【旅SS】女「コータス達とぶらり旅」:ポケモンBBS(掲示板) 【旅SS】女「コータス達とぶらり旅」:ポケモンBBS
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【旅SS】女「コータス達とぶらり旅」

 ▼ 1 ャラサブレイーター 15/08/17 09:42:50 ID:4EBE4AI. NGネーム登録 NGID登録 報告
コータスを中心とするポケモン達と一緒に、のんびり旅を続ける少女の物語。

名産品を味わったり、イベントに参加したり。時々バトルしたり。

展開と更新はゆるめです。



女「よし行くぞぉ」

コータス「OK,Let's go.」

女「」クルッ

コータス「こぉ?」


この町(街、村)行けば?という提案にのっかるかも。
 ▼ 961 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:45:41 ID:SonhT6FU [1/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───とある山の片隅にて。

つい今朝がたのことである。


少女「私は、今……」

少女「どこ、なんだろ……ここ」

少女「……わかんない、や」

少女「山道を歩いて……います。周囲は相変わらず森……に囲まれ、霧に包まれて……います、が……標高は400mもない……し、雪も……降ってな」パタ


───ぶつぶつと何ごとかを呟きながらふらふらと歩いていたが、力尽きたのか倒れてしまった。

その際の音も、まるで重さを感じさせない、枝でも落としたかのような軽々しいものだった。


少女「お腹、すいた……」

少女「……寒い」

少女「眠……い……」



少女「ぁ」
 ▼ 962 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:46:13 ID:SonhT6FU [2/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女(暖かい)


───寝転がされている地面の冷たさと裏腹に、何かが、覆い被さるようにして、辛うじて体温を維持していた。

五感に霞がかかっているようで、それを視認することもままならない。


「やっと起きたね」

少女(誰?)


───真上から聞こえたのは、不思議な声だった。

幼い子供のような声質でありながら、余生に入った老人のような、干からびた声音だったからだ。

しかし何故だか、その異質な声に対して怪しいとか怖いというような危機意識が首をもたげてくることはなく、むしろ、今までにないくらい安心して、その暖かさに身を委ねていられた。


「起き上がらなくていいから、そこのきのみ食べな」

「そのくらいなら、手、伸ばせるでしょ?」

少女「」コク

少女「」パク

少女(少しこげてる……)
 ▼ 963 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:46:52 ID:SonhT6FU [3/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女(なんだろこれ、食べたことない)

「不思議な顔するねぇ。初めて食べたの?」

少女「」コク

「モモンのみなんてどこにでもあるのに」

少女「……なた……っれ」

「しゃべろうとしない方がいいよ。君すっごく弱ってるもの」

少女「・・・し、を・・・・・・」

少女「けほっけほっ」

「黙っとけってば」

「モモンのみを食べときな」

少女「」アム

「そうそう。ゆっくり食べよう」

「僕がそばで見といてあげるから。慌てなくていいからね……ん」

「君がそれ、食べたことないのはわかるんだけど……」
 ▼ 964 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:47:25 ID:SonhT6FU [4/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「」ポロポロ



「泣くほどおいしいものなのぉ?」

少女「」ハムッ

「変なの」

「でも、弱ってる時に水出したら、君ら死んじゃうでしょ」

「出すのやめた方がいいんじゃない?」

少女「」ポロポロ

(って、止められるものじゃないんだっけか。それ)



───数時間後。

モモンのみを食べ、気休め程度に暖を取ったおかげか、起き上がって話すことができるくらいには回復した。

掠れ気味だが声も出る。

そして、視力も回復して、自分を助けてくれた何者かと対面してみれば───
 ▼ 965 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:48:15 ID:SonhT6FU [5/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「あなた……は、何っ」

少女「誰、ですか」

「言い直さなくてもいいのに」


───それは人間ではなかった。

赤茶けた皮膚と、糸のような細目。

黒く、苔や煤や砂や泥やと何が何やらわからないものが層を成してこびりついている、背中の甲羅。

地面を踏みしめる4本の足は、筋肉質というわけではないのだが、不思議と力強い印象を受ける。

さきほどまではてっきり、掛け布団のような物を被せられているのかと思っていたのだが、どうやらこいつは自分に跨がるようにして、体を温めてくれていたらしい。


「僕は、コータス」

少女「コー……タス」


───その、人の名前らしからぬ響きを耳にして、目の前の生き物から連想されたイメージが脳裏に浮かぶ。

かつてチッチと呼び可愛がっていた小さな生き物と、目付きが悪く、震えるほど恐れていたキリキザンの姿が。


少女("ポケモントレーナー"だった塾長の相棒だった、キリキザン)
 ▼ 966 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:48:53 ID:SonhT6FU [6/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女(トレーナーの塾長、とポケモンの……キリキザン)

少女(チッチとキリキザンは、ポケモンっていう生き物だった?)

少女(ていうことは)

少女「ひょっとして、あなたも……ポケモンなの?」

コータス「"も"?」

コータス「誰の話?」


───コータスは彼なりに、少し戸惑っていた。

人間は最近、自分のことをポケモンと呼ぶように(厳密には"コータス"と呼ぶように)なったが、人間側からそんな質問をされたことはなかったのだ。

いい加減、人間社会における自分の立ち位置を把握して、ようやくその感覚に慣れてきた彼だ。

自分に"ポケモン"という記号を張り付けたのはお前らじゃん、と思うのも無理はなかった。

だが、困惑したままそう訊き返すほど、彼は人間の考え方に不慣れでもなかった。

得意不得意に、感性に、知識とか感覚とか価値観とか、性格とか。

人間に限らず、生き物全般にそのような個体差があるという事実も、彼は弁えている。

数百年山に引きこもっていたとはいえ、数十年旅をした経験はあるのだから。
 ▼ 967 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:49:34 ID:SonhT6FU [7/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
という彼の背景を、行き倒れの子どもは知るよしもない。


コータス(世間知らずなのかな)

少女「人間じゃない生き物を、見たことがある、ので」

少女「あなたも、その仲間なのかな……って、思いました」

コータス「へぇ、そうなんだ」



───魚、とか、虫とか鳥とか細菌とか。

色々な生き物を、だいぶいっしょくたにした見解の物言いだったのだが、コータスは気にしなかった。

人間という種族への理解度はともかくとして、彼はおおらかな性格である。


コータス「てかさぁ、君は何なの?」

少女「私、ですか」

コータス「うん。見るからに変だし」


───倒れていたから、というのもあるが、薄汚れているし、入院患者のような素っ気ない服の上に、ぶかぶかで裾が擦り切れた白衣を羽織っている。
 ▼ 968 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:50:22 ID:SonhT6FU [8/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
このご時世の、一般的な10代前半の少女の格好ではない。

まして、その髪色は脱色したような白で、瞳の色も妖しく印象に残る赤と来ている。


コータス(そういえば、こんな感じの子どもが産まれたときに、村の連中が気味悪がって山に捨てに来てたな)

コータス「……今までいっぱい、短い"君たち"が大きくなったりして入れ替わるのを見てきたけれど」

コータス「その中でも、君は群を抜いてるっぽかったからさ」

コータス「君は何なの?」

少女「"短い"私達?」

少女(私は、群を抜いてる……?)

少女「……あ」

少女「短いって、寿命が、ですか」

コータス「うん。見た感じだと君───」



コータス「成人するまでもたなそうな感じだったけど」
 ▼ 969 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:50:56 ID:SonhT6FU [9/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「……やっぱり」

コータス「で、君は何?」

コータス「どこの誰?」

少女「わた、しは……」


───どこの、はともかく、誰、と訊かれると困った。

何番か、なら答えられるのだが。

と考えている彼女は、"塾の"と説明しても伝わらないことに気づいていない。


少女「……ナ」ムグッ


───親しくなった少女に呼ばれた名前を言おうとして。

違う。

と瞬間的に思い、口をつぐんでしまった。

何が、というのは自分でもわからなかったが。


コータス「?」
 ▼ 970 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:51:30 ID:SonhT6FU [10/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コータス(警戒心だけはそこそこあるみたいだな)


───要らぬ誤解を生んだ。

コータス「そういえば君、どこに行こうとしてるの?」

少女「……誰かに会う、まで進めって、言われて」

コータス「まさか、誰にも会わなかったから進み続けたの?」

コータス「それで倒れたの?」

少女「……はい」

コータス「じゃあ、誰かに会ったら、どうするつもりだったの?」

少女「…………髪の色を、元に戻そうと」

コータス「え。意外とバカだねぇ君」

コータス「死に体のくせに何言ってんの?」

少女「色……黒に戻したいんです」

少女「白は、嫌だから」

コータス(会話が成立しない)
 ▼ 971 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:52:03 ID:SonhT6FU [11/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───ポケモンにそう思われる、なんて相当な皮肉である。


コータス「じゃあ、何?君は、髪染めたい一心で、山の中走り回ってたの?」

コータス「誰かを探して?」

少女「……」コクン

コータス「………ま、間抜けだねぇ」

少女「」イラッ

コータス「家族に反対でもされてるの?」

少女「かぞく?」

コータス「親とか」

少女「おや?」

コータス「お父さんお母さん」

少女「?」

コータス「お兄ちゃんお姉ちゃん」

少女「」キョトン
 ▼ 972 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:52:45 ID:SonhT6FU [12/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コータス「……君、家出してるとかじゃないの?」

少女「いえで?」

コータス「」


───奇妙な空間であった。

人間の女の子よりも、四つ足のポケモンの方がお喋り、という。

一般的且つ常識的な人間が見たら、卒倒しそうな光景だ。

しかし、そんな光景になるのも無理はなかった。

少女は常識が抜け落ちているような言動しかしていないし、ポケモンはポケモンで、妙に常識的(な人間の言動に近似)である。

どちらか片方が普通だったら、まだもう少し実のあるやりとりをしたのかもしれなかった。

しかし、現実は奇妙なもので、少女は口を動かしにくそうにしているし、コータスはよく喋る。

常識的な部分が入れ換わって非常識同士になると、やっぱりそれが噛み合うのには一苦労のようである。


コータス「君が近くの町まで行くんだったら、送ってくけど」

少女「え、なんで私が近くの町に行くんですか?」

コータス「……君をここに放置するのは危ないね」
 ▼ 973 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:53:22 ID:SonhT6FU [13/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───なにしろ無計画かつ非常識かつ無目的かつ生存力ゼロである。

この子の意向に関わらず、とりあえず(人間の)誰かに保護してもらうべきであろう。


コータス(この子が歩けるくらい回復したら行くか)



コータス「そういえば、持ち合わせはあるの?」

少女「もちあわせ?」

コータス「……お金って持ってる?」

少女「」モッテナイモッテナイ

コータス(お金が何なのかわからない可能性まであるぞコレ)

少女「お金って、あった方がいいんですか」

コータス「君らは大抵持ってるもんだよ。それがなきゃ生きていけないし」

少女「生きていけない」

少女「知らず知らずのうちに持ってたり……」

コータス「しないねぇ。持ってたら君、わかってるよ」
 ▼ 974 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:54:04 ID:SonhT6FU [14/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コータス「……調達してみよっか」

少女「はい?」


───人里に近づくにつれ、自然と人気も増えてくるので、トレーナーとの遭遇も十分ありうる。

コータスは、ポケモントレーナーとバトルについてざっと説明した後、ポケモンバトルで勝ったトレーナーは相手からお金をもらえることを話した。

そして、手頃なトレーナーとバトルしてみよう、と言って、自転車を広げていた女性を少女に呼び止めさせ、バトルを申し込ませたのだった。


少女「昨日のこと……」

少女(見覚えのない部屋、窓、ベッド)

女「zzz」

コータス「zzz」

少女「人とポケモン」

少女「……夢じゃなかった」

少女「布団がふかふかでなんだか落ち着かなかったけど、でも疲れは取れたな」


───落ち着かなかったのには、もうひとつ理由があった。
 ▼ 975 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:54:44 ID:SonhT6FU [15/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女『明日になったら、町に出てみよっか』


少女「今日、何するんだろう」



女「デートに行きます」ニッ

少女「でーと?」



───ブティックで、動きやすそう、かつオシャレな服を見繕ってもらった。

店員「とーってもお似合いですよ」

女「かわいいかわいい」ニコニコ

少女「」キョトン



 ▼ 976 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:55:13 ID:SonhT6FU [16/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───美容室。


女「かわいい髪型にしてあげてください」

美容師「ラジャー」

美容師「しっかし珍しいなァ〜。アルビノのお客様は初めてですよォ〜。やりごたえあるなァ」チャキッ

美容師「白い髪ならば……ふむ」

少女「あの、髪の色って、黒にできますか」

美容師「えっ」

少女「黒がいい……のですけど」

美容師「エェ〜せっかくおきれいな髪してるのにィ……もったいないっすよォ?」

少女「でも、黒がいいので」

美容師「カット&髪染め、了解デェ〜ス」スチャッ



 ▼ 977 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:56:53 ID:SonhT6FU [17/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───他にも、必要そうなものをちょこちょこと買ったり、ウィンドウショッピングしたり。

使ったお金は全部おごりだった。

そしてお昼は手頃なファストフード店に来た。



女「すっかり見違えたね」

少女「そうですね」

女(黒染めしてからだいぶご機嫌だな)


───そう思ってから、昨夜のことを思い返す。

コータスに、この少女と出会ったときのことを聞いた、その後のことを。


コータス「お腹がすいて、疲れてたんじゃないかな。それも含めて死にそうだったよ」

女(死にそうなくらい弱っていたところから、町に来れるくらいまで回復したのか)

女「?」

女「それ"も"含めて?」
 ▼ 978 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:57:41 ID:SonhT6FU [18/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「疲労と空腹以外の要因があるの?」

コータス「寿命じゃないかなぁ」

女「は?」

コータス「あの子、明日にでもそのまま死んじゃいそうな感じだったよ」

女「待って」

コータス「きのみあげるだけじゃあ助けようもないからさぁ、どうせだからと思って……」

女「待って」

女「何?寿命って」

女「どう見たって、まだ10歳くらいだろ。それがなんで寿命なんて話になるんだよ」

コータス「そんなこと言われてもなぁ……」

女「何か、重い病気を患ってるとか?」

コータス「ううん」

女「毒で弱ってるとか?野生のポケモンにやられたの?」

コータス「モモンのみを食べさせたから、それはない」

女「……生まれつき、とか」
 ▼ 979 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:58:21 ID:SonhT6FU [19/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コータス「違うと思うよぉ?」

コータス「縮んでそうなった感じだったし」

女「"縮んで"って、なんでそれがわかるんだよ」

コータス「だって見えるし」

女「……じゃあ、わたしの寿命はわかる?」

コータス「君のなんて、心配する必要もないよ」

女「どうしてわかるんだよ」

コータス「見えるからって言ってるじゃん」

女「納得できない」

女「なんであんな、ただの女の子が、明日にでも死にますなんて言われて、納得できるわけないじゃんか」

コータス「別に何も珍しくないけどねぇ」

コータス「君らの世界じゃよくある話じゃないの」

女「よくあって良い話じゃない」

女「身勝手な人間がポケモンを物みたいに扱って、金で取引して、そうやって弱らせて死んでしまったのを知ってる」

女「本当なら、もっと長い時間を生きられたはずなのに、それを人間のエゴが奪ったんだ」
 ▼ 980 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 18:59:10 ID:SonhT6FU [20/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「そういう、"本当"の時間を奪うのは、何も個人だけじゃない」

女「病気だとか事故だとか、そういうもので、あるはずだった時間を奪われるのは、それこそポケモンだけじゃない。人間だってそうだ」

女「でも、それをありふれてることって言うのは、おかしい」

コータス「何言ってんの」

コータス「そんなの溢れてるし、そうやって、ちょっと短めになった人生が本物なんじゃないか」

コータス「そうじゃなかったら、もしも、なんてそれこそ紛い物の時間だよ」

女「」ムカァーッ

女「お前と建設的な話をするのは無理そうだな」

コータス「そうなのぉ?」

女(明日、あの子に直接聞いた方が早いかもしれない)



女(聞かなきゃね)

少女「」ビクッ
 ▼ 981 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 19:00:02 ID:SonhT6FU [21/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───視線を合わせた瞬間、少女の肩が跳ねた。


女「あ、ごめんごめん」ニコー


───君は真面目な顔をすると目が怖くなる、とは、おさななじみの言葉だ。

女の子に言うことじゃねぇだろ、とも思うのだが、人と話すときは気を付けていた。


女「気を抜くと目付き悪くなっちゃってさ。クセだから気にしないでもらえるとありがたいな」

少女「はい」

女(気を張っても悪くなるんだけどね)


───注文したハンバーガーを食べ終えて、口直しにサイコソーダを飲む。

少女が目を白黒させながらハンバーガーを食べる様子を見守ってから、本題に入ることにした。


女「君はコータスと出会うまで、何をしていたの?」

少女「」

女「話しづらい?」
 ▼ 982 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 19:01:01 ID:SonhT6FU [22/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「はい」

女「会ってまだ1日くらいだけどさ、わたしは、君の力になりたいんだ」

女「君とトモダチになりたいんだよ」

少女「トモダチ?」

女「あ、えっと。仲良くなって、遊んだり、助け合ったりとかするんだよ。トモダチって」

女「君と、仲良くなりたい。助けになりたいんだ」

少女「あの、すみません。どう話したらいいか、ちょっと迷ってただけなので」

少女「それで、えっと、その、ごめんなさい」

少女「……じゃなくて」

少女「ありがとう」

女「……どういたしまして」


───少女はとつとつと話した。

自分がどんな場所で、何をしていたのか。

どうやって、そこから逃げ出したのか。
 ▼ 983 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 19:01:42 ID:SonhT6FU [23/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「そうか」

女「話してくれてありがとう」

少女「ありがとうなんて、そんな……」

女「辛かったね」ギュッ

少女「」

女「大変だったね」

少女「」ジワッ

女「もう、そんな思いしなくてもいいから。大丈夫だよ」

少女「……はい」ボロボロ



───フレンドリィショップに来た。


女「ゴールドスプレーと、げんきのかけらと、かいふくのくすりと……」

少女「またお買い物してる」

少女「あ」
 ▼ 984 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 19:02:28 ID:SonhT6FU [24/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女(おねえさんが投げてたボールだ)

少女「あなたも、これに入れるんですか?」

コータス「僕は入らないよ」

コータス「僕だけでいるのが気楽だしねぇ」

女「ふーん」

女「気まぐれに人助けして、誰かにバトンタッチできたらそれで終わりなんだ?」

女「助ける側には、最後まで面倒見る責任があると思うけどなぁ」

コータス「」ムッ

コータス「猫っかぶりヤンキー」ボソッ

女「うるせぇ埋めるぞ」ボソッ

コータス「……入ってあげるなら、せめてあの黒いボールがいいかなぁ」

少女「1200円……」

女「しかもジムバッジ持ってないと買えないんだよね」

女「だからわたしが買ってあげましょう」

コータス「えっ」
 ▼ 985 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 19:04:17 ID:SonhT6FU [25/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「ハイパーボールなら捕まってやるんでしょう?」

コータス「」ムググ

少女「あの、そんな風に準備して、どこか行くんですか?」

女「うん、ちょっと、行こうと思ってる場所があってね。今日中には立とうと思ってる」

少女「そう、なんですか」シュン

女「それで、これ」

少女「手紙ですか?」

女「紹介状。あちらさんにも連絡はしてる。悪いようにはしないはず」

少女「?」

女「隣町……マサゴタウンって言うんだけど、そこに有名なポケモン博士がいるの。シンオウに来たとき、お世話になったんだよ。これはその人へ渡してほしい」

少女「私が、ですか」

女「そう。半日も歩けばつくから、そこまでお使いを頼みたいの」

女「わたしを助けると思って、やってもらえないかな?」

少女「……はい」

少女「がんばります」
 ▼ 986 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 19:04:51 ID:SonhT6FU [26/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「よし、お互い頑張ろう!」


───ポニーテールの女性は、しかし名残惜しそうに町を後にした。

少女は、彼女に頼まれたのだから、と張り切ってマサゴタウンへ向かった。

ハイパーボールに渋々入ったコータスを連れ立って。

お使いと、渋い顔のコータスと、1枚の紹介状が、彼女の旅のきっかけとなったのだった。
 ▼ 987 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 19:07:51 ID:SonhT6FU [27/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ムックル「ピピィーッ!」パタパタ

女「お務めごくろうさん」

女「ここが、そうみたいだな」

女(あの子がいたっていう、塾)

女「……あ。あの子の名前聞き忘れてた」

女「アタシの名前教えるのも忘れてた……」

女「……まぁ、紹介状あるし大丈夫か」

女(たぶん、まだ中には多くのこどもたちがいるはず。助け出さなきゃ)

警備員「君、ここで何をしている」ザッ

女「うおもう来た」

女(よし、いっちょカチコミいきますか……)

女「行くよ、ジャローダ!」


 ▼ 988 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 19:09:19 ID:SonhT6FU [28/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
きっかけの話、おわり
 ▼ 989 ガピジョット@つめたいいわ 16/06/17 19:10:12 ID:qQTtArHM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
相変わらず引き込まれる言い回しだな

支援
 ▼ 990 キワラシ@ピーピーエイド 16/06/17 19:17:31 ID:qQTtArHM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんか時系列がこんがらがって来た
 ▼ 991 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 19:17:34 ID:SonhT6FU [29/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
気まぐれな更新を保守・支援してくださり、ありがとうございました。

レス数がいっぱいいっぱいになってしまいましたが、この物語はもう少し続けるつもりなので、次スレを見かけましたら読んでやってもらえると幸いです。


ポニーテール猫かぶりヤンキー少女のジャローダは、以下のスレでざっと多数決してツタージャが多かったのでその進化系にしました。
http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=328977


ダイケンキやエンブオーが嫌いだったのでジャローダにした、というような事実はありません。あくまでランダムです
 ▼ 992 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 19:47:32 ID:SonhT6FU [30/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
自分で整理するのも兼ねて説明をば

パーティー加入順は
コータス→ムックル→ラプラス→オノンド→モグリュー→ヘイガニ

シザリガーが出てくる話は全員進化済みです。サニーゴのように他のポケモンを捕まえてもいますが、内訳や順序は細かく決めていません。

行く町はその順番に限り、完全に投げています。例えば、更新順ではマサラの後にコトブキシティに行っていますが、

・直接その順で行った
・描写はないがその間の道のりも設定している

というようなことは決めていません。もしかしたら実際の順序は逆かもしれません。あくまでムラっけと思いつきで大筋に対して決定的な矛盾が生まれない程度に話を書いています。


現在まで書いた大筋の順番は
コータス旅に出る
女卒業
コータスと女合流
ガンテツボール入手してラプラスゲット
オノンドゲット
モグリューゲットしてすぐムクホークに進化
ヘイガニゲット

〜パーティーメンバー成熟後〜
ライモンシティ編

のつもりです
 ▼ 993 トデマン@まひなおし 16/06/17 19:53:00 ID:8ZvTUWmw NGネーム登録 NGID登録 報告
このss、bbs内でも一番好き
ずっと読んでたくなる
 ▼ 994 ャラサブレイーター◆y9k2BHg7Kg 16/06/17 19:58:04 ID:SonhT6FU [31/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
書き忘れ

キッサキ神殿、シント遺跡など、ゲームにおける殿堂入りによって認可が降りて入場可能となる場所や、配信コンテンツなどの要素がある場所には基本的に主人公は立ち入れない腹積もりで書いています

例外として、バトルフロンティアなどNPCの客が立ち入っている様子がある場所であれば行くこともあるかもしれません


〜パーティーメンバー成熟後〜
ライモンシティ編
シャンデラ編

長々と失礼しました
 ▼ 995 グザグマ@ずがいのカセキ 16/06/17 22:29:30 ID:r1e.ku.U NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
 ▼ 996 ーディン@しんぴのチケット 16/06/18 00:52:56 ID:/ew7ofcQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とりあえず、お疲れ様でした

ヘイガニが最後だったんだ…確かにマダツボミの時は不在だった…

その時々の時系列に合わせて、主人公目線の地の文とか、喋り方(自身の状態を説明する習慣)に絶妙な変化が伺えて、とても作り込まれている作品だと感じました。
(ラプラスゲット時とか特に)

この作品、この掲示板で一番素敵で魅力的だと思います
完結するまで、影ながら応援させて頂きます
 ▼ 997 ノプス@かなめいし 16/06/19 20:06:08 ID:qjufqSSE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ってことは、2スレ目だよね?
 ▼ 998 ヌギダマ@がくしゅうそうち 16/06/19 20:07:27 ID:wMNQoaUI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙です
 ▼ 999 マヨール@きのみプランター 16/06/19 21:15:45 ID:nirMD6/c NGネーム登録 NGID登録 報告
おつ
応援してます
 ▼ 1000 ッサム@バンジのみ 16/06/19 21:16:07 ID:T8KIYxK6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
うめ
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