ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く 第4章 リーリエの物語:ポケモンBBS(掲示板) ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く 第4章 リーリエの物語:ポケモンBBS

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ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く 第4章 リーリエの物語

 ▼ 1 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/10/11 18:19:06 ID:pePArFdE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アローラ、皆さま。ガルーラJrと申します。
「ポケモンSMのストーリーをゼンリョクで書く」の第4章となります。この章ではリーリエのトレーナー修行のストーリーが描かれます。
また、以下の点を予めご了承ください。

1:登場人物
ゲーム編では例えば男主人公を選ぶと女主人公は出てきませんが、このSSでは両方のキャラクターをヨウ、ミヅキとして登場させます。

2:登場人物の手持ち
登場人物の手持ちは基本的にゲーム本編に準拠しますが、中には1匹か2匹入れ替えを行ったり、また、ゲーム本編で例えば最大5匹しか手持ちを持っていない人物には1匹追加をしたりしています。

3:形式
地の文を用いた形式で書かせていただきます。


第1章(SMゲーム本編に準拠したストーリー)はこちらです。

Part 1(プロローグ〜エーテルパラダイス突入)
https://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=1011593

Part 2(ポニ島〜エンディング)
https://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=1196044

第2章(UB捕獲作戦)はこちらです。
https://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=1227914

第3章(戦乱のアローラ)はこちらです。
https://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=1270113

それでは、第4章もよろしくお願いいたします。
 ▼ 191 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/22 08:38:02 ID:W8cY1onk [1/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 20 レッドVSグラジオ 後編


「グォォッ!!」

メガリザードンXが爪を振り上げ、ギャラドス目掛けて襲いかかる。だが、グラジオとギャラドスはその直線的な攻撃に真っ向から挑んだ。

「ギャラドス、尾びれでリザードンをはじきとばせ!」

グラジオの指示にギャラドスは思いっきり尾を振るい、リザードンの側面から強烈な一撃を見舞う。リザードンはとっさに攻撃を中断し、上空に逃れる。

「危なかった。リザードン、ニトロチャージ!」

どうやらレッドはリザードンのスピードを上げてから再び攻め込むつもりらしい。リザードンは炎をまとい、上空からギャラドスめがけて突撃してきた。

「くっ…!」

リザードンの攻撃はギャラドスに命中し、リザードンはヒット&アウェイで再び空へ逃れる。ニトロチャージの効果でリザードンの素早さが上昇し、ギャラドスとグラジオはジリジリと追い込まれつつあった。

「リザードン、ドラゴンクローだ!」

上空のリザードンが再びギャラドスへ迫る。そのとき、グラジオは淡いブルーのZクリスタルをZリングにはめた。そして、両手で三角形を作るようなポーズの後、そのまま両腕をまっすぐ前に振り下ろした。

「ギャラドス、レイジングジオフリーズ!」

すると、ギャラドスの下から突如巨大な氷の柱が発生する。ギャラドスはそれに乗ってリザードンの攻撃をかわすとともに、リザードンは虚を突かれて氷の柱に激突した。

「!?」

「なんや!?」

マサキもレッドも見たこともない技に驚く。ニトロチャージで素早さが上がっていたのが仇になり、リザードンは大ダメージを負うとともに地面に足をついてふらついていた。もちろんグラジオはそれを見逃すようなことはしない。

「ギャラドス、滝登り!」

「ギャオオ!」

ギャラドスは体に水をまとい、リザードンめがけて突撃する。これをくらえばリザードンはやられる。それを悟ったレッドは思わず叫んでいた。
 ▼ 192 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/22 08:38:23 ID:W8cY1onk [2/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「負けるなリザードン!ドラゴンクロー!!」

「…グオォッ!!」

リザードンはふらつきながらも力の限りを尽くして攻撃を繰り出す。ギャラドスの攻撃とリザードンの攻撃は同時に命中し、2体のポケモンは互いに力尽きて地面に倒れた。

「…ギャラドス…。よくやってくれた…!」

グラジオはメガリザードンXを倒したギャラドスを労いながらボールに戻す。これでグラジオもレッドも残りの手持ちは4体となった。

「…こら驚いたわ…。一方的にやられてもおかしくなかったはずやのに、まさかレッドのメガリザードンと相討ちまでもっていくんやから…」

マサキはもちろん、ルザミーネもリーリエもグラジオの戦いぶりに驚いていた。しかし、まだペースを握ったとは言いがたい。勝負はこれからだった。

「フシギバナ、頼むぞ!」

「次はおまえだ!ポリゴンZ!」

「ギャオオ!」

「ピピッ!」

レッドはフシギバナ、グラジオはポリゴンZを繰り出す。グラジオは迷わずフシギバナの弱点を突くことにした。

「ポリゴンZ!冷凍ビーム!」

「ピピッ!!」

ポリゴンZはフシギバナめがけて冷凍ビームのエネルギーをチャージする。しかし、その射線はフシギバナに読まれていた。

「ヘドロ爆弾!」

「ギャオオ!」

フシギバナは冷凍ビームの射線上にヘドロ爆弾を発射する。冷凍ビームはヘドロ爆弾に遮られ、凍ったヘドロ爆弾が地面に落ちた。
 ▼ 193 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/22 08:39:09 ID:W8cY1onk [3/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「フシギバナ、眠り粉!」

フシギバナは搦め手を使ってきた。ポリゴンZは眠い粉の効果で睡魔に襲われる。

「ポリゴンZ!」

「よし、フシギバナ!交代だ!」

レッドはそのまま攻め込んでくるかと思いきや、フシギバナを温存する戦術を取る。そして、再びピカチュウが戦場へ送られた。

「ピカチュウ、もう一度頼むぞ」

「ピカッ!」

そして、ピカチュウは睡魔で意識が朦朧としているポリゴンZへ大技を仕掛けてきた。

「ピカチュウ、ボルテッカー!!」

「ピカァ!!」

グラジオは目を見張る。まるでピカチュウ自身が稲妻と化したような攻撃。ポリゴンZはその強烈な一撃を受け、一撃で戦闘不能となった。

「…!」

「…ピカ…!」

ピカチュウは反動ダメージを受けながらもポリゴンZを倒したことで気合いを入れ直す。グラジオは次のポケモンをどうするか考える。グラジオの残りの手持ちはクロバット、メガルカリオ、シルヴァディだ。対するレッドはピカチュウ、フシギバナ、そしてまだ出していない2体。グラジオはまずこのピカチュウを確実に倒せ、フシギバナに強く出られるポケモンをぶつけようと考える。

「…クロバット、ここは頼むぞ!」

「クロバッ!」

グラジオはクロバットを繰り出す。タイプ相性ではピカチュウと相性が悪いが、非常に素早いクロバットならピカチュウを確実に倒せるはずだ。

「クロバット、毒々の牙!」

先制したのはクロバットだった。音もなくピカチュウに近づき、その牙で一撃を見舞う。ボルテッカーの反動ダメージもあり、ピカチュウは倒れた。
 ▼ 194 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/22 08:39:40 ID:W8cY1onk [4/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「よし、いいぞクロバット!」

「クロバ!……ッ……!」

ピカチュウを倒したはいいが、クロバットの動きががくっと鈍る。リーリエもルザミーネもピカチュウの残した置き土産を見て思わず拳に力が入った。

「静電気…!」

「兄さま…」

クロバットはピカチュウの特性、静電気によって麻痺してしまったのだ。それを見たレッドはカビゴンを繰り出してきた。

「カビゴン、次はおまえだ」

「ゴン!」

カビゴンがクロバットと対峙する。グラジオはここは仕方ないとカビゴンを確実に倒せるよう置き土産を残すことにした。

「クロバット、カビゴンを挑発しろ!」

「…クロバ!」

クロバットはカビゴンを小バカにするように飛び回る。それを見たカビゴンはクロバットへの戦意を剥き出しにした。

「…なるほど、補助技は使わせない…か。いい判断だ」

レッドはグラジオの冷静な戦い方に感心していた。レッドはここは一気にクロバットを仕留め、フシギバナと残りの一体で勝負しようと心に決める。

「カビゴン、ギガインパクト!」

「ゴン!!」

カビゴンはその巨体からは想像もつかない勢いでクロバットに迫る。クロバットはなんとかかわそうとしたが、麻痺によって体が思うように動かなかった。クロバットはカビゴンの一撃によって地面に落下した。

「…クロバ…ッ…」

「…よく戦った。戻れ、クロバット。ルカリオ、チャンスだ!」

グラジオはクロバットをボールに戻し、再びメガルカリオを戦場へ送る。ギガインパクトの反動で動けないカビゴンを一気に仕留めるためだ。
 ▼ 195 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/22 08:40:35 ID:W8cY1onk [5/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「インファイト!!」

「クワン!!」

カビゴンにメガルカリオの強烈な突き蹴りの連打が見舞われる。いかにタフなカビゴンと言えども、メガルカリオの攻撃力には耐えきれなかった。

「…ゴン…ッ…」

カビゴンの巨体が土埃を上げながら倒れる。これでレッドの手持ちはあと2体。ルカリオは少々のダメージを負ってはいるが、まだ戦える。確かにレッドと彼のポケモンは強い。だが、自分もまだシルヴァディを残している。グラジオはカントー最強のトレーナーへあと一歩まで迫っていると手に汗を握った。

「……レッドの奴、楽しそうやな」

マサキは次のボールを構えるレッドを見ながら言った。レッドの口角はわずかにつり上がっていた。マサキはここでリーリエに声をかけた。

「リーリエちゃん、グラジオくん強いわ。レッド相手にここまで戦えるんやから大したもんやわ」

リーリエもグラジオがカントー最強と言われるトレーナーにあと一歩まで迫ったと思い、このままレッドを押し切ることを願っていた。だが、マサキは小さなため息とともに口を開いた。

「…けど、やっぱりレッドは強い…。ここからなかなかあと一歩を届かせんのがあいつやからな」

「行け、カメックス」

「ゴオアン!」

レッドはルカリオにカメックスを差し向けてくる。このカメックスも少し見ただけでよく鍛えられているとわかる。グラジオはカメックスに可能な限りダメージを与え、シルヴァディに繋ごうと考えた。

「ルカリオ!インファイトだ!!」

「クワン!!」

ルカリオはカメックスへと猛然と迫る。だが、カメックスはルカリオへ強烈なカウンターを見舞った。

「潮吹き」

「!!」

カメックスの大砲から空中へ大量の水が放たれたかと思うと、それはルカリオめがけて一気に降り注ぐ。潮吹き。非常に威力の高い水タイプの技だが、残りの体力が少なくなるほど威力が下がるという特徴がある技だ。ルカリオはカメックスの放った攻撃に飲まれ、押し流される。ついにルカリオが倒れ、グラジオの手持ちはシルヴァディのみが残された。

「ルカリオ、よく戦った」

グラジオは最後のモンスターボールを手に取る。レッドのカメックスとフシギバナを相手にするのは厳しいが、グラジオは相棒を信じて戦い抜くことにした。
 ▼ 196 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/22 08:41:58 ID:W8cY1onk [6/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「シルヴァディ、相手は強い。だが、おまえに託す!」

「グオォッ!」

マサキはグラジオが最後に繰り出したキメラのようなポケモンを見て目を丸くする。

「な、何やあのポケモン!?」

「…タイプ:フル…。…グラジオ…」

ルザミーネも目を丸くしていた。その狂暴さ故に力制御マスクつけていたタイプ:フル。それがマスクを外した状態でグラジオの手持ちとなっている。グラジオはきっと並々ならぬ愛情を注いできたのだろう。

「カメックス、潮吹き!」

再びカメックスは強烈な水流で攻撃をしてくる。シルヴァディはその一撃に飲まれながらも倒れずに踏みとどまった。

「シルヴァディ、マルチアタック!」

今度はシルヴァディがその爪で反撃を見舞う。しかし、カメックスは首と手足を甲羅の中に引っ込め、攻撃を防御した。

「カメックス、距離をとれ!」

カメックスは首を引っ込めた部分から水流を放ち、それを推力としてシルヴァディから素早く距離を取る。シルヴァディが追撃しようとカメックスを追おうとするが、カメックスは素早く手足を甲羅から出して攻撃態勢を整えた。

「カメックス、潮吹き!」

「ゴォォアン!!」

再び放たれるカメックスの砲撃。シルヴァディはその攻撃に飲まれ、ついに力尽きる。あと一歩まで迫ったと思ったが、その一歩をなるほどなかなか詰めさせない。グラジオは負けはしたものの、レッドと戦えてよかったと思った。

「…シルヴァディ、よく戦ったな。…レッドさん。バトルしていただき、ありがとうございました」

グラジオに礼を言われ、レッドはカメックスを戻しながら口を開いた。

「楽しいバトルだったよ。俺の方こそお礼を言わせてくれ」

レッドは満足そうな笑顔を見せ、グラジオへ近づいていく。そして、二人はどちらからともなく右手を差し出し、握手を交わした。その様子を見ていたリーリエはふっと緊張の糸が切れた。
 ▼ 197 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/22 08:42:40 ID:W8cY1onk [7/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…あれがレッドさん…。強い…」

リーリエが呟くと、マサキはリーリエに言った。

「いや、グラジオくんも相当強いで。正直言うて一方的にやられることもありうると思うとったから。こらアローラチャンピオンは大変やなあ。グラジオくんが挑戦してきたら、こんな強いトレーナーを相手に戦わなあかんのやから」

「ふふ…。兄さまだけではありません。アローラには他にも強いトレーナーがたくさんいますから」

リーリエはハウやミヅキ、ククイ等アローラのトレーナーたちを思い出しながら言った。


レッドとのバトルを終えたグラジオはリーリエとともにハナダシティのポケモンセンターにいた。手持ちが回復するまでの間、カフェスペースでドリンクを飲んでいた。

「兄さま、もう少しだったのに惜しかったですね…」

リーリエがそう言うと、グラジオは首を横に振った。

「…いや、レッドさんは強い。戦ってわかったが、一瞬たりとも気が抜けない。まだあの人には敵わないだろうな…」

グラジオはグランブルマウンテンを飲み、一息つく。しかし、リーグ挑戦への手応えは掴めたようで、決して暗い顔はしていなかった。

「しかし手応えは掴めた…。ハウやミヅキもチャンピオンの座を狙って鍛えてる…。だが、カントー最強のトレーナーと戦えた経験は確実に俺のアドバンテージとなるだろう」

グラジオは腕にはめたZリングを見ながら言った。リーリエはここでアローラの皆が元気にしているか尋ねた。
 ▼ 198 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/22 08:43:14 ID:W8cY1onk [8/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「アローラの皆さんは元気にしていますか?」

「ふっ、相変わらずだ。…おまえのところに小包が届いただろう?エーテルパラダイスにあの三人組が押しかけてきて、俺も写真を撮られたよ」

「ああ…」

リーリエは小包に入っていたグラジオの写真を思い出し、くすりと笑った。シルヴァディに顔を舐められながら、だがどこか嬉しそうな顔をした彼を撮ったそれはほほえましい一枚だった。ここでグラジオの手持ちが回復したことを告げるアナウンスが入った。

「さて、俺はエーテルパラダイスへ戻る。おまえもトレーナー修行がんばれよ」

「…はい!」

グラジオは穏やかな笑顔を見せ、席を立った。リーリエはその背中を見つめ、いつかグラジオがアローラリーグのチャンピオンの座に着く日が来るのだろうかと考える。

アローラには素敵なトレーナーが多すぎです。ヨウさん、ハウさん、ミヅキさん、兄さま…。誰がチャンピオンになるとしても、応援したいし負けてほしくもない…。でも、チャンピオンの座は一つだけ…

「…私も挑戦してみたいな…」

リーリエはカントーでバッジを集めたらアローラリーグへ挑戦してみたいという思いを抱き始める。アローラのポケモンリーグはリーリエにとっても特別な場所だ。リーリエにとって特別な人がたくさん関わっている。その場で強くなった自分を見せたい。

「…私も次のジム戦をどうするか考えましょう」

リーリエは端末を開き、次のジムの情報を集める。次のジム戦はここにしよう。リーリエの端末に映っていたのはグレン島だった。
 ▼ 199 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/22 08:45:38 ID:W8cY1onk [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第20話はここまでです。
次回はグレン島のお話にするつもりです。
それではまた。
 ▼ 200 ムッソ@こだいのうでわ 20/11/23 20:48:40 ID:wn3QaXYA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!
 ▼ 201 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/23 21:22:50 ID:uh222SlY [1/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第21話ができましたので投稿します。
 ▼ 202 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/23 21:23:39 ID:uh222SlY [2/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 21 クイズ!グレンジム!


ルザミーネkの神経毒の分離を終えた翌日、リーリエは再びトレーナー修行のためにカントーの各地を回ろうとしていた。その日、ルザミーネは彼女のポケモンたちが受けたウツロイドの毒を分離してほしいとマサキに頼み、その治療も終えていた。ハナダシティの病院の前で出発しようとするリーリエをルザミーネとマサキが見送る。

「行ってきます、母さま」

「ええ、頑張って」

神経毒は抜けたものの、まだ元通りに体を動かせないルザミーネはハナダシティの病院でリハビリを受けることになった。今ルザミーネは車椅子に乗り、エーテル財団職員が車椅子のハンドルを持っている。リーリエはルザミーネに笑顔を見せると、今度はマサキに向き直った。

「マサキさん、本当にお世話になりました。このご恩は一生忘れません」

「なぁに。とりあえずお母ちゃんが助かってよかったわ。次はどこへ行くつもりなんや?」

マサキに尋ねられ、リーリエはにこっと笑って答えた。

「…次はグレン島に行こうと思います。セキチクシティから連絡船があるんですよね?それに乗っていこうと思います」

「グレン島…。なるほど、次はカツラのおっさんに挑戦するんか。頑張りいよ」

「はい!」

リーリエはルザミーネとマサキへ背を向け、グレン島を目指して出発する。ルザミーネとマサキはその姿が見えなくなるまで見送った。

「ねえマサキさん、もう一つお願いがあるのだけれど…」

「ん?、なんや?」

ルザミーネに突然尋ねられ、マサキは彼女の方を向く。

「さて、ワイも行くかな。ルザミーネはん、ワイは帰るで」

「ええ、本当にありがとう。…あなたにお礼をしないとね。あなたの口座番号、教えてくれる?」

ルザミーネは今回の治療の謝礼をマサキに支払うつもりらしい。マサキはそれを聞いて手を振った。
 ▼ 203 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/23 21:28:26 ID:uh222SlY [3/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
すみません。文章がおかしかったので一旦投稿し直します。
第21話はここから読んでください。
 ▼ 204 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/23 21:29:16 ID:uh222SlY [4/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 21 クイズ!グレンジム!


ルザミーネの神経毒の分離を終えた翌日、リーリエは再びトレーナー修行のためにカントーの各地を回ろうとしていた。その日、ルザミーネは彼女のポケモンたちが受けたウツロイドの毒を分離してほしいとマサキに頼み、その治療も終えていた。ハナダシティの病院の前で出発しようとするリーリエをルザミーネとマサキが見送る。

「行ってきます、母さま」

「ええ、頑張って」

神経毒は抜けたものの、まだ元通りに体を動かせないルザミーネはハナダシティの病院でリハビリを受けることになった。今ルザミーネは車椅子に乗り、エーテル財団職員が車椅子のハンドルを持っている。リーリエはルザミーネに笑顔を見せると、今度はマサキに向き直った。

「マサキさん、本当にお世話になりました。このご恩は一生忘れません」

「なぁに。とりあえずお母ちゃんが助かってよかったわ。次はどこへ行くつもりなんや?」

マサキに尋ねられ、リーリエはにこっと笑って答えた。

「…次はグレン島に行こうと思います。セキチクシティから連絡船があるんですよね?それに乗っていこうと思います」

「グレン島…。なるほど、次はカツラのおっさんに挑戦するんか。頑張りいよ」

「はい!」

リーリエはルザミーネとマサキへ背を向け、グレン島を目指して出発する。ルザミーネとマサキはその姿が見えなくなるまで見送った。

「ねえマサキさん、もう一つお願いがあるのだけれど…」

「ん?、なんや?」

ルザミーネに突然尋ねられ、マサキは彼女の方を向く。

「…あなたにお礼をしないとと思ってるの。あなたの口座番号、教えてくれる?」

ルザミーネは今回の治療の謝礼をマサキに支払うつもりらしい。マサキはそれを聞いて手を振った。
 ▼ 205 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/23 21:30:23 ID:uh222SlY [5/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ああ、金くれるん?けど、今回の治療っていくらくらいが相場なんかようわからんで」

「あなたの言い値でいいわ」

ルザミーネがマサキにそう言うと、マサキはふーむと唸った。

「ほんじゃ、とりあえず100万」

ルザミーネはそれを聞き、少し険しい表情をした。マサキはふっかけたつもりだった。ルザミーネが払えないなら払えないでも彼にとってはよかった。

「支払えんならそれでも構へん。あんたはこれからリハビリがんばらなあかんし、今後も金は必要やろ?」

マサキがそう言うと、ルザミーネはふうっと小さなため息をついた。

「…確かに100万は支払えないわね…」

「せやろ?」

マサキがそう言うと、ルザミーネはマサキの予想だにしなかったことを言い出した。

「1000万払うわ」

「…はい?」

マサキはきょとんとする。ルザミーネは何をきょとんとしているのかわからないという顔をした。

「100万じゃ少なすぎるもの。あなたはただ私を治療してくれただけじゃない。私のポケモンたちも。その結果リーリエとグラジオも元気づけられたし、何より私たち親子がまた触れ合えるようにしてくれた。ああ、私のお財布のことなら心配しないで。1000万くらい私のポケットマネーからすぐ出せる金額だから」

「…え?そうなん?」

「ええ。ほら、メモでもいいから早く書いて」

「あ、ああ…」

ルザミーネに言われ、マサキは自分の口座の番号をメモに書き、ルザミーネに渡した。
 ▼ 206 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/23 21:31:29 ID:uh222SlY [6/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ありがとう。来週か再来週には送金できると思うから。それじゃ、リハビリに行ってくるわ」

ルザミーネは世話役のエーテル財団職員にマサキの口座のメモを渡した。職員はそれを受け取り、ルザミーネの車椅子を押して病院へ入っていった。マサキはルザミーネから1000万円をもらったらどうしようか考えていた。ただ、その金でこれだけはやろうと既に決めていたことがあった。

「とりあえず、今回の件に関わった連中といい店で飯食って飲むかな」

マサキは肩を回しながら大きく息を吐くと、ハナダシティの病院を離れていった。


そのさらに3日後、リーリエはセキチクシティからグレンタウンへと向かう連絡船に乗っていた。セキチクシティの周辺にいたトレーナーと戦いながら手持ちを鍛え、その後リーリエは船でグレンタウンへ向かったのだ。リーリエの乗った船はもうすぐグレンタウンに着くところだった。グレンタウンはその昔はポケモンのDNA研究をはじめバイオテクノロジーの研究が盛んに行われていた場所である。しかし、数年前に活発化した火山活動によって町の人々は避難を余儀なくされ、最近になって火山活動が収まり町に人々も戻りつつあるという状況だった。

「…見えてきました…!」

船は小さな島に近づきつつある。グレン島だ。リーリエはカツラとのバトルに武者震いした。と、そこに聞きなれた声が聞こえた。

「おーす!未来のチャンピオン!こんなところで会うとは奇遇だな!」

「…!?」

リーリエは思わず振り向いた。リーリエを未来のチャンピオンと呼ぶ眼鏡の男性がそこにいた。

「…同じ船だったんですか?」

「俺もグレン島に野暮用があったんたが、まさか船まで同じとは思わなかった!ナツメには勝ったのか?」

男性に尋ねられ、リーリエはゴールドバッジを見せる。眼鏡の男性はそれが格闘道場のものだとすぐに見抜いた。

「格闘道場の方に挑戦したのか?」

「いえ。とある事情があって、ナツメさんとタケノリさんにタッグを組んで戦ってもらったんです」

「それで君の方が勝ったわけか?すごいじゃないか!」

タケノリは、リーリエを見て感心していた。リーリエなら本当にチャンピオンの座も夢ではないと思っていた。
 ▼ 207 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/23 21:33:49 ID:uh222SlY [7/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「君はただ者じゃないな!よし!その調子でカツラ戦もがんばれよ!と、俺からアドバイスをしよう。カツラは炎タイプの使い手だが、弱点タイプへの対策も抜かりない。カツラはもともとポケモンのDNAを研究していた科学者でもあり、ポケモンの知識も豊富で、かなりの難敵だと思う」

リーリエはそれを聞き、笑顔でうなずく。

「大丈夫です。カツラさんが強敵だということも知ってます」

「そうか…。よし、わかった。俺から君にもう一つアドバイスだ!炎タイプには水タイプをぶつけるトレーナーが多いが、俺個人としては炎タイプを相手にするときは岩タイプのポケモンを使う方がいいんじゃないかと思ってる。特にステルスロックなんかは非常に有効な技となるだろう」

「なるほど…。確かに…」

ステルスロックは炎タイプには非常に効果的だ。リーリエはイワークやヨーギラスに活躍の場がありそうだと考える。ただ、リーリエは一つ懸念していることがあった。カツラは7の島で自分を助けてくれたときキュウコンを繰り出してきた。そのキュウコンが出ると急に空が明るくなった。

「…天候を奪うことも考えた方がよさそうですね…」

あのキュウコンがジム戦で出てくるかはわからないが、カツラのポケモンの中には特性、日照りのものがいるのは間違いない。そこからソーラービームなどの草技も使ってくると考えると、一見有利なタイプばかりを繰り出しても必ずしも勝てそうにはなかった。

「アドバイスありがとうございます。カツラさんは強敵だと思いますが、がんばります」

リーリエがそう言うと、眼鏡の男性はにこっと笑った。

「おう!がんばれ!」


グレン島に着いたリーリエはさっそくカツラのジムを目指す。そして、町のはずれにカツラのジムはあった。リーリエは深呼吸してその扉を開いた。

「…なんですかこれ…」

グレンジムの扉を開いたリーリエは、扉の奥にさらに大きな扉があるのを見て驚いていた。

「うおおーす!ようこそ、グレンジムへ!チャレンジャーか?」

どこからともなくカツラの声がする。どうやらこの扉の奥にいるらしい。
 ▼ 208 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/23 21:34:30 ID:uh222SlY [8/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…はい。グレンジムのバッジをいただくために参りました」

カツラはリーリエの声に聞き覚えがあったようで、すぐに彼女だと気づいた。

「お?君はナナシマにいた…」

「リーリエです」

「そうそう、リーリエちゃんといったな。このジムはポケモンの知識も試されるジムなんだ。ちなみに君は今バッジをいくつ持ってるのかね?」

カツラはリーリエのバッジの数を尋ねた。

「2つです」

「なるほど…。わしに勝てば3つめのバッジを手にするわけだな。今君の目の前に大きな扉があるだろう?わしはその奥にいる。この扉を開けるには3問のクイズに答えてもらう。3問連続で正解すればこの扉が開いてわしと戦える。ただし、5問間違えるとその日の挑戦権は失ってしまうぞ」

リーリエはウラウラ島でのマーマネの試練を思い出していた。知識もポケモントレーナーとして重要な要素である。特にリーリエにとってはエーテル財団にて培ってきたポケモンの知識があるため、自身の持っているものの見せどころでもあった。

「わかりました。始めてください」

「お?自身満々じゃのう。では、第1問!キャタピーは進化するとトランセルになる。〇か×か?」

「〇」

リーリエは間髪入れずに答える。その様子に、カツラはどうやらリーリエにはそれなりに難しめの問題を出した方がよさそうだと考えた。

「正解!では第2問。天候で日差しが強いとき、草タイプの技は威力がアップする。〇か×か?」

「×。一部の技で日差しが強い状態の恩恵を受けるものもありますが、それだけで威力が上がることはありません」

「…正解!なんじゃ、もう少し考えてくれてもよかろうに…」

カツラはなんだか面白くなさそうに言う。リーリエは余裕の表情だった。
 ▼ 209 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/23 21:35:02 ID:uh222SlY [9/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「クイズなら得意なので。さあ、最後の問題ですね」

「よし、それじゃ、この問題はどうかな?フェアリータイプの技で炎タイプのポケモンを攻撃したとき、効果は抜群?それとも今一つ?」

「今一つ」

リーリエがそう答えたとき、カツラの部屋への扉が開く。カツラはリーリエの姿を確認すると、大きなため息をついた。

「…はー、第一関門は難なく突破したのう。そんなにわしと戦いたかったか?」

カツラに尋ねられ、リーリエは大きく頷いた。

「もちろんです。…カツラさんにはできるだけ早く会ってお礼を言いたかったのもありますし。ナナシマではお世話になりました。母もおかげで毒から解放され、今リハビリをしているところです」

カツラはそれを聞き、笑顔になる。

「おお!お母さんは回復したのか!」

「はい!ナナシマでカツラさんに会えなかったらもっと時間がかかっていたかもしれません。本当にありがとうございました」

「なに。わしもそれを聞いて一安心じゃ。さて、それじゃあジム戦を始めるとするかのう。使用ポケモンはわしは3対、君は最大4体。わしはポケモンの交代はせんが、君は交代自由じゃ。いいな?」

「…はい」

リーリエとカツラは互いに一つ目のボールを手にする。そして、まるで親子のように息の合ったタイミングで一体目のポケモンを繰り出した。
 ▼ 210 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/23 21:36:59 ID:uh222SlY [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>206で訂正です。
最後の行

誤:タケノリは、リーリエを見て感心していた。リーリエなら本当にチャンピオンの座も夢ではないと思っていた。

正:眼鏡の男性はリーリエを見て感心していた。リーリエなら本当にチャンピオンの座も夢ではないと思っていた。


第21話はここまでです。次回はグレンジムの戦いです。
それではまた。
 ▼ 211 テノ@ばんのうがさ 20/11/28 09:12:57 ID:VH8IwQmU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援ッス
 ▼ 212 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/28 15:54:19 ID:SAVglWUk [1/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第22話ができましたので投稿します。
 ▼ 213 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/28 15:54:40 ID:SAVglWUk [2/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 22 熱戦!リーリエVSカツラ


「行ってください、イワーク!」

「グオォ!」

「ロコン、出番だ!」

「コンッ!」

一番手としてリーリエはイワーク、カツラはロコンを繰り出した。カツラがロコンを繰り出すと、屋内なのに日差しが強くなったようにバトル場が明るくなった。

「特性は日照りですか…」

「この状態なら炎タイプの技が強くなるからな」

イワークは明るくなった室内を見て少しうろたえるような仕草を見せたが、リーリエはイワークへ声をかけて落ち着かせる。

「イワーク、心配には及びません」

リーリエは落ち着いている。イワークもその声を聞き落ち着いたようだった。

「ロコン、エナジーボール!」

「!」

リーリエの思った通り、カツラは草技を使ってきた。

「イワーク、 守る!」

イワークはロコンの攻撃に対して防御体勢をとる。イワークの張ったシールドにロコンのエナジーボールは阻まれた。

「よし!イワーク、砂嵐!」

「グオォ!」

イワークが咆哮を上げると、さきほどまで光の差していたバトルフィールドに砂嵐が吹き荒れる。
 ▼ 214 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/28 15:55:08 ID:SAVglWUk [3/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ほう、天候を奪うか…。ロコン、もう一度エナジーボール!」

「コン!」

ロコンからエナジーボールが再び放たれ、イワークに直撃する。だが、イワークはギリギリのところで踏みとどまる。特性、頑丈によるものだとカツラはすぐに見抜いた。

「イワーク!ステルスロック!」

「グオォ!」

リーリエの指示でイワークは最後の仕事とばかりにステルスロックをまく。そして、その後ロコンの追撃を受けて倒れた。

「イワーク、よくがんばりましたね。ヒノヤコマ、行ってください!」

「コマ!」

リーリエの二番手はヒノヤコマだった。イワークの特性、頑丈を盾に場作りを行い、後続のアタッカーが相手を仕留める。リーリエの組み立てた戦術はカツラを追い込みつつあるはずだった。

「ヒノヤコマ、燕返し!」

「コマ!」

ヒノヤコマの翼の一撃が素早くロコンをとらえる。ロコンは後ずさったが、すぐに体勢を立て直す。そして、カツラはリーリエが思ってもいなかった技を使ってきた。

「ここは砂嵐がやむまで時間を稼ぐか…。ロコン、催眠術!」

ロコンの催眠術によりヒノヤコマは睡魔に襲われる。カツラは後続を砂嵐の中で戦わせまいと時間稼ぎを狙う。

「ヒノヤコマ、起きてください!」

「コマ…ッ…」

リーリエの声にヒノヤコマは起きることができない。ロコンはさらに追撃を仕掛けてきた。
 ▼ 215 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/28 15:55:44 ID:SAVglWUk [4/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ロコン、たたりめ!」

「コン!」

状態異常のヒノヤコマにたたりめが炸裂する。ヒノヤコマはなんとか体勢を立て直そうとするが、ロコンはさらに攻撃を仕掛けてくる。

「ロコン、もう一発だ!」

「コン!」

ロコンが再びたたりめを放とうとする。だが、ヒノヤコマは眠気を振り払いロコンへ襲い掛かった。ヒノヤコマはキックでロコンを怯ませ、技の発動を封じる。

「今です!燕返し!」

「……!!」

ヒノヤコマはロコンへ翼で一撃を見舞う。ロコンが倒れたそのとき、砂嵐も止んだ。

「ほう、やるな。ポニータ、頼むぞ!」

「ヒヒインッ!!」

カツラの2体目はポニータだった。イワークの撒いたステルスロックがポニータを襲う。ポニータはかなりのダメージを負ったが、それでも闘志をみなぎらせる。

「ポニータ、踏みつけ!」

「ヒヒン!」

ポニータは一気にジャンプしてヒノヤコマの上を取る。そして、前足の蹄をヒノヤコマへ叩きつけた。

「ヒノヤコマ、よく戦いました」

リーリエは力尽きたヒノヤコマをボールに戻す。ポニータは着地すると蹄で地面をかくような仕草を見せ、リーリエを見据えた。
 ▼ 216 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/28 15:56:10 ID:SAVglWUk [5/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「出番ですよ、ヨーギラス!」

「キュオ!」

リーリエの三番手はヨーギラス。ここもポニータの弱点を突きやすい岩タイプのポケモンで勝負することにする。

「ほう、セオリー通りだな。だが、それだけでは勝てんぞ!ポニータ、二度蹴り!」

「ヨーギラス、守る!」

ポニータはヨーギラスめがけて駆け出し、強烈なキックを見舞おうとする。しかし、ヨーギラスはしっかりと攻撃をしのいだ。

「わしのこと、かなり対策してきているようじゃな」

「カツラさんが強敵だということはわかっていましたから。情報収集もしてきてますよ」

「ふふ…。そう、戦いとは戦う前から始まっておる。準備の段階で勝敗の半分は決まっていると言っても過言ではない」

カツラは楽しそうだった。リーリエは相手にペースを握られまいとカツラの攻撃をしのぎ、弱点を突き、テンポを狂わせる。カツラはこの少女はいずれポケモンリーグへの挑戦権を得ると確信していた。だが、ジムリーダーたるもの最後まで挑戦者と全力で戦わねばならない。

「ポニータ、ニトロチャージ!」

ポニータがスピードを上げ、直線的にヨーギラスへ突っ込んでくる。リーリエはこのカウンターの機会を見逃さない。

「ヨーギラス、岩雪崩!!」

「キュオッ!!」

ヨーギラスは岩雪崩でポニータを迎撃する。岩の散弾の中にポニータは真正面から突っ込む形となった。ポニータが倒れ、カツラはついに最後のポケモンとなる。
 ▼ 217 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/28 15:56:46 ID:SAVglWUk [6/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「なるほど…。いいポケモンじゃな。それでは、最後にこいつとどう戦う!?」

「!」

カツラの最後のポケモンはキュウコンだった。ステルスロックがキュウコンへ襲い掛かり、ダメージを与える。そして、特性はリーリエの思った通り日照り。屋内なのに一気に周囲が明るくなる。
このキュウコンはソーラービームを使ってくるはずだ。リーリエはそれを読み、ヨーギラスを一旦交代させることにした。

「キュウコン、ソーラービームでヨーギラスを倒せ!」

「ヨーギラス、一旦交代です!頼みますよ、ロコン!!」

リーリエの四番手はロコンだった。キュウコンが呼んだ日差しはあっという間に弱まり、霰が降り始める。

「これはやられたな…」

カツラはここで自分の負けを確信した。ソーラービームのエネルギーがたまらず、キュウコンは戸惑う。そして、リーリエはさらなる詰めとしてある技を指示した。

「ロコン、オーロラベール!!」

「コンッ!!」

ロコンはオーロラベールを張る。キュウコンは反撃のソーラービームを放つが、ロコンに思ったようにダメージを与えられなかった。

「火炎放射!!」

「凍える風!!」

降り注ぐ霰の中ロコンは火炎を浴びる。そして、キュウコンも強烈な冷風を吹きかけられる。キュウコンの攻撃は急所を捉えたようで、ロコンは倒れてしまった。
 ▼ 218 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/28 15:57:42 ID:SAVglWUk [7/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ありがとう、ロコン。あとはヨーギラスに任せましょう。ヨーギラス、頼みますよ!」

「キュオッ!!」

リーリエは再びヨーギラスを繰り出す。そして、キュウコンへとどめの一撃を指示した。

「ヨーギラス、岩雪崩!」

「キュウコン、かわせ!」

カツラはキュウコンに回避を指示するが、キュウコンは凍える風で脚が鈍っており、思うように動けなかった。キュウコンが岩雪崩に飲まれる。倒れ伏すキュウコンを見て、リーリエはとどめを刺しきったか油断せずに見つめていた。

「…相手が倒れてもとどめを刺しきったとは限らん…。だが、このバトルはわしの負けだな」

カツラは倒れたキュウコンをボールへと戻す。リーリエはようやく緊張の糸が解けた。

「…最後まで相手の手を読み、先手先手で逃げ切りを図る。結果、それがポケモンにも最も負担をかけずに済む。…理想的な戦い方だったな」

カツラはリーリエの戦い方に感心していた。

「ありがとうございました、カツラさん」

カツラはリーリエに近づいていき、赤いバッジをその手に握らせた。

「クリムゾンバッジ、このグレンジムを突破した証だ」

カツラはそう言うと、リーリエに向かってにかっと笑いかけた。
 ▼ 219 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/28 16:00:00 ID:SAVglWUk [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第22話はここまでです。
次のジム戦はセキチクジム、アンズを予定しています。
それではまた。
 ▼ 220 クリン@ひこうのジュエル 20/11/28 16:24:33 ID:VkU.4jJg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーリエバトルうまっ
支援
 ▼ 221 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 14:20:38 ID:hCFk.r6g [1/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第23話ができましたので投稿します。
 ▼ 222 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 14:21:22 ID:hCFk.r6g [2/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 23 忍の村


「クリムゾンバッジ、このグレンジムを突破した証だ」

カツラはリーリエにバッジを握らせ、にかっと笑いかける。リーリエはカツラを破り、満面の笑みを浮かべた。

「ありがとうございます、カツラさん!」

「久しぶりにわしからしっかり逃げ切ったトレーナーを見たよ。これからもがんばれよ」

カツラはリーリエに暗に将来有望だと告げる。リーリエにとっても強敵のカツラからしっかりと逃げ切り勝ちを決めたことは大きな自信となった。


グレンタウンのポケモンセンターでポケモンを回復させた後、リーリエはセキチクシティへと戻ろうとしていた。

「…次はセキチクジムへ行きましょうか…」

リーリエはセキチクシティにもジムがあることを思い出す。カツラを下した勢いで4つ目のバッジをいただくのも悪くない。

「よし、このまま4つ目のバッジもいただきましょう」

リーリエは決意する。セキチクシティに戻ったらポケモンたちに少しの休みを入れ、そのままセキチクジムへ行こう、と。

セキチクシティへ戻ったリーリエはジム戦場までセキチクシティを観光することにした。セキチクシティは観光地としても有名であり、そこには忍の村という忍者の体験ができる場所もあった。

「忍の村…。面白そうですね。忍者の体験ができるなんてそうそうありません。行ってみましょうか」


忍の村の入り口にたどり着いたリーリエは入場券を買い、中に入る。そこにはマリエ庭園で見たような古風な建物が建ち、忍の村の外とはかなり様子が異なっていた。

「忍の村へようこそ!」

忍装束を来た男性スタッフがリーリエに声をかける。
 ▼ 223 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 14:21:46 ID:hCFk.r6g [3/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ここは忍の村。忍術を学んだインストラクターが忍術を教えるよ!ゆっくり楽しんでね!」

リーリエは初めて見る建物や忍者の体験に胸を高鳴らせる。地方ごとにさまざまな文化があるものだと感心するとともに、さっそくリーリエもレンタルの忍装束を着る。

「おお!これで私も忍者になったみたいです!」

リーリエは黒い忍装束に身をつつみ、意気揚々と村へ乗り出す。その中で、手裏剣投げのアトラクションに興味を示し、中に入っていった。

手裏剣投擲場に入ったリーリエは他の観光客たちが的に向かって手裏剣を投げているのを目の当たりにした。投擲場には数人のインストラクターがおり、初めての観光に投げ方を教えている。

「すごいです!私もさっそく投げてみましょう!」

リーリエはさっそく自分の投げる十字形の手裏剣を買うと、空いているスペースに入る。そして、映画で見たように横から回転させるように投げてみようとした。だが、手裏剣は的にうまく刺さらず、地面にポトリと落ちた。

「…結構難しいですね…」

リーリエがそのまま数回投げてみるが、うまく刺さらない。そこに一人の女性のインストラクターがやって来た。

「あはは。映画とかだとそんな風に投げるからそう投げるんだと思っちゃうけど、それだとなかなか刺さらないよ」

オールバックにした髪を束ねたやや小柄な女性。黒い忍装束にピンクのマフラーをしていた。

「持ち方はこうするといいよ」

その女性は手刀を作るように指を伸ばし、親指とその他の指で挟むように手裏剣を持つ。そして、そのまま手刀を振り下ろすように的に向かって手裏剣を投げた。女性の投げた手裏剣は的のど真ん中に突き刺さり、動かなくなった。
 ▼ 224 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 14:22:13 ID:hCFk.r6g [4/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「すごい!」

リーリエが感嘆の声を上げると、女性は得意気に鼻の下をこすった。

「へへへ、それほどでも」

リーリエもその女性の真似をするように手裏剣を投げる。的のど真ん中とはいかなかったが、それでも手裏剣の刃がしっかりと突き刺さった。

「おっ!いい感じ!」

インストラクターの女性はリーリエに拍手を送る。リーリエは女性にほめられ、得意になって次々と手裏剣を投げた。リーリエの投げたうちの大体3分の1くらいは的に刺さった。

「3分の1くらいか…。いい線いってるね」

女性インストラクターはリーリエの手裏剣投げに対して拍手を送る。リーリエはその女性に礼を言った。

「ありがとうございます。あなたのアドバイスのおかげです。ここの職員さんたちも手裏剣の投げ方や忍術を習うのですよね?あなたも?」

リーリエが女性に尋ねると、女性は首を横に振った。

「あー、あたいはここで仕事をする前から習ってるんだ。父上からね」

「そうなんですか!お父様が!」

リーリエは彼女の父親とはどのような人物なのだろうと興味を示す。すると、女性は自己紹介と自分の家のことについて話し始めた。

「あたいはアンズ。うちの家系って忍の家系でね。子どものころから忍術を教わるの。おかげでここでは教わったことが大活躍するよ」

アンズはそう言って笑ってみせた。

「忍術って奥が深くてね。毒や薬の調合とかもするし、手裏剣の他にもいろんな武器を使った武術があったりするの。1日じゃとても語りきれないくらいね。まあ、せっかく来てくれたんだから楽しんでいって」

アンズはそう言うとリーリエの側を離れ、他の観光客に手裏剣の投げ方を教え始めた。結局リーリエはその日1日忍の村を歩き回り、脚が棒になるまで遊び倒した。
 ▼ 225 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 14:22:41 ID:hCFk.r6g [5/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「つ…疲れた…」

リーリエは忍の村の営業終了時間ギリギリまで遊んでおり、脚がパンパンに腫れていた。歩くのも億劫に感じていたリーリエはとりあえず忍の村のエントランスにあるベンチに腰かけて一息ついた。

「あれ?あなたは…」

と、そこに仕事を終えたと思われるアンズが現れた。アンズは忍装束を着替え、半袖のTシャツに七分丈のジーンズという格好だ。

「あ、アンズさん…」

リーリエが声をかけると、アンズはリーリエに近付いてきた。

「手裏剣投げのとこにいた…」

「リーリエと申します」

「どうしたの?そんなところに座り込んで」

「えっと…。はりきって遊びすぎちゃいました…。脚が動かなくて…」

リーリエは腫れた脚を擦りながら苦笑いを浮かべると、アンズは持っていたバッグから塗り薬を取り出した。

「はは。はしゃぎすぎちゃったか。この薬、自家製の塗り薬なんだけど、筋肉痛とかが少し和らぐと思う」

アンズはそう言うと、リーリエのふくらはぎに薬を塗る。その薬はふくらはぎの筋肉に染み込むようで、リーリエは少し脚が楽になるのを感じた。

「…すごい…!ありがとうございます、アンズさん。これもお父様から作り方を習ったんですか?」

リーリエが食いつくと、アンズもベンチに座って少し得意気に言った。

「まあね。うちの家系って、忍術の中でも本当は毒や薬の調合が得意な家系でね。父上はそれ以外でもなんでもこなしちゃうけど」

アンズのその様子にリーリエは彼女は本当に父親を尊敬しているのだなと感じた。
 ▼ 226 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 14:23:05 ID:hCFk.r6g [6/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「アンズさんは本当にお父様を尊敬してるんですね」

「うん。あたいの目標なんだ。リーリエもお父さんのこと尊敬してる?」

急に父親の話題を振られ、リーリエは返答に困った。リーリエの父親はウルトラホールとウルトラビーストの研究をしていた研究者だが、ウルトラホール接続実験の事故で消息不明となっている。一体今どうしているのだろう。

「…尊敬…してると言えばしてます…。でも…」

「…?ごめん、もしかして言いにくいことだった?」

アンズはどうやらリーリエが話しにくい話題を振ってしまったらしいと後悔する。リーリエは首を横に振り、アンズへ気にしないよう言った。

「いいんです、アンズさん。気にしないでください」

リーリエは父の功績と、それによってその後自分たち家族がどうなったかを考える。今さら言っても仕方ないが、モーンがウルトラホールの接続実験に成功しなければルザミーネは狂うこともなかったかもしれない。リーリエは自分の父親の研究成果に一定の評価はしていたが、手放しで称えることもできなかった。


アンズと別れたリーリエはポケモンセンターの宿泊室内でベッドに寝転がっていた。脚はアンズの薬のおかげでだいぶ楽になったものの、やはり疲労は溜まっていた。

「…父さま…」

リーリエはエーテルパラダイスに父親がいたときのことを思い出す。家族4人で過ごす幸せな日々。それは長くは続かなかったが、父のいた日々は確かに幸せだった。リーリエはなぜか急に父が恋しくなった。もうとっくに生きているはずがない、仮に生きていても二度と会えはしないと諦めていたはずなのに。
父親のような確かな優しさと厳しさを持ったカツラと出会い、さらに父を尊敬しているというアンズに出会ったからだろうか。リーリエはこれまであまり意識しないようにしていた父親というものがなぜか意識から離れなかった。

「…もう休みましょう…」

リーリエは布団を被って目を閉じる。彼女の瞼の裏に浮かぶのは優しい父の顔だった。疲れているはずなのになぜか眠れない。リーリエが睡魔に襲われたのはそれからかなり時間がたってからのことだった。
 ▼ 227 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 14:24:02 ID:hCFk.r6g [7/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第23話はここまでです。
次回はリーリエの新戦力ゲットのお話を書いて、それからセキチクジム戦へと移りたいと思います。
それではまた。
 ▼ 228 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 19:10:21 ID:hCFk.r6g [8/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第24話ができましたので投稿します。
 ▼ 229 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 19:11:03 ID:hCFk.r6g [9/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 24 父の顔


「ふう…」

リーリエはセキチクシティのポケモンセンターで簡単に朝食を済ませた。紅茶をすすりながらホッと短くため息を漏らす。
昨夜は父の顔が頭から焼き付いて離れず、なかなか眠れなかった。

父様…。今どこで何をしているのでしょうか…

リーリエは紅茶を飲み干し、カップをテーブルに置いた。そして、小さく頭を振った。

いけないいけない…。今はセキチクジムのバッジを手に入れることに集中しないと…

リーリエは端末を操作し、セキチクジムの情報を集め始める。ここは毒タイプのポケモンのジムらしい。毒のみならずその他の状態異常も駆使してじわじわと相手を追い込むように攻めてくる。

「…なるほど…」

リーリエは自分のパーティーを確認する。現在のパーティーはイワーク、ヨーギラス、ウパーと地面タイプのポケモンが多いため、毒タイプには有利に戦えそうに思える。リーリエはカツラを逃げきりで下したこともあり、自分たちは大丈夫だと言い聞かせる。

とりあえず今日はポケモンたちを休ませ、明日ジム戦へ挑もう。リーリエはそれまで野生ポケモンを捕まえて戦力アップを図ろうかと考える。今日はとりあえずジムの場所だけ確認しようとリーリエは外に出ていった。


「…あれがセキチクジムですか…」

リーリエはセキチクジムの場所を確認する。すると、ジムの外に一人の中年男性が立っていた。いつもの眼鏡の男性ではなく、ジムの前には昨日忍の村で会ったアンズがいた。

「あれ?アンズさん?」

リーリエが様子を伺っていると、アンズがリーリエに気づいた。

「あれ?リーリエじゃん」

アンズはリーリエに向かって手を振ってくる。その様子に、中年男性もアンズが手を振っている方向を向く。

「アンズさん、昨日はお世話になりました」

リーリエがぺこりと頭を下げると、アンズはにこやかに笑顔を返した。
 ▼ 230 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 19:12:03 ID:hCFk.r6g [10/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ああ、いいっていいって。リーリエはトレーナーなの?もしかしてジムに挑戦しようとか?」

「はい…。でも、今日はポケモンたちを休ませて、明日挑もうかと思っています」

「そうなんだ。あたいがここのジムリーダーなんだ。楽しみにしてる」

アンズはリーリエに向かって右手を差し出す。リーリエはアンズと戦うことになると知り、ジム戦が楽しみになった。

「アンズさんがジムリーダー…。よろしくお願いします!」

リーリエがアンズと握手を交わすと、先ほどアンズと話していた中年男性が声をかけてきた。

「お主が次の挑戦者か…。拙者もバトルを見学させていただこう…」

その男性はずいぶんと古風なしゃべり方をしていた。リーリエはこの男性は何者なのだろうと訝しむ。

「リーリエ、紹介するよ。この人があたいの父上」

アンズに紹介された彼女の父は自分の名を名乗った。

「拙者はキョウ…。元セキチクジムのジムリーダーで、現在はセキエイリーグの四天王の一人を務めておる…。お見知りおきを…」

と、ここでキョウはにかっと笑顔を見せた。

「ファファファ。私も忍としてのキャラクターがあるから古風なしゃべり方をしているが、普段はそんなしゃべり方はしてないんだ。そんなに警戒しないでくれ」

キョウは特徴的な笑いとともに日常のしゃべり方に戻る。一見あまり人を寄せ付けないようで実は意外とフレンドリーなキョウにリーリエは面食らっていた。

「今日明日と久しぶりの休みでね。明日ならジム戦を見学できるな。久しぶりに娘のジムリーダーとしての活躍をこの目で見させていただこうかな」

「オーケー、父上。まあ、いつも通りだけどね。リーリエ、今バッジはいくつ持ってるの?」

アンズに尋ねられ、リーリエはバッジの数を答える。
 ▼ 231 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 19:13:12 ID:hCFk.r6g [11/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「3つです」

「ふーん…。もしあたいに勝てば折り返しってわけか…。バッジを見せてもらってもいい?」

リーリエはアンズに言われ、自分のゲットしたバッジを見せる。アンズは感心したようにうなずいて見せた。

「へー…。この前はグレンジムに行ってたの?カツラさん、結構な強敵のはずだけど…。それに、マチスさんにタケノリさんも…」

「ヤマブキシティでは変則的なジム戦を挑んだです。ナツメさんとタケノリさんにタッグを組んでもらって、ダブルバトルを挑みました」

それを聞いたアンズはもちろん、キョウも驚いていた。

「ほう!ナツメとタケノリが組むとは、そんなこと絶対あり得ないと思っていたが…」

「へー、けど、それを勝ち抜いてきたってことはリーリエってバトルの腕がいいんだね!ますます楽しみになってきたよ」

アンズはリーリエとのバトルを楽しみにしていた。リーリエはアンズ、キョウと一旦別れ、町のはずれで野生ポケモンを捕まえようとしていた。とりあえずグレンジムで出番のなかったウパーとキュワワーはそれなりに戦わせても大丈夫だろう。
リーリエはこの二体で捕まえられそうなポケモンを探す。と、そこに現れたのはカントー地方では滅多に見ないポケモンだった。

「あっ…。あれは…」

リーリエはふわふわと浮かぶ綿雲のようなポケモンを見つける。ジョウトでたまに見かけることはあるそうだが、カントーにこのポケモンがいるのは珍しい。

「チルット…」

チルットは特性、自然回復を持っており、次のジムのような状態異常を得意とするジムには相性がよさそうだ。

「よし、あの子を捕獲しましょう」

リーリエはチルットにゆっくりと近づいていく。すると、どこからともなくオニドリルが現れ、チルットにバトルを仕掛けた。

「オニドリル!チルットを逃がすなよ!」

「ドリ!」

オニドリルは鋭い爪でチルットに襲いかかる。チルットは突如現れたオニドリルに驚き、攻撃を回避しようとした。

「チル!チルル〜♪」

リーリエはハッとして耳を塞ぐ。チルットの技、歌うだ。

「ドリ…」

オニドリルは睡魔に襲われ、近くの木に留まって眠ってしまう。
 ▼ 232 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 19:13:49 ID:hCFk.r6g [12/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ああっ、オニドリル!」

オニドリルのトレーナーが気を取られたその隙にチルットは隠れてしまった。

「くっ、逃がしたか…。あ、君!今チルットを見なかったかい?」

オニドリルのトレーナーが現れ、リーリエに尋ねる。リーリエはチルットの隠れた方向とはあさっての方向を指差した。

「あっちか…。オニドリル、戻れ!ありがとう、それじゃ!」

オニドリルのトレーナーは彼のポケモンを回収すると、リーリエの指差した方向へ駆け出していった。

「……」

リーリエはあのトレーナーがうまく騙されてくれたようだとホッとため息をつく。

「よし、隠れたのはあの付近でしたね…。少し後ろ髪引かれるような気はしますが…」

リーリエはチルットが隠れたと思われる場所へゆっくりと近づいていく。そして、木の枝にとまっているチルットを見つけた。

「…いましたね…。キュワワー、頼みます!」

リーリエはキュワワーを繰り出してバトルを仕掛ける。

「巻き付く!」

「キュワ!」

チルットはキュワワーに蔓を巻き付けられ、動きを封じられる。じたばたともがいてキュワワーを振り払おうとするも、キュワワーは根性で離さない。

「宿り木の種!」

そして、キュワワーはチルットに宿り木の種を植え付けて体力をじわじわと削っていく。ある程度弱ったのを確認したリーリエはチルットへモンスターボールを投げた。

「お願い、捕まえて!」

チルットを吸い込んだモンスターボールは地面に落ちてしばらく動いていた。だが、しばらくしてその動きを止めた。

「…ふう…。やりましたね…」

リーリエがホッとため息をついてボールを拾おうとしたその時だった。
 ▼ 233 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 19:14:20 ID:hCFk.r6g [13/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「おい!よくも騙したな!」

リーリエはその声にビクッとした。振り返ると、先ほどチルットを捕まえようとしていた男性がそこにいた。

「見られてましたか…」

「そのチルットは俺が先に見つけたんだ!返してもらうぞ!」

「返すも何も野生のポケモンです!先に捕まえたトレーナーがおやになるはずでしょう?」

しかし、頭に血を上らせた男性はリーリエになおも食ってかかる。

「なにぃ?人を騙しておいて開き直るのか!?許せん!バトルで無理矢理でも奪い取ってやる!」

男性はそう言うとドードーを繰り出してきた。リーリエも人のポケモンを奪おうというこの男性を懲らしめてやろうとついカッとなってしまった。

「そう来ますか…。ウパー、頼みますよ!」

「ウパ?」

ウパーは何が起こっているのかわからないといった様子でリーリエとドードーの様子を交互に見つめる。

「ウパー、あのドードーを倒してください!水鉄砲!」

「ウパ!」

ウパーはドードーめがけて水鉄砲を放つ。だが、ドードーは素早くその攻撃をかわした。

「ドードー!剣の舞だ!」

「ドーッ!」

ドードーは剣の舞を使い、攻撃力を大きく上昇させる。男性はこれで一気にウパーを倒してしまえると思っていた。

「ドードー、飛び蹴り!」

「ドッ!」

ドードーがジャンプし、空中からウパーへ強烈なキックを見舞う。だが、ウパーは倒れなかった。

「なに?」

「ウパーの特性、天然によるものです。そちらがいくら攻撃力を上げてもウパーには意味がありません。ウパー、アクアテール!」

一瞬の隙ができたドードーへウパーのアクアテールが決まる。ドードーは後ずさり、ウパーと距離をとって構え直した。
 ▼ 234 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 19:14:47 ID:hCFk.r6g [14/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ちっ…!ドードー、ドリル嘴!」

ドードーがウパーへと鋭い嘴で一撃を見舞おうとしたそのとき、ウパーは進化の光に包まれた。

「…!ウパー…」

ウパーの体躯は大きくなり、手のような前足が生える。しっぽも太くたくましいものに変化しウパーは、ヌオーへと姿を変えた。

「ヌオ…」

ドリル嘴がヌオーに命中するも、体表の粘液によりドードーの攻撃はクリーンヒットしない。そして、リーリエはヌオーに回復を指示した。

「ヌオー、自己再生!」

ヌオーの負っていたはずのダメージが回復する。男性はここは選手を交代することにした。

「オニドリル、頼むぞ!」

「それならこちらも交代です!イワーク、頼みますよ!」

「グオォ!」

リーリエはヌオーを一旦下げ、イワークを繰り出した。オニドリルはイワークに攻撃を仕掛けてくるが、イワークはびくともしなかった。

「イワーク、岩石封じ!」

「グォ!」

イワークの岩石封じがオニドリルをとらえる。素早さの下がったオニドリルはヘロヘロになりながら空に逃れるが、リーリエは相手を追い込むべくさらに場を整えようとする。

「イワーク、ステルスロック!」

イワークはステルスロックをまく。これを見た男性は自分の旗色が悪くなったとチッと舌打ちをした。
 ▼ 235 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 19:15:07 ID:hCFk.r6g [15/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「くそ…ッ。覚えてろ!」

男性は勝ち目がなくなったと悟ったようで、オニドリルをボールに戻すとそそくさとその場を立ち去った。リーリエは相手を騙したことに後ろ髪を引かれる思いがしたが、とりあえずチルットを捕獲できて一安心する。

「…なんだか、だんだん私も悪い人間になっていってるような気がしますね…」

チルットはリーリエが先に捕獲したのだからリーリエのものなのだが、リーリエは今回の捕獲の経緯はあまりよくなかったなと心の中で反省した。とにかく、これでチルットを捕まえ、さらにウパーもヌオーに進化し戦力もアップした。
これでセキチクジムに挑むのがより楽しみになった。リーリエは着実に自分の戦力が強化されていくのを嬉しく思っていた。不思議だった。かつてポケモンバトルを嫌っていた自分が随分変わったものだと思う。

ここまでは比較的順調に来ていますね…。よし、あとはセキチクジム攻略の作戦を考えましょう。無理は禁物です。

リーリエは一旦ポケモンセンターに戻ることにする。いよいよ明日はジム戦だ。四天王、キョウが見ている前でアンズと戦う。アンズはキョウが見ているとなると、気合いを入れてくるだろう。リーリエは望むところだと拳をぎゅっと握り、セキチクシティへと戻っていった。
 ▼ 236 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/11/29 19:16:26 ID:hCFk.r6g [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第24話はここまでです。
次回はセキチクジムの戦いとなります。
それではまた。
 ▼ 237 クロム@あさせのしお 20/11/29 19:19:08 ID:/zUYxkok NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援支援
 ▼ 238 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 12:19:50 ID:ID5wzEGc [1/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第25話ができましたので投稿します。
 ▼ 239 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 12:20:23 ID:ID5wzEGc [2/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 25 セキチクジムの戦い


「よく来たね、リーリエ。このセキチクジムのバッジ、そう簡単には渡さないよ!」

アンズはジム内のバトル場でリーリエと対峙していた。アンズの父親であり四天王の一人、キョウもバトルを見守っている。

「ルールはシングルバトル。あたいは3体のポケモンを使う。リーリエは最大4体まで使ってオーケー。お互いに交代は自由だよ」

「わかりました」

アンズが一通りルールの説明を終えると、リーリエはこくりと頷いた。

「よし、それじゃ、さっそく始めようか!いくよ、モルフォン!」

「フォン!」

「行ってください、チルット!」

「チルッ!」

アンズはモルフォン、リーリエはチルットを繰り出す。リーリエはチルットなら特性、自然回復により状態異常を駆使するアンズに強く出られると思っていた。相手がモルフォンならタイプ相性的にも悪くはない。

「チルット、行きなさい!!」

「チルッ!」

チルットは翼を広げてモルフォンへ襲いかかる。しかし、モルフォンはチルットを寄せ付けなかった。

「虫のさざめき!」

「フォン!」

モルフォンは羽を羽ばたかせて強烈な音波を発生させる。チルットはそれを受けて地に落ちてしまった。
 ▼ 240 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 12:20:50 ID:ID5wzEGc [3/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「チルット!?」

飛行タイプのチルットに虫のさざめきは効果は今一つのはず。なのにここまでダメージを負うのはなぜなのだろう?

「効果は今一つのはずでは…」

「モルフォンの特性、色眼鏡だよ。効果は今一つの技のダメージをアップさせることができる」

アンズがニヤリと笑うと、リーリエは負けじとアンズを見つめ返す。チルットが起き上がり、 モルフォンを見つめた。

「チルット、羽休め!」

チルットは羽休めで体力を回復させる。なんとかしたいリーリエは選手を交代させることにする。

「チルット、交代です!ヨーギラス!」

「キュオ!」

リーリエの2体目はヨーギラスだった。ここでアンズもモルフォンを一旦交代させる。

「モルフォン、とんぼ返り!」

「!」

モルフォンは出てきたヨーギラスに体当たりするとそのまま反転して撤退する。そして、アンズは入れ替わりにアリアドスを出してきた。

「アリアドス、ゴー!」

「ドス!」

ヨーギラスはアリアドスをにらみつける。ここでアンズはアリアドスにある技を指示した。

「アリアドス、ねばねばネット!」

「!!」

アリアドスはねばねばネットをまいた。これでリーリエのポケモンは飛行タイプを除いて交代の度にねばねばネットにからめとられ、素早さがダウンする。
 ▼ 241 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 12:21:26 ID:ID5wzEGc [4/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ねばねばネット…、厄介な技を…。ヨーギラス!岩雪崩!!」

「キュオ!」

ヨーギラスは岩雪崩を起こしてアリアドスを攻撃する。アリアドスは弱点を突かれたがまだ耐えていた。

「アリアドス、毒突き!」

「ドス!」

アリアドスが毒をまとった角で反撃してくる。ヨーギラスは毒突きを受けて毒に侵されるが、それにより特性、根性が発動する。

「ヨーギラス、アリアドスにとどめです!岩雪崩!」

「キュオォ!!」

ヨーギラスは再び岩雪崩を起こし、アリアドスを飲み込む。アリアドスは倒れ、アンズはアリアドスをボールに戻した。

「よし、アリアドス、オーケーだ」

アンズはアリアドスを戻すと再びモルフォンを繰り出す。そして、毒を受けたヨーギラスに容赦なく一撃を見舞った。

「虫のさざめき!」

「フォン!」

モルフォンは虫のさざめきでヨーギラスをノックアウトした。リーリエは次のポケモンをどうするか考える。地上ポケモンはねばねばネットに絡めとられてしまうため、あまり出したくないところだ。ここはあのポケモンで行こう。

「ヒノヤコマ、頼みます!」

「コマ!」

リーリエはヒノヤコマを繰り出した。
 ▼ 242 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 12:22:24 ID:ID5wzEGc [5/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「飛行タイプ…。まあ、ねばねばネットを張られるとそうだよね。モルフォン、とんぼ返り!」

モルフォンはヒノヤコマへ一撃を与え、そのまま離脱しようとする。リーリエはそれを読んでいた。

「ヒノヤコマ、燕返し!」

「コマ!!」

「なに!?」

ヒノヤコマは突撃してきたモルフォンを翼の一撃で返り討ちにする。アンズはモルフォンの方が先制攻撃をしたはずなのにヒノヤコマがカウンターを浴びせてきたことに驚いていた。ヒノヤコマの一撃でモルフォンは倒れ、アンズはついにあと一体となってしまう。

「今のは…」

「ヒノヤコマの特性、疾風の翼です。体力を失っていないときなら飛行タイプの技を先制して出せるんです」

「コマ!」

ヒノヤコマはモルフォンを倒し、得意げにジムの中を飛び回る。追い込まれたアンズは最後のモンスターボールを手に取った。

「なるほど…。リーリエ、あんたいいセンスしてるね。でも、あたいのこのポケモンはそう簡単には倒せないよ!」

「ドガス!」

アンズはそう言って最後のモンスターボールを投げる。中から現れたのは大小の二つの風船が繋がったようなポケモン、マタドガスだった。

「マタドガス…!」

なかなか厄介なポケモンが現れたとリーリエは警戒する。マタドガスは特性、浮遊により地面技が効かない。エスパー技でしか弱点を突けないが、リーリエの手持ちにはそれを覚えているポケモンがいなかった。
 ▼ 243 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 12:23:00 ID:ID5wzEGc [6/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ヒノヤコマ、燕返し!」

リーリエはヒノヤコマに攻撃を指示する。だが、マタドガスは防御力も高いため大したダメージにはならなかった。さらにアンズはリーリエを追い込むような技を使ってきた。

「マタドガス、10万ボルト!!」

「ドガス!」

「なっ…!」

マタドガスから電撃が放たれ、ヒノヤコマに直撃する。ヒノヤコマは地面に落下し、そのまま動けなくなった。バトルの様子を見ていたキョウは感心していた。
ねばねばネットで地上ポケモンを出しづらい状況を作り、飛行ポケモンの弱点を突けるマタドガスで誘い出した相手の手持ちを確実に仕留めていく。我が娘ながらなかなか上手い戦い方をするものだとキョウは思っていた。

「これでリーリエはあと2体だね…。さあ、あたいのマタドガス相手にどう戦う?」

アンズがリーリエにそう言うと、リーリエは再びチルットのボールを握った。

「…チルット…。申し訳ないですが、あの技を使います。あなたにこんな役目を負わせて申し訳ないですが、頼みます!」

リーリエはそう言ってチルットを繰り出す。アンズはチルットを見て、マタドガスの餌食になるだけだと考えていた。

「チルット…。でも、チルットじゃあたいのマタドガスには勝てないよ!」

リーリエはそれを聞き、アンズへ向かって言った。
 ▼ 244 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 12:23:48 ID:ID5wzEGc [7/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ええ、チルットはおそらくマタドガスに勝てないでしょう。でも、チルットは勝てなくても私たちは負けません」

「…?」

疑問を浮かべるアンズに対し、リーリエは意を決した。確実にアンズに勝つためにはこれしかない。

「チルット、滅びの歌!」

「なっ…!!」

「なんと!」

これにはアンズだけでなく観戦していたキョウも思わず声を上げた。チルットは滅びの歌を歌い、マタドガスはたとえ体力が満タンでも時間経過で倒れてしまう状態になる。そして、それはチルットも同様だ。しかし、ポケモンの交代ができないアンズは完全に追い込まれる形となった。

「くっ…!マタドガス、10万ボルト!」

マタドガスは渾身の一撃をチルットへ見舞う。チルットは倒れ、リーリエも最後のポケモンとなった。

「ここは逃げきりを図ります!ヌオー、頼みますよ!」

「ヌオ!」

リーリエの最後のポケモンはヌオー。ねばねばネットに絡めとられるが、ここでは素早さよりも打たれ強さが大切だ。

「ヌオー…」

アンズはヌオーを見て小さく舌打ちをする。草技を覚えていれば楽勝な相手だが、マタドガスにはヌオーの弱点を突ける技は覚えさせていない。

「マタドガス、ヘドロ爆弾!!」

「ドガス!」

マタドガスはヘドロ爆弾を放ち、ヌオーは毒に侵される。しかし、リーリエは動じない。もう腹は決めているのだ。ずるい勝ち方かもしれないが、これもひとつの勝負の形である。
 ▼ 245 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 12:24:41 ID:ID5wzEGc [8/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ヌオー、自己再生!」

「ヌオ!!」

ヌオーは自己再生で体力を回復する。アンズはそれを見てリーリエに勝つことは不可能だと悟った。アンズはこのままバトルを続けても滅びの歌によってマタドガスが倒れるだけだとわかっていたため、マタドガスをボールに戻した。

「……リーリエ…。あんたには負けたよ。そんな戦い方、どこで習ったの?」

「…私がこっちに来たばかりの時、あるジムリーダーが言ってたんです。トレーナーがうろたえたらダメ。ポケモンはトレーナーを信じて戦っているのだから、トレーナーはチームとしていかにして勝つかを考えないといけないって」

アンズはそれを聞き、ふっと小さくため息をついた。そして、それを見ていたキョウはパチパチと拍手を送った。

「二人とも、見事なバトルだった」

「父上…」

「アンズ、戦術は悪くなかった。だが、思い通りにいかないこともある。だからこそポケモンバトルは面白く、我々四天王も日々研究を続けているのだ」

「…そうだね…。リーリエ、機会があったらまたバトルしようよ。あんたみたいなトレーナーと、ジム戦を抜きにしたガチンコバトルをしてみたい」

「…アンズさん…。はい!そのときはよろしくお願いします!」

リーリエはアンズと握手を交わした。そして、アンズはリーリエにバッジを差し出す。

「これがセキチクジムを突破した証。ピンクバッジだよ。リーリエ、これで折り返し地点になるけど、この先はジムリーダーたちも手強くなってくる。頑張ってね」

「…はい!」

リーリエはアンズからジムバッジを受け取る。そして、この先さらに手強くなるというジム戦を想像し、気合いを入れ直した。
 ▼ 246 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 12:28:16 ID:ID5wzEGc [9/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第25話はここまでです。これで折り返しですね。
この先はアローラサイドの描写も少し挟みながらストーリーを進めていきたいと思います。
後半戦の一番手はハナダジム、カスミを予定しています。
それではまた。
 ▼ 247 デンネ@ペアチケット 20/12/06 12:52:57 ID:zmYornbw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
久しぶりの更新だわーい

リーリエの戦術の幅広くてすごい

支援
 ▼ 248 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 22:10:09 ID:ID5wzEGc [10/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第26話ができましたので投稿します。
 ▼ 249 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 22:10:42 ID:ID5wzEGc [11/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 26 両親


セキチクジムでアンズに勝利したリーリエはハナダシティに戻ってきていた。ここのところバトル詰めであるため、リーリエは少しポケモンたちを休ませることにする。その間、リーリエはルザミーネのリハビリの様子を見に病院へ行くことにした。

「母さま、具合はいかがですか?」

「リーリエ…。ええ、少しずつだけど筋力も戻ってきているみたい…」

まだ少し動きはぎこちないものの、ルザミーネの体はかつての感覚を取り戻しつつあった。リーリエはそれを見てほっと一安心する。

「よかったです。母さまが元気になれそうで…」

と、そこに一人の看護師がやって来る。

「ルザミーネさん、だいぶ体が動くようになってきましたね。この調子ならそう時間かからずに退院できるでしょう」

「はい…。ありがとうございます」

ルザミーネが看護師に礼を言うと、看護師はルザミーネに言った。

「今夜は娘さんと親子水入らずで過ごしてみてはいかがですか?」

「……そうですね……」

ルザミーネはリーリエの顔を見つめる。そして、穏やかに笑うと夕食を一緒にとろうと提案した。

「リーリエ、今日は夕食を一緒に取らない?あなたへのお礼も兼ねて、どこかいいレストランにでも」

ルザミーネがそう言うと、リーリエは喜んで首を縦に振った。
 ▼ 250 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 22:11:07 ID:ID5wzEGc [12/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
その日の夜、リーリエとルザミーネはハナダシティの高級レストランにいた。リーリエはステーキにナイフを入れ、切った肉を口に運ぶ。料理もさることながら、ルザミーネと一緒に食事をするのが久しぶりで嬉しかった。

「母さま、おいしいですね」

「…ええ…」

ルザミーネも料理に舌鼓を打ちながらほろりと涙をこぼす。

「…母さま…?」

「…はっ、……。ごめんなさい、リーリエ…。私はもう二度と…あなたとこういう風に食事できるなんて思ってなかったから…」

ルザミーネはウツロイドの神経毒に侵されていたとき、もう自分で身動き取ることもかなわないと思っていた。それがこうして奇跡的に助かり、娘と夕食をともにしている。リーリエはその姿を見て優しく声をかけた。

「母さま…。もう大丈夫です…。私も兄さまもついてます。これからは一緒ですよ…」

「…ええ…」

ルザミーネは少し落ち着いたようだった。リーリエはレストランの窓から外を見ながらポツリと呟いた。

「…もし父さまも一緒だったら、きっと母さまがよくなったことを喜んでくれると思います…」

ルザミーネは少し寂しそうなリーリエの表情を見逃さなかった。ルザミーネは夫のことを思い出しながら口を開いた。

「…そうね…。あの人も優しい人だったから、きっと…」

なぜ父のことをふと口にしてしまったのだろう。自分を救ってくれたカツラ、そして父親のキョウを尊敬し、かつ親子仲のよいアンズと戦ってきたからだろうか。

「リーリエ、バッジは今いくつ集まったの?」

ルザミーネはリーリエのトレーナー修行の旅について尋ねる。リーリエは自慢げにテーブルの上にこれまで集めたバッジを広げた。
 ▼ 251 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 22:11:35 ID:ID5wzEGc [13/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「すごい!4つも…!」

「えへへ…。少しはあの人たちの背中が見えてきたような気がします…」

リーリエははにかみながらヨウ、ミヅキ、ハウ、グラジオの四人を思い出す。ここでルザミーネはリーリエにある提案をした。

「…ねえリーリエ…。もしよかったらなんだけど、あなたがいいときに私とバトルしてみない?」

「…え…?」

リーリエは驚いていた。まさか母からバトルを申し込まれるとは思っていなかったからだ。

「ダメかしら?私のポケモンたちにもリハビリが必要だし、あなたも私のポケモンとならいいトレーニングになるんじゃないかと思ったのだけど…」

ルザミーネはまがりなりにもエーテル財団最強のトレーナーである。自分のポケモンたちも強くはなっているが、それでもまだ自分が普通にやって勝てる相手ではないだろう。

「母さまたちと…」

「…ええ…。お願い」

ルザミーネにまっすぐに見つめられ、リーリエは意を決した。

「…わかりました。バトルを受けます。ただ、しばらくバトル詰めだったので明日1日はポケモンたちを休ませたいです。明後日ならいかがですか?」

「…わかったわ。時間はあなたに合わせる。いつでも声をかけて」

ルザミーネはそう言うと、リーリエににこやかに笑いかけた。



その頃、ヨウは飛行機の窓から遠ざかるアローラの地を見つめていた。

「………」

窓に映る自分はもはやアローラのチャンピオンでも、リーリエにとっての英雄でもない。他の女性に流され、大切なパートナーを不必要に傷つけた最低のトレーナー。そんな自分を鍛え直そうと彼は新天地へ旅立っていく。だが、ヨウにはなんとなくわかっていた。恐らく自分は新天地でもこの状況から抜け出すことはできない、と。
ヨウは思わず飛行機の窓のブラインドを閉める。そして、少し眠ろうと軽く目を閉じた。
 ▼ 252 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 22:12:08 ID:ID5wzEGc [14/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…ヨウ…」

ヨウがシンオウ地方へ旅立ったと知ったミヅキは怒りに拳を震わせていた。ミヅキは今ハウオリシティのポートエリアにいる。彼は逃げたのだ。何一つけじめをつけず、リーリエを裏切ったまま。ミヅキの心を怒りと失望が満たす。新たなチャンピオンの座にはハウが着いた。自分がヨウを倒してぶん取ってやろうとしていたあの座に。
そんなミヅキのもとにチャンピオンとなったハウがやって来た。

「ミヅキ…」

「…ハウくん…」

ミヅキはハウをにらみつけるように見る。ハウはミヅキの視線から少し目を逸らして切り出した。

「…ヨウがシンオウ地方に行ったって知ってる?」

「…うん…。知ってる。…あいつは逃げたんだよ」

ミヅキが冷たく言い放つと、ハウはミヅキに向かって言った。

「…ヨウは必ず帰ってくるよ。おれはヨウを待ってる…」

まっすぐな目でそう言うハウをミヅキはアホらしいと思いながら見ていた。あいつはどの面を下げてアローラへ戻ってくると言うのだろう。まっすぐで優しいハウらしいが、ここで逃げたヨウにそんなことができるとは思えなかった。

「…おれ、ヨウに言ったんだ。おれはヨウを待ってる。だからアローラリーグにまた挑戦してほしいって」

「………」

ミヅキはハウの姿を見てハーッとため息をつく。ハウは一体ヨウの何を見てきたのかと思ってしまう。そこに、一人のトレーナーが現れた。どうやら観光大使に挑みにきたトレーナーのようだ。

「観光大使のミヅキだな?俺の挑戦を受けてもらうぞ!」

どうやらこのトレーナーはアローラリーグで一旗上げてやろうと考えているらしい。
ミヅキはあまりバトルをする気分ではなかったので、力業で手っ取り早くあしらうことにした。

「…挑戦者か…。いいよ。シングルバトルの3対3でいい?」

あまりやる気のなさそうなミヅキだったが、挑戦者はミヅキがバトルを受けたことで気合いを入れ直す。

「よし、行くぜ!ネンドール!」

「ドール!」

挑戦者はネンドールを繰り出した。ミヅキはとあるモンスターボールを手に取る。恐らくこの一体で勝負は決するとミヅキはわかっていた。
 ▼ 253 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 22:12:37 ID:ID5wzEGc [15/16] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…頼むよ」

ミヅキの放ったモンスターボールから出てきたポケモンは星を散りばめた夜空のような翼を広げる。ハウも驚いていた。ミヅキはいつの間にこんなポケモンを手に入れたのだろう?

「…ル…ルナアーラ…」

ハウが驚いているのを他所にミヅキはバトルを開始した。

「…シャドーレイ」

「マヒナペーア!!」

ミヅキの繰り出したポケモンは全身の色が青白く変化する。そして、黒い光線をネンドール目掛けて放った。

「ドッ…!?」

そのあまりのパワーにネンドールは一撃でダウンする。ミヅキは倒れたネンドールを冷たい目で見つめていた。

「…次のポケモンを出さないの?」

「…くっ…!」

挑戦者はネンドールを回収し、新たなポケモンを繰り出す。しかし、ミヅキとルナアーラはこれも一撃でノックアウトし、それに続く相手の三番手のポケモンも二番手と同じ道を辿った。

「…ふう…」

ミヅキは挑戦者が去ると、小さくため息をついた。もし本当にハウの言う通り、ヨウが戻ってくるのなら…。

「…ハウくん、もし私が次のリーグ戦に挑んだら、私とゼンリョクで戦ってくれる?」

ミヅキはハウに尋ねる。ハウの返事は決まっていた。

「…もちろんだよ…」

「…わかった。お疲れ様、ルナアーラ」

ミヅキはルナアーラをボールに戻し、ハウの前から立ち去ろうとする。

もし本当にあいつが帰ってくるなら、自分があの座に二度とあいつを着かせはしない。あいつが玉座を狙って挑んでくるなら、自分が完膚なきまでに叩きのめしてやる。

ミヅキは歩きながらアローラリーグの玉座に着くための戦術を、つまり四天王とハウを倒すための考えていた。あの座は自分が奪い、そしてリーリエのために守り続ける。
ミヅキの決意は闇夜ごとく心を黒く染めていった。
 ▼ 254 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/06 22:13:36 ID:ID5wzEGc [16/16] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第26話はここまでです。
次回はリーリエVSルザミーネのバトルにしたいと思います。
それではまた。
 ▼ 255 ースト@だいすきメール 20/12/08 15:05:26 ID:W8RoaRM2 NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
ミヅキも闇深いな...
とんだ罪の男だよヨウは。
支援
 ▼ 256 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/09 07:11:00 ID:A3dMB/Ek [1/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第27話ができましたので投稿します。
 ▼ 257 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/09 07:11:44 ID:A3dMB/Ek [2/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 27 リハビリ 前編


「それじゃ、準備はいいかしら?リーリエ」

ルザミーネとリーリエはハナダシティのポケモンセンター横のバトル場で対峙していた。リーリエは母のポケモンたちと戦うことに緊張感と楽しみを感じていた。

母さまのポケモン…。まだ本調子ではないでしょうが、油断大敵です…。

「いつでもいいですよ、母さま」

リーリエはそう言って一つ目のモンスターボールを手に取る。ルザミーネもボールを手に取り、同時にバトル場へ放った。

「マージ!」

「グォォ!」

ルザミーネの先発はムウマージ、リーリエの先発はイワークだった。

「…イワーク…」

思わぬポケモンを出してきたとルザミーネは思った。このイワークは何を仕掛けてくるのだろう。いや、ここは速攻あるのみだ。

「ムウマージ、シャドーボール!」

「マージ!」

ムウマージは黒いエネルギー弾を発射する。イワークはそれをくらってのけぞったが、なんとか耐えしのいだ。

「…耐えた…」

「イワークの特性は頑丈ですよ?母さまが知らないはずないでしょう。イワーク、岩石封じ!」

リーリエはイワークに攻撃を指示する。イワークの降らせた岩石の雨にムウマージは捕まり、素早さがダウンした。

「…ムウマージ!イワークにとどめよ!」

「…マージ…!」

岩石の雨から抜け出したムウマージは再びシャドーボールを放とうとする。だが、ここでリーリエはイワークを出した本来の目的を遂行した。
 ▼ 258 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/09 07:12:41 ID:A3dMB/Ek [3/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「イワーク、ステルスロック!」

リーリエはムウマージの攻撃の間際にステルスロックを指示する。イワークは倒れるが、後続のための布石としては十分だ。

「イワーク、お疲れ様」

リーリエは倒れたイワークをボールに戻し、労う。ルザミーネは自分の後続へ負荷をかけるためのリーリエの戦法に深く感心していた。

「リーリエ、なかなか容赦がないわね」

これで自分の手持ちは戦場に出る度にステルスロックに襲われる。ここからは積極的にポケモンを交代することは難しくなった。

「さあ、行きますよ!ヒノヤコマ!」

「コマ!」

リーリエの2番手はヒノヤコマ。ムウマージを先制攻撃で確実に仕留めようと考えての選出だった。

「燕返し!」

「コマ!」

ヒノヤコマは翼を広げてムウマージに襲いかかる。ムウマージに直撃したものの、まだムウマージは倒れなかった。

「シャドーボール!」

「マージ!」

ムウマージは一撃を加えて離脱しようとするヒノヤコマへシャドーボールを放つ。シャドーボールが背中へ直撃し、ヒノヤコマは地面に落下した。

「ヒノヤコマ!大丈夫ですか!?」

「コマ…!」

ヒノヤコマは地面に足をついたままだが、翼を広げてまだ戦えると戦意を見せる。リーリエはムウマージの様子を見る。どうやら次の一撃は耐えられそうになかった。
 ▼ 259 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/09 07:13:52 ID:A3dMB/Ek [4/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ヒノヤコマ、ムウマージにとどめを刺しますよ!ニトロチャージ!」

「コマ…!」

ヒノヤコマの体が炎に包まれる。そして、一筋の流星のようにヒノヤコマはムウマージめがけて突っ込んでいく。

「マッ…!」

ムウマージは岩石封じにより素早さが落ちていたためかヒノヤコマの攻撃の直撃をくらう。そして、そのまま地面に落下していった。

「ムウマージ、戻りなさい」

ルザミーネはムウマージをボールに戻した。ヒノヤコマはニトロチャージにより素早さがアップしている。相手ルザミーネはどこまでも理詰めの戦い方をするリーリエに感心していた。相手を戦闘不能にするのに必ずしも大技が必要でないなら追加効果のある小技を使って倒した方が理にかなっている。ルザミーネは自分の娘が思わぬ強敵となりそうだと気を引き締めた。

「ヘルガー、行きなさい」

「バウッ!」

ルザミーネの2体目はヘルガーだった。出てきたヘルガーにステルスロックが襲いかかり、ヘルガーがダメージを負う。ルザミーネのヘルガーは特性、貰い火であるためヒノヤコマは不利である。リーリエはルザミーネの残りの手持ちを思い浮かべた。

残るはキテルグマ、ミロカロス、ドレディア、ピクシー…

すっ…

リーリエがヒノヤコマへ指示を出そうと息を吸い込んだその瞬間、ルザミーネはヘルガーへ攻撃を指示した。

「ヘルガー、不意打ち!」

ヘルガーのその一撃はヒノヤコマへのとどめとなるはずだった。

「交代です、ヒノヤコマ!」

しかし、リーリエはモンスターボールを取り出し、ヒノヤコマを戻す。結果、ヘルガーの不意打ちは失敗に終わった。
 ▼ 260 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/09 07:14:26 ID:A3dMB/Ek [5/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…読んでいたの?」

ルザミーネは思わずリーリエに尋ねた。リーリエはこくりと頷いた。

「…母さまのバトルは何度も見ています。それに、母さまも私の憧れのトレーナーの一人ですから…」

「………」

ルザミーネは驚いてリーリエを見つめていた。まさか自分が憧れの一人だと言われるなどとは思っていなかったからだ。そして、リーリエは自分のバトルを見て、そのとき自分がどんな指示をしていたのかを覚えているのだと知る。

手の内を読まれている…

ルザミーネはリーリエが自分の手の内を完璧ではないとしても、ある程度予測しているのだと悟る。単純な手持ちの強さでは自分が勝るかもしれないが、読みや戦術に関してはリーリエに利があるように感じていた。

「…リーリエ…。あなたはいいトレーナーね…」

ルザミーネは素直にそう思った。リーリエがこんなにバトルの知識を得たのは技の研究者であるククイに師事していたからだろうか。それとも、ヨウたちと島巡りをしてきたからだろうか。理由はどうあれ、自分も持てる知識と力を注ぎ込む必要がありそうだ。

「次はあなたですよ、ヨーギラス!」

「キュオ!」

リーリエの三番手はヨーギラスだった。もしリーリエが最終進化系のバンギラスにまで育てたとすれば、大きな戦力となるだろう。ルザミーネはタイプ相性上不利なヘルガーを交代させるべきか考える。ステルスロックをまかれているため、ヘルガーにとっては交代もなかなかさせづらいところだった。

「ヘルガー、このままヨーギラスの相手を頼んでいいかしら?」

ルザミーネの声に、ヘルガーは小さく声を上げる。ヘルガーはこのまま戦うことに迷いも不安もなかった。
 ▼ 261 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/09 07:14:52 ID:A3dMB/Ek [6/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ヘルガー、ありがとう…。悪の波動!」

「バウッ!」

ヘルガーは黒いエネルギーをまとった衝撃波を放つ。ヨーギラスは咄嗟に両腕でガードし、後ずさった。

「ヨーギラス!」

「キュオ…!」

ヨーギラスはガードの上からでもかなりのダメージを受けたが、まだまだ戦えるとヘルガーをにらみつけていた。

「…やはり母さまのポケモンは強い…。でも、そう簡単には負けません…!」

そのときだった。

「…キュオ…?」

ヨーギラスの身体をまばゆい光が包む。ヨーギラスに進化の時が訪れたのだ。リーリエもルザミーネも思わず目を見張った。

「…進化…!」

「…ギラ…」

光に包まれたヨーギラスはサナギのような姿に変化していた。

「…サナギラス…」

リーリエはその名を漏らすように呟いた。
 ▼ 262 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/09 07:15:36 ID:A3dMB/Ek [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第27話はここまでです。
次回リーリエVSルザミーネの決着としたいと思います。
それではまた。
 ▼ 263 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/10 20:23:01 ID:JWpQzDmI [1/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第28話ができましたので投稿します。
 ▼ 264 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/10 20:23:25 ID:JWpQzDmI [2/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 28 リハビリ 後編


「…サナギラス…」

リーリエは進化したヨーギラスの名を絞り出す。ヨーギラスの進化は素直に嬉しかったし、進化したことでパワーアップもしているはずだ。だが、相手はルザミーネのヘルガー、タイプ相性で有利でも油断はできない。

「サナギラス、岩雪崩!」

「ギラ!!」

サナギラスはヘルガーめがけて岩雪崩を起こす。しかし、ヘルガーは岩雪崩をかわして反撃してきた。

「ヘルガー、もう一度悪の波動よ!」

「バウッ!!」

ヘルガーは再び悪の波動を放つ。サナギラスは固い殻で耐えるが、進化前に受けていたダメージもあり、あと一発は耐えられそうになかった。

「…サナギラス…、ここは打って出ますよ…」

「ギラ…」

リーリエはヘルガーをじっと見据える。サナギラスもリーリエに同調するようにヘルガーへ狙いを定めた。

「サナギラス!ヘルガーへ接近です!」

「ギラ!」

サナギラスは殻の隙間から高圧ガスを噴射してヘルガーへ接近する。鈍重そうな見た目に反したそのスピードにヘルガーは虚を突かれ、サナギラスはそのままヘルガーへぶち当たった。

「ヘルガー!」

ルザミーネが地面に転がるヘルガーを見て叫んだが、もう遅かった。サナギラスは勢い余って地面に転がるが、この技の前ではそんなことはどうでもよい。

「サナギラス、地震です!」

地面に転がりながらもサナギラスは地震を起こす。ヘルガーは衝撃波によって大ダメージを受け、力尽きた。
 ▼ 265 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/10 20:23:53 ID:JWpQzDmI [3/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「…!」

ルザミーネはヘルガーを突破されたことで思わず拳を握り、鳥肌が立った。そして、リーリエが本当に強くなったことを肌で感じた。ルザミーネは深呼吸をしてヘルガーをボールに戻す。ここは自分たちも打ってでる必要があるらしい。ルザミーネはヘルガーを回収し、次のボールを投げる。

「ク―ッ!!」

中から現れたのはキテルグマだった。キテルグマにステルスロックが襲い掛かるが、キテルグマは右腕を振るってステルスロックを叩き落してみせた。

「クー…」

「ギラ…」

サナギラスには恐らくキテルグマを相手にできる体力は残っていない。リーリエはそれがわかっていたが、このままサナギラスを戦わせることにする。

「サナギラス、もう一度地震です!」

サナギラスは再び地震を起こそうとする。だが、キテルグマはそれを許さなかった。

「キテルグマ、冷凍パンチ!」

「クーッ!!」

サナギラスに冷気をまとった拳が命中する。サナギラスは倒れ、キテルグマはゆっくりとリーリエに視線を送った。まるで、自分を倒せるものなら倒してみろ、と言うように。

「キテルグマ…。あなたも神経毒を受けたはずなのに、あまり影響はないようですね…」

リーリエはサナギラスを回収し、次のボールを構える。キテルグマの特性はもふもふ。接触技のダメージが軽減されるが、炎技には弱くなるという特性である。リーリエはそれを踏まえてどのポケモンを出すべきか考える。フェアリータイプのキュワワーで弱点を突くか、あるいは…
 ▼ 266 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/10 20:24:57 ID:JWpQzDmI [4/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ここはあなたに任せます。頼みますよ、ヌオー!」

「ヌオ!」

リーリエはキュワワーではなくヌオーを繰り出した。ルザミーネはここで迷わず選手を交代させた。

「キテルグマ、交代よ!行きなさい、ドレディア!」

「ディア!」

リーリエはまさかこんなに早くルザミーネが交代をしてくるとは思わなかった。一回くらいはキテルグマで攻撃してくるものと思っていたのに。しかし、早めの交代も恐らく勝つためのものなのだろう。

「ヌオー、地ならし!」

「ヌオ!」

ヌオーは地ならしでドレディアを攻撃する。ドレディアの素早さが下がるが、ルザミーネは構わず反撃を指示した。

「ドレディア、花びらの舞!」

「ディア!!」

ヌオーは花びらの舞を受けて倒れるが、これでリーリエにとってはこれでドレディアは討ち取ったも同然だった。

「ヒノヤコマ、もう一度頼みます!」

「コマ!」

リーリエは再びヒノヤコマを繰り出す。ヒノヤコマは花びらの舞を踊るドレディアめがけて襲いかかった。

「燕返し!」

ヒノヤコマはドレディアへ翼の一撃を見舞う。ドレディアが花びらの舞で反撃してくるが、炎、飛行タイプのヒノヤコマには草技は効果が薄い。ヒノヤコマは強引に花びらの中を突っ切り、再びドレディアへと迫った。

「ニトロチャージ!」

リーリエの指示でヒノヤコマは身を炎に包み、ドレディアの胸部へと突撃する。ドレディアは吹き飛ばされ、地面に転がって動けなくなった。
 ▼ 267 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/10 20:25:24 ID:JWpQzDmI [5/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「よし!ドレディアを倒しました!」

これでルザミーネの残りの手持ちは3体。対するリーリエもヒノヤコマも含めて3体。ヒノヤコマはダメージを負っており、かつルザミーネの残りの手持ちは耐久力の高いポケモンばかりであるため、リーリエがやや追い込まれつつあった。

「ピクシー、行きなさい!」

「ピクッ!」

ルザミーネはピクシーを繰り出してくる。ステルスロックが襲いかかるが、ピクシーはものともしなかった。

「…マジックガードですか…」

ピクシーは特性、マジックガードにより攻撃技以外でダメージを負うことはない。ピクシーはノーダメージのままヒノヤコマと対峙した。

「ヒノヤコマ、挑発です!」

「コマ!」

ピクシーは月の光やコスモパワーなど厄介な補助技を使う。リーリエはそれを封じようとヒノヤコマへ挑発を指示した。だが、ルザミーネはそれを読んでいたかのように打って出てきた。

「ピクシー、ムーンフォース!」

「ピクッ!」

ヒノヤコマ目掛けて光線が降り注ぐ。ヒノヤコマが倒れ、リーリエの残りの手持ちはロコンとキュワワーのみとなった。

「………」

リーリエはここでロコンのボールを手に取る。リーリエは元々ルザミーネを倒すためにはピクシーとミロカロスが鬼門になるとわかっていた。ここは勝負を賭ける。

「…ロコン、母さまのポケモンたちは強いです…。でも、私たちだってこれまでの旅を通じて強くなったんです。行きますよ!」

「コン!」

リーリエの投げたボールからロコンが現れる。ロコンが現れるとバトル場には霰が降り始めた。
 ▼ 268 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/10 20:25:53 ID:JWpQzDmI [6/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ロコン…。ピクシー、ムーンフォース!」

ルザミーネは攻撃あるのみとピクシーにムーンフォースを指示する。ロコンは吹き飛ばされ、さらに特殊攻撃力がダウンした。

「ロコン!」

ルザミーネはこれで一気に自分が有利になったと考えた。ピクシーがロコンから致命傷を負うことはまずないだろう。あとはゆっくりととどめを刺すだけだった。

「私は運がいいようね…。リーリエ、悪く思わないでね」

ルザミーネがそう言うと、ピクシーは再びムーンフォースのエネルギーをチャージし始める。が、ここでリーリエは不敵な笑みを見せた。

「…ええ…。悪くなんて思いませんよ…。ロコン…」

ロコンは立ち上がり、反撃の姿勢を取る。

「絶対零度」

一瞬、ルザミーネもピクシーも視界が真っ白になった。ピクシーは何が起きたのかもわからぬうちに強烈な冷気に晒され、ムーンフォースを放とうとする姿勢のまま動けなくなった。

「……!」

「隠し玉はいざというときに取っておくものですよ、母さま」

「コンッ!!」

ピクシーを下し、ロコンは得意げに声を上げる。ルザミーネはリーリエがあくまで自分に勝ちにきているのだと思い知った。しかし、自分もトレーナーの端くれ、そう簡単に勝利を献上はしない。

「…リーリエ…。見事だわ…。でも、次はそう簡単には行かないわよ!」

ルザミーネはミロカロスのボールを投げた。

「クォォーッ!!」

ミロカロスの体ににステルスロックが突き刺さるがミロカロスは身体を振って岩を払った。

「ミロカロス、油断してはだめよ」

ルザミーネがそう言うと、ミロカロスは鋭い目でロコンを見据えた。
 ▼ 269 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/10 20:26:23 ID:JWpQzDmI [7/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ミロカロス、雨乞い!」

ルザミーネがそう言うと、ミロカロスは天へ向かって声を上げる。すると、降っていた霰は雨粒へと変わっていった。

「雨乞い…。ロコン、絶対零度!」

リーリエは再び絶対零度で一撃必殺を狙う。だが、ルザミーネはミロカロスへ迫るその冷気を遮断する。

「ミロカロス、波乗りで防御!」

ミロカロスは大波を起こし、それは分厚い水の壁となって絶対零度を遮る。そして、波の一部が凍りつき、そのまま硬い礫が混じった波がロコンへと襲いかかった。

「!ロコン!」

ロコンは氷の塊が混じった波に飲まれ、力尽きた。リーリエはロコンを回収し、最後のボールを手に取る。

「キュワワー、頼みますよ!」

「キュワ!」

リーリエの最後のポケモン、キュワワーがミロカロスと対峙する。天候は雨。果たしてミロカロスに有利な条件下で倒すことができるのか。

「キュワワー、宿り木の種!」

「キュワ!」

キュワワーは宿り木の種を使い、回復を交えて粘り込みを図る。だが、雨を味方にしたミロカロスはそれを許さなかった。
 ▼ 270 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/10 20:26:43 ID:JWpQzDmI [8/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ミロカロス、波乗りよ!」

「クォォーッ!!」

ミロカロスは再び波をお越し、キュワワーを飲み込む。雨によって威力の増した一撃はキュワワーの体力を大きく削った。宿り木の種の回復では間に合わないほどに。

「…キュワ…!」

キュワワーは荒い息をつきながらもミロカロスへの戦意を剥き出しにする。

「…キュワワー…」

リーリエにはわかっていた。雨の中では光合成の効果も下がり、恐らくミロカロスの次の攻撃は耐えられない。不必要にポケモンを傷つけないようにすることもトレーナーの役目だった。

「…キュワワー…。残念ですが、今はまだ母さまには勝てないようです。…よく戦いました」

リーリエはキュワワーをボールに戻し、ルザミーネへと向き直った。

「…リーリエ…。本当に昔のあなたとは別人みたい…」

ルザミーネがかつて知っていたような、自分の無力さを嘆き、どこか怯えるような仕草を見せていた彼女の姿はどこにもなかった。そして、ルザミーネはいずれリーリエも自分やアローラの憧れの人物たちと遜色ないトレーナーになることを直感した。

「…バトルしてくれてありがとう、リーリエ。…私たちも油断できないわね」

ルザミーネはそう言って笑顔を見せ、ミロカロスをボールに戻した。
 ▼ 271 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/10 20:29:04 ID:JWpQzDmI [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第28話はここまでです。
次回はカスミ戦の前日談みたいな話を挟もうと思います。
それではまた。
 ▼ 272 ーテリー@くろぼんぐり 20/12/10 21:59:14 ID:LxjILkMQ NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 273 チゴラス@ノメルのみ 20/12/10 22:00:43 ID:2i02oejo NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
絶対零度とはたまげたな…

てかリーリエの手持ちのレベルってバッジ4個にサナギラス進化を考えるとせいぜい30台のはずなのに絶対零度を当てるってことはルザミーネさんの手持ちも衰弱して大分レベルダウンした感じか

支援
 ▼ 274 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/12 20:58:01 ID:Pex.30Sk [1/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第29話ができましたので投稿します。
 ▼ 275 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/12 20:58:27 ID:Pex.30Sk [2/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 29 恋慕


ルザミーネとバトルした翌日、リーリエはチルットを連れて新しいポケモンの捕獲を試みていた。ここはマサキの住む岬の小屋へと続く道である。リーリエは次のジム戦をハナダジムに決めてい、た。ハナダジムは水タイプのジムであるため、リーリエはこの道に生息するナゾノクサとマダツボミをゲットしようとしていたのだ。リーリエは目的の2体をゲットし、一旦休憩することにする。

「チルット、あなたのお陰で仲間が増えました。ありがとうございます」

「チル!」

リーリエはナゾノクサとマダツボミのダメージを傷薬で回復させ、チルットには木の実を与える。今日はぽかぽか陽気と言うのがしっくり来るほどに暖かく穏やかな日だった。リーリエはチルットとナゾノクサ、マダツボミを遊ばせていた。

「……?」

リーリエがふと周囲を見回すと、カップルと思われる若い男女が草陰に入っていくのを見かけた。

「…恋人…でしょうか…」

リーリエはそのカップルを見て、ふとヨウのことを思い出す。そして、アカネに言われたことを思い出した。

遠距離恋愛ってなかなかうまくいかへんから…

…今夜、ヨウさんへ手紙を書きましょう…。そう言えば、カントーへ来てからかなりの時間が経ってますね…

リーリエがそう思った矢先のことだった。

「あっ…」

リーリエの耳に微かに女性の甘い声が聞こえる。

え…?

リーリエは行かない方がいいと思いながらもついついそちらへ行ってしまう。草陰ではリーリエの思ったとおり、カップルが互いの身体を求めあっていた。
リーリエは思わずその光景に見入ってしまった。他人の行為をその目で見るのは初めてだった。生々しい愛の営み。それは彼女自身もアローラで愛しい彼と行ったことなのに。
 ▼ 276 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/12 20:58:56 ID:Pex.30Sk [3/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
…すごい…。あんなに気持ち良さそうに…

カップルは互いに絶頂が近いようで、息を荒げながら動きも激しさを増していく。そして、あるとき互いにぎゅっと抱き合い、そのまま身体を震わせた。


「………」

リーリエは顔を真っ赤にしながらチルットたちのもとへと戻った。リーリエは遊ばせていたポケモンたちを回収するとため息をつく。

ヨウさん…。どうしてるかな…。なんだか寂しい…

リーリエはなんとなく寂しさを感じ、ハナダシティへの帰路についた。その間、リーリエはヨウと過ごした最後の夜、一線を超えたあの満月の夜を思い出し、どことなく落ち着かなかった。
もしこの旅が終わり、ヨウに再会したらどうしよう?あの夜、何も言わずにヨウの前から勝手にいなくなったことは今でも後悔している。彼に一言お詫びを言いたい。そして、今度は二人で抱き合ったまま朝を迎えたい。

…何を考えてるんでしょう、私…

リーリエはヨウとの愛の営みを思わず渇望してしまい、顔を赤らめる。リーリエは落ち着かないままハナダシティへ戻った。とりあえず戦わせたチルットと捕獲したナゾノクサ、マダツボミを回復させようとポケモンセンターへ向かう。

…ヨウさん…、ヨウさん…


「おーす!未来のチャンピオン!」

「…ヨウさん…」

リーリエは声をかけられたことに気づかず、すたすたと声をかけてきた男性の前を通りすぎていく。

「…おい!未来のチャンピオン!」

「……はっ…?」

リーリエはようやくジム戦のときに現れるあの男性の声だと気づく。
 ▼ 277 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/12 20:59:17 ID:Pex.30Sk [4/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「どうした?考え事か?」

「…え?はい…まあ……」

リーリエがそう言うと、眼鏡の男性はいうもの調子でしゃべり始めた。

「バッジ集めは順調か?」

「はい…。4つ手に入れました」

リーリエは眼鏡の男性にそう言うと、男性はうんうんと頷いた。

「なるほど!ということは折り返し地点だな!次のジム戦はどこを考えているんだ?」

「…この町のジム…。カスミさんに挑もうと思っています」

リーリエがそう言うと、男性は意外な顔をした。

「まだハナダジムには挑戦してなかったのか…。未来のチャンピオン、俺から一つアドバイスだ。カスミはポリシーを持っている者だけが一流になれるという考えを持っている。そして、カスミは水タイプのポケモンを使って攻めまくることをポリシーとしていて、その通りの速攻を得意としているんだ」

眼鏡の男性はリーリエにカスミの戦法について話すが、リーリエはどこか彼の話に集中できなかった。頭の中には先ほど見せつけられた愛の営みの光景と、自分も同様に愛しい彼と愛し合いたいという思いが占められていた。

「単純に速さと攻撃を重視した戦法だが、それは単純であるがゆえに強力であり、また崩しにくい。カスミのポケモンたちの速攻に惑わされるなよ。君なら必ず反撃の糸口を掴めるはずだ」

「…はい…」

「………」

眼鏡の男性はリーリエが自分の話を聞いているのか少し不安だったが、とりあえず彼女なら大丈夫だろうとその場を立ち去ることにした。
 ▼ 278 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/12 20:59:45 ID:Pex.30Sk [5/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
そして、その夜リーリエはヨウに宛てた手紙を書いていた。何を書こう。ルザミーネの神経毒の分離に成功したこと、カントーでバッジを4つ集めたこと、そしてアローラのトレーナーたちに劣らない素晴らしいトレーナーたちに出会えたこと。書きたいことがたくさんあった。
でも、それよりも何よりもリーリエが伝えたいのは、ヨウのことを愛していて、今でも彼が自分にとって一番憧れのトレーナーであること。昼間のカップルの営みを見てしまったからだろうか。その夜、ヨウへの恋慕の情は募るばかりだった。

リーリエはちらりと自分のリュックについた島巡りの証に目をやり、ペンを走らせる。手紙は二枚。一枚は自分やルザミーネの近況、もう一枚はヨウへのラブレターだった。想いのまま書いたその文は端から見ればこっ恥ずかしい文だったかもしれない。たが、その一枚にはリーリエのヨウへの想いを詰めに詰め込まれていた。
リーリエはあの日の夜、ヨウが自分を気遣うあまり絶頂しなかったことに気づいていた。どんなに痛くても彼を受け入れ、彼に自分の身を余すことなく差し出そうと決めていたはずなのに。それはリーリエにとって後悔している部分でもあったのだ。

今度抱き合ったそのときは、ヨウに満足するまで抱いてほしい

リーリエは想いのあまり、ヨウへのラブレターに自分が彼との愛の営みを強く望んでいることをほのめかすような文を書こうとし、ふとペンを止めた。

「わ…私ったら何を書いてるんでしょう…」

リーリエは冷静になり、一旦手紙を書いていた手を止めてベッドに潜った。リーリエの身体はやり場のない熱を帯びたまま夜が更けていった。


そしてそれから数週間、リーリエはナゾノクサとマダツボミをそれぞれクサイハナとウツドンに進化させ、カスミ戦への準備を進めていた。今回はタイプ相性で不利になるヒノヤコマ、サナギラス、イワークは連れていない。ロコン、キュワワー、ヌオー、ウツドン、クサイハナ、チルットというパーティーである。カスミの水ポケモンたちの速攻をしのぎ、バッジを手にすることができるのか。リーリエは深呼吸し、ハナダジムの扉を開いた。
 ▼ 279 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/12 21:01:09 ID:Pex.30Sk [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第29話はここまでです。
次回はカスミ戦となります。
初代ポケモンのカスミの言う、水タイプのポケモンで攻めて攻めて攻めまくる超攻撃型のバトルを描きたいと思います。
それではまた。
 ▼ 280 ーデリア@ずがいのカセキ 20/12/12 21:05:02 ID:nVC6Vres NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
懐かしい。HGSSやってたときを思い出すわ
支援
 ▼ 281 トーボー@ミックスオレ 20/12/13 12:38:46 ID:pW2s1Ub. NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
すべてを知った時リーリエどんな顔をするんだろう…ハイライトオフ不可避や…
想像したら怖くなってきた。
支援
 ▼ 282 リランダー@ミズZ 20/12/14 22:13:21 ID:Fgr2Jx8w NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援せずにはいられない
 ▼ 283 ナッキー@リザードナイトX 20/12/15 19:37:38 ID:ox0YMJEg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援ッス
 ▼ 284 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/16 20:40:50 ID:z/JgGUIg [1/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます。
第30話ができましたので投稿します。
 ▼ 285 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/16 20:41:59 ID:z/JgGUIg [2/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
Episode 30 速攻


「ここがハナダジム…」

リーリエはハナダジムの中をぐるりと見回す。そこは多種多様な水ポケモンが飼育され、さらにトレーナーたちもポケモンと共に泳ぎ親睦を深めている。リーリエは思わずエーテルパラダイスの保護区の水ポケモンたちを思い出していた。

「…なんだか懐かしいような光景ですね…」

と、リーリエはジム戦を申し込みに来たという目的を思い出し、ジムの受付へと向かう。

「あなたがチャレンジャーね?リーリエさん…。バッジは4つ…。OK、ジムリーダーのところへ案内しましょう」

受付の女性はそう言うとリーリエをジムリーダーのもとへと案内する。

「カスミー!ジム戦のチャレンジャーよー!」

受付の女性が声をかけると、白地に青いラインの入ったパーカーを羽織り、競泳水着のような水着を来た茶髪の女性が振り向いた。

「はいはーい」

その女性、カスミは明るく快活な声で振り向く。そして、リーリエの姿を確認した。

「あなたがチャレンジャー?私がジムリーダーのカスミ。よろしくね」

カスミはにかっと笑い、リーリエと握手を交わす。すると、受付の女性がカスミにリーリエの所持するバッジの数を伝えた。

「ふーん…。このジムが折り返しなんだ。それじゃあ、ちょっと厳しめになるかもしれないけど、結構マジでやらせてもらおうかな」

カスミはジム戦のルールを考えているらしい。そして、リーリエにルールを伝えた。

「よし、こうしましょう!シングルバトルで、私は3体のポケモンで戦う。あなたは最大6体までオーケー。お互い交代は自由よ」

リーリエはカスミが4番目のアンズよりも緩い条件を出してきたことに少し首をかしげた。ジム戦とは、バッジの数が多くなるほど挑戦者に有利な条件が狭まっていくと思っていたからだ。だが、カスミがいいと言うからにはそれでいいのだろう。
リーリエはカスミに案内され、ジム内のバトル場に向かう。ハナダジムのバトル場は水ポケモンのジムらしく大きなプールに水が張られ、所々に陸地があるというものだった。
 ▼ 286 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/16 20:43:04 ID:z/JgGUIg [3/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「それじゃ、いきましょうか!マイステディ!」

「フーッ!」

カスミの一番手はスターミーだった。素早さと特殊攻撃力に優れるポケモンだ。リーリエはスターミーがカスミの得意とする速攻を体現しているように思えた。

「…マイステディ…ですか…。ここはタイプの有利なあなたでいきますよ!」

「ウツッ!」

リーリエはウツドンを繰り出した。スターミーは防御面はさほど強いポケモンではない。ここは攻撃力に優れるウツドンで一気に勝負をつけようという算段だった。

「ウツドン、葉っぱカッター!」

リーリエはスターミーの弱点を着こうと草技を指示した。が、カスミは速攻を得意とすることを見せつけるようにスターミーに攻撃を指示した。

「サイコキネシス!」

「!!」

リーリエはまずいと思った。スターミーのサイコキネシスがウツドンを捉え、ウツドンはプールに吹き飛ばされて落下した。

「ウツドン!」

「ウ…」

プールに浮かぶウツドンはなんとか声を上げるのがやっとだった。毒タイプでもあるウツドンにとってはサイコキネシスは効果抜群である。これでは水タイプ対策としてつれてきたクサイハナも簡単には出せない。

「…ウツドン…、すみません…」

リーリエはウツドンをボールに戻し、次のボールを構える。リーリエは水の多いフィールドでも戦えるヌオーを繰り出した。
 ▼ 287 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/16 20:43:34 ID:z/JgGUIg [4/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ヌオー、頼みますよ!」

「ヌオ!」

カスミはヌオーを見てにやりと笑った。リーリエはなんだか嫌な予感がする。

「スターミー、草結び!」

「フッ!」

スターミーは草結びでヌオーを攻撃する。ヌオーの唯一の、そして最大の弱点を突いてきたのだ。リーリエはまさかヌオーまで一撃でやられるとは思っていなかったため、心に焦りが生まれていた。

「ヌオー!…くっ…」

「意外だった?スターミーはいろんなタイプの技を覚えるわ。草結びを覚えさせてるトレーナーはあまりいないかもしれないけどね」

カスミはリーリエの手持ちを一気に2体撃破し、勢いづいていた。カスミはどうやらスピードと攻撃力に優れるポケモンを使い、かつ水技に限らず様々なタイプのサブウエポンを覚えさせることで早く的確に敵の弱点を突くバトルスタイルを得意としているようだ。リーリエは次のボールを構える前に一旦深呼吸する。
悔しいが焦ってはだめだ。ここはまずスターミーをしっかりと倒すことだ。

「ロコン、頼みます!」

「コン!」

カスミはリーリエが繰り出した真っ白なロコンを見て目を見張った。そして、ロコンの登場とともに天候が霰に変わる。

「ロコン…?これは…霰…?」

「オーロラベール!」

「コンッ!」

ロコンはオーロラベールを張り、スターミーの攻撃に備える。スターミーはここで一気に大ダメージを与えようと大技を使ってきた。
 ▼ 288 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/16 20:44:03 ID:z/JgGUIg [5/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「スターミー、ハイドロポンプ!」

「フッ!」

スターミーはハイドロポンプでロコンを攻撃する。ロコンはオーロラベールによって攻撃を耐えた。

「ロコン、フリーズドライ!!」

「コンッ!!」

ロコンはスターミー目掛けてフリーズドライを浴びせる。スターミーは大ダメージを受け、プールの中に落下した。

「…!プールの中に逃れましたか…!」

リーリエはスターミーが追撃を受けにくい水中に身を潜めたとすぐに気づいた。ロコンもスターミーの攻撃を警戒する。そして、ロコンの背後から水飛沫が上がった。

「ロコン、後ろです!」

ロコンは素早く振り向き、水中から姿を現したスターミーに攻撃を仕掛ける。

「フリーズドライ!」

ロコンのフリーズドライによる攻撃が再びスターミーを捉えた。スターミーはこの一撃によりあえなくダウンし、戦闘不能となった。

「やった…!」

リーリエとロコンはスターミーを倒し、ホッと安堵の息を漏らす。カスミもスターミーによる速攻をリーリエがなんとかしのいだことに感心していた。

「へー、やるじゃない。私のスターミーの攻撃をしのぐなんて」

カスミはそう言って次のボールを構えた。

「リーリエ、あなた、なかなか面白いトレーナーね。氷タイプのロコンなんて初めて見た。私も新しく育てたこの子で戦ってみようかな」

カスミが次のボールをゆっくりと放る。その中から現れたのは…
 ▼ 289 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/16 20:44:37 ID:z/JgGUIg [6/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「コウガ…」

青い体に首にマフラーを巻くように長い舌を巻き付けたポケモン、リーリエも生で実物を見るのは初めてだった。

「…ゲッコウガ…」

ゲッコウガもスターミーと同様に速攻に長けたポケモンである。カスミはロコンが身構えると、ゲッコウガに攻撃を指示した。

「いきなさい、ゲッコウガ!」

「ロコン、フリーズドライ!」

「コンッ!!」

ロコンは再びフリーズドライでゲッコウガを攻撃しようとする。カスミはゲッコウガにフリーズドライの冷気が当たる直前、ある技を指示した。

「冷凍パンチ!」

「コウガ!」

「…!!」

なんと、ゲッコウガは弱点のはずのフリーズドライの中を突っ切ってロコンに接近してきたのだ。ロコンは冷凍パンチを受けて仰け反り、隙を晒してしまった。

「今よ、けたぐり!!」

今度はゲッコウガはけたぐりでロコンの足を払う。ロコンは弱点を突かれてバランスを崩し、プールに落下した。

「ロコン!」

「コン……」

ロコンはなんとか陸地に這い上がるが、ゲッコウガは追撃の手を緩めなかった。

「今よ!滝登り!」

ゲッコウガは全身に水をまとってロコンへ突撃する。その一撃によりついにロコンは倒れた。
 ▼ 290 ルーラJr◆D7AV4ilbZg 20/12/16 20:45:22 ID:z/JgGUIg [7/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「ロコン!…よく戦いました…」

リーリエはロコンを労いながらボールに戻す。そして、ゲッコウガをキッと見つめた。

「…特性は変幻自在ですか…。まさかそんな珍しいポケモンを使ってくるとは…」

リーリエがゲッコウガの特性を言い当てたため、カスミは目を丸くした。

「うわお、ご名答。まさか知ってるとは思わなかった」

ゲッコウガの特性を言い当てたところで、リーリエに対抗策があるのかと言われるとかなり苦しいところだった。特性、変幻自在。攻撃しようとする直前のタイミングで自身のタイプがその攻撃技のタイプに変化する。先ほどフリーズドライを受ける直前、ゲッコウガは冷凍パンチの指示を受けていた。そのときゲッコウガは氷タイプになっており、フリーズドライのダメージを最小限に抑えることができたのだ。

まだオーロラベールの効果は残っている…。冷凍パンチ一発くらいなら耐えられるはず…

リーリエは次のボールを投げた。

「クサッ!」

リーリエはクサイハナを繰り出した。ウツドンに比べると攻撃面は弱いが、耐久力で勝るクサイハナなら反撃の糸口を掴めるのではないかと考えてのことだ。

「クサイハナ…。ゲッコウガ、冷凍パンチ!」

「コウガ!」

ゲッコウガはクサイハナに向かって接近してくる。クサイハナはゲッコウガの一撃を受けながらも踏みとどまった。

「クサイハナ、痺れ粉!」

「コウガっ…!?」

リーリエはゲッコウガの機動力を削ごうと痺れ粉を指示した。ゲッコウガはクサイハナのまいた粉に飲まれる。これでゲッコウガのスピードは大きく落ちたはずだ。

「ゲッコウガ!もう一度冷凍パンチよ!」

「…コウガ!」

しかし、ゲッコウガは再び冷凍パンチでクサイハナを殴り付けた。そのとき、オーロラベールの効果が切れ、クサイハナはゲッコウガの一撃により大ダメージを負った。
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