【バレンタインSS】スリーパー「恐怖のヒト喰い村」:ポケモンBBS(掲示板) 【バレンタインSS】スリーパー「恐怖のヒト喰い村」:ポケモンBBS

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【バレンタインSS】スリーパー「恐怖のヒト喰い村」

 ▼ 1 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:30:15 ID:suwUd9i6 [1/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「ねぇスリーパー、今日何の日か知ってる?」

スリーパー「あー……煮干しの日?」

少女「違う!」

スリーパー「ふんどしの日」

少女「もう!わざと言ってるでしょ! スリーパー、今日はバレンタインよ!わたしこの日をずっと楽しみにしてたの!
欲しいでしょ、チョコ?」

スリーパー「……あのさあ」

少女「何?」

スリーパー「今遭難中だからな?」
 ▼ 2 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:31:06 ID:suwUd9i6 [2/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
俺の主人は変わり者である。
なんでだか、ポケモンで、しかもスリーパーの俺が好きらしい。


少女「知ってるわよ。ちょっとでも気分を盛り上げようとしたんじゃない」

スリーパー「盛り上がんねーよ」


で、現在俺たちは深い山の奥で絶賛遭難中。
霧立ち籠める山道を心もとなく歩いているところだ。

既に夜。ずいぶん歩いているが……未だ道路や村は見つからない。今日はこのまま野宿かもしれないな、とぼんやり考えている。
 ▼ 3 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:31:27 ID:suwUd9i6 [3/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「バレンタインで定番なのはシンプルなチョコとか……クッキーとかチョコブラウニーとか?スリーパーは何が好き?」

スリーパー「この話題まだ続くのか?」

スリーパー「……甘いもん好きじゃねえんだよ。チョコはいらねえ」

少女「えーっ」

スリーパー「いいだろチョコ好きじゃなくたって! ……あ、おいそこ足場悪いぞ。手」

少女「え?」

スリーパー「手ぇ貸せって。ほら」


ぐいと手を引っ張って段差を登らせると、照れたのか俯いた。こういう時だけ照れられると気まずくなるからやめてほしい。
 ▼ 4 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:31:47 ID:suwUd9i6 [4/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「……ふふ、このままずっとこれで行く?」

スリーパー「い……嫌だ」

少女「ふーん、ケチ」

スリーパー「何とでも言え」


そんな調子で歩いていれば、山を登っているのか下っているのか、だんだんと霧は濃く、辺りは暗くなっていく。
そして──辿り着いた。
 ▼ 5 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:32:18 ID:suwUd9i6 [5/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「村ワナチ……いや逆ね。『クチナワ村』?」

スリーパー「ボロい看板だな……そんな村あったか?」

少女「でも現にあるし……あ。これ、車のタイヤの跡ね。山奥の村だけど、麓に買い出しに行って……って感じかしら?」

スリーパー「じゃあこのタイヤ跡辿って車道に出ねえか?」

少女「どうして?ポケモンセンターでもあるかもしれないのに……」

スリーパー「いや……なんか入りたくねえんだよ。エスパーの感だけど」


──その時、何か後ろが気になって振り向いた。












 ▼ 6 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:32:45 ID:suwUd9i6 [6/18] NGネーム登録 NGID登録 報告


スリーパー(……?気のせいか)

少女「良いから行っちゃいましょ!もう夜も遅いし!」

スリーパー「あっおい待てって!」


そうして、俺たちはこの村に足を踏み入れることになったのだ。
 ▼ 7 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:33:06 ID:suwUd9i6 [7/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
ボロい看板の立つ入り口を通り、村に入っていく。

そこには、異様な光景が広がっていた。


少女「なに……あの人たち」

スリーパー「わからん……」


俺たちが着いたのは広場のような場所だ。
そこに、赤いコーンのような物で頭を覆った人間が集まり、賑わっている。
電灯の光が眩しくて、夜だっていうのに妙に明るい。

立ち止まっていると、村に迷い込んだ俺たちに気づき、村人が一人こっちに歩いて来た。
 ▼ 8 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:33:28 ID:suwUd9i6 [8/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
村人「あんたら旅の人かい」

少女「えっ、あっ、はい! あの、皆さん何してるんですか?」


驚くのも無理はない。体型から中年ぐらいに見えたその村人の声は、すごくしゃがれていたからだ。


村人「ああ、こりゃあ祭りさ。一年に一度の祭り」

スリーパー「ああ、祭りか……なら納得だ。急に邪魔して悪いが、この村にポケモンセンターはあるか?」

村人「ポケモンセンターは無いが、宿ならあるよ。泊まっていくかい?」

少女「はい!ありがとうございます」

村人「いやあ気になさんな。しかしお嬢ちゃん、一ついいかい」

少女「はい?」

村人「この村で、ポケモンを出していない方がいい。ボールにしまっておきなさい」
 ▼ 9 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:34:04 ID:suwUd9i6 [9/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「ポケモンを?」

スリーパー「何の理由で?」

村人「この村に伝わる言い伝えさ。この祭りにも関係がある」

村人「この村、ポケモンが一体もいないだろう」

少女「はい、確かに……」

村人「今から数十年前のことなんだがね。この村のあった場所で、ある女が事故で死んだんだよ」

村人「女は自分のポケモン以外身寄りが無くてね。そのポケモンも同じ事故で行方不明になったし、特に弔われなかったそうだ」

村人「それから数年後、ここに村ができた。すると、ポケモンを連れた人間だけが次々と呪い殺されていったんだ」


淡々と語るその顔は赤に隠されて見えない。
 ▼ 10 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:34:25 ID:suwUd9i6 [10/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
スリーパー「呪い……病気とかか?」

村人「そこまではわからんな。ともかくこれは死に目に唯一の家族に会えなかった女の嫉妬だと言われてな。それからこの村ではポケモンを誰も持たなくなった」

村人「そして、一年に一度、女の魂を鎮める祭りが行われるようになったわけだ」

村人「まあ、旅の人に滅多なことは起こらんだろうが、一応ボールに入れておきなさい」


正直かなり不気味だ。できればここに留まりたくはない。
それは俺の主人も同じようだったが、ここ以外に行く場所も無く、野宿よりはましだろうと、結局泊まっていくことになった。
 ▼ 11 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:34:46 ID:suwUd9i6 [11/18] NGネーム登録 NGID登録 報告


ボールの中からでも、外の様子を知ることはできる。

 ▼ 12 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:35:01 ID:suwUd9i6 [12/18] NGネーム登録 NGID登録 報告


鞄の中だったから景色は見えないが、音だけは聞くことができた。

 ▼ 13 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:35:17 ID:suwUd9i6 [13/18] NGネーム登録 NGID登録 報告


部屋に置いてあるのか、ずっとノイズ混じりのラジオの音声が聞こえる。

 ▼ 14 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:35:37 ID:suwUd9i6 [14/18] NGネーム登録 NGID登録 報告


古いラジオから聞こえるニュースを聞きながら、俺は、ボールから出される時を、ぼんやりと待ち続けた────

 ▼ 15 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:36:05 ID:suwUd9i6 [15/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
再び地面を踏んだのは、翌日の夕方のことだった。


少女「スリーパー、出て来て」

スリーパー「……っと……慣れないな、この感覚」

少女「普段はボールに入らないものね」

スリーパー「……これから村を出るのか?」

少女「ええ」

スリーパー「正直気味が悪い村だったが、何もなくてよか──ん?」


──その時、何か後ろが気になって振り向いた。










 ▼ 16 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:36:39 ID:suwUd9i6 [16/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
スリーパー「?」

少女「どうしたの?」

スリーパー「いや、何も……」













         何か おかしくないか




 ▼ 17 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:37:17 ID:suwUd9i6 [17/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
 

   何が、とはわからないけど。


              何か違う。


  何か違和感がある。


             何だ、この感じ。


     何か、だんだん鼓動が速くなって。


何だか、コップに水を注ぐように、緊張感が高まる。


   何なんだ……ああ、わかった。違和感の正体が。








     何者だ、目の前のこいつは。

 ▼ 18 トラポット◆Pcf6Vw29GM 20/02/14 20:37:46 ID:suwUd9i6 [18/18] NGネーム登録 NGID登録 報告
スリーパー「……あいつをどうした」

少女「? どうしたの? あいつって?」

スリーパー「とぼけるな! お前は誰だ!?」

少女「私がどうかした?」

スリーパー「お前はあいつじゃない……! 正体を現せ!」

少女「……あなた変よ、スリーパー」


姿も声もいつも通り、でも違う!

こいつは、俺の主人じゃない!
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