世間での私の評価は品行方正なエリートだった。
裕福な家庭に生まれ育ち英才教育を受けた私は、勉強もポケモンバトルも何でも出来た。
何不自由の無く、神童と持て囃され、誰もが羨む青春時代。
そこに私の心に疑問が生じていた。
厳しくも優しい家族、清く美しい恋人、趣味の合う友人にも恵まれていた私は、得体の知れぬ空虚な心を抱いていた。
「退屈な目をしているな」
その男と出会ったのは大学のセミナー。
講師として招かれた大企業の総帥だ。
「先程の公演拝聴しました。ご高説を胸にこれからは……」
「心にも思ってない事を言う。くだらん挨拶はよせ」
「いえ、そのような事は……」
「君は世界に退屈しているな?」
一講師の突然の言葉。あまりの物言い、普段ならいい気分のしないものだが……。
「っ…………!」
「君は確かアポロと言ったな?ポケモンバトルの大会で幾つも入賞歴があると聞く」
彼は私を知っているらしい。
何故だか私は、彼の言葉から離れられなくなっていた。
後で分かったことだが、それは彼……
「私はサカキ。Rコーポレーション総帥にして、ロケット団のボスだ」
「っっ!」
「君には素質がある。ロケット団に入れ」
サカキ様の“悪のカリスマ”故のものだった。
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