【SS】俺とユキハミのあったか暮らし

トレーナー「うぅ、寒みぃなオイ…… 最近一気に気温下がり過ぎだろ…… 買い物行くのも一苦労だわ」ｶﾞﾁｬ

トレーナー「ただいまー」

ユキハミ「ﾐｯ」ﾉﾛﾉﾛ

トレーナー「おーユキハミ、お出迎えとは嬉しいじゃん。ありがとな」ﾋｮｲ

ユキハミ「ﾝﾐ♪」ｽﾘｽﾘ

トレーナー「ははっ、くすぐったいっての。てかそれ以上に冷てぇ」ﾀﾞｷｯ

ユキハミ「……」ｼﾞｨｰ…

トレーナー「お、その目は何か飯くれの時の目だな？ 任せろ、ちゃんと木の実買ってきたぞ。冷凍のやつ」

ユキハミ「ｱｲｽｽ♪」ﾊﾐﾊﾐ

トレーナー「俺のアゴはハミらないでいいっての。よし、手洗って飯にするか」

支援

ほんわかしそうな
支援

しえん

───お茶の間

トレーナー「ふー家の中も寒いな。だが暖房はつけられんし炬燵で我慢だ」ﾇｸﾇｸ

ユキハミ「……」

トレーナー「おっと悪い、いただきますが遅くなっちまったな。それじゃ、いただきます」

ユキハミ「ﾝﾐ♪」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

トレーナー「ははっ、食いしん坊のクセに礼儀正しいやつだ。偉いぞ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ユキハミ「……♪」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

トレーナー「俺はあったかいうどんを食べる」ｽﾞｽﾞｯ

ユキハミ「……」ｼﾞｨｰ…

トレーナー「ん、俺のも食べたいって目をしてやがるな？ さすがの食い意地だ」

ユキハミ「ﾐ……」ｼﾞｨ〜…

トレーナー「まぁ分かってたからちゃんとお前の分も用意しておいたけどな。ほら」ｺﾄｯ

ユキハミ「ﾊﾐｯ♪」ﾊﾐﾊﾐ

トレーナー「ははっ、お前嬉しいとすぐ俺のことハミるのな。いいからはやくお食べ」

ユキハミ「ﾝﾐ♪」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

トレーナー「俺は残りのうどんを食べる」ｽﾞｽﾞｯ

ほのぼの
支援

かわいい支援

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ユキハミ「？」

トレーナー「ん？ お客さんか。は〜い」

ｶﾞﾁｬ

お隣さん「こんにちは。突然ごめんなさいね」

モスノウ「……」ﾌﾜﾌﾜ

トレーナー「あぁ、これはどうも。モスノウもこんにちは」

モスノウ「……」ﾍﾟｺﾘ

お隣さん「もうお昼は済ませちゃったかしら？」

トレーナー「今ちょうど食べてたところです」

お隣さん「あら、それは残念。少しお裾分けを持ってきたのだけど」

トレーナー「マジっすか。いただきますいただきます。有り難いですよホントに」

お隣さん「それは良かったわ。でも無理して今食べなくてもいいからね？」

トレーナー「えぇ、夕食のときにいただきますよ」

ユキハミ「……」ﾉﾛﾉﾛ

トレーナー「お、飯は終わったのか？」

お隣さん「あらユキハミ、こんにちは」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ユキハミ「ﾝﾐ」ﾅﾃﾞﾗﾚｰ

モスノウ「……♪」ﾌﾜﾌﾜ

ユキハミ「ﾊﾐ♪」

お隣さん「ふふっ、私よりもこの子と遊びたいみたいね」

トレーナー「なんかすんません」

お隣さん「別に謝られることでもないわよ。この子たち仲良しだしね」

トレーナー「あ、よかったら上がっていってください。お茶くらい出します」

お隣さん「それじゃあお言葉に甘えようかしら」

紫煙

オイオイ！ポケモンをダシにお隣のお姉さんと仲良くしようたァいい度胸じゃねえか？

ユキハミ「ﾌﾝﾜ♪」ﾓﾌﾓﾌ

モスノウ「……♪」ｷﾞｭｯ

お隣さん「ふふっ、本当に仲良しさんね」

トレーナー「いつ見ても微笑ましいですよ。はい、お茶とお菓子です」ｺﾄｯ

お隣さん「ありがとう。それにしても、この部屋寒くないかしら？」

トレーナー「暖房つけるとユキハミがかわいそうかなって思って」

お隣さん「それであなたが風邪でもひいちゃったらどうするのよ？」

トレーナー「俺は大丈夫ですよ。炬燵もありますし」

お隣さん「相変わらず過保護ね」

トレーナー「過保護って程でもないと思いますけど。モスノウはそういうの大丈夫なんですか？」

お隣さん「この子はそんなにヤワじゃないわよ。モスノウの羽は冷気で覆われているから暖房の温風くらい何ともないの」

トレーナー「へぇ〜、なるほど」

ユキハミ「ﾝﾐ」ﾖｼﾞﾖｼﾞ

トレーナー「お、なんだ？ お菓子に釣られてやって来たか食いしん坊め」ﾀﾞｷｯ

ユキハミ「……」ｼﾞｨｰ…

トレーナー「そのつぶらな瞳は俺に効果抜群だっての。ほらお食べ」ﾋｮｲ

ユキハミ「ﾊﾐ♪」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

トレーナー「ホント美味そうに食べるなお前は」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ユキハミ「♪」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

お隣さん「これを過保護と呼ばずに何と呼べと？」

トレーナー「んー…… 母性愛ですかね？」

お隣さん「それほとんど意味同じだから」

モスノウ「……」ﾌﾜﾌﾜ

お隣さん「あなたも食べる？」

モスノウ「……」ﾌﾘﾌﾘ

お隣さん「まぁさっき食べたばかりだものね」

トレーナー「モスノウは少食なんでしたっけ？」

お隣さん「えぇ、ユキハミの時とは段違いにね。口が退化してる分、あまり食べなくても大丈夫な生態に進化してるらしいの」

トレーナー「いろいろ詳しいですね」

お隣さん「それはこの子のトレーナーですもの。あなたは違うの？」

トレーナー「いえ、俺もトレーナーですよ。コイツのパートナーです」

お隣さん「それならその子のこと、もっと知ってあげないとね。甘やかしてるだけじゃダメなのよ？」

トレーナー「そんなに甘やかしてるつもりはありませんけど……」

ユキハミ「……」ｼﾞｨｰ…

トレーナー「お、もう1個か？ はいよ」ﾋｮｲ

ユキハミ「ﾝﾐ♪」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

お隣さん「まったく……」ｸｽｯ

支援

───夜

トレーナー「お隣さんのお裾分け美味かったな。後でまたお礼言いに行こうな」

ユキハミ「ﾝﾐ」

トレーナー「さて。風呂も入って歯も磨いたし、そろそろ寝るとするか。夜中から雪降るみたいだし明日は雪掻きかな」

ユキハミ「……」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

トレーナー「もう少しこっちに寄っても大丈夫だぞ？」

ユキハミ「……」ﾎﾟｽﾝ

トレーナー「ははっ、俺が寒くないようにってか。ありがとな」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ユキハミ「……♪」

トレーナー「……」

ユキハミ「……」ｳﾄｳﾄ

トレーナー「……」

ユキハミ「……」zzz

トレーナー「……おやすみ」

かわいい
支援

スレタイでちんハミニキ思い浮かべた己を恥じた

作者はちんハミ兄貴？

>>21
ユキハミなだけでそうとは限らないでしょ

ユキハミ「手懐けれてる、と思っていたのか」ﾎﾞﾝｯ
トレーナー「な、何！！？」
ユキハミ「むしのとぅえいくぉ！！！」ﾄﾞｺﾞｯ
トレーナーだったもの「」

完

紫煙

───翌朝

トレーナー「うおっ、思った以上に積もったな。これ全部掻けってか？」

ユキハミ「ﾝﾐ」

トレーナー「ま、これも雪国生まれの宿命だな。風の子の根性見せてやるか。子って程の歳でもねぇけど」

ユキハミ「ﾊﾐﾐﾐ」ﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞ

トレーナー「ははっ、お前も手伝ってくれるのか？ ありがとな」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ユキハミ「ﾐ♪」

トレーナー「んじゃ、一緒に頑張るか」

お隣さん「おはよ。気合い入ってるわね」

トレーナー「あ、おはようございます」

モスノウ「……♪」ｷﾞｭｯ

ユキハミ「ﾊﾐ♪」ﾓﾌﾓﾌ

トレーナー「昨日のお裾分け美味かったですよ。ありがとうございました」

お隣さん「それはよかったわ。それじゃあ、そのお礼にウチの前の雪掻きもしてもらおうかしら」ｸｽｯ

トレーナー「マジっすか。でもまぁ任せてくださいよ。俺とユキハミがタッグ組めば百人力ですから。な？」

ユキハミ「ﾝﾐ!」ﾌﾝｽ!

お隣さん「ふふっ、頼もしいわね。でも冗談よ。ほら、このスコップが目に入らないかしら？」ｽｯ

トレーナー「おぉ、流石っす」

お隣さん「みんなで頑張って終わらせちゃいましょ？」

トレーナー「うっす」

───市場

トレーナー「さて、今日の夕飯はどうするかな」ﾃｸﾃｸ

ユキハミ「ﾐ!」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

トレーナー「おっと、いきなり暴れるなよ落ちるから。どした？」

ユキハミ「ﾊﾐ!」

トレーナー「なんだ、もう腹減ったのか？ お前さっきめっちゃ雪食べてたじゃんよ」

ユキハミ「……」ｼﾞｨ…

トレーナー「ははっ、雪は別腹ってか？ わかったわかった、何かおやつでも買いに行くか」

ユキハミ「ﾝﾐ♪」

トレーナー「すみませーん」

おばさん「はいよー。あら、毎度どうもね」

トレーナー「ども。いつものあります？」

おばさん「あるよー、冷凍オボンの実。ほらユキハミちゃん、どうぞ」ｽｯ

ユキハミ「ｱｲｽｽ♪」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

トレーナー「ありがとうございます。それからヒメリの実と…… お、ロメの実あるじゃないですか。これもください」

おばさん「はいよ。いつもありがとね」

トレーナー「こちらこそ。コイツここの木の実大好きなんですよ」

ユキハミ「♪」

おばさん「嬉しいこと言ってくれるね。ほら、オマケだよ」

トレーナー「おぉ、ありがとうございます。なんか含みのある感じに聞こえちゃいました？」

おばさん「そんなことないさ。人の厚意は素直に受け取りなね」

トレーナー「うっす。ほら、お前もお礼言おうな」

ユキハミ「ﾐ!」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

おばさん「ふふっ、またご贔屓にね」

>>21
テイスト違いすぎるだろ
支援

トレーナー「よし、買い物はこんなもんだろ。一段と冷え込んできたしさっさと帰るか」

ユキハミ「ﾝﾐ」ｸｲｸｲ

トレーナー「ん、どした？」

ユキハミ「ﾐ!」

トレーナー「……あぁ、温泉があるな。あったかそうだ」

ユキハミ「ｼｭﾜ」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

トレーナー「いや、お前は危ないからダメだよ。落っこちたら大ダメージだぞ？」

ユキハミ「ﾝﾐ!」

トレーナー「俺？ いいっていいって、帰れば炬燵もあるし。お前にもしものことがあったら大変だからな」

ユキハミ「ﾐ……」

トレーナー「気持ちだけ受け取っておくよ。ありがとな」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ユキハミ「……」ｷﾞｭｯ

支援
ユキハミかわいい

───夜

トレーナー「いや、マジで寒みぃなオイ。そら雪も降りますわ」

ユキハミ「……」zzz

トレーナー「お、早めのお眠だな。雪掻き手伝ってくれたし、いっぱい動いてお疲れかね。ご苦労さん」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ユキハミ「ﾝﾐｭ……」

トレーナー「……」

ユキハミ「……」zzz

トレーナー「まぁ…… お前をボールに入れれば温泉にも浸かれるけど、やっぱ一人じゃつまらないからさ」

ユキハミ「……」

トレーナー「さて、俺も寝るか。湯たんぽ入れてっと…… よし」

ユキハミ「……」

トレーナー「おやすみ。また明日な」

https://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=1344966
このスレとなんか関係あんの？

>>34
無いから自分で書いたんじゃね

支援
終わるまでは喋らない作者みたいだね

>>36
これが普通なんだよな
最近の作者はどいつもこいつも出しゃばりすぎる

―――――ユキハミをオレの金玉にくるませたい

支援

───翌日

トレーナー「朝飯できたぞー」

ユキハミ「ﾐ……」ｳﾄｳﾄ

トレーナー「ははっ、めっちゃ眠そうだな。だけどご飯は食べたいと本能が囁いているのか……」

ユキハミ「……」ﾊﾐﾊﾐ

トレーナー「それはご飯じゃなくて俺の足だ。ほれ、ちゃんと起きないとお前の分も俺が食べちまうぞ〜」ﾂﾝﾂﾝ

ユキハミ「ﾃﾞｨﾃﾞﾃﾞ!」ﾌﾟﾝｽｺ

トレーナー「うおっ、お目覚めのようで」

ユキハミ「ﾐ!」

トレーナー「よし、そんじゃ一緒に食べますか。いただきます」ﾊﾟﾝｯ

ユキハミ「ﾊﾐ♪」

トレーナー「本日私がいただくのは昨日の豆乳鍋の残りで作った雑炊です」ｽﾞｽﾞｯ

ユキハミ「〜♪」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

───ポケモンセンター

トレーナー「お願いしまーす」

お姉さん「はーい。あら、今日も元気な子を連れて来ましたね？」ｸｽｯ

ユキハミ「ﾐ!」

トレーナー「定期健康診断みたいなものですかね。忙しいのに申し訳ないです」

お姉さん「大丈夫ですよ。あなたみたいな人って結構いますから。ポケモンを大切に想っている証拠です」

トレーナー「そう言ってもらえると助かります。いい子で診てもらうんだぞ？」

ユキハミ「ﾝﾐ」

お姉さん「それでは、お預かりしますね」

トレーナー「よろしくお願いします」

しえん

───数十分後

トレーナー「よし、今日も健康で何よりだ」

ユキハミ「ﾊﾐ!」

トレーナー「腹減っただろ？ 診てもらってる間に木の実買ってきたぞ。イバンの実だったか、なんか珍しい木の実らしいんだけど甘くて美味しいんだとさ」

ユキハミ「ﾐ♪」ﾊﾐﾊﾐ

トレーナー「ははっ、だから俺のアゴはハミらないでいいっての。ほら」

ユキハミ「〜♪」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

トレーナー「固いみたいだから気を付けて食べろよ〜…… ん？ あれは……」

固いものをハミるのか
閃いた

トレーナー「固いみたいだから気を付けて食べろよ〜…… ん？ あれは……」
あれは　誰だ
誰だ　誰だ
あれは

デビルマァーン
デビルマァーン

───公園

青年「サザンドラ、大文字！」

サザンドラ「……！」ｺﾞｫｯ!

モスノウ「……ｯ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ!

モスノウ HP 37/149

モスノウへのダメージをオッカの実が弱めた！

モスノウ「……！」ﾌﾝｽ!

お隣さん「モスノウ、蝶の舞！」

モスノウ「……」ﾘｨｨﾝ…

モスノウの特攻が上がった！
モスノウの特防が上がった！
モスノウの素早さが上がった！

青年「っ！ サザンドラ、もう一度……」

お隣さん「マジカルシャイン！」

モスノウ「……！」ｶｯ!

サザンドラ HP 0/167

サザンドラ「……ｯ」ﾄﾞｻｯ

サザンドラは倒れた

青年「サザンドラ……っ！」

お隣さん (スカーフじゃなくてよかったぁ……)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

モスノウ「♪」ﾌﾜﾌﾜ

青年「ありがとうございました。ここまでにします」

お隣さん「あら、まだもう1体残っていなかったかしら？」

青年「蝶の舞をしたモスノウに勝てるポケモンではないので。ここまでです」

お隣さん「そう、わかったわ」




トレーナー「お隣さんとモスノウか。なんかカッコよかったな」

ユキハミ「ﾐ!」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

トレーナー「え、お前もバトルしたいってか？ いやいや、流石にそれは危ないだろ。相手の攻撃くらったら痛いんだぞ？」

ユキハミ「ﾊﾐ!」ﾌﾝｽ!

トレーナー「どっから来るんだよその自信は…… でもやっぱ危ねぇし、見るだけで我慢してくれよな」ｷﾞｭｯ

ユキハミ「ﾝﾐ……」ｼｮﾎﾞﾝ

お隣さん「お疲れさま。はい、傷ぐすりよ」ｼｭｯ

モスノウ「……♪」

トレーナー「こんにちは」

お隣さん「あら、こんにちは。こんな所で奇遇ね」

トレーナー「バトル見てましたよ。カッコよかったです」

お隣さん「ありがとう。調子の良いところを見てもらえてよかったわ」

ユキハミ「ﾌﾝﾜ♪」ﾓﾌﾓﾌ

モスノウ「……♪」ｽﾘｽﾘ

sien

トレーナー「モスノウって凄いんですね。あんな強そうなポケモン倒しちゃうなんて」

お隣さん「確かにユキハミの頃と比べれば格段に強くなっているわね。だけどモスノウは得手不得手がハッキリとしてるポケモンだから、活躍できる場面は限られてしまうの」

トレーナー「苦手な相手もたくさんいるってことですか」

お隣さん「そういうこと。ポケモンが頑張って戦ってくれる分、如何にそのポケモンが十分に戦える状況を作り出せるか…… それを考えるのがトレーナーの仕事なの」

トレーナー「んー、俺にはちょっと難しいです」

お隣さん「あなたもトレーナーであるって言うなら、こういう知識を身に付けておいて損はないはずよ。それにほら」

トレーナー「ん？」

ユキハミ「ﾐ!」ﾌﾝｽ!

お隣さん「この子はすごくやる気があるみたいじゃない」ｸｽｯ

トレーナー「またお前はそんな……」

お隣さん「ふぅ、気を張っていたからか少し疲れてしまったわね」

トレーナー「あ、そうだ。よかったらこのあと一緒にお昼とかどうです？ この間のお礼もまだでしたし、何か奢らせてください」

お隣さん「あら、それは素敵な申し出ね。だけど……」ﾁﾗｯ

トレーナー「ん？」

モスノウ「……」ｹﾌﾟｯ

お隣さん「この子が満腹みたいなの。さっき食べたオッカの実で」

トレーナー「マジっすか」

モスノウ「……///」

トレーナー「あれだけで腹一杯ってどんだけ胃袋小さいんですか」

お隣さん「そういう生態なの、としか言えないわね。私も最初は驚いたけど」

トレーナー「ユキハミとのギャップが半端ないっすよ」

お隣さん「ホントにね。まぁそういう訳だから、せっかくのお誘いだけどまた次の機会にさせてもらうわ。頑張ってくれたこの子の手前、私だけ美味しいもの食べるっていうのも気が引けるしね」

トレーナー「わかりました。それじゃあまた今度」

お隣さん「えぇ、楽しみにしているわ」

───夜

トレーナー「ふぅぅ、やっぱ寒いな。雪が積もってると気温以上に寒く感じるわ」

ユキハミ「ﾝﾐ」ﾎﾟｽﾝ

トレーナー「よし、寝る準備完了…… って、やべぇ。湯たんぽ用意するの忘れた」

ユキハミ「……」

トレーナー「んー、でもまぁ大丈夫だろ。布団に入ってればすぐあったかくなるしな」

ユキハミ「……」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

トレーナー「おいおい、そんな離れなくてもいいっての。いつものとこで寝て大丈夫だ」ﾋｮｲ

ユキハミ「ﾐ……」

トレーナー「寝床が変わるとちょっと窮屈だろ？ 俺なら問題ないからさ」ﾎﾟｽﾝ

ユキハミ「……」

トレーナー「んじゃ、寝るとするか。おやすみ」

ユキハミ「……」

支援

───翌日

トレーナー「……ん」

ユキハミ「……」zzz

トレーナー「……朝か。日差しが目に沁みるな…… ｸｼｭﾝｯ！ うぅ……」

ユキハミ「ﾝﾐｭ……」

トレーナー「おぉ、ユキハミ。起きたか。おはようさん…… ﾊｯ、ｸｼｮｲｯ！」

ユキハミ「ﾐ……」

トレーナー「うぅ……」ｽﾞｽﾞｯ

ユキハミ「……」

トレーナー「……」ﾌﾗﾌﾗ

ユキハミ「……」

トレーナー「……ん？」

ﾋﾟﾋﾟｯ

トレーナー「……」

お隣さん「何度？」

トレーナー「んー…… いや、大したことなかったです」

お隣さん「見せて」ﾋｮｲ

トレーナー「あ」

38.6℃

お隣さん「まったく……」

トレーナー「すんません」

ユキハミ「ﾝﾐ……」

お隣さん「ちゃんとあたたかくして寝てるの？」

トレーナー「布団は被ってたんですけどね。腹出して寝てたとかでもないし……」

お隣さん「この時期なんだからお腹出してなくても寒いわよ。雪積もってるのよ？ 弱めの暖房くらいつけて寝ないと風邪もひくわ」

トレーナー「いや、俺暖房って苦手なんですよね」

お隣さん「雪国生まれが何言ってるのよ。ユキハミと一緒に寝てるから暖房使いたくないだけでしょ？」

トレーナー「……」

ユキハミ「ﾐ……」

お隣さん「だいたい普段からそうだわ。暖房使わないで過ごしてる人なんて、ここら辺じゃあなたくらいなものよ。真冬の今なら尚更にね」

トレーナー「いや、でも……」

お隣さん「でもじゃないの。ユキハミのこと大切にしたいのは分かるけど、それであなたが病気にでもなっちゃったら悲しむのはユキハミなんだからね？」

トレーナー「むぅ……」

ユキハミ「……」

お隣さん「まぁ、病人にあまり強く言い過ぎるのもいけないわよね。ごめんなさい」

トレーナー「いえ、そんな」

お隣さん「とにかく、今はゆっくり休んでいなさい。私はお薬と軽い食べもの買ってくるから。ユキハミ、この人が動かないように見ていてね？」

ユキハミ「ﾐ!」

トレーナー「すみません、何から何まで……」

お隣さん「申し訳なく思うなら早く良くなりなさいね？」

トレーナー「うっす」

舞台はキルクスかな？

───翌日

医者「はい、もう大丈夫ですよ」

トレーナー「ありがとうございました。あ、ちょっとお聞きしたいんですけど」

医者「なんですか？」

トレーナー「人間の風邪がポケモンに移ることってあるんですかね？」

医者「それはありませんからご安心ください。人間とポケモンでは病気になるウイルスの型が違いますから」

トレーナー「そうですか。分かりました」

医者「お大事にしてくださいね」

トレーナー「よかった、ポケモンには移らないんだな。それだけが気になってたから一安心だ」ﾃｸﾃｸ

トレーナー「心配かけちゃったし、何か美味いものでも買って帰るか。アイツ待ってるだろうしな」

───自宅

トレーナー「ただいまー」

ｼｨｰﾝ……

トレーナー「ありゃ、めずらしくお出迎えなしか。寝てるのかね」ｽﾀｽﾀ

ｶﾞﾁｬ

トレーナー「ユキハミー、帰ったぞ…… って、あれ？」

ｺﾞｫｫ……

トレーナー「……部屋があったかい。暖房なんてつけた覚えないのに……っ！？」

ユキハミ「……」ｸﾀｯ…

トレーナー「ユキハミっ！」ﾀﾞｯ!

ユキハミ「……ｯ」

トレーナー「大丈夫かよお前！？」ﾀﾞｷｯ

ユキハミ「ﾐ……」

トレーナー「これ…… 暖房のリモコン？ お前がつけたのか！？」

ユキハミ「……」

トレーナー「何やってんだよお前……！ と、とにかく早く治療を……っ！」

支援

───数十分後

ユキハミ「……」zzz

お隣さん「安心して。そんな深刻なものでもないから」

トレーナー「そうですか……」ﾎｯ

お隣さん「人間でいうところの軽い熱中症みたいなものね。こうやって氷枕の上で寝かせていればすぐに良くなるわ。起きたら雪を食べさせてあげてね」

トレーナー「ありがとうございます。ホントに助かりました」

お隣さん「昨日の今日でお騒がせな人ね」

トレーナー「返す言葉もないです」

ユキハミちゃん健気でかわいい
支援

お隣さん「ユキハミが暖房をつけたんですって？」

トレーナー「えぇ。ホントに、何でこんなこと……」

お隣さん「何でって…… あなた、ユキハミがいたずらか何かでリモコンのスイッチを押したとでも思ってるの？」

トレーナー「いえ、そんなことは思ってないです。それに、実際はユキハミが何でこんなことしたのかも、なんとなくは分かってます……」

お隣さん「……」

トレーナー「だけど、こんなことして欲しくはないですよ。コイツ、暑さにすごく弱いのに…… 今回のことだって、もしものことがあったらと思うと……」

お隣さん「ユキハミはあなたのことを思ってしてくれたのよ？ それが正しいことだったとは言わないけど、もう少しユキハミの気持ちを汲んであげてもいいんじゃないかしら？」

トレーナー「コイツはすごく弱いんです。俺は風邪をひいたってすぐに治せるけど…… コイツは少しの間違いだけでも、大事になってしまうことがあると思うんです」

お隣さん「……」

トレーナー「……」

お隣さん「……」ﾊｧ…

トレーナー「……？」

お隣さん「……ねぇ、あなたはこの子の何なの？」

紫煙

トレーナー「何なのって…… トレーナーですよ。前にもそんな話しましたっけ」

お隣さん「そうね。だけど……今日はハッキリと言わせてもらうわ。今のあなたは、トレーナーじゃない」

トレーナー「トレーナーじゃないって……」

お隣さん「……」

トレーナー「いや、トレーナーですよ。トレーナーじゃなかったら何なんですか？」

お隣さん「飼い主よ」

トレーナー「飼い主？ それって、トレーナーと何か違うんですか？」

お隣さん「違うわね。あなたは飼い主、そしてこの子はあなたのペット、愛玩動物」

トレーナー「愛玩動物って……」

お隣さん「だってそうじゃない。毎日好きなだけご飯をあげて、好きなだけ甘やかして…… きっと、ユキハミはとても幸せだと思う。だけどね、あなたはそれ以上に自己満足しているんだと思う」

トレーナー「……っ」

お隣さん「それって、飼い主とペットの関係よね？」

トレーナー「……」

お隣さん「別にそういう関係を否定してる訳ではないの。ポケモンをペットとして飼っている人だってたくさんいる。人もポケモンも、みんなとても幸せそうだわ。今のあなた達みたいに」

トレーナー「……」

お隣さん「だけど…… あなたがユキハミのトレーナーであると言うのなら、絶対に考えなくてはならないことがある。それが何か、あなたには分かる？」

トレーナー「……」

お隣さん「あなたの言う通り、ユキハミはとても弱いポケモンよ。他のポケモンと比べても。だけど、強くなるためには誰かの愛情が必要なの。自分の親だったり、トレーナーだったり……」

トレーナー「……」

お隣さん「あなたがユキハミにとても愛情を注いでいることは知っているわ。だけど…… それでもこの子は進化しない。なぜだと思う？」

トレーナー「……」

お隣さん「ユキハミはとても弱いポケモン。誰かの愛情がなければ生きていけない。だけどその分、愛情にとても敏感なポケモンなんだと思う。大好きな人の気持ちを、誰よりも理解できる。この子もきっとそう」

トレーナー「……」

お隣さん「もう一度聞くわね。この子が進化しないのは、なぜだと思う？」

トレーナー「……」

お隣さん「……」

トレーナー「……俺が、それを望んでいないから」

お隣さん「そう。大好きなあなたが自分の進化を望んでいないことに、この子は気付いてる。だから、このままでいようと思ってる」

トレーナー「……」

お隣さん「でも…… それと同時に、あなたに迷惑をかけたくないとも思ってる。強くなって、少しでもあなたの助けになりたいとも思ってる。今回のことだって、そういう気持ちの表れじゃないのかしら？」

トレーナー「……」

お隣さん「とても…… とても悩んでいると思う。あなたの知らないところで……」

トレーナー「……」

お隣さん「……それでもあなたは、自分がこの子のトレーナーであると言える？」

トレーナー「……」

お隣さん「……」

トレーナー「……俺、コイツの食べてる姿が大好きなんです。俺のあげたもの、嬉しそうに食べてくれて……」

お隣さん「……」

トレーナー「その姿を見てると、すごくあったかくなるんです…… 体は寒くても、すごくあったかい気持ちになれるんです。だけど……」

お隣さん「……」

トレーナー「進化しちゃったら…… モスノウになっちゃったら、その姿も見れないじゃないですか……」ｷﾞｭｯ

ユキハミ「……」

お隣さん「……」

トレーナー「……」

お隣さん「……」




トレーナー「……あぁ、そっか。俺は……」

お隣さん「……」




「……トレーナーじゃなかったんですね」

お隣さん「……」

「……俺、今すげぇ自分勝手なこと言った…… コイツが悩んでることも知らないで…… 自分のことばっかり考えてた……」

ユキハミ「……」

お隣さん「……あなたがトレーナーなのか、そうじゃないのか。それはあなたが決めることよ。あなたにしか、決められないこと」

「……」

お隣さん「ごめんなさい。偉そうなことばっかり言ってしまったいるわよね」

「……いえ。全部、正しいことです。そうじゃないと、こんなに苦しい気持ちにはならないと思いますから……」

お隣さん「その苦しみをなくすには、決めるしかない。このままでいるか、違う道を選ぶか」

「……」

お隣さん「でも、覚えていて。どちらの道を選んでも、それは間違いではない。あなた達なら、どちらの道を選んでも幸せでいられると思うから」

「……」

お隣さん「……いろいろ勝手なこと言っておいて、こんなこと言うのもズルいわよね」

「……」

お隣さん「……」

「……」

お隣さん「……私は、帰るわね」

「……はい」

お隣さん「お大事にしてね。ユキハミも、あなたも……」

「……」

>>45
ワロタ

支援

ユキハミ良い子だな
支援

紫煙

>>45
草

───夜

「……」

ユキハミ「……ﾝﾐｭ」

「お、起きたか」

ユキハミ「ﾐ……」

「大丈夫か？」

ユキハミ「……」ﾊﾐﾊﾐ

「ははっ、大丈夫そうだな」

ユキハミ「……」

「ビックリしたんだぞ？ 帰ってきたらお前が倒れてて……」

ユキハミ「……」

「……もう、あんなことしちゃダメだぞ？」

ユキハミ「……」

「……返事しろよな」ｷﾞｭｯ

ユキハミ「……」

「……なぁ。お前はさ、進化したいのか……？」

ユキハミ「……」

「……進化して、モスノウになりたいのか？」

ユキハミ「……」

「……思い返してもみればさ、 お前が俺を心配してくれてたことって、たくさんあったよな。寝るときに近づき過ぎないようにしてくれたり、温泉に入るように誘ってくれたり、今回のことだったり……」

ユキハミ「……」

「確かにお前がモスノウになれば、俺はこれまでより快適に過ごせるようになるかもしれない…… お前の体も丈夫になって、暖房だって気軽に使えるようになると思う」

ユキハミ「……」

「……でもさ、俺は大丈夫だから。お前がいろいろ気遣ってくれるのはすごく嬉しいけど……ちょっとくらい寒いのなんて、俺は何とも思わないよ。お前と一緒なら……」

ユキハミ「……」

「だから…… だからさ」

ユキハミ「……」

「……このままでも、いいんじゃないかな？」

ユキハミ「……」

「……」

ユキハミ「……」ｽｯ

「……ユキハミ？」

ユキハミ「……」ｶﾞｼﾞｯ

「痛っ……」

ユキハミ「……」

「……」

ユキハミ「……」

「……なんでだよ」

ユキハミ「……」

「進化したら…… モスノウになったら、もうご飯いっぱい食べられなくなっちゃうんだぞ？ 大好きな木の実も、ちょっとしか食べられなくなっちゃうんだぞ？」

ユキハミ「……」

「そんなの…… 嫌だろ……」

ユキハミ「……」

「……なぁ。なんでなのか、教えてくれよ…… 教えてくれなきゃ、分かんねぇよ……」

ユキハミ「……」

「……」

ユキハミ「……」

「……いや」

ユキハミ「……」

「……今なら、分かる。お前にとって大事なのは、そのことじゃないんだってこと……」

ユキハミ「……」

「お前は、ずっと悩んでくれてた…… 俺を悲しませないために、このままでいるか…… 俺に辛い思いをさせないために、強くなるか……」

ユキハミ「……」

「大好きなご飯のことよりも、そう考えてくれてた……」ｷﾞｭｯ

ユキハミ「……」ｷｭｯ