N「…………………………………………」

N「…………………………………」

N「ここは………………………？」
？？？「ロアッ！」

N「君は……？そうか、ゾロアっていうんだね？」

ゾロア「そうだよ。君は僕の言葉が分かるの？」ﾀﾀﾀ

N「あ、まって」

ゾロア…ｸｲｯ

N「ついてこい？どこに行くの？」
「あっ、待ってよ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
N「君はこの森に住んでいるの？」

ゾロア「そう。僕は生まれた時からここで暮らしてるんだよ。僕と話せるニンゲンに会ったのは初めてだよ。どこから来たんだい」

N「……………わからない。気づいたらここに」

ゾロア「へぇー……さあ、着いたよ」

N「ここは……？」

ゼクロム「バリバリッシュ！！！！」

ヒュオオオオオオ………バリバリバリバリ！！

シュウウウウウ……………………

キョウヘイ「(た、助かった……！？)」

N「キミ！大丈夫か！？」

キョウヘイ「う、うん。ありがとう！」

ゲーチス「来ましたか……ヒトの心を持たぬバケモノ、Nよ。」

N「ゼクロムが教えてくれた。キュレムが苦しんでいると。ボクはポケモンを苦しめる身勝手なヒトを許さない！それにボクはイッシュが大好きです。ボクにヒトとしての生き方を、ポケモンとヒトが共にいることで奏でるハーモニーがあることを教えてくれた場所、イッシュ！そこに暮らすポケモンやヒトを、ボクは守る！！」

ゼクロム「バリバリッシュ！！！」

ゲーチス「素晴らしい！胸を打つ、決意のあらわれ！ワタクシが施した、王としての教育、決して無駄ではなかったか。とはいえ、森の中でポケモンと共に暮らしていたアナタを探し出し、面倒を見てやったのに、最後には好き勝手にのたまい、ワタクシの計画を狂わせたこと、未だに忘れてはいませんよ。アナタの能力を利用して、イッシュを、さらには世界を支配するはずだったのに！だがそれも許しましょう。アナタが連れてきたゼクロムなら氷を溶かせる。探す手間が省けたというもの。もっとも、ソウリュウに氷を打ち込めば、異変を察知し、姿を現すと読んでいましたが。」

N「美しくない数式です！ボクは認めない！」

ゲーチス「認めさせますとも！この、遺伝子の楔を使ってな！！！！！」ｻｯ

ゼクロム「！！」ガシャーン

N「ゼ、ゼクロム！？ゼクロムがダークストーンに！？」

ゲーチス「キュレムよ！ゼクロムを取り込みなさい。吸収合体です！！」

N「な、なんだって！？」

キュレム「………………」

キュイイイイイイン…………
シュウウウウウ…………
ゴゴゴゴゴゴ！！！！！！！！

ブラックキュレム「バリィバキュロムッ！！」

N「そ、そんな……ポケモンが合体だなんて！そんな数式なんてあるものか！」

ゲーチス「愚か者め！！前回はキサマを使い、民どもの心をたぶらかし、支配するはずだった！だが、今回は、圧倒的なパワー！それで、イッシュを、世界を支配する！！わかるか？キサマが王になっていれば、イッシュは美しいままだった！さて、トレーナーよ。今度は誰も助けてくれぬ。だが、もう一度同じことを繰り返すのは面白みに欠ける！そこでだ！アナタがこのキュレムを止められるか、見せてもらいましょう！」

キョウヘイ「くッ！ゆ、許さない！」

ゲーチス「おや？アナタのモンスターボール、震えていますね。もしかして、アナタのポケモンは怒りに震えているとか？…否！そんなこと、あるわけがない！たかが、道具に、湧き上がる想いや感情などないのです！さあ、キュレムに挑みなさい！」

N「かすかだが、ゼクロムの声が聞こえる…まだ分離できると！お願いだ、ボクのトモダチを助けてくれ！イッシュのポケモンも、ヒトも……」

キョウヘイ「うん、わかった！！きっと、助けて見せる！」

キョウヘイ「ダイケンキッ！！」
ダイケンキ「ダァーイ！！」

キョウヘイ「ダイケンキ、キュレムとゼクロムを、助けるよ！」
ダイケンキ「ダァーイ！！」

ブラックキュレム「バリィバキュロムッ！！！」

ヒュオオオオオバリバリバリバリ！！！！

ゲーチス「おおお！美しい！これこそがワタクシの求めるキュレムの真の力！フリーズボルト！さあ、トレーナーよ！キュレムの力、存分に味わえ！！」

ダイケンキ「グググ………」

キョウヘイ「ダイケンキ！」

N「キュレムの目が……訴えている！苦しみを、悲しみを！落ち着くんだ、キミ！今、キミとダイケンキにあって、キュレムにはないものがある。なにかわかるか！」

キョウヘイ「？」

ダイケンキ「ググゥ………」

バリバリバリバリ！！！！

支援

N「ボクは感じる！キミとダイケンキの強いきずなを！トレーナーとポケモンは心で繋がっているんだ！今のキュレムには、心がない……ゲーチスに無理やり戦わされ、無理に力を出しているんだ。無理やり出された力はどんなに強くても、きずなの力には勝てない！」

キョウヘイ「きずなの力………」
「よし………！がんばれ、ダイケンキ！僕はお前を信じる！お前の苦しみは僕の苦しみだ！楽しいことも、悲しいこともみんな一緒に乗り越えてきたじゃないか！僕らはいつだって一緒だ！」

ダイケンキ「！」
「ググ…………ダァー！！！」ﾀﾞﾝｯ

ブラックキュレム「ビクッ！」

キョウヘイ「今だ、ハイドロポンプ！」

ダイケンキ「ダァーイケンーッ！！！」

ドドドドドドドドドドドド！！！！
ドゴーン！！！

ブラックキュレム「バリィ……！！！」

ドサッ

………シュウウウ

キュレム「！」
「ヒュララララ！」ｻﾞﾝｯ

ゼクロム「バリバリッシュ！」

N「ゼクロム！よかった、本当によかった！」
ゼクロム「バリバリッシュ！」

ゲーチス「あああ！キュレムがッ！」

キョウヘイ「ダイケンキ！ありがとう！ありがとう！」
ダイケンキ「ダァー♪」

ゲーチス「………」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

ゲーチス「まさか！せっかく用意したブラックキュレムが！ぬぬぬ！なんと忌々しい！消えたキュレムをまた捕獲せねばならんではないか！ゆ、許せんッ！！やはり、目障りなトレーナーにはワタクシが手を下しましょう！」
「今度こそ！」
「誰が何をしようと！」
「ワタクシを止めることはできない！！！！！」

N「！」「キミ！回復の薬だ！使え！」

キョウヘイ「ありがとう！」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜キョウヘイvsゲーチス〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ゲーチス「もうワタクシは負けません。さあ、行きなさい、デスカーン！」
デスカーン「デース！！」

キョウヘイ「ゆけっ！ケンホロウ！」
ケンホロウ「ホロロロロ！！」

ゲーチス「デスカーン！サイコキネシスです！」
デスカーン「デース！」ﾋｭﾜﾜﾜﾜ

キョウヘイ「かわしてつばめがえしだ！」
ケンホロウ「ホローッ！」ｻﾞｼｭ

デスカーン「デーッ……！」

ゲーチス「ぬぅぅ！もう一度サイコキネシス！」

キョウヘイ「隙を与えるな！こっちももう一度つばめがえしだ！」
ケンホロウ「ホローッ！」ｻﾞｼｭ

デスカーン「デースゥ………」ｶﾞｸｯ

ゲーチス「ぬぅ！この役立たずめッ！ドラピオン！」
ドラピオン「ギシャーッ！」

キョウヘイ「ケンホロウ！かまいたち！」
ケンホロウ「ホロー！！」ﾋｭﾝﾋｭﾝﾋｭﾝﾋｭﾝ

ゲーチス「よけなさい！」
ザンッ！！

ドラピオン「ギュゥゥゥ………」

ゲーチス「ワタクシの計算が……狂っている……？いいや、ありえぬ！」ﾊｱ…ﾊｱ…

N「父さん！もうやめてください！これ以上ポケモンを傷つけるのは見たくない！」

ゲーチス「グググ……ドクロッグ、行きなさい！ケ…ケンホロウにどくづきです！」
ドクロッグ「ドクロッ！」ｽﾞｻｯ

ケンホロウ「ケーン！」ﾄﾞｸﾄﾞｸ

キョウヘイ「しまった！毒が！」

ゲーチス「ふはははは！やはりワタクシの計算に狂いはないのです！毒にもだえ苦しみながら倒れるがいい！」

キョウヘイ「うう…」
ケンホロウ「ホロッ！！」

キョウヘイ「え？」
ケンホロウ「ホーローッ！！」

ドゴーン！！！

ドクロッグ「ドクーッ！！」ﾊﾞﾀﾝ

キョウヘイ「その技は…！からげんき！そうか、からげんきを覚えたのか！」
ケンホロウ「ホロー……」ﾊﾞﾀ

キョウヘイ「毒がまわってしまったか……ありがとう！ゆっくり休んで！さあ、次は君だ！ルカリオ！」
ルカリオ「ルカーッ！！」

ゲーチス「ぬぅぅ！このようなことがあってたまるか！バッフロン！」
バッフロン「バッフ！！」

ゲーチス「バッフロン、じしん攻撃です！」

キョウヘイ「インファイト！」
ルカリオ「ルカァ！！」

ズドドドドド！！

バッフロン「バッフロッ………」ﾄﾞｫｯ

ゲーチス「ど、どいつもこいつも役に立たんやつらだ！なぜこんなつまらぬトレーナーの道具に負けるのだ！シビルドン！いくのです！」
シビルドン「シビビーッ！！」

キョウヘイ「ルカリオ、はどうだん！」
ルカリオ「ルカーッ！」ｷｭｲｰﾝ

ドオーッ！！

ゲーチス「シビルドン、反撃です！かえんほうしゃ！」
シビルドン「シビビーッ！」ｺﾞｵｵｵｵｵｵｵ

ルカリオ「ラーッ！」ﾊﾞﾀｯ

キョウヘイ「ルカリオ！……よくがんばってくれたね！ゆっくり休んでくれ！さあ、次は君だよ！
デンリュウ！」
デンリュウ「デーンッ！！」

ゲーチス「そのくらい、計算済みですとも！シビルドン、ドラゴンクロー！」

キョウヘイ「デンリュウ、かみなりパンチだ！」
デンリュウ「デンリュー！」

バチバチバチバチ！

シビルドン「シビィ……」ﾄﾞｻｯ

キョウヘイ「やったね、デンリュウ！」

ゲーチス「なぜだ！なぜ思い通りに動かぬのです？………トレーナーよ、思い上がるのもこれで最後ですよ。サザンドラ！」
サザンドラ「サザーンドラー！！」

キョウヘイ「デンリュウ！かみなりだ！」

ゲーチス「サザンドラ、りゅうのはどうです！」
サザンドラ「サザーンドラー！」
チュドドドドド！

キョウヘイ「あぶない！」

デンリュウ「デンーッ！」ﾊﾞﾀｯ

キョウヘイ「………ありがとう、デンリュウ！ゆっくり休んで！さあ、強敵だ、心していけ！ダイケンキ！」
ダイケンキ「ダァーッ！！」

ゲーチス「さあ、サザンドラ、だいもんじです！」
サザンドラ「サザーンドラー！」

キョウヘイ「よけろ！」
ダイケンキ「ダッ！」ｻｯ

ゲーチス「またか！またしても！サザンドラ！今度こそ当てなさい！りゅうのはどうです！」

キョウヘイ「メガホーン！」
ダイケンキ「ダァーィ！！」

ドゴーン！！！

サザンドラ「サザーッ！」

ゲーチス「ぬぅぅ！なんとだらしない！もう一度りゅうのはどうです！」
サザンドラ「……サザーンドラー」
チュドドドドド！！

キョウヘイ「さあ、これで決めろ！ハイドロポンプ！」
ダイケンキ「ダーイケンキッ！！」
ドドドドドドドド！！

ドォォォォン！！

サザンドラ「……………」ﾊﾞﾀｯ

キョウヘイ「よし！よくやった！よくやったぞ、ダイケンキ！」
ダイケンキ「ダーッ！」

ゲーチス「……………」

ゲーチス「またしても…またしてもワタクシのもくろみが！世界の完全支配が！ありえるか！いいや、ありえぬ！ありえてはならぬ！どこの誰ともわからぬ、つまらぬトレーナーなんぞに！」ｹﾞﾎｯ

ゲーチス「……ハア、ハア…どういうことだ？このワタクシはプラズマ団を作り上げた、完全な男なんだぞ？世界を変える、完全な支配者だぞ？それが、一度ならず、に、2度までも！無名のトレーナーごときに！認めるか…！ありえるか…！ポケモンなる道具を使いこなせぬ、愚かな者たちに遅れをとるとは！」ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ！

N「あえてこう呼びます。父さん！わかってください！ポケモンは道具などではないのです！

途中送信すまん

N「ポケモンとヒトは、お互いを高みへといざなっていける、素晴らしきパートナーなのです！それをわかっているヒトたちもいるのです！だのに！」

ゲーチス「ええい、黙れ！黙れ黙れ黙れぃッ！ポケモンと話せるバケモノがッ！人間の言葉を語るな！！！！！」ｹﾞﾎｯ、ｹﾞﾎｯ、ｹﾞﾎｯ

ヒュン！シュタッ！

ダークトリニティ「N様……ゲーチス様はもう、正気では……….ここはわたしたちが……」

N「うん。父さんがいなければ、プラズマ団はもう……」

ダークトリニティ「では……」

ゲーチス「キサマら！やめろ！離せ離せ離せいッ！ぐわぁぁぁ！」

ヒュン！

N「父さん………」

キョウヘイ「終わった………」
…………………………………………
……………………
…………
……
…

N「みんなに変わって………」
「アリガトウ！」
「キュレムだけど、大丈夫。今は力を失っているが、またここに戻ってくる。」

レシラム「バーニンッ！」

N「レシラムもキミにアリガトウって言ってる。」

キョウヘイ「君は不思議な力をもってるんだね」

N「そう。ボクはポケモンと話せるんだ。あのとき、トウヤ、アデクが教えてくれた……さらに多くの出会いを経て、いろんな声を聞いた……異なる考えを受け入れ、世界は化学反応を起こす……そうしてボクの世界は静かに広がった……ポケモンと居ることで、ヒトは未知なる世界を進んでいける。ヒトと居ることで、ポケモンは本来の力を発揮する。それが、レシラムが教えてくれた、ヒトとポケモンの真実……そしていつの日か、真実と理想は交わり、モンスターボールの支配からヒトもポケモンも解き放たれる！キミ！キミとポケモンが目指す道はどんなものか、それを確かめるため、ポケモンリーグに向かいたまえ！それじゃ…」

キョウヘイ「待って！君はどうするの？これから、どこで何をするんだい？」

N「ボクはキミの本当の力を見せてもらう。まだ…キミの腕は未熟だ。まだやらなきゃいけないことがあるだろう？キミはきっとリーグを勝ち抜ける！それまでボクは待っているよ。」

キョウヘイ「ど、どこでだよ！」

N「それじゃ！また会おう！」

レシラム「モエルーワ！！」
……………………
…………
……
…

ヒュウ「キョウヘイ！大丈夫か！」

キョウヘイ「ああ。この通り、全然問題ないよ」

ヒュウ「もう、終わったのか？」

キョウヘイ「うん。ゲーチスも居なくなった。プラズマ団はもう、復活はしないよ。」

ヒュウ「そうか。それより、お前、プラズマ団からキュレムを助けたんだろ？すげーな！俺は、チョロネコ…いや、レパルダスを妹に返すよ。お前はどうする？」

キョウヘイ「Nに会ったよ。あいつは言ったんだ。ポケモンリーグに行けって。それがキミのやるべきことだと。」

ヒュウ「ポケモンリーグか！いいな！だって今のお前、イッシュでいちばん強いだろ？それを証明してこいよ！ジャイアントホールでお前と最初に出会った場所を覚えてるか？あそこを道なりに進めば、23番道路に出る。そしてその先がチャンピオンロード、そしてポケモンリーグだ！まあ、まずは外にでようぜ。」
………………………

ロット「おお！お前たち、無事であったか！」

元プラズマ団「キョウヘイさん、ヒュウさん！ご無事で何よりです！」

ロット「プラズマ団の船だが、科学者っぽい男が出てきて言いおった。わたくしの望む答えをあのトレーナーが教えてくれた！感謝の気持ちとして、プラズマ団は解散させます。それではポケモンと共に正しき道を！ふぅ。これで解決だな。N様の無事も確認できたことだし。」

ヒュウ「よかったな。そうだ、ロットのじいさん！お前たち、ポケモンの保護活動してんだろ？まだプラズマ団に残ってた仲間もさそったらどうだ？」

ロット「ほう！それは良い考えだ。まだあいつらが素直に動くとは思わんが……あいつらが加わったら活動の幅がもっと広がる！」

キョウヘイ「それじゃ、僕は。」

ヒュウ「俺も戻るぜ。お前ら、頑張れよッ！」

元プラズマ団「はい！」

ロット「うむ。気をつけるんだぞ！」
……

ロット「さて、私たちもホドモエに戻ろう！」

ーーーーーーチャンピオンロードーーーーーー

作業員1「うわ、このポケモン、今日もここにいんのかよ！」

作業員2「頼むよー。その先を工事したいんだよ！新しい通路を作りたいんだよ！」

ゾロアーク「くわぁぁぁぁぁん！！」

作業員1「それにしても、2年前からここで何をやってんだよ……」

作業員2「この先になんか大切なもんでもあるんじゃあねぇのか？」

作業員1「なんだぁ？お宝とか、古代の遺跡とかか？財宝でもあんのか？」

作業員2「まさか！へへへへへ！」

作業員1「それにしても、こいつがどかない限り、工事が出来ねぇよ。どうすんだ？」

作業員2「うーん、すみかでもあるんかなぁ？どっかで保護でもしてもらえるとなぁ」

作業員1「保護かぁ。そういや、ホドモエで元プラズマ団がポケモンの保護活動やってるらしいぜ」

作業員2「なるほどね！頼んでみるか。トレーナーが居たんなら、見つかるかもしんねぇし。とにかく、今日は中止かぁ」

ゾロアーク「………」

うわぁぁ！間違えた！>>270、>>271はゼクロムのところがレシラムになってます……
訂正版書いときます…すみません

N「みんなに変わって………」
「アリガトウ！」
「キュレムだけど、大丈夫。今は力を失っているが、またここに戻ってくる。」

ゼクロム「バリバリッ！！」

N「ゼクロムもキミにアリガトウって言ってる。」

キョウヘイ「君は不思議な力をもってるんだね」

N「そう。ボクはポケモンと話せるんだ。あのとき、トウヤ、アデクが教えてくれた……さらに多くの出会いを経て、いろんな声を聞いた……異なる考えを受け入れ、世界は化学反応を起こす……そうしてボクの世界は静かに広がった……ポケモンと居ることで、ヒトは未知なる世界を進んでいける。ヒトと居ることで、ポケモンは本来の力を発揮する。それが、ゼクロムが教えてくれた、ヒトとポケモンの理想……そしていつの日か、理想と真実は交わり、モンスターボールの支配からヒトもポケモンも解き放たれる！キミ！キミとポケモンが目指す道はどんなものか、それを確かめるため、ポケモンリーグに向かいたまえ！それじゃ…」

キョウヘイ「待って！君はどうするの？これから、どこで何をするんだい？」

N「ボクはキミの本当の力を見せてもらう。まだ…キミの腕は未熟だ。まだやらなきゃいけないことがあるだろう？キミはきっとリーグを勝ち抜ける！それまでボクは待っているよ。」

キョウヘイ「ど、どこでだよ！」

N「それじゃ！また会おう！」

ゼクロム「バリバリダー！！」
……………………
…………
……
…

>>273の続きからです

N「………そうだ。プラズマ団の城は…あの後どう
なったんだろう？2年前に壊れたとか聞いたが。まずはポケモンリーグの方に行ってみよう。」
………

N「さすがに残ってないか…」

N「チャンピオンロードの方に行ってみよう。もともとはチャンピオンロードの下にあったやつだからね。」
…………

N「チャンピオンロードもかなり変わったな…こっちは通行止めか。向こうはどうだろう？………！
あのポケモンは！」

N「キミは…！」

ゾロアーク「！！！！！」

N「ゾロアーク！」

ゾロアーク「くわぁぁぁぁぁん♪」

N「この先……？そうか、キミはボクが戻るまでずっと守ってくれていたんだね！………アリガトウ！」

ゾロアーク「くわぁぁぁぁぁん！」

N「入っていいかい？」

ゾロアーク「……」ｺｸｯ

N「変わってないんだな、ここは。」
「！」

ボクの部屋………ここも変わってない……変わってないのに、ボクの部屋なのに……！なんだこの嫌な気持ちは……あのキズ…キズ…うっ！

N「ごめん、ゾロアーク。ここには居られない」

ゾロアーク「…………」
……………
……

N「ここが、あの場所…2年前、トウヤと言葉を交わした、あの場所……」

トウヤはどこにいるだろうか。なにをしているのだろう。彼に会いたい。彼に会って伝えたい。

N「ゾロアーク、あるトレーナーがここに来るはずだ。彼がくるまでまた入り口を守っていてくれないか。ボクはまた少し外に行ってみるよ。」

ゾロアーク「………」ｺｸｯ

ーーーーーバッジチェックゲートーーーーーー

キョウヘイ「あと少しでチャンピオンロードか。」

N「やぁ。来たね。」

キョウヘイ「君か。」

N「ポケモン勝負とは、ポケモンを 傷つけること……そうとらえ、忌避していたが、そんな 単純な ものではない。ポケモン勝負とは！勝敗を 決する……それ以上に！自分の、ポケモンと自分！相手と、相手のポケモン！それぞれが異なるすばらしさを持っていることを確かめあうもの！理解するもの！そう、あのトレーナーが教えてくれた。異なる考え、異なる存在を受け入れ、世界は 化学反応を起こす！ポケモン勝負は、その小さくて大きな一歩なんだ！これがボクのトモダチ、ゼクロムが教えてくれた……そして世界を旅して得たボクの数式！この意味をキミ自身で考えてほしい。キミのポケモンとキミなら！ポケモンリーグを勝ち抜き、キミたちだけの理想を知る！ボクに みえるのはそんな未来だ！」

キョウヘイ「……うん。また君はどこかにいくんだね？」

N「うん。キミが、リーグを勝ち抜いたら……そのときまで、ボクはキミを待っているよ。じゃあ。」

キョウヘイ「(あのトレーナーは、いったい何なんだろう。不思議なトレーナーだな…)」

確か、ホドモエの集会所に昔の仲間がいると聞いたな。行ってみよう。
ーーーーーーーホドモエシティーーーーーーー

N「ここか。誰もいないのか。入ってみよう。」

ガチャ
………………
ん？なんの記録用紙だろう？………これは…！

○月□日
保護したポケモン:クルミル
奪った場所:ヒウンシティ
奪った相手:7歳くらいの男の子
奪ったとき:3年前
名前:○○

保護したポケモン:ワルビル
奪った場所:4番道路
奪った相手:作業員の男性
奪ったとき:3年前
名前△△

○月□日
引き渡したポケモン:ムシャーナ
チェック済み:○
………………………………
………………
……
ガチャ

N「！」

元プラズマ団1「もう、本当にプラズマ団は終わったんだな。」

元プラズマ団2「ああ。終わったよ。キョウヘイさんやヒュウさん、みんなのおかげだな。」

元プラズマ団1「プラズマ団ってすごかったのかな。」

元プラズマ団2「なんでまた急に……」

元プラズマ団1「俺、あの時ちょっと考えちゃったんだよ。プラズマ団が正しかったのかって。ちょっと前に…今のプラズマ団が解散する前、昔の仲間に会ったんだ。」

元プラズマ団2「ああ、まだプラズマフリゲートにいるやつ？」

元プラズマ団1「もう一度、プラズマ団に戻るよう説得されたんだよね。一ヶ月くらいまえにちょこっと話したろ？」

元プラズマ団2「ああ、あの話ってマジだったのか。てか、2年前にプラズマ団が分裂したとき、結構残った奴らも多かったもんな。ゲーチス様…いや、ゲーチスってなんだかんだすごかったんだ。スゲーちっす！なんちゃって！」

元プラズマ団1「な、なんてことを！あいつがN様にしたことを知ってもそんなこと言っちゃうわけ？」

元プラズマ団2「確かに、あれはドン引きだけど、でも、真面目になっても世間は冷たいよ？まるでフリージオに囲まれてるようだもん。」

元プラズマ団1「そりゃね…なんだかんだ言ってプラズマ団だもの。」

元プラズマ団2「遠い地方に行くのもありだったんじゃないの？プラズマ団みたいな組織ってどこにでもありそうだし。経験者優遇されたかも！」

元プラズマ団1「バカバカバカバカ！！もう一つおまけにバカ！可愛くってアンポンタン！」ﾄﾞﾝ、ﾄﾞﾝ！

元プラズマ団2「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いいてててててててててて！」

元プラズマ団1「俺たちがやるべき事はポケモンのために、だろ？」

元プラズマ団2「正直すまんかった。しかし、ポケモンも大変だよね。ボールに入ったらそれっきり………そうなるかもしれないのに、本当にトレーナーのこと、好きなのかなぁ。」

元プラズマ団1「な！というけど、N様はポケモン達のそんな想いを、言葉を聞いていたんだよね？……想像すると心壊れそうだね……」

元プラズマ団「N様はどこにいるんだろうね……さてと、Nの城にいたポケモンを探しに行きますか。保護してやらんとね。」

………………
………
…
ボクはここにいるけどね…………
ボクを信じてくれたミンナがどうしているか案じていたが…カレラはカレラでポケモンのためにやれることをわかっているんだね。…それに比べ、このボクときたら！本当にすべきなのはポケモンの声を届けることだった！そのために、ボクは生まれてきたのかもしれない…

……伝説のドラゴンポケモンは知っていた。長く生きて、多くのヒトを知っていた。人間とポケモンはこれまでも、これからも共に生きていくと。その関係性の中でヒトの行いがポケモンに多大なる影響を及ぼす。それゆえ、理想を追い求める…ポケモンとヒトの未来を切り拓くモノを助けようとしてくれるのだ。

白と黒を…ポケモンと人間を分ける。そんな必要はない！それぞれの命….そう考えれば、これ以上はないくらいに、世界は分類されていた。それらの組み合わせ…融合で生まれる可能性！そうすることで見える景色がある。そうすることで見えなかったものに形が生まれる。これらの数式により、世界は再構築され、より鮮やかに彩られるッ！

ボクには聞こえる。モンスターボールの中、ポケモンが放つ、トレーナーへの様々な想い…！なにより自分を必要としてくれるヒトと出会えたポケモンの喜び…！

ボクは行く！ポケモンのため、トレーナーのため、すべての命のため….…そして、このボクを救ってくれたトモダチのために……！！

ーーーーーーーホドモエ集会所ーーーーーーー
ガチャ…

ヒュウ「おっ！」

キョウヘイ「や、やぁ…」

元プラズマ団「キョウヘイさん！チャンピオン、おめでとうございます！」

ヒュウ「すげーよ、お前！チャンピオンに勝ったんだもんな！」

ロット「何か祝ってやらんとな！」

キョウヘイ「み、みんなやめてくれよぉ…まだやることはいっぱいあるよ！そ、そうだ、Nを見てないか？」

元プラズマ団「残念ですが、あの時以来、我々は一度も見てないのです……」

キョウヘイ「そうか……なにか変わった事はない？」

元プラズマ団「特に……あ。」

元プラズマ団「チャンピオンロードにおかしなポイントがいるんです。なんか、野生ではないみたいで……俺たちがこの間保護しようとしたんですが、そいつ、全然動かなくて……誰かを待ってるみたいな、そんな感じでしたよ」

キョウヘイ「へぇ…ちょっといってみるよ。」
………………

ーーーーーーチャンピオンロードーーーーーー

キョウヘイ「あのポケモンか？」

スタスタ…

ゾロアーク「！」
「くわぁぁぁぁぁぁん！」

キョウヘイ「君かい？ここにずっといるのは。」

ゾロアーク「くわぁぁん！」

キョウヘイ「！」
「僕を呼んでいるのか？この先になにかあるんだろうか。」
……………

キョウヘイ「！」
「ここは！もしかして、2年前に崩れ去ったといわれる、プラズマ団の城か？」

ゾロアーク「くわぁぁん！」ﾀﾀﾀﾀﾀ

キョウヘイ「あ。行っちゃった…どうして僕は入れたんだろう。」

N「………来たね。待っていたよ。」

キョウヘイ「君は！」

N「ここは……プラズマ団の城……ゲーチスの夢の跡……この城のいちばん奥、ボクにとって大切な場所でキミと向き合わねばならない。さあ、ついてきたまえ。いや、ボクが案内するより、ここでキミが何に興味を示すのか。さあ、キミがボクをこの城のいちばん奥まで連れて行きたまえ。どこに入っても構わないよ。」

キョウヘイ「ここがキミの城……キミはここで暮らしていたのか？」

N「……ここでボクは、女神たちにヒトとして面倒を見てもらい、七賢人たちから様々な知識を教わった…」

キョウヘイ「(この部屋は…！なんだろう、この雰囲気は…)」

N「その部屋に入るのか。」

ガチャ…

キョウヘイ「………！！」
「(な、なんだここは！)」

N「………………ここは………」

N「ここは、ボクの世界だった場所……ボクは幼い頃に、森の奥に置き去りにされた。そんなボクを育ててくれたのは、森のポケモンたち……ある日のこと、ボクの前に親と名乗る男が現れた。それがゲーチス……彼がボクに与えてくれたのは、ハルモニアという名前……王としての、数多くの知識、そして、かたくかたく心を閉ざし、話すこともできないポケモン……そしてこの部屋…」

キョウヘイ「君の過去は…」

N「もう、いいんだ。過ぎたことだからね…ごめん、ボクはもう外に出るよ。長いことここには居られない。」

バタン…

キョウヘイ「彼にはここで何があったのだろう。それにしても、この部屋は……いや、考えるのはやめよう。」

バタン……

N「さあ、次はどうする？」

………………………………
………………
………
…
ーーーーーーーー王の部屋ーーーーーーーーー

N「そこだ！」

キョウヘイ「！」

N「2年前のことだ。ボクはポケモンのため、理想の世界を創るため、信念をかけてトウヤと戦った。」

キョウヘイ「ねぇ。よく君の話にはトウヤって人が出て来るね。いったい彼はなんなんだい？」

N「彼は……ボクに大切なことを教えてくれた。ボクがもう一度、ポケモンと向き合い、考え直すきっかけをくれた、素晴らしいトレーナーだよ。ボクは彼に敗れた。と同時に大切なことを知った！世界を豊かにするには、異なる考えを受け入れること、それが世界を変えるための数式だと。キミもそれだけの心の強さを持つトレーナーなのか確かめたい。おいで、ゼクロム！」

ゼクロム「バリバリッシュ！！！」

N「キミがどれほどのトレーナーか、どんな理想を追い求めるのか、ゼクロムも知りがっている。ボクと戦う準備はできているかい？」

キョウヘイ「………」ｺｸｯ

N「見せたまえ！キミの覚悟を！」
ゼクロム「バリバリッシュ！！！！」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜キョウヘイvsＮ〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

キョウヘイ「僕はこいつでいく！ゆけっ！ダイケンキ！」
ダイケンキ「ダァーィ！！！」

N「全力で戦う！ゼクロム、ドラゴンクロー！」
ゼクロム「バリバリダー！！」

ザシュッ！！

キョウヘイ「反撃だ！メガホーン！」
ダイケンキ「ダッ！」

ドゴーン！！

N「伝わってくるよ！キミとポケモンの絆が！さあ、まだまだこれからだよ！ゼクロム、10万ボルト！」
ゼクロム「バリバリッ！！」

バチバチバチバチ！！

キョウヘイ「よけろッ！」
ダイケンキ「ダァ！」ｻｯ

N「よけられた！？」

キョウヘイ「ダイケンキ！冷凍ビーム！」
ダイケンキ「ダーッ！！」

キュルルルルルルル！！

ゼクロム「バリーッ！」

N「ゼクロム！」
ゼクロム「バリバリダー！！」

キョウヘイ「た、耐えた！？」

N「さあ、次はこっちからだ！ドラゴンクロー！」

キョウヘイ「もう一度冷凍ビームだ！」

ドオオオオオオオン！！

ゼクロム「！」ﾌﾗｯ

キョウヘイ「今だ！アクアジェットで飛び込め！」
ダイケンキ「ダッ！！」

シュッ！……………ザバァッ！！

ゼクロム「バリバリッ！」

N「ゼクロム！ストーンエッジで返り討ちだ！」

キョウヘイ「危ない！」

ドゴッ！ドーン！！！！

ダイケンキ「ダイーッ！」

キョウヘイ「………ピンチこそチャンスだ！決めるよッ！ダイケンキ、ハイドロカノン！」
ダイケンキ「ダーイケンッキ！」

N「それはこっちも同じことだよ！さあ、見せてあげるよ、ボクとトモダチの絆！ゼクロム、クロスサンダー！」
ゼクロム「バリバリッシュ！」

ドオオオオオオオバリバリバリバリバリ！！！
ドカーン！！！！

キョウヘイ、ダイケンキ「…………………」

N、ゼクロム「…………………」

ゼクロム「バリ……」ﾕﾗｯ

ドーン

ダイケンキ「ダァーッ！！」

キョウヘイ「やった！やったね、ダイケンキ！」
ダイケンキ「ダァーッ！」

N「おつかれ、ゼクロム。アリガトウ！さて、キミの全身から溢れるトモダチへのラブ、受け取った！ボクとゼクロムが敗れた…キミの想い、理想を追い求める気持ち、ボクたちよりも上回ったんだ！キミたちと戦っている時、2年前を思い出した。まだわずかだが、キミのこと、理解できた気がする……ポケモンも、ボクたちトレーナーも、こうしてお互い少しずつ分かりあっていくんだよね！ゼクロム、今までアリガトウ！キミとの旅は素晴らしかった！これからは彼のため、彼が夢を叶えるためにその力を貸してやって欲しい！」

ゼクロム「…………バルバル」

N「ボクだって寂しい。だけどキミの役目は理想を追い求めるヒトを導くこと……ボクはいろんなことをキミから教わった。それを自分の力でヒトに伝えていく！大丈夫だよ。ボクはポケモンと話せる。そう！ポケモンとヒトの架け橋になってみせる！それが…ボクの理想なんだ。だから…」
「オヤスミ…………」

ゼクロム「………」ｺｸｯ

シュウウウウウウウ…………

キョウヘイ「…………」

N「キミ！キミに、このダークストーンを託す！これを持ってリュウラセンの塔に行きたまえ！」

キョウヘイ「N………君は？」

N「ボクは、2年前のあのトレーナーを探す！そして、アリガトウ！………そう伝えるつもりだ。そうだ、キミの名前を聞いていなかったね。」

キョウヘイ「僕の名は……キョウヘイ！」

N「キョウヘイ！アリガトウ！キミに夢があるなら……きっとその夢は叶う！さあ、行くんだ！その夢、叶えろ！」

キョウヘイ「…………」ｺｸｯ

キョウヘイ「ケンホロウ！」
ケンホロウ「ホローッ！」

バサッ！
………………………………
………………
………
…
N「ゼクロム…キョウヘイ…アリガトウ！キミたちのことは絶対忘れない！さあ、行かなくちゃ！」

ーーーーーーーーー○年後ーーーーーーーーー

ゾロア「ゾロアッ！」

少年「！」
「こんなところにゾロア………？」

ゾロア「ゾロアッ！」

タタタタタ…………ピョン！

少年「！！！！！！！！」
「君は………！！！」

N「探したよ……ボクはあの時、キミに敗れて初めて気づかされたよ…それでも、理解できなかった。怖かったんだ。異なる考えを受け入れることが。あれから、ボクはゼクロムと旅に出た。たくさんの所に行き、たくさんのヒトに出会った。そして、旅の終わりにやっと分かったんだ！もう、怖さなんてなかった。キミに約束したのを覚えているかい？ポケモンとの付き合いを考え、ポケモンを本当に理解し、本当の自分を見つけると！ゼクロムとの旅でボクは知ったんだ。いや、思い出したんだ！ポケモンと過ごせる喜びを！ポケモンと一緒にいることの楽しさを！そして、本当の自分を取り戻せた！異なる考えを受け入れることで、輝く未来が待っているんだ！キミは、ボクを変えるきっかけをくれた！キミに会えて、本当によかった！
トウヤ！キミに…伝えたいことがあるんだ。あの時、言えなかった…ボクの…感謝の気持ちだよ！」

「アリガトウ！！」

ーーーーーーーーーー完ーーーーーーーーーー

良作だった