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SS

【お仕事SS】「お客さん、今日はどこまで飛びますか?」

 ▼ 1 ◆WZienuer1k 20/08/10 23:54:39 ID:EMx.bqJo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




彼女と空を飛んでいる時は▼



秋の気配を、より一層感じる気がする▼



 ▼ 219 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:35:28 ID:u.jQfmNc [1/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

キバナ『さてと!酒飲んでる場合じゃねぇな!早速ビートを叩き起こして準備しなきゃだ。じゃあな!カブさんもネズもまた明日!あとルリナ!無理すんじゃねぇぞ……!』 

キバナは退出した▼

カブ『おや』

ダンデ『あいつ……相当酔ってるな』

ルリナ「それ、あなたが言うの?」

ネズ『でもさ……』

ヤロー『ん?』

ネズ『キバナって頼もしいですよね。反りは合わないが……普通に尊敬できますよ』

ヤロー『そうですねぇ。彼、知識の引き出しの数が段違いですよね』

ダンデ『ねっ、ネズが人を褒めるなんて……!キミも相当酔っているな!?早く寝た方がいいぜ!』

ネズ『……おまえこそ寝た方がいいと思いますよ』

ダンデ『さて、キバナが根性を見せておいてオレが何もしないわけにはいかないな!明日に備えて寝てくるぜ!』

ルリナ「働かないのね」

ダンデ『ははは!じゃあな!ルリナも身体には気をつけるんだぞ!』

ルリナ「分かってる」

カブ『おやすみなさい』

ダンデ『おやすみなさ』

ダンデが退出した▼

ネズ『…………』

ヤロー『…………』

カブ『…………』

 ▼ 220 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:35:53 ID:u.jQfmNc [2/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ルリナ「……一気に、静かになったわね」

ネズ『ああ、ヤロー。カルヴァドス、中々でしたよ。エール団の下っ端にも分けましたが、男からは概ね好評でしたね』

ヤロー『そうですか!ありがとうございます。女性には苦かったかな?』

カブ『そうかもしれないね。ぼくも昨日開けたんだが……ぼくは結構好きだよ』

ルリナ「へぇ。わたしは今飲んでるんだけど、普通に美味しいわよ?」

ヤロー『うん、うん!ありがとうございます。喜んで頂けたら何よりじゃ』

ルリナ「うーん、そんなに苦いかな……」

わたしは瓶から匂いを嗅ぐ▼

甘さの含んだ香りが苦味に溶け込んで、普通に美味しいと思うのに▼

わたしは瓶に口付けて 残り少ない中身を一気に飲み干した▼

ルリナ「うーん……そんなに苦いかな」

カブ『はは、豪快だな……』

 ▼ 221 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:36:50 ID:u.jQfmNc [3/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ネズ『あのさ、ルリナ』

ルリナ「ん?」

ネズ『さっきから黙っていましたが……なんで直飲みしてるんですか?』

ルリナ「いやだって、ぬるくなるじゃん」

ヤロー『ぬるくなる……?』

ルリナ「は?あなたたちもやらない?冷やしたお酒をタンブラーに移して、残ったのを先に飲むの」

ヤロー『いや、やりますけど人前でボトルを煽るのは少し……』

ルリナ「ヤローくん、文句あんの?」

ヤロー『いいえ全くありません』

カブ『ははは!ぼくは豪快でいいと思うよ』

ルリナ「ふふ、そうでしょ?」

ヤロー『おー、カブさんは悪い大人だなぁ!そうやって女の子を誑かすんですか』

カブ『さあ?何のことやら』

ネズ『タチサレ……タチサレ……』

ルリナ「あはは!』

みんな、それぞれ大変だと思っていたし……▼

実際大変だと思うけど▼ 

ルリナ「なんか……変わらないのね」

アーマーガア「?」 

ルリナ「ううん、こっちの話」

わたしはグラスのカルヴァドスに口付ける▼

甘い香りが口いっぱいに広がり▼

疲れた身体に 優しく染み渡っていった▼

 ▼ 222 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:46:27 ID:u.jQfmNc [4/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

──8月23日──

 ▼ 223 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:46:39 ID:u.jQfmNc [5/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

【バウスタジアム】

 ▼ 224 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:47:38 ID:u.jQfmNc [6/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

◆

ソニア『ルリナ知ってる?マクロコスモス・エアラインズの役員が肺炎にかかったって話』

タブレットの画面には ノーメイクのソニアが映っている▼

ルリナ「なにそれ」

ソニア『面白いんだよ?なんか、不倫相手から貰ったらしくて……で、その不倫相手の女性は他にもパトロンがいたって話で騒がれてるんだってさ』

ルリナ「……そう言えば、社長の愛人を乗せたことあるな」

ソニア『やば。怖すぎないそれ』

ルリナ「しかもこの間、機関から連絡が入ってたらしい」

ソニア『激やば!』

ルリナ「でもお前は平気だからいつも通りでいいっておやっさんに言われたから、多分平気なんじゃない?いや……平気じゃないと怖すぎる」

ソニア『だねぇ……あ、そうだ!ルリナ、ホップから聞いたよ?あんた14連勤してたんだって!?無茶し過ぎでしょ!そんなに働く時間あったら連絡寄越せっての』

ルリナ「いやでも……あなただって研究で忙しいんじゃ」

ソニア『ルリナが全然連絡くれないから研究しかやる事ないんだよ!分からず屋!』

ルリナ「ふふ、ごめんなさい」

ソニア『もー、反省してよね!』

ルリナ「ところで、プラターヌ研究所の二人なんだけど……」

ソニア『ね!可愛いかったでしょ?』

ルリナ「うん。素敵なカップルだったわ」

ソニア『でしょ?二人共真面目でいい子だからさ……ダイマックスを十分に見せてあげられなかったのが心残りなの』

ルリナ「そっか……でも、二人共あなたの事を気遣ってたよ?このまま長居するのは負担になるって」

ソニア『なにそれ!遠慮し過ぎでしょ。あとでプラターヌさんとこに鬼電してやるんだから……!』

ルリナ「そう。応援してるわ」

 ▼ 225 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:48:53 ID:u.jQfmNc [7/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ソニア『ルリナはどう?お姫様は元気にしてる?』

ルリナ「ええ。今もわたしの背もたれになってくれてるの。ね?」

アーマーガア「ガーア」

わたしは アーマーガアの毛並みを撫でた▼

ソニア『ほんと仲良しだよね……なんでそんな仲いいの?』 

ルリナ「おやっさんには『同類だから』って言われてる」

ソニア『わかる。ルリナも顔の割に度し難いところあるもん』

ルリナ「は?喧嘩売ってんの?」

ソニア『ぎゃー!やめて!命だけは取らないでぇ!』

ルリナ「全く……相変わらず元気ね。感染症の研究チームに配属されたと聞いたときは心配してたけど、その必要もなかったみたい」

ソニア『ひど!これでも大変だったからね!?幾ら勉強していたとは言え専門外だし……それにルリナの応援もなかったから』

ルリナ「……ごめんなさい」

ソニア『いきなり謝らないでよ、気持ち悪いなぁ……』

ルリナ「は?」

ソニア『ご、ごめんなさい……』

 ▼ 226 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:49:20 ID:u.jQfmNc [8/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ルリナ「いいよ、許してあげる。あなた達のおかげでバトルの解禁も夢じゃなくなったから」

ソニア『そうだぞ!もっと褒めるべし』

ルリナ「やっぱぶちのめすわ」

ソニア『なんでよぉ……あ、そうそう』

ルリナ「なに?」

ソニア『この間さ、ダイマックスバントの加工の依頼が来たんだよね』
ルリナ「へぇ、この時期に?珍しいわね」

ソニア『うん。女の子の声だったんだけど……なんか、あなたが推薦状を書いてくれるって話してたんだよね』

ルリナ「!」

ソニア『パンデミックが落ち着いたら、バウタウンスタジアムに行くんだってさ。心当たりある?』

ルリナ「……いや、ありすぎる」

アーマーガア「……?」

ソニア『……ルリナ?』

ルリナ「そっか……彼女はわたしと戦うことを選んだのか。ふふ、楽しみだな」

ソニア『ねぇ、何の話?もっと詳しく教えてよ!』

ルリナ「やだ」

ソニア『えぇ!?なんでよ!!』

ルリナ「ふふ、冗談!あのね……」

 ▼ 227 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:49:45 ID:u.jQfmNc [9/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

◆


あれから半年が過ぎた▼


世界は ひっくり返った玩具箱と 散乱した玩具を見つめる子供のように▼


滅茶苦茶で 混沌としたままでいる▼


◆


 ▼ 228 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:50:02 ID:u.jQfmNc [10/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

【バトルタワー 執務室】

 ▼ 229 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:50:44 ID:u.jQfmNc [11/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

◆

ダンデ「……これと、あとは」

リザードン「ばきゅあ……」

ダンデ「ん?何だリザードン、オレを労ってくれるのか?」

リザードン「ばきゅあ!」

ダンデ「ははは!サンキュー……ん?」

スマホロトム「ケテ!ユウリから着信ロト」

ダンデ「ユウリくんから!?繋いでくれ!」

ユウリ『あ、もしもし?』

ダンデ「ユウリ……!ユウリなのか!?」

ユウリ『は、はい!日曜日なので電話してみました。お元気ですか?』

ダンデ「ああ!勿論元気だぜ、リザードンもな?」

リザードン「ばきゅあ!!!」

ダンデ「ユウリ……キミは元気か?マスター道場のみんなも変わりないか?」

ユウリ『はい!みんな元気ですよ。でも……』

ダンデ「ん?」

ユウリ『やっぱり、寂しいなって。ダンデさんの声を……聞きたくなったんです』

ダンデ「!」

ユウリ『あの、少しお話ししませんか?たまには、ゆっくりお話ししたいなって』

ダンデ「いいぜ!少しとは言わず……いくらでも付き合おう」

ユウリ『わぁ……!ありがとうございます!』

ダンデ「ふふ。そういえばユウリ、今年の2月に……」

 ▼ 230 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:55:32 ID:u.jQfmNc [12/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

◆

オリーヴ「……はぁ」

マクロコスモス「オリーヴさん、コーヒー淹れてきました」

オリーヴ「ありがとうございます」

マクロコスモス「……あの」

オリーヴ「ワタクシは平気よ」

マクロコスモス「!」

オリーヴ「いつもありがとう」

マクロコスモス「い、いえ!とんでもない……私こそ、こんなことしか出来なくて申し訳ないです」

オリーヴ「あなたはもう少し胸を張るべきです。ローズ様は……マクロコスモスは、見込みのある人しか採用しません」

マクロコスモス「オリーヴ、さん……」

オリーヴ「…………」

マクロコスモス「……あ、あの。如何なさいましたか?」 

オリーヴ「少し付き合ってくれるかしら。ダンデの……あの若造の負担を少し減らしてあげたいんだけど。勿論、振替休日は用意するわ」


マクロコスモス「え、ええ!喜んで!オリーヴさん!」

 ▼ 231 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:55:52 ID:u.jQfmNc [13/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

【スパイクタウン コンサートホール】

 ▼ 232 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:56:22 ID:u.jQfmNc [14/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

◆

ネズ「"歩みを止めるな 我が友よ"」

キバナ「"暗い過去を振り返るな 賢き友よ"」

ネズ「……下手くそが。水を差すな」 

キバナ「うっせ!オマエに比べたら下手なのは決まってんだろうが……」

カブ「"おれたちに 足を止める暇などない"」

ネズ「ふふ……"おれたちは 世界を作る礎"」

ネズ「"おれたちこそが 地上の太陽"」

 ▼ 233 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:56:37 ID:u.jQfmNc [15/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

【ターフースタジアム】

 ▼ 234 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:57:29 ID:u.jQfmNc [16/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

◆

オニオン「……ぁの」

ヤロー「どうしましたか?」

オニオン「えと……その。仕事、終わりました」

ヤロー「なんと!助かりました。ありがとうございます」

オニオン「……ヤロー、さん」

ヤロー「はい、なんでしょう」

オニオン「……ぇと、その……」

ヤロー「うんうん」

オニオン「ボク!ボクに、出来ることは……何でも、手伝いますから」 
ヤロー「ははは!ありがとう。きっとターフー農園の方々も喜ぶでしょう」

オニオン「……!あの!」

ヤロー「うん?」

オニオン「ヤローさんも……喜んで、くれますか?」 

ヤロー「!」

オニオン「迷惑じゃ……」

ヤロー「いいや、いいや!迷惑なんかじゃないさ。きみが仕事を手伝ってくれて百人力です。むしろぼくのほうが、きみに負担をかけていないか……」

オニオン「……っ、そんな、ことは!ボク……確かに、少し、こわいけど……でも!でも……!」

ヤロー「……うん。ありがとう……オニオンくん」

オニオン「!」

ヤロー「嬉しいです。きみは本当に……優しいんだな」

オニオン「あ、いや……その」

ヤロー「よし!一休みしたらまた働きますか。まだまだやるべき事は沢山あるからな!」

オニオン「……!はい!」

 ▼ 235 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:57:44 ID:u.jQfmNc [17/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

【ラテラルタウン】

 ▼ 236 ◆WZienuer1k 20/08/23 01:58:45 ID:u.jQfmNc [18/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

◆

サイトウ「ねがいぼしを?」

ミニスカート「うん。実はね……ここだけの話なんだけど、ルリナさんから貰ったんだ!」

サイトウ「る、ルリナさんから?」

ミニスカート「そう!あの人……本当にタクシーの運転手やっててさ。とっても優しくて、綺麗で、カッコ良かった……!」

サイトウ「ふふ、そうですよね。ルリナ選手は素晴らしい人です……わたしも憧れてます」

ミニスカート「……この間、おじいちゃんが死んじゃった事、知ってるよね?」

サイトウ「ええ、その節は……」

ミニスカート「その時、私を励ましてくれた運転手さんが、ルリナさんだったの」

サイトウ「!」

ミニスカート「ね、とっても素敵だと思わない?それで、このねがいぼしをくれてさ。もしやる気があって、実力があれば推薦状くれるって約束してくれたの」

サイトウ「それは……!素晴らしい幸運ですね。今後ポケモンバトルが解禁されたら、特訓に付き合いますよ」

ミニスカート「ほんと!?やった!サイトウちゃんが付き合ってくれるなら百人力だよ!」

サイトウ「ふふ、でも……ルリナ選手は妥協を嫌う選手です、わたしも何度も流されてきました……全力を出し切らなければ見抜かれるので、ある程度の覚悟は必要かと」

ミニスカート「……大丈夫!おじいちゃんにも言われたの」


ミニスカート「人生を楽しみ尽くせって!滅茶苦茶な特訓も、厳しいジムチャレンジも……何だってやってやるんだから!」

 ▼ 237 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:03:12 ID:u.jQfmNc [19/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

【キルクスタウン】

 ▼ 238 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:04:32 ID:u.jQfmNc [20/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

◆

メロン「マクワ、入るよ」

マクワ「……どうぞ」 

メロン「あんた、また無茶してるんじゃないでしょうね?」

マクワ「別に。ただの計算ですよ」

メロン「お金の計算、だろ?」

マクワ「ええ、そうですとも。責任がある方がやりがいもありますし……何もしないより、忙しい方がよほどマシでしょう」

メロン「……ほら、母さん特製のバニラアイスだよ!糖分補給して、ネズ達に迷惑かけないように」

マクワ「!」

メロン「何かしないと気が狂いそうになるっていう、あんたの気持ちはわかる!でも、無理は……しないでね」

マクワ「……はい」

メロン「あんたもお兄さんなんだから。きょうだいも心配してるってことを忘れずに」

マクワ「……ありがとう、ございます」

メロン「分かればよろしい。んじゃ、頑張りなよ」

マクワ「…………」

マクワ「……ありがとう、本当に」

 ▼ 239 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:04:49 ID:u.jQfmNc [21/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

【ミアレシティ プラターヌポケモン研究所】

 ▼ 240 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:05:39 ID:u.jQfmNc [22/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

◆

マノン「ふふ……」

アラン「そのマスク、つけないのか?」

マノン「だって!洗って薄くなったりしたら嫌だもん!」

アラン「……じゃあ何でマスクにサインしてもらったんだ」

マノン「う、それは……」

アラン「ふっ……」

マノン「まあ、それはともかく!アランはどうするの?」

アラン「何がだ?」

マノン「ジムチャレンジだよ!ルリナさんが推薦状書いてくれるんでしょ?」

アラン「参加するわけないだろ。俺はジムチャレンジは好きじゃないんだ……ダイマックスは品性に欠ける。美学というものをまるで感じない」

マノン「その割にはジムチャレンジの動画、結構見てるよね?」

アラン「あくまでバトルの勉強としてだ。娯楽にはならん」

マノン「まあ……あたしも、ダイマックスよりメガシンカの方がカッコいいと思うし」

アラン「へぇ、気が合うな」

プラターヌ「ああ、二人共!ここにいたか」

アラン「博士?」

プラターヌ「さっきソニア博士から研究資料が届いたんだが……少し手伝ってくれないか?」

マノン「うそ、ソニア博士の資料もう届いたの!?」

アラン「はい!すぐ向かいます」

 ▼ 241 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:05:57 ID:u.jQfmNc [23/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

【スパイクタウンはずれ】

 ▼ 242 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:06:51 ID:u.jQfmNc [24/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

◆

ビート「……はぁ」

マリィ「ビート選手じゃん」

ビート「あなたは……マリィ選手ですか。お元気そうで良かったです」

マリィ「ありがと。ビート選手も頑張っとーね。キバナさんの秘書みたいなことしとるんでしょ?」

ビート「ええ……彼のサポート業務を行っていますが……」

マリィ「ふぅん、きついんだ」

ビート「…………」

マリィ「ビート選手?」

ビート「ええ……きついですよ」

マリィ「…………」

ビート「エリートを自称していたことが、恥ずかしくなる程度にはね」

マリィ「アニキが言っとったよ。キバナさんは本物のエリートだって」

ビート「そうです。ぼくはそれを身をもって知らされました……彼は、すごい人だ。どんなに凄惨な状況にも果敢に切り込んでいくし、どれほど苦しくても顔に出す事はない」

マリィ「…………」

ビート「認めたくないけど……ぼくは、甘かったんです。エリートを名乗る資格もない」

マリィ「ふぅん」

ビート「あなたは……どう思ってるんですか?このパンデミックについて、どうするべきか」

マリィ「あたしは特に……ただ、ポケモンたちと元気に生きて、規制が解けたら楽しくバトル出来ればいいかなって」

ビート「……ふふ、それは同感です」

マリィ「だからさ。ビート選手も楽しみなよ」

ビート「!」

マリィ「マリィもそろそろ……企画運営に参加したいなって思っとーと。一緒に盛り上げよ?ガラルのバトル文化」

ビート「ええ……そうですね。共に頑張りましょう」


 ▼ 243 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:07:17 ID:u.jQfmNc [25/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

◆


医療崩壊 クラスター 差別運動▼


何もかもが滅茶苦茶で▼


まるで……鏡の中に迷い込んだみたいな世界▼


それでも……▼


◆

 ▼ 244 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:07:27 ID:u.jQfmNc [26/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

【バウスタジアム 入口前】
 ▼ 245 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:09:07 ID:u.jQfmNc [27/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
◆

ルリナ「……はぁ」

手足はまだ 少し痛むけれど……昨日よりも調子はいい▼

パパラッチ「ああ、いいタイミングに来れたな」 

ルリナ「!」

パパラッチ「おっと、そう身構えないでくれよ。流石の俺も傷付くぜ」
ルリナ「……本日は、どのような用件で?」

パパラッチ「何、少し渡したいものがあってね」

わたしは 重い紙袋を受け取った▼

ルリナ「っ、これは」

パパラッチ「あと、こいつも」

わたしは 分厚い封筒を受け取った▼

パパラッチ「その封筒、開けてみなよ」

ルリナ「……では、失礼します」

封筒の中には……▼

今まで隠し撮りされてきたと思われる、わたしの写真が詰め込まれていた▼ 

ルリナ「!」

パパラッチ「奥の方にSDカードが入ってる……まあ、それでも信用はできないかもしれないが、俺なりの誠意ってやつだな」

ルリナ「なんの……つもり?」

パパラッチ「罪滅ぼしなんて甘い事は言わない。だが……うん。ただ、あんたと空を飛んだ時間が楽しかったんだよ」

ルリナ「…………」

パパラッチ「クソッタレなご時世で、久々にいい思いをさせて貰ったんだ。俺なりに救われたってワケ」

ルリナ「……ありがとう、ございます」

パパラッチ「うん……じゃあ俺はこの辺で。頑張れよ、ルリナ選手」 

ルリナ「はい……」

パパラッチは去っていった……▼

ルリナ「…………」

わたしは 紙袋を開いた▼

ルリナ「……うそでしょ」

紙袋の中には 25年モノのシーバスリーガルが入っていた▼

 ▼ 246 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:09:23 ID:u.jQfmNc [28/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

【スパイクタウン】

 ▼ 247 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:10:22 ID:u.jQfmNc [29/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

◆

カブ「ここか……ああ、思ったより名残はあるな」

キバナ「客席部分の段差が随分と広いっすね……なあネズ、これ……わざわざタクシー引っ張り出さなくても間隔開けりゃいけるんじゃねぇの?オマエんとこのジムよりよっぽど収容できるんじゃねぇの」

ネズ「かもしれませんね。どちらにせよルリナの提案は最高だったという事だ」

カブ「なあ、ネズくん。職員の彼が話していたスイッチというのはこれかな?」

ネズ「ああ、それっぽいですね……付けてみますか?」

カブ「うん……いくよ」

カブは スイッチのレバーを下げた▼

キバナ「!」

機械的な音とともに、客席部分が動いていく……▼

カブ「……おお!」

キバナ「おい……!ネズ!カブさん!!」

ネズ「ああ……キバナ!今すぐダンデに連絡を入れろ!」



ネズ「コンサートホールは……スタジアムは!現役だってな!!」



 ▼ 248 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:10:36 ID:u.jQfmNc [30/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

【バウタウン】

 ▼ 249 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:11:26 ID:u.jQfmNc [31/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

◆

ルリナ「……みつけた」

アーマーガア「ガルルルル……」

ルリナ「こんなところにいたのね……」

アーマーガア「ガーア!!」

アーマーガアは翼をはためかせ わたしに向かって威嚇する▼

ルリナ「きゃっ!?ちょ……もしかして怒ってんの!?」

アーマーガア「グルルル……」

ルリナ「……心配、してくれてるの?」

アーマーガア「…………」

アーマーガアは わたしをじっと見つめている▼

ルリナ「……アーマーガアはさ」

アーマーガア「?」

ルリナ「何で、わたしを認めてくれたの?」

アーマーガア「……?」

アーマーガアは よく分からないという顔をしている▼

ルリナ「なによ、その顔」

アーマーガア「フン……」

ルリナ「……ほんと、なんでだろうね」

わたしは アーマーガアに抱きついた▼

豊かな胸毛を 優しく撫でた▼

アーマーガア「クルル……」

ルリナ「わたしはみずジムリーダー。あなたははがね・ひこうタイプ」 
なのに……こんなにも心を通わせられたのは▼

運命だったのか、それとも……▼

幸運、だったのか▼

 ▼ 250 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:12:48 ID:u.jQfmNc [32/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アーマーガア「…………」

アーマーガアが わたしの肩を翼で抱きとめる▼

ルリナ「ほんと、優しいお姫様ね……天使様だわ」

アーマーガア「フン……」

ルリナ「アーマーガア。わたし、あなたと空を飛べて光栄よ」

アーマーガア「ガァ……」

ルリナ「ほんとだってば。信じてよ」

アーマーガア「…………」

ルリナ「アーマーガア、少し飛びましょう」

アーマーガア「ケッ!」

ルリナ「大丈夫。というか……わたしだって、感覚が鈍ったまま仕事に戻りたくないし」

アーマーガア「ガーア!」

アーマーガアが 嘴でわたしの頭をグリグリしてきた!▼

ルリナ「ちょ!わかった!てか分かってるから!少しだけ!少しだけだから!」

アーマーガア「……グルル」

ルリナ「……だめ?」

アーマーガア「フン……」

アーマーガアは わたしに背中を向け▼

乗りやすいように しゃがみ込んだ▼

ルリナ「……ありがとう」

わたしはアーマーガアへ乗った▼

アーマーガアは地を蹴り……▼

晩夏の空へと飛び上がる▼

ルリナ「ふふ」

今日の空は曇りこそすれど、追い風が心地よい最高の環境だ▼

ウォーミングアップには最適だわ▼

 ▼ 251 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:13:15 ID:u.jQfmNc [33/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




最悪な世の中▼



先行き不透明な未来▼



クソッタレな世論が、わたしたちに与えるストレス▼



でも……▼



 ▼ 252 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:13:33 ID:u.jQfmNc [34/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


ルリナ「ねぇ、アーマーガア」



 ▼ 253 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:14:13 ID:u.jQfmNc [35/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


『人間はそう簡単に変わらない』▼


人格否定に使われがちな言葉が、まさか人類に希望を示す日が来るなんて思ってもいなかった▼


たとえ滅茶苦茶で、最悪な世の中でも……▼


きっと、大丈夫▼



だって……▼



 ▼ 254 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:14:31 ID:u.jQfmNc [36/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告






だって!▼





わたし達は、生きている!▼






 ▼ 255 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:14:54 ID:u.jQfmNc [37/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


アーマーガア「?」 


ルリナ「今日は、どこまで飛びますか?」


アーマーガア「ガーア!」

 
 ▼ 256 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:15:14 ID:u.jQfmNc [38/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告






変わり映えしない ガラルの曇り空を▼





アーマーガアは ゴキゲンに羽ばたいていった▼





 ▼ 257 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:15:32 ID:u.jQfmNc [39/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

──end──
 ▼ 258 ◆WZienuer1k 20/08/23 02:15:57 ID:u.jQfmNc [40/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お付き合いありがとうございました。皆様も健康にはくれぐれも気をつけて、来年のバレンタインデーに備えて下さい
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