【一人一段落ss】【新ジャンル開拓】もうかエースバーンのおもひで

一人一行があるなら一人一段落があってもいいだろと思ってスレ立てしました


　春が訪れ、心が躍るはずの日、もうかエースバーンは恐怖に震えた。
そう、リベロエースバーンがやってきたのである。多くの者が対戦環境が荒らされ心に余裕を持たなくなっていた。それまでははあんなに楽しく戦っていたというのに。そう思ってい中、もうかエースバーンは思い出した。アイアント達と切磋琢磨した日々を。半ば現実逃避ともとれるがもうかエースバーンはもう思い出にすがることしかできなくなっていた

その恐怖心を誤魔化すために、毎晩ひのこを散らしながらワイルドエリアを駆け巡り一人暴走した。その時の容姿と表情はタチフサグマ顔負けである。しかしその心の荒れが、後にもうかエースバーン自身の持久力と素早さ向上につながったのである。やがて気付いたときに目の前にあったのは、香ばしい香り漂う一軒のテント…

　そのテントから出てきたのは、かつて自分のトレーナーだった少女。服装や髪型こそ変わっているが、優しげな笑顔と声は間違えるはずがない。少女は持っていたモンスターボールからポケモンたちを出した。これからカレー作りを始めるのだろう、自分も好きだったカレーの味が脳裏をよぎる。そういえば今日は対戦用のポケモンを育成しに来ているらしい。タマゴ孵化用にされがちなファイアローを除けば初めて見る顔ぶればかりだ。少し微笑ましいなと思って見ていたが、最後のボールから出てきたポケモンを見た時、怒りとも悲しみとも似つかない感情が沸き上がるのを感じた。ボールから出てきたのは、あの忌まわしきリベロ個体のあいつだった。正直同じ種族だと信じたくもない。