【恋愛SS】コモルー「空を飛びたい...!」【安価】:ポケモンBBS(掲示板) 【恋愛SS】コモルー「空を飛びたい...!」【安価】:ポケモンBBS

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【恋愛SS】コモルー「空を飛びたい...!」【安価】

 ▼ 1 o3hutGK4ks 20/06/14 21:08:09 ID:6nIYEBjA NGネーム登録 NGID登録 報告
びゅぅぅぅぅん!

「...」

彼はただ、見つめていた。自分の幼なじみが空を飛んでいる、その姿を。

「...クソ」

否。見つめる他なかった。なぜなら、彼女にはあって、自分にはないものが存在するからだ。

それは、翼。無限に広がる空を駆け回る権利を、彼は持っていないのだ。

「...翼が、欲しい」

当然であろう。誰かにあって、自分にないものを欲することは自然なことだ。そんな彼の心境は、嫉妬でもあり
好意に似た尊敬でもあった。

「飛びたい...」

彼は、夢を口ずさむ。夢は“言葉”にしただけでは、ただの夢である。
しかし、彼はまだ知らない。

「空を...飛びたい...!」

ひたすら強い気持ちで“行動”をすれば、夢は叶うことを...。
 ▼ 89 o3hutGK4ks 20/07/01 21:43:39 ID:.6iUoUF6 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
コモルー「んで...チルットさん?」

チルット「は、はい...」

コモルー「張り切って寝床作って頂いたはいいんだが...ピッタリしすぎでね?」

ちょこちょこ視界に入っていたが、何となく目を背き続けてきた寝床を見やる。

木のえだ等をを下地にガッツリ使い、表面を柔らかい綿でふんわり盛っている。頑丈かつ寝心地の良さそうな寝床。
それが二つ並んでいる。

所謂、ダブルベッドとも呼べる代物だった。

チルット「...///」

チルットは沈黙時に戻ったかのように顔を赤くし、うつむいている。

コモルー「いや、ありがたいんだぜ?急に決まったというのに、地べたで寝なくて済むんだから」

チルット「張り切って作ろうと、気付けば私の近くで...」

分かる、言わんとすることは分かる。つい癖で、自分の寝床の所に手を出したんだろう。
だがこれは...仮にリングマが一緒だったら、とんでもないからかわれ方をするだろう。

コモルー「...よし!」

覚悟を決めろ、俺。
せっかく作ってもらった寝床、健全に活用しないでどうする...!

コモルー「寝よう!」

チルット「は、はい...!」

意味が一緒かは不明だが、両者共に緊張した顔で、寝床に入った。
 ▼ 90 o3hutGK4ks 20/07/01 22:00:12 ID:.6iUoUF6 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
コモルー「ふぅ...」バタン!

何度か寝返りをうってみる。
やはり、予想通り寝心地はいい。

コモルー「後は...」

ドクドクドクドク

コモルー「この鼓動の止め方さえ知っていれば...」

無理やり目を閉じる。何も考えず、何も考えず、何も考えず...

隣に、チルットがいる

コモルー「ああぁぁぁあああ...」

小声で唸る俺。
ダメだ。邪念だらけでどうしようもない。

ドクドクドクドクドクドクドクドク

この胸の鼓動を抑えるには...

コモルー「...なぁ、チルット」

いっそチルットと雑談をしよう。
そう思い声を掛け、向いたのだが

チルット「すぅー...すぅー...」

チルットは一足先に、健やかな寝息をたてていた。

コモルー「ったく。こっちの苦労も知らず...いや」

チルットが意識してたしてないは置いといて
今日のチルットは、飛んだり歩いたり、寝床を準備したり...普段以上に体を動かした。

元気そうに見えて、疲れが相当溜まっていたんだろう。

コモルー「...」

ジーっと、チルットの綺麗な横顔を見る。

コモルー「...ゴクッ」

ドクッドクッドクッ

先ほどとは違うリズムで、心臓が鼓動を刻んでいた。
 ▼ 91 o3hutGK4ks 20/07/01 22:10:17 ID:.6iUoUF6 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
コモルー「おやすみ、チルット」

チルット「すぅー ...すぅー...」

チルットの寝顔を見ながら、そう呟く。

今日は色んなことがあった。

何と言っても、チルットが飛んだということ。

一緒にレースに出ることにもなった。

そして、暮らしを共にすることになった。

一日に詰め込むにしては、濃すぎる内容だが
どれも喜ばしいことばかりだ。

なのに...

コモルー「...クソ」

モヤモヤする。
原因は勿論俺。

彼女を守ると決めた。幸せにすると決めた。
けれども、足りない、届かない。

リングマは気持ち一つで強くなれと言ったが、それも限度がある。
気持ちだけでは...レースまでの一週間で、“飛べない”

コモルー「一人で考え込めばこれかよ...」

元々俺が、人一倍劣等感が強いことに違いはない。
今まで、飛べないという意味で同類だと思ってた妹を...追いかける立場になった。

その事実が、劣等感や不甲斐なさやどうしようもなさに変換され、俺の心を燃やし尽くす。

コモルー「...」

俺の心に、まだ不の炎がくすぶっている。

俺はそれを見てみぬフリをして、眠りについた。
 ▼ 92 o3hutGK4ks 20/07/01 22:10:50 ID:.6iUoUF6 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告




〜チルット ルート〜




 ▼ 93 o3hutGK4ks 20/07/01 22:19:51 ID:.6iUoUF6 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
夢を見ていた。

いつも私の記憶になろうとしていた、兄のような彼の夢を。

夢は、記憶を整理するものだと聞いたことがある。
私には、整理するほどの記憶は存在しない。

でも、彼はよく出てくる。
そして、たまらず嬉しくなる。

この現象をフライゴンさんに相談したことがあって
結果を聞くと

「あなたも...なのね」

ちょっと悲しそうに呟いてたのを覚えてる。

「チルット。今日の俺はすごいんだぜ?」

また、今日も夢を見る。

「今日はリュー姉...カイリューなんだけどな。リュー姉が追い付けないくらいの速度で飛んでやったよ!」

彼の話は面白い。

正直、嘘なんだろうなというのは何となく分かってる。
でも彼が彼なりに、不器用でも私に空を教えてくれるのが、本当に嬉しかった。

空を飛ぶという、彼が教えてくれた夢。
それを、一緒に叶えたいと思った。
そして、願わくば私と...

チリチリ

ふと、夢が反転する。
チリチリと燃える森が、その映像が写し出される。

やめて...やめて...


明け方に見る夢は、正夢...つまり現実になると聞いたことがある。

燃える森の映像の最中、まぶたに光が入るのを感じた。

その光が何なのか...正体は分かっていながらも
私は二度寝をすることに決めた。
 ▼ 94 o3hutGK4ks 20/07/01 22:20:58 ID:.6iUoUF6 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
コモルー「ん...朝か」

柔らかい陽射しが差し込み、目を覚ます。

ぼやけた頭が徐々に回り始め、状況を整理する。

コモルー「そうだ、チルットと一緒に住みはじめて...」

そう、初めての夜を越した。
と、すると...隣には...

チルット「すぅー...すぅー...」

チルットはまだ寝てるようだった。

コモルー「俺より早く寝て、遅く起きるとは、とんだお寝坊さんだ」

それほど疲れが溜まってたのだろうか。
かといって、寝すぎもよくないだろう

ここは...

@イタズラをする(選択する場合は内容まで指定する)

A普通に起こす

>>96
 ▼ 95 ガチルタリス@アゴのカセキ 20/07/01 23:43:39 ID:9jrI2X9I NGネーム登録 NGID登録 報告
かそく
 ▼ 96 マージョ@こだいのせきぞう 20/07/02 00:01:53 ID:gLvg2r5g NGネーム登録 NGID登録 報告
2
 ▼ 97 ボミー@しあわせタマゴ 20/07/02 17:11:48 ID:LAcEHcOI NGネーム登録 NGID登録 報告
1
息を吹きかけるor何か耳にささやく
 ▼ 98 o3hutGK4ks 20/07/03 21:05:05 ID:AS0U9fZI [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
普通に起こそう。
変なイタズラをして嫌われても困る。

コモルー「チルット、起きろよ」

ユサユサと、チルットの体を揺らす。

チルット「んぅ...ん」

コモルー「朝だぞ。良い子は起きる時間だ」

チルット「んぁ...私、良い子です...え?」

チルットが俺を認識した瞬間、目をまるくする。

チルット「あれ、コモルーさん...どうして...」

コモルー「どうしてもなにも。昨日から一緒に住んでるんだから」

寝ぼけているのだろうか。

チルット「あっ...ああっ...」

寝ぼけてるにしてはおかしい。
チルットの顔が、みるみる内に赤くなってゆく。

チルット「キャー!!寝起きの私を見ないでー!」

ゴツン!

コモルー「ぐぼぉ!?」

チルットのつつくを、ノーガード状態で脳天に食らう。
そして勢いのままに、俺の丸い体は転がっていった。

チルット「忘れてた!忘れてた!もう私のバカ!」

怒濤の勢いで、毛を整えるチルット。

俺はその姿に、どこかデジャヴを感じながら
意識を手放した。
 ▼ 99 o3hutGK4ks 20/07/03 21:26:46 ID:AS0U9fZI [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
コモルー「にしても、今回に限っては逆ギレ感がすごいんだが?」

チルット「ごめんなさい...今度から早起きします...」

俺は意識を取り戻した後、場所を平原へと移動した。

リングマ「カッカッカ!今日最初の患者が坊主とはなぁ!昨日どれだけハッスルしたんだぁ?」

リングマの問いかけは無視し、チルットに向き直す。
平原に来たのは他でもない、遠くに住んでいるリングマと落ち合う為だった。

リングマに治療してもらった頭は、未だに赤く腫れていることだろう。

コモルー「まぁお互い初めてのことだからな。今回は水に流そう」

チルット「コモルーさん...」

コモルー「ただし、今日みたいなことがあっても、ちゃんと言ってくれ。俺も目を離すからよ...」

いつしか言えなかったことを、チルットに伝える。

チルット「はい...気を付けます」

シュンとしたチルットから、反省の色が伺える。
チルットも物わかりのいい娘だ。これだけ言えば同じ間違いはしまい。

チルットに、シュンとした顔は似合わない。

コモルー「さて!一日を始めるぞ!」

チルット「はい!コモルーさん!」

そう、チルットにはその明るい顔が似合うんだ。
 ▼ 100 o3hutGK4ks 20/07/03 21:29:13 ID:AS0U9fZI [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
コモルー「うーん...」

レースまでは一週間を切っている。
つまり、時間はすごくすごく限られてるわけだ。

とにかく、飛べるようにならなくては。
やることは、経験値を積んで進化すること。単純明快にして、難易度が高い。

今はまだ土俵にすら立てていない。こんなのでは優勝なんて...

コモルー「...ん?」

ここまで思考を巡らせて、気付く。

俺はこの大会について、何も知らない。
どれぐらいの規模でやるのか...大空障害レースとは何なのか。
そして、誰が出場するのか。

仮想敵が分からなければ、優勝という目標が立てづらい。
できれば情報収集もしたいところ。

コモルー「うぐぅ...」

先ほど、時間はすごくすごく限られてると話したが、あくまで一週間近い話だ。
一日の話をすれば...時間はすごくすごくすごくすごく限られてる。

何を言いたいかというと...

コモルー「今日はどちらかしかできない...」

チルット「コモルーさん?」

チルットも待ちかねてる。
決断、しなければ。

どっちを選んでも、きっと有意義な一日になるに違いない。

今日は...

@進化の為に特訓する。

Aレースに関する情報収集をする。

>>102
 ▼ 101 クバード@ふしぎなきのみ 20/07/03 21:43:40 ID:x3MIeAcc NGネーム登録 NGID登録 報告
@
 ▼ 102 ニガメ@ももぼんぐり 20/07/04 10:05:02 ID:blfALHSw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
2
 ▼ 103 クリン@たいようのふえ 20/07/14 16:34:12 ID:1Xxo16ak NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 104 ルミーゼ@ビアーのみ 20/07/25 23:51:22 ID:O3DcEmdQ NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 105 ジッチュ@かたいいし 20/07/30 19:41:17 ID:LBCAlCHo [1/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告

支援
 ▼ 106 ンシカイオーガ@ナゾのみ 20/07/30 19:51:48 ID:LBCAlCHo [2/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 107 コリータ@バックのかんづめ 20/07/30 19:52:03 ID:LBCAlCHo [3/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 108 ニプッチ@リバティチケット 20/07/30 19:52:19 ID:LBCAlCHo [4/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 109 トライク@もりのヨウカン 20/07/30 19:53:40 ID:LBCAlCHo [5/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
 ▼ 110 ーナンス@ダークメモリ 20/07/30 19:55:24 ID:LBCAlCHo [6/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
2しか有り得ん
 ▼ 111 o3hutGK4ks 20/07/30 22:46:08 ID:xowAwHF6 NGネーム登録 NGID登録 報告
なんかビビる具合に支援がついてる...
続き時間かかりますが、お待ちをm(__)m
 ▼ 112 ランセル@トライパス 20/08/18 11:50:07 ID:i.5Y6REw NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 113 レッフィ@のびたバネ 20/08/19 20:34:13 ID:6FGsbenU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 114 ンテール@くろいてっきゅう 20/08/30 03:52:34 ID:ERpQnYwo NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 115 o3hutGK4ks 20/09/02 22:04:15 ID:ywGE2LFc [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
他スレの話ですが、某SS企画で私の書いたSSが3位の優秀賞となりました

【夏休みSS】カイロス「夏休みがきたぁぁ!」ヘラクロス「...あぁ?」 https://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=1257122

今書いてるのよりは短く終わるので、是非お読みください
次から更新です
 ▼ 116 o3hutGK4ks 20/09/02 22:06:12 ID:ywGE2LFc [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
情報収集をしよう。
このまま特訓に入っても、モヤモヤして身にならないだろう。

コモルー「よし、行くぞチルット」

チルット「えっ、どこへですか?」

コモルー「情報収集だ。レースについて知ってそうな奴を片っ端から訪ねる!」

チルット「...なるほど。確かに情報を得たほうが有利かも知れませんね」

おおむね、俺と同意見だったようだ。

リングマ「てことは、こちとらお呼びじゃないみたいだな」

コモルー「あぁ」

もし特訓をするとなっていたら、リングマはいい特訓相手だっただろう。
しかし、情報収集となれば不要だ。

コモルー「診てくれてありがとうな」

リングマ「カッカッカ!いいってことよ!二人とも、達者でなぁ!」

いつも通り、リングマは調子よく去っていった。
 ▼ 117 o3hutGK4ks 20/09/02 22:25:34 ID:ywGE2LFc [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
コモルー「...さて。チルット、背中に乗りな」

チルット「え?いいんですか?」

コモルー「情報収集は足が命だ。チルットには負担をかけられないからな」

チルット「コモルーさん...!」

ありがとうございます!

という言葉が続くと、目に見えて分かる。
なればこそ、男を上げるチャンスだ。

コモルー「礼なんていらないさ。こんなこと、兄貴分とし当然の」

チルット「背中乗せてくれるなら、飛んでくださいよ」

コモルー「ならーん!!」

礼なんてこなかった。

チルット「ふふっ、冗談ですよ」

コモルー「いらん冗談覚えやがって...」

チルット「コモルーさんから学んだことですよ?いっつも私をからかうから」

きゃっきゃと、引っ掛けたことを喜ぶチルット。
その姿も、可愛くていいなと思いながら

コモルー「そんな冗談覚えるなら、背中に乗せてやんないからな〜」

チルット「ぶぅ〜」

結果的に男を下げてしまった俺であった。
 ▼ 118 o3hutGK4ks 20/09/02 22:39:15 ID:ywGE2LFc [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
コモルー「...」
チルット「...」

チルットを背中に乗せて歩く中、俺たちは無言だった。

チルットの沈黙に、意味はないかも知れない。
しかし、俺はと言えば。

コモルー「...うぅぐ///」

チルットの綺麗な青色の体が密着し、柔らかさと体温が直に伝わる。

チルットの吐息は耳元に。
時々体を撫でる羽毛が、絶妙にこそばゆかった。

つまり俺の沈黙は、そんな嬉し恥ずかし状況をどうにか平静に保つ手段に他ならない。

チルット「そういえば、誰を訪ねるつもりなんですか?」

やはり沈黙に意味はなかったのか、チルットが話を振ってくる。
あくまで平静を、平静を装いながら答えねば。

コモルー「んーと、秘密」

チルット「秘密にしてどうするんですかっ。うー、この」

掴まってる羽をペシペシと叩き抗議する。
しかしその刺激は痛いものでなく、ほぼ脇腹をくすぐっているようなもので...

コモルー「ひひぃ!わかった言うから言うから!」

チルット「へ、変な声出さないでくださいよ...」

コモルー「だ、出してねぇって。そうだな...俺の知ってる中じゃ、結構賢い奴かな」

これでも意地の張った教え方だ。

俺の知ってることは知っていて
俺の知らないことも知っている
アイツの知らないことは俺も知らない。

そんな完璧主義を地で行く、幼なじみのことだ。
 ▼ 119 o3hutGK4ks 20/09/02 22:48:12 ID:ywGE2LFc [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
コモルー「よ、フライゴン」

フライゴン「...?」

そう、情報収集に選んだ一人目はフライゴン。
コイツなら、レースのことだって知ってるに違いない。

フライゴン「...誰?」

コモルー「往年のボケはいらねぇよ!」

フライゴン「スカウトならお断りだけど」

コモルー「する気ねぇ!」

フライゴン「新聞なら取らないわ」

コモルー「話聞けぇ!!」

思えば、俺が酷く突き放して以来の再会だったりする。
なのにいつも通りの軽い悪ふざけに入れるのが、フライゴンの気に入ってるところだ。

コモルー「ったく、お前は変わらないな」

フライゴン「なにか知らないポケモンにセクハラされたわ」

コモルー「どこがですかね。てかいい加減知らない設定やめてくれ、さすがに不安になる」

チルット「お久しぶりです、フライゴンさん」

フライゴン「あらチルット、久しぶりね。元気?」

コモルー「この差はなんですかね?」
 ▼ 120 o3hutGK4ks 20/09/02 23:00:43 ID:ywGE2LFc [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
フライゴン「で?何を知りたくて訪ねて来たの」

やはり、コイツにはお見通しらしい。

コモルー「まぁ、その、な。大空障害レースについてだ」

フライゴン「障害レース?何でそんなこと知りたいの」

案の定探りを入れられるが、どう転ぶかも分からないので
フライゴンには事情を知られたくなかった。

コモルー「いいだろ別に。タッグ部門について、知ってること教えてくれ」

フライゴン「知ってること...ね。そんなの、ないわ」

コモルー「えっ、フライゴンでもか?」

フライゴン「えぇ。だって、レースの詳細は全て当日に発表されるもの」

フライゴン「そうね、でも障害物は全部で5つある。っていうのは毎回の通例みたいね」

フライゴンでもこんな認識だ。
ということは、レースについての情報収集は、これ以上できることはないのではないか。

コモルー「そうか...ま、ありがとな。それじゃ」

切り上げようとした、その時

フライゴン「そうそう、知ってることと言えばもう一つ」

フライゴン「そのレース、優勝者は決まってるわ」

コモルー「まさかの出来レース!?」

チルット「えっ...それって、まさか...!」

フライゴン「何故なら、私が出場するから」
 ▼ 121 o3hutGK4ks 20/09/03 20:57:33 ID:CXqIA7cw [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
コモルー「はぁ!?お前レース出るのかよ!」

フライゴン「そんな驚くこと?」

コモルー「あ、いや...そ、そう、タッグだぞ?パートナーの当てはあるのか?」

フライゴン「あるわよ。あなたと違ってね」

コモルー「一言余計だい」

正直、予見してなかったわけではない。スピード自慢のフライゴンだ、レースに出ることに不思議はない。
また、優勝候補筆頭であるのも、本人の言う通り事実だろう。

しかし、どうしても疑念を抱かざるを得ないとすれば...

コモルー「パートナーは...一体誰だ...」

ボソッと一人呟き、思考に入ろうとしたその時
チルットの一言が、空気を変えた。

チルット「そっか、フライゴンさんが出るなら、強力なライバル現るですね」

コモルー「あっ...おま...」

そう、俺が隠してたことをあっさり話してしまう、ドジっ子妹だ。

フライゴン「ライバル...?」

コモルー「はぁ...聞き逃すお前じゃないよな」

チルット「え、もしかして言わないほうがよかったですか...?」

コモルー「いや、口裏合わせてない俺も悪い。言っていいよ」

フライゴン「二人とも、さっきから何言ってるの?」

チルット「フライゴンさん。私とコモルーさん、タッグを組んでレースに出るんです」

フライゴン「...!!!」
 ▼ 122 o3hutGK4ks 20/09/03 21:52:06 ID:CXqIA7cw [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
フライゴン「本気なの?コモルー」

いつになく真剣な表情で聞いてくるフライゴン。
誤魔化しは、効かないだろう。

コモルー「あぁ、本気だ。俺はチルットと組んで、優勝を狙う」

フライゴン「まって、あなたは飛べないはずで」

コモルー「わーわーわー!チルット何でもないぞー!?」

チルット「コモルーさん、被せないでください。フライゴンさんの言葉聞こえなかったです」

前言撤回。全力で誤魔化す俺。

コモルー「フライゴン、頼むぞ?いやお願いしますどうかどうか」ボソッ

フライゴン「はぁ...。意図は汲んだわ」

コモルー「ありがたや...」

フライゴン「でも、チルット。あなたは飛べないはずよ。レースなんて、できっこないわ」

チルット「...コモルーさん。あれ、見せていいですか?」

コモルー「あぁ、あんま無理すんなよ」

チルット「はいっ!...しょ、よいしょよいしょ」

フワッ フワッ

フライゴン「すごい...!飛んでる...!」

コモルー「だろ?もう期間は少ないが、俺とチルットなら不可能じゃないんだ。なら、俺たちはそれに挑みたい。それだけだ」
 ▼ 123 o3hutGK4ks 20/09/03 22:51:53 ID:CXqIA7cw [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
フライゴン「...そう、ね。そう、よね。そうすべきだわ」

ふと、フライゴンが何かを堪えてるように見えた。
何か大事なモノを、諦めたかのような。

チルット「はぁ、はぁ...ど、どうでした?」

フライゴン「チルット、とっても立派だったわ。並大抵の努力でなかったはず...尊敬するわ」

チルット「えへ、フライゴンさんに尊敬って言われると、照れます」

フライゴン「チルット...よかったわね」

一瞬、うるっとフライゴンの目が輝く。
その一瞬で、「よかったわね」の意味を感じ取ったのか、チルットは

チルット「フライゴンさん...ありがとうございます」

照れた顔がどこへやら、申し訳なさそうな顔で感謝を伝えた。

フライゴン「このポンコツさんをよろしくね」

コモルー「誰がポンコツだ誰が」

フライゴン「あなたは...チルットを選んだのね」ボソッ

コモルー「え?なんだって?」

フライゴン「徹底的に潰してやるって言ったのよ」

コモルー「ボソッと言った内容がそれですか!?」

気付けば、いつも通りのフライゴンに戻っていた。
むしろ、何か吹っ切れたようにも見えた。

コモルー「って、そうだ。お前のパートナーって誰だよ?」

フライゴン「多分、そろそろ来るわ」

噂をすれば、というのか。
うぉぉぉい!という声を上げながら、誰かが近付いて来る。

その正体を確信して、俺はこの場に居合わせたことを後悔した。
 ▼ 124 ノノクス@ポロックケース 20/09/07 02:24:34 ID:0t5kMgjw NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 125 o3hutGK4ks 20/09/15 21:23:33 ID:G14.Zi3M [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
フライゴン「来たわね」

コモルー「チ、チルット、逃げるぞ」

チルット「え?どうしてです?」

コモルー「どうしてもだよ!早くしないと」

奴が来る。
とっさに逃げる判断を下したが、行動に移すには【マッハレベル】に遅かった。

フライゴン「久しぶり、ガブリアス」

ガブリアス「アネゴ〜!呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃ〜ん、だぜぇ!」

フライゴン「相変わらず変なノリね...嫌いじゃないけれど」

俺は、コイツのノリが嫌いだ。

ガブリアス

俺とフライゴンが幼なじみと言えば、コイツもそうなるか。
どちらかと言えば、腐れ縁と言うべきか。

小さい頃から一緒に育ってきた仲だが...

ガブリアス「お、コモルーもいんじゃん!激アツだなぁ!元気してっか!?」

バシバシと、体を叩いてくる。
昔から変わらず、ノリがしつこいというか、パーソナルエリアを考えないというか。

昔ならまだあしらえたが
互いに成長し、二人に先を越されて卑屈になってから、上手く付き合えなくなったのだ。

コモルー「や、やめろよ...」

ガブリアス「ん?聞こえねっぞー?あぁ、照れてんだな!相変わらずシャイなヤツだぜお前はぁ!」

バシバシ!

カーストの底辺と頂点、対極の位置にある俺とガブリアスは、一生分かり合えないことだろう。
 ▼ 126 o3hutGK4ks 20/09/15 21:43:00 ID:G14.Zi3M [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガブリアス「アネゴがオレを呼んだってこたぁ、祭りか?パーリーすんだな!?」

幼なじみであるフライゴンをアネゴと呼んでるのは、本人的には特に意味はないらしい。

ただ、ガブリアスにとって特別な存在であることは、俺の目でも分かる。

フライゴン「言ってる意味は分からないけれど、レースに出るのよ。私と、あなたで」

ガブリアス「オレとアネゴでレースか〜。かぁ〜!燃える!」

多分ルールも理解出来てないだろう。
それでも二つ返事で了承し、フライゴンに引けを取らない実力を出すのがこの男だ。

チルット「すごい、羽根も見当たらないのに飛べるんですね」

ガブリアス「あん?そいやお嬢ちゃん誰だい?アネゴにゃ劣るけど、かわいいじゃん」

コモルー「...!」

プチン!

俺の中で何かが弾ける。

コモルー「...おい」

チルットを背中に乗せ、臨戦態勢に入る。

ガブリアス「お?いいねぇ、やるってのコモルーちゃん?」

ガブリアスは首をポキポキ言わせながら、自信満々に詰め寄ってくる。
それもそのはず。あらゆる勝負事にて、フライゴンはおろかコイツにも勝ったことがない。

フライゴン「やめなよガブリアス。コモルーも」

ガブリアス「今日はどんな勝負にするよぉ?オレってばなんだってお前に勝てちゃうもんな〜」

だが、俺はやる...!俺は...

コモルー「...フライゴン、ありがとな。世話になった」

フライゴン「えっ?あ、いえ...」

コモルー「じゃな」クルッ

あくまで自然な態度で踵を返した。

ガブリアス、フライゴン「はっ...?」
チルット「え....」

逃げるが勝ち。
まだ内に秘めてた卑屈な精神で、己自身の勝ちを掴み取った。
 ▼ 127 o3hutGK4ks 20/09/15 21:54:08 ID:G14.Zi3M [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
走りもせず、忍びもせず 。
あまりに自然な逃げ足の為か、フライゴンとガブリアスが追ってくることはなかった。

チルット「コモルーさん、いいんですか?」

コモルー「何が」

チルット「ガブリアスさん...でしたっけ。コモルーさんと遊び...じゃないや、勝負したがってたように見えました」

コモルー「ああいう扱いでいいんだよあんな奴」

チルット「私、まだフライゴンさんと喋りたかったことありますし」

コモルー「いつでも会えるよアイツは」

チルット「コモルーさん、やっぱ戻って」

コモルー「あぁあ!もう!全部はチルットがガブリアスと喋ろうとするから...!」

チルット「...!」ビクッ

コモルー「あっ...」

言い終わった瞬間、失言だと気付く。

コモルー「ごめん...チルットに当たることじゃなかった」

チルット「い、いえ...私が...ガブリアスさんと...」

チルットはうつむきながら、ぶつぶつと呟く
そして、ひとしきり終えたら顔をあげてこう言った。

チルット「コモルーさん、妬いてくれたんですか?」

コモルー「うっ...!?」

違う、という言葉は出なかった。
それもそのはず、何故なら事実だから。

自分とレベルの違う男と話して、チルットが靡いてしまうことを恐れたのだ。

だからこそ、勝負を挑み大敗し、チルットに差を見られるより
初めから逃げて小さいプライドを守ることを選んだ。

コモルー「...だとしたら、なんだよ」

チルット「だとしたら...許します」

コモルー「えっ...何でだよ」

チルット「嬉しかったから...ですかね。うひひ」

照れ笑いを浮かべるチルット。
こんな醜い本性を見て、何故笑えるのか、不思議で仕方ない。

だが、悪い気もしなかった。
 ▼ 128 o3hutGK4ks 20/09/15 22:00:50 ID:G14.Zi3M [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
コモルー「じ、情報収集!次行くぞ!」

チルット「次ですか?誰のとこへ?」

コモルー「それは...」

情報収集なんて、正直もうどうでもいい。

目的は、少し荒んでしまったこの心を癒すこと。
チルットのいい兄貴分でいる為に

姉貴分に甘えに行くことにした。
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