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SS

【スワップSS】ブニャット「誰がデブじゃオラァ」

 ▼ 1 ガヤンマ◆tNBlQV57Hs 20/04/08 10:25:53 ID:OY8wAmXA NGネーム登録 NGID登録 報告
このSSは「スワップSS祭2020」に参加していますので、続きは他の方が書きます
企画本スレ→https://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=1189712

レパルダス「で、何の用?お・ば・さ・ん?」

ブニャット「あ? なんやと? 破壊光線すっぞオラァ」

レパルダス「まぁまぁ、落ち着いて? 何のために私を呼び出したの? “おデブなおばさま”?」

ブニャット「それはな……」

ブニャット「テメェを潰すためだァ!!」ダーン!

レパルダス(s種族値106)「下らない。 私がちょっと頑張って逃げればおデブなあなたは追い付けないっていうのに…」スタタタタッ

ブニャット(s種族値112)「ウォォォォオオ!!」ドタドタドタ!

レパルダス「ファッ!?」

このSSは…

ブニャット「のしかかりィィ!」ニブニブニブ…

レパルダス「ふがぁっ!!」ドシーン!

動けるデブなとらねこポケモン…

レパルダス「嘘……私のすばやさ…遅すぎ……?」

ブニャット「やったぜ。」

ブニャットの物語である……
 ▼ 2 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/13 20:38:46 ID:/UKsO/GA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
このSSを書くことになった者です。
よろしくお願いします。
 ▼ 3 ルヴァディ@きょうせいギプス 20/04/14 12:52:56 ID:MikYFU9c NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 4 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/19 18:06:55 ID:CuHszAvQ [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブニャット「よし、これで1匹目……あと99匹か」

ブニャット「絶対に成し遂げねえとだな……」

レパルダス「成し遂げる……一体何を……?」

ブニャット「まーだくたばってなかったのか。テメェには関係ないだろ。そこで大人しく寝てな!」

レパルダス「うっ……ん……」パタ

ブニャット「……フン。のこのこついて来たバカな自分を恨むんだな」

ブニャット「さて、と。次の獲物を探すとするか……」フイッ



???「おいおいおいおいィ! なんだァ、今の生ぬるい"潰し"はよォ!?」


ブニャット「あ? ……んだ、テメェか。何しに来やがった、ペルシアン?」

アローラペルシアン「質問してんなァこっちだぜェ? おめェの初めての"潰し"をよォ、わざわざ見に来てやったんだよォ!」

ブニャット「んーだそりゃ、暇なのかテメェ」

アロペル「おォ? 俺様直々に"潰し"を教えてやるってんだよ。もっとありがたく思えよなぁ?」
 ▼ 5 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/19 18:07:15 ID:CuHszAvQ [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アロペル「"潰し"ってなァな、もっと残酷に、悪逆非道にやるもんなんだぜェ? 今みてーなぬるいバトルはよ、"潰し"の内に入んねーんだよォ!」

ブニャット「テメェらの言う"潰し"ってのはイマイチ意味が分かんねーんだよ。それに……」

ブニャット「この厄介なキカイが判定してくれんじゃねーのか、その"潰し"ってのはよ」

アロペル「……ふっ、くく……おォ、おめェのその短い足じゃァ届かねえからなァ。よォく似合ってんじゃねェか、俺様の作った『潰し測定器』。ハハハ」

ブニャット「チッ……」

アロペル「そいつぁ自信作だからよぉ、おめェの"潰し"の状況を事細かに追跡できんだァ。取り外すには"潰し"を100回やらなくちゃならねェ。無理に外そうとしたり、不正を働いたりしたら、分かるよなァ?」

ブニャット「……」

アロペル「くくく、おめェの可愛がってるアイツは、今うちの奴らが代わりに可愛がってやってるからよォ。安心して"潰し"回れよなァ。うちのボスはおめェを一役買ってんだぜェ?」

ブニャット「……そうかよ。なら……、テメェを潰すのも回数に入るんだろうなあ!!」バッ

アロペル「おぉっとォ」ヒョイ

アロペル「無駄だぜェ、おめェの速さは俺にゃァ届かねーんだからよォ!」

ブニャット「……くそがっ」

アロペル「おいおいおいィ……俺たちに歯向かってただじゃ済まされねェのは、おめェだけじゃねェんだかんなァ? あのニャスパーがどうなってもいいのかァ?」

ブニャット「っ……」

アロペル「おめェは俺達に従うしかねェってことだよォ!」

ブニャット「下衆野郎が……」

アロペル「ハハハ、理解したんならせいぜい頑張れよなァ! 俺様は優しいからよォ、今回のことには目を瞑っといてやる。だが今回だけだ。次からは容赦せず、ケジメってもんを教えてやらァ。じゃーな!」タタッ


ブニャット「……くそっ!」ダンッ

レパルダス「ねぇ、今のどういうことなの?」

ブニャット「!?」ビクッ
 ▼ 6 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/19 18:08:18 ID:CuHszAvQ [3/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
レパルダス「どうしたの、顔が不細工よ?」

ブニャット「な、テメ、くたばってたんじゃ……」

レパルダス「あなたが『大人しく寝てな』って言うから、そうしていたのよ」

ブニャット「は?」

レパルダス「私、こう見えて結構タフなのよね。昔からこういう荒事に巻き込まれてばっかりだったから」

ブニャット「いや、だとしても流石に……。お前……。バカじゃねえのか……?」

レパルダス「なによ、あなたも私をバカにするわけ? そっちだってデブじゃない!」

ブニャット「そこで張り合われてもな……。や、そうか、やけに素直について来るんだなとは思ったが……」

レパルダス「デブって言われて嫌じゃないの……?」

ブニャット「別に……言うほど太ってねーんだよオレは。テメェなんかにオレの渾身ののしかかりを耐えられたことの方がよっぽどショックだわ」

レパルダス「そりゃあね。あんなので一々倒れていたら、命がいくつあっても足りないもの」ケロッ

ブニャット「お前……変なやつ……っていうか、不気味なやつだな」

レパルダス「あら、急に襲い掛かって来るおばさまに言われたくはないわよ」

ブニャット「おばさまだぁ? しばくぞコラ」

レパルダス「そこは気にするのね……」
 ▼ 7 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/19 18:08:43 ID:CuHszAvQ [4/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
レパルダス「……で、なんだったのよ、さっきのヤバそうなやつは。あなたはどうして私を襲ってきたの?」

ブニャット「…………。テメェには関係ない」

レパルダス「いやいやいや、私、被害者よ? 関係大有りじゃない? 今ここで一人で背負い込もうとするにはちょっと無理があるわよ? それにあんな……ねぇ」

レパルダス「まるで 小さいころから面倒を見ていたニャスパーがヤバめのチンピラ組織に人質として攫われてしまい、ニャスパーを解放するための条件としてポケモンを100匹"潰す"ことを強いられ、その標的の最初一匹として私が襲われることになって、その様子を見に来たチンピラ組織の幹部的な立ち位置のやつに変な因縁をつけられた みたいな状況を見たら、説明してほしくもなるわよ」

ブニャット「……。はぁ、そりゃあんだけベラベラ喋ればそうなる……なるのか? ……まあそうだけど」

レパルダス「やっぱり? 私、勘だけは良いのよね」

ブニャット「なんかお前ワザとボケてねーか……?」

レパルダス「私、勘だけは良いのよね」

ブニャット「なんで2回言ったんだ」
 ▼ 8 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/19 18:09:26 ID:CuHszAvQ [5/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
レパルダス「……でもそう。ニャスパーちゃんがね。……あなたの子なの?」

ブニャット「いいや。アイツとあったのは成り行きで……くそ、同情なんかすんじゃねーぞ。テメェなんかとはもともと住んでる世界が違うんだ」

レパルダス「……? 別の世界の方?」

ブニャット「察しは悪いんだな……」

ブニャット「オレもアイツも、お前と同じ明るい日々を暮らせてるわけじゃねえってことだよ。……何でこんなことお前に話さないとなんねーんだ」

レパルダス「え、あなたが勝手に話してるんじゃないの。別にわざわざ本当のことを言う必要なんてないのに」

ブニャット「お前……オレをコケにするのも大概にしろよ。いい加減にしないと本気で殴るぞ?」

レパルダス「あら、別にいいわよ。あのくらいの攻撃、いくら食らっても同じだもの。私はただなんとなく、あなたが何か話したいことがあるんじゃないかって思っただけよ」

ブニャット「……」

レパルダス「……」

ブニャット「ふん、まあいい。同じ奴を2回"潰し"てもカウントされないらしいからな……」

ブニャット「そうだ……最後のついでにひとつだけ教えてやるよ。おまえの『勘』だが、ちょっと足りてねえ部分がある」

レパルダス「足りてない部分?」

ブニャット「あいつらが"潰し"をしろって言ってるのはな、目についたあらゆるポケモンに対して、というわけじゃない。お前みたいな痩せこけた、……"スリム"なポケモンだけなんだよ」

レパルダス「え……」

ブニャット「話は終わりだ。これ以上のことが聞きたければ、またのこのこついて来るんだな。もっとも、ついて来れればの話だが」クルッ

レパルダス「あ、ちょっと」

ブニャット「あばよっ」シュタッ




レパルダス「……」

レパルダス「スリムなポケモン……。それって、やっぱり……」
 ▼ 9 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/25 23:08:48 ID:g8TMYZj. [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――――数時間後


ブニャット「くそっ……狙えそうなポケモンが全然いねえじゃねーか」

ブニャット「痩せこけたやつか太ったやつ、たまに健康そうなのを見つけても、すぐに人間が寄ってきて邪魔をしやがる」

ブニャット「こんな街中じゃダメだな、もっと郊外に出ないと。……しかしもう日が暮れてずいぶん経つ」

ブニャット「潮時か……。アイツに顔を見せないとだしな」
 ▼ 10 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/25 23:09:12 ID:g8TMYZj. [2/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
――――中心街の裏路地


ニューラA「"猫潰し組"にやべー新人が入ってきたって噂、本当なのか?」

ニューラB「シッ、バカ、ここはそいつらのアジトのすぐ近くだぞ……!」

ニューラA「すぐ近くったてよ、あいつら俺らに興味なんてないだろ」



――――人の目も、陽の光も届かない狭暗い広場


ニャヒート「東区域の厄介な野良猫ども、アネキが直接潰してきたんだって?」

ニャビー「ええ。骨のない奴らでしたよ。筋肉質なだけで、熱もパワーも今一つ」

ニャヒート「そうか。しかし恐ろしいヒトだな、あんなに華奢な体なのに、どうしてああも強いものか」



――――そこに建つ、一棟の古ぼけた民家


アローラニャースA「おい、飯だぞー」



――――その隅にある、換気の悪い狭い個室


アローラニャースB「おう、遅かったね。……まさか、また凝ったメニューで作ったのか?」

アローニャA「仕方ないだろー? 人質の分だからって、うちの上司のこだわりは変わんないんだよ」

アローニャB「ああそうかい。ま、お噂はかねがね聞いてるよ。じゃ、食わしてやんな」スッ

アローニャA「おうよ。……やいお前、待たせて悪かったな。冷めねえうちにたんと食いな」ゴト

アローニャB「しかしこの量、食べ切れるのかね……」
 ▼ 11 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/25 23:09:37 ID:g8TMYZj. [3/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
――――5分後、裏路地


ニューラA「おいあいつ、……例の新人じゃねえか?」

ニューラB「でけえな……確かにやばそうだ」

ニューラA「げ……一瞬目が合っちまった。ありゃあ何匹かやってる目つきだぜ……」



――――同刻、広場


ニャビー「そう言えば、使えそうな新人が入ったんでしたっけ?」

ニャヒート「ああ。……お、ちょうど帰ってきたみたいだぞ。ほら、あれだ」

ニャビー「うわ、すごいガタイですね。羨ましい……」

ニャヒート「まったく。ボスもよくあんな奴を引き入れたよな。流石だぜ」



――――同刻、民家


アロペル「おい、ボス……」

アロペル「おい、起きろガオガエン。奴が返ってきたみてェだぞ」



――――同刻、狭い個室


アローニャB「お、お、こいつ、よく食うじゃねえか」

アローニャA「すげーな、まだ5分くらいしか経ってねえだろ。もう平らげちまいそうだ」

アローニャB「こいつは将来有望だな……。さすがボス、見えてる世界が違うぜ」
 ▼ 12 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/25 23:10:03 ID:g8TMYZj. [4/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
――――数秒後、居間

――


ドスドスドスドスドス……


ドスドスドスドスドス……


ダン!


ブニャット「おいガオガエン! ニャスパーはどこだ!」


ガオガエン「……あー」

ガオガエン「んだ。お前か。騒がしいやつだな」

アロペル「おい、うちのボスは今休憩中なんだ。あんま喚くんじゃねェ」


ブニャット「いいからとっとと教えやがれ!」


ガオガエン「……あー」

ガオガエン「お前、今日で何匹潰したんだ?」

ブニャット「あんだ……? チッ……。一匹、潰してやったよ」

ガオガエン「一匹? んーだ。そんなもんかよ」

ブニャット「っせーな……。明日はもっと潰してきてやんよ」

ガオガエン「……あー」

ガオガエン「まあ、上手くやれよな。約束は守るから」

ブニャット「……」

ブニャット「で、ニャスパーはどこに居んだ」

ガオガエン「……あー。……んー」

ガオガエン「……誰か、他のやつに聞いてくれ」
 ▼ 13 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/25 23:10:27 ID:g8TMYZj. [5/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
――――60秒後、狭い個室


ドスドスドスドスドス……


アローニャA「……ん? なんだ、地震か?」


ドスドスドスドスドス……


アローニャB「ああいや、たぶんアイツが来たんだろう」


ガラ!


ブニャット「ニャスパー! 無事か!?」

アローニャB「おっと、それ以上近づくなよ。……まあ、近づいても無駄なんだけどな」

ブニャット「こんな狭っ苦しい場所に閉じ込めやがって!」

アローニャB「そりゃお前の場合は、だろ。こいつにはこのくらいが丁度いいさ。この、ペルシアンさんの設計した座敷牢がな」

ブニャット「いいからどきやがれ! おい、ニャスパー! 大丈夫なのか!」


ニャスパー「……うぅ。お、お姉さん……?」


ブニャット「おいどうしたんだ!? 苦しいのか!?」

アローニャA「そりゃああれだけ勢いよく腹に詰め込んだんだ。無理もねぇよ……」

ブニャット「腹に? いったい何を!?」

アローニャA「料理長特製、カロリーたっぷりお化けカレーだ」
 ▼ 14 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/28 00:12:19 ID:aDSMoON2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――――同刻、居間


アロペル「なんだよガオガエン、もうちょっとアイツに興味があるもんだと思ってたぜェ?」

ガオガエン「うっせーなぁ。お前が教えてきたんだろ、あいつの身体は『ミセカケだ』って」

アロペル「初めてブニャットを見たときはお前、目ぇ輝かせてわくわくしてたのになァ」

ガオガエン「……あー。……やめろやめろ」

ガオガエン「お前がヤツをここに置いとこうっつったのは、もっと壮大な計画があるからなんだろ?」

アロペル「そう」

アロペル「……まったく、いいタイミングで現れてくれたもんだ。この計画が遂行されれば、"猫潰し組"はさらに強大になるぜ」

ガオガエン「“南の森”に赴く日も近い……か。そう上手くいくもんかね」

アロペル「俺とお前が揃えばきっとな。昔からそうだっただろ? 今回も上手くやれるはずだ」

ガオガエン「そーかい。……ま、頼りにしてるぜ、相棒」
 ▼ 15 ガヤンマ◆tNBlQV57Hs 20/04/28 17:43:39 ID:tJowAuzQ NGネーム登録 NGID登録 報告
俺の予想してたのと全く違う方向に進む………
でもそれがスワップSSの面白さだよね!
支援!
 ▼ 16 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/30 02:45:33 ID:zNKw3Y0o [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――――狭い個室


ニャスパー「お姉さん……。ごめんなさい、ボクのせいでこんな……」

ブニャット「ニャスパー……」

ブニャット「……」

ブニャット「気にするな、お前のせいじゃない。悪いのは、……こんな場所に閉じ込めやがったくそ野郎と、あのときお前を守れなかったオレだ」

ニャスパー「でも、あのときはボクが勝手に……」

ブニャット「いいよ。オレも、忘れてたんだ。この世の中が、そんな優しい世界じゃないってことを……」

ニャスパー「……」

ブニャット「……」




アローニャA「な、なあ。アイツらって、どういう関係なんだ?」

アローニャB「さあ。あのニャスパーが俺らのシマに入って来たのを、ペルシアンさんが捕まえたんだと。そうしたら、あのブニャットが血相を変えて飛んできたらしい」

アローニャA「家族ってわけじゃなさそうだけどな……」




ニャスパー「お姉さんはどうして、ボクなんかを守ってくれるの?」

ブニャット「……」

ブニャット「いいんだよ……そういうことは気にしなくて」

ニャスパー「……。優しいんだね……お姉さんは」

ブニャット「オレは……っ。……いや、自分勝手なだけだよ、オレは……」


ブニャット「もう寝とけ。腹も落ち着いただろ」

ニャスパー「うん。……おやすみなさい、お姉さん」

ブニャット「ああ。おやすみ」

ニャスパー「……」

ブニャット「……」
 ▼ 17 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/30 02:48:05 ID:zNKw3Y0o [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アローニャB「おい、ちょっと、……おい!」

ブニャット「……んだよ、っせーな」

アローニャB「お前の寝床はここじゃねーんだよ、組員の寝室は向こうだ!」

ブニャット「あ? オレがここで寝てなんか問題があんのかよ」

アローニャB「人質用の牢の前で寝る奴があるかよ! 仕事の邪魔だから、とっとと向こうへ行ってくれ!」

ブニャット「うるせーって! ニャスパーが起きるだろうが!」


???「なんだい騒がしいね!!」ガララ


ブニャット「あん?」

アローニャB「アネさん!」

アローニャA「マニューラのアネキ!」
 ▼ 18 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/30 02:48:53 ID:zNKw3Y0o [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マニューラ「何時だと思ってんだい! アンタら夜行性だからって夜中まで騒いでると、すぐヘロヘロになって死んじまうよ!」

アローニャB「んな、俺ら真面目に仕事してただけっすよ」

マニューラ「じゃあなんで廊下までドラ声が響き渡ってんだい」

アローニャA「こ、こいつっすよ。牢の前から離れようとしなくて……」

ブニャット「……」

マニューラ「あんた……最近入った新入りだね? こんな時間になにしてるんだい?」

ブニャット「あ……? オレのニャスパーをここに閉じ込めてんのはお前らだろ。オレがここに居て何が悪いってんだ」

マニューラ「良い悪いの話じゃないよ。ウチじゃあそれが規則だ。あんたも"猫潰し組"の一員なら、組のルールに従ってもらうよ」

ブニャット「テメェらの仲間になった憶えはねえ! こんな檻さえなけりゃあなぁ、テメェらなんざさっさと叩きのめしてここを出ていってやってんだよ!」

マニューラ「ほおん。叩きのめして、ね。……なんなら、今ここで試してみるかい?」

ブニャット「んだと……。言ったな、後悔すんなよ……?」ノソリ

マニューラ「はっ、あんたなんざ、腕一本で十分だよ」

ブニャット「ああ? 嘗めてんじゃねえぞ……」
 ▼ 19 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/30 02:51:20 ID:zNKw3Y0o [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブニャット「いくぜ……。テメェから誘ってきたんだ、テメェを殴っても、ルール違反にはならねぇよなァ!」シュバッ

マニューラ「……遅いね」スルリ

ブニャット「シッ!」ブン

マニューラ「ふん」ガシィ


アローニャA「すげぇ、あの巨体を腕一本で止めてる……」


マニューラ「軽いね。こんなもんかい?」

ブニャット「くそ、がっ!」ガンッ

マニューラ「床を壊すなよ? まあ、壊せたらの話だがね」

ブニャット「フッ、シッ、オラァ!」ブンッブンッブンッ

マニューラ「んー……?」サッサッサッ

ブニャット「避けんなコラ!」シュッ

マニューラ「ふんっ」ガシィ
 ▼ 20 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/30 02:51:52 ID:zNKw3Y0o [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アローニャB「さすが姉さんだ……あの猛攻をあんな簡単に捌けるもんなのか……」


マニューラ「遅いうえに軽い。おまけに単純だ。……あんた、思ったより大したことないね?」グググ…

ブニャット「んだァ? 当たりさえすればてめえなんざ!」ブンッ

マニューラ「さっきから当たってるだろう。右腕だけだけどね」パッ

ブニャット「……食らいやがれ、のしかかり!」シュバッ

マニューラ「ったく……」シュッ

…ドゴッ


アローニャB「入った! アネさんの猫潰しパンチ!」


ブニャット「……っ!? ……!?」

ブニャット「っが……っ!」

マニューラ「床を壊すなってんだ……、よっ!」ブォン

ブニャット「うおぉ……!?」


アローニャA「投げた!?」


ブニャット「うおおおおぉぉぉ!!?」ゴォォォ


……ガッシャーン!!!


ブニャット「う……かはっ」

ブニャット「く、……っそ」バタ
 ▼ 21 1◆N8Nz6gyiSo 20/04/30 02:53:43 ID:zNKw3Y0o [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マニューラ「おい、……まさか、もう終わりかい?」

ブニャット「……」

マニューラ「……そうかい。パワーもなけりゃ、体力もないんだね」



マニューラ「アンタら、コイツを運んでやんな」

――――

アローニャA「へ、へい……!」

――――

……く……そ……

――――

アローニャB「壁、壊れてないよな……?」

――――

くそ……くそ……

――――

アローニャA「よし、持ち上げるぞ。いっせーの……」

――――


ニャスパー……お前は……


――――
 ▼ 22 ガヤンマ◆tNBlQV57Hs 20/04/30 20:07:18 ID:TjcgvYPc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 23 1◆N8Nz6gyiSo 20/05/02 03:50:38 ID:/GzA.E7k [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――
―――
――――



「お母さぁん……! お母さぁん……!」


この町は、天気の良い日が多い。

ニャスパーと出会ったのも、ある晴れた日の昼下がりだった。

薄暗い路地裏でオレは、小さなダンボール箱に入れられてしきりに母を呼んでいるポケモンを見つけた。

不安に怯え、引きつった顔は涙に濡れ、頬にある小さな古傷がそのみすぼらしさを助長していた。

ニャスパーの呼ぶ母親が人間のことだということを、オレはそのとき直感的に理解した。

……そうか、こいつも捨てられたのか。

この町では少ないことではない。貧富の差の激しい町で、人間の理不尽に曝されたポケモンは、孤独のまま命を消費するか、醜く生き続けるかの二択を迫られる。




「おいお前、ついて来いよ。食い物くらいは分けてやる」

意図せず口から零れたその言葉は、善意でも、復讐心からでもなく、可哀そうな自分を慰めるための、ただの身勝手なエゴだった。


――――
 ▼ 24 1◆N8Nz6gyiSo 20/05/02 03:55:02 ID:/GzA.E7k [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニャスパーは不思議な奴だった。

泣いていた顔が嘘だったのかと思うほどに、普段からその表情は硬く、使える技も「バリアー」だけだという。

しかしそれから数日ほどもすると、ニャスパーはだんだん落ち着いてきて、環境の変化にも慣れ始めたらしかった。

初めは無理やり連れまわしていた幼子が、今では自らオレの傍へ寄って来てくれる。

オレはそんなニャスパーに、心地の良い安堵の様なものを感じていた。





季節外れの長雨が降った日の翌日、寝床が浸水して使えなくなってしまったオレは、しばらく身を置ける場所を探して町を歩いていた。

天気は良好で、なんとも気持ちがいい。

後ろをついて来ていたニャスパーが、「あ」と小さな声をあげた。

「どうした?」と聞くと、ニャスパーは立ち止まり、きょろきょろと辺りを見渡してから「ううん」とだけ言ってまたオレの後をついて来た。

それから程なく歩き続けて人気の少ない空き地に着くと、地面の乾いた日向を選んで、オレはそこに座り込んだ。

「ここなら少しは休めるだろ」

雨と遠出で疲弊していたオレが、次第にぼんやりとしていく思考で今日の夕餉のことを考えていると、少し遠くの方からニャスパーの声が聞こえた。

「お姉さん、ボク、ちょっとこの辺を見てきてもいいかな」

「……あんまり遠くへは行くなよ」

そう答える自分の声すらも遠のいて聞こえてきたような気がしたが、そんなことに気づく間もなくオレは眠ってしまっていた。


――――
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