【ss】ポケモン不思議のダンジョン もう一人の英雄:ポケモンBBS(掲示板) 【ss】ポケモン不思議のダンジョン もう一人の英雄:ポケモンBBS

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【ss】ポケモン不思議のダンジョン もう一人の英雄

 ▼ 1 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/10 22:33:18 ID:yz2ogjx6 NGネーム登録 NGID登録 報告
Chapter-1 赤い閃光
依頼1『竜虎相搏/伝説ポケモンに会いたい』
ポケモンは、一匹では弱く脆い。
 だから彼らはチームを組んだ。
 チームには様々な主義や目標があり、冒険家や調査団から、果てはアイドルユニットなど様々な分野で社会に貢献している。

 ここは100を超えるチームが拠点を置くギルディングシティ。十人十色のチームたちのおかげでいつもにぎやか。
 そんなギルディングシティのチームの一つ、ひょんなことから結成された救助隊とは名ばかりの何でも屋集団であるチーム獅子奮迅に、今日も一通の依頼が届く────
 ▼ 40 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/13 23:23:04 ID:YNDcGP.I [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
リザ「……子供、か」

 今までそんなこと、全く考えもしなかった。
 この狂った世界に生まれ落ちてから15年は過ぎただろうか。いや過ぎていなかったかもしれない。まあこの際どちらでもいい。

 自分も将来、誰かと恋に落ちて、結婚して、子供を作って、孫の顔を見て、それから死ぬのだろうか。

リザ(子供を作らない、結婚もしないっていうルートだと……)

 もう就職も済ませているし、学校にも通う予定はない。親もいない。つまり次に待ち受けるライフイベントは……

リザ(確実な死!!)

 それはちょっと怖い。一匹狼というタイプではないから、一生孤独でいることに自分は耐えられそうにない。

リザ(……いや待てよ。今の俺には友達が沢山いる。あいつらに添い遂げてもらうってのはどうだろうか?)

 そうして、リザはチームの面々との未来を妄想する……
 ▼ 41 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/13 23:26:46 ID:YNDcGP.I [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 夕方の美しい砂浜。老いたリザは車椅子に乗りながら今なおプルスと過ごしていた。

リザ「ばあさんや、わしらも長いこと一緒にいましたのう」

プルス「あら、婆さんなんてひどい人ね。まだたったの40年くらいでしょう?」

リザ「う、ううっ……」

 突然リザは胸を押さえてうずくまる。

プルス「もう死んじゃうの? 仕方ない、また次のパートナーを探しましょ」

リザ「おーい、せめて救急車を……ううっ」

 リザは車椅子から転げ落ち、そのまま二度と動かない……



 そこまで想像したリザは、布団の中で転げ回り始めた。尻尾を気にして、控えめに。

リザ(プルスは明らかにまずい。あいつは確実に地雷。だってシェイクスピアって何年前だ? 300? 400? それとも500? とにかく、ポケモンの平均寿命が50年くらいらしいのにあたかも知っているような素振りを見せるあいつはどちらの場合でもかなりやばい……)
 ▼ 42 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/13 23:30:15 ID:YNDcGP.I [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 バン「おーい、こっちこっち!」

 切り立った崖の上で、バンが短い手をブンブン振っている。それに気づいたリザは一飛びでバンの目の前に降り立った。

 バン「ここだよここ! ここの岩が俺のお気に入りなんだ」

 そう言ってバンは後ろにそびえ立つキラキラ光る小さい山を得意気に指差した。リザの頬に冷や汗が流れる。
 どう遠慮すればいいかをリザが必死に考えている間に、バンはリザを山の方にゆっくりと押す。
 ひとかけらの石──ひとかけらと言うには大きすぎる拳大の──をちぎり取り、リザにつきだしてきた。

リザ「いや、俺は無理だよ」

バン「大丈夫大丈夫! 人間気合いでなんでもできるって!」

リザ「いやだからムゴッ!」

 反論しようと口を開いた瞬間にバンが石をねじこんできた。
 なんとか抵抗しようとするもA130台の暴力には勝てず、運の悪いことにろくに噛んでもいないまま飲み込まされた。

 電撃のような激痛と、後から襲ってくる形容しがたい苦しみに襲われリザの意識は途絶える。

バン「リザ、おい大丈夫か!? そういえばリザは岩タイプじゃなかった〜! 謝るから目を覚ましてくれ〜!」

 リザに覆い被さりながら大泣きするバンの姿が目に浮かぶ……


リザ(……さすがに誇張しすぎだとは思うが、オボンの実と間違えてあのすっっっぱいイアの実を食わせてきたことを考えるとこれくらいは……いやさすがに無いか。でもあいつ暴力的だから喧嘩でもしたら怖いからな……主にストーンエッジが。あといわなだれ)
 ▼ 43 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/13 23:33:15 ID:YNDcGP.I [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
テル「リザさーん、起きて。もう朝だよ」

 耳元に直接話しかけられるのは少々こそばゆいが、毎朝のことなのでもう慣れた。

リザ「ん、、、もう朝か」

 リザが大きくあくびをすると、テルが口に手を当てクスクス笑った。

テル「今日もリザさんの好きな特製ドリンクとオメ……」

リザ「うわあああああーーーー!!!」

 リザは我に返り、ベッドから飛び起きた。
 周囲に誰もいないことを確認してから、ゆっくりと毛布の中に戻る。

リザ(途中で断念せざるを得なかったが、案外悪くないかもしれないな。───いや! もしあいつと恋仲になるなら……!)

 そう。問題はコトに及ぶ時。


テル「リザさん、すき、すき、だいすき、だいすき、だいすき、だいすき! 『ダイナックル』!」




リザ「……俺、気持ち悪いな」
 ▼ 44 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/13 23:36:29 ID:YNDcGP.I [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ルリア「何を今さら」

 いつの間にか部屋に入ってきていたルリアを、リザはぎょっとした顔で見る。

ルリア「今朝はごめんなさい。わたし、なんか、えっと……あれ? わたし悪いことしてなくないですか?」

 先程の気持ち悪いと言ったのは悪いことではないのかと問いただしたくなったが、

リザ「そうだな。才メコでもなんでも、好きなように口に出すといい」

ルリア「分かりました。……一応、おみやげ買ってきたので」

 そう言って持ってきた袋をごそごそと漁り、ラグビーボール形の赤い木の実を取り出した。

リザ「どれ一口。……マゴの実に似てるけど、甘さに癖がなくてうまいな。なんか食べやすいし、これなら苦手なやつが食べても混乱しないんじゃないか?」

 そう言うとルリアの表情が若干嬉しそうになる。

ルリア「おっ、あなた意外と食通ですね。このマ○コの実はマゴの実を品種改良して得られたもので……」

 リザはベッドに背中からおもいっきり倒れ、マン○の実のかけらをゴクンと飲み込む。
 涙が出そうだったので腕で目を押さえながら、

リザ「小学生かよぉ…………」
 ▼ 45 タッコ@ピーピーリカバー 20/03/14 00:27:33 ID:02k6XG9. NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
リザードンかわいい
 ▼ 46 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 21:48:32 ID:Eoeg7Aa6 [1/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
Chapter-1 赤い閃光
依頼5「酒池肉林/奈落の底へ」
 結局、あの実を使った料理はライスと呼ぶように徹底することで仲直りを果たした。リザもあの記憶は封印し、懐かしの味を毎日堪能することができている。

バン「……」

 そんな中、ポストに投げ込まれていたハガキを見ながら、バンが思い悩んだ顔でじっと立っていた。

バン「おいリザ、緊急検診のお知らせが来てるぞ」

 事務所のドアからひょっこり顔を出してバンが言う。しかし中にはルリアしかいない。

ルリア「先に行きましたー。自分がチームで一番遅く起きてることを自覚してくださいー」

バン「マジか!? あと一匹誰か連れてこうかな……おーいテル、お前楽しいとこ行ってみないか?」

テル「あー……? まあいいや、今行くよ!」

 バッチリ聞いていたテルが二階から降りてきて、そのまま二匹でリザを追いかけていった。


ルリア(さて、緊急検診、ですか。ちょっと怪しいですね……。あとからテレポートで追いかけることにしましょう)

 空を悠々と飛ぶリザをテルが視界に捉える。バンにその事を伝えると、木々がおののくほどの大声でリザを呼ぶ。なおここは思いっきり街の中なので非常に迷惑。リザはそれに気付き旋回し、二匹と無事合流した。
 ▼ 47 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 21:50:06 ID:Eoeg7Aa6 [2/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ポケモンセラピーを生業とするチーム夢幻抱擁は、ギルディングタウンの端に大きめの施設を持っている。

マホイップ「こんにちは〜リザさん。突然の呼び出し申し訳ありません〜」

 リーダーを務める、バニラクリームに赤いイチゴのマホイップが三匹を出迎えてくれた。ペコリと頭を下げる様がかわいらしい。

リザ「別にいい。それよりサナの呼び出しなんだろ? 早く通してくれ」

マホイップ「まあ。そんなに急がなくても大丈夫ですよ〜。今日は珍しく誰もお客さんがいないんです〜」
バン「て、てことは、一日中できるってことか!?」

 鼻の下を伸ばしまくったバンが食いぎみに訊く。

マホイップ「はい〜。しかもお得意様の皆様には特別に5割引で2000ポケで提供させていただきます〜」

 それを聞いたとたんにバンの顔がだらしなく緩む。

テル「……バンさん、こういうお店に何度も来てるの?」

バン「いや、お前も多分好きになるって。楽しいぞ〜ここは!」
 ▼ 48 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 21:51:20 ID:Eoeg7Aa6 [3/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
ブリムオン「初めまして。私はブリムオン。ポケモンの悩みを聞くお仕事をしてるの」

 天井に満天の星空が描かれた薄暗い部屋。テルが扉を閉めると、部屋は真っ暗になった。ブリムオンがアロマキャンドルに火を灯す。

テル「私が来るまで真っ暗な部屋で何してたんですか?」

ブリムオン「……さあ、このベッドに横になって。大丈夫、バンさんもこれと同じベッドによく乗っているから……」

 言われた通りベッドに寝ても、軋む音は全くしなかった。まあその分あまり寝心地はよくないが。

ブリムオン「まずは『まほうのこな』かけますね」

 ブリムオンが傍らの壺のようなものから一掴み粉を取り出し、キテルグマに思い切りふりかけた。鼻がむず痒くなるかと思ったが、案外気持ちいい。

ブリムオン「はい。これであなたはエスパータイプになり、『めいそう』をタイプ一致でできるようになりました」

テル「えっ、でも……」

 反論しようとすると、ブリムオンはシャキッという音とともに頭の触手から爪を出し、蝋燭の光に照らした。なんだか体がうまく動かないこの状態でフェアリータイプとやりあうのは得策ではないと考え、落ち着いて精神を集中させる。
 ▼ 49 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 21:52:41 ID:Eoeg7Aa6 [4/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
ブリムオン「『アロマセラピー』が効いてきたでしょう……?」

テル「ええ、なんだか頭がふわふわしてきたきがしますう」

ブリムオン「さあ、私に悩みを打ち明けてみて……♡」

 テルは口を開こうとしたが、苦しそうに頭を振りながら抵抗し、突然涙を流し始めすらした。

ブリムオン「抑圧が無意識にまで根を下ろしてしまっているわ。危険だけど、もう少し『まほうのこな』をかけて……」

 ブリムオンが壺からひとつまみの粉をテルにかけると、細々とした声で自分の思いを語り始めた。

テル「すきなんです……リザさんのこと。あ、リザさんっていうのは一緒に来たリザードンなんですけど……ううっ!」

ブリムオン「やめなさい。正気に戻るのはやめなさい。論理的思考もやめなさい。さあ、まどろみの中に戻って……♡」

 頭痛で頭を押さえていたテルだが、ブリムオンが一掴みまほうのこなをかけてやるとスッと沈静状態に戻った。
 ▼ 50 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 21:54:35 ID:Eoeg7Aa6 [5/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
ブリムオン「それで? あなたはリザさんのどんなところが好きなの?」

テル「まずかおがいいですよね。たよりがいがあるようにみえてじつはまわりにだれかいないとどうしようもなくなるところとか……でも、顔が悪くても、自分でなんでもできても、私は……あれ? ううっ!」

ブリムオン「寝ろ!!!!」

 とうとうブリムオンはテルの頭の上で壺ごとひっくり返してしまった。テルは静かを通り越してもはや完全に凪いだ表情で横たわっている。

ブリムオン「それで? リザさんとあなたは何がしたいの?」

 テルは何も言わない。さすがに粉をかけすぎたか? と思ったら、

テル「わからない……」

 テルが再び涙を流す。

テル「自分が何がしたいのか全くわからない! 一緒に居られれば十分だと思う時もあるけど、でも満たされない! 傍で支えるのも、彼の唯一になるのも、いまいちピンとこない! なら、この思いはどうすればいいの……」

 ほの暗い部屋にテルの慟哭が虚しく響く。

ブリムオン「そう……目を開けて。すっきりした気がするでしょう?」

テル「すっきりはしてませんけど……。何となく、はっきりはしたと思います」

ブリムオン「そう。それは良かった」
 ▼ 51 ッポ@フリーズカセット 20/03/14 21:56:14 ID:FVtUCyaE NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 52 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 21:56:21 ID:Eoeg7Aa6 [6/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
 リノリウムの床。背もたれのない椅子。白い布のパーテーション。ベッド。
 ここはなぜか落ち着く。まあ、もうこちらの世界にいる時間のほうが長くなってしまったが。
 白衣を着たサーナイト、サナが座りながらコンピューターをいじっている。

リザ「あー、えっと……、ハーイ!」

サナ「あら、もう来たの。こんにちは」

 サナが振り向いてリザの方に手を振る。白衣を着たサナはどこか妖艶で、思わずドキドキしてしまう。

サナ「さて、今回緊急検診を提案した目的だけど、聞きたい?」

 一応、首を縦に振る。

サナ「あなた、レックウザに接触したでしょう? しかもグラードンとカイオーガも直視した。伝説のポケモンと関わりを持ったポケモンは、何かしらの影響を受けることが多いとされているから、これはそれを調べるための検査なの」

リザ「でもそれは他の人も同じで……」

サナ「前にも言ったでしょう? あなたは特別なの」

 初めてサナに体を調べてもらった時から、同じことを言われてきた。自分のどこがどう特別なのか、サナには分かっているのだろうか。
 ▼ 53 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 21:58:42 ID:Eoeg7Aa6 [7/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
サナ「さて、それじゃあそこの袋に入って」

 そう言ってベッドの上の寝袋のような物を指差した。リザは素直に前から寝袋に入っていく。
 背筋が伸びる感覚のあと、「もう出ていいわ」と声をかけられたので素直に出ていくと、サナがコンピューターの画面をじっと見つめていた。

サナ「励起状態、かしら」

リザ「はあ」

 もしかしてサナは分子とか原子とか電子とかの話をしようとしているのだろうか。それならやめていただきたいものだが、

サナ「いえ、何というか……変な言い方だけど、『使用可能状態』と言ったほうが分かりやすいかもしれないわね」

 ????????

 サナが椅子を回してリザの方を向く。

サナ「あなたの体には大量のエネルギーが蓄えられているわ。……いえ、決してあなたが太っているということではなくてね、炎タイプの、というよりポケモンはみんな……」

リザ「それは自覚してるから、続きをお願いしてもよろしいですかねえ?」

サナ「……こほん。つまりね、そのエネルギーが、取り出し可能なように整理されているのよ」

リザ「えっ」

サナ「もちろん普通にしてればエネルギーが漏れ出ることはないわ。でも、もし強烈な衝撃を与えられて、なおかつあなたが自分を保とうとしなければ……」

 サナが両手を丸状に絡め、それからそれをするするとほどいた。

リザ「なんでそんなことに!?」

サナ「知らないわよ。伝説ポケモンのせいじゃないの?」

 リザは大きなため息をつく。

リザ「こんなんじゃ検査に来た意味がない! もういい帰るぞ、バン、テル!」

<はーい! 今行くよー!

<お゛お゛う゛、わ゛かっ゛たそ゛!
 ▼ 54 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 22:04:39 ID:Eoeg7Aa6 [8/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
バン「ふう゛っ゛、ふう゛っ゛、マホイップちゃ゛ん゛のキョダイダンエン、きも゛ちよ゛かっ゛たな゛あ゛」

 パンパンに膨れ上がったおなかを揺らしながら、恍惚とした表情で歩くバン。すでに五十歩くらいリザとテルに差をつけられている。

リザ「なんであんなのにハマるんだか……」

バン「え゛?だっ゛て、体のな゛かをマホイップちゃ゛ん゛でい゛っ゛ぱい゛に゛さ゛れ゛る゛んだぞ? きも゛ちい゛い゛に゛決ま゛っ゛てる゛だろ゛」

テル「なるほど、新境地」

バン「リザは゛フェアリー技が効きに゛く゛い゛から゛、お゛れ゛よ゛り゛も゛も゛っ゛と゛膨ら゛ま゛せ゛ら゛れ゛る゛ん゛じゃ゛な゛い゛かっ゛てマホイップちゃ゛ん゛も゛言っ゛てたぞ。う゛ら゛や゛ま゛しい゛な゛あ゛」

リザ「…………」

 身の危険を感じたリザは身震いした。



サナ「誰? ……ああ、ルリアか。何しに来たの?」

ルリア「お姉ちゃんこそ。一体何を企んでるの?」

サナ「ちょっとハッキングでもかじろうかなー、と」

ルリア「……何でもいいけど、もしリザさんに手を出したら」
サナ「出したら、何?」

 サナの冷酷な視線がルリアを射抜く。ルリアはこの生温かい視線が、昔からずっと大嫌いだった。

サナ「ああ、かわいそうなルリア。あなたは何をやっても私には敵わない。私が未来を担う研究職に就いて、あなたが現在を担う救助隊をやってるのはそのせいよ」

ルリア「……どんな仕事にも優劣なんてありません。あるのは賃金の違いだけです」

サナ「そうかしら。まあもうどうでもいいけど」

 そう言ってサナはキーボードを叩く作業に戻った。
 ルリアの姿は、もうそこにはない。


ルリア「お帰りなさーい。あ、バンさんったら今日は一段と詰め込まれてきましたね。依頼に支障が出る前にダイエットしてもらいますからね!」
 ▼ 55 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 22:09:39 ID:Eoeg7Aa6 [9/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>45
>>51
支援ありがとうございます。かわいいも嬉しいです。
 ▼ 56 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 23:46:33 ID:Eoeg7Aa6 [10/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
Chapter-1 赤い閃光
依頼6「青い衝撃/君は誰?」

バン「ふう゛っ! ふう゛っ! はあ゛っ!」

 バンが息を荒げながら時速2kmくらいの速さで走っている。バンの汗で、部屋には円形の水溜まりができていた。

ルリア「ほら、ペースが落ちてますよ! もっと速く! 疾風迅雷!」

 紙を丸めて作ったメガホンを持ちながらルリアがバンに檄を飛ばす。

バン「はひっ、ひいっ、もう、ダメだあ゛……」

 バンが倒れると、軽い地震が起こって棚の食器が少し落ちて割れた。

ルリア「止まらないで! イワンコのように駆け巡るんです! ……はあ」

 今までは一時間、長くて二時間コースだったため、少し任務をこなせばすぐに元の体に戻ったが、十二時間くらい詰め込まれた後ではなかなか痩せることができない。
 横たわったバンは盛り上がった肉の山のようにすら見える。これは長くなるぞとルリアは覚悟を決めた。

リザ「おう、元気にやってるか?」

 二階の部屋から、お菓子のプレートを持ったリザが降りてきた。

バン「お゛お゛っ、リザ! 差し入れ゛か? あ゛り゛がて゛え゛!」

 先程のロースピードが嘘のように、流星のごとくリザに飛び付いて三匹分のお菓子を全部食べてしまった。

バン「よ゛し、エネルギー補給完了〜。続きや゛る゛ぞ!」

 そう言って走り出したバンだが、10分もしないうちにまたぶっ倒れてしまった。

バン「ぜえ”っ、ぜえ”っ、や”っぱ、無理だあ゛〜。ま゛た栄養補給しな゛きゃ゛〜」

ルリア「いや補給しちゃダメでしょ……」

リザ「ここは食事制限からだな。甘やかそうとした俺が悪かった」

 事実上の死刑宣告をされたバンは、この世の終わりのような顔でがっくりと項垂れる。

バン「そ゛、そ゛ん゛な゛あ゛〜!」

 そこにはしっかり三重顎ができていた。
 ▼ 57 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 23:48:23 ID:Eoeg7Aa6 [11/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
 深夜0時を回る頃────

リザ「はい、夜食の野菜パックですよ〜豚のように貪りなさいね〜」

 そう言って先程のプレートに山盛りにした野菜をバンの上に置く。暴れる食欲をなだめるために一日中リザとルリアと一緒にゲームに興じていたので二匹とももうヘトヘトだ。

バン「何か甘い゛も゛の゛くれ゛よ゛〜」

リザ「ダメだ。まずはルリアの設定したノルマをクリアしよう。そしたら一回くらいマホイップと……」

 その名前を口に出した瞬間的、バンの目がギラリと光った。

バン「マホイップちゃ゛ん゛〜!!」

 勢いよく体当たりし、事務所のドアを破壊して外に出たバンは、地面と肉を揺らしながら街の外れに爆走していった。

リザ「ああ、まずい! 皆! 急いでバンを追跡するぞ! あいつはマホイップに会うためにチーム夢幻抱擁の拠点に行ったに違いない!」

 リザは翼をはためかせ飛翔。バンを視認し追尾飛行するも、な ぜ かバンのほうが速い。ついにはバンを見失ってしまった。

リザ「……俺もするかな、ダイエット」

 ▼ 58 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 23:49:14 ID:Eoeg7Aa6 [12/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
 外の見回りをしていたマホイップの前に、ものすごいスピードで走ってきたバンが跪く。

バン「今日一日断食状態(嘘だけど)で、も゛う゛お゛な゛かペコペコだあ゛〜。はや゛くキョダイマックスしてくれ゛え゛〜」

マホイップ「あらあらあらあらあらあらあら、そんなに求められたら私……抑えが利かなくなってしまいます〜! キョダイマックス〜!」

 実はチームの拠点はほとんどパワースポット上に建てられており、“敷地内”で“チームに所属”していれば自由にダイマックス、キョダイマックスを自分の意思で行うことができるのだ。

 赤い光を放ちながら巨大化するマホイップ。姿も変わって、何段にも重ねられたケーキのようになる。マホイップが持ちうる様々なデコレーションを完全に網羅しており、キョダイマックスの風格は十分だ。

マホイップ「「さあ、私を貪って……♡」」

バン「あ゛り゛がと゛う゛〜。い゛ただきま゛〜す」

 バンがマホイップの足元に駆け寄り、一番下の段をむしゃむしゃと食べ始めた。食べるごとにバンの体がブクンブクンと膨らんでいく。

マホイップ「「ああっ、もっと求めて! 私を! 求めて!!」」
 ▼ 59 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 23:52:34 ID:Eoeg7Aa6 [13/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
???「『生活とは生きるに活力の活と書く。生と快楽とは同じように見えて実は右翼と左翼、右の車輪と左の車輪であり、片方だけを追い求めていては生活がたち行かなくなるものだ』」

マホイップ「「誰!?」」

???「『行き過ぎた力は、何のための力であったかに関わらず時に自分すら見失わせる』」

 食べるのに夢中だったバンが声の方を振り向くと、並ぶものがないほど美しいルカリオが悠然と立っていた。
 彼女の名はルカ。

ルカ「二つとも、今私が考えた言葉だ」
 ▼ 60 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/14 23:56:28 ID:Eoeg7Aa6 [14/14] NGネーム登録 NGID登録 報告
 リザがチーム夢幻抱擁の拠点にたどり着いた時には、全てが元通りになっていた。
 マホイップはキョダイマックスを解除されて戦闘不能、バンも元の筋肉質な体型に戻っていた。

 ただ一つ、リザの預かり知らぬことがある。

 それは夜の闇にも負けない輝きを放つルカリオ。
 逆関節の足。締まっていて無駄のないボディライン。美しい毛並み。細い首。完璧な形のマズル。そして凛々しく、強い意思を秘めた瞳。

ルカ「む? 君はこいつらの仲間か。さっさと引き取って帰ってくれたまえ。……どうした。なぜこちらをじっと見ている?」

 リザは思わず息を止めていた自分に気づく。深呼吸をしてやっと、自分が言葉を話せることを思い出したのだった。

リザ「……君は、誰だ?」

Chapter-1 END
 ▼ 61 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/15 11:09:10 ID:epwYCEpo [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>59
???「『生活とは生きるに活力の活と書く。生と快楽とは同じように見えて実は右翼と左翼、右の車輪と左の車輪であり、片方だけを追い求めていては生活がたち行かなくなるものだ』

右の車輪と左の車輪→前輪と後輪に読み替えてもらえると助かります
 ▼ 62 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/15 23:25:37 ID:epwYCEpo [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
Chapter-2 青い衝撃
Mission1「正体不明/ソラからの来訪者」
 そもそも、このルカというポケモンはどこから来たのか。それを理解するために、一旦チーム獅子奮迅の話を中断し、ルカをリーダーとしたチーム疾風迅雷について見ていくことにしよう。

 チーム疾風迅雷。元々はストリンダー(ハイなすがた)のリンダをリーダーとした、ガブリアスのガブ、ジュナイパーのジュンが所属する不良集団だったが、突然現れたルカに成敗されて今では社会貢献を目的とする調査隊活動を行っている。

リンダ「よーしお前ら! 今日は町外れのパトロールすっぞ!!」

ガブ「それ楽しそうですね。皆さんも行きませんか? ほら、サンドイッチもありますよ!」

ルカ「先日のグラードンカイオーガ事件以来、街の治安はだいぶ良くなった。見回る必要はないのではないか?」

ジュン「今日って休日じゃないんすか。俺はここでなんかたむろってるだけだと思って来たんすけど。……んまあ誰とも話さずコンパソいじってるつもりだったんすけどね」

ガブ「休日だからこそ楽しまないと損ですよ。こんな薄暗い所に籠ってたら気が滅入りませんか?」

ジュン「全く。ここが俺のホームグラウンドなんで」

ルカ「この街に来る前はずっと穴ぐらにいたからな。こういう寂れたところのほうが落ち着く」

リンダ「分かった分かった! ……実はな、昨日の夜、アタイ見ちまったんだよ」

ルカ「何を」

リンダ「隕石だよ! ちっこい隕石! 寝てる時にちょっと揺れたの気づいてたと思うけど、まさか隕石だとは思わなかっただろ?」

ジュン「子供じゃないんすから、今さら隕石くらいで驚いたり……え? マ?」

リンダ「マママのマジだよ。昨日の夜、外でギターの練習してたときになんか空が光って……」
ルカ「それならもう別のチームが調べ尽くしているだろう。わざわざ私たちが行くほどのことではない」

リンダ「……もういい。行くぞガブ!」

ガブ「はい! それでは皆さん、さようなら!」
 ▼ 63 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/15 23:28:06 ID:epwYCEpo [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ジュン「行かせてよかったんすか、リーダーサン」

ルカ「そうだな。こっそりついていくとしよう」

ジュン「……前から思ってたんすけど、あんたってあんまし考えてることわからんピーヤっすよね」

ルカ「ピーヤとは?」

ジュン「あ、いや、すません、ホント」


リンダ「隕石ねえじゃん!!」

ガブ「うーん、衝突したときに爆発したか、他のチームが回収したか……でも諦めずに探せばかけらくらい見つかるかもしれませんよ?」

リンダ「おし、とりあえず物色すんぞ!」


ジュン「……入りづらい。謝るのもアレだしな……」

ルカ「やあ。遅れてすまない」

ジュン「えメンタルやばっ。あんだけボロクソ言っといてなんでそんなナチュラリーに入って行けるんすか」

リンダ「おう! お前もガンガン手伝え手伝え!」

ジュン「あ、もう気にしてない感じっすか。なら俺も。探し物ならなかなか得意っすからね」
 ▼ 64 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/15 23:31:22 ID:epwYCEpo [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ルカ「頭に何かついてるぞ。取ってやろう」

ジュン「いやイケメンー。でもこんなでかい兜を芋けんぴ扱いはどうかと思うっす」

???「やめろ!!」

ルカ「暴れるな暴れるな。えっと……『type:null』か。どこの国の者だ?」

???「その名前もやめろ!! 私は失敗作ではない!!」

ジュン「うわぶちギレ。こわ。『電車内で優先席に座っている妊婦に怒鳴り散らすジジイと遭遇。最後には丸めた新聞紙で腹を思い切り叩きまくってそのまま退場。反吐が出る』……よし」

???「よしじゃないが。全方位に毒を撒き散らすな。あと平然と嘘をつくな」

ジュン「いや、俺こういうスタンスなんで」

ルカ「じゃあどう呼べばいい? ……捨てられたんだろう? 君はとても悲しそうだ」

シルバ「……シルバ。それが私の本来の名だ。それにしてもよく兜の文字が読めたな。私の故郷は遠い世界にあるはずだが」

ルカ「私は文字ではなくそこに込められた意味を読んでいるのだ。そして私は言葉ではなく本質を口にする。ゆえに最強」

シルバ「なるほど、では最強の貴方の力を見込んで頼みがあります。私は超次元の暴獣たるウルトラビーストを狩るために生み出された者、その使命を手助けしていただきたい」
 ▼ 65 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/15 23:33:30 ID:epwYCEpo [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ルカ「断る。ゆえに最強」

シルバ「『ブレイククロー』!」

ルカ「遅い。『ひじてつ』」ドゴォ

シルバ「ぐふっ……それほどの力を持っておきながら、なぜ平和を守らない?」

ルカ「ふむ。なら答えよう。君がウルトラビーストと呼ぶ者たちは、確かにこの街にもいる」

ルカ「しかし彼らは街の秩序を破壊しようとなどしていない。あまりにおとなしすぎて、慣れない土地に戸惑う彼らを助けようと思うポケモンたちがほとんどだ」

ルカ「私の目には、君こそがまさしく超次元の暴獣とやらに映っているぞ」


シルバ「ここは、私のいた世界とずいぶん違うようだな」

ルカ「ああ。いいところだとも」

シルバ「私に、この世界について教えてもらえないか? 私が力になれることなら何でもしよう」

ルカ「私も実は来たばかりなんだ。一緒に学んでいこう、シルバ」

ジュン「『さっきのジジイが仲間になったんだが』 ……嘘乙じゃないんだよブロックするぞオイ」

Chapter-2 青い衝撃
Mission1 「正体不明/ソラからの来訪者」end
 ▼ 66 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/17 23:44:55 ID:gf068h7M [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
Chapter-2 青い衝撃
Mission2「一世風靡/アタイの居場所」
ルカ「リンダ君、君宛の手紙が来ていたよ。読んでおいてくれ」

リンダ「あ? アタイに手紙? 直接会って言えよな、たく…………いらね」ポイー

ガブ「ゴミ箱に捨てておきますね」

ルカ「む、そういうのは失礼なんじゃないのか?」

リンダ「いーや、あっちが先にアタイを捨てたんだから失礼でもなんでもないね」

ジュン「ゴミ箱から拾っておきますね………ん? チーム千紫万紅からじゃないすか。あの絶賛人気沸騰中のチームとこのやさぐれオバサンに一体どんな関係が?」

リンダ「オバサンじゃねえし。なんならエンニュートのが年上だし」

ルカ「よせ、ジュン。リンダは恐らくそのチームと何かあったのだろう。私たちが焚き付けるのは良くない」

リンダ「そうだ。触らぬ伝説ポケモンに祟りなしと昔のお偉いさんも言ってる」

ルカ「それはそれとして、手紙の内容には興味がある。見せてくれないか?」

リンダ「はぁ? んまあいいけど。ほらよ」
 ▼ 67 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/17 23:49:22 ID:gf068h7M [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ルカ「……ふむなるほど。では私とジュンとシルバはもう一通あった依頼に向かう。地面タイプと氷タイプが多い洞窟なので二匹は来なくていいぞ」

リンダ「おう、いてらー」

ガブ「いってらっしゃい。十分に気をつけてくださいね」

シルバ「それではお二方、さらば」

 二時間後……

リンダ「おーし、お前もだいぶ良い音出せるようになってきたじゃん? 昼飯にしようぜ」

ガブ「あの、今思ったんですけど、ルカさんたちはそのチームに会いに行ったんじゃないですか?」

リンダ「ああ? なんで」

ガブ「だって地面と氷ってルカさんとジュンさんの弱点じゃないですか。いやもちろんお互いに補い合える良い編成だと思いますけど」

リンダ「ごちゃごちゃうっせえ、昼食ったら練習再開だかんな」

ガブ「はい、頑張ります!」
 ▼ 68 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/17 23:50:54 ID:gf068h7M [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
プロデュース・トキシン ライブステージ

エンニュート「『君と いたことだけが 私の全て そ れだけで強くな れ る よ! きっと できるはずだよ 一緒にならね さ あ 前を向いて DASH!DASH!DASH! DASH! DASH! DASH!』……皆来てくれてありがとーーー!!!」

観客「イエーイ!!」「エンニュートちゃん愛してるー!!」「最高ー!」

ジュン「あーやだやだ。耳が腐る。これだからニワカファンはw『電車の中でチラチノちゃんがでかでかとプリントされたバッグ持ってるオタクと遭遇。気持ち悪いので早く出ていってほしい』っと」

ルカ「なかなか歌はうまいな。聞いた者を元気付けられる歌は素晴らしい。しかしどこか不完全な、そんな気がする」

ジュン「でしょ? エンニュートさんは昔はこんなナメた曲なんて作ってなかったのに、時代は残酷……っすね。ところでなんで俺らここにいるんすか」

ルカ「ああ、依頼の話は嘘だ。私たちはこれからあのエンニュートと話をするのだ」

ジュン「えぇ……? お、返信きた。なになに、『どうしてそのキャラクターがチラチノちゃんだって分かったの?』やべ墓穴墓穴。消さなきゃ」

ルカ「……それにしても、さっきから静かだなシルバ。そんなにあの歌に感動したか」

シルバ「ビーストの気配がする……。至急警戒態勢をムゴッ」

ルカ「やめろと言っているだろう。彼らは平和に暮らしているのだ」
 ▼ 69 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/17 23:54:09 ID:gf068h7M [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
 プロデュース・トキシン エントランス

ルカ「ふむ、出入りは自由なようだな」

ジュン「でもエンニュートさんと会うのには事前にアポイントメントが必要らしいっすよ。俺たちが行けるのはここと美術館エリアだけっす」

ルカ「アポイントメントならあるだろう。この手紙を受け付けに見せれば……」

係員ロゼリア「はい、確認しました。ただいまご案内申し上げます」

ルカ「ほらな」


係員ダストダス「エンニュートさん、チーム疾風迅雷の皆さんがお越しになりました」

エンニュート「あー、待って、あと1分待って……んぅ……」

ルカ「寝起きなのか? 心底疲弊しているのが波導から読み取れる」

エンニュート「はい、こんにちは。まあリンダいないわよね。どうぞ入っていや入っちゃダメ。……ここにノコノコ来るってことはさ、どうせ何にも聞いてないんでしょ。とりあえず絵でも見て回りながら話しましょうか」
 ▼ 70 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/17 23:55:23 ID:gf068h7M [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
 プロデュース・トキシン 展示フロア

ルカ「美しい絵が並んでいるな。……だが空虚だ。波導が全くと言って良いほど籠っていない」

エンニュート「あ、そういうの分かるかた? ……もしかして今日の私のライブ見てた?」

ルカ「見ていたといえば見ていたし、見ていないといえば見ていない」

エンニュート「どっちなのよ、まあどっちでもいいけど。これは全部チームメンバーのアーゴヨンくんが描いてくれたのよ」

シルバ「アーゴヨン!! 排除する!!」

エンニュート「うわどうしたのいきり立って。お水でも飲む?」

ルカ「心配ない。私がやらせはしないよ」

エンニュート「でもね、この絵は全部嘘っぱち。本当に彼が描きたいものは、これよ」ポチ

ジュン「うわ、額縁が裏返ってなんかグロいのが」

ルカ「穴が空いていたり、紙が歪んでいたり……かなり前衛的だな」

エンニュート「これは全部彼が趣味で描いたもの。公開しちゃダメって言われてるけど、もうなんか見抜かれてるっぽいし見せてもいいよね。皆に言いふらすかどうかはあなたの自由で……」

ルカ「言わないとも。……代わりに、君が本当に歌いたい歌を歌ってくれないか」

エンニュート「え、……まあいいけど。じゃあ地下に行きましょ。そこでいつも私が練習してるから」
 ▼ 71 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/17 23:56:42 ID:gf068h7M [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ジュン「……」

 プロデュース・トキシン 地下

エンニュート「さて。まあアーゴヨンくんの絵見せといて今さら恥ずかしがるのもアレだから、とっとと歌っちゃいたいと思いまーす」


エンニュート「『夢に見た 君との生活 毎日が 幸せの連続』……」

ルカ「なるほど、甘々系か」

エンニュート「ゥウアアアアアァァァァアア!!!!」

エンニュート「『消えろ! 消えろ! 消えろ! 奪われたチェリーパイ うるさい! うるさい! うるさい! 首だけのキャンディ 黙れ! 黙れ! 黙れ! 盲目のローゥルルルルケーキィィ キミには彼女がいて 私に見せ付けてる もう耐えられない 耐えられない だから今夜キミのこと 絶 対に許さ ないよ ふん縛って! 殴って殴って殴って! 蹴って! なるほどキミの頭はこんなに』」
ルカ「もういいもういい。もういいから。ブラボー」
 ▼ 72 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/17 23:58:43 ID:gf068h7M [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
エンニュート「ふう、久々におもいっきり歌ってちょっとすっきりしたかも。ありがとね」

ルカ「ああ。こちらこそ。魂を震わす素晴らしいビートを聞かせてもらったよ」

シルバ「ビースト!?」

ルカ「ああ。せっかくだから会って行くか?」


 ヘルゲイト 第1区画
ルカ「リンダ君、練習中すまないが、またチーム千紫万紅からお手紙だ。読んでおくといい」

リンダ「えー、まあ今回くらい読んでやるか…………」

ガブ「ちょっと、いきなり泣き出してどうしたんですか」

リンダ「いや、なんでもねえよ。てか泣いてねえし! ……アタイはずっと、お前らと一緒だぞ!」ポイー

ガブ「ですよね! さすがリンダさん! 僕ももう拾った手紙も回収しません!」

ジュン「……」

エンニュートの手紙『あなたのお仲間が来てから、なぜか私の昔の曲の売り上げがめちゃくちゃ伸びました。まあ元がアレだからなんだけど。上からの許可も出たので、また昔のように活動できます。ぜひ戻ってきませんか』

ジュン(……ま、万事オーライってことで。あのときとっさに配信始めた甲斐があったっすわ)

Chapter-2 Mission2 END
 ▼ 73 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/18 00:01:47 ID:BnsscxSs NGネーム登録 NGID登録 報告
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…………
 ▼ 74 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/19 19:32:14 ID:zzl2r6Ow [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
Chapter-2 青い衝撃
Mission3 「純情可憐/女三人で姦しいとは言いますが」
 ガオガエン達、チーム幻火滅却がギルディングタウンに来た時のことは覚えているでしょうか。これは、ガオガエンにはどうだんをブチ当てた後のルカ達のお話です。

リンダ「わりい、遅れた遅れた。ガブがなかなか行かせてくれなくてさあ」

ルカ「嘘をつく必要はない。1時間の寝坊だよ、反省したまえ」

テル「ちなみにルリアは……今日は、来れません」

リンダ「……それで、えーっと、なんだ、ジョシカイ、だっけ? ってなんだ?」

ルカ「メスのポケモンたちだけで……なんというか、こう……なんだ? 話とか……するんだろう?」

テル「私の先輩が教えてくれたんです。それより私もうお腹ペコペコ。なんか食べに行きませんか?」

リンダ「えー、アタイ基本ファストフードしか食わねえから美味しいとこ知らねえー」

テル「私はここにはあんまり来なくて……すみません」

ルカ「ふむ。なら私に案内させてくれないか? 最近の若者はそこに集まる習性があると聞いた」

リンダ「じゃあそこに決定ー。行こうぜー」

テル「あ、待ってくださいー」
 ▼ 75 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/19 19:33:53 ID:zzl2r6Ow [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 マホ堂 オープンカフェ

マホイップ「いらっしゃいませー」

マリル「何? あのこわいポケモンたち」ヒソヒソ

ニンフィア「なんかこういう所にいられると雰囲気壊されるよねー」ヒソヒソ

チラチーノ「立派な営業妨害ですわ」ヒソヒソ

テル「…………」

リンダ「あー、、、皆何食う? アタイこの……ふ、フランソワーズフラッペ? が良いな」

ルカ「それはただのかき氷だぞ。加えてバラ味だ」

リンダ「それって……まずいのか?」

ルカ「少なくとも、かき氷に合うような味ではない。酸味が強すぎる」

テル「ルカさん、こういう華やかなところに強くて羨ましいなあ。名前に惑わされない強い芯を持っているというか」

ルカ「ああ。私には絶対に果たさなければならない使命があるのだ」

リンダ「こいついっつも適当なことばっか言うからあんま真に受けなくていいぞ」

ルカ「適当なことなどではない。私は常に真実のみを口にする」
 ▼ 76 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/19 19:35:14 ID:zzl2r6Ow [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
テル「私は……このフルーリーフルーレにしようかな」

ルカ「それはいささか君には足りない。コストパフォーマンスもあまり良くないしな。こちらのファンタジーファランクスにしたまえ。……君は敬語を使わないほうがいいね、そのほうが自然だし好ましいよ」

テル「そ、そうですか……?」

ルカ「もちろん。……私は、どうしようか」

リンダ「なあ、ここやめね?」

ルカ「どうして」

リンダ「たけえよ」

ルカ「そうだな。テル君もそれでいいか?」

テル「あとちょっとなら我慢できるから、大丈夫だよ」

リンダ「じゃああのステーキ×ガーリック×ライスってとこ行かね? めっちゃうまそう」

ルカ「分かりやすくて良い店名だな。テル君はどうする?」

テル「私もステーキ大好き! 早く行こうよ」

リンダ「おし、気を取り直してレッツゴー!」
 ▼ 77 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/19 19:37:31 ID:zzl2r6Ow [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ステーキ×ガーリック×ライス

カイリキー「おういらっしゃい! 嬢ちゃんたちなかなか見る目あるね、300グラムタダにしてやろうか?」

ルカ「正しい言葉を使いたまえ。『200グラムと同じ値段で300グラムを提供する』とな。私のような厄介クレーマーの格好の餌食だぞ」

カイリキー「あっはは、こりゃ敵わねえ! 好きなだけ食ってきなよ」

テル「私このチーズ入りハンバーグ! さっきステーキっていったけど……特盛り!」

リンダ「アタイは……ルカ先言えよ」

ルカ「ステーキ、300gを3枚」

リンダ「けちいなオイ! ならアタイもステーキのセットにするわ」



リンダ「ふー、ふー、ふー」

テル「ガツガツ!むしゃむしゃ!ガツガツ!むしゃむしゃ!」 

ルカ「……」(全く音を立てない)

リンダ「これめちゃくちゃ熱くね? なんでそんなバクバク食えるんだよ」

テル「ふご? ふごふごふごふご」

ルカ「そう? そんなことないけど、だそうだ」

リンダ「仕方ない、アタイも覚悟決めるか……あっち! やっぱダメだわ、舌火傷した」

テル「むぐっ、むぐっ……、いくらでも待つよ」
 ▼ 78 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/19 19:39:02 ID:zzl2r6Ow [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
ルカ「さて、女子会とは何か話すもの……だと思う。きっと。だが、何を話せばよいのやら」

リンダ「じゃあ……、なんだ、しりとりでもするか?」

ルカ「リリーラ」

テル「ラムパルド」

リンダ「あ、やるのな……『ドリルライナー』」

ル「『なかよくする』」 テ「ルリリ」 リ「リ、リか……リングマ」 ル「『まるくなる』」 テ「ル? うーん、ルージュラ」 リ「ライボルト」 ル「『とける』」 テ「ル、ル、ル……ルギア!」 リ「アーマルド」 ル「どをとに変えるのは良いか?」 リ「うーん、アリでいいぞ」 ル「『とびはねる』」 リ「あー、すまんテル」 テ「ルか……あ、ルカリオ!」 リ「やるねえ。アタイはここでオーダイルだ」 ル「ルアーモジュール」 テ「何それ?」 ル「ダメか。じゃあルアーボール」  リ「お前自分で自分を追い詰めまくったからって造語言うのやめね?」 ル「ふむ、ならばルチャブルだ。消えるがいい」 テル「うーん、うーん、じゃあ……」

ルカ「なあ、飽きないか?」
 ▼ 79 ック◆Sh1xaDeHTU 20/03/19 19:43:04 ID:zzl2r6Ow [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
リンダ「えー、今熱くなってきたとこだろ?」

テル「ルカさんが飽きたなら私もやめようかな」

リンダ「お前もかよ……じゃあ次は?」

ルカ「そうだな、……まあ、話すことなどなくても、一緒にいるだけで私は楽しい」

リンダ「いい事言うじゃん! じゃあ肉食おうぜ肉。早くしねえと冷めちまう」



テル「今日は楽しかったで……あっ、楽しかったね!」

ルカ「ああ、大変楽しかった。こんな気持ちになったのは久しぶりだ」

リンダ「じゃ、またやろうな! 今度はルリアも一緒に来いよ!」


リンダ「はー、やけどしたとこがまだヒリヒリする……」

ルカ「私に任せておけ。『いやしのはどう』」

リンダ「おお、治った治った! お前やっぱすごいな」

ルカ「もちろん。私は4つの技の他に波導技を全て……一個を除いてだが、持っている」

リンダ「またそれかよ。いいかげんに嘘やめろ?」

ルカ「だから嘘ではないと……はあ」

Chapter-2 青い衝撃
Mission3「純情可憐/女三人で姦しいとは言いますが」END
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