ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く Part 2:ポケモンBBS(掲示板) ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く Part 2:ポケモンBBS

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ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く Part 2

 ▼ 1 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/04/19 14:58:46 ID:J3JYR4Kw NGネーム登録 NGID登録 報告
アローラ、皆さま。ガルーラJrと申します。「ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く」のPart2です。基本的にはゲーム本編に準拠したストーリーにしていますが、以下の点を予めご了承ください。

1:登場人物
ゲーム編では例えば男主人公を選ぶと女主人公は出てきませんが、このSSでは両方のキャラクターをヨウ、ミヅキとして登場させます。

2:登場人物の手持ち
登場人物の手持ちは基本的にゲーム本編に準拠しますが、中には1匹か2匹入れ替えを行ったり、また、ゲーム本編で例えば最大5匹しか手持ちを持っていない人物には1匹追加をしたりしています。

3:本編の補足的なストーリーの追加
本編では語られていないストーリーを私なりに考えて追加しています。

4:形式
地の文を用いた形式で書かせていただきます。

Part1はこちら。メレメレ島〜エーテルパラダイス突入までのお話です。
https://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=1011593

ポニ島までたどり着きましたので、最後まで頑張ります。よろしくお願いいたします。
 ▼ 390 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/10 01:36:35 ID:JYQIfQWw NGネーム登録 NGID登録 報告
第103話はここまでです。
最終回まであと3話となります。
それではまた。
 ▼ 391 リランダー@かいのカセキ 20/06/10 16:24:04 ID:XcvkUMac NGネーム登録 NGID登録 m 報告
もうすぐ終わるのか✨
1番楽しみにしてたのに✨
どうなるか気になる🎵
支援✨
 ▼ 392 リーラ@こだいのぎんか 20/06/10 17:31:55 ID:Or8ofrhY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 393 ビビール@ラッキーパンチ 20/06/10 21:47:50 ID:x8rIkyiY NGネーム登録 NGID登録 報告
最終回後のリーリエの話も楽しみにしてます!
支援!
 ▼ 394 ケッチャ@しんぴのチケット 20/06/10 22:33:15 ID:nJ2oW/Lg NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 395 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 00:35:00 ID:uwPw3SZQ [1/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第104話ができましたので投稿します。
このSSではカプ・コケコ戦は無しでいきますが、ご容赦ください。
 ▼ 396 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 00:35:56 ID:uwPw3SZQ [2/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
Episode 104 祝宴


メレメレ島、ハウオリシティのポートエリア、リーリエは連絡船から降りると、ポニーテールにまとめた金髪を海風になびかせた。今日はアローラリーグの門出と、ヨウの初代チャンピオン就任の祝宴がある日だ。

「……」

しかし、リーリエは憂鬱な気持ちだった。
ヨウのチャンピオン就任は嬉しいことだし、お祝いの気持ちは伝えたい。だが…

「…今考えていても仕方ありませんね…。…行きましょう」

リーリエはリリィタウンを目指して歩き出し、エーテルパラダイスでのことを思い出していた。



「カントー地方のボックス管理者…マサキさん…」

「…ええ。訪ねてみる価値はあるかと…」

ザオボーはそう言うと、ルザミーネの部屋を後にしようとする。

「…ええ…。私に今できることはここまでです…。失礼します」

ザオボーが部屋を後にすると、そこにグラジオとビッケが医師を連れて入ってきた。
ルザミーネの診察を医師に任せ、リーリエ、グラジオ、ビッケは別室に移動する。
そして、リーリエは二人にザオボーから聞いた話を打ち明ける。
それを聞いたグラジオは、そのマサキという人物を訪ねてみようと考える。

「すがる藁もないよりはマシだ。とにかく、母上を回復させる手掛かりになるなら、一度訪ねてみる価値はあるだろう」

グラジオはどうしたものかと考える。自分が行きたいところだが、エーテルパラダイスでの後始末はまだ終わっていない。その状況をわかっていたリーリエは、グラジオにあることを提案した。リーリエの提案にグラジオは目を丸くする。

「…リーリエ…、本気で言ってるのか?」

「…はい…。母さまのため、そして…何よりも自分のため…。あの人たちに近づくために…」

グラジオは、ヨウとククイのバトルを興奮した様子で見ていたリーリエに、昔のリーリエとは違う変化があったことに気づいていた。それもきっと、彼らとの島巡りを通じて生まれたものなのだろう。

「…おまえがそこまで言うなら、わかった」

「…ありがとうございます、兄さま」
 ▼ 397 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 00:36:34 ID:uwPw3SZQ [3/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
ミヅキとハウから連絡があったのはそのすぐ後のことだ。ヨウがチャンピオンになった祝宴があるので、リーリエも来ないかとのことだった。リーリエはルザミーネのことがあったのでどうしようか迷ったが、グラジオとビッケが行くべきだと言うので祝宴に出席することにしたのだ。

「あ、リーリエ!」

「おーい!」

久しぶりに見るような気がする、ミヅキとハウの顔。満面の笑みで二人はリーリエを迎えた。

「ミヅキさん、ハウさん!」

リーリエは二人の合流する。

「ヨウさんはいないんですね」

リーリエがそう言うと、ミヅキが口を開いた。

「うん、ヨウはポケモンたちのケアをしてる。アローラ最強クラスのトレーナーと5連戦だもん。そりゃきつかったはずだよ」

「そうですよね…」

「でも、リーリエが来てくれてよかったよ〜。きっと、ヨウも喜ぶだろうからね〜」

ハウにそう言われ、リーリエは少し表情を曇らせた。…皆に打ち明けねばならない…。これからのことを…。自分の決断を…。

リーリエは二人に自分の表情を悟られまいと二人の後についていった。


そして夕刻、リリィタウン中央の広場。祝宴が始まる前、ハラ、ライチ、アセロラ、カヒリの四天王たちと各島のキャプテンたち、そしてククイ、バーネット、マーレイン、ハプウの姿があった。どうやらヨウはまだ来ていないようだ。

「チャンピオン、現れませんね…。今日の主役だというのに…」」

カヒリはヨウが時間通りに来るのか心配しているようだ。アセロラはあっけらかんと言った。

「大丈夫大丈夫!ちゃんと来るって!あ、ほら!」

アセロラが指さした方向には、ヨウと彼の母が一緒に会場の入ってくるところだった。ヨウはリーリエの姿を見つけると、思わず走り出した。
 ▼ 398 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 00:37:26 ID:uwPw3SZQ [4/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「リーリエ!」

「ヨウさん!」

リーリエもヨウに向かって駆け出し、その手を取った。

「おめでとうございます!ヨウさんなら、きっとチャンピオンになれるって信じてました!」

リーリエは笑顔をはじけさせる。ヨウは彼女の曇りのない笑顔が大好きだった。思わずヨウも笑顔をはじけさせる。

「ありがとう、リーリエ!」

そこに、ハラがやってきてヨウに声をかけた。

「リーリエ殿、久しぶりですな。ヨウ殿はこの宴の主役…。少しの間お借りしますぞ」

ハラにそう言われ、リーリエは少し寂しそうな顔をした。それに気づいたのかハラはリーリエを安心させるように言った。

「なあに、どうせすぐに、皆思い思いに飲んで騒ぐものですな。リーリエ殿もヨウ殿と語り合いたいことがたくさんあるでしょうが、すぐにその時間は訪れますぞ」

「…ごめんね、リーリエ。また後で」

ヨウはハラについていく。そのときに見たリーリエの顔が、一瞬悲しそうに見えたのはなぜだろう。ヨウはリーリエのことが気になったが、この宴の主役と言われてはハラについて行かざるを得なかった。ヨウは後でリーリエと過ごす時間を取ろうと心に決め、ハラの後を追った。
 ▼ 399 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 00:37:53 ID:uwPw3SZQ [5/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「さあさあ、今日はアローラリーグの門出と、初代チャンピオン誕生を祝う宴ですぞ!皆、心ゆくまで楽しみましょうぞ!」

ハラの掛け声に、皆好きなドリンクを手に取り、乾杯をする。リーリエがちらっと見ると、ヨウはいろいろな人に声をかけられ、楽しそうに会話をしていた。
リーリエはミヅキ、ハウ、ハプウと一緒に話していた。

「すごいね〜。ヨウ、本当にチャンピオンになっちゃったんだ」

ハウは感慨深そうに言うと、ハプウが声をかける。

「何、おぬしとミヅキもわらわの大試練を突破したではないか。おぬしたちもそうそう引けはとらんぞ。ヨウを倒すのはおぬしらのどちらかではないかとわらわは思っているんじゃがな」

ハプウはパイルジュースを飲みながらハウに笑いかける。ミヅキも、ヨウを見つめながら静かに闘志を燃やしているようだった。

「…そうだね。私、島巡りをしてる間に、ヨウとバトルしたことないんだよね…。私もヨウと戦ってみたいな…」

ミヅキがそう言ったところで、アーカラ島のキャプテン、カキがステージへと上がる。後ろには山男のダイチとガラガラたちがいた。

「…カキです…。宴と言えば踊り…、踊りと言えばカキ…。俺のダンスで熱く燃えてください…」

カキとダイチは持っていたトーチ棒に火をつけると、音楽に合わせて踊りだした。周囲にいる人たちもカキとダイチに威勢のいい声をかけている。
 ▼ 400 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 00:38:26 ID:uwPw3SZQ [6/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「わー、ファイヤーダンスって、初めて見た!私たちも行こ!」

「おー!」

ミヅキ、ハウ、ハプウはカキたちの踊りを近くで見ようとステージの傍へと走っていった。
リーリエが周囲を見ると、ハラの言った通り、皆思い思いに酒やドリンクを飲んだり、料理を食べたり、語り合ったりしている。中でも目に付いたのは、ヨウの母がライチ、カヒリと一緒に酒を飲んでいた場面だった。ヨウの母はライチと意気投合したのか、アローラの強い地酒を二人でぐびぐびとすごいペースで飲んでいる。カヒリはアルコールが回って眠いようで、うつらうつらと舟を漕いでいた。

「…本当に…皆、思い思いに過ごしていますね…。だけど、楽しそう…」

一人取り残されたリーリエの傍に、ヨウがやってきた。

「リーリエ、楽しんでる?」

「ヨウさん…。はい、もちろん…」

リーリエはそう言うと、にっこりと笑った。リーリエは急に、ヨウと二人きりになりたくなった。そこで、ヨウに向かって言った。

「…ヨウさん、少し…離れた場所に行きませんか?」

「え?うん…」

リーリエはヨウの手を引き、マハロ参道へと向かった。
 ▼ 401 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 00:39:01 ID:uwPw3SZQ [7/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「久しぶりですね、マハロ参道…。初めてヨウさんとお会いしたのもこの場所でしたね…」

リーリエはマハロ参道を歩きながら言った。リリィタウンを見下ろせる場所までたどり着くと、リーリエは参道の脇にある石の上に腰を下ろした。ヨウもそれに倣って、リーリエの隣に腰を下ろす。

「そうだね…。本当、リーリエと会って、今みたいな関係になれるなんて、思ってなかったよ」

ヨウはリーリエの手をぎゅっと握る。リーリエは思わず、ヨウと口づけを交わしたくなった。
と、そこに、ヨウがほしぐもちゃんの入ったゴージャスボールを持っていることに気づく。

「ヨウさん、それ、ほしぐもちゃんのボール…」

「ああ、本当はリーグで戦ったメンバーを連れてきたかったんだけど、さすがに皆疲れてるみたいだったから、連れ回さない方がいいかなって思って、休ませてるんだ。それでなんとなく、ほしぐもちゃんに宴会ってどんなものなのか見せてあげようかと思って連れてきた」

ヨウはほしぐもちゃん、ソルガレオをボールから出した。ほしぐもちゃんはぐっと背伸びをしたのち、リーリエの隣に座った。

「ほしぐもちゃん、いい子にしてましたか?」

リーリエはほしぐもちゃんの頭を撫でる。ほしぐもちゃんは嬉しそうに喉をグルグルと鳴らした。

「…ヨウさん…」

「うん?」

リーリエは、ここでヨウに自分の今後について話そうと考える。だが、そのとき、胸が締め付けられるような感覚に陥り、声がかすれた。メレメレ島の大試練の前に、ヨウに自分とほしぐもちゃんのことを打ち明けようとして失敗したときのように。

「う…かはっ…」

「…?リーリエ!?」

ヨウは心配してリーリエの身体を支える。そのとき、宴のフィナーレを飾る花火が上がった。
 ▼ 402 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 00:40:59 ID:uwPw3SZQ [8/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
ドーン!ドン!

花火が上がる度にリーリエの顔が虹色に照らされる。ヨウは花火の光の中で、リーリエの背中をさすった。ほしぐもちゃんもリーリエを心配そうに見ていたが、リーリエがそのうち落ち着きを取り戻したのを見てほっと一安心した。

「…すみません、ありがとうございます。もう大丈夫です…」

リーリエはそう言ったが、ヨウはまだリーリエを心配そうに見つめていた。

「本当に大丈夫ですから…。でも、久しぶりに来ましたね…」

リーリエは立ち上がると、リリィタウンに戻ろうとする。ヨウはもう少し休んだ方がいいのではないかとリーリエに言ったが、リーリエはしっかりした足取りで歩いていた。

「そろそろ戻らないと、皆心配します。戻りましょう」

ヨウは仕方なく、ほしぐもちゃんをボールに戻し、リーリエの隣を歩いた。マハロ参道の道中で、リーリエはヨウに言った。

「ヨウさん…。あなたは…何があってもあなたのままでいてくださいね…」

リーリエのその言葉の意味はヨウにはわからず、彼は曖昧に頷くことしかできなかった。リーリエは肝心なことを言えない自分を情けなく思いながら歩き続けていた。


ヨウとリーリエがマハロ参道から戻ると、皆酔いつぶれた人たちを支えて連れ帰っていた。ここでネックになったのがライチ、カヒリ、そしてヨウの母親だった。ククイはいつの間にか無理やり酒を飲まされたようで、ハラがククイを担いで研究所に連れていくことになった。

とりあえずライチはマオとスイレンが、カヒリはカキとダイチが連れていくことになった。

「皆、アーカラ島まで帰るの?」

ヨウが尋ねると、マオは首を横に振った。

「あたしたち、イリマさんの家に今日は泊まるの。明日の朝アーカラ島に帰るよ。じゃあね、ヨウ、お休み」

マオは相変わらずの屈託のない笑顔でそう言った。残されたヨウは、自分の母親をどうしたものかと考える。すると、リーリエがヨウの母を運ぶのに手を貸すと言ってきた。

「ヨウさん、お母様を運ぶの、手伝いますよ」

リーリエの申し出に、ヨウは本当によいのかと尋ねる。

「リーリエ、いいの?帰れなくなるんじゃ…」

「後で兄さまに電話すれば大丈夫だと思います。申し訳ないのですが、今夜はヨウさんのお宅に泊めていただけますか?」

そう言うリーリエの瞳は熱を帯びている。ヨウは母親を自分の肩で支えながら、リーリエのその眼差しに思わず息を飲んだ。
 ▼ 403 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 00:51:00 ID:uwPw3SZQ [9/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
第104話はここまでです。
ポニ島編でいろいろやったので今更かもしれませんが、次回は本当に一線を越える描写を入れようと思っています。いや、やっぱりCEROをZまで上げるのはまずいのかなあ…。
少し悩ませてください。
それではまた。
 ▼ 404 ラピオン@やまぶきのミツ 20/06/11 06:49:21 ID:ZgqMMddw NGネーム登録 NGID登録 報告
一線越えるの!?

ヨウさんもリーリエもまだ18超えてないぜ?

支援
 ▼ 405 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 22:40:49 ID:uwPw3SZQ [10/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第105話ができましたので投稿します。
 ▼ 406 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 22:41:31 ID:uwPw3SZQ [11/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
Episode 105 満月の夜



ヨウは家への帰り道、ドキドキしっぱなしだった。リーリエに熱のこもった目で見つめられ、ヨウはなんとなく彼女が何を考えているのかわかっていた。そうなると、母が酔いつぶれているのは好都合だった。

今夜、リーリエとキスの先へと進む。ヨウだって興味はあるし、リーリエともっと深い関係になりたいという思いはある。しかし、いざそのときが迫っていると思うと、彼女を満足させられるのかという不安もヨウの心に芽生えた。
ヨウはちらりとリーリエの顔を見た。リーリエはヨウの視線に気づくと、つい彼の視線から逃れるように顔を逸らした。
ヨウもリーリエも緊張で黙ったまま、ヨウの母を支えながら満月の照らす夜道を歩いた。


「…よっこいしょ…っと!」

ヨウは酔いつぶれた母を寝室のベッドの上に寝かせると、リーリエに向き直る。

「リーリエ、ありがとう」

ヨウの母はすうすうと寝息を立てている。リーリエはため息をつくと、首の汗を拭った。

「…リーリエ、お風呂入れるよ。リーリエが先に入って」

「…はい、ありがとうございます。あ、ヨウさん、電話を貸していただけますか?」

リーリエはヨウが風呂を入れに行っている間に、グラジオへ連絡することにした。
グラジオは初めから今日はリーリエが帰ってこない可能性を考えていたようで、特に何も言うことはなかった。

「…しばらく会えなくなるからな…。わかった。後悔のないようにな」

「…はい。ありがとうございます、兄さま…」

リーリエは電話を切ると、ふっとため息をついた。

…後悔のないように…か…。

自分はこれから、長い間アローラを離れるつもりでいる。ルザミーネの治療のため、カントーへ行き、マサキを訪ねる。それと同時に、自分もトレーナーとしてカントーで修行したい。ヨウ、ミヅキ、ハウのようにポケモンと心を通わせ、ともに戦い苦難を乗り越えていきたい。ヨウ、ミヅキ、ハウにいろいろと教わりながら腕を磨くことも決して悪い選択肢ではないが、自分の力でどこまでやれるのか、試してみたいという思いも強くあった。
 ▼ 407 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 22:42:02 ID:uwPw3SZQ [12/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
だが、そのことをヨウに打ち明けようとしたとき、胸が締め付けられ、言葉は遮られた。皆に、特にヨウにそれを打ち明けるのは辛い。愛している彼と離ればなれになるのだから。おして、ヨウの前で泣いてしまったら、きっと彼は自分を抱きしめ、慰めてくれるだろう。でも、それをされたらきっと、自分の決意を貫くことができなくなる。

…ごめんなさい、ヨウさん…。勝手な私を許してくれとは言いません…。でも、最後にあなたの愛を身体中に感じたい…

リーリエは身体の奥が疼くのを感じた。
そのうち、ヨウは風呂が入ったとリーリエに伝える。リーリエはヨウに礼を言うと、バスルームへと入っていった。

「…ふう…」

湯船に浸かったリーリエは、これからヨウとどのように過ごそうか考えていた。いや、正確に言うなら、ヨウをどう誘い、彼と一つに繋がるかということを。
リーリエは考えれば考えるほど、湯船に張ったお湯よりも熱いものが身体の奥から沸き上がってくるのを感じた。
そして、リーリエは自分の秘所に手を伸ばす。身体の疼きを反映するように、リーリエの秘所は熱い蜜を湛えていた。

「…ん…っ…、あっ……」

リーリエは疼きを落ち着かせようと、自分の秘所を慰める。だが、慰めても慰めても、身体の熱は引くことはない。リーリエの脳は、愛しい彼と一線を越え、一つになりたいという欲望以外の一切を吹き飛ばした。
 ▼ 408 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 22:42:46 ID:uwPw3SZQ [13/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
その頃、ヨウは自分の部屋にリーリエの分の布団を敷いていた。彼の男性の証は、愛しい彼女との初体験に向けて期待を膨らませていた。ヨウは頭を振って、冷静になれと自分を言い聞かせる。
リーリエは自分のことを信じてくれているのだから、彼女を傷つけてはいけない。それに、自分達には身体を重ねて愛し合うなどというのはまだ早い。

ヨウは深呼吸すると、自室に持ち込んでいた水を飲み干した。そして、自分に言い聞かせるように言った。そのうち、リーリエが風呂から上がったとヨウに部屋の外から声をかけた。
ヨウが部屋から出ると、リーリエの姿はない。

「…リーリエ?」

ヨウがリーリエを呼ぶと、キッチンからリーリエの声がした。

「すみません、冷蔵庫の中のお水をいただきますね」

「ああ、キッチンにいるのか。いいよ。好きに飲んで」

ヨウはリーリエが水を飲みに行っただけだと知り、風呂に向かった。

風呂の中で、ヨウは考えていた。もし今夜、本当にリーリエを抱くことになったら…。一度は冷静にさせたはずの彼の男性の証は、再び頭をもたげる。ヨウは清楚なリーリエに限ってそんなことはないと思いながらも、万が一のときのことを念入りに身体を洗い、清潔にしておくことにした。

風呂から上がったヨウが自室の前に戻り、今一度深呼吸した。ヨウは驚きに目を見開くことになった。リーリエはバスタオルを身体に巻いただけの姿でヨウのベッドに座っていたのだ。

「…リ…リーリエ…。もしかして着替え持ってなかったの?僕の服でよければ貸すから…」

ヨウはリーリエから目を背け、衣装ケースの中から自分のTシャツとハーフパンツを取り出そうとする。そこに、ふわっと女性特有の匂いを感じ、ヨウは背後から自分の身体に腕を回されていることに気づく。

「…リーリエ…。その…」

ヨウの心臓は飛び出そうな程に早鐘を打っていたが、リーリエはお構いなしにさらに腕をきつく締める。
身体に巻いたバスタオルはハラリと落ち、リーリエはその美しい裸体を露にする。
ヨウはリーリエがまとっていたバスタオルが自分の足下に落ちていることに気づいていた。つまり、このまま振り返れば、一糸まとわぬリーリエがそこにいる。
 ▼ 409 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 22:43:43 ID:uwPw3SZQ [14/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「…ヨウさん…」

「…は…はいっ…」

思わずヨウはビクッと身体を震わせた。

「…服はなくても大丈夫です…。ヨウさん…。ポニ島の続き…したくなっちゃいました…」

リーリエは甘えるような声で、ヨウの耳元でささやく。ヨウも理性が溶かされそうになっていた。

「リ…んっ…!?」

ヨウがリーリエの方に顔を向けようとすると、リーリエはヨウの唇を奪った。ポニ島のときよりも、もっと激しい、情熱的な口づけ。ヨウもどんどん理性を失いつつあった。

「…ヨウさん…」

リーリエが腕をほどくと、ヨウはリーリエへと向き直る。息を呑むほどの美しい裸体を見せられ、ヨウは興奮よりも目を奪われて完全に動きを止める。

「…ヨウさん…。私は大丈夫ですから…。だから、たくさん愛してください…」

リーリエにそう言われ、ヨウも我慢できずに服を脱ぎ捨てる。リーリエは嬉しそうに微笑んだ後、少し恥ずかしそうに言った。

「…電気を消してくれますか…?」

「…うん…」

ヨウは部屋の灯りを消す。これで視界は遮られたかと思いきや、ヨウの部屋には満月の光が差し込み、リーリエの裸体を青白く、鮮やかに照らす。ヨウの男性の証に集中していた血液が一瞬引くほどの美しさだった。だが、リーリエはヨウとともに彼のベッドに入ると、もう止まらなかった。
ポニ島で抱き合って何度もキスを交わしたのが児戯であったかのように、リーリエとヨウは激しく、貪るように唇を絡ませる。ヨウは我慢できずにリーリエの口内に自分の舌を差し込むが、リーリエは拒絶することなくヨウの舌に自分の舌を絡めた。
互いに服を何も着ていないので、当然抱き締め合う度に肌と肌が吸い付くように重なる。ヨウはそのことに興奮よりも歓びを覚えており、それだけで不思議な満足感を得ていた。
リーリエも彼と肌を重ね合うことに歓びを感じていた。彼に覆い被さられた状態で背中に回された腕、自分の胸に重なる彼の胸、絡み合う舌、そして、下腹部に当たる彼の興奮の証も、全てが愛しかった。
 ▼ 410 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 22:44:43 ID:uwPw3SZQ [15/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「…ヨウさん…。愛してます…」

「…僕もだよ…。リーリエ…」

ヨウにそう言われ、リーリエは自分の下腹部の奥が強烈に疼くのを感じた。

繋がりたい…

リーリエは脚を軽く開き、ヨウの身体をその間に誘う。ヨウはリーリエが自分と繋がる覚悟を決めたのだと悟った。

そして…

ヨウとリーリエは一つになった。ヨウは凄まじい興奮と快楽、征服感に襲われた。
しかし、リーリエのすすり泣くような声にハッと我に返る。

「…くっ……、うぅ……」

リーリエは痛みに耐えているのだとヨウは気づき、リーリエができる限り痛くないようにと身体の動きを止めた。

「…ご…ごめん、リーリエ…。痛いよね?無理なら言って?抜くから…」

リーリエが痛がっているのは明らかなのだから、自分から抜けばいいのにとヨウは言った直後に思った。しかし、リーリエと繋がった歓びを少しでも長く味わっていたくて、ヨウは自分から抜くことは結局できなかった。
二人はそのまま行為を続けた。リーリエは痛みに耐えながらヨウを受け入れた。しかし、リーリエが感じていたのは、ヨウを初めて受け入れたことによる身体の痛みに以上に、これから彼と離ればなれになる寂しさから来る胸の痛みだった。
 ▼ 411 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 22:45:23 ID:uwPw3SZQ [16/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
行為を終え、ヨウは明るい満月に照らされながら静かに寝息を立てていた。リーリエはまだ起きており、ふと思い立つと、裸のままヨウの家のテラスに出ていった。
大きな満月がリーリエの裸体を照らす。リーリエはその光の中で涙を溢した。

「…ヨウさん…。ごめんなさい…。あなたにお別れを言わなくてはと思っていたのに…」

リーリエは自己嫌悪に陥る。自分はあと数日で、ルザミーネの治療のためにアローラを離れる。それも、少しの間ではない。
彼の優しさに触れたら決意が揺らいでしまいそうで、決意が揺らぐのが怖い。だけど、自分を忘れてほしくない。ずっと愛していてほしいから、彼と一つになりたい。
思い返すほどに、自分はこんなに、吐き捨てるほどに身勝手な人間だったのだなと思い知る。

彼に望み通りに抱かれたというのに、リーリエの胸には悲しみしか湧いてこない。リーリエはテラスの柵に突っ伏し、そのまま声を出さぬようにして泣いた。心臓を引き裂かれるような胸の痛みを感じながら、リーリエは優しい月明かりに抱き締められるように照らされていた。

そして翌朝、ヨウは目を覚ました。隣にはきっと、愛しいリーリエがいてくれる。ヨウはこれから、リーリエとたくさんの思い出を作り、たくさん愛し合っていけるものと信じて疑わなかった。
だが…

「…リーリエ…?」

昨晩愛し合った彼女の姿は、どこにもなかった。
 ▼ 412 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/11 22:46:14 ID:uwPw3SZQ [17/17] NGネーム登録 NGID登録 報告
第105話はここまでです。
次回は最終回、リーリエの旅立ちとなります。
それではまた。
 ▼ 413 ネボー@カセキのサカナ 20/06/11 23:18:14 ID:G7lY3Zp6 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
次回が最終回か🎵
リーリエ編も書くのかな❔
トレーナーになったリーリエも見たい✨
支援🎵
 ▼ 414 リアドス@ももいろはなびら 20/06/12 05:19:06 ID:HplMBM32 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
本当に一線越えてて草

最終回、ゼンリョクで支援します
 ▼ 415 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/12 22:14:39 ID:6fUw13GI [1/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第106話ができたので投稿します。
 ▼ 416 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/12 22:15:25 ID:6fUw13GI [2/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
Episode 106 リーリエの旅立ち


ヨウと愛し合った翌日の朝早く、リーリエはククイの研究所を訪れていた。ククイとバーネットに自分がこれからアローラを離れることを伝えるために。
リーリエがチャイムを鳴らすと、少し気分の悪そうなククイが姿を現した。

「はい、アローラ…。あれ…?リーリエ?」

ククイはリーリエがなぜこんな朝早くに研究所に来たのかと目を丸くする。

「…アローラ、ククイ博士。朝早くからすみません…。少しお話したいことがあるのですが、バーネット博士もいらっしゃいますか?」

リーリエの思い詰めた顔に、ククイは何事かとバーネットを起こし、一緒にリーリエの話を聞くことにした。

リーリエが話を聞いた二人は、程度の差はあれどショックを隠せなかった。特にバーネットは強いショックを受けているようで、言葉を失っていた。

「…リーリエ…、本当にアローラを離れるの?」

「…はい…。母を助けるために、そして、自分自身のために…」

どうやらリーリエの決意は固いようだ。バーネットは涙を流しながら声を絞り出した。

「…そう…。わかった。リーリエなら、きっと強いトレーナーになれるはずよ…」

「…ありがとうございます、バーネット博士…」

リーリエはバーネットの激励の言葉に礼を言うと、立ち上がって研究所を出ようとした。そこに、ククイがリーリエを呼び止めた。

「…リーリエ、ヨウにはもう伝えてるのかい?」

ここで、リーリエは手をぴくっと震わせた。

「…ヨウさんには…言わないでいただけますか?きっと、彼に知られたら決意が揺らぐと思うので…」

リーリエは少し声を震わせながら言った。それを聞いたククイは、軽くため息をついてから頷いた。

「…わかった。そこまで言うなら、ヨウには伝えないでおくよ。出発の日には見送りに行くから、決まったら教えてくれ」

ククイの言葉を聞き、リーリエは少し安心して研究所を出ていった。
 ▼ 417 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/12 22:16:19 ID:6fUw13GI [3/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「……はあ……」

「どうしたの?チャンピオンになって、皆に祝ってもらったのに、元気ないじゃない」

朝食の席でため息をつくヨウに、彼の母が声をかける。リーリエと昨晩一線を越え、愛し合ったのに彼女は早朝に姿を消していた。枕元には彼女の書き置きがあり、朝早くにエーテルパラダイスに戻らなければならない旨が書かれていた。
…もしかして、自分との行為が嫌で、彼女は出ていったのだろうか…

ヨウの脳裏にはネガティブな考えが浮かぶ。結局、その後はリーリエとは連絡を取りづらい気がして、そのまま数日が経過した。


そして、ある日の朝、ヨウが彼の母と家の片付けをしていると、ハウから連絡が入った。

「ヨウー!大変だよー!」

ヨウがロトム図鑑を開くと、ハウは非常に慌てた様子でまくし立てた。

「ハウ?どうしたの?」

ヨウはハウがなぜ慌てているのかわからず、その理由を尋ねる。

「リーリエが……リーリエが……!」

リーリエがどうしたというのだろう?ヨウは首を傾げながらハウの次の言葉を待つ。

「リーリエが…アローラを離れるって……!ハウオリシティのポートエリアを、今から出発するって…!!」

ヨウとヨウの母は驚いて同時に目を丸くする。
なぜ?どうして?

ヨウにはいくつもの疑問が浮かんだが、それを確かめるためにはリーリエに会いに行くしかない。ヨウは片付けかけていたものを放り出してポートエリアを目指して飛び出していった。
 ▼ 418 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/12 22:16:48 ID:6fUw13GI [4/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「…カントーは遠いからね。気をつけて、リーリエ」

ククイはハウオリシティのポートエリアにリーリエの見送りに来ていた。

「研究所のロフトはそのままにしておくよ。リーリエがいつ帰ってきてもいいようにね」

ククイがそう言って見せた笑顔に、リーリエは少し感情が昂ったが、深呼吸をして落ち着かせた。

「…ありがとうございます、ククイ博士。…バーネット博士は…」

「ああ、バーネットの奴、絶対泣いてしまうから見送りに来たくないって言ってさ…」

「そうですか…」

リーリエは少し救われた気になっていた。旅立ちのとき、もし誰かが泣き顔で自分を見送ったなら、きっと自分も寂しさから泣いてしまうだろう。どうせなら、笑顔で見送られた方が楽しい思い出だけを持っていける気がしていた。そうすると、見送りがククイだけというのはかえってよかったのかもしれない。

リーリエは軽く目を閉じ、深呼吸した。そろそろ船に乗る時間だ。リーリエが乗り場へ向かって歩き出そうとしたそのとき、彼女の名を呼ぶ声がした。

「リーリエ!!」

リーリエは驚いていた。そこにいたのはハウ、ミヅキ、そして…

「ヨウ…さん…?」

リーリエは目を丸くしていた。なぜ彼が?ククイが約束を破ったのかとリーリエはククイの顔を見る。
 ▼ 419 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/12 22:17:15 ID:6fUw13GI [5/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「…ヨウには言ってないよ?僕はハウに言っただけで」

ククイはとぼけたように頬をかきながら、リーリエから目をそらした。

「リーリエ…どうしてカントーに行くの…?」

ミヅキが尋ねる。リーリエは一緒に島巡りをした3人に全てを打ち明けることを決めた。

「…母の治療のためです…」

「…ルザミーネさんの…?」

リーリエはこくりと頷くと、ルザミーネの置かれた状態を話し始めた。

「…母は、ウルトラビースト、ウツロイドの神経毒に侵された状態で、通常の治療では回復は難しいそうです。でも、母の治療の手がかりになるかもしれない人が、カントーにいる…。私はその人を訪ねようと思っています」

「………」

ヨウ、ミヅキ、ハウは黙ってリーリエの言葉を聞いていた。リーリエはさらに続けた。

「…それと、私、カントーでトレーナー修行をしようと思ってるんです。私の力で、いつか皆さんに追いつきたい…。ポケモンとともに戦い、苦難を乗り越えてきた皆さんに、私も…」

リーリエは声を震わせることなく、笑顔のままそう言った。

「そんな…。急すぎるよー!」

ハウとミヅキはボロボロと涙を溢している。ヨウは、リーリエの笑顔が作られたものだとわかっていた。でも、この笑顔はきっと、リーリエの決意の現れ。だから、自分も笑顔で彼女を見送らなければならない。ヨウは、リーリエの腰のベルトに二つのモンスターボールがついていることに気づいた。
 ▼ 420 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/12 22:17:54 ID:6fUw13GI [6/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「それ…リーリエのポケモン?」

ヨウが尋ねると、リーリエは得意気に言った。

「はい!ここ数日の間にゲットしました!」

そして、リーリエは泣いているミヅキとハウに近づき、二人の手を取った。

「…泣かないでください。私には共に旅をしてくれる仲間もいます。カントーに行っても大丈夫ですから…」

「…うん…。ぐすっ…。手紙書くよ。すごい長いやつ…」

「はい…。楽しみにしてますね」

ハウが声を絞り出してそう言ったのを聞き、リーリエはヨウの方へと近づいてきた。

「…ヨウさん、これを受け取ってください。少しくたびれてますが、私の宝物です」

リーリエはそう言うと、リュックからピッピ人形を取り出した。ヨウはそれを黙って受け取ると、その瞬間、リーリエに抱き締められた。

「…リーリエ…?」

「…ヨウさん…。あなたは、世界一のトレーナーです…」

ヨウは、リーリエの声と腕がかすかに震えたことに気づいていた。

「…きっと戻ってきますから…。だから…、そのときまで……」

リーリエが泣き出しそうになったことに気づいたヨウは、自分から彼女の唇を奪った。リーリエはヨウの大胆な行動に驚きながらも、彼の温もりに安堵して目を閉じる。ヨウが唇を離すと、彼はリーリエに優しく笑いかけた。

「…僕は大丈夫…。リーリエが強くなって戻ってくるのを、ずっと待ってるから…」

「…ヨウさん…。はい…」

ここで、リーリエはヨウから身体を離した。リーリエはヨウの腰についたほしぐもちゃんの入ったボールを軽く撫で、それをさよならの代わりにした。

「…じゃあ、私、もう行きますね。…アローラ」

リーリエはヨウたちに背を向け、船へと乗り込んでいった。
 ▼ 421 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/12 22:18:46 ID:6fUw13GI [7/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「…うう…ぐすっ…」

リーリエの乗った船を見送っていたハウとミヅキは、まだ別れが悲しいようで涙を流していた。
ヨウは二人を羨ましく思っていた。彼女と恋仲になった自分は、彼女の決意を後押しすべく、寂しさや悲しみといった感情を表に出さないように涙をずっと我慢しているのだから。

「…悲しいよな…。涙出ちゃうよな…。でも、大切な人を見送るときは、笑顔だぜ」

ククイはそう言い、ハウとミヅキの肩をぽんと叩く。ハウとミヅキは落ち着いたようで、涙を腕でぬぐった。

「…うん…。そうだよね…」

ハウとミヅキは涙で濡れた口角を無理やり吊り上げる。遠ざかる船の中で、リーリエも笑顔でいてくれればいいなと3人は思っていた。


「…お帰り、ヨウ」

「…ただいま…」

家に帰ってきたヨウを、彼の母が出迎えた。

「ちゃんと、リーリエちゃんとお別れはできた?」

母に尋ねられ、ヨウはゆっくりと頷いた。

「…ちゃんとお別れできたよ…。リーリエが決めたことだから…」

ヨウはそう言いながら、だんだん目線が下へと向かっていった。

「…リーリエの決意を、僕が邪魔しちゃいけないって…。だから…ちゃんと笑顔で、リーリエを送り出してやらなきゃって…」

ここで、ヨウは母にぎゅっと抱き締められた。
 ▼ 422 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/12 22:19:18 ID:6fUw13GI [8/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
「…馬鹿ね…」

ヨウの母は息子を抱く腕に、さらに力を込めた。

「…格好つけなくてもいいの。泣いたっていいの。どんなにトレーナーとして強くなっても、チャンピオンになっても、あんたはまだ子供なんだから…。格好をつけるのは、もっと後からでも遅くない。…好きだったんでしょ?リーリエちゃんのこと」

母にそう言われ、ヨウの目から涙が堰を切ったように溢れた。

「…ううっ…。ひぐっ…」

言葉にならない嗚咽がヨウの口から漏れる。ヨウは母に抱き締められたまま泣きじゃくった。リーリエとのアローラでの思い出がヨウの脳内で暴れ回り、彼の感情を刺激した。ヨウの母は息子が泣き止むまで、優しく彼を抱き締めていた。


リーリエが旅立った数日後、ミヅキとハウがヨウの家にやって来た。

「アローラ、ヨウ!」

「ハウ…、ミヅキ…」

ヨウはまだリーリエと離ればなれになったショックから抜け出せずにいた。

「どうしたの?」

ヨウが二人がやって来た用件を尋ねると、ミヅキが口を開いた。

「リーリエに手紙を書こうと思ってさ。でも、ただそれだけじゃ面白味がないから、いろいろ写真も一緒に入れようと思って」

「写真…」

「そうそう!リーリエに、アローラの皆が応援してるよって伝えたくてさー!」

ハウがにかっと笑う。ヨウも、確かにいい案だと考えた。

「…そっか。確かにいい案だね。その写真を撮りに行こうってこと?」

「そうそう!ヨウも行こうよー!」

ハウはヨウの手を掴み、そのまま引っ張っていく。

「ハウ、そんなに引っ張らなくても大丈夫だから…。ママ、ちょっと出かけてくる!」

ヨウはハウとミヅキに連れられ、家を出ていった。ヨウには、このとき既に、リーリエに必ず送ろうと決めていた2枚の写真があった。
 ▼ 423 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/12 22:20:03 ID:6fUw13GI [9/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
カントー地方、ハナダシティ。リーリエはここを拠点としてトレーナー修行をしていた。その彼女の元に、アローラの仲間たちから手紙と写真が届いた。皆の近況報告と、彼女への応援のメッセージがたくさん入っている。

「…わあ…。すごい…。こんなにたくさん…。あっ…」

リーリエはたくさんの写真の中から、とある2枚の写真に目が止まった。
一枚は日輪の祭壇でソルガレオの、ほしぐもちゃんの頭を抱いている写真、そしてもう一枚は…

「…私たちの…旅立ちの記念…」

写真の左から順に大きく口を開けて笑うハウ、その隣に白い歯を覗かせるミヅキ、口角を上げたヨウ、そして皆と同じく笑顔のリーリエ。ハウオリシティで、ヨウ、ミヅキ、ハウ、リーリエの4人をロトムが不意打ちで撮った記念の写真。

「…もう…。こんなの送ってくるなんて、ずるいですよ…」

リーリエの目から涙が溢れる。そして、郵便物の一番奥底に、何か硬いものが入っていることに気づいた。

「…?なんでしょうか…。あっ…」

リーリエが取り出したのは、島巡りの証だった。


ヨウは、島巡りの証を取り外した自分のリュックを見つめていた。

「リーリエ…。必ず帰ってきてね…。応援してるから…」


リーリエは島巡りの証を自分のリュックに取り付けた。

「もう少し、待っていてください…。私も…皆さんに並べるようにがんばりますから…」

リーリエは島巡りの証をつけたリュックを背負う。
 ▼ 424 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/12 22:20:46 ID:6fUw13GI [10/11] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
皆に会えてよかった…

……あなたに会えてよかった…


リーリエはアローラで出会った人々のことを、そして、最愛の人を思い浮かべながら、笑い、力強い一歩を踏み出した。

もう寂しくなんかない。私には、応援してくれる人が、支えてくれる人がいるから。
リーリエの島巡りの証が、太陽の光を受けてキラリと輝く。その光は、遅ればせながらリーリエの決意と旅立ちを真に祝福していた。
 ▼ 425 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/12 22:33:59 ID:6fUw13GI [11/11] NGネーム登録 NGID登録 報告
第106話はこれで終わりです。
11ヶ月もの長い間、稚拙な物語にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
始めた当初はここまで書ききれるか不安でしたが、皆さんに支援をいただき続けることができました。
サンムーンは私がHGSS以来ポケモンに復帰した作品で、しかもこれまでのポケモンと打って変わってストーリー重視の雰囲気が非常に新鮮に映りました。
こんな素晴らしい作品に出会えて、本当に良かったと思っています。

今後は少しインターバルを置いて、第二章のウルトラビースト編を書こうと思っています。またいつか、お会いしましょう。

アローラ!
 ▼ 426 ナヘビ@ほしのかけら 20/06/12 22:36:30 ID:HplMBM32 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
………………泣いた

とりあえず乙です
感動の超大作をありがとうございました!本当に楽しませてもらいました
そして続編支援です



……プレイしてたときのこと思い出すのもあってガチで涙が止まらないんだけど
 ▼ 427 ルビル@ピカチュウZ 20/06/13 11:49:39 ID:YIUgA/Oo NGネーム登録 NGID登録 報告
乙っす
二章も待ってます。
 ▼ 428 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/06/13 17:43:20 ID:hQpIfWjk NGネーム登録 NGID登録 報告
すみません、インターバルは20時間程度だったようです。
第2章を、新スレッドを立てて始めました。

引き続きよろしくお願いいたします。

ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く 第2章 UB捕獲作戦
https://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=1227914
 ▼ 429 ウカザル@ぎんのナナのみ 20/06/13 19:29:21 ID:Drc2jhe. NGネーム登録 NGID登録 報告
まずは、第1章完結お疲れ様です!
今までプレイしたポケモン作品の中でも個人的に最も好きで感動した作品がサンムーンでした。
この感動したストーリーに加えサンムーンとは少し違った視点から書かれたストーリーがとても新鮮に映りました。
そして、感動しました。
第2章の更新も楽しみに待っております。
自分でも何書いてるかよく分からないような文章を書いてしまい申し訳ありません。
とにかく、大支援です!
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