【SS】ようこそ！パルデア入国研修センター

〜アカデミー　校長室〜

ハルト「失礼しまーす」ｶﾞﾁｬ

クラベル「…あ、皆さんどうも。忙しい所すみませんね」

ネモ「校長、それにトップまで！わたし達四人に何か…」

オモダカ「実は貴方がた四人に、とある施設の視察に赴いていただきたいのです」

オモダカ「その名も、パルデア入国研修センター」

ペパー「入国研修…？聞いたことないぜ」

ボタン「あたしは…チラッと聞いたような？リーグで働いてる時」

オモダカ「知らないのも無理からぬこと。一般公表は来月を予定しておりますので」

クラベル「宝探しでパルデアを回ったあなた達は、この地方に住むポケモンの種類については大凡把握していることでしょう」

クラベル「他の地方で生息しているポケモンがいなかったり、持ち込みが制限されていたり…ガラル出身のボタンさんなら分かりやすいでしょうか」

ボタン「はい。ガラルでもそういうことあったし」

オモダカ「そうしたポケモンをパルデアで住まわせ、活躍させたい。それをポケモンの方から望む事例も多く」

オモダカ「彼らがパルデア入りしても問題ないか否か？それを審査し、またそうできるだけの能力を育成する施設こそが、パルデア入国研修センターなのです」

ボタンの一人称「あたし」だっけ･･･
「うち」じゃなかったっけ

ネモ「それってパルデアにいないポケモンがたくさんいるってことですか？すごい！ワクワクしちゃう！」

オモダカ「ええ。パルデアにいないポケモンと交流できる、レジャー施設としての運用も想定しています」

クラベル「ポケモンさん達の教材作製にはアカデミーが協力しているのです。それから、先生方にもたまに講師として参加していただいておりまして」

クラベル「今度は生徒代表として、あなた達四人にも一度センターを見ていただければ、お互いよい刺激になるかと」

ボタン「う、うちが代表！？マジプレッシャー…PPの減りヤバい…」

オモダカ「そう肩肘を張らずとも。是非楽しんできてください」

ハルト「僕は行きたいです！」

ネモ「もちろんわたしも！二人はどう？」

ペパー「それなら俺も。パルデアの外にいるポケモンにも、食材になる素材を持ってるのが結構いるって聞くしな…」

ボタン「う〜ん…まぁ、懐かしい顔に会えると思えば、いっかな？」

クラベル「申し出を受けてくれてありがとうございます。すぐ手配を進めますので、どうかよい旅を」

〜研修センター行き　リニア〜

リーグ職員男「どうです？進捗の方は」

リーグ職員女「なにぶんデータが多いですから。あそこのポケモン達に手伝ってもらってどうにか…」


リングマ「それじゃあパパはいつもの厨房にいるからな。仲良く遊んで待ってるんだぞ」

ヒメグマ「はーい！今度はどんなポケモン会えるかなぁ？ね、楽しみだね」

ミニーブ「楽しみ」ﾆｺﾆｺ


ボタン「リーグの人と…パルデアにいるポケモンも乗ってるんだ」

ジニア「センターで働いてる人やポケモンもいますからねえ。みんなこのリニアに乗ってるんですね」

ハルト「ジニア先生は講師として？」

ジニア「そうなんですよお。教師として教えるばかりでなく、外のポケモン達から教わることも多いですからねえ。今からドキドキするなあ！」

ペパー「駅弁買ってきたぞー。まだ少しかかるからこれで腹ごしらえだ」

ネモ「ありがと！…あ、そうだ。センターの紹介ビデオが座席で見られるらしいけど、折角だし見る？」

ハルト「見よう見よう」ﾎﾟﾁｯﾄﾅ

ナレーション「新たな挑戦に続く一歩…パルデア入国研修センターは、その背中を押す一助となりたい」

『パルデア入国研修センター　紹介ビデオ』

ナレーション「パルデア地方を望む某島。この島の敷地全体が研修センターとして、パルデア入国を目指すポケモン達が暮らし、学び、働く場となっているのです」

(施設に入っていくドローンロトム)

ナレーション「センターの寮は完全個室制。さらに起床確認によって規則正しい生活を送ることができます」


ヒヤッキー「おっは〜〜〜。気持ちのいい朝だぞ〜〜〜ん」

※朝7時30分になると自動解錠します。

エイパム「んぐぅ………あと30分…29分でいいから…」

ヒヤッキー「んなこと言ったら怒られちゃうんだぞ〜〜〜。それ〜」

ﾄﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ！！
(股に挟んだ尻尾から放水)

エイパム「ぶっ！ごばはっ！やめ…ってオイ！どんな体勢で水出してやがるんだコイツ！ぶは…！」

ナレーション「寮の側にはバトルを始め、様々な催し物に使用できる広場」


フェローチェ「拳を天に突き上げるようにして、ひこうZの運動ー！」ｸﾞｲｰｯ

フェローチェ「いち、にー、さん、しー、脇を伸ばしてー」

マッシブーン「そこから背筋と上腕二頭筋を見せつけるようにぃ、いわZの運動！！」

マッシブーン「いいぞぉ、キレてる！キレてるよぉ！！このまま体勢を変えてサイド・チェストの運d」

フェローチェ「はいそこの筋肉モスキート変なアレンジしなーい」


ナレーション「本館のエントランスにある巨大電光掲示板。センターの目玉とも呼ぶべきこの設備には、センターで受けることのできる各種講習、受託できる業務、そしてレクリエーションが毎日更新され、受付から申し込むことができます」


サワロ「諸君、具はあらかた載せ終わったかな？それでは最後の仕上げだ。パンを上に重ねて完成だぞ！」

ガメノデス「よし、これでようやく完全だからな。とちるなよ」

カイリキー「あ、ああ…分かってる」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

ガメノデス「もっと角度変えたほうがいいんじゃないか」

カイリキー「いや、そこは俺の匙加減で…」

ガメノデス「………」

カイリキー「………」

ﾎﾞ ﾄ ｯ

ガメノデス「だぁーっ！？この馬鹿！無駄にたくさん腕持っててなんでミスるんだよ！！」

カイリキー「うっ、うるさい！お前が横からやいのやいの言うから！」

レホール「…近年、そのエリアゼロ内部において多数確認されているのが、このパラドックスポケモン。現在生息しているポケモンに酷似しているこれらポケモン群は、それぞれ古代と未来から来たポケモンという見解があり…」

ゲノセクト「古代…未来…古より続く古代の姿…未来を表す機械の姿…」

ゲノセクト「我は古代の虫ポケモン…しかし機械の身体…そして我が生きるのは現代…我は…我は一体………！？」ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ

マダツボミ「すみません！ゲノセクトさん気分悪いみたいです！」

〜〜〜〜〜〜〜〜

レジスチル「使えない部品は横の箱に入れてねー」

ギアル「使える…使える…ダメ…使える…」

マイナン「使える…使える…つか、ダメ…」

ギアル「使える、つか、ああっ！？」(ベルトコンベアに流されていく)

マイナン「使える…つか…？」

ギアル「………」

マイナン「………ダメ？」

ギアル「おい」

〜〜〜〜〜〜〜〜

ナレーション「島の一画には、パルデアからの人やポケモンの宿泊施設も開設予定。さらに審査に合格すれば、センターへの移住も認められます」


ケンタロス「仕事がきっかけで来たのですが、まさか生涯の伴侶に出会えるとは思っていませんでした！」

ミルタンク「このセンターでキャリアアップをしながら、夫と仲良く暮らしたいです。子供…しこたま欲しいな♡」ｶｧｧｯ

ケンタロス「ばっ…！お前ね、カメラの前で言うんじゃないよそんなこと///」

あっ…………………

〜〜〜〜〜〜〜〜

ナレーション「施設運営にご協力いただいているアカデミーのクラベル校長にお話を伺いました」


クラベル「センターでの経験は、パルデア入りという目的のための手段だけでなく、それ自体が一つの目的となることを目的としています」

クラベル「大変嬉しいことに、センターでスキルを磨きたい、学びに身を投じたいと申し出ていただくポケモンさん達も多いです。私どもとしましても、パルデアで培われた知識に、地方外の皆さんが触れていただくことは望外の喜びです」

クラベル「パルデアと外がセンターで繋がり、学びと経験の輪が世界中に広がるよう、これからも支援させていただきたいと思います」


ナレーション「さぁ、あなたもパルデア入国研修センターへ！ここでしか出来ない体験が、貴方を待っています！」

ｱｵｷｻﾝ、ﾄﾞﾅｲﾔｯﾀｳﾁﾉﾅﾚｰｼｮﾝ？
ﾏｧﾖｶｯﾀﾉﾃﾞﾊﾅｲﾃﾞｽｶ｡

ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾊﾟﾝﾎﾟｰｰｰﾝ
車内放送「まもなく、パルデア入国研修センター。パルデア入国研修センターでございます。お忘れ物のなきよう…」

ジニア「到着みたいですねえ。皆さん気をつけて降りましょう」

ハルト「いよいよか。どんな感じなんだろう…」

〜研修センター　正面入り口〜

ハルト「うわっ、広いなー！！本当に島全体がセンターになってるんだ」

ボタン「向こうが研修希望者の住む寮で、あっちが観光客の宿泊施設。デカい畑とかバトルコート、博物館に観覧車まであるらしいよ」

ネモ「ホウエンやシンオウのバトルフロンティアみたい！」

ブルー「…？」ｼﾞｰｰｰｯ

ジニア「物陰にようせいポケモンのブルーがいますねえ。主にジョウト地方に住んでるポケモンですよ」

スワンナ「〜♪」ﾊﾞｯｻﾊﾞｯｻﾊﾞｯｻ

ネモ「あれは…スワンナ、だ。写真や映像でしか見たことないポケモンがいっぱい！」

ﾎﾟﾃﾎﾟﾃ

「見学希望者さん来てくれたのですか？」

ペパー「ん、んん？生クリームみたいなポケモンが迎えに来たぞ」

マホイップ「センターを案内するマホイップなのです。ちょっと長いのでマホと呼んでほしいのです」ﾍﾟｺﾘ

ペパー「見ただけでも伝わってくるぜ、クリームの程よい甘さと舌触りのよさが！」

ボタン「マホイップか、懐かしいわ〜。地元だとパティシエさんとかパーティに入れてるんよね」

マホイップ「わ、ガラルの人？会えて嬉しいのです。握手」ﾆｷﾞﾆｷﾞ

ハルト「マホちゃんが僕らを案内してくれるって本当？」

マホイップ「なのです」

マホイップ「まずはエントランス・ゲートにレッツゴーですよー」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

ペパー(このセンターってポケモンも働いてるのか？)

〜エントランス・ゲート〜

ポリゴン「こちら出入管理受付です。ようこそお越しくださいましたアカデミーの皆さん！早速ですがスマホロトムを出してくださいね」

(トレーに並べられた五人分のスマホロトム)

ポリゴン「それでは登録手続きの方失礼しまーす…それっ！」

ｻｰｰｰｰｰｯ……

ハルト「え、消えた？」

ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁ！！
スマホロトム「ピガーーーーーーーーー！！」

ネモ「ひゃあっ！スマホが！？」

ジニア「ポリゴンというポケモンは体を電子化して、電脳空間を自由に行き来できるんですねえ」

ジニア「スマホの中のプログラム、つまりはロトム本体と格闘してるのかなあ」

ペパー「ス、スマホ無事なんですかそれ！？」

ｼｭｳｳｳｳｳｳｳｳｳｳ……

ポリゴン「ぜぇ、ぜぇ…お、お待たせしました…。センターで使える専用アプリを、うう、インストールいたしました。この島の地図、決済システム、研修の受講受付や緊急連絡等、島で必要な機能は全部入ってますので。ごほっ」

ボタン「毎回毎回そんな痛い思いしないとダメなわけ…？」

ポリゴン「元々ポリゴンフォン向けのアプリだったので…最適化にはこれが一番、ですから…ちょっと交代の人呼んでくるから、マホちゃん案内よろしくね」

マホイップ「いつもお疲れ様なのです。後で差し入れ持ってくのです」

ネモ「ねぇねぇ。さっきから気になってたんだけど、ここってポケモンがすごく働いてるよね。ポケモンセンターのお手伝いするラッキーとかは知ってるけど」

ペパー「俺も思った！まるでポケモンが運営してるみたいだよな。ほら、あそこ」


エリキテル「おやびんおやびん！ソーラー充電完了！いつでもいけるよーーー」

エレブー「おし！チャージの時は電圧気をつけろよ、停電起こして大目玉はもうごめんだい」


スバメ「はい！このゴミ捨てるのよろしくね」

ダストダス「ちょっとちょっと、ダメだぞ！紙とプラスチックは分けてから出してね」

スバメ「ええ〜？おんなじゴミなのに」ｶﾞｻｶﾞｻ


マホイップ「ふっふっふ、実はそうなのです。このセンターを作ったのはパルデアのリーグ職員さんだけど…」

マホイップ「とっても忙しくて大変だから、色んなお仕事をここにいるポケモンで回してるのです」

マホイップ「ご飯を作ったり、お水を通したり、お店を開いたり、お家を直したり…色々やってるのです」

ボタン「研修のプログラムとか考えるのはリーグだけど、実質的にここを動かしてるのはポケモン達ってこと？」

マホイップ「しっかりリーグからお給料ももらえるですよ」

〜本館　エントランス〜

マホイップ「講習やお仕事はここから受けられるですよ〜」

ネモ「あ！紹介ビデオの電光掲示板てあれじゃない？本当に大っきい！」

ペパー「アカデミーの受付にあるのと同じ立体式だ。それの20枚分は余裕で超えてるけど」

カラカラ「興味のある講習や業務があれば、当受付かインストール済みアプリから申し込みくださいね」

ハルト「今日やってるのは…」

【本日のスケジュール案内】

◇講習
・実戦型バトルシミュレーション(制式ルール)
・ポケモン生物学　講師:ジニア先生
・モトトカゲ騎乗訓練(実地)
・リーグ運営概論　カロス地方編
・ツボツボと学ぶきのみの活用術

◇委託業務
・リーグ支払報酬　基礎データ入力作業
・ポケモンセンター用　回復装置部品組み立て
・曰く付き品お祓い(ゴースト、エスパーポケモンのみ)
・本館購買品出し
・化石発掘、クリーニング作業
・天候データ収集(ひこうポケモン推奨)

◇イベント
・パルデアの誇るヒーロー、イルカマンがやってくる！特別撮影会
・エクササイズで追求する健康美　講師:ベイクジムリーダー・リップ(リモート)

◇重要事項伝達
・今日は秋季入国内定ポケモン壮行会の開催日です。内定者、主催、設営、音響、警備等の関係者は、13時に本館二階のミーティングルームに集合してください。

〜〜〜〜〜〜〜〜

ハルト「ほ、本当に色々やってるんだね」

ペパー「ポケモンセンターのあれってここで作ってるのか？」

ボタン「リーグの支払い報酬…まさか…」

カラカラ「ちなみに表示されているのは本日募集開始の講習や業務、イベントですので」

カラカラ「恒常的に開催されるものにつきましては別途お申し込みいただけますよ」

ジニア「僕は講習の準備をしてきますねえ。また後でお会いしましょう」ｽﾀｽﾀ

マホイップ「行きたい所があればマホがどこでも案内するのです。アカデミーの人が来てくれるって聞いて、みんなもワクワクしてるですよ♪」

ネモ「どうしよー、よかったら別行動で好きな所見て回る？わたしはバトルの講習見学したいけど、皆はそれ以外に行きたいかもだし」

ボタン「あ、いいかもねそれ。賛成(こんな所でイルカマン会えるとかツイてる〜♪顔見知りに会うこともないだろうし)

ハルト「それじゃあ僕はね…」


「………」ｼﾞｰｰｰｯ

「…チッ、勝ち組が…」