【ss】石化したパルデア地方

エリア・ゼロへ向かっていたアオイ、ネモ、ペパー、ボタン。

そんな4人は楽園防衛システムを撃破しテーブルシティに戻ろうとしていた。


ネモ「さ！帰ろっか！」

ペパー「そうだな」

アオイ「じゃあコライドン頼むよ！」

コライドン「アギャス！」

ボタン「ね、ねぇ、ちょっとこれやばくね…？」

ネモ「どうしたの？」

ボタン「このスマホの映像見てほしいんだけど…」

ペパー「これは…ドンナモンジャTVの配信か？」

……………

ナンジャモ「みなのもの〜！おはこんハロチャオ！」

ハラバリー「バリバリ〜！」

ナンジャモ「ドンナモンジャTVの時間だぞ〜！」

ナンジャモ「今日の企画は〜……うん？」

ﾋﾟｶｰｰｰｰﾝ

ナンジャモ「」ｶﾁｰｰﾝ

ハラバリー「」ｶﾁｰｰﾝ

……………

ネモ「えっ？どうゆうこと？」

ペパー「変な光を浴びてナンジャモとハラバリーが石になった…？」

ボタン「そうなんよ」

アオイ「でもこれって、ドンナモンジャTVの演出かなにかでしょ？」

ペパー「だ、だよな！アイツらいつも変なことしてるし」

ボタン「うちも最初はそう思ったんやけど、これを見て欲しいんよ」

ネモ「これはTwitterの投稿…？」

支援

……………

ピーニャ

なんか街の人やポケモンが石化してんだけど！？
やばくね…？

……………

オルティガ

不思議な光を浴びた人達が石化してる！
なんなんだよこれ！

……………

メロコ

石化したポケモンが急に動き出して変な光を放ちやがった！
一体どうなってんだ…！？

……………

ボタン「こんな投稿がパルデアの各地から発信されているんだ！」

ネモ「え、えぇ…！？」

ペパー「まさかこの石になる現象が各地で起きてるってのか…！？」

アオイ「私達がエリアゼロにいる間にそんなことが…」

ボタン「これ、やばくない…？」

ネモ「ど、どうしよう…私達も向こうに戻ったら石になっちゃうってこと…！？」

アオイ「石化したポケモンが不思議な光を放ちだす…とか書いてあるし、戻ったら危ないかも…」

ボタン「しかもここ数十分でSNS上全体の投稿数が減ってるんよ」

ネモ「それって、人がどんどん石になってるから、投稿ができなくなってるってこと…？」

ペパー「待て待て！一旦情報を整理しよう！」

アオイ「うん…」

ボタン「SNSに投稿されている情報をまとめると…」

・不思議な光を浴びるとその人やポケモンは石になる
・その現象はパルデア地方各地で発生している
・石化したポケモンは暫くすると突如動き出し、不思議な光を放つようになる
・SNS上の投稿数は時間が経つごとに減少している
(人々が次々と石化している可能性)

ボタン「ってことになるね」

ペパー「………」

ネモ「………」

アオイ「………」

ボタン「ど、どする…？」

ペパー「どうするって言ったってなぁ…」

アオイ「もしかしてこのままエリアゼロから出ない方がいいんじゃ……」

ペパー「確かにな…こっちではまだそんな現象見かけてないし…」

ネモ「で、でも！街で暮らす人やポケモンが心配だよ！」

ボタン「う、うん…うちもスター団のみんなが今どうなっているのか気になる」

ペパー「そうだな…」

アオイ「ね、ねぇ。まとめた情報を見るに不思議な光を放っているのは"石化後暫くして動き出したポケモン達"なんだよね？」

ボタン「恐らくそうだね」

ネモ「しかも、石化ポケモンによって放たれた光を浴びたポケモンは更にまた同じことをする」

ペパー「まるでゾンビみたいだな…」

アオイ「ということは、襲ってくる石化ポケモンを倒すことができれば、石化から免れることはできるってことだよね」

ボタン「そうなるね」

ネモ「なるほど、私達のポケモンの力を借りれば、石化から逃れられるかもしれない…！」

ペパー「今はそれができると信じるしかないな…」

ボタン「じゃあ一度様子を見に行ってみる…？」

アオイ「ずっとエリアゼロに居ても何も進まないし行くしかないんじゃないかな」

ネモ「うん」

ペパー「一先ず目標は"テーブルシティまで戻ること"だな」

ボタン「だね。あそこまで戻ればなんとなく状況はわかるはず」

ネモ「じゃあ、行こうか」

アオイ「うん、それじゃ頼むよコライドン」

コライドン「アギャス！」

4人はコライドンに乗ってエリア・ゼロの入り口ゼロ・ゲートまで戻ってきた。

ボタン「戻ってきちゃったね…」

ネモ「ここを出たら"西3番エリア"と"チャンプルタウン"があるはずだよね」

アオイ「だけど、情報通りなら石化したポケモン達が光を放ってくるかもしれない…」

ボタン「気をつけていかないと…」

ネモ「私とアオイが戦闘に立って進むよ」

ペパー「すまねぇ、後ろは俺とボタンが守るぜ」

コライドン「アギャギャ？」

アオイ「コライドンもすぐ移動できるように後ろをついてきて！」

コライドン「アギャス！」
　
アオイ「よし、じゃあ…行くよ…！」


4人はゼロ・ゲートを抜け外の世界へと足を進めた。


石化リングマ「グガガ……！」

石化ゴーゴート「ギギガ……！」

石化パフュートン「グギギ……！」


ボタン「わわっ！本当にポケモン達が石化してる！」

ペパー「しかもアイツら動き出してるってことは…例の光を放ってくるぞ…！」


石化リングマ「グガガ……！」ﾋﾟｶｰｰｰｰﾝ


アオイ「やばい！みんな、伏せて！」

ネモ・ボタン・ペパー「！」

コライドン「アギャ？」


ﾋﾟｶｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ


ネモ「みんな！大丈夫！？」

ボタン「な、なんとか…」

ペパー　「危ねぇ…」

アオイ「こ、コライドン！！」


コライドン「」ｶﾁｰｰﾝ

ネモ「そ、そんな…！」

ボタン「コライドンが石に…」

アオイ「こんな簡単に石化してしまうなんて…」

ネモ「コライドンっ…！」

ペパー「これ、やばいんじゃないのか…！？コライドンが俺達を襲いだしてきたら…」

アオイ「いや、SNS上の投稿を信じるなら、石化したポケモンが動き出すまでには多少時間がかかる…！」

ネモ「うん、なら今は…あのポケモン達を倒さないと…！」


石化リングマ「グガガ……！」

石化ゴーゴート「ギギガ……！」

石化パフュートン「グギギ……！」


ネモ「出てきてルガルガン！ドリルライナー！」

ルガルガン「グォ！」ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

石化リングマ「…！？」

ボタン「よし、効いてる！」

ペパー「ぶっ倒せ！」

ネモ「ストーンエッジ！」

ルガルガン「グォ！」ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

石化リングマ「」ﾊﾞﾀﾝｯ

ペパー「倒したのか…！？」

ボタン「やった！予想通り石化したポケモンも攻撃すれば倒せるんだ！」

ネモ「うん！これなら…あれ？」

アオイ「あの石化したリングマ…様子がおかしいよ…？」


石化リングマ「」ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ


石化したリングマは砂となって崩れ去った。

ドクターストーンよりハードだ……

ペパー「え…？」

ネモ「今の…どういうこと…」

アオイ「石化したリングマが崩れて砂になっちゃった…」

ボタン「まさか、あのポケモン、死んじゃった…？」

ペパー「おいお前！」

ネモ「ちょっとボタン変なこと言わないでよ！」

ボタン「うっ、だって…」

アオイ「喧嘩してる場合じゃない！またあの光がくるよ！」

ボタン・ペパー・アオイ「！」


石化ゴーゴート「ギギガ……！」ﾋﾟｶｰｰｰｰﾝ


アオイ「出てきてタイカイデン！」

タイカイデン「クァ！」

アオイ「まもる！」

タイカイデン「クァ！」


ﾋﾟｶｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ


ｶｷｰｰｰｰﾝ


タイカイデン「クァ！」

ペパー「あ、危ねぇ…！」

ネモ「ありがとアオイ！」

ボタン「もしかして今、"まもる"であの光を防いだの…？」

アオイ「うん、攻撃技があのポケモン達に通じたから、もしかしたらと思って…」

ボタン「すごい！"まもる"が有効ならあの石化の光の対策ができる…！」

ネモ「そうか！"まもる"で守りながら戦えば！」

ペパー「おい、戦うって言っても…さっきのリングマの事忘れたのか…！？石が崩れて砂になっちまったんだぞ…！」

ネモ「っ…」

ボタン「考えたくないけど…やっぱりさっきのポケモンはもう…」

ネモ「………」

ペパー「俺はあの石化ポケモンとは戦えねぇ…」

ネモ「ペパー…」

アオイ「わかった、ペパーは下がってて」

ボタン「どうする気なん？」

アオイ「先に進む為には戦うしかない」

ペパー「！？」

ネモ「アオイ……」

アオイ「そもそもあの石化を解除する方法すらわからない以上、今は自分達の身を守るのが先決」

ペパー「お前……」

ボタン「………」

アオイ「私はもうコライドンみたいな犠牲を出したくないから…今は戦う！」

ネモ「！」

ペパー「！」

ボタン「！」

アオイ「タイカイデン、ぼうふう！」

タイカイデン「クァ！」ﾋﾞｭｱｱｱ

石化ゴーゴート「……！？」

アオイ「もう一度！」

タイカイデン「クァ！」ﾋﾞｭｱｱｱ


石化ゴーゴート「ギギガ……！」ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ


石化したゴーゴートは砂となって崩れ去った。


ネモ「やっぱり砂になっちゃった…」

ボタン「石化したポケモンを倒せばみんなああなってしまうみたいだね…」

ペパー「………」

ネモ「戦わないといけないのはわかるけど、もし砂になったポケモン達が元に戻れないなら…」

ボタン「うちらはポケモンを殺すことになる…」

ペパー「………」

アオイ「ボタン、そっち来てるよッ！」

ボタン「！」


石化パフュートン「グギギ……！」

石化パフュートン「グギギ……！」ﾋﾟｶｰｰｰｰﾝ


ボタン「わわっ…ど、どうすれば…！」

ネモ「ボタン、避けて！」

アオイ「くっ、間に合わない…！」

ペパー「ッ……！うおおおおおおおおお！」

ボタン「！？」

ペパー「出てこい、ヨクバリス！ボディプレス！」

ヨクバリス「バーリッ！」ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

石化パフュートン「……！？」

ペパー「いけッ！」

ヨクバリス「バーリッ！」ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ


石化パフュートン「グギギ……！」ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ


石化したパフュートンは砂となって崩れ去った。


ボタン「た、助かった…」

ネモ「ペパーがボタンを助けた…！」

アオイ「………」

ペパー「大丈夫か、ボタン」

ボタン「う、うん…ありがと」

アオイ「ペパー…」

ペパー「こうなったからには仕方ねぇ、俺も仲間を守る為に戦うよ」

アオイ「ありがとう」

ボタン「ごめんペパー…うち…」

ペパー「いいんだ、こんな状況になった以上覚悟を決めるしかねぇ…お前達もな」

ボタン「……！」

ネモ「……！」

ペパー「んで一旦襲ってきた奴らは倒したけどこのあとはどうする？」

アオイ「まずは、この近くにあるチャンプルタウンに行ってみたい。街で暮らす人やポケモンがどうなっているのかが気になる」

ペパー「よし、行こうぜ！」

コライドン(石化中)「」ｶﾁｰｰﾝ


アオイ「コライドン、石化の原因がわかったら必ず戻ってくる。それまで待っていてね」


コライドン(石化中)「………」ｶﾁｰｰﾝ


ネモ「コライドン……」

ボタン「………」

ペパー「………」

アオイ「じゃあ行こう、チャンプルタウンへ」

……………

ネモ「チャンプルタウンに着いたけど…」

ボタン「これは…」


住民A「」ｶﾁｰｰﾝ

住民B「」ｶﾁｰｰﾝ

住民C「」ｶﾁｰｰﾝ

ジョーイ「」ｶﾁｰｰﾝ

フレンドリーショップ店員「」ｶﾁｰｰﾝ


ペパー「住民がみんな石になってる…」

ネモ「それにポケモンが殆ど見当たらないね」

アオイ「恐らく、既に時間が経ったから動き出して街の外に出たんだろうね」

ボタン「ね、ねぇ」

アオイ「？」

ボタン「ポケモンは石化して暫くすると、あの光を使って他の人やポケモンを襲い出すみたいだけど、人間はただ石化するだけなんだよね？」

アオイ「この状況を見るに、そうだろうね」

ボタン「なんでなんだろう？ポケモンと人間、石化によってそれぞれ及ぼされる影響が違う」

アオイ「さぁ…その理由まではわからないけど」

ボタン「だよね…」

ネモ「あ、アレを見て…！」

アオイ「！」


アオキ「」ｶﾁｰｰﾝ

アオキ…

アオイ「チャンプルジムのアオキさん…」　

ネモ「アオキさんも石になっていたなんて…」

ボタン「ポケモントレーナーとして実力のある人でも、石化は避けられないんだ…」

ペパー「俺達はある程度状況を理解していたから、まだ良かったけど、突然この現象が発生したんだとしたら対応できないよな」

ネモ「あ、あれ、アオキさんの足元！モンスターボールが落ちている…」

ボタン「ほんとだ…！」

ﾎﾞﾑｯ

ムクホーク「ムクォ！」

アオイ「ムクホーク…！これはアオキさんのムクホークだ！」

ペパー「無事だったのか！」

アオイ「もしかしたら、アオキさんはムクホークを出して戦おうとした瞬間に石化してしまったのかもしれないね」

ムクホーク「ムクォ！」

ボタン「でも主人を失っちゃったし…これからどうするのムクホーク？」

ムクホーク「………」

アオイ「ムクホーク、私達と一緒にこない？力を貸してほしい」

ムクホーク「ムクォ！」

アオイ「ありがとう」

ネモ「よろしくねムクホーク！」

ペパー「頼もしい仲間が加わったな！」

ネモ「それでアオイ、これからどうする？」

アオイ「うん…やっぱりテーブルシティを目指すしかないんじゃないかな」

ペパー「テーブルシティは入り口の全てが扉で閉じられてるから、中にいる人は無事かもしれないからな」

ネモ「なるほど！」

ボタン「コライドンも居ないし、ここからだと少し距離があるけど…」

アオイ「………」

ペパー「俺達が力を合わせれば辿り着けるはずだ！」

ネモ「うん！私もみんなを守る為に戦うよ！」

ムクホーク「ムクォ！」

犯人はオモddddddddddddddddddddddddddd

>>14
はい石化

それから4人はテーブルシティに向かう為移動を開始した。

コライドンを失った今移動方法は徒歩のみ。

野生の石化ポケモンと戦いながら先に進むのだった。


《西2番エリア》

石化パフュートン「グギギ……！」

ペパー「ヨクバリス！」

ヨクバリス「バーリッ！」ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ


石化ハリテヤマ「ギガガ……！」

ネモ「パーモット！」

パーモット「パモー！」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ


石化チャーレム「ググル……！」

ボタン「ブラッキー！」

ブラッキー「ブラッ！」ｽﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ


石化モトトカゲ「ギゴゴ……！」

アオイ「タイカイデン！」

タイカイデン「クァ！」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ


石化ドクロッグ「ドガガ……！」

アオイ「まずい…！」

ムクホーク「ムクォ！」ﾋﾞｭｱｱｱ

アオイ「ありがとう、ムクホーク！」

ムクホーク「ムクォ！」

ドラクエ7のダイアラックみたいで怖い

《マリナードタウン》

ネモ「なんとかマリナードタウンまで辿り着けたね…」

ペパー「あぁ…チャンプルタウンからここまで、石化ポケモンだらけだったな」

ボタン「普通に3回は死んだ…」

アオイ「もう今日は暗くなってきたしここで休もうか」

ネモ「それにしても、ここの住民もみんな石化してしまったみたいだね」

ペパー「あぁ…」


住民A「」ｶﾁｰｰﾝ

住民B「」ｶﾁｰｰﾝ

住民C「」ｶﾁｰｰﾝ

ジョーイ「」ｶﾁｰｰﾝ

フレンドリーショップ店員「」ｶﾁｰｰﾝ


アオイ「だけど、街にいた石化ポケモンは一通り破壊したし、今は多少安全なはずだよ。油断は禁物だけどね」

ボタン「う、うん…」

ネモ「ねぇ、アオイ。私達ちゃんとテーブルシティまで行けるかな…？」

アオイ「正直確証はないけど…」

ネモ「そう…だよね…」

アオイ「今は少しでも生き残る確率を上げられるように行動するしかないと思う」

ペパー「そうだな」

アオイ「早速だけどネモ、さっき伝えたアレお願いできる？」

ネモ「うん、これで全部だよ」ｽｯｯ

ペパー「これは？」

アオイ「"まもる"のわざマシンだよ。今のこの世界において"まもる"は必須級の技だからね」

ボタン「こんなにたくさん…50個以上はあるよ…」

ネモ「ポケモン勝負でよく使うからいっぱい作っておいたんだ」

アオイ「さっきネモに頼んで用意してもらったんだけど、こんなに持ってるとは…流石バトルジャンキーだね」

ネモ「えへへ」

アオイ「みんな、自分の手持ちポケモン全員に"まもる"を覚えさせておこう。ここから生き抜くには絶対必要だから」

ペパー「わかった」

ボタン「うん」

アオイ「よし、あとはペパー。今の内にこの街にある食料をできるだけ集めてきてほしい」

ペパー「食料を？」

ネモ「どうして？」

アオイ「街がマトモに機能していない以上、私達は自給自足で生活するしかない。その為に街中から食材を回収する必要があると思ってね」

ネモ「なるほど！」

アオイ「それにもし、この状況がずっと続くのだとしたら、食料はどんどん枯渇していくことになる…他に生存者がどれだけいるのかは分からないけど、早めに食料を囲い込んでおかないと」

ボタン「確かにね」

ペパー「よし、じゃあ行ってくるぜ！」

ネモ「私も行くよ！マリナードタウンなら沢山食料が残っているはずだし！」

ペパー「あぁ！」

アオイ「頼むよ！」

ボタン「あ、そうだアオイ！」

アオイ「？」

ボタン「ちょっと気になることがあってさ…」

アオイ「なに？」

ボタン「さっきから、うちのスマホロトム…圏外になってるんだけど…」

アオイ「やっぱり、ボタンのスマホロトムもか」

ボタン「え？ということはまさか…」

アオイ「私のも圏外だよ。襲ってくるポケモンを倒すのに集中していて全然気付かなかったけど、もしかしたらパルデア中の電波が使えなくなっているのかもね」

ボタン「そんな…」

アオイ「確か私達がエリアゼロにいた時はまだ電波は使えたから、この数時間で何かしらのトラブルが起きたんだろうね」

ボタン「これじゃあスター団の仲間たちと連絡が取れない…」

アオイ「仕方がないよ」

ボタン「うん…」

アオイ「ペパー達が食料を探している間に、私達は寝る場所を確保しよう」

ボタン「寝る場所？」

アオイ「うん、まぁ寝る場所と言っても、石化している人の家を勝手に使わせてもらうしかないんだけどね」

支援

数時間後、4人はマリナードタウンのとある民家に集まっていた。


アオイ「よし、みんな揃ったね」

ペパー「食料はバッチリ確保してきたぜ」

ネモ「うん！これなら当分困らない！」

ボタン「今日の寝る場所(他人の家)も確保したしとりあえず安心かな」

アオイ「うん、それで明日からのことについて話しておきたい」

ネモ「このまままっすぐテーブルシティに向かうの？」

アオイ「いや、一度カラフシティまで行こうかなと思ってる」

ボタン「カラフシティに？」

アオイ「他の街の様子が気になるし、あそこは大きな街だから食料や道具が手に入りそうだからね」

ペパー「なるほどな！」

アオイ「みんなはそれでいい？」

ボタン「うん！」

ペパー「勿論だ！」

ネモ「アオイについていくよ！」

アオイ「ありがとう、カラフシティに行くにはロースト砂漠を抜ける必要がある。気を引き締めていくよ」

ボタン「そうだね」

ペパー「あそこで遭難したら一大事だ…」

アオイ「じゃあ今日はもう休もうか」

ペパー「だな！」

ボタン「うん！」

ネモ「おやすみ〜！」

アオイ「……」

皆が寝静まった頃アオイは1人民家の外へ出ていた。


アオイ「マスカーニャ、タイカイデン出てきて」

マスカーニャ「ニャ！」

タイカイデン「クァ！」

アオイ「少し外の様子を見に行きたい。協力してほしい」

マスカーニャ「ニャ！」

タイカイデン「クァ！」

アオイ「街には石化ポケモン達は見当たらないな…」ﾃｸﾃｸ

マスカーニャ「ニャ？」

タイカイデン「クァ」

アオイ「ん？」


石化ワナイダー「グガガ……！」

石化フローゼル「グロロ……！」

石化キルリア「ギギギ……！」


アオイ「(街の外はやはり石化ポケモンで溢れかえっていたか…)」

タイカイデン「クァ」

アオイ「(ここから先は危険だな。引き返そう)」


アオイが引き返そうとしたその瞬間、マスカーニャが石に躓いた。


ｺﾞﾂﾝｯ

マスカーニャ「ニャァァァ！？」ｺﾞﾃｯ

アオイ「(お、おい…マスカーニャ、静かに頼むよ。奴らに見つかったらマズイからさ)」

マスカーニャ「ニャ…」ﾃﾍﾍ

アオイ「ん…？」


石化ワナイダー「グガガガガガガガガガガガガガガ！」

石化フローゼル「グロロロロロロロロロロロロロロ！」

石化キルリア「ギギギギギギギギギギギギギギギギ！」


アオイ「ヤバイ！気づかれた！？」

アオイ「(なんでバレた…！？恐らく奴らに直接見られたわけではないはず…)」

アオイ「(まさか奴ら…音に反応して動いているのか！？)」


石化ワナイダー「グガガガガガガガガガガガガガガ！」

石化フローゼル「グロロロロロロロロロロロロロロ！」

石化キルリア「ギギギギギギギギギギギギギギギギ！」


アオイ「戦うしかないか…タイカイデン、ぼうふう！」
　
タイカイデン「クァ！」ﾋﾞｭｱｱｱ

石化ワナイダー「グガガガガガガガガ！！」

アオイ「効いていないッ！？」

石化ワナイダー「」ﾋﾟｶｰｰｰｰﾝ

アオイ「しまった！？」

ﾋﾟｶｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ

タイカイデン(石化)「」ｶﾁｰｰﾝ


アオイ「タイカイデンが石に…！？」

マスカーニャ「ニャニャニャ！？」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

アオイ「まさかコイツら…夜だと活動が活発になるのかッ…！？」

石化フローゼル「グロロロロロロロロロロロロロロ！」

アオイ「マスカーニャ、トリックフラワー！」

マスカーニャ「ニャ！」ｼｭﾊﾟｰｯｯ

石化フローゼル「グロロロロロロロロロロロロロロ！」

アオイ「やはり全然効いていない…！？」

石化フローゼル「」ﾋﾟｶｰｰｰｰﾝ

アオイ「マスカーニャ、まもる！」

マスカーニャ「ニャ！」


ﾋﾟｶｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ


ｶｷｰｰｰｰﾝ


アオイ「危なかった…！」

マスカーニャ「ニャ…！」

アオイ「(だけどどうする…！このまま民家に戻ったらみんなが危険…今のコイツらと戦って勝てる望みは薄い…！)」

マスカーニャ「ニャニャニャ」ﾋﾞｸﾋﾞｸ


石化ワナイダー「グガガガガガガガガガガガガガガ！」

石化フローゼル「グロロロロロロロロロロロロロロ！」

石化キルリア「ギギギギギギギギギギギギギギギギ！」


アオイ「待てよ…コイツらが本当に音に反応して行動しているなら…！」

マスカーニャ「ニャ？」

アオイ「出てきてハカドッグ！」

ハカドッグ「ワン！」

アオイ「すなあらし！」

ハカドッグ「ワン！」


ｻﾞｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧｧ


石化ワナイダー「グガガ……！？」

石化フローゼル「グロロ……！？」

石化キルリア「ギギギ……！？」


アオイ「よし！砂嵐の音で私達の気配が紛れている！」

ハカドッグ「ワン！」

アオイ「今の内に逃げるよ！」

ハカドッグ「ワン！」

マスカーニャ「ニャ！」

アオイ「(ごめん、タイカイデン……)」


アオイはなんとかその場から逃げおおせた。

支援

支援

翌朝

ネモ「ええっ！？アオイ昨日の夜、外に出たの！？」

ボタン「しかも、アオイのタイカイデンが石化…」

アオイ「………」

ペパー「おいアオイ！なんでそんなことを！」

アオイ「少しでも奴らの情報を得たかったんだ…」　

ペパー「だとしても危険すぎるだろ…！実際にタイカイデンが石になっちまったんだし…！」

アオイ「ごめん…」

ネモ「ペパー、そんなにアオイを責めないであげて」
　　　
ボタン「うん、うちらの為に奴らのことを探ろうとしてくれたんだし…」
　
ペパー「いいや、これはハッキリさせておくべきだろ。今のこの世界では単独行動は避けるべきだ！」

アオイ「………」

ネモ「ペパー…」

ボタン「そんなに言わんでも…」

アオイ「いいや、ペパーの言う通りだよ。少し先走りすぎた」

ペパー「………」

ネモ「アオイ…」

ボタン「ででで、でも！得られた情報もあったんでしょ？」

アオイ「あぁ。恐らくあの石像達は"音"に反応して行動している」

ネモ「音に？」

ボタン「どうして？」

アオイ「昨日、恐らく私は奴らに姿を見られていないのに襲われた…あの時奴らはマスカーニャが石に躓いた音に反応したんだ」

ペパー「なるほどな」

ネモ「私達がここまで来る時石化ポケモン達は目で見た敵を襲っているものだと思ったけど、違ったんだ…」

ボタン「もしそれなら、音を立てずに隠れながら進めば石化ポケモン達にバレることはない…？」

アオイ「多分ね」

ペパー「それは確かに重要な情報だな」

アオイ「それともう一つ、奴らは夜になると凶暴化する」

ネモ「凶暴化…！？」

ボタン「な、なに凶暴化って…」

アオイ「昨日の夜あの石像達と出会った時、明らかに様子がおかしかった。襲いくるスピードも、耐久力も桁違いだったんだ」

ペパー「それが凶暴化か…」

アオイ「昨日夜になる前にマリナードタウン中の石化ポケモン達は一掃したけど、特におかしい様子は無かったしアレはきっと夜になった影響だと思う」

ネモ「なるほど…」

ボタン「じゃあ夜に外に出るのは危険…」

ペパー「昨日はすぐに寝床を発見できたが、これから寝る場所は慎重に選ばないと行けないな」

ネモ「……」

ボタン「……ね、ねぇ、これからほんとにカラフシティに行くの？」

アオイ「えっ？」

ボタン「あ、いや、その、外の世界がそこまで危険なら、このマリナードタウンで助けを待つっていうのは…？」

ネモ「確かに…昼間でも、あの石化の光を浴びてしまう危険性はあるし…」

ボタン「う、うん、ここに残っていた方が安全かなって」

アオイ「それは確かにそうだけど、助けが来るという保証はどこにもない」

ペパー「それに、他に生存者がどれだけいるかわからない…。パルデア中の様子を知る為には外に出るしかないだろ？」

ネモ「そうだったね」

ボタン「そっか…いくしかないか…」

アオイ「あぁ…まずは予定通りカラフシティに行こう」

ネモ「うん…」

ボタン「わかった…」

ペパー「よし、用意ができたら出発だな」

アオイ「みんな、準備はしっかりね。特に手持ちポケモンの体力はしっかり回復させておこう」

《ロースト砂漠》

アオイ「ここを抜けたらカラフシティだ。一気に行くよ！」

ネモ「うん！」

　　　　
石化ヒポポタス「グポポポ……！！」

ペパー「ヨクバリス！」

ヨクバリス「バーリッ！」ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ


石化アノクサ「グゴゴゴ……！！」

ネモ「パーモット！」

パーモット「パモー！」ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ


石化ヒラヒナ「ギョリリリ……！！」

ボタン「ブラッキー！」

ブラッキー「ブラッ！」ｽﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ


石化イシヘンジン「ドゴゴゴ……！！」

アオイ「ハカドッグ！」

ハカドッグ「ワンッ！」ｶﾞﾌﾞｶﾞﾌﾞ


石化メラルバ「ババババ……！！」

アオイ「ムクホーク、お願い！」

ムクホーク「ムクォ！」ﾋﾞｭｱｱｱ


アオイ「さあみんな走って！」

ボタン「う、うん！」

ネモ「ぜぇぜぇ…」

《カラフシティ》

住民A「」ｶﾁｰｰﾝ

住民B「」ｶﾁｰｰﾝ

住民C「」ｶﾁｰｰﾝ

住民D「」ｶﾁｰｰﾝ

住民E「」ｶﾁｰｰﾝ


アオイ「ここの人達も石化している…」

ボタン「やっぱりもう生存者なんていないんじゃ…」

ネモ「ちょっと！ボタン！」

ボタン「ご、ごめん…」

ペパー「うん？だが…」

ボタン「どしたん？」

ペパー「この"ラッキーズ"、店の品物が妙に散らばっている…」

ネモ「ほんとだ…」

アオイ「こっちの飲食店もだよ。まるで誰かに荒らされたような……それとも何者かが食料集めていたのかもしれない」

ボタン「誰かって、誰？」

アオイ「わからないけど、もしかしたらこの街に生存者がいるのかもしれない」

ボタン「生存者が…」


ピーニャ「あれ、ボタンじゃん？」


ボタン「えっ！ピーちゃん！？」

アオイ「ピーニャ！」

スター団したっぱA「マジボスさんだ！」

スター団したっぱB「おー！」

ペパー「知り合いか？」

アオイ「ボタンが所属しているスター団の仲間だよ」

ネモ「生存者が…やっと見つけた！」

ボタン「ピーちゃん無事だったんだね！」

ピーニャ「ボタンも！」

支援

ピーニャ「良かった！無事でほんとに良かった！」

ボタン「うん！ピーちゃんはスター団のしたっぱ達と一緒に逃げてたの？」

ピーニャ「あー…いや、実はカラフジムのハイダイさんに助けてもらったんだ」

アオイ「ハイダイさん！？ハイダイさんも無事なの？」

ピーニャ「うん、石化騒動が起きて状況を見たハイダイさんが、カラフジムを一時的な"シェルター"として解放してくれて、今みんなでそこに避難してるんだ！」

アオイ「なるほど」

ネモ「シェルター？」

ペパー「そこは無事なのか？」

ピーニャ「勿論だよ！僕達はシェルターに食料や物資を集める為に今カラフシティ中を回っている最中だったんだ」　

アオイ「じゃあ店から物資を取ったのはピーニャ達だったのか…」

ピーニャ「うん、とりあえずボタン達も"シェルター"に来なよ！きっとハイダイさんなら歓迎してくれるはず！」

スター団したっぱA「えぇ！」

スター団したっぱB「一緒に避難しましょう！」

ボタン「わかった！アオイ、いいよね？」

アオイ「……そうだね。一先ずそのシェルターに行ってみようか」

ペパー「よし！」

ネモ「行こう！」

支援

続きが気になる。
支援

支援

しえん

しえん
そしてあげ