▼  |  全表示107   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【ポケモンUSUM】ポケットモンスター - 世界に迫る脅威 - 【SS】

 ▼ 1 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 00:14:54 ID:iSsEsbiM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【最初に】
このSSには以下のものが含まれます。
・ゲーム準拠のキャラクター登場
・シリアス
・オリジナルキャラクターおよび設定
・一部改変あり
・人物の台詞の()は、心の声もしくはひそひそ話
・バトル描写は少なめ

【登場人物】
・USUM主人公男女←メイン
・その他USUMのキャラクター←出番控えめ(の予定)
・オリジナルキャラクター←ほとんどはモブ

【世界観】
(1)舞台はUSUM時空のアローラ(1年後)となっている。

(2)最近立ち上がった企業「ネオシルフ」。本社はアローラで現在この1社のみ。
アローラ4諸島およびエーテルパラダイスから少し離れたところに位置する人工島。
主な事業は科学技術分野であり、付随して小規模ながらフレンドリィショップの商品生産。
半年前に設立され、まだ事業が小さいうちから巨額の利益を得ている優良企業とされている。


以上が苦手な方はブラウザバックを推奨いたします。
それでも大丈夫な方は…ゆっくり見ていってね!
--------------------
 ▼ 68 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 22:44:05 ID:VhjIwvRA [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

大地のエネルギーを纏った白いポケモンがネオ・コケコに激突。ステータスを異常に強化されたネオ・コケコへのダメージは少ないが、コウミを解放することには成功した。

コウミ「うぅっ…。」ドサッ

側近「だ、誰だ!?」

コウタ「…グラジオ!?来てくれたのか!」
グラジオ「…待たせてしまって、すまないな。」

そういうとグラジオは緑色の小さな球体を床に投げつけ、床で割れた球体から緑色の煙が充満する。

グラジオ「ようやく追いついたから、加勢ついでに追加支給の装備を持ってきたが、さっそく使うことになるとはな。」
コウミ「すごい…身体の痛みが消えていく…。」
ハウ「グラジオ、これは一体何?」
グラジオ「ポケモンの“アロマセラピー”、“タマゴうみ”を応用した治癒ガスの入った玉だ。トレーナーが直接攻撃を受けた時はもちろん、ポケモンにも有効の回復アイテムさ。」
ハウ「いつの間に…助かったよグラジオ、ありがとう!」
コウミ「もうダメかと思ったよ…本当にありがとう!」
グラジオ「気にするな、それよりも来るぞ!」

側近「……フン!小賢しい!」
4人は側近の方へ向き直る。
側近「何人来ようがもう遅い!このカプ・コケコは止められん!!ここでまとめてあの世に送ってやるよぉ!!!」

体勢を立て直したネオ・コケコは身構える4人の元へ向き直る。しかし、ネオ・コケコが動こうとした矢先、突如動きが止まり、身体が震え始めた。
側近「…?おい、どうした。」
 ▼ 69 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 22:44:32 ID:VhjIwvRA [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネオ・コケコ「……ヴァァァアァァッァァァァッ。」
身体が震え、次々身体の一部が剥がれ落ちていき、落ちた部位がネオ・テテフ達の時とは異なる赤黒い光となって消滅する。

コウミ「ひいぃっ!」ギュゥッ
コウタ「…!」グイッ
ハウ「うわわわっ!」
グラジオ「……!」
思わず目を逸らし、怖がるコウミを自分の方に抱き寄せつつもコウタは目を背ける。

右腕、左腕、鶏冠、胴体と落ちていき、頭だけになり、やがてその頭は一際強い光を放ち、爆散した。

側近「ぐわあぁっ!?」

吹き飛ばされ、普通のスーツのまま壁に強く全身を打ち、ぐったりと気絶して動かなくなった。



コウタ「……限界を超えて暴走したからなのか、制御が利かなくなって消滅したか。コウミ、もう大丈夫だ。」
コウミ「う、うん…ありがと…///」

コウタ「改めてありがとう、グラジオ。あと少し遅かったら全滅していた。本当にすまない。」
コウミ「ありがとうグラジオっ!助かったよぉっ…!」
グラジオ「気にすることはないさ。オレの方こそ、来るのが遅くてすまなかったな。」
ハウ「でも本当に心強いよ。これで邪魔者はいなくなったし、いよいよ地下に行けるよ!」

グラジオ「オマエ達、覚悟は…フッ、愚問だったか。行こう。」
コウタ・コウミ・ハウ「おぅ!/うん!/あぁ!」
そして4人はエレベーターに乗り、遂にネオシルフのシークレットエリア、心臓部と言われる地下へと向かう。
 ▼ 70 ャランゴ@きんのおうかん 19/11/14 07:37:28 ID:ouO2v7Qk NGネーム登録 NGID登録 報告
シエンネ
 ▼ 71 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 09:02:43 ID:qPCEpyds [1/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
―――ネオシルフ・地下

エレベーターが止まり、扉が開いた先の光景を見て4人は絶句した。
暗い部屋の中で機械だけが動いており、部屋の奥にはネオ教団の心臓部と思われる巨大な機械、さらにその周辺には培養液と思われる液体が詰まった大量の大型カプセルが設置されていた。

コウミ「何これ…不気味…。」
ハウ「ポータウンで見たカプセルよりも大きいな…数もめちゃくちゃ多いよー…。」
グラジオ「あの大きな機械が、さっきエレベーター内でオマエ達が言っていた心臓部だろう。」
コウタ「…行こう。こんな悲劇はもう終わりにするんだ。」

4人は念のため何かがあるか警戒しつつ、少し早めのペースで奥を目指して歩き始めた。
地下は非常に広く、かつて訪れたルザミーネのコレクションルーム並みのスペースはある。
その壁にはびっしりとカプセルが並んでおり、その内4基が一際大きい。

心臓部まであと半分というところで、後ろから物音がする。エレベーターが作動した音である。
同時にいくつかのカプセルが作動し始めた。カプセルの上にモニターが映し出され、そこにはサザンドラ、マンムー、ギルガルド、フリーザー、サンダー、ファイヤーが映し出され、カプセル内で生成が始まった。

コウタ「まずい…!」
グラジオ「気付かれたか…!?」
ハウ「え、エレベーターが降りてくるよ!」
 ▼ 72 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 09:04:25 ID:qPCEpyds [2/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
4人が振り向くと、降りてきたエレベーターの扉が開いた。そこには先程コウタ達が見た集会を取り仕切っていた人物―ネオ教団教祖“ギャランツ”がいた。

ギャランツ「ようこそ、我がネオシルフへ。気に入ってもらえたかな?」
グラジオ「こいつが…。」
コウミ「この組織のボス…。」
ハウ「ギャランツ…。」

ギャランツ「遂にここまで来てしまったか。我々の崇高な計画を阻む者と聞いて、私はその存在を嘆かわしく思った。だが同時に、君達のような勇敢な少年少女達に、今となっては興味も湧いて来たのだ。」

ギャランツは笑いながら、しかし冷徹な目線でコウタ達を見据え、拍手をしながら語る。
ギャランツ「安心しなさい。私は君達を無理に仲間に引き入れるような真似はしない。それに侵入者を止めるためとは言え、神の産物たるネオ・ポケモン、それも守り神カプ・コケコをあのような邪道な使い方をしたあのバカには心底失望した。それを打ち破った者だから君達は本当に大した人間だ。」
コウタ「……何が言いたい?こんな悲劇しか生まない紛い物や、僕達のアローラの守り神達を模倣した悪魔を生み出していながら、自分達が神だとでも言いたいのか。」
ギャランツ「そう、我々こそ創造の神そのものだよ。そしてその産物を暴走させるようなあの者には天罰が下ったのさ。彼は私の教徒の中でも最も優秀だっただけに、残念だよ。」
グラジオ「とんだ自画自賛だな。破壊の神や悪魔の方が余程性に合っているぞ。」
ギャランツ「まぁまぁ落ち着きたまえ。ここまで来てしまった君達に敬意を表して、我々の最終目標を教えてあげよう。」
 ▼ 73 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 09:04:58 ID:qPCEpyds [3/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギャランツ「この地方のメディアでも話があったように、我々はこの技術を使い、ゆくゆくはアローラ、そして全世界を我々のものにする。まずは布教と聖戦を繰り返し、ネオ・ポケモンとそれを扱うトレーナー、言わば“神の子だけにすること。ポケモンを育てることに時間がかかる今のくだらない世界を創り変えるのさ。」
コウミ「自分達を偉大な集団かのように言っていて、結局はアンタ達の都合で世界を支配したいだけじゃない!」
ギャランツ「…ふむ、それ程の強さを持っていながら、未だに理解されないとは、わかっていても悲しいものよ。」
ハウ「理解したくもないよ、そのために気に入らないからって次々と命を奪うだなんて!」
ギャランツ「それは仕方ありませんね。我々神が施す賜物を受け入れられない者など、死んだ方が良い。」

ギャランツ「貴方達の手により、我々の計画の第一歩たる工場は破壊され、さらにはメディアの報道により我々は悪魔を見つけたかのように糾弾され、その結果我々の布教活動に大きな支障が出た。……だが今となってはそれも許そう、何故なら…。」
 ▼ 74 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 09:05:13 ID:qPCEpyds [4/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギャランツはそう言って手元に持っていたスイッチを押した。すると彼の後ろにあったエレベーターはシャッターが下りて封鎖され、4基の大きなカプセルが作動し始めた。
ギャランツ「ここで君達はこの大いなる計画の礎として、ここで処刑されるのだからな!光栄に思うがいい…私の手によって直々に君達が葬られることをなぁ!」

カプセルが割れ、中から先程生成されていた6匹が出てきた。
ネオ・サザンドラ「キシャァァァァァ!」
ネオ・マンムー「ムォォォォォォ!」
ネオ・ギルガルド「……!」
ネオ・フリーザー「ギャーオ!」
ネオ・サンダー「ギャーオ!」
ネオ・ファイヤー「ギャーオ!」

コウタ「これが最後の戦いだ!ガオガエン、ラプラス!」
コウミ「アシレーヌ、リザードン!力を貸して!」
ハウ「頼むぞ、ジュナイパー、ケケンカニ!」
グラジオ「シルヴァディ!ルカリオ!」

ギャランツ「せいぜい足掻きたまえよ、諸君。私はアローラ地方創世のための先兵を生み出すとしよう。

グラジオ「サザンドラとマンムー、ギルガルドはオレとハウで相手する。オマエ達は伝説のポケモンを頼む!」
ハウ「こっちは任せて!」
コウタ・コウミ「了解!」
 ▼ 75 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 09:06:25 ID:qPCEpyds [5/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
―コウタ・コウミside―
コウタ、コウミはネオ・フリーザーら3匹の前に立ち、一斉に指示を出す。
コウタ「ガオガエンはフリーザーに“フレアドライブ”、ラプラスはサンダーに“れいとうビーム”だ!」
コウミ「アシレーヌとリザードンはファイヤーを狙って!“アクアジェット”と“エアスラッシュ”!」

ラプラスは冷気を放ち、飛び回るネオ・サンダーを追うように薙ぎ払う。そのお陰かネオ・フリーザーもそれを避けるかのように移動し、移動先を予測して的確に“フレアドライブ”を当てる。
ネオ・フリーザー「ギャオォォ…!」ヨロッ
だがまだ倒れないネオ・フリーザーは体勢を立て直し、“みずのはどう”をガオガエンに直撃させる。
コウタ「偽物とは言え能力は伝説のポケモン相応ということか…!」
ネオ・サンダー「ギャーオ!」
“れいとうビーム”を避け切ったネオ・サンダーは動きの遅いラプラスに“10まんボルト”を当てる。
ラプラス「クゥゥゥゥン…!」ビリリリ…

アシレーヌの“アクアジェット”に対し、“ゴッドバード”で迎え撃とうとするネオ・ファイヤー。
そこにリザードンの“エアスラッシュ”が直撃し、怯んだファイヤーは“アクアジェット”の直撃を受ける。
ネオ・ファイヤー「グルル…!ギャーオ!」
ネオ・ファイヤーはすぐに空中へ舞い上がり、“ねっぷう”でアシレーヌとリザードンを牽制する。熱風を凌いでいる2匹の後ろからサンダーが現れ、こちらも“ねっぷう”を放ってコウミ達を挟み撃ちにする。
コウミ「きゃああぁっ!」
アシレーヌ「しゃなぁっ…!」
リザードン「グォォゥ…!」

コウタ「ガオガエン、コウミ達を助けるんだ、“DDラリアット”!」
ガオガエンはコウタの指示を受けて飛び上がり、ネオ・サンダーの後ろから黒いオーラを纏って突撃。そのまま地上へ墜落させた。
コウミ「…っ!アシレーヌ、リザードン、大丈夫!?」
アシレーヌ「しゃなるん…!」
リザードン「リザァァッ!」
コウミ「よし、アシレーヌはファイヤーに“ハイドロカノン”!」
アシレーヌ「しゃなぁっ!!」
 ▼ 76 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 09:07:23 ID:qPCEpyds [6/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

巨大な水の大砲をネオ・ファイヤーに放ち――
ネオ・ファイヤー「…!」
避けようとするネオ・ファイヤーの退路をリザードンが阻む。
コウミ「リザードン、“ドラゴンクロー”!」

巨大な竜の爪を当て、よろけたネオ・ファイヤーに“ハイドロカノン”が直撃する。
ズドォォォォォォォンッ…

ネオ・ファイヤーはたまらず墜落し、地に落ちたと同時に光となって消滅した。
コウタ「ガオガエン、もう一度フリーザーを狙うぞ!“かみなりパンチ”!」
ガオガエン「ガウッ!」

墜落させたネオ・サンダーを踏み台にし、ガオガエンはフリーザーの方へ飛び上がって拳に電撃を集中させる。
コウタ「ラプラスはフリーザーの後ろに“かみなり”!」

ラプラス「クゥーーーンッ!」
ラプラスの雄たけびと共にネオ・フリーザーの上から雷雲が現れ、雷が落ちる。避けようとしたネオ・フリーザーは咄嗟に後ろが阻まれ、横へ避けようとするが…
コウタ「遅い!」
ガオガエン「ガァァァァ!」
それよりも早く、ガオガエンの“かみなりパンチ”が直撃し、墜落する。

地上で倒れている2匹を見て、コウタとコウミは同時に指示を出す。
コウタ「これで決めるぞ!」
コウミ「ええ!」
コウタ・コウミ「「“ブラストバーン”!」」

ガオガエンとリザードンの2匹から凄まじい爆炎が放たれ、ネオ・フリーザー、ネオ・サンダーを包み込む。

炎が消えた頃には、2匹は跡形もなく消滅していた。
コウタ「よし、こっちは終わったぞ!」
 ▼ 77 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 09:09:00 ID:qPCEpyds [7/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




―ハウ・グラジオside―

ハウ「工場の時、コウタがやっていたことを少し真似させてもらうよ!マンムーの周りに“ストーンエッジ”!」
ケケンカニ「ケケン!ケッケーーン!」

動きの遅いネオ・マンムーを囲むように岩が地面から突き出す。
しかしネオ・マンムーは“こおりのキバ”で岩を砕き、脱出する。

ハウ「悪いけど、マンムーの馬力ならこの岩を砕くことは想定済みさ、ジュナイパー!」
ジュナイパー「ジュナァ!」バサッ
ネオ・マンムー「ムゥゥン!?」
ハウ「“ハードプラント”!!」

気配を消してネオ・マンムーの上から先回りしたジュナイパー。当然反応できなかったネオ・マンムーはジュナイパーが呼び出した巨大な樹木に叩きつけられた。
ドゴォォォォォン!

ネオ・マンムー「…。」
叩き伏せられたネオ・マンムーが立ち上がろうとするも、身体が光に包まれ、完全に地に伏したと同時に消滅した。

グラジオ「フッ…あいつも成長してるな…ルカリオ、サザンドラに“はどうだん”!シルヴァディはギルガルドに“かみくだく”!」
ルカリオ「くわんぬ!」
シルヴァディ「シヴァァッ!」

“はどうだん”を避けることができずネオ・サザンドラは消滅し、“キングシールド”後の隙を突いたシルヴァディの“かみくだく”を耐えきれずにギルガルドも力尽きて消え去った。
 ▼ 78 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 09:10:41 ID:qPCEpyds [8/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギャランツ「まさか…6匹とも倒されたのか…!?」
コウタ「観念しろ、ギャランツ!」
ギャランツ「おのれ…これで勝ったと思うなぁ!」
怒りに震え、6個のボールを一斉に投げたギャランツ。
そこから出てきたのは、既にメガシンカしていたネオ・ボーマンダ、ネオ・バンギラス、ネオ・ライボルト、ネオ・ヘルガー、ネオ・ヤミラミ、ネオ・ガブリアスだった。

コウミ「最初からメガシンカを!?」
ハウ「普通じゃこんなことあり得ない…君に仕えていたカプ使いの信者と同じことをやっているじゃないか!」
ギャランツ「黙れガキ共!この計画は何としても成功させてやる!ゆけぇ!」

メガシンカしているネオ・ポケモンが一斉に襲い掛かり、応戦する4人。その最中、ギャランツが操作している4基のカプセルにポケモンが映し出された。
ハウ「あいつ…今度はメガミュウツーXにメガミュウツーY、それにウルトラネクロズマやアルセウスを!?」
コウミ「あんなが外に出たらアローラは…!」
コウタ「アローラどころかこの世界も消滅しかねない…!あれが完成したらゲームオーバーだ!」
グラジオ「結局本音は世界の破壊か…!」
ギャランツ「我々の思想を理解できない者など滅べばいい!だが安心しろ、その後は私が世界を再び創り、お前達4人は仲良く同じ墓標に葬ってやろう!」

コウタ「……ここまで来て、引き下がるもんか!」
ハウ「ああ!おれ達の手で、皆が安心して暮らせる世界を守るんだよね!」
コウミ「それをこんな奴らのエゴなんかのために奪わせない!」
グラジオ「もう時間がない、全員、Zワザであの機械ごとこいつらを一掃するぞ!」
 ▼ 79 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 09:10:57 ID:qPCEpyds [9/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「ガオガエン!」
ハウ「ジュナイパー!」
コウミ「アシレーヌ!」
グラジオ「シルヴァディ!」

4人はZパワーリングにZクリスタルをはめ、一斉に舞い始める。

コウタ「ハイパーダーククラッシャー!!!」
ハウ「シャドーアローズストライク!!!」
コウミ「わだつみのシンフォニア!!!」
グラジオ「ウルトラダッシュアタック!!!」

4匹から一斉に放たれた渾身のZワザは、メガシンカ軍団の6匹を一撃で消し飛ばし、そのまま心臓部の機械へとまっすぐ向かって行った。
ギャランツ「や…やめろぉーーーーーーーーっ!!」
 ▼ 80 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 23:00:19 ID:qPCEpyds [10/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
心臓部となる機械が破壊されたと同時に、アローラへ侵攻しようとしていた教団の信者が使っていたポケモンは、ネオシルフから出港する直前に全て消え去った。

―――ネオシルフ・搬出入口
教徒A「な、馬鹿な!?」
教徒B「俺達のボールが!ポケモンが!消えていくだとぉ!?」
教徒C「まさか…嘘だ!ありえない!」
教徒D「…おい!ギャランツ様からの通達だ!このまま船を発進させる!全員乗り込め!」

―――
コウタ「これで今度こそ、もうお前達は終わりだ。」
コウミ「おとなしく自首して、罪を償うのよ。」
ギャランツ「………。」
ハウ「ほら、いつもまでもそこに立ってないで、行こうよ。」
ギャランツ「………フフフ、フハハ、ハーーーーッハッハッハッハ!!!」
グラジオ「…何がおかしい。」
コウミ「おかしくなっちゃったのかな?」
ギャランツ「お前達はこの後ここを抜け出して、島に帰るつもりだろう!?私がそんなことをさせるとでも思っているのかね!?」
コウタ「エレベーターが封鎖されたのは知っている。だけど君はもう何もできないだろう。」
ギャランツ「ククク…それはどうかな。」
 ▼ 81 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 23:01:17 ID:qPCEpyds [11/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜(サイレン音)〜
館内放送「当社敷地内にいる社員、来客の方は速やかに搬出入口の船に乗り、敷地外へ脱出してください。繰り返します。当社敷地内にいる社員、来客の方は速やかに搬出入口の船に乗り、敷地外へ脱出してください。」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

コウミ「な、何!?地震!?」
ハウ「それに…脱出しろってどういうこと!?」
ギャランツ「我が技術の支えとなる心臓部とも呼べる装置、“ネオ・ハート”。あれは破壊されると同時に、我が社内全域に脱出の館内放送が流れる仕組みになっているのさ。そしてここを破壊しようとした不届き物を処刑するため、あと30分でここは跡形もなく大爆発するのさ!!!」
コウタ「何だと…!?」
グラジオ「最後の悪足掻きか…!」

そういうや否やギャランツは4人を押し退けて走り出し、壁に隠されていたスイッチを押した。
ギャランツ「だが私は諦めん!我々ネオ教団は不滅!ここを抜け出してすぐにでも蘇り、その時こそ悲願を達成してやろうぞ!さらばだ!」
壁から空いた穴へと飛び込んだギャランツを追って4人は走るが、その壁もすぐに閉じられ、スイッチも爆発してなくなってしまった。

コウタ「こんなところで…!くそぉっ!!」
コウミ「そんな…私達…死んじゃうの…!?」
ハウ「しかもあいつ…また悪いことをしようとして…!」
グラジオ「……!」
 ▼ 82 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 23:02:41 ID:qPCEpyds [12/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時だった。

ハウ「…!?ね、ねぇ、コウタ、コウミ!2人の身体、なんか光ってるよー!?」
コウタ「えっ…?あっ…。」
コウミ「うぅっ…ぐすっ…え、ええっ?なに、これ?」
グラジオ「いや、オマエらだけじゃない…ハウも…オレも…なんだこれは…!?」
 ▼ 83 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 23:03:23 ID:qPCEpyds [13/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
??????「カプゥーコッコ!!」
??????「カプゥーフフ!!」
??????「カプゥブルル!!」
??????「カプゥーレ!!」

コウタ「カプ・コケコ…!?それに、他の島の守り神達も…!!」
コウミ「こ、今度は本物なの…!?」

突如4人の身体が光に包まれ、同時にカプ達が姿を現した。
そして周りの空間は、先程までいた筈のネオシルフ地下ではなく、虹色の光の中だった。

カプ・コケコ「コケッ…。」
カプ・テテフ「ててててー♪」
カプ・ブルル「ブルル!」
カプ・レヒレ「レヒィ―。」

4匹の守り神からも光が放たれ、4匹と4人はアジトの地下から姿を消した。
 ▼ 84 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 23:06:04 ID:qPCEpyds [14/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
―――海上
教徒A「ギャランツ様、よくぞご無事で!」
ギャランツ「1人用の脱出ボートも用意したし、その作動スイッチも破壊した。もうこれであいつらはあの島ごと木っ端微塵だ。」
教徒B「…一般社員の方ですが、何故か我々が様子を見に行った頃には1人もいませんでした。」
教徒C「さらにはどこの船にも乗っておらず、行方不明です。」
教徒D「…?目の前、何か光が見えるぞ。」
ギャランツ「…!?あ、あれはカプ―――――















それからしばらくして、ネオシルフが建っていた人工島は木っ端微塵に砕け散った。
 ▼ 85 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 23:06:29 ID:qPCEpyds [15/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
―――リリィタウン
???「…き…………て……………きて…………起きてください!!!!!」
コウタ「…?あれ…。」
コウミ「…………んぇ?」
ハウ「う〜ん……えっと……え……リリィタウン!?」
グラジオ「………オレ達…確かネオシルフに…。」
 ▼ 86 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 23:06:59 ID:qPCEpyds [16/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエ「コウタさん…!コウミさん…!ハウさん…!お兄様…!ご無事でよかった…よかったですっ…!」ポロポロ
ククイ「各島の島キング、島クイーン達の祈りが届いたんだな!」
ハラ「君達ならきっと帰って来てくれると信じていた。だがもしものことがあった時のためにと、カプ達にお願い申したところですぞ。」

コウタ「助かったんだ…アローラも…皆も…。」
コウミ「やった…やったんだよ私達!!」ギュッ
ハウ「本当にやり遂げたんだ…すごいよ!」
コウタ「うん…!みんなの…皆のお陰だ…っ!!」
グラジオ「フッ…本当だよ。オマエ達がいてくれて、本当に良かった。ネクロズマの件と言い母さんのことと言い、オマエ達には感謝しきれないな…。」
ハウ「こんな時ぐらい素直に喜べよー。あははは!」

ネオ・ポケモンによる大量殺人事件は、勇敢な少年少女達、そして島民全員の力により終わりを迎えた。
後にこの事件は「ネオ・ポケモン事件」と呼ばれることになり、アローラ地方から他の地方にも伝わった。
こうして世界では、2度とこのような事件が起きないよう動き出す。

そしてこの知らせは、とある場所にも伝わっていった…。





Episode#3〜ネオシルフ突入〜・完
 ▼ 87 が最後の更新◆6NpEuhCrOQ 19/11/14 23:08:42 ID:qPCEpyds [17/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※駆け足になりましたが、最終回となる第4話は明日「11月15日」、朝に投稿予定です。
今回のように朝と夜とで分けず、一気にすべて更新したいと思います。

それでは皆様、良い夜を。
 ▼ 88 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 06:39:39 ID:hbb.8276 [1/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

Episode#4〜エピローグ〜

―コウタside―
ポケモントレーナーの皆さん、アローラ。コウタです。
アローラ一丸となって世界を救った僕達。何か自分で言うのも照れ臭いね。僕らはただ、ネオ教団みたいな連中を許せなかっただけさ。
ここからしばらく、その後日談になる。少々僕が感じたことも交えながら、長めの話になっちゃうけど、ポケモントレーナーの人もそうでない人も、この騒動を知っている人も、付き合っていただけると幸いです。



まず、今回の事件なんだけど、僕ら3人が集まった日が1日目だとして、2日目の夜にハウが目撃して、3日目にククイ博士に報告、4日目に工場へ突撃。
そして5日目にエーテルパラダイスで準備、6日目の深夜、まぁ日を跨いだだけなんだけど、この日にネオシルフ本社、もとい、ネオ教団本拠地での決戦だったね。
決戦から帰ってきた僕らは、一旦自宅に帰宅したんだ。コウミとハウはすぐに寝ちゃったらしいけど、僕はこの事件についての後日談をニュースで確認した。

今回の事件はネオシルフが創立された半年前よりも更に前から計画されていて、もうそれは今から6年も前からだそうだ。
これは逮捕された社員の一部の証言で、本社にいた信者達は全員黙秘を貫いていた。
本社はもう全域が大爆発して、海上にまだ残骸が残っている。アローラ地方の陸だけでなく、海にまで大きな爪痕が残ってしまって、復興にはどれだけの時間がかかるのかな…。

表立ってアローラで活動が始まったのは、僕らが教団本拠地に突入した日の8日前。僕ら3人が久しぶりに会った日の3日前でもある。
…奴らの活動開始から工場沈黙までの7日間だけで、各島合わせて30人以上のトレーナーと、その所有ポケモンがいなくなってしまったらしい。現在もまだ調査中だそうだ。

事件に関わった幹部社員、そして脱出していたギャランツは、カプ達のお陰で捕まった。
カプ・コケコからテレパシーみたいな声が聞こえて、それによれば、僕達をメレメレ島に送った後に彼等を発見し、海上で船ごと全員、エーテルパラダイスに飛ばしたみたいだって。その後は待機していた警察官と財団職員が数の暴力で全員捕まえたそうだ。

あとはそうだね…ネオシルフの社名となっていた“シルフ”、あれは僕とコウミの故郷でもあるカントー地方にある大企業“シルフカンパニー”が取材に応じた結果、一切関係がなかったらしい。
わざわざ大手企業の名前を勝手に使った挙句、一部の人々からシルフカンパニーへの風評被害があった。これの収束、なかなか大変だったよ。
 ▼ 89 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 06:40:00 ID:hbb.8276 [2/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次なんだけど、僕は“ネオ・ポケモン”を製造し、使役した奴らを許す気は毛頭ない。でも“ネオ・ポケモン”そのものは、とても悲しい存在だと思う。
ネオシルフ社内で僕らが破壊した“ネオ・ハート”は、ネオポケモン達の生命機関でもあり、崩壊と同時に全ネオ・ポケモンが消滅した。
喜ぶべきところではあるんだけど、正直複雑な気持ちもある。

……“ネオ・ポケモン”はクローンともまた似て非なる存在、本来生まれるはずがなかった彼等を、“命”と呼べるのだろうか…。
もしそうなら、あいつらのエゴで生み出された生命を、また別の生命を守るために僕らの手で消したことになるな、と思ってね。
ポケモンと似た姿で、ポケモンも人も蹂躙し、理不尽に奪われた命、そして命を奪うために使われた“ネオ・ポケモン”はもう戻ってこない…。

―――いずれにせよ、二度と同じ悲劇を繰り返してはならない。
本来生まれるはずがなく、人間の手で紛い物の化け物として生み出されてしまった“彼等”による悲劇を…。
 ▼ 90 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 06:40:50 ID:hbb.8276 [3/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして事件解決後、僕らは忙しかった。

まずは今回の事件で犠牲になってしまった人々やポケモンの供養。
ハウオリ霊園に大きな墓標を立てて名前を刻み、島民全員でお礼参りをした。これは今後も定期的に行うことが決まった。

次にネオシルフの元社員。
まずは主にフレンドリィショップの製品事業に携わっていた一般社員だけど、案の定教団の存在や、教団の暗躍については知らなかったらしい。
そこで島民が一丸となって、失業した彼らの就業支援を行った。1人1人の希望に応じて様々な企業や法人への斡旋を行い、彼等がレッテルを張られないように社会復帰させることに成功した。
エーテル財団や他の地方の企業など、進路は様々。中には就職はせず、起業した元社員もいる。なんでも、今回の事件を受けてポケモンや人々を大切にする、それを伝えて回るお仕事をするだとか。
僕らのような子供はさすがに企業の紹介とかはできないから、大人達のアシスタントに回った。

そして、この事件を起こした幹部社員、まぁ、ネオ教団の信者達や教祖なんだけど、国際警察がいるっていうシンオウ地方に引き渡されて、そこで無期懲役だそうだ。あそこは今は警備もアローラより厳重だし、これでもう彼等は表舞台には出られないだろう。



事件の収束に向けた活動は、島民全員の協力もあって2ヵ月で終わったのだ。
この事件とその後とで、仲間の大切さを改めて知ったよ。もっとも、仲間が大切じゃないとか思ったことなんて、一度だってないけどね。
 ▼ 91 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 06:41:12 ID:hbb.8276 [4/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
収束後はリリィタウンで大規模なお祭りが開かれた。僕とコウミ、ハウがケンタロスに乗って行うパレードまで開かれた。
グラジオだって来ればよかったのに、あいつったら「ガラじゃない」だとか、「オレは何もしていない」だとかで断っちゃった。土壇場で助けに来てくれた上に決戦の準備だって彼が主導で行われたというのに、つれないなぁ…。

あとはお祭りの後に、約束通りグズマのところにも顔を出した。グソクムシャとガオガエンの一騎打ちだったけどギリギリ勝てたかな。
グズマには「ネオシルフだとかイカれた連中だがよ、アイツらもオレ様もぶっ壊すなんて、破壊という言葉はお前こそ人の形をしているのかもな!」とからかわれたよ。ホントそういう言葉好きだなぁ。グズマらしいけどね。(笑)
……ハウやコウミ、グズマも強くなってきてるのに、僕はこのままでいいんだろうか…。



―コウタside out―
 ▼ 92 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 06:41:36 ID:hbb.8276 [5/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
―――祭りから2日後、戦の遺跡前
コウミ「どうしたの?私たち2人を呼び出して。」
ハウ「話って何ー?」
コウタ「急に呼び出してごめんね2人とも。来てくれてありがとう。」

夕暮れ時、コウタは大事な話、お願いがあると2人を呼んだ。
2人は真剣な表情でコウタを見つめ、コウタもまた2人を真剣な眼差しで見つめ返す。

コウタ「実は2人にお願いがあって呼んだんだ。今回の事件や、僕が他の地方で知った事件、そしてお祭りの間にも、ずっと考えていたんだ。母さんやククイ博士にも相談して、決めたことがある。だから、その前に2人…正確にはどちらかにお願いがある。」
ハウ「もったいぶってないで早く教えてよー。」
コウタ「ああ、ごめんごめん。実は…。」


そして一呼吸おいて、こう告げた。











コウタ「明日、ポケモンリーグの玉座まで来てほしい。またもったいぶって申し訳ないけど、僕が決めたこともそこで話すよ。」

コウミとハウは少し考え、そしてゆっくりと頷いた。
コウタ「用件はひとまずそれだけだよ。聞いてくれてありがとう。」
コウミ「うん…わかった。明日ね。」
ハウ「それって、2人来ることはできないの?戦うのはどっちかになるんだけどさー。」
コウタ「……相談してみるよ。それじゃあ、2人とも、また明日ね。」
 ▼ 93 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 07:22:11 ID:hbb.8276 [6/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

―3日後

この間の3日間、アローラの世間は騒然とした。
「1年半もの間守り抜かれてきたチャンピオンの座、交代!新チャンピオンは―――」

コウタがコウミとハウを呼び出したその翌日、チャンピオンの間に3人が会した。
そこで、“その時”チャンピオン“だった”少年コウタと、相対するチャレンジャー・コウミとのゼンリョクの試合が行われた。
バトル終了後、コウタは「これでもう悔いはない。」と言い、新チャンピオンの誕生を祝った。
無論だが双方ともに手加減等もなければ、不調も一切なく、最高のコンディションで勝負をし、ハウはその勝負を最初から最後まで見届けていた。
コウタの意向で、ポケモンリーグに挑戦しに来たコウミに付き添う形でハウも通されたのだ。

試合後、ポケモンリーグから帰宅する途中で、コウタは自分の決意をコウミ達2人にも話す。
最初は驚きこそした2人だが、コウタがそう考えるに至った経緯を聞くと、寂しさを残しつつも納得した。



そして現在、ハウオリシティのショッピングモール前にて―――

ククイ「いよいよだな、コウタ。寂しくなっちまうが、君が戻ってくるまでアローラのことは僕達に任せてくれ!」
グラジオ「本当に行くんだな。」
コウタ「うん。今回の事件だって、1人の人間のエゴから始まった。そう考える人がいなくならない保証はないし、また今回のような、あるいはそれ以上の事件だって起こるかもしれない。」
コウミ「うん…。」

コウタ「それに、あの事件以来、何か少し腑抜けちゃってたみたい。だからこれは僕自身の修行でもある。そして、今回の事件が起こらないように僕に何かできることを探すよ。そのために、僕は…。」
コウタはそこで一旦区切り、深呼吸して、告げる。
 ▼ 94 ェークル@4ごうしつのカギ 19/11/15 07:35:53 ID:C6HEcOiY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 95 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 07:46:30 ID:hbb.8276 [7/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウタ「……僕は、ガラル地方に行こうと思う。」
 ▼ 96 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 07:48:07 ID:hbb.8276 [8/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハウ「ガラル地方と言えば、今日から開港するっていう、また遠く離れたところだよね…気軽に会いに行けそうにないよ…。」
コウタ「それに、ガラル地方は生態系への影響をより厳しく見ているところで、連れていけるポケモンが限られているんだ。」
コウミ「だから、入国審査のこともあって、今回手持ちは連れて行かないんだね…。」
コウタ「ああ。それにまた一からトレーナーとしての経験も積んでいこうと思っている。そうでなきゃ、また今回みたいな事件が起きても、とても立ち向かえないよ。」

ククイはコウタの前に歩み寄り、両肩にポンッと手を置く。
ククイ「…それでも君なら大丈夫だ!なんたって向こうでもポケモンと一緒に旅をするんだし、きっと向こうでも素敵な仲間に恵まれるさ!」
コウタ「博士…。」
ククイ「君のポケモンも僕達がしっかり面倒見るさ。またアローラに帰ってくるその日まで!だから安心して、“ウルトラダッシュアタック”のようにガラルを突き進んでいけ!」

ハウ「ポケモンの技を混ぜた博士の話、久々に聞いたよー。コウタ!コウタが安心して戻ってこられるように、何より安心して旅ができるよう、アローラのことは任せてよ!」
コウタ「ありがとう…ハウ。ありがとうございます、博士。みんな、アローラを頼んだよ…!」

コウタの母「アローラが恋しくなったら、いつでも帰ってきなさい。そうでなくても、たまには連絡寄越すのよ?いくらあなたが旅に慣れてたくましくなっていても、親として心配なんだからね。」
コウタ「いっつも心配かけてごめんね。それに、ありがとう。できる限り、時々連絡するように心がけるよ。もちろん、他の皆にもね。」
 ▼ 97 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 07:48:25 ID:hbb.8276 [9/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウミ「……そろそろ、船が出る時間ね…。」
コウタ「…ああ、寂しいけど…そろそろ行くよ。コウミも、ありがとう。僕の傍にいてくれて。」
コウミ「……っ!…うん…コウタこそ…ありがとう…!」
ハウ「あっちに行っても、元気でねー!」
グラジオ「フッ、オマエならガラルに行っても大丈夫だろう。だがアローラに帰ってくるなら、オレ達と戦うまで勝ち続けろよ!」
コウタ母「向こうでも身体に気を付けて、頑張るのよ!行ってらっしゃい!」
ククイ「“ドリルライナー”のように、君は君の信じた道をゼンリョクで進むんだ!そのためにも、まずはゼンリョクでガラルを楽しんできてくれよな!」

コウタ「………はい!ここまで見送り、激励の言葉、ありがとう!行ってきます!」



そしてコウタが船の方へ振り向いた。

コウミ「あっ、あのっ、コウタ…。」
コウタ「ん?どうしたの、コウミ。」

コウミ「……。」
コウタ「……。」

コウミ「…ううん、ごめん、やっぱ何でもない。」フルフル
コウタ「……そっか。じゃ、僕はもう行くね。」
コウミ「…元気でね。コウタ。」
コウタ「……うん。行ってくるよ。


 ▼ 98 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 07:48:57 ID:hbb.8276 [10/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「おれ、コウタが帰ってくるまでにもっともーーーっと強くなる!チャンピオンになって、コウタを迎えうてるようにしとくからねー!」
コウタ「ああ!ハウ、頑張れよ!新チャンピオンだって強いからなー!」

そしてコウタは船着き場に向かって歩き出す。



しばらくして、無言を貫いていたコウミにハウが話しかける。
ハウ「コウミ、行っておいでよ。」
コウミ「えっ…。」
ハウ「コウタに伝えたいことがあるんでしょ?言えないまま別れるより、言った方が良いよ。」
コウミ「でも…。」
ハウ「言ってしまえば、これから旅立つコウタを邪魔しちゃう、なんて思ってるんでしょ。」
コウミ「…。」
ハウ「でも、言いかけておいてそのままじゃ、その方がコウタは気になって集中できないと思うよ。大丈夫。コウタだって旅立つ前に聞きたいだろうし、旅に出ることはやめないと思うよ。」
ハウ「コウタとまた安心して会える日が来るように、さ。行っておいでよ。新チャンピオン。」

コウタ母「コウミちゃん。」

そしてコウタの母がコウミの前に歩み寄った。
 ▼ 99 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 07:56:52 ID:hbb.8276 [11/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ母「あの子だって、きっと寂しいはずよ。だから行ってあげて。コウミちゃん。」ニコッ

そしてハウとコウタの母はコウミを送り出す。泣きそうな顔をしていたコウミは吹っ切れたような笑顔になり、顔を上げる。

コウミ「……ありがとう、ハウ、コウタのお母様っ。私、行ってくる!」
タッタッタッタッ…


コウタ母「…青春ってやつねぇ。」シミジミ
ククイ「まったくですね!」
ハウ「…君もゼンリョクを出し切って来てね。コウミ。」




―――船着き場、船の前

コウタ「……。」
コウタは、先程コウミが何を言おうとしていたのか、気になっていた。
とはいっても、今更それを聞くためだけに引き返すことはできない。もうチケットは見せて、船の前まで来たのだ。

すると、後ろの方から大きな声での話が聞こえた。

\ごめんなさい、船には乗らないので、今行った男の子と少しで良いから話をさせてください!/
\ちょっと、お客様、困ります!/

コウタは受付の近くまで戻ってきて話を通した。
コウタ「ごめんなさい。出港までの10分以内に済ませます。通してあげてください。」
 ▼ 100 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 07:57:14 ID:hbb.8276 [12/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウミ「ごめんね…これから旅立とうとしてるときに呼び止めちゃって。」
コウタ「…まだ時間は少しだけどあるし、気にしていないよ。」
コウミ「…ありがと、やっぱり優しいね…コウタは…。」

ザザーン…

コウミ「…あのね、コウタ。」
コウタ「うん。」
コウミ「…こんな時に、こんなこと言っちゃったらさ…きっと…君の旅の邪魔になっちゃうんじゃないかって…それで…。」
コウタ「…。」
コウミ「…でも、私は、コウタが決めたことだし、旅には出て欲しいと思ってる。でもっ…それとは別に、私の想いもあるのっ…!」
コウタ「それを話すために、ここに来てくれたんだね。それなら、僕はどんなことだって聞くよ。だから聞かせて。コウミ。」

ザザーン…

コウミ「私…コウタの…コウタのことが…っ。」
コウタ「…!」
 ▼ 101 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 07:57:44 ID:hbb.8276 [13/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウミ「コウタのことが…大好き…です…!」















コウタ「…。」
コウミ「トレーナーとして、ライバルとして…何より友達として…好きだった。でも…ネオ・ポケモンの話を聞いて、怖くなってっ…!」
コウミ「…その時、真っ先に…貴方のことが…頭に浮かんだの…!もちろん…他の誰かがいなくなるなんて…そんなの嫌…!」
コウタ「…うん。」
コウミ「…でも、もし…コウタまで消えたら…って、気が付いたら…あの日の夜、コウタの部屋の前にいたの…!」ポロポロ

コウミ「……ごめんね…もっと早く…話した方が…よかった…よn…えっ…?」

気が付けば、コウミは、コウタに抱きしめられていた。
 ▼ 102 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 07:58:58 ID:hbb.8276 [14/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウタ「僕こそ…ごめん…そこまで想われていたなんて…そしてそこまで想ってくれている人を…危険な目に遭わせてしまった。」
コウタ「本社内で偽のカプ・コケコに襲われた時、目の前で今にも殺されそうになっていた君を、僕は助けられなかった。」
コウタ「結果的にグラジオが助けてくれたこと、僕は感謝している。……僕はその時だけは、今までにないくらい自分が弱いと思ってしまったよ。」
コウタ「…君が想いを伝えたっていうのに、卑屈なことしか言えなくてごめんね…。」
コウミ「そんなこと…ううっ…。」
コウタ「…でも、君がこうして話してくれたおかげで、僕、もう旅立てるよ…・。ありがとう。








僕も、君が好きだよ、コウミ。しばらく離れ離れになってしまうけど………こんな僕でよければ…付き合ってください…!」

コウミ「…!コウタ…!コウタぁっ…!!」ギュッ
コウタ「僕は必ず帰ってくる。…必ず!」ギュゥッ
コウタ「だから、それまで待ってて。ここまで大層なことを言ってて、長い時間、待たせてしまうかもしれないけど、それでも必ず帰ってくる…君が待っていてくれるなら、尚更帰ってくるよ!」
コウミ「私も…グスッ…ずっとずっと待つ!アローラチャンピオンの座を守りながら、また胸を張って貴方に会えるように!」

ザザーン…

コウタ「…それじゃあ、行ってくるよ。君や、このアローラに堂々と帰ってこれるぐらいに強くなる。」
コウミ「うん。私もずっと待ってるよ。いつか帰ってきた君を迎えられるように!」
コウタ「次会うときは、ポケモンリーグの頂上で、会おうね。約束だよ。」
コウミ「うん!約束!」
 ▼ 103 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 07:59:23 ID:hbb.8276 [15/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウタ「それじゃあ、行ってきます!」




コウミ「行ってらっしゃーーい!」

ザザーン…





コウタ(島が…だんだん小さくなっていく…。)
コウタ(さ、次はガラル地方だ…どんなポケモンや、どんな人と出会えるか…楽しみでもある。)
コウタ(今回の事件の再発防止に向けて、僕に出来ることを探す、そしてトレーナーとして修業し、僕自身、強くなる。)

コウタ(でもその前に…まずは、旅を楽しまなきゃな!)

コウタ(ありがとう、アローラ地方…ありがとう、僕のポケモン達…。)
コウタ(ありがとう、ここまで僕らを支えてくれた島のみんな…。)
コウタ(ありがとう…僕の大切な人―――――コウミ。)

コウタ(また、会う日まで!)





ポケットモンスター - 世界に迫る脅威 - ・完結
 ▼ 104 れにて閉幕◆6NpEuhCrOQ 19/11/15 08:06:16 ID:hbb.8276 [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第4話最終回、終了いたしました。

ここまで支援いただきました方、見てくださった方、大変ありがとうございました。
 ▼ 105 スラオ@デボンスコープ 19/11/15 17:38:11 ID:QMp2Xw1s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お疲れさま
 ▼ 106 ンガー@ヘルガナイト 19/11/15 18:07:52 ID:XpM.Ge8U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おつ

あれ使ったんすね セリフ
ありがとうございます
 ▼ 107 6NpEuhCrOQ 19/11/16 00:35:02 ID:3jM2jD6w NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>105
>>106
大変ありがとうございます。
こうしたお言葉をいただけて、うp主としては光栄な限りでございます。

>>106
その節はお世話になりました。
参考にして読み返してみたら、いかにもそのキャラが出ている感じがして安心して投稿できました、改めまして感謝感激でございます。
このページは検索エンジン向けページです。
閲覧&書き込みは下URLよりお願いします。
https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=1078278
(ブックマークはこちらのページをお願いします)
  ▲  |  全表示107   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!

(消えた画像の復旧依頼は、お問い合わせからお願いします。)
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼