【SS】イッシュ地方のモブ達:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】イッシュ地方のモブ達:ポケモンBBS

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【SS】イッシュ地方のモブ達

 ▼ 1 4zX2zR9ReQ 19/12/29 22:37:51 ID:2uFsCH.Q [1/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
※不定期更新
※独自の設定あり

その1あるベテラントレーナー

実況「勝負が決まったー!優勝したのはー」

実況が俺の名前を力強く叫ぶ。
それに応えるかのように観衆は湧いた。

対戦相手の若造はいい勝負でしたね、勉強になりました、とか言って俺に握手を求めてきた。
気取った顔しやがって、腹が立つ。
俺もああ、ありがとう、とか言ってそいつと握手した。

スポンサーのお偉いさんがムカつく顔をしながら俺に近づいてくる。
トロフィーと賞金をもらった俺はチャラチャラしたタレントからのインタビューをいくつか答えた後、適当なことを言って観客を煽った。

見慣れた光景だ。

つまんね。
 ▼ 2 4zX2zR9ReQ 19/12/29 22:39:03 ID:2uFsCH.Q [2/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スタッフA「お疲れ様です。優勝おめでとうございます!」

ベテラントレーナー「ありがとう。君達も運営おつかれさん。」

スタッフA「やあ、やっぱりお強いですね!もうイッシュのレジェンドじゃないですか?」

ベテラントレーナー「よせやい。ただのおっさんだぞ。俺は」

スタッフA「そんな謙虚にならないでくださいよ!だって何回優勝したんですか?並大抵のトレーナーができることじゃありませんよ!」

ベテラントレーナー「優勝だけが全てじゃねえだろ、じゃあ、俺は帰るから。」


スタッフA「え、もうですか?この後打ち上げもあるんですよ?」

ベテラントレーナー「俺はそういうのは好きじゃねえ。じゃあな」

スタッフA「あ、ありがとうございました!」
 ▼ 3 4zX2zR9ReQ 19/12/29 22:39:40 ID:2uFsCH.Q [3/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スタッフB「あれ、先輩。あの人は…」

スタッフA「帰られたよ。打ち上げは好きじゃないんだってさ。」

スタッフB「えぇ…付き合い悪いっすね…」

スタッフA「本当にな。まあでも、ベテラントレーナーだしな。そういうのはいいんだろ」

スタッフB「そうっすよね。トレーナー歴長そうですもん。俺がガキの頃もトレーナーなんでしょ?大変そうですよね」

スタッフA「あぁ、本当に頭が上がらないよ。このトレーナー飽和時代にな」

スタッフB「あの人いくつでしたっけ?」

スタッフA「確か…」
 ▼ 4 4zX2zR9ReQ 19/12/29 22:41:07 ID:2uFsCH.Q [4/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
ベテラントレーナー「よく頑張ったな。ドリュウズ。しっかり身体を癒せよ。」

ドリュウズ「ドリュウ♪」

ベテラントレーナー「バシャーモも身体あっためとけよ。今日フル稼働だったんだからよ」

バシャーモ「シャモ?」

ベテラントレーナー「あ?打ち上げのことか?気にすんなよ。俺にとってはお前らの方が大事なんだ。いいからゆっくり休め」

バシャーモ「シャモ…」

…別に酒が嫌いなわけではない。
どちらかというと好きな方だ。
最近は上手くねえが。
打ち上げとかそういうのはもう飽きてしまったのは事実だが。

だが、それよりもポケモンだ。
トレーナーは人一倍ポケモンに気をかけなければならない。
ベテラントレーナーとなると特にだ。
 ▼ 5 4zX2zR9ReQ 19/12/29 22:42:24 ID:2uFsCH.Q [5/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
そもそもの話。
トレーナーなんて誰にだってなれる。
赤ん坊でもババアでもなれる。そのせいかトレーナーになるやつは多い。
大昔にあった義務教育ってやつがほぼなくなりつつあるんだからよっぽどだ。

テレビとかネットとかでポケモントレーナーの輝く姿を見て多くの者はトレーナーになることを志す。
学校を卒業したてのガキは皆トレーナーになりたがる。
ガキだけじゃなくて職を失ったやつとか、今の仕事に不満があるやつもだ。

そりゃあポケモントレーナーって仕事は夢の仕事だ。
だって好きなことで生きていけるんだから。
働かなくていいんだから。
楽な仕事だろ?
夢のある仕事だろ?

だが、トレーナーでいつまでもいられるか?と言われると話はかなり変わってくる。
ポケモントレーナーの引退はかなり早い。
それも年々、早くなってきている。
理由はいくらでも挙げられる。
 ▼ 6 4zX2zR9ReQ 19/12/29 22:44:14 ID:2uFsCH.Q [6/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
まず、生活できない。

ポケモントレーナーの収入は限られてくる。
例えばトレーナーに勝った時に得られる賞金。
しかしこいつはちっぽけなもんだ。
ガキのお小遣い程度だ。
そいつだけで生きていけるかとなると無理な話だ。

そいつだけでは無理なんで、大会での賞金獲得を目指す。
基本的にはどんな大会でも賞金はある。
スポンサーがついているからだ。
彼らが言うからにはどんな大会でも宣伝効果があるらしい。
今日俺が取ってきた比較的小さな大会でも賞金は出る。
スポンサーってのは物好きだね。

が、大会に出たからといっても賞金が必ずあるわけじゃねえ。
上位になったやつだけだ。
ひでえ大会だと優勝したやつにしかくれねえ時がある。
そうなると、ポケモントレーナーで生きていくためには大会で勝てるほどの実力が必要だ。

大会で上位に勝ち上がることだけじゃねえ。
それだけで食っていくのも厳しい。
そこで多くのトレーナーはスポンサーを持つ。
彼らと契約して金をもらい生きていく。
もちろん宣伝しないといけないんで、大会で勝ったり、CMとかやったり、ステマとかやったり、あとは…まあ色々だ。
よくスポンサーのワンパチとか言ってネットで批判があるが、こっちも好きでワンパチになってんじゃねえ。
じゃねえと生きていけねえんだ。

ジムトレーナー、ジムリーダーという道もあるが…皆がああなら苦労しねえ。
てかあいつらこそワンパチだろうが。
 ▼ 7 4zX2zR9ReQ 19/12/29 22:45:50 ID:2uFsCH.Q [7/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
次に、ポケモンを育てるのが難しい。
ここでいう育てるっつのは、レベルとかの話じゃねえ。
ポケモンが健康でい続けるために育てるっつーことだ。

ポケモンそれぞれには個性やタイプがある。
臆病な性格、意地っ張りな性格、ほのおタイプ、こおりタイプ…とかな。
問題はそれにあった育て方をしなければならねえってことだ。
覚えるのも大変だし、金も時間もアホみたいにかかる。

病気になったら最悪だ。
バトルはもちろんのこと、普段の生活でさえ危なくなる。
最悪の場合、死ぬ。
初心者のトレーナーのポケモンが死ぬことは珍しいことじゃねえ。
ポケモンの体調管理は絶対しないといけない。
それも徹底的にだ。
ポケモンセンターは24時間受け付けている。
だが、ポケモンセンターのおかげで完璧に治る、なんてのは保証されていない。

そのせいもあって、大抵のトレーナーはタイプを揃えたり、ポケモンの数を減らしたりしている。
ポケモンが死なねえためにもな。
トレーナーも育てやすいしな。

だが、残酷なことに、そこまで苦労して育てたポケモンが勝てるとは限らない。
絶望のあまり、ポケモンを捨てるトレーナーも少なくはない。
少し前に、トレーナーが生まれて間もないポケモンを捨てるってのが社会問題になっていた。
ひでえとは思う。
でも、職業柄、分かってしまう。
そいつらの気持ちが。
 ▼ 8 4zX2zR9ReQ 19/12/29 22:48:26 ID:2uFsCH.Q [8/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
そして、メンタル。

金のこと、ポケモンのこと、そして自分の名誉のこと。
どんなことがあってもブレないってのは正直、きつい。
それを何年も続けるとなると尚更だ。

世間の目を浴びるからこそ、なんとか生きれるようになっても、中傷とかに耐えれなくて病む。
生きれなくなったらそれだけで病んじまう。
スランプに陥ると当然病む。

ポケモントレーナーはガキが多いからこそ、そうなりがちだ。
んでもって病んじまったガキを狙う悪い大人も大勢いる。
悲しい話だよな。

まあ、ざっと挙げたがまだまだある。
俺は先輩トレーナーに厳しくこれらのことを教えられたおかげで長年トレーナー業をやってこれた。
だが、皆、そういうわけじゃねえ。
もちろん、例外もいるけどな。
あまりにも問題になりすぎて、最近ではトレーナーという仕事を見直そうとする風潮が強くなってきた。
それに2年前とこの前に『ああいうの』があったせいでトレーナーを志すガキが増えたからこそさらに強くなってきている。

全く…
生きにくい世の中だよ。
 ▼ 9 4zX2zR9ReQ 19/12/29 22:49:12 ID:2uFsCH.Q [9/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
2年前か…

思い出しただけでイラついてきた。

今日はもう寝るか。
 ▼ 10 4zX2zR9ReQ 19/12/29 22:51:48 ID:2uFsCH.Q [10/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
翌朝。

珍しく今日はオフだ。
なんの仕事もねえ。
まあ、だからといって何かするわけではねえけどな。
ここまでトレーナーをやっているとポケモンのこと以外にやることがねえ。

こいつらも昨日連戦だったんだ。
今日はモンスターボールの中でゆっくりさせてやろう。

特にやることもねえし街をブラブラするか。
つっても、ここには何度も来ているから、なにも楽しくないけどな。

???「あれ、もしかして…なあ、お前?」

んだよ。
せっかくのオフだってのに…適当にあしらうか。

ベテラントレーナー「すまねえけど、今は…」

???「間違いねえ!久しぶりだな!」

ベテラントレーナー「…?」

???「忘れたのかよ!…2年前、キノガッサで3タテしただろ」

ベテラントレーナー「!」

思い出した。
すっかり容貌が変わってた。
2年前までずっと一緒に競ってきたライバルだ。
 ▼ 11 4zX2zR9ReQ 19/12/29 22:53:23 ID:2uFsCH.Q [11/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
その夜、待ち合わせしてた居酒屋で俺たちは話を交わした。

昔のこと…

最近のトレーナー業界のこと…

ポケモンバトルの戦術のこと…

運営への愚痴…

どちらも喋るのを止めることはなかった。
多くの人と合わなかった俺にとってこいつは話が合う数少ない友人だった。
そいつと話す一分一秒が楽しかった。
こんなに酒が美味く感じたのは久しぶりだった。

ポケモントレーナー歴が長いせいか、こんな話ができる同僚は今はいない。
トレーナーとここまで話したのは何年振りだろうか。
だからこそ、楽しくて楽しくてしょうがなかった。
 ▼ 12 4zX2zR9ReQ 19/12/29 22:54:05 ID:2uFsCH.Q [12/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] m 報告
ベテラントレーナー「そういや、お前は最近なにやってんの?」

???「あぁ、そのことなんだけどさ…」

???「今日はお前に紹介をしようと思うんだ。」

ベテラントレーナー「あ?なんのだよ?」

???「お前さ…もっと自分の能力を活かしたいと思わないか?」

ベテラントレーナー「まあ、そりゃそうだが…なんの話だ?」

???「いやさ、俺も『所属』してんだけどさ…お前にも合うと思うんだよ!」

ベテラントレーナー「所属?事務所のことか?」

???「そんな夢のない話じゃないよ!それがさ…」

プラズマ団したっぱ「プラズマ団って言うんだけどさ。」
 ▼ 13 4zX2zR9ReQ 19/12/29 22:54:45 ID:2uFsCH.Q [13/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
今日はここまでです。
後日、更新します。
 ▼ 14 イホーン@きのみぶくろ 19/12/30 10:05:19 ID:cxgApwLA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 15 4zX2zR9ReQ 19/12/30 12:56:56 ID:hDVUhPjc [1/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ベテラントレーナー「プラズマ団…?」

覚えている。
ついこの間まで、イッシュ地方を壊滅に追い込んだ宗教団体みてえなところだ。
確か、解散したと聞いたが…
テレビはよく見ないので知らないので、何かあったのかもしれない。

いや、そんなことはどうでもいい。

ベテラントレーナー「おいおい、冗談きついぞ。今日どんだけ酔っているんだよ」

プラズマ団したっぱ「冗談じゃないさ!俺は本気だぞ!」

ベテラントレーナー「プラズマ団ってあれだろ…もう解散したんじゃねえのかよ」

プラズマ団したっぱ「たしかに、一度解散した。だが、残党の何人かがまた再び立ち上げるつもりなんだよ!お前もさ!一緒にやろうぜ!」

ベテラントレーナー「冗談じゃねえよ。絶対入らねえ。」

プラズマ団したっぱ「なんでだよ!お前も気にいるはずだって!一度来てみなよ!」

ベテラントレーナー「嫌に決まってんだろ!あいつらはポケモンを虐待する団体だぞ!あんな奴らと一緒にされたくねえ!」
 ▼ 16 4zX2zR9ReQ 19/12/30 13:07:35 ID:hDVUhPjc [2/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
プラズマ団したっぱ「…は?」

ベテラントレーナー「あんな非人道的なことやったやつと一緒にされるなんてたまったもんじゃねえ」

プラズマ団したっぱ「…ははは」

ベテラントレーナー「?」

プラズマ団したっぱ「お前はさ、誤解しているよ」

ベテラントレーナー「誤解?」

プラズマ団したっぱ「ああ、確かに、前のプラズマ団は危ない団体だったかもしれない。」

プラズマ団したっぱ「だがな!今は違う!俺たちが求めるのはイッシュ地方の平和だ!」

プラズマ団したっぱ「イッシュ地方の何がいけないか?それはポケモンたちに酷いことをするやつがいるからだ!」

プラズマ団したっぱ「ポケモンたちにひどいことをする奴らを粛清し、ポケモンたちにとって最高の世界にする!素晴らしいことだろう?」

プラズマ団したっぱ「そうすればイッシュ地方も平和だ!ポケモンたちも!人間もな!」

ベテラントレーナー「…」

プラズマ団したっぱ「お前もさ、入れば分かるよ。俺たちがいかに素晴らしいかも!俺たちがいかにイッシュ地方を変えようとしているのかも!俺たちがいかに正しいのかも!」

プラズマ団したっぱ「その粛清のためにもお前の力が必要なんだ!俺たちが絶対的な力を手に入れるためにもお前が必要なんだ!分かるだろ!?」

プラズマ団したっぱ「お前が本当のバトルを見せて、本当のトレーナーのあり方を見せれば、イッシュ地方は救えるんだ!イッシュ地方の平和を脅かすやつは容赦なく潰せばいい!」

ベテラントレーナー「…」

プラズマ団したっぱ「お前も好きにバトルができる!そしてイッシュ地方を平和にできる!素晴らしいことじゃないか!」
 ▼ 17 4zX2zR9ReQ 19/12/30 13:14:34 ID:hDVUhPjc [3/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
頭がおかしい
素直に俺は思った。
何を言っているのか全然分からなかった。
宗教やっているやつには近寄るなとはどこかで聞いた覚えはあるが、今実際に目の当たりにして納得せざるを得ない。

だが、それ以上に悲しくてしょうがなかった。
かつて自分と競っていたライバルが、
久しぶりに腹を割って話せた同僚が、
何より自分の友人が、
宗教団体に、それも俺が一番嫌いなプラズマ団に入ってしまったのがたまらなく辛かった。

なんでだ?
どうしてこうなってしまったんだ?

プラズマ団したっぱ「おい、聞いているのか?」

聞こえるわけがない。
さっきから支離滅裂なことしか言っていないしな。
てかどこ見て話してんだよ。

プラズマ団したっぱ「なあ、一回案内するからよ、見に来てくれよ!うちのアジト!」

ベテラントレーナー「嫌だね。」

プラズマ団したっぱ「いいから来いよ!お前も気にいるはずだって。一緒にイッシュ地方を良くしていこうぜ!」

ベテラントレーナー「嫌だと言っているだろ。」
 ▼ 18 4zX2zR9ReQ 19/12/30 13:37:07 ID:hDVUhPjc [4/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ベテラントレーナー「俺は今のままで満足だ。トレーナーが欲しいなら他を当たってくれ」

プラズマ団したっぱ「なんでだよ?俺たちほど素晴らしい団体はないぞ?トレーナー『なんか』やるよりずっといいぞ!」

ベテラントレーナー「トレーナー、なんか、ね…」

ベテラントレーナー「さっきから、お前は粛清とか言っているが、その粛清は誰にするんだ?」

プラズマ団したっぱ「?ポケモンに酷いことしたやつにだよ。」

ベテラントレーナー「その酷いことってのは誰が決めるんだ?」

プラズマ団したっぱ「そんなの…俺たちだよ!俺たちが酷いと思ったら粛清するんだ!俺たちが間違えたことをやっているわけがないじゃないか!」

なんじゃそりゃ。
じゃあ、なんでもありじゃねえか。
こいつ…いや、こいつらは自分が正しいと本気で思ってやがる。
んでもって、自分以外は間違っていると思っている。
世間様が狂っていると思っても、世間様が糾弾したとしても、絶対に考え方を変えることはねえ。
このまま、説得をするのは……無理だろうな。

プラズマ団したっぱ「なあ、お前も俺らの素晴らしさが分かるって!いいから一度来いよ!」

ベテラントレーナー「しつこいな。お前が何度言おうと俺は絶対に入らねえ」
 ▼ 19 4zX2zR9ReQ 19/12/30 13:47:23 ID:hDVUhPjc [5/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
付き合ってられねえ…

プラズマ団したっぱ「おい!どこに行くんだよ?」

ベテラントレーナー「帰る」

プラズマ団したっぱ「あ?」

ベテラントレーナー「金は全部俺が出す。悪いがもうお前とは話したくない。」

プラズマ団したっぱ「なんだよ!まだ俺の話は終わってねえぞ!」

ベテラントレーナー「俺はない。だから帰る。それの何が悪いんだ?」

プラズマ団したっぱ「何言って…」

ベテラントレーナー「それはこっちのセリフだ。さっきからお前が何を言っているのか俺にはさっぱり分からねえ。お前、どうしちまったんだよ?」

プラズマ団したっぱ「は?俺はイッシュ地方の正義と平和について」

ベテラントレーナー「正義だとか平和だとかいうけれど、それはお前の中の話で、イッシュ地方の話じゃねえだろ。主語がでけえんだよ。今はお前の話をしてんだろうが。」

プラズマ団したっぱ「…」

ベテラントレーナー「話のスケールの大きさがお前の考えてるやつと俺から見えるもので相当なギャップがあるんだよ。だから、さっきから話が薄っぺれえ。何にも響かねえよ。」

ベテラントレーナー「それによ…以前のお前だったら俺がトレーナーとしてのプライドや哲学を傷つけられることが大っ嫌いであることぐらい分かっているはずだ。お前がそれを言った時点で話はもう終わりなんだよ。」

ベテラントレーナー「最後にこれだけ言っとく。悪いことは言わねえ。プラズマ団なんてやめな。あんなの正義じゃない。仮に正義だとしても自分の正義を人に押し付けるやつはヒーローでも神でもねえ。ただのわがままだ。」

ベテラントレーナー「久しぶりに会って話して楽しかったってのによ…残念だぜ。じゃあな」

プラズマ団したっぱ「……」

プラズマ団したっぱ「…お前に何が分かるってんだよ!」
 ▼ 20 4zX2zR9ReQ 19/12/30 13:54:48 ID:hDVUhPjc [6/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ベテラントレーナー「あ?」

プラズマ団したっぱ「お前はいいよな!才能があって!人気があって!金があって!何より強さがあって!」

プラズマ団したっぱ「人生楽しくてしょうがないだろ?羨ましいよ!」

プラズマ団したっぱ「みーんな、お前のことを話しているよ!すごいな、すごいなって!」

プラズマ団したっぱ「あの時以来、バトルで勝てなくなって、生きていけなくなった俺と違ってな!ムカつくな!」

プラズマ団したっぱ「この際だからはっきり言ってやるよ!」

プラズマ団したっぱ「ずっとお前のことが嫌いだったんだよ!お前の全てがムカつくんだよ!」

ベテラントレーナー「何言ってんだ、お前…」

プラズマ団したっぱ「あーあ、その目だよ!その目が一番ムカつくんだよ!一丁前に俺のことを見下したような目がさ!自分は特別みたいなことを思っている目がさ!お前の、自分は特別、みたいに思っているその態度が気にくわねえ!」

ベテラントレーナー「そんなこと…」

プラズマ団したっぱ「あるんだよ!この自称エリート野郎!」

プラズマ団したっぱ「今だってそうだろうが!偉そうに説教しやがって!いつからお前は俺の上司になったんだよ!」
 ▼ 21 4zX2zR9ReQ 19/12/30 14:04:34 ID:hDVUhPjc [7/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
プラズマ団したっぱ「今に見てろ!俺はプラズマ団に入って、お前を超える!」

プラズマ団したっぱ「俺はお前とは違う!俺のやり方でお前より強くなる!お前より有名になる!」

プラズマ団したっぱ「俺がイッシュ地方を救うんだ!」

何を言っているんだ…
お前は…

プラズマ団したっぱ「せいぜいトレーナーライフを慎ましく楽しんでろ。そんなんだから…そんなつまんねえやつなんだから…」

プラズマ団したっぱ「2年前、ガキにボロ負けするんだよ!!!」

ベテラントレーナー「……!」

プラズマ団したっぱ「お前は優れたトレーナーなのかもしれねえけどよ!」

プラズマ団したっぱ「そのお前の強引なやり方で人生が終わっちまったやつもいるんだぞ!」

プラズマ団したっぱ「お前に教えてもらったやつらが何人潰れたか覚えているか!?」

プラズマ団したっぱ「だからガキにも負けるんだよ!あんなちっちぇやつにな!」

ベテラントレーナー「…」

ベテラントレーナー「…マスター、お代です。迷惑かけてすみません。これで勘弁してください。」

マスター「いや、いいんだ。この店ではよくあるこった。それにあんたにはよくしてもらっているしね。」

ベテラントレーナー「…すんません。」

やつはまだ何か叫んでいたが、俺には何も聞こえなかった。
怒号を背中にして足早に店を出た。
店の外は痛さを感じるほど寒かった。
…飲みすぎたか?
 ▼ 22 4zX2zR9ReQ 19/12/30 14:15:36 ID:hDVUhPjc [8/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
翌朝

なんのやる気も起きねえ。
おそらく昨日飲み過ぎたんだ。
…違いねえ。
絶対そうだ。

今日の予定は全部キャンセルした。
理由は体調不良ってことにした、間違ってねえし。
仮にやったとしてもできる気がしねえ。
相手には悪いが、今回は仕方ない。
そう自分に言い聞かせることにしよう。

2年前か…
まあ、あの時は屈辱だったな。
いつ思い出しても腹が立つな。
お陰でガキが嫌いになった。
ガキには罪がねえけどよ。

『お前の強引なやり方で人生が終わっちまったやつもいるんだぞ!』

『お前に教えてもらった人たちが何人潰れたか覚えているか!?』

…勝ちにこだわって何が悪いんだ。
お前らとは比べ物にならないほど俺はストイックにやってんだぞ。

…潰れた?
頼んできたのはそっちだろ。
俺は悪くねえ。
俺は自分とポケモンに正直なだけだ。

ベテラントレーナー「…」

ベテラントレーナー「…」

ベテラントレーナー「…寝るか」

もうなんでもいいや。
 ▼ 23 ブリム@デボンボンベ 19/12/30 15:29:21 ID:69aEswgY NGネーム登録 NGID登録 報告
かなり良さげ
支援
 ▼ 24 4zX2zR9ReQ 19/12/30 18:58:07 ID:hDVUhPjc [9/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
とある大会

スタッフA「お、お疲れ様でした。」

ベテラントレーナー「あぁ、そっちもな」

スタッフA「その…惜しかったですね。」

ベテラントレーナー「そんなことはないさ…」

スタッフA「…」

ベテラントレーナー「…」

ベテラントレーナー「また、次もよろしくな。」

スタッフA「え?あ…その、はい。」

ベテラントレーナー「じゃあな。」

スタッフA「お、お疲れ様でした!」
 ▼ 25 4zX2zR9ReQ 19/12/30 19:00:29 ID:hDVUhPjc [10/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スタッフB「どうでした?」

スタッフA「帰られたよ。」

スタッフB「機嫌悪そうでした?」

スタッフA「いや。なんというか、死んだコイキングみたいな目をしてたよ」

スタッフB「…最後に優勝したのいつでしたっけ?」

スタッフA「3ヶ月前だな。」

スタッフA「…もしかしたら、もう引退じゃね?」

スタッフB「まさか!?」

スタッフA「だって、優勝どころかベスト4もいってねえだろ。もうスポンサーは黙っちゃいねえだろ。勝ってこそのあの人だったんだから」

スタッフA「歳も歳だし、潮時なんじゃね」

スタッフB「そう言われると確かに」

スタッフA「それに…なんていうか……最近…勝ちにこだわってなくね?」
 ▼ 26 4zX2zR9ReQ 19/12/30 19:03:30 ID:hDVUhPjc [11/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ベテラントレーナー「ええ、すみません。次こそは、次こそは勝ちますので。」

ピッ

スポンサーのお偉いさんはやけにキレてた。
無茶苦茶な注文だな。
俺がいつも勝てる保証はねえだろ。
ったく。

まあ…でも、最近負けてばっかだよな。
最後に勝ったのいつだっけな…
覚えてねえや。
ここまで勝てなくなるのは何年ぶりだろうな。

ポケモンは悪くねえ。
毎日ケアはしっかりやってる。
バトルも全力でやってくれてる。
スポンサーは悪くねえ。
口は悪いし、無茶苦茶なことは言っているが、金は間違いなく十分なくらいくれる。

誰が悪いんだ…?
俺か?
俺が悪いのか?

まあいいや。
次は勝とう。
次こそは勝てるさ。

……勝てるのか?
 ▼ 27 4zX2zR9ReQ 19/12/30 19:04:33 ID:hDVUhPjc [12/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
今日はここまでです。
続きはまた後日更新します。
 ▼ 28 ロトーガ@のろいのおふだ 19/12/30 19:15:02 ID:gE7E3gE6 NGネーム登録 NGID登録 報告
重い
ちょうど今ブラックやってるだけに重さがヒシヒシ伝わってくる
支援
 ▼ 29 ドラ@タポルのみ 19/12/30 19:16:18 ID:MegEwiSk NGネーム登録 NGID登録 報告
深淵
 ▼ 30 リリダマ@ちいさなはなたば 19/12/30 19:32:23 ID:MHaAv0jI NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 31 4zX2zR9ReQ 20/01/03 09:36:12 ID:2Ch6v7KE [1/7] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ある大学

生徒「先生、プラズマ団って知ってますか?」

教授「プラズマ団?…よく知らんな。」

生徒「ニュースくらい読みましょうよ…先生。いくらこの道の天才だからとはいえ、世間に置いてかれますよ。」

教授「いや、ニュースには嫌な思い出があるからな。だいぶ前から見てないんだ。」

教授「それで、何があったんだ?」

生徒「いや、最近、ちょっと前まで騒がせたプラズマ団って集団がまた各地で色々やっているみたいです。」

教授「そうなのか。」

生徒「相変わらず、強引なやり方ですし、ポケモン虐待とも思われることをやっているようですが、でも支持者もいるみたいで。一応、慈善活動もやってはいますし。」

生徒「専門家も大騒ぎしてますよ。またイッシュ地方の危機だーってね。」

教授「案外、大丈夫なんじゃないか?大きすぎる力は身を滅ぼすしな。」

生徒「そういうものですかね…」

教授「そんなこと考える暇があったら、帰ってゼミの準備をしてこい。」

生徒「は、はい!」
 ▼ 32 4zX2zR9ReQ 20/01/03 17:43:43 ID:2Ch6v7KE [2/7] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
『ですから、我々プラズマ団は!』

また演説か…
うるせえ…
こっちは今日も勝てなくてイラついてんだよ。
頼むから他所でやってくれねえかな。

…プラズマ団か。
なんやかんや言いながら、最近、よく見るようになったな。
活動がうまくいってんのか。
大会でもプラズマ団を名乗る実力者も見えてきたしな。
身なりも見る限り、金も結構稼いでそうだ。

…あの時、誘いに乗ってたらどうなってたかな。
もしかしたら、うまくいってたかもしれねえな。
バトルにも勝てて、話せる仲間がいて、今より充実した生活ができて…
つまらねえ意地を張ったのがいけなかったのか?
俺は間違っていたのか?

???「やめろ!誰の許可を得て訳のわからんこと言っとるんだ!」

プラズマ団したっぱ「やべえ…逃げろ!」

???「ったく。よくここで演説しようとする気になるな…ん?」

???「おい、しけた顔してんな。今日も勝てなかったのか?」

ベテラントレーナー「……ヤーコンさん。」

ヤーコン「ちょっと付き合えや」
 ▼ 33 4zX2zR9ReQ 20/01/03 17:48:39 ID:2Ch6v7KE [3/7] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ホドモエジム

ヤーコン「お前みたいなやつがこうも長いスランプになるとはな。何かあったのか?」

ベテラントレーナー「別に…何もないですよ。」

ヤーコン「一応、お前もうちの会社の看板背負っていた時があるからな。こうも負けっぱなしだと俺も困るんだよ」

ベテラントレーナー「はぁ」

また、それかよ。
この人はいつも金の話しかしねえな…
それにスポンサーだった時なんて大分前だろうが。

ヤーコン「最近の試合見てて思ったんだけど…お前さ、引退考えてる?」

ベテラントレーナー「…まあ、それがちらついてはいますね。最近。」

ベテラントレーナー「もしかしたら、そう遠くないかもしれません。」

ヤーコン「…そうかい。引退後はどうするんだい?」

ベテラントレーナー「まだ何とも。」

ヤーコン「プラズマ団とかに入ったりしないだろうな?」

ベテラントレーナー「……まさか。」
 ▼ 34 4zX2zR9ReQ 20/01/03 17:50:27 ID:2Ch6v7KE [4/7] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ヤーコン「まあ、お前さんがどう進もうと俺は止めねえけどな。好きにすればいいと思うぜ。」

ベテラントレーナー「…はい。話は以上ですか?」

ヤーコン「いや、お前に一つ頼みたいことがあるんだ。」

ベテラントレーナー「はぁ」

ヤーコン「えっと、この写真の…こいつだ。ネジ山に行って、こいつを連れ戻してほしいんだ。」

ベテラントレーナー「誰ですか、このエリートトレーナー。知らない顔ですね。」

ヤーコン「…まあいい。ずっとネジ山に篭ってこっちも迷惑しているんだ。近いうちにこいつに会って戻るよう言ってくれ。いいか?」

いいも悪いも何を言っても適当な屁理屈つけて行かせるだろ。

ベテラントレーナー「分かりました。行きましょう。」
 ▼ 35 4zX2zR9ReQ 20/01/03 17:54:18 ID:2Ch6v7KE [5/7] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
翌日

悔しい確かに俺はネジ山に来た。
久しぶりにネジ山に来ると、以前来た時とすっかり変わってしまったように思える。
頻繁に行くようなところではないしな。

正直あんまやる気はしない。
昔からどうも洞窟が苦手なんだよな。
なんというか…ポケモンを育てるのにあんまり向いてなくてな。
体調管理が大変すぎる。
何より俺が洞窟の雰囲気が好きじゃねえ。
とっとと出ていきてえ。

とは言っても、俺も最低限の礼儀は守る男なのでヤーコンのジジイが言っていたエリートトレーナーはちゃんと探している。
まったく…どこにいるんだよ。
面倒くせえな…

…いや。
暇つぶしとしてはちょうどいいか。
悔しいが、あのジジイも分かってんな。
 ▼ 36 4zX2zR9ReQ 20/01/03 18:00:03 ID:2Ch6v7KE [6/7] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
…あれから結構経ったが、未だになって奴は見つかってない。
それどころか、生息するポケモンも見当たらなくなってきた。
どういうことだ?
本当にいるのか?

…待てよ。
俺は『本当に』ネジ山にいるのか?
いや、別にポエムとかそういうのじゃなくて。
なんていうか…雰囲気が全然違う。
まるでポケモンも人も皆避けているようだ。
奥には『何か』がいるのか?

なぜだろう。
さっきから2年前のことを思い出す。
ガキに負けた時のことを、鮮明に思い出してしまう。
2年前の対戦のシーンが古い映画のように脳裏に浮かぶ。

???「あれ?」

奥から声がする。
…ゴールか。

???「珍しいな、人が来るなんて」

ベテラントレーナー「…俺はお前を探してたんだけどな」

エリートトレーナー「へえ、それは嬉しいな」

こっちはいい迷惑だよ。
これだからエリートトレーナーは。
 ▼ 37 4zX2zR9ReQ 20/01/03 18:00:28 ID:2Ch6v7KE [7/7] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
今日はここまでです。
また後日更新します。
 ▼ 38 4zX2zR9ReQ 20/01/08 22:37:39 ID:CxAYGCQk NGネーム登録 NGID登録 m 報告
エリートトレーナー「へぇ…ヤーコンさんがそう仰っていたんですか?」

ベテラントレーナー「ああ。すげえ怒ってたぞ。」

エリートトレーナー「えぇ…使えって言ってきたのはそっちなのに。理不尽だなぁ。」

ベテラントレーナー「まったくだな。」

エリートトレーナー「ほんと、言うことが毎日変わるんだから…」

ベテラントレーナー「違いねえ、同情するよ。」

エリートトレーナー「まあ、やりたいことは終わってんで、ここはヤーコンさんが言ったようにしますね」

ベテラントレーナー「そうか」

エリートトレーナー「わざわざ来てくださってありがとうございます。」

ベテラントレーナー「は、いいんだよ。」

俺はエリートトレーナーが好きじゃない。
理由は簡単で、奴らは自分のことをエリートだと本気で思っている。
だからこそ、俺のようなトレーナーを見下し、気取った態度を取ってくる。
その態度が気に食わねえ。
まあ、そりゃあエリートトレーナーって呼ばれるもんな。
むしろそう言う態度を取るのが普通だわな。
…だが、こいつからはそんな悪い気はしねえ。
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