【SS】 トウコとトウヤのカロス旅:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】 トウコとトウヤのカロス旅:ポケモンBBS

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【SS】 トウコとトウヤのカロス旅

 ▼ 1 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/26 20:00:00 ID:x9cBjLc. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ドスン!


……と体に大きな衝撃が走り、私は目を覚ました。


 トウヤ 「おはようございますトウコさん。着きましたよ」

 トウコ 「んっ……うぅぅぅん……!」


 『只今、カロス地方、ミアレ国際空港に着陸いたしました。安全のため、飛行機が停車して、乗務員の指示があるまで、ご着席のままお待ちください。本日は、ベータ航空400便をご利用頂きまして、ありがとうございました』


イッシュ国際空港を出発して7時間半。現地時間午前9時20分。

私たちは、旅の目的地、カロス地方に到着した。


これから、私たちの旅が始まる。

思い切ってトウヤについてきちゃったけど、この先、いったいどんな旅になるんだろう。


 ▼ 26 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/26 23:00:00 ID:x9cBjLc. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウコ 「じゃあ博士、一つ聞きたいんですけど……」

 プラターヌ 「なんだい?」

 トウコ 「さっきブティックの……、えっと、メゾンドなんちゃらに行ったら、ノットスタイリッシュとか言われて追い返されたんですけど、あの店ってお金持ちしか相手にしないですか?」

 トウヤ 「トウコさんもう少しオブラートに包んで……」

 ソフィー 「“メゾン・ド・ポルテ”のことね」

 プラターヌ 「いきなりあのブティックに行ってしまったのか。店員さん、ミアレをよく見てから来てくれって言ってなかったかい?」

 トウヤ 「そういえば、そんなこと言ってましたね」

 トウコ 「そうなの? 私、頭来て全然聞いてなかったけど……」

 プラターヌ 「いわゆる“ミアレ通”になれってことさ。ミアレを巡って、ミアレに馴染んでから行けば、きっと通してくれるはずだよ」

 ソフィー 「ミアレ通のこと、“スタイリッシュ度”って呼んでるのよ。ごく一部のお店でね、スタイリッシュ度が低い人は入店お断りって言うシステムがあるの」

 トウコ 「スタイリッシュって……それどうやって判断してるのよ……」

 トウヤ 「やっぱり知らない地方には知らないルールが存在するんですね」

 プラターヌ 「まぁ、ミアレ特有のご当地ルールだから、それほど気にすることは無いさ」
 ▼ 27 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/27 01:00:00 ID:sPb8b1hE [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウコ 「でも……、なんだか悔しいわね。そのスタイリッシュ度を上げる方法ってなんですか?」

 ソフィー 「……実は、詳しくは分からないのよ」

 トウコ 「えっ?」

 プラターヌ 「ミアレの特定の施設を見学したり、買い物をしたりすると上がるらしいけど、正確な数値みたいなものは、普通に生活するうえでは いちいち気にしないからね。気付い

たらスタイリッシュ度が上がってた――って人がほとんどなんだ」

 トウヤ 「なんだか……、ますます訳が分からないルールですね」

 トウコ 「そんな訳の分からないルールで追い出されたなんて……、やっぱり悔しわよ!」

 プラターヌ 「ははっ。まぁ、ミアレに滞在するのなら、色んな所に行ってみると良いさ。もしかしたら、知らないうちにスタイリッシュ度が上がるかもしれないよ」

 ソフィー 「そうね。やってみたらどうかしら、トウコちゃん?」

 トウコ 「勿論やります! 絶対にあのブティックで買い物してやるんだから!」


とにかく、そんな訳の分からない“スタイリッシュ度”で人を区別するなんて不愉快よ。

高級店だから断られたと思ってちょっと凹んでたけど、そうじゃないなら我慢する必要は無い。

絶対にスタイリッシュ度を上げて、あのブティックをギャフンと言わせてやるわ!


  トウヤ 「(大丈夫かなぁ……)」
 ▼ 28 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/27 01:05:00 ID:sPb8b1hE [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


  リモーネ 「おーい博士ー! 電照の配線終わりましたぜーって失礼。お客さんの相手中だったか」

 プラターヌ 「あぁ、すいませんねリモーネさん、任せきりにしてしまって。このあとガラスの搬入で高所作業車を入れるので、電灯の方もお願いします」

  リモーネ 「あいよ、任せときな!」


 プラターヌ 「すまないねトウヤ君、トウコちゃん。温室の修理でバタバタしてて」

 トウヤ 「いえ。僕たちの方こそ、アポも無く忙しい時にすみませんでした」

 プラターヌ 「気にすることはないさ。こうして旅する子供に会えることも、研究者にとって楽しみの一つなんだからね」

 トウコ 「じゃあトウヤ、そろそろ行く?」

 トウヤ 「そうですね。プラターヌ博士、ソフィーさん、お忙しいなか、ありがとうございました」

 トウコ 「お邪魔しました。あと、アイスコーヒーご馳走様でした」

 ソフィー 「これからの旅、気を付けてね」
 
 プラターヌ 「君たちのマーベラスな旅を応援しているよ。困ったことがあれば、いつでも連絡してくれたまえ」


私たちは、プラターヌ研究所を後にした。

旅を支援してくれる博士に会えて、何となく、心強くなった。

それに、スタイリッシュ度の存在を聞けたことは、とっても大きな収穫だ。
 ▼ 29 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/27 01:10:00 ID:sPb8b1hE [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウヤ 「さて。ではポケモンセンターに……」

 トウコ 「上げるわよ」

 トウヤ 「……えっ?」

 トウコ 「さっさとスタイリッシュ度、上げに行くわよ!」

 トウヤ 「やっぱりそうなりますよねぇ……」

 トウコ 「トウヤは悔しくないの? あんな変な基準で私たち区別されたのよ!?」

 トウヤ 「まぁ確かに、スタイリッシュ度なんて曖昧な基準だとは思いましたけど……」

 トウコ 「じゃあ上げる! スタイリッシュになる! ブティックをギャフンと言わす! 良いわね!?」

 トウヤ 「……はい。そうなると思ってましたよ。とりあえずほら、あそこにポケモンセンターがあるので、先に宿泊手続き済ませましょう」

 トウコ 「それもそうね」


私たちは、研究所の斜向いにあったポケモンセンターに向かった。


宿泊手続きして、荷物を置いて、スタイリッシュ度を上げてやる!

何をすればいいのか分からないけど、とにかくミアレを巡って、博士が言ってた“ミアレ通”とやらを目指してやるんだから!
 ▼ 30 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/27 01:11:11 ID:sPb8b1hE [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今夜はこの辺で終了します。
ご支援、ご感想、ありがとうございました。
 ▼ 31 アルヒー@ルームキー 15/06/27 01:21:40 ID:C/rBlfAo NGネーム登録 NGID登録 報告
毎日の楽しみが増えた。

支援
 ▼ 32 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/28 00:35:00 ID:z1/CKQ0E [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



 トウヤ 「満室ですか……」

 トウコ 「えっ……」

 ジョーイ 「ごめんなさいね。ローズ広場とノースサイドストリートにもポケモンセンターがあるから、そちらにまわって貰えるかしら……」

 トウヤ 「分かりました。では失礼します」


まさかポケモンセンターが満室だなんて。

けど、あと2軒もあるんだから大丈夫よね。そもそも、全部が満室になるほど旅のトレーナーが居るとは思えないし。


 トウヤ 「えっと……ローズ広場のポケモンセンターへは……」


トウヤは地図と睨めっこ。

大きい街だと、移動するにも大変だ。特にミアレシティは円状の街だから、迷いやすいのかもしれない。


 トウヤ 「このサウスサイドストリートを西回りに進んで、エテアベニューに入れば着けそうですね」

 トウコ 「じゃあ案内よろしくね」

 トウヤ 「……はい」
 ▼ 33 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/28 00:37:00 ID:z1/CKQ0E [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビルが立ち並ぶサウスサイドストリート。

雑踏としたイメージとは裏腹に、木陰でメェークルが寝息を立てていて、なんとも微笑ましい。

人や車が忙しなく行きかっているけど、広い歩道には十分すぎるほど余裕があって、窮屈さは全然感じなかった。


 トウヤ 「ここを曲がるとエテアベニューです」


エテアベニューは、作り自体は さっきのプランタンアベニューとさほど変わらなかった。

3階建てが中心の建物に囲まれて、それぞれの1階には色々なお店が入っている。人通りは、プランタンアベニューより すこし少ないけど。


 トウコ 「それにしても広い街よねぇ。けっこう歩いたんじゃないかしら?」

 トウヤ 「そうですね。でも、こうやって知らない街を歩くのってワクワクしませんか?」

 トウコ 「ワクワクかぁ……」

 トウヤ 「はい。こんなお洒落で整った街、イッシュにはありませんからね。歩いてるだけでも楽しいですよ」

 トウコ 「トウヤって、ソウリュウシティのお店とかにも詳しかったけど、街の観察とか好きなの?」

 トウヤ 「はい。色々な発見がありますし、街を把握していれば、行動の幅も広がりますし」

 トウコ 「ふ〜ん。凄いわね、そういう心構え」
 ▼ 34 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/28 00:40:00 ID:z1/CKQ0E [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウヤ 「いえ。 トウコさんも、街を探検したりしないですか?」

 トウコ 「私はそんな……何て言うか、バトルばっかりだったから」

 トウヤ 「あっ……、そうでしたね」

 トウコ 「……ねぇトウヤ。あのブティックに入れなかったのって、私が女の子っぽくない格好だったのも、一つの原因だったのかな?」

 トウヤ 「えっ? どうしたんですか急に?」

 トウコ 「だって私、傍から見たら女の子らしくないでしょ? さっきだって店員に文句言っちゃったし、服装だって……」

 トウヤ 「いや、そんなことは無いと思いますけど……。それにトウコさんの女の子らしさなら、僕は分かってますし」

 トウコ 「トウヤには分かって貰えるかもしれないけど、他人から見たら……」

 トウヤ 「考えすぎですよトウコさん。男勝りな女の子は沢山居ますし、服装だって、そんな太ももが眩しい格好、女の子しかしませんって」

 トウコ 「“太ももが眩しい”ってなによ」

 トウヤ 「いやまぁとにかく、気にすることじゃないですよ。……けど、そんなに気になるんでしたら、イメチェンしてみたらどうですか?」

 トウコ 「イメチェン……?」


 ― カシャッ!


とその時、背後でカメラのシャッター音が聞こえた。
 ▼ 35 イケンキ@すくすくこやし 15/06/28 01:44:57 ID:56AV0vr6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 36 ユルド@フーディナイト 15/06/28 19:14:16 ID:i2puainI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 37 ガハガネール@ギャラドスナイト 15/06/28 19:34:37 ID:wCHb12Eo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 38 ドラン♂@あかいいと 15/06/28 19:36:05 ID:SCbG8zYo NGネーム登録 NGID登録 報告
ビオラか?

支援
 ▼ 39 ブラーバ@ルアーボール 15/06/29 00:07:40 ID:rNGq1EAE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 40 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/29 20:00:30 ID:oc7a086E [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウコ 「なにっ?」

 トウヤ 「一眼レフの音ですね。僕たちに向けて……ですか?」


 *** 「う〜ん。若々しさが眩しい写真が撮れたわね〜」


そこに居たのは、高そうなカメラを持った女の人だった。カメラに加え、耳元には小型カメラまで装着(?)している。

彼女の足元にはエレキテルが居て、私たちの方を見つめていた。

なんかこう……、堂々としてるから、盗撮って訳じゃなさそうだけど……。


 トウヤ 「あのっ……」

 *** 「あっ、ごめんね2人とも。あんまりにも良い雰囲気だったから、写真撮らせて貰ったわ ☆」


そう言うと、女の人はカメラのビューモニターで写真を見せてくれた。

写っていたのは、私とトウヤの後ろ姿……なんだけど、これ、こんなにトウヤとの距離、近づいてたんだ……。


 トウヤ 「わぁ……良い写真ですね」

 *** 「分かてくれる?」

 トウヤ 「はい。もしかしてプロの方ですか?」
 ▼ 41 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/29 20:05:00 ID:oc7a086E [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 パンジー 「鋭いわねっ。 私はジャーナリストのパンジー。ミアレのあれやこれを取材して記事にしてるの」

 トウコ 「私はトウコです」

 トウヤ 「僕はトウヤです。今日初めてミアレに来て、これからカロスを旅するんです」

 パンジー 「そうなんだ! 私、取材で世界各国を飛び回ったりもするけれど、ミアレにも詳しいのよっ。有名店は勿論、路地裏のニャスパーの数まで」


路地裏のニャスパーって……、さすがジャーナリスト、なのかな?


 パンジー 「と言う訳で、せっかくだからミアレのオススメスポット教えてあげる! ちょっと入ってよ」


そう言うと、パンジーさんは近くの建物の戸を開けた。

そして、どうぞどうぞと手招きする。


 トウコ 「ミアレ出版……」

 パンジー 「私の勤めてる出版社よ」

 ▼ 42 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/29 20:10:00 ID:oc7a086E [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


中に入ると、そこには出版社らしいデスクが並んでいた。

お世辞にも広いとは言えないけど、本棚や社員のテーブルの一つ一つを見ても、綺麗に整理整頓されている。……1か所を除いては。


 社員1 「おかえりなさいパンジーさん。副編集長怒ってましたよ〜いい加減に机の上を片付けろって」

 パンジー 「あははっ。私、整理整頓ダメなのよね〜」

 社員2 「パンジーさん! 明後日のコラム用の写真、妹さんからメール貰ったよ」

 パンジー 「あぁ了解ー。ビオラったら仕事早いんだから」

 社員1 「ところでパンジーさん、その子供たちは?」

 社員2 「おっ、ま〜た期待の新人を盗撮したのか〜?」

 パンジー 「違いますよ〜」


なんだか明るい職場だ。

このパンジーさんって言う人、社員の人たちから信頼されてるみたいだし。
 ▼ 43 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/29 20:15:01 ID:oc7a086E [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 パンジー 「悪いけどコレ、3057番を2枚、印刷して貰える?」

 社員1 「分かりました」

 パンジー 「と言う訳でトウヤ君、トウコちゃん。私ね、旅する子供たちの写真を撮って、コラムを書いてるのよ。それで、さっきの写真を是非とも使わせて欲しいんだけど……」

 社員1 「印刷しましたよ。ふふっ……微笑ましい写真ですね」

 パンジー 「ありがとう。……ほら、この写真よ」


パンジーさんは、印刷された写真を見せてくれた。

見せてくれたんだけど……。


 トウヤ 「わぁ……よくこんなタイミングで狙えましたね」

 トウコ 「ちょっ……こんなシーンまで撮ってたんですか!?」


それは、外で見せて貰った写真とは別の物だった。

私とトウヤが並んで歩く後ろ姿、と言うのは同じだけど、これ多分、私がトウヤに、自分の格好が女の子らしくないんじゃないかって聞いた時のタイミングだ。

私が横から、トウヤの顔を覗き込むようにして会話している瞬間。私とトウヤとの距離感は、恥ずかしくなるほど近い。

他人からだと私たち、こんな風に見られてたんだ……///
 ▼ 44 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/29 20:20:00 ID:oc7a086E [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 社員1 「トウコちゃん……だったわね。仕草可愛い〜!」

 社員2 「こりゃ良い写真だ。来週のコラム、これで決定じゃないか?」

 パンジー 「副編集長帰ってきたら出してみるわ。そうね……タイトルは、“甘え上手な妹”?」

 トウコ 「って……! 甘えてませんよ私っ!」

 社員1 「照れちゃって〜。もぉますます可愛い〜!」

 トウコ 「それに私たち兄妹じゃないです! トウヤも言ってよ!」

 トウヤ 「あ、えっと……、僕たちの名前が似ているのは偶然で……」

 パンジー 「あっ、そうなんだ。じゃあタイトルは、“甘え上手な彼女”かしらね」

 トウコ 「彼女でもないです! まだ普通の友達ですから!」

 パンジー 「あら……そうだったんだ。良い感じの距離感だったから、てっきり親しい仲かと思ったけど……」

 社員2 「そうなの、トウヤ君?」

 トウヤ 「あっ、はい。僕たち、バトル関係で偶然知り合ったばかりで、それで、一緒に旅しようってなったばかりで」

 社員2 「ほぉ〜。出会ってすぐに一緒に旅とは……なかなかやるねぇ」

 トウヤ 「どちらかと言うと、トウコさんかの方から切り出されたんですけどね」

 社員1 「わぁっ! トウコちゃん大胆〜!」

 トウコ 「ちょっとトウヤっ……///」
 ▼ 45 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/29 20:25:30 ID:oc7a086E [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 パンジー 「はいはい2人ともそこまで! ってな訳でトウヤ君、トウコちゃん。この写真、コラムに使わせて貰っていいかしら?」

 トウコ 「それって、新聞に載るんですよね? 私とトウヤの写真が……」

 トウヤ 「せっかくですし、良いんじゃないですか?」

 トウコ 「っ……トウヤが良いんなら、私もオッケーするしかないじゃない」

 パンジー 「ありがとう2人とも! 5日後のミアレタイムズ、楽しみにしててねっ! あと、この写真は私からのプレゼント」

 トウコ 「あっ、どうも……」

 トウヤ 「ありがとうございます、パンジーさん」

 パンジー 「ふふっ。……そうだ、2人はミアレに来たばかりなんでしょ?」

 トウヤ 「はい。ついさっき飛行機から降りたばかりです」

 パンジー 「なら、私からミアレのオススメ教えてあげるわ。社員1ちゃん、提携クーポンあったかしら?」

 社員1 「はーい。これですね」

 パンジー 「ありがとう。 さっ、どうぞ」


パンジーさんは、私たちに四つ折りのパンフレットを渡してくれた。

下の方には、ミシン目が入ったクーポン券が4切れ付いている。
 ▼ 46 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/29 20:30:00 ID:oc7a086E [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 パンジー 「このクーポンがあれば、パンフレットに載ってるお店で割引を受けられるわよ。私のオススメは、オトンヌアベニューにある“しるや”って言うお店よ」

 トウコ 「しるや?」

 パンジー 「名前に捻りは無いけど、美味しいジュース屋さんよ。ポケモン用もあるから、パートナーに飲ませてあげたらどうかしら?」

 トウヤ 「ポケモン用のジュース屋さんですか。ありがとうございます、早速行ってみます」

 社員2 「あそこのプレミアムジュースは評判だからね、ポケモンが喜ぶこと間違いなしさ」

 パンジー 「ミアレの面白い所は沢山あるから、オススメスポットを知りたくなったら、いつでも遊びに来てね!」


パンジーさんと社員さんたちに見送られて、私たちは出版社を後にした。

なんだか面白おかしく からかわれちゃったけど、傍から見たら私とトウヤって、この写真みたいに見えるんだな……。

こんなのっ……、付き合ってるって思われてもおかしくないかも……。


 トウヤ 「良い人でしたね、出版社の皆さん」

 トウコ 「えっ……あっ、うん。そうだったわね!」

 トウヤ 「せっかくですし、ポケモンセンターに着いたら、この“しるや”に行ってみましょうよ。リーフィアとエレキッドの喜ぶ顔、早く見たいのでっ」

 トウコ 「……ふふっ。トウヤらしいわね。じゃあ早くポケモンセンター行くわよ!」


私たちは、当初の目的地である2軒目のポケモンセンターを目指した。
 ▼ 47 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/06/29 20:31:00 ID:oc7a086E [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日の当SSの更新は、この辺で終了します。
ご支援、ご感想、ありがとうございました。
 ▼ 48 りwww三世◆pax7B8ayWc 15/06/29 20:55:03 ID:70AAzUTM NGネーム登録 NGID登録 報告
こwwwwwwうしwwwwwwんwwwwww待ってwwwwwwるありwwwwww
 ▼ 49 ンバット@しんぴのしずく 15/06/30 10:06:50 ID:WBLVa1b2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 50 ガバシャーモ@ゴーゴーゴーグル 15/06/30 22:12:59 ID:dfRMo6mI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 51 ガゲンガー@フィラのみ 15/07/01 00:57:22 ID:lMWAelEk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 52 ァイアロー@バクーダナイト 15/07/02 02:01:19 ID:oGTTCyLA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 53 ガジュペッタ@エネコのシッポ 15/07/04 00:32:02 ID:wDr617Xs NGネーム登録 NGID登録 報告
忙しいのかな?

支援。
 ▼ 54 ネッコ@おいしいみず 15/07/04 00:59:52 ID:cNDUXj1Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 55 ナッキー@きあいのタスキ 15/07/04 07:54:33 ID:oi009n1E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 56 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/04 20:00:00 ID:eg3ymH46 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 トウヤ 「満室ですか……」

 トウコ 「えっ……」

 ジョーイ 「ごめんなさいね。サウスサイドストリートとノースサイドストリートにもポケモンセンターがあるから、そちらにまわって貰えるかしら……」

 トウヤ 「分かりました。では失礼します」


まさかまた満室だなんて。

これ、あと1軒あるからって大丈夫とは言えないわよね。それより、満室になるほど旅のトレーナーが居るって言うの?


 トウヤ 「望みはノースサイドストリートのポケモンセンターだけですが……」

 トウコ 「この分だと、残り1つも空いてるか怪しいわね」

 トウヤ 「えっと……ノースサイドストリートのポケモンセンターへは……あっ。通り道に、パンジーさんが教えてくれた“しるや”がありますね」

 トウコ 「じゃあ寄って行きましょうよ。案内よろしくね」

 トウヤ 「……はい」
 ▼ 57 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/04 20:10:00 ID:eg3ymH46 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


ローズ広場の脇、細い道を抜けた先に、“しるや”というお店はあった。

軒先の看板はジュースのイラスト。“しるや”なんて名前だけど、ミアレではけっこう有名なジュースのお店らしい。


 トウコ 「わぁ……」

 トウヤ 「綺麗ですね」


お店の中に入ると、そんなダサい名前とは裏腹に、カラフルな空間が目の前に広がった。

ほのかな甘い香りに包まれ、ジュースサーバーに入った色とりどりのジュースは、どれも美味しそう。


 店員 「いらっしゃいませ。お客様がお召し上がりですか? それともポケモンですか?」

 トウコ 「どうする?」

 トウヤ 「せっかくなので両方頼みましょうよ」

 トウコ 「そうね。えっと……メニューあるんですか?」

 店員 「はい。お客様は右のメニューです。ポケモン用は、ブレンドジュースとプレミアムジュースがございますが……」

 トウコ 「確か、さっきの社員2さんがプレミアムジュースとか言ってたわよね」

 トウヤ 「そうでしたね。えっと、プレミアムジュースを5つお願いします」
 ▼ 58 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/04 20:20:00 ID:eg3ymH46 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 店員 「あっ、申し訳ありません。プレミアムジュースは、1日につきお1人様1杯しかお売りできないんです」

 トウコ 「そうなんですか!?」

 店員 「はい。大変人気の品ですので、1人でも多くのお客様にご利用頂きたいと思いまして……」

 トウヤ 「分かりました。……出ておいでリーフィア」

 リーフィア 「ふぃあっ!」

 トウコ 「じゃあ私はドレディアにするわ」

 ドレディア 「でぃあ〜」

 店員 「本日のプレミアムジュースは、カラフルシェイクと、グリーンジュースになります」

 トウヤ 「2人とも、好きな方を選びなよ」

 ドレディア 「でぃあ?」

 トウヤ 「気にしないで。僕の奢りだよ」

 ドレディア 「でぃ〜あ♪」

 トウコ 「良かったわねドレディア。高い方選びなさいね」

 トウヤ 「………」
 ▼ 59 ンペルト@クリティカッター 15/07/04 20:20:49 ID:zq.nyI1. NGネーム登録 NGID登録 報告
なんだろ…所々に不穏な空気が感じとられる……
支援
 ▼ 60 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/04 20:30:00 ID:eg3ymH46 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 リーフィア 「ふぃあ、ふぃぃあ!」

 トウヤ 「……うん。リーフィアはグリーンジュースだね」

 トウコ 「ドレディアはカラフルシェイクですって」

 店員 「ありがとうございます。カラフルシェイクが800円、グリーンジュースが400円、合計1,200円でございます」

 トウヤ 「……えっと、このクーポンでお願いします」

 店員 「かしこまりました。クーポン券で3割引きさせて頂いて、840円になります」

 トウヤ 「はい……ちょうでです」

 店員 「ありがとうございます。すぐにお作りします。 (……大変ですね、彼氏さんは)」

 トウヤ 「(いや……、あの子は、そういう性格ですので……)」

 店員 「……お待たせしました。どうぞ」

 トウヤ 「ありがとうございます。……ほら、リーフィア、ドレディア」

 リーフィア 「ふぃあぁぁ♪」

 ドレディア 「どぉ〜れっ♪」


私が会計を終えると、トウヤがドレディアとリーフィアにジュースを渡していた。

カラフルシェイクは、4色くらいがミックスされた、小さな虹のようなジュース。グリーンジュースは、綺麗な黄緑色のジュースだった。
 ▼ 61 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/04 20:40:00 ID:eg3ymH46 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウコ 「……はい、トウヤ」

 トウヤ 「えっ……?」

 トウコ 「甘いモノ好きなんでしょ。一応、モモンのジュースを選んだから」


私は、トウヤがプレミアムジュースの会計中に、隣で人間用のジュースを買っていた。こういう所で、女の子アピールしとかないとねっ。

とりあえず、甘党のトウヤのためにモモンを選んだけど、正直、目移りするメニューだった。


 トウヤ 「いいんですかトウコさん?」

 トウコ 「えぇ。プレミアムジュース買ってもらったし、これでお相子ねっ」

 トウヤ 「ありがとうございます。モモンジュースのチョイス、嬉しいですっ」

 トウコ 「ふふっ」


……まぁ、250円なんだけどね、モモンジュースって。

それでもこのジュースは美味しい。素材を活かした味って言うのかな。モモン本来の甘さが口いっぱいに広がって、甘すぎず、薄すぎず、ちょうど良い味加減だ。
 ▼ 62 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/04 20:41:01 ID:eg3ymH46 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウヤ 「美味しいですね」

 トウコ 「えぇ。明日も来ましょうよ。ドレディアだけジュース飲んだって知ったら、コジョンドとランクルス怒っちゃうから」

 トウヤ 「そうですね。僕も、明日はエレキッドに買ってあげるつもりです」

 リーフィア 「ふぃあふぃぃぃあっ♪」

 ドレディア 「れっでぃ〜♪」


ドレディアもリーフィアも、満足そうな顔しちゃって。よっぽど美味しかったのかな。


 トウコ 「ごちそうさまでしたー」

 トウヤ 「凄く美味しかったです」

 店員 「ありがとうございます。プレミアムジュースの味は日によって変わりますので、是非またお越しくださいませ」



甘い一時を過ごした私たちは、今度こそポケモンセンターへと向かった。


 トウコ 「次こそ空いてれば良いけど……」

 トウヤ 「まぁ、最悪ビジネスホテルですね」
 ▼ 63 ガチャーレム@ウタンのみ 15/07/05 21:43:30 ID:vfaYOVi6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 64 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/06 00:23:00 ID:0RMUX5IE [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オトンヌアベニューを進み、ノースサイドストリートと呼ばれる、ミアレシティの外周道路に突き当たった。

その正面にあったのは、小さな屋台のようなお店。看板には“ガレット”の文字が。


 トウコ 「トウヤ、ここって……」

 トウヤ 「ここが有名なミアレガレットのお店みたいですね!」


お菓子大好きなトウヤが食べたがっていたガレットのお店だ。

看板は“Close”。焼き上がりは確か……15時だったっけ。


 トウヤ 「ここはまた後で来ましょう。時間もありますし、やはり宿の確保が優先ですよ」

 トウコ 「ジュース飲んだくせに?」

 トウヤ 「それは通り道だったからですよ」

 トウコ 「まぁどっちでもいいんだけど、流石に歩き疲れたわ……。地図見る限り、ミアレの端から端まで歩いたことになるじゃない」

 トウヤ 「う〜ん……疲れたのは同感なんですが、ここでカフェに入って変に時間使うのもアレですし……」
 ▼ 65 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/06 00:24:00 ID:0RMUX5IE [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トウヤの目線の先には、1軒のカフェがあった。

地図で確認すると、“カフェ・カンコドール”というお店らしい。


 トウヤ 「良かったらトウコさん、あのカフェで休んでて下さい。僕がポケモンセンターへ行って、宿泊手続きしてきますので」

 トウコ 「えっ……それは悪いわよ」

 トウヤ 「いえ。そういうことは男の役目ですから」

 トウコ 「そうかもしれないけど、これから旅を始めるのよ。私自身、こんなワガママを通す訳にはいかないのよ」

 トウヤ 「……なるほど」

 トウコ 「だから、疲れてるけど一緒にポケセンまで行くわ。カフェはそれからね」

 トウヤ 「じゃあ、早いとこ宿を確保しちゃいましょう。もうすぐお昼にもなりますしね」


相変わらず紳士的なトウヤだけど、それに甘えちゃうと、旅する意味が無い気がする。

色んな経験をしなくちゃいけないのに、私のワガママを通す訳にはいかないんだ。
 ▼ 66 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/06 00:25:00 ID:0RMUX5IE [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウヤ 「……バス停がありますね」

 トウコ 「ん?」


ガレット屋のそばに、黒いポールが立っている。

傍から見ればバス停だけど、その割には時刻表が貼られていない。


 ガイダンス 『こちらは ゴーゴーシャトル停留所 サービス端末です。どこまで行っても 200円、ゴーゴーシャトルに 乗りますか?』

 トウコ 「ゴーゴーシャトル?」

 トウヤ 「えっと……あぁ、ゴーゴートに乗って、街をまわれるサービスみたいですね。外周道路に停留所があって、そこまでゴーゴートに乗って移動できるみたいです。まぁ、バスですね」

 トウコ 「ふ〜ん。200円なら乗ってみましょうよ。ポケセンも外周道路にあるんでしょ?」

 トウヤ 「そうですね。ミアレ観光も兼ねて。それに、例のスタイリッシュ度にも関わってくるかもしれませんしね」

 トウコ 「そうよスタイリッシュ度!」

 ガイダンス 『現在、オトンヌ Ave. 前 停留所 でございます。どちらに 向かいますか?』

 トウヤ 「……このタッチパネルで選ぶんですね。ポケもセンターは……“ノースサイド東”っと」
 ▼ 67 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/06 00:26:00 ID:0RMUX5IE [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トウヤがボタンを押すと、どこからともなく、2匹のゴーゴートが現れた。

背中には、“ゴーゴーシャトル”と書かれた赤いシートが敷かれている。


 トウヤ 「へぇ〜。完全無人なんですね。ゴーゴートも大人しいですし、よく訓練されてるんですね」

 トウコ 「よろしくね、ゴーゴート」

 ゴーゴート 「ごっとぉ」


背中に乗ると、ゴーゴートは歩き始めた。

……速度的には、自転車より少し遅い程度かな。決して速い訳ではないけど、これはこれで快適だ。それに……。


 トウコ 「あはっ……視点が高くてけっこう楽しいわねっ」

 トウヤ 「そうですね。……他人からの視線が気になりますけど」

 トウコ 「気にしない気にしない。……ほら、反対方向へゴーゴート使ってる人もいるわよ」

 トウヤ 「完全に観光客っぽい人ですけどね」

 トウコ 「私たちも半分は観光客なんだし、気にしたら負けよ」

 トウヤ 「それもそうですね」
 ▼ 68 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/06 00:27:00 ID:0RMUX5IE [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ビル群の中を、ゴーゴートの背中に乗って進む……。これって、すっごく上手い、都会と自然の融合だと思う。

確かゴーゴートは、ツノを掴む人間の気持ちを敏感に感じ取るポケモン――人を背中に乗せることに抵抗の無いポケモンだ。

都会で人間とポケモンが共存するのは、なかなか難しい事だって聞いたことがある。

その点、このカロス地方は凄いんだな。誰一人としてゴーゴートを邪魔者扱いしていないし、人間の役に立ってるし。


 トウコ 「あなたたち、偉いのね」

 ゴーゴート 「ごぉぉんと!」

 トウヤ 「……きっと僕も、トウコさんと同じ気持ちです」

 トウコ 「えっ?」

 トウヤ 「こんな都会で、人間とポケモンが共存しているケース……そうそうないですよね」

 トウコ 「えぇ。初めて見たわ、こうやってポケモンが働いてるの」

 トウヤ 「ポケモンを働かすのは、人間のエゴかもしれません。けど、このゴーゴートたちは仕事を楽しんでいるように感じます。きっと、この街の人々が、ゴーゴートを受け入れているんでしょうね」


トウヤも同じこと考えてたのね。

……良い所ね、カロス地方って。これからの旅が、ますます楽しみになるじゃない。

 ▼ 69 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/06 00:28:00 ID:0RMUX5IE [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



ポケモンセンターが目の前に迫った地点で、ゴーゴートたちは止まった。

見ると、脇には さっきと同じような黒いポールが立っていた。


 ガイダンス 『こちら 14番道路ゲート 停留所。 ゴーゴーシャトルから 降りますか?』

 トウヤ 「なるほど。全ての停留所に停まって、降りたければ降りていいシステムなんですね」

 トウコ 「やっぱりバスと同じね」

 トウヤ 「じゃあゴーゴート、僕たちはここで降ります。ありがとうございました」

 トウコ 「ありがとうゴーゴート。楽しかったわ」

 ゴーゴート 「ごぉぉ!」

 ゴーゴート 「んごごごごぉ!」

 ガイダンス 『またのご利用 心よりお待ちいたしております』
 ▼ 70 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/06 00:29:00 ID:0RMUX5IE [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴーゴートから降りると、目の前はポケモンセンター。

その向かいには、神殿のような門構えの、白い立派な建物がある。


 トウコ 「ポケセンより、こっちの方が気になるわね」

 トウヤ 「ここはミアレ美術館ですよ。後で行ってみますか?」

 トウコ 「うーん……美術館とかあんまり興味無いけど、スタイリッシュ度には関係ありそうだし……」

 トウヤ 「ですよね」

 トウコ 「まぁ、お昼の後にでも行こうかしら」

 トウヤ 「そうしますか。それじゃあ最後のポケモンセンター……部屋が空いてることを祈るばかりですね」

 トウコ 「そうね」


3軒目……最後のポケモンセンターに、私たちは足を踏み入れた。
 ▼ 71 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/06 00:30:00 ID:0RMUX5IE [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今夜はこの辺で終了します。
ご支援、ご感想、ありがとうございました。
 ▼ 72 ッツー@サメハダナイト 15/07/06 00:35:42 ID:Jho9vkeE NGネーム登録 NGID登録 報告
3軒目空いてるかなぁ〜

支援
 ▼ 73 ーシィ@ソクノのみ 15/07/07 03:31:16 ID:QZaiCUDg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 74 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/08 01:23:00 ID:fQtCR6HM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告



 トウヤ 「……さて、弱りましたね」

 トウコ 「なんでどこも満室なのよ!? いくらミアレが大きい街だからって、そんなに旅のトレーナーが居るわけ!?」


結局、3軒目のポケモンセンターも満室だった。

いくらなんでも運が悪すぎる。それか、部屋数が極端に少ないのか。


 トウヤ 「考えてみると、ポケモンセンターは一般の人も宿泊できますから、安く済ませたい人にとっては好都合なんでしょうね」

 トウコ 「……そっか。ポケモンさえ連れてれば誰でも泊まれるし、ビジネスホテルよりも安いし」

 トウヤ 「ビジネスマンや観光客も利用してるんでしょうね」

 トウコ 「ったく! 本当に必要としてる旅のトレーナーを優先しなさいってのよ!」

 トウヤ 「まぁまぁ。……仕方ないので、お金はかかりますが、ビジネスホテルにしましょう。どこでも良いですよね?」

 トウコ 「良いけど……ネット予約?」

 トウヤ 「はい。“にどらんnet”の会員なので」
 ▼ 75 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/08 01:24:00 ID:fQtCR6HM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
トウヤはスマホを取り出し、ポチポチと操作し始める。

ビジネスホテルって……、サラリーマンとかが泊まる、ワンルームのホテルよね。


それって……、そんな狭い部屋で、トウヤと同じ部屋で……2人っきりになるってこと……よね。

一緒に旅するんなら当たり前だし、分かってたことだけど、いざホテルで2人っきりってのは……ちょっぴり緊張する。


 トウヤ 「……取れました。“ドーミラーイン・ノースミアレ”というホテルです。食事なしで1泊4,500円でした」

 トウコ 「ありがとう。それで……そのっ、ビジネスホテルってことは、一緒の部屋だと……ダブルベッドとか……?」


そう。ビジネスホテルだと、ツインの部屋の数は そう多くない……と言うより、ダブルルームが主体のはずだ。

ダブルルームと言うことは、当然ダブルベッド。

トウヤと同じベッドで寝るなんて……。

勿論、トウヤが変なことするようなことは無いと思うけど、やっぱり緊張と言うか何というか……///


 トウヤ 「あ、シングルルームを2部屋取ったので安心して下さい」
 ▼ 76 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/08 01:24:59 ID:fQtCR6HM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
 トウコ 「……あっ、別々なのね」

 トウヤ 「当然ですよ。さすがに年頃の女の子と同じ部屋で寝ようとは思いません」

 トウコ 「……そう」

 トウヤ 「さて。お昼にはまだ早いですし、美術館に入ってみますか?」

 トウコ 「えぇ」


ホテルの部屋は別々で、なんとなく安心した。

安心したんだけど……なんだろう。こうも当然のように別々の部屋にされると、ちょっと凹むって言うか、私が女の子として見られていないような気さえする。

いや、女の子として見てくれてるから部屋を別々にしたんだろうけど、それでもこう……、「部屋は別々ですよね?」→「えっと、トウヤさえ気にしなければ、私はどっちでも……」みたいなのを期待していたりも。

……まぁ、トウヤは草食系だし、そんな期待と言うか、心配した私がバカだったってことね。


 トウコ 「じゃあ、早く美術館まわって、スタイリッシュ度を上げるわよ!」

 トウヤ 「あっ……待ってくださいよトウコさん」


実際、美術館を見たからってスタイリッシュ度が上がるかは分からないけど、分からないからこそ、色々と巡る必要がある。

……切り換えよう。まだ旅は始まったばっかりだし、そのうちトウヤも変わるでしょ。
 ▼ 77 ラーミィ@ヘラクロスナイト 15/07/08 01:40:00 ID:5stdbryQ NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 78 ンメン@ゴーゴーゴーグル 15/07/08 10:29:11 ID:RXQClII6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 79 ャーレム@クラボのみ 15/07/10 10:38:47 ID:PtFHUX4. NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 80 ョロボン@あかいかけら 15/07/11 01:07:26 ID:dm.TDGNI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 81 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/11 02:20:00 ID:eBR0JRTY [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
白い立派なミアレ美術館は、門構えも立派だった。

中に足を踏み入れると、外観の白を内装にも取り入れたかと思われる、清潔感のある真っ白な床。

正面のカウンターや、床のアクセントとなる部分には黒。照明具やソファなんかも白と黒でまとめられている。


 トウコ 「(うわぁ……凄い立派……)」

 受付 「ようこそミアレ美術館へ。ご入場なされますか?」

 トウコ 「あっ……はい。お願いします」

 受付 「館内の絵画について詳しい説明を聞ける有料サービスがございます。料金は200円となりますが、ご利用なさいますか?」

 トウコ 「有料サービスか……」


正直私は、絵画とかにそんな興味は無い。

でも、あのブティックに入るために……あの店員をギャフンと言わせるために、スタイリッシュ度を上げなくちゃいけない。

けど、それをどうやって上げるか分からないから、とりあえず美術館に入るに過ぎないのだ。


 トウコ 「いえ、大丈夫です」

 受付 「かしこまりました。それではごゆっくりお楽しみ下さいませ」
 ▼ 82 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/11 02:22:00 ID:eBR0JRTY [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウヤ 「速いですよトウコさん」

 トウコ 「トウヤが遅いんでしょ。先に見てまわってるからね!」


私はトウヤを受付に残し、先に絵画を見てまわり始めた。



   受付 「館内の絵画について詳しい説明を聞ける有料サービスがございます。料金は200円となりますが、ご利用なさいますか?」

   トウヤ 「そんなサービスがあるんですね。じゃあお願いします」

   受付 「それでは、こちらのガイダンス端末をどうぞ。絵画の横に添えられたボックスに かざして頂くと、詳しい説明が流れます」

   トウヤ 「分かりました」

   受付 「それではごゆっくりお楽しみ下さいませ」



1階のフロアには、カロス地方の風景が描かれた絵画が飾られていた。

大きなお屋敷の中庭、鈍く輝いている洞窟、木と建物が一体化している街、夕日に輝く日時計。どれも幻想的な絵画だ。


2階には、発電所とボール工場のイラストが。

なんでこんなテーマの絵画が飾られているか分からないけど、あの有料サービスを使えってことなのかな。
 ▼ 83 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/11 02:23:59 ID:eBR0JRTY [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
2階にはまだ奥があるけど、順路的に、先に3階に上がる。


階段を上った目の前には、まるで壁画のような赤い背景に、王様とポケモン、跪く人々、そしてよく分からない鍵が描かれている。カロスの歴史的な何かなのかな。

右に進むと、ポケモンと人間の絵画が数点。そして、お城と風車、海の絵画がある。この辺に来ると、流石に有料サービスを使えば良かったと思えてくる。


階段を挟んで左側のフロアへ進むと、ヨルノズクの絵画、化石発掘現場の絵画、そして……。


 トウコ 「えっ……これって……!?」


   トウヤ 「トウコさん……やっと追いつきましたよ」

 トウコ 「! 来ちゃだめトウヤ!」

   トウヤ 「えっ?」


その絵画を見た私に、何とも言えない戦慄が走る。

そして、そこにトウヤを近付けてはいけないと、すぐさま感じ取った。
 ▼ 84 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/11 02:26:00 ID:eBR0JRTY [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
   トウヤ 「どうしたんですかトウコさん……?」

 トウコ 「ほら……こっちは別に大した絵じゃないから、2階に降りましょうよ」

  トウヤ 「いえでも……そのためにガイダンス端末があるんですよ。これを使えば、その絵画の真意が分かりますよ」

 トウコ 「けどっ……あの絵はちょっと怖いって言うか……トウヤの好みじゃなさそうだから!」

 トウヤ 「好みもなにも……別に美術館の絵画に好き嫌いなんてありませんよ」

 トウコ 「でもアレよ。そろそろお腹空いちゃったし、早めに切り上げましょうよ! ねっ!」

 トウヤ 「でも……せっかく入ったんですから、全部の絵画を見てまわりましょうよ」

 トウコ 「ダメ! この先はダメ!」

 トウヤ 「どうしたって言うんですか……」

 トウコ 「とにかく! 私はここの……」

 係員 「あの、お客様。他のお客様のご迷惑になりますので、お静かにお願いします」

 トウヤ 「あっ……すみません」

 トウコ 「すいません。……ほら、行くわよトウヤ」

 トウヤ 「でもっ……」
 ▼ 85 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/11 02:28:00 ID:eBR0JRTY [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 係員 「順路は向こうですけどよろしいのですか? 有名作家さんのバトルサブウェイの絵画がございますよ」

 トウヤ 「バトルサブウェイ……?」

 トウコ 「あちゃぁ……」


空気読んでよ係員!


……そう、私が見つけた絵画には、バトルサブウェイが描かれていたのだ。

私たちの地元、イッシュ・ライモンを起点とする、バトルサブウェイ。そしてそれは……。


 トウヤ 「……なるほど。それでトウコさん、僕を近づけようとしなかったんですね」

 トウコ 「えぇ。せっかくトウヤが変わろうとしてカロスに来たのに、こんなところで地下鉄を思いださせるなんて……」


トウヤには、地下鉄に関して暗い過去がある。

 ( ※ 詳しくは前作参照 → http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=100926


トウヤはそんな過去を断ち切るため、意図的に地下鉄と――バトルサブウェイと距離を置くために、こうやってカロス旅を始めたのだ。

でもそれが……いきなり地下鉄を思いだすことになるなんて……。
 ▼ 86 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/11 02:29:00 ID:eBR0JRTY [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウヤ 「ありがとうございます、トウコさん。気を遣って頂いて」

 トウコ 「うん……。だってトウヤ……」

 トウヤ 「えぇ。まさか、カロスに来てまで地下鉄が目に入るなんて、思ってもいませんでした」


トウヤは絵画に近付くと、ガイダンス端末を、横のボックスに かざした。


 『イッシュ地方では バトルサブウェイと 呼ばれる 地下鉄の 中で ポケモン勝負を 繰り広げる』

 『この作者は 勝負に のめりこみ いまのところ これが 最後の 一枚と なっている』


 トウヤ 「……なるほど。やはりバトルサブウェイは、人を夢中にさせる力があるんですね」

 トウコ 「トウヤ……」

 トウヤ 「僕……、本当は、誇りに思うことなのかもしれませんね。父親が、そんなバトルサブウェイの開発に、携われたことを。体を張って事故を防いで、その後のバトルサブウェイの基礎を作ったことを……」

 トウコ 「……えぇそうよ。トウヤのお父さん、私から見ても凄い人よ。トウヤのお父さんが頑張ったお陰で、今のバトルサブウェイがあるんだから」

 トウヤ 「……ありがとうございます。では、下のフロアに行きましょう。お昼も近いですしね」

 トウコ 「うん……」
 ▼ 87 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/11 02:30:00 ID:eBR0JRTY [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こんな時、気の利いた言葉をかけられない自分が、とってももどかしい。

私に背を向けて階段を下るトウヤの背中は、どことなく、寂しさが漂っていた。

でも私は、そんなトウヤにかける言葉が思いつかない……いや、変に言葉をかけて、余計にトウヤを傷つけてしまうことを恐れているのかもしれない。

仲間なら……、これから旅を共にする仲間なら……、元気付けてあげなくちゃいけないのに……。


2階に降りて、何点か絵画を眺める。

ポケモンと一緒にボランティア活動をしている絵画。感謝ポケモン、シェイミの絵画。キャモメと一緒に海を行く船の絵画。

どれも暖かなタッチで描かれていた。


1階にもまだ絵画があった。

シンオウのバトルフロンティアの絵画。迫力あるヒウンシティの絵画。シロガネ山と紅葉が綺麗なジョウトの絵画。

どれも繊細なタッチで描かれていた。


……けどやっぱり、明らかにトウヤの気は落ちていた。

ただ観光で美術館に入っただけなのに、こんなことになるなんて……。
 ▼ 88 ラベベ@ボロのつりざお 15/07/11 02:43:49 ID:yoceEaTg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 89 ワルン@パワフルハーブ 15/07/11 12:55:47 ID:IfMeVJEI NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 90 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/14 20:50:00 ID:fxvbuUtU [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その後、私たちは道を少し戻り、さっき見た“カフェ・カンコドール”に入った。

今は14時少し前。ガレット屋に近いここからなら、焼きたてガレットを確実にゲットできる。

カフェにも色々な食事メニューがあるので、私たちは遅い昼食を取ることにした。


 トウコ 「(でもっ……空気が重い……)」


私はカツサンド、トウヤはピラフを頼んで、アイスコーヒーと一緒に口に運ぶ。

美味しいんだけど……美味しいんだけど、トウヤはさっきから口数が少なく、元気もない。


やっぱりトウヤとしては、美術館で見たバトルサブウェイの絵画が堪えたらしい。

それもそうよね。地下鉄との……お父さんとの思いを引きずらないように、こうやって遠くカロスまで来たって言うのに、いきなり思いだすような場面に遭遇したんだもん。


 トウコ 「ねぇトウヤ」

 トウヤ 「…………」

 トウコ 「……トウヤ!」
 ▼ 91 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/14 20:53:00 ID:fxvbuUtU [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウヤ 「……ぁっ、すいませんトウコさん」

 トウコ 「元気出してよ。そうやって黙りこくってちゃ、気分転換なんて出来ないわよ?」

 トウヤ 「……えぇ。それは分かってます」

 トウコ 「あのっ……、ごめんトウヤ。なんかこぅ、気の利いた言葉を掛けてあげるべきなんだろうけど、全然思いつかないの……」

 トウヤ 「トウコさん……」

 トウコ 「正直私はね、トウヤのこと、まだ全然分からない。もっと知りたいって思ってる。だからそのっ、なんて声を掛ければいいのか……、分からないの……」

 トウヤ 「……いえ。気持ちだけで十分ですよ。それに、それってトウコさん、僕に凄い気を遣ってくれてるんですよね」

 トウコ 「えっ……う〜ん……、気を遣ってる、のかなぁ……?」

 トウヤ 「そうですよ。不用意な言葉を掛けないように、色々と考えてくれて……。やっぱりトウコさん、凄く優しいんですねっ」

 トウコ 「そんなっ……。私はトウヤが辛そうだから……、でも、結局なにも出来なくて……」

 トウヤ 「正直、忘れろと言われて、すぐに忘れられるものではありません。だからこうやって、しばらくカロスを旅しようと思ったんですから」

 トウコ 「うん……」

 トウヤ 「僕は、僕のペースで心を落ち着かせます。だから心配しないで下さい。トウコさんに心配かけないように、僕なりに急いで気持ちの整理を付けますから」

 トウコ 「そんな急いでだなんてっ……、トウヤの心を掻き乱すみたいで悪いわよ!」

 トウヤ 「いえ。トウコさんが居るからこそ、僕は“早く気持ちを整理しよう”って思えるです。……やっぱり正解でした。トウコさんと一緒に旅することになって」

 トウコ 「トウヤ……ふふっ。じゃあ私は、もうなんにも言わない。さっさと整理つけて、楽しい旅にしないとねっ!」
 ▼ 92 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/14 20:56:02 ID:fxvbuUtU [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウヤ 「えぇ。……あ、良かったらどうですか、このピラフ。美味しいですよ?」

 トウコ 「そぉ? じゃあ一口ちょうだい。……あーん」

 トウヤ 「えっ……えぇっ!?」

 トウコ 「……冗談よ」

 トウヤ 「っ……恥ずかしい冗談は勘弁してくださいよ!」

 トウコ 「ふふっ……なぁ〜に本気にしてんのよっ?」

 トウヤ 「はぁっ……はははっ!」


そうよね。これは私がどうこう言うものじゃない。トウヤの心の中のことだもん。

私に出来ることと言えば、こうやって、少しでもトウヤを楽しませてあげること。トウヤの判断を応援してあげること。


あの日のバトルサブウェイのこと、私はトウヤに、感謝してもしきれない。

ノボリさんとバトル出来たのもトウヤのお陰だし、沢山の人を救うことが出来た。私自身の命の危険も排除してくれた。

それに、まだ“心の綺麗な男”が居ると言う事実を、トウヤは教えてくれた。


こんな風に、私は少しでも、トウヤに恩返し出来ればと思ってる。

私の人生は、トウヤとのこの旅で、大きな変化を迎えるかもしれないんだから――。
 ▼ 93 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/14 21:00:00 ID:fxvbuUtU [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウヤ 「……14時45分。そろそろガレットが焼き上がる時間ですね」

 トウコ 「ホントだ。って言うかやっぱり並ぶのかしら。パンジーさんの話だと、すぐ売り切れるって言ってたし」

 トウヤ 「えぇ。ここから見た感じ……もう20人くらい居ますね。早く出ましょう!」

 トウコ 「そうね」


ガラス越しにガレット屋台を見ると、既に列が出来ていた。

焼き上がりの前から並び始めるなんて、相当な人気なんだろうな、ミアレガレットって。


会計を済ませ、カフェを出る。

例のスタイリッシュ度のこともある。ミアレをアレコレ巡るってことは、当然、カフェでの飲食も関係してくるはずだ。

ガイドブックを見る限り、カフェは15軒もある。全部とまではいかないけど、出来る限りカフェ巡りして、スタイリッシュ度を上げないと!


 トウヤ 「ミアレガレット……楽しみですねっ」

 トウコ 「トウヤ、ホントにお菓子類が好きなのね」


トウヤは特段、スタイリッシュ度を気にしていないようだけど。

男のクセに甘党なんて……って思うけど、そんなトウヤは、なんとなく可愛く見える。

トウヤと一緒なら……、この旅も、気持ち良く続けることができそうかなっ。
 ▼ 94 アルヒー@こおりなおし 15/07/14 21:55:52 ID:bYBD37L2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援〜
 ▼ 95 ゾノクサ@おおきなねっこ 15/07/17 00:28:11 ID:uS0cQzwI NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 96 ドグラー@おいしいみず 15/07/17 21:16:56 ID:ta/2QzN6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 97 ールル@くろいてっきゅう 15/07/20 16:56:30 ID:pxOZjwEs NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 98 ゲチック@ラグラージナイト 15/07/21 22:38:30 ID:hImsQBvY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 99 エンタ 15/07/23 15:13:18 ID:oZdCcSBc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 102 ガオニゴーリ@リリバのみ 15/07/26 10:09:35 ID:UiOq2LTI NGネーム登録 NGID登録 報告
もう10日以上更新ないのか…忙しいんかな?

支援
 ▼ 103 ンダー@ハーバーメール 15/07/27 22:12:49 ID:apyFPOts NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 104 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/28 01:15:55 ID:z1/CKQ0E [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


更新が滞り申し訳ありません。

実はアニポケの時系列と整合性を持たせるために、進行具合を調整しながら進めています。

決して打ち切るつもりはありませんので、今後もよろしくお願いいたします。

 ▼ 105 ングース@バクーダナイト 15/07/28 01:35:00 ID:UGXYa6/o NGネーム登録 NGID登録 報告
>>104
良かった。

支援。
 ▼ 106 ワムラー@ヨプのみ 15/07/28 21:54:07 ID:rXRj6Oxc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>104
楽しみだから助かった
 ▼ 107 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/30 02:50:00 ID:CSynPEXU [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミアレガレットの屋台。

やっと列が動き出した。


 トウヤ 「おっ……いよいよですね!」

 トウコ 「ふふっ。どれだけ美味しいものなのか見物ねぇ」


15時を少し前にして、ガレットの販売が始まったようだ。

気付けは私たちの後ろにも、長い列が出来ている。それほどこのガレットが人気なのだと、改めて実感した。


  店員 「お待たせいたしましたー。お一人様お一つ限りの販売とさせて頂きますのでご了承下さーい!」


 トウコ 「1個しか売ってくれないみたいね」

 トウヤ 「これだけ並んでれば仕方ないですね。とりあえず別々に購入しましょう」

 トウコ 「そうね」


 ▼ 108 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/30 02:52:00 ID:CSynPEXU [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
5分くらいして、ようやく私たちの順番がまわってきた。屋台の奥からは、ほのかに甘い香りが漂ってくる。

とにかく長い列が途切れず続いていたからか、店員の対応は完全にマニュアル、流れ作業のようなものだった。

ちょっとイラッときたけど、この混み具合じゃしょうがないかな。


そのまま流れるように屋台から離れた私たちは、通り沿いのベンチに腰掛けた。

手にはまだアツアツのミアレガレットが、早く食べてと言わんばかりに私たちに訴えかけている……ような気がする。


 トウヤ 「遂に……。じゃあ、いただきます」

 トウコ 「いただきまーす」


……私は食べるタイミングを少しずらし、トウヤの様子を観察してみた。

トウヤは袋からガレットを半分取り出すと、手で一口サイズに千切って、それを口に運ぶ。

その瞬間の、トウヤの満面の笑み!


 トウヤ 「んん〜! 優しい舌触り、表面はサクッとしているのに、中はフワフワで……、ほのかに香るアーモンドの風味が、味を引き立ててる……!」


それはまるで、子供がおやつを食べているような雰囲気。

なんて言うか……、トウヤ可愛い!
 ▼ 109 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/30 02:53:00 ID:CSynPEXU [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウコ 「……んっ、これけっこう美味しいわね!」

 トウヤ 「えぇ。これ僕好みの味です。1個しか買えないなんて残酷ですよ……」

 トウコ 「ふふっ。じゃあ明日の焼き上がりにもう1回並ぶしかないわね。確か9時だったわよね?」

 トウヤ 「はい。じゃあ明日はガレットを食べてから行動開始ですね。あぁ……これコーヒーに合うだろうなぁ……」


まったくトウヤは……。

真面目に見えて、子供って言うか、隙だらけって言うか……こういう所は抜けてるのね。

なんとなく、トウヤって人のキャラが分かってきた気がするわ。


 トウヤ 「……じゃあトウコさん。長旅の疲れもあるでしょうし、今日は早めにホテルに入っちゃいましょうよ。どうせ払う金額は同じなんですから、長めに滞在しないと勿体ないですよ」

 トウコ 「それもそうね。じゃあトウヤ、案内よろしく」

 トウヤ 「案内もなにも、すぐそこですよ」


トウヤが予約してくれたホテルは、ガレット屋から歩いて5分ほどのところにあった。

何て言うか、典型的なビジネスホテルって感じ。……と言っても、私はビジネスホテルに泊まったことが無いから、ちょっとだけワクワクしている。

トウヤとは別々の部屋だけど、まぁ、普通に考えたらそうよね。

 ▼ 110 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/30 02:54:00 ID:CSynPEXU [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 トウヤ 「チェックイン済ませましたよ。7階の711号室と、712号室です」

 トウコ 「ありがと」

 トウヤ 「あと、ここの系列のホテルって、大浴場が付いてるんです。……これ、女性用の大浴場に入るためのカードキーを貰ったので、持っていてください」

 トウコ 「ふ〜ん。ビジネスホテルも大浴場ってあるのね」

 トウヤ 「全部では無いですけどね」


大浴場――大きいお風呂があるんなら、普通のホテルとビジネスホテルの違いが分からなくなる。

でもカードキーがあるってことは、セキュリティもしっかりしてるみたい。

ビジネス向けって言っても、最近は女性のサラリーマン(ウーマン?)だって多いし、そういう需要もあるのかな?


 トウヤ 「ひとまず、荷物を置いたら僕の部屋に来て貰っても良いですか? この先のルートとかを決めたいので」

 トウコ 「分かったけど、そう言うのって、普通はトウヤが私の部屋に来るものじゃないの?」

 トウヤ 「それでもいいですけど、やっぱり女の子の部屋に上がり込むのは躊躇われるので」

 トウコ 「……ふーん」
 ▼ 111 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/30 02:55:00 ID:CSynPEXU [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
う〜ん。やっぱりまだトウヤとは壁があるのかな?

私は全然気にしないけど、無理にトウヤを誘い込むのもアレだし、自然に慣れていくのを待った方が良いのかな。

まったく草食系め。



712号室の鍵を受け取って、とりあえず部屋に荷物を放りこんで、エアコンのスイッチを入れて、すぐにトウヤの部屋にお邪魔した。

部屋の造りは両方とも同じ。細長い部屋に、ベッドがあって、机があって、椅子がある。テレビは大きめだ。


 トウコ 「ふぅ……はぁぁぁ疲れたぁぁぁ」

 トウヤ 「……ってトウコさん僕のベッドに寝っ転がらないでくださいよ無防備すぎますよ」

 トウコ 「あら? 私を襲おうって言うのかしら? コワーイ」

 トウヤ 「いやっ……まぁとりあえず、これからのこと話しましょうよ。このホテルのテレビ、パソコンが内蔵されてるんですよ」

 トウコ 「そうなの?」

 トウヤ 「はい。外部入力を切り替えて……」


トウヤがリモコンを操作すると、テレビ画面は、見慣れたパソコンのデスクトップ画面を表示した。

青空と草原……これぞデスクトップ! って感じの画面だ。
 ▼ 112 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/30 02:56:00 ID:CSynPEXU [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トウヤ 「ネットに繋いで地図を出しますね」


トウヤは引き出しからキーボードを引っ張り出すと、手早くネットに接続させ、簡易地図を開いた。


 トウコ 「……ミアレからだと、5つの街へ行く道があるのね」

 トウヤ 「そうみたいですね」


カロス地方は、経済的にも、地理的にも、ここミアレシティが中心みたい。

ここから北へはクノエ、東へはフウジョ、南東へはハクダン、南西へはコボク、北西へはヒヨクと言う街に続いている。


 トウヤ 「これ……どこから行くか迷いますね」

 トウコ 「そうね。まさか5方向とは思わなかったわ……」

 トウヤ 「どうします? 特にトウコさんの拘りが無ければ、くじ引きで決めますか?」

 トウコ 「……ううん。せっかく来たんだから、イベントがある街へ行きましょうよ」

 トウヤ 「イベント?」

 トウコ 「そっ! たいていどっかの街で、バトル大会のアマチュアイベントとか開かれるでしょ? それに合わせて移動しましょうよ」

 トウヤ 「そうですね。その方がトウコさんも楽しめるでしょうし」

 トウコ 「じゃあ、ちょっとパソコン貸して!」
 ▼ 113 州街道◆IVIG1YNTZ6 15/07/30 02:57:00 ID:CSynPEXU [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私はトウヤからキーボードを取り上げると、某ググれる検索サイトにアクセス、検索ワードは こうだ。


 トウコ 「えっと……、“街の名前、スペース、バトル大会”っと」


これを、全ての街で検索する。


北から東回りで……すると、案外早く、面白そうなイベントを見つけた。


 トウコ 「ヒャッコクロマン日時計杯……?」

 トウヤ 「それが……バトル大会なんですか?」


それは、ヒャッコクシティと言う街で開かれる、バトルイベントの告知ページだった。

その情報を読んでいくうちに、私は自分でも、ワクワク感が溢れ出ていることに気が付いた。

これこそ……私が求めていたバトル大会だ!



 ※ トウコが見ているサイトはこちら (PC用)
   → http://www.geocities.jp/marinecity_hama_oln2/hh/hh_03.html

 ▼ 114 リーラ@ウッディメール 15/07/30 15:28:51 ID:t.tIOu52 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>113
まさかのヒャッコクHPww
 ▼ 115 ジョッチ@はねのカセキ 15/07/31 08:00:44 ID:PsxvlP.I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トウヤはポケモン捕まえないと出れないね
 ▼ 116 ティオス@さざなみのおこう 15/08/02 13:17:59 ID:p35FEpcE NGネーム登録 NGID登録 報告
この大会ってサトセレも出るヤツやん

支援
 ▼ 117 レッフィ@GBプレイヤー 15/08/04 01:36:53 ID:NkQFsZ6U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 118 ニドリル@しんかのきせき 15/08/06 00:10:50 ID:4ofQs2uE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 119 ッキー@すごいつりざお 15/08/08 14:40:46 ID:zwoiTdys NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 120 ーシャン@たまむしプレート 15/08/10 07:22:29 ID:ywg8FDTQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 121 ノマダム@ゴツゴツメット 15/08/11 01:19:35 ID:dm.TDGNI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 122 チゴラス@がくしゅうそうち 15/08/11 01:35:30 ID:79W0INN. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 123 ルロック@いましめのツボ 15/08/12 01:28:17 ID:EWdBVHPs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 124 コドラ@いんせき 15/08/12 01:37:05 ID:QnPlYGBU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
確かバトルサブウェイのHPもあったよなw
 ▼ 125 hiroki 15/08/13 10:00:27 ID:SS55QQzw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえーん
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