【SS】ピカチュウをおいしく食べる方法を考える:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】ピカチュウをおいしく食べる方法を考える:ポケモンBBS

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【SS】ピカチュウをおいしく食べる方法を考える

 ▼ 1 ンテイ@しめつけバンド 15/08/17 19:05:28 ID:5ZvILqHo [1/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカピ・・・ピカピィ・・・。

「うぅ・・・」

小さな手が肩を揺さぶる。
オレは重い目蓋を上げた。
塩辛い海の味に混じって、ほんのりと鉄の匂いを感じる。

「・・・ピカチュウ。無事だったんだな・・・よかった。」

ピカピィ・・・。

薄闇の中だけど、オレにははっきりとわかる。
オレの、最高の相棒だ。

黒々とした瞳に涙をいっぱいに浮かべて、ピカチュウが抱き着いてきた。

オレもピカチュウの背中に左腕を回す。
ちくしょう、思うように腕に力が入らないぜ。

いつもなら羽毛のように柔らかいはずの相棒の毛並は、海水と砂利でぺったりとなっていた。

「ピカチュウ、生きててくれてよかった。本当に良かった。」

どうやら、岩肌に抱き着くように引っかかっているうちに潮が引いたようだ。
運が良かったっていうべきかな。

オレは仰向けになり、ゆっくりと体を起こした。
ざらついた舌が全身の神経を舐めているような鈍い痛みに、思わず顔をしかめてしまう。
 ▼ 2 ャオブー@ちりょくのハネ 15/08/17 19:07:52 ID:5ZvILqHo [2/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
「ピカチュウ、怪我はないか?」

ピカ!

「そうか、よかった。」

オレを心配させないように明るく返事をしてくれた。
空元気だってことは見ればわかるので、むしろ痛々しく思えてしまう。

・・・ピィ?

ピカチュウは心配そうにオレの顔をのぞき込む。
お互い、長年の相棒に隠し事なんかできっこないなぁ。
まいったぜ。

「悪いピカチュウ、ちょっとオレ休んでてもいいかな。」

疲労困憊なのはピカチュウも同じだよな。

オレは頼りない瓦礫に必死にしがみついて、幾日も大波に弄ばれてきた。
さらに、この小さな命はオレのジャケットの背中に、小さな爪でしがみついてなんとか生き延びたんだ。

オレを信じて、一緒にいてくれたんだ。
 ▼ 3 ェリム@がんせきおこう 15/08/17 19:08:51 ID:lnAioAv2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 4 ニューラ@GBプレイヤー 15/08/17 19:08:57 ID:DevnoqiY NGネーム登録 NGID登録 m 報告
ー完ー
 ▼ 5 リーラ@きあいのタスキ 15/08/17 19:09:40 ID:5ZvILqHo [3/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
「しかし、あれだけの事故でよく生きてられたなぁ。」

あらためて、頑丈な体に生んでくれた母さんに感謝する。
ガキのころから、危険な冒険を、星の数ほど乗り越えてきたという自負があった。

けど、もう若くないんだな、オレたち。

十年ぶりにピカチュウと二人きりで冒険に出たはいいものの、いきなりこんなことになるなんて。

よろりと立ち上がり、周りを見渡した。
身を寄せられそうな岩陰があったので、そこまで這いつくばるように進む。
オレの後ろを、うつむきながら、ピカチュウが生まれたてのシキジカのような足取りでついてくる。

オレたちは、岩壁にもたれかかるように腰を下ろした。

びしょびしょの服はいったん脱ぐことにしよう。

冷えと痛みで、体の節々は錆びついたかのように硬かった。
シャツを脱ぐのにもえらく近くかかってしまう。

今回の冒険のために新調したキャップとスニーカーは、波にさらわれてしまっていた。
 ▼ 6 リーセン@こわもてプレート 15/08/17 19:13:44 ID:5ZvILqHo [4/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
ガタガタ震えるオレに、ピカチュウが身を寄せてくれる。

「ありがとう、ピカチュウ。」

ピカチュウの鼓動が伝わってくる。
体が小さい分、人間よりずっと早い。
きっと波に体温を奪われるのも早かったんだろうな。

オレはおもむろにピカチュウに手を伸ばし、膝にのせて抱きしめた。


左手の昇りかけの太陽を見て、目の前の方角が南だってことはわかる。
まさか南半球までは流されてない、よなぁ?

「ここはどこなんだろう。」

島というのもはばかられるような。
カビゴン五、六匹分くらいの、でかい岩のかたまりっていう方が適切かな。

「この大海原でこんな岩にひっかかるなんて、やっぱオレたち最高に運がいいよなピカチュウ。」

ピカ。

「よし、まずは状況を確認しないとな。」
 ▼ 7 マズン@タウンマップ 15/08/17 19:16:39 ID:5ZvILqHo [5/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウを膝に乗せたまま、脱ぎ捨てたジャケットのポケットを右手でまさぐった。

胸のポケットには残り少ないポケモンフーズの携行缶、ベルトのホルダーに引っかけていた水筒。
そして内ポケットに緊急用のキズ薬とばんそうこう、折り畳みのナイフが一本。

ズボンのポケットに手を突っ込む。

あった!思い出がいっぱい詰まったボロボロのポケモン図鑑。
良かったぜ、無くしてなくて!

「ピカチュウ、いま助けを呼ぶからな!」

この図鑑の通信機能で助けを呼べるはずだ。

悴んで痛む指先で電源ボタンを押す。
 ▼ 8 っふもふのレシラムさん 15/08/17 19:17:57 ID:RremofWw NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 9 ンフィア@かざんのおきいし 15/08/17 19:20:10 ID:5ZvILqHo [6/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
しかし、緑色のライトは点らなかった。

そんな!

痛みを忘れ、憤って思わず腰を上げる。
力いっぱいボタンを押し込む。
何度も試す。

歯噛みしながら、ぶらりと両手を下ろして、ピカチュウの顔を見た。

「ピカチュウ、これ壊れちゃったみたいだ。」

ピカ・・・?

ピカチュウは岩に小さな体を預け、力なく悲しい表情を浮かべている。

見たくないよ、そんな顔しないでくれよ。
泣きたいのはオレも一緒さ。

のどまで出かかった言葉をぐっとこらえる。

絶対に、相棒の前で泣き言なんか言わないって、誓ったんだ。

「オレたちなら二人なら、大丈夫だよピカチュウ!ぜったいに!」

今までだって、これからだって、オレたち最高の相棒だよな。
きっと二人で生きて帰る。
こんなの笑い話にしてやるんだ。
 ▼ 10 シコ@リバティチケット 15/08/17 19:21:27 ID:j/e23rPk [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 11 ドシシ@ヒメリのみ 15/08/17 19:25:43 ID:5ZvILqHo [7/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
まずは、なによりも体力を取り戻す時間が必要だな。
オレも、ピカチュウの隣に腰を下ろした。

「水、飲むか?」

銀色の水筒を手に取って、ピカチュウに問いかけた。
ピカチュウは、小さく鳴いて首を横に振った。

「気を遣わなくていいんだピカチュウ。先に飲んでくれ。」

ピィ・・・。

いじましくオレと視線を絡める。
オレは、ピカチュウに半ば押し付けるように水筒を渡して、視線を振り切って仄暗い水平線を見つめた。

島影も、船もない。
たった一羽の鳥ポケモンも飛んでいない。

見渡す限り、何もない。

今はおだやかで青く深い水面は、まるで狩猟のタイミングを計って息をひそめる獣のように感じられた。
 ▼ 12 ニョニョ@ピントレンズ 15/08/17 19:27:00 ID:HwAxPLXE NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 13 れいなゲーチス◆DDZyhxqa9w 15/08/17 19:29:50 ID:L2ZsA7mM NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 14 ジャンボ@じしゃく 15/08/17 19:29:59 ID:5ZvILqHo [8/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカ。

呼びかけるピカチュウの方を振り向くと、短い手を伸ばして水筒を差し出してくれている。

「もういいのか?」

オレは水筒を受け取った。

本当に飲んだのかな。
重さがまったく変わっていない気がするんだけど。

でも、思っただけで口には出さなかった。

水筒に口を付け、乾いた歯茎を湿らせるように水を含む。

なんだろう、この感覚。

これが、「生き返る」っていうやつかな。


朦朧とした景色が、少しだけ色を取り戻したような気がした。
 ▼ 15 ュウツー@こだいのおうかん 15/08/17 19:33:35 ID:5ZvILqHo [9/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
ポケモンフーズの携行缶を手に取る。
どこにぶつけたのか、缶の蓋の角はへこんでいて、開けるのに手間取った。
ほんの少し海水でしめったビスケットを、ピカチュウと一粒ずつ食べた。

あはは、なんだかしょっぱいなピカチュウ。

いつもならそう、笑って食べれるはずなのに。
ピカチュウを、オレが安心させないといけないのに。
オレ、焦ってるのかな。

ピカチュウの顔を見るのが、こんなにも辛いなんて。

海水の染みたビスケットは口の中の水分を容赦なく奪っていく。
しかし、オレもピカチュウも、水筒には手を伸ばさなかった。

二人とも無言で、まるで砂でできた飴を舐めるかのように食べた。

「もう一つ、食べろよ。」

ピカチュウの手に、もう一粒ポケモンフーズを押し付け、缶の蓋を閉めた。
視線は、合わせないように。

ピカ・・・。

ピカチュウは、ビスケットを小さな掌に乗せたまま、口には運ばない。

そこから、起きているのか眠っているのか、ぼやけた時間がだらりと流れた。
 ▼ 16 ロバレル@メタルパウダー 15/08/17 19:35:57 ID:XBM5aUPU NGネーム登録 NGID登録 報告
スレタイとの落差に衝撃

支援
 ▼ 17 ラナクシ@はっきんだま 15/08/17 19:39:54 ID:5ZvILqHo [10/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
ふいに、はっきりと意識が戻った。

うとうとしているうちに、どれほどの時が過ぎたのだろう。
実際はいくらも経っていないのかもしれないけど。

いつの間にか、太陽は昇りきっていた。

「ピカチュウ?」

となりを見ると、ピカチュウは疲れ切って眠っている。

横にはさっき与えたビスケットが転がったままだった。

少し迷ったが、拾い上げてオレは口に運んだ。
カラカラに乾いたビスケットは、さっきの以上に食べづらい。

水筒を開けて、一口の水で流し込む。
のどの奥に甘い小麦粉のくっついた感触が不快で、もう一口の水で胃の中へと洗い流す。

ちょっと飲み過ぎたような気がして、小さな罪悪感の種が芽生えた。

水だけは絶対に温存しないと。

ふうっと溜息をひとつ吐いてから、寝息を立てるピカチュウの隣に、静かに水筒を置いた。
 ▼ 18 ガサメハダー@どくどくだま 15/08/17 19:44:30 ID:5ZvILqHo [11/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
縮こまった体を動かさなくちゃな。
背伸びして、明るくなった周囲を見回す。

陰っていた水平線は、はっきりと遠くまで見渡せるようになった。
やはり島も、船も見当たらない。

夏の陽光は、鉄鍋を炒るようにじりじりと気温を高めていくだろう。

こうして座っていてもしょうがない。
ひとまず、濡れた服を乾かそう。

岩陰から重い腰を上げ、じっとりした服を抱えて岸まで這うように進んだ。

できるだけ平らな場所を選んで、濡れた服を岩に張り付けるように広げていく。
潮が満ちたら、ここまで海面が上がってくるな。

その場にしゃがんで、岸壁から身を乗り出すように沖をのぞき込んだ。

反射する光に遮られて海底までは見えないが、魚の影が見えたような気がした。
もし見間違いじゃなかったとしても、釣り上げる手段はないのだけれど。

オレは背中を太陽であぶりながら、しばらく無心で海を眺めていた。
 ▼ 19 ガリザードンX@こんごうだま 15/08/17 19:50:22 ID:5ZvILqHo [12/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカピ。

呼ぶ声にゆっくりと振り向くと、ピカチュウが起き上がってこちらを見ていた。

「ピカチュウ、目が覚めたんだな。」

オレは、またしても這うようにもとの岩陰へと戻った。

ピカ。

ピカチュウは、少し元気を取り戻したように見えた。
ほっとして思わず笑みがこぼれた。

「ピカチュウ、のど乾いてないか?」

ピカチュウはしばし迷ったようだが、申し訳なさそうに首を縦に振った。

「無理しなくていいんだよ。」

と軽く笑いながら、オレは水筒を手に取った。
 ▼ 20 ュウツー@もののけプレート 15/08/17 19:54:04 ID:5ZvILqHo [13/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
なんだ、この違和感。
水筒、さっきより軽くなってないか。

いや、腕に力が入ってないだけだよな。
オレの気のせい、だよな。

水筒を振ってシャバシャバと音を立てる。
いや、何の確認にもならないのはわかってるんだけれども。

ピカ?

ピカチュウはオレの顔をいぶかしげに見上げた。

「あっ、いや、何でもないんだ。」

気のせいだよな、と自分に言い聞かせるようにつぶやく。

オレは頭を強く振って、ピカチュウに水筒を手渡した。
 ▼ 21 ジロン@いましめのツボ 15/08/17 19:55:05 ID:pVrgD/o2 NGネーム登録 NGID登録 m 報告
おいやめろ
 ▼ 22 ぁいあらっと◆cPq.1TSWNs 15/08/17 19:57:49 ID:7KGwWJms NGネーム登録 NGID登録 報告
>>21

どういうこと?
 ▼ 23 レッグル@しんぴのしずく 15/08/17 19:59:44 ID:5ZvILqHo [14/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウは、器用に水筒の蓋を回し開けた。
蓋を傍らに置いて、水筒を口元に寄せると、ごくりと音を立ててのどを潤した。

ひとくち。
ふたくち。

「こらピカチュウ、水は貴重なんだから大事に飲めよ。」

言ってしまってから、後悔の念が苛む。
なんで、オレは、動揺してるんだ。

ピカぁ。

ピカチュウはゆっくりと水筒から口を離した。
オレの顔を見上げ、切なそうな表情を浮かべている。

謝ろうとしてるんだ。

謝らなくていいんだ、何も悪いことはしていない。

謝ったりしないでくれ。

ピカチュウは何も言わなかった。
ふたを閉めると、今度はオレに手渡さずに、自分とオレの間に水筒をゴトッと置いた。

ピカチュウは大きくお腹を膨らませて呼吸し、オレの顔を見て微笑んだ。

ピィカピィ〜。

そこで、オレはようやく、自分がピカチュウの挙動をじっと凝視していたことを自覚した。
 ▼ 24 ンゲラー@デボンスコープ 15/08/17 20:03:49 ID:5ZvILqHo [15/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
慌てて、視線を海へと逸らす。
自分を戒めるように、強く舌を噛み締める。


ピカ!


ちょっと静かにしてくれないか。
思っただけ、絶対に口になんて出さない。

「ピカチュウ、俺も一口だけ水飲んでいいかな。」

水平線の彼方に意識を向けながら、語気を荒げないようにピカチュウに問いかけた。

ピカピカ〜!

海を見つめたまま、水筒を左手でつかみ、蓋を開けて口元へ運ぶ。

ごきゅりとのどを鳴らす。

落ち着け。

落ち着いてくれ、オレ。

ひときわ強く水筒の蓋を締めた。
水筒を元の場所へ転がし、座ったまま深呼吸をした。

もう水筒の中身は、半分も残っていない。
 ▼ 25 ラセクト@ダークボール 15/08/17 20:04:36 ID:5ZvILqHo [16/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜今日はここまで〜
 ▼ 26 ネコ@いわのジュエル 15/08/17 20:10:01 ID:j/e23rPk [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 27 ットG2◆HtC2sxSSwg 15/08/17 20:18:54 ID:UgPkwoZo NGネーム登録 NGID登録 m 報告
しぇん
 ▼ 28 ンブレオン◆Y3W/A8GX8A 15/08/26 10:43:05 ID:tacPjMxQ NGネーム登録 NGID登録 m 報告
支援
 ▼ 29 ーシィ@ふっかつそう 15/08/26 17:40:42 ID:pAGc2xDc NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ食べちゃうん?
 ▼ 30 ノンド@ツメのカセキ 15/08/26 20:06:26 ID:wdWZb966 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 31 ラッタ@ばんのうごな 15/08/26 20:08:27 ID:uDiEcJQs NGネーム登録 NGID登録 報告
追い剥ぎスレかな
あとハッピーエンドも書いてもらいたい
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