっ?」

そんな……早生まれのポケモンに、しかも生まれたての時にそんなコトしたら何か重篤な障害が残っちゃうんじゃ……

ホノカ「でもね、その赤ちゃんクチート、ヤエちゃんのマニューラに勝っちゃったみたいなの!」

アヤメ「ウソでしょ!?」

ホノカ「ホントホント、でもね、ヤエちゃんやっぱりそのクチートの事が心配みたいでね」

ホノカ「フェアリータイプのジムリーダーをしてる私にこのメガストーンを渡してくれたの。 例のトレーナーさんが挑みに来たら渡してあげて。って」

ホノカ「でも私はジムのお仕事があってなかなか探せに行けないし……そこで!」

アヤメ「!」

ホノカ「旅をしてるアヤメちゃんならそのトレーナーさんに会いやすいかも……ってことでこのクチートナイトを渡したの!」

次の瞬間、記憶は途切れ一気に現実へと引き戻された
 ▼ 496 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/20 01:20:53 ID:ANwggSOQ [7/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ソフィルム「ハハハ…、リーグ出場を目指している弊社のポケモンの強さ、ご理解頂いただろうか?」

メガエルレイド「ルレ…!」

セト「さぁな…残念だが俺らは物分かりが悪いんでな!」バッ!

クチート「やちゃぁ!」ヴォヴォン!

ハサミから放たれた『シャドーボール』、効果バツグンの技をエルレイドは高く跳躍して回避……今のうちに!

アヤメ「クチート! コレを!」ブンッ!

クチート「ちぃっ!?」パシッ!

セト「アヤメ!?」

アヤメがクチートに何かを投げた……何だありゃ…メガストーン?

アヤメ「セト! それを使って!」

セト「お、おう! でも何すりゃ…」

アヤメ「いいからメガシンカするの!!」

アヤメ「急いで!!!」

なにがなんだか分かんねぇけど……やるしかねぇ!
 ▼ 497 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/20 01:21:44 ID:ANwggSOQ [8/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「いくぜクチート! メガシンカだ!」キッ!

クチート「ちゃちぃ!?」ギュウウウ…!!

途端にメガウジャトとクチートナイトから紫の閃光が発し、クチートは殻に包まれる

ソフィルム「ここまで私の手を煩わせるか…! エルレイド!」バッ!

メガエルレイド「レヤァァッ!!」ゴオオッ!

二つのブレードが閃光へと迫り、ついに振り下ろされた……その瞬間

ガッ! ガジュッ!!

メガエルレイド「ルゥッ…!」ギリリ…!

両腕に激痛が走った、見ればなんと、腕に食らいつくハサミが今度は二つ、それに力も前とは段違いに強いではないか

ソフィルム「何…まずい! エルレイド! 今すぐ…「るちぇああっ!!!」

直後、ソフィルムが目にしたのは顔面に『かみなりパンチ』を受け、吹き飛んでゆくメガエルレイドの姿だった

メガエルレイド「ガヴァッ! ……ッ!!」バチチッ! ガラッ…ドササッ!

セト「ヘヘッ! ナイスアッパーだぜ…」

セト「…メガクチート!」

メガクチート「ちぇやぁぁぁ!!!」ゴォォォ!!
 ▼ 498 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/20 01:22:27 ID:ANwggSOQ [9/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アヤメ「すごい…」

ソフィルム「予想外だったな、まさかピクシー以外のメガシンカを許してしまうとは」

メガエルレイド「エレ…!」グッ…!

…そりゃ一発で倒せるワケねぇよな

セト「ヘヘッ、俺だって予想外だ、ありがとなアヤメ!」

アヤメ「そんな…」フフッ…

セト「どうだ? これでお互いサマだろ? どっちもメガシンカしてるし…」

セト「お互い二刀流だ」ヘヘン!

ソフィルム「フン、一理あるな…ではこれで御社とのバトルもクロージングといこうか」スッ…

メガエルレイド「ハァァァ…!」キィィ…!

セト「いくぜ……”メガ”クチート!」

メガクチート「ちぃぃぃ…!」グググ…!

雷雨の中、一瞬だけ暗雲が途切れ、月光がフロアを照らす

セト「『アイアンヘッド!』」バッ!

ソフィルム「『かわらわり!』」バッ!

メガクチート「ちぇぇぇ!!」ブォッ!

メガエルレイド「シャァァァ!!」ダダダッ!

ギィィィィィン!!!!!

四つの刃が交わり、再びフロアは暗転する
 ▼ 499 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/26 00:37:12 ID:GZAUR1s2 [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メガエルレイド「ドォォォ!!」ギギギ…!!

メガクチート「づぅぅぅ…!」ギギギィ…!!

ソフィルム「『テレキネシス!』 空中に拘束しろ!」

メガエルレイド「ォォォ…ハッ!!」キィィン!

メガクチート「ちぇるぅ!?」ブォォン

セト「チッ! やりやがったな!」

『テレキネシス』のサイコパワーにより、空中で磔にされるメガクチート

ソフィルム「大人しく敗北を受け入れるがいい!『インファイト!!』」バッ!

メガエルレイド「エィッ!」ダッ!

メガエルレイドが跳躍し、身動きのとれないメガクチートに無慈悲な連撃を食らわせる瞬間…

セト「やーだね」ヘヘン

ソフィルム「何ッ!?」

メガクチートの姿が消えた

ソフィルム「一体何が…!、二度も同じ手が通用すると思うな! 『テレポート!』」グッ!
 ▼ 500 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/26 00:37:50 ID:GZAUR1s2 [2/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「何だとッ!?」

メガエルレイド「ルン…」シュピッ

即座に『インファイト』の構えを中断し、その姿を異次元にくらます

対して『ふいうち』の為にその姿を現したメガクチート、しかし敵は眼前にはおらず…

ヴォン…

メガクチート「!」

頭上に現れた

ソフィルム「そのまま『じしん!』」バッ!

メガエルレイド「ヤァァァァ!!!」ゴォォッ!!

呆気に取られるメガクチートを下敷きに、やいばポケモンは床へと急降下し…

メガクチート「カハアッ…!!!」メキメキ…!

メガクチートを震央に、フロアの床全域に渡るひび割れを残した
 ▼ 501 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/26 00:38:32 ID:GZAUR1s2 [3/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ソフィルム「トドメの『かわらわり!』」バッ!

メガエルレイド「レェッ…!」ズウッ…

メガクチート「!」

メガエルレイドの右腕が大きく振り上げられる、しかしクチートもメガシンカポケモン。 そうやすやすとはやられるわけにはいかず…

シャッ!

メガエルレイド「ドゥンッ!?」ガブッ!

右バサミがマントに食らいつく。 そして思い切りそれを引くと…

メガエルレイド「グウッ!?」バタッ!

先程まで自身を踏みつけていた敵が倒れる、そして左バサミをバネに跳躍し…

セト「『じゃれつく』だ! さっきの仕返ししてやりな!」ビッ!

メガクチート「ちぇっやぁぁぁぁ!!!」バァッ!!

無防備なメガエルレイドに飛び掛かり、馬乗りになる

メガクチート「ちぇっ! やっ! はっ!! だあっ!!!」ポコッ☆ ドゴッ! メキッ!! ズシャッ!!!

しかし、一方的であまりにも暴力的なじゃれつきも長くは続かず…

ソフィルム「『しねんのずつき』でイニシアチブを奪還しろ!」

セト「! バックジャンプで離れな!」

メガクチート「! ちゃっ!」シュッ!

メガエルレイド「…ッエェ!」ブオンッ!

念力を込めた頭突きは標的を失い、空を突く

そして両者が再び睨み合う
 ▼ 502 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/26 00:39:24 ID:GZAUR1s2 [4/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ソフィルム「弊社の手の内全てを見せてもここまでとは……やはりリリカ様は慧眼の持ち主か」

セト「ヘッ! それで終わりか? リーグ目指してるヤツがよ……ただのクズで呆れちまうぜ!」ヘッ!

ソフィルム「フン、屑か……社会の抱える粗大ゴミである御社が言える台詞ではないと思えるがな」スッ…

メガエルレイド「レィッ…!」ボロボロ…

セト「そうかよ……言い合ってても埒があかねぇ、ケリつけようぜ」スゥ…

メガクチート「…ちゅう」ズタズタ

ソフィルム「…!」

数秒の沈黙の後

セト「かかってこいよ」

メガクチート「くへん」クイクイ

直後、ソフィルムが『インファイト』をメガエルレイドに命じた

それと同時にメガクチートはエレベーター付近へと大きくジャンプし近寄る

挑発されて怒り心頭のメガエルレイドはメガクチートとの距離を一気に詰める、そして拳を突き出すが…

メガクチート「……」

メガクチートは目を瞑り、微動だにしない
 ▼ 503 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/26 00:40:05 ID:GZAUR1s2 [5/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
メガエルエイド「レッ…!」シュビッ!

そして『インファイト』の初撃の拳が命中した瞬間…

ガスンッ!!!

二つのハサミがメガエルレイドの右腕に牙を埋め、セトが言葉を発する

「『カウンター』」と

それを聞いた途端、ソフィルムの目は見る見るうちに丸くなり…

メガクチート「るぅっ…」

『インファイト』の勢いを殺さず、その目は燃え盛るエレベーターを捉え

メガクチート「ちぇらぁあっ!!!!」ブワッ!!!!

メガエルレイドをそのまま投げ入れた

メガエルレイド「ギァァァ!? ガガッ!?」ジュッ! ボォォ!

最後にメガシンカしたあざむきポケモンは容赦なく…

メガクチート「じぇやぁぁっ!!!」ガギィィン!!!!

既にエレベーターとしての機能を喪失した鉄檻を叩き落とした
 ▼ 504 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/26 00:40:54 ID:GZAUR1s2 [6/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ソフィルム「……流石の実力。 弊社の…いや、私の負けだ」

セト「……」

セトはソフィルムを一度睨みつけると、クチートを近くに寄せ、アヤメへと駆け付けた

セト「ありがとなコレ、このメガストーンとお前のお陰でアイツに勝てた」

クチート「くちゃ!」スッ…

クチートはいつの間にかメガシンカを解除し、アヤメにメガストーンを差し出している

アヤメ「いい子だね、じゃあコレは私が責任を持って渡すべき人に渡すよ」

クチートナイトを受け取り、セトに視線を戻すアヤメ

アヤメ「ううん、私は何もできてないよ……ピクシーに痛い思いをさせてごめんなさい」

セト「ンな事いいって、つかケガ大丈夫かよ…」

アヤメ「大丈夫、それよりこの勝利は、セトとポケモンたちが力を合わせたからだよ」フフ…

アヤメ「ありがとう、スカッとした」ニコッ

セト「いやそんな…」

照れるじゃねぇか…
 ▼ 505 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/26 00:41:49 ID:GZAUR1s2 [7/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アヤメ「それじゃポケモンを回復するけど…これからどうやって65階に行くの?」

セト「あ!」

そうだよな……エレベーターは完全にブッ壊しちまったし……

これじゃリリカが待つ65階に行けねぇじゃねぇか!

すると、ソフィルムが何者かと通話する声が聞こえて来た

ソフィルム「……承知しました、それでは」ピッ

セト「オイ、誰と喋ってたんだよ」

まさかモウセンか?

ソフィルム「君らがよく知る弊社の人物……リリカ様だ」

セト「何だと?」

アヤメ「えっ?」

ソフィルム「エレベーターが使用不可になったので私のサーナイトの『テレポート』で君らを65階に送ろう」ビッ

サーナイト「…ハッ」ポォン
 ▼ 506 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/26 00:42:28 ID:GZAUR1s2 [8/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「待て、どういう事なんだよ?」

セト「最初からテメェとリリカは手ぇ組んでたって事なのか?」

ソフィルム「概ねその通りだ」

アヤメ「でもリリカさんはアンタのコトなんか一言も…」

ソフィルム「…詳しい事はリリカ様も交えて説明しよう、ぜひ君らにはアテンドしてもらいたい」

ソフィルムは少し間を置き、二人を見やると

ソフィルム「本気のバトルとは言え、コンプライアンスに反する行為をしたのは自覚している」

ソフィルム「申し訳ございません。 エクスキューズなどできやしません」

アヤメ「……」

セト「…ならさっさと連れてけよ」

ソフィルムが右手を上げ、サーナイトがそれに『テレポート』で答える

辺りが白い光に包まれる。 目を開ければすぐに65階だ

……そしてその上にはモウセンがいる
 ▼ 507 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/26 00:43:18 ID:GZAUR1s2 [9/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
〜65階〜

65階の床を踏みしめるまでには数秒しかかからなかった。 その代わり軽いめまいが一瞬したが

視界から『テレポート』の光が消えると、数メートル先にリリカがいた

リリカのセトを見つめる表情だが、ジムやレストランで見せたような冷静さの中に嘲笑を含んだようなものではなかった

まるで何かやっかいもの──言うなれば前科者──を見るような表情でセトらを迎える

リリカ「お疲れ様、ふたりとも。 まずはポケモンを回復させるわね」

ソフィルムの通話によりキャンセルされたアヤメの仕事をリリカが代行した

そして回復後、セトがリリカに問う

セト「お前…ソフィルムとはどういう関係なんだよ?」

リリカ「恋人同士…だなんて言うと思ったかしら? 彼は”こちら”の内通者よ」フッ

一瞬アヤメが目を見開き、ソフィルムが口元を隠して視線を背けた
 ▼ 508 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/26 00:43:58 ID:GZAUR1s2 [10/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セト「内通者?」

リリカ「そう、彼は父が最も信頼の置く人間の一人でね、父の行動や最高機密を聞き出すのにもってこいなの」

確かに仕事はできそうだけどよ…

リリカ「彼とは1年ぐらい前にバトルしたくらいの関係だったのだけど、数日前にいきなり接近してきたの」

リリカ「セト、貴方がプロファイルされた資料を持ってね」

セト「俺が?」

そういやトラックで突っ込んできたヤツも俺についてのプリントを持ってたな…

リリカ「そこから先は自分の口で喋りなさい」

リリカがソフィルムに目をやる

ソフィルム「はい…ではセトさん、貴方は予備知識として現在弊社が犯罪組織サイバー団との間に抱える問題をご存じでしょうか?」

いきなり敬語調になりやがって…
 ▼ 509 ロバレル@たべのこし 20/12/26 02:00:13 ID:ylhEO0XM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 510 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/27 00:47:25 ID:RvXA3nrA [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セト「まぁな、ミログルとギャラドス組との関係をハッキングされて資金をゆすられてんだろ?」

ソフィルム「よくご存じで、ですが現在弊社の中にはサイバー団の支配に異議を唱える者がいない…」

ソフィルム「皆怯えているのですよ、おそらく…いや間違いなく奴らは社員の名簿を入手しているからだ」

ソフィルム「それに株主の多くと連絡が取れず、グループを率いるCEOでさえも組織の恐怖からか保身に走り、この非常事態を鵜呑みにする始末だ」

ソフィルム「このままでは弊社…ミロティックグループは完全にサイバー団の傀儡企業と化してしまう……」

ソフィルム「コンプライアンスもコーポレートガバナンスも存在しない、ただの犯罪集団に」

セト「……」

ソフィルム「ところが数日前、CEOが私を呼び出し、このペラ1の資料を渡してくださった」ペラッ

ソフィルムが例のプリントを取り出した。 あのドライバーが持っていた物と同じ物だ

ソフィルム「同時にCEOは最もプライオリティが高いタスクとして貴方の抹殺を命じられた」

アヤメ「本当に犯罪集団じゃない…」

セト「……」

モウセンは俺がギャラドス組との関係を知った事によほどムカついたみてぇだな
 ▼ 511 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/27 00:48:03 ID:RvXA3nrA [2/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ソフィルム「しかし、私はそこで貴方の経歴の一つに目をつけた」ビッ

ソフィルムが資料の下部を指さす。 そこには『備考:サイバー団に抵抗の意思有、同組織討伐の為流浪中の模様』とあった

ソフィルム「その時に私はこの男は現状打開の為のコンティンジェンシープランになり得るのでは、と踏んだ」

セト「何だよソレ? コン…コンテ……なんちゃらプランってのは」

ソフィルムが一瞬苦い表情をした、ンな専門用語分かるワケねーだろ!

ソフィルム「コンティンジェンシープランというのは、組織が事業やプロジェクトを継続していく上で、不確定要因が顕在化…「長くなるわね」

リリカが呆れた顔でソフィルムの熱弁を止めた

リリカ「要は貴方は健全なグループを取り戻すのに必要不可欠というわけ、私達の計画の重要なファクターなのよ」

セト「…なんとなくは分かったぜ、でもよ、そうだったら何でお前は俺らのジャマばっかして来たんだ?」

必要不可欠ならもっと手助けしてくれよ…
 ▼ 512 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/27 00:48:37 ID:RvXA3nrA [3/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ソフィルム「第一に、私が計画の最終段階までCEOの信頼を損ねないようにする必要があった」

ソフィルム「このキーを手に入れる為に」スッ…

ソフィルムの取り出したカードキーを手にしたリリカは目を見張った

リリカ「待ちなさい、それは…」

ソフィルム「後で説明致します、今しばらく」

セト「……」

ソフィルム「第二に、セトさん。 貴方と貴方のポケモン達の力を知りたかった」

セト「何?」

ソフィルム「CEOはポケモンバトルに於いて、現在のジムリーダーを優に超える実力を持つ。 あるいは四天王に比肩するかもしれない」

リリカの悔しさの混じった表情から、ソフィルムの言葉が真実であると感じ取れる

ソフィルム「サイバー団に対抗する旅を続ける……それが口だけでない事を知りたかった」

セト「テメェは俺を試してたってワケか……」

ソフィルム「その通り。 だが私は今、貴方がCEOを下し、弊社に新風を吹き込む人間であると確信している」

セト「そうかよ…」

テストには合格ってワケか
 ▼ 513 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/27 00:49:11 ID:RvXA3nrA [4/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ソフィルム「また、ギャラドス組本部に二度も乗り込んだという情報から察するに、貴方は本社ビルにも乗り込むのではないかと感じた」

ソフィルム「結果としてその予想も命中……しかも自らリリカ様に近寄ってくるとは思わなかった。 私にとってそれがどんなに好都合だった事か」

セト「そりゃ良かったな」

ソフィルム「そしてリリカ様、今私が手にしているカードキーこそが本物のCEOの部屋のキーです」

リリカ「……つまり前に貴方が私に渡したキーは偽物。 セトが実力を証明しない限りは父の部屋には入れなかったということね」

ソフィルム「ご理解がお早い……身勝手な行動をお詫びするとともに、やはりリリカ様が次期CEOに相応しいと感じます」

リリカは少し沈黙し

リリカ「……そんな世襲はいいわ、それより今は父の部屋に向かうべきよ」

話を逸らした
 ▼ 514 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/27 00:49:49 ID:RvXA3nrA [5/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ソフィルム「これを」スッ

セト「…ああ」

ソフィルムからカードキーを受け取る。 試されていたのはなんだかシャクだが、味方である事には変わりない

ソフィルム「私は別行動を…万一の為に警察を集めておきます」

リリカ「分かったわ、行きましょう」

アヤメ「はい…!」

セト「……」

2人の女と1人の男が最上階、66階へと繋がる階段を上がる

1人の女は計画の達成・新たなる統治者に相応しいのかという不安

1人の女は自らの人生を大きく歪めた元凶への憤怒

そして1人の男は今は亡き父の背中を追っていた

自らと同じく歪められ、苦しむ者を救い、真相を突き止め、その先の巨悪を討ち倒す為に

カードリーダーの音が木霊する
 ▼ 515 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/31 22:48:04 ID:jW72K5JY [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ミロティックグループ本社ビル CEOの部屋〜

ドアが開き、部屋の光景が目に飛び込む

床にはウィンディらしき毛皮の絨毯、左右にはおびただしい数の本が並ぶ本棚、そして雷雨のリンドウを一望できる広い窓を背景に、椅子に座りこちらに背をむける男の姿があった

ミロカロスの装飾の施された机の向こうにいるモウセンは誰かと小声で話しているようだった

その相手はホログラム……白いツインテールに光を喪失した赤い瞳の女性だった

彼女はモウセンとの会話を終えるとセト達を一見し、いたずらっぽい笑みを浮かべた後に消えた

そしてモウセンがこちらに背を向けたまま口を開く……

モウセン「リリカじゃあないか、こんな時間にどうしたのかね? 見慣れないお友達も連れているようじゃが」

リリカ「CEO、今日は貴方に大事な話があって来たの」

モウセン「大事な話……? それは部外者であるおまえの友人を混ぜてする事かね?」クルッ

モウセンが椅子を回転させ、リリカらに向き合う。 その目はセトに一瞬興味を示した

リリカ「ええ、何せこの二人は貴方に人生を歪められたのだから。 モウセン…いや『マルバ』としての貴方にね」

その名を耳にした途端、アヤメは唇をきゅっと結び、モウセンは目を細めた

画像…モウセン
 ▼ 516 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/31 22:48:42 ID:jW72K5JY [2/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
モウセン「その名前をどこで知った?」

声のトーンが明らかに様変わりする。 『モウセン』は消失した

セト「カズラから聞いた。 テメェのした事もな」

再びセトにモウセンの視線が向けられる

モウセン「ほう……どうやら君がセガヤ・セト本人のようじゃな」

モウセン「憎たらしい程にあの世間知らずに似ておるわ…」

事実、現在のセトは眼鏡もなくニット帽も被っていなかった為、若い頃の自身の父親に酷似していた

モウセン「となると…」

今度はアヤメに目を向ける

モウセン「君は髪色や瞳から察するにあのシンスの娘か……生きておったとは」

アヤメ「アンタの計略も所詮はそこまでってコト」フンッ…

モウセン「こちらも似ておるな……凡そカズラあたりが手を回したのじゃろう」

リリカ「まさかCEO、貴方は本当に…」

モウセン「ああその通り、元々は『マルバ』という名の極道じゃよ」ガタッ…

言い終えると同時にモウセンは杖を突いて立ち上がった
 ▼ 517 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/31 22:49:48 ID:jW72K5JY [3/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リリカの顔面が蒼白となり、絶句する

セト「ならよ!」

セト「いろいろテメェに答えてもらいたいモノがある」

モウセン「何だね」

『コキヒの大抗争の糸を裏で引いていたのはテメェか』という言葉が飛び出す前、アヤメを横目で見た

彼女は握った拳を少し震わせ、しっかりとモウセンを見つめていた

覚悟を決めた眼をして

そしてセトの口から例の言葉が飛び出す……モウセンはわずかな笑みを浮かべ、言い放つ

モウセン「ご名答」

モウセン「22年前のコキヒ全域を巻き込んだ深緋砂豹会の内部抗争、プランナーはいかにもこのワシじゃ」

モウセンの不気味な笑みと共にその場の空気が凍り付く

すると突然アヤメが口を開き…

アヤメ「なんで!! …そんなコトをしたの」

顔からは怒りが滲み出ている

モウセン「『カネ』の為じゃよ」

至極あっさりとした返答、そのままモウセンは続ける

モウセン「世の中カネじゃ、カネさえあればどんなに旨い料理も食える、どんなに強いポケモンも手に入る!」

モウセン「君らも10歳そこらの子供じゃあない。 この社会に於けるカネの力を知っている筈だ」
 ▼ 518 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/31 22:50:46 ID:jW72K5JY [4/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アヤメ「アンタの私利私欲の為に何人の人々が人生を狂わされたか分かってるの!?」

アヤメが声を張り上げ、憤怒を露わにする

モウセン「黙れ小娘、どうせカズラなんぞに教え込まれたのじゃろうが……」

モウセン「あんな『力』信奉者の妄言のどこに聞き入れる価値があるのじゃろうか」フン

セト「……」

モウセン「いいか? 例え個人やそのポケモンに『力』……卓越した戦闘技術等があったとしよう」

モウセン「その道を極めたとしてもなり得るのはチャンピオン等のトップトレーナーじゃろう、しかし彼らは人気こそはあれど、この社会自体を動かす『力』はない」

モウセン「だが『カネ』は違う! 現代社会の核とも言えるカネは何にでもその姿形を変え、人間皆が等しく追い求める!」

モウセン「カネに対する娑婆気は人類共通じゃ、なにせ就労の対価としての収入なのじゃからな」

軽蔑的な眼差しがセトに向けられる

モウセン「だからこそカネには社会に於ける真の力が付随する! 強大な資本家こそが、絶対強者なのじゃよ!」
 ▼ 519 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/31 22:51:58 ID:jW72K5JY [5/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リリカ「なんで貴方はそこまで汚く金に執着を…」

リリカが足元を見ながら言った。 表情はメガネなしではよく見えない

モウセン「ワシはカネを軽視した為に破滅して来た者を多く見てきた。 おまえの祖父…ワシの父もその一人だった」

リリカ「おじい様…?」

憎悪が繋ぐ家族の時間が始まった

モウセン「奴はかつてポケモンバトルの道場を経営しておった、自らの実力と人望のみを頼りにな」

モウセン「当然そのような経営はいずれ行き詰まる……利益ではなく技術の継承を第一にしておったからな」

モウセン「タイキョクの過疎化によるトレーナー現象等のファクターが重なり、遂に父の道場は経営破綻。 奴は何もかも、このワシも失った」

リリカ「まさか、貴方は育ての親さえも裏切って…」

モウセン「察しが良いな、ワシの娘であるだけはある」

リリカは暫く口を紡ぎ、こう言った

リリカ「お母様が早逝なさった理由がよく分かったわ」

モウセン「……」
 ▼ 520 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/31 22:52:40 ID:jW72K5JY [6/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
モウセンは少し委縮したかのように目を閉じる。 しかし再びそれが開かれた時には、開き直ったかのようにリリカを見つめ返し

モウセン「だが父と違いカネの力を信じたワシはどうじゃ? 絶対的なカネの力によって裏社会、経済、国政までも今やワシの手玉!」

モウセン「それに現在のジポング経済はこのワシあってこそ、仮に今ワシが欠ければこの国は音を立てて崩壊するじゃろう」

モウセン「その為の犠牲となれば、安いものよ」

リリカ「……」

アヤメ「本当に救いようのないクズね」

アヤメが目を細め、声にならなかったリリカの言葉を代弁した

モウセン「屑か……現状の社会を支える大黒柱であるワシを排除しようとする君らこそ……この国からすれば屑…いや害じゃ」

セト「うるせぇ」

モウセン「?」

セト「この国がどうとかはどうだっていい、今の俺には関係ねぇ」

セト「それよりお前…サイバー団にタマぁ握られてんだろ?」

『サイバー団』、その単語が出た瞬間にモウセンの顔色が変わった
 ▼ 521 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 20/12/31 22:54:40 ID:jW72K5JY [7/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
モウセン「……父親とは違いきちんと事前知識を仕込んでおるか」

セト「ヘッ、安心しな。 サイバー団は俺がブッ潰してグループをマトモな状態に戻してやるよ…」

セト「テメェが消えたグループをなぁ!!!」ゴッ!!!

同時にセトはモンスターボールを構えた、対してモウセンは

モウセン「面白い、短絡的な部分は引き継いだか……無鉄砲なところも」スチャッ!

セト「思い出した、テメェが口利けなくなる前にコレだけは聞いておく…」

セト「3年前、俺の親父がテメェに取材をした後、お袋と一緒に交通事故に巻き込まれて死んだ」

セト「ソレもテメェがやるように言ったのか」

普段よりトーンが低く、ドスの効いたセトの声にモウセンが答える

モウセン「企業とは、自社にとって不利益な情報を外部に流出させぬよう努力するものじゃ」

セト「……そうか」

セト「ならどうなっても構やしねぇな」

ミロ社CEOの モウセンが 勝負を しかけてきた!

戦闘! ミロティックグループCEO
https://soundcloud.com/q5avuwfjq2pq/vs-milotic-group-ceo
 ▼ 522 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 21/01/05 00:06:06 ID:1Il.pmig NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
>>516
訂正

セト「カズラから聞いた。 テメェのした事もな」

セト「親父の遺した日記で知った。 テメェのした事もな」
 ▼ 523 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 21/01/08 00:43:20 ID:MYe2XtCs [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セドゥーム「ムヴォウン…!」ブォォン…

モウセン「軽く捻ってやるのじゃ、アズマオウ」シュッ!

アズマオウ「おぉおーん!」ピキィン!

ハイパーボールから繰り出されたのはアズマオウ、しかし社員どもの個体とは大きさ、色艶共に格が違う

続けてモウセンは杖のグリップの電子部品を操作すると

ヴォウォウォン……

杖から生じた黄色いシールドが二人と二匹を包み込み、鳥籠かのように外界の干渉を遮断した

モウセン「君らの汚い血や粗悪な技で部屋を汚されたくないのでね」

セト「……」

アヤメ「何なのコレ…セト? セト聞こえる!?「無駄よ」

アヤメ「!」

リリカ「こうなってしまっては向こうは外界からの何の干渉も受けない、まさに現代の仕込み杖ね」
 ▼ 524 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 21/01/08 00:44:00 ID:MYe2XtCs [2/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ナイトフィールドにより暗闇に覆われたシールド内部で二匹と二人が睨み合い、『あくのはどう』により静寂が破られた

モウセン「『ドリルライナー』で近づくのじゃ」

アズマオウ「おぅぅんん!!」ギュイィィィン!!

ドリルのように体を高速回転させ、『あくのはどう』を強引に突破しセドゥームに突進するアズマオウ

セト「ッ! 『さしおさえ』で拘束しろ!」バッ!

セドゥーム「ヴォルゥゥン!!」ジャラララ!!

セドゥームの咆哮と共に無数の鎖が放たれ、その一つ一つがアズマオウを捕らえ拘束するが…

モウセン「甘いなぁ、『スマートホーン』」

ピピピッ!

セドゥーム『何だ?』ヴッ!??

セドゥームの体に赤いレーザーポインターが一瞬揺らめいた、すると…

アズマオウ「おぎゅぅぅんん!!!」バキィィン!!!

数多の鎖を引きちぎりながらその弾丸は放たれる、定めた標準へと寸分違わず真っすぐと
 ▼ 525 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 21/01/08 00:44:34 ID:MYe2XtCs [3/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セドゥーム「ヴォブッ!!!」ズシュッ!!!

セト「セドゥーム!!!」

マズイ! あれ程威力が出るって事は弱点のタイプを突かれたに違いねぇ!

アズマオウだろだなんて侮っちゃいられねぇ、ここは一旦『エナジーボール』が使えるアブリボンに交代だ!

セト「くっ…!」シュウゥゥン…

モウセン「おやおやもう交代かい? カズラはよっぽど君を買い被っていたようじゃな」

セト「まだ0対0だろうが!」ブンッ!

アブリボン「りぶりん!!」ポォン!

ここでアズマオウをとっとと潰しとかねぇと厄介な事になりそうだな……

なら『ちょうのまい』で火力を上げてからの『エナジーボール』で確実に倒す!

セト「いくぜアブリボン! 『ちょうのまい』からの『エナジーボール』でブッ飛ばしてやりな!」

アブリボン「りぶぶぅ!」キララッ

鱗粉を散らしながら妖しくも優美な舞──飛行──を披露しつつ、アズマオウを次なる技の射程範囲内に入れようと接近する

しかし暗闇の中、一層黒い霧がアズマオウから立ち込め始めた
 ▼ 526 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 21/01/08 00:45:28 ID:MYe2XtCs [4/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
一体何なんだ? あの霧はよ……でもここまで来たならやるしかねぇ!

セト「発射ぁ!!」バッ!

アブリボン「っりぃ!」ギュオゥン!

『エナジーボール』が霧に包まれたアズマオウに向けて発射される

ズン! という命中音。 そして徐々に霧が晴れてゆき、大ダメージを受けたアズマオウが姿を現す筈だった

アブリボン「…ぶぅ?」

セト「ピンピンしてやがる…!」

アズマオウ「おぉん…!」シュウウ…!

しかしそこにいたのはアズマオウであっても、それほどの傷は負っていなかった

続けてモウセンが口を開き…

モウセン「『くろいきり』、全ての能力値変化を無に帰す技じゃよ」

セト「何だと…!」

そのせいで『ちょうのまい』の効果が無効化されて…!
 ▼ 527 ーケオスの羽毛◆5dlyl3s5o2 21/01/08 00:46:01 ID:MYe2XtCs [5/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
モウセン「君は『ちょうのまい』で特殊攻撃力を上昇させたアブリボンで短期決着を狙おうとした……」

モウセン「実に凡庸な考えだ、ポケモンバトルとはその場の打開のみに重点を置いていると永遠に勝てぬものだ!」

ピピッ!

アブリボン「ぶう?」ピピピ…

上空のアブリボンにあのレーザーポインターが…まさか!

アズマオウ「ずおんっ!!」ビュン!!

予想通りにアズマオウが飛び上がり、その鋼鉄の角が上空のアブリボンを的確に貫く

セト「アブリボン! 大丈夫か!?」

アブリボン「ぶぶぅ……」ブブブ…

なんてこった! 大ダメージを与える筈がこっちが食らっちまうなんてよ!

アズマオウ「おおぅん」

つかアズマオウにあそこまでの跳躍力があんのかよ……
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