【ポケモンUSUM・剣盾】ポケットモンスター - 少年少女、楽園の大決戦 - 【SS】:ポケモンBBS(掲示板) 【ポケモンUSUM・剣盾】ポケットモンスター - 少年少女、楽園の大決戦 - 【SS】:ポケモンBBS

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【ポケモンUSUM・剣盾】ポケットモンスター - 少年少女、楽園の大決戦 - 【SS】

 ▼ 1 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 02:37:42 ID:NCVEka0k NGネーム登録 NGID登録 m 報告
【最初に】
このSSには以下のものが含まれます。
・基本的にはゲーム準拠のキャラクター登場
・独自設定あり
1.御三家はマサル、ユウリ、ホップが所持(ダンデは御三家なし)
2.各伝説はマサル、ユウリ、ホップが所持
3.マサルとユウリはホップ同様幼馴染設定。血縁関係等はなし。
4.リーリエの手持ち3匹のうち、キュワワーとアブリボンは♀固定、特性はそれぞれ“ヒーリングシフト”と“りんぷん”。
5.サイトウ&オニオン、マクワ&メロンは全員存在しています。設定としては同じジムにいて、チャレンジ時は選択制です。
6.アローラからガラルへの入国の際の検閲で、未解禁ポケモンやメガストーン、Zクリスタルなどはお預かりになっています。
・一部を除くポケモンの鳴き声はイメージで書かせていただきます。(アニメの参考材料が現時点出ていないことによる判断材料不足です、ホントごめんなさい。)
・ご都合主義あり
・序盤、刑務所云々の話が出てきますが、詳しいことは知らないですが、物語の都合上出てきます。不備や間違い棟あると思いますが、どうかご容赦ください。
・ゲーム原作のモブトレーナーが出てきます。レベルは相応に上がっていたる扱いにいていますが、それ以上の変更点はありません。
 
【登場人物】
・アローラの5人(コウタ、コウミ、ホップ、リーリエ、グラジオ)
https://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=1078278
 
・ガラルの5人(マサル、ユウリ、ホップ、ビート、マリィ)
https://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=1223288&l=1-
 
・???(後に判明します)
 
以上が苦手な方はブラウザバックを推奨いたします。
それでも大丈夫な方は続きをどうぞ。
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 ▼ 2 フォクシー@あなぬけのヒモ 20/10/11 13:52:09 ID:RUYQkCuU NGネーム登録 NGID登録 報告
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 ▼ 3 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 18:24:00 ID:flWEDWOU [1/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
【2】
Episode#0〜プロローグ〜

――とある離島の刑務所・少年院――

―???の部屋―

???「………ん。」


一人の少年―――に、見紛う様な外観の少女、???。彼女はかつて一つの大きな事件を犯し、拘置されている。
そこに刑務官が数人現れ、静かに過ごしていた???はその存在に気付き、顔をあげる。

???「……もう、待つのは終わり?いいよ。どうなろうと、文句は言わないさ。」

彼女はまだ10歳。それだけ若くありながら、いくら因果応報とは言えここまで悟りきっているのはどうなのか―――彼女は刑務官にそう告げる。しかし、彼女の予想は思わぬ形で裏切られた。


刑務官「実は、折り入って君に会いたい、もとい、一緒に来て欲しいという方が、この島まではるばる来ておられる。」

ガシャン

???「…え?」

そう言うと刑務官は、彼女の身柄を拘束していた部屋を開錠し、その重い扉を開ける。
ここは相当な大惨事を起こした者を、年齢・性別・国籍等問わずに拘束しているため、このように面会等のために開けること自体、ましてやその面会相手は遠方からこのどの地方からも遠く離れた孤島に来ることは異例の中の異例だった。

???「……どういうことなの?ボクはもうここから出られないんじゃ…。」

刑務官「……キミ次第ではあるが、そうでもないらしい。とにかく、ついてきなさい。」

困惑する???。よっこらせとゆっくり腰を上げ、刑務官の後をついて歩く。

刑務官「……君は、本当にもう未練も何もないのか?」

???「ないよ。……強いて言うなら、あの時、ちょっとの間違いさえなければ…って思うし、そう気づかせてくれた、あの子達にもう一度、会いたかったなぁってぐらいかな。」

刑務官「……そうか。」
刑務官「正直、ここに来るような輩の中で、君のような子は初めてだ。君のその想い、そして君の過ちに対する意識、話を聞く限り嘘ではないように思える。…っと、着いたよ。この部屋の中に面会相手はいる、入りなさい。」

???「わかりましたよ。」

そして???は部屋に入る。そこには黒いスーツをピシッと着こなした男性と、そのSPが2人、彼女を待っていた。

黒いスーツの人「……待っていたよ。君が???だね。」

???「あ、あなたは……!?」





Episode#0〜プロローグ〜・完
 ▼ 4 ャタピー@せいれいプレート 20/10/11 18:25:10 ID:IJe.lTkA NGネーム登録 NGID登録 報告
アトラだな
 ▼ 5 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 18:59:56 ID:flWEDWOU [2/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#1〜再会と招待〜

ポケットモンスター、縮めて"ポケモン"。
たくさんの謎を秘めた、不思議な生き物である。

人間となかよく暮らしているポケモンもいれば、
草むらや、洞くつ海などに生息している野生のポケモンもいるが、
その生態については、まだわかっていないことも多い。

人々はポケモンの力を借りたり、助け合ったり、ポケモントレーナーとして
ポケモンを育てたり、戦わせたりしている。

今日は、4つの島と1つの人工島からなるアローラ地方から、さまざまな立地や気候が特徴のガラル地方へ、5人の少年少女が来訪する日である。
彼等は、彼女等は、各地方で様々な出来事を経験し、様々な事件を乗り越えてきた。そして、異なる地方でありながらふとしたことから運命的に出会い、交流を続けている。

これは、そんな彼等に起こった出来事を描いた、もう一つの物語である。


――――――――――



――バウタウン――
ここ、バウタウンは、ガラル地方の港町。今日ここに、アローラからの来訪者を乗せた船が着港する。

ダンデ「……そろそろ…お、あれじゃないか!?」
ダンデのリザードン「ばぎゅあ!」

ソニア「久しぶりね…元気してたかしら、あの子達!」
ルリナ「マサル達だけでなく、ソニア達まで会いたいって子達でしょ?わたしも楽しみよ。」

前ガラルチャンピオン・ダンデ、ポケモン博士・ソニア、そのソニアの友人にして、ここバウタウンのジムリーダー・ルリナ。
そしてその後ろから、現ガラルチャンピオンを務めている少年・マサルと、その友人達――ユウリ、ホップ、ビート、マリィが揃って飛び出した。



マサル「おーーーーーーーーーーーーーい!!!久しぶりだなーーーーーーっ!!!」

大きな声で叫び、ブンブンと手を振る。その先、船に乗っていた5人の少年少女達も手を大きく振り返した。



――船――
コウタ「久しぶりーーーーーーーーー!!!もうすぐそっちに着くよーーーーーー!!!」

ハウ「わくわくするー!」

リーリエ「皆さん…お元気そうです!それに、ダンデさんやソニアさんも!」

コウミ「あの青い方のお姉さんが…この町のジムリーダー・ルリナさんだね!」

グラジオ「……フッ。オマエらも元気だな。まぁオレも、同じだがな…!」

船に乗っているのは、休暇でアローラ地方からガラル地方へと訪れる少年少女5人。
大きな声で遠く離れたマサルに挨拶を返す初代アローラチャンピオン・コウタ、
その後ろでこれからのガラル地方観光を声に出すほど楽しみにしているのは、メレメレ島の島キングの孫・ハウ、
活発な印象を与える白い服の少女・リーリエ、
コウタのすぐ近くで港にいる人物を見てルリナを見つけたのは現アローラチャンピオンの少女・コウミ、
黒い服を纏い、どこかドライな雰囲気をちらつかせながらも、再び訪れるガラル地方に心躍らせている少年、グラジオである。
 ▼ 6 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 19:01:15 ID:flWEDWOU [3/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
――バウタウン――

コウミ「とうっちゃーーーく!!」

先頭を切って船を降りたのは、現アローラチャンピオンを務める少女・コウミ。
その後ろから、コウタ、ハウ、リーリエ、グラジオが続く。彼等は以前一度ガラル地方を訪れ、その後アローラに帰国した。そして今日、全員揃って約1ヵ月間の長期休暇を与えられ、改めて挨拶をすることも兼ね、このガラル地方に旅行に来たのだ。

マサル「改めて皆様!ガラル地方にようこそ!………って、正直堅苦しいし、いつも通りでいいな!今日は来てくれてありがとう!」

コウミ「こちらこそ、招待してくれてありがとう!これから1ヵ月間、宜しくねっ!」

各地方のチャンピオン同士、固い握手をする。他のメンバーも改めて顔を合わせた。

コウタ「お久しぶりです。ダンデさん、ソニアさん、ルリナさん。本日はありがとうございます。それに、あの時のこともありがとうございました。」

ダンデ「こちらこそ!今日から暫く、このガラル地方を楽しんでいってくれよな!もちろん、バトルならいつでもウェルカムだからな!」

ソニア「久しぶり〜!元気してた?………って、それ!スマホロトムの新モデル!?」

ルリナ「…1台だけじゃない…5人全員持ってる!?」

ユウリ「…あ!ホントだ!」


一斉に驚くガラルの面々。アローラの5人は各自のスマホロトムを見せる。どれもガラルにはないモデルだ。

リーリエ「コウタさんがガラル地方からアローラに帰国した後、彼が持っていたスマホロトムと、アローラに元々あったロトム図鑑のデータから、私やお兄様、エーテル財団で開発しました!今ではアローラにも普及しているんです!」

グラジオ「……元々アローラにもベースとなるデータと、財団の技術力があったことと、そこにいるコウタってヤツの協力で、短期間で開発と流通に成功しました。」

ハウ「今じゃもう持ってない人の方がいないんだー!コウタも一緒に携わってたことを知った時も凄く驚いたよー!」


ホップ「さすがだぞ!そのエーテル財団…も、コウタも凄いやつなんだな!」

コウタ「よしてくれよ、僕はちょっと関わりはしたけど、お手伝い程度だったからね。本当に凄いのはやっぱり財団だよ。」

マリィ「とはいえコウタの助力がなければ開発さえあったかも怪しか。謙遜せんでいいよ。」

ビート「あなたの偉大さは我々ガラルの面々にも知れ渡っています。もっと胸を張ってくださいよ。」
 ▼ 7 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 19:01:42 ID:flWEDWOU [4/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
その後、彼等はバウタウン案内後、様々なところに挨拶に回った。
農業見学や2大ジムリーダーが務める2つのジム、温泉、ステーキハウス、不思議な森や活気があるストリートライブ、ガラル最強のジムリーダーとのバトル、トーナメントの観戦や出場、…アローラの5人が来訪してからの3日間、ガラル各地への挨拶も兼ねた少年少女10人の楽しい時はあっという間に過ぎていった。


――ワイルドエリア・ナックル丘陵――
マサル「今日もお疲れ様!カレー出来たし飯にしようぜ!」

ホップ「冷めないうちに食べるぞー!」

ユウリ「コウミちゃん達もおいでよー!」





コウタ「うーん……今度こそ勝ちたかったな〜…!」

コウタのガオガエン「がぅ…。」

コウミ「ふふん♪私だって日々修行してたんだから!」

コウミのアシレーヌ「しゃなるん♪」

ハウ「ホントこの2人強いよねー…流石新旧チャンピオンコンビ。」

リーリエ「はい!私、いつもコウミさんが特訓しているところ、一緒に見てましたから!」

グラジオ「……悔しいが、もうアイツらと対等に渡り合える奴はアローラにはいないだろうな。」

ビート「…これは…認めざるを得ません。何せコウタ君の方は以前、負けたとは言えどトーナメントでマサル君にあそこまで食らいつけた数少ないトレーナーですからね。」

ビートのブリムオン「ふーぅ♪」

マリィ「観客も全員驚いていたのを今でも覚えてる。で、皆はそれでもなお諦めないと。」

マリィのモルペコ「うらら!」

グラジオ「…当然だ。オレも引きさがる気は全くない。」

ハウ「おれだって、まだ諦めないもんねー!」

リーリエ「私も、もっと強くなって、いつかコウミさん達に挑んでみたいです!」

ホップ「オレもマサルに勝つのを諦めた訳じゃないぞ!コウタ、コウミ、今度特訓付き合ってくれ!」

コウタ「僕でよければいくらでも!コウミも大丈夫?」

コウミ「もちろん!」

ユウリ「私もやりたーい!あ、マサル!カレーおかわり!」

コウミ「私もおかわり!」

マサル「多めに作ったからどんどん食ってけ食ってけ!」

コウタ「これだけの人数いれば、全部完食できそうだね。それにホント美味しいし、これはご飯が進むよ。僕もおかわり貰おうかな。」
 ▼ 8 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 19:02:07 ID:flWEDWOU [5/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―食後…―
ホップ「はー、食った食った!マサルごちそうさまだぞ!」

マサル「お粗末様でした。」

ユウリ「片付け手伝うね!」

コウタ「僕も手伝うよ。」

マサル「おぅ、さんきゅな!」





コウミ「ネズさんのストリートライブ、凄かったー!」

マリィ「スパイクタウン、いいとこでしょ。最近はアニキのライブやあたしのジム戦目当てで来る人、多いんだ。」

リーリエ「私、ライブ初めて見ました!素晴らしいですっ!!」

ホップ「……そういえば、今回もマサル君が乱入しましたね。」

マサル「なんか来るたびよく入れられてさーwエール団の皆もわざわざコスチューム用意してくれてたんだ!」

マリィ「ばり似合っとったよマサル。それに、今回はコウミも入って驚いたよ。」

コウミ「まさか私までお声がかかるなんて〜…///」

ビート「驚きましたよ…あの雰囲気のライブに彼女が入って歌い出して、大歓声でしたよ。」

ユウリ「ガラっと会場の雰囲気変わって、『お嬢以外にも天使が舞い降りたー!!』って、大騒ぎだったよねーw」

コウタ「エール団でさえ惚れさせる歌声には流石に恐れ入ったよ…。」



リーリエ「ビートさんのジム、クイズ形式だったんですね…。」

ビート「まぁ、ポプラさんの趣味でのクイズですみませんね…しかし、不正解になった際のバトルも勝てるなんてやるじゃないですか。」

リーリエ「私も、もっと強くなりたいですし…また何かあった時の為に力になりたいんです!」

ホップ「流石だぞ!それだけみんなのことを大切に思っているんだな!」

グラジオ「……それよりもビートとのバトルが終わるや否や、突然押しかけてやたらリーリエにピンクだピンクだと言っていたな…。」

ビート「ホント、ご面倒おかけしてすみませんね…彼女の手持ちがフェアリーばかりだからってあそこまで食いついてくることもないでしょうに。」

ハウ「流石にびっくりだよー。リーリエがピンクになるところだったよー。」

ビート「あとでポプラさんには改めてぼくから言っておきますので…。」

コウタ「君も苦労人なんだね…。」
 ▼ 9 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 19:02:31 ID:flWEDWOU [6/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ワイルドエリアでキャンプを体験していた10人は、この3日の間の思い出を語り合いながら夜を共に過ごした。そして今夜も、翌日の行動計画を立てながらわいわい話し合い、明日もまたガラルを回りながら、今度はシュートスタジアムに行くことになった。



――‪翌朝‬、朝食終了後――

ユウリ「よーし、片付けるよー…!」

コウタ「ん、手伝うよ……!?」ビリッ

突如、何か途轍もない気配を感じたコウタはバッと空を見上げた。1匹の巨大な影が、こちらに、凄まじいスピードで向かってくる。


ホップ「おーい、なんだあれ……ってうわっ!?」ブオオォォォッ!

リーリエ「きゃあぁ!!」


ガシャン!!


巨大な影は、マサル達、もとい、彼等の調理器具や食器の前で急停止。突風が起きて辺りのものは吹き飛びひっくり返り、散乱としてしまった。


マサル「…おい!お前!これはないだろぉ!?」

コウミ「も〜う最悪!……って、このポケモン、カイリュー!?」

グラジオ「カイリューだと!?そんなポケモン、ガラルには…!?」

ハウ「てか、どっから来たの―!?」


巨大な影の正体、カイリューはバッグを提げていた。ガラルには現時点入国できない筈のポケモンの飛来に困惑する一同をよそ目に、カイリューは1通の手紙を10枚取り出してマサルに渡した。


マサル「…なんだ?手紙か?ご丁寧に俺達の人数分か………って、おい!待てよ!」


ブワッ!


コウタ「くっ…!」

ユウリ「ひゃあぁっ!!」


手紙を渡し終えたカイリューは突風を起こしながら早急に飛び去って行った。
 ▼ 10 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 19:03:17 ID:flWEDWOU [7/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
グラジオ「……なんだったんだアイツは…。」

マサル「あんにゃろ〜…荒らすだけ荒らして自分の用事終わったらさっさとどっか行きやがって…!」

ホップ「なぁ、その渡された手紙の内容、何なんだ?」

マサル「…あぁ、そういやそうだったな。皆にも配るからちょっと待ってろ。」



――――――――――手紙――――――――――
拝啓 マサル様

この度、貴殿は限られたポケモントレーナーが集う新設の船型人工島『ポケモンワールドリゾート』(以下、PWR)に招待されました。

PWRの開設を記念して行われる此度の祭典には、各国から優秀なトレーナー達が集い、語り合い、催しを楽しんだりし、優雅な‪一時‬を過ごしていただけるような環境が整っております。

是非貴殿にも参加していただきたい所存でございますゆえ、前向きな検討をお願いします。

当日、指定の場所に連絡船を用意しておりますので、遅れることのないよう、お気をつけてお越しくださいませ。
こちらの手紙が乗船チケットを兼ねておりますので、お忘れなく。
それでは。

PWR創設者・スレイ
――――――――――――――――――――――

マサル「…なんだぁ?こりゃ。」

コウタ「差出人…聞いたことない名前だね。」

マリィ「マサルだけじゃなく…他の手紙にはマリィ達の名前が各々書かれとるばい…どうしてあたし達の名前を…?」

ハウ「ど、どーするの…?」

ユウリ「…ちょっと、興味あるかな…。」

ホップ「ユウリもか?オレもだぞ!」

コウミ「私も少しある…かな…。」

リーリエ「私も行ってみたいです!」

マサル「ふ〜む…どうすっかな…。」

コウタ「……………。」

ビート「難しい顔してますね。どうするんです?ぼくはどちらでも構いませんが。」

コウタ「………行こう。」

マサル「他は………全員、行くみたいだな。じゃあ、‪明後日‬だな!皆遅れるなよ!」
 ▼ 11 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 19:04:54 ID:flWEDWOU [8/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
――アローラの面々がガラル地方に来訪する前の日――
――離島の刑務所・少年院・とある一室――

国際警察(黒いスーツ)「……と、言うわけだ。他に適任がいない。是非とも君の力を貸して欲しいんだ。」

???「まさか…国際警察の…それも特務チームのお偉いさんが来るなんてびっくりだよ〜…。しかも協力して欲しいって…ボクがどんな奴だか知ってて言ってるの?」

SP「貴様!口の利き方に気を付けろ…。」

激昂するSPを手で静止した、その黒いスーツの男。その正体は国際警察の特務チーム―――特定のミッションにのみ従事する臨時のチームを率いる長官だ。そう言うと聞こえはいいかもしれないが、内容が内容だけに人が集まらず、またその分ミッション遂行のための人材のハードルも高いため、たとえ巨額の報酬がかかっていようとも誰も寄り付かないのだ。
そんな中、彼女の経歴を見たという特務チームの長官はわざわざこの離島に収容されている彼女をスカウトするためにここまで足を運んだのだ。

特務チーム長官「確かに、君は過去に大きな事件を犯している。普通ならまずもう表社会に出ることはないだろう。だがここの者から話を聞いてね。あれだけのことをした者の中でも深く反省している人間は初めてでね。少し興味を持って君のことをさらに調べさせてもらったよ。」

???「プライバシーなんてあったもんじゃあないね。まぁ人に見せて困るようなもの、特にないけどさ。」

特務チーム長官「ははは。手厳しいな。……まぁとにかく、だ。次のミッションは派遣先の特性上、大人には頼めなくてね。まだ10歳…それだけ若くありながら、出来る大人でさえも凌ぐほどの技術力、そして…以外にも変装にも長けている。ポケモンを扱う腕前も申し分ない。君以外に、適任はいないんだ。どうか協力してくれないだろうか。」
 ▼ 12 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 19:05:01 ID:flWEDWOU [9/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
???「……そう、なんだね。




いいよ、ボクでよければそれ、引き受けるよ。」

特務チーム長官「ありがたい…!もちろん、最初に契約金も支払うし、必要なものは大体こちらから支給できる。あとは変装用の道具なんだが…。」

???「…材料、あるならボク作るよ。」

特務チーム長官「いやはや、やはり大した人材だ。材料はこれからSPに用意させるから、自由に使うといい。」

???「こんなボクでも、まだ必要とされてるなら、ね。それに、働き次第ではまたボクは表社会に戻れるし、トレーナー復帰も約束する、でしょ?」

特務チーム長官「もちろんだとも。君のような逸材をこのまま失うのは困るからね。それに……いや、これはいいか。」

???「……ただ、今言いかけたことはともかく、別に1つ聞かせてもらっていいかな?

何故、こんなにもボクに手厚い待遇を出してまで声をかけてくれたの?」

特務チーム長官「…先程も言ったが、君はガラル地方全土を侵略しかけた…その行為の是非は言うまでもないが…そのために振るった力はうちには必要なのさ。それに君は、凶悪犯ばかり収容されるこの施設にはあまりにも似つかわしくない。だからうちでその才能を正しく引き出したい、そしてそのお目にかかるトレーナーは全世界探しても君しかいない、といいうわけさ。」

???「……まぁ、特務チーム…だっけ?それでも国際警察、怪しい話ではないと思うし。OK!全力でやらせてもらいますよっと!」

特務チーム長官「うむ、それではこの瞬間から契約成立だ。ミッションは今から1週間後だが前日にはガラル地方のエンジンシティに向かってくれ。それと、ガラル地方内では本名を出すわけにもいかないから偽名も考えておいて欲しい。」

???「はいはーい♪」
 ▼ 13 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 19:05:19 ID:flWEDWOU [10/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
――部屋の外――

バタン

???が変装用の道具を製作している間、長官とそのSP2名の内1名は部屋を出た。そこにはこの刑務所の所長がいた。

所長「……貴方も変わった人ですね。あんな異様な経歴の子を引き取りたいだなんて…。」

特務チーム長官「はっはっは。まぁこれでも私もかなり悩んだよ。これ程の才能を持ちながら少年…いや、少女の犯罪者。だから国際警察の方もあまりの異例の事態に大騒ぎさ。」

所長「……あの子が再犯、という可能性は考えないと?」

特務チーム長官「うん。ないね。」


キッパリと断定した長官。彼は続ける。


特務チーム長官「…かつて、彼女を連行した警察から聞いた話だが、彼女が連れていかれる前に、1人の少年は言った。『行動は間違っていても、その思いと力を正しく使えばまだ救われると思う』『だからどうか、また、戻ってきて欲しい』って。わざわざ1人で今にも飛び立とう落としているヘリを追っかけてまでそう言ったのだ。そんな人間を、このまま裁くのは惜しいと思ってね。もちろん、法云々の話から大きく逸れているのはわかっている。だからこの件、私が全責任を負うさ。

…っと、つい熱く語ってしまった、すまないすまない。」


ははは、と豪快に笑う長官に、所長も気圧されていた。



所長「…思いや力を正しく使えば、か…。」





Episode#1〜再会と招待〜・完
 ▼ 14 ネブー@ヨクアタール 20/10/11 19:07:41 ID:hy..9hSQ NGネーム登録 NGID登録 報告
コウタもチートだよな
 ▼ 15 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 21:03:25 ID:flWEDWOU [11/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#2〜海の上の祭典〜

―当日

コウタ「やばいよやばいよ、これ遅れるかも!みんな走れ!」

コウミ「食べたばっかりで…きついよー…!」

グラジオ「………ハウが時間を教えなかったらオマエまだ食ってただろ…。」

ハウ「乗り遅れたらマサル達に置いてかれちゃうよー…!」

リーリエ「はぁっ…はぁっ…!マサルさん達は、もうっ、着いているみたい、ですよっ…!」





―エンジンシティ・階段下

マリィ「…あ、皆来たみたいだよ。」

ホップ「おーい、こっちだぞー!」

ビート「しかしまぁ何でこんなわかりづらい所に…コウタ君達もよくここがわかりましたね。」


コウタ「はぁ…!はぁ…!お、お待たせ…ギリギリでごめん!」

マサル「あっぶねーなw ま、間に合ったから大丈夫だ!」

ユウリ「よかったぁ、これで全員集合だね!」

ハウ「な、なんとか間に合ったよー。」





おぼっちゃま「……。うん、無事到着したよ。………じゃ、また後で連絡するね。」ピッ

たんぱんこぞう「楽しみだなー!各国からの有名なトレーナーが集まる祭りに呼ばれるなんてさ!」

ミニスカート「今からドキドキする〜!いーーっぱい遊んでスマホのカメラにも抑えなきゃ!」

スクールボーイ「珍しいポケモンとか、いないかな〜。」




コウタ「………。」

コウミ「コウタ…?どうかしたの…?」

コウタ「…ん、いや、何でもないよ。あ、そろそろ僕らも連絡船に乗れそうだよ。行こうか。」

コウミ「…?う、うんっ。」
 ▼ 16 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 21:03:51 ID:flWEDWOU [12/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル、コウタ達は無事、エンジンシティのひっそりとしたところから出港した連絡船に乗船し、2日前に招待された人工島『ポケモンワールドリゾート』に向かっていた。
彼等は皆、同じ船に乗ることが出来、既に連絡船内で会話を楽しむトレーナーが多かった。

マサルやユウリ、コウミのように船内を見て回るトレーナーや、マリィ、ビートのように席で静かに待つトレーナー、様々だ。

そんな中、コウタは1人、考え事をしていた。


コウタ「…。」

コウタ(これって、各国から有名トレーナーの招待…だよね?…見知った顔が僕らしかいない…ダンデさんやジムリーダーも呼ばれてそうだったけど…仕事があるから呼ばれなかったのか…?)


…い。おい。


コウタ(……気のせいだと良いけど…これ、大丈夫なのかな…?)

グラジオ「……おい、コウタ!」

コウタ「!……っ、あ、あぁ、どうしたの?」

グラジオ「……オマエ、やけにぼーっとしていたが、具合でも悪いのか?」

コウタ「あぁすまない。平気だよ。ごめんごめん。」

グラジオ「……ならいいが。」

コウタ(…とりあえず、行けば分かることだ。考えるのは後にしよう。)



1人、考え事に没頭していたコウタは、その後コウミ達と合流し、彼も船内での出店や景色を楽しむことにした。



おぼっちゃま「……。」




サングラスをよけながら彼を遠くの席から見つめる、1人のトレーナーの存在に、気付くことなく。
 ▼ 17 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 21:04:31 ID:flWEDWOU [13/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
〜3時間後〜

マサル&コウミ「「とうっちゃーーーく!!」」



リーリエ「遂に…来たんですね!」

グラジオ「…巨大な豪華客船型の人工島…。」

ホップ「そして、各国から優秀なトレーナーが招待されるお祭りの会場!!」

ユウリ「ポケモンワールドリゾートに!!!」



各地から来航した船は1箇所の乗船場に集まり、手持ちの招待状兼乗船チケットを係員が回収して、彼等は、彼女等は巨大な人工島『ポケモンワールドリゾート』―――PWRに上陸する。港のような雰囲気を醸し出す乗船場からゲートをくぐれば、人工芝や川が広がる平地や、広々としたプール、バイキング形式のレストラン。一番奥には高く聳え立つ鉄塔。
そして中央の吹き抜けの下には巨大なバトルフィールド。これでもかと言う程の施設の数々員、多くのトレーナーが感激していた。


コウタ「……。」

ハウ「どーしたんだよー。さっきからずーーーーっとボーっとしてさー。」

リーリエ「コウタさん、具合でも悪いのでしょうか…?」

コウタ「…ん、あぁ、ううん。何でもない。心配させてごめんね。……それより、どうする?1日じゃきっとこれ、全部は回り切れないよ。」

ビート「これだけ大きな施設ですし、まだまだ見るところはあるでしょうね。」

マリィ「時間はあるし、1日1箇所でも十分じゃない?」

ビート「とりあえず、ぼくは散策してきます。他に回るところ見つけたら共有してあげますよ。」

グラジオ「……オレも行かせてもらう。オマエらはオマエらで休むなりしてればいい。」

ホップ「じゃあ、今日はプールでも行こうぜ!」

ユウリ「はいはい!それ賛成!」

コウミ「コウタ、ハウ、リーリエもいこっ!」

ハウ「いいねー!行くよー!」

リーリエ「あっちで水着のレンタル、出来るみたいですよ!行きましょう!」

コウタ「はいはい。今行くよ。」

マリィ「マサル、せっかくだしあたし達も行こ。」

マサル「…うし!そうだな!」
 ▼ 18 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 21:05:08 ID:flWEDWOU [14/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
【1日目】
――プールサイド――

おぼっちゃま「……ふぅ。」

PWRのプールは屋内プールだが、人工太陽で程よく暑い日差しが照り付ける中、非常に広く様々なプールが完備されていた。
プールサイドにはボートなどの貸し出しや温水シャワー、サマーベッドなどもあり、遊ぶにも寛ぐにも快適である。

おぼっちゃま「………プール入りたいけど、どうしよっかなぁ…。とりあえず、また連絡入れとかないと。」



高級感漂う上着を脱ぎ、上着の雰囲気とは裏腹にアロハシャツを纏うトレーナーはそうぼやきながらスマホロトムを取り出し、連絡を取る。一通り話し終え、そのトレーナー再びはプールの方を眺めることにした。

おぼっちゃま「ま、いっか。」



――プール――
ユウリ「それっ!」バシャッ!

ホップ「ははっ!やったな〜!そりゃ!」バシャッ!

ユウリ「きゃ!もう〜、お返しだ〜!」バシャバシャ



ブシューーーッ!


ホップ「うわっぷ!」
ユウリ「んぶぶぶぶ!」

マサル「油断したなぁ〜お二人さん!」

マリィ「マリィ達も混ぜなよ!」

2人で水を掛け合っていたホップとユウリに、ゴムボートの上から水鉄砲で不意打ちをかますマサルとマリィ。



マサル「うわっ!?」ボンッ



…のうち、マサルにビーチボールが飛んできた。

コウタ「あ、ごめん手が滑ったわー。(棒)」

リーリエ「すみませーん!それ取って下さーい!」

ハウ「コウタ流石に盛大に外し過ぎだよ〜w」

コウミ「あとでマサル達もやろうよー!」
 ▼ 19 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 21:05:36 ID:flWEDWOU [15/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
――PWR内――
ビート「……どうもあの雰囲気に溶け込むのは苦手だ…。」

グラジオ「…同感だな。」

他のメンバーがプールで遊んでいる中、2人だけは島内の散策にあたっていた。外のエリアには人工芝や川などがある一方、屋内には売店、飲食店、仮眠室、ゲームコーナー、…様々な施設があった。


ビート「…それよりグラジオ君…でしたっけ。少し不思議に思いませんか?」

グラジオ「……。」

ビートの言葉に無言で振り向くグラジオ。

ビート「…上陸して改めて思ったのですが、やはりこの人工島、凄まじく大きいです。」

グラジオ「……そうだな。」

ビート「……なのに、特にこれと言って、目新しいものがあるわけでもない。中央のバトルフィールドでスペースを多く費やしたとしても、まだ何かあってもいいぐらいには。」

グラジオ「……やはりオマエもそう思うか。」


シップの広大さは、エーテルパラダイスをも優に超え、高さもある人工島。それだけの大きさを有しておりながら、2人は施設の少なさに違和感を覚える。
無論、施設数そのものが少ない訳ではない。同種類の施設だけでも各所に設置されているが、それでもまだまだ余裕があり過ぎるのではないか、と彼等は推測している。





おぼっちゃま「ふぃ〜…流石にもう暑いや〜。…およ。やぁキミ達。」

ビート「?どちら様でしょうか?」

グラジオ「…。」
 ▼ 20 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 21:05:55 ID:flWEDWOU [16/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
おぼっちゃま「ボクはガラルから乗船した者でね。ちょいと旅行中に面白そうなチケットを手に入れて、ここに来てる、って訳さ。名前はジャック。ヨロシク!」

グラジオ「……それで、何の用だ。」

ビート「…ガラルの人間…ではないのですね。きみもぼくらみたく、あてもなく歩いてるってところですか。」

ジャック「んーまぁそーんなとこかな!せっかくこんな派手な場所に来てるのに、キミらと来たら2人もいて寂しく歩いてるっぽいしさぁ。何ならボクも混ぜておくれよ、って感じ。」

グラジオ「………別に。オマエには関係ないだろう。」

ビート「ぼくらはただの付き添い、ですよ。もう戻るところですし。」

ジャック「なんだよつれないねー。まぁいいけど。じゃ、バイビー!」



明朗快活な声と共に、ジャックは去っていった。



グラジオ「…………オイ。」

ビート「……なんです?」

グラジオ「……………今のヤツ、変わったヤツだが、只ならぬ雰囲気がした…オマエはどうだ。」

ビート「……やけに軽そうな人でしたが、ぼくにも伝わりましたよ。」







ジャック「……確かにここ、無駄に大きい気がするねー。あの2人良い着眼点、持ってんじゃん♪」

2人と別れたジャックは、スマホロトムからメッセージを送信し、その後もシップ内を歩き回った。

ジャック「さて……もうちょっと、見れそうかな。あとは……お待ちかねの今夜の主催者挨拶まで仮眠でも取ろうかね。」
 ▼ 21 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 21:06:35 ID:flWEDWOU [17/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―夜・バトルフィールド―
祭典主催者「レディーーーースエーーーーンド、ジェントルメーーーーン!!」

たんぱんこぞう「遂に始まったぞ!」

ポケモンごっこ♀「この船の船長さん!」

スクールガール「こーーーんばーーんはーーー!!」

夕食の終わり時、バトルフィールド中央に1人の若い男性が現れ、スポットライトが当たる。
映像には彼の様子がアップで写されており、観客席に集まった数多のトレーナー達の注目を集める。


そして挨拶が始まったとちょうど同時刻、無事着席できたコウタ・マサル達ご一行の姿があった。


コウタ「よしよし、今度は間に合った!」

ユウリ「コウミちゃんよく食べるのねw」

ハウ「今度は余裕持って出たから歩いて間に合ったよー。」

コウミ「むっすー……。」

リーリエ「まぁまぁ…とても美味しかったですし、仕方ないですよ…それに、明日もありますから!」

マリィ「それよりもほら、主催者の挨拶よ。聞きんしゃい。」

マサル「あれが招待状に名前があった……ここの創設者のスレイって人か?」


祭典主催者・スレイ「今宵は皆様方、お集まりいただきありがとうございます!私は、このポケモンワールドリゾート…略してPWRの創設者にして、創設を記念した際店の主催者を務める、スレイと申します!

皆様方は、我々が世界各国を旅した中で見つけた、特別なトレーナー諸君です!心行くまで、このPWRでの宴を存分に楽しんでいただきたいと思っております!」

< スレイさーん!
< 楽しんでるぞー!
< よっ!船長さーん!



ジャック「へー…若いんだねここの創設者さん。動画撮っとこ♪」



スレイ「皆様盛り上がってきたところで、本日の締めはここ、バトルフィールドでのポケモンバトル!スポットライトが当たったトレーナーの方は、ぜひ下のコートまでお越しください!それではどうぞ!」
 ▼ 22 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 21:07:12 ID:flWEDWOU [18/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
会場の照明が全て落ち、観客たちがソワソワする中、スポットライトが動き回る。多くのトレーナーが、自分が当たることを祈ったり、誰が当たるのか考えたりと、気分を高揚させている。
そして、スポットライトに照らされた、カロス地方のメルヘンしょうじょ・クミコとホウエン地方のうきわボーイ・ユウタが映し出される。


スレイ「おめでとうございます!選ばれた2名の方は前へお越しください!ルールはポケモン1匹でのシングルバトルです!では始め!」


クミコ「マリルリ、お願い!」

ユウタ「いけー!マッスグマ!」


―――


スレイ「マッスグマ、戦闘不能!マリルリの勝ち!勝者はクミコ選手です!!」

クミコ「やったー!ありがとう!マリルリ!」

ユウタ「負けちゃったかー…ごめんよマッスグマ、ゆっくり休んでくれ!」



スレイ「おめでとうございます!それでは次のバトルです!」



―――



スレイ「はい!皆様お疲れ様でした!本日選ばれなかったトレーナーの方も、明日以降、まだまだチャンスはあるのでお楽しみに!それでは!」

コート中央から白い煙が噴き出るパフォーマンスと共にスレイは退場した。
この日のバトルの勝者―――――ホウエン地方のメルヘンしょうじょ・クミコ、カントー地方のじゅくがえり・ケンスケ、イッシュ地方のミニスカート・チセの3人だった。3人はお祝いをしたいとスタッフに案内され、皆ウキウキしながらコートの奥に開かれた通路へと歩いて行った。




―マサルの個室
マサル「あーくそ!選ばれなかった!」

試合後、10人は皆マサルの部屋に集まっていた。寝る前のお喋りの時間だろう。

マリィ「ここに来るだけあって、皆強かったね。あたしも早く戦いたいばい。」

コウタ「………そうだね。」
コウタ(……何か妙だな…優秀なトレーナーの招待…の筈なんだけど…。)

グラジオ「…。」

ビート「まぁ、明日以降もあるみたいですし、その内この中の誰かは選ばれるでしょう。」

コウミ「そうね!楽しみ!」

ハウ「今日みたいに遅れたり、ギリギリまでご飯食べてるのはなしdぶっ!」
即座にコウミに枕を投げられたハウであった。
 ▼ 23 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 21:07:37 ID:flWEDWOU [19/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ホップ「今日はもう遅い時間だし、寝ようぜ!明日の朝ごはん、遅れるなよ!」

ユウリ「うん!じゃあ皆!今日はもう寝ましょう!」


10人は解散し、各個室へと戻っていった。マサルの部屋を最後に出たグラジオとビートは、その少し前に部屋を出たコウタを呼び出した。

グラジオ「コウタ。ちょっといいか。」

コウタ「…?あぁ、いいけど。」



コウタ、グラジオ、ビートはそのまま個室とは反対方向を歩き、トイレへと移動した。なんでここに…と思っていたコウタに、2人は声をかける。

グラジオ「……オマエ、今日はやけにボーっとしていることが多かったが、何か考え事でもあったのか?」

ビート「そうですよ。特に、今日のバトルイベントが終わってからというものの、特に顕著でしたよ。」

コウタ「……。」

今日1日の様子を問い詰める2人に、コウタは…。

コウタ「なんでもない………って、訳でもないんだけどね。ちょっと違和感があって。」

ビート「違和感?」

コウタ「あぁ。この祭りってさ、各国から優秀なトレーナーが集められるんだろ?」

グラジオ「そうだな。」

コウタ「確かに今日バトルしたトレーナー6人…勝った人も負けた人も強かったよ。でもさ…優秀なトレーナーなら他にもいたんじゃない?たとえばチャンピオンやジムリーダーは仕事とかあるからまだしも、イッシュ地方にいる前チャンピオンのお孫さんや、ホウエン地方のバトルリゾートに入り浸っているトレーナーとか、少なくともその地方で名の知れたトレーナーとかはいてもおかしくない筈だけど…。」

ビート「……あなたが各地方の旅で見てきたような、そういったトレーナーはいなかったと?」

コウタ「うん。もちろん招待を断った可能性もなくはないかもだし、まだ1日目なんだけどね。でもそれにしたって偏り過ぎだと思うんだ。今日見てきた限りでそう言うトレーナーがいなかったのは勿論、妙なことに大人の人がここのスタッフや、スレイさんぐらいしかいないように見えるんだよね。」

グラジオ「……確かに。それに、それならオレ達だって思うことがある。」

ビート「ええ。この人工島、大きさの割にぼくらが出入りできる施設が少ないのでは?と思いましたね。」
 ▼ 24 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/11 21:08:02 ID:flWEDWOU [20/20] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
コウタ「……ここ、同じような施設が各所に散りばめられていたけど、そんなに少なかったのか?」

グラジオ「あぁ。オマエらが他に行くところがあるか気になっていたから探していたってのもあるが…同じようなところを考慮して見ても、この人工島の大きさにしては違和感でしかない。」

ビート「グラジオ君が言うには、エーテルパラダイスってところより遥かに大きいのにも関わらず、ざっくり全体の10分の1にも届くかどうか…ってところぐらいしか、ぼくらが利用できそうなところはない、とのことです。」

コウタ「……なるほどね。……招待者の層に施設の少なさ…大丈夫なのかな…。」

グラジオ「まぁオマエの言う通り、まだ1日目だから何とも言えないんだがな…だがそれでもオマエは恐らく何かおかしいと思っているのではないか、そう思って今呼び出したわけだ。」

ビート「すみませんね、急な話で。とりあえず、話はこんなところです。」

コウタ「そう。じゃあ、今日はもう寝よう。明日は僕ももうちょっと、トレーナーに焦点を当てて探ってみるよ。」


話し合いを終えた3人はその後男子トイレを後にした。





―in男子トイレ・洋式の個室―
ジャック「ふーん…なるほどね…。これも追加で報告しとこっか。」

トイレに籠って誰かに連絡を取り、出ようとしたところに3人が入ってきたとき、ジャックは個室を出ずに居座って彼らの会話を聞いていた。スマホロトムの録音機能を解除し、どこかに転送する。
あえて鍵を外していたのは、パッと見で誰もいないように見せ、盗聴する為だった。だからなのか、3人に気付かれるどころか全く気に留められることもなく会話を聞くことが出来たのだ。

ジャック「…さて、これはボクも少し、探ってみようかね。」





Episode#2〜海の上の祭典〜・完
 ▼ 25 テボース@ぎんいろのはね 20/10/11 21:12:51 ID:AXL21AQM NGネーム登録 NGID登録 報告
コイツは味方なのか敵なのか
 ▼ 26 ブカス@ヤタピのみ 20/10/12 08:27:11 ID:S2x6c/jc NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 27 6NpEuhCrOQ 20/10/12 12:05:23 ID:iOa.GRLE NGネーム登録 NGID登録 m 報告
皆様こんにちは、うp主です。
現状の予定として、2話ずつ夜21:00以降で、間隔を開けつつ投稿したいと思います。

本日は3話、4話を更新予定です。
 ▼ 28 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 21:11:03 ID:2z6cK1Lo [1/8] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#3〜人工島の謎〜
【2日目】

マサル、コウタ達10人は朝食のビュッフェで食事をとり、今日はどこを回り、何をしようかわいわい話し合っていた。
特に時間に追われているわけでもなかったため、皆ゆっくりしていた。

…………連日、食事でさえ時間に追われる程の量を急いで食べていたコウミは、今日の食事にはご満悦だった。



うきわボーイ・ユウタ「どこだよ…!クミコ…クミコはどこだよっ!!」

彼等が食事を終え、ビュッフェ会場を出ようとしたとき、1人の少年の声がした。

マサル「あれ…あいつ昨日のバトルで対戦してた…。」

マリィ「うん、マリィも見覚えがあるとよ。それに、クミコって名前も。」

リーリエ「あの〜…どうかしたんですか?」

ユウタ「あっ…!えっと…おれ、昨日戦ったクミコにリベンジしたくて探したんだけど、どこにもいないんだ…!」

ハウ「うーん…先にご飯食べたとか、まだ寝てるとか、じゃないかな?」

ユウタ「それがさ、朝早く起きてご飯の前とかにも探したけど全然いなくて…!」

じゅくがえり「あ、あの…!」

やり取りしてる中、1人のじゅくがえり(カントー地方)も割り込んできた。
話を聞けば、自分の友達で、同じく昨晩バトルしたケンスケも見当たらないらしい。

ビート「……ユウタ君の探しているクミコさんどころか、同じくバトルしていてましてや友人であるケンスケ君も見当たらない…。」

グラジオ「……何かの偶然か?とにかく、オレも探してみる。」

コウタ「そうしてみるか。」

じゅくがえり「ぼ、ぼく…スタッフにも声をかけて…探してくれるとは言ってくれて…でも…!」

ユウリ「大丈夫。」
不安に押しつぶされそうな少年の前にユウリが寄り、彼と同じ背丈のところまでしゃがんで、優しく語りかけた。彼女は続ける。

ユウリ「君の友達も、ユウタ君が探しているクミコちゃんも、きっと見つかるから!だから、大丈夫だからね?」
ホップ「オレ達も一緒に探してやるからな!」

近くにいたホップも同調する。その様子に2人の子供は安心したような表情を浮かべ、そのまま会場を出て行った。





ジャック「ふーん…偶然……じゃなさそうだなぁ…。」
まだ朝食中のジャックは、料理を盛るフリをして彼等のやり取り一連の流れを聞いていた。

ジャック「………イッシュ地方のチセちゃん…だっけ?さっき探しても見当たらないって、あっちでそう聞こえたんだよな〜。」
 ▼ 29 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 21:11:50 ID:2z6cK1Lo [2/8] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
その日の行動予定を定めた一行は、島内や敷地を探し回った。昨日ビートとグラジオが提供した情報通り、利用者が回れそうなポイント全てを探し回ったが、なかなか見つからなかった。やはりと言うか、島の大きさの割に施設はそれ程多くなかったため、10人がかりで2時間かからず全て回り切ってしまった。

マリィ「見つからんね…。」

コウミ「どこにもいないねー…。」

コウタ「………一応これで全部回ったはずだけど……あとはもう客室ぐらいかな…。」
コウタ(……それに…これだけ探しても見つからないのは、クミコちゃんやケンスケ君だけじゃない…やっぱり、ここに招待されたトレーナーは子供しかいないな…。名の知れたトレーナー…それらしき人影さえも見かけないな…。)

グラジオ「……客室は…可能な限りで言い、各自聞き込みだな。」

ビート「それでもダメなら後は…今晩のイベントの時に探しましょう。」

リーリエ「それなら殆どのトレーナーさん達が集まりそうですもんね!」

マサル「逆に言えば、あのバトルフィールド以外の場所は一気に人が減るはずだ。2組に分かれて探そうぜ!」


マサル達は散開し、各部屋に聞き込みを始めた。快く探してくれるトレーナーや、他を当たってくれと拒絶するトレーナー、様々なトレーナーがいたが、結局収穫はないまま時間だけが過ぎていった。


夜になり、バトルイベントが開催された。朝の打ち合わせ通りにスタジアム捜索班とその他捜索班に分かれ、マサル達ガラル組はスタジアムを抜け、人が殆ど減ったその他のエリアを捜索し、アローラ組は観客席を探した。

アローラ組が観客席を探している間にスタジアム内が消灯され、昨日同様、スポットライトの抽選が始まる。一行が捜索に手間取っている間に、スポットライトが照らされる。

コウタ「まぶしっ!?……そうか、僕の出番かぁ…。」

そしてもう1人のトレーナー、コウタの対戦相手としてジョウト地方のピクニックガール・チサトにもスポットライトが当たり、両者はバトルコートに移動する。

スレイ「さぁ今宵も始まりましたバトルイベント!!最初のマッチングは、アローラ地方のポケモントレーナー・コウタ選手と、ジョウト地方のピクニックガール・チサト選手!!両者、準備が出来ましたら、ポケモンを1匹繰り出してください!!」

コウタ「いけっ!イオルブ!」

チサト「ピクシー、いっておいで!」



コウタ「イオルブ、“ひかりのかべ”!」

イオルブ「ピピピー…。」

コウタの指示に従い、イオルブは防御態勢を展開、相手のピクシーが特殊攻撃で攻めてくることを念のためケアしての行動だった、
対する相手は……

チサト「ピクシー、“じゅうりょく”!」

ピクシー「ぴっくしー♪」

ズゴゴゴゴゴゴ…

コウタ(“じゅうりょく”…?別にイオルブはじめんタイプの攻撃は通らなくもないけど…となると命中率の低い技が控えているのか…?)

チサトのピクシーは場の重力を強くした。しばらくの間、ひこうタイプのポケモンや、特性“ふゆう”のポケモンは宙にいられなくなる技だ。
 ▼ 30 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 21:12:38 ID:2z6cK1Lo [3/8] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
コウタ「……イオルブ、早めに畳みかけるぞ。“サイコキネシス”!」

イオルブ「ピー…!」

チサト「ピクシー!“ふぶき”!」

ピクシー「ぴーくしーーっ!」

ヒュオオオォォォォォ…

コウタ「…!」

イオルブ「ピー…!」キュィィィィ…

“じゅうりょく”で命中率の低さを補いながら放たれた“ふぶき”に対し、“サイコキネシス”で応戦するイオルブ。幸いにも先に動いていたためか対処は間に合った。
2つの技は相殺された。

チサト「やるわね…ならこれはどう!?ピクシー、“かみなり”!」

コウタ「“むしのさざめき”で押し返せ!」

またしても技と技のぶつかり合い。結果はまたも相殺に終わり、試合は動かない。

コウタ(今は“ひかりのかべ”もあるからこうして難を逃れてるけど…これが切れたら…。)

チサト(“じゅうりょく”の効果が切れたら、また展開しないと…命中率が低いまま撃つのはちょっと不利ね…。)

両者が使った変化技の発動タイミングは同じ。そして効果時間も同じのため、解除されるタイミングは同時。

そして、お互い技のぶつけ合いで試合が動かないまま、時間が経過し…

コウタ(…よし、“じゅうりょく”が元に戻った!これなら…!)

チサト(…相手の“ひかりのかべ”が切れた…!“じゅうりょく”再展開…してもまた泥仕合になるわ…それなら…!)

チサト「ピクシー!とっておきの技行くわよ!“ゆびをふる”!」

コウタ「何!?」

チサトは賭けに出た。“ゆびをふる”―――脳に不思議な刺激を与え、あらゆる技の中からランダムで繰り出す技。
相手からすればは勿論のこと、使用者側でさえも何が起こるかわからない、完全に運任せの技だ。

ピクシー「ぴーくしーーーーーーっ!!」ゴッ!

出たのは“すてみタックル”、非常に強力な技だが反動で自身も大きなダメージを負う。

チサト「決まった!これなら…!」

コウタ「……。」
 ▼ 31 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 21:13:13 ID:2z6cK1Lo [4/8] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
イオルブ「ピピピ…。」

ピクシー「ぴ、ぴくしぃ!?」

チサト「そんな!?」

イオルブは然程体勢を崩しておらず、すぐさま反撃体勢に移った。

コウタ「…強力な技とは言え、ピクシーの攻撃力が低くて幸いした…!“サイコキネシス”!」

ピロロロロロ…ドォン!

強力な超能力がピクシーを襲う。“すてみタックル”の反動と相まって、あと一撃で倒れるまで追い詰められた。

焦ったチサトはピクシーに指示を出す。
チサト「ピクシー!“ふぶき”っ!」

ピクシーは体勢を立て直して“ふぶき”を放つ。が…

ピクシー「ぴ…っくしっ…。」

チサト「そ、そんな…!」

運が悪く、ここ一番で外してしまった。賭けは失敗に終わってしまったのだ。

コウタ「流石に冷や冷やしたけど、今だイオルブ!“サイコキネシス”!」

イオルブ「ピピピーー…!」キュィィィィ

ピロロロロロ…

ピクシー「ぴ…ぴく…しぃ…。」バタンキュー

2発目の超能力の前に、目を回して倒れるピクシー。
今ここに決着がついた。



スレイ「ピクシー戦闘不能っ!イオルブの勝ち!よって勝者、アローラ地方のコウタ選手ですっ!」

歓声が上がる。堅実な戦法で手堅く勝利を得たコウタ、最後まで奮戦したチサト、双方が讃えられる。

コウタ「ありがとうイオルブ。戻れ!」

チサト「ピクシー…ごめんね。お疲れ様っ。」

コウタ「……チサトさん…だったね。良いバトルだったよ。ありがとう。」

チサト「こ、コウタ君こそ…すっごく強かった!次は負けないからね!」

コウタ「うん。楽しみにしてるよ。」

差し伸べられたコウタの手をがっしり掴んだチサト。強い握手を交わす2人に盛大な拍手が巻き起こる。
 ▼ 32 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 21:30:21 ID:2z6cK1Lo [5/8] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―観客席―
グラジオ「……フッ。まぁ当然だな。」

コウミ「流石コウタね!相手も凄く強かった!」

ハウ「…って!すっかり夢中になっちゃったけどおれたちの目的!」

リーリエ「そ、そうでした!私まで…!」

4人は再び捜索に戻った。



ジャック「…流石、ここに来るだけあって強いね…うんうん♪」
次の試合、再びスポットライトが当たる。

そして…時間が経ち、勝敗は決した。
アローラ地方のポケモントレーナー、コウタ。
シンオウ地方のエリートトレーナーの女の子、トシエ。
アローラ地方のえんじの女の子、ハルナ。

3人はスタッフに案内され、スタジアムの奥へと消えていった。

ジャック「…どこに行くのかな………っと!」バッ!

突如、ジャックは観客席の最前列から飛び降り、コートに着いた。会場は熱気に包まれているからか、誰も気づいていない。





――バトル後、マサルの部屋――
マサル「…だー、くそ!成果なしだよ!」

ユウリ「流石に変ね…一応客室も回ったんだけど…。」

グラジオ「…コウタからも、案内されてから連絡がないぞ。」

ハウ「ね、ねぇ…ホントに大丈夫…かな…?」

マリィ「クミコちゃんもケンスケ君も見つからん…あの子らも心配しとーよ…。」

コウミ「コウタ……もし…その2人みたいに…コウタと…他2人までいなくなっちゃったら…!」

リーリエ「そ、そんな…!」

ビート「………今は落ち込んでいても仕方ありません。明日に備えましょう。」

ホップ「……あぁ、明日にはきっと…戻ってくるさ…た、多分…。」

不安な空気に包まれたまま、コウタを除く一行は今晩も眠りについた。
 ▼ 33 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 21:31:21 ID:2z6cK1Lo [6/8] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
【3日目】
朝を迎えた。だが、コウタが戻ってきていなければ、連絡の1つも入っていなかったのだ。

コウミ「……!」

マサル「おい…嘘だろ…?」

ホップ「はは…まさかな…し、島の中にはいるよな…!?」



グラジオ「オイ!大変だ!」

血相変えてグラジオが走ってきた。後ろからビートも息を整えながらついてきた。

グラジオ「…案の上、コウタだけでなく昨日勝った他の2人もいなくなってやがる!」

ビート「ええ、各々の知り合いの証言です、間違いありません!」

マリィ「んなっ……!?」

ハウ「え、えーーー!?」

ユウリ「そ、それだけじゃないみたい!」

今度は反対方向からユウリも来た。

ユウリ「た…たぶんちょっと外に出かけただけかと思ってたけど…他にも何人か、トレーナーがいなくなってるの!」

他「「「「「「「「!?」」」」」」」」

ユウリの話によれば、いなくなったそのトレーナーは昨日までの2日間の間、イベント外でバトルしていたトレーナーばかりである。その知人によれば、バトルしていたところをスタッフに見られており、その実力を称賛したいと別室に連れられたっきり、帰ってきていないそうだ。



ビート「…次々にトレーナーがいなくなっている…それも、何らかの形でバトルの実力を見せつけた猛者ばかりとは。」

グラジオ「…イヤな予感しかしないな。」

ホップ「や…やばいぞこれ!早く抜け出そう……ぜ……。」

そこまで言いかけた時にホップの顔が青ざめる。まるで、何かを思い出したかのように。

ホップ「なぁ…みんな…連絡船を降りてここに上陸したとき、招待状…船のチケットって…スタッフに渡した…よな…。」

ホップの言葉に一同がハッとする。

マリィ「マリィ達…チケットを…。」

コウミ「返してもらって…ないよ…。」
 ▼ 34 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 21:31:46 ID:2z6cK1Lo [7/8] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
< おい!どういうことだ!


客室の外から、施設の外から、怒鳴り声が聞こえた。一同はその場に急行した。

エリートトレーナー(男)「オレ達が渡した船のチケットがもうないだとぉ!?ふざけるな!」

ピクニックガール「そうよ!どーやって帰ればいいのよ!」

スタッフに抗議の声をあげている2人のトレーナーだった。その内容に、周囲は騒然とする。

スタッフ「ですから、後に船を手配しますので…。」

エリートトレーナー(男)「その船もチケットがなきゃ乗れないんだろうがよ!」

ピクニックガール「だいたいおかしいわよ!チケットなしでどうやって船に乗る人を管理するのよ!」

ごもっとも。徴収したチケットで全員そろっているかの確認だってできるはずだ。それにもしどろもどろな答えしか返せないスタッフは、遂に途中で逃げだした。

エリートトレーナー(男)「あっ、待て!……くそっ、逃げ足の速い奴め!」

明らかに怪しいスタッフの行動に、周囲は更にざわつき始めた。





リーリエ「わ…私達…これからどうなるんでしょう…!」

ハウ「たいへんだよー。」

マサル「くそぉ…!一体全体わけわからんことになるし、こんな時にアイツは…コウタは帰ってこねーし、何がどうなってるんだよ!」

ユウリ「なんで私達がこんな目に…!」

コウミ「…みんな。」

その声の主、コウミの方へ一斉に振り返る。

コウミ「…大変なことになっているけど、私達もここでぐずぐずしている訳にはいかない。みんな、力を合わせましょう!」

グラジオ「……フッ。そうだな。」

ホップ「そ…そうだぞ!もうこの際、今のままでいいわけがないよな!」

マリィ「…アローラチャンピオン、流石やね。」

リーリエ「そうです!コウタさんだって、こういう時、解決に向けて動いてくれました!」

ハウ「コウタがいなくても、おれたちでやるしかないよな!」

ビート「もう利用者が立ち入れそうなところだけ探してもダメそうです!少しでも怪しいと思ったところはかたっぱしから探しますよ!」

ユウリ「よーし!みんな、やろう!」

マサル「………コウミ、ありがとうな。こんなところで喚いてたってどうにもならねぇ!行くぞ!」

こうして、9人は奮起し、各自行動を開始した。
 ▼ 35 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 21:33:09 ID:2z6cK1Lo [8/8] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―島内・地下―
コウタ「…ん。ここは…。」

どこともわからない場所で、2日目のバトルイベント勝者の1人、コウタが目を覚ます。昨日までの記憶をゆっくりと思い出していく。

コウタ「……そうか、昨日のバトルの後、僕は…。」

彼は別室連行後、翌日には元の部屋に戻れる、という条件付きでスイートルームに案内された。勝者ごとに個室が与えられ、そこで優雅な一時を過ごすことができるとスタッフが力説し、その晩はそこで寝ようとした。

…が、その前に仲間達に一報入れようとしたところで突如眠気が彼を襲い、気が付けばスイートルームとは全く別の、暗い部屋に移されていたのだ。

コツ…  コツ…  コツ…

コウタ「…………!」

彼が昨日までのことを思い出した直後、後ろから近づく足音。
振り返るとそこには、見覚えがある人影2人と、ジャックがいた。

コウタ「昨日一緒に案内されたトシエさんにハルナさん…と…どちら様…?」

エリートトレーナー(女)トシエ「……。」
えんじ(女)・ハルナ「……。」

しかし、2人の様子がおかしい。コウタに呼びかけられても全く反応がない。
―――彼女ら2人は、謎のヘルメットを被っており、目元には謎のゴーグルが装着されていた。たとえそれがあっても人違いであることは疑わなかった。間違いなく機能見た人物だったのだ。

ジャック「……。」

そしてジャックも、コウタからすれば面識のない人間。名前を聞かれるのは当然のはず。だがジャックもまた、何も返事を返さなかった。そして…
ジャック「…。」スッ…

ガシッ!

コウタ「!?」

ジャックが手をかざすと、両脇のトシエとハルナが動き、2人がかりでコウタを拘束した。

コウタ「な……なにをする!2人とも離せ!……!」

全く動じないトシエとハルナ。そして正面から迫るジャック。
更にジャックは、自分達が被っているこのと同じヘルメットとゴーグルを所持していた。

コウタ「…!」





Episode#3〜人工島の謎〜・完
 ▼ 36 ラージェス@エレキシード 20/10/12 21:36:05 ID:j8IIkJRs NGネーム登録 NGID登録 報告
インクレディブルファミリーという映画で同じ展開を見たぞ
 ▼ 37 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 23:06:08 ID:Nb2MMRh. [1/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#4〜動き出す異変〜
【3日目、数時間後】

ホップ「………とりあえず、怪しそうなところは島中全て探したな。」

ビート「ええ。あとは潜入ルートを決めましょう。」

ユウリ「そうね。分散してあちこちからピックアップしても、そのまま突撃は心細いもんね。」

グラジオ「………あとは怪しそうなところに、オレ達9人で突撃していくか?」

ハウ「うーん、1箇所から全員で入るよりも、4〜5人ずつに分かれるのはどうかなー?」

全員で島中の怪しい所を片っ端から探し、まだ突撃はせず全員で共有し合い、利用者が一般に立ち入れない場所への入り口をいくつか探すことが出来た。

コウミ「中に入れたら、できるだけスタッフに見つからないよう、昨日までの行方不明者の捜索だね!」

リーリエ「そして、一通り探し終えたら、外部への連絡ですね!できればチケットの保管場所も探しておけば有力な証拠になるのですが…。」

マサル「そうだな。……あと、ここ出来たばかりなのかスマホロトムにも位置情報が登録されてねえぇし、どうやって場所を伝えるか、何か手掛かりもあればな…。」

マリィ「………ねぇ、何かあっち、騒いでいるみたい。」





エリートトレーナー(男)「ッもう我慢できねぇ!俺は何があってもここを抜け出す!」

ミニスカート「抜け出すって、どうするつもりなの!?」

たんぱんこぞう「みずタイプのポケモンで海の上を渡るんだよ!このままじゃ俺達いつまでも帰れないぞ!」

キャンプボーイ「そうだそうだ!あのスタッフも途中で逃げだしたし、信用できない!」

ホープトレーナー(男)「ちょっと待ってよ!言いたいことはわかるけど、ここ相当距離あるよ!?君らの出身地方は知らないけどさ、ポケモンの体力的に大丈夫なの!?」

エリートトレーナー(男)「んなもんやってみなくちゃわかんねぇだろ!?どのみちここでグズグズしてるわけにはいかないんだよ!」





マサル「……ここ、ガラルからでも船で3時間はかかったよな…。」

ホップ「流石に正気とは思えないぞ…でも、あのトレーナーの言っていることも一理あるよな…。」

マリィ「まぁ、今あたし達がやるべきことじゃないけどね。まだ探している人がいるし。」

グラジオ「………最終手段として視野には入れておくべきだとオレは思う。最悪それから救援を呼ぶしかない。」
 ▼ 38 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 23:06:53 ID:Nb2MMRh. [2/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ハウ「よし、まずは入り込む場所を―――


\おい!何だあれは!?/


ハウが言いかけたその時、先程海を渡ろうとしたトレーナーの声。一同はその方向へ向くと、そこには驚くべき光景があった。

エリートトレーナー(男)「おい!あいつらってよ、最近行方不明だなんだとか言われていた奴らじゃないか!?…けど何か変なもん被ってやがるな。」

キャンプボーイ「ほ、ホントだ!無事だったんだな!」

ミニスカート「よ、よかった!ねぇみんな!ここは怪しいから、どうにかして脱出しよ!?」

ホープトレーナー(男)「そうだよ!海を渡るのは無理そうだし、手分けして方法を探ろうよ!」

たんぱんこぞう「いやいや!これだけ人数揃えば海だって渡れるぜ!力を貸してくれよ!……ていうか、そのヘルメットとゴーグルってなんなんだ?」



メルヘンしょうじょ・クミコ「……。」

じゅくがえり・ケンスケ「……。」

ミニスカート・チセ「……。」


そこには紛れもない、1日目の夜に行われたバトルイベントの勝者達だった。再会に喜ぶトレーナー達に対し、機械的な外観のヘルメットとゴーグルを装着した彼等は何も反応を示さなかった。



ユウリ「よ、よかった!私達が探していたあの子達だ!」

ビート「………なぜあんなところから?いやそれよりも…あのヘルメットは?」

グラジオ「……………イヤな予感がする。」



グラジオがそう言った次の瞬間、3人は突如ボールから手持ちのポケモンを繰り出した。更にその後ろには大量の少年少女がいた。



リーリエ「こ、こんなところでポケモンを!?」

マサル「てか待てよ、なんだよあの数は!?」

コウミ「おかしいよ、あの時はこんなにいなかったよ!?」
 ▼ 39 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 23:07:28 ID:Nb2MMRh. [3/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ケンスケ「シャワーズ、“みずでっぽう”。」ポンッ

ケンスケのシャワーズ「………しゃわっ!!」

バシャッ!


たんぱんこぞう「うわっ!?何すんだよ!」

エリートトレーナー(男)「おい!今はバトルなんてしてる場合じゃないぞ!」


チセ「ザングース、“みねうち”よ。」ポンッ

チセのザングース「ざんっ!」


ミニスカート「きゃっ!?ちょっと、危ないじゃない!」

ホープトレーナー(男)「うわぁーっ!」

キャンプボーイ「助けてー!」


クミコ「クレッフィ、マリルリ、その子たちを離さないで。連れて行くよ。」





ホップ「な、なんなんだ…!?」

マリィ「ポケモンにトレーナーを…直接襲わせてる!?」

ビート「……ッ!先程から様子がおかしいと思えば…!」

ハウ「ま、まさかあのヘルメットー?」

グラジオ「………やられたかもな。」

マサル「まさか…バトルで勝った奴って皆…!?」

コウミ「そんな…!じゃ、じゃあまさか…コウタは!?」

リーリエ「嘘です!そんな…そんなはずは!!」



突如、一斉に襲い始めたヘルメットをかぶったトレーナー達。そしてその後ろにいる少年少女達も一斉に動き始めた。
ポケモンを繰り出し、襲わせ、抵抗するトレーナー達を次々攫っていく―――不穏な空気を漂わせていた祭典会場は一瞬にして地獄絵図と化していた。
 ▼ 40 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 23:07:46 ID:Nb2MMRh. [4/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ビート「…やむを得ません。少なくともこのままではぼく達も…!」

グラジオ「……そうだな。突入するのは最小限にして、他のヤツは、あのヘルメットをかぶったヤツらを食い止めるぞ。」

マリィ「ん、そうね。やるよ、モルペコ!オーロンゲ!」ポンッ

マリィのモルペコ「うららっ!」

マリィのオーロンゲ「オォーロン。」



グラジオ「シルヴァディ!ゾロアーク!」ポンッポンッ

グラジオのシルヴァディ「シヴァァッ!!」

グラジオのゾロアーク「こきゅきゅーん!」



マサル「よし、俺は突入するぞ!」

コウミ「私も行く!コウタもきっとそこにいるよ!」

ビート「ではぼくも行きます。3人でも行けるでしょう。」


ユウリよーし!こっちは私達に任せて!」

ハウ「リーリエはおれが守るよー!」

リーリエ「わ……私だって、いつまでも皆さんに守られてばかりではありません!キュワワーさん!お願いします!」

リーリエのキュワワー「きゅわぁー♪」





ホップ「…よし!皆!行くぞ!」

ハウ・リーリエ・グラジオ「うん! / はいっ! / …あぁ!」

ユウリ / マリィ「えぇ! / うん!」


こうして、突入班3人、戦闘班6人に分かれ、それぞれ行動を開始した。
片や人工島の謎を探り、コウタを探すため、片や人々を襲う暴徒と化した少年少女を抑え、トレーナー達を救出するため。
 ▼ 41 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 23:08:08 ID:Nb2MMRh. [5/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―突入班side―

マサル「くそっ…まさかこんなことになってるとはな…!」

3人の行く先々も、暴徒と化した少年少女達が群がっていた。彼等もまた、奇妙なヘルメットを装着し、襲い来る。限られた回復アイテムを温存すべく、一行は極力戦闘を避けるようにして進んだ。

ビート「ここでぼくらまで積極的に戦って消耗しても得しませんし、こうするのが正解でしょうね。」

コウミ「もう少しで…あの子達が出てきた出入り口に着きそうよ!」

3人は戦いに集中している少年少女達の間を掻い潜りながら着実に近づいていた。
あの少年少女達が出てきたところから入れば、何かわかるのではないか。そう考えた一行は当初の様に複数個所からの潜入ではなく一点突破に切り替えたのだ。
やがて、3人の努力の甲斐あってか、目的地に着く寸前まで来た。



ザッ!


マサル「…ちっ!勘付かれたか!」

コウミ「簡単には通してくれなさそうね…。」ポンッ

ビート「囲まれましたか…こうなってはやむを得ません。最小限の力で突破しますよ!」ポンッ

マサル「やるしかねぇな。」ポンッ

3人はモンスターボールを構え、一斉に投げる。



マサルのカマスジョー「じょーっ!」

コウミのガルーラ「がるがる!」

ビートのクチート「くちー!」



コウミ「行くよ!皆!」

マサル「おうよ!」

ビート「了解。」



3人の方も、暴徒達との抗争が始まった。
 ▼ 42 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 23:08:56 ID:Nb2MMRh. [6/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―戦闘班side―
ホップ「カビゴン!“ヘビーボンバー”!」

ホップのカビゴン「かびー。」ズドォォン

巨体で以て相手のポケモン達をまとめて押し潰し、戦闘不能に追い込んだホップ。

ユウリ「チラチーノ!“ロックブラスト”よ!」

ユウリのチラチーノ「ちらぁっ!」ズドドドド

特性“スキルリンク”を活用し、最大回数の連続攻撃で多人数を一度に相手するユウリ。

2人とも、ジムリーダーでもチャンピオンでもないのにもかかわらず、マサルやビート、マリィにも引けを取らない強さ。
伝説のポケモンを仲間にしたという実績もあるが、それ以上に彼等は博士としての勉強に励みながら、バトルのトレーニングも怠らなかったことが大きい。



ハウ「オンバーン!“りゅうのはどう”だ!」
リーリエ「キュワワーさん!“マジカルシャイン”!」

ハウのオンバーン「ばぉぉんっ!」ゴォッ
リーリエのキュワワー「きゅわーーーっ!」カッ

衝撃波と眩い光が相手のポケモンたちを包み込み、倒していく。
ハウはかつて、前チャンピオン・コウタと現チャンピオン・コウミの3人で共に島巡りをこなし、トレーナーとして切磋琢磨してきたため、強いのは当然である。
…が、リーリエもまた、奮戦している。彼女はコウタがチャンピオンとなった後、パートナーとして3匹のポケモンを仲間に加え、また今回の旅ではガラル地方入国の時点で持ち歩けなかったものの、くさタイプのZクリスタルを所持しているため、十分な実力が備わっていたのだ。



グラジオ「シルヴァディ、“シザークロス”!」

グラジオのシルヴァディ「シヴァーーーッ!」ズバズバァッ

グラジオ「“ブレイククロ―”!」

グラジオのシルヴァディ「シヴァッ!」ザシュッ

コウタ達のライバルにして、カントー地方で修行を重ねたシルヴァディ使いのトレーナー、グラジオ。
相棒のポケモン1匹で複数匹を相手出来る程の実力を持つ。彼もまたチャンピオンに勝つべく、アローラに帰っても修行を続けていた。

グラジオのゾロアーク「ゾルァーーーーっ!!!」ゴォッ!

凄まじい騒音と共に、一撃で多数のポケモンが吹き飛んだ。
ゾロアークは範囲攻撃の“ハイパーボイス”、主力技の“ナイトバースト”“イカサマ”、時には隠し刀の“くさむすび”を駆使して、シルヴァディの死角から襲ってくる敵や数で押してこようとする軍勢を次々に蹴散らしていた。



マリィ「モルペコ、“でんこうせっか”で駆け抜けて!」

マリィのモルペコ「うらぁっ!」ビュンッ!ビュンッ!

スピードで相手ポケモン達を攪乱するモルペコ。そして技の構えをとるオーロンゲ。

マリィ「“DDラリアット”!」

マリィのオーロンゲ「おぉぉろん!」

腕を回転させながら強力なラリアットで次々と敵を薙ぎ倒す。ジムリーダーに就任してからも彼女は成長し続けているのだ。
 ▼ 43 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 23:30:09 ID:Nb2MMRh. [7/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―数十分後―

ホップ「ぜぇ…ぜぇ…こいつら…数が多すぎるぞ…!」

ユウリ「な…何人かは倒せたし、倒したトレーナーは何故か気絶しちゃったけど…私達ももうやばいよ…!」



グラジオ「…チッ。キリがない…回復道具もこのままでは…。」

グラジオのシルヴァディ「グルル…。」

グラジオのゾロアーク「ゾロ…。」



ハウ「オンバーン、“エアスラッシュ”!…よし、おれたちの周りはどうにか片付いたよ…!」

リーリエ「回復道具…そろそろなくなりそうでした…!」

ハウ「すごいよリーリエー。本当に強くなったんだね!おれの道具も分けてあげる!」

リーリエ「ハウさんたら…ありがとうございます!私も、ハウさんのお役に立ててよかったです!」



マリィ「もう!まだいるの!?オーロンゲ、“ソウルクラッシュ”!」

マリィのオーロンゲ「おろぉん!」ドゴォッ…

相手がくじける勢いで攻撃する“ソウルクラッシュ”、吹き飛ばされた相手のポケモンは目を回して戦闘不能になった。
その持ち主は突如、プツッと意図が切れたかのように跪き、気を失った。

マリィ「ふぅ…よく頑張ってくれたね、ありがとうモルペコ、オーロンゲ、ゆっくりやす………あ、あれは…?」

2匹を労いつつボールに戻そうとするマリィは、かなり離れた距離にマサル達を見つける。
しかし、2匹をボールに戻そうとすることさえ忘れるような、ある光景を彼女は目撃してしまった。





―突入班side―
――戦闘班が交戦開始から15分後
マサル「…っと、これでひとまずどかせたな。」

ビート「全く、手間をかけさせてくれますね…。」

コウミ「でもこれでもう進めるわ!行きましょう!」

3人は取り囲まれていたにもかかわらず、3人で全員退けた。そしていよいよ出入り口から突入しようと先を急いだ。目的地は目の前である。
しかし、3人が向かうその奥から声がした。



スタッフ「おっと!この先は立ち入り禁止ですよ!」
 ▼ 44 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 23:30:38 ID:Nb2MMRh. [8/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「っと、また通せんぼかよ!」

ビート「やはりその先に何かあるようですね。」

コウミ「あのトレーナーの子供達が暴れだしたのも、あなた達の仕業なんでしょう!?」

スタッフ「さぁ?少なくとも私はその辺の事情は何も知らされていないので、わかりませんねぇ〜。」

薄気味悪い笑顔を浮かべながら道を塞ぐスタッフ。目の前に目的地があるのに通れない一行の苛立ちを嘲笑っているかのようだ。

マサル「こんな緊急事態にそんな呑気なことを言っていられること自体、胡散臭ぇよ!」

ビート「それに、『その辺の事情は』ということはやはりあなた方もこの騒動に関係しているのは確実でしょうね。」

コウミ「絶対に通してもらうからね!」

スタッフ「聞き分けの悪い子達だ…。ここで引き返せば見逃しますので、痛い目に遭いたくなければ、帰った帰った。」

押し問答が続き、徐々に苛立つ一行。しかしビートは…。

ビート「………埒があきませんね。少し拘束させてもらいます。サーナイト、“サイコキネシス”!」ポンッ

ビートのサーナイト「サァナ。」ピロロロロロ

スタッフ「ぐっ!?この…離しなさい!」



ビート「ほら、あなた達2人は先を急いでくださいよ。」

マサル「サンキュービート!行こうぜコウミ!」

コウミ「うん!……ってうわっ!?」


ドォォン


エリートトレーナー(女)・トシエ「ここから先へは行かせない。」
トシエのエテボース「えてぼーす。」
トシエのギャロップ「ひひーーん!」

ビート「ちっ…!」

マサル「またかよ!……くそっ、リザードン!」ポンッ
コウミ「お願い!ニョロボン!」ポンッ

マサルのリザードン「ばぎゅあ!」
コウミのニョロボン「にょろ!」

ビート「あなた達の力なら言うまでもないでしょうが、一刻も早く退けて下さいよ…ぼくのサーナイトでも…ずっと拘束できるわけではありませんからね…!」
ビートのサーナイト「サナ…!」キィィィン
 ▼ 45 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 23:31:11 ID:Nb2MMRh. [9/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
トシエ「エテボース、リザードンに“いやなおと”、ギャロップはニョロボンに“おにび”。」

トシエのエテボース「えてっ!」ギィィィィ〜…

マサル「…っぐ、この、リザードン、“そらをとぶ”で退避だ!」

マサルのリザードン「ばぎゅあ!」

トシエのギャロップ「ぶるる!」シュボッ…ボボボ…

コウミのニョロボン「にょろっ…!」(やけど状態)

コウミ「よくも…!ニョロボン、“たきのぼり”!」

コウミのニョロボン「にょろ!」ドドドドド

トシエはマサル、コウミのポケモンの能力低下や状態異常を絡めてきたのに対し、マサルとコウミが用意したポケモンは殆どが攻撃技で、搦め手への対抗策が乏しかった。コウミのニョロボンはみずタイプの技でギャロップの弱点を突いたものの、やけど状態による攻撃力低下が原因で並み程度のダメージしか与えられない。

トシエ「ギャロップ、リザードンより高く“とびはねる”で抑えて。エテボースはニョロボンに“ダブルアタック”よ。」

トシエのギャロップ「ひひーーーん!」ドヒュン

マサルのリザードン「ばぎゅあ!?」

マサル「マジかよ…!リザードン、避けろぉっ!」


トシエのエテボース「えてぼぉ!」ブンッ

コウミ「ニョロボンは“かわらわり”で迎え撃って!」

コウミのニョロボン「にょろっ!」

バシィッ!!

片や地上戦の2匹は技をぶつけ合って相殺した。やけどで下がった攻撃力でも、軽い攻撃ならタイプ相性と併せて捌き切った。
一方空中戦の方は…

ズドォォン!!!

マサル「…っ、リザードン、大丈夫か!?」

マサルのリザードン「ぐるるぅ…!」

ギャロップの“とびはねる”に上を取られて撃ち落され、地上に叩き伏せられる。ギャロップは4本の脚で、地に伏したリザードンを踏みつけながら冷徹な視線で見下している。

マサル「…くそっ、ここがガラル地方からも離れすぎているせいでダイマックスも使えねーし…力づくでどかしてやるよ!“かみなりパンチ”!」

マサルのリザードン「ばぎゅおぉ!!」バチバチ…

ズドンッ!

トシエのギャロップ「ひひん!?」
 ▼ 46 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 23:31:39 ID:Nb2MMRh. [10/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
拳をふるい、反撃するリザードンへの反応が遅れ、ギャロップはたちまち転倒する。
マサル「畳みかけろリザードン!“ドラゴンクロー”!」

マサルのリザードン「ばぎゅあぁぁ!」グオッ

トシエのギャロップ「ぶるる…!」ビリビリ

トシエ「…。」

まひ状態となったギャロップはリザードンの追撃を躱しきれず、トレーナーのトシエは諦めたのか表情一つ変えず、エテボース対ニョロボンに視線を戻した。

ザシュッ!

トシエのギャロップ「……ぶる…るぅっ…。」ズドォォン

そしてギャロップは戦闘不能となり、倒れる。トシエは目もくれずモンスターボールでギャロップを戻しながら指示を出す。

トシエ「エテボース、ニョロボンに“いやなおと”よ。」

コウミ「ニョロボン、“かわらわり”!」

トシエのエテボース「えぇてっ!」ギィィ〜…

コウミのニョロボン「にょ…にょろ…!にょろぉぉぉ!」ヒュンッ

ズドン!

“いやなおと”に一瞬怯むもすかさず反撃の体勢をとり、弱点の“かわらわり”を当てることに成功する。先程は相殺に終わった技が今度は直撃。更に…

マサル「残るはそいつだけだな!覚悟してもらうぜ!」

マサルのリザードンからの狙いも定まる。次で決める。2人はそう思っていたが、トシエはまだ3匹目を所持しており、ボールを放り投げる。

トシエのラッキー「らっきーっ♪」

コウミ「ここに来てラッキーですって…!?」

マサル「これ…まずくないか…?」

HPと特防に優れたラッキーは、物理攻撃に対する防御が低い。リザードンは特殊攻撃の方に長けており、ニョロボンはやけど状態。更にまだエテボースもいるため、マサルとコウミがやや劣勢になっている。

マサル「……ラッキーは攻撃、防御、素早さが低い。だから厄介なことをされる前にまず手負いのエテボースから倒すぞ!」

コウミ「そうね!…と言ってももうエテボースの残り体力ならリザードンで押し切れそうよ!」

マサル「よし、リザードン!“かえんほうしゃ”でエテボースを倒すんだ!」

マサルのリザードン「ばぎゅああぁぁ!!」ゴォォォォ

トシエのエテボース「えてぼぉぉ…っ!」

エテボースは炎に包まれて力尽き、ボールに戻った。続けてコウミが仕掛ける。

コウミ「ニョロボン、“かわらわり”!」

コウミのニョロボン「にょろぉぉ!」ブンッ
 ▼ 47 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 23:32:12 ID:Nb2MMRh. [11/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
トシエ「ラッキー、“うたう”。」

コウミ「なっ…!」

既に技の体勢に入ってしまったニョロボンはもう回避が間に合わず、ラッキーの歌声を聞き入れ、ねむり状態に陥ってしまう―――



―――と、思われていた。

コウミ「…リザードンを狙っていればよかったのにね!」

コウミのニョロボン「にょろろ!」

バシィン!

トシエのラッキー「らきっ!?」

コウミのニョロボンは既にやけどを負っていた。このために別の状態異常にならないため、眠らされることもなかったのだ。

マサル「エリートトレーナーにしては凡ミスだな!操られてさえなければ引っかからなかっただろう!リザードンは“ドラゴンクロー”で追撃だ!」

マサルのリザードン「ばぎゅあ!」ザシュッ!



トシエのラッキー「らっ…きぃぃ〜〜…。」バタン

トシエ「…!?…っ。」プシュ〜…

トシエの手持ちが全滅し、ヘルメットから煙が出て、トシエは気を失い、その場に倒れた。





ビート「……ふん。これであなたの取り巻きは全滅しましたよ。サーナイト、戻って下さい、お疲れ様です。」
シュゥゥン

スタッフ「……ッぐ!勝った気でいるのかな?少年。」

ビート「…何?」

コウミ「負け惜しみのつもり?」

スタッフ「そろそろ、最強の援軍が到着する頃です。……おっと、噂をすれば……何!?」

スタッフが不敵に笑い、後ろの出入り口から1人の少年――最強の援軍と称された少年が走ってきた。
しかし、先程までの余裕は一瞬で消え失せた。その少年・コウタは、スタッフが想定していたであろうヘルメットも何も身につけておらず、いつもの赤い帽子と青い服を身に纏っていたのだ。


コウタ「…やっと抜け出せたぞ。」


マサル「コウタ!?」

コウミ「……!無事だったのね!」

ビート「……ぷっ。確かに、ぼくらの最強の援軍、ですね!」
 ▼ 48 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 23:32:51 ID:Nb2MMRh. [12/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ひとまず3人はこれまでの経緯を全てコウタに説明した。
コウタ「……そうか。大体の事情は理解したよ。ごめん、みんな。こんな時に捕まってしまって。」

マサル「気にすんなよ!こうして無事に戻ってきたんだからな!」

コウミ「心配したんだよ…っ…!」ギュー…

ビート「あなたほどのトレーナーでさえも陥れる程の敵です。再会を喜ぶのは後にしますよ。」

コウタ「……そのようだ。それに、僕からも話したいことがあるけど、今は、先に進むべきだろうしね。」



4人は一斉にスタッフを睨みつけた。

スタッフ「なぜだ……君も一緒にあのヘルメットを………!?」
言いかけたところで口を手で押さえたスタッフ。だがもう遅かった。

コウタ「……と、僕が言う前に口を滑らせたな。まぁそういうこと。スタッフたちに妙なヘルメットをかぶせられたトレーナーが操られてたのさ。」

マサル「やっぱりそうか…!」

コウミ「許せない…!」

ビート「大方、捕まっている間に中で目撃していたんでしょうね。」

コウタ「ああ。僕もそのトレーナー…3人見かけたよ。」



スタッフ「おのれ…!ならば口封じです!行きなさいお前達!」ビュンッ!
一斉に3個のモンスターボールを投げるスタッフ。出てきたのはキリキザン、ゲンガー、カイリキーだった。

スタッフ「まずはあなたです!取り逃がしたのならもう一度捕らえればいいだけです!」



―――――


コウタ「………で、誰を捕まえるって?」

スタッフ「あ、あり得ない…。」ガクガク


勝負は一方的だった。育て上げられたレベルの差を見せつけ、コウタは切り札―――――を出すまでもなく、ギャラドス単騎で3匹一斉に蹴散らした。

マサル「ま、喧嘩を売る相手を間違えたな。」
ニシシと笑うマサル。

コウミ「あんたなんかに負けるような人じゃないんだから!」
ビート「同感。あなたとは格が違うのですよ。」
続けて勝ち誇るコウミとビート。

コウタ「…ふぅ。お疲れギャラドス。ありがとうね。」シュゥゥン

特に疲れた様子を見せないギャラドスを労いつつボールに戻すコウタ。改めて4人はスタッフに向き直る。

マサル「さぁ、観念してそこをどいてもらうぜ。」
 ▼ 49 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/12 23:33:42 ID:Nb2MMRh. [13/13] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スタッフ「このクソガキ共がぁぁあ!!」
ドドドドドドドドド

4人「!?」

ドシーン
コウミ「きゃああっ!?」

マサル「な…なんだあいつ!」

コウタ「ぐあっ…!」

ビート「武力行使に出ましたか…!」

突如激昂したスタッフは4人に突進。そのまま片手でコウミを掴み上げた。
コウミ「やっ…やだぁっ…!」ジタバタ
コウタ「………!!」
スタッフ「クソが!こうなったらこいつだけでも連れ帰ってやる!」

マサル「化けの皮がはがれやがったな…!」

ビート「コウミさんを返しなさ
コウタ「…………せよ。」

ビート「……!?」ゾクッ

マサル「…こ、コウタ…?」ビクッ

スタッフ「あァ?」ギロッ

コウミ「……!」ガタガタ
突如その場の空気が凍り付いた。マサル、ビートでさえも背筋が凍り、コウミもまた、恐怖に満ちた目をしていた。
スタッフと、3人の視線の先には、これまで見たことないような、尋常ならざる殺気を放つ少年がスタッフを睨みつけていた。





コウタ「コウミを………………離せよッッッッッ!!!!!」





Episode#4〜動き出す異変〜・完
 ▼ 50 コルピ@かたいいし 20/10/13 00:07:24 ID:i7bAEGZs NGネーム登録 NGID登録 報告
番外編でおなじみの鬼神コウタ来ました
 ▼ 51 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 20:57:25 ID:xq3si/HE [1/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#5〜誤ち〜

コウタ「コウミを………………離せよッッッッッ!!!!!」



凄まじい殺気で怒声を放つコウタ。一瞬怯んだスタッフはすぐさま嘲笑う。

スタッフ「………ハハハ!離せと言われて離すお人好しは
ドスン!

スタッフ「……あ?」

コウタ「離せって……言ってるだろ!!!」

いつの間にか懐に走り込みタックルするコウタ。そのまますぐコウミを掴むスタッフの手にぶら下がり暴れる。
一回りも二回りも体格の違う男相手に、コウタは全く臆することなく、コウミを救うべく突撃した。

コウミ「ううっ…!」ギリギリ

スタッフは当然抵抗する。手に力が入る。その度に締め付けられるコウミ。

スタッフ「この!君こそ離しなさい!ぐっ!」

コウタ「五月蝿い五月蝿い五月蝿い!!!」

スタッフの手を離さずしがみつく。必死にコウミを救おうとしているその眼は、どこか血走っているようにも見えた。
やがて痺れを切らしたスタッフも逆上する。

バキッ!

コウタ「ぐっ…!」ドサッ

もう片方の手で殴り飛ばされる。腹に重い一撃が入り、少しうずくまる。だが―――

マサル「コウタ!お前、よくも
コウタ「このぉ…!」ダッ

すかさず立ち上がり、再びスタッフの懐に……今度は更に重いタックルをかました。

スタッフ「う…おっ!」グラッ……ドシーン
コウミ「……あっ!」パッ

バランスを崩したスタッフの手の力が緩み、コウミは脱出した。これで救出は完了した。

コウミ「けほっ、けほ……コウタ、大丈夫!?」

ビート「感謝します。全く無茶過ぎて肝が冷えましたよ。」

マサル「とにかくこれで突入できるな。行くぞ。」

3人はコウタの元に駆け寄る。あとは周りの敵が気付いてこちらに群がってくる前に倒れたスタッフを振り切れば突入できる。
 ▼ 52 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 20:57:48 ID:xq3si/HE [2/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
………だが、コウタはまだスタッフを睨みつけていた。


マサル「…おい、どうしたんだよコウタ。」

コウタ「よくも………コウミを!みんなを!こんなひどい目に!!!」ダッ

マサル「え!?ちょ、おい!待てよ!!」

ビート「もうそいつに構う必要はありません!コウタ君!!」

コウミ「コウタ…!?どうして…!」

信じられなかった。この場面、敵が立ち上がらないうちに突入すべきだった場面。にもかかわらず、怒りに身を任せたコウタはスタッフに再突撃した。
そして倒れたスタッフに馬乗りになり、ひたすら殴り始めた。

スタッフ「ぐあ!ひ、ひぃ!こ、この!何をする」
コウタ「お前が…!お前達がぁぁ!!」バキッ、ドカッ、ズドン

スタッフ「こんの……クソガキィィィィ!!!」ゴオッ

コウタ「…!」ドサッ
勢いよく立ち上がったスタッフに吹き飛ばされ、尻餅をつくコウタ。

スタッフ「もう許さねぇぞゴラァァァ!!」ダダダダ

こちらもまた激しい剣幕で怒鳴りつけ、コウタに突進していく―――――




マリィ「モルペコ!“タネばくだん”!!」

マリィのモルペコ「うららららっ!!」ドドドドッ


コウタ「!?」

スタッフ「ぐおおっ!?」

―――――が、2人の間に突如“タネばくだん”が連射される。巻き上がった土煙に紛れ、素早くマリィが割り込み、コウタはマリィのオーロンゲが持ち上げた。

コウタ「おい!離せよ!僕はあいつを…!」

マリィ「今はそれどころじゃなか!3人も、ここは一旦さがるよ!」

マサル「……ちっ!行けると思ったのによ!」

ビート「こうなってしまっては致し方ありません……敵が群がって囲まれるよりはマシだ…!」ギリッ

コウミ「コウタ……。」



目的地を前にし、取り逃がした3人は、やむを得ずマリィに続き、暴徒達のいないところへ避難した。

スタッフ「……くそ!全員逃げやがったか…!」

こちらもまた獲物を取り逃がし、苦虫を噛み潰したような表情で奥へと消えていった。
 ▼ 53 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 21:01:09 ID:xq3si/HE [3/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告



――島内のどこか――


バキッ!


コウミ「!!」
ビート「…!」

コウタ「……っ。」ドサッ

先程の場所を離れ、無事に帰還できたコウタへ最初に飛んできたのは、労いでも心配でもなく、マサルの拳だった。

マサル「……お前なぁ!あと少しで先に島内に入れたってのに!あの大男が起きないうちに走ればよかったのに!なんて余計なことをしやがった!!」

コウタ「なんだと…僕は…ただ
マサル「うるせぇよ!」グワッ
コウタ「ぐっ…!」

コウタが言い終わる前にマサルは彼の胸ぐらを掴んで持ち上げた。不服な表情のコウタを睨みつけるマサル。それを睨み返すコウタ。2人の一帯には、険悪な雰囲気が漂っていた。

マサル「悔しいのがお前だけだと思うな!自分が一番怒っていると思うな!……俺達だって悔しいに決まってるだろ!?」

コウタ「さっきから聞いてれば…!わかったかのように言うなよ!」バッ

マサル「…っ!お前って奴は…!」

マリィ「2人とも一旦落ち着きんしゃい!!!」

コウタはマサルの手を振りほどき、2人がますますヒートアップしようとしたところで、見るに堪えかねたマリィは割って入る。

マリィ「………2人とも、一度離れんしゃい。今は急ぐべく時かもしれないけど、こうなった以上、頭を冷やす時間が、お互い必要だと思うばい。」



マサル「………ちっ。まぁしょうがねぇな。」
マサルが踵を返し、ビートもそれに続く。

残されたコウミ、マリィ、コウタはその場に佇んでいた。

マリィ「………ん、今残りの戦闘班から連絡が来た。敵勢力はだいぶ倒した辺りで、とりあえずこれ以上の誘拐は防げたと。皆もここに呼び集めるとね。」

コウミ「…うん、わかった。」

コウタ「………了解。」
 ▼ 54 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 21:01:45 ID:xq3si/HE [4/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ホップ「やっと帰ってこれたんだな!コウタ……って、何だこの雰囲気……重苦しいぞ。」

ユウリ「…あれ、マサルとビートは?」


コウミ「……。」
コウタ「……。」
マリィ「………まぁ、うん。2人も無事。今はちょっと違うところにいるだけ。」


ハウ「な、何がどうなってるんだよー?」

リーリエ「!コウタさん、その傷は…!」

マリィ「あー、うん、ちょっとね…。」
コウタ「…。」

グラジオ「……。」

困惑する一同、戸惑うだけのコウミ、そして俯いたままのコウタとマリィ。
やがてコウタは立ち上がり、後ろへと振り向いた。

コウタ「………ごめん。少し1人にさせてくれ。」

ホップ「あっ!?おい、コウタ!」

ホップが引き留めるより早く、コウタは走り去って行った。」

ユウリ「な……何よもう!何がどうなってるのよ!!」

マリィ「……みんな、今は、そっとしとき。皆も今のうちに、ポケモンの回復や自分の体調、整えとこ。とりあえず今言えるのは、まぁ突入作戦は失敗した……ってだけばい。」

グラジオ「……チッ。まさかその3人にコウタまでいて、事を仕損じるとはな。」



一同は一時解散し、それぞれの個室に戻った。




ジャック「……。」
その様子を、陰で見ていた1人のトレーナーに、気付いた者は1人としていなかった。
 ▼ 55 ースター@こだわりスカーフ 20/10/13 21:10:16 ID:r4nU0oBE NGネーム登録 NGID登録 報告
続きはやく
 ▼ 56 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 21:50:42 ID:xq3si/HE [5/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―マサルside―

マサル「………。」

マサルはその後、他の皆が解散して部屋に戻り、各自メンテナンスをすることになったとマリィから連絡を受けた。
先程までと打って変わって静寂に包まれた島内をビートと歩き、そのまま個室に到着してそこで別れた。

そして今、彼は個室のベッドに横になっている。
先程コウタと喧嘩していた際の激昂も、今はだいぶ落ち着いているようだ。

< コンコン

マサル「…よっこらせ。」

そう言ってドアの向こうの相手を確認し、ドアを開ける。

ビートとリーリエだった。

ガチャッ

マサル「……よう。君らはもう大丈夫なのか?」

リーリエ「はい、何とか大丈夫です。」

ビート「ええ。まぁ。……それよりあなたこそ、落ち着きました?」

マサル「まぁな。とりあえず立ち話もなんだし、入りなよ。」



マサル「……悪かったな。さっきは。」

ビート「別に。」

リーリエ「すみません、話は全てビートさんから聞きまして……。」

マサル「あー、別にいいって。そうビクビクすんなよ。」

リーリエは実はまだマサルが不機嫌ではないかと不安を抱きながらも来た。それで怯えているのが表に出ていたのはマサルにも明白だった。



マサル「……とりあえずよ、いつまでもキレてたってしょうがないし、どうしようか考えてたんだけどな…それにはあいつもどうにかしないといけなくなっちまったな。」

リーリエ「コウタさん…ですか?」

マサル「まぁな。流石にないと思うが、もしまだあいつがあのままの状態で作戦に加わってもよ、心強いどころかかえって足を引っ張りかねない。」

ビート「………彼を抜いて突入する、というわけではなく?」

マサル「あぁ。俺もびっくりした。あいつがあそこまでブチギレたのはな。」

ビート「………ごもっとも。ぼくから見ても、2人とも、らしくなかったですね。確かにこの作戦は彼が激昂し、冷静さを欠いた行動のせいで失敗しましたが、あの怒りも、何かあるのではないかと、ここに来るまでにリーリエさんと話してたところです。」
 ▼ 57 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 21:52:25 ID:xq3si/HE [6/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「…やっぱそう思うよな。コウミが危ない目に遭ってキレてたまではわかるが、それならコウミを助けた時点でもういいはずだしな。」

リーリエ「……よかった…マサルさん、まだコウタさんのことを怒ってるのかと思って…。」

ほっと胸をなでおろすリーリエ。今回の件は傍から見ればコウタの感情的な行動や逆ギレだったが、普段の彼を知っているメンバーからすれば明らかな違和感。彼の振る舞いにさえ疑問を投げかける様子を見て、まだ何とかなる、そう希望を見出していた。

マサル「…ま、さっきよりかは、な。とりあえず、あいつが落ち着いた頃にでも話に行きたいが…それがいつなのかもわからんし、いつまでも待ってはいられないしな。」

ビート「……そう言うと思って、ここに来るまでにぼくとリーリエさんから、それぞれとある人にお願いしたところです。」

マサル「?何をだ?」

ビート「彼が落ち着いた頃に、マサルさんと話す前に彼の気持ちを聞いておきたい。その聞き役をお願いしました。」

リーリエ「もしかしたら心当たりがあるんじゃないかと思って…私はその人にお願いしました。」

マサル「…なるほど、それであいつがあそこまでキレた理由を探ろうってか。」

既に2人が手を回していたことで、今頃コウタの元に、2人の仲間が向かっている。あとは、向こうからの報告を待つのみとなった。

マサル「……おし、落ち着いたら俺達も動くか。」

ビート「…そうですね。彼等の方が終わり次第、ぼくらの方からも出向きましょう。」

リーリエ「はい!」



その後、3人はそのままマサルの部屋で待機となった。事態は一刻を争うものの、仲間内のアクシデント処理を優先したマリィの判断は正しかった、そう確信したのだった。
 ▼ 58 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 21:53:42 ID:xq3si/HE [7/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―コウタside―

コウタ「……ハウ、それにマリィも。」

ハウ「どうコウタ?落ち着いたー?」

コウタ「ん、そうだね。…………。」

彼の表情は暗かった。1人になって冷静になって、自分がとんでもないことをしてしまったと落胆し、そんな頃に、ハウから連絡があった。
そろそろ落ち着いたか、落ち着いたなら話があるから、部屋に入れてくれないか、といった内容を二つ返事で承諾した。しかしマリィが来るかどうかまでは知らされていなかった。

マリィ「ビートに言われたってのもあるけど、あたしもあんたが心配。あんただけじゃない。コウミも、リーリエもグラジオも、それにユウリにホップ、ビート…………それにマサルもね。」

コウタ「……マサルも、なのか?」

ハウ「そりゃそうだよー。あっちももう落ち着いた頃だと思うけどさ、やっぱりみんな心配するよ。」

マリィ「行方不明だったこともそうだし、何よりいくら怒ったからって、あの時のコウタは完全に我を忘れとったよ。ドラゴンタイプのポケモンが、住処を荒らされて“げきりん”を発動してたみたいだった。」

コウタ「本当に、申し訳ない…申し訳ないなんかじゃ、済まされないのもわかってるけど…!」

自身の行動が原因で今に至るにもかかわらず、喧嘩した相手であるマサルでさえも自分を心配している。それがかえって彼の首を絞めていた。

マリィ「……ねぇ、コウタ。あんた、何があったのさ。」

ハウ「うん。おれも気になる……というか、もしかしたらおれの予想が当たってるかも。」

コウタ「…。」

俯いていたコウタはハウの言葉を聞き、顔をあげる。

ハウ「コウタがあそこまで怒ってた理由ってさ…






おれたちが前にアローラからネオシルフに乗り込んで、偽のカプ・コケコと戦っていた時のことを思い出したから?」

コウタ「…!」

マリィ「…図星ね。」



ネオシルフ――かつてマサル達とコウタが、ガラル地方で起きた事件と同様に、ポケモンを模して人工的に作られた生物兵器による、大量殺人・侵略行為。それを食い止めるべく本拠地に乗り込んだコウタ、コウミ、ハウ。そこで、アローラ地方4島の守り神の偽物と対峙した際、彼等の目の前でコウミが殺されかけた。
あの時はグラジオの乱入によって難を逃れ、全滅を免れた。だが、そんなときに目の前で仲間が危険に晒されているのに自分は手も足も出なかったという事実が、今でも彼にのしかかっている。
そして今回、またしても目の前で仲間が襲われ、あの時の光景がよみがえった。忘れたくても忘れられなかった。
2度とそんな目に遭わせない、何よりこんな自分に愛を誓い、結ばれた相手を絶対に守り抜く。そこから、傷つけた相手を絶対に許さないという負の感情に歪んだ彼は暴走した。
 ▼ 59 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 21:54:14 ID:xq3si/HE [8/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
コウタ「…僕は……誰も失いたくなかったんだ…誰も……なのに…。」
マリィ「!」

彼の目には少しずつ涙が溜まる。ハウとマリィは気付き、そのまま彼の話の続きを聞き続けた。

コウタ「…また、目の前で…コウミが…その後は皆が……気が付いたら、ただただあいつが…あの大男が憎かった…!



けどその結果かえって状況を悪化させた!マサルに逆ギレだってしちゃったし!今もまだ操られた人々を皆で救わなきゃいけないのに!僕のせいで…!」

既に決壊しかかっているコウタにマリィが寄る。そして―――

マリィ「コウタ。」

コウタ「ッ!?」

コウタはマリィに抱きしめられた。優しく、包み込むように。

マリィ「コウタ…あんたはいつもがんばっと―ね。あたしも、皆も、よーく知ってる。付き合いの長いアローラの仲間は勿論、ガラルの皆にだってわかるよ。





だから、あんた1人でそこまで背負い込むことなんてなか。」

コウタ「……。」

ハウ「そうだよー。あんなことがあった後なのにさ、コウミが一度でもコウタに嫌な顔したことなんてあった?おれにもリーリエにも、グラジオにもそうは見えなかったよ。それどころかコウミはコウタが1人でガラル地方に行ったとき、胸張って迎えられるようにって、ずっっっとアローラチャンピオンで居続けたんだよ。」

マリィ「すごいよね。自分よりも誰かのために、それも好きな男の為にそこまで頑張れるなんて、ほんとにすごい。……だから、あんたはもうちょっと肩の力、抜きなよ。」

コウタ「…そんなことが…。」

ハウ「この失敗だって、少なくともおれとマリィ、それにコウミは、コウタを責めようだなんて思ってない。ううん、もしかしたら、他の皆も。むしろ、早く戻って来てくれるのを待ってるよー!」

マリィ「1人でも多くの力が必要だし、そんな中、コウタは誰もが頼りにしてる。でもマリィ達も皆同じ。マサルも、あんたに会いたがってるとよ。」

ハウ「君1人で背負わなくていいよう、おれたちも一緒に戦うからね!」

コウタ「…っぐ…ハウ…マリィ………ッ。」グスッ

マリィ「……落ち着いたら行こ。だからそれまでは、いくらでも胸貸しちゃるけん。そげな顔で、大好きなコウミや他の皆のところになんて行けなか。」

コウタ「すまない……ホントにすま…ない…っ!」グスッグスッ

マリィ「ごめんはマリィ達じゃなかよ。」

ハウ「そうだよコウタ。」

コウタ「そうだ…な………マリィ、ハウ。……ありがとう。」

マリィ「ん。それでよか。」ギュッ

ハウ「困ったときはお互い様、だよー!」
 ▼ 60 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 21:54:41 ID:xq3si/HE [9/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
コウタとマサルが喧嘩して1時間、コウタ、ハウ、マリィはマサルの部屋に向かっていた。同時刻、マサルもまた、ビート、リーリエと共にコウタの元へ向かっていた。2人は廊下でばったり会った。

マサル「…!コウタ、来たのか。」

コウタ「………ああ。」

マサル「…とりあえず、ここじゃあ何だ、部屋、来いよ。」

コウタ「…うん。」



マサル達は来た道を引き返し、コウタ達はその後に着いて行くようにマサルの部屋へと向かった。
そして、マサルの部屋に6人が入った。


マサル「……さっきは…なんだ、いろいろ悪かった。殴ったり、ひどい事言ったりさ。」

コウタ「待って!……違うよ、マサルは何も悪くなんてない!僕こそ、マサルに、皆に謝らなきゃいけないんだ…。


身勝手なことで作戦失敗させて…皆の雰囲気まで悪くして…本っ当にごめんなさい!!」

深く頭を下げたコウタ。マサルは一瞬たじろぐが、その後コウタの方を掴む。

マサル「もういいよ…頭をあげてくれよコウタ…俺だって…やり過ぎただけじゃない…普段のお前がどれだけ頼れる奴なのか知っていながら、お前の気持ちもわかろうとしないまま殴ったりしてよ。」



2人はその後強い握手をし、ビート達4人でそれを微笑ましく見守っていた。


ハウ「この遅れは皆で取り戻すよー!」

マリィ「そうそう。誰か1人で負うことなかよ。」

リーリエ「皆さんの気持ちは1つですから!」

ビート「1人じゃ達成できない、仲間の力あってこそ、でしょう。。」


コウタ「…あぁ!皆…本当にありがとう…ありがとう…!」

マサル「よし!ユウリ達とも合流しよう!皆、お前の復帰、待ってるぜ!」



コウタとマサルが無事、和解し、止まっていた作戦は再び動き出す。
今度こそ、誰も失わないように。

前より軽くなった足取りで、6人は皆の元へ向かって行った。





Episode#5〜過ち〜・完
 ▼ 61 シコ@デルダマ 20/10/13 22:10:24 ID:iSkkiDO6 NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 62 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 23:00:01 ID:xq3si/HE [10/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#6〜反撃〜


マサルが集合をかけ、10人が全て揃って集結する。コウタの帰還に改めて歓喜する者、心配していたと打ち明ける者はいれど、コウタを責めようという人は1人もいなかった。

コウタ「みんな、本当に迷惑をかけてごめん。こんな僕でも皆さえよければ、もう一度やり直したい!この島に囚われたトレーナーを助けるために協力させてほしい!」

ホップ「そんなの、決まってるだろ!」

ユウリ「当然!今度こそやろうよ!」

コウミ「コウタ…ホントに良かったよ…!」

グラジオ「…フッ。ようやく普段のオマエに戻ったか。」




マサル「そう言えば聞きそびれたけどよ。あのヘルメットでトレーナーが操られているのはわかったが、コウタは何で無事だったんだ?」

コウタ「正直、僕もよくわからないんだ。あの後島の中で…」


―回想―

テクテクテク…

コウタ(洗脳)「……。」

プシュー…

バチッ!

コウタ(洗脳→解除)「…っ!………あれ…?ここは…?」

ゴトン…

コウタ「…?このヘルメット…そうか…僕はあいつに…これを被せられて…。だが何でこれが勝手に…?」



―回想終了―

コウタ「…被せられて暫くのことは記憶になかったけど、気がついたら外れていたみたいんだ。……しかも、そのヘルメットは元の形がわからないぐらい、バラバラに崩れていた。中の回路どころかヘルメット自体が壊れたんだ。」

ユウリ「そんなことってあるの?」

コウタ「わからない…たまたま不良品だったのか…それとも…。」

グラジオ「……その、被せてきたヤツも大方操られていたんだろうが、特徴とかは覚えているか?」

コウタ「確か…金髪で…青い服を着ていた。ちょっと高そうな…。目元まではゴーグルのせいでわからなかったけど…あとは…


金髪の隙間からほんの少しだけど…紅い髪が見えた…かな…。メッシュにしては小さ過ぎる。」
 ▼ 63 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 23:00:30 ID:xq3si/HE [11/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
グラジオ「……もしかしたら、オレとビートは見覚えあるかもしれんな。」

ビート「…ああ。初日のあの時ぼくらに話しかけてきた人かもしれませんね。」

ホップ「まぁとりあえず、それならホントにコウタは無事だな!」

コウミ「うん!安心したよ!」

マサル「…まぁまだ引っかかるところはあるが、とりあえずは良い。作戦を立て直すぞ。」

リーリエ「まずは最初に突入班の3人が見つけたという場所を偵察しましょう。多分警備が固められていると思いますが…。」

ユウリ「そうなったら程度にもよるけど、強行突破は諦めて別のルートを探るしかないわね。」

マサル「出来る限り少人数で行くべきだな。ビート、コウタ、行けるか?」

コウタ「勿論!」

ビート「問題ありません。」


マサル、コウタ、ビートは部屋を抜け出し、広場に出た。トレーナー1人としておらず、不気味なぐらい静かだった。
もう既に島には夕日が差し込んでおり、朝からどれだけ時間が経っていたかを物語っているようだった。

やがて、3人は最初の突入口を見つけた。固く閉ざされ、どうも侵入は難しそうだった。

マサル「…やっぱダメか。」

コウタ「…?けど変だ。あの時の大男はいない。代わりに…!?あいつだ…あいつが僕にヘルメットを!」

閉ざされた突入口の前には、ヘルメットを被った金髪のトレーナー・ジャックが扉を守るかのように立っていた。辺りを見回し、マサル達と目が合う。

ビート「……やはり、あの時ぼくとグラジオ君が見た、あのトレーナー…!」

マサル「そうだったのか。まぁあいつも聞いていた通りヘルメットを被ってやがるな。てことは敵だろう。…けどあれだけ騒ぎがあったにも関わらず警備があいつしかいないぜ?」

コウタ「…よし、1人が囮になって、その間にこじ開けよう。助けを呼ばれそうになったら即撤退で、あそこは完全に諦める方向で、どうかな?」

マサル「ここでやることっつったらそれしかないな。OK!乗ったぜ!」

ビート「突撃しますよ!」


3人はそのまま飛び出し、閉ざされた突入口の前にいる、ジャックと対峙した。



ジャック「…キリキザン。」ポンッ

ジャックのキリキザン「キザ…!」

コウタ「頼むぞガオガエン!」ポンッ

コウタのガオガエン「がおぐぅ!」
 ▼ 64 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 23:01:03 ID:xq3si/HE [12/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
コウタとジャックが戦闘を開始、マサルとビートはその間に扉の方へと走った。

マサル「よし、今のうちに…!」

ビート「!待ちなさい、何か来ます!」


バチィッ!!

ジャックのランターン「ランターーン。」


マサル「くそっ…!ならこっちもゴリランダーを…ってうわ!?」

バチィッ!!   バチィッ!!

ビート「ぐぅ!ぼくらにポケモンを出させない気か!?」

ランターンはマサルとビートの周囲や間に“10まんボルト”を放ち続ける。
まるで扉を守る―――というより、外野からの介入を許さないかのように。

そしてコウタと交戦しているジャックは…何やら端末を操作していた。


コウタ「…どういうことだ。」

マサル「どうしたコウタ!」

コウタ「あのキリキザン、こっちの攻撃を避けるか捌くかで、反撃してこないんだ…。ガオガエン、“かみなりパンチ”だ!」

コウタのガオガエン「がぁう!」ブンッ

ジャックのキリキザン「キザッ!」ヒュッ

コウタ「また避けられた…!」

ジャック「…。」

マサル「くそ…しかもあいつ、指示を出さないでずっとなんか弄ってるし、何なんだ…!」

ビート「援軍を呼んでるのだとしたらかなりまずい…!コウタ君、一度退きましょう。」

コウタ「…仕方ない、戻れガオガエン。」シュゥゥン

コウタがガオガエンを戻したことを確認すると、ジャックもキリキザンも戦闘を終了した。警戒する一同に、ジャックは手に持っていた端末をコウタに投げた。

ビュンッ!

コウタ「ッ!?こ、これは…!?」パシィ!

ジャック「…。」ポンッ

ジャックのウォーグル「ウォー!!」バサッ
 ▼ 65 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 23:01:31 ID:xq3si/HE [13/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「あいつ、まだやる気か!?」

ビート「…!?いや、違う、逃げる気です!」

コウタ「おい!待て!」


ジャックは端末を彼等に渡したかと思えば、ウォーグルを繰り出し、飛び去って行った。
不可解な行動に困惑しながらも、3人は一度持ち帰ることにした。今の間に援軍が来る可能性を考慮し、囲まれる前に退いて体勢を立て直すのだ。



―マサルの部屋―

マサル「……ってことがあって、手土産にこれを持って帰ってきたって訳だ。」

ビート「あのトレーナー、やはりジャックでした。」

コウミ「ジャック…?アローラでも聞いたことない名前ね…。グラジオとビートが見覚えあるっていう子?それに、その渡してきたって言う端末は、何なの?」

コウタ「……!?これって…!!」

端末内のデータを開くと、そこには島全土の地図、それも、一般人が立ち入れないようなところまでリストアップされていた。
更にその中には、他の侵入ルート、警備の徘徊なども記されていた。

グラジオ「こんな貴重なデータを…あいつは操られているにもかかわらず送ってきたのか…!?」

リーリエ「それにその人、コウタさんにヘルメットを被せて、しかもそのヘルメットって独りでに壊れたんですよね?…何なんでしょう、一体。」

ホップ「けどよ、オレはそれを信じるしかないと思うぜ。」

ユウリ「うん。この内容、かなり精度が高い。私達が立ち入った場所についても正確に記録されているわ。それにもう他の手がかりもないしね。」

マサル「あとは皆が賛成してくれれば…って、聞くまでもないようだな。」

全員、マサルの方を向いて頷いていた。決意を固め、ジャックから渡されたデータに沿っての侵入を決めたのだ。

コウタ「うまくいけば途中で戦う数をなくすか減らすかはできそうだな。」

ハウ「よし、みんな、今度こそ突入だー!」


全員一斉に立ち上がり、島内への侵入を試みた。
 ▼ 66 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 23:29:39 ID:xq3si/HE [14/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
――PWR内――

ハウ「‪一時‬はどうなるかと思ったけど、ホントにあっさり入り込めたね。」

リーリエ「ええ!…何で敵であるはずのジャックさんがこんなものを送ってきたのかはわかりませんが…。」

マサル「…ただ、入れたは良いが全員で突撃してる分、ドタバタするから気付かれる確率も上がっちまう。適当なところで2人一組に分かれよう。」

10人はここから渡されたデータを全員で共有。そして各分岐点から島の真相を掴むべく、5組に散って行動を開始する。


―ビート&リーリエside―
ビート「リーリエさん、あなたも戦えるみたいですね。ぼくというエリートと組めた時点で、あなたは大船に乗ったつもりでいてください。」

ふふん、と余裕の笑みを浮かべるビート。それに対しリーリエは…

リーリエ「はい!私、ビートさんの足を引っ張らないよう、頑張ります!」

実に、純粋。周りから煙たがれるような言動であるにもかかわらず、リーリエは嫌な顔一つせず信じ切っている。
ビートは「そう、それでいいのです」と、前を見て走りながら返すが、本人の顔は真っ赤である。リーリエは気付く由もないが。
そして2人が進んでいるところでトレーナーに遭遇した。



キャンプボーイ・シンヤ(洗脳)「ここから先へは行かせない!行け!マッスグマ!」ポンッ
シンヤのマッスグマ「グマッ!」

メルヘンしょうじょ・アリス(洗脳)「あなたたちはここで捕まるの。クチート行って。」
アリスのクチート「くちぃー…。」



ビート「…チッ。ギャロップ!」ポンッ
ビートのガラルギャロップ「ひひーーん!!」

リーリエ「ピッピさん!お願いします!」
リーリエのピッピ「ぴっぴー♪」


ビート「そこをどきなさい!ギャロップ、クチートに“ドリルライナー”!」
ビートのガラルギャロップ「ヒヒィーンッ!」ギュルルルルル

ズドォン!!

アリスのクチート「くちぃ…!」ドサッ

シンヤ(洗脳)「マッスグマ、ピッピに“きりさく”攻撃!」
シンヤのマッスグマ「グマァー!!」

リーリエ「“リフレクター”!!」
リーリエのピッピ「ぴっぴー♪」ピカァァァ


アリス(洗脳)「クチート、戻って。クレッフィ。」
アリスのクレッフィ「クレーーッフィフィフィ♪」
 ▼ 67 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 23:29:57 ID:xq3si/HE [15/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―ユウリ・ホップside―

ユウリ「来るよ、ホップ!」

ホップ「おう!こっちは準備万端だ!」



おぼっちゃま・ショウイチ(洗脳)「トリミアン、行け!」ポンッ
ショウイチのトリミアン「アォン!」

おじょうさま・サユリ(洗脳)「ペルシアン、あなたもあの2人を食い止めて!」ポンッ
サユリのペルシアン「ニャーゴ!」

ミニスカート・メイ(洗脳)「逃げられないわよ。ロゼリア、侵入者を捕まえて。」ポンッ
メイのロゼリア「ローゼ。」

えんじ(女)・ハルナ(洗脳)「もうにげられないよおにいちゃんたち。ミミッキュとあたしで捕まえるもん。」ポンッ
ハルナのミミッキュ「きゅー!」



ホップ「…いいぜ!何人来たってオレとユウリが蹴散らしてやるよ!頼むぜアーマーガア!」ポンッ
ホップのアーマーガア「カァー!」

ユウリ「あの時のバトルイベントにいたトレーナー以外にもこんなに…!でも、全員助けるよ!シュバルゴ!」
ユウリのシュバルゴ「シュバ!」


ショウイチ(洗脳)「一斉攻撃だ!トリミアン、“とっしん”!」
サユリ(洗脳)「ペルシアン、“パワージェム”!」
メイ(洗脳)「ロゼリア、“はなびらのまい”!」
ハルナ(洗脳)「ミミッキュ、“だましうち”!」
ポケモン達「キシャーーーッ!!!」


ホップ「アーマーガア負けるな!“はがねのつばさ”!」
ユウリ「シュバルゴも“スマートホーン”で迎え撃って!」

ホップのアーマーガア「カァーー!!」
ユウリのシュバルゴ「シュバッ!!」
 ▼ 68 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 23:30:24 ID:xq3si/HE [16/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―コウミ・ハウside―

コウミ「リザードン!“エアスラッシュ”!!」
ハウ「ライチュウ、“10まんボルト”だぁぁ!!」

コウミのリザードン「グオオゥ!!」ビュビュビュッ
ハウのアローラライチュウ「ライラーーイ!!」ビリビリビリ

ピクニックガール・カオリ(洗脳)「ウツボット、“リーフストーム”!」
カオリのウツボット「ボォーット!」ビュゴォォォォ

たんぱんこぞう・モトキ(洗脳)「ペンドラー、“ハードローラー”!」
モトキのペンドラー「ペドォォォ!」ドゥルルルル



コウミ「ドヒドイデはニドキングに“ねっとう”!フーディンはニドクインに“サイコキネシス”!!」
コウミのドヒドイデ「ドヒッ!」バシャーッ
コウミのフーディン「フーー!」ピロロロ

カオリのニドキング「ガァァーー!!」ジュウウウッ
カオリのニドクイン「ニドォーー!」ズドォン

カオリ(洗脳→気絶)「…うっ……あぁっ………。」プシュー…

にんじゃごっこ・ヒロノブ(洗脳)「次はせっしゃの番でござる!」
ヒロノブのズバット2匹「ズバァー!」「ズバッ!」
ヒロノブのゴルバット「ゴバァ!」
ヒロノブのグレッグル「グゥー…!」

コウミ「いいわ!相手になってあげる!」



ハウ「ケンタロス!“アイアンヘッド”だ!」
ハウのケンタロス「ぶもぉーーー!」ズドォン!

モトキのカイロス「か…かいぃ…!」バタン
モトキ(洗脳→気絶)「うわぁっ…あ…頭が…うっ。」ガクン

たんぱんこぞう・カツミ(洗脳)「絶対に捕まえる!」
カツミのゴマゾウ「アォン!」
カツミのドンファン「ドンファン!」
カツミのオニドリル「グェー!」

ハウ「またトレーナー…!キリがないよー!……けど、やってやる!ここで負けてたら、コウタとコウミには絶対勝てないもんね!」
 ▼ 69 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 23:30:50 ID:xq3si/HE [17/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―グラジオ・マリィside―

グラジオ「リザードン、“かえんほうしゃ”!ルカリオは“ラスターカノン”!」
グラジオのリザードン「ガァ!」ボォォォォ
グラジオのルカリオ「くわんぬ!」ビィィィィィ

ドォォン

ミニスカート・サラ(洗脳)「………ッ!!」
サラのデデンネ「で……んねぇ…。」パタン
サラのグランブル「グラァ…!」バターン

サラ(洗脳→気絶)「このトレーナー…強い……あうぅ…っ。」プシュー…ドサッ



マリィ「ズルズキン、“かみくだく”!」
マリィのズルズキン「ずきんっ!」ガブゥ

エリートトレーナー(男)のヒロシ(洗脳→気絶)「くそ…この俺が…負けるなんて…!」ドサッ
ヒロシのシャンデラ「デラ…シャン…。」ドサッ



グラジオ「……まだまだ行けるか、マリィ。」

マリィ「あたしはまだまだやれるとよ。それより自分の心配しなくてよか?」

グラジオ「……フッ!愚問だな。………来るぞ!」

マリィ「うん!」



エリートトレーナー(男)・ケント(洗脳)「挟み撃ちだ。」
ケントのブーバー「ぶーばー!」
ケントのマンムー「ムゥゥン!」

えんじ(女)・アカリ(洗脳)「わたしのかわいいこのこたちで、あなたたちをつかまえるの。」
アカリのミニリュウ「リュー!」
アカリのフカマル「フカッ!」
アカリのタツベイ「ベイベイ!」



グラジオ「……何人来ようが…!」
マリィ「マリィ達の敵じゃなか!行くよみんな!」
 ▼ 70 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 23:31:31 ID:xq3si/HE [18/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―マサル・コウタside―

むしとりしょうねん・ダイスケ(洗脳→気絶)「くそ…止められなかった…。」ガクッ
ダイスケのアゲハント「フィー…!」パタッ
ダイスケのコロトック「コロロ…。」パタン

エリートトレーナー(女)・エリナ(洗脳→気絶)「うぅ…やるわねこの侵入者達…あっ…。」ドサッ
エリナのブニャット「にゃあ…。」ズドン
エリナのフーディン「ふー…。」ドサッ



コウタ「…ふぅ…流石にもう島内に警備が集中してるのか…にしても、子供にこんなことをさせるなんて…。」
マサル「まるで兵士か奴隷だぜ……あっ、コウタ!あいつ!」

マサルが指を指した方向には、ジャックがいた。
ジャック「…。」

コウタ「君がジャックか…。さっき君から貰った端末のデータの場所、ここまで僕らをおびき寄せて、一体何のつもりなんだ?」

コウタはジャックに問う。しかし、答える気配はない。

マサル「おい、何とか言えよ!」


/ビーーーッ!ビーーーッ!\


コウタ・マサル「「!?」」
ジャック「…!」


シュゥゥーーン…


コウタ「な、何だ今の…。」

ジャック「……ジャミングだね。」

マサル「何!?」

ジャック「たった今、この島内で敵味方問わず、全てのモンスターボールが使えなくなった。」

コウタ「なんだって!?」

マサル「お前!まさかこれを狙って、おびき寄せた俺達をまとめて捕まえようってか!」

ジャック「……。」


反撃に転じたマサル達を襲う新たな脅威により、一転して窮地に立たされてしまった一行。
そして、度々彼らの様子を影から見てきた謎のトレーナー、ジャック。
ジャックの目的は一体何なのか。





Episode#6〜反撃〜・完
 ▼ 71 日はここまで◆6NpEuhCrOQ 20/10/13 23:45:32 ID:xq3si/HE [19/19] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
明日更新予定…7話(ジャック回)、8話
 ▼ 72 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:00:00 ID:8RhcqZFY [1/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#7〜ジャック〜
―ビート・リーリエside―

ビート「ふぅ…ぼくらの進んだ道は、トレーナーが2人で助かりましたね。先を急ぎますよ。」

リーリエ「はい!ビートさんありがとうございます!」

ビート「いやいや、ぼくの方こそ、あなたの的確なサポートに助けられました、礼を言うのはぼくの方だ。」



次々と操られた少年少女達を各個撃破し、順調に進んでいるビートとリーリエ。警備は均等に分散していなかったのか、彼等の進む道はトレーナーが少なかった。

………しかし、突如としてその進撃は止まってしまうのだった。


ビートのニンフィア「ふぃ、ふぃあっ?」シューン…
リーリエのアブリボン「ぶりりぃー?」シューン…


ビート「!?に、ニンフィア?なぜ勝手にボールに戻ったんです?」
リーリエ「あ、アブリボンさん!?」


困惑する2人。それもそのはず。先程まで出していたニンフィアとアブリボンが独りでに戻ったのだ。
もちろん、ビートもリーリエも、まだ手持ちのポケモンを戻す操作はしていないそれどころかボールは先程からずっと身につけたままだ。誰かに触られたかのような感触もない。何よりニンフィアとアブリボンも、予期していなかったのか戻る瞬間は驚いたような表情だった。持ち主の前に出ていたため全く見えていなかったが。


リーリエ「…!?ビートさん!モンスターボールが!」

ビート「全く…反応しない…だと!?」

2人はそれぞれ手持ちのポケモンが入っているモンスターボール、スーパーボールのボタンを押すが、一向に反応しない。これが、この島内につい先程張り巡らされた“ジャミング”である。
そしてその2人の元に、更に操られたトレーナー達が襲い掛かる。



少年(洗脳)「いたぞ。侵入者だ。」
少女(洗脳)「観念しなさい!」


ビート「……チッ!ひとまず逃げますよ!」
リーリエ「は、はいっ!」

2人はなす術もなく、一目散に逃げだす。先程まで攻勢だった状況は一変、逃げ惑う羽目になり、ビートは唇を噛み締める。
 ▼ 73 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:00:53 ID:8RhcqZFY [2/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―ユウリ・ホップside―

ユウリ&ホップ「「おらおらおらーーーー!!」」

メルヘンしょうじょ・クミコ(洗脳→気絶)「あぁ……ごめんなさい…ごめんなさい…。」パタン
クミコのクレッフィ「フィフィフィ…。」カチャン
クミコのマリルリ「ル……ルリ…。」バタン

じゅくがえり・ケンスケ(洗脳→気絶)「そんな……ここまで追い詰めたのに…。」ドサッ
ケンスケのモンジャラ「モジャア…!」ドサッ
ケンスケのシャワーズ「シャワァ…!」バタン


ホップ「ふぅ…!これだけ倒せばこの辺はもういないだろ!」
ユウリ「さっすがホップ!やっぱり頼りになる!」
イエーイ!と、ハイタッチを交わす2人。

ホップのインテレオン「…!?」
ユウリのエースバーン「ふぁい…?」

ホップ「…ん?どうしたんだインテレオン?エースバーンも…!?」

ホップのインテレオン「うぉれおんっ…!?」ビュンッ

ホップ「い、インテレオン!?」

ユウリのエースバーン「ふぁ、ファイニー!?」ビュンッ



ホップとユウリでも、ポケモンが勝手にボールに戻されてしまっていた。そして案の定、2人はボールから再度手持ちを出そうとするが、ボールは開かない。

ホップ「くそ!何がどうなってるんだぞ!?」カチカチ

ユウリ「なんで!?どうして!?お願い、動いてよ私達のモンスターボールッ!!」カチカチ

焦りだす2人。そして魔の手は、彼等にも近づいていた。



少年(洗脳)「よし、今のうちに捕まえよう。みんな、挟み撃ちだ!」
別の少年達(洗脳)「おー!」「よっしゃ!」「チャンスだ!」「いっけー!」

ホップとユウリの面お前に、操られた少年達が群がった。

ホップ「げっ!?もう来たのか!?」
ユウリ「に、逃げようホップ!……って、嘘でしょ!?」

来た道を引き返そうとした2人の前にまた少年達。

ホップ「うわ!こっちからも!」

そしてもう一方残された分かれ道も塞がれてしまった。2人は一瞬で追い詰められてしまった。
ホップ「そんな…囲まれたぞ…!」
ユウリ「私達…これからどうなっちゃうの…?」

少年(洗脳)「悪い侵入者の兄ちゃん姉ちゃん、無駄な抵抗はやめるんだ!それ皆!捕まえろー!」

ユウリ&ホップ「「うわぁーーー!!!」」
 ▼ 74 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:01:16 ID:8RhcqZFY [3/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―コウミ・ハウside―

コウミ「あなたで…最後よっ!ドヒドイデ、“ねっとう”でトドメ!」
コウミのドヒドイデ「ドヒドーーー!!」バッシャァン

チセのザングース「ザンッ!?……ザン…!」ドサッ
チセのシキジカ「キュウ〜〜。」パタン
ミニスカート・チセ(洗脳→気絶)「あうぅ…負けちゃった…。」ドサッ


ハウ「コウミー!こっちも終わったよー!」
ハウのシャワーズ「シャワァ!」

コウミ「やったねハウ!ドヒドイデもありがとう、一旦休んでて!」シュンッ
ハウ「シャワーズもありがとう!戻れ!」シュンッ

2人はポケモンをボールに戻した。そしてすぐにまた進行を開始した。

ハウ「この辺りもだいぶ減ってきたねー。」

コウミ「…ところでハウ、分かれて突撃する前にコウタと何を話してたの?」

ハウ「あー…それはねー…。」

―回想―
コウタ「ハウ、僕はマサルと行った方が良さそうみたいなんだ…だから…その…。」

ハウ「……。」

ポン

ハウ「大丈夫。何も言わなくていいよー。…………コウミは、必ず守るからさ、コウタも無事でいてくれよ。(小声)」

コウタ「……ありがとう。宜しく頼んだよ。君こそ、倒れるなよ。」

ハウ「もちろん。頑張るからねー。」

ガシッ!

――――

ハウ「……男同士の約束、かな。」

コウミ「うわー、何よそれー。……でも、ちょっとかっこいいかも♪」

ハウ「へへへ。…って、また来たよ!」

またしても、操られた軍勢が押し寄せてきた。しかし誰もモンスターボールを構えていない。

コウミ「いいわ、相手になってあげる!」
ハウ「…って、大変だよコウミ!モンスターボールが開かない!」
コウミ「えっ!?ホ、ホントだ…!どうして!?」

こちらでもまた、ポケモンを繰り出せなくなり、モンスターボールの機能が封じられていた。
操られた少女達「捕まえてあげるわ!覚悟!」「こいつらを縛りましょう!」「観念しなさい!」

コウミ「嘘でしょ…こんなところで…!」
ハウ「くそっ…捕まるわけにはいかない!コウミ、引き返すよ!」
 ▼ 75 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:01:39 ID:8RhcqZFY [4/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―グラジオ・マリィside―

タモンのウソッキー「ウソッキ〜〜…。」バタン
タモンのランターン「ラァン…。」ドサッ
タモンのワタッコ「ワタッコ…。」グルグル〜

キャンプボーイ・タモン(洗脳→気絶)「この兄ちゃん…強い…よ…。ぐあっ…。」ドサッ

フミトシのサンドパン「サン…。」バタン
フミトシのゴルバット「グエ〜…。」グルグル
フミトシのロコン「コォン…。」パタッ

じゅくがえり・フミトシ(洗脳→気絶)「なんで…こんな…あくタイプに偏ったお姉ちゃんに…!」ドサッ



こちらでも押し寄せてきたトレーナーの軍勢を押し退け、先程までの挟み撃ちの刺客も、その後の敵の増援も難なく蹴散らした2人は手持ちのポケモンを戻す。2人のポケモンは然程消耗していなかった。

グラジオ「……もう終わりのようだな。」

マリィ「うん、何事もなければ良いんだけど…。」

2人は先を急ぐ。そこから先、しばらくはトレーナーがいなかった。
やがて進み続けると、分かれ道があった。1つはそのまま通路を真っ直ぐ、もう1つは少し狭い道だった。

マリィ「ねぇ…どうするん?」
グラジオ「…………足音が聞こえるな。」
マリィ「…!それも…結構な人数…あたしも聞こえたとよ。」
グラジオ「こっちの狭いところ…とりあえず人間でも通り抜けはできそうだ。行くぞ。」


2人はすぐに狭い方の道に駆け込んだ。案の定、もう1つの通路からは敵の軍勢だった。

< おい!あの感じ悪い白い髪の奴と、白い服の女は!?
< 見失ったね。だけどそのうちどこかで挟み撃ちになるさ。このまま進むぞ!

ドドドドドド………


グラジオ「……。あいつら、行ったな。」

マリィ「それにさっき言ってたのって…リーリエと…一緒に行動していたのはビートやったね。」

グラジオ「その2人が、まさかここにいるとは思わなかったがな。」




ビート「……2人とも、無事だったみたいですね。」

リーリエ「ふぅ…危なかったです…お兄様もマリィさんも、無事でよかった…!」



グラジオとマリィが駆け込んだ狭い通路には、既に隠れてやり過ごしていたビートとリーリエがいた。
合流に成功した4人は、軍勢がいないことを再確認し、先へ進む。
 ▼ 76 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:03:20 ID:8RhcqZFY [5/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―マサル・コウタside―

マサル「ジャミング…だって…!?」
コウタ「モンスターボールが全て使えなくなる…!?」

ジャック「…そうだね。」

ジャックから放たれた言葉……それは、島内全てのボールが機能しなくなるものだった。
こちら側は10人しかいないのに対し、敵はその数倍以上の頭数。今度はこちらが多勢に無勢となっていた。

ジャック「……このままだと、キミらの仲間、全員捕まるよ。」

マサル「お前…!」ギリッ

コウタ「このままだと…皆が…。」

2人はジャックを睨みつける。しかし、次の瞬間、ジャックは意外な言葉を放つ。
 ▼ 77 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:04:40 ID:8RhcqZFY [6/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告


ジャック「そこで、だ。キミらにはちょいと協力して欲しいことがある。」パカッ
そういったジャックは何と、自らヘルメットを脱いでみせた。

マサル「え……!?」
コウタ「…どういう…ことだ…まさか君は!?」

ジャック「そ。ボクは別に操られてなんかいないさ。このヘルメットにはちょいと細工してあるんでね。ちなみに、キミ…コウタに被せたヘルメットに関しても細工してある。ただ最初から無効だと怪しまれるから、途中までは操られてもらう必要があったけどね。」

コウタ「なるほど……だから君が僕にヘルメットを被せて、しかもそれなのに僕は最終的に無事に合流できたというわけか。」

マサル「そんなことがあったとはな…。ならあそこの警備がお前1人しかいなかったのも、お前の計らいか。」

ジャック「そーゆーコト。」



ジャックはその後、2日目のバトルイベントで勝利したコウタ達が入っていくところに、観客席から飛び降りてこっそり忍び込んだところ、忍び込んだ先で怪しいヘルメットを1つ失敬したこと、そしてこの人工島PWRの正体を語る。

コウタ「つまりここは、リゾートなんてのは建前で…。」

マサル「子供達を操って少年兵にする、養成施設だったってことか…!?」

コウタ「そうか……だから、有名なトレーナーを各国から集めたと謳っていた割に、名前を聞いたことあるようなトレーナーすら見かけなかったわけだ…。」

マサル「けど何のために…!?」

ジャック「それはボクもわからなくて、調査中なんだよ。っと、そんなことよりも協力して欲しい事なんだけどね。」
そう言ってジャックは、コウタに視線を向け、小さな機械を渡す。
 ▼ 78 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:04:58 ID:8RhcqZFY [7/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ジャック「キミはボクの手伝いをしてほしいのよ。ほいこれ。」

コウタ「これは…?」

ジャック「実はジャミングをどの部屋でやってるのかは、大体目星がついている。キミに渡したデータの中に、赤いマークが付いている部屋。その機械を使ってハッキングの手伝いをしてほしい。


………これはボクとキミにしかできないだろうからね。」

コウタ「………わかった。信じよう。」
コウタは少し考えこんだ後、承諾する。

マサル「……まぁお前が操られていないのは本当っぽいな。それで、俺はどうすればいいんだ。」

ジャック「キミにも手伝ってもらうよ。ボクとコウタの補佐、宜しくね。」
 ▼ 79 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:05:21 ID:8RhcqZFY [8/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル、コウタは再びヘルメットを被ったジャックの指定した道の通りに進む。ジャックは2人の後ろから後を追うように走る。これで傍から見れば、操られたように見えるジャックが2人を追跡しているように見えるからである。
とは言え、ジャックの指定したルートを走っている途中でコウタとマサルは気付く。この道を走っていてもトレーナー1人にも出くわさないことに。

コウタ「………。」

マサル「…やけに人がいねぇな。」

ジャック「そりゃあ、警備が最も手薄なところは把握してるからね♪」

誰もいないのをいいことに少し明るめに返答するジャック。そして走り始めてわずか2分で目的地に辿り着いた。

ジャック「よーしOK。ハッキングは1人でやるとそこそこ時間がかかるが、機械に強い人間が他にもいればチャチャッと終わるさ☆」

コウタ「……………そうだな。」

マサル「……それより聞いても良いか?」

ジャック「おう、何だ?」

マサル「お前は何でここに忍び込もうと思った?それと、お前俺達とは初対面だよな?バトルに出ていたコウタの名前は知ってても、何でこいつが機械に強いってわかったんだよ。」

ジャック「一度にたくさん聞いてくるなぁ。1つ目の質問は、それがボクの仕事だから。もう1つは……勘?とりあえず早く作業しよう。キミの仲間達を早く助けなきゃだろ?」カチャカチャ

マサル「…わかった。」カチャカチャ

コウタ(僕も実は気になっていた……ジャック…本当に初対面なのか…?)カチャカチャ

3人はその後黙って機械を動かし続ける。ジャックの謎について、結局彼等の疑問は解消されず、悶々としながら…。



ジャック「…よーし、作業終了!2人ともちょいとポケモン出してみ!」

ポンッ

コウタのガオガエン「がぉぐぅ!」

マサルのゴリランダー「グラリラー!」

ジャックのキリキザン「キザッ!」



コウタ「…よし!これなら!」

ジャック「ここまでで第1段階クリア。で、次だ。」

マサル「おいおい!復活したんなら早く助けに行かなきゃだろ!?」

ジャック「この少人数であの大多数を抑えられるの?


流石にキミらほどの実力をもってしても数には勝てないよ。」

マサル「何っ…!?」

ジャック「それよりもっと手っ取り早い方法がある。ついてきなよ♪」
 ▼ 80 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:32:20 ID:8RhcqZFY [9/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
3人はまたジャックの指示通りに進む。軍勢の警備を完璧に躱し、時には隠れ、どんどん進む。
すると道中、見覚えのある2人を見つけた。


ハウ「はぁ…はぁ…何とか振り切ったよー…。」
コウミ「…あっ!コウタとマサル……それに…また敵ぃ!?」
ハウ「で、でも1人しかいないよ?」

マサル「お前ら!無事だったのか!」
コウタ「コウミ!ハウ!よかった…!」

ハウ「それよりも!後ろに敵!いるよ!」

ジャック「…ほ〜…そこの少年と……そっちのカワイ子ちゃんは、キミらの仲間?」
コウミ「えっ…?///」

コウタ「まぁそんなとこ。2人とも安心して。このトレーナー、ジャックは操られていないみたいだ。」

コウミ&ハウ「「えっ…?」」

マサル「とにかく話は後だ!今は先を急ぐぞ。ジャック、この2人も良いよな!?」

ジャック「もちろん♪」

コウミとハウが合流し、5人は更に先を急ぐ。そして5分程で1つの部屋に着いた。

ジャック「この扉だけちょっとロックがかかっててね…でもこれぐらいなら…。」
ジャックは小型の機械を取り付け、何かを入力し始める。するとその扉はあっさり開いた。

コウタ「…ハッキングでこじ開けたか。そして……。」



サーナイト「…。」

部屋の中にはサーナイトが1匹いた。何かの機械に向けて“さいみんじゅつ”を使っていたようだ。

マサル「……なるほどな!要はあいつを倒せば!」

ジャック「あぁ。操られている少年兵達は全て無力化される。」

コウミ「で、でも!私達、ポケモンを出せなくなってて…!」

コウタ「それは心配ない。実はつい先程3人でそれを解除したところだよ。出てこいケンホロウ!」ポンッ

コウタのケンホロウ「ホロゥッ!」バサッバサッ

ハウ「え、えー!?いつの間に!?」

コウミ「ホントだ!?何で…?……でもこれはチャンスよ!フーディンお願い!」ポンッ

コウミのフーディン「フー!」


サーナイト「……サーナ。」


2人はポケモンを繰り出し、サーナイトと対峙する。サーナイトはこちらを睨みつけ、臨戦態勢に入っていた。
 ▼ 81 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:33:04 ID:8RhcqZFY [10/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
サーナイト「サーナ…!」ピロロロ…

敵のサーナイトは“サイコキネシス”の構えを取る。だが…。

コウミのフーディン「フー…!」ピロロロ

フーディンも“サイコキネシス”で応戦、サーナイトの攻撃を食い止める。
コウミ「コウタ!今のうちにお願い!」
ジャック「サーナイトの防御力はそこまでないはずだ。叩きこめ!」

コウタ「ケンホロウ、“ブレイブバード”!」
コウタのケンホロウ「ホロローーーウッ!!」ドッギューーーーン

ズドォン!
サーナイト「サナァッ…!」ズシャアァッ

フーディンと対峙している間に懐に渾身の物理攻撃を受け、大きく吹っ飛ばされる。

サーナイト「サァナァ〜〜〜…!」ピカァァァ

コウタ「“ムーンフォース”が来る…!」

コウミ「フーディン、“シャドーボール”!」

コウミのフーディン「フー!」ズゴゴゴ

フーディンは黒い影の塊を空中に生成し始める。サーナイトは月の光を一転に集め、チャージする。

そして、同時に2つの技が放たれる。

結果は…






ドガァァァン…


サーナイト「……。」ガクンッ

コウミのフーディン「フー!」

コウミ「さっすがフーディン!ありがとう!」ダキッ

“ムーンフォース”を押し返し、平然と立っていたフーディン。アローラチャンピオンの相棒はサーナイトをいとも容易く退けた。

サーナイト「…。」ヒュンッ

形勢逆転され、サーナイトはその場から消えた。

ジャック「あとはこの機械をダウンさせれば大丈夫。これぐらいなら1人ですぐに終わるぞ。」カチャカチャ
そしてジャックは、先程までサーナイトが使用していた機械に細工を始める。
 ▼ 82 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:33:21 ID:8RhcqZFY [11/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―ユウリ・ホップside―


少年兵(洗脳→気絶)「ぐっ…ぐああ!?」

別の少年兵(洗脳→気絶)「おい!どうし…あっ…うぅ…。」ドサッ

バタバタバタッ

ホップ「な…何だ…?」
ユウリ「周りの子供達…皆倒れた!?」

ホップとユウリはジャミングされている間に少年達に再度囲まれ、そのまま全身を縄で拘束されてしまっていた。
そして連行されている状態で、少年達が次々に気を失っていったのだ。

ユウリ「…っていうか!このままじゃ私達動けないよー!」

ホップ「ちょ、ユウリ!声が大きい!見つかっちまうぞ!」

ユウリ「あっ、やば…………あれ…?」

思わず大きな声で叫んでしまったユウリだが、誰も来ないどころか足音も聞こえない。

ホップ「何が…どうなってるんだ…?」

ユウリ「…ってかホップ、ちょっと…あんまりこっち見ないで…。///」

ホップ「えっ…あっご、ごめんだぞ!///」バッ

不意に手を離され2人が縛られたまま倒れたが、その体勢はホップが正面を向くとユウリのスカートの中を覗き込むような角度だった。

ユウリ「み…見た…?///」

ホップ「……すまん…少しだけ…ホントにすまん…。///」

ユウリ「うぅ…恥ずかしい…。///」

気まずい雰囲気になってしまう2人であった。



ポンッ
ユウリのエースバーン「ファイニー!」ピョンッ
ホップのインテレオン「うぉれおんっ!」スタッ

ホップ「あっ、インテレオン!エースバーンも!?出てこれたのか!!」
ユウリ「でもどうして…さっきまでボール使えなかったのに?」
ホップ「とにかくこれでひとまず安心だな!オレ達の縄をほどいてくれ!」

2匹は主人達の拘束を解いた。やっと自由の身になれた2人はお互い喜び合った。

ユウリ「ありがとうエースバーン!インテレオン!」
ホップ「助かったぜ相棒!」

ユウリのエースバーン「ファイッ!」
ホップのインテレオン「うぉれん!」

 ▼ 83 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:34:00 ID:8RhcqZFY [12/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―ビート・リーリエ・グラジオ・マリィside―

グラジオ「……クソッ、このままではいずれ見つかるぞ…。」

ビート「警備が集中してしまっていますね…。」


4人は先程の場所から動けずにいた。少年兵達が徐々に集まってきてしまっていたのだ。


少女(洗脳→気絶)「あっ……あ…頭が……きゃっ…。」バタッ

バタバタバタッ

マリィ「…!?何が起こっとーと…?」

リーリエ「操られた皆さんが…一斉に倒れちゃいました…?」

集まってきた少女達やその他のところから来た少年達も、次々に倒れていった。

周囲に、他に誰もいないことを確認し、グラジオを先頭に4人は隠れていた狭い通路から抜け出す。


ツンツン

ユサユサ


マリィ「……ホントに気を失っとるばい。別にこの子達とバトルしたわけでもなか、倒した時と同じばい。」

ビート「…一体何が起こったんだ…?」
 ▼ 84 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:34:08 ID:8RhcqZFY [13/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
<おーい!ビート!マリィー!みんなー!

別の方向から声がする。グラジオ達が振り向くと、そこには先程まで拘束されていたホップとユウリ、そしてエースバーンとインテレオンが走ってこちらに向かっていた。


ユウリ「よかった!グラジオもリーリエちゃんも無事だったんだね!」

リーリエ「皆さん…!?それにポケモンも…!?」

ホップ「あぁ!なんだかよくわからないけど、周りの奴らが勝手に倒れて、ボールも使えるようになったんだ!」

ユウリ「それに、ここでもやっぱり同じことが起きていたんだ…皆倒れてる…。」

ビート「兎にも角にも、あとはマサル君とコウタ君、そしてコウミさんとハウ君ですね。」

マリィ「そ、そうね!あの子らも心配やけん。」



新たにホップとユウリが合流し、6人は静まり返った島内で残りの仲間を探すことにした。
 ▼ 85 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:34:54 ID:8RhcqZFY [14/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―マサル・コウタ・ジャック・コウミ・ハウside―

マサル「これで終わったんだな!」

ジャック「一旦はね。ひとまず操られていた子供達はじきに目を覚ます筈さ。」

コウミ「でもまだ安心できないよね。」

コウタ「ああ。こんなことをした元凶を止めないと!」
ハウ「その為にも、皆と合流しようよー!」
ジャック「そうだな。とりあえず探しに行くかい?」
コウタ「……足音がこっちに近づいてきている。とりあえず僕が出るよ。」
コウミ「多分敵はもうこの辺にいないだろうけど、気を付けてね?」



そしてコウタは部屋を出て、足音がする方向へ向かった。6人程度だろう。

リーリエ「あっ、コウタさん!」
マリィ「よかった…無事だったんね。マサルは?」
リーリエとマリィが真っ先にコウタに駆け寄り、グラジオとビートも続いた。

コウタ「あぁ。みんなも無事だ。……それと…ジャックもいる。」
グラジオ「何…!?」
ビート「あの人が…!?」
4人はマサル達と合流し、部屋に入った。そしてようやく10人が再度集結し、そこにジャックも加えた11人が一堂に会した。
 ▼ 86 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:35:30 ID:8RhcqZFY [15/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
リーリエ「じゃあ…ジャックさんは最初から操られていなくて…!」
マリィ「コウタが捕まった中でただ一人無事だったのも…。」
グラジオ「……ジャミングが解け、操られたヤツ等が一斉に倒れて無力化されたのも…。」
ビート「……全部あなたのお陰だった…ってわけですか。」
ジャック「うむ♪まぁそういうことだ………それと…





久しぶりだね。ガラルの諸君にコウタ。それと、他の4人は初めまして、かな?」クイッ

そう言うと突如ジャックは自分の顔と髪に手をかけた…。そこには…10人全員が衝撃を受けた。ジャックの頭部は、変装用のシリコンラバーと、金髪のウィッグで覆われていたのだ。
 ▼ 87 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 21:36:27 ID:8RhcqZFY [16/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
その正体―――燃える炎のような深紅の髪と赤い瞳―――コウタとガラルの面々は見覚えがある、本来ここにはいない筈の人物だった。


コウタ「き、君は…!?」
マサル「なんでだよ…何でお前がここにいるんだよ……………アトラ!!!」

アトラ「やぁやぁ。ご無沙汰だね☆」



ジャックの正体―――それはかつて、たった1人でガラル地方全土を手中に収める一歩手前まで追い込んだ脅威の天才少女にして、事件解決後にコウタとマサルに諭され、改心し、逮捕された筈のアトラだったのだ。

アトラ「いやいや、まぁ隠してて悪かったね。ボクも正直獄中から出ることになるとは思わなかったけど…信じられないことがあってさ。それで仕事として男装と偽名を使ってここに侵入してきたのさ。

…このPWRで動こうとしている事件を、ぶっ潰すためにさ!!」





Episode#7〜ジャック〜・完
 ▼ 88 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:02:33 ID:8RhcqZFY [17/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#8〜一転攻勢、人工島の真実〜

【3日目・時間不明】

アローラ、ガラル地方の10人が人工島『ポケモンワールドリゾート』―通称PWRに上陸してから3日目…多数の少年少女達が姿を現し、他のトレーナーを襲撃する事件が起きた。
マサル・コウタを筆頭に10人はこの事件の真相を掴むため、そしてこの島にいるトレーナー――子供達を助けるため動き出したのだ。

そんな中、謎のトレーナー・ジャックはコウタ達に接近し、襲撃を装いながらこの島内の、表向きには利用者が立ち入れない場所を示したデータの入った端末を渡し、10人はそのデータに従い、侵入することが出来た。
島内には多数の操られた少年少女、そしてジャミングによる妨害、これらの危機を潜り抜けるための一石を投じたトレーナーは、コウタを襲撃したはずだったトレーナー・ジャック。
そしてそのジャックこそが、技術面や頭脳、そしてポケモンを扱う腕などにおいて天才肌を持ちながらもかつてマサル達ガラル地方の面々と激突した少女、アトラだったのだ。

島内に上陸した3日目の間に、騒動開始からジャックのカミングアウト、そして正体を現したジャック――もとい、アトラの放った言葉は、マサル達10人に衝撃を与えた。



アトラ「ボクは、この島で動き出そうとしている事件をぶっ潰す…その為にここに来たんだ。」


マサル「……ここで動き出そうとしている、事件を潰す…!?」

ホップ「ど、どういう風の吹き回しなんだぞ!?」

コウタ「それに仕事って…誰からの依頼なんだ。しかも、僕らを前にして変装を解くなんてな。」

アトラ「そうがっつくなよ♪ほいこれ。」

アトラはトレーナーカード?のようなものを見せた。彼女の仮の名刺のようなものだった。

アトラ「本来見せられない情報だから、納得してもらうためにキミらだけ特別に、ね。高くつくぞ♪」

コウタ「国際警察の…特務チーム…!?」

マリィ「……知ってるん?」

コウタ「いや……国際警察にこんなチームがあるなんて…聞いたこともない…。」

アトラ「そりゃそうよ。このチーム、訳ありで知名度も一番低いしね。今から…もう9日くらい前かな?そこのお偉いさんが、わざわざどの地方からも遠く離れた離島の刑務所兼少年院にまで来たんだよ。」

彼女はこれまでの経緯を語る。その後、島内で知った情報をマサル達に話す。

アトラ「……ここの親玉が何考えているかは知らんけど、まぁどうせろくな目的じゃないさ。これだけ多くの子供達だけを集めて操って、とんでもないことをしでかすんじゃないかと。そうなる前に食い止めるよう依頼されてね。」

ユウリ「まさか元犯罪者が…そんなすごい所に拾われるなんて…!」

ビート「確かに信じがたいことではありますが…使い方はどうあれ彼女のスキルは大人でもそうそう出来るものではない。」



コウミ「あの〜〜…。」

コウタとガラル地方の面々が話に夢中になっている最中、コウミが声をかける。

ハウ「おれたち、全く話についてこれてないよー…。」

リーリエ「そうです…その…アトラさんって方、私達は存じ上げませんし…。」

グラジオ「……ああ。そいつ、そんなに恐ろしいヤツなのか?」
 ▼ 89 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:03:01 ID:8RhcqZFY [18/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
完全に置いてけぼりをくらっていたアローラの他4人。マサルとコウタ、そしてアトラ本人による説明を端的に済ませた。

アトラ「…と、ボクの話はまぁここまでにして、どうせもうボク達しか今まともに動けるやつはいない。あとは親玉を叩くだけだから、ボクの仕事だ。」

マサル「変装はもういいのか?せっかく仕事に使ってたものを捨てちまってさ。」

アトラ「一応予備の変装道具は持ってるけど、あとは事件解決までもう使わないかな。……というわけで諸君、ここまでのご協力感謝!あとはボクに任せとけ♪」

そう言って踵を返すアトラ。

マサル「おい待てよ。」

呼び止めるマサル。アトラは振り向いた。

マサル「ここまで来て、もう俺達はお払い箱なんて言わないよな?」

アトラ「え?」

コウタ「そうだよ。君の目的は知らなかったけど、僕らだってこの事件に囚われた人々を助けるためにここまで来たんだ。」

リーリエ「そうです!思いは同じなんですよ!」

マリィ「そこに仕事だとか個人の事情だとか、関係なか。」

ホップ「ましてや目的も同じなんだし、昔は昔!今は今!なんだぞ!」

ユウリ「嫌とは言わせないからね!」

コウミ「うん!私達もまだまだ戦う!」

ハウ「絶対に食い止めようよ!」

ビート「…だからあなたも、ここまでぼくらを導き、更にコウタ君とマサル君にまで助けを求めた。」

グラジオ「更にオマエの正体や事情など諸々話した、違うか?」

一同は一斉にアトラに訴えかける。ここまで来て引き返す選択肢など彼等になかった。
たとえかつては敵対していても今は同じ目的に向かって進んでいる。ここまでの道のりが違っていただけで、合流してから目指す先は一緒なのだ。

マサル「…と、言う訳だ。もうこうなっちまったら、止まらないぜ?俺も止まらないしな!」

アトラ「……。」

彼女はただ呆然と立ち尽くしていた。かつての敵からここまで言われることなど想像もできていなかった。

アトラ「……この島が今、どれほど危険な場所なのかはキミらだってわかっているはずだ。引き返すなら今の内だと言っているのに、それでもついて来るって言うのか?」

マサル「愚問だな。もちろん行くぜ。」

マサルの返事の後、全員が頷く。

アトラ「………全く、お人好しな奴らだね。」ハァ…

コウタ「あの時の君の行動は間違っていても、その思いと力を正しく使えば、君はまだ救われる。そして今まさに君はそれをやるために戻ってきた、戻ってこれたんだ。」

マサル「だってよ。一番のお人好しさんがこう言ってるんだ。そんなお人好しと、俺達は一緒に来たんだぜ!」
 ▼ 90 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:03:23 ID:8RhcqZFY [19/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「………そういや、わざわざ連れて行かれる直前のボクに、そんなこと言ったの、キミだったっけ。」

へへへ、と笑いながら、ほろりと出かかった小粒の涙を指でスッと拭き取る。そして…。

アトラ「…よっしゃ!じゃあ、引き続きよろしく頼むよ!10人の勇者さん達!」ニカッ

\おう!!!/




一同はその後、親玉の部屋まで再出発し、走り出した。道中のトレーナーやその他少年兵達は全て気を失っており、侵入は楽だった。
アトラ「あとはこの先のエレベーターで、地下まで行けるはず!もうちょっとだぞ!」


「そうはさせん!」


PWRスタッフが行く手を阻む。そしてそのスタッフは見知った顔だった。

スタッフ「あっ!そこのお前!あの時はよくもやってくれたな!」

コウタ「ちっ。」

コウミ「あんたは…!」

騒動の最初でコウミを掴み上げ、コウタを激昂させたその男は再び立ち塞がる。

PWRスタッフ「今度こそ仕留めてやる!お前達出てこい!」

スタッフがそう呼ぶと、その後ろからさらに4人のスタッフが出て、各々ポケモンを出す。だが―――

コウタ「邪魔だ!」
コウタのストリンダー「シャッ!」

コウミ「あの時と同じと思わないでよね!」
コウミのガルーラ「ガルッ!」



―――――


PWRスタッフ「ぐぬぬ…!バカな…!こんのぉぉぉぉ!」グワッ

アローラのトップ2にあっさり蹴散らされ、他の仲間4人が撤退しても1人は再びコウタとコウミに襲い掛かる。

コウタ「コウミ、大丈夫!?」

コウミ「ええ!」

2人も正面からスタッフの男に立ち向かった。

マリィ「ちょ!?2人とも無茶ったい…。」
マサル「いや…あいつら何かするっぽいぜ?」スッ
マリィを制止するように手を構えるマサル。そして次の瞬間…。

スコーーン!

PWRスタッフ「ぐげっ!?」
 ▼ 91 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:03:46 ID:8RhcqZFY [20/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
2人は正面から取っ組み合い―――を避け、足元を狙った。頭に血が上っていたその男はあっさりと盛大に、転倒し地に伏した。

コウタ「作戦成功!アトラ!」

アトラ「あいよ!」


バチィィィィッ


PWRスタッフ「ぐぎゃああああ!?」ビリビリビリ

アトラ「一丁あがりぃ♪」バチバチ…

転んだ隙に、アトラが彼女自作の簡易スタンガンを取り出した。機材のジャンク品だけで護身用の武器をも生み出していたのだ。

マサル「しっかしお前よくこんなのまで作れたな!」

アトラ「仮にもネットワーク1つ作ったことがあるからね。これぐらいは朝飯前さ☆」

リーリエ「ホント凄い人ですね…。」

ハウ「こんなに凄いのがマサル達と同い年なんてー…。」

グラジオ「……まぁ、それはアイツにも言えるんだがな。」

全員が感嘆し、グラジオはコウタに視線をやりながらぼやいた。

ビート「…そういえばそうでしたね。アトラさんが1人でガラル地方の殆どを制圧しかけたのに対し…コウタ君もまた1人でそれをひっくり返しましたからね…。」

ユウリ「彼がいなかったら今頃どうなってたか…頼もしいけどちょっと怖いかも。」

2人は自分達が畏怖の念をも抱かれていることなど知る由もなかった。



11人は先を急ぐ。道中何度もスタッフの妨害に合うが、いずれも彼等の快進撃を止めるには至らなかった。

マサル「これなら、操られたトレーナーの方がよっぽどよく育てられてたぜ!」

コウミ「うん!スタッフのポケモン、あまり育っていないよね。」

コウタ「主戦力を少年兵に依存し過ぎた結果だろうね。元々トレーナーとして修練を積んでいた彼等の方が強くて当然。こんな奴らに使われるわけにはいかない。」

マリィ「あんたの言う通り!絶対に助けよ!」
 ▼ 92 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:04:05 ID:8RhcqZFY [21/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
そして彼等は突き進み続け、遂にエレベーターに着いた。

マサル「…ここだな。」

アトラ「ああ。ここだ。島に上陸した時に見えた、あの高い塔。あそこに繋がっているんだってさ。」

グラジオ「…フッ。潜入捜査のお陰でここまで進むのも楽だったな。」

ハウ「途中で敵はもうあらかた倒してふん縛ったし、あとは親玉だけだね!」

コウミ「……それじゃあ、皆、行こう!」



11人はエレベーターに乗り、一気に登っていく。そして……



――PWR・タワー最上部――

アトラ「着いたね。」

コウタ「……やはり、ここにいたのはあなただったのか。」

ビート「1日目のバトルイベントで司会を務め、このPWRを創設したという…。」

マサル「スレイ…。」


スレイと呼ばれたその男は振り返る。その顔はかつてバトルイベントでしていたにこやかな顔のままだった。

スレイ「これはこれは旅のトレーナー達。よくここまでいらしてくれたね。」

アトラ「悪いけど、もう尻尾は掴んでいるんだよ。スレイ。あんたは多くの子供たちを招待という名目で拉致し、少年兵へと洗脳した。警察の本部が来るまで、身柄を拘束させてもらうよ。」

ユウリ「やっぱりあんたが首謀者だったのね!」

スレイ「ほぉ〜…そうかそうか…忍び込んでいたのかそこまでわかっているとは、君達は強いだけではなく聡明なんだね〜。」

未だ余裕の表情をしていたスレイ。そして語りだす。

スレイ「子供というのはね、実に素直なものだ。有名なトレーナー、選ばれた特別なトレーナー、そう持ち上げれば本当にその気になってくれるのさ。
だから、そんな素直な少年達を有効活用したくてね。今回の招待、君達もそれで来たんだろう?」

コウタ「生憎と、僕らはずっとおかしいと思っていたけどね。」

スレイ「おっとそうか、すこーし素直じゃない子もいたのか。いやはや失礼。…それでね、こうして集めた少年達を使えば、世界は簡単に私の思い通りになるのさ。」

グラジオ「……どういうことだ。」ギロッ

スレイ「怖い顔をする少年だなぁ…。これだけの数の子供がいれば、大人達も手を出しにくいし、何より数で勝てない。」

マリィ「…つまり少年兵だけで軍隊を作り上げて、世界征服があんたの目的ってわけ?」キッ

スレイ「そうその通り!賢くてかわいいお嬢ちゃん、そんな怖い顔しないでくれたらもっと可愛いんだけどなぁ。」
 ▼ 93 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:04:27 ID:8RhcqZFY [22/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
コウタ「…招待したトレーナーの中でも、よりバトルの強いトレーナーを、勝者を祝うと称して連れ込み、そこで洗脳していたのか。」

リーリエ「ひどいです!ひどすぎます!!」

ホップ「ああ!子供達をそんな目に遭わせるなんて!」

ビート「子供はただの手駒としか見ていないのか…!」ギロッ


PWRは少年兵の養成施設。娯楽施設を装って招待したトレーナーで軍隊を作り上げる。
従順な手駒にし、戦うことだけを考える忠実な少年兵での侵略こそが、この島と、その創設者の真実であった。


スレイ「ここまで辿り着いた、知恵と力のある君達がいれば、そんな手駒も必要ないのだがね。どうかね?今からでも来ないかい?君達は特別にVIP待遇もしちゃうよ?大人になっても何不自由ない生活を―――

マサル「黙れ!!!!!」

スレイ「あぁっはっはっは!聞いてもくれないとは悲しいなぁ〜。」

アトラ「…イカれてるな、あんた。」

コウミ「あんたみたいな奴の元で暮らすなんて死んでもごめんよ!」

ホップ「そうだぞ!お前に操られて、成長も何もない、そんなの不自由過ぎるぞ!」

ユウリ「そんなひどい事の為に協力なんてしたくない!あんたのために私達や皆の未来なんて奪わせない!」

コウタ「…もっとも、そんなこと、あんただってわかり切っているだろう?」


スレイ「……やれやれ、聞き分けのない子供達だ。だが私とてここまで来て君達を手放したくはない。」パチンッ!

スレイが指を鳴らすと同時に、スタッフが更に現れた。先程までと違い、白いスーツを身に纏っている。

ハウ「ま、まだいたのー?」

グラジオ「狼狽えるな!オレ達なら戦える、そうだろう!?」

コウミ「みんな!いくよ!」



スタッフ達と11人による抗争が始まった。

スレイ「さて…その間に私は、どこかの誰かがダウンさせたシステムを再起動しないとね。」

アトラ「あっ!待て!」
マサル「逃がすか!」
コウタ「くそっ!一刻も早く止めないと!」

スレイはもう1つのエレベーターを使い、下へと降りて行った。
 ▼ 94 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:30:02 ID:8RhcqZFY [23/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
白スタッフA「おのれ…!動けオノノクス!シザリガー!」
白スタッフAのオノノクス「オノォ…!」
白スタッフAのシザリガー「シザァ…!」

コウタ「僕のマッギョは相手の拘束が得意でね…“がんせきふうじ”と“トラバサミ”で自由を奪えばもう逃げられないよ!」
コウタのガラルマッギョ「ギョギョギョ!」ガブッ

コウタ「っ!と、まぁ悪戯好きな奴だけどいい奴さ!いてて…。」
コウタのガラルマッギョ「ギョギョ♪」ガブガブ

愛情表現と言わんばかりにコウタの脚に噛みつくガラルマッギョ。余裕綽々なその様子にスタッフは更にキレた。
白スタッフA「ふざけるなぁ!何をしてる!早く振りほどけ!」
コウタ「もう…遅い!」

オノノクスとシザリガーの目の前には、ガオガエンが既に立って、両腕に悪のオーラを溜めていた。そして――

ドッゴォォンン!

コウタ「……ナイスラリアットだ、相棒。」パンッ
コウタのガオガエン「ガウ!」パンッ

得意の“DDラリアット”で2匹まとめて倒し、主人とハイタッチを交わした。
 ▼ 95 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:30:12 ID:8RhcqZFY [24/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
白スタッフB「この小娘…強すぎる…!」

白スタッフのドサイドン「グルル…!」
白スタッフのガメノデス「ガメェ〜!」
白スタッフのシロデスナ「スナ…!」

コウミと対峙しているスタッフは、いわ、じめんタイプのポケモン3匹に対し、コウミはアシレーヌ1匹。タイプ有利とはいえ3匹を連戦ではなく一度に相手している。なぜなら彼女のアシレーヌは…

コウミ「私は絶対に負けない!あなた達なんかに負けて皆の足を引っ張りたくないもん!アシレーヌ行くよ!」

コウミのアシレーヌ「しゃなぁっ!」

コウミ「“うたかたのアリア”!」

自身の得意技にして、全体攻撃技である“うたかたのアリア”を持っているからである。タッグバトルの時は使える状況が少ないが、今のバトルはコウミ単騎で対多数を行なっている。躊躇なくこの技を連打し続けて蹴散らしているのだ。

コウミ「いっけぇぇぇぇ!!」

ドドドドドッ…パパパパァン‼

美しい水のバルーンが多数生み出され、一斉に破裂。みずタイプの技に耐性がない白スタッフの手持ちはたちまち全滅した。
足を引っ張りたくない――そんな言葉とは無縁のこの強さは、かつてアローラの王であったコウタを引き摺り下ろし、今もなお揺るがないチャンピオンとしての矜恃だ。



コウミ「ふぅっ…やったねアシレーヌ!」
コウミのアシレーヌ「しゃなるん♪」ギューッ
 ▼ 96 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:30:29 ID:8RhcqZFY [25/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ハウ「コウタとコウミ、流石だね!」
リーリエ「えぇ!アローラ地方最強のお二方ですから!」
グラジオ「フッ…違いないな!」

白スタッフC「お前ら!余所見なんかしやがって!」
白スタッフD「そうだ!あいつらが勝ったからって調子に乗るな!」
白スタッフE「お前らの相手はこの俺達なんだからな!やれぇ!」

白スタッフのゲンガー「ゲーン!」
白スタッフのクリムガン「グォーッ!」
白スタッフのワルビアル「ビアッ!」

自分達が無視されていることに腹を立て、3人は一斉に指示を出す。襲いかかる3匹相手に、ハウ達は…。

ハウ「勿論、行けるよね!」
リーリエ「はい!まだまだ頑張れますよ!」
グラジオ「一気に片付けるぞ!」

ハウ「“かげぬい”!」
リーリエ「“ムーンフォース”!」
グラジオ「“マルチアタック”!」

ハウのジュナイパー「ジュッ……パァ!」ギリリ…ビュンッ
リーリエのピッピ「ぴっぴー♪」
グラジオのシルヴァディ「シヴァーッ!!」

こちらも一斉に指示を出し、ゴーストタイプの矢、妖精の月のパワー、水のエネルギーを纏った突進が、それぞれの弱点を突き、一撃で突き返した。

白スタッフC「ば…馬鹿な!?」
白スタッフD「俺達はスタッフ達の中でも精鋭部隊なんだぞぉぉ!?」
白スタッフE「こんなガキ共にあっさりと…!」

ハウ「おれたちだって、日々修行してるんだよ!」
リーリエ「あなたたちなんかの好きになんてさせません!」
グラジオ「レベルの差があり過ぎる。」

アローラトップ2に追いつくべく日々修行している友の彼ら。いくら精鋭部隊と言われど、ハウ達の足元にも及ばなかった。
 ▼ 97 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:30:57 ID:8RhcqZFY [26/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「どけどけどけぇぇぇ!!!」
マサルのゴリランダー「グラリラー!!」

白スタッフF「ぐっ…!何だこいつらっ…!」
白スタッフのコジョンド「コジョーッ!?」

“ドラムアタック”で無数の蔦を操り次々と白スタッフの手持ちを倒し続けるゴリランダー。そして…。

ユウリのエースバーン「ファイニー!」ドンッ
白スタッフのダイオウドウ「ファォォォン…!」ズゥゥン…

ユウリ「ナイスシュート!流石ねエースバーン!」
ユウリのエースバーン「ファイ!」トンットンットンッ
華麗な足捌きから繰り出される“かえんボール”はダイオウドウの急所を捉え、一球の下に沈める。エースバーンはその後ユウリの激励に応えながらリフティングをし始めた。


白スタッフF「…ならこれでどうだ!」
白スタッフのテッカニン「テッカ!」ヒュンッ

続けて繰り出されたテッカニンは高速でエースバーンの周りを駆け巡る。
ユウリのエースバーン「…。」トンットンッ

まだリフティングに夢中のエースバーンの背後から…
ビュンッ

ユウリ「今!」
エースバーン「ファイッ…!」ヒュッ

白スタッフのテッカニン「テッカ!」ビュッ
白スタッフF「かかったな小娘!今のはフェイクだ!“つばめがえし”!」

ユウリ「…残念!」
ドッゴォォン…

テッカニンのタイミングをずらした“つばめがえし”は届かず、逆にエースバーンからのフェイントを貰い、“かえんボール”が直撃した。

白スタッフF「嘘だろ!?」
ユウリ「私のエースバーン、普段からキャンプでよく練習してるから、フェイントだってバッチリだもん!ね!」
ユウリのエースバーン「ファイニッ!」
 ▼ 98 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:31:14 ID:8RhcqZFY [27/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「ゴリランダー!“ドラムアタック”!」
ホップ「インテレオン、“ねらいうち”!」
マサルのゴリランダー「グラリラー!」ドコドコドコ
ホップのインテレオン「うぉれおんっ!」パンッ

2人は遠くで戦っているビート、マリィの後ろから這い寄る敵の増援を蹴散らした。

ビート「おや…そっちはもう終わりましたか。」
マリィ「遅かったとね。もうこっちも終わるばい。」

ビートのブリムオン「むーぅ♪」
マリィのモルペコ「うらら!」ピョコッ

白スタッフG「ぐぅ…こいつら…。」
白スタッフH「あり得ねぇ…!」  白スタッフI「後ろから襲えばうまくいくと思ったのにー!」  白スタッフJ「バカな…。」
 ▼ 99 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:31:31 ID:8RhcqZFY [28/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ホップ「けどまだいるみたいだぞ!行けるなインテレオン!」
ホップのインテレオン「うぉれんっ!」

ビート「フン…あまり遊ぶ時間はないのですがね…!」
ビートのブリムオン「むんっ!」

マリィ「まぁあたし達なら大丈夫。すぐ終わらせるけん。」
マリィのモルペコ「うらら!」

白スタッフK「調子に乗るなよッ!」
白スタッフのライボルト「ガルル!」
白スタッフのクイタラン「ボォー!」
白スタッフのガマゲロゲ「ゲコォー。」
白スタッフのポリゴンZ「ピリリリリー!」
白スタッフのラフレシア「らっふぅ♪」
白スタッフのエアームド「エアー!」

ビート「フン!総力戦ですか?」
マリィ「何匹出したって勝つよ!」
ホップ「勿論だぞ!」

白スタッフK「お前ら、やっちまえーーっ!!」

ホップ「インテレオンは“ねらいうち”と“れいとうビーム”でクイタランとラフレシアを頼むぞ!」
マリィ「モルペコは“タネばくだん”でライボルトを倒して、“オーラぐるま”でエアームドを仕留めて!」
ビート「残党はブリムオン、“マジカルシャイン”で蹴散らしてください!」
 ▼ 100 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:31:50 ID:8RhcqZFY [29/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラのキリキザン「キザッ!」ゴンッ!(アイアンヘッド)
アトラのランターン「ラァン!」バチィィィィッ!(10まんボルト)
アトラのウォーグル「ウォー!」ザシュッ!(ブレイククロ―)

アトラ「……ふぅ、一応この3匹、借り物なんだけどなぁ。こんなに強いのか。」
アトラの現在の手持ちは、国際警察の特務チームより今回のミッションの為に貸し出されたポケモン達。しかしバトルの腕前は彼女のものであり、次々と精鋭のスタッフを倒し続けている。

白スタッフS「はん!7人抜きしてるからって調子に乗るなよ!行け!バンギラス!」
白スタッフのバンギラス「ギラァー!」

アトラ「…はぁー、なるほどね〜…。ウォーグル!」

合図と共にウォーグルはランターン、キリキザンを空中へと連れ去った。

白スタッフS「何っ…。」

アトラ「大方“じしん”で2匹倒して、何かしらのいわ技でウォーグルを落とそうとしたのだろうけど…“そらをとぶ”にはこんな使い方もあるんだぜ?」パチンッ

アトラが指を鳴らすと同時にウォーグルは2匹をバンギラスめがけて放り投げ、そして…

アトラ「………至近距離から“アイアンヘッド”と“ハイドロポンプ”!……そしてウォーグルは“インファイト”!!」

ズドドドドドドドドドドドッ!!

白スタッフのバンギラス「オォォ…。」ズドォォン…
白スタッフS「あり得ん…。」
アトラ「ほいほい。いっちょあがり。」
一斉攻撃の前に、精鋭部隊のスタッフの手持ちは全滅した。
 ▼ 101 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:32:10 ID:8RhcqZFY [30/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「よーし……なんとかこいつらも縛り上げたぞ。」

マサル「やっと片付いたか…って!」

コウタ「休んでる暇はない!急いでスレイを追うんだ!」

11人は急いでエレベーターに乗り込み、一気に下へ降りる。そして、1日目と2日目に行われたバトルイベントの会場に辿り着くと、そこには驚くべき光景が広がっていた。


ユウリ「な……何これ!?」

ホップ「観客席に…子供達!?」

グラジオ「…途中でオレ達が倒したヤツや、洗脳が解けたヤツまで…!」

観客席には、島内に招待されたトレーナーや元少年兵のその他子供達が集められていたが…全員、例のヘルメットを被せられていた。
 ▼ 102 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:32:31 ID:8RhcqZFY [31/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
シュゥゥンン

コウタ・マサル・ユウリ・ホップ・ビート・マリィ「「「「「「!!」」」」」」

アトラ「ダイマックスバンドが反応した!?」

ハウ「え、えー!?昨日まで、なかったよね!?」

スレイ「諸君、お待ちしておりました。これより最後のバトルイベントを始めましょう…!」

全員「!!!」

そこには、狂気に満ちた笑みを浮かべるスレイの姿があった…。



スレイ「今ここに集められた少年少女は…人質です。そして…。」ポチッ
 ▼ 103 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/14 23:32:47 ID:8RhcqZFY [32/32] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スレイが手元のスイッチを押すと、マサル・アトラ以外9人の足元から檻が出現し、閉じ込められた。

コウミ「きゃっ!?」
ユウリ「な、何!?」
コウタ「くっ…何のつもりだ!……うわぁぁぁ!!」

檻はそのまま天井へと飛び、宙に浮き始めた。

マサル「み、みんな!!お前!何のつもりだ!!」

スレイ「彼等もまた、人質ですよ。」ニヤッ

アトラ「ちっ…。」

仲間が捕まり、観客席にいる全招待者も人質にされてしまったマサル、アトラ。
狂気の創設者スレイとの最後の戦いが始まる……。





Episode#8〜一転攻勢、人工島の真実〜・完
 ▼ 104 イパム@ロトムのカタログ 20/10/15 18:28:09 ID:2zzEdR1Y NGネーム登録 NGID登録 報告
続きが気になるもっと投稿ペース上げてくれ
 ▼ 105 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 21:00:03 ID:E1B.ktqs NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#9〜救うか、失うか〜

マサル「お前…何をする気だ…!」

スレイ「最後のバトルイベント…それは、あなた達2人以外の子供達を賭けた勝負ですよ…。」

アトラ「随分派手な賭け事だね。往生際の悪さは人一倍だな。」

スレイ「往生際?それはもう負けているであろう人間に言える言葉です。今は果たして…どちらの方が往生際が悪いのですかな?」

観客席には、全ての招待客がヘルメットを被せられ、眠っている。マサル、アトラ以外の9人の仲間達は檻に閉じ込められ、招待客共々人質にされてしまっていた。

スレイ「今この場には、知り過ぎてしまったあなた達しかいません。なので、泣いても笑ってもこれが最後のイベントとなるわけですよ。あなた達が勝つか、私が勝つか…上にいるあなた達の友達やここの子供達の未来はあなた方の手にかかっているのです。」

マサル「……なら、お前を倒すまでだ。皆は返してもらう!」ヒュッ
アトラ「ボクら2人を一度に敵に回したことを後悔させてやるよ。さて…最後の大仕事だ!」ヒュッ

マサルのコオリッポ「ポッ!」スタッ
アトラのウォーグル「ウォー!」バサッ

2人は一斉にモンスターボールを投げ、ポケモンを繰り出した。

アトラ「ラストイベントはダイマックスが使えるらしい。ボクはダイマックスバンドがないから、切り札はキミだ。任せたよ。」

マサル「任せとけ!さぁ、行くぜ!」

スレイは邪悪な笑みを浮かべたまま、2つのマスターボールを手に構える。
マサル「マスターボールを2個も…!?」
アトラ「大方不正な手段での調達だろう。偽造か泥棒か知らんけど多分残りの手持ちもだろうな。」

スレイ「おっと、勘違いしないでいただきたいね。ここにあるマスターボールは全て私が製造したのさ。」

そう言ってスレイは残り4個のマスターボールを見せつける。信じがたい光景に、マサルもアトラも驚きを隠せなかった。

マサル「な…何!?」
アトラ「……マスターボールの製造方法や設計データは公にはされていない筈だ。どっちにしろ不正であることに変わりはないさ。」

スレイ「フフフ…随分と不正という言葉を使いたがるねそこの赤髪の嬢ちゃん。さて…私もそろそろ、ポケモンを戦わせてやらねばね…。」ヒュッ

スレイのサーナイト「サーナ。」
スレイのガラルヒヒダルマ「ダルゥ!」

マサル「あのサーナイトは…!」
アトラ「やっぱあのおっさんがけしかけて子供達を操らせていたのか。」



コウタ「あいつが…子供達を操るためにあのサーナイトに“さいみんじゅつ”を使わせていたのか!」

ユウリ「マサル…お願い!あんな奴ぶっ飛ばして!アトラもお願い!」

リーリエ「2人とも…無事を祈っています!」

ホップ「託したぞ!オマエら!」
 ▼ 106 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 21:02:09 ID:OBmcLbDk [1/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スレイ「ヒヒダルマ、“いわなだれ”!」
スレイのガラルヒヒダルマ「ヒヒダルゥ!」ズドドドド

多数の岩がコオリッポとウォーグルの頭上から降り注いだ。

アトラ「ウォーグル、インファイト!」
アトラのウォーグル「ウォーッ!!」ガガガガガ

アトラのウォーグルは岩を諸共せず突撃し、砕き切る。そして…

マサル「コオリッポ、ヒヒダルマにアクアブレイク!」
マサルのコオリッポ「リポー!」ザバァッ

コオリッポが潜り抜けてヒヒダルマに突撃する。

スレイ「“さいみんじゅつ”!」
スレイのサーナイト「…。」ピロロロ

マサルのコオリッポ「リ…リポ…。Zzz…。」

マサル「コオリッポ!?…くそっ…!あいつがいたか…!」

“さいみんじゅつ”で眠らされ、攻め手を止められてしまったマサルは心底悔しい表情だった。

アトラ「…だがヒヒダルマの特性が“ごりむちゅう”ならもう“いわなだれ”以外は使えないさ。どっちかだけでもウォーグルで押し切る。こっちもお返しの“いわなだれ”だ!」

アトラのウォーグル「ウォーグ!」
ひこうタイプのポケモンでの、ましてや鳥のポケモンでの習得は珍しいいわタイプの攻撃はガラルヒヒダルマとサーナイトにヒットし、大きなダメージを与える。

スレイのガラルヒヒダルマ「ヒヒ…!」ドドドドッ
スレイのサーナイト「サナッ…!」ドドドドッ

スレイ「ほう…やりますね…だが隙だらけだ。眠っているコオリッポなど無視で構いません!お前達、ウォーグルに“いわなだれ”と“サイコキネシス”です!」

ドォォン…

アトラ「…ちっ。まぁ仕方ない。お疲れ、ウォーグル。」シュンッ
戦闘不能になったウォーグルを元に戻した。アトラ。マサルの方は…。

マサルのコオリッポ(アイスフェイス→ナイスフェイス)「…zzz。」

マサル(…こいつはまだ寝てるが、“いわなだれ”が当たってナイスフェイスに変わった。あとは…次起きれば…!)

アトラ「行け、ランターン!」ヒュッ
アトラのランターン「ラァン!」
 ▼ 107 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 21:02:26 ID:OBmcLbDk [2/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スレイ「さぁてどんどん行きますよ!ヒヒダルマ!“いわなだれ”を…―――。」
ヒュッ

ドゴォン!

スレイのガラルヒヒダルマ「ダルダッ!?」ドォン

スレイ「……ほう、少しはやるじゃないですか。」

マサル「…へっ、よく起きてくれたぜコオリッポ。」

マサルのコオリッポ「リッポ!」シャキーン

高速でヒヒダルマに“アクアブレイク”で突っ込み、そのまま撃破したのはコオリッポ。先程の物理攻撃でアイスフェイスが剥がれ、防御寄りのステータスから速攻重視に切り替わり、先制でガラルヒヒダルマを沈めた。

アトラ「いいねいいね!ランターンも続け!“ハイドロポンプ”!」
アトラのランターン「ランッ!」ドパァァァ!

スレイのサーナイト「サナッ…!」ドォン…

一気にスレイの手持ち2匹を沈めたことで流れが向き始めた。

ビート「マサル君はこれに賭けてコオリッポから出したのですか…。」

ユウリ「当然!マサルのコオリッポ、本気を出せば本当に速いんだから!」

グラジオ「…やるな。」

ハウ「いけいけー!2人ともー!」



スレイ「…ふむ。だが私はまだ4匹、更に強いしもべが控えています。行きなさい、フォクスライ、ハッサム!」

スレイのフォクスライ「フォフォ。」

スレイのハッサム「はっさむ!」

コウミ「あいつ…自分のポケモンのことをしもべですって…!?」

マリィ「ここにいる子供達も含めて、全ては自分の手駒ってことばい…!」ギリ

リーリエ「ひどいです!ひどすぎます!」

コウタ「そんなやつらに彼等は負けない。頼むぞ2人とも…!」
 ▼ 108 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 21:02:54 ID:OBmcLbDk [3/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スレイ「ハッサム、そこのペンギンから始末しなさい。“バレットパンチ”です!」

スレイのハッサム「はっさむ!」パパパパン

マサル「コオリッポ!避け………られなかったか…!」

マサルのコオリッポ「リポポッ!…キュ〜…。」バタン

どんなに身軽になっても、“バレットパンチ”のスピードをあしらえずにコオリッポは目を回して戦闘不能となってしまった。

スレイ「これでイーブンになりましたね。フォクスライはランターンに“サイコキネシス”!」

スレイのフォクスライ「フォークス!」キィィィィ

アトラのランターン「ランッ…タァッ…!」グググ

アトラ「ランターン!抜け出せるか!?」

ランターンは必死に抵抗するが、脱出できないまま念力で叩きつけられた。

アトラ「…やられたらやり返す!ランターン、フォクスライに“でんじは”だ!奴の素早さを奪え!」

アトラのランターン「ラァン!」バチィッ!

スレイのフォクスライ「フォ…!」ビリビリ

まひ状態で素早さが下がり、身体が痺れたフォクスライ。

スレイ「フン…こざかしい。その程度で私のフォクスライを止められるとでも?」

マサル「ああ…十分だぜ。サンキュー、アトラ。……頼むぞザシアンっ!」ヒュッ ポォン!

マサルのザシアン「ウルォード!!」



ホップ「えっ、もうザシアンを出すのか?」

コウタ「恐らく最後にダイマックスを使おうとしているのかもね。それならダイマックスが出来ない代わりに屈強な伝説のポケモンから出す必要があったのだろう。」

ユウリ「しかもザシアンは元々高い攻撃力を、戦うときには更に上げられるの!」

ハウ「これなら押し切れるかも!」



アトラ「……懐かしいね、そいつだっけ。前にボクが作り上げたムゲンダイナの虚像と戦ったのは。」

マサル「今となってはもう過ぎたことだな。今度はお前の味方でもあるんだぜ。」

マサルのザシアン「ウルォ!」

アトラ「ふっ……違いないね!行くよランターン!ザシアン!マサル!」
 ▼ 109 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 21:30:23 ID:OBmcLbDk [4/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スレイ「ふむ…ハッサム。ランターンだけでも仕留めるのです。“シザークロス”!」

マサル「おっと、そうはいかないぜ?“かみくだく”!」

マサルのザシアン「ウルォ!」ガブッ!!ガキン!!

スレイのハッサム「は…っさむ…!」ドサッ
スレイ「何!?一撃だと!?」

アトラ「こいつの攻撃力とスピードは、ボクもよくわかるさ。ランターンはフォクスライに“10まんボルト”!」

スレイ「フォクスライ、“ふいうち”です!モタモタするなぁっ!」

スレイのフォクスライ「フォ…!」ビリビリ

フォクスライは徐々に焦り始めているスレイの指示に従おうとする。“ふいうち”は相手の攻撃の構えの段階で割り込んで先制する技だが、“でんじは”のまひ状態がここに来て阻害する。

アトラのランターン「ランターーーーンッ!!」バチバチッ…ズババババ
スレイのフォクスライ「フォォォォォ…!!」バリバリバリバリ

強力な電撃を浴びせられ、フォクスライの体力は虫の息となった。


マサル「…で、往生際はどんな奴が使う言葉だって?」

アトラ「まぁまだ油断はできないさ。このままいけば勝てるから、確実に頼むよ。」

マサル「お前ほんと真面目になったんだな。」

アトラ「流石にこちとら報酬がかかった仕事だからね☆」


スレイ「……フン、いい気にならないことですね。さぁ壊し尽くしなさい、サザンドラ!!」

スレイのサザンドラ「ドゥラァァァッ!!」

スレイ「“かえんほうしゃ”!!」

マサル「“インファイト”!」

マサルのザシアン「ウルォッ…!?」スカッ

アトラ「飛ばれたぞ!」

スレイのサザンドラ「ドゥラァッ!!」ブワッ

マサル「しまった、空中かよっ…!」

スレイのサザンドラ「ドラアアァァッ!!」ボォォォォ

マサル「ぐうっ…!大丈夫かザシアン!?」

マサルのザシアン「ウルォォー…!」

アトラ「この…!ザシアンが…!」

スレイ「余所見している場合ではありませんよ?フォクスライ、今度こそ攻めなさい!“ふいうち”!」
 ▼ 110 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 21:30:43 ID:OBmcLbDk [5/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スレイのフォクスライ「フォッ!!」ヒュッ

アトラのランターン「ラ…ランッ!?」ドスッ!

アトラ「くそっ…動かれたか…“10まんボルト”!」

アトラのランターン「ラァン!」バチィィッ!

スレイのフォクスライ「フォォォォ!」バリバリバリバリ

ドサッ…

ランターンとフォクスライの攻防は、高い体力でフォクスライの攻撃を耐えきったランターンが制した。先程アトラを挑発したスレイは苦虫を噛み潰したような表情で舌打ちをしながらフォクスライを戻す。



コウミ「ちょっと!自分のポケモンに労いもない訳!?」

ホップ「オマエなんかがトレーナーなんて認めないぞ!やめろ!」

ユウリ「ホント最低!」



スレイ「外野の言葉など痛くも痒くもないわ!お前達、決して逃がしはしない!サダイジャよ!地獄を見せてやれ!!」



スレイは最後のマスターボールを放り投げ、切り札のサダイジャを投入してきた。

アトラ「気を付けろよ。最後に出してきたし、多分アイツがダイマックス………いや、恐らくはキョダイマックスしてくるかもね。」

マサル「そうだな。こっちにはまだもう1匹いるから、こいつを出す前にサザンドラを止めるぞ!ザシアン、今度こそ“インファイト”!」

アトラ「ランターンは“ふぶき”!」

スレイ「サザンドラ、“ハイドロポンプ”!サダイジャは“じしん”です!まとめて殲滅してやりなさい!」

スレイのサザンドラ「ドラァ!」ボォォォォ
スレイのサダイジャ「サダーーッ!!」ゴゴゴゴ


マサルのザシアン「ウルォッ…!」ドドドド
アトラのランターン「ランッ…!」ドドドド


マサル「ザシアン!」
アトラ「ランターン!」


2匹の反撃は届くことなく、とうとう2人とも追い込まれてしまった。
サザンドラは特性“ふゆう”によりサダイジャの“じしん”を受けず、じめんタイプを弱点とするザシアンとランターンのみが襲われてしまったのだ。

マサル「……ザシアン、本当によくやってくれた。あとはこいつに任せてくれ。」シュンッ
アトラ「ランターン、ありがとう。ここまでやってくれればあとは何とかするさ。」シュンッ
 ▼ 111 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 21:30:59 ID:OBmcLbDk [6/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「……頼むぜ、相棒。…行けっ!ゴリランダー!!」ヒュンッ
ポン!

マサルのゴリランダー「グラリラー!!」ドコドコドコ

アトラ「それじゃあボクも…キリキザン!!」ヒュンッ
ポン!

アトラのキリキザン「キザッ!」



マリィ「切り札投入ばい。」

コウタ「だが相手のサザンドラもサダイジャも全快のままだ。状況はあまり芳しくない。何としても巻き返してくれ!マサル!アトラ!!」



スレイ「…フン、まだ勝てると思っているとはおめでたい。サザンドラ。スタジアム一帯ごと壊しなさい。“あくのはどう”掃射です!

スレイのサザンドラ「ドラアアアァ!!」ズオッ

マサル「ぐあっ!?」

アトラ「な、何のつもりだ…うわぁっ!」

アトラのキリキザン「キザッ…。」

アトラ「…!キリキザン、“まもる”で凌ぐんだ!!」

アトラのキリキザン「キザ!」キィィィン


ドゴォォン…

ドドドドッ…

ガラガラ…



ユウリ「ひゃああ!!」

コウミ「何なの…きゃあっ!」

ホップ「あいつ…めちゃくちゃだぞ!」

ビート「スタジアムごとマサル君達を沈める気ですか…!ぐっ…!」


辺り構わず悪のオーラを撒き散らすサザンドラ。バトルコートの地面は抉れ、天井にも衝撃が響き、コウタ達を閉じ込めている檻も揺れる。
 ▼ 112 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 21:31:17 ID:OBmcLbDk [7/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スレイ「まだまだです!サザンドラ、“げきりん”です!!」

瞬間、サザンドラの目は赤く光り、禍々しい竜のオーラに包まれた。

スレイのサザンドラ「オオオォォォォォオォォォォォォオォォオォオオォ!!!」ゴォォォォォォッッ!!

マサル「お、おい!マジかよ!?」

アトラ「くそっ…人質まで巻き込むぞ!?」

マサル「……って、違う!狙いは俺達だ!?」

アトラ「キリキザン、“アイアンヘッド”!!」

アトラのキリキザン「キザァア!!」ガキン…ヒュッ



ズドォォォン…



マサル「うっ…!」

アトラ「…!」



コウタ「…どうなった?」

ビート「サザンドラとキリキザンは…。」

サザンドラとキリキザンの技の撃ち合いで土煙が巻き起こり、そして晴れてゆく…。



アトラのキリキザン「…キザッ。」ニヤッ

スレイのサザンドラ「グルル…。」

地に伏したサザンドラと、消耗しながらも立っているキリキザンの姿があった。


リーリエ「…皆さん!キリキザンさんです!アトラさんのキリキザンさんが押し勝ちましたよ!」

ハウ「やったね!流石のサザンドラも力押しでキリキザンには勝てなかったんだ!」

ビート「これで残るはサダイジャのみ。まだマサル君もダイマックスを残しています。」


遂にスレイを追い詰め、2対1で最後の戦いに臨むマサルとアトラ。
勝って全てを救うのか、それとも負けて全てを失い、奪われるのか。
そして、囚われた子供達の運命は如何に…。





Episode#9〜救うか、失うか〜・完
 ▼ 113 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:00:59 ID:OBmcLbDk [8/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#10〜戦いの果て〜

マサル達や、多数の少年トレーナーが招待された人工島、『ポケモンワールドリゾート』こと、PWR。
その正体は、創設者スレイが多くの子供達を奴隷に変え、少年兵の養成を行う施設であった。

スレイの野望である、世界を手中に収めること。それを突き止めたマサル達とコウタ達、そしてジャックという少年に扮し、国際警察の特務チームとして派遣された少女アトラ、11人の活躍により、スレイを追い詰めた。

そして現在、仲間達と、少年少女達を賭けた最後の戦いに臨んでいるマサルとアトラは、追い詰められながらも奮闘し、とうとうスレイのポケモンを残り1匹まで追い詰めた。



スレイ「フン…サザンドラをも倒すとはな…だが…。」
スレイの右腕のダイマックスバンドが妖しく光る。そしてマスターボールを構えた。

スレイ「お前達は逃げられない!逃がさない!お前達も、ここのガキ共も皆、逃がさんぞ!!」

マサル「…来たか!」
アトラ「マサル!」
マサル「おう!行くぞゴリランダー!!」スッ

対するマサルもモンスターボールを構え、ダイマックスバンドを光らせた。

そしてスレイとマサルはそれぞれ、サダイジャとゴリランダーを戻し―――

スレイ「サダイジャよ、全てを飲み込め!捕らえよ!キョダイマックス!!」
マサル「絶対に食い止める!力を貸してくれ相棒!ゴリランダー、ダイマックス!!」
 ▼ 114 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:01:07 ID:OBmcLbDk [9/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―――互いのポケモンを戻したボールは、巨大な白いボールへと変わり、そして放り投げる。
ガラル地方で見られる現象――ポケモンが巨大化する“ダイマックス”、更に一部のポケモンのみに許された特殊な“キョダイマックス”である。

キョダイマックスサダイジャ「ザァァァァダァァァァァァァァァァ!!」
ダイマックスゴリランダー「グゥゥラァリラアアアアア!!」



ユウリ「遂にお互いダイマックスを使ったけど…相性は有利ね!やっちゃえマサル!!」

ビート「油断は禁物です!こちらも追い詰められているのですから!」

コウミ「2人ともー!あと少しだよー!!」


スレイ「………うるさいガキ共め。サダイジャよ、“キョダイサジン”!!」

キョダイマックスサダイジャ「ザアアアァァァ!!」ボゴォォン

サダイジャは地中に潜り、激しい砂煙を起こしながら一直線にキリキザンの方へ向かう。
アトラ「狙いはこっちか…!キリキザン、イチかバチか“まもる”でダメージを抑え―――


遅かった。キリキザンが防御態勢に入る間もなく、サダイジャは突撃。キリキザンの足元から巨大な土煙が発生し、その直後、激しい“すなじごく”が発生する。

アトラ「うぉぉ…!」

アトラのキリキザン「キザァァァァァァァッ!!」
 ▼ 115 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:02:08 ID:OBmcLbDk [10/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ホップ「うわぁぁぁ…!」
マリィ「うっ…!檻が揺れて…!」
リーリエ「きゃああ!!」

バチィッ!

コウタ「…!?今、何かが壊れる音が…!?」
グラジオ「…恐らく、この檻を浮かせている推進力か何かが壊れたのか…!?」
ハウ「え、えー!?そ、それが本当だったらおれたち…!」
ビート「……この高さから檻ごと落下…!?」ゾクッ



マサル「くぅ…けど、“すなじごく”に囚われたとしても!勝たせてもらうぞ!ゴリランダー、“ダイソウゲン”!!」

ダイマックスゴリランダー「グラリラー!!!」

巨大な4つの種をサダイジャに放ち、一気に巨大なキノコに成長、くさタイプの大ダメージをサダイジャに与えつつ、辺り一帯に“グラスフィールド”が発生する。



ユウリ「マサル!!大変!!この檻、もう浮かないよ!!」

マサル「何ッ…!?ゴリランダー、動けるか!?」
ダイマックスゴリランダー「グラ!」
任せろ!と言わんばかりに親指を立てたゴリランダーは、落下を開始した檻に視線を移した。

スレイ「ふはは!何を余所見している!それに忘れましたか!?あなたのゴリランダーは今、“キョダイサジン”に囚われている!!」

マサル「しまったっ・・・!」

マサルのゴリランダー「グラァッ…!!」ビュゴォォォォ…

アトラ「ボクのキリキザンを狙った砂塵は味方をも巻き込んでいたんだった…!」

コウミ「そんなっ…!?」

サダイジャのキョダイマックス技―“キョダイサジン”は攻撃後、“すなじごく”に相手全体を閉じ込める。それは完全に独立した特殊な“すなじごく”で、サダイジャがこの場を離れたとしても残り続けるのだ。
 ▼ 116 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:02:15 ID:OBmcLbDk [11/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「……いや、まだだ。」ヒュッ

マサルはモンスターボールを投げ、4匹目のポケモン、リザードンを出した。

マサルのリザードン「ばぎゅあ!」

マサル「バトルは、俺とアトラの3匹ずつで戦うが、戦闘に参加させないなら4匹目を使うことぐらい、何も問題はない!頼むぞリザードン!」

マサルの指示を受け、リザードンは飛び立つ。そして大きな体躯で落下する檻を受け止め、ゆっくり飛行しながら着陸を試みる。

スレイ「小賢しい!奴を焼き払えサダイジャ!“ダイバーン”だ!」

マサル「おっと、余所見するなって言ったのはどこの誰だ?ゴリランダー、“ダイソウゲン”で決めろ!」
 ▼ 117 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:03:09 ID:OBmcLbDk [12/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ダイマックスゴリランダー「グゥゥゥラリラァァァァァァァァッ!!!」

ヒューン…ドスンッドスンッ…


スレイ「お、己!サダイジャ!遅いぞ!技が決まる前に“ダイバーン”でリザードンを撃ち落とせ!」

キョダイマックスサダイジャ「サ、サァァダァァァッ…!!」ゴゴゴゴ

ほのおタイプのダイマックス技“ダイバーン”の構えに入るサダイジャ。だがそれよりも早く―


ドォォォォォォン……


キョダイマックスサダイジャ「サ…サダ…。」
ドォォン…ドガァァン…

―キョダイサダイジャの足元に撒かれた4つの“ダイソウゲン”の種は急成長し、砂の大蛇は爆発と共にダイマックスの力を失った。

そしてそこには、完全に戦闘不能になり、目を回しているサダイジャが元の姿に戻り、倒れていた。
スレイ「馬鹿な…なぜ…なぜ勝てないんだ…。」

スレイは、自身の敗北を受け入れられずに膝をついた。

戦闘が終わったことで、ダイマックスの力で発生した“すなじごく”も消え去った。

マサル「…俺達の勝ちだ。もう観念しろ。スレイ。」
アトラ「そーそー。大人しくお縄につくこった♪」
 ▼ 118 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:03:15 ID:OBmcLbDk [13/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ユウリ「マサル!アトラ!」

勝利した2人の元に、救出された他のメンバーも駆け寄る。
落下する檻を支え、地上に降ろしたマサルのリザードンも一緒だった。

マサルのリザードン「ばぎゅあ!!」

ホップ「流石だぞ!おかげで助かったぜ!」

グラジオ「…フッ。これであとはアイツを捕まえれば終わりだ。」

コウタ「うん。チャンピオンと、一緒に戦ってくれたアトラに感謝だね。」

皆から祝福やお礼を述べられ、マサルとアトラはハイタッチする。

アトラ「…さて、と。あとは最後のハッキングで通信システムを使い、他の特務班をここに呼ぶのと、子供達を解放しなくちゃね。コウタ、よろしく!」

コウタ「そうだな。了解だ。」



スレイ「…馬鹿な…私の計画が…巨万の富が…。」

マリィ「もうこの悪党にかける言葉はなか。」

ハウ「よし、縄は貰ったし、捕まえちゃおうよ。」

コウミ「これであんたももう終わりよ。子供達は返してもらうからね!」
 ▼ 119 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:05:00 ID:OBmcLbDk [14/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ホップ「……っと、よし!こいつはもう縛り上げたぞ!」

ビート「残りのスタッフももう戦える力はありません。ポケモン総出撃で確保しましたよ。」

マサル「ふいー……たぶん30人は超えたか?」

グラジオ「……あとはあっちか。」



ユウリ「……うん!了解!2人ともありがとう!(ピッ) ……みんな!たった今、コウタから連絡が来て、2人の方でハッキングが完了したわ!もうこのヘルメットが起動することはないから、この子達のヘルメット、一斉に外しちゃって!」

コウミ&マリィ&ハウ&リーリエ「「「「了解(です)!!」」」」


敵の親玉を無力化した一行はそのまま、親玉のスレイや各地で倒してきたスタッフの拘束、ヘルメットを被せられたまま眠っていた子供達の救出にあたった。
スタッフの手持ちのポケモンはいずれも全てひんし状態だったためスタッフ本人が直接マサル達を拘束しようとしたが、マサル達はポケモンを全て出撃させたため手も足も出ず、あっけなく御用となった。
 ▼ 120 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:05:16 ID:OBmcLbDk [15/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告


アトラ「ご協力、感謝だぞ諸君♪」

コウタ「こっちも今終わったところだ。じきに国際警察の特務長官と救護班がここに来るそうだ。」

マサル「っあ〜〜〜〜〜!これでようやく帰れるぜ!」

コウミ「この3日間…でいいのかな?短いようでとても長かった〜!」

マリィ「あの子達も、いずれ目が覚めるね。よかった。」


一通りの後始末が終わり、あとは迎えを待つだけとなった一行。各地方から集められた子供達も彼等も、この人工島を去る時が近づいていた。


ホップ「…まぁ、なんていうかさ。」

ホップの声に皆が振り向き、耳を傾ける。少し寂しそうな表情だった。

ホップ「…この島、最初招待された時は浮かれてたのに、正体は恐ろしい軍事施設だったんだなって…。…この事件が終わったら、ここは本当に、楽園に生まれ変わってほしいぞ。」

彼の言葉に真っ先に反応し、頷いたのはユウリだった。
ユウリ「ここに呼ばれた子供達…とても怖い思いをしちゃったし…今度こそ、楽しめるようなところがいいよね!」

他のメンバーも頷き、続ける。

ビート「…不謹慎ではありますが、彼の言うこともわからなくはないです。」

コウタ「帰ってから彼等のメンタルケアが大変そうだな…。それが終わったら、今度こそ楽しい思い出を作ってほしい。こんな事件なんかで、未来を奪われたくはないよね。」

アトラ「みんな真面目だね〜。ボクは今まで、そこまで考える機会なんてなくってさ。何なら事件を起こした側だし。」

マサル「お前もこれからは考える機会、あるんじゃないかな?やっと、戻ってこれたんだろ?」

アトラ「あ〜…まぁそうかもしれない。あの事件だって、聞いた話だとみんなこの事件のことも、ボクのこともすっかり記憶から抜け落ちちゃったって話だしさ。」
 ▼ 121 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:07:00 ID:OBmcLbDk [16/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
グラジオ「……ところで、オマエはこの事件が終わったらどうするつもりなんだ?」

アトラ「ん?ボクかい?」

話がひと段落し、グラジオからアトラに話を振ってきた。彼女は少し考えこんだ後、こう答えた。

アトラ「…一応、今回の事件の完了報告も兼ねて、一旦国際警察の特務チームに戻るよう言われてるんだ。報酬の中にボクのトレーナー復帰も入ってるらしいけど、それはどうなるのかね〜…。」

リーリエ「トレーナー復帰…ですか…?」

コウタ「…そういえばあの後、トレーナーカードも剥奪されたのか。」

アトラ「まぁね。ガラル地方のほぼ全員が覚えていなくても、ジムリーダーや元チャンプにキミら、そして国際警察はしっかり覚えてるしね。………と、思い出した。そういえば。」

何かを思い出したようにアトラは自身の持ち物の中にあった書類を確認する。そこに書いてあった内容を改めて一通り見て、首をかしげる。

アトラ「今回の仕事が終わったら、なんか“まどろみの森”…ってところの奥に行ってくれって言われててさー…今回の件と関係あるのかね?これ?」

ユウリ「なんでそんなところを?」

アトラ「何も気にしないでこれも契約書を読んだ上でOKしちゃったけど、ボクもよくわからないんだよなぁ〜…。」
 ▼ 122 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:07:06 ID:OBmcLbDk [17/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告

カタカタ…


誰もが考え込んでいる間、捕まっていたスレイの服から1個、何かが落ちてきた。
カタカタ…

コウミ「…?ねぇ、何か音がしない?」

リーリエ「…はい、確かに…!み、皆さん!あれ!」

カタカタ…カタカタ…

コウタ「…!?バカな…あれは…!」

マサル「嘘だろ…!?あの時確かに6匹全員倒したはずだぜ!?」

ハウ「えっ、まっ、待って!1個だけじゃないよー!」

他にもさらに2個、スレイの服の中から2個のマスターボールが落ち、そして3個のボールが一斉に揺れ始めた。


ポンッ


スレイのゴリランダー「グ〜ラ…。」

スレイのエースバーン「ファァイ!」

スレイのインテレオン「ウォレン。」
 ▼ 123 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:33:10 ID:OBmcLbDk [18/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「お前…!6匹以上一度に持つなんて不正だぞ!」

スレイ「くくく…知りませんなぁ。私は偶々このボールを持ち、偶々出しただけですよ…ぐふふ…!」

ユウリ「往生際が悪いわね…!」

スレイ「最後まであきらめない、とでも言ってもらいましょうか。さて、先程あなた達はこの島のダイマックスのシステムをダウンさせましたが、その状態で勝てますかね?」

ポケモントレーナーは本来、一度に連れ歩けるのは6匹までとなっており、それ以上はボックスに預けられる。
スレイはそのルールを無視し、合計9匹を連れ歩いていたのだ。

マサル「くそっ…!なら倒すまで…―――


ドォォォン!!!


マサル「うわぁっ!!」

マリィ「マサル!?」

ビート「…このポケモン達は…!」


目を疑った。彼等はトレーナーを直接襲ったのだ。
敵のエースバーンが放った“シャドーボール”はマサルに直撃し、大怪我をした。

コウタ「お前は…どこまで外道なんだ!」

リーリエ「ひどいです!ひどすぎます!」

アトラ「罪に罪を重ねちゃうか〜…参戦したいところだけど、こちとらもう手持ちがいないし、マサルはこの状態、悪いけどこの場はキミらに任せたよ!」

 ▼ 124 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:33:30 ID:OBmcLbDk [19/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ホップ「インテレオン、頼むぞ!」ヒュッ…ポンッ
ホップのインテレオン「うぉれん!」

マリィ「あたしもやる。オーロンゲ、頼んだよ!」ヒュッ…ポンッ
マリィのオーロンゲ「オォーロン!」

ビート「これでちょうど3人です、行きますよ!ブリムオン!」ヒュッ…ポンッ
ビートのブリムオン「むぅん♪」


マサル「ぐぅ…!」

ユウリ「マサル!大丈夫!?」

コウタ「ひどい怪我だ…“シャドーボール”を直撃してるなら当然か…。」

コウミ「すぐに手当てしましょう!」

グラジオ「…頼むぞ、ホップ、マリィ、ビート。」
 ▼ 125 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:34:01 ID:OBmcLbDk [20/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ハウ「…!気を付けて!いきなり“グラスフィールド”が貼られてるよー!」

ビート「相手のゴリランダーの仕業か…!」

マリィ「あたしのオーロンゲの“ビルドアップ”で受け止めて、あいつを倒す!」
マリィのオーロンゲ「オォー!」ムキムキッ

ホップ「相手のゴリランダーにくさタイプの技を使われると厄介だぞ!インテレオン、ゴリランダーに“れいとうビーム”!」
ホップのインテレオン「うぉれ!」ピキィィィィ

スレイのゴリランダー「ウホォッ。」ヒュッヒュンッ
マリィ「なっ…!?違う!くさタイプの技じゃなかよ!」

シュババババッ!

ホップ「げっ!?避けられた!?」
ドォン!

ホップのインテレオン「うぉれぇっ…!」ドサッ

リーリエ「今の技は“アクロバット”です!」
グラジオ「来るぞ!」

スレイのエースバーン「ヒバー!」ゴォォォォォォッッ!
スレイのインテレオン「ウォレ。」ビュビュビュッ!

コウミ「“フレアドライブ”と“つららばり”が来るわ!」

ビート「ブリムオンは“サイコキネシス”でエースバーンを止めてください!」
ビートのブリムオン「むぅー!」キィィン

スレイのエースバーン「ファ!?」グググ…

マリィ「“つららばり”が防げない…きゃっ!?」

マサル「マリィ!危ない!」

敵のインテレオンが放った“つららばり”は防ぐことが出来ず、マリィ本人目掛けて一直線に飛んで行った。
ガガガガッ!!

 ▼ 126 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:34:21 ID:OBmcLbDk [21/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
コウタ「…!」

コウミ「…あ、あれ!」

マリィ「…ん。」

マリィのオーロンゲ「オ、オォ…!」ググ…

スレイのインテレオン「…チッ。」

マリィのオーロンゲが、“ビルドアップ”で上がった物理耐久力を以て自らマリィを庇い、“つららばり”を全弾受け止めた。

ホップ「大丈夫か!?マリィ!オーロンゲ!」

マリィ「あたしは平気ばい…オーロンゲは!?」

マリィのオーロンゲ「オォーロ!」ムキッ

自慢の筋肉質の身体を見せつけ、「俺はまだまだやれる」と全員に笑い返した。

ビート「…流石に、よく育てられていますね。肝を冷やしましたが大丈夫そうですね。」

マリィ「オーロンゲ…ありがとう…!ここから反撃よ!」



ユウリ「みんな!あれ見て!」

敵の3匹は一斉に強力なエネルギーをチャージし始めた。3匹一斉に同じ技を放とうとしているのだ。
 ▼ 127 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:34:38 ID:OBmcLbDk [22/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スレイ「ハハハハハ!これは面白い!」

すると先程まで一切指示も何も発しなかったスレイが高笑いし始めた。

スレイ「やってしまえお前達!3匹一斉に“はかいこうせん”で、周り全てを吹き飛ばすのだぁ!」

グラジオ「…無茶苦茶な…!」



ホップ「…へへっ、なぁに。止めてやるさ!」

マリィ「うん!」コクッ

ビート「違いありませんね。」フッ


3人も覚悟を決め、一斉に指示を出す。

 ▼ 128 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:35:04 ID:OBmcLbDk [23/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ホップ「エースバーンに“あくのはどう”!」
マリィ「ゴリランダーに“ソウルクラッシュ”!」
ビート「インテレオンに“あくのはどう”!」

ホップのインテレオン&ビートのブリムオン「うぉ………れんっ!」「むぅぅん!」ヴォンッ…ドドドドッ
マリィのオーロンゲ「オロン!」シュゥゥゥン…!

ドォンッ!

スレイのエースバーン「ファイッ…!」ビクッ
スレイのインテレオン「ウォォ…!」ビクッ

スレイ「馬鹿な!?……だがまだだ!ゴリランダーが残っている!」
エースバーンとインテレオンは“あくのはどう”の追加効果で怯み、“はかいこうせん”を撃ち出す前に不発となった。

マリィ「撃たせない!」
ズドォォン!

スレイのゴリランダー「グラ…。」ドサッ
スレイ「い、一撃だと!?」

コウタ「大して育っていなかったみたいだな。」

マサル「何ならお前らより、子供達の方が余程強かったぜ。」ヒヒッ

技を撃つ前に攻撃力の上がった“ソウルクラッシュ”が直撃し、ゴリランダーはそのままひんし状態となった。

マリィ「あとはあの怯んだ2匹!やっちゃって!」

ホップ「おう!マリィのエールがあれば百人力だ!インテレオン、“ねらいうち”!」
ビート「なくても相手はもう勝ち目などありません!ブリムオン、“マジカルシャイン”!」


ホップのインテレオンとビートのブリムオンは攻撃態勢に入る。一方怯まされた敵のエースバーンとインテレオンもそれぞれ“シャドーボール”と“ハイドロポンプ”で迎撃態勢をとっていた。

コウタ「ダメだ…あっちの方が早い!」

ホップ「くそっ…!」
 ▼ 129 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:35:25 ID:OBmcLbDk [24/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
???「マッスグマ!“すなかけ”!」
???「マリルリ、“ハイドロポンプ”!」

スレイのエースバーン「バニッ!?」ズサァッ!
顔に砂をかけられ、狙いが逸れた“シャドーボール”は明後日の方向へと飛んで行った。そして――

ドドドドドドッ!

スレイのインテレオン「ウォレ…!」ギリッ

別の方向から飛んできた“ハイドロポンプ”によって、スレイのインテレオンの放った“ハイドロポンプ”は相殺された。
一同がその方向を向くと、驚くべき光景が広がっていた。


コウタ「あれは…!?」

リーリエ「…ま、間違いありませんよ!」

グラジオ「……フッ!」

 ▼ 130 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:37:53 ID:OBmcLbDk [25/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
うきわボーイ・ユウタ「今だ兄ちゃん達!やっちゃえー!」
ユウタのマッスグマ「グマッ!」

メルヘンしょうじょ・クミコ「お願い!勝って!みんな!」
クミコのマリルリ「ルリルー!」
クミコのクレッフィ「クレレー!」


スレイ「何…!?ガキ共の目が覚めたのか…!?」

マサル「みんな…!」
ユウリ「よかった…!無事に気が付いたんだ…ありがとう!」


じゅくがえり・ケンスケ「よくも僕達を騙したな!船長スレイ!」
ケンスケのシャワーズ「シャワッ!」
ケンスケのモンジャラ「モジャー!」

ミニスカート・チセ「お兄さん達にひどい事をさせたのはあなた達だったなんて!許せない!」
チセのシキジカ「クルッ!」キッ!
チセのザングース「ザンザンッ!」ガルル…


ピクニックガール・チサト「頑張ってー!コウタ君のお友達ー!」
チサトのピクシー「ぴくしぃー♪」

エリートトレーナー(女)・トシエ「バトルで勝った私達の力を弄んだりなんかして!」
トシエのエテボース「エテー!」
トシエのギャロップ「ブルルルル!」
トシエのラッキー「らきー!」

えんじ(女)・ハルナ「悪者はお兄ちゃん達じゃなくて、あっちのおじさんだったんだ!」
ハルナのミミッキュ「キュ!キュー!」
 ▼ 131 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:38:21 ID:OBmcLbDk [26/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告

これまで操られたトレーナーや襲われたトレーナー、皆が皆目覚め、全員揃ってマサル達に声援を送り、スレイを糾弾する。

先程声をあげたトレーナーの他にもカントー地方から来たキャンプボーイのシンヤ、タモン、じゅくがえりのフミトシ。

ジョウト地方からこの島に上陸し、強力などくタイプのポケモンを連れていた、ピクニックガール・カオリ。

ホウエン地方にあるタイドリップ号に乗っていたおぼっちゃまのショウイチにおじょうさまのサユリ。

シンオウ地方のエリートトレーナー(女)のエリナに、ミニスカートのメイ、むしとりしょうねんのダイスケ、にんじゃごっこのヒロノブ。

イッシュ地方で、ドラゴンタイプのポケモンを使っていたえんじ(女)のアカリや、2年間の工事で開通した23番道路にいたエリートトレーナー(男)のケント、ヤグルマの森のたんぱんこぞう・カツミ。

カロス地方のたんぱんこぞう・モトキ、ミニスカート・サラ、エリートトレーナー(男)・ヒロシ、メルヘンしょうじょ・アリス。

その他、偶々バトルに参加していなかったり、3日目にここを出ようと息巻いていたりしていたエリートトレーナーやホープトレーナー、たんぱんこぞう、2日目に友達とはぐれていたカントー地方のじゅくがえり……大勢のトレーナー達が全員、11人の英雄達を応援していた。


\いけー!/ \お願い!助けて!/ \スレイが悪者だったんだー!/
 \俺達を騙したなー!/ \元の家に帰してもらうぞー!/ \あと少しだー!/


コウミ「みんな…!やっと目を覚ましてくれたのね!」

マリィ「最高のエールをありがとう!ホップ、ビート、次で決めちゃうよ!」

ビート「言われるまでもありません!」

ホップ「おう!これで終わりにするぞ!」
 ▼ 132 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:39:19 ID:OBmcLbDk [27/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
スレイ「ええい!うるさいぞガキ共ォォォォ!もういい!エースバーン!インテレオン!周りを黙らせろ!“はかいこうせん”!」

ホップ「おっと、させないぞ!インテレオン、“ふいうち”!」
マリィ「オーロンゲ、“DDラリアット”!」
ビート「ブリムオン、“マジカルシャイン”!」

最初に高速で敵の懐に潜り込んだホップのインテレオンが、敵のインテレオンに奇襲を仕掛ける。
ホップのインテレオン「うぉれ!」ズバッ!
スレイのインテレオン「オォ!?」ドスン

だがそれだけでは止まらず、エースバーンとインテレオンは発射準備を完了させて観客席の子供達に向けて“はかいこうせん”を放つ。

ビート「ダメだ…あれじゃあ止まらない…!」
ハウ「みんな、あぶなーい!!」
 ▼ 133 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:39:38 ID:OBmcLbDk [28/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ミニスカート・カオリ「ウツボット!“リーフストーム”!」
エリートトレーナー(男)・ヒロシ「シャンデラ!“シャドーボール”!」
にんじゃごっこ・ヒロノブ「ズバット達!ゴルバットに続け!全員で“エアカッター”!」

カオリのウツボット「ツボーーーッ!!」ヒュゴォォォォ!
ヒロシのシャンデラ「デラシャアァァンッ!」ドシュゥンッ!
ヒロノブのズバット2匹・ゴルバット「ズバーッ!」「ズババ!」「バーット!」ヒュババッ

観客席に向けられた2発の“はかいこうせん”は観客席にいた子供達がポケモンの技の一斉発射で相殺し、防御する。そして発射直後のエースバーンとインテレオンに隙が生じる。

マリィのオーロンゲ「オーーロッ!」ズドンッ
スレイのエースバーン「ニバァッ…!」

既に眼前に迫っていたオーロンゲに気付かずに“DDラリアット”が直撃、そして―――

ビートのブリムオン「むぅぅぅーーーーっ!!」ピカァァァ

ブリムオンから放たれたまばゆい光が、手負いの敵2匹を包み込み…

スレイ「……馬鹿な。」

アトラ「今度こそ、勝負あったな♪」

光が晴れた頃には、既に残りのエースバーンもインテレオンも地に伏していた。
その頃、空から音がしたことに、アトラが真っ先に気付いた。

/ババババババ…\

アトラ「……おっ、ちょうどいい。もうこれでおしまいだな。」
コウタ「…この音はヘリコプター…?あぁ、なるほどね。」
マサル「国際警察も到着したんだな!」
グラジオ「これで全て終わりだな。」フッ
スレイ「私の野望が…完璧な計画が…こんな形で終わるとは…!」


子供達の力で、遂に戦いを集結させたマサル達。そして、国際警察も到着した。
激動の3日目を終えた子供達は、これでそれぞれの帰路につくことが出来るだろう。
少年兵によるスレイの世界征服計画は、幕を下ろしたのだった。




Episode#10〜戦いの果て〜・完
 ▼ 134 ガデンリュウ@オーロラチケット 20/10/15 23:40:29 ID:zhYM9S9s NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
 ▼ 135 日はここまで◆6NpEuhCrOQ 20/10/15 23:41:11 ID:OBmcLbDk [29/29] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
残り話数…4話(内1話エピローグ)
 ▼ 136 6NpEuhCrOQ 20/10/16 20:44:29 ID:kOvgonco [1/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
すみません、本日投稿が遅れます。

が、予定通り11〜12話更新します。
 ▼ 137 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:21:06 ID:kOvgonco [2/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#11〜奇跡、そして…〜

スレイの創設した人工島の事件を終え、救護班の船舶も間もなく到着した。
あの後、『ポケモンワールドリゾート』―――通称PWRは閉鎖され、その後の処分は今後検討される運びとなった。
創設者のスレイは勿論、関係者もすべて逮捕され、子供達は身元を調べたうえで各地方へと送り帰した。

アローラ地方から来訪したコウタ、コウミ、ハウ、リーリエ、グラジオ、そして国際警察の特務チームに臨時で雇われて派遣されてきたアトラは、ガラル地方の面々と共に一度ガラル地方へと戻った。

そして、アトラはやり残した仕事として、現在、“まどろみの森”の調査に訪れていた。



―まどろみの森―

アトラ「森の奥で、時々薄い桃色の光が漂っているのが目撃されたから、その調査をしてくれ…ねぇ〜…。」

マサル「俺もホップも見たことないな…どこの情報なんだよ?」

アトラ「ボクもボクの上司も、上から聞かされただけでよくわかってないんだとさ〜…。まぁ多分今回の事件よりかは危険じゃないっしょ。」

コウタ「出所不明の情報なら他に聞く当てがないし、だから調査依頼が下ったのかもね。」
 ▼ 138 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:21:15 ID:kOvgonco [3/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「そうっぽいね〜…ボクが今一時的にいるこのチーム、良くも悪くも何でも屋さん、なんだよね。こういうこと、よくあるらしいんだよ〜。もう困ったもんだぁ。」ギュ〜ッ

コウタ「…愚痴るのは構わないけど、寄りかからないでくれ。歩きにくい。」

アトラ「え〜〜良いじゃん減るもんじゃあるまいし〜。一緒に戦った仲だろ〜♪」

コウタ「それとこれとは別です。」グイッ

アトラ「ぶー。」

マサル「お前ら、イチャつくのは構わないけど俺がいるのを忘れるなよな〜。」

コウタ「イチャついてなんかない。」キッパリ
アトラ「何々〜?もしかしてヤキモチ〜?もう、しょうがないな〜♪」ギュ〜ッ

マサル「だーもう!だからって俺に引っ付くなっての!」

コウタ「はいはい、お熱いお熱い。ほら、先に進むよ。」

マサル「イチャついてなんかないっ!」

アトラ「うへへ〜♪」

コウタ「はぁ…事件が終わって緊張がほぐれたとは言え、こうもガラリと変わるもんなんだな…。」

やれやれ、とため息をつく付添人のコウタ。抱き着かれて鬱陶しく感じてアトラを引き剥がそうとする付添人のマサル。調査場所がまどろみの森ということもあって縁のある人物の1人であるマサルと、ガラルにいる自分達よりポケモンの知識があるコウタが名乗りを上げ、今回3人で調査を進めていたところだったのだ。
 ▼ 139 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:22:08 ID:kOvgonco [4/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
野生のポケモンを避けながら3人はやっと最深部―――かつて“くちたけん”と“くちたたて”が置かれていた祭壇に辿り着いた。
現在その2つは、マサルのザシアンとホップのザマゼンタが所持しており、ここに立ち寄ることもないだろうと思われていた場所である。

アトラ「目撃情報によるとこの辺りらしいが…何も見当たらないね…。」

コウタ「ふむ…見間違え…じゃないのかな?」

マサル「それとも時々って言ってたから…今日じゃないとか?」

3人はそれから10分ほど周辺を調査したが、これと言って発見はなかった。

コウタ「……仕方ない。その仕事、期限がないなら時間をおいて、それでもダメなら日を改めよう。」

アトラ「えー。ここに来るのなかなか面倒だったんだけど。野宿にしようぜー?」

マサル「こんなところで3人寝るスペースあるのか?」


アトラの提案を飲み込みたかったのが本音だが、出来そうにもないことを即座に告げる。


コウタ「そうだよ、テント1つならまだしも2つも張るなんて尚更…。」

アトラ「え?1つでいいじゃん?」

マサル「いや、男女で分けないのかよ。」

アトラ「分けなくていいじゃん?」

マサル「お前なぁ…。」


真顔で男女一緒に同じテントで良いと答える彼女に、マサルとコウタは呆れていた。


アトラ「え?そんな顔されても。てか、キミらはないの?同じくらいのカワイ子ちゃんと一晩明かしたこととかさ。」

コウタ「いや…なくもないけど。」
マサル「あるんかい。」
コウタ「……僕の話はともかくさ、君と僕らは会って数日、いつの間にそんな親しくなったのさ…君は逆に何で平気か問いたい。」

アトラ「平気。むしろ興奮する。」

マサル「案の定ろくな理由じゃなかった。」

結局、彼女の案は無理矢理却下され、一同は引き返そうとした。



その時だった。
 ▼ 140 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:23:11 ID:kOvgonco [5/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ポゥ…


コウタ「…!?」バッ

気配を感じ、振り向くコウタ。

マサル「どうした?…って、何だあれ!?」

アトラ「…!」

他2人も続けて振り返る。そこには、薄い桃色の光が漂っていた。

アトラ「あれだ…!渡された写真とも一致する…!」

マサル「……おい!光の中、よく見ろ!何かいるぜ!?」



セレビィ「……ビィ。」


マサル「あれは…ポケモン…?」

コウタ「……ときわたりポケモン、“セレビィ”…それも、薄い桃色…僕が調べた緑色とは違う…!」

アトラ「色違いの…セレビィ…!?あれが…光の正体…。」



時を渡り、過去や未来へと行き来できる幻のポケモン。セレビィ。
ガラル地方どころか、初めて発見されたジョウト地方でさえも目撃例が稀少で、言い伝えが存在する程度であった。
唯一コウタのみ、アローラの初代チャンピオン時代に各地方を旅して回ったことがあり、セレビィについて存在と能力を知っている程度であり、実際に見たことはなかった。

セレビィ「…?ビィー?」クルクル

アトラ「お、お…?」

突如セレビィはアトラに目を付け、彼女の周りをくるくると飛び回る。少ししてからセレビィは再び3人の前にふわふわと浮かんだ。

そして…


セレビィ「……ビィィーー!」カッ

3人「「「うわっ…!?」」」

3人はセレビィの放った眩い光に包まれた―――――。
 ▼ 141 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:23:48 ID:kOvgonco [6/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
――――

コウタ「…ん?…なんだ、あれ…。」

マサル「…え!?ここ、10番道路!?」

アトラ「……んん…確かに10番道路っちゃ10番道路だ…。」


気が付くと、3人の目の前に広がっていた光景は、ガラル地方の雪山地帯で、シュートシティへと続く道、10番道路。
セレビィの光に包まれた3人はなぜかこの地に飛ばされていた。
するとそこには、とある7人の人物がいた。


げいじゅつか「お前らか!?アトラさんを侮辱したのは!」
ポケモンブリーダー(女)「私達はあの方のお陰で無限に欲しいものが手に入るようになったのに!」
ビジネスマン「それを胡散臭いだ?怪しいだ?」
おとなのおねえさん「ねぇ、ちょっとこの子達にわからせてあげましょう?」
B「あぁ、そうだな。アトラさんを信じない奴なんて、いらない。」

A「くそ…B…お前…!」
C「に…逃げろ…!」


人の気配を感じ、一度物陰に隠れ、様子を伺っていた3人。
アトラ「……あの時の…事件の光景…?」
マサル「…マジっぽいな。今俺のスマホロトムを見たけど、日付が…5月26日だ。」
コウタ「5月25日の23時55分、この光景の内容を連想させる書き込みもあった。あのBって人がAとCを特定して…そして…。」
アトラ「…。」

セレビィが何を思ってここに連れてきたかはわからない。
過去を変えたいのか、それとも…。
 ▼ 142 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:24:03 ID:kOvgonco [7/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「…ねぇ、まさかとは思うけど、これを変えようって考えてる?」

マサル「…。」
コウタ「…。」

アトラ「ダメだよ。そんなことしたら、この事件をなかったことにしようとしたら…どんな未来になることか…。」

コウタ「君が更生する機会もなくなるか、失敗してガラル全土が終わるか、今回のPWR事件に君の助力が加わらなくなるか…。」

アトラ「そうだよ。だから、間違ってもこれを止めようなんてこと…は…!?」

セレビィ「ビィー♪」フワッ

マサル「セレビィ…!?」

コウタ「君は…何が目的なんだ?なぜ僕達3人をここへ飛ばしたんだ?」

突如目の前に現れたセレビィ。2人の問いかけに応えることなく、再び光を放つ。

コウタ「この光は、また“ときわたり”…!おい、待ってくれセレ―――――
 ▼ 143 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:24:25 ID:kOvgonco [8/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―――

TV『次のニュースです。先程入りました情報によりますと、アラベスクタウン在住の男性A氏、C氏が行方不明になっているとのことでした。
目撃者によりますと、彼等は3名の男性と2名の女性に捕まれ、そのままシュートシティ方面へと向かって行ったという情報があり、現在捜索中です。』



アトラ「…は?」

マサル「おい…これ…昨日の…でもあの時、殺人事件になったんじゃ…!?」

TV『また、近頃、ネット掲示板を通じて交換してもらったポケモンを使用したトレーナーが、その場で意識を失い、倒れるという事象が確認されております。』

コウタ「……アトラによって人工的に作られた生物兵器のことか。」

アトラ「…消滅…ではなく、意識を失うだけに塗り替えられた…ってことか!?」

マサル「まさか、あのセレビィ…。」

TV『……以上で、本日のニュースを………ただいま先程の男性2名失踪事件の続報が入りました!現在捜索中の男性2名A氏、C氏のものと見られるスマートフォンは、先程のトレーナーが意識を失うニュースのものと同一のネット掲示板“APネットワーク”の閲覧履歴が確認されました。引き続き調査を…。』



カッ


コウタ「うっ!?」

アトラ「なんだ!?またかっ…!?」

マサル「“ときわたり”…!」


5月26日に遡り、彼等の知っているニュースとは違うものに塗り替えられていたそれを見ている最中、再び彼等は光に包まれた。
 ▼ 144 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:24:39 ID:kOvgonco [9/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―現在―

ユウリ「マサル達から連絡、来ないね…。」

ホップ「あいつらがいるんだし、流石に何かあったってことは…ないよなぁ…。」

リーリエ「…コウタさんにアトラさん、マサルさんは無事なんでしょうか…。」

グラジオ「…?なんだ…この気配は…。」
 ▼ 145 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:25:12 ID:kOvgonco [10/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
調査に向かった3人の身を案じていた、残りの8人の内、グラジオは真っ先に妙な違和感を覚えた。
そして、そこには…

セレビィ「ビィッ!」

ハウ「な、なにー!?」

コウミ「このポケモン…セレビィ!?」

リーリエ「それに、色も違います!」

マリィ「見たことないポケモンやね…。」

ホップ「最近本で見つけたことがあるけど…確かに、緑色じゃないぞ…!」

ビート「そんな稀少なポケモンが、何故ここに…?」

一同が戸惑っているのも意に介せず、セレビィは再び光り出した。

グラジオ「…ッ!?」

ユウリ「きゃっ…な、何…!?」




 ▼ 146 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:25:30 ID:kOvgonco [11/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―セレビィの光の中―

…ウリ……マリ…………ップ……ビ…ト……


コ…ミ………グ…ジオ………ハ…………リー…エ……


………みんなっ!!

ユウリ「ん………っ!?」ガバッ

コウミ「……ここは…!?」

ハウ「…うー…ここ…どこー?」

グラジオ「……なんだ……この空間…。」



アトラ「……全員、目が覚めたみたいだね。」

コウタ「よかった…!突然目の前に現れて、びっくりしたよ。」

マサル「ていうかここ、どこなんだ?最後にセレビィの奴がまた“ときわたり”の光を放ったことは覚えているけどよ。」

リーリエ「み、みなさんも、見たんですか!?セレビィを!」

コウタ「ああ…それも色違いのね………って、なんで君達も知っているんだ?」

 ▼ 147 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:25:52 ID:kOvgonco [12/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―――

マサル「…なるほど、突然目の前に現れたと思ったらセレビィが光って、気が付いたらここにいた、と。」

アトラ「ボクらもそんなもんだ。ほとんど同じだな。」

マリィ「調査の目的が、まどろみの森に時々出てくる謎の光で…。」

ホップ「その正体はセレビィだったんだな。」

グラジオ「……それで、突然光ったと思えば、アトラが起こした事件の頃まで連れて行かれて。」

リーリエ「次また光ったら、その事件の一部が改変されていたなんて…。」

コウミ「信じられない…そんなことってあるの?」

一連の説明を受け、困惑する一同。無論、当事者でありながらアトラやコウタ、マサルも未だに戸惑いを隠せない。

コウタ「……このような事態が起きたことそのものもそうだけど…それ以上にあのセレビィの目的が気がかりだ。」

ハウ「確かに…何でこんなことをしたんだろう。」

アトラを選び、何故彼女の過去の過ちを消すならばまだしも部分的に変えたのか。謎はますます深まるばかりだった。
11人が頭を悩ませていると、光の中から、ピンク色のセレビィが姿を現した。

ビート「!あの時のセレビィ…!」

セレビィ「……ビィ。」

突如現れたセレビィは、突如アトラの元に近づいた。

アトラ「……おぉ?」

セレビィ「…。」グールグール

アトラの周りを飛び回るセレビィ。周りの視線も、アトラとセレビィに集まった。
 ▼ 148 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:26:12 ID:kOvgonco [13/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
―…アトラ。―

アトラ「…ッ!?」

ビート「今…声が…!?」

マサル「……まさか!」

―……覚えてる?ワタシだよ。―

アトラ「え…?」

コウタ「テレパシーか…?いや、それよりも、アトラを知っているのか…!?」

 ▼ 149 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:26:30 ID:kOvgonco [14/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
テレパシーでその場の全員の頭の中に、セレビィのものと思わしき声が響く。

セレビィ『…小さい頃、ワタシはキミに逢ったことがあるの、忘れちゃった?』キィィン

アトラ「…!お、お前…!……思い出した…!」

全員「!?」

アトラ「お前…ボクが家出して、森に迷い込んで…その時に会ったセレビィだ!!」

マサル「マジかよ!?」

セレビィ『思い出してくれたんだね。よかった♪』



セレビィとアトラにより語られたその話。
アトラは幼い頃から、類稀なる才能を持ち、見習いとは言えど科学者の道を進んでいた父親よりも優れていた。
その様子を父親は快く思わず、自分の立場が脅かされることを恐れ、またそのことを同じく母親も恐れ、両親から虐待を受けていた。
それでも彼女は委縮することなく、むしろ強い反発を抱いて家を飛び出し、その数日後に両親は事故で他界した。
 ▼ 150 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:26:47 ID:kOvgonco [15/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
そんな家出の最中、森の中を進んでいたアトラの前に、ピンク色のセレビィがいた。
たまたま“ときわたり”でその時代に訪れたが、凶暴な野生ポケモンに遭遇し、逃げ出せたものの満身創痍だった。
倒れていたそのポケモンがセレビィかなど知る由もなく、彼女はセレビィを抱え、森を抜けて街に出た。そこのポケモンセンターにセレビィを預け、翌日には回復した。だが当のセレビィはその後、ポケモンセンターから飛び去って行ったという。



セレビィ『あの時、偶然通りかかったキミは、とても純粋な目をしていた。そして、ワタシは助けられた。



そしてワタシのことを忘れた頃に、キミは大きな過ちを犯した……


……にもかかわらず、また、やり直そうとしている。だから、ワタシなりの恩返しだよ♪』

アトラ「……それが、あの半端な歴史改変…?」

セレビィ『うん♪本当は、あの事件そのものを消し去りたかったけど、やり直そうとしているキミを、助けてくれた、何より立ち直らせてくれた、ステキな仲間達に恵まれた。今までになかったものを得た。

…だから、そんな彼等との出会いまでは消し去りたくなかったの。ゴメンね。』



マサル「……そうだったのか。」

アトラ「…ボクなんかのために…そんなことを考えていたのか…。」

いつの間にか握りかけていた拳を解いたアトラ。

セレビィ『キミは、ステキな仲間達と共に、今回多くの子供達の未来を救った。だから、今度はワタシが、唯一救われていないキミの未来を救ったんだ♪』

 ▼ 151 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:27:07 ID:kOvgonco [16/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ポロ…

アトラ「……セレビィ。」グスッ…

気が付けば、泣いていた。
大きな過ちを、それも、本来ならば許されることのなかった過ちを犯した。
二度と、陽の光を浴びることもないだろう、そう考えていた彼女の閉ざされた未来は、開けた。

本当は彼女も、今回のミッションに成功したとしてトレーナーに復帰できるかどうかなど怪しんでいた。
それでも真っ直ぐに道を歩み直し、そして今、多くの未来を救い、また、過去にも1つの命を救っていたことを思い出した。

セレビィ『……じゃあ、そろそろ、ワタシは元の時代に帰るね♪ありがとう、アトラ♪』

そうテレパシーで語りかけたセレビィは、再び“ときわたり”の光を放つ。



アトラ「待ってくれ!!」



呼び止めるアトラ。そして、一呼吸おいて、告げる。


アトラ「……もう、頭の中で整理が追い付かないけど、言いたいこといっぱいあるけど…1つだけ……!






ありがとうっ。」


セレビィ「……………ビィッ♪」



――――――

―――

 ▼ 152 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 22:27:22 ID:kOvgonco [17/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
あれから、一行はまどろみの森の最奥地に戻っていた。
元々調査に来ていたマサル、コウタ、アトラはともかく、ユウリの家で3人の帰りを待っていた残りのメンバーもまた、飛ばされていたのだ。

その後、過去の報道から、アトラは最初に収容されていた孤島に拘束されていたことは変わらないものの、事件の死亡者が出なかったことから無期懲役はなかったことにされていた。もっとも、そもそも彼女の起こした事件は、多くのガラルの民には忘れられていたのも、変わっていないが。
当然、事件の犠牲者を供養する目的だった墓標も存在しておらず、被害者は今も無事に生きている。


……そして、1週間の時が流れた。




Episode#11〜奇跡、そして…〜・完
 ▼ 153 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:00:19 ID:kOvgonco [18/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#12〜決戦〜



―シュートスタジアム―

コウタ「…いよいよだな。アトラの晴れ舞台。」

ユウリ「あれから1週間で、もうこの舞台に立ったんだもんね!」

ソニア「……あの娘が、マサルや皆が見込んだって言うトレーナーなのね。ホントに大逆転劇じゃない。」

ヤロー「何せ今回の事件解決に大きく貢献し、感謝状を貰っちゃうんですもんねぇ。まさにどん底から這いあがってきたってやつですわぁ。」



まどろみの森を抜けた後、調査の間に彼女のトレーナーカードが再度用意され、正式にポケモントレーナー復帰を果たしたアトラはその後、事件当初はあれほど面倒臭がっていた自分の手でのに尽力し、一からポケモンを育て上げた。
そして1週間でメンバーを揃え、驚異的なスピードでジムチャレンジを突破。新ジムリーダーのビートやマリィも歯が立たず突破を許し、そして今、ガラル地方のチャンピオンであるマサルと対峙しようとしていた。



コウミ「エキシビジョンマッチ、凄く楽しみだね!」

グラジオ「……このスタジアムの熱気、嫌いじゃない。」

ハウ「相変わらずだねー。」

ネズ「……あいつが、最近のジムチャレンジでマリィをも破った期待のニューフェイスですか。ま、いいんじゃないですかね。」

オニオン「うう……この空気、緊張します…!」

ビート「戦う本人でもないのに何を緊張しているんです?」

マリィ「……そろそろ来るよ。チャンピオンと、チャレンジャーが。」

サイトウ「見守りましょう、あの2人の戦いを。」

リーリエ「あ!いました!マサルさんです!」

ホップ「反対側からアトラも歩いて来たぞ!」


熱気に包まれたスタジアムは更にヒートアップし、数多の視線はコート内を悠々と歩く、2人の少年少女に降り注いだ。
 ▼ 154 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:00:42 ID:kOvgonco [19/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「………ハロー☆ようやく久しぶりのバトルだね、チャンピオン♪」

マサル「ああ。まさかこんな形でお前と戦う日が来るなんて、思ってもみなかった。」

アトラ「まーな♪ボクだって、予想なんてできなかったさ。……と、いろいろ喋りたいことはあるけど!」

マサル「…おう!そろそろ始めようぜ!」



現ガラルチャンピオン・マサルと、正式なメンバーと共に今大会初出場のアトラはお互いに背を向け、コート内所定の位置に着き、再び向き直った。


マサル「さぁ始めるぞ!チャンピオンタイム、とくと楽しめよ!」ヒュッ
アトラ「そのチャンピオンの座、引っぺがしてやるぜ!」ヒュッ


そして2人のモンスターボールは投げられ、お互いの先発が繰り出された。



マサルのゴリランダー「グラリラー!」
アトラのゴリランダー「グララァ!」

 ▼ 155 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:01:06 ID:kOvgonco [20/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告


―回想―
―まどろみの森調査後、帰還先の国際警察・特務チーム拠点―
アトラ「…え、このポケモンを、ボクに…?」

長官「ああ、何故かキミの事件の跡地に残っていた、たった1個のモンスターボールだ。これは紛れもなくキミのものだ、受け取りたまえ。」

ポンッ

サルノリ「ウキッ!」

アトラ「…!お前、まさか、ボクが初めて出会ったサルノリ、お前なのか!?」

アトラのサルノリ「ウキィッ!」ピョンッ

アトラ「…ごめんな…!今までほったらかしにして…!それでもついてきてくれるのか…!」ギュッ

アトラのサルノリ「ウキッ!」ニッ



――――

 ▼ 156 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:01:45 ID:kOvgonco [21/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「…いきなりゴリランダー対決とはな。受けて立つぜ!ゴリランダー、“ドラムアタック”!」

アトラ「…改めて宜しく!ゴリランダー、こっちも“ドラムアタック”!」

2匹のゴリランダーは一斉にドラムを叩き始め、地中から出た蔦が激しく弾け合う。得意技の力比べは互角であった。

マサル「その隙に近づけ!“たたきつける”攻撃!」

マサルのゴリランダー「グラァ!」グワッ

大きく振りかぶり、強くドラムを叩いて屈強な蔦を呼び出し、アトラのゴリランダーに襲い掛かる。


アトラ「“10まんばりき”で押し返せ!」

アトラのゴリランダー「グラッ!」

ドォォン…



ユウリ「お互い、攻撃を打ち消し合ってる…!」

ホップ「流石だぞ…!マサルのゴリランダー、めっちゃ強く育てられてるのにアトラも喰らいついているぞ…!」



マサル・アトラ「「“はたきおとす”!!」」

バシィッ!

マサル・アトラ「“10まんばりき”!」

ズドォォン!

アトラ「あーもう埒が明かない!一気に試合を動かせ!“ハードプラント”!」
アトラのゴリランダー「グゥゥーラァァーーー!」

試合が動かず、痺れを切らしたアトラは大技で状況の打破を試みた。激しい咆哮と共に、地中から巨大な樹木が出現し、マサルのゴリランダーに襲い掛かる。

マサル「…行けるか?」

マサルのゴリランダー「グラ。」

マサルとゴリランダーはお互いに視線を合わせ、その後ゴリランダーはすぐに向き直った。
マサル「ゴリランダー、“ドラムアタック”!」



オニオン「…威力の差がある技に…真っ向から挑むの…?」

メロン「マサル…何か企んでるね…?」

特攻が高くないゴリランダーとは言え、技の威力に大きな開きがあるくさタイプ究極の技、“ハードプラント”。習得には、そのポケモンとの相応の絆が必要になってくる。
アトラがそこまで、自身の相棒を育てることに注いできた力と愛情は、マサルや観客席の仲間にも伝わってきた一方、観客席のジムリーダーは一部、マサルの判断に困惑を隠しきれなかった。

 ▼ 157 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:02:25 ID:kOvgonco [22/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
そして、マサルのゴリランダーがドラムを叩いて地中から出した蔦と、アトラのゴリランダーが呼び出した巨大な樹木がぶつかり合った―――



―――と、思われた。

アトラ「………何!?」

マサル「“ドラムアタック”ってさ、当たった相手の素早さを下げられるんだろ?


なら、樹木の襲ってくる勢いも、ちょっとは抑えられるんじゃないか、って思ってな!」ニカッ

“ドラムアタック”の蔦は、“ハードプラント”の樹木と直接はぶつかり合わず、周囲から衝撃を与え、襲ってくるスピードを落とした。
蔦のコントロールに集中していたことと、樹木の大きさから回避こそ間に合わなかったものの、勢いを軽減してダメージを落とし、マサルのゴリランダーはこの猛攻を凌いだ。



ヤロー「たまげた!“ドラムアタック”にそんな使い方があったなんてなぁ。」

マクワ「……相変わらず予想の斜め上を行きますね。現チャンピオンは。」



ハウ「すげー!ゴリランダーの得意技をあんな風に活かせるなんてー!」

リーリエ「しかも“ハードプラント”は使った後、しばらく動けません!」

コウタ「渾身の一手をいなされ、息も上がっている。大きな隙を晒したな。」



マサル「今のうちに決めろ!“はたきおとす”!」

アトラ「くっ…ゴリランダー、避けろぉぉ!!」

アトラ、必死に声を荒げるが、技の反動で疲労しているアトラのゴリランダーは棒立ちのまま、マサルのゴリランダーからの反撃を受けた。

スパァァン!

アトラのゴリランダー「グラ……ラァ…。」ドスーン…

そしてそのまま地に伏し、マサルが先制で1匹を撃破した。


マサル「よし!やったぜ!」

マサルのゴリランダー「グラァァー!」ドコドコドコドコ

歓喜と共にドラムを叩くゴリランダー。

アトラ「……相手のゴリランダーにもだいぶダメージを与えた。ナイスファイトだったぜ、ゴリランダー。戻れ!」シュゥゥン

倒れた自身のゴリランダーを労いながらボールに戻し、彼女は次のモンスターボールに手をかける。

 ▼ 158 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:16:29 ID:kOvgonco [23/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「お次は…こいつだ!」

アトラのバルジーナ「クワーーッ!」



ネズ「ほう…センスあるんじゃないですか。あのアトラって小娘。」

カブ「相性が有利な上に、バルジーナは持久戦が得意なポケモンだ。マサル君はどう切り抜けるかな。」



マサル「バルジーナか…流石に不利だな。戻れ!ゴリランダー!」シュゥゥン

ゴリランダーをボールに戻し、別のポケモンに変える。

マサル「行け、コオリッポ!」

マサルのコオリッポ「リポッ!」

アトラ「お、こりゃあちょうどいい。バルジーナ、“どくどく”だ!」

アトラのバルジーナ「クワッ!」ゴポォッ…

マサル「くそっ!ひこうタイプの技かと思ったら状態異常かよ!コオリッポ、大丈夫か!?」

マサルのコオリッポ「リポッ…!」

“どくどく”により、徐々にダメージが増える“もうどく”状態になったコオリッポ。特性の“アイスフェイス”発動に賭けた目論見は失敗に終わってしまった。

アトラ「その“アイスフェイス”を物理技で壊さない限り、足の遅さが目立つポケモンだろ?ならこのまま粘り勝ちだ!」

マサル「コオリッポ、その前にあいつを倒すぞ、“つららおとし”!」

マサルのコオリッポ「リポォ!」ドドドドッ

アトラ「バルジーナ!“ダブルウイング”で撃ち落とせ!」

アトラのバルジーナ「クワッ…!」ズドンッ…

アトラ「“はねやすめ”で回復だ!」

マサル「“つららおとし”!」
 ▼ 159 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:16:38 ID:kOvgonco [24/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ビート「…押されてますね、コオリッポ。」

リーリエ「えっ?タイプはコオリッポさんの方が有利に見えますが…。」

マリィ「あいつも言っていた通り、コオリッポは“アイスフェイス”が破れなければスピードが遅い。次の“つららおとし”が来る前にバルジーナが“はねやすめ”を使うことで、回復するだけじゃなく一時的にひこうタイプが消えるから、“つららおとし”のダメージも減るとよ。」

ユウリ「それにアトラのバルジーナが使った“ダブルウイング”は2回攻撃。毒でコオリッポが弱った頃合いを見て、“アイスフェイス”を壊しつつ本体にとどめを刺そうとしてるのね…。」

ホップ「流石だぞ…!バトルの腕も、マサルに負けず劣らずなんだな…!」

ダンデ「それに“つららおとし”は、動かない相手でもたまに外れるからな。撃ち続けている内に、いつかは外れてしまう…。」
 ▼ 160 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:17:33 ID:kOvgonco [25/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
バルジーナの耐久力に翻弄され、徐々に体力を消耗していったコオリッポに対し、バルジーナはほぼ全快状態だった。

アトラ「……よし、そろそろ突っ込め!“ダブルウイング”でコオリッポを狙うんだ!」

アトラのバルジーナ「クワーーッ!」ビュンッ

マサル「このタイミングを狙ってたのか!?コオリッポ、避け―――


バキィィンッ…

マサルのコオリッポ(ナイスフェイス)「リポッ…!」


スパァァン!


マサルのコオリッポ「リポーッ!」ヒューン…

ドサッ…

“ダブルウイング”の2発目を受け止め切れず、毒で弱っていたコオリッポはそのまま吹っ飛び、力尽きた。

アトラ「いよーし。これでイーブン♪よくやったぞバルジーナ!」

マサル「…やるな。お疲れコオリッポ。ゆっくり休んでてくれ。」

コオリッポを戻したマサルは次のモンスターボールに手をかける。
 ▼ 161 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:17:39 ID:kOvgonco [26/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「…少し早いけど仕方ない。リザードン!」ポンッ

マサルのリザードン「ばぎゅああぁぁ!!」



ホップ「リザードン!?もうキョダイマックスさせるのか!?」

マリィ「それはわからん…少なくともバルジーナはそのまま突破じゃない?」



マサル「“かみなりパンチ”!」

アトラ「“イカサマ”だ、バルジーナ!」



ドゴォォン…


アトラのバルジーナ「バルジ……。」ヒューン…ドサッ

マサルのリザードン「ばぎゅあ!」バチチ…

マサル「パワー勝負なら俺のリザードンの勝ちだ。」

アトラ「流石に押し切られたか…でも、マサルに追いつけて、リザードンを引きずり出せたのは大仕事だったぜ。戻れバルジーナ。」シュンッ…
 ▼ 162 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:18:03 ID:kOvgonco [27/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
コウタ「PWRで2人で戦ってた時に、マサルがリザードンを出していたのを覚えていたみたいだな。」

ダンデ「それにアトラのあの表情、まだ手があるようだな。」



アトラ「次はお前だ、ジャラランガ!」ポンッ

アトラのジャラランガ「じゃらじゃらーん!」

アトラ「“かみなりパンチ”のお返しだ!」

アトラのジャラランガ「じゃらー!」バチィッ

マサル「“ドラゴンクロー”で迎え撃て!」

マサルのリザードン「ばぎゅうぉあ!」グオオオッ

ドォォン…

雷を纏ったパンチと、竜のエネルギーを纏った爪がぶつかり合い、そのまま取っ組み合いになった2匹。ジャラランガのパワーは、マサルのリザードンに追い付く程の力だった。
 ▼ 163 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:18:21 ID:kOvgonco [28/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「キミらとのバトルの為に、この1週間ここまで育ててきたんだ。負けないからな☆」

マサル「全く…改めてホント変わったんだな。けど、勝つのは俺だ!」

ガキィィッ!

アトラ「ぐっ…!」

アトラのジャラランガ「じゃらっ…!」

取っ組み合いの末、押し出されたジャラランガはふらついてしまう。

アトラ「ジャラランガ、“ドラゴンクロー”!」

マサル「こちらも“ドラゴンクロー”!」

ガキィンッ…

マサルのリザードン「ばぎゅ…っ!」ズザッ

アトラのジャラランガ「じゃらんっ…!」ズザッ

アトラ「怯むな!押し勝てるぞ!“かみなりパンチ”!」

マサル「させるか!“かえんほうしゃ”で近づけさせるな!」

マサルのリザードン「ばぎゅっ!」ゴォォォォ

アトラのジャラランガ「じゃら…!」バチチ…
 ▼ 164 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:18:33 ID:kOvgonco [29/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
メロン「ドラゴンタイプのジャラランガにほのおタイプの技を当てても大したダメージにならない…となると攻撃以外に使うという手があったね。」

マクワ「アトラは…どう切り抜けますかね。」
 ▼ 165 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:19:26 ID:kOvgonco [30/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「“かわらわり”で炎を吹き消せ!その先にいるリザードンに“かみなりパンチ”を叩きこむんだ!」

アトラのジャラランガ「じゃらー!」ブォンッブォンッ

ジャラランガは拳を手刀に変え、腕を振るい、風圧で撒かれた炎を消していく。そして炎の防壁を突破して拳に電撃を溜めようとしたジャラランガ。

アトラのジャラランガ「じゃら…!?」

アトラ「リザードン…どこへ行った!?」

炎を突破した正面にいたと思っていたリザードンの姿は見当たらず、辺りを見回すアトラとジャラランガ。

マサル「リザードンなら……上だ!」

アトラ「!?」

マサルにそう言われて見上げると、上空には翼を広げ、滞空しているリザードンの姿があった。

アトラ「くそっ…そういうことか!」



キバナ「なるほどな…あの炎は防壁なんかじゃなくって、時間稼ぎだったって訳だ。」

ルリナ「そのまま“そらをとぶ”を指示しても警戒されるから、あえてブラフを挟んだのね。」
 ▼ 166 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:19:32 ID:kOvgonco [31/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「くそ、ジャラランガ、“アイアンヘッド”で迎え撃て!」

マサル「もう遅いぜ!リザードン、“そらをとぶ”!」

マサルのリザードン「ばぎゅああああっ!」ゴォォォォォッ

アトラのジャラランガ「じゃらぁぁっ!!」ガキィィィン



ズドォォォォンッ…!

ビュンッ

アトラ「っ!」

アトラの真横を大きな影が通り過ぎた―――


ドォォン…


――程なくして轟音が鳴り彼女が振り向いた先には、力負けして吹っ飛ばされ、壁に打ち付けられたジャラランガだった。既に戦う力も残っておらず、そのまま壁に寄りかかっていた。


アトラ「なんてこった……ごめんよジャラランガ。お疲れ様。」シュンッ
 ▼ 167 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:29:46 ID:kOvgonco [32/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ユウリ「マサルが押してるわ…!手持ちの数も2匹リードね!」

グラジオ「…まぁ、アイツは…アトラはこのまま引き下がらないみたいだがな。」

リーリエ「アトラさんも頑張って下さーい!!」



アトラ「…。」クルッ

リーリエの声に振り向き――

アトラ「♪」チュッ

投げキッスを返し、振り向いてボールを構えた。



リーリエ「///」

ビート「まだまだ、気持ちには余裕があるのですかね。ま、いいんじゃないですか?」
 ▼ 168 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:30:07 ID:kOvgonco [33/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「頼むぞオーベム!」

アトラのオーベム「ベーム。」

マサル「今度はオーベムか。リザードン、“かえんほうしゃ”!」

アトラ「オーベム、“10まんボルト”!」

マサルのリザードン「ばぎゅあ!」ゴォォォォォッ

アトラのオーベム「ベムー。」バリバリバリバリ


火炎と電撃が衝突する―――が…



マサルのリザードン「ばぎゅあっ…!」バババババ

マサル「何!?リザードン、大丈夫か!?」

マサルのリザードン「ば…ばぎゅあ!」

アトラ「こいつだってパワーは負けちゃいないんだぞ☆」



“かえんほうしゃ”が押し切られ、体力を消耗したリザードン。

マサル「……とは言え、まだお前を失うわけにはいかない。戻ってくれリザードン!」シュンッ

マサルはリザードンを一時撤退させ、別のモンスターボールに持ち替えた。
 ▼ 169 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:30:25 ID:kOvgonco [34/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「頼むぞアギルダー!」

マサルのアギルダー「ギルッ!」

アトラ「“10まんボルト”!」

マサル「“きあいだま”!」

マサルのアギルダー「ギルゥッ!」ゴウッ

アトラのオーベム「ベム。」バチィィッ

アギルダーは闘魂を放ち、“10まんボルト”を掻き消した。

アトラ「よーし、戻れ、オーベム!」シュンッ

マサル「っと、ここで交代か?」

アトラはオーベムを戻し、別のポケモンを繰り出した。

アトラ「頼むぞドククラゲ!」

アトラのドククラゲ「ドク!」



ユウリ「ドククラゲですって!?」

ホップ「ということはヨロイ島にも行ったのか…!」

コウミ「ドククラゲは確か特防が高いはず…アギルダーで勝てるのかな…。」
 ▼ 170 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:30:40 ID:kOvgonco [35/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル(また“どく”にされると厄介だな…アギルダーの“うるおいボディ”でケアしたいが…そうなるとみずタイプの技が怖くなる上に、後で出すリザードンの為にならないな…。)

マサル「仕方ない、アギルダー、“むしのさざめき”!」

マサルのアギルダー「ギルッ!」ギィィィィン

アトラ「“ハイドロポンプ”!」

アトラのドククラゲ「ドク!」ドドドドドドッ


ズドォォォォンッ

振動を突き抜け、大量の水がアギルダーに襲い掛かる。

ドォォン

マサルのアギルダー「ギルゥゥ…!」

マサル「くそ…届かない…!」
 ▼ 171 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:31:17 ID:kOvgonco [36/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「畳みかけろドククラゲ!“ヘドロばくだん”!」

アトラのドククラゲ「ドクー!」ボシュッ

マサル「避けろアギルダー!」

マサルのアギルダー「ギルッ!」

素早さの高さを活かし、ドククラゲの攻撃を躱しては反撃、躱しては反撃を繰り返す。交代はせず微弱なダメージをドククラゲに蓄積していく。



リーリエ「…マサルさん、アギルダーさんで攻め続けていますが、交代しないのでしょうか?むしタイプの技以外に何かないのでしょうか…。」

コウタ「多分そうなんだろうね。以前のトーナメントで僕が戦ったときと同じ手持ちだとしたら、アギルダーの他の技でも対抗できないことに加え、多分彼は交代しないというより迂闊に交代できないんじゃないかな。」

ユウリ「えーと…コオリッポが倒れて、ゴリランダーとリザードンは体力が減っている。他にいるのはドククラゲに痛手を負わせられるけど逆に痛手を貰うことにもなるカマスジョー、そしてザシアン…。」

コウタ「…お互い、まだダイマックスを使っていないなら、ザシアンの体力は温存しておきたいんだと思う。だからこれ、頭数は今マサルがリードしているけど、状況としては割と苦しいと思うよ。

リーリエ「とは言え、このままアギルダーさんで戦い続けても、ドククラゲさんを倒すのはかなり時間がかかりますよね…。」

ハウ「しかもアトラ、前に連れていたキリキザン達が借り物で、実際の手持ちが全く別。控えにはオーベムと…あと1匹は誰なんだろう?」

ビート「…それがわからない以上、こちらもまだ見せていない手の内をあまり出したくないでしょうね…。」
 ▼ 172 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:31:23 ID:kOvgonco [37/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「そりゃそりゃそりゃ!撃て撃て撃て!」

アトラのドククラゲ「ドクドクー!」

“ヘドロばくだん”、“ハイドロポンプ”、“マジカルシャイン”、持てる攻撃技を乱射するドククラゲ、対するアギルダーは“むしのさざめき”、“みずしゅりけん”、“きあいだま”しか攻撃技を持たない。途中交代の隙を突かれることを恐れ、アギルダーで戦い続けることを余儀なくされ、苦戦しているマサル。

マサル「……!」

マサルのアギルダー「ギル…!」ゼェ…ゼェ…

悩むマサル。アギルダーも疲労が蓄積し、スピードが落ちてきている。未だに避け続けているものの、そろそろ限界か。



ソニア「さぁ…どうするチャンピオン…。」

ダンデ「アギルダーで戦い続けるか。スキを突かれる覚悟を決めて途中交代か…!」






マサル「アギルダー、ここまでありがとう、戻れ!」シュンッ
 ▼ 173 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:32:07 ID:kOvgonco [38/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「ほほう…誰が出てくるかな?」

マサル「頼むぞ、カマスジョー!」ポンッ

マサルのカマスジョー「じょーっ!」



コウタ「…物理攻撃とスピードに優れたカマスジョーで勝負に出たね。」

マリィ「あとは…ドククラゲの攻撃を耐えられるか…!」



アトラ「“ヘドロばくだん”!」

アトラのドククラゲ「……!」

アトラ「…?どうした?ドククラゲ…まさか!?」

マサル「…よし、狙い通りだ!」



サイトウ「どうしたというのでしょうか…。」

オニオン「…多分…もう…あの技は撃ち切ってしまって…ヘドロを出せないんだと思う…。」

キバナ「なるほどな…ただ避けていただけでなく、カマスジョーにとって一番痛手となる技を撃ちまくるまで粘っていたってか!」
 ▼ 174 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/16 23:32:14 ID:kOvgonco [39/39] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「くそっ…なら“マジカルシャイン”!」

アトラのドククラゲ「ドクーーー!」ピカーーッ!

マサル「カマスジョー、“サイコファング”だ!」

アトラ「!?」

サイコパワーを纏った牙で、光の中突撃していくカマスジョー。その不思議な力は“リフレクター”や“ひかりのかべ”といった守りを噛み砕く。
今はそのような防壁がないためただの攻撃技だが、弱点となるタイプの物理攻撃を予想していなかったアトラは動揺した。

ガブゥッ!!


アトラのドククラゲ「ド…ドク…!」ドサッ

マサル「よっし!よくやったぞカマスジョー!」

アトラ「…ふふふっ、やっぱキミ、凄いね!」

そして2人の決戦は、いよいよ後半に突入する…。





Episode#12〜決戦〜・完
 ▼ 175 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 09:31:42 ID:F4CY.KqY [1/9] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#13〜ダイマックス〜

アトラ「再出陣だ、オーベム!」

アトラのオーベム「ベーム。」

現在のマサルの手持ちは、頭数こそアトラに勝っているものの、手負いのゴリランダーとリザードン、ドククラゲの“マジカルシャイン”の中を突破して手負いになったカマスジョー、疲労回復中のアギルダー、全快のザシアンと、少々苦しい状況にある。
一方のアトラは、ほぼ全快のオーベムと、まだ見せていない6匹目。

2人のバトルは、後半へと突入していた。

マサル「カマスジョー、“アクアブレイク”だ!オーベムの“10まんボルト”には気を付けてくれ!」

マサルのカマスジョー「シャッ!」ブクブク…ギュンッ

アトラ「“10まんボルト”だけじゃないんだよなぁ♪」


ドォン!!


マサル「!?カマスジョー!」

マサルのカマスジョー「ジョー…。」ドサッ

アトラ「ナイスな“エナジーボール”だったぜ♪」

アトラのオーベム「ベム。」

でんきタイプの技だけを警戒していたマサルは、不意のくさタイプの技に対応できず、耐久力に心許ないカマスジョーはたまらずダウンした。

マサル「…すまない。でもナイスファイトだったよ、カマスジョーありがとう。戻れ!」シュンッ


観客席の熱気は更に盛り上がり、ジムリーダーやダンデ、ソニア、ユウリ達やコウタ達の面々も2人の戦いを見守っていた。
グラジオ「……全く、流れが目まぐるしく変わる試合だ。」ニッ

コウタ「あぁ。有利と不利が何度も入れ替わる。この読めなさは見ていても体験していても楽しいよ。」

ユウリ「2人とも頑張ってー!!!」
 ▼ 176 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 09:32:02 ID:F4CY.KqY [2/9] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「アギルダー、頼むぞ!“むしのさざめき”!」ポンッ

マサルのアギルダー「ギルゥゥ!!」ビィィィィィィン

アトラ「“あくのはどう”!」

アトラのオーベム「ベーム!」ズオッ

ヒュンッ

虫の振動と悪のオーラはすれ違うように通り抜け、お互い直撃する。

ドッゴォォン!

マサル「…!」
アトラ「…。」

 ▼ 177 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 09:32:27 ID:F4CY.KqY [3/9] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
土煙が晴れ、そこにはマサルのアギルダーとアトラのオーベム。どちらも戦闘不能となり、地に伏していた。
マサル「相打ちか…けどよくやってくれたよアギルダー。ゆっくり休んでくれ。」シュンッ
アトラ「ありがとうオーベム。あとは…任せな。」



コウミ「いよいよアトラはラスト1匹ね!」

ホップ「さぁ…何が出るんだ!?」



アトラ「…ふぅ。とうとうここまで来ちゃったか。流石はチャンピオン!




けどな。」ギラッ

目つきが鋭くなるアトラ。だがそれは以前のような、自分の邪魔をする者に向けるような目ではなく、どこか燃えているかのような様子だった。
 ▼ 178 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 09:32:48 ID:F4CY.KqY [4/9] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「ボクだってこの1週間、必死に修行した。
ポケモンを育てることの楽しさを知り、そしてそのポケモンで戦うことがこんなにも面白いものだったと知れた。

だからまだまだボクは負けない!
最後の1匹が倒れるまで、バトルは終わらない!終わらせない!!………そうだろう?マサル!」

相対するチャンピオンの名を呼ぶとともに急に普段の表情に戻るアトラ。

マサル「……ああ、そうだな!俺だってまだまだやるぞ!こうして新たに仲間になったお前と、本当のバトルが出来て楽しいぜ!

だから最後まで全力で来いよ!俺は全力で迎え撃つぜ!」ニッ

そしてアトラは、6個目のモンスターボールを取り出し、じっと見つめる。そして一呼吸おいて、放り投げる。


ポンッ

アトラのイオルブ「イオーーッ!」



マリィ「最後の6匹目はイオルブだったとね。」

ハウ「でも、コウタが持っているのと違う、青いイオルブだー!」

コウタ「なるほど。色違いだったのか…。」



ルリナ「多分、マサルはリザードンを、アトラはあのイオルブをダイマックスさせてくるわね。」

カブ「いけいけマサル!やれやれアトラ!」

ヤロー「ポケモンバトルも農業も粘り腰じゃあああ!!!」
 ▼ 179 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 09:33:13 ID:F4CY.KqY [5/9] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「行け!ゴリランダー!」ポンッ

マサルのゴリランダー「グラリラー!」

アトラ「ゴリランダーから来たか。それじゃあ…。」スッ

アトラは再びモンスターボールを構え、イオルブを戻した。
そして、彼女が新たに手にしたダイマックスBが輝いた。

マサル「来るか!」

アトラ「おうよ!行くぞイオルブ!



キョダイマックス!!!」ブンッ



キョダイイオルブ「イィィィィィィオォォォォォォォォォォ!!」

その容姿はさながら、巨大なUFO、アトラのイオルブはキョダイマックスで姿を変えた。

マサル「ゴリランダー、“はたきおとす”!」

ドォン…

アトラ「キョダイマックスはそれぐらいじゃ倒れない!“ダイワーム”!」

キョダイイオルブ「イオオオォォォォォ…。」ブワァァッ

ダイマックスの力で放ったエネルギーは無数の蝶となり、容赦なくゴリランダーを包み込んだ。

マサル「くっ…!」

マサルのゴリランダー「グラ…。」ドサッ

マサル「…ごめんな。戻れゴリランダー。……ありがとう。」シュンッ
 ▼ 180 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 09:33:36 ID:F4CY.KqY [6/9] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「さぁ、残るは体力の減ったリザードンと、キミのラスト1匹だけだぜ!」

マサル「…行くぞ。リザードン!」ポンッ

マサルのリザードン「ばぎゅあ!」

マサル「そして…!」シュゥゥゥゥ

アトラ「ふっ……そう来なきゃね!」

マサルは次に繰り出した手負いのリザードンを出し、すかさずダイマックスの体勢に入るべくリザードンを戻した。
そしてボールは巨大化していき…

マサル「リザードン、キョダイマックス!!」ブンッ



キョダイリザードン「バァァァァギュアアァァァァァッッッ!!!」
 ▼ 181 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 09:34:22 ID:F4CY.KqY [7/9] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
コウミ「おおおお!!」

リーリエ「遂にダイマックスバトルです!」

ハウ「頑張れリザードンー!イオルブー!」



マサル「リザードン、“キョダイゴクエン”!」

アトラ「イオルブ、“キョダイテンドウ”!」

お互いに放ったほのおタイプとエスパータイプのキョダイマックス技、それぞれが交差し、炸裂。



ドガァァァン…!!!


キョダイイオルブ「イィィィオオォォォォ…!」ゴォォォォ…

イオルブは“キョダイゴクエン”の火の鳥に包まれ、ダメージを受け続ける。そしてリザードンは…

 ▼ 182 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 09:34:42 ID:F4CY.KqY [8/9] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
コウミ「おおおお!!」

リーリエ「遂にダイマックスバトルです!」

ハウ「頑張れリザードンー!イオルブー!」



マサル「リザードン、“キョダイゴクエン”!」

アトラ「イオルブ、“キョダイテンドウ”!」

お互いに放ったほのおタイプとエスパータイプのキョダイマックス技、それぞれが交差し、炸裂。



ドガァァァン…!!!


キョダイイオルブ「イィィィオオォォォォ…!」ゴォォォォ…

イオルブは“キョダイゴクエン”の火の鳥に包まれ、ダメージを受け続ける。そしてリザードンは…

 ▼ 183 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 09:34:51 ID:F4CY.KqY [9/9] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ドガァァァン…!

キョダイリザードン「バァァギュウゥゥアアァァ…!」
既に手負いとなっていた体力で“キョダイテンドウ”を耐えることが出来ず、体力を失った時点で爆発し、ダイマックスのパワーが散っていく。

マサル「……倒しきれなかったか、ごめんなリザードン…。戻れ。」シュンッ

マサルのリザードン「ばぁぎゅ…。」グッ

気にすんな、そう言わんと親指を立てながら、元の姿に戻ったリザードンはモンスターボールに戻っていく。

マサル「…しかも、“キョダイテンドウ”の効果か…“じゅうりょく”が強くなっている…!」

アトラ「そうとも!ひこうタイプは空にいるのが辛くなるし、技も簡単には外さなくなるぞ!」



コウタ「これでお互い、残り1匹ずつまでもつれたな。」

ホップ「流石だぞ!本気のマサルに本気で喰らいついているぞ!」

グラジオ「…フッ。とんでもない逸材のようだな。」
 ▼ 184 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 11:55:24 ID:vh7ULKLU [1/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マサル「頼むぞザシアン!あとはお前に託すぜ!」ヒュッ

マサルのザシアン「ウルォーード!!」ポンッ

アトラ「剣の王、ザシアン…!知ってるさ!ダイマックス相手でも戦える伝説のポケモン!


良いぜ。最後の1匹が伝説のポケモン、そいつを倒して、チャンピオンの玉座からキミを下ろす!」

マサル「俺だってこのまま負けはしない!チャンピオン防衛、やってやるぜ!ザシアン、“きょじゅうざん”!」

マサルのザシアン「ウルォーード!!」ジャキィィンッ

咥えていた剣が輝き、巨大化。そしてキョダイイオルブに斬りかかる―――

アトラ「“ダイウォール”!」

キョダイイオルブ「イオー。」キィィン

マサルのザシアン「ウルォォ!」ガキィッ!!

ダイマックスしたポケモンは変化技を防御技“ダイウォール”にして使用できる。ダイマックス技でさえも防ぐことができる防壁は、ダイマックスしたポケモンに絶大なダメージを与える剣をもってしても破れない。
そして、アトラのイオルブのダイマックスは時間経過で解除された。

シュゥゥン……

アトラのイオルブ「イオォォ。」

アトラ「イオルブの攻撃技じゃ、まともにザシアンと殴り合っても勝てない。だからこの“じゅうりょく”を撒いたのさ。」

マサル「“さいみんじゅつ”、だろ?」

アトラ「ご名答!眠らせてからじっくり倒してやるよ!」

マサル「…まぁいいさ。その前に決着をつけるぞ。ザシアン、“かみくだく”!」

マサルのザシアン「ウルォ!」バッ

素早くとびかかるザシアン。そして―――

アトラ「“さいみんじゅつ”!」

マサルのザシアン「ウルォ…。」ドサッ

マサル「ザシアン!」

――飛び掛かる途中で催眠にかかり、失速して眠りに落ちてしまった。



ユウリ「あとちょっとのところで届かないかー。」

コウタ「……。」

 ▼ 185 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 11:55:41 ID:vh7ULKLU [2/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「寝ている間に連続で“ギガドレイン”!」

アトラのイオルブ「イオー。」キュゥゥンン



植物を呼び出し、ザシアンから徐々に体力を奪うイオルブ。効果が今一つなくさタイプの技でも着実にザシアンへダメージを与えていく。

マサル(くそ…間に合え…!)

アトラ「ようやく…勝てるんだ…!本気のバトルで…!イオルブ、これで決めろ!」

マサルのザシアン「……ウルォ!」パチッ

マサル「!起きてくれたか!」

アトラ「げっ!?」

マサル「ザシアン!きょじゅうざん”!」

マサルのザシアン「ウルォォ!」ザシュッ!ドゴォーン!!

巨大な剣で至近距離から斬り裂き、爆裂した。
 ▼ 186 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 11:56:02 ID:vh7ULKLU [3/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アトラ「くっ…!けど、さっきまでで体力はだいぶ回復したからまだ行ける筈…!イオルブ!“サイコキネシス”でとどめだ!」

アトラのイオルブ「…。」

アトラ「……イオルブ?どうした?」

“きょじゅうざん”が直撃し、その場に滞空しているイオルブは指示に応じていない。アトラは再び呼びかけようとしたが、そこで気づいてしまう。

アトラ「……!」



マサル「……ギリギリなら、俺達の勝ちだぜ!」

直後、イオルブはゆっくりと地に落ち、戦闘不能となった。よく見れば、焼け跡がいくつか残っている。

アトラ「……そうか……。抜かりないんだね、チャンピオン♪」ニッ
 ▼ 187 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 11:56:13 ID:vh7ULKLU [4/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ソニア「あの炎…まさか!?」

ダンデ「ああ…リザードンが残していった、“キョダイゴクエン”の炎さ。」

ハウ「ということは…!」

ビート「“ギガドレイン”連打で回復している間もダメージを受け続けていたから、炎が消える頃には、もう“きょじゅうざん”を耐えられる体力が残っていなかった、ということですね。」

マリィ「マサルは……勝ったんだ…!」
 ▼ 188 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 11:56:37 ID:vh7ULKLU [5/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
遂に、決着した。
ガラル地方の頂点を決める、最高の舞台、チャンピオントーナメント。大接戦となったその特別試合は、チャンピオンマサルの防衛成功という形で幕を下ろした。

アトラ「イオルブ。ありがとう。いいバトルだった。」
アトラのイオルブ「イオ…。」
自身の相棒の元に歩み寄り、しゃがみこんで労う。そこに…


ザッ ザッ ザッ

アトラ「!」

マサル「……良いバトルだったぜ。アトラ。」スッ
マサルのザシアン「ウルォーード!」
アトラ「……。」

アトラの元に歩み寄り、手を差し伸べるチャンピオン。アトラは目を丸くし、マサルに視線を合わせる。

アトラ「………へっ。次は、勝つからね!」ガシッ
固い握手を交わし、アトラは立ち上がり、イオルブも宙に浮きあがる。

アトラ「マサル。……いや、チャンピオン。」

マサル「おう。」

アトラ「………ありがとう。」ニッ

マサル「…こちらこそ!」ニカッ
 ▼ 189 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 11:57:01 ID:vh7ULKLU [6/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
瞬間、スタジアム内は大歓声に包まれた。
2人への祝福、エール、激励、様々な言葉が飛び交っていた。
チャンピオンを防衛したマサルへの称賛はもちろんのこと、アトラのポケモントレーナー復帰を祝う声や今後の活躍を祈る声も多く上がった。

コウタ「最高のバトルをありがとう!」
ダンデ「さぁみんな!2人を祝おう!輝かしい未来がある2人の若者を!」
コウミ「マサルー!アトラー!とってもかっこよかったよー!」
ハウ「この試合、忘れないからねー!」
リーリエ「お二人ともー!お疲れ様でしたー!!」
グラジオ「…フッ。」

ユウリ「マサルー!アトラー!しっかり見ていたからねー!」
ソニア「帰ったらう打ち上げに来なさいよー!」
ホップ「待ってるからなー!」
ビート「いいバトル、見せてもらいましたよ!」
マリィ「今度はあたし達ともやってほしかー!」

アトラ「みんな…!」

マサル「みんな、お前があの事件を食い止め、トレーナーに復帰し、白熱した試合を見せてくれたからこそ、受け入れてもらえてるんだぜ!……それにお前が昔セレビィを助けたお陰でもあるしな♪」

アトラ「うん………うん……っ…!!」
戦いを終え、仲間としてだけでなく、表舞台のポケモントレーナーとして復帰できたアトラと、ガラル地方とアローラ地方、それぞれの未来をまたしても救ったマサル達やコウタ達。
そして、彼等は残された余暇をアトラを含めた11人で過ごし、その時間は長いようでとても短いものであった。





Episode#13〜ダイマックス〜・完
 ▼ 190 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 14:06:15 ID:vh7ULKLU [7/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
Episode#14〜エピローグ〜

【コウタ達がガラル地方に来て1ヵ月目】

―バウタウン―

コウタ「…じゃあ、今日はいよいよ、船が出るね。」

コウミ「長いようで短かったガラル地方!とっても楽しかった!改めて本当にありがとう!」

ハウ「また来るからねー!」

リーリエ「皆さん、お世話になりました!」

グラジオ「…ガラル地方での出会いは最高の出会いだったぜ。」



マサル「ああ!こちらこそ、ありがとう!アローラに帰っても元気でな!」

ユウリ「またいつでも来てね!あなた達なら皆大歓迎だよ!」

ホップ「何なら今度はオレ達でアローラにいつか行くぞ!」

マリィ「次来たときは、スパイクタウンもよろしく!」

ビート「こういった交流の機会も、あなた達となら歓迎しますよ。」
 ▼ 191 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 14:06:24 ID:vh7ULKLU [8/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ハウ「そういえばだけど、アトラはどうするのー?」

コウタ「もう普通にガラル地方を出歩けるようになったんだよね。」

ダンデ「また国際警察に戻るのか?」

アトラ「いんや。ボクは‪一時‬的な派遣要員だからね。次のお仕事が舞い込んでくるまでは、またガラル地方を旅してみようかなって、ね♪」

ソニア「それも良いと思うわ。あなたこの1週間かなりのハイペースだったし、今度はゆっくり回れば良いと思う!」

ルリナ「ふふっ。本当に、あの時のあなたが嘘みたいに、いろいろ、良い方向に変わったのね。アトラ。」

アトラ「それもこれも、皆のお陰ってやつ☆」



マサル「………そろそろだな。」

コウミ「……そうね。」
 ▼ 192 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 14:06:49 ID:vh7ULKLU [9/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
アローラ地方の面々を迎えに来たかのように、連絡船が到着。
コウミ達一行は、船へとゆっくり、ゆっくり乗り込んでいった。

コウタ「…あ!あれ!」




ヤロー「ターフタウンに来たら、農業体験、またやりましょうー!」

カブ「エンジンシティにもぜひおいでね!」

サイトウ「修行したくなったら、ラテラルタウンのわたし、サイトウがお手伝いいたしますよ!」

オニオン「ま……また来てくれたら…嬉しいです…!」

ポプラ「今度はそこの白いお嬢ちゃん以外の子も、ぜひアラベスクジムにおいでなさい。」

マクワ「キルクスタウンで待っていますよ。」

メロン「温泉にステーキもいいけど、バトルも受けて立ってあげるわ!もちろん、息子も一緒にさ!」

ネズ「スパイクタウンに来れば、おまえ達ならいくらでもアンコールしてやりますよ。サウンドバトル、ありかなしか。」

キバナ「ナックルシティも広いからな!またいつでも案内でもバトルでも受けてやるぜ!元気でな!」
 ▼ 193 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 14:07:27 ID:vh7ULKLU [10/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
マリィ「またガラル地方に来たら、とびっきりのエールをあげちゃるけん!待っとーよー!!」

ビート「アローラ地方にも、いつかお邪魔させていただきますよ。」

ダンデ「ありがとうアローラ地方のみんな!これからの未来、楽しんでくれ!」

ソニア「また来ることがあったら、研究所にも遊びに来なさいよーー!」

アトラ「今度はキミ達ともバトルがしたいぞーー!アディオース!!」

ホップ「また会おうなーーーー!!」

ユウリ「この1ヵ月間、色々あったけどあなた達のお陰で楽しかったよーーーー!!本当にありがとうーーーー!!」

マサル「コウターーー!コウミーーー!ハウーーー!リーリエーーー!グラジオーーー!




また会おうぜーーーーーーーーーっ!!!」



ジムリーダー、ダンデ、ソニア、マサル達同期組、アトラはアローラの5人を乗せた船を盛大に見送った。
 ▼ 194 園大決戦のうp主◆6NpEuhCrOQ 20/10/17 14:08:14 ID:vh7ULKLU [11/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
リーリエ「み、みなさん…!」

ハウ「ありがとー!ガラル地方の皆も、アトラも元気でねー!」

コウミ「みんなーー!また会いましょうーーー!私達も楽しみにしてるからーーーー!」

グラジオ「…ありがとう!」

コウタ「皆さんもー!アローラ地方、大歓迎ですよー!!さよーうならーーー!!!」


ガラル地方の面々からの送り出しに、コウミ達アローラの面々も応える。
船が遠ざかり、お互い島と船が小さくなり、しばらくして見えなくなるまで、お互い手を振り続けた。
アローラ地方とガラル地方の少年少女達10人、そして新たに仲間として迎え入れられたアトラ、彼等の絆は地方の枠を超えて、この1ヵ月で一層深く、強く結ばれた。


いずれまた会う日が来ることを、各々願いながら。





ポケットモンスター - 少年少女、楽園の大決戦 - ・完結
 ▼ 195 チャブル@ダイゴへのてがみ 20/10/17 14:16:31 ID:pnCI4vJA NGネーム登録 NGID登録 報告

途中からアトラが主人公みたいだったな
 ▼ 196 6NpEuhCrOQ 20/10/17 14:41:04 ID:vh7ULKLU [12/12] NGネーム登録 NGID登録 m 報告
>>195
ありがとうございます。
実際、この本編は実質アトラ回と言っても差し支えないと思ってます。
 ▼ 197 ラストの者です。 20/10/17 21:32:59 ID:TVa.K2V2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
お疲れ様でした!
アトラが復帰できて本当によかったです!

今回
マサルとのバトルでの
アトラのパーティーを描いてみました!
もし間違えてたら申し訳ありません。
 ▼ 198 ャーレム@ポケモンのふえ 20/10/17 21:35:11 ID:vH3Iyf0c NGネーム登録 NGID登録 報告
良い支援絵だ
 ▼ 199 ラストの者です。 20/10/17 21:36:37 ID:TVa.K2V2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>198
ありがとうございます!
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