【SS】ギラティナ君のハロウィン大作戦【時々安価】:ポケモンBBS(掲示板) 【SS】ギラティナ君のハロウィン大作戦【時々安価】:ポケモンBBS

  ▼  |  全表示80   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【SS】ギラティナ君のハロウィン大作戦【時々安価】

 ▼ 1 ーブイ@ひのたまプレート 15/09/14 18:20:01 ID:spJpZQGQ NGネーム登録 NGID登録 報告
 シンオウ地方のどこかにある、名も無き村。
 その村の近くの山にはゴーストタイプのポケモンが住んでおり、毎年10月になると開催される
 「ハロウィン」という祭の日、村に現れてお菓子をほしがるのだ。
 お菓子を貰えなくても特に悪さをするわけではないし、何よりゴーストポケモンたちの笑顔につられて村人もようきな雰囲気になる。
 だから村人達も山のゴーストポケモン達も、首をキリンリキにしてこの祭を心待ちにしている。
 そのはずなのだが…

ギラティナ「行きたくない……」

 丑三つ時のあやしいかぜに乗って、山の方からポケモンのないしょばなしが聞こえてくる。
 声の主はギラティナ君とその友達ヨノワール君、二匹とも浮かない顔をしている。

ヨノワール「そんなしめりけっぽい事言わないで行こうぜ。楽しいぞ?」

ギラティナ「いいんだよ、どうせ今年も貰えないんだ……」
 ▼ 41 ンダー@ブルーカード 15/09/15 20:37:41 ID:1N/Mlxhc [1/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ロトム「どう、試してみないっすか?」

 ここで一旦、状況を整理してみよう。
 今のギラティナ君は、ミカルゲさんの108ある衣装アイデアとジュペッタさんが誇る裁縫の力で
 癒し系の南ことりフォルムに変化し、放たれるプレッシャーもがくっと下がっている。
 それでも伝説ポケモンとしての恐れ多さがなくなったわけではなく、むしろ南ことりフォルムのふわふわした雰囲気と
 ギラティナ君が生来持つ威圧感が少々ミスマッチであるかのようにも見える。
 例えるならば、やぶれたせかいでカラクリ屋敷のBGMが流れるようなもの。

ギラティナ「たまには他の特性になってみたいって思っていたところだけど、何だか怖いなあ……」

ロトム「でも、アナザーフォルムのふゆうで浮くだけじゃ普通すぎないっすか?」

ギラティナ「うーん、言われてみれば……」

 ためらうギラティナ君に、ロトム君の説得トークがスキルリンクの如く飛び出す、飛び出す。
 地下通路の落とし穴トラップも裸足で逃げ出すほどの巧みな話術、恐るべし。
 ヒートロトムにも劣らぬその熱意に気持ちを動かされたギラティナ君はしばらく頭を傾けて考え、
 それからロトム君の目を見て静かにうなずいた。

ロトム「おっ、そうこなくっちゃっすね!」

 何だかうまく丸め込まれただけのような気もするが、ロトム君はギラティナ君をカプセルの中に押し込んでそっと蓋を閉めた。
 だが、このとくせいカプセルは飽くまでも試作品。
 果たしてどんな特性になるのか、それは神と呼ばれるポケモンさえ知らない…
 ギラティナ君は目をぎゅっと閉じ、運命に身を任せるのであった。

――1、2の…ポカン!

ギラティナ「何だって!僕の特性が>>43になっちゃった…!」
 ▼ 42 ンボラー@やすらぎのすず 15/09/15 20:41:42 ID:Xewm2Vkw [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ksk
 ▼ 43 ガフシギバナ@はねのカセキ 15/09/15 20:42:08 ID:Xewm2Vkw [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ふくつのこころ
 ▼ 44 ンゴロ@デボンのにもつ 15/09/15 20:42:34 ID:CbjZfdPs NGネーム登録 NGID登録 m 報告
おやこあい
 ▼ 45 ナギラス@メガバングル 15/09/15 21:46:26 ID:1N/Mlxhc [2/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ギラティナ「何だって!僕の特性がふくつのこころになっちゃった…!」

 何ということでしょう。
 あれだけ強烈に放たれていたプレッシャーはどこかへテレポートしていき、それと入れ替わりに
 どんな逆境にも負けないふくつのこころがギラティナ君の魂に宿ったのだ。

ロトム「ふくつのこころって本当かい?是非実験させて欲しいっす!」

ギラティナ「じ、実験?一体何を……」

 ロトム君はギラティナ君の周りを飛び回りながら興味深そうに観察していたが、突然顔の高さまで飛び上がったかと思うと
 大声を出してギラティナ君の鼻先へと向かってきた。

ロトム「…わっ!!!」

 ロトム君の おどろかす こうげき!
 こうかは ばつぐんだ!
 ギラティナ君は ひるんで わざが だせない!

ギラティナ「な、何するんだよ……!?」

ロトム「鬼ごっこっすよ。俺を捕まえられたら君の勝ちっす!」
 ▼ 46 ルダック@タポルのみ 15/09/15 22:00:51 ID:1N/Mlxhc [3/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ギラティナ君はいきなりおどろかしてきたロトム君を追いかけ、捕まえようとする!

ギラティナ「ま、待てえっ……!」

 普段なら、ギラティナ君がどんなに懸命に追いかけても絶対捕まらないロトム君。
 あと一歩で捕まえられそうというところまで追い詰めても、いつも間一髪で逃げられてしまう。

(※ フォルムチェンジしていないロトムとギラティナの素早さ種族値を比較すると、前者が1だけ勝っています)

 だが、とっておきふくつのこころもって諦めずに追いかけ続けるギラティナ君。
 ロトム君も負けじと全速力で逃げるが、つきのひかりがガラクタに映し出す二つの影の距離は
 少しずつ、しかし確実に縮まっていく。
 とうとうギラティナ君はロトム君に追いつき、その前足でしっかりとタッチ!

ギラティナ「やったー! ロトム君を つかまえたぞ……!」
 ▼ 47 マンボウ@おしえテレビ 15/09/15 22:03:25 ID:1N/Mlxhc [4/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ロトム「いやー、参ったっす!まさか追いつかれるなんて」

 捕まってしまったロトムは悔しげながらも笑顔をこぼす。
 この取るに足りない、むじゃきな遊びを心から楽しんでいるようだった。

ギラティナ「実は僕もびっくりしてるんだ。いつもは絶対に捕まえられないのに……」

ロトム「それが『ふくつのこころ』の効果。俺がまさに実験したかったことっすよ!」

ギラティナ「なるほど!僕が諦めずに追いかけたから……」

ロトム「うーん、それはちょっと違うっすかね?」

ギラティナ「えっ、『ふくつのこころ』ってそういう事じゃないの……?」

 ふくつのこころ。
 相手の技によってひるむと素早さが少し高くなり、先手を取りやすくなる特性だ。
 これによって相手よりも早く行動できる確率が上がり、「かみつく」や「エアスラッシュ」で一方的にひるまされ続けることを防げる。
 相手の攻撃を受けてひるむことが前提となるので、がんじょうな肉体を持つポケモン向けの特性ともいえる。

ギラティナ「(正直『こんじょう』と『ふくつのこころ』、『せいしんりょく』の違いがよく分からなかったなんて言えない……)」
 ▼ 48 ッタ@ゴーゴーゴーグル 15/09/15 22:12:19 ID:1N/Mlxhc [5/5] NGネーム登録 NGID登録 報告
ギラティナ「ということは、最初ロトム君が使った『おどろかす』でひるんで素早くなったってこと……?」

ロトム「そういうことっす!」

 言いたかったことがやっと理解してもらえて、ロトム君はガッツポーズを決める。
 こうして、ガラクタの中の鬼ごっこは束の間のうちに終了したのであった。
 「ふくつのこころ」という何となくかっこいい名前の新特性を手に入れ、ギラティナ君もご機嫌だ。

ギラティナ「ところで、この特性って一生続くのかな……?」

ロトム「俺の予測では、ハロウィンが終わる頃には元に戻るっすね」

ギラティナ「そうかー。そう考えるとちょっと寂しいな……」

ロトム「ま、戻らなくても知り合いのゴクリン君に頼んでいえきで戻してもらうから大丈夫っす!」

 プレッシャーにサヨナラバイバイ、念願の新特性にはじめまして こんにちは!したギラティナ君。
 だが、彼の「ふくつのこころ」は永遠に続くとは限らない。
 この先、ギラティナ君がひるむたびに強くなり続けるのかどうかは…エスパータイプのみぞ知る。
 ▼ 49 グレー@パワーレンズ 15/09/16 19:25:38 ID:KK5RH/kA NGネーム登録 NGID登録 報告
しえん
 ▼ 50 ンドパン@オニゴーリナイト 15/09/17 12:12:41 ID:V1ACjLcU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 51 ンターン@ナゾのみ 15/09/17 22:36:59 ID:PrpX0JFk [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ゴーストポケモン仲間達を訪ね歩き、ハロウィンでお菓子をゲットするためのアドバイスを貰ってきたギラティナ君。
 仮装の衣装、パフォーマンスの案、クッキーを取り出すという役割、新しい特性ふくつのこころ、
 それから南ことりのウィッグ持って準備完了。
 山をぐるりとほぼ一周して戻ってくると、家の前では彼の一番親しい友人が待っていた。

ギラティナ「あっ、ヨノワール君……!」

ヨノワール「調子はどうだ…なんて聞くまでもないか」

 「お前の顔を見れば大体分かる」と言わんばかりに、ヨノワール君はにっこり笑って何度も頷く。
 山のゴースト仲間達に会う前と比べると、ギラティナ君の顔色がガラリとへんしょくしているのは誰が見ても明らかだった。

ギラティナ「僕、やっぱり祭に行きたくなってきた、かもしれない……」

ヨノワール「そう来なくちゃな!」

 祭というものは、みんなGood Good Smileになるためのもの。
 ギラティナ君ひとり欠けていても、ゴーストタイプの仲間達にとっては物足りない一日になってしまう。

ヨノワール「そうと決まれば最終確認だ」

ギラティナ「最終確認……?」

ヨノワール「祭の当日にこんらんしないように、準備物や大まかな予定をレポートに しっかり かきのこしておくんだよ」
 ▼ 52 ロッパフ@パワフルハーブ 15/09/17 22:45:00 ID:PrpX0JFk [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
 ギラティナ君は塗装のはげた万年筆を取り、家の横にある干からびた老木の幹に書き残しておくことにした。

 『仮装…[南ことり]フォルムになる
     ジュペッタさんとミカルゲさんが作ったこの衣装で、いやしのはどうを放てるはず!
  パフォーマンス…[メイ]の絵を空に描く
     フワライド君いわく顔を描いて、両側にお団子。逆境を跳ね返す彼女にあやかりたい!
  プレゼント…[想像力]が足りない人のためのクッキー
     想像力をかき立てるように、いろんな形のを作ろう。ユキメノコさんに代わってオーブンから取り出すぞ!
  とくせい…[ふくつのこころ]
     ふくつのこころとは諦めないことではなく、ひるむたびに強くなること。ロトム君のちからってすげー!
  そして、祭を楽しむこと!(みんなからのアドバイス)』

ヨノワール「よし、完璧だな!」

ヨノワール「後は祭に備えて、しっかりはねやすめ…じゃなくて骨休めしておくんだ」

………

 それからヒトツキばかりの間、ギラティナ君は祭の準備に明け暮れた。
 山の斜面にメイの絵を描く練習をしたり、南ことりになりきるため女の子らしい仕草を心がけたり、
 バケッチャ君の後をこっそりつけて、お菓子を大量ゲットできる技術をどろぼうしようと試みたり…
 1ヶ月という時間はしんそくで流れていき、ついに祭の日がやって来た。

>>54の投稿時間の秒の下一桁で、ギラティナ君が貰ったお菓子の数を決定します。
 例:**:**:36→6個、**:**:21→1個)
 ▼ 53 ノクラゲ@きいろいかけら 15/09/17 23:17:45 ID:LqnWa/r. NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 54 ュウ@ツメのカセキ 15/09/18 01:09:44 ID:8.izvVN. NGネーム登録 NGID登録 報告
ギラティナのために!
 ▼ 55 ルネロス@マッハじてんしゃ 15/09/21 22:29:25 ID:8vv3Ftgg [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ギラティナ「さあ、いくつ貰えたかな……?」

 村の明かりが消え始め、ハロウィンをめいっぱい楽しんで疲れ切った村人がベッドに入ってねむる頃。
 自分の家に帰り、高鳴る胸をおさえながら袋をひっくりかえすギラティナ君。

ギラティナ「4個だ……!」

 決して多いとは言えないが、自分の力で手に入れたお菓子。
 その重みを確かめるように、ギラティナ君は両前足でそっとお菓子をかき集める。

ギラティナ「えーと、これは確か……」

 1つ目は、袋に入った小さなチーズケーキ。
 パッケージには「ラクライブ!」というピンク色の文字が踊っている。
 ギラティナ君が扮していた人気アイドル・南ことりのファンと思しき村の若者から貰ったものだ。

ギラティナ「仮装をほめてもらえて嬉しかったなあ。作ったのはジュペッタさんとミカルゲさんだけど……」

ギラティナ「さて、次は……」

 2つ目は一見普通のハートスイーツだが、表示が正しければ食べると脳が活性化するらしい。
 パッケージに輝く「ブドウ糖の ちからって すげー!」の文字が眩しい。
 なお、このチョコレートは、ユキメノコさんと一緒に作ったクッキーのお礼として貰ったもの。
 パズルが大好きなその村人は、ギラティナ君がデザインした知恵の輪クッキーを一生懸命解こうとしていたが
 あまりの難しさにふくつのこころもついに折れ、最後はかじって無理やり外してしまった。
 ▼ 56 リル@ライブキャスター 15/09/21 22:31:27 ID:8vv3Ftgg [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ギラティナ「ふくつのこころといえば、こんなこともあったなあ……」

 3つ目のお菓子を前足に乗せ、ギラティナ君はその時の状況を思い浮かべる。
 あれは、フワライド君のパフォーマンスを眺めながら自分の出番を待っている時だった…

………

 吸い込まれそうな黒一色の夜空の下、村人達はそらをとぶゴーストポケモンのパフォーマンスに釘付け。
 老若男女問わず、フワライド君が織りなす光と闇のトリックにうっとり夢心地。
 そんな中、とある上品そうなマダムの背後に忍び寄るヒトカゲひとつ。

マダム「…!?」

 なにかの けはいを かんじ、マダムは咄嗟に振り返る。
 だが、背後には明かりのない草むらが広がるばかりで誰の姿も見えない。

マダム「何じゃ、気のせいか…」

 それでも、マダムには何か長年の勘のようなものが働いたのだろう。
 何もなかっただろうとは思うが、念のためにバッグの中を手探りで調べることにした。
 すると…案の定、そこにはあるべきものがなかった。

マダム「ない…!わたしの『にゅー・すりーでぃーえす・えるえる』がない…!」

 その様子を、視界の端でタマタマ見ていたギラティナ君。
 長い首をもたげて辺りを見回すと、さっきまでマダムのすぐ後ろにいたくろいメガネの男が
 人混みをすりぬけ、はやあしで逃げようとしているのが見えた。
 その手には、マダムの鞄とお揃い模様のNew3DSLLが。
 ▼ 57 ュペッタ@ブロムヘキシン 15/09/21 22:33:30 ID:8vv3Ftgg [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
 自分のNew3DSLLがなくなったことに気付いたものの、人混みに挟まれてマダムは身動きがとれない。
 それを見ていたギラティナ君は居ても立ってもいられず、慌ててどろぼうの男を追いかける。
 だが、あともう少しで捕まえられるというところでねこだましを食らってしまった。

ギラティナ「(ねこだまし?僕一応ゴーストタイプなのに、どうして当たるの……?)」

どろぼう「へっ!俺はきもったまが座ってるからゴーストなんぞ怖くねえよ」

 相手は自分より遥かに背丈の低い人間とはいえ、鼻先でねこだましされて思わずひるむ。
 動けないギラティナ君を見て男は鼻で笑い、村の門へ向かってしんそくで逃げようとした。が…

――ギラティナは ふくつのこころで すばやさが あがった!

 そう、覚えているだろうか。
 ロトム君が作ったとくせいカプセルの影響で、ギラティナ君の特性はふくつのこころになっていることを。

ギラティナ「(そうだ。ひるんでも、その分素早くなって取り返せばいいんだ……!)」

 ギラティナ君は立ち上がり、逃げ続けるどろぼうの男を追いかけた。
 僕にはふくつのこころがある、だからくじけるわけにはいかない…そう自分に言い聞かせながら走り続け
 そして、ついに男を捕まえてNew3DSLLを奪還した!

………

ギラティナ「その時おばあさんからお礼にもらったのが、このもりのヨウカン……」

 やっぱり、人から感謝されるって気持ちがいいな。
 この山に来る前に離れ離れになってしまった旧友シェイミのことを、頭の片隅に思い浮かべたギラティナ君であった。

ギラティナ「そして最後の1個、これは……」
 ▼ 58 ヤコマ@ポケトレ 15/09/24 18:39:08 ID:AlENF3hg [1/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
………

 遡ることほんの半時間ほど、村のハロウィンが終わって間もない頃。
 行きよりもちょっぴり重くなったバッグを持って祭会場を後にするギラティナ君に話しかけてきたのは、
 誰よりもハロウィンに情熱を注ぐカロスからの留学生、バケッチャ君。

バケッチャ「あっ、ギラティナ君!」

 お菓子が山のように積まれた台車を引っ張るその姿を見て、ギラティナ君は自身の旧友であり
 伝説ポケモンの中でも無類のちからもちで知られるレジギガス君を思い出す。
 同時に、バケッチャ君が抱えている戦利品の量と自分のそれを無意識のうちに比較してしまって
 ほんの少ししか貰えなかった自分が何だか恥ずかしくなってきた。

バケッチャ「最初は不安だったようだけど、楽しめたみたいで何よりだよ」

ギラティナ「うん、楽しかったよ。たった3つしか貰えなかったけどね……」

 そう言って、どこか寂しげに下を向くギラティナ君。
 今歩いてきたばかりの村へ続く道を振り返り、消えつつある祭の灯を何も言わずにただ眺める。
 ▼ 59 ュウ@こころのしずく 15/09/24 18:40:41 ID:AlENF3hg [2/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
バケッチャ「…何言ってるの!?」

 バケッチャ君に一喝され、驚いて顔を上げるギラティナ君。
 普段ようきな姿しか見たことがなかったバケッチャ君だが、今はいつになくまじめな顔つきをしている。

バケッチャ「そのお菓子ひとつひとつに、村人の思いが詰まっている。ギラティナ君を見て『いいな』って思ってくれた人の思いが詰まっている」

バケッチャ「それを多いとか少ないとかで比べるなんて。村人の気持ちをただ数としか捉えないなんて…」

バケッチャ「そんなの、失礼だよ!」

ギラティナ「……!」

 バケッチャ君の言葉とハロウィンへの情熱を目の当たりにして、ギラティナ君は再び恥ずかしげにうつむく。
 すぐ他者と比較しては卑屈になる、それが自分の悪い癖であることは百も承知していた。
 いや…知っているつもりだった。

バケッチャ「でもね、気持ちは分かるよ。僕だって昔はよく兄達たちと自分を比べたから…」

 帰りの道すがら、バケッチャ君はカロスにいる兄達の事を語った。
 自分は4兄弟の末っ子で、体が一番小さくハロウィンでもなかなか目立てなかった。
 それでも兄達は一番小さいバケッチャ君を馬鹿にせず、彼らと一緒にハロウィンを楽しむうちに
 小さいなりの仮装やアピールのしかたというものが自然と身についたのだという。
 ▼ 60 ノプス@レンブのみ 15/09/24 18:49:25 ID:AlENF3hg [3/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
バケッチャ「…そうだ。君に渡すべきお菓子があるんだった!」

 ふいにバケッチャ君は台車からお菓子を大事そうに取り出し、ギラティナ君に手渡そうとする。
 だが、ギラティナ君としては少々複雑な気分だ。
 『お菓子は村人の気持ち』とまで言い切ったバケッチャ君が自分へのプレゼントを他者に横流しするのは変だし、
 自分としてもバケッチャ君から同情や施しを受けるのは不本意だと思っていた。

バケッチャ「違うよ!これは元からギラティナ君宛なんだって!」

ギラティナ「えっ……?」

 よく見ると、差し出されたお菓子には手紙のようなものが付いている。
 二つ折りにされているので全文は読み取れないが、少なくともメッセージの冒頭の文字から
 ギラティナ君宛であることだけは確認できた。

ギラティナ「ありがとう、バケッチャ君……!」

バケッチャ「どういたしまして…って僕が言うのは変かな?」

 本当は、プレゼントを届けてくれたバケッチャ君だけでなく贈り主の村人にもお礼を言いたいギラティナ君。
 だが、今のところ相手がどんな人間なのかを知るための手がかりはこの手紙以外何もない。
 大人かもしれないし、子供かもしれない。
 村の人間かもしれないし、観光客かもしれない。
 このシンオウのどこかにいるであろう名前も顔も知らない誰かに、心の中でグラシデアの花を贈りながら
 ギラティナ君は家路につくのであった。
 ▼ 61 ータス@おちゃ 15/09/24 19:21:44 ID:Gve2ojz6 NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 62 クタン@たんちき 15/09/24 20:02:09 ID:AlENF3hg [4/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
………

ギラティナ「それがこのお菓子。僕が貰った、4つ目の……」

 そういえば、まだ手紙を読んでいなかった。
 バケッチャ君から手渡されたままなので、このお菓子をどんな人がくれたのか、何を考えて書いたのかは見当もつかない。
 だが、わざわざ手紙をつけるということは何かしら伝えたいメッセージがあるのだろう。
 そう考えたギラティナ君が期待半分不安半分でカードを開くと、間違いなく小さな子供が書いたと思われる拙い筆跡が目に飛び込んできた。

 『ギラチイナさんえ
 めいのえ すごっかた です。
 ばくの たいすきな おかしお あげるから たべてくだちい。』

 手紙は、ギラティナ君が夜空に描いたメイの絵を見てくれたと思しき子供からだった。
 あのがんばりやなパフォーマンスの後、ギラティナ君の期待に反して誰からもお菓子を得られず
 内心がっかりしたものだが、人生…いやポケ生捨てたものではない。

ヨノワール「…おっ?手紙貰ったのか?」

ギラティナ「よ、ヨノワール君……!」

 ギラティナ君がまじめな顔つきで呼んでいると、どんな事が書かれているのか気になり始めた友達のゴーストポケモン達が
 周りからどっと押し寄せて、メッセージカードにこのゆびとまれ。

フワライド「バケッチャ君から手紙の話を聞いて、内容が気になって飛んできちゃったんだー」

バケッチャ「ごめんね。ないしょばなしにしておくつもりだったんだけど、嬉しいニュースだったからつい…」

ユキメノコ「手紙なんて貰ってるの、山中探してもあんただけだよ」

 どのポケモンも目を大きく見開いて、小さな手紙をぐるりと取り囲んで食い入るように見つめ始める…
 ▼ 63 ブネーク@こないれ 15/09/24 20:12:28 ID:AlENF3hg [5/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
………

 さかのぼること数時間、名も無き村にて。
 吸い込まれそうな夜空の下、お菓子の入った袋をめいめい手に握り締めてギラティナ君のパフォーマンスを見ている子供達がいた。
 お菓子を渡したいと考えていた者もいたが、夢中でそらをとび回るギラティナ君に手が届くはずもなく
 ついに諦めて祭会場を後にしてしまった。
 そんな中、一人のたんパンこぞうがギラティナ君宛の手紙を書くことを思いついた。

たんパン「(手紙をお菓子に添えて他のポケモンに預ければ、きっとギラティナさんに届くはず)」

 ギラティナ君の一生懸命な姿を見て、何か心に響くものがあったのだろう。
 だがこの少年、勉強が大の苦手。
 町の小学校に入学してからもう半年以上経つというのに、思うように字が書けない。
 宿題のプリントやドリルはもちろん、日記に至ってはダークホールに消し去りたいほど大嫌い。
 けれど、もっと嫌なのは…

たんパン「ギ、ラ、テ、ィ、ナ、さ、ん、へ…っと」

 それでも、この日ばかりは何故か自分からすすんで文字を書きたいと思った。
 書かずにはいられなかった。
 ▼ 64 クライ@ミックスオレ 15/09/24 20:13:40 ID:AlENF3hg [6/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
たんパン「よし、できた!」

 ポケットに入っていた鉛筆と自由ノートの切れ端で作った、小さな手紙。
 お世辞にも綺麗とは言えないそれを少年は大事に握り締めていたのだが…

  「おい、見ろよ。何だこれ?」

 町から来ていた上級生数人に見つかってしまった。
 抵抗かなわず手紙をよこどりされ、回し読みされる。

  「うわー、何この汚い紙切れ。しかも字汚っ!」

  「それに間違いだらけじゃん。はい不合格、0点〜!」

  「れ・い・てん!れ・い・てん!」

たんパン「返してよ!ギラティナさんに渡してもらうの!」

  「ギラティナ?どう見てもギラチイナって書いてあるだろ。そんなポケモンこの世にいねえよ」

  「あっはは!ギラチイナだって、ギラチイナ!」

  「うーわ、ダサっ!」

 たんパンの少年は何も反論せず、ただ下を向いたまま唇を噛みしめて震えていた。
 その様子がなまいきで気に食わないと感じたのか、上級生の一人が明かりのない草むらへ向かって手紙とお菓子を投げ捨てる。
 少年が半分べそをかきながら草をかき分けて拾いに行く様子を、彼らは薄ら笑いを浮かべながら見ていた。
 ▼ 65 ルミーゼ@シルクのスカーフ 15/09/24 20:16:34 ID:OKFbbTro [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ギラティナが上級生に制裁を与えるんですね分かります(違ったらすみません)
 ▼ 66 リアドス@ボーマンダナイト 15/09/24 20:20:38 ID:AlENF3hg [7/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
 手紙を探しに行った少年の後ろ姿が見えなくなって10分ほどが経過した頃。
 草むらは依然暗いままで、物音一つ聞こえない。

  「おい、マジでヤバイことになったんじゃねーのか?」

  「どーすんだよ、お前のせいだろ!」

  「あたし悪くないもん!なげつけたのはあいつだし!」

――……!

  「…今、何か聞こえなかったか?」

  「き、気のせいでしょ。変なこと言わないでよ」

――……ビシャーン!

 闇一色の草むらから突然おたけびが上がる。
 子供達が振り返ると、誰もいなかったはずの空間に身の丈6.9メートルの巨大な生き物が全身からプレッシャーを放っていた。
 気を失っているたんパンの少年を背中に乗せて、無言でじりじりとにじり寄る。
 ▼ 67 ルレイド@おはなのおこう 15/09/24 20:22:50 ID:AlENF3hg [8/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
  「な、何だあいつは…!」

  「そんなの知らないよ…!」

 パニックに陥っている彼らは、目の前の存在が「ギラティナ」であることに気付かない。
 「ギラティナ」の名前や姿を知っていても、明るい祭会場で見るのと暗闇の中で見るのとでは全く違って見えるのだ。
 まして今の「ギラティナ」は祭会場でパフォーマンスをしていた時とは異なり、その巨体からプレッシャーを放っている…

  「まさか、お化けか!?」

  「お化け…?」

  「この村にはお化けがいて、悪いことをした子供を食べに来るって…死んだばあちゃんが言ってた」

  「ウソだ!そんなのただの迷信…でしょ?」

――ギゴガゴーゴーッ!!

  「ひぐっ、ひぃ…!」

  「ごめんなさいごめんなさい!もうしません許してうわぁぁ…!」

 一体誰に謝っているのかは知らないが、子供達はめいめい声にならない悲鳴を上げて一目散に逃げ出してしまった。

ギラティナ「……」

ギラティナ「(『この子は君達のお友達ですか?』って聞いただけなのに……)」
 ▼ 68 イキング@ハートのウロコ 15/09/24 20:28:42 ID:OKFbbTro [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
クソガキにはこれぐらいの恐怖を与えないとね(ゲス顔)
 ▼ 69 ネボー@シャラサブレ 15/09/24 22:08:51 ID:AlENF3hg [9/9] NGネーム登録 NGID登録 報告
 何も知らないギラティナ君、そこでようやく自分の特性が元のプレッシャーに戻ったことに気が付いた。
 このまま村をうろつけば、きっとまた村人に怖がられてしまう。
 そこでなるべく見つからないように闇に紛れながら、気絶しているたんパンの少年をこっそり村の入り口まで運び
 何も言わずに翼を大きく広げて夜の彼方へ飛び去っていった。

 …おや?
 誰もいないはずの草むらで何やら物音がするようだ。

バケッチャ「ラッキー!草むらの中にお菓子があったぞ!」

バケッチャ「あれ、何か手紙がついてる…ギラティナ君宛?」

バケッチャ「仕方ないなあ。後で届けておこうっと」

………

ヨノワール「…ということがあったようだ」

 手紙を取り囲んで眺めていたゴーストポケモン達は一斉にギラティナ君の顔を見る。
 その眼差しは昨年のような哀れみの目ではなく、むしろめいっぱいの祝福と少しの羨望が入り混じったようなものだった。
 「おめでとう」「やったね」と四方八方からおいわいの言葉をかけられて、ギラティナ君は照れくさそうだ。

ギラティナ「みんな……!」

 けれども、ギラティナ君が一番よく知っていた。
 今年のハロウィンが成功を収めたのは、他でもなく支えてくれた仲間のおかげだということ。
 それに加えて、自分が勇気を出して一歩踏み出したからだということも。
 ▼ 70 ズゴロウ@メンタルハーブ 15/09/26 21:14:35 ID:AgB6dKLs [1/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
ギラティナ「僕、祭に参加して本当によかった……!」

 ギラティナ君の心のアルバムに深く刻まれた、今年のハロウィンの思い出。
 その影には自分を支え、励まし、時には叱ってくれる仲間達がいた。
 できる事ならば、この山で彼らとずっと一緒に暮らしていきたい…

ヨノワール「そのことなんだが」

ユキメノコ「今まで黙ってたけど、今回の祭はバケッチャ君のお別れ会も兼ねていたんだよ」

ギラティナ「えっ……?」

 そんなの聞いてないよ、と困り顔のギラティナ君。
 だが、バケッチャ君はカロスから来た交換留学生。
 長いようで短い留学期間もちょうど今日の朝で満了することになっている。
 一緒に過ごせるタイムリミットは、夜が明けて山の端からあさのひざしが差し込むまで。

ギラティナ「そんな、せっかく仲良くなれたのに。せっかくお話できたのに……!」
 ▼ 71 ォッシュロトム@やすらぎのすず 15/09/26 21:18:01 ID:AgB6dKLs [2/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
 鼻声ですがりつくギラティナ君に、バケッチャ君はふわりと近づいて何か小さなものを手渡した。
 それは一見ありふれた普通の石にしか見えないが、一体どういう意図があるのだろうか。

ギラティナ「この石は……?」

バケッチャ「僕がカロスを旅立つ時、お守りとして持ってきたものだよ。持っていると何だか心が落ち着くんだ」

ギラティナ「えっ、それって大切なものじゃないの……?」

 そんなに大事なお守りをなぜ自分にくれるのか?
 理由がいまいち掴めずに、ギラティナ君は戸惑うばかり。

バケッチャ「この祭りを通して出会えた大切な仲間に、受け取ってもらいたいんだよ」

 ギラティナ君の遠慮よりも、バケッチャ君の贈り物を渡したい気持ちのほうがわずかに勝っていた。
 こうなるともう、ギラティナ君としてもありがたく頂戴する他はない。

ギラティナ「ありがとう。ハロウィンの件も、勇気を出して君に相談してよかったよ」

 君のおかげで僕は変われたんだ、そう言おうとしたギラティナ君。
 だが、バケッチャ君は首を横に振るばかり。
 ▼ 72 イティ@みかづきのはね 15/09/26 21:20:16 ID:AgB6dKLs [3/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
バケッチャ「君は、今年の祭で自分が変わったって思っているみたいだけど…」

ギラティナ「そんな、まだ足りないってこと……?」

バケッチャ「本当は元から、周囲を笑顔にする力を持っていたんじゃないかなって思うんだ」

ギラティナ「……!?」

バケッチャ「君は今のままでいい。無理に変わろうとする必要はないんだよ」

 そう言った瞬間、ギラティナ君の拳に握られた石がきらりと光った…ような気がした。
 ギラティナ君とバケッチャ君、それからゴーストポケモンの仲間達が輪になって見つめていると
 光は時間経過と共に徐々に強くなり、輝きを増していく。
 だが、本当は石が自ら光を発しているのではなく、山際から差し込んできた朝日を反射してきらめいている…
 彼らがその事実に気付くのに、そう時間はかからなかった。
 ▼ 73 マズン@ピーピーエイダー 15/09/26 21:23:46 ID:AgB6dKLs [4/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
バケッチャ「もう、行かなきゃ」

 いよいよ、バケッチャ君とのお別れの時が来た。
 バケッチャ君が名残を惜しみながらあさのひざしの中へ進んでいくと、彼の体がゆるやかに浮かび上がる。
 じゅうりょくに逆らってそのまま上へと吸い込まれながら、バケッチャ君は地上に残るシンオウの仲間達に向かって
 力の限り叫ぶのであった。

バケッチャ「僕、みんなと出会えてよかったよ。なかよくすることができて本当によかったよ!」

 地上のゴーストポケモン達も、最初はめいっぱい手を振ったり叫び返したりしていたが
 そのうちバケッチャ君の姿は豆粒のように小さくなり、声もほとんど聞こえなくなってしまった。

ギラティナ「バケッチャ君……!」

 ギラティナ君は無意識のうちにアナザーフォルムに変化し、そらをとんでバケッチャ君を追いかけた。
 たった一秒でも長く彼の姿をとらえていたい、そう願いながら上へ上へと向かっていったのだが、
 雲を突き抜け空へと飛び出したあたりでその姿を見失ってしまった。

ロトム「行ってしまったっすね…」

 首を上に向けたまま、バケッチャ君との別れを惜しむシンオウのゴーストポケモン達。
 あるものは溜息をつき、またあるものは目にしおみずをたたえている。
 ▼ 74 ンカラス@スピーダー 15/09/26 21:27:48 ID:AgB6dKLs [5/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
フワライド「…おや?」

 そんな彼らの視界の端に、何やら懐かしさを感じさせるものが飛び込んできた。
 どうやら、空の彼方から誰か別のポケモンが降りてきたようだ。

ユキメノコ「ムウマージちゃん!ムウマージちゃんじゃないの!」

 その正体は、交換留学生としてカロスへ行っていたムウマージさん。
 カロスからシンオウへ来ていたバケッチャ君と入れ違いに帰ってきたのだ。

ムウマージ「みんな、元気だった?」

 ムウマージさんの周りをゴーストポケモン達がぐるりと取り囲み、感動の再会を喜ぶ。
 その輪の中には、留学前にはほとんど話したことがなかったギラティナ君もいた。

 「ねえ、カロスってどんなところだった?」

 「ポフレ食べてみた?おいしかった?」

 「結局、オーロット君とはどうなったの?」

ムウマージ「もう、一度にしゃべらないでよ。順番に、ね」

 その後、ギラティナ君達はムウマージさんのカロス体験談に耳を傾けたり、バケッチャ君との思い出を教えてあげたり
 和気あいあいと会話を楽しむのであった。

ギラティナ「(こういうのも、悪くないな……)」
 ▼ 75 キメノコ@タイマーボール 15/09/26 21:30:01 ID:AgB6dKLs [6/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
………

 バケッチャ君がカロスに帰って1週間が過ぎた頃、山に一通の手紙が届いた。

 『シンオウの皆さんへ
 元気ですか?仲間はどう?
 実はカロスに帰った直後、信じられないことが起こりました。
 僕、やっと進化できたんです!
 昔は、交換留学さえすれば進化できると思っていたから
 初めてシンオウに着いた時、何も変わってなくてがっかりしました。
 でも、本当はそうじゃないんだなあ。
 僕達ポケモンはきっと、友情愛情根性で進化してるんだなあ。
                       パンプジン』

 差出人はバケッチャ君…いや、今となってはパンプジン君。
 念願の進化を果たし、とびはねて喜んでいる様子が文面からひしひしと伝わってくる。

ギラティナ「バケッチャ君、夢が叶ったんだね。何だか僕も嬉しいよ……」

 その時ギラティナ君の脳裏に、バケッチャ君が別れ際にくれたあの石のことが思い起こされた。
 ふと思い立って取り出してみたが、石はもうあの時のように光ることなく鈍色のまま。
 それでもバケッチャ君にとってはカロスから持ってきたお守りであり、ギラティナ君にとっても思い出が詰まった大切なものだ。

ヨノワール「あれ?それって『かわらずのいし』じゃないか?」

 かわらずのいし…それはどんなに時間が経とうとも、どれほど空間的に離れていようとも
 決して変わることのない、彼らの友情の証。
 ▼ 76 ーマルド@めざめいし 15/09/26 21:37:58 ID:AgB6dKLs [7/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
………

 空は青く澄み渡り、空気の冷たさを強調するかのような11月下旬のある朝。
 村を賑わわせていたハロウィンの飾り付けはすっかり撤去され、色とりどりの星や赤いブーツにバトンタッチ。
 こごえるかぜが地面に積もった落ち葉を容赦なくふきとばすが、それに勝るとも劣らぬ勢いで
 あの時の、たんパンの少年が家のドアを開けて飛び出してきた。

たんパン「行ってきます!」

 村中にめざましビンタを叩き込むほど元気のいいハイパーボイスを響かせ、バス停へと足を急がせる。
 家のドアからは彼の両親と思われる大人が二人、心配そうな顔つきで彼の後ろ姿を見守っていたが
 バスの窓からばくはつスマイルが返ってきたのを見ると、嬉しそうに家の中へと入っていった。

 「あの子、最近学校へ行くのが楽しくなったみたい」

 「祭の日は何故か村の入口でねむっていて、何があったか知らないけれど困ったもんだの大問題と心配したが…」

 「お医者さんに見せたけれど外傷も何もなし、それどころか前より元気になっているような気がするのよ」

 「近頃は友達ともうまくいっているみたいだし、本当にフシギダネ」

 舗装されていない晩秋の道路をこんじょうで突き進むバスの後ろ姿を、枯木立の影からこっそり見送ってから
 ギラティナ君は大きくあくびをして、普段より少し遅い眠りにつくのであった。
 ▼ 77 ルガー@そうこのかぎ 15/09/26 21:41:44 ID:AgB6dKLs [8/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
これにて終了です。ありがとうございました。
リアルでは祭まで残すところヒトツキばかりですが、皆様も楽しいハロウィンをお過ごしください。
 ▼ 78 ットレイ@カードキー 15/09/26 21:48:04 ID:NoZGInjU NGネーム登録 NGID登録 報告
乙!
とても心温まる話でした!
ゴーストポケモンのイメージもいい方へと変わりました!

日本のハロウィンはゴースト関係なくコスプレする日になりつつありますよね…。
 ▼ 79 ナギラス@シールいれ 15/09/26 22:10:08 ID:6Mg9jTSc NGネーム登録 NGID登録 報告
今来た

 ▼ 80 ダック@ばんのうごな 15/09/26 22:13:02 ID:JOXGuiCY NGネーム登録 NGID登録 報告
乙です!
よろしければ次回作についても教えていただきたいです
  ▲  |  全表示80   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!
スレの消えている画像復旧リクエスト
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼