【SS】ダイゴ『そろそろ旅立とうと思っているんだ……ミクリ。』:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】ダイゴ『そろそろ旅立とうと思っているんだ……ミクリ。』:ポケモンBBS

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【SS】ダイゴ『そろそろ旅立とうと思っているんだ……ミクリ。』

 ▼ 1 クティス・ルシス・チェラム 15/06/08 11:46:30 ID:rAcz5d3s NGネーム登録 NGID登録 m 報告
目覚めの祠の前にそびえる大木の下で、ミクリは突然ダイゴに告げられた。

しばらくの沈黙の後、ミクリが口を開く。
「それは……希望を叶えられる時が来たって事かい?」

ダイゴは真っ直ぐな瞳でミクリを見つめ、静かに頷いた。
「つまり……僕が何を言いたいのか、分かるよね?」

あの日、ポケモンリーグで交わした約束。来たるべき時に、ダイゴの力になるとミクリはあの時約束していた。

「あぁ……だが本当に私でいいのかい?殿堂入りしたトレーナーは何人かいるんだろう?」

ダイゴは微笑しながら首を振り、
「彼には断られてしまったからね……。僕はね、ミクリ。君にチャンピオンになってほしいんだ。」と答えた。

 ▼ 723 ルチャイ@すごいつりざお 16/08/26 21:51:18 ID:VVEYoiYc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 724 クア◆73tB3kDfxw 16/08/26 23:54:14 ID:7ZRQicY2 NGネーム登録 NGID登録 報告
このままではメガボーマンダの熱風は凌ぎきれない。しかし、ミクリはその先を見越していた。

ーーー……あとは、賭けるしかない。ーーー


そして、とうとう熱風が吹雪を押し切り、ミロカロスを飲み込んだ。効果は今ひとつとはいえ、既に大きなダメージを受けていた分ミロカロスの体力は瀕死手前にまで差し掛かった。

「決着をつける!ボーマンダ、ドラゴンダイブ!」

熱風を終えると、すぐさまメガボーマンダは構えを取る。

ミクリはミロカロスの様子を見る
 ▼ 725 クア◆73tB3kDfxw 16/08/27 00:24:08 ID:.b6kTKDE NGネーム登録 NGID登録 報告
>>724
途中送信すいません


ミクリはミロカロスの様子を見た。“準備は整った”と確認を済ませると、彼は素早く呼吸して声を張る。

「かわせ!」

同時に、相手にとどめを刺さんとメガボーマンダが飛び出した。

二人の指示が出揃った時点での両ポケモンの距離は、先程よりも少々近かった。恐らく紙一重の回避になるが、ミロカロスならこなしてくれるとミクリは信じて疑わなかった。

どうにか逃げ切って、追い風の効果が消える間際を狙おうと彼は考えていた。


刹那、ミロカロスは主人から貰い受けた“ある物”の恩恵を受けて、実感していた。

『今なら、この速さにも適応出来る』と。


「!?」

瞬く間の出来事だった。あまりの速さに、何が起きたのかミクリはすぐに把握し切れなかった。

見るとメガボーマンダは、ミロカロスのアイアンテールによって弾き飛ばされていたのだ。
 ▼ 726 ナップ@てんかいのふえ 16/08/29 15:44:30 ID:LLge7wMM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援アゲール
 ▼ 727 ーランス@そうこのかぎ 16/08/29 23:19:07 ID:DQlR3YPU NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 728 クア◆73tB3kDfxw 16/08/31 14:26:24 ID:CwlMfcsk NGネーム登録 NGID登録 m 報告
衝撃的な出来事に、ゲンジは息を止める。

普段から、追い風の中を飛び回るメガボーマンダを目で追ってきたゲンジは、動体視力が著しく鍛えられていた。故に、彼は決定的な瞬間を視界に捉えていた。

ミロカロスは、比較的余裕を持ってドラゴンダイブを回避しつつ、そのまま反撃に転じたのだ。

ーーーかわすだけでなく、反撃をする余裕まで確保しただと……!?ーーー


解せなかったが、考えるのを後回しにして、ゲンジは次の指示を出そうとした。

「ボーマンダ!ドラ……」

だが、途中でゲンジは言葉を中断した。相手のミロカロスが、既にハイドロポンプを形成し終えていたのだ。

「ミロカロス……!」

ミクリはようやく事態を飲み込んだ。彼がミロカロスに渡した持ち物は、ここにきて大きな助けとなったのだ。

「旋回してかわせ!」

「撃てっ!」

両者の声と共に、2匹のポケモンは行動を起こす。ミロカロスは得意のハイドロポンプを勢い良く発射した。対してメガボーマンダは体を斜めにして飛行し、水流から逃れる。

ミロカロスは物凄いスピードを得たものの、命中率が高まった訳ではない。相手の動きに反応し、対処する事は可能でも、高速で移動する標的にハイドロポンプを当てるのは至難である。
 ▼ 729 uayBN/1TbU 16/08/31 14:43:15 ID:EIf.FSEc NGネーム登録 NGID登録 m 報告
これ まだ 続いてたんか
 ▼ 730 クア◆73tB3kDfxw 16/09/01 00:05:08 ID:Gh9ywOIE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
メガボーマンダが回避している間に、ゲンジはミロカロスの様子が変化した原因を推理する。

ミロカロスは初めから、見た目で分かる様な目立った道具は持っていなかった。そして、急に動作が素早くなったのは熱風を食らった直後である。その事から、ゲンジは“消費するタイプの小さな持ち物”をミロカロスが使ったのだと読み取った。


ミロカロスのハイドロポンプが細まっていく。攻撃が終了する予兆を感じ取った両者は、すぐさま叫んだ。

「秘密の力!」

「熱風!」

彼らは最早、相手の出方を待たず、先読みを基本にして指示を口にしていた。そうでもしなければ、目の前で激動する戦いに付いていけないからだ。

メガボーマンダが追い風に乗せて熱風を放出する。ドラゴンダイブが来ると予想していたミクリは僅かに表情を強張らせる。

だが、そこはミロカロスが機転を効かせてカバーした。ミロカロスは自身の前に、何層にも重なる様な壁を創造して熱風を防御した。

「ナイスだ、ミロカロス!」

ミロカロスは、酷く疲労しているにも関わらず元気な声で返事をした。
 ▼ 731 クア◆73tB3kDfxw 16/09/01 14:51:24 ID:Gh9ywOIE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ゲンジは推理を再開する。

彼は、ミロカロスが消費した持ち物を木の実と仮定して考える。すると、一つ思い当たる木の実が頭に浮かんだ。

ーーーカムラの実か……?ーーー

ポケモン勝負において役立つ木の実の中には、窮地に追いやられたポケモンが食す事で初めて効果を現す種類がいくつか存在する。その内の一つがカムラの実である。

カムラの実は、ピンチの際に摂取すると素早さが高まる効能を持つ。まさに今のミロカロスの状況と一致していた。

それでも、ゲンジは腑に落ちなかった。カムラの実を消費したとしても、あれ程の変化は異常だと、ゲンジの感覚が告げていた。


「もう少しだっ!」

ミクリは確信していた。追い風が止まる瞬間に攻め込めば、必ず勝てると。

ゲンジも、この追い風が吹いてる内に決着をつけねばいけないと意識していた。焦る気持ちを抑え、彼は拳を握りしめた。


「……ボーマンダ!雷の牙!」

熱風が収まる間際にゲンジは指示した。メガボーマンダは牙を剥き出しにして、対象へと接近する。
 ▼ 732 ーナノ@モンスターボール 16/09/01 18:35:57 ID:i12ooVtk NGネーム登録 NGID登録 m 報告
しえんぬ
 ▼ 733 ビヨン@モモンのみ 16/09/03 21:39:41 ID:Y3NGFPEQ NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 734 ュバルゴ@みどりのプレート 16/09/05 20:19:44 ID:lJeQdppg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 735 リゲイツ@むしのジュエル 16/09/06 22:03:10 ID:veMl76Kg NGネーム登録 NGID登録 報告
面白す
 ▼ 736 クア◆73tB3kDfxw 16/09/07 00:23:01 ID:EUOsPDZs NGネーム登録 NGID登録 報告
直線的な軌道で速攻するドラゴンダイブと違い、雷の牙は使用中でも自由に動ける。つまり、秘密の力で進路を阻まれようと、メガボーマンダは高い機動力でそれらを避けて相手に近付ける。

それは、ミクリも分かっていた。一切の気の緩みも許されない戦況の中で、彼の判断力は研ぎ澄まされ、冴え渡っていた。


「退きながらアイアンテールで凌ぐんだ!」

秘密の力を中断して、ミロカロスは飛び退く。

ーーー追い風は、常にボーマンダの進行方向に従って吹く!ーーー

ミクリはそれも考慮の内に含め、“後退”を指示したのだ。メガボーマンダの向いている方向に合わせて移動すれば、少なからず相手の追い風の恩恵を逆利用できる。

とはいえ、まだメガボーマンダの方が単純な速さにおいて上である。メガボーマンダは距離を開かせる事無く、ミロカロスに追いついた。


「……今なら見切れるだろう?ミロカロス!」

追いつかれるのは、当然想定済みだった。ミクリの狙いは、“ミロカロスが十分に相手の動作を見極め、防御をこなせる状況”を作り出す事だった。

メガボーマンダの噛み付く素振りに応じ、ミロカロスは硬化した尻尾を振り上げる。
 ▼ 737 ヘッド@かいのカセキ 16/09/10 19:42:59 ID:lHH4SSgU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 738 シギソウ@ふしぎなアメ 16/09/10 21:32:41 ID:88bMd1uw NGネーム登録 NGID登録 報告
このスレ内で終わるかわからんがもし終わらなかったら絶対に続きのスレ立てて書いてくれ、マジで面白い

できればそのスレ名も教えてくれると助かる
 ▼ 739 クア◆73tB3kDfxw 16/09/11 10:11:21 ID:r2WGen0I [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
しなるアイアンテールでメガボーマンダの顎を打ち、雷の牙を阻止する。負けじと、メガボーマンダは何度も口を開き、様々な角度からミロカロスを強襲した。

常人の目には捉えきれないレベルで、そんな攻防が連続で行われた。間断なく、肉体がぶつかり合う音が鼓膜を揺らす。


「アイアンテールは、ミロカロスにとって使い慣れた技の一つ……。どんな猛攻だって退けるさ!」

彼の言う通り、ミロカロスは高い精度で相手の技を弾き続けていた。コントロール重視故に威力は普段より劣るが、
 ▼ 740 クア◆73tB3kDfxw 16/09/11 10:28:23 ID:r2WGen0I [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告

また途中送信すいませぬ

彼の言う通り、ミロカロスは高い精度で相手の技を弾き続けていた。コントロール重視故に威力は普段より劣るが、小刻みな打撃は確かなダメージをメガボーマンダに蓄積させていった。

「……………。」

ゲンジは無言だったが、その表情は固かった。


すると、急にメガボーマンダは呻き声をあげながら後ろへ飛んだ。雷の牙による効力が途絶えたのだ。

すかさずミクリは叫んだ。
「ハイドロポンプ!!」

ミロカロスは、退避したメガボーマンダに狙いを定め、大量の水流を急速に圧縮させる。

「ボーマンダ!ドラゴンダイブで突撃しろ!!」

その指示を出したのと同時だった。

ついに、追い風が止んだ。
 ▼ 741 クア◆73tB3kDfxw 16/09/11 10:31:27 ID:r2WGen0I [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>738
ありがとうございますorz

ダイゴ戦が始まる前に、次のスレを立てる予定です。
次のタイトルはまだ未定ですが、
・ダイゴ「(台詞)……ミクリ。」
・ミクリ「(台詞)……ダイゴ。」
↑こんな形式のどちらかになるかと思います。
 ▼ 742 クア◆73tB3kDfxw 16/09/12 14:30:21 ID:cpEYPosQ NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ゲンジは追い風が終わるタイミングを熟知していた。だからこそ今、ゲンジは捨て身の攻撃をメガボーマンダに言い渡した。

轟音と共に発射されたハイドロポンプ。メガボーマンダは全身に力を纏い、その激流へと躊躇なく突っ込んだ。

相手は引き分けに持ち込もうとしている。その意図をミクリは察知した。

「負けるなミロカロス!これが最後の勝負だ!」

ミロカロスは全身全霊を捧げ、ハイドロポンプの威力を限界まで高めた。


一方で、ゲンジの心には久方ぶりの感情が湧き上がっていた。それは、トレーナーとしての本能。“受けて立つ者”の立場ではなく、“挑む者”として心に抱いた『負けたくない』という想い。

「ここが正念場だ!ボーマンダ!」

ゲンジの声を聞いたメガボーマンダは唸り、更に勢いを増して水流に立ち向かった。膨大な量の水を吹き飛ばしながら、メガボーマンダは確実に相手との距離を詰めていく。


攻撃は十分に与えていた。それでも尚、ミロカロスの全力のハイドロポンプを押し退ける底力を発揮するメガボーマンダを見て、ミクリは敬意を抱いた。
 ▼ 743 ケッチャ@クリティカット 16/09/12 23:25:13 ID:OAn4m2D. NGネーム登録 NGID登録 報告
しーえんしえんー
 ▼ 744 ロトック@かわらのかけら 16/09/14 19:20:58 ID:g6rl/9as NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 745 クア◆73tB3kDfxw 16/09/15 23:23:05 ID:XjMqNmUw NGネーム登録 NGID登録 報告
「……本当に凄いポケモンだ。少しでも局面が違っていれば、私は既に負けていたのかもしれない。」

相手の逞しい姿を目にして、ミクリは素直な感想を口にした。そのまま、彼は力強く言葉を続ける。

「でも、だからこそ!一度掴んだ勝機は絶対に離さない!!」

ミロカロスまで後数メートルの所までメガボーマンダが迫った。その瞬間、ミクリは仕掛けた。

「ミロカロス!前方に飛び込め!」

突然の合図だった。ミロカロスはハイドロポンプを止めつつ、勢い良く前へ滑り出した。


この時、メガボーマンダは斜め上の角度からミロカロスに襲いかかっていた。つまりここでミロカロスが前方向へ飛び出せば、メガボーマンダとすれ違うような形でドラゴンダイブを回避できるとミクリは判断したのだ。


無論、水流による抑圧が取り払われたメガボーマンダは矢の如く突進する。

そして、メガボーマンダの強烈な打撃が炸裂し、地面に亀裂が走った。
ーーーしかし、そこにミロカロスの姿は無かった。
 ▼ 746 クア◆73tB3kDfxw 16/09/16 17:09:05 ID:Yg5SkkHg NGネーム登録 NGID登録 m 報告
「飛べッ!!」

ゲンジは腹の底から大声を出して指示した。咄嗟に、メガボーマンダは最後の力を振り絞り、上方を向いて直ちに羽ばたく。

「ミロカロスッ!!」

最早、明確な指示など必要無かった。名を呼ばれたミロカロスは振り向くと、地上から離れようとするメガボーマンダ目掛けて飛び掛かる。


追い風の恩恵を失ったメガボーマンダに対し、持ち物の強力な効果を得たミロカロスは、圧倒的に速かった。

「アイアンテール!!」

ミロカロスは尻尾を縦に振り下ろし、浮き上がったメガボーマンダの背を思い切り叩きつけた。

重い衝撃を受け、メガボーマンダは激しく地面に身体を打ち付ける。


そのままミロカロスは、地に伏せた相手の上に乗り、硬化させたままの尻尾をメガボーマンダの頭部に突きつけた。

「………ボーマンダ……!」

メガボーマンダは掠れた声で唸りながら、僅かに頭を上げてミロカロスに視線を送る。
 ▼ 747 ボミー@どくのジュエル 16/09/17 17:28:24 ID:SL/mSDaY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 748 クア◆73tB3kDfxw 16/09/18 09:53:14 ID:UkZOIlqw [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
すると、メガボーマンダの全身が淡い光に覆われる。これは、メガシンカが解除される予兆である。それを視認したゲンジは、瞼を閉じて静かに呟いた。

「………決着、か。」

メガシンカが解けて元の姿に戻ると、ボーマンダはゆっくりと頭を降ろして横たわり、完全に沈黙した。


「………っ!ハァッ、ハァ……。」

緊張が途切れ、ミクリはたちまち息を荒くした。ミロカロスも、相手が戦闘不能に陥ったと理解したのか、だらりと頭を垂らして疲労を露わにする。トレーナーにとってもポケモンにとっても、それだけ張り詰めた戦いであった。


「………見事!というべきだな!」

そんな相手側に向かって、ゲンジが賞賛を送った。敗者ではあるが、彼は一切呼吸を乱さず、胸を張って立っていた。その表情はヒゲのせいで読み取りにくいが、どこか笑みを浮かべている様にも見えた。

「………フッ。戦いには勝てたけど、“心”ではまだまだ敵わないな……。」


そして両者はモンスターボールにポケモンを戻し、お互いに歩み寄った。すると、ゲンジは自分の推測の成否を確認すべく、ミクリに問いかける。

「挑戦者……いや、確かミクリという名だったか。お前がミロカロスに持たせていた物は、これか?」

ゲンジは懐から、ある木の実を取り出した。
 ▼ 749 クア◆73tB3kDfxw 16/09/18 11:19:29 ID:UkZOIlqw [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
それは、色鮮やかな星の模様が入った特徴的な木の実だった。

虚をつかれたミクリは、目を丸くして返答する。
「その木の実、かなり希少な筈なんですが……。そうです、私はミロカロスに“スターの実”を渡していました。」


スターの実は、数ある木の実の中でも特に希少価値が高い。その効果は、『ピンチの際に摂取すると、全能力のいずれかが格段に増幅する』というものである。

土壇場に特定の能力を強化する“ヤタピの実”などと比べて、能力の上昇率は約2倍もある。今回、ミロカロスはスターの実を食した事によって、素早さが途中で大幅に上昇したのだ。


「うむ、それなら合点がいく。つまりお前のミロカロスは、あの状況において得るに相応しい能力を引き当てた、という訳だな。」

ゲンジが腕を組んで頷いた。

「『運も実力の内。』そんな見解をプリムから受けた事がきっかけかな……。効果は強力ながらも運が絡むアイテムだって、自信を持って採用していいものだと思えたんです。終わってみれば、この木の実のおかげで勝利を掴めた、と言っても過言じゃない。」

師であるアダンとの真剣勝負から始まり、各地に名を馳せる四天王達との交流を経て、ミクリはトレーナーとして急激に成長していた。


「いや……他ならぬ勝因は、指示を出すトレーナーの立場であるお前が“正しい心”を持っていた事だ。ポケモンは、トレーナーの正しい心に触れる事で物事の善悪を判断し、強くなる。……そして。」

ゲンジは、ミクリの首元に光るネックレスを見つめながら言う。

「ミクリ。お前はきっとまだ、自分の限界を自覚しておらんのだろう。
 ▼ 750 ーランド@ルカリオナイト 16/09/18 21:53:59 ID:BxTE3fq. NGネーム登録 NGID登録 報告
すぃえん
 ▼ 751 クア◆73tB3kDfxw 16/09/19 09:58:19 ID:pQJuUg06 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
どことなく意味深な発言に、ミクリは不可解な面持ちを見せる。

「……いずれ分かる時が来る。」

それだけ言って、ゲンジは出口の方へ視線を向ける。ミクリも、凛々しい表情でその方向を見つめた。


ミクリにとって最高の友であり、最大のライバルでもある男が、この先で待っている。

「…………。」

ここにいても、彼の存在が伝わってくる様だった。思わず体が震えたが、その原因は恐れによるものなのか、はたまた武者震いなのかは、ミクリ自身にも分からなかった。

「いよいよだな。……心の準備は出来てるか?」

その問いに対し、ミクリはしっかりとした声調で返答する。

「はい。」

ゲンジは、その瞳から確たる精神を見受けた。


もう一度、ミクリはチャンピオンへと続く扉の方へ向き直り、ゆっくりと深呼吸をする。

「行くぞ……ダイゴ。」

そして、彼は迷いの無い足取りで歩み出した。
 ▼ 752 クア◆73tB3kDfxw 16/09/19 16:58:37 ID:pQJuUg06 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
その背に向けて、ゲンジは激励を送る。

「ゆけい!トレーナー!胸を張って、次へ進め!!」

ミクリは、大きな手で背中を押された様な気分になった。彼は敢えて振り返らず、背筋を伸ばして歩を進める。

扉のくぐり、暗がりへと消えていく男の背中を、ゲンジは熱い眼差しで見届けた。



ーーーーーー
ーーーーーーーーー

トクサネシティの浜辺で、二人のトレーナーがポケモン勝負を繰り広げている。優勢を保っている銀髪の男はメタグロスを、追い詰められた片方のトレーナーはミロカロスを戦わせていた。

「コメットパンチ!」

「!!」

銀髪の男は、相手の僅かな意識の隙を逃さず、完璧なタイミングで指示を出した。結果、メタグロスの隆々たる拳はミロカロスの顔面を捉え、止めの一撃となった。

彼らの迫力あるバトルに惹かれ、集まってきていた観客達が歓声をあげる。
 ▼ 753 ガルカリオ@ウタンのみ 16/09/20 14:06:00 ID:v8H7j3EM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 754 クア◆73tB3kDfxw 16/09/20 16:04:50 ID:RtUXDQmo NGネーム登録 NGID登録 報告
「……ハハッ、相変わらずダイゴは強いな。」

「ミクリこそ。僕の知らない内に、随分と腕を上げたね。」

一戦を終えた二人は、お互いに讃え合う。彼らはずっと前からトレーナーとしての実力を高め合い、競い合う仲だった。


「……さて。こんなに注目されていては会話もしにくいし、少し移動しようか。」

「あぁ、同感だ。」

ポケモンをモンスターボールに戻し、二人はその場から移動する。ダイゴは群れる見物人達に会釈し、ミクリは軽く手を振った。


彼らはトクサネシティの南側の海岸まで足を運び、水平線を一望できる岩石の上に腰を下ろした。凪の海は晴天の青を映し出し、優しい波音を奏でている。

ダイゴは、ここからそう遠くない島……サイユウシティを見据えた。

「……行くんだろう?」

ミクリは微笑みながら、ダイゴの意志を再確認する。

「勿論。君に勝ったらポケモンリーグに挑戦するって、宣言したのは僕なんだから。今更心変わりする事は無いよ。」

ダイゴは最後の関門に挑む前に、他ならぬライバルであるミクリと戦い、己の全力を確かめようと前々から決めていた。
 ▼ 755 クア◆73tB3kDfxw 16/09/21 16:13:09 ID:6Q0etavM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
「ダイゴなら、きっとチャンピオンにだって勝てるさ。」

ミクリは本心からそう述べた。

「ああ、僕自身そう思ってるよ。……結局僕が一番強くて凄いんだって、然るべき場所で証明してみせる。」

ダイゴは、ポケモン勝負の実力に関してはかなりの自信家である。だがミクリは、彼のそんな台詞を聞いても慢心だとは感じなかった。堂々と豪語できるだけの底知れない才能や素質をダイゴは秘めていると、ミクリは固く信じていた。


彼らはその後しばらく、ポケモンリーグの猛者達をどう攻略するか談論する。異なる見識を持つ強者同士の意見交換は、互いにとって有益な勉強になった。


やがて対話が一段落すると、ダイゴは意気込みながら立ち上がる。

「うん、やっぱり明日だ。この熱が冷めない内に……僕は明日、ホウエン地方のチャンピオンになる!」

ミクリは頬を緩ませると、彼に続いて腰を上げた。
 ▼ 756 クア◆73tB3kDfxw 16/09/25 10:47:46 ID:R/JjNAxk NGネーム登録 NGID登録 報告
「君がチャンピオンになったら、ますますこうして会う機会が減ってしまうな。」

少しだけ寂し気なミクリに対し、ダイゴは不敵に微笑む。

「なに、君がポケモンリーグへ赴き、四天王を全員倒せばいつでも会えるじゃないか。」

冗談半分とはいえ、あまりに軽々しく物を言うダイゴに対してミクリは笑った。

「ハハハッ、簡単に言ってくれるね。……その前に私は、師匠に認められるだけの実力をつけなくちゃ。はっきり言って、私はまだまだ未熟者さ。」

「……そうかい?そうは思えないけど。」


すると、ダイゴは潮風を感じながら目を閉じて空を仰ぐ。その状態のまま、彼は提案する。

「じゃあ、君が己を認め、お師匠様に認められたその時まで僕がチャンピオンの座に就いていたら……挑戦しにおいでよ。」

「フッ……気が早いぞダイゴ。でも、分かった。いつかきっと、特別な舞台で戦おう。」

まるで自分がチャンピオンになる事を信じて疑わない口振りのダイゴ。この恐れ知らずの自信が、彼の強さに起因しているとミクリは感じていた。
 ▼ 757 クア◆73tB3kDfxw 16/09/25 16:51:49 ID:XrPzFXZA [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告

ーーーーーーーーー
ーーーーーー

そして、今。
自他共に認めた実力で、四天王全員を打ち負かしたトレーナーは、チャンピオンの待つ戦場へと続く通路を歩んでいく。

ーーーそうだ。私はあの時、既に約束していた。ーーー


各四天王の部屋へと通ずる橋と比べて一段と長い通路の先には、巨大な縦長の扉が待ち受けている。左右の壁はメタリックな黒いタイルに覆われていた。

厳粛な雰囲気の中、ミクリは自分に言い聞かせる様に呟く。

「臆してはいけない……。わたしは、この威厳ある扉の先に待ち受ける者になる為に此処へ来たんだ。」

最早、ミクリの心に不安は一切無かった。強者達を制し、ここまで辿り着いた事実が自信となっていた。


入念に入念を重ねてポケモンの回復・調整を済ませたミクリは、胸を張って前進する。

すると、ミクリが近づくにつれて奥の扉はゆっくりと開いていく。扉の先からは、眩い光が漏れ出していた。


「……美しく舞ってみせよう。唯一無二の、特別な舞台で……!」

“水のアーティスト”は、頂点を決める場を目指して光の中へと進んでいった。
 ▼ 758 ャーレム@ハガネールナイト 16/09/25 16:54:44 ID:nDKBNwL6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援

どうでもいいけど、「ー(長音符)」じゃなくて「――(ダッシュ記号)」使おうぜ
 ▼ 759 クア◆73tB3kDfxw 16/09/25 20:27:25 ID:XrPzFXZA [2/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
>>758
すんません、次回からちゃんと罫線使います
 ▼ 760 クア◆73tB3kDfxw 16/09/26 09:21:27 ID:aFkW6kHw [1/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告

───チャンピオンの間───

シンプルな円形の戦場。その中央で、ホウエン地方のチャンピオンは友の来訪を待ち望んでいた。

ここより最も近い戦場、すなわちゲンジの部屋から断続的に聞こえてきていた激しい音が、ついさっき途切れた。いよいよ対決の時は近いと彼は予感する。


その時、巨大な扉が音を立ててゆっくりと開き始める。彼はその扉を背にしたまま、口元に笑みを浮かべた。

カツン、カツンと階段を上る音が反響する。

そして、挑戦者は戦場に踏み入り、チャンピオンの背中を視認した。束の間の沈黙が流れる。


「………遅かったじゃないか、ミクリ。」

先に口を開いたのはダイゴだった。その台詞は色んな意味にも取れたが、ミクリは余計な言葉は添えず、ただ一言だけ告げた。


「約束を果たしに来たよ……ダイゴ。」



To be continued…
 ▼ 761 クア◆73tB3kDfxw 16/09/26 09:41:36 ID:aFkW6kHw [2/2] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
レス数の都合で、一旦ここで話を切り上げました。

続きはこちらのスレで書いていきます↓
http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=405560#rescount40
 ▼ 762 ニラン@まんまるいし 16/09/26 21:29:08 ID:0.N22thk NGネーム登録 NGID登録 報告
しえん
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