【SS】大団円はビタースイート:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】大団円はビタースイート:ポケモンBBS

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【SS】大団円はビタースイート

 ▼ 1 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/11 19:50:32 ID:maoQvZlE NGネーム登録 NGID登録 報告



覗き込んだオーブンの中では、オレンジの光の中で材料がぷつぷつと泡立っていました。


「あんまりオーブンさんを急かしてやるなよ」


トレーナーさんが笑っています。でも、急かしているわけではありません。

これから焼けるこのスポンジケーキを、わたしのクリームでどうやってデコレーションするか、考えているのです。

ほのかに甘く暖かいこの待ち時間が、トレーナーさんと一緒にクリームで飾り付けをする時間の次に好きです。
 ▼ 44 ラス@しんちょうミント 20/02/12 20:47:30 ID:PuKQaXTo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
10万キロカロリーってどれくらいなんだろ
 ▼ 45 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/12 20:54:00 ID:pSAA.iAs [1/12] NGネーム登録 NGID登録 報告


「うおおおお!?」


彼女の手を引っ張って、橋の上を育て屋方面に全力で駆け抜ける。

ずしん、ずしんという音が背中にひびく。

振り向くと、さっきまでいた橋の真ん中がこんもりとクリームに埋まっていた。


「クリームの、ミサイル……?」


なぜ急に巨大化した? なぜ攻撃してくる?

マホイップを見ると、泣きながら次弾を振りかぶっている。

考えてる場合じゃないようだ。

思考を止めて橋の先を見ると、空飛ぶタクシーが降りてきていた。運転手がこちらに大きく手を振っている。

あそこまで行けばなんとかなるか。
 ▼ 46 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/12 20:57:46 ID:pSAA.iAs [2/12] NGネーム登録 NGID登録 報告

「ねぇ、マホちゃんと何があったの!?」


息を切らしながら彼女が叫ぶ。

質問というよりは詰問だ。慌てて首を振る。


「分からん! 何もしてない、と思う!」

「じゃあそれが原因じゃん!」

「ますます分からん!」


差し当たって分かるのは、マホイップは怒っているということぐらいだった。

あと、どうやら彼女も怒っている。
 ▼ 47 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/12 20:58:55 ID:pSAA.iAs [3/12] NGネーム登録 NGID登録 報告

「あの小っちゃい箱の中身、一緒に作ったんでしょ」

「へ?」


まだ渡していないプレゼントのことを話すわけには、と思ったが、彼女の剣幕の前に誤魔化しは効かなそうだった。


「……おう。あいつのクリームで作ったケーキが入ってる」

「そのときのマホちゃんの様子は?」

「なんか、変、だった。でも──」

「でもじゃないよ! あんたは、あんたはもう!」


俺は何かとんでもない間違いをしていたんだろうか。

自覚はなくとも、彼女の激昂とクリームの弾幕がそれを物語っている。

このまま逃げてしまっていいのだろうか、俺は。
 ▼ 48 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/12 21:11:59 ID:pSAA.iAs [4/12] NGネーム登録 NGID登録 報告



「なぁ、俺──」

「くっちゃべってる場合かッ! いいからさっさと来い!」


会話はタクシードライバーの大声に遮られた。


「料金はいらねぇから、早く乗りやがれ!」


空から俺たちを見つけて救助に来てくれたのであろう。
イカつい初老のドライバーは、俺たちを問答無用で座席に押し込むと、颯爽とアーマーガアに飛び乗った。

すぐに車内のスピーカーがハウリングし、割れた声が流れてくる。


『とりあえず西に逃げるが、いいな!?』


おそらく返事などなくても西に向かうつもりだろう。バウタウンまで飛んでしまえば、ハシノマ原っぱにいるマホイップの攻撃は届かない。

でも、それでいいのか。
 ▼ 49 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/12 21:13:39 ID:pSAA.iAs [5/12] NGネーム登録 NGID登録 報告

彼女が脇腹を小突いてきた。「いいの?」そう小声で言う。

ああ、そうだよ。いいわけがない。

だってマホイップは泣いている。


「……ハシノマへ」

『ああ!?』

「ハシノマ原っぱ……あのマホイップのところまで連れてってください! 俺はあいつのトレーナーなんです!」

『はぁ〜!? こんのクソッタレェ! やっぱ倍払ってもらうからな!』


グォウ、とアーマーガアが雄叫びを上げて、タクシーは東へと旋回した。
 ▼ 50 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/12 21:14:13 ID:pSAA.iAs [6/12] NGネーム登録 NGID登録 報告



『アーマーガア、“ひかりのかべ”だ!』


窓を目がけて飛来したクリームのミサイルが、防壁に阻まれてベトリと滴り落ちていく。

アーマーガアとドライバーは、クリーム弾幕を時にすり抜け、時に受け止め、みるみるうちにマホイップに接近していた。
 ▼ 51 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/12 21:16:12 ID:pSAA.iAs [7/12] NGネーム登録 NGID登録 報告

『ちぃっ……オイコラ兄ちゃん!』

「へっ!?」

『テメェ、あのマホイップに何しでかしたんだ!』


アンタまでそれを言うのか!


「分かりません! でも、多分、傷つけました!」

『だろうなァ! コイツのクリームのしぶきが、苦しいんだよ! 悲しくなってくんだよオイ!』


そう叫ぶドライバーの声は、たしかになぜか涙に濡れている。


「クリームが……?」


苦しい? 悲しい?
 ▼ 52 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/12 21:18:34 ID:pSAA.iAs [8/12] NGネーム登録 NGID登録 報告

「ね、これ見て」


そう言って彼女が見せたのは、スマホ画面に映る記事。


「キョダイマックスの姿……今のマホちゃん、この状態ってことだよね」


スタジアムでクリームを振りまく巨大四段ケーキの写真が載っていた。

“そのクリーム攻撃を浴びると、幸せになりすぎて錯乱状態になってしまうのだ。”

記事にはそう書いてある。

でも、今のあいつのクリームは……。
 ▼ 53 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/12 21:19:25 ID:pSAA.iAs [9/12] NGネーム登録 NGID登録 報告

窓から顔を出し、上空からマホイップを見た。

橋から見たときは下の段の影になって見えなかった、最上段のハートのデコレーション。

その全てに小さなヒビが入っていた。

その段の上に立つマホイップは、小箱を抱えて泣いている。泣きながら、クリームの光をあちこちに飛ばしている。

きらびやかなウェディングケーキが、悲しみと苦しみを振りまいて世界を呪っていた。


「失恋だよ」


彼女が呟いた。


「失恋、なのか」


真意は分からなかったが、言葉をただ繰り返すと、言いようもなく苦しくなった。
 ▼ 54 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/12 21:22:04 ID:pSAA.iAs [10/12] NGネーム登録 NGID登録 報告

「っうわ!?」


突然車体がガクンと揺れ、危うく窓から放り出されかけた。

何事かと上を見ると、アーマーガアにクリームと割れたハートの飾りが盛り付けられている。

これは、“デコレーション”……なのか?

でも発揮されている効果は、本来のものと全くの正反対だ。


『だああああ、クソが! 高度が上がりやがらねェんだよォ!』


アーマーガアの羽ばたきが力強さを失い、徐々に地面が近づいてくる。

タクシーは緩やかに減速し、マホイップの数百メートル手前に不時着した。
 ▼ 55 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/12 21:23:33 ID:pSAA.iAs [11/12] NGネーム登録 NGID登録 報告

「クソッタレ、今日は営業終了だ! あとはテメェらで行きやがれ!」

「っすみません、ありがとうございます!」


ドライバーに追い出されるまま外に出る。

タクシーの横では、クリーム塗れのアーマーガアがぐったりしていた。


「すまん、無理させて」


アーマーガアはぷいっと目を逸らし、翼でよろよろとマホイップの方を指した。

いいから早く行けってことか。飼い主によく似たものだ。
 ▼ 56 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/12 21:24:50 ID:pSAA.iAs [12/12] NGネーム登録 NGID登録 報告

平原には、あちこちに人の高さほどのクリームの山ができていた。

目の前にあったその一つに指を突っ込み、くっついたクリームを口に運ぶ。


「……しんどいな」


頭では分からなくても、味覚から心へと真っ直ぐに伝わってくる。

彼女の言葉を借りるなら、それは失恋の味だった。


 ▼ 57 ッツー@モーモーチーズ 20/02/14 20:57:42 ID:H52./7Bo [1/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

「早く迎えに行ってやらないとな」

「来ないでって言ってるんじゃないの? 攻撃してきてるし」


からかうような口調で、わざとらしく彼女が言った。


「……そう言われて本当にほっといたら、もっと泣くだろ」

「合格」


彼女は悪戯に笑う。


「彼氏みたいじゃん」

「家族だよ」


俺は一言訂正して、そびえ立つウエディングケーキへと駆け出した。
 ▼ 58 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:00:51 ID:H52./7Bo [2/25] NGネーム登録 NGID登録 報告





「たっけぇな……」


真下まで近づくと、ケーキはもはやファンシーなお城だった。

見上げていると首が痛くなってくる。

ここから頂上へ、マホイップを迎えに行くのだ。

ロッククライミングの要領でデコレーションに手をかけ、クリームに足をうずめる。

……行けそうだ。
 ▼ 59 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:01:44 ID:H52./7Bo [3/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

手が、足がクリームに触れるたびに感情が流れ込んできた。

これがこの3日間俺が見過ごし続けてきたものなのだろう。

暖かくて苦しい何かが、心の中に溢れていく。


ああ、もう、分かったよ。

今行くからな。
 ▼ 60 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:03:14 ID:H52./7Bo [4/25] NGネーム登録 NGID登録 報告





嫌いです。

トレーナーさんとキッチンで並ぶのが嫌いです。真剣な顔がよく見えてしまうから、嫌いです。

一緒にクリームを作るのが嫌いです。気持ちが一緒じゃないので、嫌いです。

箱の中のケーキが嫌いです。少し寂しそうなのが、嫌いです。

あの子が嫌いです。トレーナーさんを取ってしまうので、嫌いです。

トレーナーさんが嫌いです。考えるととても苦しくなるので、嫌いです。

優しいのも、撫でてくれるのも、全部苦しくなるから、嫌いです。

みんな、みんな、嫌いです。

 ▼ 61 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:03:32 ID:H52./7Bo [5/25] NGネーム登録 NGID登録 報告





でも。




 ▼ 62 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:04:09 ID:H52./7Bo [6/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

好きです。

好きだから苦しいのです。

苦しいから嫌いなのです。

でもやっぱり、好きなのです。


「迎えにきたぞ」


わたしは、トレーナーさんが好きなのです。

 ▼ 63 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:05:21 ID:H52./7Bo [7/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

クリームを作るとき、いつもトレーナーさんが一緒でした。

一緒にいると幸せなのです。特別だから幸せなのです。だからいつも美味しくなるのです。

このケーキも、そうやって作ったのです。

トレーナーさんのことを考えて、特別な幸せの中で作ったのです。

好きだなって思いながら、作ったのです。

あの子に渡すためのケーキなのに、そうやって作ってしまったのです。

だから渡せませんでした。渡したくありませんでした。

わがまま言ってごめんなさい。
 ▼ 64 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:05:51 ID:H52./7Bo [8/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

トレーナーさんがあの子を好きでもいいのです。

想いは伝えて欲しいのです。結ばれて欲しいのです。

本当です。苦しくて悲しいけれど、本当です。

でも、このケーキは、トレーナーさんに食べて欲しいのです。

だから……受け取ってくれますか?

 ▼ 65 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:07:03 ID:H52./7Bo [9/25] NGネーム登録 NGID登録 報告




差し出されたケーキの箱を受け取る。


「……開けていいか?」


マホイップはコクリとうなずいた。

慎重に、丁寧にラッピングをほどいていく。

あれだけ暴れていたのに、小さなチョコレートケーキはどこも型崩れしていなかった。


「大事に持っててくれたんだな」


マホイップは少し微笑んで、みぃ、と小さく鳴いた。
 ▼ 66 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:07:38 ID:H52./7Bo [10/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

シンプルに飾られた小さなチョコレートケーキ。

その端をフォークで丁寧に切り取り、口に運んだ。

滑らかな舌触りのチョコレートクリームは、


「甘くて、ちょっと苦い」


特別な想いの味がした。



 ▼ 67 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:08:39 ID:H52./7Bo [11/25] NGネーム登録 NGID登録 報告



──────────────────


 ▼ 68 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:09:33 ID:H52./7Bo [12/25] NGネーム登録 NGID登録 報告





「迎えに行くって言っといて、連れて帰る方法がノープランだったなんてね」


彼女が隣でため息をついた。


「……すまん」


返す言葉もない。

俺がマホイップのボールを携帯していなかったため、マホイップを連れ帰るまでに随分遠回りをしてしまった。


「あんたがケーキに登り始めたときはどうしようかと。てっきり、ボールに戻しに行くんだと思ってたから」


そう、初めからボールに戻せば、そもそも登らなくても良かったのだ。

俺の家まで行ってボールを回収し、頂上まで届けてくれた彼女には頭が上がらない。


『テメェら、次似たようなことがあっても俺は見捨てるからな! もう助けねェからな!』


もちろん、このお人好しすぎるタクシードライバーにも。
 ▼ 69 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:10:14 ID:H52./7Bo [13/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

「ところでさ」


一つ気になることがあって、横に座る彼女に話しかける。


「何?」

「何でお前、マホイップの気持ちが分かってたんだ?」


コイツは初めから全て察していたように見えた。

クリームを浴びたわけでもなく、ましてマホイップと生活しているわけでもないのに。
 ▼ 70 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:10:39 ID:H52./7Bo [14/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

「んー。あたしってあんただけじゃなくて、マホちゃんの幼馴染みでもあるわけじゃん」


中学以降家に来ることは少なくなったが、たしかにマホミルの頃からの付き合いだ。


「それがどうしたんだ?」

「小2の頃かな。あんたに、その……求婚? したこと、あったでしょ」

「お、おおう。あったな?」


唐突な話題に思わず顔を背ける。窓に映る彼女もまたそっぽを向いていた。
 ▼ 71 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:12:43 ID:H52./7Bo [15/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

一呼吸置いて、彼女は話を続ける。


「あの時、マホちゃんがすごい不安そうな顔してたんだよ」

「え。でも、確か俺あの時……」

「うん、断ったよね。そしたらマホちゃん、今度はホッとした顔しててさ」


黒い窓に映る彼女が苦笑いした。


「あの顔を見ちゃってから、告白とかそういうの、ちょっと怖くて」


ああ、そういうことだったのか。

俺たちの関係に一切の進展がなかった理由が今ようやく分かった。
 ▼ 72 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:13:22 ID:H52./7Bo [16/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

「って、あたしの話はいいんだよ!」


ハッとしたように首を振って、彼女が声をうわずらせる。


「そんな恋するマホちゃんが、あたしにケーキ作っちゃったわけじゃん! ……そんなの、絶対しんどいよ」


そう言って苦しそうに胸を抑える。


「ああ。……しんどかったんだよな」


マホイップが振りまいたクリームの味を、舌と心が鮮明に覚えていた。
 ▼ 73 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:14:05 ID:H52./7Bo [17/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

手元のボールに視線を落とすと、中でマホイップがすやすやと眠っている。

しんどくて、苦しくて、悲しかったのだ。

でも俺はそれを分かってやれなかった。

だからマホイップは気持ちを伝えるすべを求めて、ワイルドエリアの荒ぶる力を借りたのだ。

俺にただ一つ小さなわがままを言うために。
 ▼ 74 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:14:34 ID:H52./7Bo [18/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

「……なぁ。いいんだってさ」


いろいろな内容を省略した俺の言葉に、彼女が首を傾げた。


「いいって、何が」

「その、だから……。ケーキを受け取ってくれれば、あとはいいって。マホイップが」

「あとはって何よ、あとはって」

「いや、なんで分かんねぇんだよ」
 ▼ 75 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:14:54 ID:H52./7Bo [19/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

みなまで言わすなと彼女を睨むと、彼女はいたずらな笑みを浮かべていた。


「渡したいものは分かったけど、伝えたいことはあたし、まだ聞いてないから」


……みなまで言えってことか。

“渡したいものと、伝えたいことがある。”

橋の上でそう言ったのは俺だもんな。
 ▼ 76 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:15:31 ID:H52./7Bo [20/25] NGネーム登録 NGID登録 報告


それから数分か、それとも数秒か、とにかく世界で一番長い沈黙があり。

俺が少しつっかえながらありふれた言葉で想いを伝え。

そして彼女もまた、改まった態度で頷き、ありふれた言葉で返事をした。


スピーカーから聞こえるわざとらしい咳払いが、俺たちを祝福していた。
 ▼ 77 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:16:31 ID:H52./7Bo [21/25] NGネーム登録 NGID登録 報告







「お前が好きだ……から、付き合ってくれ」

「こちらこそ、うん。お願いします」


モンスターボールの中で聞いたのは、とても特別な二人のお話でした。

トレーナーさんはちゃんと想いを伝えて、あの子と結ばれたみたいです。

よかったです。

運転手さん、茶化しちゃダメです。
 ▼ 78 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:16:55 ID:H52./7Bo [22/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

これでいいのです。

ちょっぴり苦いけど、いいのです。

わたしはトレーナーさんが好きだから、やっぱりトレーナーさんが幸せになるのがいいです。

特別な気持ちは大事にしなきゃいけません。
 ▼ 79 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:17:35 ID:H52./7Bo [23/25] NGネーム登録 NGID登録 報告

それに。


「ね。あたしたち付き合う前に、ひとつだけ確認」

「確認?」

「もうマホちゃんのこと泣かせちゃダメだよ?」

「分かってるよ。大切な家族だからな」


わたしも大事にされているのです。

あんなところまで迎えにきてくれてしまうくらい、大事に。
 ▼ 80 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:18:26 ID:H52./7Bo [24/25] NGネーム登録 NGID登録 報告


わたしは今、幸せです。

とてもとっても、幸せなのです。

 ▼ 81 ャイン◆pe3jx/lPm. 20/02/14 21:18:57 ID:H52./7Bo [25/25] NGネーム登録 NGID登録 報告






【SS】大団円はビター&スイート





                 おわり
 ▼ 82 ンチャム@きれいなぬけがら 20/02/18 08:30:16 ID:Q4ZQRwzI NGネーム登録 NGID登録 m 報告
おっつおつ!!
良き!!
 ▼ 83 ジョッチ@ホロキャスター 20/02/18 16:45:22 ID:Ew72/YL6 NGネーム登録 NGID登録 報告
乙ー!
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