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【ポケモン剣盾】ポケットモンスター - ガラル全土狂信の危機 - 【SS】

 ▼ 1 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:50:46 ID:RszQgYTc [1/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【最初に】
このSSには以下のものが含まれます。
・基本的にはゲーム準拠のキャラクター登場
・独自設定あり
1.御三家はマサル、ユウリ、ホップが所持(ダンデは御三家なし)
2.各伝説はマサル、ユウリ、ホップが所持
3.マサルとユウリはホップ同様幼馴染設定。血縁関係等はなし。ユウリの親は海外出張中。
4.ジムチャレンジは後からでも参加可能。
5.独自の用語あり…Kポケモン
6.サイトウ&オニオン、マクワ&メロンは全員存在しています。設定としては同じジムにいて、チャレンジ時は選択制です。
・死亡描写あり
・ポケモンの鳴き声は殆ど省略します。ごめんなさい。(アニメやゲームの参考材料が現時点足りなすぎるので、ホントごめんなさい。)

【登場人物】
・ソードシールドの主人公2人+ゲーム準拠の登場人物
・オリジナルキャラ(#0では「謎のチャレンジャー」と表記)
・???

【世界観】
https://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=1078278
(1)時系列的には上記SS(以下、「前作」とする)の続きとなっています
(2)ソッド、シルディの起こした騒動が解決した後のガラル地方が舞台。

【Kポケモン】
オリジナルキャラクターが生み出した、見た目はポケモンのような電子生命体。
今回のストーリーのキーワードとなり、その存在はストーリー中にて明かします。



以上が苦手な方はブラウザバックを推奨いたします。
それでも大丈夫な方は、ゆっくり見ていってね!
--------------------
 ▼ 2 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:51:51 ID:RszQgYTc [2/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

Episode#0〜プロローグ〜
2019年11月某日――バウタウン――
???「……ようやく着いた。ここがガラル地方だね。」


――5番道路――
???「とりあえず何匹かゲットしておかないとな。」



???「これから宜しく。レドームシ、コイキング!」


――第二鉱山――
???「…よし、ゲット。ガラル地方のマッギョってこんな姿してるんだな。」


――バウタウン・シーフードレストラン防波堤――
???「……初めまして、ローズ委員長。僕の名前は――」
???「…なるほど。わかりました。エンジンシティでの開会式はもう終わっていたんですね……えっ?ジムチャレンジに参加していいんですか?ありがとうございます!」
???「………数分前に僕と同じく後から参加した少年がいる、ですか。情報ありがとうございます。」



――3ヵ月後、エンジンシティ・ホテルスボミーイン――
???「…ダイマックス騒動は何とか片付いたけど、調査している間にチャンピオン決まっちゃったな…。」
???「…けど、僕にもまだやることがある。」

???「そういえばもう1人僕と同じく後から参戦したトレーナーがいたって言ってたけど、誰なんだろ…?」
 ▼ 3 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:52:13 ID:RszQgYTc [3/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――2019年1月、ホテルスボミーイン――
謎のチャレンジャー「よし。手始めにワイルドエリアの準備は完了したね!」
謎のチャレンジャー「えーと…スマホロトムでポケモン交換の掲示板を立てて…っと。」

1 atora◆~~~~~ 19/01/07 00:00:32
ハロー!アトラですっ!ポケモン交換募集しちゃいます!
求)なんでもいいよ!
出)ドラメシヤ、トゲピー、ミミッキュ、ヤクデ、モノズ、ニャビー、アシマリなど(他応相談)



謎のチャレンジャー「順調順調♪どんどん配って皆ハッピー、それが一番だね☆」


1 atora◆~~~~~ 19/01/07 09:05:04
ハロー!アトラですっ!ワイルドエリアで珍しいマックスレイドバトルがあるって!
大チャンス(^_-)-☆



1 atora◆~~~~~ 19/02/07 13:23:54
ハロー!アトラですっ!
ザシアン、ジラーチ、ネクロズマのレイドがあるらしい!
急げ―!



1 atora◆~~~~~ 19/02/07 13:23:54
ハロー!アトラですっ!
朗報!今出ているピカチュウレイドの中には
モンスターボールがたくさん貰えることがあるらしい!



謎のチャレンジャー「うんうん♪便利なものはどんどん受け入れていくべき!皆に幸せを配っていこう♪」
謎のチャレンジャー「ジムチャレンジやメタモン捕獲、預かり屋さんは…めんどくさいしやらなくていい!それがいい!」
謎のチャレンジャー「ボクが皆を幸せにしていくんだ!」



Episode#0〜プロローグ〜・完
 ▼ 4 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:52:42 ID:RszQgYTc [4/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

Episode#1〜巣穴〜

ポケットモンスター、縮めて"ポケモン"。
たくさんの謎を秘めた、不思議な生き物である。

人間となかよく暮らしているポケモンもいれば、
草むらや、洞くつ、海などに生息している野生のポケモンもいるが、
その生態については、まだわかっていないことも多い。

人々はポケモンの力を借りたり、助け合ったり、ポケモントレーナーとして
ポケモンを育てたり、戦わせたりしている。

ここ、ガラル地方は、おだやかな田園風景や近代的な都市、雄大な草原や雪山など、
さまざまな表情を持つ広大な地方である。
この地方で新たに発見されたポケモンや、ガラルの環境に適応するために
従来とは異なる姿をしたポケモンや、今までになかった進化も確認されている。

これは、そんなガラル地方で起こった出来事を描いた、もう一つの物語である。
 ▼ 5 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:53:54 ID:RszQgYTc [5/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――ブラッシータウン・研究所――
マサル「こんにちは!」
ホップ「お!やっと来たかマサル!待ちくたびれたんだぞ!」
ユウリ「マサルお疲れー!防衛戦見てたよー!」
マリィ「お疲れ。今回も防衛成功したね。あたしがあんたに勝つまで、負けるんじゃなかと。」
ソニア「お疲れチャンピオン。3人とももう来てるわよ。」

ここは、ブラッシータウン内にある、ソニアのポケモン研究所。
今日はガラル現チャンピオンのマサル、ソニアの助手であるユウリとホップ、現在のアラベスクタウン、スパイクタウンのジムリーダーを務めているビート、マリィが一堂に会する日である。

マサル「あれ?ビートはまだなの?」
マリィ「ビートはジム戦の後、またファンが殺到してるけん。遅れるらしいばい。」
ホップ「流石だぞ!ファンの対応もバッチリこなしているんだな!」

研究所で待ち合わせの約束をしていた5人。ビートが来るまでの間、茶菓子と会話を楽しんでいた。
マサル「ユウリとホップはどう?勉強は進んでる?」
ホップ「順調だぞ!勉強は大変だけど楽しくてさ、ちゃんと博士になってみせるぞ!」
ユウリ「私も手伝っているから大丈夫!それにホップは勉強に熱中してるときはご飯を食べるのも忘れちゃうから、私が作ることも多いの!」
ソニア「ユウリの手料理食べられるなんてほんとホップは幸せ者だね〜♪」
ホップ「いつもありがとな、ユウリ!」

ホップは勉強やデータの整理を中心に行う中、ユウリはデータの収集や勉強、料理を担っている。たまにソニアが「青春してるね〜」とからかっても、2人は恥ずかしがることなくむしろ嬉々としている。たまにまどろみの森の時みたいにホップが茶化し返すと頬を抓られることもあるのは内緒。
 ▼ 6 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:54:42 ID:RszQgYTc [6/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ユウリ「マサルはどう?ここのところずっとバトル続きで疲れてるでしょ?」
マサル「あぁ〜そうだね。流石に最近少し疲れてきたかな。それで今回の防衛戦の後、しばらく休暇期間になったんだよね。」
マリィ「そんなに休んで大丈夫?確かに休養も大事やけど訛ったりせんと?」
マサル「それは大丈夫かな。ダンデさんから持ち掛けてきた話で、しばらくはタワーのオーナー業務と書類作業を兼任するみたいなんだ。それに、訛らないよう自主トレは軽くやるからさ。」
ホップ「アニキめっちゃ大変そうだぞ…。」
マサル「俺もそう思って手伝おうとしたんだけど…むしろ嬉々として俺の作業も巻き取ったんだよね…(汗)」
ソニア「ホント、今のダンデ君ったらチャンピオンの時よりイキイキしてるわよね〜(笑)」

マサル「マリィもジムリーダーでしょ?最近あまり休めてなかったんじゃない?」
マリィ「そうね。前と比べてスパイクタウンも賑わうようになったけん、挑戦者もそれなりに多いとよ。」
ユウリ「ネズさんのストリートライブも賑わってるでしょ?その流れで挑戦しに来る人も多そうだねぇ〜。」
マリィ「案外そうでもなかと。最初の内はユウリの言う通りやったけど、最近はマリィへの挑戦が目的だって言ってくれる人が多くて嬉しか!」
ホップ「マリィもどんどん注目されている証拠だな!羨ましい限りだぞ!」
マリィ「ホップとユウリも、博士として成就すればきっとその名はガラル中、いやガラルの外にまで響くばい。あたしが保証するけん。」
マサル「マリィのお墨付きなら大丈夫だな!」
ユウリ「えへへぇ〜///ありがとうマリィ、マサル〜!」ギュッ
マリィ「ん。」ムギュ

ホップ「もう見慣れた光景だぞ…(笑)」
ソニア「ホントはホップもああやってユウリに抱き着きたいんじゃないの〜?」ニヤニヤ
ホップ「ん?オレはユウリに抱き着かれてたぞ!」ニカッ
ソニア「………え?










マジで???」
 ▼ 7 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:55:17 ID:RszQgYTc [7/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ホップをよくからかってはからかい返されるソニアだが、流石に予想外だったためか唖然とする。
ここまでは良かったのだが…

ホップ「一昨日ユウリが凄く疲れてそうだったから何か手伝おうとしたんだけどさ、そしたら抱きついてきてそのまま寝ちゃ……ソニア?」
マサル「あー…紅茶が甘いわ。ソニアは甘くなさそうだけど。」

盛大な惚気話を聞かされてマサルは受け流すが、ソニアは唖然としたままであった。そして――

ソニア「………。」
そのまま無言で研究所の2階に上がって行ったと思ったら大量の書類を持って降りてきて、ホップの前にドン!と置いた。

ソニア「ホップお前これのデータ整理明後日までにやっとけよ。」
ホップ「え、いやあ、ちょっと」
ソニア「返事は?」ニッコリ

ソニアはいきなり笑顔に変わったが目は笑っていなかった。流石にホップは逆らえず「…ハ、ハイッ、アシタトアサッテデシアゲマスソニアオネエサマ。」と答えるしかなかった。
その返事を聞いたのか、すぐにホップをからかっていた時のソニアに戻り、「よし!頼んだぞ少年!」と肩を叩いた。
 ▼ 8 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:56:03 ID:RszQgYTc [8/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マリィ「惚気話まではいらんかったとね。」
ユウリ「ん〜?マリィどうしたの〜?」
マリィ「ユウリは気にすることなか。」ナデナデ
ユウリ「はぁ〜い///」
マサル(ユウリはマリィに夢中で全く聞いてなかったな…ま、知らない方が良いか。)
マリィに髪を撫でられご満悦のユウリと、マサルに「大変ですね」と同情され「もうホントだわ…」と愚痴るソニアであった。



4人が談笑すること1時間、ビートが研究所に到着した。
その後5人はすぐに出発し、駅からワイルドエリア行きの列車に乗車した。

マサル「ビートもかなり大変そうだな。ファン相手には笑顔で対応なんだろ?」
ビート「ま、ぼくにかかればそれは問題ありませんよ。エリートですから。」
マリィ「あの爽やかな笑顔はマリィ達には見せてくれんと?」
ビート「貴方達の時までやるのはお断りです。それよりも、ポプラさんが毎日クイズを出してきたり書物を持ってきたりでそっちの方が余程疲れますよ。」
4人「「「「あっ………(察し)」」」」

それ以上何も追及するまいと判断した4人であった。

マサル「ある意味一番の苦労人かもな…ホントお疲れ様だぜ。」
 ▼ 9 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:56:30 ID:RszQgYTc [9/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――ワイルドエリア
ユウリ「よ〜〜っし、到着!」フンス
今日はマックスレイドバトルとキャンプ目的で来た一行。一番に駆け出して行ったユウリは「はやくおいでー!」と大きく手を振る。

ビート「彼女は変わってませんね。まぁ、ちょっと子供っぽいのが彼女らしいですけど。」
マリィ「素直に可愛いと言えばよか。」
ホップ「オレも行くからなー!」
マサル「さて、俺達も行こうか。」

ユウリ、ホップに続いて残る3人も集いの空き地からうららか草原に出る。途中で野生のポケモンと戦いながら、エンジンシティの門に繋がるキバ湖・東に出た。

マサル「とりあえずここにテントを張ろう。俺が見張ってるから、4人で行ってらっしゃい。」
ユウリ「えー!マサルも来てよー。」
ホップ「ユウリ、それは流石に無理だぞ。テントががら空きになっちゃうんだぞ。」
ビート「そもそもとしてマックスレイドバトルは4人までですよ。というか、何故ぼくも行くんですか…。」
マサル「ビートも疲れてるだろうしさ、俺は大丈夫だから行っといでよ。」
マリィ「観念するけん。ホントはビートだって行きたいんじゃなかと?」

こうしてマサルを除く4人はあちこちの巣穴に行った。
マサルはと言うと4人から預かったカレーの食材と、持ち前の食材でカレーとその他に一品考えていた。
 ▼ 10 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:56:53 ID:RszQgYTc [10/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





――ユウリ達4人side
エンジンリバーサイドを抜け、ハシノマ原っぱに到着した4人は次々に巣穴へと飛び込んでいった。
ユウリがイエッサンで「ひかりのかべ」「リフレクター」を駆使してサポートしつつ、ホップのインテレオン、マリィのモルペコ、ビートのブリムオンで畳みかけるのがいつものやり方だ。
時々、相手によってはビートのニンフィアで「ひかりのかべ」を使用することもあり、その際ユウリは相棒のエースバーンか、伝説のポケモン・ムゲンダイナを使うという、より攻撃に寄せた編成になっている。
4人がそれぞれ欲しいポケモンを言い、ゲットチャンスはそのポケモンを欲しい人がボールを投げていたため、これまでマックスレイド関連で揉めたことは一度もない。
マサルが加わる場合でも同じになり、場合によっては全員攻撃役という編成もあった。


――夕暮れ
ユウリ「いや〜〜疲れたぁ〜っ!」
背伸びしながら歩くユウリ。
マリィ「みんなお疲れ。マサルが待ってるけん、早く帰ろ。」
微笑みながらユウリの隣を歩くマリィ。
ビート「まぁ、乱れることなく完璧なバトルでしたね。ぼくがいるからには当然の結果ですが。」
誇らしげに歩くがどこか嬉しそうな表情のビート。
ホップ「久しぶりにバトルができてスッキリしたな!」
頭の後ろに腕を組みながら歩くホップ。

6回行った中で皆お目当てのポケモンをゲットできて、戦果は申し分なかった。
4人は上機嫌でマサルが待つキバ湖への帰路を辿っていた。
 ▼ 11 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:57:20 ID:RszQgYTc [11/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

すると、途中、エンジンリバーサイドの巣穴から4人のトレーナーが飛び出した。
どうやらピカチュウのレイドだったようだ。
ビジネスマン「凄かったな!こんなにヘビーボールがもらえるなんて!」
ポケモンブリーダー(女)「ムーンボール欲しかったんだぁ〜よかったぁ〜!」
おとなのおねえさん「やっぱり今日アトラさんが言っていたことは本当だったんだ!」
げいじゅつか「これ程の芸術は見たことがない!アトラさん万歳!」

4人は「アトラ」と呼ばれる人物を称賛していた。
そして先程までのユウリ達よりはるかに上機嫌のまま帰って行った。

ユウリ「…さっきの人達、すごい喜んでいたね。」
ホップ「ヘビーボールにムーンボール…どれも珍しいボールだな、オレだって1個ずつしかないぞ。」
マリィ「けど、マリィ達が会ったピカチュウのマックスレイドに、そげん大層なものはなかったばい。」
ビート「あの巣穴を調査したいところですが、無暗に近づかない方が良いでしょう。マサルにも相談しましょう。」

4人は少し急ぎ目で帰ることにした。
 ▼ 12 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:57:46 ID:RszQgYTc [12/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



―――夜・キバ湖・東
マサル「ピカチュウレイドから珍しいボールがたくさん?」
ユウリ「うん。聞き間違いなんかじゃないわ。ここにいるみんな聞いたもん。」
ホップ「それに、皆『アトラ』って名前のトレーナーのお陰だーって言っていたぞ。」
マリィ「当然マリィ達のレイドにそんな報酬はなかったし、そのアトラって人もあの4人の中にはいなさそうだったばい。」
ビート「かなり怪しかったので、聞き込みも実地調査もしませんでした。下手に関わるより先に事前に情報を集めた方が良いと判断したまでです。」

4人は先程のことをマサルに説明した。マサルはカレーを作りながら話を聞き、考え込んだ。
マサル「アトラ、か……聞いたことあるような気はする。あ、ユウリ。そこにカットしてあるきのこパックがあるから鍋に入れてくれるかな。」
ユウリ「はーい。」
そしてマサルはユウリとマリィにカレーの鍋を託し、野菜の仕込みを始めた。
テーブルなどのセッティングをしているホップとビートがマサルに問いかける。
ホップ「聞いたことあるって、ホントなのか?」
ビート「無名のトレーナーなどに興味はなかったので、ぼくも知りませんね。」
マサル「ああ。ちょっと前にスマホロトムで検索していたら偶々ヒットしたサイトがあってね。とりあえず夕食の後にもっかい調べてみるよ。」

そうしている内に「いろいろキノコカレー」とサラダができた。
ちなみに最初はビートが甘口にしようとしていたが、他の人も食べたい味の意見がバラバラだったため普通の味にしたそうだ。
5人とその手持ちのポケモン達の分を作ったためかなりの量になったが無事平らげ、その後は総力で片づけをした。
 ▼ 13 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:58:00 ID:RszQgYTc [13/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マサル「アトラ、一応ジムチャレンジャーではあったみたいだね。トーナメントには一切名前が出てこなかったけど。」
ユウリ「そうなの!?」
マサル「ああ。ダンデさんがチャンピオンだった時でも当たるかもしれない選手の情報は調べていたし、俺がチャンピオンになってから何度かトーナメントにも出たけど、一度たりともその中にアトラという名前は見なかったな。」
ホップ「今は…いろんな情報を発信しているようだな。好きなポケモンと交換を募ったり珍しいレイドバトルを知らせたり…。」
ビート「しかも中には伝説のポケモンがレイドに…普通はあり得ませんね。」
マリィ「あたしもジムリーダーになってから聞いたことないね。さっきアニキに聞いてみたけど、アニキも聞いたことないって。」

マサルが見つけたネット内の掲示板を見ながら5人は話し合っていた。
ジムチャレンジャーとして登録はされているものの、実際に見かけた人は誰もいないという。



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2 ビジネスマン 20/05/25 19:30:31
アトラさんの情報提供に感謝!

3 ブリーダー女 20/05/25 19:31:09
これでピッピちゃんをいっぱい捕まえるんだ〜♪

4 お姉さん 20/05/25 19:31:42
ラブラブボールいっぱいくれたアトラさんに感謝感激しちゃ〜う♡

5 芸術家 20/05/25 19:33:00
アトラさん万歳!
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 ▼ 14 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/05 23:59:36 ID:RszQgYTc [14/14] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



その後もひたすらアトラを称賛するコメントが連続で続き、あっという間にそのスレッドは上限のコメント数1000まで達した。
ユウリ「ひえっ…不気味ね…。」
ホップ「大喜びなのはわかるけどここまで持ち上げるものなのか?」
マリィ「変な宗教みたいやね…気持ち悪か。」
ビート「今回ばかりはぼくも皆さんに同意見です。」

その後も情報収集は続いたが、特にこれと言って新しい情報の進展はなく、5人はテントで寝ることにした。




Episode#1〜巣穴〜・完
 ▼ 15 6NpEuhCrOQ 20/06/06 00:01:57 ID:rgeI.cIo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※本日はここまでです。
前作は連日投稿でしたが、今作は不定期で投稿していきます。あまり長く開けすぎないことと、失踪せず最後の6章まで完走しますのでご了承ください。

おやすみなさい。
 ▼ 16 ーマーガア@コインケース 20/06/07 17:08:14 ID:9Kw2Eelk [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

Episode#2〜暗躍〜

――ハロンタウン・ユウリ宅――
TV『次のニュースです。今朝、10番道路にて、男性2人の死体が発見されました。
登山中の方によって発見され、ドクターが駆け付けましたが、既に死亡していることが確認されました。
男性は2人とも縄で強く縛られ、殴られたような跡が全身に複数あり、警察は殺人事件とみて調査を進めています。』

ユウリ「………!」
朝食後、ニュースを見ていたのはハロンタウンで独り暮らしをしているユウリだ。
10番道路はシュートシティまでの最後の関門と言える雪山で屈強な野生のポケモンも多い。野生のポケモンを刺激して殺されたのかと思ったが、殴られたりした跡というだけでそう断ずるのは早計だ。
ユウリはスマホロトムを開き、5人のグループチャットを開いた。
 ▼ 17 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/07 17:08:38 ID:9Kw2Eelk [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜グループチャット(マサル・ユウリ・ホップ・マリィ・ビート)〜
ユウリ『朝からごめん!今日のニュース見た人いる??』
マリィ『殺人事件の話?』
ユウリ『うん、そうなの。』
ユウリ『どうしよう……』
マリィ『ガラルでこんな物騒な話、初めて聞いたばい。怖くて当然やね。』
マリィ『正直あたしも怖か。』

マサル『2人とも、ちょっといいかな?』
ユウリ『マサル!』
マサル『俺もそのニュースを見ていたんだ。で、さっきから昨日の情報収集してたらこんな書き込みがあったんだ。』

『マサルが写真を送信しました。』
マサルはそう言ってスクショとURLを送った。別のスレッドのようだ。
 ▼ 18 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/07 17:09:06 ID:9Kw2Eelk [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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2020/5/25 23:22頃
A『アトラって、何か胡散臭くね?絶対おかしいだろそんなに報酬出るなんて。』
B『だよな。しかも強いポケモンを交換してもらえるのにこっちは好きなポケモンでもいいって。』
お姉さん『え?何々?』
芸術家『アトラさんと、その恵みを頂いている僕らへの嫉妬だね。』
ブリーダー『まぁ妬く気持ちも解るよ。一度信じてごらん。』
ビジネスマン『そうそう!百聞は一見に如かず!』
A『うわ出た。信者だ。』
B『正直気持ち悪いわ。』
B『いいぜ、俺が確かめてきてやる。』




 ▼ 19 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/07 17:09:35 ID:9Kw2Eelk [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

2020/5/25 23:55
B『疑ってた俺が愚かだったわ。』
B『ホントにもらえたし、特に何も異常はないわ。』
B『アトラさん万歳』

C『おい、さっき8番道路でトレーナーが光になって消えちまったぞ!』
A『おいおいおいおい嘘だろ。』
ビジネスマン『アトラさん万歳!』
ブリーダー『アトラさん万歳!』
お姉さん『アトラさん万歳!』
芸術家『アトラさん万歳!』

 ▼ 20 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/07 17:10:02 ID:9Kw2Eelk [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
A『俺は信じないからな。流石にこうまでして持ち上げてるとか気持ち悪い。自演だろ。』
C『さっき消えたトレーナー調べたけどアトラって奴とポケモン交換した奴じゃん。』
A『アトラって奴怪しいぞ』
C『さっきから万歳とか言ってる奴はこれ聞いても何も思わねえのかよふざけんな』
芸術家『アトラさんをそれ以上侮辱する気か?』
ビジネスマン『我らがアトラさんへの嫉妬と言えど見過ごせないわ』
お姉さん『こいつらサイコパスよ!』
ブリーダー『許せない』

B『AとCって奴、特定したわ』
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ユウリ『………!』
マリィ『ね、ねぇ…まさかとは思うけど…』
マサル『これを見ただけでも、偶然と思ったよ。でもこの後、他5人は書き込みが続いたのに対しAとCの書き込みがずっとないんだ。』

ビート『その書き込みの内容と今回の事件、関係がありそうですね。』
マリィ『ビート!』
ビート『少なくとも今日の事件はそれだけですし、もし本当に関係があるならこのも事件は起きかねませんね。』
ユウリ『や、やめてよビート…不安になるようなことを…』
マサル『ビートの言うことは一理あるかもしれない。僕も同じこと考えてたんだ。』
マリィ『…』

マサル『ごめん。朝からこんな話に発展させてしまって。』
マサル『でも、言わなきゃいけない気がしたんだ。』
ユウリ『う、ううん…大丈夫…。』
マリィ『一旦落ちよ。後でまた話すばい。』
ビート『そうですね。』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ▼ 21 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/07 17:10:24 ID:9Kw2Eelk [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ユウリ「も、もう…なんなのよぉ…!」
ユウリはチャットを閉じた後、しばらくベッドに寝転がっていた。身体が震えるのだ。

その後、何とか重い身体を起こしてブラッシータウンの研究所に来てホップを手伝うも、朝のことが頭から離れない。
明らかに顔色が悪そうなユウリに、ホップが近付いた。
ホップ「ユウリ、どうしたんだ?具合悪いなら言うんだぞ。」
ユウリ「ほ、ホップ…ううん、なんでもな…」
ユウリが言い終える前に、ホップはユウリの両肩に手を置いてまっすぐ見つめた。
ホップ「なんでもなくない。今日のユウリ、いつもと比べて明らかに様子がおかしいんだぞ。」
ユウリ「……。」
 ▼ 22 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/07 17:10:48 ID:9Kw2Eelk [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

2人のやりとりが聞こえたのか、ソニアが2階から降りてきた。
ソニア「ユウリ、何があったのか私達に話してごらん。無理矢理言わせるようで悪いけど、貴女のことが心配なのよ。」
ユウリ「……ごめんなさい。話すね。」
このまま黙ろうかと思ったユウリだが、ホップは昨日頼まれた資料整理がひと段落すればどうせチャットを見る。隠してもすぐバレると悟ったユウリは今朝のやり取りをホップとソニアに見せた。

ホップ「オレが朝からドタバタしている間にこんなことが…まぁ、オレもこのニュースは見たんだけどマサルの貼った書き込みは知らなかったんだぞ。」
ソニア「これじゃあ確かに怖くなるよねぇ…。ホップ。」
ホップ「なんだぞ?ソニア。」

そうホップが返すと、ソニアは先程までホップが手を付けていた資料を確認し、大きく頷くとホップとユウリのところに戻ってこう言った。
ソニア「今日はもういいわ。この資料、ここまでやってくれただけでも助かる。だからもう上がっていいよ。というか上がって。」
ホップ「え…ま、まさかオレミスったのか!?」
ソニア「そんなんじゃないわよ。ただ、残りは私がやるから、あんたはユウリを家まで送り届けてあげて。」
ホップ「…ごめん。ソニア。」
ソニア「気にしないの!ほら、ユウリのこと頼んだわよ。」
ユウリ「…ごめんなさいソニア。失礼します………。」
ホップ「…だぞ。」

バタン

2人が出て行った後、ソニアは残りの資料整理に取り掛かった。
ソニア「…昨日はちとやりすぎだったね〜…こりゃ。」
そう言いながら作業を始めるのだった。

 ▼ 23 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/07 17:11:25 ID:9Kw2Eelk [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――ハロンタウン・ユウリ宅――
ホップ「ユウリ、少しは落ち着いたか?」
ユウリ「うん…ごめんねホップ…。」
ホップ「気にすんなって。今はゆっくり休むんだぞ。」
ユウリ「うん…。ありがと…。」ギュッ

ユウリはベッドに横たわりながら、近くに座っているホップの服にしがみついた。ホップはと言うとベッドに腰かけ、ユウリを撫でながらグループチャットを確認する。

〜グループチャット(マサル・ユウリ・ホップ・マリィ・ビート)〜
ホップ『遅くなってすまん!』
ホップ『さっきまで昨日頼まれた資料の整理してたんだぞ…。』
マサル『そういえば言われてたね。お疲れ様』
マリィ『気にしとらんよ。それより仕事片付いた?』
ホップ『途中までやってたんだけど、ユウリが体調悪そうだったからオレと一緒に早退することになったぞ。』
マサル『マジかー…2人、特にユウリに申し訳ないな…。』
ビート『日を改めて差し入れでも持って行きましょう。』
マリィ『ビートから提案なんて珍しか。』
ビート『一言多いですよ』
ホップ『オレは気にしていないしユウリも多分大丈夫だぞ。』
マサル『いいっていいって。』
 ▼ 24 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/07 17:11:51 ID:9Kw2Eelk [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホップ『マサル、オレも情報収集協力する。ニュースと掲示板の書き込みをチェックするけど報告はどうする?』
マサル『手伝ってくれるならありがたい。明日1日調べたものは紙にまとめておこう。明後日一度ダンデさんに資料として出そう。』
ホップ『了解だ!』
ホップ『じゃあオレは落ちるぞ。ユウリの面倒見るからな。』
ホップ『お疲れだぞ。』
マサル『ユウリの面倒見るって、つまりホップは今ユウリと一緒か。』
マリィ『ホップなら大丈夫でしょ。あたしも落ちるわ。』
ビート『僕もそろそろジムの方に戻ります。失礼。』
マサル『みんなお疲れー。』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

――同刻・ハロンタウン・マサル宅――
マサル(…トレーナーが光になって消えたっていうCの書き込み…まさか…。)

――同刻・スパイクタウン・バトルフィールド――
マリィ(怪しいポケモンを貰った人が消えるって、他所の地方で聞いたことあるけん…確か…。)
 ▼ 25 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/07 17:12:08 ID:9Kw2Eelk [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――2日後・シュートシティ・バトルタワー――
それから翌日も殺人事件の報道があり、案の定書き込みでも死亡した3人分の書き込みが途絶えていた。いずれもアトラ信者から「住所特定した」という書き込みを受けていたことも共通点だった。

マサル「失礼します。」
ダンデ「やぁ。待っていたよ、チャンピオン。」

マサルは事前にダンデにアポを取り、それまでの内容を紙にまとめて持参したうえでバトルタワーの事務所を訪れていた。
ダンデもまた、ここ最近の件はホップから電話で聞いていたため話は早く、マサルの報告はスムーズに進んだ。

マサル「…引き続き調査をしていくつもりです。とは言えまだ予測の域を出ませんので、まだ他のジムリーダーには周知しない方針で行きたいです。」
ダンデ「気を付けてくれよ。もし本当に関連性があるとすれば、一歩間違えば君達にも危険が及ぶ。オレの方でも調査を進めてみるよ。」
マサル「感謝します。それと、現時点ではまだ極秘での調査をお願いしたいです。」
ダンデ「…そうだな。少なくともあの掲示板に書き込みさえしなければ、下手なことで特定とやらもされない筈だが、確定事項がない以上不安をあおるべきでないしな。」

1時間程の面談を終えた後、まだ休暇中とは言えマサルはダンデが代行していた作業を手伝ってから帰宅した。



 ▼ 26 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/07 17:13:22 ID:9Kw2Eelk [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――ガラル地方内・某所――
アトラ「うんうん!どんどん利用者が増えている!嬉しいなぁ〜♪」
アトラ「でもやっぱり、施しを素直に受けたがらない天邪鬼がアンチみたいだね〜…。」
アトラ「でもボクには今やたくさんのファンがいてくれるし、大丈夫!アハハハハ!」
アトラ「……それにしてもローズ委員長ったらひどいなー。ボクのことを少年って間違えたまんま捕まっちゃってさぁ。」
アトラ「男物の服着てたってだけで…一応ボク女の子なのになぁ…ま、どうでもいいや。」

???(物陰に隠れている)「……。」
???(ここは、あの時入り込んだところよりも警備がザルだったな…巨大組織じゃないが故なのか。)
???(ローズ委員長が言っていた“僕とほぼ同時期に参加した少年”…正しくは少女っていうのはあの娘だったのか…。)

 ▼ 27 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/07 17:13:46 ID:9Kw2Eelk [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アトラ「うーん…次はこの人か〜…よし。住所特定完了!」
???(!?)
アトラ「じゃ、この人に託そうかな。送信っと!」

アトラがそう言うと、アンチの情報と共に謎の画面が送られた。
???(…恐らく、既にこのサイトを使用しているユーザーに指示を出すための催眠術みたいなものだな。)
物陰の隙間から???は自身が改造した双眼鏡でその様子を見ていた。双眼鏡とビデオカメラの機能を複合した調査用のアイテムで、ガラルに来てから作ったそうだ。

調査を終え、???はそのまま脱出した。
そして少し離れたところで変装用のコートと帽子、マスクとサングラスを纏った。

???「やはりここにも…こういう輩はいるんだな…。」





Episode#2〜暗躍〜・完
 ▼ 28 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/09 22:55:50 ID:yScAzEWg [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

Episode#3〜抗争〜
――翌日・ワイルドエリア・巨人の鏡池――
謎の殺人事件のニュースが報道されてから3日、その後も同様のニュースは絶えず、連日殺人が起きていた。
また、それとリンクしているかのように、マサルが見つけた掲示板サイトで、アトラを批判する者が住所特定されてその後のコメントが途絶えるという事例も相次いで発生していた。

マサル「……ダメだ、手掛かりが掴めていない。」

ビート「掲示板に書き込めば特定の危険性があり、かと言って他の調査方法がなく進展なし、ですか…。」

ユウリ「そんな…このまま黙って見ているしかないの…!?」

マリィ「……今でもまだ信者が増えているけん、一方反対する者がどんどん…。」




ホップ「………!?み、みんな、これを見て欲しいんだぞ!」

そう言ってホップはダンデからのメッセージが表示された画面を見せた。
 ▼ 29 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/09 22:56:39 ID:yScAzEWg [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
現在、ガラル地方外の警察とその関係者、今日協力者も既にこの事件について調査に加わっていることが昨日マサルと会った数時間後に判明していた。

その内容によれば、問題となっている掲示板「APネットワーク」(Attract・Pokemon・Network)そのものが原因であると指摘された。
警察は、住所特定の危険性を考慮してダミーの警察と、自動で入力するためのロボットを設置、サイトへの介入・解析を行ったところ、APネットワークに書き込みできるのはサイト内で使用できるIDを発行してもらった者のみとなり、そのIDは変わることはない。
そして登録をすると、APネットワーク側の管理者からその端末の位置を逆探知されてしまうものだった。

更に、別の地方から来たというトレーナーがサイトの管理者の場所も突き止め、管理者の正体は自身も書き込みをしている元ジムチャレンジャーのアトラ本人であることも判明した。
そしてアトラのアンチの情報はアトラから他の信者に転送され、同時に怪しい画像も送っていたことにより、殺人事件が起きていたことが確定した。

ホップ「しかも、実際に侵入したトレーナーが提供したっていう映像もついてるんだぞ…!」

紛うことなく、ジムチャレンジャーとして登録されているアトラが、端末から画面を転送している様子とその時の呟きが再生されていた。
 ▼ 30 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/09 22:57:00 ID:yScAzEWg [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マリィ「は、話が急すぎて追いつくのがやっとばい…。」

ビート「しかしこれは思わぬ進展です。これでアトラがこれ以上殺人の命令を出せなくなるのも時間の問題ですね。」

ユウリ「!…よかった…本当に…!」

マサル「とはいえまだ片付いていない、俺達にもやることがあるみたいだな。」

ホップ「ああ。アニキが指定した場所に行くと、警察が用意したダミーのパソコンがある。流石にロボット2台目までは作れなかったけど、後はオレ達が、APネットワークの使用をやめるよう呼びかけるんだぞ!」

マサル「…よし、そうと決まれば急ごう!」
 ▼ 31 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/09 23:00:29 ID:yScAzEWg [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

『おーーっと、ダメだなぁ!アハハ!!』



瞬間、全員のスマホロトムから明朗な少女の声がした。
次の瞬間、スマホロトムの画面にその少女―――アトラが映し出された。

5人「「「「「!?」」」」」





――ガラル各所――

民家の住人達の声
「な、なんだこれは!?」

「パソコンもテレビも操作できない!」

「なんだこの画面は!誰だこの娘!」



また別のところの住人の声
「おお!我らがアトラさんだ!」

「これから何が始まるんだろう。」

「アトラさーん!私達は見ていますよー!」
 ▼ 32 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/09 23:01:25 ID:yScAzEWg [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――マサル達・ガラル各所の端末――

アトラ「ハロー!アトラですっ☆皆元気かなー?」

アトラ「今日はみんなに大変なお知らせと、アトラからのお願いがあって、ガラル中全部の通信機器を使わせてもらっています☆」

アトラ「はい、まずお知らせなんですが、残念なことに、ボクのことを邪魔して、みんなの大好きな情報源『APネットワーク』を潰そうとしている人達がいるみたい!」

アトラ「ボクは皆に、珍しいマックスレイドバトルの耳より情報や、強いポケモンを皆にも分け与えて全てのトレーナーがハッピーになれるような、そんな世界にしたいんだよね。」



住民「なんだなんだ」

住民「なんでもいいけどテレビとパソコン返してくれ」

住民「その掲示板がなんだよ、仕事の邪魔をしないでよ!」



信者「アトラさんのお願いなら何だって聞くよ!」

信者「サイトを潰す!?おいおいおいそれはマジで迷惑だ」
 ▼ 33 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/09 23:02:12 ID:yScAzEWg [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アトラ「そこで、ボクからのお・ね・が・い!僕のサイトを潰そうとしている不審な人を見かけたら、手当たり次第に拘束して欲しいんだ!どうしても抵抗してくるなら、君達にその人を任せるけど…ダメ、かな?」



信者「よーし!アトラさんの為だ!みんな!立ち上がろう!」

信者「アトラさんは勝つんだ!戦うぞ!」

信者、住民だった人々「アトラさん万歳!」



その後、各所のテレビやパソコンだけは正常に戻ったが、その頃にはガラル全土でこの放送を見た者は殆どその場を飛び出していった。






――マサル達――
マサル「…一歩遅かったのか…!?」

ユウリ「そんな…!」

ホップ「やいやい!こんなことして何が目的なんだ!」

アトラ『はいはい少年少女よ、そうがっつかないでよぉ♪ここからはキミ達5人にしか話さないし、キミ達を無理矢理ファンに引き入れたりもしないよぉ。ホントだよ?ホントホント♪』

アトラ『ボクの目的はずばり!皆が幸せになれるようにポケモンを分け与えていくことなんだよ☆』

アトラ『でもでもぉ、昨日警察がボクのことを悪者にしようとしたからね〜。だからもう一つの秘密兵器として、全通信機器のジャックを使ったんだ☆もちろん、そのお陰でキミ達もボクの邪魔をしちゃう悪い子だってわかったんだぁ。





















だからそんな奴は死んじゃえばいいんだよ。』
 ▼ 34 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/09 23:07:07 ID:yScAzEWg [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

それまでとは打って変わってドスの聞いた低い声で冷たく言い放つアトラ。すぐに元の彼女に戻って続ける。

アトラ『ボクの情報を胡散臭いって言う奴は気に入らないから殺しても仕方ないと思っているし、それで皆が幸せになれるなら当然やるべきだよね☆』

アトラ『それにボクのポケモン交換なら、わざわざ手間かけて育てる必要もないくらいの最強ポケモンが手に入るんだよ?強くなりたい人にとっては面倒なことを飛ばしていきなり目標にたどり着けるの、最っ高だと思わない?』

アトラ『裏なんてなーーんにもないよ。それにその最強ポケモンならいつでもいくらでも手に入るよ。





それがボクが発明した最高傑作“Kポケモン”なんだ!』
 ▼ 35 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/09 23:09:59 ID:yScAzEWg [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マリィ「K…ポケモン…?」

ビート「あの不自然な現象が…全てきみの最高傑作…?」

アトラ『うん!凄いでしょ?ボクならいくらでもどんなポケモンでも一瞬で生み出せるし、何なら最強チームだって作れちゃうんだ!』

アトラ『キミ達、ワイルドエリアに行ったなら何となーく見たことあるはずだよっ。』

アトラ『ボクの発信した情報のおかげで大量の道具が手に入ったことや、強いポケモンと交換したっていう人。』

アトラ『あれはぜーーんぶ、ボクの発明である“Kポケモン”、なのさ。どう?凄いでしょ☆』

マサル「…!やはり、聞いたことがある。それは以前アローラで起きた事件と同じ アトラ『おおっと惜しいなぁクソガキ。』



再び低い声でマサルの言葉を遮り、思わず怯んだマサルのことなどお構いなしにその後普段のテンションに戻ってアトラは割り込んだ。
 ▼ 36 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/09 23:11:29 ID:yScAzEWg [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アトラ『あれは“ネオ・ポケモン”で、ボクのは“Kポケモン”。呼び方だけ違うんだよ。呼び方だけね☆
でも“ネオ・ポケモン”と一緒にしないで貰いたいな。あれの創始者……ギャランツ、だっけ?あの人は理念だけ正しくても弱かった人じゃん。』

アトラ『あれだけの大きな組織はボクも凄いと思って感銘を受けたよ!ボクがこの活動をやろうと思ったきっかけでもあるしね!』

アトラ『でもそれなのに少年少女4人にあっさりやられちゃうんだもん。情けないよね。だからボクは、まず味方を増やすためにこのガラル地方そのものを活動拠点にしてみんなに幸せを振り撒いていこうと思うんだ☆』



ユウリ「…けるな。」ボソッ
アトラ『ん?どうしたのかなお嬢ちゃ ユウリ「ふざけるなっ!!!」

ユウリが、怒鳴った。これ程の怒りを、誰も見たことがなく、アトラや仲間のマサル達も思わず怯んだ。

ユウリ「結局あいつらと一緒で…自分勝手な欲望のためにこれだけ人を殺して何も思わないの!?自分の手を汚さず、賛同しない人を殺して!


あんたの言う『皆が幸せ』って、Kポケモンを受け入れる人達だけの幸せってことじゃない。人を殺すことさえも厭わない集団だけの世界にして良くて、そうでない人を消そうとするなんて、狂ってるよ…!」
 ▼ 37 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/09 23:15:36 ID:yScAzEWg [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

はぁー、はぁー、と、一通り怒りをぶつけたユウリは息を整える。マサル、ホップ、マリィ、ビートは真剣な表情に戻り「ユウリ、お疲れ」と労う。
そしてマサルがアトラと画面越しに対面する。

マサル「俺達は戦う。どれだけ邪魔されても君の好き勝手にはさせない。君だってもう捕まるのも時間の問題だ。」

その言葉を聞き暫く黙り込むアトラ。そして表情がまた笑顔に戻り、高らかに笑った。

アトラ『…………ぷっ!アッハハハハハハハハハ!!いいね!!最ッ高!!!面白い子は好きだよ!!







そして凄くかっこいいねお兄さん!ボクと付き合っちゃおうよ!なんて!アハハハハ!』

大きな声で面白おかしそうに、一行をおちょくりながら大笑いしたアトラ。しばらく笑い倒した後、息を整えた。


アトラ『ふぅー。あー面白かったぁ♪だってだって、そんなにみんなが幸せになることが悪いって言ってるんだもん。そんな人間初めてだよぉ!……………でも捕まえるのは無理かなぁ♪』
明るい天真爛漫なテンションに戻りながら、アトラは余裕綽々で続ける。

アトラ『警察が動いているといっても、ボクの居場所はまだ見つけていないだろうし、それに、ボクはわざと今キミ達を生かしているんだよ。キミ達には先にボクの話だけ聞いて欲しかったからね。』
 ▼ 38 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/09 23:18:54 ID:yScAzEWg [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ビート「…どういうことかな。」

アトラ『賢そうなキミならわかると思ったんだけどなぁ。ボクにとってキミ達の居場所は筒抜け。キミ達の現在地さえ、特定しようと思えばいつでも特定できるの。で、ボクの話はもうおしまい。








つまり今からすぐ特定してしまえばお前らはもう終わりだ。ボクのことがだ〜〜〜〜〜〜〜い好きなファンが殺しに来るからね。』

マサル「…なら、その前に片付けるまでだ!それに俺達にもポケモンがいるしな。」
アトラ『おおっとぉ?だ〜れがポケモンで殺しに行くなんて言ったかなぁ。』
ユウリ「………ッ!」
 ▼ 39 日はここまで◆6NpEuhCrOQ 20/06/09 23:22:25 ID:yScAzEWg [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※3章以降は0〜2章と比べて長くなるため、数回に分けて投稿していきます。なので中途半端ですが続きはまた次回(その内)投稿いたします。
おやすみなさい。
 ▼ 40 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/14 16:21:10 ID:Yvf2jlXs [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マリィ「あんた、どこまで卑怯なの!?」

アトラ『なんとでも言いな!もうボク達が負けることなんてあり得ないんだよぉお!さぁ特定しちゃうぞ〜〜!』

マサル「くっ…!」

大急ぎで指定したポイント―――エンジンシティの長い階段を降りた先だ。
しかし、特定されてしまっては、現在ガラル中で血眼になって動いている信者の目につき、全てが終わる。

万事休すか―――誰もがそう思った
 ▼ 41 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/14 16:21:52 ID:Yvf2jlXs [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




そう思った、時だった。




 ▼ 42 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/14 16:22:22 ID:Yvf2jlXs [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アトラ『………なんでだ。』

アトラが不機嫌そうな顔をする。

アトラ『なんでだっ!なんでガラルの通信機器をコントロールできないっ!?これじゃあアンチ共の場所がわからないじゃないか!!』

そうアトラが叫んだ瞬間、アトラの画面が消え、突如全通信機器から通信音が鳴る。



マリィ「これは…!?」

ユウリ「アトラじゃ…ないの?」

ビート「別の誰かが…通信を!?」
 ▼ 43 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/14 16:23:21 ID:Yvf2jlXs [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




???『…よし、繋がった。
皆さん!聞いてください。現在、乗っ取られていたガラル中の通信は取り返しました。今この通信を聞いている方の中でまだアトラに屈していない方はそのまま隠れていてください。また、間違ってもAPネットワークやその他インターネットの閲覧は控えるようお願いします!』



マサル「声…?誰だ?」

ユウリ「い、今まだ言いなりになっていないの、私達だけだよ!信じていいよね!?」

ホップ「き、君は誰なんだ!?」
 ▼ 44 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/14 16:23:48 ID:Yvf2jlXs [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


???『僕の名前はコウタです。今から約半年前、アローラ地方からここガラル地方に来て、ある調査をしてきました!』



マサル「…!コウタって…!」

ビート「アローラで起きたといわれる大惨事“ネオ・ポケモン事件”を解決に導いた…」

マリィ「勇敢なトレーナーさんばい!?」


そこからはコウタのターンだった。
現在アトラのハッキングは無力化していること。その背景には国際警察やポケモンGメンなども関わっていること。アトラの場所は既に把握していること。これまでの調査として、アローラで起きた事件と同様のことが起きていないかを、最近開国したガラルに調べに来たこと、諸々を話した。

 ▼ 45 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/14 16:27:45 ID:Yvf2jlXs [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ『どうやら現在殆どのガラルの人々はアトラの配下にあるみたいなんだ。だから使用をやめる呼びかけをしても意味をなさない。』

マサル「やはりそうか…。どうすればいい?」

ホップ「オレ達にできることなら何だってするぞ!」

ユウリ「私達のガラルの為にそこまで…ありがとうコウタ君!」

コウタ『気にしないで。それよりも、僕は一刻も早くアトラの本拠地に行かなきゃならないから、君達にお願いしたいことがある。半分以上は僕が片付けたから残りを頼む!』

マリィ「任せんしゃい!」

ビート「して、ぼくらがやるべき作業内容は?」

コウタ『こちらでハッキングして入手した、アトラの洗脳用ファイルがある。それを解析の続きを君達に託す。僕はアトラの本拠地に先に乗り込んでやることがある。あとは君達に託そうと思う。突然で申し訳ないけど、これもガラルを救い、これ以上被害を拡大させないためなんだ。できるかい?』



そしてコウタはハッキングで探知したマサルの端末にファイルを転送した。
洗脳に使われる特殊な画面……正確にはその画面から発せられる音波を解析して洗脳を解くための強烈な音波の設計図が送られてきた。



ビート「…ここまで手解きされているなら、完成も時間の問題ですっ!」

マサル「これを完成させてアトラの端末から発信させればいいらしいな。ビート!画面共有を頼む!」

マリィ「みんなで完了させるったい!」

ホップ「…決まりだな!」

ユウリ「ええ!絶対に終わらせましょう!」
 ▼ 46 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/14 16:42:23 ID:Yvf2jlXs [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――エネルギープラント――
以前、ローズがムゲンダイナを復活させた場所にして、ナックルジムの地下。
アトラは地下に忍び込んでエネルギープラントを改造し、端末を使うための個室とKポケモン製造工場を構えていた。


アトラ「……まさかホントにボクの元に辿り着いちゃうなんてね。おめでとう。凄いねキミ達は。




そして実に馬鹿だな。キミ達は。」

国際警察「君はもう包囲されている!大人しく投降しなさい!」

アトラ「はぁ〜…勝った気になっちゃってさ。ボクを捕まえたりなんかしたら、ボクのファンの皆が黙っていないよ?
今やガラルの民はみ〜〜〜んなボクに釘付けなんだからさ☆」 

コウタ「……それはどうかな。」
アトラ「何?」
 ▼ 47 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/14 16:42:38 ID:Yvf2jlXs [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

prrrrrr…

コウタのスマホロトムから着信が鳴る。
コウタ「事前に君の場所と、僕の連絡先はもう君がさっきまで話していた5人に送っている。これでチェックメイトだ。」
そう言って速やかに電話に出て、すぐ来るように指示した。幸いにもマサル達には信者の関心が向いていない為、すぐにでも到着するとのこと。

アトラ「おのれ…どうしてお前らはそうやってボクの邪魔をするんだ…!嫉妬か!?嫉妬なんでしょ!!強いポケモン、珍しいポケモン、何でも望むものが手に入り、ファンに恵まれているこのボクが!!!」

コウタ「君はギャランツを見下しているけど、正直何も変わらないよ。本当に嫉妬するだけならここまで大事になんて絶対にならない。断言できる。


まぁ君はギャランツと同類だから言っても聞かないだろうし理解もできないだろうけど。」

アトラ「こんの…ガキィッ…!!」ギリギリ
 ▼ 48 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/14 16:43:30 ID:Yvf2jlXs [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

バタン!
ダンデ「そこまでだ!アトラ!」

キバナ「よくもオレさまのジムの地下で物騒な真似やってくれたなぁ…!」

マサル「観念しろ、アトラ!」



プログラムを完成させたマサル一行、ダンデの召集の元集まった現ジムリーダー・元ジムリーダー達。
遂に追い込まれた様に見えたアトラだが、彼女はまだ諦めていなかった。



アトラ「ふふ…ふふふふふ…アッハハハハハハハハハ!!まだだ!マダマダ!まだボクは戦えるゥ!!」
突如手元のスイッチを押したアトラ。地下へと繋がる扉が開いた。

ヤロー「な、なんだって…!?」

ルリナ「このエネルギープラントの…更に地下ですって…!?」

アトラ「ボクにはまだ!予備のハッキング用端末がある!そして!!」
エネルギープラント内に増設されたカプセルから大量のポケモン達が飛び出した。

アトラ「ボクが用意したKポケモン達で!!ボク自身の手で!!お前達を消し去ってやる!!」
 ▼ 49 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/14 16:46:21 ID:Yvf2jlXs [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アトラは地下通路へと駆け込んだ。
その地下への道を阻むように、Kポケモン達が立ち塞がる。

ダンデ「まだ悪足掻きを続けようというのか…!!」

サイトウ「ですが、ここで我々が諦めたら終わりです!」

オニオン「怖い…怖いけど…この…Kポケモン達が外に出る方が…怖いよ…!」

マクワ「やることはもう決まっています。こいつらを倒し、進むまでです。」

メロン「当たり前さ。最後に派手にやっちまおうよ。」

キバナ「マサル、こいつらはオレさま達ジムリーダーとダンデで食い止めるぜ。」

ポプラ「あたし達は大丈夫。行っておいで。あんた達。」

ネズ「マリィ…マサル…おまえ達なら必ずやれますよ…だから!さっさと行け!行きやがれコノヤロー!」

ヤロー「きみ達があのアトラとかいうもんを食い止めるまで、ぼく達も粘る!農業もポケモンも粘り腰なんじゃああ!」

ルリナ「わたし達がこいつらを流し去って道を作るから!」
カブ「その瞬間、突入するんだ!」
ダンデ「オレ達なら大丈夫だ!ガラルの未来を託したぞ!」

その言葉と共に、一斉にKポケモン達の元へ突撃するジムリーダー達。



マサル「…!今だ。みんな行こう!」
ユウリ・ホップ・マリィ・ビート・コウタ「「「「「うん!/わかったぞ!/うん!/当然です!/了解!」」」」」





Episode#3〜抗争〜・完
 ▼ 50 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:15:58 ID:lZocfkVw [1/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Episode#4〜決戦〜

――エネルギープラント地下・アトラのラボ――

アトラ「……ッチ!ガキ共だけで来たのか!」

マサル「生憎と…時間稼ぎ狙いなのはわかってるんだよ…!はぁ…はぁ…!」



6人はアトラを追い、長い階段を降りる。そうしてようやく開けた場所に出た。
アトラ「ここまで追いつめられるとはね…でもボクは天才だからさ…こんな状況になってもまだ勝算は残しているのさ!」

ビート「あなたごときに天才を名乗る資格などありませんよ…ぼくに対する愚弄のつもりか…!」

コウタ「これだけのことをやれるだけの脳があるならもっとマシなことに活用できただろうに!」

アトラ「ボクには、ボクと想いを共にする人さえいればそれでいいんだ…ボクのような天才が、皆を幸せにするという信念があってこそ、ボクはお前らと戦う!!」



アトラは開けた場所にある端末を起動させた。
アトラ「これが最終兵器さ!コウタ…だっけか。よくもボクのハッキングを上書きしてくれたなぁ!今度はボクがお前のハッキングを消してやるよォ!」

アトラ「そしてボクのファンをここに呼び、今度こそボクの勝利だ!」

コウタ「させるか!」ダッ
 ▼ 51 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:16:42 ID:lZocfkVw [2/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウタはアトラに向かって走り出す。

ユウリ「!?コウタ君危ないっ!!!」

コウタ「ッ!!」

ユウリはいち早く、周囲の異変に気付き、コウタもまたすぐ立ち止まる。彼の走る先に影が降りたのだ



ホップ「ドラパルト…!」

ビート「ドリュウズにオニゴーリ…!」

マリィ「…どうも味方って感じじゃないね。」

マサル「やはりKポケモンか…!」

コウタ「アローラのキュウコンに、アシレーヌ、シルヴァディまで…!」

ユウリ「ほ、他にもたくさん…!」

マサル「ここに来てまでまた足止めか!」

コウタ「…仕方ない、一刻も早く全滅させよう!」

5人「「「「「おう!!」」」」」



こうして少年6人と、コンピュータから生み出されたKポケモンとの抗争が幕を開けた。
 ▼ 52 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:19:43 ID:lZocfkVw [3/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
出現したKポケモン

ドラパルト、シャンデラ、ミミッキュ、ギャラドス、ドヒドイデ、トゲキッス、
アローラキュウコン、オニゴーリ、ヨノワール、ナットレイ、コータス、エルフーン、
ドリュウズ、アシレーヌ、フシギバナ、シルヴァディ、カメックス、ガラルヒヒダルマ


※敵サイド
アトラの手によって人工的に作り出された生命体、基本的な能力はポケモンと同様であり、ここで出された個体は戦闘のために生み出された。違法な手段で生産され、その最終目的は自分とその信者以外の抹殺。
 ▼ 53 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:20:42 ID:lZocfkVw [4/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

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主人公ズの手持ちについて

コウタ
イオルブ♂(おみとおし)ひかりのかべ / リフレクター / むしのさざめき / サイコキネシス
ギャラドス♂(いかく)アクアテール / かみくだく / りゅうのまい / こおりのキバ
ガラルマッギョ♀(ぎたい)ふいうち / トラバサミ / ステルスロック / がんせきふうじ
ケンホロウ♀(きょううん)ブレイブバード / とんぼがえり / でんこうせっか / おいかぜ
ストリンダ―(ハイ)♂(パンクロック)オーバードライブ / ヘドロばくだん / バークアウト / ちょうはつ
ガオガエン♂(もうか)DDラリアット / フレアドライブ / かみなりパンチ / ブラストバーン


マサル
ゴリランダー♂(しんりょく)ドラムアタック / たたきつける / はたきおとす / 10まんばりき
カマスジョー♀(すいすい)アクアブレイク / インファイト / じごくづき / サイコファング
コオリッポ♂(アイスフェイス)アクアブレイク / つららおとし / あられ / しねんのずつき
アギルダー♀(うるおいボディ)むしのさざめき / みずしゅりけん / きあいだま / まもる
ザシアン(ふとうのけん)かみくだく / きょじゅうざん / つるぎのまい / インファイト
リザードン♂(もうか)かえんほうしゃ / かみなりパンチ / ドラゴンクロー / そらをとぶ


ユウリ
エースバーン♂(もうか)かえんボール / ダストシュート / アイアンヘッド / ローキック
イエッサン♀(サイコメイカー)ひかりのかべ / リフレクター / サイコキネシス / マジカルフレイム
ポットデス(くだけるよろい)シャドーボール / わるだくみ / アシストパワー / ふいうち
チラチーノ♀(スキルリンク)スイープビンタ / タネマシンガン / ロックブラスト / はたきおとす
シュバルゴ♂(シェルアーマー)メガホーン / スマートホーン / シェルブレード / まもる
ムゲンダイナ(プレッシャー)ダイマックスほう / ヘドロばくだん / かえんほうしゃ / じこさいせい
 ▼ 54 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:21:08 ID:lZocfkVw [5/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ホップ
バイウールー♂(ふくつのこころ)コットンガード / にどげり / すてみタックル / ずつき
カビゴン♂(あついしぼう)アームハンマー / じしん / ヘビーボンバー / かみくだく
インテレオン♂(げきりゅう)ねらいうち / ふいうち / れいとうビーム / あくのはどう
ザマゼンタ(ふくつのたて)かみくだく / きょじゅうだん / てっぺき / じゃれつく
アーマーガア♂(きんちょうかん)はがねのつばさ / ドリルくちばし / いばる / ひかりのかべ


ビート
クチート♀(いかく)アイアンヘッド / うそなき / かみくだく / じゃれつく
サーナイト♀(シンクロ)シャドーボール / エナジーボール / サイコキネシス / マジカルシャイン
ガラルギャロップ♂(パステルベール)しねんのずつき / スマートホーン / マジカルシャイン / ドリルライナー
ニンフィア♀(メロメロボディ)ムーンフォース / ひかりのかべ / シャドーボール / サイコショック
ブリムオン♀(きけんよち)サイコキネシス / マジカルシャイン / あくのはどう / めいそう


マリィ
レパルダス♀(いたずらごころ)ねこだまし / いちゃもん / わるだくみ / バークアウト
ドグロッグ♀(かんそうはだ)ドレインパンチ / ダストシュート / じしん / どくづき
ズルズキン♀(だっぴ)れいとうパンチ / かみなりパンチ / ドレインパンチ / かみくだく
モルペコ♀(はらぺこスイッチ)オーラぐるま / タネばくだん / いちゃもん / でんこうせっか
オーロンゲ♂(いたずらごころ)ソウルクラッシュ / DDラリアット / ビルドアップ / じゃれつく


※基本的にゲーム準拠ですが、御三家とザシアンを除くマサルとユウリの手持ちは独自で補完しました。(マサルのリザードンはダンデから貰えるヒトカゲの進化系です)
※コウタの手持ちも全て補完です。彼は前作で一度全ての手持ちをアローラに預けていましたが、現実でポケモンHOMEが解禁した時期ぐらいにガオガエンのみ再加入させています。

本編に戻ります↓
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 ▼ 55 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:24:34 ID:lZocfkVw [6/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

―コウタside―

コウタ「イオルブは“リフレクター”!ストリンダ―は“バークアウト”!」

コウタが相対しているのはシルヴァディ、オニゴーリ、ドラパルトの3匹。特性“ムラっけ”で強引に運勝負に持ち込んでくるオニゴーリ、特性がいずれも強力でステータスも高いドラパルト、覚える技が多いシルヴァディといずれも厄介な相手である。

対するコウタはガラル地方で新たに仲間に加えたイオルブとストリンダ―、そしてアローラから来た切り札のガオガエンで勝負に挑む。

まずは味方の守りを固めつつ相手の攻撃力も削ぐ。相手の3匹はいずれも物理・特殊と両方の技を駆使してくるためまずはどっちでも対応できるように盤面を整えていく。



Kオニゴーリは“みがわり”を使うもストリンダ―の“バークアウト”を防ぐことはできず本体に直撃。Kドラパルトはストリンダ―とイオルブめがけて“ドラゴンアロー”を放つ。

Kポケモンとして作られたからか、Kドラパルトも、発射されるドラメシヤも眼に生気が宿っていない。避けられず2匹に直撃する。
 ▼ 56 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:24:51 ID:lZocfkVw [7/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウタ「ストリンダ―、イオルブ、大丈夫か!?」

少しよろめきながらもすぐに体勢を立て直し、コウタに軽く頷く2匹。

コウタ(“リフレクター”を物ともせずこれ程のダメージ…恐らくは特性“すりぬけ”だな。)

壁や“みがわり”を無視できる強力な特性“すりぬけ”。だがドラパルトの手の内がわかったコウタはすぐ次の手を考える。



コウタ(イオルブで“ひかりのかべ”も使おうと思ったが、プラン変更だな。)

コウタ「ガオガエン。」

コウタが次の指示を出すまでもなく、ガオガエンは既に動いていた。KドラパルトとKオニゴーリに気を取られているストリンダ―とイオルブをまとめて倒し、3対1に追い込もうと突撃してきたKシルヴァディの“マルチアタック”を“フレアドライブ”で迎撃する。複数のポケモン同士が戦う場合において、場に出ているポケモンの頭数が少なくなるのは最悪の状況と言っても過言ではない。それに対するケアはコウタもガオガエンも想定していた。

コウタ「流石だね、相棒。」

その呼びかけに、ガオガエンはニッと笑う。そしてすぐに目の前のKシルヴァディへと向き直る。
 ▼ 57 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:25:45 ID:lZocfkVw [8/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウタ「イオルブはひとまず“むしのさざめき”でオニゴーリを攻撃、ストリンダ―は引き続き“バークアウト”!」

コウタ(さっきの“ムラっけ”でオニゴーリは攻撃が下がったけど特攻は上がっている。特殊技主体になりがちなら、もしかしたら下手に守って悪化する前に攻めてくるだろう…Kポケモンがどの程度のAIか知能を持っているかにもよるがどのみちこれしかまともに通る攻撃もないしな。)

少なくとも動き始めたKオニゴーリは、見た感じ防御態勢を取っていない。“まもる”は使わない方向だろう。そこに2匹の音の技が“みがわり”を通り抜けてKオニゴーリを削る。Kドラパルトにも威力は低いものの弱点技の“バークアウト”がヒットし、堅実に削っていく。
“みがわり”で体力を削ったのが仇となり、2回の“バークアウト”と1回の“むしのさざめき”を耐えきれず、


Kオニゴーリ「―――――!!」


Kオニゴーリは光となって消滅した。

Kドラパルトは2匹に向けて再び“ドラゴンアロー”の構え。そこに…
 ▼ 58 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:26:01 ID:lZocfkVw [9/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ドゴォッ!!!

ガオガエンによって吹き飛ばされた、痺れたKシルヴァディがKドラパルトに衝突し、狙いは明後日の方向へとずれた。

コウタ「ナイスだ、ガオガエン!」

ガオガエンは“かみなりパンチ”でKシルヴァディを吹き飛ばし、2匹を援護したのだ。更にKシルヴァディは麻痺して動けなかった。

コウタ「悪いけど、僕は負けるわけにはいかない。約束したんだ。アローラに戻るまで勝ち続けるってな!」

イオルブ、ストリンダ―、ガオガエンはそれぞれ“サイコキネシス”、“オーバードライブ”、“DDラリアット”の構えを取る。

コウタ「僕がかつて戦ったシルヴァディは、そんな紛い物とは比べ物にならないぐらい強かった。出直してくるんだね!」

3匹の一斉攻撃に、残るKドラパルト、Kシルヴァディも消滅した。



コウタ「…さて。」
そしてコウタはすぐさまアトラの元へ向かう。
 ▼ 59 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:26:55 ID:lZocfkVw [10/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

―マサルside―

一方マサルの方は既に優位に立っていた。

Kアローラキュウコンを見て“オーロラベール”を使ってくることを見越してカマスジョーで先に“アクアブレイク”で消耗させ、Kガラルヒヒダルマに対してはリザードンの“かえんほうしゃ”で弱点を突く。

マサル「ゴリランダーはミミッキュに“ドラムアタック”だ!」

ドラムを叩き、蔦でKミミッキュの“ばけのかわ”を剥がしつつ攻撃を下げる。素早く相手の戦術を崩しながらダメージを与えているのだ。
高パワーのKヒヒダルマを素早く倒すために攻撃力の高いメンバーの中でも弱点を付けるリザードンを投入したのが功をなし、こおり技でゴリランダーが狙われることはなくなった。


Kミミッキュは“つるぎのまい”で攻撃力を上げる。集中砲火されなかったがために能力を強化できたが、今更覆しようがなかった。

マサル「今だカマスジョー!ミミッキュに“サイコファング”!ゴリランダーは同じくミミッキュに“はたきおとす”、リザードンは“かえんほうしゃ”でキュウコンを撃破だ!」

オーロラの壁はカマスジョーの牙の前に砕け散り、今度こそ集中砲火を受けたKミミッキュは消滅し、Kキュウコンも最後の抵抗に“ふぶき”を放つもリザードンの炎を押し返せず包まれ、そのまま消滅した。
 ▼ 60 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:27:43 ID:lZocfkVw [11/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

―ユウリside―

ユウリ「コータスが“特性“ひでり”で助かったわ!アシレーヌの水技の威力が下がれば押し切れる!」

Kコータス、Kアシレーヌ、Kフシギバナに対し、ユウリはエースバーン、イエッサン、チラチーノ♀で対峙する。Kフシギバナの特性“ようりょくそ”で素早さが早くなっても、エースバーンとイエッサンのうち“ねむりごな”を受けなかった方が弱点を突いて倒し、アシレーヌは主力技の威力が低下。こちらも優勢だった。

ユウリ「エースバーンは寝ちゃったけど…ここはすぐ倒せそうなやつから狙うのみよ!イエッサンはフシギバナに“サイコキネシス”、チラチーノはアシレーヌに“タネマシンガン”!」

イエッサンの特性“サイコメイカー”で強化された超能力がKフシギバナを一撃で無に帰す。

ユウリ(やっぱりね…特性“ようりょくそ”込みで私のエースバーンより早いなら、耐久か火力のどちらかは疎かになってるはずだもんね!)

チラチーノの“タネマシンガン”を5発とも受け、Kアシレーヌは瀕死近くまで弱る。苦しまぎれにKコータスを巻き込みながら放った“うたかたのアリア”でもメンバーはユウリ側は健在。

Kコータス「――!!」

その時、Kコータスは瀕死のKアシレーヌを巻き込んで“ふんえん”を放った。

ユウリ「嘘でしょ!?2匹とも見方はお構いなしなの!?」

当然残り体力が僅かなKアシレーヌはそのまま消え去り、天候で強化された“ふんえん”の炎はエースバーンたちを包み込む。
 ▼ 61 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:28:12 ID:lZocfkVw [12/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ユウリ(何とか耐えたけど…アシレーヌから受けたダメージもあって次で倒しきれなかったら一気に全滅しちゃう…!)

体力が削れているとはいえ耐久力が高く、主力技が強化されているコータスを前にして一気に窮地に立たされるユウリ。

ユウリ「回復する暇がない…お願いエースバーン!起きてっ!!」

コータスというポケモンは素早さこそ遅いが耐久力に秀でており、イエッサンの“サイコキネシス”とチラチーノの“ロックブラスト”だけではギリギリ倒せるか怪しいところ。
しかもそれだけならまだしも、そこで倒しきれなかった場合、ユウリの手持ちが一気に3匹倒されてしまうのだ。

ユウリ「今更守りを固めても間に合う気がしない…!」

焦っていた彼女は自分の相棒が起きることに賭け、2匹に攻撃を指示した。

そして―――

ユウリ「起きろぉぉぉっ!!エースバーンッッッ!!!」

















エースバーンは 目を覚ました!
 ▼ 62 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:28:27 ID:lZocfkVw [13/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ユウリ「“か  え  ん  ボ  −  ル”  ッッ!!!!!」

起きたエースバーンは小石を蹴り上げ、渾身の力で火球を蹴りだす。“ダストシュート”では外すリスクが大きく、効果今一つの“アイアンヘッド”や威力が低めの“ローキック”では不安が残った。
だが幸いにもイエッサンとチラチーノの攻撃のお陰で、効果今一つでも威力が高い“かえんボール”でも落とすことが出来たのだ。

3匹の攻撃に耐えきることが出来ず、Kコータスは沈黙し、その後消え去った。



 ▼ 63 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:29:05 ID:lZocfkVw [14/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
―ホップside―

ホップ「頼むぞ、皆!」

ホップの方ではインテレオン、バイウールー、カビゴンの3匹でKヨノワール、Kカメックス、Kドリュウズを迎え撃っていた。

ホップ(ドリュウズとヨノワールはインテレオンとカビゴンで相手できるけど…カメックスが厳しいぞ…)

カメックスは耐久力もそこそこあり、覚える技も豊富である。またカビゴンが相手取るヨノワールも、カビゴンの“かみくだく”を耐えるため、ホップは耐久寄りであるこの2匹を警戒していた。

ホップ「インテレオンはドリュウズを“ねらいうち”、カビゴンはヨノワールに“かみくだく”だぞ!」

指示を受けたインテレオンは腰を落とし、右の指先を標的のKドリュウズに向け、射撃体勢に入っていた。Kドリュウズはカビゴンを倒さんと“つのドリル”の構えを取る。

ホップ「…………。」

Kドリュウズがカビゴンに向けて突撃を開始し―――

ホップ「今だっ!!」
 ▼ 64 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:29:39 ID:lZocfkVw [15/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――刹那、水の弾丸が高速でKドリュウズを貫き、

Kドリュウズ「―――――!」

一撃で散った。

カビゴンもKヨノワールに攻撃を当てて、まずまずのダメージを与える。一方バイウールーは…

ホップ(バイウールーの技構成ではヨノワールに何もできない…少しでもカメックスにダメージを与えつつ、可能な限り体力を温存しておくべきだな。)

ホップ「…バイウールーはカメックスに“ずつき”!」

こうして全員の攻撃が終わって相手の出方を伺う。



Kカメックス「―――。」ピキピキ…

ホップ(……えっ?)

Kカメックスは攻撃をしてくるかと思いきや――

Kカメックス「――!」パリーン

“からをやぶる”を発動させ、一気に強化された。

ホップ(嘘…だろ…?)
 ▼ 65 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:30:07 ID:lZocfkVw [16/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

そしてKヨノワールは拳に力を溜め、渾身の力でカビゴンに反撃した。

バキィッ!

“リベンジ”―――ダメージを受けていると威力が増す、ノーマルタイプへの反撃手段だ。



ホップ「カメックスを止めなきゃ…!けど…誰から狙ってくるんだ…!?」

ホップ(“リベンジ”は攻撃されなきゃ大した威力にならない筈だ…とにかくカメックスを先に倒すんだぞ!)

ホップ「バイウールーは“すてみタックル”、カビゴンは“アームハンマー”!インテレオンは―――」



指示を出そうとした矢先、Kカメックスは天に向けて大砲を構え、力を蓄え始めた。
ホップ(!…まさか…!)

何かを思いついたホップはすかさず指示を出した。

ホップ「……カメックスに“ふいうち”!決めてやれ!」
 ▼ 66 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:30:51 ID:lZocfkVw [17/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ホップ「カメックスを止めなきゃ…!けど…誰から狙ってくるんだ…!?」

ホップ(“リベンジ”は攻撃されなきゃ大した威力にならない筈だ…とにかくカメックスを先に倒すんだぞ!)

ホップ「バイウールーは“すてみタックル”、カビゴンは“アームハンマー”!インテレオンは―――」



指示を出そうとした矢先、Kカメックスは天に向けて大砲を構え、力を蓄え始めた。

ホップ(!…まさか…!)

何かを思いついたホップはすかさず指示を出した。





ホップ「……カメックスに“ふいうち”!決めてやれ!」

Kカメックスの攻撃よりも早く、インテレオンの先制攻撃が当たる。
そしてKカメックスは天に向けて大量の水を勢いよく放った。

ホップ「………やっぱ、“しおふき”だったな!」ニヤッ

ホップ(しかもヨノワールがまた“リベンジ”だったとしても、オレは今回全くヨノワールを狙っていない!これなら…!)
 ▼ 67 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:31:39 ID:lZocfkVw [18/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

“からをやぶる”により超パワー・超スピードを得た代わりに耐久力が犠牲になったところに“ふいうち”が入り、“しおふき”の勢いは弱まった。

ホップ「…よし!全員耐えたな!」

バイウールーの“すてみタックル”とカビゴンの“アームハンマー”の集中砲火を受け、Kカメックスも霧散した。

Kヨノワールはまたカビゴンを狙って“リベンジ”を放つが殆ど効いていないようだった。



ホップ「あとは、お前だけだな!」ニッ

ホップ「インテレオン、カビゴン、“あくのはどう”と“かみくだく”で倒すんだ!」

Kヨノワール「―――――!」パリーン…

2匹の集中攻撃を受け、既に消耗していたKヨノワールもまた消滅した。

ホップ「…よし!こっちも終わったぞ!」

 ▼ 68 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:32:46 ID:lZocfkVw [19/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

―ビートside―

ビート「……フン、紛い物のフェアリーに、どくタイプのポケモンでぼくらに抗うつもりか…!」

ビートは静かに、しかし怒りを宿した視線でKトゲキッス、Kエルフーン、Kドヒドイデを捉える。

ビート「行きますよ…ぼくの相棒達は負けやしない!」

ビートが繰り出したのはサーナイト、クチート、ガラルギャロップの3匹。幸いにも元エスパー使いだったころの名残か、続投していたガラルギャロップと、後から加入したサーナイトで苦手などくタイプへの牽制にはなっている。



ビート(真っ先にドヒドイデを狙いたい…と言いたいところですが、防御力が高いうえに“トーチカ”で様子を見てくる可能性は高い。なら、他の2匹から先に狙うべきでしょう。トゲキッスも放置して能力を上げられるのは流石によろしくないのでね…。)

ビート「サーナイトは“マジカルシャイン”で全体を攻撃!クチートとギャロップはそれぞれ“アイアンヘッド”“スマートホーン”でトゲキッスとエルフーンを狙うんだ!」



強烈な光と鋼の攻撃で相手のフェアリー陣営を攻めるビート。

ビート(トゲキッスもほのおタイプの技があるなら、ここは守ってこない可能性もある。それなら勝負の序盤こそが好機です!)
 ▼ 69 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:33:36 ID:lZocfkVw [20/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

Kエルフーン「――♪」

ビート「…ちっ、撃ち損じましたか。」

特性“いたずらごころ”を利用して“みがわり”を発動し、ギャロップの“スマートホーン”をやり過ごすKエルフーン。

ビート(…まぁこのぐらいは想定内です。問題は後の2匹ですが…。)



サーナイトの放った“マジカルシャイン”は微量ながら、堅実に3匹にダメージを与える。ギャロップが先にKエルフーンの“みがわり”を破壊したことにより、本体に攻撃が届いた。

Kトゲキッス「――!」ゴォッ

ビート「…ぐぅっ…!」

Kトゲキッスはやはりクチートの弱点を突くべく“かえんほうしゃ”を発動していた。辛うじて耐えて返しの“アイアンヘッド”を当てることには成功するが…。

ビート(こうなっては、素早さの低いクチートはもうトゲキッス、エルフーンへの攻撃が届くことはない。ギャロップでトゲキッスを狙いますか…。)

Kドヒドイデは防御態勢を取らずに“ねっとう”でギャロップを狙う。やけど状態になり攻撃力が下がってしまった。

ビート(守らずに攻めた上によくもギャロップを…!だがそれなら流石に次は守ってくるだろう…!)
 ▼ 70 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:36:58 ID:lZocfkVw [21/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ビート「サーナイトはもう一度“マジカルシャイン”!ギャロップは“スマートホーン”でトゲキッスを攻撃!クチートはサーナイトに続いてエルフーンに“アイアンヘッド”!」

Kエルフーン「―――♪」

Kエルフーンは消耗したギャロップに“やどりぎのタネ”を植え付けた。ひんしギリギリのクチートをわざわざ狙うまでもないと判断したのか。

Kドヒドイデは“トーチカ”で攻撃を防ぎに来た。


ビート「…その隙が命取りですっ!!」


やけど状態のままギャロップは角を突き立ててKトゲキッスに突撃する。ギリギリ耐えられてしまったが、すかさずサーナイトの“マジカルシャイン”がKエルフーン諸共包み込む。

ビート(ギャロップはやけどで攻撃力が下がっている。クチートで一撃当てても落とせるかギリギリなら、サーナイトであと一押ししてやればいいんだ!)
 ▼ 71 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:37:24 ID:lZocfkVw [22/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

そして、クチートを放置していたことが災いし、サーナイトの全体攻撃2発分のダメージと、クチート渾身の“アイアンヘッド”を耐えきれず――

Kエルフーン「―――!」ピキピキ…
Kトゲキッス「―――!」パリーン…

フェアリータイプのポケモンの姿を模倣した紛い物の悪魔2匹は光の粒子となり、ガラス片の様に割れ、消え去った。



ビート「アトラ…!天才を名乗っておきながらこのようなくだらないかはバンを始めたことを、そしてフェアリーを愚弄したことを後悔させてやりますよ!」

3匹は残ったKドヒドイデを睨む。2連続で防御態勢を取ることは叶わず、次の“トーチカ”は失敗した。

ビート「ここで成功しようが少しだけ長引くだけのこと!ぼくの邪魔をするなぁっ!!」
ビートの怒号と共に、サーナイトの“サイコキネシス”、ギャロップの“サイコカッター”を受け、Kドヒドイデも崩れ去った。

Kドヒドイデ「―――…。」バキバキ…

ビート「…さて、他の方はうまくやっていますかね…。」
 ▼ 72 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:41:22 ID:lZocfkVw [23/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

―マリィside―

マリィ「マサル達はあんな奴らに負けない、きっと勝ってくる…だからあたし達も勝つよ!」

レパルダスとズルズキン、相棒のモルペコがマリィの掛け声に反応する。Kシャンデラ、Kナットレイ、Kギャラドスと、こちらも他5人の相手とは謙遜ない強さを持つ。

(あのギャラドス、さっきの時点で“いかく”してこなかったね…。それに…“ねこだまし”で誰かの動きを止めてもシャンデラの高い攻撃力が厄介やけん、シャンデラの攻撃力を削ぎつつ先に倒す!)

マリィ「レパルダス、“バークアウト”!モルペコはギャラドスに“オーラぐるま”!ズルズキンはナットレイに“ドレインパンチ”!」

Kシャンデラ「!」

“まもる”で自身への攻撃を防いだKシャンデラ。レパルダスの放った騒音は残る2匹に直撃し――

バチィィッ

――でんきタイプの“オーラぐるま”がKギャラドスに直撃し、霧散した。
パキィィン…



マリィ(シャンデラは攻めてこなかったね…でもむしろその方が好都合!)

続くズルズキンも拳をKナットレイに当ててダメージを与える。“てつのトゲ”が刺さるが、タフなズルズキンには微々たるダメージ。

Kナットレイ「――!」
刹那、Kナットレイはその図体から想定しにくい跳躍を行い―――
マリィ「!?」

―――ズルズキンを押しつぶし、大ダメージを負わせた。
 ▼ 73 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:42:01 ID:lZocfkVw [24/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マリィ「しまった、“ボディプレス”!?ズルズキン大丈夫!?」

思わぬ痛手を負わせられ、動揺するマリィ。ズルズキンはまだ体力が残っているものの、次は耐えられない。

マリィ(…とは言えナットレイももう次はないったい!次で決める!)



モルペコは黄色と黒の愛らしい姿から一転、“はらぺこスイッチ”で紫と黒の凶悪な姿に変わった。

マリィ「ギャラドスを守らなかったのがあんた達の敗因とよ!レパルダスはナットレイに“いちゃもん”!モルペコは無防備になったシャンデラに“オーラぐるま”!ズルズキンはナットレイに“ドレインパンチ”!」

“はらぺこスイッチ”を利用した技タイプ変化によるあくタイプの“オーラぐるま”は、Kシャンデラを包み込み、こちらも一撃で粉砕した。

Kシャンデラ「―!」パキィィン
 ▼ 74 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:42:26 ID:lZocfkVw [25/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

レパルダスは“いたずらごころ”を利用した“いちゃもん”でKナットレイの“ボディプレス”を封じつつ、ズルズキンの“ドレインパンチ”を再び当てる。
特性と変化技を駆使したあくタイプらしい変則戦術でパワー型の編成を追い詰めた。



マリィ「いくら鉄壁のナットレイでももう体力はあと少し、モルペコ!“でんこうせっか”!」

レパルダスの素早さを超え、高速で突撃していったまんぷくのモルペコがKナットレイにとどめを刺し、決着した。

Kナットレイ「―――!」バリィィン



―――

――



 ▼ 75 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 19:42:49 ID:lZocfkVw [26/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マサル「これで全滅したな!」

ユウリ「私達が協力したんだもの!当然!」

ビート「…全く、呑気ですね貴方達は。もう勝った気でいるんですか?」

ホップ「なんだよー、勝ったのにすましてるなービートはー。」

マリィ「違う違う。あんたら。コウタはもう先にアトラを止めに行ったとよ。」

マサル「っと。そうだった。急ごう!」



―――

――



 ▼ 76 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:44:59 ID:lZocfkVw [27/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アトラ「……はぁ、全く。キミってばホントしつこいね。でも強いよ。ボクが作り上げた伝説のポケモン達をここまで追い詰める程に強いんだもん。ボクの邪魔さえしなければ惚れ惚れするようないい男なのに。」

コウタ「くっ…。」



コウタは奥地でハッキングを発動させようとしているアトラと対峙していた。辛うじてアトラの操るKポケモン達―ソルガレオ、ネクロズマを取り込んだ姿と元の姿の色違いのネクロズマ、レシラムとゼクロムを取り込んだ姿の色違いのキュレムの計5匹を倒すことが出来た。
しかし、コウタもまた自身の手持ち―イオルブ、ギャラドス、ガラルマッギョ、ケンホロウ、ストリンダ―が倒され、6匹目のガオガエンもまた追い詰められていた。

アトラ「ボクにはまだ、全快の最後の1匹がいるんでね…出でよキュレム!」

放り投げた6個目のマスターボールからは、本来の姿をした色違いのKキュレムが凍てつく空気と共に現れた。

ヒュラララララララ!!!

瞬間、空間のあちこちが凍り始める。
 ▼ 77 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:45:25 ID:lZocfkVw [28/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アトラ「ねぇねぇ♪今からでもボクの彼氏にならない?このまま戦ってもその状態のガオガエンじゃ勝てないし、ボクのキュレムは力加減できないからさ。キミをこのまま殺しちゃうのも惜しいなーって。」

コウタ「…冗談じゃないね。そんなの君にだってわかってるだろう。」

アトラ「そっかぁ…







じゃ、死ねよ。」

Kキュレムは“ふぶき”を放ち――
ガオガエン「ガァァ…!」

ガオガエンは体力こそ僅かに残るも凍り付いてしまう。

アトラ「あーあ。ギリギリ耐えたみたいだけど、ボクの勝ちだね。」
 ▼ 78 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:45:53 ID:lZocfkVw [29/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「…なーにを勝った気になっているんだ?天才君よ。」
アトラ「……!?バカな!?」

ガオガエンの氷は溶け、それどころか炎を纏っていた。

コウタ「生憎と、偶然なんかじゃあないよ。君程の知識ならわかるだろう?」
アトラ「…!!」

“フレアドライブ”――自身の氷をも溶かす程の炎を鎧に変えて纏い、突撃する技。

コウタ「しかも僕のガオガエンの特性は“もうか”。これで終わりだ。






いけぇっ!ガオガエン!!!」
 ▼ 79 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:46:17 ID:lZocfkVw [30/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

周囲の凍てついた空気と共に、Kキュレムは灼熱の炎に呑まれて消えた。
その反動で、ガオガエンもまた地に伏していた。

コウタ「…ごめんな。ガオガエン。最後に無茶させて。」
駆け寄ってきたコウタに抱かれながらガオガエンは、信頼するトレーナーに笑いかけ、ボールへと戻って行った。

アトラ「く、くそっ…あり得ない…!」



マサル「コウタ!大丈夫か!?」

コウタ「みんな!」

ユウリ「うわっ、この辺めちゃくちゃになってるよ!?」

マリィ「大方、アトラとバトルしとったね。」

コウタ「なんとか勝てたけど、僕の手持ちはもう全滅だ。それよりもハッキングを止めないと!」

ホップ「了解だぞ!」




アトラ「まだまだぁぁぁ!」ポチッ

アトラがスイッチを押すとともに、電子音と光の粒子が集まり、徐々に形取っていく。

ビート「こ、これは…!」
 ▼ 80 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:46:44 ID:lZocfkVw [31/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アトラ「まだまだ、足止めさせてもらうぞ…!」

コウタ「往生際が悪いぞアトラ!」



ムゲンダイマックスKムゲンダイナ、Kミュウツー、Kマーシャドーが現れた。



ビート「…コウタ君。君のポケモンを回復させます。」

マリィ「マリィとビートで周りの2匹を倒すけん。マサル達と4人でムゲンダイナの偽物、コロッとやっちゃって!」

コウタ「…了解!任せたよ2人とも!」
 ▼ 81 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:48:19 ID:lZocfkVw [32/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

―マリィ・ビートside―

ビート「頼みますよ、ブリムオン!」

マリィ「オーロンゲ、任せるよ!」


ブリムオンは特性“きけんよち”で身震いした。
ビート(十中八九マーシャドーの方に反応したのでしょうが…ミュウツーが“シャドーボール”を覚えている可能性もありますね…。)


マリィ「ビート。キョダイマックスはあんたが使いなよ。マーシャドーとミュウツーの方が早いけん、キョダイマックスしないとビートが先に倒されそうばい。」

ビート「言われなくともそのつもりです。ブリムオン、キョダイマックス!」

ビートはブリムオンをボールに戻し、“ダイマックスB”の力でキョダイマックスをさせた。HPを増やすことで強引に耐える作戦に出たのだ。
 ▼ 82 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:48:51 ID:lZocfkVw [33/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Kミュウツーは“わるだくみ”でこのターンは攻撃せず、Kマーシャドーは“シャドースチール”をオーロンゲに放った。

マリィ「!?マーシャドーのやつ、こっち狙ってきたとよ!?」

ビート「恐らく貴女のオーロンゲが“いたずらごころ”を利用して何かしらしてくると読んだのでしょう。仮に“ビルドアップ”なんてしてたら一気にこちらが劣勢に立たされますからね。」

マリィ「…流石やね、ビート。あたしはこの場面、オーロンゲを強化している暇はないと思ったから攻撃させるつもりだったけど正解だったね。」

結果、このターンは僅かなダメージで済み、今度はビートとマリィの反撃が始まる。

マリィ「オーロンゲはマーシャドーに“ソウルクラッシュ”!」

ビート「ブリムオンは“キョダイテンバツ”!」

Kマーシャドーを軽々と撃破し、“キョダイテンバツ”で混乱状態となったKミュウツーが残った。
 ▼ 83 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:49:38 ID:lZocfkVw [34/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マリィ「あとはミュウツーの攻撃を耐えて、マリィ達のどっちかの攻撃が当たれば勝ちね!」

Kミュウツー「……!!」

Kミュウツーは“ふぶき”を放ち、オーロンゲとキョダイブリムオンに攻撃を当てる。混乱をものともせず反撃に出られ、ブリムオンとオーロンゲは凍り付いてしまった。

マリィ「そ、そんな…!」

ビート「2匹とも凍らせてくるなんて…!」



マリィ「…けど、次に賭けるしかないったい。“こおりなおし”使って。次かその次でミュウツーが混乱で自分を攻撃すれば、勝算はあるよ。」

ビート「…もし次も攻撃が当たったら?」

マリィ「ブリムオンがまた凍らされなければ勝てるとよ。あんたのブリムオン、確か“あくのはどう”、使えたよね?」

ビート「…他に方法はないですし、仕方ないですね。」

2人はこおり状態を回復する。Kミュウツーは―――
 ▼ 84 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:50:03 ID:lZocfkVw [35/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

バシッ

訳もわからず自分を攻撃した!

ビート「次で!」
マリィ「決める!」

ビート「ブリムオン、“ダイアーク”!」
マリィ「オーロンゲ、“DDラリアット”!」

次はKミュウツーも“ふぶき”で応戦。マリィのオーロンゲは自身の攻撃“DDラリアット”が届く前に力尽き―――



ドォォォォォン



ブリムオンが放ったキョダイな悪のオーラはKミュウツーを包み込み、ブリムオンは辛くもKミュウツーを撃破した。

Kミュウツー「―――――!!」

Kミュウツーは片膝を突き、手を伸ばすが、次に瞬間には既に光となって散っていった。



ビート「あとはマサル達の戦いですが、ぼくらもまだ終わりではありません。」
マリィ「マリィ達で先にアトラを止めに行こ。」

2人は先を急いだ。
 ▼ 85 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:50:44 ID:lZocfkVw [36/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――時は、マリィとビートが戦闘開始した時点まで遡る。

―マサル・ユウリ・ホップ・コウタside―

コウタ「連戦だけど頼むぞ、ガオガエン!」
マサル「力を貸してくれ、ザシアン!」
ユウリ「お願い、ムゲンダイナ!」
ホップ「任せたぞ、ザマゼンタ!」

コウタは回復してもらった自らの相棒を再度繰り出し、マサル達3人は伝説のポケモンを繰り出して対峙する。
相手はかつてガラルを混乱に陥れたブラックナイトの正体、ムゲンダイマックスしたムゲンダイナを模倣した巨大なKポケモン。

ユウリ「コウタ君、ダイマックスは使える?」
コウタ「何回か使ったことはあるよ。このメンバーだと使えるのは僕だけらしいな。」
ホップ「流石だぞ!そこまで理解しているんだな!」
マサル「遠慮はいらない、最初からフルパワーで行くよ!」

コウタ「ガオガエン!」
コウタはボールにガオガエンを戻し、巨大化させる。
コウタ「ダイマックス!!」
 ▼ 86 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:51:26 ID:lZocfkVw [37/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダイマックスしたガオガエンが再びボールから現れる。全員で攻撃態勢に入った。
マサル「ホップ!奴は特殊技の方が脅威だ、“ひかりのかべ”がないならひたすら攻撃で頼む!」

ホップ「そのつもりだぞ!ザマゼンタ、“きょじゅうだん”!」

マサル「ザシアン、“きょじゅうざん”!」

ユウリ「ムゲンダイナ、“ダイマックスほう”!」

コウタ「ガオガエン、“ダイアーク”!」



4匹の攻撃が集中する。伝説のポケモン達の攻撃はダイマックスポケモンには大きなダメージを与え、“ダイアーク”はKムゲンダイナの特防を下げる。

コウタ「いくらどれだけの化け物だとしても倒す!今の“ダイアーク”で特防は下げたから、次のユウリのムゲンダイナの攻撃はより効く筈だよ!」

ユウリ「ありがとう、流石コウタ君!」



Kムゲンダイナはオーラを放ち、ザシアンとザマゼンタ、そして自身のステータス変化と全員の特性を掻き消した。

ユウリ「ああっ…!」

コウタ「早くもオーラを!?…でもそれなら追い詰めているはず…!」



Kムゲンダイナの ダイドラグーン!



ユウリ「!」
コウタ「くっ!」

巨大な龍のオーラがユウリのムゲンダイナを包み込む。
 ▼ 87 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:51:51 ID:lZocfkVw [38/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ユウリ「…!みんな、ごめん…!」
戦闘不能になったムゲンダイナをボールに戻した。マサル達は戦慄した。

マサル「無茶苦茶だ…この中じゃ一番ダメージを与えられるから先に狙われたのはかなりきつい…!」



再度、攻撃を仕掛ける3人。

マサル「ザシアン、“きょじゅうざん”!」

ホップ「ザマゼンタ、“きょじゅうだん”!」

コウタ「ガオガエン、“ダイアーク”!」

先にザシアンの“きょうじゅうだん”が直撃し、ザマゼンタがその次に続く―――
 ▼ 88 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:52:24 ID:lZocfkVw [39/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

Kムゲンダイナの ダイバーン!

―――より早くKムゲンダイナが巨大な炎でザマゼンタを阻み、ザマゼンタも倒れてしまった。

ホップ「ザマゼンタ!…くそ、ごめんな…。」
ホップはボールにザマゼンタを戻し、ユウリと共に2人を見守る。

そしてガオガエンの“ダイアーク”はKムゲンダイナに届き、次が最後のターンとなる。

マサル「ザシアン、“きょじゅうだん”!」
Kムゲンダイナの ダイドラグーン!
急所に 当たった!

コウタ「こんな時に…!」
不運にも急所を捉えられ、ガオガエンは爆発と共に元のサイズに戻って力尽きた。
 ▼ 89 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:52:49 ID:lZocfkVw [40/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウタ「…よく頑張ってくれたよ、相棒。ゆっくり休んでくれ。」
2度も瀕死にしてしまった相棒を見て悔やみながらボールに戻す。

マサル「…とは言え、もう相手のムゲンダイナも体力は残り僅かのはず。次で決めてくれ、ザシアン!」

ザシアンの きょじゅうざん!
 ▼ 90 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:53:02 ID:lZocfkVw [41/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告










斬ッ………










 ▼ 91 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:54:18 ID:lZocfkVw [42/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

そして、Kムゲンダイナから凄まじい光が放たれ、天に向かって残りの力を振り絞り“ダイマックスほう”を放ち―――





―――大爆発を起こし、跡形もなく消えていった。



――全員の戦闘終了後
ビート「!…あっちも終わりましたか。」
マリィ「やった!」

ユウリ「みんな!こっちも勝ったよ!」
ホップ「最後はマサルが決めてくれたぞ!」
コウタ「…もう今度こそ終わりだ、アトラ。」
マサル「こっちには信者と化したみんなを元に戻すプログラムもある。そして君の手先も全滅した。」
 ▼ 92 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:54:38 ID:lZocfkVw [43/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ダンデ「その通りだ!」
後ろからダンデとジムリーダー達も来た。

コウタ「よかった、皆さんも無事だったんですね!」
キバナ「当然だろ?全員片付けてやったぜ。そしてオマエらも流石だな!」
マサル「さぁ。投降してもらうよ、アトラ。」
ホップ「年貢の納め時だぞ!」

アトラ「………。」

グシャッ!!

コウタ「!」

アトラは、再ハッキングのための端末を自ら破壊した。

マサル「……なんのつもりだ?」
アトラ「確かに、もう"ボクからは"これ以上何もできないかもね。」
 ▼ 93 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:55:22 ID:lZocfkVw [44/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アトラ「………けど"ボクら"は負けちゃいない、まだ終わりじゃないさ。」

ネズ「…なんですって?」

メロン「大層な減らず口だねぇあんた。これ以上何があるってんだい。」

キバナ「全くだ。しかも最後っ屁だからってオレさまのジムの地下からどデカいもん撃ちやがっ…!!」

ダンデ「ま、まさか…!」

アトラ「そう、そのまさかだよ、イケメンのお兄さんに元チャンプのお兄さん♪」



外から声と、扉を叩く音と拡声器を使っているかのような声が聞こえる。

『みんな!この扉をぶち破ろう!!』
『この先にアトラさんと、アトラさんをいじめる連中がいるはずだ!』
『アトラさんはまだ負けていない!私達がいる限り負ける未来はないのよ!」



オニオン「……て、敵が…こっちに来てる…!」
サイトウ「まさか、無理矢理にでも場所を特定するために!?」
 ▼ 94 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:56:00 ID:lZocfkVw [45/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アトラ「もうここまで来たら止まらないよ。ここの扉は開けっ放し。ボクの拠点自体の入口の開閉スイッチは端末ごと壊しちゃったし、こうなっちゃったらもうボクにさえどうにもできないよ♪アハハッ!!」

ヤロー「やっとの思いで根こそぎ刈り取ったのに…!」

ルリナ「冗談じゃないわ!ここまで来て私達、死ぬの…?」



そしてアトラは扉の前に駆け出し、耳元に隠していたマイクを使って大声を上げた。
アトラ「ハロー!みんなのアトラだよ!」
その声を聞き、扉を叩く音は一時的に収まった。

『おお!アトラさんだ!』
『無事だったんですね!』
『アトラさーん!』

アトラ「うんうん♪みんないい返事!キミ達の予想通り、ボクらの敵はここにいるよ!だからみんなには、ボクを助けてほしいんだ!」

『わかりました!』
『やってやりますよ!』
『アトラさんに栄光あれ!』

その後、凄まじい声援が扉越しに聞こえた。そして再び扉は叩かれる。

アトラ「そうだよみんな!さぁ、この扉を壊して入ってきて!そしてボクらの幸せな世界づくりをやり直そう!ボクらの幸せのために、輝きある勝利の未来のために!!アハハハハハハ!!」
 ▼ 95 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:56:41 ID:lZocfkVw [46/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マサル「な、なんだこの声量は!」

ビート「明らかに、数十人程度が大声を出し続けているものじゃありませんね。」

マリィ「まさか、ガラル中ほぼ全員じゃ…!」

ホップ「オレ達を殺すためだけに、一つになって押しかけているっていうのか!?」

ユウリ「端末は壊れちゃったし、ど、どうすれば…!」

コウタ「……いや、まだ諦めちゃだめだ!」



コウタが声を上げ、みんな一斉に振り向く。



コウタ「ロトム、今すぐにスマホから抜け出してくれ。」

コウタのスマホロトム「エッ…?」

コウタ「急いで!」

コウタのスマホロトム「りょ、了解ロト!」
 ▼ 96 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:57:21 ID:lZocfkVw [47/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

スマホからロトムが分離したのを確認し、コウタは自分のスマホを差し出してこう言った。


コウタ「今、僕のスマホは空になった。これを端末代わりにしてそのプログラムで音爆弾を起動させるんだ。」

マサル「なるほど!端末さえあれば起動できるからあとはインストールするだけ!」

キバナ「考えたなコウタ!容量も問題ないならさっさとやっちまおうぜ!」

ビート「……でも待ってください。あの音爆弾はすさまじい威力を持ちます。それをそんな小さい端末でやったら…!」

コウタ「問題なく作動はするよ。」

マリィ「…作動はするだろうけど…その…あんたのそのスマホは…。」

ダンデ「耐えきれず吹っ飛ぶ…か。」

ユウリ「…。」

 ▼ 97 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:57:53 ID:lZocfkVw [48/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ドォン!

ドォン!!

ドォォン!!!

『もう少しだ!みんな!』
『あと一息、頑張りましょう!』
『アトラさんの敵を皆やっつけろ!一人残らず処刑してしまえ!』





エネルギープラントの更に地下から侵入するアトラの拠点への入り口、更にそこから通路を通ってジムリーダー達が戦ったフィールド、そこから少し先へ進んだ先にあるマサル達の決戦場。

決戦場に辿り着くまで2つの扉があるにもかかわらず響く大声、ジムリーダー達のフィールドまでの扉が破られれば、あとはまっすぐ決戦場まで押し寄せてくる。そうなれば何千人、何万人といるアトラの信者達はまず抑えられないだろう。





コウタ「時間がない!もうこれしかないんだ!早くプログラムを!」
コウタは自身のスマホをマサル達の方へ投げた。
 ▼ 98 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:58:17 ID:lZocfkVw [49/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マサル「……みんな。










やるしかない。やろう!」

 ▼ 99 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 20:59:05 ID:lZocfkVw [50/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

そして5人は急いでコウタのスマホにプログラムのインストールを開始する。完了したら起動スイッチを押し、スマホを信者達の方へ投げ込むだけだ。

コウタはアトラの元へ駆け寄り、掴んだ。
アトラ「なっ、何をする気だい!少年!今更ボクをどうするつもり!?エッチ!」

コウタ「悪いけどこれ、使わせてもらうよ!」

アトラ「あっ、ちょ、ちょっと!ボクのマイク返せ!」



コウタ「皆、このマイクをスマホに付けて!より大きく響かせるんだ!」

アトラ「くそっ、させるか!」



ガシィッ!



アトラ「ぐうっ!女の子に手をあげる気かいキミは!?」

コウタ「今更よく言う!お前は僕が足止めする!」

アトラ「くそぉ!放せぇぇ!!」




ドォォン!!!!

ドォォン!!!!!

ドォォン!!!!!!

 ▼ 100 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 21:00:05 ID:lZocfkVw [51/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マサル「…よし、インストール終了だ!」

ユウリ「…っと!マイクも付けたよ!」

ホップ「あとはスイッチを押して投げ込むだけだ!」


ピッ


ダンデ「よし、みんな!端まで離れて耳を塞げ!」



コウタ「っそれ!」ブンッ

アトラ「うわっ…!」



コウタはアトラを扉側に放り捨て、すぐ反対側――マサル達のいるところへと走った。
 ▼ 101 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 21:00:35 ID:lZocfkVw [52/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ドガァァァン

向こう側、ジムリーダー達がいたところの扉が破壊される音が聞こえ、凄まじい歓声と共に向こうから大勢の人だかりが見えてきた。

『『『『『うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!』』』』』

ここまで来るのも時間の問題だ―――

プログラム『大音量が発生します。注意してください。発生まであと、10――』


9―――

コウタ「まだだ、ギリギリまで引き付けて…。」

8―――

アトラ「くそっ!」
人だかりに巻き込まれないよう、入り口側真横に避けるアトラ

7――

『アトラさんだぁぁ!アトラさんが見えたぞぉぉ!!』

6――

『急げェぇぇぇ!!』
 ▼ 102 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 21:01:20 ID:lZocfkVw [53/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

5――

ビート「…今です!」
コウタ「投げろぉぉぉぉぉ!!」

4――

マサル「全員!!耳を塞ぐんだ!!!」

3――

『いたぞ!あいつらだ!!』

2――

『潰せぇぇぇぇ!!!』
『おい!何かがこっちに飛んでくるぞ!』

1――

『おい、これスマホだ!』
アトラ「み、みんな、耳を塞ぐ―――――――





ここ、ナックルシティの遥か地下、エネルギープラントの更に地下から、ナックルシティ全域に大きな"音"が響き渡った。






Episode#4〜決戦〜・完
 ▼ 103 日はここまで◆6NpEuhCrOQ 20/06/18 21:04:58 ID:lZocfkVw [54/54] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※ごめんなさい。
>>39で、3章以降は数回に分けて投稿すると断りを入れましたが、投稿が滞っている間にDLCが来てしまいましたので今回かなり駆け足で投稿いたしました。
この後もSSはまだ少し続きますが、いずれも時系列的には「鎧の孤島」解禁前を想定しています。ご了承ください。
 ▼ 104 ワライド@ジャラランガZ 20/06/22 01:26:20 ID:n57wZ6zk NGネーム登録 NGID登録 報告
オリキャラボクっ娘かよ興奮する





敵側なのが残念、支援
 ▼ 105 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 21:45:25 ID:yXQ659gI [1/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

Episode#5〜再生〜

マサル「……ん。」

マサルが気が付き、倒れていた身体を起こした。
そこには、先程までの自分と同様、大勢の人間が気を失い、倒れていた。
ユウリも、ホップも、マリィも、ビートも、コウタも、ダンデも、そしてジムリーダー達も。

そして反対側、自分の周りにいる人間よりも遥かに多くの人間が気を失っており、静まり返っていた。
そしてその隅には、1人の少女、そして、粉々に砕け散った何かの機械の破片。

マサル「……。」

意識がはっきりとし、そして思い出す。先程―――それが今となってはどのくらい前なのかはわからない。
自分達はガラル全土を巻き込んだ、1人の少女とその傀儡達と戦った。
そして、自分達を殺そうと迫ってきた少女の傀儡達は―――当時の喧騒とは打って変わって静かに倒れているだけだった。



コウタ「マサル!気が付いたの?」


コウタだ。彼もまた気を失っていたが、今目が覚めたようだ。
 ▼ 106 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 21:45:54 ID:yXQ659gI [2/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マサル「ああ、たった今。」

コウタ「耳を塞いでいても僕らでさえ気絶するほどの威力だ、もう皆吹っ飛んだだろ。」

マサル「君が持ってきてくれたデータのお陰で、洗脳の為の音波を解析し、逆にその洗脳を解くことに成功したんだ。」

コウタ「それであれだけの威力になるんだ。いざとなったらアトラはこれだけの人数を一度に操る気だったのかもね。」

マサル「…で、今はーーー…6/2!?あれから3日も経ってたの!?しかも今夜中の1時じゃん…。」

コウタ「しかもここにいるのって…ほぼガラル地方中の人々なんだよね…そりゃ誰も気づかず…というか助けなんて来ないわけだ…。」

やれやれと頭を抱えるコウタと溜息を吐くマサル。兎にも角にもこれでようやくKポケモンと連続殺人事件も幕を閉じたのだ。
 ▼ 107 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 21:46:23 ID:yXQ659gI [3/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

カツン――

コウタ・マサル「「!」」

足音がこちらに近づいている。2人が振り向くと、フラフラとこちらに歩いてきているアトラだった。

コウタ「……まだ何かあるのか!?」
アトラ「……。」

コウタの呼びかけに応答せず、無言で近づくアトラ。そして2人の前で立ち止まり、しばらく黙った後に、アトラはこう告げた。

アトラ「もう流石に何もないよ……ここにボクのファン、つまり、隠れていた人とかを除くガラル中の全ての人間が全員集まってきて、しかも全員気絶してるんだ。次起きた頃にはもうボクが好きなんてことは忘れてるよ。これでゲームオーバーさ。」
参った参った、と両手をあげるアトラ。全てが抜けきったかのような彼女のその言葉に偽りはないと確信した。

アトラ「……ボクは間違っていたのかな。」
悲しそうに告げる彼女。更に続ける。
アトラ「ポケモントレーナーの中には、弱いことに劣等感を抱え、更に育てるのも面倒くさがる人間がいる。もちろん全てのトレーナーがそうとは言わない。でも一々誰が正しくて誰が間違っているかなんて、知ったこっちゃない。」
アトラ「だから、楽して強い、望み通りのポケモンが分け与えられればそんな人間もいなくなる。それだけだったのに…。」

コウタ「それが君の言う、皆で幸せになる、か。」
 ▼ 108 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 21:47:01 ID:yXQ659gI [4/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウタ「幸せになんて誰だってなりたいさ。でもその為に君は何も罪のない人から幸せを奪ったんだ。」

コウタ「君が今回の騒動を起こしたきっかけはともかく、こんな風に道を踏み外したって結局解決なんてしない。」

コウタ「人を殺すためのKポケモン、自分を受け入れない人を殺すための信者、その全てが間違っていた。……もう頭は冷えたか?」


アトラはしばらく黙り込んだ後、「そっか……」とだけ呟き、「ボクが負けたのは事実なんだ…。」と言った後、コウタの方に向き直った。


アトラ「ねぇ…最後にキミの名前…教えてくれるかな…?」

コウタ「…コウタ。」

アトラ「コウタ、か……フフッ、良い名前。」

そう言ってからコウタを強く抱きしめ、近くにいたマサルは突然のことに驚く一方、抱きしめられているコウタ本人は冷静だった。そしてコウタの耳元でアトラは呟く。

アトラ「こんな形で出会ってなかったら、キミと争ってなかったら…ボクがキミに言った、『惚れ惚れするほどのいい男』って言ったの、あれ、本気にしちゃってたかもね。」

そうしてアトラはコウタを離し、後ろに少し下がった。
 ▼ 109 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 21:47:30 ID:yXQ659gI [5/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アトラ「……でもキミ、大切な人、いるんだろ?」

コウタ「…だったらどうしたんだ?」

アトラ「…………ボクでもない、ガラルの誰でもない、『女の匂い』の気がしただけ、かな♪」

コウタ「……。」ハァ

マサル「え、マジか…ってコウタも否定しないの!?」

アトラ「そっちの赤服のお兄さんもコウタ程じゃないけど。なかなかだったよ。」

マサル「ッ!」///




そしてアトラはその場に座り込んで両手をあげて―――





アトラ「参った。……ボクの負けだよ。」





――満面の笑みで告げ、その後再び気を失った。

 ▼ 110 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 21:48:17 ID:yXQ659gI [6/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

あれから数時間が経過し、ユウリやダンデ、ジムリーダー一同も目が覚め、同時にガラル地方の全住人も次々に目を覚ました。

住人達はこれまでのことを覚えているかについては「アトラさんというトレーナーの為に行動していた」「珍しいポケモンの情報に感謝していた」「途中、APネットワークを見ている途中からの記憶がない」という回答があった。アトラの指示で殺人をした記憶や今回の全面戦争についての記憶はさっぱりないらしい。



事件の後、エネルギープラントはその地下のアトラのアジトを完全に撤去、およびプラントと、Kムゲンダイナが開けたという穴を塞ぐための工事が行われた。これには長い年月がかかるだろう。

次に、今回の事件で犠牲になった住人の身元を調べ、供養を行った。アローラでも同様の事象があったため、コウタが主導となって進められた。

また、APネットワークは事件を経てアトラが逮捕された後、彼女自身の手によって削除された。彼女のトレーナーカードは当然没収され、服役しているが特に抵抗もない。

APネットワークの消滅を皮切りに、現在ガラルの人々の一部が持っている、アトラから交換で貰ったKポケモンは消滅し、ワイルドエリア中の巣穴からも、本来は出現しないダイマックスポケモンは消滅した。

交換のために出されてしまったポケモンはアトラのボックスにいたため、彼女のトレーナーとしての登録抹消と共に元の持ち主の元へ返却された。

ガラル地方はこうして徐々に復興へと向かっている。
 ▼ 111 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 21:48:59 ID:yXQ659gI [7/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

―――1週間後
マサル達はソニアの研究所でお茶会をしていた。
復興作業もひと段落したため、コウタも入れた6人で盛り上がっていた。


コウタ「やっと落ち着けるね…やっぱりガラル地方もいいところだなぁ。」

マサル「だろ!?ホップやダンデさんに色々案内されて旅もしてきたけど、ホント最高だよ!」

ユウリ「でも、アローラ地方も気になるなぁ。私も行ってみたい!」

ホップ「オレもだ!ユウリと同じく楽しみってのもあるけど、今は博士を目指して勉強しているし、オレの知らないポケモンについても見て学べると思うんだ!」

ソニア「熱心だなぁ〜ホップは。そういうことなら応援するけど、まずは目の前の勉強からしっかりやりなさいよ〜?」

ホップ「お、おう…善処するんだぞ…。」


マリィ「あたしもビートもジムリーダーの会合続きだったけどようやくまとまった休暇が取れたのは嬉しかよ。」

ビート「ま、お陰でしばらく面倒なクイズとかはないですね。まぁそれはそれでほんの少しだけ退屈ですがね。」

ソニア「お?なら今からポプラさんにそう電話で伝えてあげよっか?」

ビート「…ッ!し、心臓に悪いですよソニアさん。」

ソニア「あっはっはっは!冗談だよ冗談!……それはさておき、はい!コウタ君の新しいスマホよ!」

コウタ「…えっ!?ど、どうして…?」

ソニア「今回の件で君のスマホが跡形もなく壊れちゃったからって、ダンデ君がね♪」

コウタ「あ…ありがとうございます!」

ソニア「はいはい、どういたしまして。礼なら後でダンデ君に言いなよ♪」

コウタはすぐ新スマホにロトムを入れ、ダンデに連絡を取った。その後しばらくは近況報告が続き、それからはお互い自分の町や地方の良いところの紹介で話が続いた。
途中、ソニアはマグノリア博士のところに行くと言い、「じゃ、しばらくは水入らずの時間、ごゆっくり〜♪」とハンカチを揺らしながら出発した。
 ▼ 112 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 21:49:32 ID:yXQ659gI [8/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

このまま平穏な時間が過ぎていくのも良い、とコウタは思っていた―――

マサル「ところですっごい話変わるけどさ、





コウタって好きな人いるのか?」



コウタ「!?ゲホッゲホッ…!」///

――思っていた矢先にマサルから爆弾投下され、盛大に紅茶がむせてしまった。

ユウリ「え!?好きな人いるの!?私も気になる!!」
ホップ「マサルは何で知ってるんだ!?オレにも教えてくれよ!」
マリィ「マリィにも聞かせなよ!」

ビート「……紅茶が零れて大変なことになっているのは誰も気にしてないんですね。」
やれやれ、とただ1人頭を抱えるビートだった。
 ▼ 113 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 21:50:18 ID:yXQ659gI [9/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウタ「……ふぅ、全くびっくりしたな…。」
あの後零れた紅茶を拭き、濡れた服は後で洗濯する為に片付けて予備の服に着替えたコウタは、4人から質問攻めにあっていた。ちなみにビートは2階で本を読んでいる。

マサル「あのアトラって奴が『女の匂い』って言ってたし、敵とは言え俺達と同じぐらいの女の子に抱き着かれててあんなに冷静だったし、慣れてるだろ?図星なんだろ?」

ユウリ「きゃー!私達の知らないところでそんなことがあったの!?」///

ホップ「流石だぞ!敵からも惚れられるいい男なんだな!」

マリィ「まぁでも、確かにコウタはいい男やけん、惚れるのも何となくわかるとよ。」

ユウリ「だよねだよね!マリィもわかるんだー!」

マリィ「うん、コウタを好きになった人はきっと幸せ者やね。」

コウタ「ああもう、落ち着いて落ち着いて…ちゃんと話すからさぁ。」///

マサル「お?そのまま秘密にするのかと思ったぜ?」

コウタ「流石に全部は話さないけど、ここまで来たら全部は隠しきれないしね。それに言わなきゃすっきりしないでしょ。




けどこんな風に暴露するの、他の人には絶対しないと約束できるなら、だけどね。」

マサル「うっ…ご、ごめんなさい。」
コウタ「よろしい。」

ユウリ(…怒ったコウタ君、怖いー…。)ガクガク
マリィ(こういう人は一番怒らせたくなか。)ゾッ
この時だけ、目が笑っていなかったコウタに恐怖を覚える一同(ビート除く)であった。
 ▼ 114 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 21:50:59 ID:yXQ659gI [10/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

それからはコウタの話だった。かつて自分と同じカントー地方の町に住んでいて、一緒にアローラに引っ越してきたこと。
そのまま「島巡り」も友達と合わせて3人で一緒に競い合ったこと。
今回の事件と類似の『ネオ・ポケモン事件』含め様々な危機を乗り越えてきたこと。
今は自分の帰りをアローラで待っていること。

ユウリとマリィは黄色い声を何度もあげ、ホップとマサルは興味津々に聞き入っていた。
コウタはそれだけ話し終え、その後逆に4人の恋愛事情を聞き出したが特に今はそういう関係にはないと返され少し残念そうに「ちえっ…。」とぼやいた。


マサル「けど、もし仮に俺がそうやって恋人ができるとしたら、友達がいいかな!」

ユウリ「あ!それわかる!前から仲良かった友達から恋人昇格って凄く憧れてるの!」

マリィ「マサルは…えっと、その、もしあたしかユウリかだったら、ど…ど…。」///

ホップ「マリィ顔が赤いぞ?」

マリィ「な、なんでもなか!」///

コウタ・ユウリ(((あ〜〜…そっかぁ…。)))
 ▼ 115 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 21:51:30 ID:yXQ659gI [11/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ユウリ「あ、でも私ならホップがいいかな!」

ホップ「ん?オレなのか?」

ユウリ「うん!普段から一緒に勉強してるし、恋人になって一緒にいる時間が増えたら楽しいと思うの!一緒にご飯食べたり、一緒に勉強を教え合ったり、一緒にポケモンバトルしたり、ポケモンの話したり!」

ホップ「……確かにそれは楽しそうだぞ!いいなユウリ!」

ユウリ「ねー!」

マサル「眩しいなぁお前ら。羨ましいぜ!ホップ!ユウリを大事にしろよ!」

ホップ「ユウリの親か!……でも大丈夫だぞ!」ニッ

そう言ってマサルとホップは拳を軽くぶつけ合い、ユウリはマリィにウィンクした。
マリィはそのウィンクを見るや否や更に顔を真っ赤にし、それに気付いたマサルが話しかけてきた。



マサル「…マリィ?体調悪いなら少し寝るか?」

マリィ「べ、別に…大丈夫…じゃないんやけど…。」ゴニョゴニョ///

マリィ(やっぱ優しかね…マサル…。)///
 ▼ 116 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 21:51:50 ID:yXQ659gI [12/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マサル「………ところでさっき、あたしかユウリかって言ってたけど、なんて言おうとしたの?」

マリィ「ッ!しぇからしか!!!」バシィッ!///

マサル「なんで!?なんで叩かれたの!?」

コウタ「……それは流石に恥ずかしいと思うよマサル。」

マサル「どういうことだよ!?」




マリィ(…この鈍さだけはどうにかして欲しかよ。マサルのバカ。)///
ビート(穏やかじゃないですね…。)

いつものような平和が戻ったガラル地方であった。
 ▼ 117 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 21:52:36 ID:yXQ659gI [13/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――ワイルドエリア・ナックル丘陵――
お茶会の後、6人でキャンプに出掛けた。実に約2週間ぶりのキャンプに4人は盛り上がり、コウタとビートはその後ろから歩いていた。


コウタ「えっと、ビートはこの4人とはどう知り合ったの?」

ビート「…別に、同じジムチャレンジャーとして戦っていて、それなりに勝ち上がってきた選手なら知り合いますよ。」

コウタ「そうなのか。で、どうなの?4人について。」

ビート「みんな、強いですよ。特にマサルとユウリはエリートたるぼくでも、未だに勝てない。ですが、それなりには楽しいですよ。少なくともジムリーダーとしているよりかは気が楽だ。」

コウタ「よかったじゃん。未だに勝てない相手でも楽しいってことは、いつかは勝ちたいと思えるほど熱中できてる。君も彼等のことは友達だと思ってるんじゃないかな?」

ビート「…さぁ、どうでしょうね。ご想像にお任せしますよ。」

コウタ「そっか。ところでさ、この後僕とバトルしない?」

ビート「…悪くはないです。アローラの実力者、ぼくも気になっていた。」

コウタ「よし、じゃあ早速…。」

ビート「ですが、それなら今じゃない方が良い。」

コウタ「どういうことだい?」

ビート「来週、久しぶりにシュートシティでチャンピオントーナメントが開かれる。そして現チャンピオンからきみに、そしてぼくらに招待状が届いている。」

コウタ「……なるほどね。その時までお預け、ってことか。わかったよ。」



ホップ「おーい!コウタ!ビート!早く来いよー!」
ユウリ「ガラル地方のキャンプと言ったらカレーよ!すっごく美味しいんだからー!」

ビート「…やれやれ騒がしいですね。行きますよ。」
コウタ「ああ。」




Episode#5〜再生〜・完
 ▼ 118 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 22:35:15 ID:yXQ659gI [14/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Episode#6〜エピローグ〜
――チャンピオンリーグ当日

ユウリ「遂にこの日がやって来たね!」

ホップ「ああ!アローラ地方最強の挑戦者と、ガラル地方最強のチャンピオンの頂上決戦だぞ!」

ダンデ「これからの未来を作る若者同士の地方対抗戦だな!」

ソニア「ふふっ、そうね。」








ソニア「ちょっと待って?」

ホップ「アニキ、いつの間に観客席に来てたんだ!?」

ユウリ「ダンデさんだー♪」

ホップ「ユウリはノーリアクションなのか!?」



今回のリーグはコウタ、ユウリ、ホップ、ビート、マリィ、ダンデ、キバナ、ネズの8人がエントリーした。

最終的には決勝戦でコウタがダンデを下し、現在はシードとして進出してきたガラル地方のチャンピオン・マサルとの試合まで進んでいる。
(※ソード/シールドのストーリーのリーグ初回同様、決勝まで勝ち上がった選手が最終的にチャンピオンと戦う方針)

そしてつい先程決勝が終わったばかりだったというのにいつの間にかダンデは観客席に来ていた。それもさっきまでのユニフォームではなくピシッとしたスーツ姿に大きめの帽子、サングラスでの変装だった。
 ▼ 119 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 22:37:20 ID:yXQ659gI [15/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ダンデ「そんなことより、いよいよコウタ君とマサル君が入ってくるぞ!」

ホップ「そ、そうだった!」

ユウリ「頑張れー!2人ともー!」



実況席『さぁいよいよ、両選手の入場です!』
実況席『アローラ地方からの挑戦者!アローラ地方とガラル地方の事件を解決し、初出場の本大会で現在全勝中!コウタ選手!』

実況席『対するは、前チャンピオン・ダンデ10年間の無敗伝説を打ち破って新たなチャンピオンとして君臨し、約半年経過した今もその座を守り続けている!我らがガラル天下無双のチャンピオン!マサル選手だぁーーー!』



会場は熱気と歓声に包まれる。
マリィ「ごめん!遅くなった!」

ビート「試合には間に合ったようですね。」

ユウリ「マリィ!ビート!」

ホップ「お疲れ!2人も良い試合だったぞ!」

試合を終え、控室から出て観客席にマリィとビートも到着した。

ホップ「あれ?キバナさんとネズさんはどうしたんだ?」

マリィ「アニキとキバナさんは別の席から見るとよ。」





???「頑張れぇーーーーーッ!!コーーーウーーーターーーッ!!!」

一際大きい少女の声が聞こえ、その声はコウタへの応援だった。
ユウリ達は思わず声の主の方を向く。
 ▼ 120 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 22:38:03 ID:yXQ659gI [16/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

???「ガラル地方、すごい熱気だねー。」

???「そうだな!コウタから招待されてきたが、大正解だったな!」

???「フッ…あいつは言っていたな。ガラル最強のトレーナーと戦うって。ここまで勝ち続けていたようだな。」

???「私は信じてたんですよ。コウタさんならどこまで勝ち続けられるって♪」



コウタと似た格好のオレンジ色の服を着た麦わら帽子の少女、シュートスタジアムの熱気に興奮している少年、白衣と帽子とサングラスを身に纏ったやや筋肉質の男性、気障な雰囲気を醸し出しながらコウタを見守る黒い服の少年と、その傍で頷く白い服の少女がいた。察するにアローラから応援に来たコウタの友人知人だろう。

ユウリ「あ、あの!すみませーん!」

ユウリは席が近かったため、その少女達の近くに来た。声をかけられた4人―――順にコウミ、ククイ、ハウ、グラジオ、リーリエはユウリに注目する。

ユウリ「アローラ地方から来た方でしょうか!?」

ホップ「コウタのこと、応援しに来てくれたんだな!」

コウミ「あ、はいっ!先週コウタから連絡が来て、はるばるここまで来ました!」

ハウ「わー、みんなはマサルって人の応援ー?」

ユウリ「はい!私達はマサルとコウタ君の両方応援しています!」

ホップ「流石コウタだぞ!今じゃガラル地方でも有名人だぞ!」
 ▼ 121 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 22:38:34 ID:yXQ659gI [17/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウミ「私、コウミって言います!よろしくお願いします!」

ユウリ「ユウリです!コウミさん、こちらこそ宜しくお願いします!」

リーリエ「私、リーリエと申します。ユウリさん、宜しくお願いします!」

コウミ「わ、私のことはさん付けじゃなくてコウミでいいですよ!」

ユウリ「じゃあ私も!ユウリって呼んで!」

コウミ「わかりまし…わかったよ!よろしくねユウリ!」

ホップ「オレはホップ!オレも呼び捨てで良いぞ!」

マリィ「スパイクタウンのマリィ。宜しく。」

ビート「アラベスクタウンのビートです。以後お見知りおきを。」

ソニア「ソニアです。現在はガラル地方の博士で、ユウリとホップは私の見習い助手です。」

ダンデ「オレはダンデ!みんな宜しくな!」

ハウ「おれ、ハウー。みんなよろしくー!」
グラジオ「…グラジオ。」

ククイ「アローラ地方のククイ博士です。ソニアさん、ダンデさん、宜しくお願いします!ユウリ君達もよろしくな!」



ユウリ「あっ!始まるよ!頑張れー!マサルー!コウタくーん!」

コウミ「コウタ―!マサルさーん!ファイトー!」

 ▼ 122 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 22:39:09 ID:yXQ659gI [18/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――シュートスタジアム内・バトルコート――
マサル「……アトラの件、本当に感謝してる。1人のトレーナーとしても、ガラル地方の代表としても。改めて本当にありがとう。」

コウタ「僕の方こそ。君達が協力してくれたから、ガラルも守れたし、被害も広がらなくて済んだんだ。僕はまだ当分ガラルに残るから、引き続きよろしくね。」

マサル「おう。宜しくな。俺、あの事件の途中から君のバトルを見ていたけど、ずっと戦ってみたかったんだ。」
ポンッ!
ゴリランダー「グラリラー!」

コウタ「…僕もだ。僕だって戦いたかった。だから今日この日が待ち遠しかったし、君がチャンピオンだと知ったのなら、尚更戦いたいよ!」
ポンッ!
ガオガエン「がおぐぅん!」



マサル「…さて、そろそろ始めようか。」
コウタ「…そうだな。」

両者、出てきた相棒を戻し、定位置につく。
実況席『コウタ選手、チャンピオン・マサル、準備が整ったようです!さぁチャンピオントーナメント最終試合、開幕だぁーーー!』

 ▼ 123 ラルの危機のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/06/23 22:39:40 ID:yXQ659gI [19/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
歓声『いけー!チャンピオン!』
歓声『コウタも頑張れよー!』
歓声『アローラの実力見せてくれー!』
歓声『チャンピオン、ガラルの力を見せつけてやれー!』


―観客席―
ユウリ「マサルー!コウタ君ー!頑張れぇーーっ!」

ホップ「オレ達の分まで戦って、良い試合見せてくれよー!」

マリィ「最高の試合、期待しとるよー!」

ビート「2人の本気、見せてもらいますよ。」

ソニア「いけいけマサル--!」

ダンデ「チャンピオンタイムはこれからだぞー!」

コウミ「コウタもマサルさんも、ゼンリョク出し切ってーーー!ファイトーーーー!!」

ハウ「アローラの力をチャンピオンにぶつけてねーーーっ!!」

ククイ「僕は今最高に嬉しいぞ…良い試合見せてくれよ2人とも!」

グラジオ「…勝ち続けろよ!」

リーリエ「コウタさんもマサルさんも、お二人のポケモンさん達も精一杯頑張ってくださーーい!」ガンバリーリエ





―バトルコート―
マサル「さぁ!これからが俺のチャンピオンタイムだ!来い、チャレンジャー・コウタ!」

コウタ「チャンピオン…マサル!君に僕らのゼンリョク、見せてやるよ!」





ポケットモンスター - ガラル全土狂信の危機 - ・完結
 ▼ 124 ンバーン@ボスゴドラナイト 20/06/25 23:16:21 ID:kWZM5GMA NGネーム登録 NGID登録 報告
乙でした
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